説明

光学用フィルム

【課題】安価で光学的均質性および透明性に優れた光学用フィルム。
【解決手段】下記成分(A)1〜99重量%および成分(B)99〜1重量%を含有する層(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)を少なくとも1層含有する光学用フィルム。
成分(A):JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が30J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない非晶性または低結晶性オレフィン系重合体
成分(B):結晶性プロピレン系重合体

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価で光学的均質性および透明性に優れた光学用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話や液晶テレビ等に用いられる液晶表示装置には、液晶の光学的異方性に起因する光学的歪みや、表示色が視覚方向に依存する性質を補償するために、位相差フィルム等の光学用フィルムが用いられている。
これらの光学用フィルムの材料には、例えば、ポリカーボネート樹脂や環状オレフィン重合体等の合成樹脂が用いられるが、これらの合成樹脂は高価であり、例えば、特許文献1には、安価で耐湿性、耐熱性に優れたプロピレン−エチレン共重合体のフィルムからなる位相差板が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開昭60−24502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているポリプロピレン樹脂は、押出成形や延伸加工によって位相差が過大となって光学的均質性に劣るという問題があり、さらなる改良が求められていた。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち、本発明の目的は、安価で光学的均質性および透明性に優れた光学用フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち本発明は、下記成分(A)1〜99重量%および成分(B)99〜1重量%を含有する層(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)を少なくとも1層含有する光学用フィルムに関するものである。
成分(A):JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が30J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない非晶性または低結晶性オレフィン系重合体
成分(B):結晶性プロピレン系重合体
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、安価で光学的均質性および透明性に優れた光学用フィルムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の成分(A)は、非晶性または低結晶性オレフィン系重合体であって、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が30J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない重合体である。成分(A)として好ましくは、得られる光学用フィルムの透明性を高める観点から、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が1J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない非晶性オレフィン系重合体である。
【0008】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体として好ましくは、得られる光学用フィルムの透明性を高める観点から、下記式(1)を満たす重合体である。
0≦[x/(x+y)]<0.6 (1)
(上記式(1)において、xは成分(A)のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは成分(A)中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(A)全体を100モル%とする。)
【0009】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体の分子量分布は、得られる光学用フィルムの透明性を高める観点から、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1.5〜3である。分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)によって、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
【0010】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体の135℃のテトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]は、得られる光学用フィルムの透明性を高める観点から、好ましくは0.01dl/g以上であり、加工時のトルクネックによる加工不良を抑制する観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは0.5〜5dl/gである。
【0011】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体に用いられるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、炭素原子数4〜20のα−オレフィンが挙げられ、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。
【0012】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−へプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ノネン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−1−ウンデセン共重合体、エチレン−1−ドデセン共重合体、エチレン−1−トリデセン共重合体、エチレン−1−テトラデセン共重合体、エチレン−1−ペンタデセン共重合体、エチレン−1−ヘキサデセン共重合体、エチレン−1−ヘプタデセン共重合体、エチレン−1−オクタデセン共重合体、エチレン−1−ナノデセン共重合体、エチレン−1−エイコセン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−へプテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ノネン共重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロピレン−1−ウンデセン共重合体、プロピレン−1−ドデセン共重合体、プロピレン−1−トリデセン共重合体、プロピレン−1−テトラデセン共重合体、プロピレン−1−ペンタデセン共重合体、プロピレン−1−ヘキサデセン共重合体、プロピレン−1−ヘプタデセン共重合体、プロピレン−1−オクタデセン共重合体、プロピレン−1−ナノデセン共重合体、プロピレン−1−エイコセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体等が挙げられ、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。成分(A)として好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体等が挙げられ、より好ましくは、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、さらに好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体である。
【0013】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体は、α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位を含有していてもよく、α−オレフィン以外の単量体としては、例えば、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等が挙げられる。α−オレフィン以外の単量体に由来する単量体単位の含有量は、非晶性α−オレフィン系共重合体全体を100モル%としたとき、好ましくは20モル%以下である。
【0014】
α−オレフィン以外の単量体であるポリエン化合物としては、例えば、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物等が挙げられる。共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族共役ポリエン化合物および脂環式共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等の置換基によって置換されていてもよい。
【0015】
α−オレフィン以外の単量体である環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
【0016】
α−オレフィン以外の単量体であるビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
【0017】
本発明の成分(A)である非晶性または低結晶性オレフィン系重合体の重合方法としては、例えば、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を採用すること可能であり、所定の単量体をメタロセン触媒によって重合することによって製造することができる。メタロセン触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒を挙げることができる。また、メタロセン触媒を用いた非晶性または低結晶性オレフィン系重合体の製造方法として特に好ましくは、欧州特許出願公開第1211287号明細書に記載の製造方法である。
【0018】
本発明の成分(B)は、結晶性プロピレン系重合体であり、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのブロック共重合体が挙げられる。結晶性プロピレン系重合体が、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体である場合、該ランダム共重合体に含有されるエチレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量は特に限定されないが、プロピレン重合体のべたつきを抑制する観点から、好ましくは40重量%以下であり、より好ましくは30重量%以下である。
【0019】
本発明の成分(B)である結晶性プロピレン系重合体として好ましくは、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の熱量が30J/gより大きい結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/gより大きい結晶化ピークを有する重合体である。
【0020】
本発明の成分(B)である結晶性プロピレン系重合体が、プロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム共重合体またはブロック共重合体の場合、共重合に用いられるα−オレフィンとしては、例えば、炭素原子数4〜20の直鎖状のα−オレフィン、炭素原子数4〜20の分岐状のα−オレフィン等が挙げられる。炭素原子数4〜20の直鎖状のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等が挙げられ、炭素原子数4〜20の分岐状のα−オレフィンとしては、例えば、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等が挙げられる。
【0021】
本発明の成分(B)である結晶性プロピレン系重合体としては、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ペンテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ペンテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。成分(B)として好ましくは、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体である。
【0022】
本発明の成分(B)である結晶性プロピレン系重合体がプロピレン単独重合体の場合、立体規則性として好ましくは、アイソタクチック構造またはシンジオタクチック構造を主として有する重合体である。
【0023】
本発明の成分(B)である結晶性プロピレン系重合体の製造方法としては、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒、周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物を用いてなる触媒またはメタロセン触媒を用いて、プロピレンを単独重合またはプロピレンとα−オレフィンおよび/またはエチレンを共重合する方法が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いられる触媒等が挙げられ、メタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有する周期表第4族〜第6族の遷移金属化合物を用いてなる触媒等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、スラリー重合法、気相重合法、バルク重合法、溶液重合法等が挙げられる。また、これらの重合方法を単独で用いる一段重合法またはこれらの重合法を組み合わせた多段重合法が挙げられる。
また、本発明の結晶性プロピレン系重合体に該当する市販のプロピレン系重合体を用いてもよい。
【0024】
本発明の光学用フィルムは、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とするとき、成分(A)1〜99重量%および成分(B)99〜1重量%を含有する層を少なくとも1層含有する光学用フィルムである。成分(A)と成分(B)の含有量として好ましくは、成分(A)が20〜99重量、成分(B)が80〜1重量%であり、より好ましくは成分(A)が40〜99重量%、成分(B)が60〜1重量%である。成分(A)の含有量が1重量%より少ないと、得られる光学用フィルムの光学的均質性が十分に得られない場合があり、99重量%より多いと、得られる光学用フィルムの剛性が低下する場合がある。
【0025】
本発明の光学用フィルムには、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、変性ポリオレフィン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂等の他の樹脂を配合することができる。
【0026】
変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、アクリル酸、メタクリル酸、テトラヒドロフタル酸、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の変性用化合物で変性されたポリオレフィンが挙げられる。ここで用いられるポリオレフィン系樹脂は、公知のポリオレフィンでよいが、例えば、エチレン系樹脂、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、コモノマーを含むランダムタイプポリプロピレン、多段重合によるブロックタイプポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)等が挙げられる。
【0027】
ロジン系樹脂としては、例えば、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステル、メチルエステル)、ロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジン、ライム化ロジン)が挙げられる。
【0028】
ポリテルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン等の環状テルペンの単独重合体、環状テルペンの共重合体、環状テルペンと、フェノール、ビスフェノール等のフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂、テルペン−ビスフェノール樹脂等のテルペン−フェノール系樹脂)、環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂が挙げられる。
【0029】
合成石油樹脂としては、例えば、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体、これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環式系石油樹脂、脂肪族−脂環式共重合体が挙げられる。合成石油樹脂として、さらに、上記のナフサ分解油と上記のテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂が挙げられる。
【0030】
ナフサ分解油の好ましいC5留分としては、例えば、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等のメチルブテン類、1−ペンテン、2−ペンテン等のペンテン類、ジシクロペンタジエンが挙げられる。C6〜C11留分として好ましくは、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等のメチルスチレン類、メチルインデン、エチルインデン、ビニルキシレン、プロペニルベンゼンである。その他オレフィン系留分として好ましくは、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエン、オクタジエンである。
【0031】
クロマン系樹脂としては、例えば、クロマンの単独重合体またはクロマンとインデンの共重合体等が挙げられる。
【0032】
フェノール系樹脂としては、例えば、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂およびこれら樹脂の変性物が挙げられる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
【0033】
キシレン系樹脂としては、例えば、m−キシレンとホルムアルデヒドとからなるキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂が挙げられる。
【0034】
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレンの低分子量重合体、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合体、スチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合体、スチレンとブタジエンの共重合体、スチレンとエチレンブチレンの共重合体が挙げられる。
【0035】
イソプレン系樹脂としては、例えば、イソプレンの二量化体であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂が挙げられる。
【0036】
本発明の光学用フィルムには、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、紫外線吸収剤等の公知の添加剤を添加することができる。
【0037】
本発明の光学用フィルムの製造方法として特に制限はなく、例えば、通常用いられるインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられるが、得られる光学用フィルムの光学的均質性に優れるという観点から、少なくとも1方向に延伸されていることが好ましい。延伸加工の方法として、例えば、一軸延伸法としては、例えば通常用いられるロール延伸法が挙げられ、二軸延伸法としては、例えば一軸に延伸した後に二軸延伸を行うテンター加工機等による逐次延伸方式や、チューブラー延伸法等の同時二軸延伸する方法等が挙げられる。テンター加工機を用いた場合、縦延伸温度は通常130〜150℃であり、縦延伸倍率は通常2〜10倍であり、横延伸温度は通常150〜165℃であり、横延伸倍率は通常8〜10倍である。
【0038】
本発明の光学用フィルムに含有される層の製造方法としては、成分(A)の非晶性または低結晶性オレフィン系重合体と成分(B)の結晶性プロピレン系重合体が均一に混練される方法であればよく、例えば、下記方法等が挙げられる。
(1)成分(A)と成分(B)を、例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等によってあらかじめ混合し、その混合物を押出機等で溶融混練する方法
(2)成分(A)と成分(B)を溶融混練して、あらかじめ成分(A)のマスターバッチペレットを製造し、該マスターバッチと成分(B)を、上記(1)と同様の方法で混合し、さらに溶融混練する方法
【0039】
成分(A)の非晶性または低結晶性オレフィン系重合体のマスターバッチペレットを作成する方法としては、例えば、特開2000−72923号公報に記載されている方法が挙げられる。また、成分(A)の非晶性または低結晶性オレフィン系重合体のマスターバッチペレットには、発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、イオウ架橋処理、過酸化物架橋処理、過酸化物分解処理、金属イオン架橋処理、シラン架橋処理等の処理を行ってもよい。さらに、成分(A)の非晶性または低結晶性オレフィン系重合体のマスターバッチペレットの表面には、必要に応じて、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、ステアリン酸、およびポリオレフィンパウダーから選ばれる少なくとも一種の粉末が、打粉されていてもよい。
【0040】
本発明の光学用フィルムの厚さは特に制限はなく、設計する位相差値等に応じて適宜設定されるが、通常5〜500μmである。
【0041】
本発明の光学用フィルムは、成分(A)および成分(B)を含有する1層からなる単層フィルムであってもよく、成分(A)および成分(B)を含有する少なくとも1層と、他の層からなる多層フィルムであってもよい。
【0042】
本発明の光学用フィルムは、例えば、液晶表示装置等のフラットパネルディスプレイに用いられる偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルムおよび輝度向上フィルム等に用いることができる。なかでも、偏光板保護フィルムや位相差フィルムに好適である。
【0043】
本発明の光学用フィルムは、液晶表示装置の一部として用いることができ、例えば、液晶セルの片側または両側に貼着する方法や、液晶セルに粘着層を介さずに積層する方法が挙げられる。また、本発明の光学用フィルムには、例えば、ハードコート層、防眩層、反射防止層、保護層、粘着層、配向膜、液晶層が塗工されていてもよい。
【実施例】
【0044】
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)非晶性または低結晶性オレフィン系重合体に含有される各単量体に由来する単量体単位の含有量(単位:モル%)
プロピレン−1−ブテン重合体中の各単量体単位の含有量は、核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C NMRスペクトルのプロピレンに由来する単量体単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンに由来する単量体単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度の比からプロピレンに由来する単量体単位と1−ブテンに由来する単量体単位の組成比を算出した。
(2)結晶融解熱量および結晶化ピーク
JIS K 7122に従い、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、試料重合体を室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−50℃まで降温し、−50℃で5分間保持した後、−50℃から200℃まで10℃/分で昇温し、結晶融解熱量および結晶化ピークの測定を行った。
(3)メルトフローレイト(MFR、単位:g/10分)
本発明の光学用フィルムに含有される成分(B)、成分(A)を含有するマスターバッチのメルトフローレイトは、JIS K 7210に従って、試験温度230℃、試験荷重21.18Nで測定した。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した。測定装置としてはWaters社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工(株)社製Sodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としては標準ポリスチレン(東ソー(株)社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/分の条件で、試料重合体約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、両者の比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(5)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ粘度計を用いて、135℃のテトラリン溶媒中で測定を行った。非晶性オレフィン系共重合体の濃度(c)が、0.6、1.0、1.5mg/mlであるテトラリン溶液を調製し、試料溶液の液面が標線間を流過する時間を3回測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度における比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度([η])として求めた。
(6)結晶性プロピレン系重合体中のエチレンに由来する単量体単位の含有量(重量%) エチレンに由来する単量体単位の含有量はIRスペクトル測定を行い、「高分子ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている(i)ランダム共重合体に関する方法に従って求めた。
(7)透明性(%)
テンター加工機による二軸延伸法によって得られたフィルムを使用して、ヘイズ値をJIS K 7105に従って測定した。この値が小さいほど、透明性が高い。
(8)光学均質性(面内位相差R0、厚さ方向位相差Rth
テンター加工機による二軸延伸法によって得られたフィルムを使用して、フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdを測定し、面内の位相差値(R0)および厚さ方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(I)および(II)で定義される。
0=(nx−ny)×d (I)
th=[(nx+ny)/2−nz]×d (II)
各屈折率を、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA−CCD)を用いて、位相差フィルムの幅200mm×長さ300mmの面積を測定し、その平均を算出した。面内位相差値(R0)が55nmに近く、厚さ方向位相差(Rth)が110nmに近いほど光学均質性に優れ、液晶VAモードに使用可能である。
【0045】
実施例1
[成分(A)の製造]
攪拌器を備えた100LのSUS製反応器中で、プロピレンおよび1−ブテンを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に重合させて、成分(A)に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
反応器の下部から、重合溶媒としてヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
また同様に、重合用触媒として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
反応器内部の反応液の容量が常に100Lを維持するように、反応器の上部から反応液を連続的に抜き出した。
重合反応は、反応器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
反応器の上部から連続的に抜き出された反応液に、少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、未反応の単量体を除去し、次いで、反応液に含まれる重合用触媒の残渣を除去するため水洗浄し、最後に大量の水中でスチームによって重合溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、重合体(A−1)と称する。)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体(A−1)のプロピレンに由来する単量体単位の含有量は94.5モル%、1−ブテンに由来する単量体単位の含有量は5.5モル%であった。また、重合体(A−1)の[η]は2.3dl/gであり、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であり(Mw=420000、Mn=191000)、結晶融解ピークまたは結晶化ピークのいずれも観測されなかった。
【0046】
[成分(A)非晶性または低結晶性オレフィン系重合体のマスターバッチの製造]
上記によって製造された非晶性プロピレン−1−ブテン共重合体70重量部、結晶性プロピレン系重合体(住友化学(株)社製、結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体「ノーブレンS131」、MFR=1.5g/10分、Tm=133℃)30重量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irganox1010」0.2重量部および芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製「Irgafos168」0.2重量部を配合し、次に、該配合物100.4重量部に、過酸化物(日本油脂(株)製「CH−3」0.3重量部を配合し、二軸押出機によって220℃で溶融混練した。得られた成分(A)のマスターバッチ(A−1−MB)のMFRは3.0g/10分であった。
【0047】
上記(7)および(8)の評価用の光学用フィルムは、次の方法に従って作成した。
[光学用フィルムの作成]
住友化学(株)社製「ノーブレンW151」(結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体 MFR=7.0g/10分、Tm=137℃、結晶融解熱量=77J/g)100重量%を表層用に使用し、上記で得られた成分(A)のマスターバッチ(A−1−MB)72重量%および住友化学(株)社製「ノーブレンW151」(結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体 MFR=7.0g/10分、Tm=137℃、結晶融解熱量=77J/g)28重量%をペレットブレンドして芯層用に使用した。表層用樹脂を230℃で、芯層用樹脂を260℃で各々別の押出機で溶融混練した後、一基の共押出Tダイに供給した。このTダイから表層/芯層/表層の二種三層構成として押出された成形体を30℃の冷却ロールにて急冷、固化することによって、厚さ1mmのキャストシートを得た。
【0048】
得られたキャストシートを予熱後、延伸温度125℃で、縦延伸機のロール周速差によって、縦方向に3倍延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度132℃で、横方向に6.5倍に延伸した後、165℃で熱処理を行い、表層/芯層/表層の厚さが1μm/38μm/1μmである二種三層の二軸延伸光学用フィルムを得、巻取り機で巻き取った。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0049】
実施例2
実施例1において、成分(A)のマスターバッチ(A−2−MB)の製造において、結晶性プロピレン系重合体として住友化学(株)社製、結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体「ノーブレンFS2011DG3」、MFR=2.5g/10分、Tm=159℃)30重量部を用い、光学用フィルムの作成において、住友化学(株)社製「ノーブレンFS2011DG3」(結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体 MFR=2.5g/10分、Tm=159℃、結晶融解熱量=90J/g)100重量%を表層用に使用し、上記で得られた成分(A)のマスターバッチ(A−2−MB)14.4重量%および住友化学(株)社製「ノーブレンFS2011DG3」(結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体、MFR=2.5g/10分、Tm=159℃、結晶融解熱量=90J/g)85.6重量%を、ペレットブレンドして芯層用に使用し、得られたキャストシートを予熱後、延伸温度120℃で縦延伸機のロール周速差によって、縦方向に5倍延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度157℃で、横方向に8倍延伸した以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの物性評価結果を表1に示す。
【0050】
比較例1
住友化学(株)社製「ノーブレンFS2011DG3」(結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体、MFR=2.5g/10分、Tm=159℃、結晶融解熱量=90J/g)100重量%を単層として使用した。樹脂を230℃で一機の押出機で溶融混練した後、Tダイに供給した。このTダイから一種一層構成として押出された樹脂を30℃の冷却ロールにて急冷、固化することによって、厚さ1mmのキャストシートを得た。
【0051】
得られたキャストシートを予熱後、延伸温度120℃で、縦延伸機のロール周速差によって、縦方向に5倍延伸し、引き続いて加熱炉にて延伸温度157℃で、横方向に8倍に延伸した後。165℃で熱処理を行い、単層の厚さ40μmである一種一層の二軸延伸光学用フィルムを得、巻取り機で巻き取った。得られた物性値を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
本発明の要件を満たす実施例1および実施例2の光学用フィルムは、安価で光学的均質性および透明性に優れた光学用フィルムである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)1〜99重量%および成分(B)99〜1重量%を含有する層(ただし、成分(A)と成分(B)の合計を100重量%とする)を少なくとも1層含有する光学用フィルム。
成分(A):JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が30J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない非晶性または低結晶性オレフィン系重合体
成分(B):結晶性プロピレン系重合体
【請求項2】
成分(A)が、下記式(1)を満たす重合体である請求項1記載の光学用フィルム。
0≦[x/(x+y)]<0.6 (1)
(上記式(1)において、xは成分(A)のエチレンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表し、yは成分(A)の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する単量体単位の含有量(モル%)を表す。ただし、成分(A)全体を100モル%とする。)
【請求項3】
成分(A)が、JIS K 7122に従う示差走査熱量測定において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が1J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない非晶性オレフィン系重合体である請求項1または2に記載の光学用フィルム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の光学用フィルムが、少なくとも1方向に延伸されてなる光学用フィルム。
【請求項5】
光学用フィルムが位相差フィルムである請求項1〜4のいずれかに記載の光学用フィルム。

【公開番号】特開2007−321084(P2007−321084A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154392(P2006−154392)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】