説明

光学異方体の製造方法

【課題】 基板との密着性を改善した光学異方体の効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】 重合性液晶組成物を基板に塗布した後、重合性液晶組成物がスメクチックA相を呈する温度に調節することによって、基板面に対して重合性液晶組成物中の液晶分子をホメオトロピック配向させ、その状態で活性エネルギー線を照射し配向状態を固定することを特徴とする光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体の製造方法を提供する。本願発明の製造方法により、極性が高いか又は疎水性が低い界面であっても容易に光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体を製造することが可能となる。当該方法で製造された光学異方体は、基板との密着性に優れ、製造効率も高いことからCプレート等の構成部材として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学異方体の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
重合性液晶材料を基板に塗布した後、配向させた状態で光重合させることにより位相差フィルムなどの光学異方体を製造する方法が知られている。液晶材料は多様な配向構造をとることができるため、高分子を延伸処理して作製する光学異方体では実現困難な特性を得ることが可能である。このような重合性液晶を用いた光学異方体製造方法の特長を生かした位相差フィルムの例として、液晶ディスプレイの技術分野でCプレートと呼ばれる位相差フィルムがある。この位相差フィルムは、フィルム面内方向の屈折率は一様であり、厚み方向の屈折率が面内方向と異なっている。つまり光軸はフィルム面に対して垂直方向に存在する。このようなフィルムは、重合性ネマチック液晶材料のダイレクター(director)が基板に対して垂直になるように配向させ、つまり、ホメオトロピック配向させた状態にて重合性液晶材料を重合・硬化させることによって製造できることが知られている。一般に、基板に重合性ネマチック液晶材料を塗布しただけではホメオトロピック配向しないため、基板に「垂直配向膜」とよばれる配向膜を形成することや界面活性剤等で処理する必要がある。しかしながら、配向膜を形成したり、界面活性剤で処理することは、作製された光学異方体と基板との密着性を損なってしまうという問題があった。これは、ネマチック液晶材料をホメオトロピック配向させるには、極性の低い、疎水性の高い表面が必要であること、もしくは表面自由エネルギーの低い表面が必要であることに関係していると思われる。
【0003】
配向膜の形成又は界面活性剤を用いずに、密着性の問題を解決する手段として、電界を用いてホメオトロピック配向させる方法も提案されている(特許文献1)。しかし、電界を印可するためには通常の液晶セルと同様に、重合性液晶材料を2枚の基板で挟時させる必要があり、製造効率やコストの面で問題がある。
以上のように、製造効率を低下することなく基板との密着性を改善した光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体の製造は容易ではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平8−21915号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板との密着性を改善した光学異方体の効率的な製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願発明者らは基板に垂直配向膜の形成又は界面活性剤等での処理を行わずに、液晶分子をホメオトロピック配向させることが可能な方法について検討を行った。その結果、重合性液晶組成物を基板表面に塗布した際にスメクチックA相を呈するような重合性液晶組成物を用いることにより、前述の方法を用いることなく液晶分子をホメオトロピック配向させることが可能なことを見出し本願発明の完成に至った。
【0007】
すなわち、重合性液晶組成物を基板に塗布した後、重合性液晶組成物がスメクチックA相を呈する温度に調節することによって、基板面に対して重合性液晶組成物中の液晶分子をホメオトロピック配向させ、その状態で活性エネルギー線を照射し配向状態を固定することを特徴とする光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の製造方法により、極性が高いか又は疎水性が低い界面であっても容易に光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体を製造することが可能となる。当該方法で製造された光学異方体は、基板との密着性に優れ、製造効率も高いことからCプレート等の構成部材として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に本発明の一例について説明する。
重合性液晶組成物を塗布する際は、そのまま塗布しても、また溶媒に溶解させて塗布しても良い。重合性液晶組成物を溶解させる溶媒は、所望の濃度で溶解させることができ、かつ所望の蒸気圧を有する有機溶媒であれば、特に制限なく使用することができる。好ましい溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クメンなどのアルキル置換ベンゼンやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル等のエーテルやエステル類を挙げることができる。さらにこれらの溶媒にジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N-メチルピロリジノン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等を添加しても良い。
【0010】
本願発明の製造方法によって製造された光学異方体をCプレートとして応用する場合、基板は製造した光学異方体の支持板として使用することが好ましい。一般的にCプレートの厚みは数〜20μm程度であるため、単体で十分な機械的強度を確保しづらいためである。このような目的から、基板として液晶セルのガラス基板を使用することができる。該ガラス基板にカラーフィルターやTFT(薄膜トランジスタ)が形成されていても良い。また、Cプレートは他の位相差フィルムや偏光フィルムと組み合わせて用いられる場合が多いので、これらのフィルムを基板として用いても良い。具体的には他の位相差フィルムとしては重合性液晶を硬化させて製造したものや、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン(製品名「アートン」(JSR製)、「ゼオノア」(日本ゼオン製)等)等をあげることができる。また、偏光フィルムのポリビニルアルコール、保護フィルムであるセルロースアシレート、例えばTACと称されるトリアセチルセルロース等をあげることができる。これらの基板には、光学異方体との密着性をさらに改善する目的で、ポリイミド配向膜、この中でも通常水平配向膜としてTNやIPS方式のディスプレイに使用されている配向膜を形成しても良い。また、基板がエステル基を有していれば、基板表面を部分的に鹸化処理することも有効である。さらには基板をUV照射処理、プラズマ処理して密着性を改善することもできる。 本願発明の製造方法は、表面自由エネルギーが大きい基板であっても、光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体を効率良く製造することが可能であるが、基板の表面自由エネルギーとして(Owens-Wendtの方法による:D.K.Owens and R.C.Wendt, J. Appl. Polym.Sci, 13, 1741(1969))、48mN/m以上、さらに好ましくは52mN/m以上、特に好ましくは56mN/m以上を値を持つ基板を使用することが好ましい。表面自由エネルギーの測定が困難な場合、表面自由エネルギーにかわる指標として、特定の液体を滴下した際の接触角を用いることができる。例えば、水を滴下した場合の接触角としては70度以下、さらに68度以下が好ましく、特に65度以下が好ましい。また、ジヨードメタンを滴下した場合の接触角としては、26度以下が好ましく、さらに24度以下が好ましく、特に22度以下が好ましい。また、1-ブロモナフタレンを滴下した場合の接触角としては、12度以下が好ましく、さらに11度以下が好ましく、特に10度以下が好ましい。
【0011】
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。
【0012】
重合性液晶組成物を溶媒に溶解させて塗布した場合は、塗布後に溶媒を揮発させる必要がある。溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥をあげることができる。
【0013】
重合性液晶組成物としては、スメクチックA相を呈する材料であり、この技術分野で重合性液晶と認識されるものであれば特に制限無く使用することができるが、紫外線もしくは電子線の活性エネルギー線を照射して重合させる際の温度においてスメクチックAを呈するように重合性液晶組成物の特性を調節する必要がある。このような観点から、スメクチックA相の上限温度は活性エネルギー線を照射して重合させる温度より高く設定することが好ましい。また、スメクチックA相−ネマチック相の相系列を持つものは、配向の均一性が高くなることから好ましい。配向の均一性を確保する観点から、スメクチックA相−ネマチック相転移温度は、塗布基板の温度に対して、1〜20℃高い温度に設定することが好ましく、5〜15℃高い温度に設定することが更に好ましく、8〜12℃高い温度に設定することが特に好ましい。例えば、塗布基板の温度を25℃にする場合、スメクチックA相−ネマチック相転移温度は、26〜45℃に設定するのが好ましく、30〜40℃に設定するのが更に好ましく、33〜37℃に設定するのが特に好ましい。塗布基板の温度は10〜60℃の範囲に設定するのが好ましく、15〜35℃の範囲に設定するのが更に好ましく、18〜28℃の範囲に設定するのが好ましい。以上を考慮すると、スメクチックA-ネマチック相転移温度は11〜80℃に設定するのが好ましく、16〜55℃に設定するのが更に好ましく、19〜48℃に設定するのが特に好ましい。
【0014】
重合性液晶組成物中に含有される化合物としては、製造する硬化フィルムの耐熱性を確保する観点から、重合性の官能基を分子中に少なくとも2つ以上有するものを使用することが好ましい。特に好ましい化合物としては、一般式(I)
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物が好ましい。
【0017】
一般式(I)において、W及びWは−O−を表し、Yは−COO−を表し、Yは−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に3〜12の整数である化合物がより好ましく、p=q=6又はp=q=3である化合物が好ましい。
一般式(I)で表される化合物はさらに具体的には、一般式(I−1)〜一般式(I―8)で表される化合物を挙げることができる。
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、p及びqは一般式(I)における意味と同じ。)
一般式(I−1)〜一般式(I―8)において、p及びqはそれぞれ独立的に3〜12の整数であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、本発明の組成物が安定に液晶相を発現させる目的と結晶相の析出を避ける目的から、2種以上含有させることが好ましく、一般式(I−1)〜一般式(I―8)において、p=q=6又はp=q=3の化合物を2種以上含有することが特に好ましい。
【0020】
一般式(I)で表される化合物の重合性液晶組成物中での濃度は、耐熱性や液晶温度範囲の観点から20質量%以上が好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、60質量%以上が特に好ましい。
重合性液晶組成物としては、一般式(II)
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Yは−COO−又は−OCO−を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有させることが好ましい。一般式(II)のような2官能液晶性アクリレートを用いると、室温でスメクチックA相を呈する組成物を容易に得ることができる。一般式(II)で表される化合物は、さらに具体的には、一般式(II−1)〜一般式(II―10)で表される化合物を挙げることができる。
【0023】
【化4】

【0024】
(式中、r及びsは一般式(II)における意味と同じ。)
一般式(II)で表される化合物の重合性液晶組成物中での濃度は、耐熱性や液晶温度範囲の観点から5〜50質量%が好ましく、7〜40質量%がさらに好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
重合性液晶組成物としては、シアノ基を有する単官能液晶性アクリレートを含有させることも、スメクチックA相を呈する傾向があるため好ましい。具体的には、一般式(III)
【0025】
【化5】

【0026】
(式中、Wは単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立に単結合、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-又は-OCO-CH=CH-を表し、tは2〜18の整数を表し、nは0または1を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物が好ましい。一般式(III)で表される化合物の中でも、Y及びYはそれぞれ独立に単結合、-COO-又は-OCO-で表されるものが好ましい。さらに具体的には、一般式(III−1)〜一般式(III―4)で表される化合物を挙げることができる。
【0027】
【化6】

【0028】
(式中、tは一般式(III)における意味と同じ。)
一般式(III−1)〜一般式(III―4)の中でも、スメクチックA相の下限温度を40℃以下にする観点から、(III-1)及び(III-3)の化合物が好ましく、一般式(III-1)の化合物が特に好ましい。tは3〜18が好ましく、4〜16が好ましく、6〜12がさらに好ましい。3より小さいとスメクチックA相を得るのが難しくなる傾向があり、12より大きいと光重合して得られる重合体の耐熱性が劣化する傾向がある。一般式(III)で表される化合物の重合性液晶組成物中の濃度は、耐熱性や液晶温度範囲の観点から20質量%以下が好ましく、15質量%がさらに好ましい。
以上あげた化合物の他にも重合性液晶組成物に、2官能液晶性アクリレートとしては、一般式(a−1)〜一般式(a―10)で表される化化合物を含有させることができる。
【0029】
【化7】

【0030】
(式中、u及びvはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表す。)
u及びvは3〜18が好ましく、4〜16が好ましく、6〜12がさらに好ましい。3より小さいとスメクチックA相を得るのが難しくなる傾向があり、12より大きいと光重合して得られる重合体の耐熱性が劣化する傾向がある。
【0031】
重合性液晶組成物には、重合性官能基を有する化合物であって、液晶性を示さない化合物を添加することもできる。このような化合物としては、通常、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであれば特に制限なく使用することができるが、その添加量は組成物としてスメクチックA相を呈するように調整する必要がある。
重合性液晶組成物の粘度は、塗布性を確保するために室温(25℃)において、2000mPa・s以上、さらに好ましくは3500cps以上、特に好ましくは5000mPa・s以上に調節することが好ましい。
【0032】
また、重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。その添加量は、液晶組成物に対して0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜1質量%がさらに好ましく、0.03〜1質量%の範囲が特に好ましい。
また、重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。使用できる安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%がさらに好ましく、0.03〜0.1質量%が特に好ましい。
【0033】
また、重合性液晶組成物には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
【0034】
本発明の製造方法において重合させるための活性エネルギー線として紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。照射時の温度は、重合性液晶組成物がスメクチックA相を呈する温度に調整される必要がある。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm〜2W/cmが好ましい。強度が0.1mW/cm以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm以上の場合、は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
【0035】
重合によって得られた光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲で、また熱処理時間は30秒〜12時間の範囲が好ましい。
このような方法によって製造される光学異方体は積層しても、他の基板に転写しても良い。
【0036】
本発明の製造方法で得られた光学異方体は基板との接着性に優れているため、液晶ディスプレイ用光学異方体として有用である。特に「C-プレート」タイプの光学異方体は液晶ディスプレイに必須部品である偏光フィルムの視野角依存性を改善するのに有用であることが知られており、適用範囲が広い。液晶ディスプレイの中でも、視野角が広いIPS(インプレーンスイッチング)モードやSS-FLC(表面安定化強誘電性液晶)モードの視野角をさらに改善できるので、これらモードへの適用は好ましい形態である。本光学異方体は液晶ディスプレイにおいて使用される偏光板と液晶層の間に配置されれば良く、液晶セルと偏光板の間、もしくは液晶セル内部に設置しても良い。液晶セル内部への配置は視差解消に効果があるため好ましい。 当該光学異方体は液晶ディスプレイ中に複数配置しても良い。当該光学異方体の光学パラメータとしては、Rth((厚み方向の屈折率−面内方向の屈折率)×厚み)が重要で、50〜200nmに設定するのが好ましく、60-180nmがさらに好ましい。
【実施例】
【0037】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味し、室温とは25℃を意味する。
(実施例1)
以下に示す組成の重合性液晶組成物(A)を調製した。
【0038】
【化8】

【0039】
重合性液晶組成物(A)は、一度、等方性液体相まで加熱してから冷却すると、70℃でネマチック相に相転移し、35℃でスメクチックA相に相転移した。このスメクチックA相は室温においても保たれた。本組成物(A)に光重合開始剤イルガキュアー651(チバスペシャリティケミカルズ製)2%を添加して、組成物(A-1)を調製した。さらに、組成物(A-1)を濃度が30%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、塗布組成物(A-2)を調整した。
【0040】
次にポリイミド配向膜付きガラス基板を用意した。ポリイミドの表面自由エネルギーは49.3mN/mであった(Owens-Wendtの式による)。ポリイミドに水を滴下した場合の接触角は67.9度で、ジヨードメタンを滴下した場合の接触角は24.5度で、1-ブロモナフタレンを滴下した場合の接触角は11.8度であった。本ポリイミド配向膜ガラス基板を2枚用意して、2枚の基板を10μmの間隙をもって対向させ、お互いのラビング方向が平行になるように配置し、その間隙にネマチック液晶化合物4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを注入した。これを2枚の偏光板の間において観察したところ、ネマチック液晶はホモジニアス配向しており、ポリイミド基板に対してネマチック液晶がホメオトロピック配向していないことが確かめられた。
【0041】
このラビングしたポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温にて塗布組成物(A-2)をスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。Rthを測定したところ、150nmであった。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0042】
(実施例2)
ラビングしていないポリイミド配向膜付きガラス基板を用意した。ポリイミド自体は実施例1と同じものを用いた。本ポリイミド配向膜ガラス基板を2枚用意して、2枚の基板を10μmの間隙をもって対向させ、その間隙にネマチック液晶化合物4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを注入した。これを2枚の偏光板の間において観察したところ、ネマチック液晶の配向はランダムであり、ポリイミド基板に対してネマチック液晶がホメオトロピック配向していないことが確かめられた。このラビングしていないポリイミド配向膜付きガラス基板に、実施例1で調整した塗布組成物(A-2)を室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0043】
(実施例3)
ガラス基板を用意した。本ガラス基板を2枚用意して、2枚の基板を10μmの間隙をもって対向させ、その間隙にネマチック液晶化合物4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを注入した。これを2枚の偏光板の間において観察したところ、ネマチック液晶の配向はランダムであり、ポリイミド基板に対してネマチック液晶がホメオトロピック配向していないことが確かめられた。このガラス基板に、実施例1で調整した塗布組成物(A-2)を室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0044】
(実施例4)
実施例3で用いたものと同じガラス基板に、実施例1で調製した塗布組成物(A-2)を室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。この基板を一度50℃まで加熱後、室温(25℃)まで徐冷して塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0045】
(実施例5)
実施例1で調整した組成物(A-1)を濃度が30%となるようにキシレンに溶解させ、塗布組成物(A-3)を用意した。これを、実施例3で用いたものと同じガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0046】
(実施例6)
実施例5で調製した塗布組成物(A-3)を、実施例3で用いたものと同じガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。この基板を一度50℃まで加熱後、室温(25℃)まで徐冷して塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0047】
(実施例7)
実施例1で調製した組成物(A-1)を濃度が30%となるようにアセトンに溶解させ、塗布組成物(A-4)を調製した。これを実施例1で用いたものと同じラビングしたポリイミド配向膜付きガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0048】
(実施例8)
実施例7で調製した塗布組成物(A-4)を、実施例2で用いたものと同じラビングしていないポリイミド配硬膜付きガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
【0049】
(実施例9)
実施例7で調製した塗布組成物(A-4)を、実施例3で用いたものと同じガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(A-1)はスメクチックA相を呈しており、ホメオトロピック配向していた。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(A-1)を硬化させた。硬化膜を観察したところ、ホメオトロピック配向状態が固定化されており、Cプレートが得られたことが確かめられた。得られた硬化膜とガラス基板の接着性は優れており、剥離は認められなかった。
(比較例1)
以下に示す組成の重合性液晶組成物(B)を調製した。
【0050】
【化9】

【0051】
重合性液晶組成物(B)は、一度、等方性液体相まで加熱してから冷却すると、72℃でネマチック相に相転移し、スメクチックA相は示さなかった。本組成物(B)に光重合開始剤イルガキュアー651(チバスペシャリティケミカルズ製)2%添加して、組成物(B-1)を調製した。さらに組成物(B-1)を濃度が30%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させ、塗布組成物(B-2)を調製した。これを実施例1で用いたものと同じラビングしたポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0052】
(比較例2)
比較例1で調製した塗布組成物(B-2)を、実施例2で用いたものと同じラビングしていないポリイミド配向膜付きガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0053】
(比較例3)
比較例1で調製した塗布組成物(B-2)を、実施例3で用いたものと同じガラス基板に室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0054】
(比較例4)
比較例1で調製した組成物(B-1)を濃度が30%となるようにキシレンに溶解させ、塗布組成物(B-3)を調製した。これを実施例1で用いたものと同じラビングしたポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0055】
(比較例5)
比較例4で調製した塗布組成物(B-3)を、実施例2で用いたものと同じラビングしていないポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0056】
(比較例6)
比較例4で調製した塗布組成物(B-3)を、実施例3で用いたものと同じガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0057】
(比較例7)
比較例1で調製した組成物(B-1)を濃度が30%となるようにアセトンに溶解させ、塗布組成物(B-4)を調製した。これを、実施例1で用いたものと同じラビングしたポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0058】
(比較例8)
比較例7で調製した塗布組成物(B-4)を、実施例2で用いたものと同じラビングしていないポリイミド配向膜付きガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0059】
(比較例9)
比較例7で調製した塗布組成物(B-4)を、実施例3で用いたものと同じガラス基板に、室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布厚は約1μmであった。塗布膜を観察したところ、組成物(B-1)はネマチック相を呈しており、ホメオトロピック配向していなかった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではなかった。
【0060】
(比較例10)
垂直配向性ポリイミド配向膜付きガラス基板を用意した。ポリイミドの表面自由エネルギーは42.4mN/mであった(Owens-Wendtの式による)。ポリイミドに水を滴下した場合の接触角は76.8度で、ジヨードメタンを滴下した場合の接触角は37.6度で、1-ブロモナフタレンを滴下した場合の接触角は21.0度であった。本ポリイミド配向膜ガラス基板を2枚用意して、2枚の基板を10μmの間隙をもって対向させ、お互いのラビング方向が平行になるように配置し、その間隙にネマチック液晶化合物4-シアノ-4’-ペンチルビフェニルを注入した。これを2枚の偏光板の間において観察したところ、ネマチック液晶はホメオトロピック配向していた。これに、比較例1で調製した塗布組成物(B-2)を室温(25℃)にてスピンコートした(3000回転/分で30秒回転)。塗布膜を観察したところ、組成物(B’)はホメオトロピック配向していたものの、膜厚ムラが大きく、塗布できていない部分もあった。この状態で、高圧水銀ランプを光源とする40mW/cm2の強度の紫外線を2分間照射することにより、組成物(B-1)は硬化させた。硬化膜を観察したところ、Cプレートではあるものの、膜厚ムラが大きく、塗れていない部分もあり、均一性に欠けていた。また、得られたCプレートフィルムは、垂直配向性ポリイミド配向膜から容易に剥離してしまった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性液晶組成物を基板に塗布した後、重合性液晶組成物がスメクチックA相を呈する温度に調節することによって、基板面に対して重合性液晶組成物中の液晶分子をホメオトロピック配向させ、その状態で活性エネルギー線を照射し配向状態を固定することを特徴とする光軸が基板面に対して垂直方向にある光学異方体の製造方法。
【請求項2】
重合性液晶組成物がスメクチックA−ネマチック相系列を有し、スメクチックA−ネマチック相転移温度が、基板の温度に対して1〜25℃高く設定されている請求項1記載の製造方法
【請求項3】
基板に配向膜が設けられている請求項1または2記載の製造方法
【請求項4】
重合性液晶組成物が一般式(I)
【化1】

(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立的に−COO−又は−OCO−を表し、p及びqはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項1から3のいずれかに記載の光学異方体の製造方法。
【請求項5】
重合性液晶組成物が一般式(II)
【化2】

(式中、W及びWはそれぞれ独立的に単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Yは−COO−又は−OCO−を表し、r及びsはそれぞれ独立的に2〜18の整数を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項1から4のいずれかに記載の光学異方体の製造方法。
【請求項6】
重合性液晶組成物が一般式(III)
【化3】

(式中、Wは単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、Y及びYはそれぞれ独立に単結合、-CH2CH2COO-、-CH2CH2OCO-、-COOCH2CH2-、-OCOCH2CH2-、-CH2CH2-、-CH2O-、-OCH2-、-COO-、-OCO-、-C≡C-、-CH=CH-、-CF=CF-、-(CH2)4-、-CH2CH2CH2O-、-OCH2CH2CH2-、-CH=CH-CH2CH2-、-CH2CH2-CH=CH-、-CH=CH-COO-又は-OCO-CH=CH-を表し、tは2〜18の整数を表し、nは0または1を表すが、式中に存在する1,4−フェニレン基は炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、シアノ基又はハロゲン原子で一つ以上置換されていても良い。)で表される化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載の光学異方体の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の方法で製造された光学異方体。
【請求項8】
請求項7記載の光学異方体を具備した液晶ディスプレイ。
【請求項9】
液晶ディスプレイの表示モードがIPS(インプレーンスイッチング)方式であることを特徴とする請求項8記載の液晶ディスプレイ。
【請求項10】
液晶ディスプレイの表示モードがSS-FLC(表面安定化強誘電性液晶)方式であることを特徴とする請求項8記載の液晶ディスプレイ。

【公開番号】特開2007−225765(P2007−225765A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−45169(P2006−45169)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】