説明

光学フィルムの製造方法

【課題】生産性を高めるために、賦型速度を高めた場合であっても、フィルム幅方向に延びる横スジが発生し難く、かつ良好な光学性能を有する光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】溶融押出された熱可塑性樹脂フィルム6を金型ロール2と金属製無端ベルト3とで押圧することにより、前記熱可塑性樹脂フィルム6表面に微細構造を形成する光学フィルムの製造方法であって、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg+40℃の温度における前記金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6との動摩擦係数が0.3以下であり、かつ前記金属製無端ベルト3の表面の表面粗さRaが0.2μm以下である、光学フィルムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用途またはディスプレイ分野などに用いられる光学フィルムの製造方法に関し、より詳細には、溶融押出された熱可塑性樹脂フィルムを、金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧することにより、熱可塑性樹脂フィルム表面に微細構造を形成する光学フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などのディスプレイ装置では、輝度を高めるためのシートや光を拡散させるためのシートなどの光学フィルムが用いられている。この種の光学フィルムでは、光学フィルム表面に微細な凹凸が形成されている。近年、光学特性を高めるために、凹凸パターンの微細化がさらに進んできている。
【0003】
上記のような光学フィルムの製造方法の一例が、下記の特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の光学フィルムの製造方法では、Tダイから熱可塑性樹脂を溶融押出する。溶融押出された熱可塑性樹脂フィルムを、外表面に凹凸パターンが形成された金型ロールと金属製無端ベルトとの間に導く。そして、熱可塑性樹脂フィルムを金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧することにより熱可塑性樹脂フィルム表面に微細な凹凸パターンを形成する。特許文献1に記載の光学フィルムの製造方法では、平坦性に優れ、かつ長尺状の熱可塑性樹脂フィルムと交差する方向に延びるすなわち幅方向に延びる横スジが生じ難い光学フィルムを得ることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−245700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光学フィルムの製造に際して、生産性を高めることが強く求められている。特許文献1に記載の光学フィルムの製造方法において、生産性を高めるには、金型ロールの回転速度を高めればよい。しかしながら、特許文献1に記載の製造方法において、金型ロールの回転速度すなわちライン速度を高めると、得られる光学フィルムに横スジが発生することがあった。従って、外観性の良好な光学フィルムを高い生産性で得ることができなかった。
【0006】
本発明の目的は、熱可塑性樹脂フィルムを溶融押出により成膜し、金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧する光学フィルムの製造方法であって、金型ロールの回転速度を高めて生産性を高めた場合であっても、フィルム幅方向に延びる横スジが生じ難い、光学フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、溶融押出された熱可塑性樹脂フィルムを金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧することにより、熱可塑性樹脂フィルム表面に微細構造を形成する光学フィルムの製造方法である。
【0008】
本発明は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg+40℃の温度における金属製無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムとの動摩擦係数を0.3以下とし、かつ金属製無端ベルトの表面の表面粗さRaを0.2μm以下としたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、好ましくは、上記金属製無端ベルトの前記熱可塑性樹脂フィルムに接触される表面に、フッ素樹脂を含有するコーティング層が設けられていることが好ましい。それによって、熱可塑性樹脂フィルムと金属製無端ベルトとが連続的により一層滑りやすくなり、横スジの発生をより一層確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る光学フィルムの製造方法では、金属製無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムとの動摩擦係数が0.3以下であり、かつ金属製無端ベルトの表面の表面粗さRaが0.2μm以下であるため、金型ロールの回転速度を高めて生産性を高めた場合であっても、金属製無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムとの滑り性が高められる。従って、熱可塑性樹脂フィルムが金属製無端ベルトに連続的にずれることとなる。よって、生産性を高めた場合であっても、光学フィルムの幅方向に延びる横スジの発生を効果的に抑制することが可能となる。よって、安価でかつ外観性の良好な光学フィルムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る光学フィルムの製造方法を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の詳細を説明する。
【0013】
本発明に係る光学フィルムの製造方法は、溶融押出された熱可塑性樹脂フィルムを金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧することにより、熱可塑性樹脂フィルム表面に微細構造を形成する光学フィルムの製造方法である。図1は、このような本発明の光学フィルムの製造方法の一実施形態を説明するための概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、ダイス1から溶融状態の熱可塑性樹脂フィルム6を押し出す。熱可塑性樹脂フィルム6は、金型ロール2と金属製無端ベルト3との間に導かれる。金型ロール2は、その軸支点が固定されており、図示の矢印方向に回転される。金型ロール2の外表面には、熱可塑性樹脂フィルム表面に形成すべき凹凸パターンに対して反転された凹凸パターンが形成されている。
【0015】
他方、金属製無端ベルト3は、ロール4,5間に架け渡されている。ロール4及びロール5の一方を図示の矢印方向に回転駆動することにより、金属製無端ベルト3は、図示の矢印方向に移動される。
【0016】
熱可塑性樹脂フィルム6は、上記金型ロール2と金属製無端ベルト3とで押圧される。それによって、熱可塑性樹脂フィルム6の金型ロール2と接触している面に、凹凸パターンが転写される。従って、熱可塑性樹脂フィルム6の表面に微細凹凸パターンが形成される。
【0017】
他方、上記金型ロール2の後段には、アニールロール7,8が配置されている。上記微細凹凸パターンが転写された熱可塑性樹脂フィルム6は、アニールロール7,8でアニールされ、図示の矢印方向に搬送される。
【0018】
なお、図1に示した光学フィルムの製造装置は、本発明の光学フィルムの製造方法に用いられる装置の一例であり、本発明においては、使用する製造装置は図1に示した構造の
ものに限定されるものではない。
【0019】
ところで、前述した特許文献1に記載の光学フィルムの製造方法では、金型ロール2の回転速度を高めることによりライン速度を高めた場合、熱可塑性樹脂フィルム6に横スジが生じるという問題のあることがわかった。本願発明者は、この問題につき検討した結果、金型ロール2の回転速度を高めた場合、熱可塑性樹脂フィルムと金属製無端ベルトとの間で断続的なずれが生じ、それによって横スジが生じることを見出した。
【0020】
本発明の光学フィルムの製造方法の特徴は、上記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg+40℃の温度における金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6との動摩擦係数が0.3以下であり、かつ金属製無端ベルト3の表面の表面粗さRaが0.2μm以下とされていることにある。従って、熱可塑性樹脂フィルムが金属製無端ベルト3と金型ロール2との間で押圧されエンボス加工が施される際に、金型ロール2の回転速度を高めた場合であっても、金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6とが連続的にずれることとなる。従って、上記断続的なずれが生じ難いため、横スジの発生を確実に抑制することができる。
【0021】
上記のような連続的なずれを発生させて、横スジの発生を抑制するには、上記のように、Tg+40℃の温度における金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6との上記動摩擦係数が0.3以下であることが必要である。より好ましくは、0.2以下である。上記動摩擦係数が0.3を超えると、横スジが生じやすくなる。
【0022】
他方、金属製無端ベルトの熱可塑性樹脂フィルムに接触される部分の表面粗さRaは0.2μm以下であることが必要であり、好ましくは0.1μm以下の鏡面状態である。金属製無端ベルト3の熱可塑性樹脂フィルム6に接触される部分の表面が粗くなると、金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6との接触面積が小さくなり、滑り性が高められる。従って、横スジの発生は抑制することができる。しかしながら、表面粗さRaが0.2μmを超えると、光透過性が低下し、光学フィルムとしての光学性能を得ることができない。従って、本発明では、上記金属製無端ベルト3の熱可塑性樹脂フィルム6に接触される面の表面粗さRaは0.2μm以下であることが必要である。
【0023】
好ましくは、上記金属製無端ベルト3の熱可塑性樹脂フィルム6に接触される面に、滑り性を高めるために、コーティング層を設けることが望ましい。このようなコーティング層としては、一般に、離型剤として用いられているシリコーン離型剤や、フッ素樹脂あるいはセラミック材料などの無機系離型剤を用いることができる。
【0024】
好ましくは、上記コーティング層として、フッ素樹脂を含有するコーティング層を設けることが望ましい。フッ素樹脂、特にポリテトラフルオロエチレンは、結晶層と非晶質層とが板状の形状を有し、非晶質層において容易に剪断する。従って、摩擦係数を効果的に低めることができる。よって、フッ素樹脂含有コーティング層を設けた場合、金属製無端ベルト3と熱可塑性樹脂フィルム6との間の滑り性をより一層高めることができる。従って、横スジの発生をより一層確実に抑制することができる。
【0025】
本発明において、上記金型ロール2は、表面に目的とする凹凸パターンを反転した凹凸パターンを有する限り、適宜の金属製ロールにより構成することができる。このような金属としては、ステンレス、ニッケル、銅、ニッケルリンなどを挙げることができる。
【0026】
また、上記金属製無端ベルトは、ステンレス、ニッケルなどの適宜の金属により形成することができる。
【0027】
本発明において、光学フィルムを得るのに用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては、透明な熱可塑性樹脂フィルムである限り、特に限定されない。すなわち、光学用の透明な熱可塑性樹脂として用いられている適宜の熱可塑性樹脂を用いることができる。また、熱可塑性樹脂フィルムには、上記透明な熱可塑性樹脂以外の他の材料が添加されていてもよい。もっとも、光学的に優れた性能を得るには、熱可塑性樹脂に他の材料を添加してなる、熱可塑性樹脂組成物中、上記透明な熱可塑性樹脂が80重量%以上占めることが望ましい。
【0028】
上記透明な熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンもしくはポリメチルペンテンなどの鎖状ポリオレフィン、シクロオレインポリマーやノルボルネンなどの環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートもしくはポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリアリレート、またはポリイミドなどを挙げることができる。
【0029】
中でも、透明性に優れ、耐熱性及び耐候性に優れているためポリカーボネートが好ましい。
【0030】
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社社製、商品名:パンライトL−1225LL、透明、Tg=143℃)をダイスからフィルム状に溶融押出し、表面にプリズムシートの凹凸を反転した凹凸パターンが形成されている金型ロールと、外表面にポリテトラフルオロエチレンからなるフッ素樹脂を含むコーティング層が形成されている金属製無端ベルトとの間に260℃の温度で導き、狭圧し、集光フィルムを製造した。金型ロールの回転速度、すなわちライン速度は30m/minとした。集光フィルムのプリズム形状は、横断面形状が頂角90度の二等辺三角形からなる三角柱形状を有し、中心間距離すなわちピッチ100μmで複数の三角柱形状が平行に配置されている形状とした。また、上記のようにして得た集光フィルムの厚みは200μmであった。
【0032】
(実施例2)
使用した樹脂を、ポリカーボネートからシクロールヘンポリマー(ポリプラスチックス社製、商品名:TOPAS 6013LS−04、Tg=138℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして集光フィルムを作製した。
【0033】
(実施例3)
使用した樹脂をポリカーボネートからノルボルネン樹脂(JSR社製、商品名:ARTON D4531、Tg=131℃)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして集光フィルムを作製した。
【0034】
(比較例1)
実施例1で用いた金属製無端ベルトに代えて、コーティング層を有しないことを除いては実施例1と同様にして構成された金属製無端ベルトを用い、それ以外については実施例1と同様にして集光フィルムを作製した。
【0035】
(比較例2)
実施例2で用いた金属製無端ベルトに代えて、コーティング層を有しないことを除いては実施例2と同様にして構成された金属製無端ベルトを用い、それ以外については実施例
2と同様にして集光フィルムを作製した。
【0036】
(比較例3)
実施例3で用いた金属製無端ベルトに代えて、コーティング層を有しないことを除いては実施例3と同様にして構成された金属製無端ベルトを用い、それ以外については実施例3と同様にして集光フィルムを作製した。
【0037】
(比較例4)
外表面がマット処理された金属製無端ベルトを用いたこと以外は、実施例1と同様にして集光フィルムを作製した。
【0038】
(動摩擦係数の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4でそれぞれ用いた溶融押出により成膜された樹脂フィルムと、実施例1〜3及び比較例1〜4で用いた金属製無端ベルトと同様に構成された金属板とを用意した。すなわち、実施例1を例にとると、金属製無端ベルトが表面にフッ素樹脂からなるコーティング層を有するため、用意する金属板として、実施例1で用いた無端ベルトと同じように鏡面仕上げされた金属板上に実施例1と同様にしてフッ素樹脂コーティング層を形成してなる金属板を用意した。また、比較例1を例にとると、上記フッ素樹脂からなるコーティング層を有していない鏡面仕上げの金属板を用意した。
【0039】
そして、実施例1〜3及び比較例1〜4と同様の組み合わせとなるように、かつ実施例1〜3及び比較例1〜4において、使用した熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgよりも40℃高い温度で、上記各金属板サンプル上に樹脂フィルムを5分間静置した。その後、樹脂フィルムの上面から170gの荷重をかけ、樹脂フィルムと金属板とが接する面と平行な方向に5m/分の速度で樹脂フィルムを移動させたときの抵抗力を、表面性測定機(新東科学社製、HEIDON 14DR)を用いて測定し、動摩擦係数を算出した。すなわち、動摩擦係数は、抵抗力をF、樹脂フィルムにかかる垂直荷重をPとしたとき、動摩擦係数=F/Pで求められる。
【0040】
(表面粗さの測定)
実施例1〜3及び比較例1〜4で用いた金属製無端ベルト表面に、二液混合型シリコーン樹脂(Struers社製、商品名:Repliset−F5)を適量滴下し、表面形状を転写してなるレプリカを作製した。しかる後、このレプリカに基づき、表面粗さRaを、測定装置(KLA Tencor社製、P.16+)を用いて測定した。
【0041】
(実施例及び比較例の評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4で得た集光フィルムを、縦300mm×横400mmの寸法に裁断した。このようにして得た集光フィルムサンプルをフラットパネル(群馬ウシオ電機社製、品番:FP−404)上に、集光フィルムのプリズムレンズの稜線方向が画面の左右方向すなわち水平方向になるように載置した。しかる後、ELDIM社製、EzContrast EI80を用い、正面輝度を測定した。上記フラットパネル上に集光フィルムを載せない場合の正面輝度を100とした相対輝度を求めた。結果を下記の表1に示す。
【0042】
(横スジ評価)
実施例1〜3及び比較例1〜4で得た集光フィルムを目視で観察し、フィルム幅方向に延びる横スジの有無を評価した。結果を下記の表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1から明らかなように、上記動摩擦係数が0.3以下である実施例1〜3及び比較例4では、ライン速度が30m/minと高いが、横スジは認められなかった。これに対して、比較例1〜3では、ライン速度が30m/minと高いため、横スジが生じていた。
【0045】
また、表面粗さRaが0.2μm以下である実施例1〜3及び比較例1〜3では、比較例4に比べて正面輝度を高くし得ることがわかる。よって、上記動摩擦係数を0.3以下とし、かつ表面粗さRaを0.2μm以下とすることにより、光学特性を低下させることなく、横スジの発生を抑制し得ることがわかる。
【符号の説明】
【0046】
1…ダイス
2…金型ロール
3…金属製無端ベルト
4,5…ロール
6…熱可塑性樹脂フィルム
7,8…アニールロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融押出された熱可塑性樹脂フィルムを金型ロールと金属製無端ベルトとで押圧することにより、前記熱可塑性樹脂フィルム表面に微細構造を形成する光学フィルムの製造方法であって、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg+40℃の温度における前記金属製無端ベルトと熱可塑性樹脂フィルムとの動摩擦係数が0.3以下であり、かつ前記金属製無端ベルトの表面の表面粗さRaが0.2μm以下である、光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記金属製無端ベルトの表面にフッ素樹脂を含有するコーティング層が設けられている、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。


【図1】
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【公開番号】特開2012−45914(P2012−45914A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192778(P2010−192778)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】