説明

光学素子切り替え装置及び光記録再生装置

【課題】
例えば光ディスクレコーダ等の光記録再生装置に備えられる光学素子切替え装置において、小型化を図り、光学素子の光路に対する角度を高精度で制御可能とする。
【解決手段】
光学素子切り替え装置は、光ビームの光路に交わる一の平面内に横並びに配置されると共に、相互の位置関係が固定されており、相互に光学特性が異なる第1領域(8)及び第2領域(9)を有する光学素子(1)と、一の平面内において光路が交わる交差位置が第1領域に含まれる第1状態又は第2領域に含まれる第2状態になるように、光学素子を一の平面内で回動させる回動手段(2)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば光ディスクレコーダ等の光記録再生装置において、光ビームの光路に挿入されるフィルタなどの光学素子を切り換えるのに用いられる、光学素子切り替え装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光学素子切り替え装置として、光記録媒体に低パワーの光ビームを照射すべき再生時に、光ビームの光路途中に強度フィルタを挿入する装置がある。これにより、低パワーの光ビームを光記録媒体上に照射する際にも、半導体レーザ側では、リンキングノイズが発生しない、安定した発信状態を維持できるとされている(特許文献1参照)。
【0003】
他方、光記録媒体の記録層の数に応じて、光ビームの光路途中に、透過率の高いフィルタを挿入したり、透過率の低いフィルタを挿入する装置がある。これにより、光記録媒体に至る光ビームの強度を、記録層の総数に応じて調整できるとされている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−195086号公報
【特許文献2】特開2006−40432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された装置によれば、往復運動により強度フィルタを出し入れするので、強度フィルタが移動するための空間が必要となる。これは装置全体の大型化を招いてしまう。更に、特許文献1では不問であるが、書込処理及び読み取り処理を行うためには、強度フィルタの出し入れ動作時の角度ずれを小さくする必要がある。さもなければ、強度フィルタの出し入れ動作時に光軸ずれが生じ、信頼性を考慮した書き込み処理及び読み取り処理が困難になる。(特許文献2参照)
他方、特許文献2に開示された装置によれば、直角に折れ曲がって縁同士が結合された2枚の透過素子を、その素子面に沿った回転軸を中心に3次元的に回動する機構を採用している。よって、この3次元的な動きを許容する空間が必要となり、装置全体の大型化を招いてしまう。更に、透過素子及び回動に関連する装置部分は、その部品数が多く且つ各部品及び全体として複雑な構造を有しているので、完成後の装置には、部品公差や組立公差が数多く載ってしまう。即ち、部品寸法、組立精度への負荷が多大となり、実際に透過素子1と透過素子2への入射角度ずれを小さくすることは困難であるという技術的問題点がある。
【0006】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型化に適しており、光学素子の光路に対する角度を高精度で制御可能な、光学素子切り替え装置、及びこのような光学素子切替え装置を備える光記録再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載の光学素子切り替え装置は上記課題を解決するために、光ビームの光路に交わる一の平面内に横並びに配置されると共に、相互の位置関係が固定されており、相互に光学特性が異なる第1領域及び第2領域を有する光学素子と、前記一の平面内において前記光路が交わる交差位置が前記第1領域に含まれる第1状態又は前記第2領域に含まれる第2状態になるように、前記光学素子を前記一の平面内で回動させる回動手段とを備える。
【0008】
本発明の請求項11記載の光記録再生装置は上記課題を解決するために、上述した本発明に係る光学素子切り替え装置と、前記光ビームを発信する半導体レーザと、前記発信された光ビームを、前記光学素子を介して光記録媒体に照射することで、書込処理又は読出処理を行う書込読出手段と、前記光記録媒体の種類に応じて前記第1状態又は第2状態に切り換えるように前記光学素子切り替え装置を制御する制御手段とを備える。
【0009】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための実施の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(光学素子切り替え装置)
【0011】
本実施形態の光学素子切り替え装置は上記課題を解決するために、光ビームの光路に交わる一の平面内に横並びに配置されると共に、相互の位置関係が固定されており、相互に光学特性が異なる第1領域及び第2領域を有する光学素子と、前記一の平面内において前記光路が交わる交差位置が前記第1領域に含まれる第1状態又は前記第2領域に含まれる第2状態になるように、前記光学素子を前記一の平面内で回動させる回動手段とを備える。
【0012】
本実施形態の光学素子切り替え装置によれば、例えば光記録再生装置内において、異なる光学特性を有する光学素子の挿入が要求されると、例えばアクチュエータ、コントローラ等を含んでなる回動手段によって、光学素子は、その第1及び第2領域が横並びに配置された一の平面内で回動されて、交差位置が第1領域に含まれる第1状態となる。即ち、第1領域として例えば透過率50%程度のフィルタ領域に、交差位置が含まれることとなり、光ビームは、第1領域を通過する。或いは、光学素子は、一の平面内で回動されて、交差位置が第2領域に含まれる第2状態となる。即ち、第2領域として例えば透過率100%近い透明領域に、交差位置が含まれることとなり、光ビームは、第2領域を通過する。
【0013】
ここで特に、その第1及び第2領域は同一平面内に横並びに配置されており、しかも、回動手段は、この平面内で光学素子を回動させるので、比較的単純な回動により光学素子における第1及び第2領域の相互切り替えを可能ならしめつつ、一平面に沿って薄型である装置、即ち小型の装置として構築することが容易となる。更に、一の平面内で光学素子を回動させるので、光ビームの光軸に対して一の平面(即ち、第1及び第2領域)の配置角度を、光ビームの光軸に対して垂直にすること等も容易となる。更にまた、このような比較的単純な構成であるが故に、部品点数や組立工数は少なくなり、部品公差や組立公差も基本的に小さくて澄む。同時に、回転機構の利点を生かし、レバー比を効かせることができるので、駆動源の駆動角度を小さくすることができ、必要な駆動力も小さくなるので、消費電力の低下につながる。また、駆動源の選択の自由も増える。
【0014】
以上のように本実施形態によれば、当該光学素子切り替え装置の小型化やこれを備えて成る光記録再生装置の小型化が可能となる。しかも、光学素子の光路に対する角度を高精度で制御可能となる。
【0015】
本実施形態の一態様では、前記光ビームは、半導体レーザから発信されて光記録媒体に至り、前記光学特性は、光透過率である。
【0016】
この態様によれば、光記録媒体に至る半導体レーザからの光ビームの光路に挿入される、光量切り換えシャッターとして機能する。即ち、例えば光記録再生装置内において、50%程度の低い光透過率の光学素子の挿入が要求されると、回動手段によって、光学素子は、一の平面内で回動されて、交差位置が、光シャッターとして機能する、低光透過率の第1領域に含まれる。或いは、例えば100%近くの高光透過率の光学素子の挿入が要求されると、回動手段によって、光学素子は、一の平面内で回動されて、交差位置が、光シャッターのない状況を構築する、高光透過率の第2領域に含まれる。
【0017】
ここで特に、光ビームは半導体レーザから発信されるので、仮に、例えば1.3mW以下というような低パワーで発信させたのでは、リンキングノイズ或いは量子雑音(即ち、パワーが低すぎて半導体レーザの発信が安定しないことによるノイズ)が発生してしまう場合がある。この場合、仮に、高パワーのまま、光記録媒体に照射したのでは、記録が消去されてしまいかねない。
【0018】
しかるに本態様によれば、例えば2.6mW以上の安定した発信が可能な高パワーの光ビームを発信させつつ、50%の光透過率の第1領域を通過させることで、光記録媒体に至るときには、1.3mWというような低パワーであって、読み取りに適したパワーの光ビームを実現できる。
【0019】
更に、光記録媒体の記録面上に光ビームにより形成される光スポットの品位を記録又は再生に適したレベルに維持するためには、パワーのみならず、光学素子の出し入れ動作時の角度ずれを小さくすることが極めて重要となる。仮に、光路に対して光学素子が、例えばコンマ数度〜数度程度傾いてしまったのでは、光スポットが想定外の形に歪んだりボケたりしてしまい、ジッター、シンメトリなどの評価要素の低下を招き、最終的には、エラー訂正が困難或いは不可能な程度の読み取り或いは書き込みエラーが発生してしまいかねない。
【0020】
しかるに本態様によれば、同一平面内の光学素子の回動によって、光透過率の切り替えを行うことで、容易にして、選択的な光シャッターとして機能する第1又は第2領域を光路に対して垂直にできる。
【0021】
加えて、光記録再生装置の場合、ハンディカメラ、軽量パソコン、モバイルなどの用途によっては特に、或いは全用途についても一般に、小型軽量化の基本的要請がある。よって、この場合における、本実施形態により光学素子切り替え装置の薄型化や小型化、更には光記録再生装置の薄型化や小型化を図るのは、非常に有利である。
【0022】
本実施形態の他の態様では、前記光学素子は、前記第1領域を含む部位と前記第2領域を含む部位とが一体的に形成されている。
【0023】
この態様によれば、例えば同一基板上に第1領域を含む部位と第2領域を含む部位とが同一基板上に形成されているなど、一体的に形成されている。ここに「一体的に形成されている」とは、個々の部品として別々に製造された後に組み立てられたものではなく、個々の部品として相互から分離できない状態で形成されていることを意味する。よって、光透過率等の光学特性が相異なる第1及び第2領域間で、部品交差や組立公差がなくなる。この結果、光学素子自体を含めた光学素子を回動する機構等の全体について、部品寸法、組立精度への負荷がより一層軽減される。
【0024】
この態様では、前記光学素子は、基板と、該基板上における前記第1領域に形成されたフィルタ層とを有してもよい。
【0025】
このように構成すれば、例えば、0.3mm程度に薄い透明基板(典型的には、ガラス基板)上における第1領域に、フィルタ層が、蒸着により成膜される。この際、蒸着されなかった透明基板の部位が、第2領域となる。蒸着膜の膜厚は、例えば数nm〜数十nm或いは数百nm程度に薄いものであり、いずれにせよ透明基板と比べて格段に薄いので、光学素子における第1領域を含む部位と第2領域を含む部位との間で、板厚或いは光学膜厚の差は殆どないとみなせる。
【0026】
この際、基板の板厚を、薄くすればする程、光路に対する、第1及び第2領域が配置されている一の平面の角度のずれの許容範囲が大きくなる。これは、薄ければ、斜めになって光ビームが通過した際における変化量が小さくなるからである。このような観点からは、基板は、機械的強度が装置仕様を満足する限りにおいて、或いはコストが許す限りにおいて、薄い程よい。
【0027】
他方、光学素子は、このように単一基板から構成されるのではなく、第1領域を有する第1基板と、第2領域を有する第2基板と、第1及び第2基板を周囲から支持すると共に前記一の平面に沿って広がる板状の支持部材とを有してもよい。
【0028】
本実施形態の他の態様では、前記光学素子を前記第1及び第2領域を露出させたまま支持すると共に前記一の平面に沿って延び、前記第1及び第2領域から離間した箇所に前記回動手段の駆動軸が付けられた第1支持部材を更に備え、前記回動手段は、前記第1支持部材を前記駆動軸の周りで前記一の平面に沿って回動させることで、前記光学素子を回動させる。
【0029】
この態様によれば、回動手段によって、光学素子が直接回動されるのではなく、光学素子を第1及び第2領域を露出させたまま支持する、例えば樹脂ホルダ等の第1支持部材が回動されることで、これに支持されている光学素子が一体として回動される。ここで特に、第1支持部材は、一の平面に沿って延びており、第1及び第2領域から、言い換えれば、一の平面内における光路の位置である交差位置から、離間した箇所にて、回動手段の駆動軸により回動される。従って、交差位置からの離間距離を様々な値にすることで、回動手段による回動態様の自由度が容易にして格段に高まり、しかも離間距離をとることで、第1支持部材による支持スパンを広げることもでき、これにより第1及び第2領域の法線が光路から、一層傾き難い機構構造を採ることも可能となる。
【0030】
本実施形態の他の態様では、前記第1支持部材を前記一の平面に交差する交差方向に付勢することで、前記第1支持部材における前記交差方向に対する姿勢を安定させる弾性部材を更に備える。
【0031】
この態様によれば、例えば、バネ或いは板バネ等の弾性部材によって、第1支持部材は一の平面に交差する交差方向に付勢され、これにより交差方向に対する姿勢が安定されているので、第1支持部材により支持された光学素子における第1及び第2領域の法線が、光路から傾く事態を効率的に未然防止できる。仮に、このような付勢がなければ、第1支持部材が、ガタついたり、回動軸の周囲で傾いたりして、光学素子における第1及び第2領域が光路に対して傾き易くなりかねない。そこで、弾性部材で第1支持部材を交差方向に付勢する、或いは、恒等的に付勢し続けることは、光学素子における第1及び第2領域が光路に対して傾けさせないために極めて有効である。
【0032】
この態様では、前記弾性部材は、前記第1支持部材における前記第1及び第2領域より前記駆動軸に近い箇所を付勢してもよい。
【0033】
このように構成すれば、弾性部材は、駆動軸に近い箇所を付勢するので、回動手段により切り換え時に必要な回動角度や、回動に必要なトルクを、適当な大きさに調整することが可能となる。
【0034】
上述した弾性部材を備える態様では、前記回動手段の本体が固定されると共に前記駆動軸が内部を摺動する穴を有する第2支持部材を更に備え、前記弾性部材は、前記第1支持部材を前記第2支持部材に対して付勢してもよい。
【0035】
このように構成すれば、弾性部材によって、第1支持部材は、回動手段の本体が固定された、例えば樹脂ホルダ等の第2支持部材に対して付勢されるので、回動手段の本体は第2支持部材に固定されていても、その穴を介して駆動軸は回動し得、その先端にて第1支持部材を回動させるようにでき、回動動作を安定させること可能となる。よって、回動前後における第1支持部材の光路に対する姿勢を極めて安定させることが可能となり、最終的には、光学素子の光路からの傾きを極めて安定的に低減できる。
【0036】
上述した弾性部材を備える態様では、前記弾性部材は、前記第1支持部材における前記穴の周囲に設けられた円盤状の肉厚部を付勢してもよい。
【0037】
このように構成すれば、回動に必要な駆動力の増大につながるモーメント力の発生を抑制でき、回動装置の消費電量を小さくできる。
【0038】
上述した弾性部材を備える態様では、前記弾性部材は、前記一の平面上で平面的に見て、前記交差位置の周囲に開口が設けられ、根元側にて前記開口の縁から内側に向かって長手状に延びる切り込みにより輪郭が規定されていると共に先端側にて前記第1支持部材を付勢する板バネを、一体的に含んでなる板状バネ部材を有する。
【0039】
このように構成すれば、開口の存在により、光ビームの進行を妨げることなく、開口内を延びる平らな板状バネ部材によって、第1支持部材を付勢できる。しかも、平らな板状バネ部材は、一の平面に沿って平らであるので、当該光学素子切り替え装置の薄型化を妨げないためには或いは薄型化を図るためには、極めて有利である。
(光記録再生装置)
【0040】
本実施形態に係る光記録再生装置は上記課題を解決するために、上述した本実施形態に係る光学素子切り替え装置(但し、その各種態様を含む)と、前記光ビームを発信する半導体レーザと、前記発信された光ビームを前記光学素子を介して光記録媒体に照射することで、書込処理又は読出処理を行う書込読出手段と、前記光記録媒体の種類に応じて前記第1状態又は第2状態に切り換えるように前記光学素子切り替え装置を制御する制御手段とを備える。
【0041】
本実施形態の光記録再生装置によれば、上述した本実施形態に係る光学素子切り替え装置を備えるので、小型化が可能となり、しかも高精度で角度制御された光学素子を利用することで、書込読取手段による書込処理及び読出処理を、効率的に且つ迅速に行うことが可能となる。特に、例えば、コントローラ、メモリ等を含んでなる制御手段の制御下で、例えば記録層が一層の光ディスクである、記録層が二層或いはそれ以上の光ディスクである等の光記録媒体の種類に応じて、光学素子切り替え装置により、第1状態又は第2状態に切り換えられる。
【0042】
尚、「光記録媒体の種類」とは、記録層の数に限らず、BlueRayディスク、HDDVD、DVD、CD等の大まかな種類やDVD−ROM、DVD−R、DVD−R+、DVD−R−などより詳細な種類など、相異なる光学特性の光学素子を挿入した方が、記録処理や再生処理がより適切或いは容易に行われるような多様な種類が考えられる。
【0043】
本実施形態に係る光記録再生装置の一態様では、前記制御手段は、前記光記録媒体の種類に加えて又は代えて、前記書込処理及び前記読出処理のいずれを行うかに応じて、前記第1状態又は前記第2状態に切り換えるように前記光学素子切り替え装置を制御する。
【0044】
この態様によれば、制御手段の制御下で、光記録媒体の種類だけでなく、これに加えて又は代えて、例えば今から書込処理を行うのか若しくは読み取り処理を行うかに応じて、光学素子切り替え装置により、第1状態又は第2状態に切り換えられる。
【0045】
本実施形態の作用及び他の利得は次に説明する実施するための実施例から明らかにされる。
【0046】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る光学素子切り替え装置によれば、光学素子及び回動手段を備えるので、小型化が可能となり、しかも光学素子を高精度で角度制御できる。更に、本実施形態に係る光記録再生装置は、光学素子及び回動手段、並びに半導体レーザ、書込読取手段及び制御手段を備えるので、小型化が可能となり、しかも高精度で角度制御された光学素子を利用することで、書込読取手段による書込処理及び読出処理を、効率的に且つ迅速に行うことが可能となる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の光学素子切り替え装置に係る各実施例を図面に基づいて説明する。
【0048】
<第1実施例>
本発明の第1実施例について、図1乃至図8を参照して説明する。
【0049】
先ず、第1実施形態の全体構成について図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す斜視図であり、説明の便宜上、回動装置を含めて描かれていると共に、弾性部材が不図示とされている。図2は、図1と同趣旨の斜視図であり、弾性部材を含めて描かれていると共に回動装置が不図示とされている。
【0050】
図1において、光学素子切り替え装置は、光学素子1、回動装置2及び第1支持部材3を備えて構成されている。光学素子切り替え装置は、半導体レーザ6から発信された光ビーム7が光学素子1を介して、本発明に係る「光記録媒体」の一例である光ディスクに至るように、本発明に係る「光記録再生装置」の一例であるディスクレコーダに取り付けられている。
【0051】
光学素子1は、相互に光学特性が異なる第1領域8及び第2領域9を有している。本実施例では特に、光学特性は、光通過率である。第1領域8と第2領域9とは、光ビーム7の光路に交わる一の平面内に横並びに配置されると共に一体的に形成されることで、相互の位置関係が固定されている。
【0052】
回動装置2は、光学素子1を第1支持部材3ごと回動させるように構成されている。回動装置は、電気式、電磁式等のモータ、アクチュエータなどから、第1領域8が光ビーム7の光路に交わる位置と、第2領域9が光ビーム7の光路に交わる位置との、少なくとも2つの位置に回動可能であり且つ回動後に停止或いは固定可能に構成されている。
【0053】
第1支持部材3は、光学素子1の第1領域8及び第2領域9を露出させたまま支持するように構成されている。第1支持部材3には、第1領域8及び第2領域9から離間した箇所に、回動装置2の駆動軸4が付けられている。回動装置2によって、第1支持部材3が駆動軸4の周りで前記一の平面に沿って回動されることで、光学素子1が一体として回動させる。具体的には、第1支持部材3は、一の平面に沿って延びており、第1領域8及び第2領域9の位置(即ち、一の平面内における光路の位置である交差位置)から、離間した箇所にて、回動装置2の駆動軸4により回動される。この構成によって、本実施形態の光学素子切り替え装置では、同一平面内の光学素子1の回動によって、光通過率の切り替えを容易に行うことができ、光シャッターとして機能する第1領域8及び第2領域9を光路に対して垂直にし易くなる。同時に、回転機構の利点を生かし、レバー比を効かせることができるので、駆動軸4の駆動角度を、例えば±10度程度に小さくすることができ、必要な駆動力も小さくなるので、消費電力を大幅に低くすることができる。
【0054】
図2に示すように、光学素子切り替え装置は、弾性部材5を更に備える。弾性部材5は、平板金属がカットされ更に折り曲げられて作成されたものであり、その外縁が折り曲げられることで、第1支持部材3に取り付けられている。弾性部材5は、第1支持部材3を前記一の平面に交差する交差方向に(即ち、回動装置2に向って)付勢することで、第1支持部材3における前記交差方向に対する姿勢を安定させるように、第1支持部材3に取り付けられている。特に、第1支持部材3により支持された光学素子1における第1領域8及び第2領域9の法線が、光ビーム7の光路から傾くことを防ぐように、弾性部材5のうちの長手状の板バネ16が第1支持部材3を、駆動軸4側に付勢している。
【0055】
次に図3及び図4を参照して、光学素子1の詳細について説明する。ここに図3は、第1実施例に係る第1支持部材3の様子を示す拡大平面図であり、図4は、そのうち光学素子1のみを抜き出した図3のH−H’断面図である。
【0056】
図3において、光学素子1は、第1領域8及び第2領域9が横並びに配置されている。第1領域1は、例えば透過率50%程度のフィルタ領域である。第2領域9は、例えば透過率100%近い透明領域である。
【0057】
図4において、光学素子1は、例えば0.3mmなどコンマ数ミリの厚みを有するガラス基板である、基板10と、基板10上における第1領域8に形成されたフィルタ層11とを有している。フィルタ層11は、例えば真空蒸着、スパッタリング等により形成され、例えば数nm〜数十nm或いは数百nm程度の膜厚を有する。他方、基板10上における第2領域9には、フィルタ層11が形成されておらず、基板10からそのまま第2領域9が構成されている。即ち、光学素子1は、第1領域8を含む部位と第2領域9を含む部位とが同一基板10上に、一体的に形成されている。結果として、光学素子1及び回動装置2の全体について、部品寸法、組立精度への負荷が顕著に軽減される。しかも、フィルタ層11の膜厚は、基板10と比べて格段に薄いので、光学素子1における第1領域8を含む部位と第2領域9を含む部位との間で、板厚或いは光学膜厚の差は殆どないとみなせる。このため、両領域間における光学膜厚の差が光ビームに対して及ぼす影響は実践上無視できる。
【0058】
次に以上のように構成された光学素子切り替え装置における、回動装置2の詳細構成及びこれによる切り換え動作について、図5及び図6を参照して説明する。ここに図5は、第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す図式的な上面図であり、説明の便宜上、第1及び第2支持部材の断面が合わせて描かれていると共に、弾性部材5が不図示とされている。図6は、第1実施例に係る光学素子切り替え装置の正面図であり、第1位置及び第2位置の両者が書き込まれていると共に、弾性部材5が不図示とされている。
【0059】
図5に示すように、光学素子切り替え装置は、回動装置2の本体が固定される第2支持部材13を備えている。また、図5及び図6に示すように、第2支持部材13は、樹脂ホルダから構成されており、回動装置2の駆動軸4が内部を摺動する穴14を有している。よって、回動装置2の本体は、第2支持部材13に固定されていても、その穴14を介して駆動軸は回動し得、その先端にて第1支持部材3を回動させるようにでき、回動動作を安定させること可能となる。
【0060】
図5及び図6において、光学素子切り替え装置による切り換え動作時には、回運装置2により第1支持部材3が駆動軸4の周りに回転されることで、光学素子1が同一平面内で回転されて、状態1A又は状態1Bとされる。具体的には、光レーザ6(図1参照)を素通するべき場合には、図6中で矢印に沿って下向きに(即ち時計回りに)回転されて状態1Aとされ、第1領域8は光路の下方へ外されると共に第2領域9が光路に配置される。逆に、光レーザ6(図1参照)にフィルタをかけたい、即ちその光量を落としたい場合には、図6中で矢印に沿って上向きに(即ち反時計回りに)回転されて状態1Bとされ、第2領域9は光路の上方へ外されると共に第1領域8が光路に配置される。
【0061】
次に以上のように構成された光学素子切り替え装置における、弾性部材5の詳細構成及びこれによる安定化について、図7及び図8を参照して説明する。ここに図7は、図5と同趣旨の上面図であり、弾性部材5が図示されている。図8は、図6と同趣旨の正面図であり、弾性部材5が図示されている。
【0062】
図7及び図8、並びに図2に示すように、弾性部材5には、光路が交わる交差位置の周囲に開口18が設けられる。弾性部材5は第1支持部材を付勢する板バネ16及び板状バネ部材17を有している。即ち、板状バネ部材17は、板バネ16の根元側19にて前記開口18の縁から内側に向かって長手状に延びる切り込みにより輪郭が規定されていると共に、板バネ16の先端側20にて前記第1支持部材3を付勢する板バネ16を、一体的に含んでなる。弾性部材5は、第1支持部材3における第1領域8及び第2領域9より駆動軸4に近い箇所12を付勢する。具体的には、第1支持部材3における穴14の周囲に円盤状の肉厚部15が設けられており(図1参照)、弾性部材5は、この円盤状の肉厚部15を付勢することで、第1支持部材3を第2支持部材13に対して付勢する(図2参照)。
【0063】
このように構成すれば、開口18の存在により、光ビーム7の進行を妨げることなく、開口18内を延びる平らな板状バネ部材17によって、第1支持部材3を付勢できる。しかも、平らな板状バネ部材17は、一の平面に沿って平らであるので、光学素子切り替え装置の薄型化を妨げないためには或いは薄型化を図るためには、極めて有利である。
【0064】
特に、弾性部材5は、第1支持部材3における肉厚部15を付勢するので、駆動軸4に例えば1.1mm程度の近い位置にて付勢することで、回動に必要な駆動力の増大につながるモーメント力の発生を抑制できる。
【0065】
以上のように、弾性部材5を用いることで、回動前後における第1支持部材2の光路に対する姿勢を極めて安定させることが可能となり、最終的には、光学素子の光路からの傾きを極めて安定的に低減できる。これらの結果、光学素子切り替え装置の小型化が可能となる。しかも、光学素子1の光路に対する角度を高精度で制御できる。
【0066】
特に、図1に示したように光学素子1が実際に使用される際には、光ビーム7は半導体レーザ6から発信されるので、仮に、例えば1.3mW以下というような低パワーで発信させたのでは、リンキングノイズ或いは量子雑音(即ち、パワーが低すぎて半導体レーザの発信が安定しないことによるノイズ)が発生してしまう場合がある。しかるに本実施例に拠れば、例えば2.6mW以上の安定した発信が可能な高パワーの光ビーム7を発信させつつ、50%の光透過率の第1領域8を通過させることで、光ディスクに至るときには、1.3mWというような低パワーであって、読み取りに適したパワーの光ビーム7を実現できる。更に、光ディスクの記録面上に光ビーム7により形成される光スポットの品位を記録又は再生に適したレベルに維持するためには、パワーのみならず、光学素子1の出し入れ動作時の角度ずれを小さくすることが極めて重要となる。しかるに本実施例によれば、同一平面内の光学素子1の回動によって、光透過率の切り替えを行うことで、容易にして、選択的な光シャッターとして機能する第1領域8又は第2領域9を光路に対して垂直にできる。このため、光ディスク上に形成される光スポットが歪んだりボケたりすることを回避でき、良好なジッター、シンメトリなども得られる。よって読み出し時や書き込み時におけるエラーを低減できる。
【0067】
<第2実施例>
本発明の光学素子切り替え装置に係る第2実施例について、図9を参照して説明する。ここに、図9は、図4と同趣旨の、本発明の第2実施例に係る光学素子1の拡大断面図である。第2実施例では、光学素子1の構成が異なる以外は、第1実施例と同様である。よって、第2実施例について、第1実施例と重複する説明を省略すると共に、図面上における共通箇所には同一符号を付して示し、基本的に異なる点についてのみ、図9を参照して説明する。
【0068】
図9に示すように、第2実施例に係る光学素子21は、第1領域22を有する第1基板24と、第2領域23を有する第2基板25とを備える。更に、第1基板24及び第2基板25を周囲から支持すると共に前記一の平面に沿って広がる板状の支持部材26を備えて構成されている。光学素子21は、第1基板24上における第1領域22に形成されたフィルタ層27を有している。第1実施例と同様に、光学素子21は、第1領域22を含む部位と第2領域23を含む部位とが一体的に形成されている。
【0069】
第2実施例によれば、第1実施例の場合と同様に、光学素子1及び回動装置3の全体について、部品寸法、組立精度への負荷が顕著に軽減される。
【0070】
<第3実施例>
次に図10を参照して、本発明の光記録再生装置に係る実施例を説明する。ここに図10は、本実施例のブロック図である。
【0071】
図10において、光記録再生装置は、上述した第1又は第2実施例に係る光学素子切り替え装置30と、半導体レーザ6と、書込読出部31と、制御部33とを備える。
【0072】
書込読出部31は、レーザ駆動部等の光ピックアップの一部から構成されており、半導体レーザ6から発信された光ビーム7を、書込用の高パワーにて、本発明に係る「光記録媒体」の一例である光ディスク100に光学素子1を介して照射することで、書込処理を行う。或いは、書込読出部31は、半導体レーザ6から発信された光ビーム7を、読取用の低パワーにて、光ディスク100に光学素子1を介して照射することで、読出処理を行う。制御部33は、プロセッサ等を備えて構成されており、光ディスクの種類に応じて、第1領域8が光路に配置される第1状態、又は第2領域9が光路に配置される第2状態に切り換えるように、光学素子切り替え装置30の回動装置3を制御するように構成されている。
【0073】
本実施例によれば、上述した第1又は第2実施例に係る光学素子切り替え装置30を備えるので、小型化が可能となり、しかも高精度で角度制御された光学素子1を利用することで、書込読取部による書込処理及び読出処理を、効率的に且つ迅速に行うことが可能となる。
【0074】
本実施例では特に、制御部33による制御下で、光ディスク100が一層光ディスクであるか、又は二層若しくは多層ディスクであるかの別に応じて、第1状態又は第2状態に切り換えられる。
【0075】
例えば、一層ディスクの場合に、半導体レーザ6側ではリンキングノイズが発生しない程度に高く且つ光ディスク100側では強過ぎる2.6mWの光ビームを発信させつつ、光学素子1は、第1領域8(即ち、低光透過率のフィルタ領域)に切り換えられる。これにより、光ディスク100に届く際の光ビームのパワーを、一層ディスクの読取処理に好適である1.3mWに設定できる。
【0076】
他方、2層若しくは多層ディスクの場合に、半導体レーザ6側では当初から2.6mWの光ビームを発信させつつ、光学素子1は、第2領域9(即ち、透過領域)に切り換えられる。これにより、光ディスク100に届く際の光ビームのパワーを、2層若しくは多層ディスクの読取処理に好適である2.6mWにできる。
【0077】
本実施例では、光ディスク100の種類としては、記録層の数に限らず、BlueRayディスク、HDDVD、DVD、CD等の大まかな種類やDVD−ROM、DVD−R、DVD−R+、DVD−R−などより詳細な種類など、相異なる光学特性の光学素子1を挿入した方が、記録処理や再生処理がより適切或いは容易に行われるような多様な種類が考えられる。
【0078】
特に、光記録再生装置が、高性能ブルーレイ規格の光ディスクレコーダ等であると、レーザーパワーが高く、伝統的な液晶スイッチを利用した光シャッターでは、液晶劣化により対応が困難或いは不可能である。このため、本実施例の如く、光学素子1を回動により適宜用いることは、レーザーパワーが高い光ディスクレコーダ等において極めて有利となる。また、高速記録の場合には、光ディスク100の回転速度の上昇に応じて書き込み時間が短くなるので、より高いレーザーパワーが必要となる。このため、伝統的な液晶スイッチではやはり対応困難或いは不可能である。この場合にも、本実施例の如く光学素子1を回動により適宜用いることは、極めて有利となる。
【0079】
<変形例>
上述の第3実施例では、制御部33は、光ディスク100の種類に応じて、光学素子1を切り換えたが、第3実施例の変形例として、光ディスク100の種類に加えて又は代えて、書込処理及び読出処理のいずれを行うかに応じて、光学素子1を切り換えるように光学素子切り替え装置30を制御してもよい。
【0080】
本変形例によれば、制御部33の制御下で、光記録媒体の種類だけでなく、これに加えて又は代えて、例えば今から書込処理を行うのか若しくは読み取り処理を行うかに応じて、回動装置3により、第1状態(即ち、第1領域8が光路に配置される状態)又は第2状態(即ち、第2領域9が光路に配置される状態)に切り換えられる。
【0081】
例えば、読み取り処理を行う場合には、半導体レーザ6側ではリンキングノイズが発生しない程度に高く(即ち、コンマ数mW〜数mW程度の、光ディスク100の表面における通常の読み取りに用いられる程度に低くなく)且つ光ディスク100側では読み取り処理には強過ぎる数mW〜十数mW程度の光ビーム7を発信させつつ、光学素子1は、第1領域8(即ち、低光透過率のフィルタ領域)に切り換えられる。これにより、光ディスク100に届く際の光ビーム7のパワーを、読取処理に好適である、例えば1.3mWに設定できる。
【0082】
他方、書込処理を行う場合に、半導体レーザ6側では当初から書き込みに必要な数十〜数百mWの光ビーム7を発信させつつ、光学素子1は、第2領域9(即ち、透過領域)に切り換えられる。これにより、光ディスク100に届く際の光ビーム7のパワーを書込処理に好適であるレベルに維持できる。
【0083】
尚、本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学素子切り替え装置及び光記録再生装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す一の斜視図である。
【図2】第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す他の斜視図である。
【図3】第1実施例に係る第1支持部材3の様子を示す拡大平面図である。
【図4】第1実施例に係る光学素子1のみを抜き出した図3のH−H’断面図である。
【図5】第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す図式的な上面図である。
【図6】第1実施例に係る光学素子切り替え装置の正面図である。
【図7】第1実施例に係る光学素子切り替え装置の構成を示す図式的な上面図である。
【図8】第1実施例に係る光学素子切り替え装置の正面図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る光学素子1の拡大断面図である。
【図10】本発明の第3実施例に係る光記録再生装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0085】
1…光学素子、2…回動装置、3…第1支持部材、4…駆動軸、5…弾性部材、8…第1領域、9…第2領域、13…第2支持部材、14…穴、15…肉厚部、16…板バネ、17…板状バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームの光路に交わる一の平面内に横並びに配置されると共に、相互の位置関係が固定されており、相互に光学特性が異なる第1領域及び第2領域を有する光学素子と、
前記一の平面内において前記光路が交わる交差位置が前記第1領域に含まれる第1状態又は前記第2領域に含まれる第2状態になるように、前記光学素子を前記一の平面内で回動させる回動手段と
を備えることを特徴とする光学素子切り替え装置。
【請求項2】
前記光ビームは、半導体レーザから発信されて光記録媒体に至り、
前記光学特性は、光透過率である
ことを特徴とする請求項1に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項3】
前記光学素子は、前記第1領域を含む部位と前記第2領域を含む部位とが一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項4】
前記光学素子は、基板と、該基板上における前記第1領域に形成されたフィルタ層とを有することを特徴とする請求項3に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項5】
前記光学素子を前記第1及び第2領域を露出させたまま支持すると共に前記一の平面に沿って延び、前記第1及び第2領域から離間した箇所に前記回動手段の駆動軸が付けられた第1支持部材を更に備え、
前記回動手段は、前記第1支持部材を前記駆動軸の周りで前記一の平面に沿って回動させることで、前記光学素子を回動させる
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項6】
前記第1支持部材を前記一の平面に交差する交差方向に付勢することで、前記第1支持部材における前記交差方向に対する姿勢を安定させる弾性部材を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項7】
前記弾性部材は、前記第1支持部材における前記第1及び第2領域より前記駆動軸に近い箇所を付勢することを特徴とする請求項6に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項8】
前記回動手段の本体が固定されると共に前記駆動軸が内部を摺動する穴を有する第2支持部材を更に備え、
前記弾性部材は、前記第1支持部材を前記第2支持部材に対して付勢することを特徴とする請求項6又は7に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、前記第1支持部材における前記穴の周囲に設けられた円盤状の肉厚部を付勢することを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項10】
前記弾性部材は、前記一の平面上で平面的に見て、前記交差位置の周囲に開口が設けられ、根元側にて前記開口の縁から内側に向かって長手状に延びる切り込みにより輪郭が規定されていると共に先端側にて前記第1支持部材を付勢する板バネを、一体的に含んでなる板状バネ部材を有することを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の光学素子切り替え装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の光学素子切り替え装置と、
前記光ビームを発信する半導体レーザと、
前記発信された光ビームを、前記光学素子を介して光記録媒体に照射することで、書込処理又は読出処理を行う書込読出手段と、
前記光記録媒体の種類に応じて前記第1状態又は第2状態に切り換えるように前記光学素子切り替え装置を制御する制御手段と
を備える光記録再生装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記光記録媒体の種類に加えて又は代えて、前記書込処理及び前記読出処理のいずれを行うかに応じて、前記第1状態又は前記第2状態に切り換えるように前記光学素子切り替え装置を制御することを特徴とする請求項11に記載の光記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−272024(P2009−272024A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124402(P2008−124402)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】