光学式エンコーダ
シャフトの回転軸と一致する共通の対称軸を有する1対の重なる光導波路の間に配置された、光エミッタと光センサ手段とを有し、光導波路が光エミッタ手段からの光を受け、光を光センサ手段に返す電子基板と、回転シャフトに取り付けられた2の同心円状の環状部分の光学パターンと、静止デバイス上の2の同心円状の環状部分の光学パターンとを具える回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステム。電子基板から光導波路に光を射出し、前記光学パターンと相互作用した後に光導波路を通じて戻る光線から電子基板上で受けた信号を処理することにより、回転シャフトの回転角度を測定するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータあるいは他の回転デバイス用の光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
光学式エンコーダは様々な種類の回転デバイスで回転シャフトの位置を制御するためのシステムにおいて、位置フィードバックデバイスとして広く用いられてきた。このような例として、光学式エンコーダはロボット、自動機械及び同様のデバイスで広く用いられている。
【0003】
このような光学式エンコーダの例は、Becchiらによる米国特許第4,268,747号(1981年)、及びBreslowによる米国特許第4,410,798号(1983年)に見ることができる。
【0004】
光学式エンコーダシステムは一般的には、モータシャフト上に固定された、交互の光学特性部分(例えば、透明部分と不透明部分)のパターンを有する回転光学ディスクを含んでいる。ディスクは発光体と光センサとの間の光ビームの経路に置かれる。光センサはシャフト位置に伴い周期的に変化する振幅を有する電気信号を生成する。電子回路を用いて、その電気信号の周波数を数え、ひいては、初期位置と比較したシャフト位置での情報を提供する。
【0005】
回転方向を感知するためには、従来技術の光学式エンコーダのほとんどにおいては、2つの光ビームが用いられて、第2のビームの経路が第1の信号と似た第2の電気信号を生成するように配置されるが、第1の信号の周期の4分の1だけシフトされる。このような2つの信号は更に直角位相になっている。
【0006】
この方法の改善は、回転ディスク上に設けられ、回転光ディスクパターンに似たパターンを伴う固定マスクを付加した交互になる光学特性で円形パターン部分のいくつかのセグメントを覆った光ビームを用いることと、交互となる光学特性を有するいくつかの連続したセグメントを含むことと、回転光ディスクと光センサとの間にある光センサの表面を少なくとも覆うこととからなる。この配置においては、マスク及びディスクパターンが一致した場合、光の最大値が伝送され、一方、マスク及びディスクパターンが逆位相である場合、光伝送は最小値となる。このように、センサに伝送される光は、角度位置の関数になる。この方法はパターンセグメントの正確な形状の許容度が、多数のセグメントにわたり平均化されるという事実により、改良された信号形状を提供する。
【0007】
直角位相において信号のアナログ振幅を処理ユニットに供給することにより、エンコーダ解像度が増加することが知られている。処理ユニットは、単一のパターンのセグメント内のシャフトの角度を計算するようにプログラムでき、このようにして更に高い解像度を提供できる。例えば、512スロットを有するディスクは1周期の1/65536の角度解像度を提供する。
【0008】
位置フィードバックデバイスの精度及び解像度を改良するが、コストを低減する継続的な流れがある。
【0009】
精度を制限する1の要因は、回転光ディスクのわずかな偏心性動作であり、いくつかの機械的許容度による。2つのビームの各々がディスク上の規定位置で光ディスクを交差するため、シャフトの片側でシャフトの側方移動が光検出器に到達する光の量に影響を与え、このようにして位置情報における誤差を生成する。このような側方移動はシャフトを把持する回転軸受の許容度により、あるいは、光ディスクアセンブリにおける許容度により生じうる。この種の誤差を避けるためには、多くのエンコーダが一体型シャフト及び高精度軸受を具え、連結器によってモータシャフトに連結することであるが、これによってコストはかなり上昇する。
【0010】
別の要因は回転ディスク上のパターンの精度である。パターンの不規則性は、シャフトの回転位置に対し不等な周期を生成する。2つのビームがシャフトの片側にあるディスク上の各々の規定された位置で光ディスクと交差する場合は、上述のように、ディスクパターンの不規則性が光検出器に到達する光の量に影響を与え、更に位置情報へ誤差を更に導入する。
【0011】
PCT/IL2004/000042の光学エンコーダにおいて、改善された精度が、回転対称中心と一致する幾何学的中心を有する光の同心円状の環を生成する2の円錐形ビームの形態で、回転ディスク上の光を投射する2又はそれ以上の光導波路を用いることにより得られている。光ディスク上では、各々が交互になる光学特性を伴う大多数のセグメントを有する、1対の同心円状の環状パターン部分が提供され、環状パターンの幾何学的中心は回転対称中心と一致し、前記同心円状の光の環の直径は、同心円状の光の環の各々が、同心円状の環状パターンのうちの1つに入射し、前記環状パターンを覆っている。この発明の光学式エンコーダの放射対称性は、シャフトの小さな側方移動の補償を提供し、光信号が対称中心周りに等しく分布する大多数のセグメントから収集されているため、セグメントの形状における不規則性の効果は平均化され、ひいては低減する。PCT/IL 2004/000042の光学エンコーダにおいて、光源から光ディスクの方に射出される光と、光ディスクからセンサに戻ってくる光の双方が、入射面で光導波路に入る光ファイバを通じて伝導する。光学式エンコーダはセンサを担持する電子基板から、かつ、光源から離れているため、1又はそれ以上の光ケーブルが標準的な電気ケーブルに加えてこのシステム用に要求された。
【0012】
従来技術の光ディスク、光源、及び電子基板の間の分離及び距離のために、設計及び配線の問題が回転デバイスの構成間のこれらの分離部分の取り付けと関連して生じるが、同時に製品及び取り付けのコストが増加する。
【0013】
光学式エンコーダアセンブリ内に配置され、光源とセンサの双方が回転デバイスの対称軸の近くになるように、PCB上に直接的に光源、光センサ及び信号処理手段を担持し、それによって更に精度を上げて製造及び取付コストを低減する一体型電子基板を従来技術の光学式エンコーダのどれも提唱していない。
【0014】
従って、光センサ及び光源手段が単一PCBの表面の各々に取り付けられ、PCBの逆側から射出される光を受ける1対の光導波路の間にPCBが配置され、回転角度を示すのに適した光学アセンブリに誘導し、最終的には返ってくる光をPCB上の光センサ手段の方へ誘導する、新しい対称型及び一体型設計によって精度を上げ、配線、製造及び取付のコストを減らす回転シャフトを光学式エンコーダに提供することが必要である。
【発明の概要】
【0015】
回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムが、1対の第光導波路(45;46)の間に配置され、前記光導波路の各々が、環状の光通過面領域(49a;49b)と少なくとも1の追加の光通過面領域とを有し、前記環状の光通過面(49a;49b)が、前記シャフトの回転軸と更に一致する共通の対称軸(411)を有するように、前記第1の光導波路(45)が前記第2の光導波路(46)の上に重なり、前記光導波路(45;46)の各々が更に、光エミッタ手段から光を受ける少なくとも1の光通過面領域と、光を光センサ手段に伝送する少なくとも1の光通過面領域とを有する電子基板(42)と、前記環状の光通過面を通じて前記光導波路から射出する光線を逆方向に反射するための反射面(401a)と、前記回転シャフト(3)に取り付けられている、回転ディスク(401)上に設けられた異なる光学特性の相互セグメントから成る2の同心円状の環状部分の第1の光学パターンと、静止デバイス上に設けられ、更に異なる光学特性の交互セグメントから成る2の同心円状の環状部分の第2の光学パターンと、前記電子基板から前記光導波路へ光を射出し、前記光学パターンで相互作用した後に、逆方向に前記光導波路を通じて戻ってきた光線からの前記電子基板上で受けた信号を処理することによって、前記回転シャフトの前記回転角度を測定するための方法と、を具えている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明を理解し、実際にどのように実装されうるかを示すために、複数の実施例は、限定されない例のみによって添付の図を参照してここに述べられている。
【0017】
【図1】図1は、従来のエンコーダの簡略図である。
【図2】図2は、エンコーダのパターン化した回転ディスクの一例を示している。
【図3】図3は、固定したパターン化マスクの一例を示している。
【図4】図4は、中央部分における本発明によるエンコーダの好ましい実施例を示している。
【図5】図5は、異なる幾何学的形状のセグメントを伴う環状表面を有する光導波路の一例を示している。
【図6】図6は、電子基板の「光学領域」上の光源手段と光センサ手段との配置の一例である。
【図7】図7は、位相差を有するパターンの例である。
【図8】図8は、位相差を有するパターンの例である。
【図9】図9は、回転ディスクが透明な材料で作られ、静的な反射面が回転ディスクの反射面に置き換わる場合の一実施例である。
【図10】図10は、逆反射V字形状隆起を有する回転ディスクの一実施例の断面図を示している。
【図11】図11は、下方の光導波路の実施例の断面図である。
【図12】図12は、上方の光導波路の実施例の断面図である。
【図13】図13は、3つの領域への反射面分割を伴う集束手段の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の記載は、本発明の総ての区切りと平行して、当該技術分野の当業者が利用できるようにするために提供され、本発明の実施する発明者により熟考された最良のモードを説明する。しかしながら、本発明の一般的原理が規定されて、特に新規の光学式エンコーダシステムと、光源及び/又は光センサからの距離による低い精度、光学パターンの不規則性の結果として導入される誤差、モータシャフト等の機械的振動から生じる誤差のような、従来技術のエンコーダの弱点を打ち破る、例えばモータシャフトのような回転シャフトの回転角度を計測するための方法とを提供しているため、あらゆる変形が当該技術分野の当業者にとって明らかになるであろう。
【0019】
本発明の光学式エンコーダシステムと方法は、標準的なモータ駆動部あるいはコントローラで用いられうるような一般に適用可能なのと同時に低コストになる利点を有している。
【0020】
本発明のシステムと方法の利点をよりよく示すために、従来のエンコーダシステムが図1を引用して以下に述べられている。
【0021】
図1に示すように、従来のエンコーダシステムは光源(1)、光検出器(2)、回転ディスク(4)が固定されたモータシャフト(3)、及び固定マスク(5)を具えている。当該技術分野で既知のように、回転ディスク(4)は交互になる透明及び不透明なセグメントの環状パターンを有し、固定マスク(5)は交互になる透明及び不透明なセグメントのわずかな合致パターンを有し、光源から射出された光は、光が光源から射出された場合は光検出器(2)で検出された光の量は回転ディスクとマスクとの相対位置の関数となるように、前記回転ディスク(4)及び前記固定マスク(5)を通過する。光検出器(2)の出力は次いで光強度を処理して、回転ディスクの回転角度を算出する電子インタフェース(図示せず)へ入力される。従来のエンコーダにおいては、光源(1)
から発する光ビームの大きさに合致する限定されたスロット数で覆っている。このような光学式エンコーダは限られた性能を有し、産業用エンコーダにおいては、回転方向を検出し、シャフト振動あるいは偏心による誤差を補償するために多数のマスクと光センサとを用いることが知られている。
【0022】
回転ディスク用に用いられたパターンの例は図2に示され、マスク用に用いられる合致パターンの例は図3に示されている。このパターンは異なる透明度のような異なる光学特性を有する交互セグメントからなる。図2及び3で示された特定例においては、セグメントは全く透明(21)か全く不透明(22)かのいずれかである。しかしながら、パターンは多くの異なる種類となることは理解されるであろう。例えば、各部分が異なる表面形状を有することができて、光線が様々な方向に屈折されるようになる、スロットは多様な設計により生成できる等々。本特許では、パターンのセグメントはスロットと見なす場合に、異なる光学特性のセグメントを有する他のパターン型は本発明の発明内にあると理解されるであろう。
【0023】
これらのエンコーダにおいては、パターンを通過するビーム幅は限られたスロット数を覆うために、スロットの形状の小さな不規則性は位置情報の不明確さを生じる。
【0024】
従来技術のエンコーダの性能に対する別の制限は、シャフト軸受のフレキシビリティによる、モータが動作する際のモータの機械的振動による。光源及びセンサがシャフトの片側に配置されるために、シャフトやディスクの側方移動は、パターンを通過する光の量の変化を生じ、このようにして位置情報を変える。不正確さを低減するために、多くのエンコーダ製造業者は、更なる高品質のボール軸受及び連結要素と有する、エンコーダ内の別個のシャフトを用いて、エンコーダシャフトをモータシャフトに連結し、このようにしてエンコーダのコストを増加する。
【0025】
制限の更なる原因は、射出した光のわずかな部分だけがパターン化されたディスクに到達し、射出した光の更にわずかな部分が光センサに返されて、回転位置あるいは回転角度の指標を供給するような、光線の自然分散による。
【0026】
PCT/IL2004/000042において、1対の同心円状の環状光ビームを射出し、光ディスクの総ての円周から返ってきたきた光を収集する1対の光導波管を有するエンコーダは、受けた位置情報の精度を改善するように提案される。位置情報は更に光ファイバを用いることにより改善されて、遠隔の光射出手段から光導波路の光入射面を通じて光導波路へ光線を誘導し、光導波路から遠隔のセンサ手段まで返る光線を誘導する。
【0027】
本発明は、1対の光導波路の間に配置された電子基板を提供することによって、位置情報の精度を改善する光学式エンコーダシステムと方法を提案している。光射出手段と光センサ手段は電子基板の両側の光学領域上に設けられ、光射出手段からの光線の比較的大部分が光導波路に入射するように、光導波路の各々が、電子基板の各側面に面した少なくとも1の光入射領域を有している。本発明の光学式エンコーダは、光導波路の各々の環状の光通過面から光を射出し、回転シャフト上に固定された回転デバイスに設けられた環状の光学パターンを用い、及び、返ってくる光の量が静止デバイス及び回転ディスクの相対位置ひいては回転シャフトの回転角度を示すように静止デバイス上に設けられた環状の光学パターンを用いた、前記返ってくる光の相互作用後に、光導波路後方の反射面によって反射される光を収集することによって、精度を上げている。精度は比較的大部分の返ってきた光が光センサ手段に到達するのを可能にする光導波路内部の1又はそれ以上の反射面によって更に向上され、これによって情報の精度は更に向上する。
【0028】
光センサの未処理信号を処理する電子基板が光導波路の間に配置され、このように、対称性のエンコーダ構成を可能にすること、すなわち、光源及び/又は光センサの双方がモータシャフトの対称軸上あるいは近傍に配置されうることは本発明のエンコーダシステムの更なる利点である。
【0029】
光源と光センサがPCB上に直接的に取り付けられることは本発明のエンコーダシステムの更なる利点であり、減少した振動コストを生ずる。
【0030】
このように、本発明の一態様によると、回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムが提案され、第1の面と第2の面とを有し、前記第1及び第2の面の各々に取り付けられた、少なくとも1の光射出手段と少なくとも1の光センサとを有し、1対の第1及び第2の光導波路の間に配置され、前記光導波路の各々が、環状の光通過面領域と少なくとも1の追加の光通過面領域とを有し、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の前記環状の光通過面が、前記シャフトの回転軸と更に一致する共通の対称軸を有するように、前記第1の光導波路が前記第2の光導波路の上に重なる電子基板と、当該電子基板の前記第1の面上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第1の面上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第1の光導波路の前記追加の光通過面領域のうちの少なくとも1つと、前記電子基板の前記第2の面上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第2の面上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第2の光導波路の前記追加の光通過面領域のうちの少なくとも1つと、回転デバイス上に設けられた異なる光学特性のセグメントを具え、前記回転デバイスが前記回転シャフトに取り付けられている、2の同心円状の環状部分の第1の光学パターンと、静止デバイス(403)上に設けられ、対称軸が前記シャフト回転軸と一致するように、異なる光学特性のセグメントを更に具える、2の同心円状の環状部分の第2の光学パターンと、前記環状の光通過面を通じて前記光導波路から射出する光線を逆方向に戻すための反射面とを具えている。
【0031】
本発明の別の態様によると、回転シャフトの回転角度を測定するための方法が提案され、
a.1対の重なった光導波路の間にある第1の側面及び第2の側面に取り付けられた光射出手段及び光センサ手段を電子基板に設けるステップと;
b.前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の前記光射出手段から、前記光導波路の光通過面を通じて、それぞれ前記1対の光導波路の各々に光を射出するステップと;
c.それぞれ前記光導波路の各々の環状の光通過面を通じて外側に前記光を伝播するステップであって、対称軸が一致するように前記環状の光通過面が配置されるステップと;
d.主要な回転軸を有する回転シャフトに取り付けられた2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の回転光ディスクに設けるステップと;
e.光学パターンを少なくとも1の静止デバイスに設けるステップと;
f.前記光が、前記光導波路に再入射する前に、前記静止デバイス及び前記回転デバイスに設けられたパターンとの相互作用によって影響を受けるように、前記環状の通過面を通じて前記光を元の前記光導波路に反射するための反射面を設けるステップと;
g.光ビームの一部分を前記光導波路入射面を通じて光通過面の近傍に配置された少なくとも1の光センサ手段へ誘導して戻すステップと;
h.前記光センサに到達する光強度を測定するステップであって、前記光強度が前記静止デバイスと前記回転光ディスクとの相対角度位置の関数となるステップと;
i.前記光センサで測定された前記光強度の関数として前記シャフトの回転角度を算出するステップと;
を具えている。
【0032】
好ましい実施例によると、1又はそれ以上の反射要素は、光通過面を通じて、その近傍の少なくとも1の光センサ手段へ光ビームの一部を誘導して戻すために、光導波路の各々の中に設けられている。
【0033】
本発明の更に別の態様によると、本発明のエンコーダは標準的なインタフェースを有し、それによって、多数の従来の駆動装置で用いられうる。
【0034】
図4は、モータシャフト(3)の回転移動を検出、測定するための本発明による光学式エンコーダのアセンブリの好ましい実施例を示した。図4のアセンブリは例として示されたものであり、多くのその他の設計が本発明のシステム及び方法の範囲内で実装されうることは理解されるであろう。
【0035】
記載の明瞭化のために、エンコーダ構成の相対位置は、モータシャフト回転軸の方向に記載され、モータシャフトはその方向の下方構成となるように規定されている。しかしながら、モータシャフト軸に整列する限りは、その構成は水平軸に沿ってあるいはその他の定位で配置されうることは理解されるであろう。
【0036】
図4によると、回転シャフト(3)の回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムは、縦方向、中央部分で示され、それぞれ第1の側面(42a)上及び第2の側面(42b)上に光学領域(43,44)を有する電子基板(42)を具え、光学領域(43,44)の各々の上に、光射出手段(404)と多数の光センサ手段(405)とが取り付けられている。電子基板は1対の光導波路(OG)(45,46)間に配置される。当該技術分野に精通した当業者によって、光導波路(45,46)が透明な材料から作られ、光導波路及び/又は光ファイバの公知技術において適用されるような、全反射の法則によって光線を誘導するように設計されることは理解されるであろう。前記光学領域(43,44)の各々の上にある光射出手段は1以上となりうることは更に理解されるであろう。
【0037】
図4の図において、光導波路(45,46)と前記電子基板(42)は、回転シャフト(3)上に固定される。しかしながら、光導波路及び電子基板は回転シャフトの正面に固定でき、回転シャフト軸は水平方向に、あるいは、特定の実施例に適するようにその他の方向に配向できることは理解されるであろう。更に図4によると、光導波路(45,46)と前記光学領域(43,44)は、回転シャフト(3)の軸と一致する対称軸(411)を有している。光導波路(45,46)は透明かつ釣鐘形状であり、光導波路45より大きな直径を有する光導波路46が光導波路45に重なるように配置されている。光導波路の各々が、光通過面(47)と(48)をそれぞれ有し、光導波路45の光通過面47が光導波路46の光通過面48と対面するように配置され、前記光通過面の各々が、前記光射出手段(404)の近傍及び前記光センサ手段(405)のうちの少なくとも1つの近傍に配置されるように、光通過面(47,48)はそれぞれ電子基板の前記第1の側面(42a)上及び前記第2の側面(42b)上の光学領域(43,44)へ並べられる。光導波路(45,46)の各々は更に、環状の光射出面(49a,49b)を有し、2の環状の光射出面(49a)と(49b)は互いに同心円状である。静止デバイス(403)は前記光導波路(45,46)の下方に配置され、前記静止デバイス(403)上には、1対の同心円状の環状パターン部分(403a,403b)(以降、静止パターン)が環状の光射出面(49a,49b)の反対側に設けられる。前記静止デバイスの下方に、回転光ディスクのような第1の回転デバイス(402)は回転シャフト(3)へ取り付けられ、前記回転デバイス上に、1対の同心円状の環状パターン部分(402a,402b)(以降、回転パターン)が設けられ、前記静止パターンと並置される。第2の回転デバイス(401)は回転パターン部分(402a,402b)に面している反射領域(401a)を伴う上方の面を有している。
【0038】
更に図4の光学式エンコーダアセンブリによると、電子基板42の光学領域44に取り付けられた光源から射出された光は、入射面47を通って光導波路45に入り、光導波路45の環状通過面49aに到達するまで光導波路45を通じて誘導され、環状ビームの形状で光導波路45の環状射出面49aを通って射出される。静止デバイス403と回転デバイス402の相対角度位置に依存して、可変量の光線が反射面401aに到達し、当該反射面401aにより逆方に反射される。反射光は更に回転パターン402aと静止パターン403aを逆方向に通過する。光は次いで光導波路の方に伝播され、環状通過面49aを通って光導波路45に再入射され、再入射光の量は回転パターン402aと静止パターン403aの相対角度位置に依存している。光線の一部が電子基板42の光学領域43上の光センサに到達するように通過面47まで誘導される。
【0039】
本発明の好ましい実施例によると、2つの電気信号が同時に得られるように、光は光導波路45と46の両方に伝播される。光センサは次いで、シャフト3の回転角度の関数として変化する電気信号を出力する。エンコーダについて既知の従来の電子及びソフトウェア処理手段を用いて、回転移動を算出できる。
【0040】
多くのその他の解決は光を一方向に光学パターンを通過させ、逆方向に光学パターンを通るように光導波路の方向に反射させるように適用しうることは理解されよう。
【0041】
更に、電子基板は異なる設計により作られ、異なる方向に配置されうることと、更にフレキシブル基板として実装されうることも理解されよう。
【0042】
本発明のシステムによると、静止パターン(403a,403b)は、静止デバイス402が除去されうる場合に、環状の光通過面(49a,49b)上にある光学パターンを提供することによって、実装されうる。
【0043】
光導波路の環状の通過面49a、49bがパターン化された場合、前記パターンは交互になる不透明及び透明セグメントあるいは異なる幾何学的形状のセグメントにできる異なる光学特性のセグメントで作られ、光導波路に射出する光線は、射出される、あるいは、強度の異なるセグメントの光学特性に依存する異なる方向を有するようになり、更に環状射出面49、400に射出する環状ビームは環状にパターン化したビームとなるように射出されるセグメントの光学特性に依存している。
【0044】
図5は通過面51と、光学式エンコーダの静止パターンとして動作する環状通過面52とを有する光導波路50の実施例の一例を示し、前記環状通過面の上にある、歯状設計が提供されて、光学パターンを生成する。図5に示されたように、光導波路(50)の環状射出面52は2つの交互セグメント型に分割される。第1の型のセグメント(52a)はシャフト軸(511)に垂直な射出面を有し、一方、第2の型のセグメント(52b)はシャフト軸511に対し45度の角度を形成する射出面を有する。当該技術分野に精通した当業者によって、セグメント52aを通じて射出する光線は対称軸511にほぼ平行であるが、セグメント52bを通じて射出する光線は対称軸511に対して垂直に屈折される。
【0045】
図6は電子基板64の光学領域63に取り付けられる光源(65)及び光センサ(66a,66b,66c,66d)の例を示す。光学領域63の多くの他のモード及び設計は、本発明の範囲内にあるようにできることは理解されよう。
【0046】
図6の実施例においては、光源(65)はシャフト回転軸でもある、光学領域63及び電子基板64の中心に配置され、光センサ手段66a、66b、66c、66dは光源65の周りに配置される。光ディスク上及び環状射出面上にある環状の光学パターンの総ての部分が、総ての電気信号に対する同一の理論上の寄与を伴うように、この配置は放射対称性となることの利点を有し、これによって、総ての光センサ手段(66a、66b、66c、66d)からの信号の総和となる信号出力は、光センサ手段の方のに光の通過を可能にする環状射出面及び環状回転ディスクパターンの双方の総ての部分を通過する光の量の正確な平均数に比例している。上述したように、この平均はパターン部分の幾何学的な精度に対する位置情報の感度を強く低減する。
【0047】
光センサ手段が光学領域の中心に配置され、多数の光源手段が光源の周りに対称的に配置された配置によって同一の結果を得ることができることは理解されよう。
【0048】
既知のエンコーダに関しては、様々なパターンが、2つの電気信号間の位相差を提供するように設計され、これによって、回転方向についての情報が提供される。このようなパターンの例は図7及び図8に示されている。これらの図においては、黒い領域は第1の光学特性(例えば不透明)を有する環状パターンのセグメントを表し、白い領域は第2の光学特性(例えば透明)を有するセグメントを表している。前述したように、これらの異なる光学特性は、異なる幾何学的形状、コーティングあるいは透明度又は光線屈折方向を変えるその他の技術を用いた、様々な方法で実装される。図7においては、1対の同心円状の環状部分を有するパターンが示され、ここでは同心円状の環状部分は「同相」であり、すなわち、双方のパターンの黒いセグメントは、同一の角度位置で配置される。図8においては、1対の同心円状の環状部分を有するパターンが示され、ここでは同心円状の環状部分はパターン角度周期αの4分の1と等しい、δαでシフトした角度位置を有している。本発明の光学式エンコーダシステムにおいて、図7の「同相」となる2つのパターンは、2つの導波路の環状通過面に適用でき、4分の1周期の位相差を有する同心円状の環状部分は回転ディスクに適用できる。パターン「同相」が回転ディスクに適用され、角度周期の4分の1の位相差を有するパターンが2つの導波路の環状通過面に適用される逆の解決は、更に光学式エンコーダシステムに実装できる。双方のケースにおいて、本発明の方法を操作する結果として受ける2つの電気信号は、4分の1周期の位相差(直角位相)を示している。
【0049】
当該技術分野に精通している当業者により、光導波路の同心円状パターンと、回転ディスク上の同心円状パターンとの間の位相差は、2つの電気信号間に位相差を生ずるように、任意の値にすることができ、信号処理手段をプログラムして、既知の位相差により位置計算を実行できることは理解されよう。
【0050】
更に光学特性がパターンの環状表面の上にある角度位置の関数として連続的な方法で変化するように実装できることは理解されよう。例えば、環状表面は、外周にわたって周期的な正弦の透明度を有することができ、あるいは、シャフト方向の環状表面の表面高度は正弦関数にすることができる、等。
【0051】
図9によると、エンコーダの実施例が示され、静止パターン(403a,403b)と回転パターン(402a,402b)が光導波路と回転ディスクから分離して配置される構成(96及び98)に実装されるのと同様に反射面(90)が実装されている。図9の実施例は、回転デバイス401が透明な材料で作られ、反射面91を有する分離した静的デバイス(90)が提供されている点で、図4の実施例と異なっている。本実施例においては、環状通過面(49a,49b)を通って射出する光が、透明な光ディスクにできる静止パターン(403a,403b)、回転パターン(402a,402b)及び透明なデバイス401を通じて、反射面91へ伝播されることは理解されよう。前記回転及び静止パターンと2回相互作用して、光導波路(45,46)に戻る光の量が前記静止パターンと前記回転パターンとの相対角度位置の関数となるように、前記回転パターン(402a,402b)と前記静止パターン(403a,403b)とを通じて反射面91によって反射された光が再度伝播されることは理解されよう。本発明のシステムの更なる実施例をすることができ、回転デバイス(402)は透明な回転デバイス401の下方に配置されることが理解されよう。
【0052】
図10は回転シャフト3上に固定され、回転ディスク3の回転軸100を放射対称性の中心として有する回転ディスク(101)の実施例を示し、回転ディスクの反射面は回転ディスクの下側面の2の環状V字形状隆起(102,103)の形態で実装され、V字形状隆起の双方の面がシャフト軸に対し45度の角度を有している。上方及び下方の光導波路から射出した光線(104,105)が、V字形状隆起の傾斜面によって二度反射されるように選択される反射率を有する透明な材料から作られ、これにより、光線(104,105)は射出した光導波路の方向に戻される。反射される光線(104,105)が前記環状射出面を通って光導波路に再入射するように、V字形状隆起は、1対の重なる光導波路(図示せず)の環状射出面の下方に配置される。光ディスク(101)の上面では、光学パターンが提供でき、あるいは、図9の実施例に示したように、光学パターンは回転ディスクに取り付けられた分離構成に提供できる。
【0053】
V字形状の逆反射体を有する光ディスクの実施例は、回転ディスクの更なる処理を求めないために便利であり、従って、生産コストも低いことは理解されよう。
【0054】
光ディスクの更に別の実施例によると、パターンは、交互となるV字及び平面形状を有する部分でV字形状逆反射体を分割することにより更に提供できる。
【0055】
本発明の光学式エンコーダアセンブリにおいて、測定の精度に影響を与える因子のうちの1つが、光学パターンからセンサに戻る光の量である。分散を最小化し、光学領域に取り付けられたセンサに到達する光の量を最大化するために、様々な光集束手段が図11、12及び13に示されるように、光センサの方に戻る光を誘導するために設計された。
【0056】
図11によると、下方の光導波路Aの実施例の断面図が示されている。光導波路Aは光センサ(116,116a)に光線を誘導する2の隆起(1111,1112)を除き、軸(1110)周りで放射対称性を有している。光源(115)は入射面(1116)を通って光導波路に入射する光線(光線1115のような)を射出し、円錐形の光集束手段(112)は対称軸1110と直角の方向に光線を放射的に反射し、反射が全反射の法則と、光導波路Aの透明な材料の屈折率によって生じる。光線(1115)は第2の円錐面(119)によって対称軸とほぼ平行な方向に再度反射され、環状射出面(1113)で光導波路から射出する。回転ディスク(図示せず)から反射され戻ってくる117のような光線は、上述の環状射出面(1113)で光導波路Aに入射され、連続的に円錐面(119)及び(112)によって反射され、それぞれ射出面118,118aを通って光センサ116,116aの方向に伝播される。光の分散がない場合、総ての光線は射出光の経路に従って戻り、どの光線も光センサに到達しないであろう。しかしながら、分散が生じ、戻る光線のわずかな部分が円錐面(112)及び(119)によって光センサの方に反射される。
【0057】
図12によると、同様の実施例が、下向きに面する入射面を有する上方の光導波路Bのために示されている。
【0058】
図11及び12の実施例においては、総てのパターン部分の対称的な寄与を得るために、光源の周りに比較的多数のセンサを提供することが必要となる。更に、光源の分散が小さい場合、センサに到達する光の量も小さく、比較的小さなSN比を生じる。
【0059】
図11及び12のの実施例に対する改善が図13に示されている。本実施例においては、2の光センサが各々の光導波路で用いられる。図10の円錐形の光集束手段(102)は、3つの表面領域(131,132,133)に分割される反射面を有する光集束手段によって置き換えられ、各領域は光源(1312)あるいは光センサ(136a,136b)の1のデバイスからの、及び1のデバイスへの光を集束するために設計されている。表面領域(131)は光源手段(1312)から射出された光線を前記正面領域周り全体に、及び、光線135で示されるように対称軸(1310)と垂直な方向に放射状に反射する。表面領域(135)は分散を最小化するために既知の光学原理によって設計できる。このようにして例えば、表面領域(135)断面は放物線形状を有することができる。光源手段(1312)から射出された他の光線は表面領域(132)及び(133)に到達し、比較的大きな分散で反射され、これらの光線は喪失される、すなわちどのセンサにも戻らない高い可能性を有している。静的及び静止パターン(図示せず)での相互作用後に、環状通過面を通って光導波路に戻る光線(137や138のような)は、3つの領域(131,132,133)のうちの1つに到達する。上方の表面領域(131)に到達する戻ってきた光線は、光源まで反射し、光線136に示されるように喪失する。表面領域(132)あるいは(133)に戻ってきた光線(137のような)は、光センサ手段(136a,136b)まで反射する。複数の表面部分(121,122,123)への光集束手段の反射面のこの分割は、より精度の高い設計を可能にし、このようにして光センサに戻る光の量が算出され最大化され、より大きな光センサの電気信号強度を提供し、SN比が改善される。反射面の設計は、分散を最小化でき、本発明の光学式エンコーダシステムの反射面の精度及び品質に対するエンコーダの感度は、低減される。
【0060】
本発明の光学式エンコーダシステムの精度を増加する場合の,図3の実施例の別の利点は、表面領域(132)及び(133)が光センサ方向に戻る最大の光線の量を反射する機械的に算出された形状を有するように設計できることであり、結果として、センサまで反射する光線の量は、パターン化された環状表面の総ての部分とほぼ同一である。
【0061】
本発明の特定の実施例が示され述べられたが、変形及び変更はその広範な態様において本発明から離れることなくなされることは、当該技術分野の当業者にとって明らかである。従って、添付の請求項は本発明の真の精神及び範囲内にあるように、範囲内に総てのこのような変形及び変更を包含するべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータあるいは他の回転デバイス用の光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
光学式エンコーダは様々な種類の回転デバイスで回転シャフトの位置を制御するためのシステムにおいて、位置フィードバックデバイスとして広く用いられてきた。このような例として、光学式エンコーダはロボット、自動機械及び同様のデバイスで広く用いられている。
【0003】
このような光学式エンコーダの例は、Becchiらによる米国特許第4,268,747号(1981年)、及びBreslowによる米国特許第4,410,798号(1983年)に見ることができる。
【0004】
光学式エンコーダシステムは一般的には、モータシャフト上に固定された、交互の光学特性部分(例えば、透明部分と不透明部分)のパターンを有する回転光学ディスクを含んでいる。ディスクは発光体と光センサとの間の光ビームの経路に置かれる。光センサはシャフト位置に伴い周期的に変化する振幅を有する電気信号を生成する。電子回路を用いて、その電気信号の周波数を数え、ひいては、初期位置と比較したシャフト位置での情報を提供する。
【0005】
回転方向を感知するためには、従来技術の光学式エンコーダのほとんどにおいては、2つの光ビームが用いられて、第2のビームの経路が第1の信号と似た第2の電気信号を生成するように配置されるが、第1の信号の周期の4分の1だけシフトされる。このような2つの信号は更に直角位相になっている。
【0006】
この方法の改善は、回転ディスク上に設けられ、回転光ディスクパターンに似たパターンを伴う固定マスクを付加した交互になる光学特性で円形パターン部分のいくつかのセグメントを覆った光ビームを用いることと、交互となる光学特性を有するいくつかの連続したセグメントを含むことと、回転光ディスクと光センサとの間にある光センサの表面を少なくとも覆うこととからなる。この配置においては、マスク及びディスクパターンが一致した場合、光の最大値が伝送され、一方、マスク及びディスクパターンが逆位相である場合、光伝送は最小値となる。このように、センサに伝送される光は、角度位置の関数になる。この方法はパターンセグメントの正確な形状の許容度が、多数のセグメントにわたり平均化されるという事実により、改良された信号形状を提供する。
【0007】
直角位相において信号のアナログ振幅を処理ユニットに供給することにより、エンコーダ解像度が増加することが知られている。処理ユニットは、単一のパターンのセグメント内のシャフトの角度を計算するようにプログラムでき、このようにして更に高い解像度を提供できる。例えば、512スロットを有するディスクは1周期の1/65536の角度解像度を提供する。
【0008】
位置フィードバックデバイスの精度及び解像度を改良するが、コストを低減する継続的な流れがある。
【0009】
精度を制限する1の要因は、回転光ディスクのわずかな偏心性動作であり、いくつかの機械的許容度による。2つのビームの各々がディスク上の規定位置で光ディスクを交差するため、シャフトの片側でシャフトの側方移動が光検出器に到達する光の量に影響を与え、このようにして位置情報における誤差を生成する。このような側方移動はシャフトを把持する回転軸受の許容度により、あるいは、光ディスクアセンブリにおける許容度により生じうる。この種の誤差を避けるためには、多くのエンコーダが一体型シャフト及び高精度軸受を具え、連結器によってモータシャフトに連結することであるが、これによってコストはかなり上昇する。
【0010】
別の要因は回転ディスク上のパターンの精度である。パターンの不規則性は、シャフトの回転位置に対し不等な周期を生成する。2つのビームがシャフトの片側にあるディスク上の各々の規定された位置で光ディスクと交差する場合は、上述のように、ディスクパターンの不規則性が光検出器に到達する光の量に影響を与え、更に位置情報へ誤差を更に導入する。
【0011】
PCT/IL2004/000042の光学エンコーダにおいて、改善された精度が、回転対称中心と一致する幾何学的中心を有する光の同心円状の環を生成する2の円錐形ビームの形態で、回転ディスク上の光を投射する2又はそれ以上の光導波路を用いることにより得られている。光ディスク上では、各々が交互になる光学特性を伴う大多数のセグメントを有する、1対の同心円状の環状パターン部分が提供され、環状パターンの幾何学的中心は回転対称中心と一致し、前記同心円状の光の環の直径は、同心円状の光の環の各々が、同心円状の環状パターンのうちの1つに入射し、前記環状パターンを覆っている。この発明の光学式エンコーダの放射対称性は、シャフトの小さな側方移動の補償を提供し、光信号が対称中心周りに等しく分布する大多数のセグメントから収集されているため、セグメントの形状における不規則性の効果は平均化され、ひいては低減する。PCT/IL 2004/000042の光学エンコーダにおいて、光源から光ディスクの方に射出される光と、光ディスクからセンサに戻ってくる光の双方が、入射面で光導波路に入る光ファイバを通じて伝導する。光学式エンコーダはセンサを担持する電子基板から、かつ、光源から離れているため、1又はそれ以上の光ケーブルが標準的な電気ケーブルに加えてこのシステム用に要求された。
【0012】
従来技術の光ディスク、光源、及び電子基板の間の分離及び距離のために、設計及び配線の問題が回転デバイスの構成間のこれらの分離部分の取り付けと関連して生じるが、同時に製品及び取り付けのコストが増加する。
【0013】
光学式エンコーダアセンブリ内に配置され、光源とセンサの双方が回転デバイスの対称軸の近くになるように、PCB上に直接的に光源、光センサ及び信号処理手段を担持し、それによって更に精度を上げて製造及び取付コストを低減する一体型電子基板を従来技術の光学式エンコーダのどれも提唱していない。
【0014】
従って、光センサ及び光源手段が単一PCBの表面の各々に取り付けられ、PCBの逆側から射出される光を受ける1対の光導波路の間にPCBが配置され、回転角度を示すのに適した光学アセンブリに誘導し、最終的には返ってくる光をPCB上の光センサ手段の方へ誘導する、新しい対称型及び一体型設計によって精度を上げ、配線、製造及び取付のコストを減らす回転シャフトを光学式エンコーダに提供することが必要である。
【発明の概要】
【0015】
回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムが、1対の第光導波路(45;46)の間に配置され、前記光導波路の各々が、環状の光通過面領域(49a;49b)と少なくとも1の追加の光通過面領域とを有し、前記環状の光通過面(49a;49b)が、前記シャフトの回転軸と更に一致する共通の対称軸(411)を有するように、前記第1の光導波路(45)が前記第2の光導波路(46)の上に重なり、前記光導波路(45;46)の各々が更に、光エミッタ手段から光を受ける少なくとも1の光通過面領域と、光を光センサ手段に伝送する少なくとも1の光通過面領域とを有する電子基板(42)と、前記環状の光通過面を通じて前記光導波路から射出する光線を逆方向に反射するための反射面(401a)と、前記回転シャフト(3)に取り付けられている、回転ディスク(401)上に設けられた異なる光学特性の相互セグメントから成る2の同心円状の環状部分の第1の光学パターンと、静止デバイス上に設けられ、更に異なる光学特性の交互セグメントから成る2の同心円状の環状部分の第2の光学パターンと、前記電子基板から前記光導波路へ光を射出し、前記光学パターンで相互作用した後に、逆方向に前記光導波路を通じて戻ってきた光線からの前記電子基板上で受けた信号を処理することによって、前記回転シャフトの前記回転角度を測定するための方法と、を具えている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明を理解し、実際にどのように実装されうるかを示すために、複数の実施例は、限定されない例のみによって添付の図を参照してここに述べられている。
【0017】
【図1】図1は、従来のエンコーダの簡略図である。
【図2】図2は、エンコーダのパターン化した回転ディスクの一例を示している。
【図3】図3は、固定したパターン化マスクの一例を示している。
【図4】図4は、中央部分における本発明によるエンコーダの好ましい実施例を示している。
【図5】図5は、異なる幾何学的形状のセグメントを伴う環状表面を有する光導波路の一例を示している。
【図6】図6は、電子基板の「光学領域」上の光源手段と光センサ手段との配置の一例である。
【図7】図7は、位相差を有するパターンの例である。
【図8】図8は、位相差を有するパターンの例である。
【図9】図9は、回転ディスクが透明な材料で作られ、静的な反射面が回転ディスクの反射面に置き換わる場合の一実施例である。
【図10】図10は、逆反射V字形状隆起を有する回転ディスクの一実施例の断面図を示している。
【図11】図11は、下方の光導波路の実施例の断面図である。
【図12】図12は、上方の光導波路の実施例の断面図である。
【図13】図13は、3つの領域への反射面分割を伴う集束手段の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の記載は、本発明の総ての区切りと平行して、当該技術分野の当業者が利用できるようにするために提供され、本発明の実施する発明者により熟考された最良のモードを説明する。しかしながら、本発明の一般的原理が規定されて、特に新規の光学式エンコーダシステムと、光源及び/又は光センサからの距離による低い精度、光学パターンの不規則性の結果として導入される誤差、モータシャフト等の機械的振動から生じる誤差のような、従来技術のエンコーダの弱点を打ち破る、例えばモータシャフトのような回転シャフトの回転角度を計測するための方法とを提供しているため、あらゆる変形が当該技術分野の当業者にとって明らかになるであろう。
【0019】
本発明の光学式エンコーダシステムと方法は、標準的なモータ駆動部あるいはコントローラで用いられうるような一般に適用可能なのと同時に低コストになる利点を有している。
【0020】
本発明のシステムと方法の利点をよりよく示すために、従来のエンコーダシステムが図1を引用して以下に述べられている。
【0021】
図1に示すように、従来のエンコーダシステムは光源(1)、光検出器(2)、回転ディスク(4)が固定されたモータシャフト(3)、及び固定マスク(5)を具えている。当該技術分野で既知のように、回転ディスク(4)は交互になる透明及び不透明なセグメントの環状パターンを有し、固定マスク(5)は交互になる透明及び不透明なセグメントのわずかな合致パターンを有し、光源から射出された光は、光が光源から射出された場合は光検出器(2)で検出された光の量は回転ディスクとマスクとの相対位置の関数となるように、前記回転ディスク(4)及び前記固定マスク(5)を通過する。光検出器(2)の出力は次いで光強度を処理して、回転ディスクの回転角度を算出する電子インタフェース(図示せず)へ入力される。従来のエンコーダにおいては、光源(1)
から発する光ビームの大きさに合致する限定されたスロット数で覆っている。このような光学式エンコーダは限られた性能を有し、産業用エンコーダにおいては、回転方向を検出し、シャフト振動あるいは偏心による誤差を補償するために多数のマスクと光センサとを用いることが知られている。
【0022】
回転ディスク用に用いられたパターンの例は図2に示され、マスク用に用いられる合致パターンの例は図3に示されている。このパターンは異なる透明度のような異なる光学特性を有する交互セグメントからなる。図2及び3で示された特定例においては、セグメントは全く透明(21)か全く不透明(22)かのいずれかである。しかしながら、パターンは多くの異なる種類となることは理解されるであろう。例えば、各部分が異なる表面形状を有することができて、光線が様々な方向に屈折されるようになる、スロットは多様な設計により生成できる等々。本特許では、パターンのセグメントはスロットと見なす場合に、異なる光学特性のセグメントを有する他のパターン型は本発明の発明内にあると理解されるであろう。
【0023】
これらのエンコーダにおいては、パターンを通過するビーム幅は限られたスロット数を覆うために、スロットの形状の小さな不規則性は位置情報の不明確さを生じる。
【0024】
従来技術のエンコーダの性能に対する別の制限は、シャフト軸受のフレキシビリティによる、モータが動作する際のモータの機械的振動による。光源及びセンサがシャフトの片側に配置されるために、シャフトやディスクの側方移動は、パターンを通過する光の量の変化を生じ、このようにして位置情報を変える。不正確さを低減するために、多くのエンコーダ製造業者は、更なる高品質のボール軸受及び連結要素と有する、エンコーダ内の別個のシャフトを用いて、エンコーダシャフトをモータシャフトに連結し、このようにしてエンコーダのコストを増加する。
【0025】
制限の更なる原因は、射出した光のわずかな部分だけがパターン化されたディスクに到達し、射出した光の更にわずかな部分が光センサに返されて、回転位置あるいは回転角度の指標を供給するような、光線の自然分散による。
【0026】
PCT/IL2004/000042において、1対の同心円状の環状光ビームを射出し、光ディスクの総ての円周から返ってきたきた光を収集する1対の光導波管を有するエンコーダは、受けた位置情報の精度を改善するように提案される。位置情報は更に光ファイバを用いることにより改善されて、遠隔の光射出手段から光導波路の光入射面を通じて光導波路へ光線を誘導し、光導波路から遠隔のセンサ手段まで返る光線を誘導する。
【0027】
本発明は、1対の光導波路の間に配置された電子基板を提供することによって、位置情報の精度を改善する光学式エンコーダシステムと方法を提案している。光射出手段と光センサ手段は電子基板の両側の光学領域上に設けられ、光射出手段からの光線の比較的大部分が光導波路に入射するように、光導波路の各々が、電子基板の各側面に面した少なくとも1の光入射領域を有している。本発明の光学式エンコーダは、光導波路の各々の環状の光通過面から光を射出し、回転シャフト上に固定された回転デバイスに設けられた環状の光学パターンを用い、及び、返ってくる光の量が静止デバイス及び回転ディスクの相対位置ひいては回転シャフトの回転角度を示すように静止デバイス上に設けられた環状の光学パターンを用いた、前記返ってくる光の相互作用後に、光導波路後方の反射面によって反射される光を収集することによって、精度を上げている。精度は比較的大部分の返ってきた光が光センサ手段に到達するのを可能にする光導波路内部の1又はそれ以上の反射面によって更に向上され、これによって情報の精度は更に向上する。
【0028】
光センサの未処理信号を処理する電子基板が光導波路の間に配置され、このように、対称性のエンコーダ構成を可能にすること、すなわち、光源及び/又は光センサの双方がモータシャフトの対称軸上あるいは近傍に配置されうることは本発明のエンコーダシステムの更なる利点である。
【0029】
光源と光センサがPCB上に直接的に取り付けられることは本発明のエンコーダシステムの更なる利点であり、減少した振動コストを生ずる。
【0030】
このように、本発明の一態様によると、回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムが提案され、第1の面と第2の面とを有し、前記第1及び第2の面の各々に取り付けられた、少なくとも1の光射出手段と少なくとも1の光センサとを有し、1対の第1及び第2の光導波路の間に配置され、前記光導波路の各々が、環状の光通過面領域と少なくとも1の追加の光通過面領域とを有し、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の前記環状の光通過面が、前記シャフトの回転軸と更に一致する共通の対称軸を有するように、前記第1の光導波路が前記第2の光導波路の上に重なる電子基板と、当該電子基板の前記第1の面上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第1の面上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第1の光導波路の前記追加の光通過面領域のうちの少なくとも1つと、前記電子基板の前記第2の面上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第2の面上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第2の光導波路の前記追加の光通過面領域のうちの少なくとも1つと、回転デバイス上に設けられた異なる光学特性のセグメントを具え、前記回転デバイスが前記回転シャフトに取り付けられている、2の同心円状の環状部分の第1の光学パターンと、静止デバイス(403)上に設けられ、対称軸が前記シャフト回転軸と一致するように、異なる光学特性のセグメントを更に具える、2の同心円状の環状部分の第2の光学パターンと、前記環状の光通過面を通じて前記光導波路から射出する光線を逆方向に戻すための反射面とを具えている。
【0031】
本発明の別の態様によると、回転シャフトの回転角度を測定するための方法が提案され、
a.1対の重なった光導波路の間にある第1の側面及び第2の側面に取り付けられた光射出手段及び光センサ手段を電子基板に設けるステップと;
b.前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の前記光射出手段から、前記光導波路の光通過面を通じて、それぞれ前記1対の光導波路の各々に光を射出するステップと;
c.それぞれ前記光導波路の各々の環状の光通過面を通じて外側に前記光を伝播するステップであって、対称軸が一致するように前記環状の光通過面が配置されるステップと;
d.主要な回転軸を有する回転シャフトに取り付けられた2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の回転光ディスクに設けるステップと;
e.光学パターンを少なくとも1の静止デバイスに設けるステップと;
f.前記光が、前記光導波路に再入射する前に、前記静止デバイス及び前記回転デバイスに設けられたパターンとの相互作用によって影響を受けるように、前記環状の通過面を通じて前記光を元の前記光導波路に反射するための反射面を設けるステップと;
g.光ビームの一部分を前記光導波路入射面を通じて光通過面の近傍に配置された少なくとも1の光センサ手段へ誘導して戻すステップと;
h.前記光センサに到達する光強度を測定するステップであって、前記光強度が前記静止デバイスと前記回転光ディスクとの相対角度位置の関数となるステップと;
i.前記光センサで測定された前記光強度の関数として前記シャフトの回転角度を算出するステップと;
を具えている。
【0032】
好ましい実施例によると、1又はそれ以上の反射要素は、光通過面を通じて、その近傍の少なくとも1の光センサ手段へ光ビームの一部を誘導して戻すために、光導波路の各々の中に設けられている。
【0033】
本発明の更に別の態様によると、本発明のエンコーダは標準的なインタフェースを有し、それによって、多数の従来の駆動装置で用いられうる。
【0034】
図4は、モータシャフト(3)の回転移動を検出、測定するための本発明による光学式エンコーダのアセンブリの好ましい実施例を示した。図4のアセンブリは例として示されたものであり、多くのその他の設計が本発明のシステム及び方法の範囲内で実装されうることは理解されるであろう。
【0035】
記載の明瞭化のために、エンコーダ構成の相対位置は、モータシャフト回転軸の方向に記載され、モータシャフトはその方向の下方構成となるように規定されている。しかしながら、モータシャフト軸に整列する限りは、その構成は水平軸に沿ってあるいはその他の定位で配置されうることは理解されるであろう。
【0036】
図4によると、回転シャフト(3)の回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムは、縦方向、中央部分で示され、それぞれ第1の側面(42a)上及び第2の側面(42b)上に光学領域(43,44)を有する電子基板(42)を具え、光学領域(43,44)の各々の上に、光射出手段(404)と多数の光センサ手段(405)とが取り付けられている。電子基板は1対の光導波路(OG)(45,46)間に配置される。当該技術分野に精通した当業者によって、光導波路(45,46)が透明な材料から作られ、光導波路及び/又は光ファイバの公知技術において適用されるような、全反射の法則によって光線を誘導するように設計されることは理解されるであろう。前記光学領域(43,44)の各々の上にある光射出手段は1以上となりうることは更に理解されるであろう。
【0037】
図4の図において、光導波路(45,46)と前記電子基板(42)は、回転シャフト(3)上に固定される。しかしながら、光導波路及び電子基板は回転シャフトの正面に固定でき、回転シャフト軸は水平方向に、あるいは、特定の実施例に適するようにその他の方向に配向できることは理解されるであろう。更に図4によると、光導波路(45,46)と前記光学領域(43,44)は、回転シャフト(3)の軸と一致する対称軸(411)を有している。光導波路(45,46)は透明かつ釣鐘形状であり、光導波路45より大きな直径を有する光導波路46が光導波路45に重なるように配置されている。光導波路の各々が、光通過面(47)と(48)をそれぞれ有し、光導波路45の光通過面47が光導波路46の光通過面48と対面するように配置され、前記光通過面の各々が、前記光射出手段(404)の近傍及び前記光センサ手段(405)のうちの少なくとも1つの近傍に配置されるように、光通過面(47,48)はそれぞれ電子基板の前記第1の側面(42a)上及び前記第2の側面(42b)上の光学領域(43,44)へ並べられる。光導波路(45,46)の各々は更に、環状の光射出面(49a,49b)を有し、2の環状の光射出面(49a)と(49b)は互いに同心円状である。静止デバイス(403)は前記光導波路(45,46)の下方に配置され、前記静止デバイス(403)上には、1対の同心円状の環状パターン部分(403a,403b)(以降、静止パターン)が環状の光射出面(49a,49b)の反対側に設けられる。前記静止デバイスの下方に、回転光ディスクのような第1の回転デバイス(402)は回転シャフト(3)へ取り付けられ、前記回転デバイス上に、1対の同心円状の環状パターン部分(402a,402b)(以降、回転パターン)が設けられ、前記静止パターンと並置される。第2の回転デバイス(401)は回転パターン部分(402a,402b)に面している反射領域(401a)を伴う上方の面を有している。
【0038】
更に図4の光学式エンコーダアセンブリによると、電子基板42の光学領域44に取り付けられた光源から射出された光は、入射面47を通って光導波路45に入り、光導波路45の環状通過面49aに到達するまで光導波路45を通じて誘導され、環状ビームの形状で光導波路45の環状射出面49aを通って射出される。静止デバイス403と回転デバイス402の相対角度位置に依存して、可変量の光線が反射面401aに到達し、当該反射面401aにより逆方に反射される。反射光は更に回転パターン402aと静止パターン403aを逆方向に通過する。光は次いで光導波路の方に伝播され、環状通過面49aを通って光導波路45に再入射され、再入射光の量は回転パターン402aと静止パターン403aの相対角度位置に依存している。光線の一部が電子基板42の光学領域43上の光センサに到達するように通過面47まで誘導される。
【0039】
本発明の好ましい実施例によると、2つの電気信号が同時に得られるように、光は光導波路45と46の両方に伝播される。光センサは次いで、シャフト3の回転角度の関数として変化する電気信号を出力する。エンコーダについて既知の従来の電子及びソフトウェア処理手段を用いて、回転移動を算出できる。
【0040】
多くのその他の解決は光を一方向に光学パターンを通過させ、逆方向に光学パターンを通るように光導波路の方向に反射させるように適用しうることは理解されよう。
【0041】
更に、電子基板は異なる設計により作られ、異なる方向に配置されうることと、更にフレキシブル基板として実装されうることも理解されよう。
【0042】
本発明のシステムによると、静止パターン(403a,403b)は、静止デバイス402が除去されうる場合に、環状の光通過面(49a,49b)上にある光学パターンを提供することによって、実装されうる。
【0043】
光導波路の環状の通過面49a、49bがパターン化された場合、前記パターンは交互になる不透明及び透明セグメントあるいは異なる幾何学的形状のセグメントにできる異なる光学特性のセグメントで作られ、光導波路に射出する光線は、射出される、あるいは、強度の異なるセグメントの光学特性に依存する異なる方向を有するようになり、更に環状射出面49、400に射出する環状ビームは環状にパターン化したビームとなるように射出されるセグメントの光学特性に依存している。
【0044】
図5は通過面51と、光学式エンコーダの静止パターンとして動作する環状通過面52とを有する光導波路50の実施例の一例を示し、前記環状通過面の上にある、歯状設計が提供されて、光学パターンを生成する。図5に示されたように、光導波路(50)の環状射出面52は2つの交互セグメント型に分割される。第1の型のセグメント(52a)はシャフト軸(511)に垂直な射出面を有し、一方、第2の型のセグメント(52b)はシャフト軸511に対し45度の角度を形成する射出面を有する。当該技術分野に精通した当業者によって、セグメント52aを通じて射出する光線は対称軸511にほぼ平行であるが、セグメント52bを通じて射出する光線は対称軸511に対して垂直に屈折される。
【0045】
図6は電子基板64の光学領域63に取り付けられる光源(65)及び光センサ(66a,66b,66c,66d)の例を示す。光学領域63の多くの他のモード及び設計は、本発明の範囲内にあるようにできることは理解されよう。
【0046】
図6の実施例においては、光源(65)はシャフト回転軸でもある、光学領域63及び電子基板64の中心に配置され、光センサ手段66a、66b、66c、66dは光源65の周りに配置される。光ディスク上及び環状射出面上にある環状の光学パターンの総ての部分が、総ての電気信号に対する同一の理論上の寄与を伴うように、この配置は放射対称性となることの利点を有し、これによって、総ての光センサ手段(66a、66b、66c、66d)からの信号の総和となる信号出力は、光センサ手段の方のに光の通過を可能にする環状射出面及び環状回転ディスクパターンの双方の総ての部分を通過する光の量の正確な平均数に比例している。上述したように、この平均はパターン部分の幾何学的な精度に対する位置情報の感度を強く低減する。
【0047】
光センサ手段が光学領域の中心に配置され、多数の光源手段が光源の周りに対称的に配置された配置によって同一の結果を得ることができることは理解されよう。
【0048】
既知のエンコーダに関しては、様々なパターンが、2つの電気信号間の位相差を提供するように設計され、これによって、回転方向についての情報が提供される。このようなパターンの例は図7及び図8に示されている。これらの図においては、黒い領域は第1の光学特性(例えば不透明)を有する環状パターンのセグメントを表し、白い領域は第2の光学特性(例えば透明)を有するセグメントを表している。前述したように、これらの異なる光学特性は、異なる幾何学的形状、コーティングあるいは透明度又は光線屈折方向を変えるその他の技術を用いた、様々な方法で実装される。図7においては、1対の同心円状の環状部分を有するパターンが示され、ここでは同心円状の環状部分は「同相」であり、すなわち、双方のパターンの黒いセグメントは、同一の角度位置で配置される。図8においては、1対の同心円状の環状部分を有するパターンが示され、ここでは同心円状の環状部分はパターン角度周期αの4分の1と等しい、δαでシフトした角度位置を有している。本発明の光学式エンコーダシステムにおいて、図7の「同相」となる2つのパターンは、2つの導波路の環状通過面に適用でき、4分の1周期の位相差を有する同心円状の環状部分は回転ディスクに適用できる。パターン「同相」が回転ディスクに適用され、角度周期の4分の1の位相差を有するパターンが2つの導波路の環状通過面に適用される逆の解決は、更に光学式エンコーダシステムに実装できる。双方のケースにおいて、本発明の方法を操作する結果として受ける2つの電気信号は、4分の1周期の位相差(直角位相)を示している。
【0049】
当該技術分野に精通している当業者により、光導波路の同心円状パターンと、回転ディスク上の同心円状パターンとの間の位相差は、2つの電気信号間に位相差を生ずるように、任意の値にすることができ、信号処理手段をプログラムして、既知の位相差により位置計算を実行できることは理解されよう。
【0050】
更に光学特性がパターンの環状表面の上にある角度位置の関数として連続的な方法で変化するように実装できることは理解されよう。例えば、環状表面は、外周にわたって周期的な正弦の透明度を有することができ、あるいは、シャフト方向の環状表面の表面高度は正弦関数にすることができる、等。
【0051】
図9によると、エンコーダの実施例が示され、静止パターン(403a,403b)と回転パターン(402a,402b)が光導波路と回転ディスクから分離して配置される構成(96及び98)に実装されるのと同様に反射面(90)が実装されている。図9の実施例は、回転デバイス401が透明な材料で作られ、反射面91を有する分離した静的デバイス(90)が提供されている点で、図4の実施例と異なっている。本実施例においては、環状通過面(49a,49b)を通って射出する光が、透明な光ディスクにできる静止パターン(403a,403b)、回転パターン(402a,402b)及び透明なデバイス401を通じて、反射面91へ伝播されることは理解されよう。前記回転及び静止パターンと2回相互作用して、光導波路(45,46)に戻る光の量が前記静止パターンと前記回転パターンとの相対角度位置の関数となるように、前記回転パターン(402a,402b)と前記静止パターン(403a,403b)とを通じて反射面91によって反射された光が再度伝播されることは理解されよう。本発明のシステムの更なる実施例をすることができ、回転デバイス(402)は透明な回転デバイス401の下方に配置されることが理解されよう。
【0052】
図10は回転シャフト3上に固定され、回転ディスク3の回転軸100を放射対称性の中心として有する回転ディスク(101)の実施例を示し、回転ディスクの反射面は回転ディスクの下側面の2の環状V字形状隆起(102,103)の形態で実装され、V字形状隆起の双方の面がシャフト軸に対し45度の角度を有している。上方及び下方の光導波路から射出した光線(104,105)が、V字形状隆起の傾斜面によって二度反射されるように選択される反射率を有する透明な材料から作られ、これにより、光線(104,105)は射出した光導波路の方向に戻される。反射される光線(104,105)が前記環状射出面を通って光導波路に再入射するように、V字形状隆起は、1対の重なる光導波路(図示せず)の環状射出面の下方に配置される。光ディスク(101)の上面では、光学パターンが提供でき、あるいは、図9の実施例に示したように、光学パターンは回転ディスクに取り付けられた分離構成に提供できる。
【0053】
V字形状の逆反射体を有する光ディスクの実施例は、回転ディスクの更なる処理を求めないために便利であり、従って、生産コストも低いことは理解されよう。
【0054】
光ディスクの更に別の実施例によると、パターンは、交互となるV字及び平面形状を有する部分でV字形状逆反射体を分割することにより更に提供できる。
【0055】
本発明の光学式エンコーダアセンブリにおいて、測定の精度に影響を与える因子のうちの1つが、光学パターンからセンサに戻る光の量である。分散を最小化し、光学領域に取り付けられたセンサに到達する光の量を最大化するために、様々な光集束手段が図11、12及び13に示されるように、光センサの方に戻る光を誘導するために設計された。
【0056】
図11によると、下方の光導波路Aの実施例の断面図が示されている。光導波路Aは光センサ(116,116a)に光線を誘導する2の隆起(1111,1112)を除き、軸(1110)周りで放射対称性を有している。光源(115)は入射面(1116)を通って光導波路に入射する光線(光線1115のような)を射出し、円錐形の光集束手段(112)は対称軸1110と直角の方向に光線を放射的に反射し、反射が全反射の法則と、光導波路Aの透明な材料の屈折率によって生じる。光線(1115)は第2の円錐面(119)によって対称軸とほぼ平行な方向に再度反射され、環状射出面(1113)で光導波路から射出する。回転ディスク(図示せず)から反射され戻ってくる117のような光線は、上述の環状射出面(1113)で光導波路Aに入射され、連続的に円錐面(119)及び(112)によって反射され、それぞれ射出面118,118aを通って光センサ116,116aの方向に伝播される。光の分散がない場合、総ての光線は射出光の経路に従って戻り、どの光線も光センサに到達しないであろう。しかしながら、分散が生じ、戻る光線のわずかな部分が円錐面(112)及び(119)によって光センサの方に反射される。
【0057】
図12によると、同様の実施例が、下向きに面する入射面を有する上方の光導波路Bのために示されている。
【0058】
図11及び12の実施例においては、総てのパターン部分の対称的な寄与を得るために、光源の周りに比較的多数のセンサを提供することが必要となる。更に、光源の分散が小さい場合、センサに到達する光の量も小さく、比較的小さなSN比を生じる。
【0059】
図11及び12のの実施例に対する改善が図13に示されている。本実施例においては、2の光センサが各々の光導波路で用いられる。図10の円錐形の光集束手段(102)は、3つの表面領域(131,132,133)に分割される反射面を有する光集束手段によって置き換えられ、各領域は光源(1312)あるいは光センサ(136a,136b)の1のデバイスからの、及び1のデバイスへの光を集束するために設計されている。表面領域(131)は光源手段(1312)から射出された光線を前記正面領域周り全体に、及び、光線135で示されるように対称軸(1310)と垂直な方向に放射状に反射する。表面領域(135)は分散を最小化するために既知の光学原理によって設計できる。このようにして例えば、表面領域(135)断面は放物線形状を有することができる。光源手段(1312)から射出された他の光線は表面領域(132)及び(133)に到達し、比較的大きな分散で反射され、これらの光線は喪失される、すなわちどのセンサにも戻らない高い可能性を有している。静的及び静止パターン(図示せず)での相互作用後に、環状通過面を通って光導波路に戻る光線(137や138のような)は、3つの領域(131,132,133)のうちの1つに到達する。上方の表面領域(131)に到達する戻ってきた光線は、光源まで反射し、光線136に示されるように喪失する。表面領域(132)あるいは(133)に戻ってきた光線(137のような)は、光センサ手段(136a,136b)まで反射する。複数の表面部分(121,122,123)への光集束手段の反射面のこの分割は、より精度の高い設計を可能にし、このようにして光センサに戻る光の量が算出され最大化され、より大きな光センサの電気信号強度を提供し、SN比が改善される。反射面の設計は、分散を最小化でき、本発明の光学式エンコーダシステムの反射面の精度及び品質に対するエンコーダの感度は、低減される。
【0060】
本発明の光学式エンコーダシステムの精度を増加する場合の,図3の実施例の別の利点は、表面領域(132)及び(133)が光センサ方向に戻る最大の光線の量を反射する機械的に算出された形状を有するように設計できることであり、結果として、センサまで反射する光線の量は、パターン化された環状表面の総ての部分とほぼ同一である。
【0061】
本発明の特定の実施例が示され述べられたが、変形及び変更はその広範な態様において本発明から離れることなくなされることは、当該技術分野の当業者にとって明らかである。従って、添付の請求項は本発明の真の精神及び範囲内にあるように、範囲内に総てのこのような変形及び変更を包含するべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムであって、
第1の面(42a)と第2の面(42b)とを有し、1対の第1及び第2の光導波路(45;46)の間に配置され、前記第1及び第2の面の各々に取り付けられた、少なくとも1の光射出手段と少なくとも1の光センサとを有し、前記光導波路(45;46)の各々が、環状の光通過面領域(49a;49b)と少なくとも1の追加の光通過面領域(47;48)とを有し、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の前記環状の光通過面が、前記シャフト(3)の回転軸と更に一致する共通の対称軸(411)を有するように、前記第1の光導波路(45)が前記第2の光導波路(46)の上に重なる電子基板(42)と;
当該電子基板(42)の前記第1の面(43)上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第1の面(42a)上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第1の光導波路(45)の前記追加の光通過面領域(47)のうちの少なくとも1つと;
前記電子基板の前記第2の面(42b)上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第2の面(44)上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第2の光導波路(46)の前記追加の光通過面領域(48)のうちの少なくとも1つと;
回転デバイス(402)上に設けられた異なる光学特性のセグメントを具え、前記回転デバイスが前記回転シャフト(3)に取り付けられている、2の同心円状の環状部分(402a;402b)の第1の光学パターンと;
静止デバイス(403)上に設けられ、対称軸が前記シャフト回転軸と一致するように、異なる光学特性のセグメントを具える、2の同心円状の環状部分(403a;403b)の第2の光学パターンと;
前記環状の光通過面(49a;49b)を通じて前記光導波路(45;46)から射出する光線を逆方向に戻すための反射面(401a)と;
を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが前記環状の光射出面と対面している反射面を有する光ディスクであり、異なる光学特性のセグメントを有する2の同心円状の環状部分の形状の前記光学パターンは、前記反射面の上に設けられていることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記異なる光学特性のセグメントが異なる幾何学的設計の交互セグメントであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記異なる光学特性のセグメントが交互になる透明及び不透明のセグメントであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターン部分の光学特性が、前記環状パターン部分に沿って連続的な方法で変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターンの表面高度が周期的な関数によって変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターンの透明度が正弦関数によって変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスの第1の面が反射性でなく、反射面を有する静止デバイスが設けられることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項9】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が異なる光学特性の交互セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が交互になる透明及び不透明セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が異なる幾何学的設計の交互セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が前記シャフト軸に垂直な射出面を有する第1の型のセグメントが、前記シャフト軸と45度の角度を形成する射出面を有する第2の型のセグメントと交互になるように、歯状設計を有することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記電子基板の前記第1及び第2の面の各々の上に、光学領域が設けられ、光源手段が、更には前記電子基板の幾何学的中心となる前記光学領域の幾何学的中心に配置され、当該幾何学的中心が前記シャフト回転軸と一致し、複数の光センサが前記光源手段の周りに配置されることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項14】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項15】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記静止デバイス上にある前記同心円状の環状パターン部分が同相である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項16】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記静止デバイス上にある前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαである一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が同相であることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項17】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面の各々が異なる光学特性の交互セグメントパターンを具え、当該パターンが同相である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分がパターン角度周期の4分の1に等しい位相差であるようにすることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項18】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面の各々が異なる光学特性の交互セグメントパターンを具え、当該パターンがパターン角度周期の4分の1に等しい位相差である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が同相であるようにすることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、当該システムが前記静的パターンを担持するための別の構成と、回転パターンを担持するための更なる構成とを具え、前記静的パターンを担持するための前記構成が、前記静的パターンの環状パターン部分が前記導波路の前記光通過面に隣接するように固定位置に配置され、前記回転パターンを担持するための前記構成が、透明な回転ディスクに固定されることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項20】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが回転ディスクであり、当該回転ディスク上で1対の環状のV字形状隆起が前記回転ディスクの下側に設けられ、前記V字形状隆起の両面が前記シャフト軸に対し45度の角度で延在することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項21】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが透明な材料で作られる回転ディスクであり、当該回転ディスク上で1対の環状のV字形状隆起が前記回転ディスクの下側に設けられ、前記環状隆起が、交互になるV字形状と平面形状とを有するセグメントに分割され、前記V字形状セグメントの両面が前記シャフト軸に対し45度の角度で延在することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項22】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の各々から、1又はそれ以上の隆起が前記電子基板の第1及び第2の側面の方向に延在し、光射出面は、それぞれ前記第1及び第2の側面上の少なくとも1の光源手段あるいは少なくとも1の光センサ手段近傍の前記電子基板の第1及び第2の面に隣接するように前記隆起の末端に設けられることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項23】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が所望の方向の前記光導波路に入射する前記光線を反射し配向するための反射面を有する、光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項24】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が反射出力面を有する1又はそれ以上の円錐形の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項25】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が異なる角度で傾斜する複数の反射領域を有する1又はそれ以上の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項26】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が異なる幾何学的形状の複数の反射領域を有する1又はそれ以上の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項27】
回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、
a.1対の重なった光導波路の間にある第1の側面及び第2の側面に取り付けられた光射出手段及び光センサ手段を電子基板に設けるステップと;
b.前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の前記光射出手段から、前記光導波路の光通過面を通じて、それぞれ前記1対の光導波路の各々に光を射出するステップと;
c.それぞれ前記光導波路の各々の環状の光通過面を通じて外側に前記光を伝播するステップであって、対称軸が一致するように前記環状の光通過面が配置されるステップと;
d.主要な回転軸を有する回転シャフトに取り付けられた2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の回転デバイスに設けるステップと;
e.2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の静止デバイスに設けるステップであって、前記静止デバイスが前記軸と垂直であるステップと;
f.前記光が、前記光導波路に再入射する前に、前記静止デバイス及び前記回転デバイスに設けられたパターンとの相互作用によって影響を受けるように、前記環状の通過面を通じて前記光を元の前記光導波路に反射するための反射面を設けるステップと;
g.1又はそれ以上の反射面を伴う1又はそれ以上の光学的構成を設けるステップと;
h.前記光学的構成によって光ビームの一部分を前記光通過面を通じて光通過面の近傍に配置された少なくとも1の光センサ手段へ誘導して戻すステップと;
i.前記光センサに到達する光強度を測定するステップであって、前記光強度が前記静止デバイスと前記回転光ディスクとの相対角度位置の関数となるステップと;
j.前記光センサで測定された前記光強度の関数として前記シャフトの回転角度を算出するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面がパターン化された環状の光通過面であり、当該環状の光通過面を通じて射出された前記光ビームがパターン化された環状ビームであることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面を通じて射出された前記光ビームが、異なる幾何学的設計の交互セグメントを具える反射環状パターン部分を有する反射回転デバイスから逆方向に反射されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面を通じて射出される前記光ビームが、回転デバイス上に設けられ、前記不透明なセグメントを通過する光線が静止反射デバイスに到達するように、交互になる透明及び不透明のセグメントの環状パターン部分を通じて伝播され、前記ビームが前記回転パターンと前記静止パターンとの双方と相互作用するような前記回転デバイス上にある前記環状パターン部分を再度通過するように、逆方向に前記静止反射デバイスから前記光が反射されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイスが前記光導波路の環状射出面であり、前記回転デバイスは、交互になる光学特性のセグメントを有する環状パターン部分が設けられた光ディスクであり、前記光センサに到達した前記光強度は、前記光センサが前記回転シャフトの前記回転角度の関数として変化する信号を出力するような、前記光導波路の前記環状射出面上の前記パターンと、前記回転ディスク上にある環状パターン部分との相対角度位置の関数となることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメント、及び、前記回転デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメントが、前記信号出力が設計によって前記光学パターンから返ってきた光の正確な平均と比例するように、前記光学信号に対する同一の理論上の寄与を伴い、前記光センサ手段が前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の上に中央配置した光源手段の周りに対称的に配置されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメント、及び、前記回転デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメントが、前記信号出力が設計によって前記光学パターンから返ってきた光の正確な平均と比例するように、前記光学信号に対する同一の理論上の寄与を伴い、前記光源手段が前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の上に中央配置した光センサの周りに対称的に配置されることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、当該方法の動作の結果として、前記電子基板の前記第1の側面と前記第2の側面の上にある前記光センサ手段から受けた2の電気信号が4分の1の位相差で提供されるように、前記環状の同心円状パターンのうちの1つが同相であり、更なる環状の同心円状パターンが角度周期の4分の1の位相差であることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、位置計算が前記回転デバイス上の前記光学パターンのセグメントと、前記静止デバイス上の前記光学パターンのセグメントとの間の既知の位相差によって行われるような信号処理手段をプログラムするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、当該方法が、透明な材料の回転デバイスを設けるステップと、当該透明な材料の回転デバイスを通じて前記光を伝播するステップとを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記反射面が回転デバイスの下側にある、2の環状のV字形状の隆起として設けられ、当該V字形状の隆起の各々の両面は、前記シャフト軸と45度の角度になり、前記回転デバイスは透明な材料で生成され、前記光導波路から射出される前記光線が、前記光導波路の方向に戻されるような前記V字形状の隆起面によって2回反射されるように、前記透明な材料に対する屈折率が選択されることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームが対称軸に垂直な方向に前記光線を迅速に反射する第1の光集束手段によって、かつ、前記対称軸にほぼ平行な方向に前記光線を更に反射する第2の光集束手段によって、前記光センサ手段へ誘導されることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームを前記センサ手段に誘導するための前記光学的構成が、対称軸に垂直な方向に前記光線を迅速に反射する第1の円錐形の光集束手段と、前記対称軸にほぼ平行な方向に前記光線を更に反射する第2の円錐形の光集束手段とを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームを前記光センサ手段に誘導するための前記光学的構成が、多数の表面領域に分割される反射面を有する光集束手段を具え、各表面領域が前記電子基板の光学領域上にある1の光源からのあるいは1の光センサへの光を集束するために設計されることを特徴とする方法。
【請求項1】
回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムであって、
第1の面(42a)と第2の面(42b)とを有し、1対の第1及び第2の光導波路(45;46)の間に配置され、前記第1及び第2の面の各々に取り付けられた、少なくとも1の光射出手段と少なくとも1の光センサとを有し、前記光導波路(45;46)の各々が、環状の光通過面領域(49a;49b)と少なくとも1の追加の光通過面領域(47;48)とを有し、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路の前記環状の光通過面が、前記シャフト(3)の回転軸と更に一致する共通の対称軸(411)を有するように、前記第1の光導波路(45)が前記第2の光導波路(46)の上に重なる電子基板(42)と;
当該電子基板(42)の前記第1の面(43)上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第1の面(42a)上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第1の光導波路(45)の前記追加の光通過面領域(47)のうちの少なくとも1つと;
前記電子基板の前記第2の面(42b)上の1の光エミッタ手段の近傍に配置され、前記電子基板の前記第2の面(44)上の1の光センサ手段の近傍に配置された、前記記第2の光導波路(46)の前記追加の光通過面領域(48)のうちの少なくとも1つと;
回転デバイス(402)上に設けられた異なる光学特性のセグメントを具え、前記回転デバイスが前記回転シャフト(3)に取り付けられている、2の同心円状の環状部分(402a;402b)の第1の光学パターンと;
静止デバイス(403)上に設けられ、対称軸が前記シャフト回転軸と一致するように、異なる光学特性のセグメントを具える、2の同心円状の環状部分(403a;403b)の第2の光学パターンと;
前記環状の光通過面(49a;49b)を通じて前記光導波路(45;46)から射出する光線を逆方向に戻すための反射面(401a)と;
を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが前記環状の光射出面と対面している反射面を有する光ディスクであり、異なる光学特性のセグメントを有する2の同心円状の環状部分の形状の前記光学パターンは、前記反射面の上に設けられていることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記異なる光学特性のセグメントが異なる幾何学的設計の交互セグメントであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記異なる光学特性のセグメントが交互になる透明及び不透明のセグメントであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターン部分の光学特性が、前記環状パターン部分に沿って連続的な方法で変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項6】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターンの表面高度が周期的な関数によって変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記環状パターンの透明度が正弦関数によって変化することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスの第1の面が反射性でなく、反射面を有する静止デバイスが設けられることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項9】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が異なる光学特性の交互セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が交互になる透明及び不透明セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が異なる幾何学的設計の交互セグメントを具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面が前記シャフト軸に垂直な射出面を有する第1の型のセグメントが、前記シャフト軸と45度の角度を形成する射出面を有する第2の型のセグメントと交互になるように、歯状設計を有することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記電子基板の前記第1及び第2の面の各々の上に、光学領域が設けられ、光源手段が、更には前記電子基板の幾何学的中心となる前記光学領域の幾何学的中心に配置され、当該幾何学的中心が前記シャフト回転軸と一致し、複数の光センサが前記光源手段の周りに配置されることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項14】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項15】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記静止デバイス上にある前記同心円状の環状パターン部分が同相である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαであることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項16】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記静止デバイス上にある前記同心円状の環状パターン部分が位相差δαである一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が同相であることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項17】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面の各々が異なる光学特性の交互セグメントパターンを具え、当該パターンが同相である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分がパターン角度周期の4分の1に等しい位相差であるようにすることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項18】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の前記環状の通過面の各々が異なる光学特性の交互セグメントパターンを具え、当該パターンがパターン角度周期の4分の1に等しい位相差である一方、前記回転デバイス上に設けられた前記同心円状の環状パターン部分が同相であるようにすることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項19】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、当該システムが前記静的パターンを担持するための別の構成と、回転パターンを担持するための更なる構成とを具え、前記静的パターンを担持するための前記構成が、前記静的パターンの環状パターン部分が前記導波路の前記光通過面に隣接するように固定位置に配置され、前記回転パターンを担持するための前記構成が、透明な回転ディスクに固定されることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項20】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが回転ディスクであり、当該回転ディスク上で1対の環状のV字形状隆起が前記回転ディスクの下側に設けられ、前記V字形状隆起の両面が前記シャフト軸に対し45度の角度で延在することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項21】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記回転デバイスが透明な材料で作られる回転ディスクであり、当該回転ディスク上で1対の環状のV字形状隆起が前記回転ディスクの下側に設けられ、前記環状隆起が、交互になるV字形状と平面形状とを有するセグメントに分割され、前記V字形状セグメントの両面が前記シャフト軸に対し45度の角度で延在することを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項22】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路の各々から、1又はそれ以上の隆起が前記電子基板の第1及び第2の側面の方向に延在し、光射出面は、それぞれ前記第1及び第2の側面上の少なくとも1の光源手段あるいは少なくとも1の光センサ手段近傍の前記電子基板の第1及び第2の面に隣接するように前記隆起の末端に設けられることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項23】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が所望の方向の前記光導波路に入射する前記光線を反射し配向するための反射面を有する、光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項24】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が反射出力面を有する1又はそれ以上の円錐形の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項25】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が異なる角度で傾斜する複数の反射領域を有する1又はそれ以上の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項26】
請求項1に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための光学式エンコーダシステムにおいて、前記光導波路が異なる幾何学的形状の複数の反射領域を有する1又はそれ以上の光集束手段を具えることを特徴とする光学式エンコーダシステム。
【請求項27】
回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、
a.1対の重なった光導波路の間にある第1の側面及び第2の側面に取り付けられた光射出手段及び光センサ手段を電子基板に設けるステップと;
b.前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の前記光射出手段から、前記光導波路の光通過面を通じて、それぞれ前記1対の光導波路の各々に光を射出するステップと;
c.それぞれ前記光導波路の各々の環状の光通過面を通じて外側に前記光を伝播するステップであって、対称軸が一致するように前記環状の光通過面が配置されるステップと;
d.主要な回転軸を有する回転シャフトに取り付けられた2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の回転デバイスに設けるステップと;
e.2の同心円状の環状部分の光学パターンを少なくとも1の静止デバイスに設けるステップであって、前記静止デバイスが前記軸と垂直であるステップと;
f.前記光が、前記光導波路に再入射する前に、前記静止デバイス及び前記回転デバイスに設けられたパターンとの相互作用によって影響を受けるように、前記環状の通過面を通じて前記光を元の前記光導波路に反射するための反射面を設けるステップと;
g.1又はそれ以上の反射面を伴う1又はそれ以上の光学的構成を設けるステップと;
h.前記光学的構成によって光ビームの一部分を前記光通過面を通じて光通過面の近傍に配置された少なくとも1の光センサ手段へ誘導して戻すステップと;
i.前記光センサに到達する光強度を測定するステップであって、前記光強度が前記静止デバイスと前記回転光ディスクとの相対角度位置の関数となるステップと;
j.前記光センサで測定された前記光強度の関数として前記シャフトの回転角度を算出するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面がパターン化された環状の光通過面であり、当該環状の光通過面を通じて射出された前記光ビームがパターン化された環状ビームであることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面を通じて射出された前記光ビームが、異なる幾何学的設計の交互セグメントを具える反射環状パターン部分を有する反射回転デバイスから逆方向に反射されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記環状の光通過面を通じて射出される前記光ビームが、回転デバイス上に設けられ、前記不透明なセグメントを通過する光線が静止反射デバイスに到達するように、交互になる透明及び不透明のセグメントの環状パターン部分を通じて伝播され、前記ビームが前記回転パターンと前記静止パターンとの双方と相互作用するような前記回転デバイス上にある前記環状パターン部分を再度通過するように、逆方向に前記静止反射デバイスから前記光が反射されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイスが前記光導波路の環状射出面であり、前記回転デバイスは、交互になる光学特性のセグメントを有する環状パターン部分が設けられた光ディスクであり、前記光センサに到達した前記光強度は、前記光センサが前記回転シャフトの前記回転角度の関数として変化する信号を出力するような、前記光導波路の前記環状射出面上の前記パターンと、前記回転ディスク上にある環状パターン部分との相対角度位置の関数となることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメント、及び、前記回転デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメントが、前記信号出力が設計によって前記光学パターンから返ってきた光の正確な平均と比例するように、前記光学信号に対する同一の理論上の寄与を伴い、前記光センサ手段が前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の上に中央配置した光源手段の周りに対称的に配置されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記静止デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメント、及び、前記回転デバイス上の前記光学パターンの総てのセグメントが、前記信号出力が設計によって前記光学パターンから返ってきた光の正確な平均と比例するように、前記光学信号に対する同一の理論上の寄与を伴い、前記光源手段が前記電子基板の前記第1及び第2の側面の各々の上に中央配置した光センサの周りに対称的に配置されることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、当該方法の動作の結果として、前記電子基板の前記第1の側面と前記第2の側面の上にある前記光センサ手段から受けた2の電気信号が4分の1の位相差で提供されるように、前記環状の同心円状パターンのうちの1つが同相であり、更なる環状の同心円状パターンが角度周期の4分の1の位相差であることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、位置計算が前記回転デバイス上の前記光学パターンのセグメントと、前記静止デバイス上の前記光学パターンのセグメントとの間の既知の位相差によって行われるような信号処理手段をプログラムするステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、当該方法が、透明な材料の回転デバイスを設けるステップと、当該透明な材料の回転デバイスを通じて前記光を伝播するステップとを更に具えることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記反射面が回転デバイスの下側にある、2の環状のV字形状の隆起として設けられ、当該V字形状の隆起の各々の両面は、前記シャフト軸と45度の角度になり、前記回転デバイスは透明な材料で生成され、前記光導波路から射出される前記光線が、前記光導波路の方向に戻されるような前記V字形状の隆起面によって2回反射されるように、前記透明な材料に対する屈折率が選択されることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームが対称軸に垂直な方向に前記光線を迅速に反射する第1の光集束手段によって、かつ、前記対称軸にほぼ平行な方向に前記光線を更に反射する第2の光集束手段によって、前記光センサ手段へ誘導されることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームを前記センサ手段に誘導するための前記光学的構成が、対称軸に垂直な方向に前記光線を迅速に反射する第1の円錐形の光集束手段と、前記対称軸にほぼ平行な方向に前記光線を更に反射する第2の円錐形の光集束手段とを具えることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項28に記載の回転シャフトの回転角度を測定するための方法において、前記光ビームを前記光センサ手段に誘導するための前記光学的構成が、多数の表面領域に分割される反射面を有する光集束手段を具え、各表面領域が前記電子基板の光学領域上にある1の光源からのあるいは1の光センサへの光を集束するために設計されることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−500554(P2010−500554A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523442(P2009−523442)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000975
【国際公開番号】WO2008/018059
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509037721)ヤスカワ ヨーロッパ テクノロジー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000975
【国際公開番号】WO2008/018059
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509037721)ヤスカワ ヨーロッパ テクノロジー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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