説明

光学ラインセンサ装置及び有価紙面の鑑別方法

【課題】紫外光光源を用いて有価紙面などの蛍光成分を検出する光学ラインセンサ装置において、有価紙面の精密な真偽判定機能を行う。
【解決手段】紫外光を照射する紫外光LED光源22と、紫外光LED光源22の出射側に装着され、紫外光を透過させ可視光波長をカットする第一のフィルタ28と、紫外光LED光源22から媒体に照射され、媒体から反射された反射光を受光する受光素子が配列されたセンサ部24と、センサ部24の光検出信号を処理する信号処理部33とを備え、媒体とセンサ部24との間の光路に、紫外光波長をカットする第二のフィルタ30を装着した。前記第一のフィルタ28が、波長385nm以上の紫外光及び可視光をカットする特性を持ち、前記第二のフィルタ30が、波長410nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学ラインセンサ装置に関し、特に有価証券、紙幣、クレジットカード等(有価紙面又は媒体という)の鑑別を目的とする鑑別用途光学ラインセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の印刷技術や複写技術の目覚ましい性能向上に伴い、紙幣、有価証券、クレジットカード等の偽造がますます精巧になってきており、これらを的確に判別して排除することが社会秩序を維持するために重要視されている。特にATMや紙幣処理機など紙幣を取り扱う機器において、より高速で高性能な真偽判定目的の鑑別システムが強く求められてきている。
【0003】
これら紙幣や有価証券の鑑別方法として、光学ラインセンサ装置によるパターン識別が、従前より用いられてきている。
光学ラインセンサ装置には、縮小レンズとミラー及びCCDを組み合わせた縮小光学ラインセンサ装置と、セルフォックレンズなどの等倍光学系を用いた密着型光学ラインセンサ装置とがあり、縮小光学系はシステム単価が安く、解像度を容易に調整できること、焦点深度が深いなどの長所がある反面、センサの容積が大きくなることやホコリや異物によるトラブルが多い欠点がある。そこで、最近はメンテナンスの容易な密着型の光学ラインセンサ装置が広く使われてきている。
【0004】
一方、有価紙面には偽造防止を目的として、紫外光照射によって蛍光を発するインク、繊維、スレッドなどが真偽判定の目印として有価紙面の所定の部位に埋め込まれてきている。
そこでATMや紙幣処理機など有価紙面を取り扱う機器においては、その機器に用いられる鑑別センサに、紫外光を光源とした光学ラインセンサ装置を設置することが望まれるようになってきている。紫外光を対象物に照射し、印刷物のインク、紙、構成材料に含まれる蛍光物質を蛍光させて、その微弱な出力や波長を検出することにより、さらなる真偽判定能力が向上する期待があるからである。
【0005】
この紫外光光学ラインセンサ装置は、搭載している紫外光光源部から紫外光を発光させて対象媒体に照射することで、対象媒体に含まれるインクなどの蛍光成分が紫外光に励起されて可視及び赤外光の蛍光を発し、これを受光部において光検出信号を集めて画像データとし、これをもとに真偽判別を実施するものである。
紫外光光学ラインセンサ装置の光源として、冷陰極管、ハロゲンランプ、紫外光LED光源等が使用可能であるが、特に最近は可視光成分が少なく輝度が向上した窒化ガリウム系のLEDが好んで使用されている。
【0006】
紫外光光学ラインセンサ装置の受光部を構成するラインセンサとしては、ラインCCD素子、センサ部を内蔵したセンサIC、アモルファスシリコン素子などが用いられる。
下記特許文献2では、紫外光源から出射される光のうち紫外成分(例えば300〜400nm程度)のみを透過させる光学フィルタを備えた蛍光センサが開示されている。
下記特許文献3では、受光素子に、有価紙面の表面で反射された光のうち紫外成分を除去する紫外光カットフィルタが配置された蛍光センサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-230618号公報
【特許文献2】特開2004-265208号公報
【特許文献3】特開2004-265104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
紫外光LED光源を用いたラインセンサにおいて、有価紙面に印刷されている番号や模様などのインクから紫外光照射により発光される蛍光出力は極めて微弱であり、前記の光源と受光部との組み合わせにおいてもセンサとしての十分な検出感度を確保できない場合がある。
例えば有価紙面に紫外光を照射した場合、有価紙面の紙基材そのものに含まれる蛍光物質が、青色(400〜450nm)の可視光の蛍光を発光することがある。この青色の光のため、有価紙面に印刷されている番号などの模様から発光される赤や緑の蛍光が埋もれてしまう、という現象がある。
【0009】
すなわち紫外光LED光源の紫外光波長と、有価紙面に印刷されている番号や模様などのインクの蛍光特性との関係を詳しく調べたところ、可視光に近い紫外光成分はインクの蛍光よりも有価証券の紙基材そのものが蛍光の要因となる。この紙基材そのものからの蛍光が目的とするインクの検出能力を阻害している。よって、検出感度を上げるには紫外光LED光源のピーク波長を選択することと、蛍光成分のうち長波長の紫外光成分をカットすることが有効である。
【0010】
また発光側に注目すると、紫外光LED光源の発光には、微弱な紫外光の長波長成分や可視光の短波長成分が含まれる場合があり、この発光のため、受光部で検出される信号出力が有価紙面に印刷されている番号や模様などのインクから発光される赤や緑の蛍光を覆ってしまうという現象がある。
またさらに、紫外光LED光源の長期信頼性を確保するために、図8に示すように、LED素子54の実装筐体として、安価で紫外光劣化の少ない酸化アルミニウム・セラミックス焼結体52を採用した、信頼性の高い長時間動作に耐える紫外光LED光源実装品50が開発されている。
【0011】
なお図8において“53”は封入樹脂を示す。図9は紫外光LED光源実装品50を基板51に搭載した状態を示す斜視図である。
ところが実際、この酸化アルミニウム・セラミックス焼結体52を採用した紫外光LED光源実装品50から、紫外光の照射時に波長690nm付近のかすかな蛍光(図8に破線矢印で示す)が確認された。その発光原因を調査したところ、前記LED素子54の照射光が直接照射される領域から出ており、その発光波長から、酸化アルミニウムの不純物であるクロム(ルビー成分を形成する)が原因ではないかと想定される。この690nm付近の蛍光が紫外光LED光源から漏洩して照射されることが判明した。
【0012】
以上説明したいくつかの現象が、有価紙面の蛍光物質が組み込まれている構成部位の蛍光出力のコントラストを低下させ、センサとしての検知能力を阻害している。
したがって、上に述べた従来の技術では、紫外光源から照射される紫外光に適用する波長フィルタ、受光素子に入射する可視光に適用する波長フィルタとしての性能は不十分なものであった。
【0013】
そこで本発明は、紫外光光源を用いて有価紙面などの蛍光成分を検出する光学ラインセンサ装置において、有価紙面の精密な真偽判定機能を確保できる光学ラインセンサ装置及び有価紙面の鑑別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、受光センサにより有価紙面の蛍光出力を精査したところ、有価紙面の基材そのものに含まれている蛍光物質からの蛍光のスペクトルは、波長400〜450nmの近傍に集中しているので、有価紙面の蛍光出力のうち410nm以下、好ましくは420nm以下、さらに好ましくは450nm以下の光出力を遮蔽することで検出感度がさらに向上することを見出した。また紫外光LED光源の波長400nm〜700nmの可視光成分のみならず、波長385nm以上の紫外光成分をカットすれば、紙基材の蛍光量を低減できて、紙基材の蛍光量に対する蛍光物質の蛍光量を比率として高めることができることを見出した。
【0015】
そこで本発明の光学ラインセンサ装置は、紫外光を媒体に照射して媒体に埋め込まれた蛍光物質の蛍光を検出する光学ラインセンサ装置において、紫外光を照射する紫外光LED光源であって、第一のフィルタが出射側に装着された前記紫外光LED光源と、前記紫外光LED光源から媒体に照射され、媒体から所定の角度で反射された反射光を受光する受光素子が配列されたセンサ部とを備え、媒体と前記センサ部との間の光路に第二のフィルタが装着され、前記第一のフィルタが、波長385nm以上の紫外光及び可視光をカットする特性を持ち、前記第二のフィルタが、波長410nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つものである。
【0016】
この構成であれば、紫外光LED光源に第一のフィルタを装着することにより、紫外光LED光源から出射される波長385nm以上の紫外光成分及び可視光成分を遮断して、これらの光成分が受光部に直接入ってきたり、媒体を反射して受光部に入ってきたりすることを防止することができる。また、センサ部の入射側に第二のフィルタを装着して、紫外光LED光源から出射され媒体を反射した波長410m以下の可視光及び紫外光が受光部に入ってくることを防止できる。この発明によって、光学ラインセンサとして媒体に紫外光を照射した際の、本来の蛍光物質の検出能力を高め、光学ラインセンサ装置の能力を向上させることができる。
【0017】
また本発明の他の局面によれば、前記紫外光LED光源は、紫外光成分を含む光を照射するLED素子と、前記LED素子を実装する実装筐体とを備えるものであり、前記第一のフィルタは、波長690nm付近の光を遮断する特性を持ち、前記実装筐体の少なくとも一部が、紫外光の照射を受けて690nm付近の蛍光を発する酸化アルミニウム焼結体で形成されるものであり、前記第一のフィルタによって690nm付近の光が遮断されることを特徴とする。
【0018】
この構成であれば、前記光源筐体から、紫外光LED光源の照射時に波長690nm付近の発光が存在したとしても、その690nm付近の発光を第一のフィルタによって遮断することができる。よって、この光成分が受光部に直接入ること、あるいは媒体を反射して受光部に入ることを防止することができ、光学ラインセンサとして媒体に紫外光を照射した際の、本来の蛍光物質の検出能力をさらに高めることができる。
【0019】
また本発明の有価紙面の鑑別方法は、本発明の光学ラインセンサ装置と実質同一の発明に係る方法である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】有価証券や紙幣などの媒体Sの画像を検出する光学ラインセンサ装置を示す断面図である。
【図2】図1の変形例として、紫外光カットフィルム30aをロッドレンズアレイ23のセンサ受光部24側の端部に装着した状態を示す断面図である。
【図3】実装基板20の上面及び発光素子29を覆うようにして、可視光カットフィルタ層28を形成したUV光源22の構造を示す斜視図である。
【図4】可視光及び紫外光の一部をカットする膜(第一のフィルタ)の光透過特性の一例を示すグラフである。
【図5】紫外光及び可視光の一部の波長をカットする膜(第二のフィルタ)の光透過特性の一例を示すグラフである。
【図6】第二のフィルタの遮断波長を410nmとしたときに、有価紙面の紙基材の部分からの反射光と旗部からの反射光のスペクトル特性をそれぞれ測定し対比して描いたグラフである。
【図7】第二のフィルタの遮断波長を450nmとしたときに、有価紙面の紙基材の部分からの反射光と旗部からの反射光のスペクトル特性をそれぞれ測定し対比して描いたグラフである。
【図8】酸化アルミニウム・セラミックス焼結体52を採用した実装筐体にLED素子54を搭載した紫外光LED光源実装品50の構造を示す断面図である。
【図9】図8の紫外光LED光源実装品50を基板に搭載した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、有価証券や紙幣など(以下「媒体S」という)の画像を検出する光学ラインセンサ装置を示す断面図である。光学ラインセンサ装置は、媒体Sをx方向に直線状に搬送するための紙幣搬送路11に対向配置された検出ユニット12,13を有している。紙幣搬送路11は、媒体Sを搬送方向xに沿わせた姿勢で直線状に真っ直ぐ搬送するものである。各検出ユニット12,13は同一の形状であり、対称に配置されている。以下、主に上側の検出ユニット12について、その構造を説明する。
【0022】
検出ユニット12は、長さ方向(図1における紙面に垂直なy方向)の寸法が厚さ方向(図1におけるz方向)の寸法及び幅方向(図1におけるx方向)の寸法に比してかなり長く、細長い形状をなしている。検出ユニット12は、下方向に開口部が設けられた細長い箱状の筐体16と、この筐体16にその開口部を閉塞させるように取り付けられた細長い板状の透光カバー17と、筐体16の中に収納されたユニット本体とで構成される。
【0023】
筐体16の材料は、紫外光の照射に対して耐久性があり、また紫外光が照射されても蛍光を発しない金属、樹脂などの物質であることが好ましい。例えば、金属であれば鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮などである。金属そのものであれば蛍光を発しないが、表面にコートされる防錆材によっては蛍光する場合があり、実際に紫外光を照射して蛍光の有無を確認して使用することが望ましい。樹脂においては、ポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン,ABS、飽和および不飽和ポリエステルなどの汎用樹脂が採用可能である。樹脂においても同様に、添加される充填材や安定剤、顔料、UV吸収剤などから蛍光を発する場合があり、蛍光の有無を確認後採用することが好ましい。
【0024】
透光カバー17は、紫外光及び可視光が透過するガラス等の透明材料で形成されており、幅(x)方向の両端部に、先端側ほど厚さが薄くなるように傾斜する面取36が施されている。この面取り36は媒体Sが検出ユニットを通過する際に引っかかる障害とならないようにするためである。なお透光カバー17として、透明材料との接合部の段差を極小化した、蛍光を発しない一体成型樹脂成型品を用いてもよい。
【0025】
ユニット本体内は、長さ(y)方向に伸びる細長い2枚の壁18a,18bで仕切られている。これら2つの仕切り壁18a,18bと筐体16の両外壁とで、幅(x)方向に並んだ3つの細長い部屋U,V,Wを区画している。x方向最下流にある部屋Uは透過光源21を収納し、中央の部屋Vは紫外光LED光源である発光素子29を収納し、発光素子29から照射する紫外光を出射させる出射開口が形成されている。x方向最上流にある部屋Wはロッドレンズアレイ23を収納し、媒体Sからの反射光を入射する入射開口が形成されている。さらに、ロッドレンズアレイ23を設置する部屋Wの奥、すなわち透光カバー17に対し反対側に、センサ受光部24を設置する部屋Tが仕切られている。このセンサ受光部24も透光カバー17と同様に細長い形状をなしており、その長さ(y)方向を、ユニット本体の長さ(y)方向に一致させて筐体16の中に取り付けられている。このセンサ受光部24は、その画像検出方向(−z方向)を透光カバー17に向けている。
【0026】
部屋Wの奥の部屋Tには、センサ受光部24が設置されている。センサ受光部24は、ロッドレンズアレイ23から出射される光を、部屋Wと部屋Tとの境界面に設けられた開口を介して取り込む。
センサ受光部24は、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタなどで構成される画像検出センサとドライバ部とを一体化させたセンサICチップを配列し、これを基板上に実装したものである。ドライバ部は受光素子を駆動するためのバイアス電流を作成し供給する回路部分である。また、信号処理部33は受光素子の光検出信号を読み取り処理する回路部分である。受光素子の種類は、限定されないが、例えばシリコンPNダイオード若しくはPINダイオードが用いられる。
【0027】
ユニット本体内の部屋Wには、長さ(y)方向に細長い形状のロッドレンズアレイ23がセンサ受光部24に対面して配置されている。このロッドレンズアレイ23は、媒体Sの蛍光画像をセンサ受光部24の感光面上に等倍の正立像として結像させるためのレンズ素子である。ロッドレンズアレイ23は、ユニット本体の幅(x)方向及び長さ(y)方向における位置をセンサ受光部24に全体的に重ね合わせた状態で、筐体16に取り付けられている。
【0028】
ロッドレンズアレイ23は、観測する画像の検出エリア(センサ受光部24をロッドレンズアレイ23の一方の焦点としたときのロッドレンズアレイ23の他方の焦点;観測ラインという)を、透光カバー17の外表面よりも所定距離外側に設定しており(図1においてこの検出エリアをR1で示す)、この検出エリアR1から出てロッドレンズアレイ23の中心軸(光軸)を通る直線はz軸に平行となり、センサ受光部24の感光面に到達する。なお、検出エリアR1もユニット本体と同様、長さ(y)方向に細長く延びている。
【0029】
さらに、部屋Tには、部屋Wと部屋Tとの境界壁に設けられた開口を塞ぐようにして、センサ受光部側の感光面と一定距離をおいて、ロッドレンズアレイ23を通した紫外光が、センサ受光部24へ入るのを防止するためのUVカット層30(第二のフィルタ)が配置されている。
このUVカット層30は、特に限定するものではなく本発明の目的とする波長域をシャープに遮断するものであれば材質・構造を問わない。例えば有機系の紫外光吸収剤を透明フィルムに混入あるいはコーティングした紫外光吸収フィルム、ガラス表面に酸化チタンと酸化珪素など透過率や屈折率の異なる金属酸化物もしくは誘電体の薄膜を多層蒸着することで得られる干渉波フィルタ(バンドパスフィルタ)などが好ましい。
【0030】
UVカット層30に干渉波フィルタを用いる場合、前記干渉波フィルタのみでは目的とする透過域を調整出来ない場合は、さらにその上に金属又はその酸化物、窒化物、フッ化物の薄膜を用いたフィルムを重ねることで所望の波長特性を確保することが可能である。
干渉波フィルタに用いられる薄膜材料としては、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタン、五酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ハフニウムなどの金属酸化物、フッ化マグネシウム、フッ化ランタンなどのフッ化物、窒化珪素などの窒化物が用いられ、それぞれの透過率や屈折率及び膜厚を調整することにより所望のバンドパスフィルタ特性を確保することが可能である。なお、当然ながら通常の光学関連産業用に従来から生産されているバンドパスフィルタで、要求性能を満足するものであれば採用に際して特に制限はない。
【0031】
本発明に用いられるバンドパスフィルタの光学特性は所望の波長域を効率よく透過することは当然として、その他の波長を鋭敏に波長カットする特性が必要である。好ましい波長特性、紫外光をカットするとともに、可視光領域(400nm〜700nm)のうち、波長410nm以下、好ましくは波長420nm、さらに好ましくは波長450nm以下の短波長側の波長域をカットする特性を有する。
【0032】
また、カットする傾斜は急峻なほど好ましい。例えば光透過率が50%に低下する波長と10%に低下する波長との差(波長幅)が100nm以下特に望ましくは50nm以下の範囲であることが、検出感度を安定させるために望ましい。
なお、UVカット層30は独立して構成しても良いが、レンズや保護ガラス板などの光学部材に直接蒸着して用いてもよい。また、同じくレンズやガラス板などの光学部材に、有機材料である紫外光遮断塗料を塗布して用いても良い。
【0033】
なお前述の例では、UVカット層30は、部屋Wと部屋Tとの境界壁に設けられた開口を塞ぐようにして設置されていたが、この構造に限られることはない。例えば、UVカット層を、センサ受光部24の感光面を覆う形で取り付けても良い。あるいはロッドレンズアレイ23の端部もしくは中間部に紫外光カットフィルムを装着する方法もある。図2は、図1の変形例として、ロッドレンズアレイ23の、センサ受光部24側の端部に紫外光カットフィルム30aを装着した状態を示す断面図である。
【0034】
要するに、ロッドレンズアレイ23を通した紫外光が、センサ受光部24へ入るのを防止することができればよい。
また前述のように、センサ受光部24を筐体16の外壁と仕切り壁18bとで仕切ることによって、ロッドレンズアレイ23を通した光以外の迷光がセンサ受光部24に入射されないようにしている。
【0035】
なお部屋Tには、センサ受光部24とほぼ同等又はそれ以上の長さの、細長い形状のセンサ基板25が設置されていて、センサ受光部24は所定の電極端子(図示せず)を備え、それらはワイヤーボンディング等によって、センサ基板25に接続されている。
以上の構成により、センサ受光部24は、ロッドレンズアレイ23を介して、透光カバー17の外側に設定された検出エリアR1に存在する画像の正立像を結像することができる。
【0036】
次のユニット本体内の中央の部屋Vには、検出エリアR1に向けて斜めに紫外光を照射することのできる細長い形状の紫外光LED光源22が設けられている。この紫外光LED光源22は、ユニット本体の長さ(y)方向に沿って、センサ受光部24及びロッドレンズアレイ23と平行な状態で筐体16に取り付けられている。
この紫外光LED光源22は、紫外光を照射する半導体素子からなる発光素子29と、発光素子29を覆う状態で配置され、紫外光を透過させる可視光カットフィルタ層28(第一のフィルタ)とを有している。さらに紫外光LED光源22の光を斜めに導くため、細長い形状のガラス等の透明材料からなる光ガイド樹脂27を備えている。この発光素子29は、波長300nm以上の紫外光の発光が可能なLED素子であり、所定の電極端子(図示せず)を備え、それらはワイヤーボンディング等によって、筐体16の奥側に配置された光源基板26に接続されている。発光素子29が発光する紫外光は、波長が短くて発光強度が強いほど蛍光出力が大きく得られるが、窒化ガリウム系では350nm〜380nmの波長にピークを持つ紫外光LEDが実用的で好ましい。
【0037】
この紫外光LED光源22の構造を、図3に斜視図で示す。紫外光LED光源22は、ユニット本体の長さ(y)方向に延びる実装基板20に発光素子29を所定間隔で搭載し、実装基板20の上面及び発光素子29を覆うようにして、可視光カットフィルタ層28を形成している。この可視光カットフィルタ層28の材質・構造は、例えばガラス表面に金属酸化物もしくは誘電体の薄膜を多層蒸着することで得られる多層膜干渉波フィルタである。
【0038】
この可視光カットフィルタ層28の多層膜干渉波フィルタの光学特性としては、可視光をカットするとともに、紫外光領域(〜400nm)のうち、波長385nm以上の長波長側の波長域をカットする特性を有することが好ましい。
また、紫外光LED光源22が、酸化アルミニウム・セラミックス焼結体など、紫外光の照射時に波長690nm付近の蛍光を発する実装基板20を採用している場合、この690nm付近の蛍光が紫外光LED光源22から漏洩して照射されることを防止する必要がある。そこで、多層膜干渉波フィルタは、その光学特性が、波長690nm付近の光を確実に遮断する特性を有するように設計されていることが好ましい。具体的には、透過率が波長690nm付近で低い値を持つように、多層膜干渉波フィルタを構成する各膜の膜厚、屈折率が設計されていることが好ましい。
【0039】
なお可視光カットフィルタ層28の設置方法は任意であり、実装基板20の上面及び発光素子29を、塗布又は蒸着により被覆しても良い。またフィルム状もしくは板状の可視光カットフィルタ層28を用意し、実装基板20及び発光素子29の上に密着させて、もしくは発光素子29から一定の距離をおいて取り付けても良い。また光ガイド樹脂27の光出射表面に可視光カットフィルタ層28をフィルムとして配置しても良い。また光ガイド樹脂27を成形するときに、紫外光を通過させ可視光をカットする物質を光ガイド樹脂27の中に添加してもよい。
【0040】
さらに中央の部屋Vの仕切り壁には、図1に示すように、紫外光LED光源22から出射する紫外光を斜めにガイドするための反射板31が設けられている。この反射板31もユニット本体と同様、長さ(y)方向に細長い形状をなし、長さ(y)方向に沿った平行な溝を有し、この溝に紫外光LED光源22を収容している。紫外光LED光源22を収容する溝の片面(部屋Uと隣接する側)はyz平面内に形成されているが、他の片面(部屋Wと隣接する側)は発光素子29から厚さ(−z)方向に離れるに従って傾斜しながら広がっている。すなわち紫外光LED光源22から離れるに従って、開口断面積が大きくなるような形状で形成されている。これは、紫外光LEDの発光が対象物により均一な光量で照射され、しかも対象物が光軸方向に上下動しても照射光量がなるべく変動しないための工夫である。この反射板31の材料は、筐体16と同様、紫外光の照射に対して耐久性があり、また紫外光が照射されても蛍光を発しない金属、樹脂などの物質であることが好ましい。
【0041】
部屋Vの仕切り壁18a,18bの底(z方向上端)には、底壁部32が隙間なく配置され、この裏側に前述の光源基板26が設置されている。底壁部32は好ましくは仕切り壁18a,18bと一体に形成されている。
以上のように、紫外光LED光源22の左右を反射板31の付いた仕切り壁18a,18bで仕切り、その奥には底壁部32を設けることによって、紫外光LED光源22から照射される紫外光が筐体16内に迷光として極力入り込まないようにしている。
【0042】
この構成によって、図1における図示上側の検出ユニット12のセンサ受光部24は、図1における図示上側の紫外光LED光源22から照射され、検出エリアR1で反射された反射画像を検出できる。
部屋Vの隣の(紙面左側の)部屋Uには、媒体Sに可視光及び/又は赤外光を照射するための透過光源21が設置されている。透過光源21には、複数の発光素子(図示せず)が内蔵されている。各発光素子は、例えば赤緑青(RGB)あるいはシアン・マゼンタ・イエローといった3原色に相当する可視光の所望の波長領域の光を照射可能な3つの発光素子と、波長800nm以上の発光が可能な赤外発光素子とを含む。各発光素子は、所定の電極端子(図示せず)を備え、それらはワイヤーボンディング等によって光源基板26に接続されている。
【0043】
各発光素子は、異なる波長領域の光を照射可能とされており、このため各素子に電圧を印加する電極端子を選択することにより発光素子を同時に、若しくは時間的に切り替えて発光できる回路構成となっている。
図1の下方の検出ユニット13は、上方の検出ユニット12とは、紙幣搬送路11を挟んで長さ(y)方向に沿う軸を中心に180度反転させた姿勢で対向配置されている。すなわち検出ユニット13は、細長い箱状の筐体16の上方向に開口部が設けられ、この筐体16にその開口部を閉塞させるように透光カバー17が取り付けられている。検出ユニット13と検出ユニット12とは透光カバー17,17の主面同士を紙幣搬送路11に平行状態で1.5〜3mmのギャップを介して互いに対向させることになる。
【0044】
検出ユニット13の筐体16の中の素子配置は、前述したのと同じ構成の透過光源21、紫外光LED光源22、ロッドレンズアレイ23、センサ受光部24が備えられている。透過光源21は、検出ユニット12のセンサ受光部24に相対して配置されており、透過光源21から照射され、媒体Sを透過した光は、ロッドレンズアレイ23を通過してセンサ受光部24に入射される。
【0045】
この構成により、図1における図示上側の検出ユニット12のセンサ受光部24が図1における図示下側の検出ユニット13の、検出エリアR1における透過画像を検出可能となり、図1における図示下側の検出ユニット13のセンサ受光部24が図1における図示上側の検出ユニット12の、検出エリアR1における透過画像を検出可能となる。
さらには、図1における図示下側の検出ユニット13のセンサ受光部15は、紫外光LED光源22から照射された検出エリアR2の反射画像を検出可能となる。
【0046】
なお、上側の検出ユニット12の紫外光LED光源22と下側の検出ユニット13の透過光源21とは、透過画像と反射画像が同時にセンサ受光部24に入ることがないように、時間的なスイッチングにより発光制御されている。下側の検出ユニット13の紫外光LED光源22と上側の検出ユニット12の透過光源21も、同様に光が並存しないように制御されている。
【0047】
以上の構成により、筺体表面上の透光カバー17を通じて照射された対象物の透過画像又は反射画像がロッドレンズアレイ23を介してセンサ受光部24の表面に、等倍の正立像として結像される。
【実施例】
【0048】
日亜化学工業(株)製のリフロータイプ紫外光LED素子のパッケージ表面に、酸化珪素と酸化タンタルの多層膜により可視光領域をカットする干渉波フィルタ膜を施した0.3mm厚の硼珪酸ガラス板を、透明シリコーン樹脂で接着した。図4に、この可視カット多層膜(第一のフィルタ)の光透過特性を示す。図示のように、この多層膜は、波長400nm〜700nmの可視光及び波長385nm以上の紫外光をカットしている。なお、カットオフ波長の決め方は、透過率がほぼ50%まで低下する波長とする。
【0049】
フィルタのカットオフ波長は、多層膜の膜厚、屈折率などを調整することによって、任意に変更できるが、本実施例では、可視カット多層膜を、波長690nm付近の光をカットできるように設計している(図4参照)。このような波長690nm付近の光をカットする特性により、紫外光LED光源22が、酸化アルミニウム・セラミックス焼結体など、紫外光の照射時に波長690nm付近の蛍光を発する実装基板20を採用している場合、この690nm付近の蛍光が紫外光LED光源22から漏洩して照射されることを防止できる。
【0050】
この可視光カット紫外光LED素子をプリント基板上に16個直線上に配列した。
この上部に当該LEDの紫外光を良好に透過するシクロオレフィン樹脂からなる棒状の透明導光体を装着し、LEDチップの局部発光を軽減して、紫外光ライン光源とした。
この紫外光ライン光源を媒体Sに斜めから照射できるようにユニットに組み込み、その媒体Sの反射光を、日本板硝子(株)製セルフォックレンズを介して、駆動回路内蔵の結晶シリコンフォトダイオードアレイを用いたセンサ受光部により出力波形を検出した。
【0051】
センサ受光部への入力光の紫外光遮断はセルフォックレンズ面に酸化珪素と酸化チタンの多層蒸着膜を施すかもしくはセルフォックレンズとセンサ受光部との間にUVカットフィルム(第二のフィルタ)を装着することで対応した。図5は、セルフォックレンズ面に酸化珪素と酸化チタンの多層蒸着膜を施した場合の光透過特性を示すグラフである。図示のように、この多層蒸着膜は、紫外光及び波長420nm以下の可視光をカットしている。なお、カットオフ波長の決め方は、透過率がほぼ50%まで低下した点の波長値としている。
【0052】
フィルタのカットオフ波長は、公知のように、多層蒸着膜やフィルムの膜厚、屈折率などを調整することによって、任意に変更できる。例えば、波長450nm以下の可視光をカットする特性にすることも可能である。
紫外光LEDを、一素子あたり45mA、点灯時間200μ秒のパルスで点灯した。センサの読み取り条件は1ラインあたりの蓄積時間500μ秒とし、紫外光LEDに装着する可視光カットフィルタ及びセンサ部に用いられる紫外光カットの透過波長域を各種変えながら検討した。
【0053】
50ユーロ紙幣を用いて、基材部(地の部分)と緑色蛍光が出る旗部(通常は青色)との出力比(コントラスト)、及び基材部と裏面の黄緑発光する数字50の部位(通常は茶色)との出力比(コントラスト)を測定した。
【0054】
【表1】

【0055】
可視光カットフィルタ、UVカットフィルタともに装着しないのが比較例1、UVカットフィルタのみ装着したのが比較例2〜4、可視光カットフィルタ、UVカットフィルタともに装着したのが実施例1〜7である。
同表によれば、比較例1では、緑色蛍光が出る旗部の出力比が0.74、黄緑発光する数字部位の出力比が0.88と、ともにバックグラウンドに埋もれた結果となっている。
【0056】
実施例1〜7では、緑色蛍光が出る旗部の出力比が1.42以上、黄緑発光する数字部位の出力比が1.24以上と、ともにバックグラウンドに埋もれないで識別しやすいという結果となっている。
比較例2〜4は、UVカットフィルタを装着しているので、比較例1よりも大きな数字が出ているが、可視光カットフィルタは装着していないので、実施例1〜7よりも低い数字となっている。
【0057】
実施例1〜3では、可視光カットフィルタの遮断波長が400nmであるのに対して、実施例4〜7では、可視光カットフィルタの遮断波長が385nmである。このため、緑色蛍光が出る旗部の出力比は、一部の実施例3,4では逆転しているものの、実施例5〜7のほうが、実施例1〜2よりも大きな値となっている(逆転しているのは、UVカットフィルタの遮断波長の影響と思われる)。黄緑発光する数字部位の出力比は、実施例4〜7のほうが、実施例1〜3よりも大きな値となっている。したがって、可視光カットフィルタの遮断波長を、400nmに設定するよりも、紫外域の一部に入る385nmに設定したほうが、高い出力比が得られる、と言える。よって本実施例により、可視光カットフィルタの遮断波長を、400nmに設定するよりも紫外域の一部に入る385nmに設定することにより、「有価紙面に紫外光を照射した場合、可視光の波長範囲の短波長領域につながる紫外光の長波長領域の光が当該紫外光に含まれると、有価紙面の紙基材そのものが過敏に反応して、可視光の波長範囲にわたって強い蛍光を発光することがある。このため、有価紙面に印刷されている番号などの模様から発光される赤や緑の蛍光が埋もれてしまう」、という問題を解決できる、ということが立証された。
【0058】
UVカットフィルタに関しては、実施例1〜3については、遮断波長が実施例1では400nm、実施例2では410nm、実施例3では420nmと高くなるに連れて、緑色蛍光が出る旗部の出力比、黄緑発光する数字部位の出力比ともに上がっている。実施例4〜7についても、遮断波長が実施例4では400nm、実施例5では410nm、実施例6では420nm、実施例7では450nmと、高くなるに連れて、緑色蛍光が出る旗部の出力比、黄緑発光する数字部位の出力比ともに上がっている。よって本実施例により、UVカットフィルタの遮断波長を、400nmに設定するよりも、可視光の領域に入る410nmに設定したほうが、「紫外光が照射された有価紙面から出る蛍光が可視光の波長範囲の短波長領域につながる紫外光の長波長領域の光を含む場合がある。このような波長領域の光が、有価紙面に印刷されている番号などの模様から発光される赤や緑の蛍光を覆ってしまう」、という問題を解決できる、ということが立証された。
【0059】
また、UVカットフィルタの遮断波長を410nmよりも長い420nmに設定したほうが効果があり、420nmよりも長い450nmに設定したほうがさらに効果がある。
図6及び図7は、UVカットフィルタの遮断波長を変化させたときに、有価紙面の紙基材の部分からの反射光と旗部からの反射光のスペクトル特性を測定し対比したグラフである。図6ではUVカットフィルタの遮断波長を410nmとしているので、破線で囲んだ410nm〜450nmの領域で紙基材の部分からの反射光が相当量出力されている。同領域で旗部からの反射光も出力されるが、紙基材の部分からの反射光のほうが量的に多いので、旗部からの反射光を分子とし、紙基材の部分からの反射光を分母とする出力比は、相対的に低下してしまう。一方、図7では遮断波長を450nmとしている。このため、410nm〜450nmの領域での紙基材の部分からの反射光も、旗部からの反射光も、ともにカットされる。特に、紙基材の部分からの多量の反射光がカットされる結果、前記出力比として、図6の場合よりも、高い値を得ることができる。この測定により、UVカットフィルタの遮断波長を410nmより長い450nmに設定したほうがさらに効果があることが裏付けられた。
【0060】
以上の実施例の結果から、有価紙面の蛍光成分の検出感度に大きな特性の差が確認され、紫外光ラインセンサとして本発明の構成を用いることにより、より精度の高い有価紙面の鑑別ができることが明らかとなった。
【符号の説明】
【0061】
12,13 検出ユニット
24 センサ受光部
22 紫外光LED光源
28 可視光カットフィルタ層(第一のフィルタ)
30 UVカットフィルタ(第二のフィルタ)
33 信号処理部
S 有価証券、紙幣などの媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を媒体に照射して媒体に埋め込まれた蛍光物質の蛍光を検出する光学ラインセンサ装置において、
紫外光を照射する紫外光LED光源であって、第一のフィルタが出射側に装着された前記紫外光LED光源と、
前記紫外光LED光源から媒体に照射され、媒体から所定の角度で反射された反射光を受光する受光素子が配列されたセンサ部と、を備え、
媒体と前記センサ部との間の光路に第二のフィルタが装着され、
前記第一のフィルタが、波長385nm以上の紫外光及び可視光をカットする特性を持ち、前記第二のフィルタが、波長410nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つことを特徴とする光学ラインセンサ装置。
【請求項2】
前記第二のフィルタが、波長420nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つ請求項1に記載の光学ラインセンサ装置。
【請求項3】
前記第二のフィルタが、波長450nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つ請求項1に記載の光学ラインセンサ装置。
【請求項4】
前記紫外光LED光源は、紫外光成分を含む光を照射するLED素子と、前記LED素子を実装する実装筐体とを備えるものであり、
前記第一のフィルタは、波長690nm付近の光を遮断する特性を持ち、
前記実装筐体の少なくとも一部が、紫外光の照射を受けて690nm付近の蛍光を発する酸化アルミニウム焼結体で形成されるものである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学ラインセンサ装置。
【請求項5】
前記紫外光LED光源は、窒化ガリウム系のLEDである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光学ラインセンサ装置。
【請求項6】
媒体を反射し、前記第二のフィルタを透過して前記センサ部で検出された光信号に基づいて媒体の蛍光色情報を判別する信号処理部を備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光学ラインセンサ装置。
【請求項7】
紫外光を媒体に照射して有価紙面に埋め込まれた蛍光物質の蛍光を検出することにより有価紙面を鑑別する方法であって、
紫外光を照射する紫外光LED光源から、第一のフィルタを介して紫外光を有価紙面に照射し、
前記媒体から所定の角度で反射された反射光を、第二のフィルタを介して、受光素子が配列されたセンサ部によって受光し、
前記第一のフィルタが、波長385nm以上の紫外光及び可視光をカットする特性を持ち、前記第二のフィルタが、波長410nm以下の可視光及び紫外光をカットする特性を持つことを特徴とする有価紙面の鑑別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−190253(P2012−190253A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53118(P2011−53118)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.セルフォック
【出願人】(510192019)株式会社ヴィーネックス (5)
【Fターム(参考)】