光学装置及びそれを用いた液晶表示装置
【課題】光学装置及びそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1方向に磁化した磁性材料層を備え、磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする光学装置である。
【解決手段】第1方向に磁化した磁性材料層を備え、磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする光学装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置及びそれを用いた液晶表示装置に係り、さらに詳細には、製造が容易であり、大面積に製造可能な大面積能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、ワイヤグリッド偏光子の概略的な構造を示している。図1を参照すれば、ワイヤグリッド偏光子は、透明基板16a上に伝導性金属ワイヤ16bを平行に一定間隔で配した構造を有する。このような構造のワイヤグリッド偏光子は、金属ワイヤ16bの配置周期Pが光の波長に比べて長いほど、回折格子の特性をさらに多く有し、金属ワイヤ16bの配置周期Pが光の波長に比べて短いほど、偏光子の特性をさらに多く有する特徴がある。また、偏光子の特性を有する場合、前記ワイヤグリッド偏光子は、金属ワイヤ16bに平行した偏光成分を有する光を反射させ、金属ワイヤ16bに垂直な偏光成分の光を透過させる。
【0003】
しかし、前記ワイヤグリッド偏光子が可視光線の領域で偏光子の特性を有するためには、金属ワイヤ16bの配置周期Pが約100nm以下とならねばならない。これまで開発された技術としては、金属ワイヤ16bをかように短い周期で配するためには、半導体製造工程で使用する電子ビームリソグラフィ技術を使用せねばならない。しかし、電子ビームリソグラフィ技術は、数μmほどの非常に小さい半導体素子の製造に適しており、ディスプレイ装置で使用するための数十ないし数百cm2規模のワイヤグリッド偏光子の製造には適していない。このような理由から、可視光線の領域で使用できるワイヤグリッド偏光子は、これまで実験室でのみ小さく製造されたところがあり、ディスプレイ装置用に適当な大面積のワイヤグリッド偏光子を量産できる技術は、まだ開発されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、大面積を有し、低コストで量産の可能な能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置を提供することである。
本発明の他の目的は、前記光学装置を利用したバックライトユニット、液晶パネル及び液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一類型による光学装置は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行な磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
前記磁性材料層は、多数の磁性粒子及び前記多数の磁性粒子が互いに凝集することなくに分布されている透明な絶縁性媒質で形成される。
前記磁性材料層は、磁場が印加されれば、第1方向に磁化し、磁場が除去された後にも第1方向に磁化し続ける。
前記磁性材料層は、磁場が印加される場合にのみ第1方向に磁化しうる。
前記磁性材料層の厚さは、前記磁性材料層の磁気減衰の長さより大きい。
それぞれの磁性粒子は、透明な絶縁性シェルまたは透明な絶縁性界面活性剤によって取り囲まれている。
前記磁性粒子は、球形状、タマゴ型状、直六面体型状、正六面体型状、楕円形状またはシリンダー型状でありうる。
【0006】
前記磁性材料層の両面に配された絶縁層をさらに備えうる。
前記磁性材料層が上面に配されている透明基板をさらに備えうる。
前記磁性粒子は、強磁性体、超常磁性体、常磁性体、反磁性体及びフェリ磁性体のうち何れか一つでありうる。
前記磁性粒子は、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン、ガドリニウム、銀、銅、クロム、CoxPty、FevPtz、MnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3及びSr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz、CoxZryNbzFevのうちから選択された何れか一つでありうる。
前記磁性粒子は、1ないし1000nmの直径を有しうる。
前記磁性材料層は、1μm以下の厚さを有する磁性薄膜フィルムで形成される。
前記磁性材料層は、磁性ポリマーを含みうる。
前記磁性材料層は、磁性粒子と透明絶縁性粒子との混合で形成される。
前記磁性材料層の表面にコーティングされた透明保護フィルムをさらに備えうる。
前記光学装置は、前記磁性材料層に磁場を印加するためのものであって、前記磁性材料層の少なくとも一面に配される伝導性素子をさらに備えうる。 前記光学装置は、前記伝導性素子に連結された電源をさらに含みうる。 前記伝導性素子は、前記磁性材料層上に配列された多数本のワイヤでありうる。 前記ワイヤの間に透光性絶縁材が充填される。
前記伝導性素子は、板状の透明電極でありうる。
【0007】
本発明の他の類型による偏光された電磁波を形成する方法は、磁性材料層を提供するステップと、前記磁性材料層を第1方向に磁化させるステップと、前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による偏光された電磁波を形成する方法は、第1方向に磁化した磁性材料層を提供するステップと、前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による液晶パネルは、液晶層と、第1方向に磁化した磁性材料層を備える偏光子と、を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による液晶表示装置は、液晶パネルと、バックライトユニットと、前記液晶パネルとバックライトユニットとの間に配された偏光子と、を備え、前記偏光子は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
前記構造を有する本発明による能動型反射偏光子の場合、ペースト状態の透明な絶縁性材料にコア・シェル構造の磁性粒子を混合して透明基板上に塗布した後に硬化させるか、または溶液内に液浸されたコア・シェル構造の磁性粒子を透明基板上にコーティングして硬化させるか、または磁性ポリマーフィルムを透明基板に直接付着する方式で磁性材料層を形成しうる。したがって、透明基板上に非常に細い金属ワイヤを非常に狭い間隔で配せねばならないワイヤグリッド偏光子に比べて、本発明による能動型反射偏光子は、製造が非常に容易である。さらに、本発明による能動型反射偏光子の製造において、サイズの制限をほとんど受けない。したがって、本発明による能動型反射偏光子は、液晶表示装置のようなディスプレイ装置で多様な方式で適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態による光学装置、特に能動型反射偏光子の構造及び動作について詳細に説明する。
本発明による能動型反射偏光子の動作を理解するために、まずワイヤグリッド偏光子の原理について簡単に説明する必要がある。図1に示されたワイヤグリッド偏光子に入射する光は、前述したように、伝導性金属ワイヤ16bに平行した成分を有する偏光光と、伝導性金属ワイヤ16bに垂直な成分を有する偏光光とに分けられる。光は、電磁波の一種であるので、図1では、金属ワイヤ16bに平行した成分を有する偏光光をE||で表示し、金属ワイヤ16bに垂直な磁場成分を有する偏光光をE⊥で表示しうる。
【0010】
光E||がワイヤグリッド偏光子に入射する場合、金属ワイヤ16bでX軸方向(すなわち、金属ワイヤ16bの長手方向)に誘導電流が発生するが、前記誘導電流は、光E||の振幅によって時変する。したがって、電磁波の放射の原理によって、時変する誘導電流によって電磁波が発生する。このように発生した電磁波は、全ての方向に伝播されるが、図1で、ワイヤグリッド偏光子を透過する方向(すなわち、−z方向)には減衰する。このとき、金属ワイヤ16bの厚さhが金属ワイヤ16bの表面深さより大きい場合には、ほとんどの電磁波が減衰する。一方、+z方向に進む光は、減衰しない。結果的に、光E||は、ほとんどワイヤグリッド偏光子で反射されると現れる。
【0011】
また、金属ワイヤ16b間の空いている空間に入射する光E||の場合、前記金属ワイヤ16bでX軸方向に誘導電流が発生するため、隣接する金属ワイヤ16bのY軸方向に相互対向する二つの地点は、同じ電位を有する。したがって、金属ワイヤ16b間の空間では、隣接する二つの金属ワイヤ16bによって一定の電位が維持されるので、下記数式のように電場は、常に0となる。結果的に、この場合、平行した光E||が金属ワイヤ16b間の空間に存在しないか、または金属ワイヤ16b間の空間を透過しないと見られる。
(数1)
E=−▽V−(∂A/∂t)=0
【0012】
したがって、光E||に対して、前記ワイヤグリッド偏光子は、完全な反射器として作用する。
一方、光E⊥がワイヤグリッド偏光子に入射する場合には、金属ワイヤ16bでY軸方向(すなわち、金属ワイヤ16bの幅方向)に誘導電流が発生する。しかし、金属ワイヤ16bの幅は、例えば、約50nmに非常に狭いため、この場合の誘導電流は、金属ワイヤ16bの長手方向に発生する誘導電流に比べて非常に小さい。したがって、この場合に発生する電磁波もやはり、無視できるほどに小さくなる。その結果、垂直な光E⊥は、金属ワイヤ16bによる影響をほとんど受けず、反射される量が、光E||に比べて無視できるほどに小さくなる。
【0013】
また、前記金属ワイヤ16bでY軸方向に誘導電流が発生するため、隣接する金属ワイヤ16bのY軸方向に相互対向する二つの地点の間には、電位差が存在する。すなわち、Y軸方向に沿って金属ワイヤ16bの一側面は、正(+)に帯電され、他側面は、負(−)に帯電される。したがって、金属ワイヤ16b間の空間では、相互隣接する二つの金属ワイヤ16bによって双極磁場が存在する。結果的に、この場合、垂直な光E⊥が金属ワイヤ16b間の空間を透過すると見られる。
【0014】
しかし、前述したように、現在の技術としては、前記ワイヤグリッド偏光子を大面積に製造することが極めて困難であるという問題がある。本発明の基本的な原理は、入射する電磁気エネルギーのポインティングベクトルSが、下記数式2のように、常に電場Eと磁場Hとの対からなるという点に基づく。
(数2)
S=E||×H||+E⊥×H⊥
以下では、表示の簡略化のために、反射及び透過された電磁波を数式2のポインティングベクトルの電場成分E||,E⊥及び磁場成分H||,H⊥で表示する。例えば、図1で反射された電磁波は、E||で表示され、透過された電磁波は、E⊥で表示された。図2の場合、反射された電磁波は、H||、H⊥で表示されており、図10、14、15及び16で反射された電磁波は、H||で表示され、透過された電磁波は、H⊥で表示される。
【0015】
ワイヤグリッド偏光子では、反射または透過される偏光成分がポインティングベクトルの電場部分によって決定される。一方、本発明の場合には、反射または透過される偏光成分がポインティングベクトルの磁場部分によって決定される。
このような本発明による能動型反射偏光子20の構造は、図2に示されている。図2を参照すれば、本発明による能動型反射偏光子20は、透明基板21上に配された磁性材料層22で形成される。ここで、磁性材料層22は、例えば、コア・シェル構造の磁性粒子を“ゲル”のようなペースト状態の絶縁性材料に凝集することなく分散させた後、これを透明基板21上に薄く塗布し、硬化させて形成しうる。または、コア・シェル構造の磁性粒子を溶液内に液浸させた後、これを透明基板21上に薄くスピンコーティングまたはディープコーティングして硬化させることにより、磁性材料層22を形成することもある。また、最近には、磁性体の性質を有する磁性ポリマーフィルムが開発されて販売されており、このような磁性フィルムを1μm以下の薄膜フィルムに形成した後、これを透明基板21上に直接付着して磁性材料層22として使用することもある。
【0016】
図3Aないし図3D及び図4Aないし図4Dは、本発明の磁性材料層22に使われる多様な形態のコア・シェル構造の磁性粒子26を示している。図3Aないし図3D及び図4Aないし図4Dに示したように、磁性粒子26は、磁性体材料で形成されたコア26aと、前記コア26aを取り囲む絶縁性シェル26b,26b’とで形成される。このような磁性粒子26の形態は、球形、タマゴ型、直六面体型、正六面体型、楕円形、シリンダー型またはこれに近似する形状でもあり、さらに定義されていない任意の形態となることもある。
【0017】
ここで、磁性粒子26のコア26aとして使われる材料としては、磁性体としての性質を有するならば、いかなる導電性物質でも制限がない。例えば、前記磁性粒子26aの材料として、コバルト、鉄、ニッケルのような強磁性体または超常磁性体金属またはCoxPtyやFeyPtz(ここで、x、y、zは、成分比を表す)のようなこれらの合金;チタン、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン及びガドリニウムのような常磁性体金属やこれらの合金;銀または銅のような反磁性体金属やこれらの合金;ニール温度以上の温度で常磁性体に変わるクロムのような反強磁性体金属;または電気伝導度は、比較的低いが、磁化率が比較的高いMnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3、Sr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz及びCoxZryNbzFevのようなフェリ磁性体を使用しうる。
【0018】
一方、コア・シェル構造の磁性粒子26において、シェル26b,26b’の役割は、ある二つのコア26aが互いに凝集化するか、または互いに直接的に接触せずにするところにある。このような目的を達成できるならば、図3Aないし図3Dに示されたように、例えば、SiO2またはZrO2のような透明な絶縁性材料がコア26aを取り囲む形態のシェル26bを使用しうる。しかし、これに制限されるものではなく、図4Aないし図4Dに示したように、例えば、ポリマー形態の透明な絶縁性界面活性剤がコア26aを取り囲む形態のシェル26b’を使用することもある。
一方、本発明で使用するコア・シェル構造の磁性粒子26で、コア26aの直径は、数nmから数十nmまで可能である。例えば、前記コア26aの直径は、使用する材料によって差があるが、約1nmないし約1000nmとなりうる。特に、前記コア26aの直径は、一つのコア26a内で単一磁区が形成されるほどであることが望ましい。そして、シェル26b,26b’の厚さは、隣接する二つのコア26aが互いに伝導されないほどの厚さであれば良い。
【0019】
前述したように、シェル26b,26b’の主要役割は、コア26aが磁性材料層22内で互いに凝集化せずにすることである。したがって、コア26aが互いに凝集化せず、磁性材料層22内に分散されれば、シェル26b,26b’を使用する必要がない。
図5は、磁性材料層22内に分散されているコア・シェル構造の磁性粒子26を有する能動型反射偏光子20の物理的な構造を例示的に示しており、図6は、図5に示された能動型反射偏光子20の断面を示している。図5及び図6では、便宜上磁性材料層22内に磁性粒子26が非常に稠密に分布されていると示した。しかし、実際には、前記磁性材料層22内で前記磁性粒子26は、相接するように非常に稠密に分布されている。図5及び図6に示したように、磁性材料層22内には、コア・シェル構造の磁性粒子26が密集して充填されている。また、磁性粒子26の間の空間22aは、絶縁性シェル26bと同様に、SiO2やZrO2のような透明な絶縁性材料や界面活性剤で充填されてもよく、それと異なる透明な絶縁性材料で充填されてもよい。
【0020】
また、図7に示したように、前記磁性材料層22は、異なる2種類のコア・シェル構造を混合して形成されることもある。図7を参照すれば、前記磁性材料層22は、磁性材料で形成されたコアA 26aを有するコア・シェル構造と、誘電体材料で形成されたコアB 27aを有するコア・シェル構造とを混合して形成される。例えば、コアA 26aは、CoxPtyやFeyPtz(ここで、x、y、zは、成分比を表す)で形成され、コアB 27aは、SiO2やZrO2で形成される。コアA 26aとコアB 27aとには、それぞれ界面活性剤26b’,27b’が付着されるが、前記界面活性剤26b’,27b’は、相互同じ材料でもあり、相異なる材料でもある。図7に示したように、本発明によれば、前記コアA 26aを有するコア・シェル構造と、コアB 27aを有するコア・シェル構造とを溶液内に混合した後、アニーリング工程を通じてそれぞれのコア26a,27aに付着されている界面活性剤26b’,27b’を何れも除去する。それにより、図7の下部分に示されたように、磁性コア26aが誘電体コア27aの間に凝集することなく分布される。表面活性剤26b’,27b’がアニーリング工程を通じて除去されるため、この場合には、前記表面活性剤26b’,27b’が必ずしも透明である必要はない。
【0021】
図8は、磁性材料層22’の可能なさらに他の構造を例示的に示す図面であって、図8の左側は、磁性材料層22’の水平断面を示しており、右側は、垂直断面を示している。図8に示された磁性材料層22’は、SiO2のような透明な絶縁性誘電体材料22a’内に、コア・シェルの代わりにシリンダー柱状の磁性粒子26’が挿し込まれている構造である。そして、前記磁性材料層22’の上面及び下面には、透明な絶縁性材料で形成された絶縁層22i’が形成されている。この場合にも、それぞれの磁性粒子26’は、一つの単一磁区を形成するほどのサイズを有し、前述した磁性材料を使用して形成される。このような構造は、例えば、陽極酸化方式を利用して微細な孔隙を有する誘電体テンプレートを形成し、ここにスパッタリング方式で磁性材料を充填させることによって形成される。
【0022】
また、たとえ、図示されていないとしても、単一磁区のサイズの磁性粒子26a,26’を使用する代わりに、薄膜の形態に磁性材料層を形成することもある。この場合、磁性粒子26a,26’を使用する場合に比べて、必要な磁場の強度を1/10に減らせる。例えば、薄膜形態の磁性材料層の厚さは、約1μmまたはそれ以下に形成される。
再び、図2を参照すれば、図2には、前記磁性材料層22の周囲に磁場が印加されない場合を示している。磁場が印加されない場合、前記磁性材料層22内の全体的な磁気モーメントは、図2で矢印で表示したように、色々な方向にランダムに配列されている。図2で、’・’は、出る方向(すなわち、+x方向)の磁気モーメントを表し、’×’は、入る方向(−x方向)の磁気モーメントを表す。また、図2で、右側に拡大して表示したように、磁性材料層22内の磁気モーメントは、水平方向(すなわち、xy平面)だけでなく、垂直方向(すなわち、−z方向)にもランダムに配列されている。したがって、外部磁場が印加されていない場合(すなわち、Bapp=0)、磁性材料層22は、いかなる方向にも磁化していない(M=0)。例えば、前記磁性材料層22として磁性ポリマーを使用する場合、外部から磁場が印加されなければ(Bapp=0)、図9に示したように、それぞれの磁性ポリマー分子が不規則に配列されるため、磁性材料層22は、磁化していない状態となる(M=0)。
【0023】
この場合、図2に示したように、能動型反射偏光子20に入射する光は、何れも反射される。それは、前記能動型反射偏光子20内の磁気モーメントが光の進行方向(すなわち、−z方向)に沿ってランダムに配列されているためである。すなわち、光を二つの相互垂直な磁場成分H||,H⊥を有する光に分けるとき、任意の方向に配列されている磁気モーメントによって、それぞれの磁場成分H||,H⊥を有する光の一部が能動型反射偏光子20の表面で反射される。そして、次いで、残りの光が前記能動型反射偏光子20内で−z方向に進む過程で、いつかは他の磁気モーメントによって反射されるであろう。最終的に、前記能動型反射偏光子20を完全に透過する光は、ほとんどなくなる。
一方、図10は、磁性材料層22の周囲に磁場が印加される場合を示している。図10に示したように、前記磁性材料層22の周囲に磁場を印加するための磁場印加手段として、前記磁性材料層22の周囲を取り囲むように所定の間隔で配された多数本のワイヤ24及び前記多数本のワイヤ24に電流を印加するための電源23を備える。前記電源23は、交流または直流電源であって、一定の時間間隔でワイヤ24に電流を印加してもよく、持続的に電流を印加してもよい。ワイヤ24の配置間隔は、一定であるが、一定でなくてもよい。ここで、前記ワイヤ24は、例えば、ITOのような透明な伝導性材料を使用することが望ましい。しかし、ワイヤ24間の間隔d2がワイヤ24の厚さd1よりはるかに大きい場合には、ITOの代わりに、アルミニウム、銅、金、白金、銀のように、抵抗の小さい不透明な金属やヨードドーピングされたポリアセチレンのような導電性ポリマーを使用することもある。ITOではない、他の不透明であるが、抵抗の小さい金属をワイヤ24として使用する場合、ワイヤ24が覆った部分には、光が通過できないが、二つのワイヤ24の間には、光が通過する。二つのワイヤ24間の間隔d2が、ワイヤ24の厚さd1よりはるかに大きいので、ワイヤ24によって遮断される光は、ワイヤ24間に通過する光に比べて、無視できるほどである。また、ワイヤ24間の間隔が非常に狭くなる場合、例えば、50nm以下である場合にも、前記ワイヤ24がワイヤグリッド偏光子として作用するため、本発明の目的達成には影響を与えない。
【0024】
図11Aないし図11Fは、図10のラインA−A’による能動型反射偏光子20の断面図であって、図10に示されたワイヤ24の多様な配列方式を例示的に示している。平行したワイヤ24に同じ方向に電流が印加される場合、隣接したワイヤ24の間には、それぞれのワイヤ24で発生した磁場が相殺されて、磁場が0である領域が生じる。この領域に存在する磁性材料層22は、ワイヤ24に電流が印加されても磁気モーメントが一定方向に整列されない。したがって、図11Aに示したように、ワイヤ24の間に磁性材料層22が侵透しないように、磁性材料層24の両面に透明フィルム21pを付着し、この透明フィルム21pの表面にワイヤ24を形成しうる。ここで、前記透明フィルム21pの厚さhpが十分に厚い場合、例えば、hp≫d2である場合、磁性材料層22内に形成される磁場は、非常に均一になる。また、透明基板21と磁性材料層22との間に位置するワイヤ24が毀損されることを防止するために、ワイヤ24の間に透光性材料21wを充填することもある。図11Bは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Aと差がある。
【0025】
また、図11Cに示したように、前記磁性材料層22の上面にも透明基板21をさらに配しうる。この場合、前記磁性材料層22の上面に配されたワイヤ24の間にも透光性材料21wを充填して前記ワイヤ24を保護しうる。図11Dは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Cと差がある。また、図11Eに示したように、透明基板21なしに磁性材料層22の両面に透明フィルム21pのみを付着することもある。この場合、ワイヤ24の間に別途の透光性材料21wを充填する必要はない。図11Fは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Eと差がある。
【0026】
しかし、もし、磁性材料層22が十分に固くてワイヤ24の間に磁性材料層22が侵透しないならば、前記透明フィルム21pと透光性材料21wとは使用しない。
図12Aないし図12Dは、図10のラインB−B’による能動型反射偏光子20の断面図であって、磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24間の多様な電気的連結方式を例示的に示している。例えば、図12A及び図12Bに示したように、磁性材料層22の側壁表面に沿ってワイヤ24を延長することによって、磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24を電気的に連結しうる。特に、図12Bの場合、ワイヤ24がソレノイド形態で磁性材料層22を取り囲んでいるため、単に一つのワイヤ24のみを使用しうる。
また、図12C及び図12Dに示したように、磁性材料層22の側壁表面に導電性薄膜30を付着して磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24を電気的に連結することもある。図12Dは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図12Cと差がある。
【0027】
再び、図10を参照すれば、このような前記多数本のワイヤ24は、Y方向に平行し、X方向に沿って所定の間隔で配列されている。そして、電源23を通じて前記ワイヤ24に電流を印加する。例えば、磁性材料層22を取り囲むワイヤ24に沿って時計回り方向に電流が流れる場合、図10に示したように、前記磁性材料層22は、−x方向に磁化する。
図13には、磁性材料層22として磁性ポリマーを使用する場合、それぞれ一つの磁気モーメントを形成する分子が一定の方向に整列されている様子が示されている。すなわち、ワイヤ24に流れる電流によって発生する外部磁場が前記磁性材料層22に印加されれば(すなわち、Bapp≠0)、磁性材料層22を構成する磁性ポリマーは、前記外部磁場の方向に沿って磁化する。このように磁性材料層22は、電流の印加如何によって一定の方向にのみ磁化すればよいので、磁性材料層22に使われる磁性体材料は、いかなる種類の磁性体でも使用が可能である。すなわち、磁性材料層22に使われる磁性体材料が強磁性体でも、常磁性体でも、または反磁性体でも関係ない。
【0028】
一般的に、電磁波の磁場は、図10の磁性材料層22の磁化方向に平行した成分を有する磁場H||と、垂直な成分を有する磁場H⊥とに分解される。本発明によれば、平行した成分H||は、磁性材料層22によって反射され、垂直な成分H⊥は、前記磁性材料層22を透過する。その原理は、前述したワイヤグリッド偏光子の偏光選択原理と類似している。すなわち、磁化方向に平行した成分H||が磁性材料層22に入射する場合、誘導磁気モーメントが発生する。前記誘導磁気モーメントは、平行した成分H||の磁場の時変する振幅によって共に時変する。したがって、電磁波の放射の原理によって、時変する誘導磁気モーメントによって電磁波が発生する。このように発生した電磁波は、全ての方向に伝播される。したがって、前記磁性材料層22の厚さtを、電場の表面深さと類似した概念である磁気減衰長さより大きくすれば、誘導磁気モーメントによって発生した電磁波が前記磁性材料層22を透過できなくなる。したがって、数式2で磁化方向に平行した磁場成分H||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)は、ほとんど反射されると現れる。
【0029】
一方、磁化方向に垂直な磁場成分H⊥が前記磁性材料層22に入射する場合には、磁気モーメントとの相互作用がなく、時変する誘導磁気モーメントも発生しない。その結果、垂直な成分H⊥に対しては、あたかも磁性材料層22が存在していないようになる。したがって、数式2で、磁化方向に垂直な磁場成分H⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)は、能動型反射偏光子20を通過する。
一方、磁性材料層22が十分な偏光分離機能を行うためには、前述したように、前記磁性材料層22の内部に進む電磁波を十分に減衰させる厚さを有さねばならない。すなわち、前述したように、前記磁性材料層22の厚さは、磁性材料層22の磁気減衰長さより大きくなければならない。特に、コア・シェル形態の磁性粒子26を媒質内に分散させることによって、前記磁性材料層22を形成する場合、磁性材料層22内で光路に沿って十分な数の磁性粒子26が存在せねばならない。例えば、磁性粒子26が一重で均一に分布されているX−Y平面上の層が、Z方向に積層されて磁性材料層22が構成されると仮定する場合、磁性材料層22内で−z方向に進む光路に沿って必要な磁性粒子26の数nは、次の数式3のように与えられる。
(数3)
n≧s/d
ここで、sは、入射光の波長で、磁性粒子26の磁性コア26aの磁気減衰長さであり、dは、磁性コア26aの直径である。例えば、磁性コア26aの直径が7nmであり、入射光の波長で磁性コア26aの磁気減衰長さが35nmである場合、光路に沿って少なくとも5個の磁性粒子26が要求される。したがって、媒質内に分散された多数の磁性粒子26で磁性材料層22が形成される場合、磁性粒子26の密度を考慮して、磁性材料層22の厚さ方向にn個以上の磁性粒子26が存在するように、磁性材料層22の厚さを決定しうる。
【0030】
一方、磁性材料層22の上面及び下面にある多数本のワイヤ24は、図1に示されたワイヤグリッド偏光子と類似して見られる。実際に、図10に示された能動型反射偏光子20は、磁性材料層22が前記磁性材料層22の上面及び下面にそれぞれ配されたワイヤグリッド偏光子の間に挿し込まれている構造とも見られることもある。
図1に示された従来のワイヤグリッド偏光子の場合、入射光の反射及び透過如何は、単に電場Eによってのみ決定される。伝導性ワイヤに平行した電場成分をE||とし、垂直な電場成分をE⊥とするとき、反射される光は、平行した電場成分E||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)で表現され、透過される光は、垂直な電場成分E⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)で表現される。光の透過及び反射如何に磁場成分は作用しないため、既に説明したように、図1に示されたワイヤグリッド偏光子が可視光の領域で偏光子としての役割を行うためには、伝導性ワイヤ間の間隔が100nm以下とならねばならず、伝導性ワイヤの高さが入射光の波長での表面深さより大きくなければならない。これまでこのような要求を満足するためには、非常に難しい技術が必要であった。
【0031】
一方、本発明による磁性材料層22は、入射光の反射及び透過如何が入射光と関連した磁場の方向によって決定される。磁化方向に平行した磁場成分をH||とし、磁化方向に垂直な磁場成分をH⊥とするとき、反射される光は、平行した磁場成分H||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)で表現され、透過される光は、垂直な磁場成分H⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)で表現される。すなわち、本発明による磁性材料層22で入射光の反射及び透過如何を決定することは、電場成分E||,E⊥ではなく、磁場成分H||,H⊥である。
前記磁性材料層22の偏光子として作用を行うためには、外部磁場を印加してその内部にある磁気モーメントを整列させる必要がある。このために、図10に示したように、伝導性ワイヤ24を平行した格子形態で磁性材料層22の表面に配させ、前記ワイヤ24を通じて電流を流せる。このような本発明による能動型反射偏光子20に光が入射するとき、反射光(S||=E||×H||)と透過光(S⊥=E⊥×H⊥)とは、電場成分による寄与と磁場成分による寄与とを何れも有しうる。例えば、反射光(S||=E||×H||)の場合に、電気場成分E||は、格子形態のワイヤ24によって反射され、磁場成分H||は、整列された磁気モーメントによって反射される。同様に、透過光(S⊥=E⊥×H⊥)の場合に、電気場成分E⊥は、それと垂直方向に配列された格子形態のワイヤ24を通過し、磁場成分H⊥は、それと垂直方向に整列された磁気モーメントを通過する。
【0032】
したがって、図10に示されたワイヤ24の高さを入射光の波長に対する前記ワイヤ24の材料の表面深さより大きくすることもある。この場合、本発明による能動型反射偏光子20で電場成分と磁場成分とが何れも偏光分離に参加でき、したがって、電場成分と磁場成分とが相補的な役割を行える。例えば、本発明によれば、ワイヤ24の配列間隔を100nm以下にすることが難しい場合、約500nmないし10mmにすることもある。これにより、本発明による能動型反射偏光子20の偏光分離性能をさらに向上させうる。
【0033】
一方、図14は、図10に示された能動型反射偏光子の一変形例を示している。図10の場合、磁場印加手段として使用する多数本のワイヤ24が磁性材料層22の周囲を取り囲むと示されている。しかし、図14に示したように、ワイヤ24が磁性材料層22の上面または下面のうち何れか一面にのみ配されても、磁性材料層22に十分な外部磁場を印加することが可能である。
前述した図10及び図14では、磁性材料層22の周囲に磁場を印加するための磁場印加手段として、多数本のワイヤ24を使用した。しかし、図15のように、磁性材料層22の周囲に形成された板状の透明電極25を磁場印加手段として使用することもある。ここで、前記透明電極25の材料としては、ITOのような透明な伝導性材料を使用しうる。また、最近には、金属を数nm以下に非常に薄くコーティングできる技術が開発されたが、アルミニウム、銅、銀、金、白金のような伝導性金属を、その金属の表面深さ以下の厚さに非常に薄く形成する場合にも、光の透過が可能である。したがって、伝導性金属を入射光の波長に対する表面深さより薄く磁性材料層22の全面にコーティングすることによって、前記透明電極25を形成することもある。図15の場合、ワイヤ24を使用する場合に比べて、さらに少ない電流にも磁性材料層22内の磁気モーメントを制御でき、磁気モーメントの配列方向がさらに均一になりうる。
【0034】
また、図15では、前記板状の透明電極25が磁性材料層22の周囲を全体的に取り囲むと示されているが、図16に示したように、板状の透明電極25が磁性材料層22の一部面のみを取り囲むことも可能である。すなわち、前記板状の透明電極25は、磁性材料層22の上面にのみ配されるか、または下面にのみ配されることもある。この場合にも、磁性材料層22に十分な外部磁場を印加することが可能である。
一方、図17は、本発明による能動型反射偏光子20で時変する磁場の強度(A/m)を表すシミュレーショングラフであり、図18は、図17の一部分を拡大して示すシミュレーショングラフである。図17及び図18のグラフで、磁性材料層22の磁性コア26aの電気伝導度及び磁化率は、チタンのそれを使用した。チタンは、比較的高い電気伝導度と比較的低い磁化率とを有する常磁性体である。例えば、チタンの電気伝導度は、約2.38×106S(Siemens)であり、磁化率は、20℃の室温で約18×10−5であると知られている。また、入射光は、約550nmの波長と100V/mの強度とを有すると仮定した。また、チタンからなる磁性コア26aの直径は、1nmであり、相互に対して完全に絶縁されていると仮定した。図17及び図18の計算結果のように、磁気モーメントの磁化方向に垂直な磁場成分を有する光の場合、磁性材料層22の厚さが厚くなっても、減衰なしにほぼそのまま能動型反射偏光子20を通過する。一方、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光の場合、大きく減衰して約60nmから0に近くなる。すなわち、チタン磁性コア26aの直径が1nmと仮定されたので、60個のチタン磁性コア26aを過ぎれば、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光は、完全に減衰する。したがって、磁性材料層22の磁性体材料としてチタンを使用する場合、磁性材料層22の厚さが60nm以上であれば、550nmの波長を有する光に対して、ほぼ完全な偏光分離が可能である。
【0035】
図19は、本発明による能動型反射偏光子20の偏光消去比(すなわち、平行した光の透過量に対する垂直な光の透過量の比率)(CR:Contrast Ratio)のログ値(すなわち、log10CR)を、前述した仮定下で計算したグラフであり、図20は、本発明による能動型反射偏光子20の偏光消去比の絶対値を、前述した仮定下で計算したグラフである。例えば、“W1”が透過されることを所望する光であり、“W2”が透過されることを所望しない光であるとすれば、偏光消去比CRは、(W1/W2)と定義される。本発明による能動型反射偏光子20の場合、“W1”は、S⊥=E⊥×H⊥であり、“W2”は、S||=E||×H||である。図19及び図20のグラフは、磁性材料層22の厚さが厚くなるほど、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光の透過度は、大きく低下するが、一方、磁気モーメントの磁化方向に垂直な磁場成分を有する光の透過度は、ほとんど変わらないということを意味する。したがって、図19及び図20のグラフを通じて分かるように、磁性材料層22の厚さが厚くなるほど、偏光消去比CRが大きく増大する。例えば、図3Aないし図3Dに示されたコア・シェル構造の磁性粒子26を使用する場合、金属コア26aがチタンであり、磁性コア26aの直径が約1nmであれば、1000以上の偏光消去比CRを得るための磁性材料層22の厚さは、45nmを超える必要がない。
【0036】
前述したように、磁性材料層22内の磁気モーメントは、外部磁場によって方向が変わりうるが、入射光度も一種の電磁気場であるので、入射光によっても磁性材料層22内の磁気モーメントの方向が変わる可能性がある。もし、入射光によって磁性材料層22の磁気モーメントの方向が容易に変われば、能動型反射偏光子20の性能が悪化する恐れがある。しかし、図17ないし図20と関連した仮定下で行われた簡単な計算によれば、磁性材料層22の磁性体材料の慣性モーメントが1×10−15kg・m2ほどに非常に小さい場合にも、磁性材料層22に電流を印加して磁気モーメントが一旦整列されれば、外部光によって磁気モーメントの方向がほとんど変わらないことが確認された。これは、図21のグラフを通じて確認できる。
【0037】
図21は、このような入射光の磁場による磁気モーメントの角度変動を示すグラフである。図21のグラフで、磁性材料層22の磁性体材料の慣性モーメントが1×10−15kg・m2であり、前記磁性材料層22内の磁気モーメントが約265A/mの外部磁場によって既に整列されていると仮定した。また、入射光の波長は、550nmであり、約1327Wの強度を有すると仮定した。図21のグラフで、縦軸の単位は、度(degree)であり、横軸の単位は、0.0036692fs(femto second)である。図21で、入射光が所定の周期を有するサイン波であるので、磁気モーメントの角度変動も入射光の振幅によってサイン波の形態に変わる。図21のグラフで、入射光による磁気モーメントの角度変動周期は、約1.8346fsであることが分かる。また、図21のグラフを見れば、入射光による磁気モーメントの角度変動が最大である時のピーク値が非常に小さいということが分かる。すなわち、入射光による磁気モーメントの角度変動は、ほぼ無視しうる。したがって、本発明による磁性材料層22の性能は、入射光によってほとんど影響を受けないと見られる。
【0038】
前述した構造を有する本発明による能動型反射偏光子20の場合、ペースト状態の透明な絶縁性材料にコア・シェル構造の磁性粒子26を混合して透明基板21上に塗布した後に硬化させるか、または溶液内に液浸されたコア・シェル構造の磁性粒子26を透明基板21上にコーティングして硬化させるか、または磁性ポリマーフィルムを透明基板21に直接付着する方式で磁性材料層22を形成しうる。したがって、透明基板上に非常に細い金属ワイヤを非常に狭い間隔で配せねばならないワイヤグリッド偏光子に比べて、本発明による能動型反射偏光子20は、製造が非常に容易である。さらに、本発明による能動型反射偏光子20の製造において、サイズの制限をほとんど受けない。したがって、本発明による能動型反射偏光子20は、液晶表示装置のようなディスプレイ装置で多様な方式で適用可能である。
【0039】
例えば、図22に示したように、本発明による能動型反射偏光子20は、液晶表示装置に使われる。図22を参照すれば、本発明による液晶表示装置は、バックライトユニット11と液晶表示パネル15とを備え、前記液晶表示パネル15は、液晶層13、前記液晶層13の前面に配された前面偏光子14、前記液晶層13の背面に配されて背面偏光子の役割を行う能動型反射偏光子20を備えうる。このような構造で、バックライトユニット11に放出された光の半分は、能動型反射偏光子20を通過して液晶層13に提供され、残りの半分は、反射される。反射された光は、バックライトユニット11の下部の反射板18によって再び前記能動型反射偏光子20に向かって反射される。このとき、反射された光は、バックライトユニット11の内部の拡散板(図示せず)によって無偏光状態の光に変わりうる。それにより、反射された光の半分が前記能動型反射偏光子20を通過しうる。このような方式でバックライトユニット11から放出された光のほとんどを使用しうる。
【0040】
図22では、前記能動型反射偏光子20が液晶表示パネル15の背面偏光子として使われると示されている。しかし、液晶表示パネル15の背面偏光子を一般的な吸収型偏光子として使用し、前記能動型反射偏光子20は、液晶表示パネル15とバックライトユニット11との間に配されることもある。また、本発明によれば、前記能動型反射偏光子20は、バックライトユニット11の一部品であって、バックライトユニット11の光放出面に付着されることもある。
本発明による能動型反射偏光子20を表示装置またはバックライトユニットに使用する場合、前記磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用することもある。強磁性体は、一旦外部磁場によって磁気モーメントが一定に整列されれば、外部磁場が除去されても、磁気モーメントが整列された状態をそのまま維持する傾向がある。このような強磁性体の性質によって、表示装置やバックライトユニットをターンオンさせるとき、能動型反射偏光子20に一回のみ電流を印加しても、磁性材料層22内の磁気モーメントが一定方向に継続整列されているため、能動型反射偏光子20に電流を印加し続ける必要はない。したがって、前記磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用する場合、表示装置やバックライトユニットの消費電力を低減しうる。
【0041】
また、本発明による能動型反射偏光子20は、偏光子だけでなく、光シャッタのような光学装置として使われることもある。磁性材料層22の磁性体材料として常磁性体、肖像磁性体または反磁性体を使用する場合、外部磁場が印加されれば、本発明による能動型反射偏光子20は、特定偏光方向の光を透過させ、他の偏光方向の光は反射させる。そして、外部磁場が除去されれば、本発明による能動型反射偏光子20は、全ての光を反射させる。したがって、前記能動型反射偏光子20は、外部磁場が印加される時に光を透過させ(シャッタが開いた状態)、外部磁場が印加されていない時に光を遮断する(シャッタが閉じた状態)光シャッタの機能を行える。
【0042】
本発明による能動型反射偏光子20を光シャッタとして利用する場合にも、磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用することもある。この場合、前記光シャッタは、一旦外部磁場が印加されれば、光を透過させ、外部磁場が除去された後にも続けて光を透過させうる。
これまで、本明細書で“単一磁区”という用語が使われた。ここで、“磁区”は、内部の全ての磁気モーメントが相互平行に存在している一つの最小領域を意味する。磁性材料層または磁性粒子の大きさが一つの磁区を保有できるほどのサイズならば、単一磁区であってもよい。一方、磁性材料層または磁性粒子の大きさが単一磁区を複数保有できるほどのサイズならば、多重磁区であってよい。なかでも、磁性材料層は単一磁区であることが好ましいが、2〜3程度の多重磁区であってもよい。
【0043】
一般的に、同じ磁区に属する磁気モーメントが相互平行に配列されていても、相異なる磁区の磁気モーメントとは完全に平行しないこともある。事実、磁気モーメントがランダムに配列されているというのは、相異なる磁区の磁気モーメントが相互平行せず、ランダムに配列されているということを意味する。
多重磁区粒子または材料も、外部磁場を印加して単一磁区にしうる。初期に多重磁区粒子または材料であったものが、外部磁場によって単一磁区に変わるとき、その材料が飽和されたという。
一般的に、体積の大きいバルク型磁性体材料は、多数の磁区を有しているため、飽和点に達するためには、すなわち、単一磁区状態になるためには、数テスラ(T)ほどの外部磁場が要求される。一方、磁性体の種類によって異なるが、単に数個の磁区のみを保有できるほどのサイズの磁性体薄膜または磁性粒子は、例えば1/1000Tほどの相対的に非常に弱い外部磁場によっても飽和点に達しうる。
【0044】
したがって、本発明で使われた“単一磁区サイズの磁性粒子”は、粒子の実際サイズを意味するのではなく、磁性粒子が単一磁区状態にあるという意味として理解せねばならない。多数の磁区を有する磁性粒子であっても、十分な強度の磁場が印加されされば、そのサイズに関係なく、ほぼ単一磁区と見られる状態まで十分に飽和される。要すれば、本発明で磁性粒子の物理的なサイズは、単一磁区の物理的なサイズに限定されず、多数の磁区を含むサイズでもある。
以上、本願発明の理解を助けるために、模範的な実施形態が説明され、添付された図面に示された。しかし、このような実施形態は、単に本発明を例示するためのものであり、これを制限しないという点が理解されねばならない。そして、本発明は、図示されて説明された説明に限定されないという点が理解されねばならない。これは、多様な他の変形が当業者によって起きることができるためである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ディスプレイ装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一般的なワイヤグリッド偏光子の構造を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態による能動型反射偏光子がOFF状態にある場合を概略的に示す図面である。
【図3A】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3B】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3C】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3D】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4A】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4B】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4C】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4D】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図5】磁性材料層内に分布されたコア・シェル形態の磁性粒子を有する本発明による能動型反射偏光子の物理的な構造を例示的に示す図面である。
【図6】図5に示された能動型反射偏光子の断面図である。
【図7】相異なるタイプのコア・シェルが混合された磁性材料層の構造を例示的に示す図面である。
【図8】単一磁区の磁性材料を有する磁性材料層の他の構造を例示的に示す図面である。
【図9】OFF状態にある能動型反射偏光子内の分子配列状態を概略的に示す図面である。
【図10】本発明の一実施形態による能動型反射偏光子がON状態にある場合を概略的に示す図面である。
【図11A】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11B】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11C】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11D】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11E】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11F】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図12A】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12B】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12C】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12D】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図13】ON状態にある能動型反射偏光子内の分子配列状態を概略的に示す図面である。
【図14】図10に示された能動型反射偏光子の一変形例を示す図面である。
【図15】本発明の他の実施形態による能動型反射偏光子を概略的に示す図面である。
【図16】図15に示された能動型反射偏光子の一変形例を示す図面である。
【図17】本発明による能動型反射偏光子で磁場の透過を示すグラフである。
【図18】本発明による能動型反射偏光子で磁場の透過を示すグラフである。
【図19】本発明による能動型反射偏光子で磁気モーメント方向に平行した成分の磁場を有する光の透過度と、垂直な成分の磁場を有する光の透過度との比率のログ値を示すグラフである。
【図20】本発明による能動型反射偏光子で、磁気モーメント方向に平行した成分の磁場を有する光の透過度と、垂直な成分の磁場を有する光の透過度との比率の絶対値を示すグラフである。
【図21】入射光による磁気モーメントの角度変動を示すグラフである。
【図22】本発明による能動型反射偏光子を使用した液晶表示装置の断面図を概略的に示す図面である。
【符号の説明】
【0047】
20 能動型反射偏光子
21 透明基板
22 磁性材料層
23 電源
24 ワイヤ
d1 厚さ
d2 間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置及びそれを用いた液晶表示装置に係り、さらに詳細には、製造が容易であり、大面積に製造可能な大面積能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、ワイヤグリッド偏光子の概略的な構造を示している。図1を参照すれば、ワイヤグリッド偏光子は、透明基板16a上に伝導性金属ワイヤ16bを平行に一定間隔で配した構造を有する。このような構造のワイヤグリッド偏光子は、金属ワイヤ16bの配置周期Pが光の波長に比べて長いほど、回折格子の特性をさらに多く有し、金属ワイヤ16bの配置周期Pが光の波長に比べて短いほど、偏光子の特性をさらに多く有する特徴がある。また、偏光子の特性を有する場合、前記ワイヤグリッド偏光子は、金属ワイヤ16bに平行した偏光成分を有する光を反射させ、金属ワイヤ16bに垂直な偏光成分の光を透過させる。
【0003】
しかし、前記ワイヤグリッド偏光子が可視光線の領域で偏光子の特性を有するためには、金属ワイヤ16bの配置周期Pが約100nm以下とならねばならない。これまで開発された技術としては、金属ワイヤ16bをかように短い周期で配するためには、半導体製造工程で使用する電子ビームリソグラフィ技術を使用せねばならない。しかし、電子ビームリソグラフィ技術は、数μmほどの非常に小さい半導体素子の製造に適しており、ディスプレイ装置で使用するための数十ないし数百cm2規模のワイヤグリッド偏光子の製造には適していない。このような理由から、可視光線の領域で使用できるワイヤグリッド偏光子は、これまで実験室でのみ小さく製造されたところがあり、ディスプレイ装置用に適当な大面積のワイヤグリッド偏光子を量産できる技術は、まだ開発されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、大面積を有し、低コストで量産の可能な能動型反射偏光子または光シャッタのような光学装置を提供することである。
本発明の他の目的は、前記光学装置を利用したバックライトユニット、液晶パネル及び液晶表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一類型による光学装置は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行な磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
前記磁性材料層は、多数の磁性粒子及び前記多数の磁性粒子が互いに凝集することなくに分布されている透明な絶縁性媒質で形成される。
前記磁性材料層は、磁場が印加されれば、第1方向に磁化し、磁場が除去された後にも第1方向に磁化し続ける。
前記磁性材料層は、磁場が印加される場合にのみ第1方向に磁化しうる。
前記磁性材料層の厚さは、前記磁性材料層の磁気減衰の長さより大きい。
それぞれの磁性粒子は、透明な絶縁性シェルまたは透明な絶縁性界面活性剤によって取り囲まれている。
前記磁性粒子は、球形状、タマゴ型状、直六面体型状、正六面体型状、楕円形状またはシリンダー型状でありうる。
【0006】
前記磁性材料層の両面に配された絶縁層をさらに備えうる。
前記磁性材料層が上面に配されている透明基板をさらに備えうる。
前記磁性粒子は、強磁性体、超常磁性体、常磁性体、反磁性体及びフェリ磁性体のうち何れか一つでありうる。
前記磁性粒子は、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン、ガドリニウム、銀、銅、クロム、CoxPty、FevPtz、MnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3及びSr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz、CoxZryNbzFevのうちから選択された何れか一つでありうる。
前記磁性粒子は、1ないし1000nmの直径を有しうる。
前記磁性材料層は、1μm以下の厚さを有する磁性薄膜フィルムで形成される。
前記磁性材料層は、磁性ポリマーを含みうる。
前記磁性材料層は、磁性粒子と透明絶縁性粒子との混合で形成される。
前記磁性材料層の表面にコーティングされた透明保護フィルムをさらに備えうる。
前記光学装置は、前記磁性材料層に磁場を印加するためのものであって、前記磁性材料層の少なくとも一面に配される伝導性素子をさらに備えうる。 前記光学装置は、前記伝導性素子に連結された電源をさらに含みうる。 前記伝導性素子は、前記磁性材料層上に配列された多数本のワイヤでありうる。 前記ワイヤの間に透光性絶縁材が充填される。
前記伝導性素子は、板状の透明電極でありうる。
【0007】
本発明の他の類型による偏光された電磁波を形成する方法は、磁性材料層を提供するステップと、前記磁性材料層を第1方向に磁化させるステップと、前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による偏光された電磁波を形成する方法は、第1方向に磁化した磁性材料層を提供するステップと、前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による液晶パネルは、液晶層と、第1方向に磁化した磁性材料層を備える偏光子と、を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
本発明のさらに他の類型による液晶表示装置は、液晶パネルと、バックライトユニットと、前記液晶パネルとバックライトユニットとの間に配された偏光子と、を備え、前記偏光子は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
前記構造を有する本発明による能動型反射偏光子の場合、ペースト状態の透明な絶縁性材料にコア・シェル構造の磁性粒子を混合して透明基板上に塗布した後に硬化させるか、または溶液内に液浸されたコア・シェル構造の磁性粒子を透明基板上にコーティングして硬化させるか、または磁性ポリマーフィルムを透明基板に直接付着する方式で磁性材料層を形成しうる。したがって、透明基板上に非常に細い金属ワイヤを非常に狭い間隔で配せねばならないワイヤグリッド偏光子に比べて、本発明による能動型反射偏光子は、製造が非常に容易である。さらに、本発明による能動型反射偏光子の製造において、サイズの制限をほとんど受けない。したがって、本発明による能動型反射偏光子は、液晶表示装置のようなディスプレイ装置で多様な方式で適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態による光学装置、特に能動型反射偏光子の構造及び動作について詳細に説明する。
本発明による能動型反射偏光子の動作を理解するために、まずワイヤグリッド偏光子の原理について簡単に説明する必要がある。図1に示されたワイヤグリッド偏光子に入射する光は、前述したように、伝導性金属ワイヤ16bに平行した成分を有する偏光光と、伝導性金属ワイヤ16bに垂直な成分を有する偏光光とに分けられる。光は、電磁波の一種であるので、図1では、金属ワイヤ16bに平行した成分を有する偏光光をE||で表示し、金属ワイヤ16bに垂直な磁場成分を有する偏光光をE⊥で表示しうる。
【0010】
光E||がワイヤグリッド偏光子に入射する場合、金属ワイヤ16bでX軸方向(すなわち、金属ワイヤ16bの長手方向)に誘導電流が発生するが、前記誘導電流は、光E||の振幅によって時変する。したがって、電磁波の放射の原理によって、時変する誘導電流によって電磁波が発生する。このように発生した電磁波は、全ての方向に伝播されるが、図1で、ワイヤグリッド偏光子を透過する方向(すなわち、−z方向)には減衰する。このとき、金属ワイヤ16bの厚さhが金属ワイヤ16bの表面深さより大きい場合には、ほとんどの電磁波が減衰する。一方、+z方向に進む光は、減衰しない。結果的に、光E||は、ほとんどワイヤグリッド偏光子で反射されると現れる。
【0011】
また、金属ワイヤ16b間の空いている空間に入射する光E||の場合、前記金属ワイヤ16bでX軸方向に誘導電流が発生するため、隣接する金属ワイヤ16bのY軸方向に相互対向する二つの地点は、同じ電位を有する。したがって、金属ワイヤ16b間の空間では、隣接する二つの金属ワイヤ16bによって一定の電位が維持されるので、下記数式のように電場は、常に0となる。結果的に、この場合、平行した光E||が金属ワイヤ16b間の空間に存在しないか、または金属ワイヤ16b間の空間を透過しないと見られる。
(数1)
E=−▽V−(∂A/∂t)=0
【0012】
したがって、光E||に対して、前記ワイヤグリッド偏光子は、完全な反射器として作用する。
一方、光E⊥がワイヤグリッド偏光子に入射する場合には、金属ワイヤ16bでY軸方向(すなわち、金属ワイヤ16bの幅方向)に誘導電流が発生する。しかし、金属ワイヤ16bの幅は、例えば、約50nmに非常に狭いため、この場合の誘導電流は、金属ワイヤ16bの長手方向に発生する誘導電流に比べて非常に小さい。したがって、この場合に発生する電磁波もやはり、無視できるほどに小さくなる。その結果、垂直な光E⊥は、金属ワイヤ16bによる影響をほとんど受けず、反射される量が、光E||に比べて無視できるほどに小さくなる。
【0013】
また、前記金属ワイヤ16bでY軸方向に誘導電流が発生するため、隣接する金属ワイヤ16bのY軸方向に相互対向する二つの地点の間には、電位差が存在する。すなわち、Y軸方向に沿って金属ワイヤ16bの一側面は、正(+)に帯電され、他側面は、負(−)に帯電される。したがって、金属ワイヤ16b間の空間では、相互隣接する二つの金属ワイヤ16bによって双極磁場が存在する。結果的に、この場合、垂直な光E⊥が金属ワイヤ16b間の空間を透過すると見られる。
【0014】
しかし、前述したように、現在の技術としては、前記ワイヤグリッド偏光子を大面積に製造することが極めて困難であるという問題がある。本発明の基本的な原理は、入射する電磁気エネルギーのポインティングベクトルSが、下記数式2のように、常に電場Eと磁場Hとの対からなるという点に基づく。
(数2)
S=E||×H||+E⊥×H⊥
以下では、表示の簡略化のために、反射及び透過された電磁波を数式2のポインティングベクトルの電場成分E||,E⊥及び磁場成分H||,H⊥で表示する。例えば、図1で反射された電磁波は、E||で表示され、透過された電磁波は、E⊥で表示された。図2の場合、反射された電磁波は、H||、H⊥で表示されており、図10、14、15及び16で反射された電磁波は、H||で表示され、透過された電磁波は、H⊥で表示される。
【0015】
ワイヤグリッド偏光子では、反射または透過される偏光成分がポインティングベクトルの電場部分によって決定される。一方、本発明の場合には、反射または透過される偏光成分がポインティングベクトルの磁場部分によって決定される。
このような本発明による能動型反射偏光子20の構造は、図2に示されている。図2を参照すれば、本発明による能動型反射偏光子20は、透明基板21上に配された磁性材料層22で形成される。ここで、磁性材料層22は、例えば、コア・シェル構造の磁性粒子を“ゲル”のようなペースト状態の絶縁性材料に凝集することなく分散させた後、これを透明基板21上に薄く塗布し、硬化させて形成しうる。または、コア・シェル構造の磁性粒子を溶液内に液浸させた後、これを透明基板21上に薄くスピンコーティングまたはディープコーティングして硬化させることにより、磁性材料層22を形成することもある。また、最近には、磁性体の性質を有する磁性ポリマーフィルムが開発されて販売されており、このような磁性フィルムを1μm以下の薄膜フィルムに形成した後、これを透明基板21上に直接付着して磁性材料層22として使用することもある。
【0016】
図3Aないし図3D及び図4Aないし図4Dは、本発明の磁性材料層22に使われる多様な形態のコア・シェル構造の磁性粒子26を示している。図3Aないし図3D及び図4Aないし図4Dに示したように、磁性粒子26は、磁性体材料で形成されたコア26aと、前記コア26aを取り囲む絶縁性シェル26b,26b’とで形成される。このような磁性粒子26の形態は、球形、タマゴ型、直六面体型、正六面体型、楕円形、シリンダー型またはこれに近似する形状でもあり、さらに定義されていない任意の形態となることもある。
【0017】
ここで、磁性粒子26のコア26aとして使われる材料としては、磁性体としての性質を有するならば、いかなる導電性物質でも制限がない。例えば、前記磁性粒子26aの材料として、コバルト、鉄、ニッケルのような強磁性体または超常磁性体金属またはCoxPtyやFeyPtz(ここで、x、y、zは、成分比を表す)のようなこれらの合金;チタン、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン及びガドリニウムのような常磁性体金属やこれらの合金;銀または銅のような反磁性体金属やこれらの合金;ニール温度以上の温度で常磁性体に変わるクロムのような反強磁性体金属;または電気伝導度は、比較的低いが、磁化率が比較的高いMnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3、Sr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz及びCoxZryNbzFevのようなフェリ磁性体を使用しうる。
【0018】
一方、コア・シェル構造の磁性粒子26において、シェル26b,26b’の役割は、ある二つのコア26aが互いに凝集化するか、または互いに直接的に接触せずにするところにある。このような目的を達成できるならば、図3Aないし図3Dに示されたように、例えば、SiO2またはZrO2のような透明な絶縁性材料がコア26aを取り囲む形態のシェル26bを使用しうる。しかし、これに制限されるものではなく、図4Aないし図4Dに示したように、例えば、ポリマー形態の透明な絶縁性界面活性剤がコア26aを取り囲む形態のシェル26b’を使用することもある。
一方、本発明で使用するコア・シェル構造の磁性粒子26で、コア26aの直径は、数nmから数十nmまで可能である。例えば、前記コア26aの直径は、使用する材料によって差があるが、約1nmないし約1000nmとなりうる。特に、前記コア26aの直径は、一つのコア26a内で単一磁区が形成されるほどであることが望ましい。そして、シェル26b,26b’の厚さは、隣接する二つのコア26aが互いに伝導されないほどの厚さであれば良い。
【0019】
前述したように、シェル26b,26b’の主要役割は、コア26aが磁性材料層22内で互いに凝集化せずにすることである。したがって、コア26aが互いに凝集化せず、磁性材料層22内に分散されれば、シェル26b,26b’を使用する必要がない。
図5は、磁性材料層22内に分散されているコア・シェル構造の磁性粒子26を有する能動型反射偏光子20の物理的な構造を例示的に示しており、図6は、図5に示された能動型反射偏光子20の断面を示している。図5及び図6では、便宜上磁性材料層22内に磁性粒子26が非常に稠密に分布されていると示した。しかし、実際には、前記磁性材料層22内で前記磁性粒子26は、相接するように非常に稠密に分布されている。図5及び図6に示したように、磁性材料層22内には、コア・シェル構造の磁性粒子26が密集して充填されている。また、磁性粒子26の間の空間22aは、絶縁性シェル26bと同様に、SiO2やZrO2のような透明な絶縁性材料や界面活性剤で充填されてもよく、それと異なる透明な絶縁性材料で充填されてもよい。
【0020】
また、図7に示したように、前記磁性材料層22は、異なる2種類のコア・シェル構造を混合して形成されることもある。図7を参照すれば、前記磁性材料層22は、磁性材料で形成されたコアA 26aを有するコア・シェル構造と、誘電体材料で形成されたコアB 27aを有するコア・シェル構造とを混合して形成される。例えば、コアA 26aは、CoxPtyやFeyPtz(ここで、x、y、zは、成分比を表す)で形成され、コアB 27aは、SiO2やZrO2で形成される。コアA 26aとコアB 27aとには、それぞれ界面活性剤26b’,27b’が付着されるが、前記界面活性剤26b’,27b’は、相互同じ材料でもあり、相異なる材料でもある。図7に示したように、本発明によれば、前記コアA 26aを有するコア・シェル構造と、コアB 27aを有するコア・シェル構造とを溶液内に混合した後、アニーリング工程を通じてそれぞれのコア26a,27aに付着されている界面活性剤26b’,27b’を何れも除去する。それにより、図7の下部分に示されたように、磁性コア26aが誘電体コア27aの間に凝集することなく分布される。表面活性剤26b’,27b’がアニーリング工程を通じて除去されるため、この場合には、前記表面活性剤26b’,27b’が必ずしも透明である必要はない。
【0021】
図8は、磁性材料層22’の可能なさらに他の構造を例示的に示す図面であって、図8の左側は、磁性材料層22’の水平断面を示しており、右側は、垂直断面を示している。図8に示された磁性材料層22’は、SiO2のような透明な絶縁性誘電体材料22a’内に、コア・シェルの代わりにシリンダー柱状の磁性粒子26’が挿し込まれている構造である。そして、前記磁性材料層22’の上面及び下面には、透明な絶縁性材料で形成された絶縁層22i’が形成されている。この場合にも、それぞれの磁性粒子26’は、一つの単一磁区を形成するほどのサイズを有し、前述した磁性材料を使用して形成される。このような構造は、例えば、陽極酸化方式を利用して微細な孔隙を有する誘電体テンプレートを形成し、ここにスパッタリング方式で磁性材料を充填させることによって形成される。
【0022】
また、たとえ、図示されていないとしても、単一磁区のサイズの磁性粒子26a,26’を使用する代わりに、薄膜の形態に磁性材料層を形成することもある。この場合、磁性粒子26a,26’を使用する場合に比べて、必要な磁場の強度を1/10に減らせる。例えば、薄膜形態の磁性材料層の厚さは、約1μmまたはそれ以下に形成される。
再び、図2を参照すれば、図2には、前記磁性材料層22の周囲に磁場が印加されない場合を示している。磁場が印加されない場合、前記磁性材料層22内の全体的な磁気モーメントは、図2で矢印で表示したように、色々な方向にランダムに配列されている。図2で、’・’は、出る方向(すなわち、+x方向)の磁気モーメントを表し、’×’は、入る方向(−x方向)の磁気モーメントを表す。また、図2で、右側に拡大して表示したように、磁性材料層22内の磁気モーメントは、水平方向(すなわち、xy平面)だけでなく、垂直方向(すなわち、−z方向)にもランダムに配列されている。したがって、外部磁場が印加されていない場合(すなわち、Bapp=0)、磁性材料層22は、いかなる方向にも磁化していない(M=0)。例えば、前記磁性材料層22として磁性ポリマーを使用する場合、外部から磁場が印加されなければ(Bapp=0)、図9に示したように、それぞれの磁性ポリマー分子が不規則に配列されるため、磁性材料層22は、磁化していない状態となる(M=0)。
【0023】
この場合、図2に示したように、能動型反射偏光子20に入射する光は、何れも反射される。それは、前記能動型反射偏光子20内の磁気モーメントが光の進行方向(すなわち、−z方向)に沿ってランダムに配列されているためである。すなわち、光を二つの相互垂直な磁場成分H||,H⊥を有する光に分けるとき、任意の方向に配列されている磁気モーメントによって、それぞれの磁場成分H||,H⊥を有する光の一部が能動型反射偏光子20の表面で反射される。そして、次いで、残りの光が前記能動型反射偏光子20内で−z方向に進む過程で、いつかは他の磁気モーメントによって反射されるであろう。最終的に、前記能動型反射偏光子20を完全に透過する光は、ほとんどなくなる。
一方、図10は、磁性材料層22の周囲に磁場が印加される場合を示している。図10に示したように、前記磁性材料層22の周囲に磁場を印加するための磁場印加手段として、前記磁性材料層22の周囲を取り囲むように所定の間隔で配された多数本のワイヤ24及び前記多数本のワイヤ24に電流を印加するための電源23を備える。前記電源23は、交流または直流電源であって、一定の時間間隔でワイヤ24に電流を印加してもよく、持続的に電流を印加してもよい。ワイヤ24の配置間隔は、一定であるが、一定でなくてもよい。ここで、前記ワイヤ24は、例えば、ITOのような透明な伝導性材料を使用することが望ましい。しかし、ワイヤ24間の間隔d2がワイヤ24の厚さd1よりはるかに大きい場合には、ITOの代わりに、アルミニウム、銅、金、白金、銀のように、抵抗の小さい不透明な金属やヨードドーピングされたポリアセチレンのような導電性ポリマーを使用することもある。ITOではない、他の不透明であるが、抵抗の小さい金属をワイヤ24として使用する場合、ワイヤ24が覆った部分には、光が通過できないが、二つのワイヤ24の間には、光が通過する。二つのワイヤ24間の間隔d2が、ワイヤ24の厚さd1よりはるかに大きいので、ワイヤ24によって遮断される光は、ワイヤ24間に通過する光に比べて、無視できるほどである。また、ワイヤ24間の間隔が非常に狭くなる場合、例えば、50nm以下である場合にも、前記ワイヤ24がワイヤグリッド偏光子として作用するため、本発明の目的達成には影響を与えない。
【0024】
図11Aないし図11Fは、図10のラインA−A’による能動型反射偏光子20の断面図であって、図10に示されたワイヤ24の多様な配列方式を例示的に示している。平行したワイヤ24に同じ方向に電流が印加される場合、隣接したワイヤ24の間には、それぞれのワイヤ24で発生した磁場が相殺されて、磁場が0である領域が生じる。この領域に存在する磁性材料層22は、ワイヤ24に電流が印加されても磁気モーメントが一定方向に整列されない。したがって、図11Aに示したように、ワイヤ24の間に磁性材料層22が侵透しないように、磁性材料層24の両面に透明フィルム21pを付着し、この透明フィルム21pの表面にワイヤ24を形成しうる。ここで、前記透明フィルム21pの厚さhpが十分に厚い場合、例えば、hp≫d2である場合、磁性材料層22内に形成される磁場は、非常に均一になる。また、透明基板21と磁性材料層22との間に位置するワイヤ24が毀損されることを防止するために、ワイヤ24の間に透光性材料21wを充填することもある。図11Bは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Aと差がある。
【0025】
また、図11Cに示したように、前記磁性材料層22の上面にも透明基板21をさらに配しうる。この場合、前記磁性材料層22の上面に配されたワイヤ24の間にも透光性材料21wを充填して前記ワイヤ24を保護しうる。図11Dは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Cと差がある。また、図11Eに示したように、透明基板21なしに磁性材料層22の両面に透明フィルム21pのみを付着することもある。この場合、ワイヤ24の間に別途の透光性材料21wを充填する必要はない。図11Fは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図11Eと差がある。
【0026】
しかし、もし、磁性材料層22が十分に固くてワイヤ24の間に磁性材料層22が侵透しないならば、前記透明フィルム21pと透光性材料21wとは使用しない。
図12Aないし図12Dは、図10のラインB−B’による能動型反射偏光子20の断面図であって、磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24間の多様な電気的連結方式を例示的に示している。例えば、図12A及び図12Bに示したように、磁性材料層22の側壁表面に沿ってワイヤ24を延長することによって、磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24を電気的に連結しうる。特に、図12Bの場合、ワイヤ24がソレノイド形態で磁性材料層22を取り囲んでいるため、単に一つのワイヤ24のみを使用しうる。
また、図12C及び図12Dに示したように、磁性材料層22の側壁表面に導電性薄膜30を付着して磁性材料層22の上面及び下面にあるワイヤ24を電気的に連結することもある。図12Dは、磁性材料層22の上面にあるワイヤ24と、下面にあるワイヤ24とが交互に配されているという点で、図12Cと差がある。
【0027】
再び、図10を参照すれば、このような前記多数本のワイヤ24は、Y方向に平行し、X方向に沿って所定の間隔で配列されている。そして、電源23を通じて前記ワイヤ24に電流を印加する。例えば、磁性材料層22を取り囲むワイヤ24に沿って時計回り方向に電流が流れる場合、図10に示したように、前記磁性材料層22は、−x方向に磁化する。
図13には、磁性材料層22として磁性ポリマーを使用する場合、それぞれ一つの磁気モーメントを形成する分子が一定の方向に整列されている様子が示されている。すなわち、ワイヤ24に流れる電流によって発生する外部磁場が前記磁性材料層22に印加されれば(すなわち、Bapp≠0)、磁性材料層22を構成する磁性ポリマーは、前記外部磁場の方向に沿って磁化する。このように磁性材料層22は、電流の印加如何によって一定の方向にのみ磁化すればよいので、磁性材料層22に使われる磁性体材料は、いかなる種類の磁性体でも使用が可能である。すなわち、磁性材料層22に使われる磁性体材料が強磁性体でも、常磁性体でも、または反磁性体でも関係ない。
【0028】
一般的に、電磁波の磁場は、図10の磁性材料層22の磁化方向に平行した成分を有する磁場H||と、垂直な成分を有する磁場H⊥とに分解される。本発明によれば、平行した成分H||は、磁性材料層22によって反射され、垂直な成分H⊥は、前記磁性材料層22を透過する。その原理は、前述したワイヤグリッド偏光子の偏光選択原理と類似している。すなわち、磁化方向に平行した成分H||が磁性材料層22に入射する場合、誘導磁気モーメントが発生する。前記誘導磁気モーメントは、平行した成分H||の磁場の時変する振幅によって共に時変する。したがって、電磁波の放射の原理によって、時変する誘導磁気モーメントによって電磁波が発生する。このように発生した電磁波は、全ての方向に伝播される。したがって、前記磁性材料層22の厚さtを、電場の表面深さと類似した概念である磁気減衰長さより大きくすれば、誘導磁気モーメントによって発生した電磁波が前記磁性材料層22を透過できなくなる。したがって、数式2で磁化方向に平行した磁場成分H||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)は、ほとんど反射されると現れる。
【0029】
一方、磁化方向に垂直な磁場成分H⊥が前記磁性材料層22に入射する場合には、磁気モーメントとの相互作用がなく、時変する誘導磁気モーメントも発生しない。その結果、垂直な成分H⊥に対しては、あたかも磁性材料層22が存在していないようになる。したがって、数式2で、磁化方向に垂直な磁場成分H⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)は、能動型反射偏光子20を通過する。
一方、磁性材料層22が十分な偏光分離機能を行うためには、前述したように、前記磁性材料層22の内部に進む電磁波を十分に減衰させる厚さを有さねばならない。すなわち、前述したように、前記磁性材料層22の厚さは、磁性材料層22の磁気減衰長さより大きくなければならない。特に、コア・シェル形態の磁性粒子26を媒質内に分散させることによって、前記磁性材料層22を形成する場合、磁性材料層22内で光路に沿って十分な数の磁性粒子26が存在せねばならない。例えば、磁性粒子26が一重で均一に分布されているX−Y平面上の層が、Z方向に積層されて磁性材料層22が構成されると仮定する場合、磁性材料層22内で−z方向に進む光路に沿って必要な磁性粒子26の数nは、次の数式3のように与えられる。
(数3)
n≧s/d
ここで、sは、入射光の波長で、磁性粒子26の磁性コア26aの磁気減衰長さであり、dは、磁性コア26aの直径である。例えば、磁性コア26aの直径が7nmであり、入射光の波長で磁性コア26aの磁気減衰長さが35nmである場合、光路に沿って少なくとも5個の磁性粒子26が要求される。したがって、媒質内に分散された多数の磁性粒子26で磁性材料層22が形成される場合、磁性粒子26の密度を考慮して、磁性材料層22の厚さ方向にn個以上の磁性粒子26が存在するように、磁性材料層22の厚さを決定しうる。
【0030】
一方、磁性材料層22の上面及び下面にある多数本のワイヤ24は、図1に示されたワイヤグリッド偏光子と類似して見られる。実際に、図10に示された能動型反射偏光子20は、磁性材料層22が前記磁性材料層22の上面及び下面にそれぞれ配されたワイヤグリッド偏光子の間に挿し込まれている構造とも見られることもある。
図1に示された従来のワイヤグリッド偏光子の場合、入射光の反射及び透過如何は、単に電場Eによってのみ決定される。伝導性ワイヤに平行した電場成分をE||とし、垂直な電場成分をE⊥とするとき、反射される光は、平行した電場成分E||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)で表現され、透過される光は、垂直な電場成分E⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)で表現される。光の透過及び反射如何に磁場成分は作用しないため、既に説明したように、図1に示されたワイヤグリッド偏光子が可視光の領域で偏光子としての役割を行うためには、伝導性ワイヤ間の間隔が100nm以下とならねばならず、伝導性ワイヤの高さが入射光の波長での表面深さより大きくなければならない。これまでこのような要求を満足するためには、非常に難しい技術が必要であった。
【0031】
一方、本発明による磁性材料層22は、入射光の反射及び透過如何が入射光と関連した磁場の方向によって決定される。磁化方向に平行した磁場成分をH||とし、磁化方向に垂直な磁場成分をH⊥とするとき、反射される光は、平行した磁場成分H||と関連した光エネルギー(S||=E||×H||)で表現され、透過される光は、垂直な磁場成分H⊥と関連した光エネルギー(S⊥=E⊥×H⊥)で表現される。すなわち、本発明による磁性材料層22で入射光の反射及び透過如何を決定することは、電場成分E||,E⊥ではなく、磁場成分H||,H⊥である。
前記磁性材料層22の偏光子として作用を行うためには、外部磁場を印加してその内部にある磁気モーメントを整列させる必要がある。このために、図10に示したように、伝導性ワイヤ24を平行した格子形態で磁性材料層22の表面に配させ、前記ワイヤ24を通じて電流を流せる。このような本発明による能動型反射偏光子20に光が入射するとき、反射光(S||=E||×H||)と透過光(S⊥=E⊥×H⊥)とは、電場成分による寄与と磁場成分による寄与とを何れも有しうる。例えば、反射光(S||=E||×H||)の場合に、電気場成分E||は、格子形態のワイヤ24によって反射され、磁場成分H||は、整列された磁気モーメントによって反射される。同様に、透過光(S⊥=E⊥×H⊥)の場合に、電気場成分E⊥は、それと垂直方向に配列された格子形態のワイヤ24を通過し、磁場成分H⊥は、それと垂直方向に整列された磁気モーメントを通過する。
【0032】
したがって、図10に示されたワイヤ24の高さを入射光の波長に対する前記ワイヤ24の材料の表面深さより大きくすることもある。この場合、本発明による能動型反射偏光子20で電場成分と磁場成分とが何れも偏光分離に参加でき、したがって、電場成分と磁場成分とが相補的な役割を行える。例えば、本発明によれば、ワイヤ24の配列間隔を100nm以下にすることが難しい場合、約500nmないし10mmにすることもある。これにより、本発明による能動型反射偏光子20の偏光分離性能をさらに向上させうる。
【0033】
一方、図14は、図10に示された能動型反射偏光子の一変形例を示している。図10の場合、磁場印加手段として使用する多数本のワイヤ24が磁性材料層22の周囲を取り囲むと示されている。しかし、図14に示したように、ワイヤ24が磁性材料層22の上面または下面のうち何れか一面にのみ配されても、磁性材料層22に十分な外部磁場を印加することが可能である。
前述した図10及び図14では、磁性材料層22の周囲に磁場を印加するための磁場印加手段として、多数本のワイヤ24を使用した。しかし、図15のように、磁性材料層22の周囲に形成された板状の透明電極25を磁場印加手段として使用することもある。ここで、前記透明電極25の材料としては、ITOのような透明な伝導性材料を使用しうる。また、最近には、金属を数nm以下に非常に薄くコーティングできる技術が開発されたが、アルミニウム、銅、銀、金、白金のような伝導性金属を、その金属の表面深さ以下の厚さに非常に薄く形成する場合にも、光の透過が可能である。したがって、伝導性金属を入射光の波長に対する表面深さより薄く磁性材料層22の全面にコーティングすることによって、前記透明電極25を形成することもある。図15の場合、ワイヤ24を使用する場合に比べて、さらに少ない電流にも磁性材料層22内の磁気モーメントを制御でき、磁気モーメントの配列方向がさらに均一になりうる。
【0034】
また、図15では、前記板状の透明電極25が磁性材料層22の周囲を全体的に取り囲むと示されているが、図16に示したように、板状の透明電極25が磁性材料層22の一部面のみを取り囲むことも可能である。すなわち、前記板状の透明電極25は、磁性材料層22の上面にのみ配されるか、または下面にのみ配されることもある。この場合にも、磁性材料層22に十分な外部磁場を印加することが可能である。
一方、図17は、本発明による能動型反射偏光子20で時変する磁場の強度(A/m)を表すシミュレーショングラフであり、図18は、図17の一部分を拡大して示すシミュレーショングラフである。図17及び図18のグラフで、磁性材料層22の磁性コア26aの電気伝導度及び磁化率は、チタンのそれを使用した。チタンは、比較的高い電気伝導度と比較的低い磁化率とを有する常磁性体である。例えば、チタンの電気伝導度は、約2.38×106S(Siemens)であり、磁化率は、20℃の室温で約18×10−5であると知られている。また、入射光は、約550nmの波長と100V/mの強度とを有すると仮定した。また、チタンからなる磁性コア26aの直径は、1nmであり、相互に対して完全に絶縁されていると仮定した。図17及び図18の計算結果のように、磁気モーメントの磁化方向に垂直な磁場成分を有する光の場合、磁性材料層22の厚さが厚くなっても、減衰なしにほぼそのまま能動型反射偏光子20を通過する。一方、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光の場合、大きく減衰して約60nmから0に近くなる。すなわち、チタン磁性コア26aの直径が1nmと仮定されたので、60個のチタン磁性コア26aを過ぎれば、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光は、完全に減衰する。したがって、磁性材料層22の磁性体材料としてチタンを使用する場合、磁性材料層22の厚さが60nm以上であれば、550nmの波長を有する光に対して、ほぼ完全な偏光分離が可能である。
【0035】
図19は、本発明による能動型反射偏光子20の偏光消去比(すなわち、平行した光の透過量に対する垂直な光の透過量の比率)(CR:Contrast Ratio)のログ値(すなわち、log10CR)を、前述した仮定下で計算したグラフであり、図20は、本発明による能動型反射偏光子20の偏光消去比の絶対値を、前述した仮定下で計算したグラフである。例えば、“W1”が透過されることを所望する光であり、“W2”が透過されることを所望しない光であるとすれば、偏光消去比CRは、(W1/W2)と定義される。本発明による能動型反射偏光子20の場合、“W1”は、S⊥=E⊥×H⊥であり、“W2”は、S||=E||×H||である。図19及び図20のグラフは、磁性材料層22の厚さが厚くなるほど、磁気モーメントの磁化方向に平行した磁場成分を有する光の透過度は、大きく低下するが、一方、磁気モーメントの磁化方向に垂直な磁場成分を有する光の透過度は、ほとんど変わらないということを意味する。したがって、図19及び図20のグラフを通じて分かるように、磁性材料層22の厚さが厚くなるほど、偏光消去比CRが大きく増大する。例えば、図3Aないし図3Dに示されたコア・シェル構造の磁性粒子26を使用する場合、金属コア26aがチタンであり、磁性コア26aの直径が約1nmであれば、1000以上の偏光消去比CRを得るための磁性材料層22の厚さは、45nmを超える必要がない。
【0036】
前述したように、磁性材料層22内の磁気モーメントは、外部磁場によって方向が変わりうるが、入射光度も一種の電磁気場であるので、入射光によっても磁性材料層22内の磁気モーメントの方向が変わる可能性がある。もし、入射光によって磁性材料層22の磁気モーメントの方向が容易に変われば、能動型反射偏光子20の性能が悪化する恐れがある。しかし、図17ないし図20と関連した仮定下で行われた簡単な計算によれば、磁性材料層22の磁性体材料の慣性モーメントが1×10−15kg・m2ほどに非常に小さい場合にも、磁性材料層22に電流を印加して磁気モーメントが一旦整列されれば、外部光によって磁気モーメントの方向がほとんど変わらないことが確認された。これは、図21のグラフを通じて確認できる。
【0037】
図21は、このような入射光の磁場による磁気モーメントの角度変動を示すグラフである。図21のグラフで、磁性材料層22の磁性体材料の慣性モーメントが1×10−15kg・m2であり、前記磁性材料層22内の磁気モーメントが約265A/mの外部磁場によって既に整列されていると仮定した。また、入射光の波長は、550nmであり、約1327Wの強度を有すると仮定した。図21のグラフで、縦軸の単位は、度(degree)であり、横軸の単位は、0.0036692fs(femto second)である。図21で、入射光が所定の周期を有するサイン波であるので、磁気モーメントの角度変動も入射光の振幅によってサイン波の形態に変わる。図21のグラフで、入射光による磁気モーメントの角度変動周期は、約1.8346fsであることが分かる。また、図21のグラフを見れば、入射光による磁気モーメントの角度変動が最大である時のピーク値が非常に小さいということが分かる。すなわち、入射光による磁気モーメントの角度変動は、ほぼ無視しうる。したがって、本発明による磁性材料層22の性能は、入射光によってほとんど影響を受けないと見られる。
【0038】
前述した構造を有する本発明による能動型反射偏光子20の場合、ペースト状態の透明な絶縁性材料にコア・シェル構造の磁性粒子26を混合して透明基板21上に塗布した後に硬化させるか、または溶液内に液浸されたコア・シェル構造の磁性粒子26を透明基板21上にコーティングして硬化させるか、または磁性ポリマーフィルムを透明基板21に直接付着する方式で磁性材料層22を形成しうる。したがって、透明基板上に非常に細い金属ワイヤを非常に狭い間隔で配せねばならないワイヤグリッド偏光子に比べて、本発明による能動型反射偏光子20は、製造が非常に容易である。さらに、本発明による能動型反射偏光子20の製造において、サイズの制限をほとんど受けない。したがって、本発明による能動型反射偏光子20は、液晶表示装置のようなディスプレイ装置で多様な方式で適用可能である。
【0039】
例えば、図22に示したように、本発明による能動型反射偏光子20は、液晶表示装置に使われる。図22を参照すれば、本発明による液晶表示装置は、バックライトユニット11と液晶表示パネル15とを備え、前記液晶表示パネル15は、液晶層13、前記液晶層13の前面に配された前面偏光子14、前記液晶層13の背面に配されて背面偏光子の役割を行う能動型反射偏光子20を備えうる。このような構造で、バックライトユニット11に放出された光の半分は、能動型反射偏光子20を通過して液晶層13に提供され、残りの半分は、反射される。反射された光は、バックライトユニット11の下部の反射板18によって再び前記能動型反射偏光子20に向かって反射される。このとき、反射された光は、バックライトユニット11の内部の拡散板(図示せず)によって無偏光状態の光に変わりうる。それにより、反射された光の半分が前記能動型反射偏光子20を通過しうる。このような方式でバックライトユニット11から放出された光のほとんどを使用しうる。
【0040】
図22では、前記能動型反射偏光子20が液晶表示パネル15の背面偏光子として使われると示されている。しかし、液晶表示パネル15の背面偏光子を一般的な吸収型偏光子として使用し、前記能動型反射偏光子20は、液晶表示パネル15とバックライトユニット11との間に配されることもある。また、本発明によれば、前記能動型反射偏光子20は、バックライトユニット11の一部品であって、バックライトユニット11の光放出面に付着されることもある。
本発明による能動型反射偏光子20を表示装置またはバックライトユニットに使用する場合、前記磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用することもある。強磁性体は、一旦外部磁場によって磁気モーメントが一定に整列されれば、外部磁場が除去されても、磁気モーメントが整列された状態をそのまま維持する傾向がある。このような強磁性体の性質によって、表示装置やバックライトユニットをターンオンさせるとき、能動型反射偏光子20に一回のみ電流を印加しても、磁性材料層22内の磁気モーメントが一定方向に継続整列されているため、能動型反射偏光子20に電流を印加し続ける必要はない。したがって、前記磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用する場合、表示装置やバックライトユニットの消費電力を低減しうる。
【0041】
また、本発明による能動型反射偏光子20は、偏光子だけでなく、光シャッタのような光学装置として使われることもある。磁性材料層22の磁性体材料として常磁性体、肖像磁性体または反磁性体を使用する場合、外部磁場が印加されれば、本発明による能動型反射偏光子20は、特定偏光方向の光を透過させ、他の偏光方向の光は反射させる。そして、外部磁場が除去されれば、本発明による能動型反射偏光子20は、全ての光を反射させる。したがって、前記能動型反射偏光子20は、外部磁場が印加される時に光を透過させ(シャッタが開いた状態)、外部磁場が印加されていない時に光を遮断する(シャッタが閉じた状態)光シャッタの機能を行える。
【0042】
本発明による能動型反射偏光子20を光シャッタとして利用する場合にも、磁性材料層22の磁性体材料として強磁性体を使用することもある。この場合、前記光シャッタは、一旦外部磁場が印加されれば、光を透過させ、外部磁場が除去された後にも続けて光を透過させうる。
これまで、本明細書で“単一磁区”という用語が使われた。ここで、“磁区”は、内部の全ての磁気モーメントが相互平行に存在している一つの最小領域を意味する。磁性材料層または磁性粒子の大きさが一つの磁区を保有できるほどのサイズならば、単一磁区であってもよい。一方、磁性材料層または磁性粒子の大きさが単一磁区を複数保有できるほどのサイズならば、多重磁区であってよい。なかでも、磁性材料層は単一磁区であることが好ましいが、2〜3程度の多重磁区であってもよい。
【0043】
一般的に、同じ磁区に属する磁気モーメントが相互平行に配列されていても、相異なる磁区の磁気モーメントとは完全に平行しないこともある。事実、磁気モーメントがランダムに配列されているというのは、相異なる磁区の磁気モーメントが相互平行せず、ランダムに配列されているということを意味する。
多重磁区粒子または材料も、外部磁場を印加して単一磁区にしうる。初期に多重磁区粒子または材料であったものが、外部磁場によって単一磁区に変わるとき、その材料が飽和されたという。
一般的に、体積の大きいバルク型磁性体材料は、多数の磁区を有しているため、飽和点に達するためには、すなわち、単一磁区状態になるためには、数テスラ(T)ほどの外部磁場が要求される。一方、磁性体の種類によって異なるが、単に数個の磁区のみを保有できるほどのサイズの磁性体薄膜または磁性粒子は、例えば1/1000Tほどの相対的に非常に弱い外部磁場によっても飽和点に達しうる。
【0044】
したがって、本発明で使われた“単一磁区サイズの磁性粒子”は、粒子の実際サイズを意味するのではなく、磁性粒子が単一磁区状態にあるという意味として理解せねばならない。多数の磁区を有する磁性粒子であっても、十分な強度の磁場が印加されされば、そのサイズに関係なく、ほぼ単一磁区と見られる状態まで十分に飽和される。要すれば、本発明で磁性粒子の物理的なサイズは、単一磁区の物理的なサイズに限定されず、多数の磁区を含むサイズでもある。
以上、本願発明の理解を助けるために、模範的な実施形態が説明され、添付された図面に示された。しかし、このような実施形態は、単に本発明を例示するためのものであり、これを制限しないという点が理解されねばならない。そして、本発明は、図示されて説明された説明に限定されないという点が理解されねばならない。これは、多様な他の変形が当業者によって起きることができるためである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ディスプレイ装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一般的なワイヤグリッド偏光子の構造を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態による能動型反射偏光子がOFF状態にある場合を概略的に示す図面である。
【図3A】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3B】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3C】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図3D】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様なコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4A】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4B】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4C】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図4D】本発明による能動型反射偏光子で使用する磁性粒子の多様な他のコア・シェル形態を例示的に示す図面である。
【図5】磁性材料層内に分布されたコア・シェル形態の磁性粒子を有する本発明による能動型反射偏光子の物理的な構造を例示的に示す図面である。
【図6】図5に示された能動型反射偏光子の断面図である。
【図7】相異なるタイプのコア・シェルが混合された磁性材料層の構造を例示的に示す図面である。
【図8】単一磁区の磁性材料を有する磁性材料層の他の構造を例示的に示す図面である。
【図9】OFF状態にある能動型反射偏光子内の分子配列状態を概略的に示す図面である。
【図10】本発明の一実施形態による能動型反射偏光子がON状態にある場合を概略的に示す図面である。
【図11A】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11B】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11C】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11D】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11E】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図11F】図10のラインA−A’による能動型反射偏光子の断面図であって、図10に示されたワイヤの多様な配列方式を例示的に示す図面である。
【図12A】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12B】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12C】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図12D】図10のラインB−B’による能動型反射偏光子の断面図であって、能動型反射偏光子の上面及び下面にあるワイヤ間の多様な電気的連結方式を例示的に示す図面である。
【図13】ON状態にある能動型反射偏光子内の分子配列状態を概略的に示す図面である。
【図14】図10に示された能動型反射偏光子の一変形例を示す図面である。
【図15】本発明の他の実施形態による能動型反射偏光子を概略的に示す図面である。
【図16】図15に示された能動型反射偏光子の一変形例を示す図面である。
【図17】本発明による能動型反射偏光子で磁場の透過を示すグラフである。
【図18】本発明による能動型反射偏光子で磁場の透過を示すグラフである。
【図19】本発明による能動型反射偏光子で磁気モーメント方向に平行した成分の磁場を有する光の透過度と、垂直な成分の磁場を有する光の透過度との比率のログ値を示すグラフである。
【図20】本発明による能動型反射偏光子で、磁気モーメント方向に平行した成分の磁場を有する光の透過度と、垂直な成分の磁場を有する光の透過度との比率の絶対値を示すグラフである。
【図21】入射光による磁気モーメントの角度変動を示すグラフである。
【図22】本発明による能動型反射偏光子を使用した液晶表示装置の断面図を概略的に示す図面である。
【符号の説明】
【0047】
20 能動型反射偏光子
21 透明基板
22 磁性材料層
23 電源
24 ワイヤ
d1 厚さ
d2 間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行な磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記磁性材料層は、多数の磁性粒子及び前記多数の磁性粒子が互いに凝集することなく分布されている透明な絶縁性媒質で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記磁性材料層は、磁場が印加されれば、第1方向に磁化し、磁場が除去された後にも第1方向に磁化し続けることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記磁性材料層は、磁場が印加される場合にのみ第1方向に磁化することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記磁性材料層の厚さは、前記磁性材料層の磁気減衰の長さより厚いことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
それぞれの磁性粒子は、透明な絶縁性シェルまたは透明な絶縁性界面活性剤によって取り囲まれていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項7】
前記磁性粒子は、球形状、タマゴ型状、直六面体型状、正六面体型状、楕円形状またはシリンダー型状であることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項8】
前記磁性材料層の両面に配された絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記磁性材料層が上面に配されている透明基板をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記磁性粒子は、強磁性体、超常磁性体、常磁性体、反磁性体及びフェリ磁性体のうち何れか一つであることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項11】
前記磁性粒子は、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン、ガドリニウム、銀、銅、クロム、CoxPty、FevPtz、MnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3及びSr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz、CoxZryNbzFevのうちから選択された何れか一つの材料で形成されることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項12】
前記磁性粒子は、1ないし1000nmの直径を有することを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項13】
前記磁性材料層は、1μm以下の厚さを有する磁性薄膜フィルムで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
前記磁性材料層は、磁性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項15】
前記磁性材料層は、磁性粒子と透明絶縁性粒子との混合で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項16】
前記磁性材料層の表面にコーティングされた透明保護フィルムをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項17】
前記磁性材料層に磁場を印加するためのものであって、前記磁性材料層の少なくとも一面に配される伝導性素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項18】
前記伝導性素子に連結された電源をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
前記伝導性素子は、前記磁性材料層上に配列された多数本のワイヤであることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項20】
前記ワイヤの間に透光性絶縁材が充填されていることを特徴とする請求項19に記載の光学装置。
【請求項21】
前記伝導性素子は、板状の透明電極であることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項22】
磁性材料層を提供するステップと、
前記磁性材料層を第1方向に磁化させるステップと、
前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、
第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、
第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、
を含む偏光された電磁波を形成する方法。
【請求項23】
第1方向に磁化した磁性材料層を提供するステップと、
前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、
第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、
第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、
を含む偏光された電磁波を形成する方法。
【請求項24】
液晶層と、
第1方向に磁化した磁性材料層を備える偏光子と、を備え、
前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする液晶パネル。
【請求項25】
液晶パネルと、
バックライトユニットと、
前記液晶パネルとバックライトユニットとの間に配された偏光子と、を備え、
前記偏光子は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行な磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記磁性材料層は、多数の磁性粒子及び前記多数の磁性粒子が互いに凝集することなく分布されている透明な絶縁性媒質で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記磁性材料層は、磁場が印加されれば、第1方向に磁化し、磁場が除去された後にも第1方向に磁化し続けることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項4】
前記磁性材料層は、磁場が印加される場合にのみ第1方向に磁化することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項5】
前記磁性材料層の厚さは、前記磁性材料層の磁気減衰の長さより厚いことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項6】
それぞれの磁性粒子は、透明な絶縁性シェルまたは透明な絶縁性界面活性剤によって取り囲まれていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項7】
前記磁性粒子は、球形状、タマゴ型状、直六面体型状、正六面体型状、楕円形状またはシリンダー型状であることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項8】
前記磁性材料層の両面に配された絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項9】
前記磁性材料層が上面に配されている透明基板をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項10】
前記磁性粒子は、強磁性体、超常磁性体、常磁性体、反磁性体及びフェリ磁性体のうち何れか一つであることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項11】
前記磁性粒子は、チタン、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、バリウム、白金、ナトリウム、ストロンチウム、マグネシウム、ディスプロシウム、マンガン、ガドリニウム、銀、銅、クロム、CoxPty、FevPtz、MnZn(Fe2O4)2、MnFe2O4、Fe3O4、Fe2O3及びSr8CaRe3Cu4O24、CoxZryNbz、NixFeyNbz、CoxZryNbzFevのうちから選択された何れか一つの材料で形成されることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項12】
前記磁性粒子は、1ないし1000nmの直径を有することを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
【請求項13】
前記磁性材料層は、1μm以下の厚さを有する磁性薄膜フィルムで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項14】
前記磁性材料層は、磁性ポリマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項15】
前記磁性材料層は、磁性粒子と透明絶縁性粒子との混合で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項16】
前記磁性材料層の表面にコーティングされた透明保護フィルムをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項17】
前記磁性材料層に磁場を印加するためのものであって、前記磁性材料層の少なくとも一面に配される伝導性素子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
【請求項18】
前記伝導性素子に連結された電源をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
前記伝導性素子は、前記磁性材料層上に配列された多数本のワイヤであることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項20】
前記ワイヤの間に透光性絶縁材が充填されていることを特徴とする請求項19に記載の光学装置。
【請求項21】
前記伝導性素子は、板状の透明電極であることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
【請求項22】
磁性材料層を提供するステップと、
前記磁性材料層を第1方向に磁化させるステップと、
前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、
第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、
第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、
を含む偏光された電磁波を形成する方法。
【請求項23】
第1方向に磁化した磁性材料層を提供するステップと、
前記磁性材料層に電磁波を入射させるステップと、
第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射させるステップと、
第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させるステップと、
を含む偏光された電磁波を形成する方法。
【請求項24】
液晶層と、
第1方向に磁化した磁性材料層を備える偏光子と、を備え、
前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする液晶パネル。
【請求項25】
液晶パネルと、
バックライトユニットと、
前記液晶パネルとバックライトユニットとの間に配された偏光子と、を備え、
前記偏光子は、第1方向に磁化した磁性材料層を備え、前記磁性材料層は、第1方向に平行した磁場成分を有する電磁波を反射し、第1方向に垂直な磁場成分を有する電磁波を透過させることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−203848(P2008−203848A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32940(P2008−32940)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]