説明

光学素子ユニット及びレンズ

【課題】偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができる光学素子ユニット及びレンズを提供する。
【解決手段】非球面形状である光学面S2と、球面形状との光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、差Δsagが(1)式の下限より大きくすることで、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができるレンズとすることができる。
6.5(μm) < Δsag < 30(μm) (1)
sag = fb×NASHG×1.3+0.10(mm) (2)
NASHG = α/f (3)
但し、
fb:レンズのバックフォーカス
α:レンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:レンズの焦点距離

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光ファイバやSHG素子などの端面に収束光を照射できる光学素子ユニット及びレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザから照射されたレーザ光を、集光光学系を介して光伝送路を形成する光ファイバやSHG素子等(光ファイバ等という)の端面に集光させる半導体光源モジュールが知られている。
【0003】
ところで、半導体レーザや光ファイバから出力した光束を、SHG素子の導波路や光ファイバの端面に入射させるとき、導波路に光源を集光させるためのレンズが必要となる。しかるに、例えばシングルモードファイバでは、コア径もしくはモードフィールド径が10μm以下、マルチモードファイバでも50μm程度であり、更にSHG素子などの光導波路では数μmのものもある。この微小領域に光を入射させる必要があるので、半導体レーザやレンズや導波路等の光学要素の調整も、そのレベルで行わなくてはならない。このためパッシブアライメントで結合性能を出すことは難しく、かつ歩留まりも悪くなるという問題がある。
【0004】
これに対し、特許文献1には、半導体レーザから照射されたレーザ光を、集光光学系を介して光ファイバ等の端面に集光させる際に、端面からの反射光もしくは光伝送路を通過中の光を検出して、集光光学系を光軸直交方向に駆動させ、それにより光ファイバ等の端面に適切にスポットを集光させる技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−338795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、光源からの光束を光ファイバの端面やSHG素子の導波路等に集光させる光学系は、光源をコリメートするレンズと、コリメート光を導波路にカップリングさせるレンズの2枚以上の構成であると望ましい。1枚レンズだと、レンズを駆動調整したときに発生する収差により結合劣化を起こす恐れがあり、また、レンズ駆動調整感度が大きくなってしまうからである。これに対し、複数のレンズ構成を採用する場合、各レンズを3次元的に変位させることができれば、光束の集光位置を理想的に調整できる。しかしながら、各レンズを3次元的に変位させる駆動装置は構成が複雑且つ大型となるため、例えばレンズの駆動方向を制限して駆動装置の構成を極力簡素化したいという要請がある。
【0006】
ここで、レンズの駆動方向について検討する。図25は、光ファイバの端面径5μmに波長0.1μmの光源が結合している時、スポットが光軸方向にずれた時と光軸垂直方向にずれた時の結合効率劣化量を示した図である。図25より、結合効率劣化が50%になる時のずれ量は、光軸方向ずれが±40μmに対し光軸直交方向ずれは±5μm程度である。このように光軸方向ずれ感度に対して光軸直交方向ずれ感度の方が許容量が低いので、レンズを駆動してスポット位置を調整する場合、光軸方向に駆動するよりも光軸垂直方向に駆動する方が効果が高いといえる。
【0007】
そこで、例えば2つのレンズをアクチュエータで、それぞれ光軸に直交するX方向,並びに光軸及びX方向に直交するY方向に駆動補正することを検討する。かかる駆動によれば、X方向とY方向のスポットずれを補正することができる。
【0008】
ここで、レンズをX方向又はY方向に変位させると、像面湾曲によりフォーカス位置が光軸方向に移動してしまう。しかるに、駆動装置の簡略化のため、レンズを光軸方向に駆動しない場合、像面湾曲によるフォーカス位置の調整を行うことができないから、スポット径が大きくなることを抑えられず、それにより微小なSHG素子の導波路や光ファイバの端面からはみ出してしまい、結果として結合効率が低下するという問題がある。
【0009】
より具体的な例として、半導体レーザ側の第1のレンズをX方向に変位させ、SHG素子側の第2のレンズをY方向に変位させて補正を行った場合について考察するに、Y方向の変位は第2のレンズのみで行うので、半導体レーザ,第1のレンズ,SHG素子にはY方向のアライメント誤差が生じる。この時、第2のレンズをY方向に変位させて補正を行ったとしても、第2のレンズにはY方向の偏心誤差が残った状態になる。偏心誤差が残った状態での光学系では収差発生により結合効率劣化し製造歩留りが低下してしまうこととなる。
【0010】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができる光学素子ユニット及びレンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の光学素子ユニットは、所定波長の光束を出射する光源と、微細な入射開口との間に設けられ、前記光源から出射された光束を、前記入射開口に集光させる光学素子ユニットにおいて、
前記光源側に配置された第1のレンズと、前記入射開口側に配置された第2のレンズとを有し、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのうち少なくとも一方における短い共役長側の光学面は非球面形状を有し、前記非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする。
6.5(μm) < Δsag < 30(μm) (1)
sag = fb×NASHG×1.3+0.10(mm) (2)
NASHG = α/f (3)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【0012】
図1は、レンズの断面を示す模式図である。ここで、レンズLの長い共役長側の光学面をS1とし、短い共役長側の光学面をS2とする。点線で、軸上局所半径rによる球面形状を仮想的に示す。ここで、非球面形状である光学面S2と、球面形状との光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、差Δsagが(1)式の下限より大きくすることで、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができるレンズとすることができ、(1)式の上限より小さくすることで、サジタル面とメリジオナル面の像面のバランスを確保できる。尚、本明細書において、光源からの光束の断面が楕円形状である場合、「光軸高さ」はその長軸側にとるものとする。
【0013】
更に、差Δsagが以下の式を満たすようにすると好ましい。
8.0μm < Δsag < 27μm (1’)
【0014】
尚、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をf2、光源の1/e2強度出力の開口数をNALDとすると、以下の関係が得られる。
NASHG = f1/f2×NALD (7)
【0015】
請求項2に記載の光学素子ユニットは、所定波長の光束を出射する光源と、微細な入射開口との間に設けられ、前記光源から出射された光束を、前記入射開口に集光させる光学素子ユニットにおいて、
前記光源側に配置された第1のレンズと、前記入射開口側に配置された第2のレンズとを有し、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのうち少なくとも一方における短い共役長側の光学面は非球面形状を有し、前記非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする。
8(μm) < Δsag < 40(μm) (4)
sag = fb×NASHG×1.3+0.12(mm) (5)
NASHG = α/f (6)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【0016】
本発明によれば、差Δsagが(4)式の下限より大きくすることで、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができるレンズとすることができ、(4)式の上限より小さくすることで、サジタル面とメリジオナル面の像面のバランスを確保できる。尚、光軸高さhsagを求める(1)、(4)式における最後の項(光軸方向ずれの公差範囲)は、仕様の異なるレンズの光軸ずれをの公差に対応したものであり、請求項1の発明との相違点は、0.1mmか0.12mmかの違いであって、異なる位置から差Δsagを規定している。
【0017】
更に、差Δsagが以下の式を満たすようにすると好ましい。
12μm < Δsag < 37μm (4’)
【0018】
請求項3に記載の光学素子ユニットは、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1のレンズはコリメートレンズであることを特徴とするので、第2のレンズに平行光束を入射させることで、レンズの偏心公差を良好に確保できる。
【0019】
請求項4に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記第2のレンズはコリメートレンズであることを特徴とするので、レンズの偏心公差を良好に確保できる。
【0020】
請求項5に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記第1のレンズと前記第2のレンズとは同じ形状を有することを特徴とする。かかる場合、(7)式よりNASHG = NALDとなる。
【0021】
請求項6に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記第1のレンズ又は前記第2のレンズを光軸直交方向に駆動する駆動装置を有することを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記第1のレンズと前記第2のレンズのうち少なくとも一方はガラス製であることを特徴とする。ガラスレンズを使用することで温度による焦点シフトを抑えることができる。従って、温度が変化しても補正のために光軸方向に変位させなくて済むので構成を簡略化できる。
【0023】
請求項8に記載のレンズは、請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子ユニットに用いる前記第1のレンズ又は前記第2のレンズであって、上記(1)式及び(4)式を満たすことを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記光学素子ユニットは第2高調波発生装置に用いられることを特徴とする。第2高調波発生装置としては、分極反転素子を用いたものがある。
【0025】
請求項10に記載の光学素子ユニットは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記光学素子ユニットは光送受信装置に用いられることを特徴とする。光送受信装置とは、例えば光ファイバを用いて光を送受するものをいい、送信のみ行うもの又は受信のみ行うものを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができる光学素子ユニット及びレンズを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本実施の形態にかかる光学素子ユニットを含む半導体光源モジュールの概略構成図である。図2において、ベースBSには、半導体光源である半導体レーザLDと、正の屈折力を有する半導体レーザLD側のレンズL1と、第2高調波発生装置H2と、一部の光のみを反射し残りを透過するハーフミラーMRと、ハーフミラーMRからの反射光を受光し、受光量に応じて制御回路CNTに信号を送信する受光素子PDとが固定的に配置されている。又、ベースBS上に配置された駆動機構(駆動手段ともいう)DRは、制御回路CNTの信号に応じて、第2高調波発生装置H2側のレンズL2と開口絞りSとを光軸直交方向に駆動するようになっている。なお、レンズL1とレンズL2とで光学素子ユニットを構成する。
【0028】
本実施の形態は、ガラス製であって同一形状のコリメートレンズであるレンズL1とレンズL2を反転して用いており、即ち、レンズ1の半導体レーザLD側の光学面と、レンズL2の第2高調波発生装置H2側の光学面は、同一の非球面形状となっている。ここで、かかる非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たす。
6.5(μm) < Δsag < 30(μm) (1)
sag = fb×NASHG×1.3+0.10(mm) (2)
NASHG = α/f (3)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【0029】
更に、レンズL1,L2の非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たす。
8(μm) < Δsag < 40(μm) (4)
sag = fb×NASHG×1.3+0.12(mm) (5)
NASHG = α/f (6)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【0030】
図3は、第2高調波発生装置H2の斜視図である。第2高調波発生装置H2は、図3に示すように、ベースBS上に取り付けられた熱電冷却装置HCと、レンズL2に集光されて光導波路(光伝送路ともいう)HTの一端側に入射されたレーザ光の第2高調波を生成する光導波路型SHG素子HSと、光導波路型SHG素子HSを支持する支持体HDと、光導波路型SHG素子HGを支持した状態の支持体HDを覆うカバーHVとが備えられている。支持体HDには、光導波路型SHG素子HSを載置するための溝HGが形成されている。
【0031】
光導波路型SHG素子HSは、光導波路HTを通過する光を、非線形光学結晶を用いて第二高調波に変換して出力する特性を有し、特開2003−338795号公報等に記載されており、良く知られているので詳細は説明しない。光導波路HTの入射開口径は1μm以上15μm以下である。
【0032】
図4は、駆動装置DRの斜視図である。レンズL2と開口絞りSとは、レンズホルダDHにより保持されており、一体的に移動するようになっている。可動部材となるレンズホルダDHは、駆動力を受ける連結部DHaを有している。
【0033】
連結部DHaには、四角柱状のX軸駆動軸XDSと対応する形状を有し且つそれに接する角溝DHbが設けられ、また角溝DHbとの間にX軸駆動軸XDSを挟むようにして板ばねXSGが取り付けられている。連結部DHaと板ばねXSGとの間で挟持された駆動部材であるX軸駆動軸XDSは、レンズL2の光軸に直交する方向(X軸方向)に延在しており、板ばねXSGの付勢力で適度に押圧されている。X軸駆動軸XDSの一端は自由端であり、その他端は、電気機械変換素子であるX軸圧電アクチュエータXPZに連結されている。X軸圧電アクチュエータXPZは、連結部PZaを有している。
【0034】
連結部PZaには、四角柱状のY軸駆動軸YDSと対応する形状を有し且つそれに接する角溝PZbが設けられ、また角溝PZbとの間にY軸駆動軸YDSを挟むようにして板ばねYSGが取り付けられている。連結部PZaと板ばねYSGとの間で挟持された駆動部材であるY軸駆動軸YDSは、レンズL2の光軸及びX軸方向に直交するように延在しており、板ばねYSGの付勢力で適度に押圧されている。Y軸駆動軸YDSの一端は自由端であり、その他端は、電気機械変換素子であるY軸圧電アクチュエータYPZに連結されている。Y軸圧電アクチュエータYPZは、ベースBSに取り付けられている。圧電アクチュエータXPZ、YPZと、駆動軸XDS、YDSと、連結部DHa、PZaと、板ばねXSG、YSGとで駆動装置DRを構成する。
【0035】
圧電アクチュエータXPZ、YPZは、PZT(ジルコン・チタン酸鉛)などで形成された圧電セラミックスを積層してなる。圧電セラミックスは、その結晶格子内の正電荷の重心と負電荷の重心とが一致しておらず、それ自体分極していて、その分極方向に電圧を印加すると伸びる性質を有している。しかし、圧電セラミックスのこの方向への歪みは微小であり、この歪み量により被駆動部材を駆動することは困難であるため、図5に示すように、複数の圧電セラミックスPEを積み重ねてその間に電極Cを並列接続した構造の積層型圧電アクチュエータが実用可能なものとして提供されている。本実施の形態では、この積層型圧電アクチュエータPZを駆動源として用いている。
【0036】
次に、このレンズL2の駆動方法について説明する。一般に、積層型圧電アクチュエータは、電圧印加時の変位量は小さいが、発生力は大でその応答性も鋭い。したがって、圧電アクチュエータXPZに、図6(a)に示すように立ち上がりが鋭く立ち下がりがゆっくりとした略鋸歯状波形のパルス電圧を印加すると、圧電アクチュエータXPZは、パルスの立ち上がり時に急激に伸び、立ち下がり時にそれよりもゆっくりと縮む。したがって、圧電アクチュエータXPZの伸長時には、その衝撃力でX軸駆動軸XDSが図4の手前側へ押し出されるが、レンズL2を保持したレンズホルダDHの連結部DHaと板ばねXSGは、その慣性により、X軸駆動軸XDSと一緒には移動せず、X軸駆動軸XDSとの間で滑りを生じてその位置に留まる(わずかに移動する場合もある)。一方、パルスの立ち下がり時には立ち上がり時に比較してX軸駆動軸XDSがゆっくりと戻るので、連結部DHaと板ばねXSGがX軸駆動軸XDSに対して滑らずに、X軸駆動軸XDSと一体的に図4の奥側へ移動する。即ち、周波数が数百から数万ヘルツに設定されたパルスを印加することにより、レンズL2及び開口絞りSを保持したレンズホルダDHを、X軸方向に所望の速度で連続的に移動させることができる。尚、以上より明らかであるが、図6(b)に示すように電圧の立ち上がりがゆっくりで、立ち下がりが鋭いパルスを印加すれば、レンズホルダDHを逆の方向へ移動させることができる。本実施の形態では、X軸駆動軸XDSを四角柱状(回り止め機構)としているので、レンズホルダDHの回り止め機能が発揮され、レンズL2のチルトが抑制されるので、別個にガイド軸を設ける必要はない。
【0037】
同様に、圧電アクチュエータYPZに、図6(a)に示すように立ち上がりが鋭く立ち下がりがゆっくりとした略鋸歯状波形のパルス電圧を印加すると、圧電アクチュエータYPZは、パルスの立ち上がり時に急激に伸び、立ち下がり時にそれよりもゆっくりと縮む。したがって、圧電アクチュエータYPZの伸長時には、その衝撃力でY軸駆動軸YDSが図4の上側へ押し出されるが、圧電アクチュエータXPZの連結部PZaと板ばねYSGは、その慣性により、Y軸駆動軸YDSと一緒には移動せず、Y軸駆動軸YDSとの間で滑りを生じてその位置に留まる(わずかに移動する場合もある)。一方、パルスの立ち下がり時には立ち上がり時に比較してY軸駆動軸YDSがゆっくりと戻るので、連結部PZaと板ばねYSGがY軸駆動軸YDSに対して滑らずに、Y軸駆動軸YDSと一体的に図4の下側へ移動する。即ち、周波数が数百から数万ヘルツに設定されたパルスを印加することにより、圧電アクチュエータXPZをレンズホルダDHと共に、Y軸方向に所望の速度で連続的に移動させることができる。尚、以上より明らかであるが、図6(b)に示すように電圧の立ち上がりがゆっくりで、立ち下がりが鋭いパルスを印加すれば、圧電アクチュエータXPZをレンズホルダDHと共に逆の方向へ移動させることができる。本実施の形態では、Y軸駆動軸YDSを四角柱状(回り止め機構)としているので、圧電アクチュエータXPZの回り止め機能が発揮され、レンズL2のチルトが抑制されるので、別個にガイド軸を設ける必要はない。
【0038】
図7は、スポット光軸方向ずれとSHG素子の結合効率の関係を示すグラフである。一般的にレーザ光束の光量は、その中心が最大となるガウシアン分布を有している。従って、レーザ光束の主光線と、SHG素子の光伝送路の中心が一致しなければ、結合効率は低下する。レーザ光束の主光線とSHG素子の光伝送路の中心が一致した状態で結合効率を100%とし、そこからスポットが光軸方向にずれたとすると、図7に示すように結合効率が低下する。但し、結合効率の低下は、光伝送路の入射開口のサイズによって異なり、入射開口が5μm×5μmの場合、スポットの光軸が10μmずれると結合効率は93%に低下するだけだが、入射開口が5μm×2μmの場合、スポットの光軸が10μmずれると結合効率は50%に低下し、更に入射開口が2μm×2μmの場合、スポットの光軸が10μmずれると結合効率は26%まで低下してしまう。従って、スポットの光軸方向ずれを極力抑える必要がある。
【0039】
本実施の形態にかかる半導体光源モジュールの動作について説明する。半導体レーザLDから波長λのレーザ光を出射すると、かかるレーザ光は第1レンズL1で略平行光束に変換され、開口絞りSを通過して、第2レンズL2で集光されて、第2高調波発生装置H2の光伝送路に入射する。ここで、第2高調波に変換され、すなわち半分の波長(λ/2)を有する変換光束が、第2高調波発生装置H2から出射され、その変換光束の一部がハーフミラーMRで反射され、残りは外部へと出力されるようになっている。
【0040】
ハーフミラーMRで反射された変換光束は、受光素子PDの受光面に入射する。ここで、受光素子PDの受光面の中央が、光伝送路の中心に対応する。従って、光伝送路の中心を、入射光束の主光線が通過したときは、受光面に結像するスポット光SBの中心が、受光面の中心と一致するようになり、それにより結合効率は最大となる。これに対し、光伝送路の中心を、入射光束の主光線が通過しないと、図8に示すように、スポット光SBの中心が、受光面の中心と不一致の状態となる。そこで、レンズL2の駆動を行い、入射光束の主光線の光軸を曲げるか、或いは平行移動させて、スポット光SBの中心が、受光面の中心と一致するようにする。
【0041】
より具体的な制御態様を説明すると、図8に示す状態では、受光部PDaの受光量が最も高いことがわかるので、制御回路CNTが駆動装置DRを駆動して、レンズL2をX軸方向に駆動する。すると、それに応じてスポット光SBの光線強度ピーク領域LMXが移動して、受光部PDbの受光量が高くなる。受光部PDaの受光量と、受光部PDbの受光量がほぼ等しくなったときに、駆動装置DRの駆動を停止しレンズL2を静止させる。かかる状態で、受光部PDcの受光量と受光部PDdの受光量とに差がある場合、ほぼ等しくなるように、レンズL2をY軸方向に駆動する。すると、それに応じてスポット光SBの光線強度ピーク領域LMXが移動して、受光部PDaの受光量と、受光部PDbの受光量がほぼ等しくなり、且つ受光部PDcの受光量と、受光部PDdの受光量がほぼ等しくなれば、スポット光SBの光線強度ピーク領域LMXと、受光面の中心とが一致したものと判断できる。なお、検出精度を高めるため、受光素子PDが受光量を検出しているときは、レンズL2の駆動を行わないことが望ましい。
【0042】
このとき、レンズL2の光軸直交方向における変位によってビームウエストの位置が変化し、フォーカス位置が変位前の状態から光軸方向にずれることとなる。しかしながら、上述したように、レンズL1,L2は(1)式又は(4)式を満たすので、偏心誤差が残っても結合効率の劣化を抑えることができる。
【0043】
(実施例)
次に、比較例と対比して実施例について述べる。尚、これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば、2.5×10-3)を、E(例えば、2.5E―3)を用いて表すものとする。
【0044】
実施例にかかる光学系の光学面は、それぞれ「数1」に、表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
【0045】
【数1】

但し、
Z(h):非球面形状(非球面の面頂点から光軸に沿った方向の距離、光の進行方向を正とする)
h:光軸垂直方向の高さ(h=(x2+y21/2とする。ここで、xとyはそれぞれ光軸からの距離を表し、光軸に垂直な面内において互いに直交する方向にとるものとする。)
r:曲率半径
k:コーニック係数
2,A4,A6,A8,A10:非球面係数
【0046】
図2の実施の形態に用いることができる、比較例のレンズデータを表1に示し、実施例1のレンズデータを表2に示し、実施例2のレンズデータを表3に示し、実施例3のレンズデータを表4に示し、実施例4のレンズデータを表5に示し、実施例5のレンズデータを表6に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【0052】
【表6】

【0053】
図9は、横軸に短い共役長側の光学面の光軸からの高さをとり、縦軸にΔsagをとり、比較例及び実施例1〜4について、hsag=fb×NASHG×1.3+0.10(mm)までプロットしたグラフである。実施例1〜4については、光軸からの高さがhsagのとき、6.5(μm)<Δsag<30(μm)の範囲に含まれているが、比較例の場合はΔsag=5μmであるから、その範囲に含まれない。
【0054】
図10は、横軸に短い共役長側の光学面の光軸からの高さをとり、縦軸にΔsagをとり、比較例及び実施例1〜4について、hsag=fb×NASHG×1.3+0.12(mm)までプロットしたグラフである。実施例1〜4については、光軸からの高さがhsagのとき、8(μm)<Δsag<40(μm)の範囲に含まれているが、比較例の場合はΔsag=7μmであるから、その範囲に含まれない。
【0055】
図11は、半導体モジュール装置の概略を示す図であり、ここでは半導体レーザLDのモードフィールド半径を、X方向:2.5μm、Y方向:1.0μmとし、SHG素子の入射開口を、X方向:2.0μm、Y方向:1.5μmとしている。図12〜17において、(a)は、比較例及び実施例1〜5のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、比較例及び実施例1〜4のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す。
【0056】
図から明らかなように、比較例においては、レンズL1をX方向にシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときにX方向のビームウエスト位置が0.009mmとなり、レンズL1をY方向にシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときにY方向のビームウエスト位置が0.009mmとなり、デフォーカス量が大きくなりすぎる。これに対し、実施例1〜5においては、レンズL1をX方向にシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときに最大でもX方向のビームウエスト位置が0.003mm以下であり、レンズL1をY方向にシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときに最大でもY方向のビームウエスト位置が0.003mm以下であり、光軸方向ずれの許容公差を大きく確保できる。
【0057】
図18は、半導体モジュール装置の概略を示す図であり、ここでは半導体レーザLDのモードフィールド半径を、X方向:2.5μm、Y方向:1.0μmとし、SHG素子の入射開口を、X方向:2.0μm、Y方向:1.5μmとしている。図19〜23において、(a)は、比較例及び実施例1〜5のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、比較例及び実施例1〜4のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す。
【0058】
図から明らかなように、比較例においては、レンズL1、L2をX方向に逆向きにシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときにX方向のビームウエスト位置が0.011mmとなり、レンズL1をY方向にシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときにY方向のビームウエスト位置が0.011mmとなり、デフォーカス量が大きくなりすぎる。これに対し、実施例1〜5においては、レンズL1、L2をX方向に逆向きにシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときに最大でもX方向のビームウエスト位置が0.004mm以下であり、レンズL1、L2をY方向に逆向きにシフトさせた場合、シフト量が0.05mmのときに最大でもY方向のビームウエスト位置が0.004mm以下であり、光軸方向ずれの許容公差を大きく確保できる。
【0059】
表7,8に、比較例と実施例1との対比結果を示す。比較例においては、表7に示すように、レンズL2の光軸方向ずれをレンズL1を光軸直交方向にシフトすることで補正しようとする場合、結合効率が90%未満に低下しない限界値は、X方向で66μm、Y方向で75μmである。一方、半導体レーザと、SHG素子の入射開口との軸ズレを、レンズL1を光軸直交方向にシフトすることで補正しようとする場合、結合効率が90%未満に低下しない限界値は、X方向で87μm、Y方向で81μmである。
【0060】
【表7】

【0061】
【表8】

【0062】
これに対し実施例1においては、表8に示すように、レンズL2の光軸方向ずれをレンズL1を光軸直交方向にシフトすることで補正しようとする場合、結合効率が90%未満に低下しない限界値は、X方向で129μm、Y方向で153μmである。一方、半導体レーザと、SHG素子の入射開口との軸ズレを、レンズL1を光軸直交方向にシフトすることで補正しようとする場合、結合効率が90%未満に低下しない限界値は、X方向で114μm、Y方向で162μmである。以上より明らかであるが、実施例のレンズの場合、半導体レーザと、SHG素子と、レンズの位置決め公差を広くすることができ、組付性に優れた半導体モジュールを提供できることがわかる。
【0063】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、第2高調波発生装置H2の代わりに、光ファイバを用いることもできる。この場合、光ファイバの端面が入射開口であり、その内部が光伝送路となる。更に、上述した実施の形態では、光学素子を変位させているが、半導体光源、光学素子、光伝送路のいずれか1つ以上を相対的に変位させても良いことはいうまでもない。また、受光素子で検出する光は、SHG素子によって波長変換されずに光導波路から出射した(半導体光源と同じ波長の)光でも、SHG素子によって波長変換された(例えば半導体光源の波長の1/2の)光のいずれでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】レンズの断面を示す模式図である。
【図2】本実施の形態にかかる半導体光源モジュールの概略構成図である。
【図3】第2高調波発生装置H2の斜視図である。
【図4】駆動装置DRの斜視図である。
【図5】複数の圧電セラミックスPEを積み重ねてその間に電極Cを並列接続した構造の積層型圧電アクチュエータPZを示す斜視図である。
【図6】圧電アクチュエータPZに印加される電圧パルスの波形を示す図である。
【図7】SHG素子の結合効率の例を示すグラフである。
【図8】受光素子PDの受光面を概略的に示す図である。
【図9】横軸に短い共役長側の光学面の光軸からの高さをとり、縦軸にΔsagをとり、比較例及び実施例1〜4について、hsag=fb×NASHG×1.3+0.10(mm)までプロットしたグラフである。
【図10】横軸に短い共役長側の光学面の光軸からの高さをとり、縦軸にΔsagをとり、比較例及び実施例1〜4について、hsag=fb×NASHG×1.3+0.12(mm)までプロットしたグラフである。
【図11】半導体モジュール装置の概略を示す図である。
【図12】(a)は、比較例のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、比較例のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図13】(a)は、実施例1のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例1のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図14】(a)は、実施例2のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例2のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図15】(a)は、実施例3のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例3のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図16】(a)は、実施例4のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例4のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図17】(a)は、実施例5のレンズL1をX方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例4のレンズL1をY方向にシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図18】半導体モジュール装置の概略を示す図である。
【図19】(a)は、比較例のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、比較例のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図20】(a)は、実施例1のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例1のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図21】(a)は、実施例2のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例2のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図22】(a)は、実施例3のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例3のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図23】(a)は、実施例4のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例4のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図24】(a)は、実施例5のレンズL1及びレンズL2をX方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離及び像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示し、(b)は、実施例4のレンズL1及びレンズL2をY方向に逆向きにシフトしたときの、像面からX方向のビームウエスト位置までの距離と、像面からY方向のビームウエスト位置までの距離を示す図である。
【図25】光ファイバの端面径5μmに波長0.1μmの光源が結合している時、スポットが光軸方向にずれた時と光軸垂直方向にずれた時の結合効率劣化量を示した図である。
【符号の説明】
【0065】
BS ベース
C 電極
CNT 制御回路
DH レンズホルダ
DHa 連結部
DHb 角溝
DR 駆動装置
H2 高調波発生装置
HC 熱電冷却装置
HD 支持体
HG 溝
HS 素子
HT 光導波路
HV カバー
IL 入射光束
L1,L2 レンズ
M レンズ
LD 半導体レーザ
LH レンズホルダ
LMX 光線強度ピーク領域
MR ハーフミラー
OL 出射光束
PD 受光素子
PDa 受光部
PDb 受光部
PDc 受光部
PDd 受光部
PE 圧電セラミックス
PP 平行平板
PS プリズム
PZ 圧電アクチュエータ
PZa 連結部
PZb 角溝
S 開口絞り
SB スポット光
XDS X軸駆動軸
XPZ X軸圧電アクチュエータ
YDS Y軸駆動軸
YPZ Y軸圧電アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定波長の光束を出射する光源と、微細な入射開口との間に設けられ、前記光源から出射された光束を、前記入射開口に集光させる光学素子ユニットにおいて、
前記光源側に配置された第1のレンズと、前記入射開口側に配置された第2のレンズとを有し、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのうち少なくとも一方における短い共役長側の光学面は非球面形状を有し、前記非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする光学素子ユニット。
6.5(μm) < Δsag < 30(μm) (1)
sag = fb×NASHG×1.3+0.10(mm) (2)
NASHG = α/f (3)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【請求項2】
所定波長の光束を出射する光源と、微細な入射開口との間に設けられ、前記光源から出射された光束を、前記入射開口に集光させる光学素子ユニットにおいて、
前記光源側に配置された第1のレンズと、前記入射開口側に配置された第2のレンズとを有し、
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのうち少なくとも一方における短い共役長側の光学面は非球面形状を有し、前記非球面形状と、それに光軸位置が一致する所定の軸上局所半径による球面形状との、光軸高さhsagでの差をΔsagとしたときに、以下の式を満たすことを特徴とする光学素子ユニット。
8(μm) < Δsag < 40(μm) (4)
sag = fb×NASHG×1.3+0.12(mm) (5)
NASHG = α/f (6)
但し、
fb:前記一方のレンズのバックフォーカス
α:前記一方のレンズに対する入射光束の1/e2強度の光軸高さ
f:前記一方のレンズの焦点距離
【請求項3】
前記第1のレンズはコリメートレンズであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子ユニット。
【請求項4】
前記第2のレンズはコリメートレンズであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子ユニット。
【請求項5】
前記第1のレンズと前記第2のレンズとは同じ形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学素子ユニット。
【請求項6】
前記第1のレンズ又は前記第2のレンズを光軸直交方向に駆動する駆動装置を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子ユニット。
【請求項7】
前記第1のレンズと前記第2のレンズのうち少なくとも一方はガラス製であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子ユニットに用いる前記第1のレンズ又は前記第2のレンズであって、上記(1)式及び(4)式を満たすことを特徴とするレンズ。
【請求項9】
前記光学素子ユニットは第2高調波発生装置に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子ユニット。
【請求項10】
前記光学素子ユニットは光送受信装置に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学素子ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−197347(P2008−197347A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32055(P2007−32055)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】