光学フィルム
【課題】高輝度を有し、光を均一に拡散する能力をもつ光学フィルムを提供する。有機粒子の粒子サイズ分布及びバインダーの比率を修正することにより、拡散効果が最適化され得る。
【解決手段】透明基材101と、透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティング103とを備え、樹脂コーティングが複数の有機粒子105及びバインダー107を含む、光学フィルムであって、有機粒子がポリマー化単位として多官能基を有する少なくとも1つのアクリレートモノマータイプを含むポリアクリレート樹脂から作られ、多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、有機粒子が平均粒子サイズを有し、有機粒子の粒子サイズ分布が平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、有機粒子がバインダーの固形部の100重量部当たり約180から320重量部までの量である、光学フィルムを提供する。
【解決手段】透明基材101と、透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティング103とを備え、樹脂コーティングが複数の有機粒子105及びバインダー107を含む、光学フィルムであって、有機粒子がポリマー化単位として多官能基を有する少なくとも1つのアクリレートモノマータイプを含むポリアクリレート樹脂から作られ、多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、有機粒子が平均粒子サイズを有し、有機粒子の粒子サイズ分布が平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、有機粒子がバインダーの固形部の100重量部当たり約180から320重量部までの量である、光学フィルムを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学フィルムに関する。特に、本発明は、液晶ディスプレイのバックライトモジュールに適用される拡散フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルは、高解像度、低放射、低電力消費、及び優れた空間の利用の利点ため、陰極線管の代わりに使われ、市場において主流になっている。液晶パネルは発光し得ないので、分散光を提供するために光源としてバックライトモジュールを使用することが必要であり、その結果、ディスプレイ装置は像を正常に表示し、十分な輝度及びコントラストを獲得することが可能である。
【0003】
バックライトモジュールを構成する主な要素は、入射光、反射フィルム、光ガイドプレート、拡散プレート、拡散フィルム、明度増強フィルム、及びプリズム保護フィルムなどを含む。拡散プレート及び拡散フィルムの主要な機能は、液晶ディスプレイに均一な表面光を与えることである。通常、拡散プレート及び拡散フィルムは、2つのタイプ、すなわち、内部拡散タイプと表面拡散タイプとを含む。内部拡散タイプは、有機粒子又は無機粒子を含有するポリカーボネート(PC)、ポリスチレン又はポリメチルメタクリレート(PMMA)の樹脂からなる。拡散粒子を利用することにより、光は異なる屈折率をもつ2つの媒体を通過するので、光は屈折させられ散乱させられ、その結果、光源から放出された直線光は均一な表面光に拡散させられ得る。すなわち、光源より下からの光は拡散プレートによって散乱され、上方へ均一に分散され、その後に、放出される。表面拡散タイプは、透明樹脂プレートの表面を粗くすることにより光を反射し屈折させる。しかし、表面拡散タイプは、調製手順に時間がかかり、かつ複雑であり、比較的費用がかかる。
【0004】
様々な粒子サイズをもつ粒子が光拡散効果を強化するために拡散粒子として使用され得ることが知られている。従来型の拡散フィルムの場合、様々な粒子サイズをもつ複数の拡散粒子を含有する樹脂コーティングが基材に形成される。拡散粒子は、通常は、1μmから50μmの範囲内の粒子サイズを有する。従来技術で使用される拡散粒子は広い粒子サイズ分布を有する。すなわち、(yが粒子量を表し、xが粒子サイズを表す)樹脂コーティング中の拡散粒子の粒子サイズ分布は幅の広い単一ピーク分布である。たとえば、使用された粒子が約15μmの平均粒子サイズを有するとき、粒子の粒子サイズ分布はおおよそ約1μmから約30μmまで変動する。異なる平均粒子サイズをもつ3つ以上の粒子のグループの混合物は拡散粒子として使用され得ることも当分野で知られている。すなわち、(yが粒子量を表現し、xが粒子サイズを表現する)拡散粒子の粒子サイズ分布は、2(多重)ピーク分布である。光拡散効果は幅の広い単一ピーク粒子サイズ分布又は2(多重)ピーク粒子サイズ分布を有する拡散粒子を使用することによって改善され得るが、光は粒子の様々な粒子サイズのためにランダムに散乱され、その結果として、光源は効果的に利用され得ない。
【0005】
コーティング中の拡散粒子が互いに凝集させられるか、又は接着させられるならば、光拡散均一性が影響をうけるだけでなく、ダークスポットがディスプレイの表面に生成される可能性もある。上記の問題を解決するために、米国特許第7,218,450B2号明細書は、積層比と、凝集粒子の粒子サイズと、単一分布をもつ2種類の粒子が使用されるときの単一分布をもつ2種類の粒子の平均粒子サイズとを含むある種のパラメータをもつ拡散粒子として、特別の化学式を満たし、単一分布をもつ1個以上の有機又は無機粒子を使用することを開示する。米国特許第7,218,450B2号明細書で使用される単一分布をもつ粒子の95%は、平均粒子サイズの±15%の範囲内で変動する粒子サイズを有する。米国特許第7,218,450B2号明細書は、狭い粒子サイズ分布を有する拡散粒子を使用することをさらに教示するが、拡散粒子の架橋度について言及していない。実際には、拡散粒子の不十分な架橋度はある種の問題を必ず引き起こす。たとえば、架橋度が低い粒子は、バインダー中の溶剤と相互作用する可能性があり、したがって膨張する。したがって、架橋度が高い粒子と比較すると、架橋度が低い粒子は溶剤抵抗性が低い。さらに、溶剤は吸収されるので、架橋度が低い粒子の体積が変化し、粒子の光学特性は不安定になり、粒子の表面上の粘性が上昇し、その結果、粒子が互いに容易に凝集させられ、それによって、コーティング加工性と、拡散フィルムの光拡散効果にさらに影響を与える。
【0006】
その上、種々の光学フィルムでは、明度増強フィルムは比較的高価であり、したがって、新たに開発されたバックライトモジュール構造体においては、明度増強フィルムの代わりになり、コストを削減するように、その他の光学フィルム、及び、その他の光学フィルムの組み合わせが改良された。たとえば、液晶ディスプレイでは、従来型の明度増強フィルムの設計を明度増強フィルムの上と下にそれぞれ位置している2つの拡散フィルムで置き換えるために2つまたは3つの拡散フィルムが使用された。それにもかかわらず、輝度及びその他の性能は従来型の設計より劣っている。したがって、最新技術のため、拡散フィルムの設計が光拡散効率要件を満たすことを重視するだけでなく、拡散フィルムの輝度を改善する手段もまた考慮されるべきである。
【特許文献1】米国特許第7,218,450B2号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は高輝度を有する光学フィルムを提供する。
【0008】
本発明は、光を均一に拡散する能力をもつ光学フィルムも提供する。有機粒子の粒子サイズ分布及びバインダーの比率を修正することにより、本発明の光学フィルムの拡散効果が最適化され得る。
【0009】
本発明は、耐溶剤性があり、フィルムの光学特性の不安定性を生じさせる有機粒子の膨張を妨げることが可能である高度に架橋された有機粒子を含有する光学フィルムをさらに提供する。その一方で、有機粒子の架橋度を増加させることにより、有機粒子の耐スクラッチ性及び耐摩耗性を増強するように有機粒子の硬度が増強されている。
【0010】
本発明は、輝度の増強を達成するように多重光学フィルムをさらに提供する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、透明基材と、透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムを提供する。有機粒子はポリアクリレート樹脂粒子であり、ポリアクリレート樹脂は、ポリマー化単位として少なくとも1つの単官能アクリレートモノマーと少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーとを含み、多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、有機粒子が単一平均粒子サイズを有し、有機粒子の粒子サイズ分布が平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、有機粒子がバインダーの固形部の100重量部に対して約180から約320重量部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の光学フィルムは、本発明の範囲を制限することが意図されていない図面を参照して実施形態によって詳細に後述されている。当業者によって容易に達成され得る変形又は変更が本明細書の開示の範囲に含まれることは明らかである。
【0013】
図1は本発明の好ましい一実施形態による光学フィルムの概略図である。図1に示されているように、本発明の光学フィルムは、透明基材101と、透明基材101の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティング103とを含む。樹脂コーティング103は、複数の有機粒子105及びバインダー107を含む。優れた光拡散効果を達成するため、バインダー107の被覆厚は、好ましくは、有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3であり、より好ましくは、有機粒子の粒子サイズのおよそ半分(すなわち、半球高さ)である。さらに、有機粒子は単層の樹脂コーティング中に均一に分布している。
【0014】
本発明の光学フィルムに使用される透明基材101は、ガラス又はプラスチックのような、当業者に知られているどのような基材でもよい。プラスチック基材は、特に限定されることがなく、当業者に知られているどれか1つであり、限定されることはないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)、又は、これらの混合物を含む、基材である。好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、もしくはトリアセテートセルロース、又はこれらの混合物から作られた基材である。より好ましくは、基板はポリエチレンテレフタレートである。第1の光学層の厚さは、好ましくは、約16μmから約250μmの範囲に入り、通常、光学製品の所望の目的に依存している。
【0015】
光拡散効果を実現するため、樹脂コーティング103は、基板101の一方の表面に塗布される。樹脂コーティング103は有機粒子105及びバインダー107を含む。樹脂コーティング103に含まれている有機粒子105は、ポリマー化単位として、少なくとも1つの単官能アクリレートモノマー及び少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーを含有し、多官能アクリレートモノマーのすべてがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%の量である、ポリメタクリレート樹脂から作られている。本発明によれば、モノマーが互いに架橋反応を受け、得られた有機粒子の架橋度が増強され得るように、少なくとも1つの多官能モノマーが使用される。したがって、有機粒子の硬度は、有機粒子の耐スクラッチ性及び耐摩耗性を増強し、粒子の耐溶剤特性を改善するために増強される。
【0016】
本発明に適した単官能アクリレートモノマーは、限定されることはないが、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0017】
本発明に適した多官能アクリレートモノマーは、限定されることはないが、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、樹脂コーティング103に含有されている有機粒子105は、メチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られた、エチレングリコールジメタクリレートモノマーに対するメチルメタクリレートモノマーの重量比が70:30、60:40、50:50、40:60又は30:70でもよいポリアクリレート樹脂粒子である。エチレングリコールジメタクリレートモノマーの量がモノマーの総重量に基づいて約30wt%から約70wt%であるとき、好ましい架橋度が得られる。
【0019】
本発明によれば、複数の有機粒子の形状は特に限定されることがなく、たとえば、球状でも、長円状でも、不規則な形状でもよいが、このなかでは球状が好ましい。有機粒子は、約5μmから約30μmまで、好ましくは、約10μmから約25μmまで変動する単一平均粒子サイズを有する。より好ましくは、有機粒子は、約10、15、又は20μmの平均粒子サイズを有する。有機粒子は光散乱効果を提供する。光学フィルムの輝度を増強するため、本発明において使用される有機粒子は、粒子の平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、好ましくは、約±4%の範囲内で変動する非常に均一な粒子サイズ分布を有する。たとえば、本発明によれば、有機粒子が約15μmの平均粒子サイズを有するならば、樹脂コーティング中の有機粒子105の粒子サイズ分布は、約14.25μmから約15.75μmの範囲内で変動し、好ましくは、約14.4μmから約15.6μmの範囲内で変動する。従来技術において使用される約15μmの平均粒子サイズと、約1μmから約30μmまでの範囲内の粒子サイズ分布とを有する有機粒子と比較すると、本発明において使用される有機粒子は、単一平均粒子サイズを有するだけでなく、粒子サイズ分布が比較的狭いので、本発明は、有機粒子の粒子サイズの著しい差異に起因する過度に大きい光散乱レンジによって引き起こされる光源の消耗を回避し、それによって、光学フィルムの輝度を増強することが可能である。
【0020】
樹脂コーティング103に含有されているバインダーは、好ましくは、光が通り抜けるように無色透明である。本発明のバインダーは、本発明の樹脂コーティングを形成するように、紫外線(UV)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂と、ならびに場合によっては、熱硬化、UV硬化、又は熱及びUVの両方の硬化によって処理されるこれらの混合物からなる群より選択される。本発明の実施形態では、コーティングの硬度を増強し、フィルムが反ることを防止するため、バインダーは、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含有し、優れた耐熱特性及び非常に低い体積収縮性をもつ樹脂コーティングを形成するように熱及びUVの両方の硬化によって処理される。
【0021】
本発明において役に立つUV硬化性樹脂は、1個以上の官能基を有する少なくとも1つのアクリルモノマー又はアクリレートモノマーから作られ、これらのうちアクリレートモノマーの方が好ましい。本発明に適したアクリレートモノマーは、限定されることはないが、メタクリレートモノマー、アクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、又はエポキシアクリレートモノマーを含み、これらのうち(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
【0022】
たとえば、本発明において使用されるUV硬化性樹脂に適した(メタ)アクリレートモノマーは、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、アクリレートモノマーは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する。
【0023】
樹脂コーティング103のフィルム形成性を改善するため、本発明において使用されるUV硬化性樹脂は、場合によっては、103から104まで変動する分子量を有するオリゴマーを含有する。このようなオリゴマー、たとえば、限定されることはないが、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート、及び芳香族ウレタンヘキサアクリレートのようなウレタンアクリレートと、ビスフェノールAエポキシジアクリレート及びノボラックエポキシアクリレートのようなエポキシアクリレートと、ポリエステルジアクリレートのようなポリエステルアクリレートと、又はホモアクリレートとを含有するアクリレートオリゴマーのようなオリゴマーは、当業者に周知である。
【0024】
本発明に適した熱硬化性樹脂は、典型的に、104から2×106まで、好ましくは、2×104から3×105まで、より好ましくは、4×104から105までの範囲に入る平均分子量を有する。本発明の熱硬化性樹脂は、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアルキド樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択可能であり、これらのうち、ポリメタクリルポリオール樹脂のような、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂が好ましい。
【0025】
本発明において使用され得る熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリメタクリレート樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0026】
本発明の光学フィルムの樹脂コーティングの厚さは、通常は、所望の製品の要件に依存し、典型的に、約5μmから約30μmまでの範囲、好ましくは、約10μmから約20μmまでの範囲に入る。
【0027】
本発明によれば、有機粒子は、単層の樹脂コーティング中に均一に分布している。従来のテクノロジーにおいて採用されている重なり合う粒子の分布と比較すると、単層均一分布は、原材料のコストを削減するだけでなく、光源の消耗を削減することが可能であり、それによって、光学フィルムの輝度を増強させる。すなわち、図1に示されているように、粒子105は単層の樹脂コーティング105中に分布し、フィルム厚が測定されると、同じ場所に1個の粒子だけが存在することが確かめられ、2個の粒子が同じ場所に存在する重なり合う状況は起こらない。さらに、拡散効果を最適化するため、バインダー107の被覆厚は有機粒子105の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までであり、好ましくは、有機粒子105の粒子サイズのおよそ半分(すなわち、半球高さ)である。
【0028】
樹脂コーティング103中の有機粒子105の好ましい分布の垂直図が図3、4A及び4Bに示されている。バインダーに対する有機粒子の適度な比率の範囲は、本発明のこれらの具体的な実施形態に基づいて推論される。
【0029】
第一に、樹脂コーティング103中の有機粒子105の分布の垂直図が図3に示されているとおりであるとき、バインダーに対する有機粒子の比率は、バインダーの被覆厚が有機粒子の粒子サイズの半分であると仮定して推論される。Seikisui SSX−120(20μmの径を有するポリアクリレート粒子、10μmの半径がrであると仮定し、1.2g/cm3の比重がdであると仮定する)が本発明の有機粒子として使用される。面積1m2の範囲内でバインダーに対する有機粒子の比率は次のとおり計算される。
【0030】
20μmの径を有する1個のポリアクリレート粒子の重量は、ポリアクリレート粒子の比重×ポリアクリレート粒子の体積=d×4/3πr3=1.2g/cm3×4/3×3.14×(10×10−4cm)3=5.024×10−9gである。
【0031】
面積1m2の範囲内の粒子の個数は、[1m/(20×10−6m)]2=2.5×109である。
【0032】
面積1m2の範囲内の粒子の総重量は、2.5×109×5.024×10−9g=12.56gである。
【0033】
面積1m2の範囲内で半球状の被覆厚(10μm)を実現するため使用されるバインダーの量は、(1m2×粒子半径−面積1m2の範囲内の粒子の個数×粒子の半球体積)×アクリルバインダーの比重=((100cm)2×10×10−4cm−2.5×109×1/2×4/3×3.14×(10×10−4cm)3)×1.2g/cm3=5.72gである。
【0034】
粒子の重量/バインダーの重量は、12.56/5.72 220/100である。
【0035】
面積1m2の範囲内のコーティング量=粒子の重量+バインダーの重量=12.56g+5.72g=18.28gである。
【0036】
さらに、樹脂コーティング103中の有機粒子105の分布の垂直図が図4A及び4Bに示されているとおりであるとき、バインダーに対する有機粒子の比率は、バインダーの被覆厚が有機粒子の粒子サイズの半分であると仮定して推論される。同様に、Seikisui SSX−120(20μmの径を有するポリアクリレート粒子、10μmの半径がrであると仮定し、1.2g/cm3の比重がdであると仮定する)が本発明の有機粒子として使用される。面積1m2の範囲内でバインダーに対する有機粒子の比率は次のとおり計算される。
【0037】
20μmの径を有する1個のポリアクリレート粒子の重量は、ポリアクリレート粒子の比重×ポリアクリレート粒子の体積=d×4/3πr3=1.2g/cm3×4/3×3.14×(10×10−4cm)3=5.024×10−9gである。
【0038】
面積1m2の範囲内の粒子の個数は、[1m/(√3×10×10−6m)]×[1m/(20×10−6m)]=2.8868×109である。
【0039】
面積1m2の範囲内の粒子の総重量は、2.8868×109×5.024×10−9g=14.5033gである。
【0040】
面積1m2の範囲内で半球状の被覆厚(10μm)を実現するため使用されるバインダーの量は、(1m2×粒子半径−面積1m2の範囲内の粒子の個数×粒子の半球体積)×アクリルバインダーの比重=((100cm)2×10×10−4cm−2.8868×109×1/2×4/3×3.14×(10×10−4cm)3)×1.2g/cm3=4.7484gである。
【0041】
粒子の重量/バインダーの重量は、14.5033/4.7484 305/100である。
【0042】
面積1m2の範囲内のコーティング量=粒子の重量+バインダーの重量=14.5033g+4.7484g=19.2517gである。
【0043】
したがって、本発明の樹脂コーティングでは、有機粒子は、バインダーの固形部の100重量部当たり約180重量部から約320重量部までの量であり、好ましくは、バインダーの固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量である。
【0044】
有機粒子及びバインダーに加えて、本発明の樹脂コーティングは、場合によっては、限定されることはないが、帯電防止剤、硬化剤、光開始剤、蛍光増白剤、UV吸収剤、レベリング剤、湿気剤、安定化剤、分散剤、又は無機微粒子を含む、当業者に知られている添加剤を含有することがある。
【0045】
本発明に適した帯電防止剤は、特に限定されることはなく、エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第4級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、(ポリエチレンオキシドのような)エポキシ樹脂、シロキサン、又はポリ(エチレングリコール)エステル、ポリ(エチレングリコール)エーテルなどのようなその他のアルコール誘導体といった、当業者に周知のどのような帯電防止剤でも構わない。
【0046】
本発明に適した硬化剤は、当業者に周知の、架橋を形成するため分子を互いに化学結合させる能力があるどのような硬化剤でもよく、限定されることはないが、たとえば、ジイソシアネート又はポリイソシアネートでもよい。本発明の樹脂コーティングが硬化剤を含有するとき、本発明の有機粒子は、場合によっては、ヒドロキシル基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、又はアミノ基(−NH2)、好ましくは、ヒドロキシル基を含有するモノマーから調製されることがあり、有機粒子は、接着力を改善し、バインダーの量を削減し、光学フィルムの輝度を増強するため、表面官能基を含有し、樹脂コーティング中の硬化剤と直接的に反応し得るようになる。ヒドロキシル基を含有するモノマーの例は、限定されることはないが、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、及びこれらの混合物を含む。
【0047】
本発明において使用される光開始剤は、照射された後に遊離基を生成し、遊離基を放出することによってポリマー化を開始する。本発明に適用される光開始剤は特に限定されない。光開始剤の例は、限定されることはないが、ベンゾフェノン、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、又は、これらの混合物を含む。好ましくは、光開始剤は、ベンゾフェノン又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
【0048】
本発明に適した蛍光増白剤は、特に限定されないが、当業者に周知のどのような蛍光増白剤でもよく、たとえば、限定されることはないが、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、又は、ジフェニルエチレンビストリアジンを含む有機物でもよく、又は、たとえば、限定されることはないが、硫化亜鉛を含む無機物でもよい。
【0049】
本発明に適したUV吸収剤は、当業者に周知のどのようなUV吸収剤でもよく、たとえば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、ベンゾフェノン、又はサリチル酸誘導体でもよい。
【0050】
その上、基材101がプラスチック基材であるとき、プラスチック基材が黄変することを防ぐため、UV光を吸収する能力をもつ無機微粒子が、場合によっては、樹脂コーティング103に添加されることがあり、無機微粒子は、たとえば、限定されることはないが、ジンクオキシド、ジルコニア、アルミナ、ストロンチウムチタネート、チタニウムジオキシド、カルシウムサルフェート、バリウムサルフェート、もしくはカルシウムカーボネート、又はこれらの混合物でもよく、これらのうち、チタニウムジオキシド、ジルコニア、アルミナ、ジンクオキシド、又は、これらの混合物が好ましい。上記の無機微粒子の粒子サイズは、典型的に、約1ナノメートル(nm)から約100nmまで、好ましくは、約20nmから約50nmまでの範囲に入る。
【0051】
本発明の光学フィルムとその他のバックライトモジュール要素との間の吸着効果を回避し、拡散効果を改善するため、本発明の光学フィルムでは、約1μmから約10μmの範囲の厚さをもつ付着防止層が、場合によっては、基材のもう一方側に被覆される。図2に示されているように、本発明の別の実施形態では、基材101は、片側に複数の有機粒子105及びバインダー107を含有する樹脂コーティング103を有し、もう一方側に複数の有機粒子115及びバインダー117を含有する付着防止層113を有する。
【0052】
付着防止層113に適用されるバインダー117のタイプ及び有機粒子115のタイプは、以下で明確にされているとおりである。
【0053】
有機粒子115は、バインダー117の固体部の100重量部当たり約0.1重量部から約5重量部までの量である。有機粒子115は、約1μmから約10μmまで、好ましくは、約5、8、又は10μm、もっとも好ましくは、約8μmの平均粒子サイズを有する。有機粒子115の粒子サイズ分布は、特に限定されず、広い粒子サイズ分布でも狭い粒子サイズ分布でもよく、さらに単一ピーク分布でもよく多重ピーク分布でもよい。場合によっては、付着防止層115中に使用される有機粒子115は、粒子サイズが均一でもよい。換言すると、平均粒子サイズの約±5%の範囲内、好ましくは、平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する有機粒子は、付着防止層を調製するためにも使用され得る。
【0054】
本発明の光学フィルムの付着防止層及び樹脂コーティングは、同じ組成でも異なる組成でもよい。換言すると、同じ又は異なる有機粒子、バインダー、及び任意的な添加剤が付着防止層及び樹脂コーティングを作るために使用される。本発明によれば、付着防止層は、たとえば、限定されることはないが、レベリング剤、安定化剤、帯電防止剤、硬化剤、蛍光増白剤、光開始剤、UV吸収剤、又は無機微粒子を含む、当業者に知られている添加剤を含有することがある。帯電防止剤、硬化剤、蛍光増白剤、光開始剤、UV吸収剤、及び無機微粒子を含む上記の添加剤のタイプは、上述されているとおりである。
【0055】
本発明の光学フィルムは、JIS K7136標準方法に準拠して測定されるような約80%から約98%の範囲のヘイズを有し、好ましくは、JIS K7136標準方法に準拠して測定されるような約60%以上の全光透過率を有する。したがって、本発明の光学フィルムは、光源装置、たとえば、広告用ライトボックス及びフラットパネルディスプレイに使用され、特に液晶ディスプレイに使用され得る。本発明の光学フィルムは、拡散フィルムとして、表面光源装置の発光表面の上に配置されるので、光を拡散する効果を達成する。その上、本発明の光学フィルムは、光を効率的に拡散できるだけでなく、望ましい輝度を有するので、本発明の2つまたは3つの光学フィルムは、望ましい光拡散効率及び輝度を提供するために、明度増強フィルムを他の拡散フィルムと組み合わせた従来型の設計の代わりに、拡散フィルムとして使用され得る。
【0056】
図5に示されているように、図2に示されているような1つの本発明の光学フィルムは、光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層される。必要に応じて、本発明の光学フィルムは、複数の拡散層を使用することによって輝度を増強する効果を達成するように、輝度を改善するため繰り返し積層され得る。たとえば、図6に示されているように、図2に示されているような2つの本発明の光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層され、又は、図7に示されているように、図2に示されているような3つの本発明の光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層される。さらに、4つ以上の光学フィルムが現実の要求に応じて積層され得る。
【0057】
図8は、図2に示されているような1つの光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層され、明度増強フィルム600がさらにその上に積層されている、本発明の光学フィルムの別の適用に関する。この適用に適した明度増強フィルムは特に限定されることがなく、当業者に知られているどのような明度増強フィルムでも構わない。
【0058】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するため使用されるが、本発明の範囲を限定することは意図されていない。当業者によって容易になされ得る変形又は変更は本明細書の開示の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。
【0059】
調製実施例1
UV硬化性樹脂の調製
250mLのガラス瓶中、40gのトルエンが添加された。10gのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2gのトリメチロールプロパントリアクリレート及び14gのペンタエリスリトールトリアクリレート、オリゴマー(30gの脂肪族ウレタンヘキサアクリレート[Etercure 61456−100、Eternal社])、及び光開始剤(4gの1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)からなるアクリレートモノマーが、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約60%の固形部を含む約100gのUV硬化性樹脂が調製された。
【0060】
調製実施例2(有機粒子/バインダーの固形部=180/100)
250mLのガラス瓶中、30gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである30gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた28gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0061】
調製実施例3(有機粒子/バインダーの固形部=220/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである32gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた24gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0062】
調製実施例4(有機粒子/バインダーの固形部=250/100)
250mLのガラス瓶中、30gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである34gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた22gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0063】
調製実施例5(有機粒子/バインダーの固形部=305/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである36gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた20gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約48%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0064】
調製実施例6(有機粒子/バインダーの固形部=220/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが20μmである32gのアクリル樹脂粒子[SSX−120、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、20μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた24gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#14を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約22μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0065】
実施例1から5
第2の拡散層(付着防止層)の調製
250mLのガラス瓶中、24gのトルエンと20gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが8μmである1gのアクリル樹脂粒子[SSX−108、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、8μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた25gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、26gのアクリレート樹脂[Eterac 7361−ts−50、Eternal社](約50%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、次に、2gの硬化剤[Desmodur 3390、Bayer社](約75%の固形部を含む)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が添加され、最終的に、約31%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、一方の表面が第1の拡散層(樹脂コーティング)で既に被覆されている調製実施例2、3、4、5、及び6のPET基板のもう一方の表面に、それぞれ、RDS Bar Coater#6を用いて被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約8μmの厚さを有する第2の拡散層(付着防止コーティング)が調製された。213μm、213μm、213μm、213μm及び218μmの全厚を有する実施例1から5によって調製された光学フィルムの特性は、以下の方法によって試験された。結果が以下の表1及び2に掲載されている。さらに、実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の垂直像及び側面像を有するSEM写真は、図9から11に示されているとおりである。
【0066】
比較例1
厚さが213μmである市販されている拡散フィルム[CH283、SKC社]の特性が以下の方法によって試験され、ここで、基材の表面上の樹脂コーティングが、それぞれ15μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が15μm±15%)及び5μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が5μm±15%)の2つのグループの混合物からなり、有機粒子の2つのグループの両方が80:20の重量比でMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有する低架橋度の有機粒子である。結果は以下の表1に掲載されている。
【0067】
比較例2
厚さが210μmである市販されている拡散フィルム[DI−700A、Eternal社]の特性が以下の方法によって試験され、ここで、基材の表面上の樹脂コーティングが、それぞれ15μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が1μmから30μmまで変動する)及び5μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が1μmから10μmまで変動する)の2つのグループの混合物からなり、有機粒子の2つのグループの両方が60:40の重量比でMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有する高度に架橋された有機粒子である。結果は以下の表1に掲載されている。
【0068】
試験方法A:
フィルム厚試験:実施例1から5及び比較例1及び2のフィルムの厚さが1Nの加圧接触下でコーティング厚ゲージ(PIM−100、TESA社)を用いて測定された。結果は上記のとおり記録された。
【0069】
試験方法B:
ヘイズ及び全透過率試験:JIS K7136の標準方法に準拠して、試験標本がNDH5000W ヘイズメーター(Nippon Denshoku Industries社)を用いてヘイズ(Hz)及び全透過率(Tt)に関して測定された。結果は以下の表1に掲載されている。
【0070】
鉛筆硬度試験:JIS K−5400の方法に準拠して、試験標本がMitsubishi鉛筆(2H,3H)を使用して鉛筆硬度試験機[Elcometer 3086、SCRATCH BOY]で試験された。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0071】
表面抵抗率試験:標本の表面抵抗率は超絶縁計[ESTASIA TOADKK社、SM8220及びSME−8310、500V]で測定された。試験条件は、23±2℃、55±5%RHであった。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0072】
反り試験:試験フィルムは、長さ100mm×幅100mmの水平フィルムに切り分けられ、120℃のオーブンに10分間置かれ、次に、取り出され、室温で放置された。室温まで冷却された後、フィルムは、ギャップゲージ(記録単位:ミリメートル(mm)、記録方式:たとえば、0;0;0;0)で4隅の反りレベルが測定され、それによって、試験標本が耐熱性及び反り抵抗性に関して評価された。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0073】
【表1】
【0074】
表1によれば、実施例及び比較例の結果は、本発明の光学フィルムが、望ましい帯電防止特性及び高硬度特性を有し、反りのない好ましい表面平坦性を有し、それによって、光学特性が影響されることを防止することを示している。
【0075】
試験方法C:
実施例1から5のフィルム並びに比較例1及び2のフィルムと、Eternal社製の輝度増強フィルム[PF−96S−188]とは、輝度評価のための種々のモジュールを形成するためバックライト光源1と組み付けられる。
【0076】
バックライト光源1は、26インチ直接型バックライト光源に基づき、6個のU型冷陰極蛍光ランプ(CCFL)をUV防止反射フィルムに堆積させ、光源を均一化する2mmの拡散プレートを設置することによって構築される。
【0077】
輝度測定方法:バックライト光源及びモジュールの中心輝度(cd/m2)と13点又は25点輝度は、バックライト光源から50cmの距離及び法線方向に(すなわち、0°の角度で)、輝度計、2°の角度[Topcon社、SC−777]で測定され、輝度ゲイン及び輝度均一性が以下の方法で計算された。結果は表2に掲載されている。
【0078】
輝度ゲイン:ある特定のモジュール又はバックライト光源の中心輝度値が基準値として採用され、中心輝度値と基準値との間の差が基準値によって除算され、次に100%で乗算され、別のモジュール又はバックライト光源と比べて、試験用のモジュール又はバックライト光源の輝度ゲインが得られる。
【0079】
輝度均一性:13点又は25点の輝度試験から得られた最小輝度値が最大輝度値によって除算され、次に、100%で乗算される(すなわち、最小輝度値/最大輝度値×100%)。
【0080】
【表2】
【0081】
表2からわかるように、最初の26インチ直接型バックライト光源は8,353cd/m2の中心輝度を有し、実施例2の1枚のフィルムがさらに使用されるならば、38%の輝度ゲインが得られ、輝度は11,527cd/m2まで増強され、実施例2の2枚のフィルムがさらに使用されるならば、50%の輝度ゲインが得られ、輝度は12,530cd/m2まで増強され、実施例2の3枚のフィルムがさらに使用されるならば、52%の輝度ゲインが得られ、輝度は12,696cd/m2まで増強され、実施例2の1枚のフィルム及び1枚の明度増強フィルム(PF−96S−188)がさらに使用されるならば、86%の輝度ゲインが得られ、輝度は15,537cd/m2まで増強される。しかし、バックライト光源と比較例1の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールは、40%の輝度ゲインと11,694cd/m2の輝度しか提供できない。さらに、バックライト光源と比較例2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールは、42%の輝度ゲインと11,861cd/m2の輝度しか提供できない。バックライト光源と比較例1又は2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールと比べると、バックライト光源と本発明の実施例2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュール、バックライト光源と本発明の実施例2の3枚のフィルムとにより構成されたモジュール、及び、バックライト光源と本発明の実施例2の1枚のフィルムと1枚の明度増強フィルムとにより構成されたモジュールは、すべてが好ましい輝度ゲインを提供し得る。
【0082】
さらに、表2からわかるように、バックライト光源と実施例2の2枚のフィルム、バックライト光源と実施例2の3枚のフィルム、及び、バックライト光源と実施例2の1枚のフィルムと1枚の明度増強フィルムは、輝度を著しく改善することが可能であり、95%より高いレベルで25点輝度均一性を維持することが可能である。その上、バックライト光源と実施例1、3、4又は5の2枚のフィルムは、それぞれ、12,613cd/m2、12,695cd/m2、12,673cd/m2、及び12,538cd/m2の中心輝度を得ることも可能である。したがって、本発明の光学フィルムは、LCD及び液晶TVセットのバックライトモジュールに適用され、光を効率的に拡散させ、望ましい輝度を提供することが可能であり、その結果、本発明の光学フィルムは従来型の設計の代わりとして使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による光学フィルムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態による光学フィルムの概略図である。
【図3】本発明の光学フィルムの粒子分布の垂直図である。
【図4A】本発明の別の実施形態の粒子分布の垂直図である。
【図4B】本発明の別の実施形態の粒子分布の垂直図である。
【図5】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図6】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の別の実施形態の概略図である。
【図7】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明のさらに別の実施形態の概略図である。
【図8】光ガイドプレート又は拡散フィルム及び明度増強フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図9】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の垂直像の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の側面像のSEM写真である。
【図11】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の側面像のSEM写真である。
【技術分野】
【0001】
本発明は光学フィルムに関する。特に、本発明は、液晶ディスプレイのバックライトモジュールに適用される拡散フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルは、高解像度、低放射、低電力消費、及び優れた空間の利用の利点ため、陰極線管の代わりに使われ、市場において主流になっている。液晶パネルは発光し得ないので、分散光を提供するために光源としてバックライトモジュールを使用することが必要であり、その結果、ディスプレイ装置は像を正常に表示し、十分な輝度及びコントラストを獲得することが可能である。
【0003】
バックライトモジュールを構成する主な要素は、入射光、反射フィルム、光ガイドプレート、拡散プレート、拡散フィルム、明度増強フィルム、及びプリズム保護フィルムなどを含む。拡散プレート及び拡散フィルムの主要な機能は、液晶ディスプレイに均一な表面光を与えることである。通常、拡散プレート及び拡散フィルムは、2つのタイプ、すなわち、内部拡散タイプと表面拡散タイプとを含む。内部拡散タイプは、有機粒子又は無機粒子を含有するポリカーボネート(PC)、ポリスチレン又はポリメチルメタクリレート(PMMA)の樹脂からなる。拡散粒子を利用することにより、光は異なる屈折率をもつ2つの媒体を通過するので、光は屈折させられ散乱させられ、その結果、光源から放出された直線光は均一な表面光に拡散させられ得る。すなわち、光源より下からの光は拡散プレートによって散乱され、上方へ均一に分散され、その後に、放出される。表面拡散タイプは、透明樹脂プレートの表面を粗くすることにより光を反射し屈折させる。しかし、表面拡散タイプは、調製手順に時間がかかり、かつ複雑であり、比較的費用がかかる。
【0004】
様々な粒子サイズをもつ粒子が光拡散効果を強化するために拡散粒子として使用され得ることが知られている。従来型の拡散フィルムの場合、様々な粒子サイズをもつ複数の拡散粒子を含有する樹脂コーティングが基材に形成される。拡散粒子は、通常は、1μmから50μmの範囲内の粒子サイズを有する。従来技術で使用される拡散粒子は広い粒子サイズ分布を有する。すなわち、(yが粒子量を表し、xが粒子サイズを表す)樹脂コーティング中の拡散粒子の粒子サイズ分布は幅の広い単一ピーク分布である。たとえば、使用された粒子が約15μmの平均粒子サイズを有するとき、粒子の粒子サイズ分布はおおよそ約1μmから約30μmまで変動する。異なる平均粒子サイズをもつ3つ以上の粒子のグループの混合物は拡散粒子として使用され得ることも当分野で知られている。すなわち、(yが粒子量を表現し、xが粒子サイズを表現する)拡散粒子の粒子サイズ分布は、2(多重)ピーク分布である。光拡散効果は幅の広い単一ピーク粒子サイズ分布又は2(多重)ピーク粒子サイズ分布を有する拡散粒子を使用することによって改善され得るが、光は粒子の様々な粒子サイズのためにランダムに散乱され、その結果として、光源は効果的に利用され得ない。
【0005】
コーティング中の拡散粒子が互いに凝集させられるか、又は接着させられるならば、光拡散均一性が影響をうけるだけでなく、ダークスポットがディスプレイの表面に生成される可能性もある。上記の問題を解決するために、米国特許第7,218,450B2号明細書は、積層比と、凝集粒子の粒子サイズと、単一分布をもつ2種類の粒子が使用されるときの単一分布をもつ2種類の粒子の平均粒子サイズとを含むある種のパラメータをもつ拡散粒子として、特別の化学式を満たし、単一分布をもつ1個以上の有機又は無機粒子を使用することを開示する。米国特許第7,218,450B2号明細書で使用される単一分布をもつ粒子の95%は、平均粒子サイズの±15%の範囲内で変動する粒子サイズを有する。米国特許第7,218,450B2号明細書は、狭い粒子サイズ分布を有する拡散粒子を使用することをさらに教示するが、拡散粒子の架橋度について言及していない。実際には、拡散粒子の不十分な架橋度はある種の問題を必ず引き起こす。たとえば、架橋度が低い粒子は、バインダー中の溶剤と相互作用する可能性があり、したがって膨張する。したがって、架橋度が高い粒子と比較すると、架橋度が低い粒子は溶剤抵抗性が低い。さらに、溶剤は吸収されるので、架橋度が低い粒子の体積が変化し、粒子の光学特性は不安定になり、粒子の表面上の粘性が上昇し、その結果、粒子が互いに容易に凝集させられ、それによって、コーティング加工性と、拡散フィルムの光拡散効果にさらに影響を与える。
【0006】
その上、種々の光学フィルムでは、明度増強フィルムは比較的高価であり、したがって、新たに開発されたバックライトモジュール構造体においては、明度増強フィルムの代わりになり、コストを削減するように、その他の光学フィルム、及び、その他の光学フィルムの組み合わせが改良された。たとえば、液晶ディスプレイでは、従来型の明度増強フィルムの設計を明度増強フィルムの上と下にそれぞれ位置している2つの拡散フィルムで置き換えるために2つまたは3つの拡散フィルムが使用された。それにもかかわらず、輝度及びその他の性能は従来型の設計より劣っている。したがって、最新技術のため、拡散フィルムの設計が光拡散効率要件を満たすことを重視するだけでなく、拡散フィルムの輝度を改善する手段もまた考慮されるべきである。
【特許文献1】米国特許第7,218,450B2号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は高輝度を有する光学フィルムを提供する。
【0008】
本発明は、光を均一に拡散する能力をもつ光学フィルムも提供する。有機粒子の粒子サイズ分布及びバインダーの比率を修正することにより、本発明の光学フィルムの拡散効果が最適化され得る。
【0009】
本発明は、耐溶剤性があり、フィルムの光学特性の不安定性を生じさせる有機粒子の膨張を妨げることが可能である高度に架橋された有機粒子を含有する光学フィルムをさらに提供する。その一方で、有機粒子の架橋度を増加させることにより、有機粒子の耐スクラッチ性及び耐摩耗性を増強するように有機粒子の硬度が増強されている。
【0010】
本発明は、輝度の増強を達成するように多重光学フィルムをさらに提供する。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、透明基材と、透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムを提供する。有機粒子はポリアクリレート樹脂粒子であり、ポリアクリレート樹脂は、ポリマー化単位として少なくとも1つの単官能アクリレートモノマーと少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーとを含み、多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、有機粒子が単一平均粒子サイズを有し、有機粒子の粒子サイズ分布が平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、有機粒子がバインダーの固形部の100重量部に対して約180から約320重量部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の光学フィルムは、本発明の範囲を制限することが意図されていない図面を参照して実施形態によって詳細に後述されている。当業者によって容易に達成され得る変形又は変更が本明細書の開示の範囲に含まれることは明らかである。
【0013】
図1は本発明の好ましい一実施形態による光学フィルムの概略図である。図1に示されているように、本発明の光学フィルムは、透明基材101と、透明基材101の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティング103とを含む。樹脂コーティング103は、複数の有機粒子105及びバインダー107を含む。優れた光拡散効果を達成するため、バインダー107の被覆厚は、好ましくは、有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3であり、より好ましくは、有機粒子の粒子サイズのおよそ半分(すなわち、半球高さ)である。さらに、有機粒子は単層の樹脂コーティング中に均一に分布している。
【0014】
本発明の光学フィルムに使用される透明基材101は、ガラス又はプラスチックのような、当業者に知られているどのような基材でもよい。プラスチック基材は、特に限定されることがなく、当業者に知られているどれか1つであり、限定されることはないが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、トリアセテートセルロース(TAC)、又は、これらの混合物を含む、基材である。好ましい基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、もしくはトリアセテートセルロース、又はこれらの混合物から作られた基材である。より好ましくは、基板はポリエチレンテレフタレートである。第1の光学層の厚さは、好ましくは、約16μmから約250μmの範囲に入り、通常、光学製品の所望の目的に依存している。
【0015】
光拡散効果を実現するため、樹脂コーティング103は、基板101の一方の表面に塗布される。樹脂コーティング103は有機粒子105及びバインダー107を含む。樹脂コーティング103に含まれている有機粒子105は、ポリマー化単位として、少なくとも1つの単官能アクリレートモノマー及び少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーを含有し、多官能アクリレートモノマーのすべてがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%の量である、ポリメタクリレート樹脂から作られている。本発明によれば、モノマーが互いに架橋反応を受け、得られた有機粒子の架橋度が増強され得るように、少なくとも1つの多官能モノマーが使用される。したがって、有機粒子の硬度は、有機粒子の耐スクラッチ性及び耐摩耗性を増強し、粒子の耐溶剤特性を改善するために増強される。
【0016】
本発明に適した単官能アクリレートモノマーは、限定されることはないが、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0017】
本発明に適した多官能アクリレートモノマーは、限定されることはないが、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、樹脂コーティング103に含有されている有機粒子105は、メチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られた、エチレングリコールジメタクリレートモノマーに対するメチルメタクリレートモノマーの重量比が70:30、60:40、50:50、40:60又は30:70でもよいポリアクリレート樹脂粒子である。エチレングリコールジメタクリレートモノマーの量がモノマーの総重量に基づいて約30wt%から約70wt%であるとき、好ましい架橋度が得られる。
【0019】
本発明によれば、複数の有機粒子の形状は特に限定されることがなく、たとえば、球状でも、長円状でも、不規則な形状でもよいが、このなかでは球状が好ましい。有機粒子は、約5μmから約30μmまで、好ましくは、約10μmから約25μmまで変動する単一平均粒子サイズを有する。より好ましくは、有機粒子は、約10、15、又は20μmの平均粒子サイズを有する。有機粒子は光散乱効果を提供する。光学フィルムの輝度を増強するため、本発明において使用される有機粒子は、粒子の平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、好ましくは、約±4%の範囲内で変動する非常に均一な粒子サイズ分布を有する。たとえば、本発明によれば、有機粒子が約15μmの平均粒子サイズを有するならば、樹脂コーティング中の有機粒子105の粒子サイズ分布は、約14.25μmから約15.75μmの範囲内で変動し、好ましくは、約14.4μmから約15.6μmの範囲内で変動する。従来技術において使用される約15μmの平均粒子サイズと、約1μmから約30μmまでの範囲内の粒子サイズ分布とを有する有機粒子と比較すると、本発明において使用される有機粒子は、単一平均粒子サイズを有するだけでなく、粒子サイズ分布が比較的狭いので、本発明は、有機粒子の粒子サイズの著しい差異に起因する過度に大きい光散乱レンジによって引き起こされる光源の消耗を回避し、それによって、光学フィルムの輝度を増強することが可能である。
【0020】
樹脂コーティング103に含有されているバインダーは、好ましくは、光が通り抜けるように無色透明である。本発明のバインダーは、本発明の樹脂コーティングを形成するように、紫外線(UV)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂と、ならびに場合によっては、熱硬化、UV硬化、又は熱及びUVの両方の硬化によって処理されるこれらの混合物からなる群より選択される。本発明の実施形態では、コーティングの硬度を増強し、フィルムが反ることを防止するため、バインダーは、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含有し、優れた耐熱特性及び非常に低い体積収縮性をもつ樹脂コーティングを形成するように熱及びUVの両方の硬化によって処理される。
【0021】
本発明において役に立つUV硬化性樹脂は、1個以上の官能基を有する少なくとも1つのアクリルモノマー又はアクリレートモノマーから作られ、これらのうちアクリレートモノマーの方が好ましい。本発明に適したアクリレートモノマーは、限定されることはないが、メタクリレートモノマー、アクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、又はエポキシアクリレートモノマーを含み、これらのうち(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。
【0022】
たとえば、本発明において使用されるUV硬化性樹脂に適した(メタ)アクリレートモノマーは、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される。好ましくは、アクリレートモノマーは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを含有する。
【0023】
樹脂コーティング103のフィルム形成性を改善するため、本発明において使用されるUV硬化性樹脂は、場合によっては、103から104まで変動する分子量を有するオリゴマーを含有する。このようなオリゴマー、たとえば、限定されることはないが、脂肪族ウレタンアクリレート、脂肪族ウレタンヘキサアクリレート、及び芳香族ウレタンヘキサアクリレートのようなウレタンアクリレートと、ビスフェノールAエポキシジアクリレート及びノボラックエポキシアクリレートのようなエポキシアクリレートと、ポリエステルジアクリレートのようなポリエステルアクリレートと、又はホモアクリレートとを含有するアクリレートオリゴマーのようなオリゴマーは、当業者に周知である。
【0024】
本発明に適した熱硬化性樹脂は、典型的に、104から2×106まで、好ましくは、2×104から3×105まで、より好ましくは、4×104から105までの範囲に入る平均分子量を有する。本発明の熱硬化性樹脂は、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアルキド樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択可能であり、これらのうち、ポリメタクリルポリオール樹脂のような、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリメタクリレート樹脂又はポリアクリレート樹脂が好ましい。
【0025】
本発明において使用され得る熱可塑性樹脂は、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のようなポリメタクリレート樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される。
【0026】
本発明の光学フィルムの樹脂コーティングの厚さは、通常は、所望の製品の要件に依存し、典型的に、約5μmから約30μmまでの範囲、好ましくは、約10μmから約20μmまでの範囲に入る。
【0027】
本発明によれば、有機粒子は、単層の樹脂コーティング中に均一に分布している。従来のテクノロジーにおいて採用されている重なり合う粒子の分布と比較すると、単層均一分布は、原材料のコストを削減するだけでなく、光源の消耗を削減することが可能であり、それによって、光学フィルムの輝度を増強させる。すなわち、図1に示されているように、粒子105は単層の樹脂コーティング105中に分布し、フィルム厚が測定されると、同じ場所に1個の粒子だけが存在することが確かめられ、2個の粒子が同じ場所に存在する重なり合う状況は起こらない。さらに、拡散効果を最適化するため、バインダー107の被覆厚は有機粒子105の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までであり、好ましくは、有機粒子105の粒子サイズのおよそ半分(すなわち、半球高さ)である。
【0028】
樹脂コーティング103中の有機粒子105の好ましい分布の垂直図が図3、4A及び4Bに示されている。バインダーに対する有機粒子の適度な比率の範囲は、本発明のこれらの具体的な実施形態に基づいて推論される。
【0029】
第一に、樹脂コーティング103中の有機粒子105の分布の垂直図が図3に示されているとおりであるとき、バインダーに対する有機粒子の比率は、バインダーの被覆厚が有機粒子の粒子サイズの半分であると仮定して推論される。Seikisui SSX−120(20μmの径を有するポリアクリレート粒子、10μmの半径がrであると仮定し、1.2g/cm3の比重がdであると仮定する)が本発明の有機粒子として使用される。面積1m2の範囲内でバインダーに対する有機粒子の比率は次のとおり計算される。
【0030】
20μmの径を有する1個のポリアクリレート粒子の重量は、ポリアクリレート粒子の比重×ポリアクリレート粒子の体積=d×4/3πr3=1.2g/cm3×4/3×3.14×(10×10−4cm)3=5.024×10−9gである。
【0031】
面積1m2の範囲内の粒子の個数は、[1m/(20×10−6m)]2=2.5×109である。
【0032】
面積1m2の範囲内の粒子の総重量は、2.5×109×5.024×10−9g=12.56gである。
【0033】
面積1m2の範囲内で半球状の被覆厚(10μm)を実現するため使用されるバインダーの量は、(1m2×粒子半径−面積1m2の範囲内の粒子の個数×粒子の半球体積)×アクリルバインダーの比重=((100cm)2×10×10−4cm−2.5×109×1/2×4/3×3.14×(10×10−4cm)3)×1.2g/cm3=5.72gである。
【0034】
粒子の重量/バインダーの重量は、12.56/5.72 220/100である。
【0035】
面積1m2の範囲内のコーティング量=粒子の重量+バインダーの重量=12.56g+5.72g=18.28gである。
【0036】
さらに、樹脂コーティング103中の有機粒子105の分布の垂直図が図4A及び4Bに示されているとおりであるとき、バインダーに対する有機粒子の比率は、バインダーの被覆厚が有機粒子の粒子サイズの半分であると仮定して推論される。同様に、Seikisui SSX−120(20μmの径を有するポリアクリレート粒子、10μmの半径がrであると仮定し、1.2g/cm3の比重がdであると仮定する)が本発明の有機粒子として使用される。面積1m2の範囲内でバインダーに対する有機粒子の比率は次のとおり計算される。
【0037】
20μmの径を有する1個のポリアクリレート粒子の重量は、ポリアクリレート粒子の比重×ポリアクリレート粒子の体積=d×4/3πr3=1.2g/cm3×4/3×3.14×(10×10−4cm)3=5.024×10−9gである。
【0038】
面積1m2の範囲内の粒子の個数は、[1m/(√3×10×10−6m)]×[1m/(20×10−6m)]=2.8868×109である。
【0039】
面積1m2の範囲内の粒子の総重量は、2.8868×109×5.024×10−9g=14.5033gである。
【0040】
面積1m2の範囲内で半球状の被覆厚(10μm)を実現するため使用されるバインダーの量は、(1m2×粒子半径−面積1m2の範囲内の粒子の個数×粒子の半球体積)×アクリルバインダーの比重=((100cm)2×10×10−4cm−2.8868×109×1/2×4/3×3.14×(10×10−4cm)3)×1.2g/cm3=4.7484gである。
【0041】
粒子の重量/バインダーの重量は、14.5033/4.7484 305/100である。
【0042】
面積1m2の範囲内のコーティング量=粒子の重量+バインダーの重量=14.5033g+4.7484g=19.2517gである。
【0043】
したがって、本発明の樹脂コーティングでは、有機粒子は、バインダーの固形部の100重量部当たり約180重量部から約320重量部までの量であり、好ましくは、バインダーの固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量である。
【0044】
有機粒子及びバインダーに加えて、本発明の樹脂コーティングは、場合によっては、限定されることはないが、帯電防止剤、硬化剤、光開始剤、蛍光増白剤、UV吸収剤、レベリング剤、湿気剤、安定化剤、分散剤、又は無機微粒子を含む、当業者に知られている添加剤を含有することがある。
【0045】
本発明に適した帯電防止剤は、特に限定されることはなく、エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第4級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、(ポリエチレンオキシドのような)エポキシ樹脂、シロキサン、又はポリ(エチレングリコール)エステル、ポリ(エチレングリコール)エーテルなどのようなその他のアルコール誘導体といった、当業者に周知のどのような帯電防止剤でも構わない。
【0046】
本発明に適した硬化剤は、当業者に周知の、架橋を形成するため分子を互いに化学結合させる能力があるどのような硬化剤でもよく、限定されることはないが、たとえば、ジイソシアネート又はポリイソシアネートでもよい。本発明の樹脂コーティングが硬化剤を含有するとき、本発明の有機粒子は、場合によっては、ヒドロキシル基(−OH)、カルボキシ基(−COOH)、又はアミノ基(−NH2)、好ましくは、ヒドロキシル基を含有するモノマーから調製されることがあり、有機粒子は、接着力を改善し、バインダーの量を削減し、光学フィルムの輝度を増強するため、表面官能基を含有し、樹脂コーティング中の硬化剤と直接的に反応し得るようになる。ヒドロキシル基を含有するモノマーの例は、限定されることはないが、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、及びこれらの混合物を含む。
【0047】
本発明において使用される光開始剤は、照射された後に遊離基を生成し、遊離基を放出することによってポリマー化を開始する。本発明に適用される光開始剤は特に限定されない。光開始剤の例は、限定されることはないが、ベンゾフェノン、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、又は、これらの混合物を含む。好ましくは、光開始剤は、ベンゾフェノン又は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンである。
【0048】
本発明に適した蛍光増白剤は、特に限定されないが、当業者に周知のどのような蛍光増白剤でもよく、たとえば、限定されることはないが、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、又は、ジフェニルエチレンビストリアジンを含む有機物でもよく、又は、たとえば、限定されることはないが、硫化亜鉛を含む無機物でもよい。
【0049】
本発明に適したUV吸収剤は、当業者に周知のどのようなUV吸収剤でもよく、たとえば、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアジン、ベンゾフェノン、又はサリチル酸誘導体でもよい。
【0050】
その上、基材101がプラスチック基材であるとき、プラスチック基材が黄変することを防ぐため、UV光を吸収する能力をもつ無機微粒子が、場合によっては、樹脂コーティング103に添加されることがあり、無機微粒子は、たとえば、限定されることはないが、ジンクオキシド、ジルコニア、アルミナ、ストロンチウムチタネート、チタニウムジオキシド、カルシウムサルフェート、バリウムサルフェート、もしくはカルシウムカーボネート、又はこれらの混合物でもよく、これらのうち、チタニウムジオキシド、ジルコニア、アルミナ、ジンクオキシド、又は、これらの混合物が好ましい。上記の無機微粒子の粒子サイズは、典型的に、約1ナノメートル(nm)から約100nmまで、好ましくは、約20nmから約50nmまでの範囲に入る。
【0051】
本発明の光学フィルムとその他のバックライトモジュール要素との間の吸着効果を回避し、拡散効果を改善するため、本発明の光学フィルムでは、約1μmから約10μmの範囲の厚さをもつ付着防止層が、場合によっては、基材のもう一方側に被覆される。図2に示されているように、本発明の別の実施形態では、基材101は、片側に複数の有機粒子105及びバインダー107を含有する樹脂コーティング103を有し、もう一方側に複数の有機粒子115及びバインダー117を含有する付着防止層113を有する。
【0052】
付着防止層113に適用されるバインダー117のタイプ及び有機粒子115のタイプは、以下で明確にされているとおりである。
【0053】
有機粒子115は、バインダー117の固体部の100重量部当たり約0.1重量部から約5重量部までの量である。有機粒子115は、約1μmから約10μmまで、好ましくは、約5、8、又は10μm、もっとも好ましくは、約8μmの平均粒子サイズを有する。有機粒子115の粒子サイズ分布は、特に限定されず、広い粒子サイズ分布でも狭い粒子サイズ分布でもよく、さらに単一ピーク分布でもよく多重ピーク分布でもよい。場合によっては、付着防止層115中に使用される有機粒子115は、粒子サイズが均一でもよい。換言すると、平均粒子サイズの約±5%の範囲内、好ましくは、平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する有機粒子は、付着防止層を調製するためにも使用され得る。
【0054】
本発明の光学フィルムの付着防止層及び樹脂コーティングは、同じ組成でも異なる組成でもよい。換言すると、同じ又は異なる有機粒子、バインダー、及び任意的な添加剤が付着防止層及び樹脂コーティングを作るために使用される。本発明によれば、付着防止層は、たとえば、限定されることはないが、レベリング剤、安定化剤、帯電防止剤、硬化剤、蛍光増白剤、光開始剤、UV吸収剤、又は無機微粒子を含む、当業者に知られている添加剤を含有することがある。帯電防止剤、硬化剤、蛍光増白剤、光開始剤、UV吸収剤、及び無機微粒子を含む上記の添加剤のタイプは、上述されているとおりである。
【0055】
本発明の光学フィルムは、JIS K7136標準方法に準拠して測定されるような約80%から約98%の範囲のヘイズを有し、好ましくは、JIS K7136標準方法に準拠して測定されるような約60%以上の全光透過率を有する。したがって、本発明の光学フィルムは、光源装置、たとえば、広告用ライトボックス及びフラットパネルディスプレイに使用され、特に液晶ディスプレイに使用され得る。本発明の光学フィルムは、拡散フィルムとして、表面光源装置の発光表面の上に配置されるので、光を拡散する効果を達成する。その上、本発明の光学フィルムは、光を効率的に拡散できるだけでなく、望ましい輝度を有するので、本発明の2つまたは3つの光学フィルムは、望ましい光拡散効率及び輝度を提供するために、明度増強フィルムを他の拡散フィルムと組み合わせた従来型の設計の代わりに、拡散フィルムとして使用され得る。
【0056】
図5に示されているように、図2に示されているような1つの本発明の光学フィルムは、光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層される。必要に応じて、本発明の光学フィルムは、複数の拡散層を使用することによって輝度を増強する効果を達成するように、輝度を改善するため繰り返し積層され得る。たとえば、図6に示されているように、図2に示されているような2つの本発明の光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層され、又は、図7に示されているように、図2に示されているような3つの本発明の光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層される。さらに、4つ以上の光学フィルムが現実の要求に応じて積層され得る。
【0057】
図8は、図2に示されているような1つの光学フィルムが光ガイドプレート又は拡散プレート500に積層され、明度増強フィルム600がさらにその上に積層されている、本発明の光学フィルムの別の適用に関する。この適用に適した明度増強フィルムは特に限定されることがなく、当業者に知られているどのような明度増強フィルムでも構わない。
【0058】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するため使用されるが、本発明の範囲を限定することは意図されていない。当業者によって容易になされ得る変形又は変更は本明細書の開示の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。
【0059】
調製実施例1
UV硬化性樹脂の調製
250mLのガラス瓶中、40gのトルエンが添加された。10gのジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2gのトリメチロールプロパントリアクリレート及び14gのペンタエリスリトールトリアクリレート、オリゴマー(30gの脂肪族ウレタンヘキサアクリレート[Etercure 61456−100、Eternal社])、及び光開始剤(4gの1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)からなるアクリレートモノマーが、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約60%の固形部を含む約100gのUV硬化性樹脂が調製された。
【0060】
調製実施例2(有機粒子/バインダーの固形部=180/100)
250mLのガラス瓶中、30gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである30gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた28gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0061】
調製実施例3(有機粒子/バインダーの固形部=220/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである32gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた24gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0062】
調製実施例4(有機粒子/バインダーの固形部=250/100)
250mLのガラス瓶中、30gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである34gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた22gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0063】
調製実施例5(有機粒子/バインダーの固形部=305/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが15μmである36gのアクリル樹脂粒子[SSX−115、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、15μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた20gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約48%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#12を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約17μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0064】
調製実施例6(有機粒子/バインダーの固形部=220/100)
250mLのガラス瓶中、32gのトルエンと10gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが20μmである32gのアクリル樹脂粒子[SSX−120、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、20μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた24gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、最終的に、約47%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、RDS Bar Coater#14を用いて188μmの厚さを有するPET基材(U34(登録商標)、Toray社)の表面に被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約22μmの厚さを有する第1の拡散層(樹脂コーティング)が調製された。
【0065】
実施例1から5
第2の拡散層(付着防止層)の調製
250mLのガラス瓶中、24gのトルエンと20gのブタノンの溶剤が添加された。平均粒子サイズが8μmである1gのアクリル樹脂粒子[SSX−108、Seikisui社、日本][50:50の重量比のMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有し、8μm±5%の粒子サイズ分布を有する高度に架橋された有機粒子]と、調製実施例1から得られた25gのUV硬化性樹脂(約60%の固形部を含む、Eternal社)と、26gのアクリレート樹脂[Eterac 7361−ts−50、Eternal社](約50%の固形部を含む)が、高速撹拌しながら、順次に添加され、次に、2gの硬化剤[Desmodur 3390、Bayer社](約75%の固形部を含む)と、2gの帯電防止剤[GMB−36M−AS、Marubishi Oil Chem.社](約20%の固形部を含む)が添加され、最終的に、約31%の固形部を含む約100gのコーティングが調製された。次に、コーティングは、一方の表面が第1の拡散層(樹脂コーティング)で既に被覆されている調製実施例2、3、4、5、及び6のPET基板のもう一方の表面に、それぞれ、RDS Bar Coater#6を用いて被覆され、110℃で1分間乾燥され、UV硬化装置(Fusion UV、F600V、600W/インチ、H−type光源、設定された電力が100%、速度が15m/min、エネルギービームが200mJ/cm2)によって照射された。乾燥後、約8μmの厚さを有する第2の拡散層(付着防止コーティング)が調製された。213μm、213μm、213μm、213μm及び218μmの全厚を有する実施例1から5によって調製された光学フィルムの特性は、以下の方法によって試験された。結果が以下の表1及び2に掲載されている。さらに、実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の垂直像及び側面像を有するSEM写真は、図9から11に示されているとおりである。
【0066】
比較例1
厚さが213μmである市販されている拡散フィルム[CH283、SKC社]の特性が以下の方法によって試験され、ここで、基材の表面上の樹脂コーティングが、それぞれ15μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が15μm±15%)及び5μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が5μm±15%)の2つのグループの混合物からなり、有機粒子の2つのグループの両方が80:20の重量比でMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有する低架橋度の有機粒子である。結果は以下の表1に掲載されている。
【0067】
比較例2
厚さが210μmである市販されている拡散フィルム[DI−700A、Eternal社]の特性が以下の方法によって試験され、ここで、基材の表面上の樹脂コーティングが、それぞれ15μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が1μmから30μmまで変動する)及び5μmの平均粒子サイズを有する有機粒子(粒子サイズ分布が1μmから10μmまで変動する)の2つのグループの混合物からなり、有機粒子の2つのグループの両方が60:40の重量比でMMAモノマー及びEGDMAモノマーを含有する高度に架橋された有機粒子である。結果は以下の表1に掲載されている。
【0068】
試験方法A:
フィルム厚試験:実施例1から5及び比較例1及び2のフィルムの厚さが1Nの加圧接触下でコーティング厚ゲージ(PIM−100、TESA社)を用いて測定された。結果は上記のとおり記録された。
【0069】
試験方法B:
ヘイズ及び全透過率試験:JIS K7136の標準方法に準拠して、試験標本がNDH5000W ヘイズメーター(Nippon Denshoku Industries社)を用いてヘイズ(Hz)及び全透過率(Tt)に関して測定された。結果は以下の表1に掲載されている。
【0070】
鉛筆硬度試験:JIS K−5400の方法に準拠して、試験標本がMitsubishi鉛筆(2H,3H)を使用して鉛筆硬度試験機[Elcometer 3086、SCRATCH BOY]で試験された。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0071】
表面抵抗率試験:標本の表面抵抗率は超絶縁計[ESTASIA TOADKK社、SM8220及びSME−8310、500V]で測定された。試験条件は、23±2℃、55±5%RHであった。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0072】
反り試験:試験フィルムは、長さ100mm×幅100mmの水平フィルムに切り分けられ、120℃のオーブンに10分間置かれ、次に、取り出され、室温で放置された。室温まで冷却された後、フィルムは、ギャップゲージ(記録単位:ミリメートル(mm)、記録方式:たとえば、0;0;0;0)で4隅の反りレベルが測定され、それによって、試験標本が耐熱性及び反り抵抗性に関して評価された。試験の結果は以下の表1に掲載されている。
【0073】
【表1】
【0074】
表1によれば、実施例及び比較例の結果は、本発明の光学フィルムが、望ましい帯電防止特性及び高硬度特性を有し、反りのない好ましい表面平坦性を有し、それによって、光学特性が影響されることを防止することを示している。
【0075】
試験方法C:
実施例1から5のフィルム並びに比較例1及び2のフィルムと、Eternal社製の輝度増強フィルム[PF−96S−188]とは、輝度評価のための種々のモジュールを形成するためバックライト光源1と組み付けられる。
【0076】
バックライト光源1は、26インチ直接型バックライト光源に基づき、6個のU型冷陰極蛍光ランプ(CCFL)をUV防止反射フィルムに堆積させ、光源を均一化する2mmの拡散プレートを設置することによって構築される。
【0077】
輝度測定方法:バックライト光源及びモジュールの中心輝度(cd/m2)と13点又は25点輝度は、バックライト光源から50cmの距離及び法線方向に(すなわち、0°の角度で)、輝度計、2°の角度[Topcon社、SC−777]で測定され、輝度ゲイン及び輝度均一性が以下の方法で計算された。結果は表2に掲載されている。
【0078】
輝度ゲイン:ある特定のモジュール又はバックライト光源の中心輝度値が基準値として採用され、中心輝度値と基準値との間の差が基準値によって除算され、次に100%で乗算され、別のモジュール又はバックライト光源と比べて、試験用のモジュール又はバックライト光源の輝度ゲインが得られる。
【0079】
輝度均一性:13点又は25点の輝度試験から得られた最小輝度値が最大輝度値によって除算され、次に、100%で乗算される(すなわち、最小輝度値/最大輝度値×100%)。
【0080】
【表2】
【0081】
表2からわかるように、最初の26インチ直接型バックライト光源は8,353cd/m2の中心輝度を有し、実施例2の1枚のフィルムがさらに使用されるならば、38%の輝度ゲインが得られ、輝度は11,527cd/m2まで増強され、実施例2の2枚のフィルムがさらに使用されるならば、50%の輝度ゲインが得られ、輝度は12,530cd/m2まで増強され、実施例2の3枚のフィルムがさらに使用されるならば、52%の輝度ゲインが得られ、輝度は12,696cd/m2まで増強され、実施例2の1枚のフィルム及び1枚の明度増強フィルム(PF−96S−188)がさらに使用されるならば、86%の輝度ゲインが得られ、輝度は15,537cd/m2まで増強される。しかし、バックライト光源と比較例1の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールは、40%の輝度ゲインと11,694cd/m2の輝度しか提供できない。さらに、バックライト光源と比較例2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールは、42%の輝度ゲインと11,861cd/m2の輝度しか提供できない。バックライト光源と比較例1又は2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュールと比べると、バックライト光源と本発明の実施例2の2枚のフィルムとにより構成されたモジュール、バックライト光源と本発明の実施例2の3枚のフィルムとにより構成されたモジュール、及び、バックライト光源と本発明の実施例2の1枚のフィルムと1枚の明度増強フィルムとにより構成されたモジュールは、すべてが好ましい輝度ゲインを提供し得る。
【0082】
さらに、表2からわかるように、バックライト光源と実施例2の2枚のフィルム、バックライト光源と実施例2の3枚のフィルム、及び、バックライト光源と実施例2の1枚のフィルムと1枚の明度増強フィルムは、輝度を著しく改善することが可能であり、95%より高いレベルで25点輝度均一性を維持することが可能である。その上、バックライト光源と実施例1、3、4又は5の2枚のフィルムは、それぞれ、12,613cd/m2、12,695cd/m2、12,673cd/m2、及び12,538cd/m2の中心輝度を得ることも可能である。したがって、本発明の光学フィルムは、LCD及び液晶TVセットのバックライトモジュールに適用され、光を効率的に拡散させ、望ましい輝度を提供することが可能であり、その結果、本発明の光学フィルムは従来型の設計の代わりとして使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明による光学フィルムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態による光学フィルムの概略図である。
【図3】本発明の光学フィルムの粒子分布の垂直図である。
【図4A】本発明の別の実施形態の粒子分布の垂直図である。
【図4B】本発明の別の実施形態の粒子分布の垂直図である。
【図5】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図6】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の別の実施形態の概略図である。
【図7】光ガイドプレート又は拡散フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明のさらに別の実施形態の概略図である。
【図8】光ガイドプレート又は拡散フィルム及び明度増強フィルムと組み合わされた本発明による光学フィルムを含む本発明の実施形態の概略図である。
【図9】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の垂直像の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図10】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の側面像のSEM写真である。
【図11】実施例2に示された光学フィルムの第1の拡散層(樹脂コーティング)の側面像のSEM写真である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材と、前記透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、前記樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムであって、
前記有機粒子がポリマー化単位として少なくとも1つの単官能アクリレートモノマー及び少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーを含むポリアクリレート樹脂から作られ、前記多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、前記有機粒子が単一平均粒子サイズを有し、前記有機粒子の粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、前記有機粒子が前記バインダーの固形部の100重量部当たり約180重量部から約320重量部までの量である、光学フィルム。
【請求項2】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約5μmから約30μmの範囲に入る、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約10μmから約25μmの範囲に入る、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子が前記バインダーの前記固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの被覆厚が前記有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までである、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの前記被覆厚が前記有機粒子の前記粒子サイズのおよそ半分である、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記有機粒子が単層の前記樹脂コーティング中に均一に分布している、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記単官能アクリレートモノマーが、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記多官能アクリレートモノマーが、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記ポリアクリレート樹脂がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られている、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記基材が、前記樹脂コーティングが位置している前記表面の反対側のもう一方の表面に付着防止層を有し、前記付着防止層が複数の有機粒子及びバインダーを含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が約1μmから約10μmの範囲に入る平均粒子サイズを有する、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項14】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する、請求項13に記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する、請求項14に記載の光学フィルム。
【請求項16】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記バインダーの前記固形部の100重量部当たり約0.1重量部から約5重量部までの量である、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項17】
前記付着防止層が約1μmから約10μmまでの厚さを有する、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項18】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子がポリアクリレート樹脂から作られている、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項19】
前記ポリアクリレート樹脂がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られている、請求項18に記載の光学フィルム。
【請求項20】
前記エチレングリコールジメタクリレートモノマーが前記モノマーの総重量に基づいて約30wt%から約70wt%までの量である、請求項19に記載の光学フィルム。
【請求項21】
前記基材が、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、トリアセテートセルロース、ポリイミド樹脂、及びポリエステル樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項22】
前記基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、及びトリアセテートセルロース、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項23】
前記樹脂コーティング又は前記付着防止層に含有される前記バインダーが、紫外線(UV)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項24】
前記樹脂コーティング又は前記付着防止層に含有される前記バインダーが、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含む、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項25】
前記UV硬化性樹脂が1個以上の官能基を有する少なくとも1つのアクリルモノマー又はアクリレートモノマーから作られている、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項26】
前記アクリレートモノマーが、メタクリレートモノマー、アクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、及びエポキシアクリレートモノマーからなる群より選択される、請求項25に記載の光学フィルム。
【請求項27】
前記UV硬化性樹脂がアクリレートオリゴマーをさらに含む、請求項25に記載の光学フィルム。
【請求項28】
前記熱硬化性樹脂が、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアルキド樹脂、及びこれらの混合物とからなる群より選択される、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項29】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリメタクリレート樹脂、及び、これらの混合物からなる群より選択される、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項30】
前記樹脂コーティング及び前記付着防止層が独立に、帯電防止剤、硬化剤、光開始剤、蛍光増白剤、UV吸収剤、レベリング剤、湿気剤、安定化剤、分散剤、及び、無機微粒子からなる群より選択された添加剤を含む、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項31】
前記帯電防止剤が、エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第4級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、ポリエチレンオキシド、シロキサン、及びアルコール誘導体からなる群より選択される、請求項30に記載の光学フィルム。
【請求項32】
前記硬化剤がジイソシアネート又はポリイソシアネートである、請求項30に記載の光学フィルム。
【請求項33】
拡散フィルムとして使用される、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項34】
ポリエチレンテレフタレートの透明基材と、前記透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、前記樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムであって、
前記有機粒子が約5μmから約30μmまでの範囲に入る単一平均粒子サイズを有し、前記有機粒子の粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、前記有機粒子が前記バインダーの固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量であり、前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの被覆厚が前記有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までであり、前記有機粒子が単一層の前記樹脂コーティング中に均一に分布し、前記有機粒子がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られたポリアクリレート樹脂から作られ、前記エチレングリコールジメタクリレートモノマーが前記モノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量である、光学フィルム。
【請求項35】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約10μmから約25μmの範囲に入る、請求項34に記載の光学フィルム。
【請求項36】
前記バインダーが、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び、これらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含む、請求項34に記載の光学フィルム。
【請求項37】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの前記被覆厚が前記有機粒子の前記粒子サイズのおよそ半分である、請求項34に記載の光学フィルム。
【請求項1】
透明基材と、前記透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、前記樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムであって、
前記有機粒子がポリマー化単位として少なくとも1つの単官能アクリレートモノマー及び少なくとも1つの多官能アクリレートモノマーを含むポリアクリレート樹脂から作られ、前記多官能アクリレートモノマーがモノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量であり、前記有機粒子が単一平均粒子サイズを有し、前記有機粒子の粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、前記有機粒子が前記バインダーの固形部の100重量部当たり約180重量部から約320重量部までの量である、光学フィルム。
【請求項2】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約5μmから約30μmの範囲に入る、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約10μmから約25μmの範囲に入る、請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子が前記バインダーの前記固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量である、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの被覆厚が前記有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までである、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの前記被覆厚が前記有機粒子の前記粒子サイズのおよそ半分である、請求項6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記有機粒子が単層の前記樹脂コーティング中に均一に分布している、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項9】
前記単官能アクリレートモノマーが、メチルメタクリレート(MMA)、ブチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、エトキシル化2−フェノキシエチルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートフォスフェート、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項10】
前記多官能アクリレートモノマーが、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジアクリレート、エトキシル化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、エトキシル化ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシル化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エトキシル化2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、アリル化シクロヘキシルジメタクリレート、イソシアヌレートジメタクリレート、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシル化グリセロールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、及びトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項11】
前記ポリアクリレート樹脂がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られている、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項12】
前記基材が、前記樹脂コーティングが位置している前記表面の反対側のもう一方の表面に付着防止層を有し、前記付着防止層が複数の有機粒子及びバインダーを含む、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項13】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が約1μmから約10μmの範囲に入る平均粒子サイズを有する、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項14】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する、請求項13に記載の光学フィルム。
【請求項15】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記平均粒子サイズの約±4%の範囲内で変動する粒子サイズ分布を有する、請求項14に記載の光学フィルム。
【請求項16】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子が前記バインダーの前記固形部の100重量部当たり約0.1重量部から約5重量部までの量である、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項17】
前記付着防止層が約1μmから約10μmまでの厚さを有する、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項18】
前記付着防止層に含有される前記有機粒子がポリアクリレート樹脂から作られている、請求項12に記載の光学フィルム。
【請求項19】
前記ポリアクリレート樹脂がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られている、請求項18に記載の光学フィルム。
【請求項20】
前記エチレングリコールジメタクリレートモノマーが前記モノマーの総重量に基づいて約30wt%から約70wt%までの量である、請求項19に記載の光学フィルム。
【請求項21】
前記基材が、ポリメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、トリアセテートセルロース、ポリイミド樹脂、及びポリエステル樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項22】
前記基材が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリレート、ポリシクロオレフィン樹脂、及びトリアセテートセルロース、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項23】
前記樹脂コーティング又は前記付着防止層に含有される前記バインダーが、紫外線(UV)硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項24】
前記樹脂コーティング又は前記付着防止層に含有される前記バインダーが、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及びこれらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含む、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項25】
前記UV硬化性樹脂が1個以上の官能基を有する少なくとも1つのアクリルモノマー又はアクリレートモノマーから作られている、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項26】
前記アクリレートモノマーが、メタクリレートモノマー、アクリレートモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、ポリエステルアクリレートモノマー、及びエポキシアクリレートモノマーからなる群より選択される、請求項25に記載の光学フィルム。
【請求項27】
前記UV硬化性樹脂がアクリレートオリゴマーをさらに含む、請求項25に記載の光学フィルム。
【請求項28】
前記熱硬化性樹脂が、カルボキシル(−COOH)基及び/又はヒドロキシル(−OH)基を含有するポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、フルオロ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、及びアルキド樹脂、及びこれらの混合物とからなる群より選択される、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項29】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリメタクリレート樹脂、及び、これらの混合物からなる群より選択される、請求項23に記載の光学フィルム。
【請求項30】
前記樹脂コーティング及び前記付着防止層が独立に、帯電防止剤、硬化剤、光開始剤、蛍光増白剤、UV吸収剤、レベリング剤、湿気剤、安定化剤、分散剤、及び、無機微粒子からなる群より選択された添加剤を含む、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項31】
前記帯電防止剤が、エトキシグリセリン脂肪酸エステル、第4級アミン化合物、脂肪族アミン誘導体、ポリエチレンオキシド、シロキサン、及びアルコール誘導体からなる群より選択される、請求項30に記載の光学フィルム。
【請求項32】
前記硬化剤がジイソシアネート又はポリイソシアネートである、請求項30に記載の光学フィルム。
【請求項33】
拡散フィルムとして使用される、請求項1又は12に記載の光学フィルム。
【請求項34】
ポリエチレンテレフタレートの透明基材と、前記透明基材の一方の表面に凸凹構造を有する樹脂コーティングとを備え、前記樹脂コーティングが複数の有機粒子及びバインダーを含む、光学フィルムであって、
前記有機粒子が約5μmから約30μmまでの範囲に入る単一平均粒子サイズを有し、前記有機粒子の粒子サイズ分布が前記平均粒子サイズの約±5%の範囲内で変動し、前記有機粒子が前記バインダーの固形部の100重量部当たり約220重量部から約305重量部までの量であり、前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの被覆厚が前記有機粒子の粒子サイズのおよそ5分の2から5分の3までであり、前記有機粒子が単一層の前記樹脂コーティング中に均一に分布し、前記有機粒子がメチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートを含有するモノマーから作られたポリアクリレート樹脂から作られ、前記エチレングリコールジメタクリレートモノマーが前記モノマーの総重量に基づいて約30wt%から70wt%までの量である、光学フィルム。
【請求項35】
前記樹脂コーティングに含有される前記有機粒子の前記平均粒子サイズが約10μmから約25μmの範囲に入る、請求項34に記載の光学フィルム。
【請求項36】
前記バインダーが、UV硬化性樹脂と、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び、これらの混合物からなる群より選択された樹脂とを含む、請求項34に記載の光学フィルム。
【請求項37】
前記樹脂コーティングに含有される前記バインダーの前記被覆厚が前記有機粒子の前記粒子サイズのおよそ半分である、請求項34に記載の光学フィルム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−31763(P2009−31763A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−152983(P2008−152983)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▲ふん▼有限公司 (30)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152983(P2008−152983)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(500202322)長興化學工業股▲ふん▼有限公司 (30)
【Fターム(参考)】
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