光学システム内においてタイミングリカバリを提供する方法およびシステム
本発明は、大容量光ディスクシステムで用いるための、新規な閾値交差タイミングリカバリ方式に関するものである。タイミングエラー検出器のタイミングエラーに、重み付け関数が掛け合わされる。この方式は、光ディスクの容量が大きいためにタイミングリカバリの主要な妨害要因になると考えられる、データにより誘起されるジッタに対し、光学システムのロバスト性を効果的に増大させる。本発明はさらに、可能な重み付け関数の複数の例を開示している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクからデータサンプルを読み出す光学システム内において、閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、上記の光学システムによって、サンプリング時刻(ts)において光ディスクからデータサンプル(ys)を読み出す工程と、読み出されたサンプルをタイミングリカバリ手段に供給する工程と、タイミングエラー情報(Ψk)に基づいて、同期タイミング瞬時(tk)に近づくようにサンプリング時刻(ts)を調整する工程とを含む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクは、情報をデジタル形式で保持する電子データ記憶媒体であり、光学システム内のレーザーにより書込みおよび読出しされる。これらのディスクは、CD、DVDおよびBDの、様々なバリエーションをすべて包含する。データは、光学システム内のレーザーにより読み出される、いわゆるピットならびにランド(ROMディスクの場合)、およびマークならびにスペース(書換可能型ディスクの場合)の形態で記憶され、それらのデータは電気信号に変換される。
【0003】
光学システム内では、実際の閾値交差点と、サンプリングクロック信号の閾値交差点とを比較することによりサンプリング時刻が調整される、閾値交差タイミングリカバリを用いることがよく知られている。このタイミングリカバリは、入ってくるデータ自体からタイミング情報を取得するものであり、ビット判定からの助けを必要とせず、したがって判定エラーによる妨害を受けない。閾値交差タイミングリカバリの1つの特殊なケースが、ゼロ交差タイミングリカバリである。この場合、ディスクに記録されている二値ビットシーケンスのDCを有さない特性のため、閾値はゼロに設定される。ゼロ交差タイミングリカバリは、ディスク上のデータが典型的にはRLL符号化で符号化されるという点で、現行の大容量光ディスクにおいて通常採用されているリカバリ方式である。
【0004】
光学システム内のタイミングリカバリでは、タイミングエラー情報(Ψk)が特定される。たとえばレイズドコサイン(raised−cosine)特性を有する、ノイズのないチャネルの場合には、データ信号サンプルは同期的にサンプリングされるので、タイミングエラー情報(Ψk)はゼロとなる。しかしながら、光学システムはノイズに曝され、部分応答性様のチャネルを有し得る。このことは、結果として、ビット同期型のサンプリングでは、タイミングエラー情報(Ψk)は、平均値がゼロとなるのみであり、各瞬時においてはジッタを示すものとなるという事態をもたらす。このジッタは、ノイズにより誘起されたジッタと、データにより誘起されたジッタとを含む。23GB以下のディスク容量において、ディスク上のデータがRLL符号化で記録されている場合には、ゼロ交差タイミングリカバリが被る、データにより誘起されるジッタは、非常に弱い。
【0005】
光ディスク上の記憶密度を増大させることは、非常に重要かつ関心の高い事項である。現行では、光チャネルの特性が与えられた場合、より高度な信号処理、異なる変調方式(たとえばマルチレベル技術)、または異なる物理原理(たとえば超解像度技術)を用いて、より高い記憶密度に到達しようとすることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ディスク容量は、チャネルビット長を狭くすることにより、たとえば29GB以上に増大するので、遷移点(すなわち閾値交差点、たとえばゼロ交差点)周辺のデータサンプルが、符号間干渉(ISI)を受けることは避けられない。この強いISIのため、31GBのディスク容量では、データにより誘起されるジッタは非常に激しくなり、閾値交差タイミングリカバリは実現不可能となる。
【0007】
本発明の1つの目的は、光学システム内において閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、データにより誘起されるジッタの影響が緩和され、特に大容量の光ディスクにおいてその影響が緩和されるような方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、冒頭の段落で述べた方法を、タイミングエラー情報(Ψk)を特定する工程の後、同期タイミング瞬時(tk)に近づくようにサンプリング時刻(ts)を調整する工程の前において、タイミングエラー情報(Ψk)に重み付け関数Wを掛け合わせる工程をさらに含むことを特徴とする方法とすることにより、達成される。これにより、大容量光ディスク(たとえば29GBまたは31GBの容量を有する光ディスク)に対し、符号間干渉が最小限に抑えられた閾値交差タイミングリカバリが実現される。
【0009】
1つの好ましい実施形態では、上記の閾値交差タイミングリカバリ手段は、二値変調で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成される。この形態は、二値変調が、光ディスク上のデータ信号の符号化に広く使われているという点で有利である。
【0010】
好ましくは、本発明の重み付け関数Wは、ykおよびyk+1がそれぞれ同期化されたデータ信号サンプルであり、tkおよびtk+1がそれぞれ同期サンプリング瞬時であるとして、sk=|(yk−yk+1)/(tk−tk+1)|の関数とされる。この重み付け関数W(sk)は、任意の二値変調方法によって符号化された、任意の信号に対して適用可能である。関数skは、同期化されたデータ信号サンプルの関数として重み付け関数W(sk)を計算するための、簡易な方法を提供する。skは、閾値交差点周辺におけるデータ信号波形の勾配の絶対値を表す。ゼロ交差タイミングリカバリでは、ykとyk+1とは常に逆の符号を有するので(ゼロ交差がykとyk+1との間で起こるため)、skはさらに、遷移周辺の信号エネルギーの指標も与える。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記のskの最大値(すなわち、すべての遷移周辺におけるデータ信号波形の勾配の最大値)をsmaxで表すこととして、重み付け関数W(sk)は、たとえば、W(sk)=sk/smax、W(sk)=(sk/smax)2、またはW(sk)=exp[1−(sk/smax)−1]で表されるものとすることができる。異なる重み付け関数のいずれを選択するかは、異なるディスク容量と、データにより誘起される対応のジッタスペクトルの分析結果とに依存する。
【0012】
1つの好ましい実施形態では、タイミングリカバリ手段は、RLL(d)符号化で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成される。ここで、dはデータストリーム内の最小ランレングスを規定する。すなわち、dは、(d+1)となるための、ストリーム内の連続する1または0の最小数を制限する。
【0013】
好ましくは、本発明に従う方法で用いられる上記の閾値交差タイミングリカバリは、ゼロ交差タイミングリカバリとされる。これは、データがRLL符号化で符号化される際に用いられるタイミングリカバリである。
【0014】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、引数TmおよびTm+1が、遷移周辺の2つの連続したランレングスTmおよびTm+1であるとして、上記の重み付け関数Wは、関数W(Tm,Tm+1)とされる。1つの好適例によれば、この重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmとTm+1との合計が増加すると、増加する関数とされる。別の1つの好適例によれば、重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmとTm+1との間の差分値|Tm−Tm+1|が増加すると、減少する関数とされる。これは、典型的には、2つの連続するランレングス間の差がより小さい場合よりも大きい場合の方が、データにより誘起されるジッタがより深刻なためである。Wは、「Tm+Tm+1」に比例するものかつ/もしくは|Tm−Tm+1|に反比例するものであってもよく、または、「Tm+Tm+1」ならびに/もしくは|Tm−Tm+1|に非線形的に依存するものであってもよい。
【0015】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、RLL符号化における最も短いランレングスを「d+1」として、上記の重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmまたはTm+1が「d+1」に等しいとき、ゼロになる関数とされる。これにより、最も短いランレングスを伴う遷移はスキップされる。これらの遷移はノイズに曝される程度が最も高いので、このようなスキップは有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、好ましい実施形態に関連して、本発明をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、従来技術によるタイミングリカバリ手段100の模式図を示している。タイミングリカバリ手段100は、サンプルレート変換器(SRC)10と、タイミングエラー検出器(TED)20と、ループフィルタ(LF)30と、数値制御発振器(NCO)40とを含んでいる。データサンプルysは、光ディスクから読み出され、サンプリング時刻tsにおいてタイミングリカバリ手段100に供給される。数値制御発振器40は、タイミングエラー検出器20により検出されたタイミングエラー情報Ψkに基づいて更新されるサンプリングクロックtkを、サンプルレート変換器に出力する。タイミングリカバリ手段100は、そのタイミングリカバリ手段100の非同期領域アップストリームから、同期化されていないデータサンプルysの供給を受け、タイミングリカバリ手段100の同期領域ダウンストリーム内において、同期化されたデータサンプルykに対してビット判定がなされる。
【0018】
図2は、閾値交差タイミングリカバリにおけるタイミングエラー検出を示した図である。光ディスク上に記録されたデータ信号サンプルの閾値交差タイミングリカバリでは、図2に示すようにして、タイミングエラー情報Ψkを一次近似まで導出することができる。図2の水平線は閾値を示しており、タイミングエラー情報Ψkの一次近似が、
【数1】
として導出されていることが見て取れる。
【0019】
たとえばレイズドコサイン特性を有する、ノイズのないチャネルの場合には、データ信号サンプルは同期的にサンプリングされるので、Ψkはゼロに近付く。しかしながら、光チャネルは種々のノイズに曝され、通常は部分応答性様のチャネルである。このことは、結果として、ビット同期型のサンプリングでは、Ψkは、平均値がゼロとなるのみであり、各瞬時においてはジッタを示すものとなるという事態をもたらす。このジッタは、ノイズにより誘起されたジッタと、データにより誘起されたジッタ(すなわちパターンに依存するジッタ)とに起因する。
【0020】
一般的にはバイナリ変調、具体的にはランレングス制限(RLL)符号化を利用して、データにより誘起されるジッタを軽減することができる。このことは、図3aおよび3bに図解されている。これらの図はそれぞれ、ブルーレイディスクフォーマットにおけるd=1のRLL(d)符号化について、ディスク容量が23GBのディスクおよび29GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示している。光チャネルは、線形的かつ部分応答性様のものであると想定される。二値変調がRLL符号化であるという点において、閾値交差タイミングリカバリは、この例ではゼロ交差タイミングリカバリである。図3aおよび3bでは、ディスクから読み出された信号サンプルykは、等化されたチャネル応答gkと畳込み演算された、入力二値ビットシーケンスakに等しい。すなわち、
【数2】
である。
【0021】
gkの低振幅のタップを除外すると、遷移の左側にあるサンプルylは、
【数3】
と近似することができる。
【0022】
23GBのディスク容量の場合には、側方タップg−2およびg2は、強度的に無視できる。さらに、d=1とした符号化条件により、al周囲のビットは、常に逆の符号を有する。そのため、ylの近似に対する、式(2)の最初の項以外の項の寄与分は、すべてゼロに設定され、式(2)は、
【数4】
のように単純化することができる。
【0023】
式(3)は、サンプルylが、符号間干渉の影響を受けないことを示している。このことは、サンプルyrについてもいえる。すなわち、23GBの容量では、ゼロ交差タイミングリカバリが受ける、データにより誘起されるジッタの影響は、非常に弱い(これはRLL符号化に起因する)。
【0024】
図3bは、ディスク容量29GBのディスクにおけるディスク読出しを示している。容量29GBのディスクは、以下に説明するように、容量23GBのディスクよりも多くのISIに曝される。これは、チャネルビット長が小さくされるためである。al周囲のビットは常に異なる符号を有し、g−1とg1とは同一の大きさおよび符号を有するので、式(2)におけるg−1を含む項とg1を含む項とは互いに打ち消し合う。そのため、図3bの場合には、式(2)は、
【数5】
と表すことができる。
【0025】
しかしながら、等化されたチャネル応答gkの側方タップg−2およびg2は強くなっており、無視できると考えることはできない。そのため、符号間干渉、すなわちデータにより誘起されるジッタが、再度、タイミングリカバリ内に存在することとなる。
【0026】
いまや、ディスク容量は図3bの29GBを超えることもあり、現在35GBまでもの容量が可能となっている。したがって、チャネルビット長は、図3bに比べてさらに小さくされ、データにより誘起されるジッタは、強いISIのために深刻になる。このことは、従来型のゼロ交差タイミングリカバリを、実現不可能とする。
【0027】
図4は、本発明に従う方法の、様々な重み付け因子を用いたタイミングリカバリ性能を、ディスク容量の関数として示した図である。スカラー回折プログラムを用いて発生させられたデータを用いて、図1の構成について、シミュレーションが行われた。このデータは、ノイズを含まない同期化されたデータであり、タイミングリカバリ手段への入力ymとして用いられる。タイミングリカバリ性能を評価するために、信号対雑音比SNRLを、
【数6】
と定義する。ここで、yk*は、理想的なサンプリング時刻を用いた場合のタイミングリカバリ手段100(図1)のSRCの出力を表しており、ykLは、タイミングリカバリ機構が動作しているときのSRCからの実際のサンプル出力を表している。上付文字Lは、TED内において使用されている重み付け関数の種類を示している。
【0028】
式(5)において、「L=0」は、重み付け関数がW(sk)=1(すなわち、タイミングエラーが変更されずに残存している)であることを示し、「L=i」は、重み付け関数がW(sk)=sk/smaxであることを示し、「L=ii」は、重み付け関数がW(sk)=(sk/smax)2であることを示す。
【0029】
シミュレーションではノイズは存在しないため、SNRLは、データにより誘起されるジッタに対するタイミングリカバリ機構のロバスト性を評価することができる。タイミングリカバリの動作が開始した際の当初のサンプリング周波数には、10%の不整合が与えられる。異なる重み付け関数W(sk)に対するSNRLを直接比較することが可能となるように、ループ帯域およびダンピングは、様々な重み付け関数W(sk)の下で可能な限り一定となるように、適切に調整された。図4は、容量25GB、29GB、32GBおよび35GBの、BDタイプの大容量ディスクについて、SNRLを示している。過渡性能を考慮に入れるため、データ窓は、最初の5000サンプルを含むものとされている。
【0030】
タイミングリカバリの性能は、一定でない重み付け関数を利用することにより、効果的に改善されることが見て取れる。この改善は、データにより誘起されるより深刻なジッタのため、容量が増大するにつれてより顕著となる。全般的に、非線形型の重み付け関数(タイプii)は、線形型の重み付け関数(タイプi)または一定の重み付け関数(タイプ0)よりも、良好な性能を有する。32GBの容量においては、一定である重み付け関数と比較して、約7GBの改善が見られる。35GBにおけるSNRLの値は、32GBにおけるSNRLの値に比べて増大させられている。これは、ISIの影響を最も大きく受ける最も短いランレングスが、ゼロ交差点を有さず、したがってデータにより誘起されるジッタをある程度緩和するためである。当然ながら、ゼロ交差点が少ないため、タイミングリカバリの効率は低下する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術によるタイミングリカバリ手段の模式図
【図2】閾値交差タイミングリカバリにおけるタイミングエラー検出を示した図
【図3a】ディスク容量が23GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示した図
【図3b】ディスク容量が29GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示した図
【図4】本発明に従う方法のタイミングリカバリ性能を示した図
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクからデータサンプルを読み出す光学システム内において、閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、上記の光学システムによって、サンプリング時刻(ts)において光ディスクからデータサンプル(ys)を読み出す工程と、読み出されたサンプルをタイミングリカバリ手段に供給する工程と、タイミングエラー情報(Ψk)に基づいて、同期タイミング瞬時(tk)に近づくようにサンプリング時刻(ts)を調整する工程とを含む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクは、情報をデジタル形式で保持する電子データ記憶媒体であり、光学システム内のレーザーにより書込みおよび読出しされる。これらのディスクは、CD、DVDおよびBDの、様々なバリエーションをすべて包含する。データは、光学システム内のレーザーにより読み出される、いわゆるピットならびにランド(ROMディスクの場合)、およびマークならびにスペース(書換可能型ディスクの場合)の形態で記憶され、それらのデータは電気信号に変換される。
【0003】
光学システム内では、実際の閾値交差点と、サンプリングクロック信号の閾値交差点とを比較することによりサンプリング時刻が調整される、閾値交差タイミングリカバリを用いることがよく知られている。このタイミングリカバリは、入ってくるデータ自体からタイミング情報を取得するものであり、ビット判定からの助けを必要とせず、したがって判定エラーによる妨害を受けない。閾値交差タイミングリカバリの1つの特殊なケースが、ゼロ交差タイミングリカバリである。この場合、ディスクに記録されている二値ビットシーケンスのDCを有さない特性のため、閾値はゼロに設定される。ゼロ交差タイミングリカバリは、ディスク上のデータが典型的にはRLL符号化で符号化されるという点で、現行の大容量光ディスクにおいて通常採用されているリカバリ方式である。
【0004】
光学システム内のタイミングリカバリでは、タイミングエラー情報(Ψk)が特定される。たとえばレイズドコサイン(raised−cosine)特性を有する、ノイズのないチャネルの場合には、データ信号サンプルは同期的にサンプリングされるので、タイミングエラー情報(Ψk)はゼロとなる。しかしながら、光学システムはノイズに曝され、部分応答性様のチャネルを有し得る。このことは、結果として、ビット同期型のサンプリングでは、タイミングエラー情報(Ψk)は、平均値がゼロとなるのみであり、各瞬時においてはジッタを示すものとなるという事態をもたらす。このジッタは、ノイズにより誘起されたジッタと、データにより誘起されたジッタとを含む。23GB以下のディスク容量において、ディスク上のデータがRLL符号化で記録されている場合には、ゼロ交差タイミングリカバリが被る、データにより誘起されるジッタは、非常に弱い。
【0005】
光ディスク上の記憶密度を増大させることは、非常に重要かつ関心の高い事項である。現行では、光チャネルの特性が与えられた場合、より高度な信号処理、異なる変調方式(たとえばマルチレベル技術)、または異なる物理原理(たとえば超解像度技術)を用いて、より高い記憶密度に到達しようとすることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ディスク容量は、チャネルビット長を狭くすることにより、たとえば29GB以上に増大するので、遷移点(すなわち閾値交差点、たとえばゼロ交差点)周辺のデータサンプルが、符号間干渉(ISI)を受けることは避けられない。この強いISIのため、31GBのディスク容量では、データにより誘起されるジッタは非常に激しくなり、閾値交差タイミングリカバリは実現不可能となる。
【0007】
本発明の1つの目的は、光学システム内において閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、データにより誘起されるジッタの影響が緩和され、特に大容量の光ディスクにおいてその影響が緩和されるような方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、冒頭の段落で述べた方法を、タイミングエラー情報(Ψk)を特定する工程の後、同期タイミング瞬時(tk)に近づくようにサンプリング時刻(ts)を調整する工程の前において、タイミングエラー情報(Ψk)に重み付け関数Wを掛け合わせる工程をさらに含むことを特徴とする方法とすることにより、達成される。これにより、大容量光ディスク(たとえば29GBまたは31GBの容量を有する光ディスク)に対し、符号間干渉が最小限に抑えられた閾値交差タイミングリカバリが実現される。
【0009】
1つの好ましい実施形態では、上記の閾値交差タイミングリカバリ手段は、二値変調で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成される。この形態は、二値変調が、光ディスク上のデータ信号の符号化に広く使われているという点で有利である。
【0010】
好ましくは、本発明の重み付け関数Wは、ykおよびyk+1がそれぞれ同期化されたデータ信号サンプルであり、tkおよびtk+1がそれぞれ同期サンプリング瞬時であるとして、sk=|(yk−yk+1)/(tk−tk+1)|の関数とされる。この重み付け関数W(sk)は、任意の二値変調方法によって符号化された、任意の信号に対して適用可能である。関数skは、同期化されたデータ信号サンプルの関数として重み付け関数W(sk)を計算するための、簡易な方法を提供する。skは、閾値交差点周辺におけるデータ信号波形の勾配の絶対値を表す。ゼロ交差タイミングリカバリでは、ykとyk+1とは常に逆の符号を有するので(ゼロ交差がykとyk+1との間で起こるため)、skはさらに、遷移周辺の信号エネルギーの指標も与える。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記のskの最大値(すなわち、すべての遷移周辺におけるデータ信号波形の勾配の最大値)をsmaxで表すこととして、重み付け関数W(sk)は、たとえば、W(sk)=sk/smax、W(sk)=(sk/smax)2、またはW(sk)=exp[1−(sk/smax)−1]で表されるものとすることができる。異なる重み付け関数のいずれを選択するかは、異なるディスク容量と、データにより誘起される対応のジッタスペクトルの分析結果とに依存する。
【0012】
1つの好ましい実施形態では、タイミングリカバリ手段は、RLL(d)符号化で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成される。ここで、dはデータストリーム内の最小ランレングスを規定する。すなわち、dは、(d+1)となるための、ストリーム内の連続する1または0の最小数を制限する。
【0013】
好ましくは、本発明に従う方法で用いられる上記の閾値交差タイミングリカバリは、ゼロ交差タイミングリカバリとされる。これは、データがRLL符号化で符号化される際に用いられるタイミングリカバリである。
【0014】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、引数TmおよびTm+1が、遷移周辺の2つの連続したランレングスTmおよびTm+1であるとして、上記の重み付け関数Wは、関数W(Tm,Tm+1)とされる。1つの好適例によれば、この重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmとTm+1との合計が増加すると、増加する関数とされる。別の1つの好適例によれば、重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmとTm+1との間の差分値|Tm−Tm+1|が増加すると、減少する関数とされる。これは、典型的には、2つの連続するランレングス間の差がより小さい場合よりも大きい場合の方が、データにより誘起されるジッタがより深刻なためである。Wは、「Tm+Tm+1」に比例するものかつ/もしくは|Tm−Tm+1|に反比例するものであってもよく、または、「Tm+Tm+1」ならびに/もしくは|Tm−Tm+1|に非線形的に依存するものであってもよい。
【0015】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、RLL符号化における最も短いランレングスを「d+1」として、上記の重み付け関数W(Tm,Tm+1)は、TmまたはTm+1が「d+1」に等しいとき、ゼロになる関数とされる。これにより、最も短いランレングスを伴う遷移はスキップされる。これらの遷移はノイズに曝される程度が最も高いので、このようなスキップは有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、好ましい実施形態に関連して、本発明をより詳細に説明する。
【0017】
図1は、従来技術によるタイミングリカバリ手段100の模式図を示している。タイミングリカバリ手段100は、サンプルレート変換器(SRC)10と、タイミングエラー検出器(TED)20と、ループフィルタ(LF)30と、数値制御発振器(NCO)40とを含んでいる。データサンプルysは、光ディスクから読み出され、サンプリング時刻tsにおいてタイミングリカバリ手段100に供給される。数値制御発振器40は、タイミングエラー検出器20により検出されたタイミングエラー情報Ψkに基づいて更新されるサンプリングクロックtkを、サンプルレート変換器に出力する。タイミングリカバリ手段100は、そのタイミングリカバリ手段100の非同期領域アップストリームから、同期化されていないデータサンプルysの供給を受け、タイミングリカバリ手段100の同期領域ダウンストリーム内において、同期化されたデータサンプルykに対してビット判定がなされる。
【0018】
図2は、閾値交差タイミングリカバリにおけるタイミングエラー検出を示した図である。光ディスク上に記録されたデータ信号サンプルの閾値交差タイミングリカバリでは、図2に示すようにして、タイミングエラー情報Ψkを一次近似まで導出することができる。図2の水平線は閾値を示しており、タイミングエラー情報Ψkの一次近似が、
【数1】
として導出されていることが見て取れる。
【0019】
たとえばレイズドコサイン特性を有する、ノイズのないチャネルの場合には、データ信号サンプルは同期的にサンプリングされるので、Ψkはゼロに近付く。しかしながら、光チャネルは種々のノイズに曝され、通常は部分応答性様のチャネルである。このことは、結果として、ビット同期型のサンプリングでは、Ψkは、平均値がゼロとなるのみであり、各瞬時においてはジッタを示すものとなるという事態をもたらす。このジッタは、ノイズにより誘起されたジッタと、データにより誘起されたジッタ(すなわちパターンに依存するジッタ)とに起因する。
【0020】
一般的にはバイナリ変調、具体的にはランレングス制限(RLL)符号化を利用して、データにより誘起されるジッタを軽減することができる。このことは、図3aおよび3bに図解されている。これらの図はそれぞれ、ブルーレイディスクフォーマットにおけるd=1のRLL(d)符号化について、ディスク容量が23GBのディスクおよび29GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示している。光チャネルは、線形的かつ部分応答性様のものであると想定される。二値変調がRLL符号化であるという点において、閾値交差タイミングリカバリは、この例ではゼロ交差タイミングリカバリである。図3aおよび3bでは、ディスクから読み出された信号サンプルykは、等化されたチャネル応答gkと畳込み演算された、入力二値ビットシーケンスakに等しい。すなわち、
【数2】
である。
【0021】
gkの低振幅のタップを除外すると、遷移の左側にあるサンプルylは、
【数3】
と近似することができる。
【0022】
23GBのディスク容量の場合には、側方タップg−2およびg2は、強度的に無視できる。さらに、d=1とした符号化条件により、al周囲のビットは、常に逆の符号を有する。そのため、ylの近似に対する、式(2)の最初の項以外の項の寄与分は、すべてゼロに設定され、式(2)は、
【数4】
のように単純化することができる。
【0023】
式(3)は、サンプルylが、符号間干渉の影響を受けないことを示している。このことは、サンプルyrについてもいえる。すなわち、23GBの容量では、ゼロ交差タイミングリカバリが受ける、データにより誘起されるジッタの影響は、非常に弱い(これはRLL符号化に起因する)。
【0024】
図3bは、ディスク容量29GBのディスクにおけるディスク読出しを示している。容量29GBのディスクは、以下に説明するように、容量23GBのディスクよりも多くのISIに曝される。これは、チャネルビット長が小さくされるためである。al周囲のビットは常に異なる符号を有し、g−1とg1とは同一の大きさおよび符号を有するので、式(2)におけるg−1を含む項とg1を含む項とは互いに打ち消し合う。そのため、図3bの場合には、式(2)は、
【数5】
と表すことができる。
【0025】
しかしながら、等化されたチャネル応答gkの側方タップg−2およびg2は強くなっており、無視できると考えることはできない。そのため、符号間干渉、すなわちデータにより誘起されるジッタが、再度、タイミングリカバリ内に存在することとなる。
【0026】
いまや、ディスク容量は図3bの29GBを超えることもあり、現在35GBまでもの容量が可能となっている。したがって、チャネルビット長は、図3bに比べてさらに小さくされ、データにより誘起されるジッタは、強いISIのために深刻になる。このことは、従来型のゼロ交差タイミングリカバリを、実現不可能とする。
【0027】
図4は、本発明に従う方法の、様々な重み付け因子を用いたタイミングリカバリ性能を、ディスク容量の関数として示した図である。スカラー回折プログラムを用いて発生させられたデータを用いて、図1の構成について、シミュレーションが行われた。このデータは、ノイズを含まない同期化されたデータであり、タイミングリカバリ手段への入力ymとして用いられる。タイミングリカバリ性能を評価するために、信号対雑音比SNRLを、
【数6】
と定義する。ここで、yk*は、理想的なサンプリング時刻を用いた場合のタイミングリカバリ手段100(図1)のSRCの出力を表しており、ykLは、タイミングリカバリ機構が動作しているときのSRCからの実際のサンプル出力を表している。上付文字Lは、TED内において使用されている重み付け関数の種類を示している。
【0028】
式(5)において、「L=0」は、重み付け関数がW(sk)=1(すなわち、タイミングエラーが変更されずに残存している)であることを示し、「L=i」は、重み付け関数がW(sk)=sk/smaxであることを示し、「L=ii」は、重み付け関数がW(sk)=(sk/smax)2であることを示す。
【0029】
シミュレーションではノイズは存在しないため、SNRLは、データにより誘起されるジッタに対するタイミングリカバリ機構のロバスト性を評価することができる。タイミングリカバリの動作が開始した際の当初のサンプリング周波数には、10%の不整合が与えられる。異なる重み付け関数W(sk)に対するSNRLを直接比較することが可能となるように、ループ帯域およびダンピングは、様々な重み付け関数W(sk)の下で可能な限り一定となるように、適切に調整された。図4は、容量25GB、29GB、32GBおよび35GBの、BDタイプの大容量ディスクについて、SNRLを示している。過渡性能を考慮に入れるため、データ窓は、最初の5000サンプルを含むものとされている。
【0030】
タイミングリカバリの性能は、一定でない重み付け関数を利用することにより、効果的に改善されることが見て取れる。この改善は、データにより誘起されるより深刻なジッタのため、容量が増大するにつれてより顕著となる。全般的に、非線形型の重み付け関数(タイプii)は、線形型の重み付け関数(タイプi)または一定の重み付け関数(タイプ0)よりも、良好な性能を有する。32GBの容量においては、一定である重み付け関数と比較して、約7GBの改善が見られる。35GBにおけるSNRLの値は、32GBにおけるSNRLの値に比べて増大させられている。これは、ISIの影響を最も大きく受ける最も短いランレングスが、ゼロ交差点を有さず、したがってデータにより誘起されるジッタをある程度緩和するためである。当然ながら、ゼロ交差点が少ないため、タイミングリカバリの効率は低下する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術によるタイミングリカバリ手段の模式図
【図2】閾値交差タイミングリカバリにおけるタイミングエラー検出を示した図
【図3a】ディスク容量が23GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示した図
【図3b】ディスク容量が29GBのディスクにおける、ディスク読出し(従来技術)を示した図
【図4】本発明に従う方法のタイミングリカバリ性能を示した図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクからデータ信号サンプルを読み出す光学システム内において、閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、
前記光学システムによって、サンプリング時刻において、前記光ディスクからデータ信号サンプルを読み出す工程と、
読み出された前記データ信号サンプルを、タイミングリカバリ手段に供給する工程と、
前記タイミングリカバリ手段によって、タイミングエラー情報を特定する工程と、
前記タイミングエラー情報に基づいて、同期タイミング瞬時に近づくように前記サンプリング時刻を調整する工程とを含み、
前記タイミングエラー情報を特定する前記工程の後、前記同期タイミング瞬時に近づくように前記サンプリング時刻を調整する前記工程の前において、前記タイミングエラー情報に重み付け関数Wを掛け合わせる工程をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タイミングリカバリ手段が、二値変調で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ykおよびyk+1がそれぞれ同期化されたデータ信号サンプルであり、tkおよびtk+1がそれぞれ同期サンプリング瞬時であるとして、前記重み付け関数Wが、sk=|(yk−yk+1)/(tk−tk+1)|の関数であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=sk/smaxであることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=(sk/smax)2であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=exp[1−(sk/smax)−1]であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記タイミングリカバリ手段が、RLL(d)符号化で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記閾値交差タイミングリカバリが、ゼロ交差タイミングリカバリであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
引数TmおよびTm+1が、遷移周辺の2つの連続したランレングスTmおよびTm+1であるとして、前記重み付け関数Wが、関数W(Tm,Tm+1)であることを特徴とする請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記Tmと前記Tm+1との合計が増加すると、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)が増加することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記Tmと前記Tm+1との間の差分値|Tm−Tm+1|が増加すると、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)が減少することを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
RLL符号化における最も短いランレングスを「d+1」として、前記Tmまたは前記Tm+1が「d+1」に等しいとき、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)がゼロになることを特徴とする請求項8から11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
大容量光ディスクに記憶されたデータを読み出す光学システムであって、請求項1から12いずれか1項記載の方法を実行するものであることを特徴とする光学システム。
【請求項1】
光ディスクからデータ信号サンプルを読み出す光学システム内において、閾値交差タイミングリカバリを提供する方法であって、
前記光学システムによって、サンプリング時刻において、前記光ディスクからデータ信号サンプルを読み出す工程と、
読み出された前記データ信号サンプルを、タイミングリカバリ手段に供給する工程と、
前記タイミングリカバリ手段によって、タイミングエラー情報を特定する工程と、
前記タイミングエラー情報に基づいて、同期タイミング瞬時に近づくように前記サンプリング時刻を調整する工程とを含み、
前記タイミングエラー情報を特定する前記工程の後、前記同期タイミング瞬時に近づくように前記サンプリング時刻を調整する前記工程の前において、前記タイミングエラー情報に重み付け関数Wを掛け合わせる工程をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タイミングリカバリ手段が、二値変調で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ykおよびyk+1がそれぞれ同期化されたデータ信号サンプルであり、tkおよびtk+1がそれぞれ同期サンプリング瞬時であるとして、前記重み付け関数Wが、sk=|(yk−yk+1)/(tk−tk+1)|の関数であることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=sk/smaxであることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=(sk/smax)2であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記skの最大値をsmaxで表すこととして、W(sk)=exp[1−(sk/smax)−1]であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項7】
前記タイミングリカバリ手段が、RLL(d)符号化で符号化されたデータ信号サンプルに対して、タイミングリカバリを提供するように構成されていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記閾値交差タイミングリカバリが、ゼロ交差タイミングリカバリであることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の方法。
【請求項9】
引数TmおよびTm+1が、遷移周辺の2つの連続したランレングスTmおよびTm+1であるとして、前記重み付け関数Wが、関数W(Tm,Tm+1)であることを特徴とする請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
前記Tmと前記Tm+1との合計が増加すると、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)が増加することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記Tmと前記Tm+1との間の差分値|Tm−Tm+1|が増加すると、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)が減少することを特徴とする請求項8から10いずれか1項記載の方法。
【請求項12】
RLL符号化における最も短いランレングスを「d+1」として、前記Tmまたは前記Tm+1が「d+1」に等しいとき、前記重み付け関数W(Tm,Tm+1)がゼロになることを特徴とする請求項8から11いずれか1項記載の方法。
【請求項13】
大容量光ディスクに記憶されたデータを読み出す光学システムであって、請求項1から12いずれか1項記載の方法を実行するものであることを特徴とする光学システム。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【公表番号】特表2007−515033(P2007−515033A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543701(P2006−543701)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052734
【国際公開番号】WO2005/060146
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/052734
【国際公開番号】WO2005/060146
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]