説明

光学的情報読取装置

【課題】情報コードの疎密にかかわらず読取精度を向上させ得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】二値化処理により区分けされた配列データに基づいて、バーコードBを構成する明色パターンおよび暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定され、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定される。そして、デコードが失敗した場合であって、配列密度が高密度であると判定される場合には、高密度ではないと判定される場合と比較して、露光時間が短く設定されるとともに増幅率が高く設定される。また、配列密度が高密度ではないと判定される場合には、高密度であると判定される場合と比較して、露光時間が長く設定されるとともに増幅率が低く設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学的情報読取装置に関する技術として、下記特許文献1に示す情報コード読取り装置が知られている。この情報コード読取り装置は、照明光の光軸が基準水平に対してなす角度である傾き角度を検出するように構成されている。そして、傾き角度に基づいて装置が水平姿勢に近いことから近接読取りであると判断される場合には、読取り環境が比較的良好であると判断して、光学的センサの露光時間が短く設定されるとともに、波形整形部のアンプ利得(増幅率)が小さく設定される。また、傾き角度に基づいて装置が垂直姿勢に近いことから遠隔読取りであると判断される場合には、読取り環境が比較的良好とは言えないと判断して、光学的センサの露光時間が長く設定されるとともに、波形整形部のアンプ利得が大きく設定される。
【0003】
また、下記特許文献2に示す媒体マーク読取装置では、異なる密度のバーコードを読み取ることを前提に、そのバーコードに応じて出力される出力波形の周波数に基づいて、走査速度を調整することで、読み取りエラーの減少を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−309412号公報
【特許文献2】特開平06−004701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明のように、装置が垂直姿勢に近いことから遠隔読取りとして露光時間を長く設定すると、手ぶれの影響を受けやすい高密度の情報コードが読取対象である場合には、手ぶれの影響により読み取り失敗してしまうという問題があった。特に、単純に露光時間を長くかつ増幅率を高くするだけでは、ノイズの影響を考慮すると、手ぶれの影響およびノイズの影響の双方を適切に抑制することができないため、情報コードの疎密など使用環境に応じて露光時間および増幅率を適切に設定する必要がある。
【0006】
また、上記特許文献2では、バーコード長さが長いと低密度でありバーコード長さが短いと高密度であることを前提としており、例えば、公共料金用として採用されるCODE128のように、バーコード長が長くかつ高密度であるバーコードでは当該バーコードが高密度であるか否かが確実に判定できないという問題もある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、情報コードの疎密にかかわらず読取精度を向上させ得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、明色パターンおよび暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取り可能な光学的情報読取装置であって、前記情報コードを撮像する撮像手段と、前記撮像手段の露光時間を制御可能な露光時間制御手段と、前記撮像手段からの画像信号を増幅する増幅率を制御可能な増幅率制御手段と、増幅された前記画像信号の信号波形を所定の閾値と比較することで幅データを有する複数の明色領域および暗色領域に区分けする二値化手段と、二値化手段により区分けされた前記複数の明色領域および暗色領域が配列される配列データをデコードするデコード手段と、前記配列データに基づいて前記情報コードを構成する前記明色パターンおよび前記暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定し、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定する判定手段と、を備え、前記デコード手段によるデコードが失敗した場合であって、前記判定手段により前記配列密度が高密度であると判定される場合には、高密度ではないと判定される場合と比較して、前記露光時間制御手段により前記露光時間を短くするとともに前記増幅率制御手段により前記増幅率を高くし、前記判定手段により前記配列密度が高密度ではないと判定される場合には、高密度であると判定される場合と比較して、前記露光時間制御手段により前記露光時間を長くするとともに前記増幅率制御手段により前記増幅率を低くすることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記配列データを構成する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか1つに対応する前記画像信号の画素数が第1閾値以下の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、前記画素数が前記第1閾値を超える場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記配列データにおいて所定の領域内に存在する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか一方の総数が第2閾値以上の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、前記総数が前記第2閾値未満の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記配列データに含まれる特定領域を構成する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか一方の構成数が前記特定領域として予め規定される規定数未満である場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、前記構成数が前記規定数を超える場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4に記載の光学的情報読取装置において、前記判定手段は、前記構成数が前記規定数に等しい場合であって前記特定領域を構成する前記明色領域および前記暗色領域の配列構成が前記特定領域として予め規定される配列構成と異なる場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、二値化手段により区分けされた複数の明色領域および暗色領域が配列される配列データに基づいて、情報コードを構成する明色パターンおよび暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定され、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定される。そして、デコード手段によるデコードが失敗した場合であって、判定手段により配列密度が高密度であると判定される場合には、高密度ではないと判定される場合と比較して、露光時間制御手段により露光時間が短く設定されるとともに増幅率制御手段により増幅率が高く設定される。また、判定手段により配列密度が高密度ではないと判定される場合には、高密度であると判定される場合と比較して、露光時間制御手段により露光時間が長く設定されるとともに増幅率制御手段により増幅率が低く設定される。なお、デコード手段によるデコードが失敗した場合とは、デコード結果が得られない場合だけでなく、例えば、想定される結果と異なるデコード結果がえられた場合も含むものとする。
【0014】
これにより、配列密度が高密度であると判定される場合には、露光時間が短くかつ増幅率が高く設定されるので、高密度の情報コードを読み取る際に比較的に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。また、配列密度が高密度ではないと判定される場合には、露光時間が長くかつ増幅率が低く設定されるので、高密度ではない低密度の情報コードを読み取る際に比較的に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
したがって、情報コードの疎密にかかわらず当該情報コードの読取精度を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明では、判定手段は、配列データを構成する明色領域および暗色領域の少なくともいずれか1つに対応する画像信号の画素数が例えば高密度とみなされ得る第1閾値以下の場合に、配列密度が高密度であると判定し、画素数が第1閾値を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。これにより、第1閾値が使用環境に応じて例えば所定領域に対して10画素などのように適切に設定されることにより、配列密度が高密度であるか否かを確実に判定することができる。
【0016】
請求項3の発明では、判定手段は、配列データにおいて所定の領域内に存在する明色領域および暗色領域の少なくともいずれか一方の総数が例えば当該所定の領域との関係において高密度とみなされ得る第2閾値以上の場合に、配列密度が高密度であると判定し、総数が第2閾値未満の場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。これにより、第2閾値が所定の領域との関係において例えば5本などのように適切に設定されることにより、配列密度が高密度であるか否かを確実に判定することができる。
【0017】
請求項4の発明では、判定手段は、配列データに含まれる特定領域を構成する明色領域および暗色領域の少なくともいずれか一方の構成数が特定領域として予め規定される規定数未満である場合に、配列密度が高密度であると判定し、構成数が規定数を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。
【0018】
バーコードの一キャラクタを特定領域とするとき、このキャラクタの暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数未満である場合としては、例えば、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域数が減っている可能性が高いことから、手ぶれが大きく影響する高密度の情報コードを読取対象としている場合が想定される。そこで、特定領域での構成数が規定数未満である場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度の情報コードを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【0019】
また、バーコードの一キャラクタにおいて暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数を超える場合としては、例えば、ノイズの影響により暗色領域が分断されるために暗色領域として認識される領域数が増えている可能性が高いことから、ノイズが大きく影響する高密度ではない低密度の情報コードを読取対象としている場合が想定される。そこで、特定領域での構成数が規定数を超える場合には配列密度が低密度であると判断して、露光時間を長くかつ増幅率を低く設定することで、低密度の情報コードを読み取る際に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
【0020】
請求項5の発明では、判定手段は、構成数が規定数に等しい場合であって特定領域を構成する明色領域および暗色領域の配列構成が特定領域として予め規定される配列構成と異なる場合に、配列密度が高密度であると判定する。
【0021】
バーコードの一キャラクタを特定領域とするとき、このキャラクタの暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数に等しい場合であってもその配列構成が予め規定される配列構成と異なる場合としては、例えば、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化している可能性が高いことから、手ぶれが大きく影響する高密度の情報コードを読取対象としている場合が想定される。そこで、特定領域での構成数が規定数と等しくかつその配列構成が予め規定される配列構成と異なる場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度の情報コードを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係る光学的情報読取装置10の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の制御回路40における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図3】バーコードの疎密と配列データとの関係を示す説明図であり、図3(A)は高密度のバーコードBの状態を示し、図3(B)は低密度のバーコードBの状態を示す。
【図4】第3実施形態の制御回路40における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【図5】図5(A)は手ぶれの影響を受けた配列データの一部を示し、図5(B)はノイズの影響を受けた配列データの一部を示す。
【図6】第4実施形態に係る読取処理の要部を説明するための説明図であり、QRコードにおけるタイミングパターンPの配列データを示す。
【図7】図7(A)は手ぶれの影響を受けたタイミングパターンPの配列データを示し、図7(B)はノイズの影響を受けたタイミングパターンPの配列データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、光学的情報読取装置10は、対象物に表示されたバーコードやQRコード等の情報コードを読み取る装置として構成されている。この光学的情報読取装置10は、図示しないケースの内部に回路部20が収容されてなるものであり、回路部20は、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、トリガースイッチ42等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0024】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図1では、バーコードBが表示された対象物Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0025】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、CCDエリアセンサとして構成されるものであり、バーコードBまたは対象物Rに照射されて反射した反射光Lrを受光可能であって、その露光時間が制御回路40からの指示に応じて制御可能に構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。なお、受光センサ28は、特許請求の範囲に記載の「撮像手段」の一例に相当し得るものである。
【0026】
結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本第1実施形態では、照明光源21から照射された照明光LfがバーコードBにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0027】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。
【0028】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定の増幅率で増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、生成されてメモリ35に入力されると、所定のコード画像情報格納領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0029】
制御回路40は、光学的情報読取装置10全体を制御可能なマイコンによって構成されており、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有するとともに、情報処理機能を備えており、メモリ35とともに情報処理装置を構成している。本第1実施形態では、制御回路40に対し、トリガースイッチ42、発光部43、ブザー44、バイブレータ45、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0030】
これにより、制御回路40は、例えば、トリガースイッチ42の監視や管理、バーコードBの読み取りに関する情報を報知するインジケータとして機能する発光部43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、当該光学的情報読取装置10の使用者に伝達し得る振動を発生可能なバイブレータ45の駆動制御、液晶表示器46の表示制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。
【0031】
次に、上述のように構成される光学的情報読取装置10において制御回路40により実施される読取処理について図2および図3を参照して説明する。
本第1実施形態に係る読取処理では、読取対象となる情報コード、具体的には、バーコードBにおける明色パターンおよび暗色パターンの疎密に応じて受光センサ28の露光時間と受光センサ28から出力される信号の増幅率との双方を制御することで手ぶれの影響とノイズの影響との双方を抑制する。
【0032】
すなわち、比較的高密度のバーコードBは明色パターンおよび暗色パターンが密集して構成されるために、このような高密度のバーコードBを読取対象とすると、読み取り時に手ぶれの影響を受けやすくデコードが失敗してしまう場合がある。また、比較的低密度のバーコードBは手ぶれの影響を受けにくいものの、増幅率を増加するとノイズの影響を受けやすくデコードが失敗してしまう場合がある。
【0033】
そこで、本第1実施形態では、バーコードBが比較的高密度である場合には露光時間を短くかつ増幅率を高く設定し、バーコードBが比較的低密度である場合には露光時間を長くかつ増幅率を低く設定することで、手ぶれの影響およびノイズの影響に起因するデコード失敗を効果的に抑制する。
具体的な読取処理について、以下に説明する。
【0034】
まず、図2のステップS101において、撮像処理がなされ、作業者のトリガースイッチ42の操作に応じて照明光源21から照明光Lfが、バーコードBが表示された対象物Rに向けて照射される。そして、図1に示すように、対象物Rにて反射された反射光Lrが受光センサ28にて予め設定された初期露光時間Toで受光されることにより受光センサ28から出力される画像信号が増幅回路31にて予め設定された初期増幅率Goで増幅され、この増幅された画像信号に基づいて画像データが生成される。
【0035】
次に、ステップS103において、二値化処理がなされる。この処理では、受光センサ28により出力されて増幅された画像信号の信号波形と所定の閾値とを比較し、その比較に基づいて信号波形を明色領域と暗色領域とに区分けする。上記所定の閾値は、予め定められた一定の値であってもよく、信号波形に基づいて定められる値であってもよい。なお、ステップS103の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「二値化手段」の一例に相当する。
【0036】
続いて、ステップS105において、デコード処理がなされる。この処理では、上述のように区分けされた複数の明色領域および暗色領域が配列される配列データが公知のデコード方法に基づいてデコードされる。なお、ステップS105の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「デコード手段」の一例に相当する。
【0037】
そして、ステップS107にてデコード処理が成功したと判定される場合には(S107でYes)、デコード成功時の処理がなされて、当該読取処理が終了する。
【0038】
一方、デコード処理が失敗すると、ステップS107にてNoと判定される。なお、デコード処理によるデコードが失敗した場合とは、デコード結果が得られない場合だけでなく、例えば、想定される結果と異なるデコード結果がえられた場合も含むものとする。
【0039】
次に、ステップS109において、配列データに基づいてバーコードBを構成する明色パターンおよび暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定し、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定する。なお、ステップS109の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「判定手段」の一例に相当する。
【0040】
具体的には、本第1実施形態では、配列データを構成する暗色領域に対応する画像信号の画素数が高密度とみなされ得る第1閾値以下の場合、例えば、図3(A)に示すバーコードBのように、最も幅が狭い暗色領域の画素数が10画素以下である場合に、配列密度が所定の密度以上である高密度であると判定し、図3(B)に示すバーコードBのように、最も幅が狭い暗色領域の画素数が上記第1閾値(10画素)を超える場合に、配列密度が所定の密度以上である高密度ではないと判定する。なお、図3(A),(B)の下段部分は、受光センサ28にて受光した状態を一走査方向の所定の領域における画素単位で概略的に示すものである。
【0041】
そして、配列密度が高密度であると判定されると(S109でYes)、ステップS111において露光時間短縮処理がなされる。この処理では、受光センサ28の露光時間が、高密度ではないと判定される場合と比較して短く設定される。具体的には、露光時間が予め設定された初期露光時間Toに対して短くなるように設定される。
【0042】
続いて、ステップS113において増幅率増加処理がなされる。この処理では、受光センサ28から出力される画像信号を増幅するための増幅率が高密度ではないと判定される場合と比較して高く設定される。具体的には、増幅率が予め設定された初期増幅率Goに対して増加するように設定される。そして、次回以降、上述のように設定された露光時間および増幅率に応じての当該読取処理が実施されることとなる。
【0043】
一方、配列密度が高密度でないと判定されると(S109でNo)、ステップS115において露光時間延長処理がなされる。この処理では、受光センサ28の露光時間が、高密度であると判定される場合と比較して長く設定される。具体的には、露光時間が上記初期露光時間Toに対して長くなるように設定される。
【0044】
続いて、ステップS117において増幅率低下処理がなされる。この処理では、受光センサ28から出力される画像信号を増幅するための増幅率が高密度であると判定される場合と比較して低く設定される。具体的には、増幅率が上記初期増幅率Goに対して低下するように設定される。そして、次回以降、上述のように設定された露光時間および増幅率に応じての当該読取処理が実施されることとなる。なお、ステップS111,S115の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「露光時間制御手段」の一例に相当し、ステップS113,S117の処理を実行する制御回路40は、特許請求の範囲に記載の「増幅率制御手段」の一例に相当する。
【0045】
以上説明したように、本第1実施形態に係る光学的情報読取装置10では、二値化処理により区分けされた配列データに基づいて、バーコードBを構成する明色パターンおよび暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定され、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定される。そして、デコードが失敗した場合であって、配列密度が高密度であると判定される場合には、高密度ではないと判定される場合と比較して、露光時間が短く設定されるとともに増幅率が高く設定される。また、配列密度が高密度ではないと判定される場合には、高密度であると判定される場合と比較して、露光時間が長く設定されるとともに増幅率が低く設定される。
【0046】
これにより、配列密度が高密度であると判定される場合には、露光時間が短くかつ増幅率が高く設定されるので、高密度のバーコードBを読み取る際に比較的に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。また、配列密度が高密度ではないと判定される場合には、露光時間が長くかつ増幅率が低く設定されるので、高密度ではない低密度のバーコードBを読み取る際に比較的に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
したがって、バーコードBの疎密にかかわらず当該バーコードBの読取精度を向上させることができる。
【0047】
特に、最も幅が狭い暗色領域の画素数が高密度とみなされ得る第1閾値(10画素)以下の場合に、配列密度が高密度であると判定され、画素数が第1閾値を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定されるので、第1閾値が使用環境に応じて適切に設定されることにより、配列密度が高密度であるか否かを確実に判定することができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第2実施形態について説明する。
本第2実施形態に係る光学的情報読取装置10では、上述した読取処理において図2のフローチャートのステップS109における判定処理を所定の領域内に存在する暗色領域の総数に基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と異なる。
【0049】
具体的には、本第2実施形態では、配列データにおいて所定の領域内に存在する暗色領域の総数が例えば当該所定の領域との関係において高密度とみなされ得る第2閾値以上の場合、例えば、図3(A)の下段に示す領域を上記所定の領域とするときこの所定の領域内に存在する暗色領域の総数が5本以上である場合に、配列密度が高密度であると判定し、図3(B)に示すように、上記所定の領域内に存在する暗色領域の総数が第2閾値(5本)未満の場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。
【0050】
このようにしても、上記第2閾値が上記所定の領域との関係において適切に設定されることにより、バーコードBを構成する明色パターンおよび暗色パターンの配列密度が高密度であるか否かを確実に判定することができる。なお、配列データにおいて所定の領域内に存在する暗色領域の総数と上記第2閾値に基づいて配列密度が高密度であるか否かを判定することに限らず、所定の領域内に存在する明色領域の総数と上記第2閾値に対応する閾値に基づいて配列密度が高密度であるか否かを判定してもよい。
【0051】
[第3実施形態]
次に、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第3実施形態について、図4および図5を参照して説明する。
本第3実施形態に係る光学的情報読取装置10では、上述した読取処理を図2のフローチャートに代えて図4に示すフローチャートに基づいて演算処理している点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と異なる。
【0052】
本第3実施形態では、上記配列データに含まれる特定領域を構成する暗色領域の構成数が特定領域として予め規定される規定数未満である場合に、配列密度が高密度であると判定し、構成数が規定数を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。
【0053】
バーコードBの一キャラクタを特定領域とするとき、このキャラクタの暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数未満である場合としては、例えば、図5(A)に示すように、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域数が減っている可能性が高いことから、手ぶれが大きく影響する高密度のバーコードBを読取対象としている場合が想定される。そこで、本第3実施形態では、特定領域での構成数が規定数未満である場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のバーコードBを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【0054】
また、バーコードBの一キャラクタにおいて暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数を超える場合としては、例えば、図5(B)に示すように、ノイズの影響により暗色領域が分断されるために暗色領域として認識される領域数が増えている可能性が高いことから、ノイズが大きく影響する高密度ではない低密度のバーコードBを読取対象としている場合が想定される。そこで、特定領域での構成数が規定数を超える場合には配列密度が低密度であると判断して、露光時間を長くかつ増幅率を低く設定することで、低密度のバーコードBを読み取る際に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
【0055】
また、バーコードBの一キャラクタにおいて暗色領域の構成数が当該キャラクタとして予め規定される規定数に等しい場合であってもその配列構成が予め規定される配列構成と異なる場合としては、例えば、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化している可能性が高いことから、手ぶれが大きく影響する高密度のバーコードBを読取対象としている場合が想定される。そこで、特定領域での構成数が規定数と等しくかつその配列構成が予め規定される配列構成と異なる場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のバーコードBを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【0056】
以下、本第3実施形態における読取処理について図4および図5を用いて具体的に説明する。
まず、上記第1実施形態と同様に、ステップS101〜S105の処理を実施後にデコードが失敗したことからステップS107にてNoと判定されると、図4のステップS201において、上記配列データに含まれる特定領域、例えば特定のキャラクタを構成する暗色領域の構成数が上記規定数未満か否かについて判定される。
【0057】
ここで、図5(A)に示すバーコードBのキャラクタCのように、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域数が減っていると、このキャラクタCの暗色領域の構成数が上記規定数未満であることからステップS201にてYesと判定される。
【0058】
この場合、上述したように手ぶれの影響を受けやすい高密度のバーコードBを読取対象としていると判断されるので、ステップS203にて上記ステップS111と同様に露光時間短縮処理がなされるとともに、ステップS205にて上記ステップS113と同様に増幅率増加処理がなされる。
【0059】
一方、ステップS201にてNoとの判定後において、図5(B)に示すバーコードBのキャラクタCのように、ノイズの影響により暗色領域が分断されるために暗色領域として認識される領域数が増えていると、このキャラクタCの暗色領域の構成数が上記規定数を超えることからステップS207にてYesと判定される。
【0060】
この場合、上述したようにノイズの影響を受けやすい低密度のバーコードBを読取対象としていると判断されるので、ステップS209にて上記ステップS115と同様に露光時間延長処理がなされるとともに、ステップS211にて上記ステップS117と同様に増幅率低下処理がなされる。
【0061】
また、キャラクタの暗色領域の構成数が上記規定数に等しくステップS207にてNoとの判定後において、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化していると、配列構成が予め規定される配列構成と異なることからステップS213にてYesと判定される。
【0062】
この場合、上述したように手ぶれの影響を受けやすい高密度のバーコードBを読取対象としていると判断されるので、ステップS203にて上記ステップS111と同様に露光時間短縮処理がなされるとともに、ステップS205にて上記ステップS113と同様に増幅率増加処理がなされる。
【0063】
このように、本第3実施形態では、配列データに含まれる特定領域(キャラクタ等)を構成する暗色領域の構成数が規定数未満である場合に、配列密度が高密度であると判定し、構成数が規定数を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。これにより、特定領域での構成数が規定数未満である場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のバーコードBを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。さらに、特定領域での構成数が規定数を超える場合には配列密度が低密度であると判断して、露光時間を長くかつ増幅率を低く設定することで、低密度のバーコードBを読み取る際に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
【0064】
また、配列データに含まれる特定領域(キャラクタ等)を構成する暗色領域の構成数が規定数に等しい場合であって当該特定領域の配列構成が特定領域として予め規定される配列構成と異なる場合には、配列密度が高密度であると判定する。これにより、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化する場合であっても、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のバーコードBを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【0065】
なお、上記ステップS201,S207において、バーコードBの一キャラクタにおける暗色領域の構成数と上記規定数とを比較することに限らず、当該一キャラクタにおける明色領域の構成数と上記規定数とを比較するようにしてもよい。
【0066】
[第4実施形態]
次に、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第4実施形態について、図6および図7を参照して説明する。
本第4実施形態に係る光学的情報読取装置10では、バーコードBに代えてQRコードQを読取対象とする点が、上記第3実施形態に係る光学的情報読取装置と異なる。
【0067】
本第4実施形態では、上述した特定領域としてQRコードQのタイミングパターンTPを採用する。すなわち、タイミングパターンTPは、図6に示すように、各ファインダーパターンFP間にて明色領域および暗色領域が1:1で交互に配列されるように構成されるため、このタイミングパターンTPを構成する暗色領域の構成数が特定領域として予め規定される規定数未満である場合に、配列密度が高密度であると判定し、構成数が規定数を超える場合に、配列密度が高密度ではないと判定する。なお、上記予め規定される規定数は、QRコードQの各ファインダーパターンFP間の距離から求めるものとする。
【0068】
以下、本第4実施形態における読取処理について図4および図7を用いて具体的に説明する。
まず、上記第1実施形態と同様に、ステップS101〜S105の処理を実施後にQRコードQのデコードが失敗したことからステップS107にてNoと判定されると、図4のステップS201において、タイミングパターンTPを構成する暗色領域の構成数が上記規定数未満か否かについて判定される。
【0069】
ここで、図7(A)に示すQRコードQのタイミングパターンTPのように、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域数が減っていると、このタイミングパターンTPの暗色領域の構成数が上記規定数未満であることからステップS201にてYesと判定される。
【0070】
この場合、上述したように手ぶれの影響を受けやすい高密度のQRコードQを読取対象としていると判断されるので、ステップS203にて上記ステップS111と同様に露光時間短縮処理がなされるとともに、ステップS205にて上記ステップS113と同様に増幅率増加処理がなされる。
【0071】
一方、ステップS201にてNoとの判定後において、図5(B)に示すQRコードQのタイミングパターンTPのように、ノイズの影響により暗色領域が分断されるために暗色領域として認識される領域数が増えていると、このタイミングパターンTPの暗色領域の構成数が上記規定数を超えることからステップS207にてYesと判定される。
【0072】
この場合、上述したようにノイズの影響を受けやすい低密度のQRコードQを読取対象としていると判断されるので、ステップS209にて上記ステップS115と同様に露光時間延長処理がなされるとともに、ステップS211にて上記ステップS117と同様に増幅率低下処理がなされる。
【0073】
また、タイミングパターンTPの暗色領域の構成数が上記規定数に等しくステップS207にてNoとの判定後において、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化していると、配列構成が予め規定される配列構成と異なることからステップS213にてYesと判定される。
【0074】
この場合、上述したように手ぶれの影響を受けやすい高密度のQRコードQを読取対象としていると判断されるので、ステップS203にて上記ステップS111と同様に露光時間短縮処理がなされるとともに、ステップS205にて上記ステップS113と同様に増幅率増加処理がなされる。
【0075】
このように、本第4実施形態では、タイミングパターンTPでの構成数が規定数未満である場合には配列密度が高密度であると判断して、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のQRコードQを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。さらに、タイミングパターンTPでの構成数が規定数を超える場合には配列密度が低密度であると判断して、露光時間を長くかつ増幅率を低く設定することで、低密度のQRコードQを読み取る際に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
【0076】
また、タイミングパターンTPを構成する暗色領域の構成数が規定数に等しい場合であって当該タイミングパターンTPの配列構成が予め規定される配列構成と異なる場合には、配列密度が高密度であると判定する。これにより、手ぶれの影響により暗色領域がぼけるために暗色領域として認識される領域が変化する場合であっても、露光時間を短くかつ増幅率を高く設定することで、高密度のQRコードQを読み取る際に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
このようにしても、バーコードBと同様に、QRコードQの疎密にかかわらず当該QRコードQの読取精度を向上させることができる。なお、QRコードに限らず、タイミングパターンTPのような特定領域を有する二次元コードであれば、本第4実施形態の読取対象として採用することができる。
【0077】
[第5実施形態]
次に、本発明の光学的情報読取装置を具現化した第5実施形態について説明する。
本第5実施形態に係る光学的情報読取装置10では、バーコードBに代えてQRコードQを読取対象とする点が、上記第1実施形態に係る光学的情報読取装置と異なる。
【0078】
本第5実施形態では、図2のステップS109の判定処理において、QRコードQのファインダーパターンFPを構成する暗色領域に対応する画像信号の画素数が高密度とみなされ得る閾値以下の場合に、配列密度が所定の密度以上である高密度であると判定し、上記画素数が上記閾値を超える場合に、配列密度が所定の密度以上である高密度ではないと判定する。
【0079】
そして、配列密度が高密度であると判定されると、受光センサ28の露光時間が高密度ではないと判定される場合と比較して短く設定されるとともに、上記増幅率が高密度ではないと判定される場合と比較して高く設定される。これにより、高密度のQRコードQを読み取る際に比較的に生じやすい手ぶれの影響を抑制することができる。
【0080】
また、配列密度が高密度でないと判定されると、受光センサ28の露光時間が、高密度であると判定される場合と比較して長く設定されるとともに、上記増幅率が高密度であると判定される場合と比較して低く設定される。これにより、高密度ではない低密度のQRコードQを読み取る際に比較的に生じやすいノイズの影響を抑制することができる。
【0081】
このようにしても、バーコードBと同様に、QRコードQの疎密にかかわらず当該QRコードQの読取精度を向上させることができる。なお、ファインダーパターンFPに限らず、例えばタイミングパターンTPを構成する暗色領域に対応する画像信号の画素数に基づいて上記判定を実施するようにしてもよい。また、QRコードに限らず、他の二次元コードを本第5実施形態の読取対象として採用することができる。
【符号の説明】
【0082】
10…光学的情報読取装置
28…受光センサ(撮像手段)
40…制御回路(露光時間制御手段,増幅率制御手段,二値化手段,デコード手段,判定手段)
B…バーコード(情報コード)
C…キャラクタ(特定領域)
FP…ファインダーパターン
Q…QRコード(情報コード)
TP…タイミングパターン(特定領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明色パターンおよび暗色パターンがそれぞれ複数配されてなる情報コードを読み取り可能な光学的情報読取装置であって、
前記情報コードを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の露光時間を制御可能な露光時間制御手段と、
前記撮像手段からの画像信号を増幅する増幅率を制御可能な増幅率制御手段と、
増幅された前記画像信号の信号波形を所定の閾値と比較することで幅データを有する複数の明色領域および暗色領域に区分けする二値化手段と、
二値化手段により区分けされた前記複数の明色領域および暗色領域が配列される配列データをデコードするデコード手段と、
前記配列データに基づいて前記情報コードを構成する前記明色パターンおよび前記暗色パターンの配列密度が、所定の密度以上であれば高密度であると判定し、当該所定の密度未満であれば高密度ではないと判定する判定手段と、を備え、
前記デコード手段によるデコードが失敗した場合であって、
前記判定手段により前記配列密度が高密度であると判定される場合には、高密度ではないと判定される場合と比較して、前記露光時間制御手段により前記露光時間を短くするとともに前記増幅率制御手段により前記増幅率を高くし、
前記判定手段により前記配列密度が高密度ではないと判定される場合には、高密度であると判定される場合と比較して、前記露光時間制御手段により前記露光時間を長くするとともに前記増幅率制御手段により前記増幅率を低くすることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記配列データを構成する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか1つに対応する前記画像信号の画素数が第1閾値以下の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、
前記画素数が前記第1閾値を超える場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記配列データにおいて所定の領域内に存在する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか一方の総数が第2閾値以上の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、
前記総数が前記第2閾値未満の場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記配列データに含まれる特定領域を構成する前記明色領域および前記暗色領域の少なくともいずれか一方の構成数が前記特定領域として予め規定される規定数未満である場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定し、
前記構成数が前記規定数を超える場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度ではないと判定することを特徴とする請求項1に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
前記構成数が前記規定数に等しい場合であって前記特定領域を構成する前記明色領域および前記暗色領域の配列構成が前記特定領域として予め規定される配列構成と異なる場合に、前記配列密度が前記所定の密度以上である高密度であると判定することを特徴とする請求項4に記載の光学的情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−28414(P2011−28414A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171762(P2009−171762)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】