説明

光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム及び光学素子

【課題】屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、低い温度で軟化し易く、プレス成形を行い易い光学ガラスと、これを用いた光学素子及び精密プレス成形用プリフォームを提供する。
【解決手段】この光学ガラスは、酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%でB成分を5.0〜50.0%、TiO成分を5.0〜40.0%、ZnO成分を1.0〜40.0%、及びLa成分を5.0〜20.0%含有する。精密プレス成形用プリフォーム及び光学素子は、この光学ガラスを母材とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム及び光学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光学系を使用する機器のデジタル化や高精細化が急速に進んでおり、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器をはじめ、各種光学機器に用いられるレンズ等の光学素子に対する高精度化、軽量、及び小型化の要求は、ますます強まっている。
【0003】
光学素子を作製する光学ガラスの中でも特に、光学素子の軽量化及び小型化を図ることが可能な、1.75以上2.20以下の高い屈折率(n)を有し、21.0以上40.0以下のアッベ数(ν)を有する高屈折率ガラスの需要が非常に高まっている。このような高屈折率ガラスとしては、特許文献1に代表されるような、例えば屈折率(n)が1.8、アッベ数(ν)が35以下であるガラス組成物が知られている。
【特許文献1】特開2006−137645号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした光学素子の製造方法としては、ゴブ又はガラスブロックを切断し研磨したプリフォーム材、若しくは公知の浮上成形等により成形されたプリフォーム材を加熱軟化して、高精度な成形面を持つ金型で加圧成形する方法(精密プレス成形)が用いられている。
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示されたガラスは、ガラス転移点(Tg)が高いものが多く、これらのガラスの溶解性は低いものであった。また、特許文献1で開示されたガラスは、屈服点(At)が高いものが多く、これらのガラスはプレス成形し難いものであった。それらの理由により、特許文献1のガラスからプリフォーム材を作製し、プリフォーム材を加熱軟化及びプレス成形して光学素子を作製しようとしても、プリフォーム材を加熱軟化してプレス成形する温度を高める必要があるため、作製した光学素子が着色したり、光学素子の光学特性に影響が及んだりしていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、低い温度で軟化し易く、プレス成形を行い易い光学ガラスと、これを用いた光学素子及び精密プレス成形用プリフォームを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分を併用し、B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分の含有率を所定の範囲内に抑えることによって、ガラスの高屈折率化が図られ、所望のアッベ数が得られるとともに、ガラス転移点(Tg)が低くなり、屈服点(At)が低くなることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%でB成分を5.0〜50.0%、TiO成分を5.0〜40.0%、ZnO成分を1.0〜40.0%、及びLa成分を5.0〜20.0%含有する光学ガラス。
【0009】
(2) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
SiO成分 0〜10.0%及び/又は
Nb成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する(1)記載の光学ガラス。
【0010】
(3) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
成分 0〜5.0%及び/又は
GeO成分 0〜10.0%及び/又は
Al成分 0〜10.0%
の各成分をさらに含有する(1)又は(2)のいずれか記載の光学ガラス。
【0011】
(4) 酸化物換算組成の物質量比(B+P)/(SiO+GeO+Al)の比が6.0以上である(3)記載の光学ガラス。
【0012】
(5) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
LiO成分 0〜20.0%及び/又は
NaO成分 0〜20.0%及び/又は
O成分 0〜20.0%及び/又は
CsO成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する(1)から(4)のいずれか記載の光学ガラス。
【0013】
(6) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対する物質量和LiO+NaO+KO+CsOが0%を超え且つ20.0%以下である(5)記載の光学ガラス。
【0014】
(7) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
MgO成分 0〜20.0%及び/又は
CaO成分 0〜20.0%及び/又は
SrO成分 0〜20.0%及び/又は
BaO成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する(1)から(6)のいずれか記載の光学ガラス。
【0015】
(8) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対する物質量和MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOが1.0%〜25.0%である(7)記載の光学ガラス。
【0016】
(9) 酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
TeO成分 0〜10.0%及び/又は
ZrO成分 0〜15.0%及び/又は
Ta成分 0〜20.0%及び/又は
WO成分 0〜20.0%及び/又は
成分 0〜10.0%及び/又は
Gd成分 0〜15.0%及び/又は
Yb成分 0〜20.0%及び/又は
Sb成分 0〜1.0%
の各成分をさらに含有する(1)から(8)のいずれか記載の光学ガラス。
【0017】
(10) 1.75以上2.20以下の屈折率(n)を有し、21.0以上40.0以下のアッベ数(ν)を有する(1)から(9)のいずれか記載の光学ガラス。
【0018】
(11) ガラス転移点(Tg)が620℃以下である(1)から(10)のいずれか記載の光学ガラス。
【0019】
(12) 屈服点(At)が640℃以下である(1)から(11)のいずれか記載の光学ガラス。
【0020】
(13) (1)〜(12)のいずれか記載の光学ガラスを母材とする光学素子。
【0021】
(14) (1)〜(12)のいずれか記載の光学ガラスを精密プレス成形して作製する光学素子。
【0022】
(15) (1)〜(12)のいずれか記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
【0023】
(16) (15)記載の精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形して作製する光学素子。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分を併用し、B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分の含有率を所定の範囲内に抑えることによって、ガラスの高屈折率化が図られ、所望のアッベ数が得られるとともに、ガラス転移点(Tg)が低くなり、屈服点(At)が低くなり、ガラス転移点(Tg)と結晶化開始温度(Tx)との差ΔTが大きくなる。このため、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、低い温度で軟化し易く、プレス成形を行い易く、且つ熱的安定性が高い光学ガラスと、これを用いた精密プレス成形用プリフォーム及び光学素子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の光学ガラスは、酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%でB成分を5.0〜50.0%、TiO成分を5.0〜40.0%、ZnO成分を1.0〜40.0%、及びLa成分を5.0〜20.0%含有する。B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分を併用し、B成分、TiO成分、ZnO成分、及びLa成分の含有率を所定の範囲内に抑えることによって、ガラスの高屈折率化が図られ、所望のアッベ数が得られるとともに、ガラス転移点(Tg)が低くなり、屈服点(At)が低くなり、ガラス転移点(Tg)と結晶化開始温度(Tx)との差ΔTが大きくなる。このため、低い温度で軟化し易く、プレス成形を行い易く、熱的安定性が高く、且つ1.75以上2.20以下の屈折率(n)と21.0以上40.0以下のアッベ数(ν)を有する光学ガラスを得ることができる。
【0026】
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
【0027】
[ガラス成分]
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有率は特に断りがない場合は、全て酸化物換算組成のガラス全物質量に対するモル%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が溶融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総物質量を100モル%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
【0028】
<必須成分、任意成分について>
成分は、ガラスの網目を構成する成分である。特に、B成分の含有率を5.0%以上にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。一方で、B成分の含有率を50.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するB成分の含有率は、好ましくは5.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは10.0%を下限とし、好ましくは50.0%、より好ましくは47.0%、最も好ましくは45.0%を上限とする。B成分は、原料として例えばHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0029】
TiO成分は、ガラスの屈折率を高める成分である。特に、TiO成分の含有率を5.0%以上にすることで、ガラスの所望の屈折率を得易くすることができる。一方で、TiO成分の含有率を40.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高め、ガラスの着色を抑制することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するTiO成分の含有率は、好ましくは5.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは10.0%を下限とし、好ましくは40.0%、より好ましくは37.0%、最も好ましくは35.0%を上限とする。TiO成分は、原料として例えばTiO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0030】
ZnO成分は、ガラスの屈折率を高め、さらにガラス転移点(Tg)を低くする成分である。特に、ZnO成分の含有率を1.0%以上にすることで、ガラスの屈折率及びガラス転移点(Tg)を所望の範囲内に維持し易くすることができる。一方で、ZnO成分の含有率を40.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するZnO成分の含有率は、好ましくは1.0%、より好ましくは3.0%、最も好ましくは4.0%を下限とし、好ましくは40.0%、より好ましくは37.0%、最も好ましくは35.0%を上限とする。ZnO成分は、原料として例えばZnO、ZnF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0031】
La成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの分散を低くする成分である。特に、La成分の含有率を5.0%以上にすることで、所望の高屈折率低分散特性を得易くすることができる。一方で、La成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するLa成分の含有率は、好ましくは5.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは10.0%を下限とし、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。La成分は、原料として例えばLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)等を用いてガラス内に含有することができる。
【0032】
SiO成分は、安定なガラス形成を促す成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、SiO成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの屈服点を上昇し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するSiO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。SiO成分は、原料として例えばSiO、KSiF、NaSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0033】
Nb成分は、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Nb成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高め、ガラスの液相温度を上昇し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するNb成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。Nb成分は、原料として例えばNb等を用いてガラス内に含有することができる。
【0034】
成分は、ガラスの網目を構成する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、P成分の含有率を5.0%以下にすることで、失透傾向を低減してガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するP成分の含有率は、好ましくは5.0%、より好ましくは3.0%、最も好ましくは2.0%を上限とする。P成分は、原料として例えばAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0035】
GeO成分は、ガラスの網目を構成し、ガラスの安定性と屈折率を向上する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、GeO成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの材料コストを低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するGeO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、最も好ましくは3.0%を上限とする。GeO成分は、原料として例えばGeO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0036】
Al成分は、ガラスの耐失透性を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Al成分の含有率を10.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するAl成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、最も好ましくは3.0%を上限とする。Al成分は、原料として例えばAl、Al(OH)、AlF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0037】
本発明の光学ガラスでは、物質量和(SiO+GeO+Al)に対する物質量和(B+P)の物質量比が、6.0以上であることが好ましい。この物質量比を6.0以上にすることで、ガラスの網目を構成する酸化物のうちガラス転移点(Tg)を低くする酸化物の含有量が相対的に多くなるため、ガラスの安定性を維持しつつガラス転移点(Tg)を低くすることができる。従って、酸化物換算組成におけるこの物質量比は、好ましくは6.0、より好ましくは6.5、最も好ましくは6.8を下限とする。
【0038】
LiO成分は、ガラス転移点(Tg)を低くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、LiO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するLiO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。LiO成分は、原料として例えばLiCO、LiNO、LiF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0039】
NaO成分は、ガラスの溶融性を改善する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、NaO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するNaO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。NaO成分は、原料として例えばNaCO、NaNO、NaF、NaSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0040】
O成分は、ガラスの溶融性を改善する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、KO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するKO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。KO成分は、原料として例えばKCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0041】
CsO成分は、ガラスの溶融性を改善する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、CsO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するCsO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。CsO成分は、原料として例えばCsCO、CsNO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0042】
本発明の光学ガラスでは、RnO成分(式中、RnはLi、Na、K、Csからなる群より選択される1種以上)の含有率の物質量和が、0%を超え且つ20.0%以下であることが好ましい。RnO成分を含有することで、ガラスの溶融性を改善することができる。また、この物質量和を20.0%未満にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するRnO成分の含有率の物質量和は、好ましくは0%を超え、より好ましくは1.0%、最も好ましくは2.0%を下限とし、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。
【0043】
MgO成分は、ガラスの溶融性を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、MgO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するMgO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。MgO成分は、原料として例えばMgCO、MgF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0044】
CaO成分は、ガラスの溶融性を高め、ガラスの屈折率及び分散を調整する成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、CaO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するCaO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。CaO成分は、原料として例えばCaCO、CaF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0045】
SrO成分は、ガラスの溶融性を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、SrO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するSrO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。SrO成分は、原料として例えばSr(NO、SrF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0046】
BaO成分は、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、BaO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するBaO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。BaO成分は、原料として例えばBaCO、Ba(NO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0047】
本発明の光学ガラスでは、RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有率の物質量和が、1.0%以上25.0%以下であることが好ましい。特に、RO成分を1.0%以上含有することで、ガラスの屈折率を高めることができる。一方で、この物質量和を25.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するRO成分の含有率の物質量和は、好ましくは1.0%、より好ましくは3.0%、最も好ましくは4.0%を下限とし、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、最も好ましくは20.0%を上限とする。
【0048】
TeO成分は、ガラス転移点を低くし、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、TeO成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの熱膨張係数を小さくし、白金製の部材との合金化を抑制することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するTeO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。TeO成分は、原料として例えばTeO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0049】
ZrO成分は、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、ZrO成分の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高め、ガラスの液相温度を上昇し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するZrO成分の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは12.0%、最も好ましくは10.0%を上限とする。ZrO成分は、原料として例えばZrO、ZrF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0050】
Ta成分は、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Ta成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスを安定化することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するTa成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。Ta成分は、原料として例えばTa等を用いてガラス内に含有することができる。
【0051】
WO成分は、ガラス転移点(Tg)を下げ、ガラスの安定性を向上し、ガラスの屈折率を高める成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、WO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの分相傾向を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するWO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。WO成分は、原料として例えばWO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0052】
成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの分散を低くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Y成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するY成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは7.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。Y成分は、原料として例えばY、YF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0053】
Gd成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの分散を低くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Gd成分の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するGd成分の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは12.0%、最も好ましくは10.0%を上限とする。Gd成分は、原料として例えばGd、GdF等を用いてガラス内に含有することができる。
【0054】
Yb成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスの分散を低くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Yb成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全物質量に対するYb成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは17.0%、最も好ましくは15.0%を上限とする。Yb成分は、原料として例えばYb等を用いてガラス内に含有することができる。
【0055】
Sb成分は、ガラスの脱泡を促進して清澄なガラスを得易くする成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Sb成分の含有率を1.0%以下にすることで、ガラス溶融時における過度の発泡を生じ難くすることができ、Sb成分が溶解設備(特にPt等の貴金属)と合金化し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するSb成分の含有率は、好ましくは1.0%、より好ましくは0.9%、最も好ましくは0.8%を上限とする。Sb成分は、原料として例えばSb、Sb、NaSb・5HO等を用いてガラス内に含有することができる。
【0056】
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0057】
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
【0058】
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Tiを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
【0059】
さらに、PbO等の鉛化合物及びAs等のヒ素化合物、並びに、Th、Cd、Tl、Os、Be、Seの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、不可避な混入を除き、これらを実質的に含有しないことが好ましい。これにより、光学ガラスに環境を汚染する物質が実質的に含まれなくなる。そのため、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、この光学ガラスを製造し、加工し、及び廃棄することができる。
【0060】
本発明のガラス組成物は、その組成が酸化物換算組成のガラス全物質量に対するモル%で表されているため直接的に質量%の記載に表せるものではないが、本発明において要求される諸特性を満たすガラス組成物中に存在する各成分の質量%表示による組成は、酸化物換算組成で概ね以下の値をとる。
成分 3.0〜30.0質量%及び
TiO成分 3.0〜30.0質量%及び
ZnO成分 0.7〜30.0質量%及び
La成分 15.0〜55.0質量%
並びに
SiO成分 0〜7.0質量%及び/又は
Nb成分 0〜45.0質量%及び/又は
成分 0〜5.0質量%及び/又は
GeO成分 0〜10.0質量%及び/又は
Al成分 0〜10.0質量%及び/又は
LiO成分 0〜7.0質量%及び/又は
NaO成分 0〜15.0質量%及び/又は
O成分 0〜20.0質量%及び/又は
CsO成分 0〜50.0質量%及び/又は
MgO成分 0〜8.0質量%及び/又は
CaO成分 0〜10.0質量%及び/又は
SrO成分 0〜20.0質量%及び/又は
BaO成分 0〜30.0質量%及び/又は
TeO成分 0〜15.0質量%及び/又は
ZrO成分 0〜17.0質量%及び/又は
Ta成分 0〜50.0質量%及び/又は
WO成分 0〜45.0質量%及び/又は
成分 0〜20.0質量%及び/又は
Gd成分 0〜50.0質量%及び/又は
Yb成分 0〜50.0質量%及び/又は
Sb成分 0〜3.0質量%
【0061】
[製造方法]
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有率の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融した後、金坩堝、白金坩堝、白金合金坩堝又はイリジウム坩堝に入れて700〜1200℃の温度範囲で溶融し、攪拌均質化して泡切れ等を行った後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
【0062】
[物性]
本発明の光学ガラスは、高い屈折率(n)を有するとともに、適度な分散性を有する必要がある。特に、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.75、より好ましくは1.78、最も好ましくは1.80を下限とし、好ましくは2.20、より好ましくは2.18、最も好ましくは2.15を上限とする。また、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは21.0、より好ましくは22.0、最も好ましくは23.0を下限とし、好ましくは40.0、より好ましくは39.0、最も好ましくは38.0を上限とする。これらにより、光学設計の自由度が広がり、更に素子の薄型化を図っても大きな光の屈折量を得ることができる。
【0063】
また、本発明の光学ガラスは、できるだけ低い温度で軟化する必要がある。特に、本発明の光学ガラスのガラス転移点(Tg)は、好ましくは620℃、より好ましくは600℃、最も好ましくは580℃を上限とする。これにより、本発明の光学ガラスを精密プレス成形用プリフォーム等のプリフォーム材を作製し、これを加熱軟化して光学素子を作製しても、低い温度でガラスを軟化することができる。
【0064】
また、本発明の光学ガラスは、できるだけプレス成形を行い易い必要がある。特に、本発明の光学ガラスの屈服点(At)は、好ましくは640℃、より好ましくは630℃、最も好ましくは620℃を上限とする。屈服点(At)は、ガラス転移点(Tg)と同様にガラスの低温軟化性を示す指標の一つであるが、よりプレス成形温度に近い温度を示す指標である。そのため、屈服点(At)が低いガラスでは、プレス成形温度をより低くすることができ、こうしたガラスは容易にプレス成形を行うことができる。
【0065】
また、本発明の光学ガラスは、高い熱的安定性を有する。特に、ガラス転移点(Tg)と結晶化開始温度(Tx)との差ΔTは、好ましくは150℃、より好ましくは153℃、最も好ましくは155℃を下限とする。これにより、ガラスの熱的安定性を高めることができるため、本発明の光学ガラスを用いて精密プレス成形用プリフォーム等のプリフォーム材を作製し、これを加熱軟化及び成型して光学素子を作製しても、加熱軟化したガラスの結晶化による光学素子の失透をはじめとした、光学素子の光学特性への影響を低減することができる。
【0066】
[プリフォーム及び光学素子]
本発明の光学ガラスは、様々な光学素子及び光学設計に有用であるが、その中でも特に、本発明の光学ガラスから精密プレス成形等の手段を用いて、レンズ等の光学素子を作製することが好ましい。これにより、カメラ等の光学機器に用いたときに、高精細で高精度な結像特性を実現しつつ、これら光学機器における光学系の小型化を図ることができる。ここで、本発明の光学ガラスからなる光学素子を作製するには、切削及び研磨加工を省略することが可能であるため、溶融状態のガラスを白金等の流出パイプの流出口から滴下して球状等の精密プレス成形用プリフォームを作製し、この精密プレス成形用プリフォームに対して精密プレス成形を行うことが好ましい。
【実施例】
【0067】
本発明の実施例(No.1〜No.4)及び参考例(No.1)の組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、ガラス転移点(Tg)、結晶化開始温度(Tx)、屈服点(At)、並びにガラス転移点及び結晶化開始温度の差(ΔT)の結果を表1に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
【0068】
本発明の実施例(No.1〜No.4)の光学ガラス及び参考例(No.1)のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表1に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、石英坩堝又は白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で700〜1200℃の温度範囲で溶融し、攪拌均質化してから金型に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。
【0069】
ここで、実施例(No.1〜No.4)の光学ガラス及び参考例(No.1)のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、徐冷降温速度を−25℃/hにして得られたガラスについて測定を行うことで求めた。
【0070】
また、実施例(No.1〜No.4)の光学ガラス及び参考例(No.1)のガラスのガラス転移点(Tg)及び屈服点(At)は、示差熱測定装置(ネッチゲレテバウ社製 STA 409 CD)を用いて測定した。このときのサンプル粒度は425〜600μmとし、昇温速度は10℃/minとした。さらに、実施例(No.1〜No.4)の光学ガラス及び参考例(No.1)のガラスのΔTを、この方法で求めたガラス転移点(Tg)と、結晶化開始温度(Tx)と、の差より求めた。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもガラス転移点(Tg)が620℃以下、より詳細には580℃以下であった。特に、実施例(No.3、No.4)の光学ガラスは、ガラス転移点(Tg)が560℃以下であり、参考例(No.1)に比べて低いガラス転移点(Tg)を有しており、低い温度で軟化し易いことが明らかになった。
【0073】
また、表1に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈服点(At)が640℃以下、より詳細には615℃以下であった。一方で、参考例のガラスは、屈服点(At)が615℃より高かった。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、参考例のガラスに比べてプレス成形を行い易いことが明らかになった。
【0074】
また、表1に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもガラス転移点(Tg)と結晶化開始温度(Tx)との差ΔTが150℃以上、より詳細には157℃以上であった。一方で、参考例のガラスは、ΔTが157℃未満であった。このため、本発明の実施例の光学ガラスは、参考例のガラスに比べて熱的安定性が高いことが明らかになった。
【0075】
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.75以上、より詳細には1.80以上であるとともに、この屈折率(n)は2.20以下、より詳細には2.15以下であり、所望の範囲内であった。
【0076】
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもアッベ数(ν)が21.0以上、より詳細には23.0以上であるとともに、このアッベ数(ν)は40以下、より詳細には38.0以下であり、所望の範囲内であった。
【0077】
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)、アッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、低い温度で軟化し易く、プレス成形を行い易く、且つ高い熱的安定性を有することが明らかになった。
【0078】
さらに、本発明の実施例の光学ガラスを用いて精密プレス成形用プリフォームを形成し、精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形加工したところ、安定に様々なレンズ形状に加工することができた。
【0079】
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%でB成分を5.0〜50.0%、TiO成分を5.0〜40.0%、ZnO成分を1.0〜40.0%、及びLa成分を5.0〜20.0%含有する光学ガラス。
【請求項2】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
SiO成分 0〜10.0%及び/又は
Nb成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する請求項1記載の光学ガラス。
【請求項3】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
成分 0〜5.0%及び/又は
GeO成分 0〜10.0%及び/又は
Al成分 0〜10.0%
の各成分をさらに含有する請求項1又は2のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項4】
酸化物換算組成の物質量比(B+P)/(SiO+GeO+Al)の比が6.0以上である請求項3記載の光学ガラス。
【請求項5】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
LiO成分 0〜20.0%及び/又は
NaO成分 0〜20.0%及び/又は
O成分 0〜20.0%及び/又は
CsO成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する請求項1から4のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項6】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対する物質量和LiO+NaO+KO+CsOが0%を超え且つ20.0%以下である請求項5記載の光学ガラス。
【請求項7】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
MgO成分 0〜20.0%及び/又は
CaO成分 0〜20.0%及び/又は
SrO成分 0〜20.0%及び/又は
BaO成分 0〜20.0%
の各成分をさらに含有する請求項1から6のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項8】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対する物質量和MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOが1.0%〜25.0%である請求項7記載の光学ガラス。
【請求項9】
酸化物換算組成のガラス全物質量に対して、モル%で
TeO成分 0〜10.0%及び/又は
ZrO成分 0〜15.0%及び/又は
Ta成分 0〜20.0%及び/又は
WO成分 0〜20.0%及び/又は
成分 0〜10.0%及び/又は
Gd成分 0〜15.0%及び/又は
Yb成分 0〜20.0%及び/又は
Sb成分 0〜1.0%
の各成分をさらに含有する請求項1から8のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項10】
1.75以上2.20以下の屈折率(n)を有し、21.0以上40.0以下のアッベ数(ν)を有する請求項1から9のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項11】
ガラス転移点(Tg)が620℃以下である請求項1から10のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項12】
屈服点(At)が640℃以下である請求項1から11のいずれか記載の光学ガラス。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか記載の光学ガラスを母材とする光学素子。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか記載の光学ガラスを精密プレス成形して作製する光学素子。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか記載の光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム。
【請求項16】
請求項15記載の精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形して作製する光学素子。

【公開番号】特開2009−286674(P2009−286674A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143401(P2008−143401)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000128784)株式会社オハラ (539)
【Fターム(参考)】