説明

光学用粘着剤、光学用粘着シート及び粘着剤付き光学部材

【課題】偏光板などの光学部材を被着体に積層する際に用いられる、帯電防止性能を有すると共に、良好な粘着力と再剥離性及び耐久性を備え、かつ透明性及び帯電防止剤のブリード防止性(非析出性)をも兼ね備えた光学用粘着剤、それを用いた光学用粘着シートと粘着剤付き光学部材を提供する。
【解決手段】(A)アクリル系共重合体、(B)一分子中に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、及び(C)アルカリ金属塩を含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる光学用粘着剤、2枚の剥離シートの剥離層側に接するように上記光学用粘着剤を挟持してなる光学用粘着シート、及び光学部材上に、上記光学用粘着剤からなる層を有する粘着剤付き光学部材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用粘着剤、光学用粘着シート及び粘着剤付き光学部材に関する。さらに詳しくは、本発明は、偏光板などの光学部材を被着体に積層する際に用いられる、帯電防止性能を有すると共に、良好な粘着力と再剥離性及び耐久性を備え、かつ透明性及び帯電防止剤のブリード防止性をも兼ね備えた光学用粘着剤、該光学用粘着剤を2枚の剥離シートに挟持してなる光学用粘着シート、及び上記光学用粘着剤からなる層を、偏光板などの光学部材に設けてなる粘着剤付き光学部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイなどに用いられる偏光板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどの光学部材は、粘着剤層を介して、液晶セルなどに貼り合わせられる。
液晶セルは、一般に配向層を形成した2枚の透明電極基板を、その配向層を内側にして、スペーサにより所定の間隙になるように配置し、その周辺をシールして該間隙に液晶材料を挟持させると共に、上記2枚の透明電極基板の外側表面に、それぞれ粘着剤層を介して偏光板が配設された構造を有している。
【0003】
図1は、上記偏光板の1例の構成を示す斜視図である。この図で示されるように、該偏光板10は、一般的には、ポリビニルアルコール系偏光子1の両面に、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムI2及びII2'を貼り合わせた3層構造を有しており、そして、その片面には液晶セルなどの光学部品に貼着するための粘着剤層3が形成され、さらに、この粘着剤層3には、剥離シート4が貼着されている。また、この偏光板の該粘着剤層3と反対側の面には、通常表面保護フィルム5が設けられている。
このような偏光板を前記液晶セルに貼付する場合には、まず剥離シート4を剥がし、露出した粘着剤層3を介して液晶セルに貼付したのち、表面保護フィルム5を剥離する。
前記剥離シート4や表面保護フィルム5を剥離する場合、これらのシートやフィルム、及び偏光板はプラスチック材料により構成されているため、電気絶縁性が高く、静電気が発生する。この際に生じた静電気が残ったままの状態で液晶セルに貼合すると、液晶分子の配向に乱れが生じるおそれがある。このようにして生じた液晶分子の配向の乱れは、回復しないおそれもあり、また、回復する場合であっても液晶ディスプレイ製造工程にあっては、回復するまで次工程に進めず、製造工程の遅延をもたらす問題が指摘されている。また、静電気の存在は、埃や塵を吸引してしまうなどの問題を引き起こす。
【0004】
このような問題に対処するために、従来から剥離シートの基材に帯電防止剤を練り込むなどの対策がとられているが、このような対策だけでは充分な効果が得られず、粘着剤層にも帯電防止性能を付与することが求められている。
帯電防止性能を有する粘着剤組成物としては、界面活性剤などの帯電防止剤を配合した粘着剤組成物が知られている。このように、粘着剤組成物に界面活性剤などの帯電防止剤を配合した場合には、帯電防止性能は付与されるものの、界面活性剤と粘着剤ポリマーとの相溶性が悪いため、粘着剤層を形成した場合に経時や熱又は湿熱条件下で該界面活性剤がブリードし、被着体を汚染したり、粘着力が低下したりするなどの問題があった。
【0005】
これに対して、帯電防止剤と粘着剤ポリマーとの相溶性を改善する目的で、ポリオキシアルキレン構造を有する有機塩を帯電防止剤として配合した帯電防止性感圧粘着剤が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、該ポリオキシアルキレン構造を有する有機塩は、偏光板の貼着などに主に用いられているアクリル系ポリマーとの相溶性に関してなお充分でなく、そのため耐熱試験、特に冷熱サイクル試験によって、該有機塩がブリードし、剥がれを生じるおそれがあった。また、有機塩を用いると臭気が残る場合があるという問題もあった。
【0006】
また、炭素数6〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマー、並びにポリエーテルポリオール化合物及びアルカリ金属塩を含む粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が1.0以下であり、前記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対し、前記アルカリ金属塩0.1重量部未満を含有してなる粘着剤組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この粘着剤組成物は、導電剤としてポリエーテルポリオール化合物とアルカリ金属塩との組合わせを用いたものであり、剥離帯電防止性、接着性及び耐久性などの全てを十分に満足し得るものではない。
【0007】
さらに、ポリオキシアルキレン構造と水酸基とを有する数平均分子量300〜1500のポリマーにイオン性物質を配合してなる帯電防止剤を含む、偏光板用の粘着シートが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この技術では、耐久性は十分といえず、また、帯電防止性能のさらなる向上のためポリオキシアルキレン構造と水酸基とを有する数平均分子量300〜1500のポリマーの添加量を増加させた場合、該ポリマーがブリードアウトし、剥がれを生じるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2004−536940号公報
【特許文献2】特開2005−325255号公報
【特許文献3】特開2006−199873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような状況下になされたもので、偏光板などの光学部材を被着体に積層する際に用いられる、帯電防止性能を有すると共に、良好な粘着力と再剥離性及び耐久性を備え、かつ透明性及び帯電防止剤のブリード防止性(非析出性)をも兼ね備えた光学用粘着剤、それを用いた光学用粘着シートと粘着剤付き光学部材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、アクリル系共重合体と、一分子中に特定の数のオキシアルキレン基を有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーと、導電剤としてアルカリ金属塩とを含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる粘着剤により、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)アクリル系共重合体、(B)一分子中に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、及び(C)アルカリ金属塩を含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる光学用粘着剤、
(2)(C)アルカリ金属塩がリチウム塩である上記(1)項に記載の光学用粘着剤、
(3)(B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーが、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3〜10個有するものである上記(1)又は(2)項に記載の光学用粘着剤、
(4)(A)成分と(B)成分の含有割合が、質量比で100:1〜100:50である上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の光学用粘着剤、
(5)(B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーにおけるオキシアルキレン基のモル数と、(C)アルカリ金属塩のモル数との比が、100:10〜100:200である上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の光学用粘着剤、
(6)粘着性材料が、さらに(D)成分として架橋剤を含む上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の光学用粘着剤、
(7)2枚の剥離シートの剥離層側に接するように上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の光学用粘着剤を挟持してなる光学用粘着シート、及び
(8)光学部材上に、上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の光学用粘着剤からなる層を有する粘着剤付き光学部材、
を提供するものである。
【0011】
また、本発明の光学用粘着剤の好ましい態様として、
(a)23℃における貯蔵弾性率(G')が0.3〜15MPaである光学用粘着剤、
(b)80℃における貯蔵弾性率(G')が0.2MPa以上である光学用粘着剤、及び
(c)粘着性材料が、さらにシラン系カップリング剤を含む光学用粘着剤、
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、偏光板などの光学部材を被着体に積層する際に用いられる、帯電防止性能を有すると共に、良好な粘着力と再剥離性及び耐久性を備え、かつ透明性及び帯電防止剤のブリード防止性(非析出性)をも兼ね備えた光学用粘着剤、該光学用粘着剤を2枚の剥離シートに挟持してなる光学用粘着シート、及び上記光学用粘着剤からなる層を、偏光板などの光学部材に設けてなる粘着剤付き光学部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】偏光板の1例の構成を示す斜視図である。
【図2】実施例、比較例で得られた粘着剤付き偏光板の光漏れ性を評価する方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、本発明の光学用粘着剤について説明する。
本発明の光学用粘着剤は、(A)アクリル系共重合体、(B)一分子中に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、及び(C)アルカリ金属塩を含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる粘着剤であることを特徴とする。
【0015】
[粘着性材料]
本発明の光学用粘着剤において用いられる粘着性材料は、(A)アクリル系共重合体、(B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、及び(C)アルカリ金属塩を必須成分として含有する。
((A)アクリル系共重合体)
当該粘着性材料における(A)成分のアクリル系共重合体としては、広く一般に粘着剤組成物として使用されるものから適宜選択して使用することができる。特に、光学フィルター内に組み込まれるような光学用粘着剤においては、主に再剥離性を向上させる観点から(A−1)水酸基含有アクリル系モノマー単位を有するアクリル系共重合体を使用することが好ましく、また、主に耐久性を向上させる観点から(A−2)カルボキシル基含有アクリル系モノマー単位を有するアクリル系共重合体を使用することが好ましく、さらには(A−1)と(A−2)の両方を併用することが最も好ましい。
【0016】
<(A−1)アクリル系共重合体>
本発明における(A−1)アクリル系共重合体は、水酸基含有アクリル系モノマー単位を有するものであって、架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとを共重合させることにより、得ることができる。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの両方を意味する。他の類似用語も同様である。
通常、(メタ)アクリル酸エステル重合体を架橋して粘着剤に耐久性を付与するために、架橋点となる官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを、架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合させて(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得、これを粘着剤の主剤とすることが行われる。この(A−1)成分においては、水酸基が架橋点となる。
【0017】
(A−1)成分における水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらのうち特に(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが、重量平均分子量100万以上の(メタ)アクリル酸共重合体を容易に製造できる点から好ましい。
【0018】
架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に制限はなく、例えば、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルを好ましく挙げることができる。ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの化合物のうち、特に、(メタ)アクリル酸ブチルが、適度な粘着性能を得ることができ、かつ、重量平均分子量100万以上の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を容易に製造できる点で好ましい。
【0019】
この(A−1)アクリル系共重合体においては、水酸基含有アクリル系モノマー単位の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。この含有量が10質量%を超えると高温・高湿下での耐久性が不十分となる場合がある。以上の点から水酸基含有モノマー単位の含有量は7質量%以下、さらには5質量%以下であることがより好ましい。
一方、水酸基含有モノマー単位の含有量の下限値については、高温下での耐久性の点から0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上であることが好ましい。
【0020】
この(A−1)成分であるアクリル系共重合体は、重量平均分子量が100万以上であることが好ましい。この重量平均分子量が100万未満であると、高温・高湿下での接着耐久性が不十分となり、浮きや剥がれなどが生じる場合がある。接着耐久性などを考慮すると、この重量平均分子量は、120万〜220万のものがより好ましく、特に150万〜200万のものが好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率を表す分子量分布(Mw/Mn)は20以下が好ましい。分子量分布が20以下であると、十分な接着耐久性が得られる。
なお、上記重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
当該粘着性材料においては、この(A−1)成分のアクリル系共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
<(A−2)アクリル系共重合体>
本発明における(A−2)アクリル系共重合体は、カルボキシル基含有アクリル系モノマー単位を有するものであって、架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、カルボキシル基含有モノマーとを共重合させることにより、得ることができる。
この(A−2)成分のアクリル系共重合体においても、前記(A−1)成分と同様に、粘着剤に耐久性を付与するため、通常、架橋点となる官能基を有するモノマーと架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの共重合体を用いる。(A−2)成分においては、カルボキシル基が架橋点となる。
(A−2)成分におけるカルボキシル基含有モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で重量平均分子量100万以上の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を容易に製造できる点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0022】
(A−2)成分における架橋点となる官能基を有しない(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては特に制限はなく、前記(A−1)成分で用いるのと同様のもの、すなわち、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルを好ましく挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの化合物のうち、(A−1)成分の場合と同様に、特に(メタ)アクリル酸ブチルが、適度な粘着性能を得ることができる、かつ重量平均分子量100万以上の(メタ)アクリル酸エステル重合体を容易に製造できる点で好ましい。
【0023】
この(A−2)成分においては、カルボキシル基含有モノマー単位の含有量は、10質量%以下であることが好ましい。この含有量が10質量%を超えると、液晶セルとの接着強度が増大し、再剥離性(リワーク性)が損なわれる場合がある。以上の点からカルボキシル基含有モノマー単位の含有量は8質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
一方、カルボキシル基含有モノマー単位の含有量の下限値については、高温下での耐久性の点から0.1質量%以上、さらには0.5質量%以上であることが好ましい。
【0024】
この(A−2)成分であるアクリル系共重合体は、重量平均分子量が100万以上であることが好ましい。重量平均分子量が100万未満であると、前記(A−1)成分の重量平均分子量が100万未満である場合と同様に、高温・高湿下での接着耐久性が不十分となり、浮きや剥がれなどが生じる場合がある。接着耐久性などを考慮すると、この重量平均分子量は、(A−1)成分の場合と同様に、120万〜220万のものがより好ましく、特に150万〜200万のものが好ましい。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率を表す分子量分布(Mw/Mn)は20以下が好ましい。分子量分布が20以下であると、十分な接着耐久性が得られる。
当該粘着性材料においては、この(A−2)成分のアクリル系共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
当該粘着性材料においては、上記(A−1)成分と(A−2)成分との含有割合は、質量比で100:1〜100:50の範囲であることが好ましい。この質量比が100:1以上、すなわち(A−2)成分の含有量が(A−1)成分100質量部に対して1質量部以上であると過酷な耐久性が要求される場合でも十分な接着耐久性が得られる。一方、上記質量比が100:50以下、すなわち(A−2)成分の含有量が(A−1)成分100質量部に対して50質量部以下であると再剥離性の点で好ましい。このような観点から(A−1)成分と(A−2)成分との含有割合は、質量比で100:5〜100:40が好ましく、100:10〜100:30が特に好ましい。
【0026】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、構成単位として共重合可能なモノマー単位を含んでいてもよい。具体的には、官能基として、アミド基、アミノ基などを含むモノマーであり、具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノエステルなどが挙げられる。これらのモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
((B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー)
当該粘着性材料においては、(B)成分として、一分子中に炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーが用いられる。
このオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーにおけるオキシアルキレン基は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であって、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。直鎖状のオキシアルキレン基は、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基及びオキシテトラメチレン基であり、分岐状オキシアルキレン基としては、オキシ−1−メチルエチレン基及びオキシ−1−メチルトリメチレン基などが挙げられる。
直鎖状オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、例えば分子内に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物のヒドロキシ基に、オキシアルキレン基の炭素数が2〜4のポリ(オキシトリメチレン)グリコール又はポリ(オキシテトラメチレン)グリコールの片末端のヒドロキシ基をエーテル化反応させたのち、もう一方の末端に存在するヒドロキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。
また、オキシエチレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、例えば分子内に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物のヒドロキシ基に、エチレンオキサイドを付加反応させ、得られたエチレンオキサイド付加ポリオールのヒドロキシ基に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。
一方、分岐状オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、例えば分子内に2個以上のヒドロキシ基を有するポリオール化合物のヒドロキシ基に、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを付加反応させ、得られたアルキレンオキサイド付加ポリオールのヒドロキシ基に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。
なお、オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーにおける複数のオキシアルキレン基は、同一のものでも、異なるものであってもよい。
このようにして得られた(B)成分のオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、形成される粘着剤の帯電防止性を向上させる効果と耐久性を向上させる効果を有する。まず、帯電防止性を向上させる効果について説明する。帯電防止性は、(B)成分のオキシアルキレン基で構成されるオキシアルキレン鎖によるものであり、そのオキシアルキレン基で構成されるオキシアルキレン鎖は親水性を有し、それ自体帯電防止性を有すると共に、当該粘着性材料に、導電剤として含有される後述の(C)成分であるアルカリ金属塩と錯体を形成するものと思われ、該アルカリ金属塩を溶解し、上記オキシアルキレン鎖とアルカリ金属塩との相乗効果により、優れた帯電防止性能を発揮する。
従来、アルカリ金属塩を粘着剤組成物と相溶化させるために、相溶化剤として例えばポリエーテルポリオール化合物に溶解させたものを帯電防止剤として用いられているが(前記特許文献2)、本発明においては、別途相溶化剤を使用しなくてもよく、アルカリ金属塩を単体で使用することもできる。
【0028】
前記した作用を効果的に発揮させると共に、粘着剤成分との相溶性の観点から、本発明においては、オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、一分子中に炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有することを要し、好ましくは3〜20個である。また、炭素数2〜4のオキシアルキレンとしてはオキシエチレン基が好ましい。
次に、(B)成分により耐久性を向上させる効果について説明する。(B)成分のオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、一分子中に2つ以上の(メタ)アクリレート部位を有する。当該部位は、(B)成分を含有する粘着性材料への活性エネルギー線の照射により粘着剤と為す際に、互いに結合し、三次元網目構造を形成するものと思われる。このため、一分子中に2つ以上の(メタ)アクリレート部位を有する(B)成分を所定量使用することにより形成される粘着剤の23℃及び80℃の貯蔵弾性率を高いものとし、耐久性を向上させることができる。前記のオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、前記の作用、架橋硬化性及び製造性などの観点から、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3〜10個有することが好ましく、3〜6個有することがより好ましく、特に3個有することが好ましい。したがって、このオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーを得るための出発原料であるポリオール化合物としては、ヒドロキシ基を3〜10個有するものが好ましく、3〜6個有するものがより好ましく、特に3個を有するものが好ましい。
【0029】
ヒドロキシ基3個を有するポリオール化合物としては、例えばトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンなどが挙げられ、ヒドロキシ基4個を有するポリオール化合物としては、例えばペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリンなどが挙げられる。ヒドロキシ基5個を有するポリオール化合物としては、例えばトリ(トリメチロールプロパン)、トリグリセリンなどが挙げられ、ヒドロキシ基6個を有するポリオール化合物としては、例えばジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物の中で、特にトリメチロールプロパンが好適である。
このようにして製造された(B)成分の具体的態様としては、例えば、一分子中に3〜30個のオキシエチレン部位を有するポリオキシエチレン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、及び一分子中に4〜40個のオキシエチレン部位を有するポリオキシエチレン変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどを好ましく挙げることができ、一分子中に3個又は9個のオキシエチレン部位を有するポリオキシエチレン変性トリメチロールプロパントリアクリレートを特に好ましく挙げることができる。
【0030】
本発明においては、前記(B)成分のオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記(A)成分のアクリル系共重合体と(B)成分のオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーとの含有割合は、得られる粘着剤の性能の面から、質量比で100:1〜100:50の範囲が好ましく、100:10〜100:35の範囲がより好ましい。
【0031】
((C)アルカリ金属塩)
当該粘着性材料においては、(C)成分として導電剤のアルカリ金属塩が用いられる。このアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属カチオンとしては、Li+、Na+、K+を挙げることができ、これらの中で、特にLi+が帯電防止性能の点から、好適である。
一方、該アルカリ金属塩を構成するアニオンとしては、特に制限はないが、例えばF-、Cl-、Br-、I-、BF4-、PF6-、SCN-、ClO4-、CF3SO3-、(CF3SO2)2-、(CF3SO2)3-、RSO3-(R:アリール基)などを好ましく挙げることができる。これらの中で性能の点から、特にClO4-が好適である。
この(C)成分として用いられるアルカリ金属塩の具体例としてはLiBr、LiI、LiBF4、LiPF6、LiSCN、LiClO4、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、さらにはオクチルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ジブチルナフタレンスルホン酸リチウムなど、並びにこれらの塩のLi(リチウム)を、KやNaに置き換えた化合物を挙げることができるが、これらの中でLi塩が好ましく、特にLiClO4(過塩素酸リチウム)が好ましい。
本発明においては、この(C)成分のアルカリ金属塩は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の効果が損なわれない範囲で、アルカリ金属塩以外の導電剤を併用することができる。
【0032】
当該粘着性材料における前記(C)成分のアルカリ金属塩の含有割合については、前記(B)成分オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーのオキシアルキレン鎖を用いて、(C)成分のアルカリ金属塩と錯体の形成を通して溶解させる観点から、該オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーにおけるオキシアルキレン基のモル数と、該アルカリ金属塩のモル数との比が、好ましくは100:10〜100:200、より好ましくは100:20〜100:180、さらに好ましくは100:30〜100:160になるようにアルカリ金属塩を含有させるのがよい。
【0033】
((D)架橋剤)
当該粘着性材料においては、(D)成分として架橋剤を含有させることができる。
この架橋剤としては、前述した(A)成分のアクリル系共重合体における、(A−1)成分のアクリル系共重合体の架橋点である水酸基、及び(A−2)成分のアクリル系共重合体の架橋点であるカルボキシル基と反応して、該(A)成分のアクリル系共重合体を架橋し得るものであればよく、特に制限されず、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、アジリジン系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、該(A)成分との相溶性及び反応時の副反応が少ないことからポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記(A)成分であるアクリル系共重合体100質量部に対し、通常0.01〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部の範囲で選定される。
【0034】
(シラン系カップリング剤)
当該粘着性材料には、さらにシラン系カップリング剤を含有させることができる。
このシラン系カップリング剤は、例えば本発明の粘着剤を介して、偏光板などの光学部材を液晶セルのガラス基板に、湿熱条件下でも接着性よく貼着するために用いられる。
このシラン系カップリング剤としては、例えば、トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0035】
さらに、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピル(メチル)ジエトキシシラン、2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、2−イソシアナトエチル(メチル)ジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチル(メチル)ジエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル(メチル)ジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジエトキシシランなど、及びこれらのシラン化合物のエトキシ基をメトキシ基に置き換えたシラン化合物を用いることもできる。
これらのシラン系カップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またその添加量は、当該粘着性材料の固形分100質量部に対し、通常0.001〜10質量部程度、好ましくは0.1〜7質量部である。
【0036】
(光重合開始剤)
当該粘着性材料には、所望により光重合開始剤を含有させることができる。
該光重合開始剤は、後述の活性エネルギー線の照射によりラジカル等を発生させ、前記(B)成分の(メタ)アクリレート部位の重合を開始させる。
この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記(B)成分のアルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー100質量部に対して、通常0.2〜20質量部、好ましくは1〜15質量部である。
【0037】
(粘着性材料を含む塗工液の調製)
当該粘着性材料を含む塗工液の調製方法に特に制限はなく、例えば溶媒中に、前述した(A)成分アクリル系共重合体、(B)成分のアルキレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、(C)成分のアルカリ金属塩、必要に応じて用いられる(D)成分の架橋剤及び/又はシラン系カップリング剤や光重合開始剤、さらには各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを加え、撹拌混合することにより、当該粘着性材料を含む塗工液を調製することができる。
前記溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
この塗工液中の粘着性材料の濃度としては、該塗工液が塗工に適した粘度であればよく、特に制限はない。
【0038】
[光学用粘着剤]
本発明の光学用粘着剤は、前記のようにして得られた粘着性材料を含む塗工液を用いて得られた粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなるものである。
なお、活性エネルギー線とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線や電子線などを指す。上記紫外線は、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、キセノンランプなどで得られ、一方、電子線は電子線加速器などによって得られる。この活性エネルギー線の中では、特に紫外線が好適である。なお、電子線を使用する場合は、光重合開始剤を添加することなく、粘着剤を形成することができる。
当該粘着性材料に対する活性エネルギー線の照射量としては、好適な貯蔵弾性率、無アルカリガラスに対する粘着力を有する粘着剤が得られるように、適宜選定されるが、紫外線の場合は照度50〜1000mW/cm2、光量50〜1000mJ/cm2、電子線の場合は10〜1000kradの範囲が好ましい。
【0039】
本発明の光学用粘着剤においては、23℃における貯蔵弾性率(G')が0.3〜15MPaの範囲にあることが好ましい。23℃におけるG'が上記範囲にあれば、該粘着剤を介して、偏光板を液晶セルに貼着する場合に、耐久性よく接着し得ると共に、十分な光漏れ防止性が得られる。より好ましい23℃の貯蔵弾性率(G')は、0.35〜12MPaであり、さらに好ましくは0.5〜5MPaである。また、80℃における貯蔵弾性率(G')は、0.2MPa以上が好ましく、より好ましくは0.2〜3MPa、さらに好ましくは0.3〜3MPaである。
なお、前記貯蔵弾性率(G')は、下記の方法で測定した値である。
<貯蔵弾性率(G')の測定方法>
貯蔵弾性率(G')は、基材を有しない粘着シートを作製し、その粘着剤を積層し、8mmφ×3mm厚の円柱状の試験片を作製し、JIS K 7244−6に基づき、ねじり剪断法により、周波数:1Hz、温度:23℃、80℃の条件で測定して得た値である。
【0040】
また、本発明の光学用粘着剤は、貼合後24時間経過後の無アルカリガラスに対する粘着力が、20N/25mm以下であることが好ましい。該粘着力が20N/25mm以下であると、液晶セルにダメージを与えることなく再剥離が可能である。また、該粘着力は0.2〜20N/25mmの範囲であることが好ましい。この粘着力が0.2N/25mm以上であれば、偏光板を十分な粘着力でもって、例えば液晶セルに貼合することができる。
なお、上記粘着力は、下記の方法で測定した値である。
<無アルカリガラスに対する粘着力>
粘着剤付き偏光板から、25mm幅、100mm長のサンプルを切り出し、剥離シートを剥がして(粘着剤層の厚さ25μm)、無アルカリガラスに貼付したのち、オートクレーブにて、0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧する。その後、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置したのち、同環境下で、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定する。
【0041】
本発明の光学用粘着剤はゲル分率が85%以上であることが好ましい。すなわち、有機溶媒にて抽出される程度の低分子量成分が少ない場合は、加熱下や温熱下の環境で浮きや剥がれ、被着体への汚染が少なく、ゲル分率が85%以上である粘着剤は耐久性や安定性が高い。ゲル分率はさらに90〜99.9%であることが好ましい。
【0042】
[光学用粘着シート]
本発明はまた、2枚の剥離シートの剥離層側に接するように、前述した本発明の光学用粘着剤を挟持してなる光学用粘着シートをも提供する。この光学用粘着シートは、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、剥離シートの剥離層上に、前述した粘着性材料を含む塗工液を、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて塗工し、乾燥して粘着性材料層を形成させる。次いで、この粘着性材料層上に、前記剥離シートとは剥離強度の異なる別の剥離シートを、その剥離層が接するように貼付したのち、活性エネルギー線を照射することにより、光学用粘着シートを作製する。あるいは、一方の剥離シートの剥離層上に粘着性材料層を設け、活性エネルギー線を照射したのち、この上に他の剥離シートを剥離層面が接するように貼付することにより、光学用粘着シートを作製する。
なお、この光学用粘着シートの厚さ(剥離シートは含まず)は、通常5〜100μm程度、好ましくは10〜50μmである。
【0043】
前記剥離シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布し剥離層を設けたものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
【0044】
[粘着剤付き光学部材]
さらに、本発明は、光学部材上に、前述した本発明の光学用粘着剤からなる層を有する、粘着剤付き光学部材を提供する。
前記光学部材としては、例えば偏光板、位相差板、光学補償フィルム、反射シート、輝度向上フィルムなどを挙げることができるが、これらの中で偏光板及び位相差板が好ましく用いられる。また、本発明の光学用粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm程度、好ましくは10〜50μm、より好ましくは10〜30μmである。
この粘着剤付き光学部材は、例えば以下のようにて作製することができる。
剥離シートの剥離層上に、前述した方法に従って、粘着性材料層を設け、この上に光学部材を貼合したのち、該剥離シートを除去し、粘着性材料層の露出した面側から、もしくは、該剥離シートを除去せずに該剥離シート側から活性エネルギー線を照射することにより、粘着剤付き光学部材を作製することができる。
【0045】
本発明の光学用粘着剤は、偏光フィルム単独からなる偏光板に適用して、該偏光板を、例えば液晶ガラスセルに接着させるのに用いることができるが、特に偏光フィルムと視野角拡大フィルムとが一体化してなる偏光板に適用し、この偏光板を、例えば液晶ガラスセルに接着させるのに、好ましく用いることができる。
前記偏光フィルムと視野角拡大フィルムとが一体化してなる偏光板としては、例えばポリビニルアルコール系偏光子の両面に、それぞれトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを貼り合わせてなる偏光フィルムの片面に、例えばディスコティック液晶からなる視野角拡大機能層を塗布により設けたもの、あるいは視野角拡大フィルムを接着剤で貼り合わせたものなどを挙げることができる。この場合、本発明の光学用粘着剤は、前記視野角拡大機能層又は視野角拡大フィルム側に設ける。
本発明の光学用粘着剤を用いて、前記のようにして液晶ガラスセルに偏光板を接着させることにより作製した液晶表示装置は、高温高湿環境下でも光漏れが生じにくい上、偏光板と液晶ガラスセルとの接着耐久性に優れている。
【0046】
また、本発明の光学用粘着剤は、視野角特性の改善を図るため、偏光板と液晶セルの間に粘着剤を介して位相差板が配置される場合においても好適に使用し得る。すなわち、偏光フィルム単独からなる偏光板と位相差板を本発明の光学用粘着剤で貼合して光学フィルムを製造し、該光学フィルムの位相差板と液晶ガラスセルを粘着剤で貼合すればよい。ここで位相差板と液晶ガラスセルを貼合する粘着剤としては特に限定されず、通常偏光板と液晶ガラスセルの貼合に用いられる粘着剤を使用することができる。
【実施例】
【0047】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた粘着剤の性能、粘着剤付き偏光板の性能及びアルカリ金属塩の非析出性を、以下に示す要領で求めた。
(1)粘着剤の貯蔵弾性率
貯蔵弾性率(G')は、基材を有しない粘着シートを作製し、その粘着剤を積層し、8mmφ×3mm厚の円柱状の試験片を作製し、JIS K 7244−6に基づき、ねじり剪断法により、レオメトリック社製動的粘弾性測定装置「DYNAMIC ANALYZER RDAII」を用いて、周波数:1Hz、温度:23℃、80℃の条件で測定して得た値である。
(2)粘着力(無アルカリガラスに対する粘着力)
粘着剤付き偏光板から、25mm幅、100mm長のサンプルを切り出し、剥離シートを剥がして(粘着剤層の厚さ25μm)、無アルカリガラス[コーニング社製、「1737」]に貼付したのち、栗原製作所製オートクレーブにて、0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧する。その後、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置したのち、同環境下で、引張試験機[オリエンテック社製、「テンシロン」]を用いて、剥離速度300mm/分、剥離角度180°の条件で粘着力を測定する。
(3)ゲル分率
粘着剤厚25μmを80mm×80mmのサイズにサンプリングして、ポリエステル製メッシュ(メッシュサイズ200)に包み粘着剤のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM1とする。ソックスレー(抽出器)を用いて酢酸エチル溶剤に粘着剤を浸漬させ、還流を行い16時間処理した。その後粘着剤をとり出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、24時間で風乾させ、さらに80℃のオーブン中にて12時間乾燥させた。乾燥後の粘着剤のみの重さを精密天秤にて秤量した。このときの重さをM2とする。ゲル分率は、(M2/M1)×100で表される(%)。
【0048】
(4)表面抵抗率
剥離シート上に設けられた粘着剤層を縦横50mmに裁断し、測定試料とした。該測定試料は、23℃、湿度50%の条件下で24時間調湿後、JIS K 6911に準拠して剥離シートの積層されていない面の表面を、三菱化学社製「ハイレスタ UP MCP−HT450」にて、印加電圧100Vで測定し、表面抵抗率を求めた。
(5)全光線透過率及びヘーズ値
日本電色工業(株)製ヘーズメーター「NDH−2000」を用い、JIS K 7136に準拠して、全光線透過率及びヘーズ値を測定した。
【0049】
(6)粘着剤付き偏光フィルムの耐久性(15インチサイズ)
粘着剤付き偏光フィルムを、裁断装置[荻野精機製作所社製、スーパーカッター「PN1−600」]により、233mm×309mmサイズに調整したのち、無アルカリガラス[コーニング社製、「1737」]に貼合後、栗原製作所社製オートクレーブにて、0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧した。その後、下記の各耐久条件の環境下に投入し、200時間後に、10倍率ルーペを用いて観察を行い、以下の判定基準で耐久性を評価した。
◎:欠点(浮き、ハガレ、発泡等)が全くない
○:0.3mm以下の欠点がある
△:0.5mm以下の欠点がある
×:0.7mm以下の欠点がある
<耐久条件>
60℃・相対湿度90%環境、80℃ドライ環境、90℃ドライ環境
−20℃⇔60℃の各30分のヒートショック試験、200サイクル
【0050】
(7)光漏れ防止性(15インチサイズ)
粘着剤付き偏光板を、裁断装置[荻野精機製作所製、スーパーカッター「PN1−600」]により、233mm×309mmサイズに調整したのち、無アルカリガラス[コーニング社製、「1737」]に貼合後、栗原製作所製オートクレーブにて、0.5MPa、50℃、20分間の条件で加圧した。なお、上記貼合は、無アルカリガラスの表裏に、粘着剤付き偏光板を偏光軸がクロスニコル状態になるように行った。この状態で80℃、200時間放置した。その後、23℃、相対湿度50%の環境下に2時間放置して、同環境下で、以下に示す方法で光漏れ防止性を評価した。
大塚電子社製MCPD−2000を用い、図2に示す各領域の明度を測定し、明度差ΔL*を、式
ΔL*=[(b+c+d+e)/4]−a
(ただし、a、b、c、d及びeは、それぞれA領域、B領域、C領域、D領域及びE領域のあらかじめ定められた測定点(各領域の中央部1箇所)における明度である。)で求め、光漏れ性とする。ΔL*の値が小さいほど、光漏れが少ない(光漏れ防止性がよい)ことを示し、通常4.0未満であれば、液晶表示装置用として使用が可能であり、○とする。
【0051】
(8)アルカリ金属塩の非析出性
粘着剤付き偏光板の粘着剤層上の剥離シートを剥がし、露出した粘着剤層側をガラス板に貼付することにより測定試料を得る。
該測定試料は、60℃、RH90%の湿熱条件下、24時間放置し、その後、23℃、RH50%の湿熱条件まで冷却して、ガラス越しに目視にて下記基準で評価を行う。
◎:無色透明のもの
○:ごく僅かにくもっているもの
△:一部凝集物が見られるもの
×:全面に凝集物が見られるもの
【0052】
実施例1〜6及び比較例1〜4
第1表に示す組成(固形分換算)の粘着性材料を調製し、さらに溶媒としてトルエンを加えて固形分を20質量%に調整した塗工液を得た。該塗工液を用いて、剥離シートとしての厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート製剥離シート[リンテック社製、「SP−PET382050」]の剥離層上に、乾燥後の厚さが25μmになるように、ナイフ式塗工機で塗布したのち、90℃で1分間乾燥処理して粘着性材料層を形成した。
次いで、ディスコティック液晶層(視野角拡大機能層)付偏光フィルムからなる偏光板を、粘着性材料層とディスコティック液晶層が接するように貼合した。貼合してから30分後に剥離シート側から、紫外線(UV)を下記の条件で照射し、粘着剤付き偏光板を作製した。粘着剤層の厚さは25μmであった。
<UV照射条件>
・フュージョン社製無電極ランプ Hバルブ使用
・照度600mW/cm2、光量150mJ/cm2
UV照度・光量計は、アイグラフィックス社製「UVPF−36」を使用した。
粘着剤の性能、粘着剤付き偏光板の性能及びアルカリ金属塩の非析出性の評価結果を第2表に示す。
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
[注]
1)アクリル系共重合体(A−1):アクリル酸ブチル(BA)とアクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEA)とを、質量比98.5:1.5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量180万の共重合体
2)アクリル系共重合体(A−2):アクリル酸ブチルとアクリル酸(AA)とを、質量比95:5の割合で用い、常法に従って重合してなる、重量平均分子量180万の共重合体
3)A−TMPT−9EO:オキシエチレン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、オキシエチレン鎖の全オキシエチレン基の個数9[新中村化学社製]
4)A−TMPT−3EO:オキシエチレン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、オキシエチレン鎖の全オキシエチレン基の個数3[新中村化学社製]
5)ATM−35E:オキシエチレン変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、オキシエチレン鎖の全オキシエチレン基の個数35[新中村化学社製]
6)TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート[新中村化学社製]
7)EO(mmol):使用したオキシエチレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーの添加モル数に一分子当りのEOのユニット数を乗じることにより、算出した値である。
8)光重合開始剤:ベンゾフェノンと1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとの質量比1:1の混合物[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア500」]
9)架橋剤:トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート[日本ポリウレタン社製、「コロネートL」]
10)シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン[信越化学工業社製、「KBM−403」]
11)アルカリ金属塩:過塩素酸リチウム[ALDRICH社製]
12)アルカリ金属塩(mmol):添加モル数を表す。
13)アルカリ金属塩(質量%):粘着性材料の全固形分中の値である。
【0056】
【表3】

【0057】
第1表及び第2表から以下のことが分かる。
実施例の粘着剤は、いずれも比較例のものに比べて表面抵抗率が低く、帯電防止性能に優れている。また、実施例の粘着剤は、貼付24時間後の粘着力が1.30〜2.40N/25mmの範囲にあり、十分な粘着力を有すると共に、再剥離性も良好である。また、アルカリ金属塩の非析出性が良好である。さらに、実施例の粘着剤付き偏光フィルムは、いずれも耐久性及び光漏れ防止性が良好で、合格である。
比較例1及び2は、アルカリ金属塩を含有していないため、表面抵抗率が高く、帯電防止性が悪い。比較例3及び4は、多官能アクリレート系モノマーとして、オキシアルキレンで変性していないトリメチロールプロパントリアクリレートを用いているため、アルカリ金属塩の非析出性が悪い。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の光学用粘着剤は、光学部材を被着体に積層する際に用いられる、帯電防止性能を有すると共に、良好な粘着力と再剥離性及び耐久性を備え、かつ透明性及び帯電防止剤のブリード防止性をも兼ね備えており、偏光板などの光学部材用として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0059】
1 ポリビニルアルコール系偏光子
2 TACフィルムI
2' TACフィルムII
3 粘着剤層
4 剥離シート
5 表面保護フィルム
10 偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アクリル系共重合体、(B)一分子中に、炭素数2〜4のオキシアルキレン基を3〜40個有するオキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマー、及び(C)アルカリ金属塩を含む粘着性材料に、活性エネルギー線を照射してなる光学用粘着剤。
【請求項2】
(C)アルカリ金属塩がリチウム塩である請求項1に記載の光学用粘着剤。
【請求項3】
(B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーが、一分子中に(メタ)アクリロイル基を3〜10個有するものである請求項1又は2に記載の光学用粘着剤。
【請求項4】
(A)成分と(B)成分の含有割合が、質量比で100:1〜100:50である請求項1〜3のいずれかに記載の光学用粘着剤。
【請求項5】
(B)オキシアルキレン変性多官能(メタ)アクリレート系モノマーにおけるオキシアルキレン基のモル数と、(C)アルカリ金属塩のモル数との比が、100:10〜100:200である請求項1〜4のいずれかに記載の光学用粘着剤。
【請求項6】
粘着性材料が、さらに(D)成分として架橋剤を含む請求項1〜5のいずれかに記載の光学用粘着剤。
【請求項7】
2枚の剥離シートの剥離層側に接するように請求項1〜6のいずれかに記載の光学用粘着剤を挟持してなる光学用粘着シート。
【請求項8】
光学部材上に、請求項1〜6のいずれかに記載の光学用粘着剤からなる層を有する粘着剤付き光学部材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−229342(P2010−229342A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79918(P2009−79918)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】