説明

光学式タッチ入力装置及びその駆動方法

【課題】タッチ動作の前とタッチ動作時を区分して、発光部の出力を調節することによって、消費電力を節減する。
【解決手段】表示パネルと;前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された複数個の赤外線発光素子と;前記表示パネルの残りの2辺に対応して配置され、前記各赤外線発光素子から発散された光を反射させるレンズ部と;前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された受光部と;及び前記受光部から収集された受光情報によって、タッチ座標を演算するタッチ座標演算部と、前記各赤外線発光素子の光出力をタッチ時と非タッチ時に区分して、非タッチ時の光出力をタッチ時よりも低くする発光制御部とを含んだタッチ制御部と;を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式タッチ入力装置に係り、特に、タッチ動作の前とタッチ動作時を区分して、発光部の光出力を調節することによって、消費電力を節減した光学式タッチ入力装置及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、タッチスクリーン(Touch Screen)とは、各種ディスプレイを用いる情報通信機器と使用者間のインターフェースを構成する様々な方式のうち一つであって、使用者が手やペンで画面を直接触れることで、機器とインターフェースできる入力装置のことを言う。
【0003】
タッチスクリーンは、ディスプレイに表示されているボタンを指で触れるだけで、対話的、直感的に操作することによって、老若男女誰でも容易に使用することができる入力装置であるので、現在、銀行や官公署の発給装置、各種医療設備、観光及び主要機関の案内、交通案内など多くの分野において適用されている。
【0004】
このようなタッチスクリーンには、認識する方法によって、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、超音波方式(Ultrasonic Wave Type)、赤外線方式(Infrared Type)などがある。
【0005】
前述した各方式の利点は互いに異なるが、最近はタッチ面が受ける圧力を最小化し、配置の便利性によって赤外線方式のタッチスクリーンが注目されている。
【0006】
赤外線方式のタッチスクリーンはまた、発光源と受光源の配置構造及びその数によって、赤外線マトリックス方式と赤外線カメラセンシング方式などに区分することができる。
【0007】
表示パネルの大きさ及び組立時に遊動するか否かによって特定方式が好まれており、このうち赤外線マトリックス方式は、複数個の赤外線発光源と一つのイメージセンサを含んでなる。
【0008】
ところで、前述した赤外線方式のタッチスクリーンは、長時間タッチ入力が発生しない場合にも、持続的に赤外線発光源が発光するため、実際にタッチが発生しないときにも、前記赤外線発光源とイメージセンサが動作することによって、不要な電力消費をもたらすという問題が発生する。これによって、不要な電力消費に伴い赤外線光源の寿命が減少し、消費電力が大きいという問題を招いている。
【0009】
また、タッチセンシングに必要な赤外線発光源の周期的な点灯のため、表示装置に必要な各素子のうち、赤外線発光源の相対的な寿命が短くなって、表示装置の長時間使用の際、タッチ検出の正確度が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような従来の赤外線方式のタッチスクリーンは、次のような問題点がある。
【0011】
タッチ駆動の前または後にも持続的に赤外線発光源が点灯した状態を維持して、タッチが発生しないとき、あるいは、タッチが発生しない領域においても、不要な消費電力が消耗されている。
【0012】
したがって、非タッチ時の不要な消費電力の増加によって、赤外線発光源の寿命が短縮されるという問題点がある。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するために案出されたもので、タッチ動作の前とタッチ動作時を区分して、発光部の出力を調節することによって、消費電力を節減した光学式タッチ入力装置及びその駆動方法を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための本発明の光学式タッチ入力装置は、表示パネルと;前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された複数個の赤外線発光素子と;前記表示パネルの残りの2辺に対応して配置され、前記各赤外線発光素子から発散された光を反射させるレンズ部と;前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された受光部と;及び前記受光部から収集された受光情報によって、タッチ座標を演算するタッチ座標演算部と、前記各赤外線発光素子の光出力をタッチ時と非タッチ時に区分して、非タッチ時の光出力をタッチ時よりも低くする発光制御部とを含んだタッチ制御部と;を含んでなることにその特徴がある。
【0015】
前記発光制御部は、クロック発生器、前記クロック発生器を通じてそれぞれ駆動電圧の周期を生成する周期発生器、及び前記駆動電圧のパルス幅と大きさを設定するデューティ発生器を具備する。
【0016】
そして、前記発光制御部は、前記デューティ発生器を介して前記赤外線発光素子に印加される駆動電圧の大きさを、タッチ時と非タッチ時に区分する。
【0017】
または、前記発光制御部は、前記周期発生器を介して前記赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を、タッチ時と非タッチ時に区分する。
【0018】
または、前記発光制御部は、前記デューティ発生器を介して赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を、タッチ時と非タッチ時に区分する。
【0019】
または、前記発光制御部は、タッチがセンシングされる赤外線発光素子とセンシングされない赤外線発光素子を区分して、タッチがセンシングされない赤外線発光素子のみ光出力を低くする。
【0020】
ここで、前記受光部は、イメージセンサと、前記イメージセンサと一端が連結された複数個の光ファイバーと、前記複数個の光ファイバーの各他端に連結された複数個のインプレインレンズと、前記イメージセンサ、複数個の光ファイバー及び複数個のインプレインレンズが含まれる光導波路と、を含む。
【0021】
また、同一の目的を達成するための本発明の光学式タッチ入力装置の駆動方法は、表示パネルの隣接した2辺に配置された複数個の赤外線発光素子の光出力を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくすることにその特徴がある。
【0022】
また、同一の目的を達成するための本発明の光学式タッチ入力装置の駆動方法は、表示パネルの隣接した2辺に具備されたセンサ部を用いて、タッチ発生の有無を検出する第1段階と、タッチ非検出時、前記表示パネルの隣接した2辺に具備された複数個の赤外線発光素子を、光出力を低くする低電力モードに切り替える第2段階と、を含んでなることにまた他の特徴がある。
【0023】
前記低電力モードに切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加する。
【0024】
または、前記低電力モードに切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を、非タッチ時にタッチ時よりも増やして印加する。
【0025】
または、前記低電力モードに切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加する。
【0026】
また、前記第1段階でタッチ検出時、前記複数個の赤外線発光素子に対して順次にタッチ発生の有無を検出する第3段階を含むことができる。
【0027】
また、前記第3段階でタッチが非検出された部位に対応する赤外線発光素子に対して、光出力を低くする低電力モードに切り替える第4段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
上記のような本発明の光学式タッチ入力装置及びその駆動方法は、次のような効果がある。
【0029】
光学式タッチ入力装置において、タッチの最初の認識前の発光素子の消費電力を最小化し、タッチ動作時にもタッチ領域に応じて発光素子の消費電力を制御することによって、駆動電圧の持続印加の場合と同一のタッチ感知機能だけでなく、全体的な消費電力を節減することができる効果がある。
【0030】
また、消費電力の節減によって発光素子の寿命が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の光学式タッチ入力装置の一例を示した平面図である。
【図2】図1の発光部が位置した線上を横または縦線上で示した断面図である。
【図3】本発明の光学式タッチ入力装置内のタッチシステムを示したブロック図である。
【図4】図3の発光制御部の内部構成及びその機能を示したブロック図である。
【図5】本発明の光学式タッチ入力装置の駆動方法を示したフローチャートである。
【図6A】本発明の第1の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前で示したタイミング図である。
【図6B】本発明の第1の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の後で示したタイミング図である。
【図7A】本発明の第2の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前で示したタイミング図である。
【図7B】本発明の第2の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の後で示したタイミング図である。
【図8A】本発明の第3の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前で示したタイミング図である。
【図8B】本発明の第3の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の後で示したタイミング図である。
【図9】本発明の第4の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法によって、タッチに利用される赤外線発光素子と残りの赤外線発光素子を区分して駆動することを示した図である。
【図10】図9に対する各赤外線発光素子の駆動電圧の印加を示したタイミング図である。
【図11】本発明の光学式タッチ入力装置の発光制御部の回路を示した回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明の光学式タッチ入力装置及びその駆動方法を詳細に説明すると、次の通りである。
【0033】
図1は、本発明の光学式タッチ入力装置の一例を示した平面図であり、図2は、図1の発光部が位置した線上を横または縦線上で示した断面図である。
【0034】
本発明の光学式タッチ入力装置は、赤外線マトリックス方式であって、表示パネルの片側面に付着された各発光素子からパネルの側面に発光させて、その光が対向するイメージセンサによって受光するようにする。このとき、受光される光の量によってタッチを認識することになる。
【0035】
図1のように、本発明の光学式タッチ入力装置は、表示パネル70と、前記表示パネル70の隣接した2辺に対応して配置された複数個の赤外線発光素子110と、前記表示パネル70の残りの2辺に対応して配置されて、前記各赤外線発光素子から発散された光を反射させるレンズ部155と、前記表示パネル70の隣接した2辺に対応して配置された受光部120と、及び前記受光部120から収集された受光情報によってタッチ座標を演算するタッチ座標演算部(図3の130参照)と、前記各赤外線発光素子110をタッチ時と非タッチ時に区分して、非タッチ時の光出力をタッチ時よりも低くする発光制御部(図3の112参照)とを含んだタッチ制御部180とを含んでなる。
【0036】
一方、前記赤外線発光素子110は、例えば、赤外線LED(IR LED)が挙げられる。
【0037】
ここで、前記受光部120は、赤外線発光素子110から発散されて、前記レンズ部155を通じて反射されてくる赤外線光を収集する。
【0038】
前記受光部120は、イメージセンサ221と、前記イメージセンサ221と一端(one end)が連結された複数個の光ファイバー222と、前記複数個の光ファイバー222の各他端(the other)が連結された複数個のインプレインレンズ223(in−plane lens)と、前記イメージセンサ221、複数個の光ファイバー222及び複数個のインプレインレンズ223が含まれる光導波路121(Waveguide)とを含む。
【0039】
前記インプレインレンズ223は、前記イメージセンサ221が具備する複数個のピクセルに一対一に対応し、それぞれが対向するレンズ部155から反射されてくる光を収集して、光ファイバー222を介してイメージセンサ221の各ピクセルに伝達する。
【0040】
表示パネル70は、図2のように、上部基板60及び下部基板65を含み、このうち上部基板60は、前記赤外線発光素子110から発散する光が水平移動する経路として利用される。
【0041】
例えば、前記表示パネル70は、液晶パネル、有機発光表示パネル、電気泳動パネル、量子ドット表示パネルなどの様々な平板表示パネルのうち一つとすることができる。そして、前記赤外線光が水平移動する経路として利用される上部基板の媒質はガラス(glass)であることが望ましい。
【0042】
前記表示パネル70が液晶パネルのように発光パネルでない場合、バックライトユニット50などを含むことができる。バックライトユニット50は、光源、光学シート及びサポートメインとその下部を収納するボトムカバーなどを含むことができる。
【0043】
また、前記受光部120は、前記赤外線発光素子110上に位置し、レンズ部155は、下部で前記表示パネル70の上部基板60を介して入射した光が折れ曲がって、上部で受光部120の各インプレインレンズ223に受信されることができるように、レンズの曲率を持つ。この場合、前記レンズ部155を透過した赤外線光は、表示パネル70の表面に沿って平坦に移動する。
【0044】
また、前記受光部120及びレンズ部155を取り囲み、バックライトユニット50などのモールド構造物を取り囲むようにケーストップを含んだケース55がさらに具備される。
【0045】
このような光学式タッチ入力装置において、前記表示パネル70は、タッチ面で且つ表示面として機能する。
【0046】
このような光学式タッチ入力装置において、タッチを感知できるタッチシステムは、次の構成を有する。
【0047】
図3は、本発明の光学式タッチ入力装置内のタッチシステムを示したブロック図で、図4は、図3の発光制御部の内部構成及びその機能を示したブロック図である。
【0048】
図3のように、タッチシステム100は、大きくは、赤外線発光素子110(以下では発光部という)と、受光部120と、これらを制御するタッチ制御部180とに区分される。そして、前記タッチ制御部180は、外部の映像情報を生成するシステム200と連結されて、表示パネルの駆動と連動される。
【0049】
この場合、前記タッチ制御部180は、前記表示パネルの制御部と独立的に構成されても良く、または、表示パネルの制御部の内部に一緒に具備されても良い。
【0050】
前記タッチ制御部180は、それぞれ発光部110を制御する発光制御部112と、受光部120を制御する受光制御部122と、前記受光部120から収集された受光情報を受信する受光情報取得部124と、前記受光情報取得部124の光量に基づいてタッチ座標を演算するタッチ座標演算部130と、前記発光制御部112、受光制御部122、タッチ座標演算部130の各々に電源電圧を印加する電圧印加部160と、演算されたタッチ座標を外部のシステム200に伝達する通信部140とを含んでなる。
【0051】
ここで、前記電圧印加部160は、連結された各構成部に対応する電源電圧を印加する。例えば、発光制御部112には赤外線発光素子をそれぞれ点灯させることができる電源電圧を、受光制御部122にはイメージセンサを駆動することができる電源電圧を印加する。
【0052】
一方、前記発光制御部112は、図4のように、内部にクロック発生器211(clock generator)と、前記クロック発生器に連動して赤外線発光素子(発光部)の点灯に必要な駆動電圧の周期を発生する周期発生器212と、前記駆動電圧のパルス幅及び大きさを設定するデューティ発生器213とを含む。
【0053】
すなわち、発光制御部112で、タッチ時と非タッチ時に分けて、それぞれの赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を増減したり、または、駆動電圧のパルス幅又は大きさを大きくまたは小さくしたりして印加する。これによって、非タッチ時において実質的に各赤外線発光素子(発光部)から出力する光出力を低くして、前記赤外線発光素子の駆動に必要な消費電力を節減させることができる。
【0054】
ここで、前記発光制御部112で制御する駆動電圧の周期、駆動電圧の大きさ及びパルス幅の調整は、全ての赤外線発光素子に同時に行うこともでき、選択的にタッチに利用される赤外線発光素子と利用されない赤外線発光素子を分けて行うこともできる。
【0055】
図5は、本発明の光学式タッチ入力装置の駆動方法を示したフローチャートである。
【0056】
図5のように、本発明の光学タッチ入力装置の駆動方法は、開始(S100)後に、タッチ発生の有無を検出する(S110)。このとき、タッチの非検出時、表示パネルの隣接した2辺に具備された複数個の赤外線発光素子全てに対して、光出力を低くして印加する低電力モードに切り替える(S120)。
【0057】
仮に、S110段階でタッチが検出されたときには、1番目の赤外線発光素子から(S130)タッチ発生の有無を順次判断する(S140)。このとき、n番目の赤外線発光素子がタッチされなかったとき、該当の赤外線発光素子に対して低電力モードに切り替える(S150)。S140段階で、n番目の赤外線発光素子がタッチされたときには続けて正常動作モードが適用される(S160)。
【0058】
続いて、次の赤外線発光素子に対して(S170)、具備された赤外線発光素子の総数まで(S180)、タッチ発生の有無を検出する動作(S140)と、これによって低電力モード(S150)と、正常動作モード(S160)に区分して、各赤外線発光素子に対して駆動電圧を印加することを繰り返す。
【0059】
具備された最後の赤外線発光素子に対する検出が完了すると、再び開始の段階に戻って、1番目の赤外線発光素子からタッチ発生の有無を検出する。
【0060】
一方、本発明の光学式タッチ入力装置において、赤外線発光素子に対する電圧の印加は、低電力モードと正常動作モードに区分され、タッチと判断されたときには、正常な駆動電圧が印加される正常動作モードで、非タッチと判断されたときには、これに比べて赤外線発光素子から出る光出力が低くなる低電力モードで印加する。
【0061】
ここで、光出力を低くする方法には、前記赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を遅らせるか、または一回に入る駆動電圧のパルス幅を短くするか、または駆動電圧値を低くする方法などが利用される。
【0062】
また、前記駆動電圧の調整は、S110、S120のみを進行して、一回のタッチ有無の判断によって、全ての赤外線発光素子に対して同一に低電力モードにしたり、または正常動作モードにすることもできる。または、図5に示したように、それぞれの個別的な赤外線発光素子に対してタッチ有無を判断して、個別的に赤外線発光素子のモードを決定することもできる。
【0063】
以下に、赤外線発光素子の光出力を調整する方法について具体的に説明する。
【0064】
図6A及び図6Bは、本発明の第1の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前後で示したタイミング図である。
【0065】
本発明の第1の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法は、赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を調節(W1、W2)することによって、非タッチ時に低電力モードとして具現するものである。
【0066】
すなわち、図6Bのように、一定のパルスデューティを持っている赤外線発光素子の駆動を変化させて、図6Aのように、タッチされる前にはタッチを感知できる最小のパルス幅W2を維持していて、タッチされる時点には、図6Bのように、パルス幅W1を増加させて、タッチ動作が円滑にできるようにして、タッチ動作の前に発生する消費電力を節減することができる。
【0067】
図7A及び図7Bは、本発明の第2の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前後で示したタイミング図である。
【0068】
本発明の第2の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法は、赤外線発光素子に印加される駆動電圧の印加周期を調節(t1、t2)することによって、非タッチ時に低電力モードとして具現するものである。
【0069】
すなわち、タッチが感知される前には、図7Aのように駆動電圧の印加周期(t2)を長くし、タッチされる地点には、図7Bのように駆動電圧の印加周期(t1)を短くして、タッチ動作が円滑にできるようにして、タッチ動作の前に発生する消費電力を節減することができる。
【0070】
図8A及び図8Bは、本発明の第3の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法をタッチ動作の前後で示したタイミング図である。
【0071】
本発明の第3の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法は、赤外線発光素子に印加される駆動電圧の大きさを調節(V1、V2)することによって、非タッチ時に低電力モードとして具現するものである。
【0072】
図8Aのようにタッチが感知される前には、発光素子の駆動電圧を減少(V1)させて駆動し、図8Bのようにタッチの発生時には、正常なタッチ駆動のために、発光素子の駆動電圧を増加(V2)させることによって、タッチ動作の前に発生する消費電力を節減することができる。
【0073】
一方、前述した第1乃至第3の実施例による方法は、単一で適用することもでき、二つを混用したり、または3つの方法をあわせて適用することもできる。
【0074】
図9は、本発明の第4の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法によって、タッチに利用される赤外線発光素子と利用されない赤外線発光素子を区分して駆動することを示した図で、図10は、図9に対する各赤外線発光素子の駆動電圧の印加を示したタイミング図である。
【0075】
本発明の第4の実施例による光学式タッチ入力装置の駆動方法は、具備された各赤外線発光素子のうち、タッチに利用されるものと利用されないものとに区別して、選択的にタッチに利用されるものには正常動作モードで駆動電圧を印加し、利用されないものには低電力モードで駆動電圧を印加するものである。
【0076】
例えば、図9のように、タッチ発生地点が、表示パネル70のX軸の第2発光素子X2と、Y軸の第2発光素子Y2とが交差する地点であるとき、図10のように、タッチ発生地点に対応したX2、Y2の発光素子のみ正常動作モードで、残りの発光素子X1、X3、X4、Y1、Y3、Y4には低電力動作モードで駆動電圧を印加する。
【0077】
この場合、前記駆動電圧を印加する方法は、図示したパルス幅を調節する方法だけでなく、前述した駆動電圧の周期または一回に印加される駆動電圧の大きさを調節する方法を用いても良い。
【0078】
一方、図9で説明していない符号150は、上述した複数個のレンズが形成される図1のレンズ部155のことを意味する。
【0079】
図11は、本発明の光学式タッチ入力装置の発光制御部の回路を示した回路図である。
【0080】
図11は、一例による発光制御部の回路構成を示したものであり、表1は、回路内のモード切替部170内の入力信号PWM1、PWM2の選択的な印加によって発生される消費電流及び消費電力を示した実験値である。
【0081】
ここで、発光制御部は、モード切替部170と、前記モード切替部170の第2入力信号PWM2の出力端子及び制御端子(ベース端子)に連結されたスイッチング素子232(Q1)と、前記スイッチング素子232と赤外線発光素子110との間の第1抵抗231(R1)と、前記スイッチング素子232の制御端子と接地端との間に第2抵抗233(R2)と、前記赤外線発光素子110とモード切替部170の第1入力信号PWM1の出力端子との間の第3抵抗235(R3)と、を含んでなる。
【0082】
ここで、前記第3抵抗235と前記赤外線発光素子110との間のノードと、前記接地端との間には、静電容量C1が具備されて、前記赤外線発光素子110に印加された電流を充電する。
【0083】
また、前記スイッチング素子232は、例えば、制御端子(ベース端子)、コレクター端子及びエミッタ端子を含むバイポーラトランジスタであって、コレクター端子は接地端側と連結され、エミッタ端子は第1抵抗231と連結され、制御端子は第2抵抗R2及び前記モード切替部170の第2入力信号PWM2の出力端子と連結される。
【0084】
また、赤外線発光素子110は、モード切替部170の第1入力信号PWM1の出力端子から前記スイッチング素子232を順方向として連結される。
【0085】
ここで、モード切替部170の第1入力信号PWM1は、赤外線発光素子110の駆動電圧を制御する信号であって、第2入力信号PWM2は、前記スイッチング素子232を介して赤外線発光素子110に印加される駆動電圧のパルス幅及び周期を変更する信号である。
【0086】
【表1】

【0087】
表1を参照すると、駆動電圧を3.3Vから2.5Vに低下したとき、消費電流と消費電力が低減されることを確認することができ、駆動電圧のパルス幅の範囲を20%から14.3%に減らしたとき、消費電流と消費電力が低減されることを確認することができ、駆動電圧の周期を90Hzから70Hzにしたとき、消費電流と消費電力が低減されることを確認することができた。
【0088】
このような発光制御部の回路構成は、図示された回路に限定されず、必要によって抵抗及び静電容量の構成数や配置を異ならせることができる。また、表に提示された駆動電圧、駆動電圧のパルス幅または駆動電圧の印加周期は一例であり、その値は状況によって変更できる。いずれの場合であっても、低電力モードとして具現するとき、正常動作モードに比べて赤外線発光素子から出る光出力を低下できるようにするものである。
【0089】
タッチが発生する前に、発光素子のデューティ及び電圧を最小化したり、または発光素子の発光周期を増加させて、タッチ認識に必要な最小の条件で設定して、タッチが発生する前に消耗される消費電力を最小化することができ、タッチが発生する間は、正常な発光素子の光源が駆動されるようにして、円滑な動作ができるようにする。また、タッチが発生する間、実質的なタッチが認識される領域に該当する発光素子及びセンサは正常な駆動ができるようにし、その他の領域は、消費電力の低減のために、タッチ認識に必要な最小の条件になるようにパルス幅、周期または電圧を調節して、発光素子の消費電力を低減することができる駆動方法である。
【0090】
一方、以上で説明した本発明は、前述の実施例及び添付の図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更ができるということは、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明白である。
【符号の説明】
【0091】
60 上部基板
65 下部基板
70 表示パネル
100 タッチシステム
110 発光部(赤外線発光素子)
112 発光制御部
120 受光部
122 受光制御部
121 光導波路
130 タッチ座標演算部
140 通信部
160 電圧印加部
180 タッチ制御部
200 システム
221 イメージセンサ
222 光ファイバー
223 インプレインレンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された複数個の赤外線発光素子と、
前記表示パネルの残りの2辺に対応して配置され、前記各赤外線発光素子から発散された光を反射させるレンズ部と、
前記表示パネルの隣接した2辺に対応して配置された受光部と、
前記受光部から収集された受光情報によって、タッチ座標を演算するタッチ座標演算部と、前記各赤外線発光素子の光出力をタッチ時と非タッチ時に区分して、非タッチ時の光出力をタッチ時よりも低くする発光制御部とを含んだタッチ制御部と
を備えることを特徴とする、光学式タッチ入力装置。
【請求項2】
前記発光制御部は、クロック発生器と、前記クロック発生器を通じてそれぞれ駆動電圧の周期を生成する周期発生器と、前記駆動電圧のパルス幅と大きさを設定するデューティ発生器とを具備したことを特徴とする、請求項1に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項3】
前記発光制御部は、前記デューティ発生器を介して前記赤外線発光素子に印加される駆動電圧の大きさを、タッチ時と非タッチ時に区分することを特徴とする、請求項2に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項4】
前記発光制御部は、前記周期発生器を介して前記赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を、タッチ時と非タッチ時に区分することを特徴とする、請求項2に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項5】
前記発光制御部は、前記デューティ発生器を介して赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を、タッチ時と非タッチ時に区分することを特徴とする、請求項2に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項6】
前記発光制御部は、タッチがセンシングされる赤外線発光素子とセンシングされない赤外線発光素子を区分して、タッチがセンシングされない赤外線発光素子のみ光出力を低くして印加することを特徴とする、請求項1に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項7】
前記受光部は、イメージセンサと、前記イメージセンサと一端が連結された複数個の光ファイバーと、前記複数個の光ファイバーの各他端に連結された複数個のインプレインレンズと、前記イメージセンサ、複数個の光ファイバー及び複数個のインプレインレンズが含まれる光導波路と、を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の光学式タッチ入力装置。
【請求項8】
表示パネルの隣接した2辺に配置された複数個の赤外線発光素子の光出力を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくすることを特徴とする、光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項9】
前記各赤外線発光素子に印加される駆動電圧を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加することを特徴とする、請求項8に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項10】
前記各赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を、非タッチ時にタッチ時よりも増やして印加することを特徴とする、請求項8に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項11】
前記各赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加することを特徴とする、請求項8に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項12】
前記複数個の赤外線発光素子のうち、タッチがセンシングされる赤外線発光素子とセンシングされない赤外線発光素子を区分して、タッチがセンシングされない赤外線発光素子のみ光出力を低くすることを特徴とする、請求項8に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項13】
表示パネルの隣接した2辺に具備されたセンサ部を用いて、タッチ発生の有無を検出する第1段階と、
タッチ非検出時、前記表示パネルの隣接した2辺に具備された複数個の赤外線発光素子を、光出力を低くする低電力モードに切り替える第2段階と
を含んでなることを特徴とする、光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項14】
前記低電力モードの切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加することを特徴とする、請求項13に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項15】
前記低電力モードの切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧の周期を、非タッチ時にタッチ時よりも増やして印加することを特徴とする、請求項13に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項16】
前記低電力モードの切替時、前記複数個の赤外線発光素子に印加される駆動電圧のパルス幅を、非タッチ時にタッチ時よりも小さくして印加することを特徴とする、請求項13に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項17】
前記第1段階でタッチ検出時、前記複数個の赤外線発光素子に対して順次にタッチ発生の有無を検出する第3段階を含むことを特徴とする、請求項13に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。
【請求項18】
前記第3段階でタッチが非検出された部位に対応する各赤外線発光素子に対して、光出力を低くする低電力モードに切り替える第4段階を含むことを特徴とする、請求項17に記載の光学式タッチ入力装置の駆動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−128851(P2012−128851A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−266970(P2011−266970)
【出願日】平成23年12月6日(2011.12.6)
【出願人】(501426046)エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド (732)
【Fターム(参考)】