説明

光増幅装置

【課題】FPGAの数を増やすことなく、光増幅の制御とFPGAのアップデートを両立するための光増幅装置を提供する。
【解決手段】CPU11と、制御回路17,18と、第1記憶部14と、第1記憶部14内のプログラムに基づいてアップデート可能なゲートアレイ12と、ゲートアレイ12と回路17,18の間に設置され、アップデートの作業開始信号をCPU11から受けた後からアップデートを終了する間は、ゲートアレイ12から回路17,18への信号経路を遮断するとともに、該遮断前においてゲートアレイ12に記憶されたパラメータに基づいて回路17,18を制御するラッチ制御手段13と、少なくともアップデートの開始から終了の間において、アップデートの前にゲートアレイ12に記憶された各種のパラメータを記憶する第2記憶部16とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置に関し、より詳しくは、FPGAを用いた制御部を有する光増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
波長の異なる複数の光信号を波長多重して1心の光伝送路に同時に伝送させる波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)システムなどにおいては、光伝送路中に取り付けた光増幅装置により光信号のパワーを調整してシングルモード光ファイバ(SMF)や分散シフト光ファイバ(DSF)からなる光伝送路に光信号を送信するような構成が採用されている。
【0003】
光増幅装置は、光伝送路の途中に接続されるエレビウム添加ファイバ(EDF:Erbium Doped Fiber)と、エレビウム添加ファイバを光励起する励起レーザダイオード(LD:Laser Diode)と、エレビウム添加ファイバの入出力光をモニタする2つのフォトダイオード(PD)と、2つのフォトダイオードの各出力に基づいて励起レーザダイオードの駆動電流を制御する制御部とを有している。
【0004】
図6は光増幅装置の制御部の一例を示す回路図であって、その制御部100は、励起レーザダイオードの駆動電流を制御するLD回路111と、EDFヒータの温度を制御するヒータ回路112と、フォトダイオードの検出信号を入力するPD回路113と、CPU101を介してユーザインターフェース102から入力したプログラムなどを保持するコンフィグレーション(Configuration) ROM103と、LD回路111、ヒータ回路112等を制御するFPGA(Field Programmable Gate Array)104と、FPGA104からLD回路111、ヒータ回路112等への信号をDA変換するとともにPD回路113等からFPGA104への信号をAD変換するADC・DAC105と、その他の回路とから構成されている。
【0005】
そのような制御部において、ファームウェアであるCPU101、FPGA104についてはそれぞれプログラムを書き換えることにより機能の向上、改善を図ることができる。
FPGA104のアップデートにおいては、コンフィグレーションROM103がユーザインターフェース102からプログラム等のデータを受け取って格納した後に、CPU101からのアップデートの要求を受けてFPGA104がコンフィグレーションROM103内のデータを用いてプログラムを書き換える仕組みとなっていて、その書き換えに要する時間は例えば約1秒である。また、プログラムの書き換えの際にはFPGA104内の各種パラメータもリセットされるので、CPU101を介して各種パラメータも書き換えられることになる。
【0006】
FPGAのプログラムの書き込みにコンフィグレーション素子を用いることについては、例えば下記の非特許文献1に記載されている。
しかし、FPGA104のアップデートを行っている間は、FPGA104はPD回路113を介したフォトダイオードのモニタや、LD回路111、ヒータ回路112を介したLD駆動電流、温度制御などのような各種制御動作を行うことはできない。
【0007】
これに対して、下記の特許文献1には、機械を制御する2つのプログラマブル・コントローラを使用することによって、一方のプログラマブル・コントローラは機械を活性に制御し、その間に他方のプログラマブル・コントローラはバックアップ・モードにあり、かつ一方のプログラマブル・コントローラが障害状態になった場合は他方のプログラマブル・コントローラが機械の制御を引き継ぐことができることが記載されている。
【0008】
そこで、光増幅装置の制御回路において、特許文献1に記載の構成を採用して2つのFPGAを使用し、一方のFPGAにおいてプログラムのアップデート中に他方のFPGAによりフォトダイオードのモニタやLD駆動電流、温度制御などの指示といった各種動作を行わせることも可能である。
【非特許文献1】Cyclone Device Handbook, Volume1, p.13-9, Altera Corporation, August 2005
【特許文献1】特開平6−51802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図6に示す構成において、光増幅装置の動作中にFPGA104のアップデートを行えば、その間にFPGA104による各種動作を行うことはできないので、光増幅装置内を伝搬する光信号の制御に瞬断が生じ、通信に異常が発生するおそれがある。しかも、FPGA104内の各種パラメータが消去されるので、これを新たに書き込む必要があり手間がかかる。
これに対し、特許文献1に記載されているように2つのFPGAを使用すれば光増幅装置の制御が瞬断されるおそれはなくなるが、装置が大型化し且つ高価になる。
【0010】
本発明の目的は、FPGAの数を増やすことなく、光増幅の制御とFPGAのアップデートを両立するための光増幅装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、各種信号を処理するCPUと、光増幅の制御に必要な複数のデバイスを制御する回路と、 ユーザから供給されるプログラムを記憶する第1の記憶部と、前記デバイスを制御する各種のパラメータを記憶するとともに、前記CPUを介して送られる前記第1の記憶部内の前記プログラムに基づいてアップデートが可能なゲートアレイと、前記ゲートアレイと前記回路の間に設置され、前記アップデートの作業開始信号を前記CPUから受けた後から前記アップデートを終了する間は、前記ゲートアレイから前記回路への信号経路を遮断するとともに、該遮断前において前記ゲートアレイに記憶された前記パラメータに基づいて前記回路を制御するラッチ制御手段と、少なくとも前記アップデートの開始から終了の間において、前記アップデートの前に前記ゲートアレイに記憶された前記各種のパラメータを記憶する第2の記憶部と、を有することを特徴とする光増幅装置である。
【0012】
本発明の第2の態様は、前記第1の態様の光増幅装置において、前記デバイスは少なくとも光励起用のレーザダイオードを有し、前記回路は少なくとも前記レーザダイオードの駆動電流を設定するレーザダイオード回路であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様は、前記第2の態様の光増幅装置において、前記ラッチ手段は、前記アップデートを開始する前に前記レーザダイオードの前記駆動電流を連続して所定回数で測定して平均化して算出した平均値を前記ゲートアレイから取得し、前記アップデートを実施している時間には前記平均値で前記レーザダイオードを駆動する構成を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様は、前記第3の態様の光増幅装置において、前記ゲートアレイから出力されるディザ信号をオフした後に、前記ゲートアレイは前記駆動電流を連続して前記所定回数で測定して前記平均値を算出することを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様は、前記第1乃至第4の態様のいずれかの光増幅装置において、前記複数のデバイスは光ファイバを伝搬する光信号をモニタするモニタ素子を有し、前記モニタ素子の検出信号はアナログデジタルコンバータを介して前記CPUに接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ファームウェアであるゲートアレイをアップデートする場合に、ゲートアレイによる各デバイスの制御をラッチ手段によって代行させるとともに、ゲートアレイに記憶された各種パラメータを一時的に別の記憶部にバックアップさせるようにしたので、1つのゲートアレイのアップデート中にも光増幅動作を正常に制御することができるとともに、アップデート中にゲートアレイから消去される各種パラメータを容易に復元することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光増幅装置を示す構成図である。
図1において、光伝送路に接続されるエレビウム添加光ファイバ(EDF)1とこのEDF1に接続される第1の光カプラ2とを含む光増幅器3と、第1の光カプラ2を介してEDF1に光励起エネルギーを照射する励起レーザダイオード(LD)4と、EDF1に入力する光信号を第2の光カプラ5を介して受光して光電変換する第1のフォトダイオード(PD)6と、光増幅器3から出力する光信号を第3の光カプラ7を介して受光して光電変換する第2のフォトダイオード(PD)8と、EDF1の温度を制御するヒータ9と、第1、第2のフォトダイオード6,8から電気信号を入力するとともにそれらの電気信号に基づいて励起レーザダイオード4の駆動電流を制御したりヒータ9の温度を制御したりする制御部10とを有している。
【0018】
制御部10は、図2に示すように、各デバイス間のデータを入出力したり各デバイスの動作を制御する等の処理を行ったりするCPU11と、励起レーザダイオード4、ヒータ9等を制御するプログラムが書き換え可能に書き込まれ且つ各種データ、各種パラメータを記憶するFPGA12と、FPGA12から所定の動作モードで出力される制御信号をそのまま通過させるか或いは予め設定されたデータに基づくACC(Auto Current Control)モード制御信号を出力するかをCPU11の指令に基づいて選択して出力するラッチIC13と、プログラム及びその他のデータを格納するフラッシュROM(Flash Random Access Memory)14と、CPU11を介してプログラムを外部からフラッシュROM14に格納させるユーザインターフェース15と、FPGA12に記憶された各種パラメータのデータをCPU11の処理により一時的に記憶するSRAM(Static Random Access Memory)16と、励起レーザダイオード4の駆動電流を設定するLD回路17と、ヒータ9の加熱温度を設定するヒータ回路18と、フォトダイオード4,6の出力信号を入力するPD回路19と、ラッチIC13から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換してLD回路17やヒータ回路18に出力するDAコンバータ20と、PD回路19から入力したアナログ信号をデジタル信号に変換してFPGA12及びCPU11に出力するADコンバータ21と、ラッチIC13から出力される表示信号等を中継する出力インターフェース22等を有している。
【0019】
FPGA12は、図3に示すように、共有メモリ12a、AGC制御用計算ブロック12b、及びセレクタ12cを有している。
共有メモリ12aは、励起レーザダイオード4に駆動電流、ディザ(Dither)信号を流すためにLD回路17に出力するパラメータと、ヒータ9の温度を制御するためにヒータ回路18に出力するパラメータと、外部表示のために外部インターフェース22に出力するパラメータと、ACCモードかAGC(Auto Gain Control)モードのいずれかの制御モードの選択信号と、制御モードの目標値と、ADコンバータ21を介してPD回路19から入力するフォトダイオード6,8の検出値などの各種パラメータや各種データを記憶するとともに、CPU11からの信号により制御モードを設定する信号を出力したり、ACCモード又はAGCモードの制御目標値を出力する構成となっている。
【0020】
また、AGC制御用計算ブロック12bは、ユーザインターフェース15からフラッシュROM14にプログラムのデータが送られる前の状態において、CPU11からの制御信号によりAGCモードで光増幅を制御するためにAGC制御用の各種パラメータを計算する構成を有している。例えば、ADCコンバータ21を介してPD回路19から入力するフォトダイオード6,8の検出値に基づいて光信号の入出力パワーの利得目標値に近づくように励起レーザダイオード4の駆動電流などの各パラメータを計算し、その計算により求められたAGC制御目標値を共通メモリ12aへ出力するとともに、その計算結果により求められた制御目標値をセレクタ12cに送信する構成となっている。
【0021】
セレクタ12cは、共有メモリ12aからの制御モード信号に基づいて、ACC制御目標値かAGC制御目標値のいずれかを選択してラッチIC20に出力するように構成されている。なお、ACC制御目標値は、励起レーザダイオード4から出力される光パワーが一定になるように駆動電流、ディザ信号等を制御するためのパラメータである。
次に、上述した光増幅装置の制御部10におけるFPGA12のプログラムのアップデートについて説明する。
【0022】
まず、制御部10は、アップデート前のプログラムに従ってAGCモードで動作する。即ち、図3に示すFPGA12において、共有メモリ12aからセレクタ12cに制御モードとしてAGCモードを設定する信号を送信するとともに、共有メモリ12aから送られるAGC制御目標値を選択して、AGCモードで所定の利得が得られるようにラッチIC13を介してLD回路17、ヒータ回路18等を制御する。
【0023】
AGC目標値は、ADコンバータ21から入力した第1、第2のフォトダイオード6,8の各検出値と各種パラメータに基づいて計算した利得が目標値となるようにAGC制御用ブロック12bにより計算され、これにより得られたパラメータの目標値をセレクタ12cからラッチIC13に出力する。この場合、ラッチIC13では、CPU11からの指令によりFPGA12から出力された目標値をそのまま通過させて出力インターフェース22に出力したり、DAコンバータ20を介してLD回路17やヒータ回路18に出力したりする。
【0024】
これにより、LD回路17からは、励起レーザダイオード4を駆動する電流やディザ信号が出力、さらに、ヒータ回路18からはヒータ9の温度を調整する制御信号が出力される。また、出力インターフェース22からは表示装置などを制御する信号が出力される。
そのようなAGCモードでの動作中に、ユーザインターフェース15からアップデート用のプログラムが制御部10に出力されると、制御部10内のCPU11はユーザインターフェース15から出力されたプログラムをフラッシュROM14に格納するとともに、図4に示すフローに従ってFPGA12を制御する。
【0025】
図4において、まず、FPGA12によるAGCモードの制御においてディザ信号により励起レーザダイオード4を制御しているかどうか判断し(図4のS1)、ディザ信号による制御を行っている場合にはディザ信号の振幅及び周波数の指定値を‘0’に設定する(図4のS2)。
この後に、AGC制御用計算ブロック12bにより計算された励起レーザダイオード4の駆動電流の目標値を共通メモリ12aにより連続して例えば512回読み取らせ、それらの値の平均値を求め、その平均値をACCモード動作時における励起レーザダイオード4の駆動電流の目標値とする(図4のS3)。この場合、共通メモリ12aにより駆動電流の目標値を連続して読み取る際には、ディザ信号を無効としているので、測定タイミングにより目標値の計算にばらつきが発生しにくくなる。
【0026】
さらに、FPGA12の内部で計算され、かつ共通メモリ12aに保存されているAGC制御用の各種パラメータ及びその他のパラメータのすべてをCPU11はSRAM16に記憶させてバックアップを取る(図4のS4)。
この後に、CPU11は、FPGA12にモード切り換え用の信号を送って、共通メモリ12aからセレクタ12cに出力される制御モードをAGCモードからACCモードに切り換えるとともに、ディザ信号を無効にして求めた励起レーザダイオード4の駆動電流の平均値などのACCモードの目標値をセレクタ12cに出力する(図4のS5)。この場合、セレクタ12cは、ラッチIC13を介してACCモードの制御信号をLD回路17等に出力して制御するとともに、そのACCモード及びそのパラメータをラッチIC13に保持させる。
【0027】
このようにFPGA12の共通メモリ12aの制御モードがACCモードになったことをCPU11が確認する(図4のS6)。
その後に、CPU11はラッチIC13に制御信号を送ってFPGA12からラッチIC13に出力される制御信号やデータを遮断する一方、ラッチIC13により保持されたACCモードの制御とそのパラメータによりLD回路17、ヒータ回路18等を制御する信号をDAコンバータ20を介して送信し続けるとともに、出力インターフェース22にも制御信号を送信し続ける(図4のS7)。
【0028】
そのようにラッチIC13により保持されたACCモードの制御が開始された後に、CPU11はFPGA12内のプログラム及びデータを消去するとともに、フラッシュROM14に格納されたプログラムのデータをFPGA12に書き込んでアップデートを行い、さらにSRAMに待避させていた各種パラメータやその他のデータをFPGA12の共通メモリ12aに書き込み直す(図4のS8)。この時、ディザ信号に関するパラメータもSRAM16から共通メモリ12aに書き込み直され、再びディザ信号による制御が可能になる。
【0029】
その間、ラッチIC13により励起レーザダイオード4やヒータ9などが制御されているので、FPGA12のプログラムのアップデート中にも光増幅装置の制御が継続される。また、フォトダイオード6,8の検出値はPD回路19、ADコンバータ21を介してCPU11にも入力するので、例えば、EDF1の光入力側に接続された第1のフォトダイオード6の検出信号がゼロになればCPU11は光増幅処理を停止させる等の処理を行うことが可能になる。
FPGA12のアップデートが終了して再起動された後には、CPU11はFPGA12が正常に動作しているかどうかを確認する(図4のS9)。
【0030】
そのような状態では、AGCモードによる制御が可能になるので、CPU11は、FPGA12を制御して共通メモリ12aからセレクタ12cに設定される制御モードをACCモードからAGCモードに切り変えるとともに、AGC制御用計算ブロック12bによるAGCモード用各種パラメータを計算させて、セレクタ12cからAGCモードによる制御信号とAGC制御の目標値とをラッチIC13に出力させる。
その後に、FPGA12からラッチIC13への遮断状態をCPU11によって解除させると同時に、FPGA12により制御されるAGCモードの制御信号及び目標値をそのままラッチIC13に通過させてDAコンバータ20や出力インターフェース22に出力させる(図4のS10)。
これにより、励起レーザダイオード4、ヒータ9はAGCモードの各種パラメータにより制御される。
【0031】
以上のようなフローに従ってFPGA12のプログラムのアップデートを行っている時間とその前後において、光増幅装置の動作確認を行ったところ、FPGA12のプログラムのアップデートの間にEDP1の光入力及び出力が変動・遮断することなく光増幅制御を維持することが確認できた。
【0032】
ところで、FPGA12のプログラムをアップデートする前に、励起レーザダイオード4の駆動用の電流目標値を平均化しない場合と、平均化した場合を比較したところ、図5(a)、(b)に示すような結果が得られた。
図5(a)は、励起レーザダイオード4の駆動用の電流目標値を平均化しない場合を示し、励起レーザダイオード12がラッチIC13により制御されている期間とFPGA12により制御されている期間を比較すると、EDF1からの光出力の変動の存在が明らかになった。
【0033】
これに対して、図5(b)は、図4のフローに示したように励起レーザダイオード4の駆動用の電流目標値を平均化した場合を示し、励起レーザダイオード12がラッチIC13により制御されている期間とFPGA12により制御されている期間を比較すると、EDF1からの光出力の変動が見られなかった。
従って、ラッチIC3によりACCモードで励起レーザダイオード12の駆動電流を制御する場合には、ディザ信号を停止した状態でFPGA12によりAGCモードにより制御している場合の駆動電流の平均値を求めこれをACCモード時の駆動電流の値として採用することにより、FPGA12のプログラムのバックアップ時でも安定して光増幅を行うことができることが明らかになった。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る光増幅装置を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る光増幅装置の制御部を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係る光増幅装置の制御部を構成するFPGAのブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る光増幅装置の制御部を構成するFPGAのアップデート時の制御を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る光増幅装置の制御部を構成するFPGAのアップデートをする前にLD電流目標値を平均化しない場合と、平均化した場合の光増幅装置の光出力状態を示す波形図である。
【図6】図6は、従来技術に係る光増幅装置の制御部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1:EDF
2、5、7:光カプラ
3:増幅器
6、8:フォトダイオード
4:励起レーザダイオード
9:ヒータ
10;制御部
11:CPU
12:FPGA
12a:共通メモリ
12b:AGC制御用計算ブロック
12c:セレクタ
13:ラッチIC
14:フラッシュROM
15:ユーザインターフェース
16:SRAM
17:LD回路
18:ヒータ回路
19:PD回路
20:DAコンバータ
21:ADコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種信号を処理するCPUと、
光増幅の制御に必要な複数のデバイスを制御する回路と、
ユーザから供給されるプログラムを記憶する第1の記憶部と、
前記デバイスを制御する各種のパラメータを記憶するとともに、前記CPUを介して送られる前記第1の記憶部内の前記プログラムに基づいてアップデートが可能なゲートアレイと、
前記ゲートアレイと前記回路の間に設置され、前記アップデートの作業開始信号を前記CPUから受けた後から前記アップデートを終了する間は、前記ゲートアレイから前記回路への信号経路を遮断するとともに、該遮断前において前記ゲートアレイに記憶された前記パラメータに基づいて前記回路を制御するラッチ制御手段と、
少なくとも前記アップデートの開始から終了の間において、前記アップデートの前に前記ゲートアレイに記憶された前記各種のパラメータを記憶する第2の記憶部と、
を有することを特徴とする光増幅装置。
【請求項2】
前記デバイスは少なくとも光励起用のレーザダイオードを有し、前記回路は少なくとも前記レーザダイオードの駆動電流を設定するレーザダイオード回路であることを特徴とする請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記ラッチ手段は、前記アップデートを開始する前に前記レーザダイオードの前記駆動電流を連続して所定回数で測定して平均化して算出した平均値を前記ゲートアレイから取得し、前記アップデートを実施している時間には前記平均値で前記レーザダイオードを駆動する構成を有することを特徴とする請求項2に記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記ゲートアレイから出力されるディザ信号をオフした後に、前記ゲートアレイは前記駆動電流を連続して前記所定回数で測定して前記平均値を算出することを特徴とする請求項3に記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記複数のデバイスは光ファイバを伝搬する光信号をモニタするモニタ素子を有し、前記モニタ素子の検出信号はアナログデジタルコンバータを介して前記CPUに接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の光増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−220977(P2007−220977A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41146(P2006−41146)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度 総務省、戦略的情報通信開発推進制度(SCOPE−S 特定領域重点型研究開発)「次世代ネットワーク技術」、産業再生法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】