光断層画像化装置及び光断層画像化方法
【課題】断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出可能にする。
【解決手段】OCTプロセッサ400の信号処理装置22は、干渉信号に基づいて測定対象の断層データを生成する断層データ生成部440と、前記断層データ生成部440と並列的に処理を行い、干渉信号に基づいて測定対象の表面データを生成する表面データ生成部410と、前記断層データ生成部440で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築部446と、前記表面データ生成部410で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築部420と、断層画像と表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成部448と、を備える。
【解決手段】OCTプロセッサ400の信号処理装置22は、干渉信号に基づいて測定対象の断層データを生成する断層データ生成部440と、前記断層データ生成部440と並列的に処理を行い、干渉信号に基づいて測定対象の表面データを生成する表面データ生成部410と、前記断層データ生成部440で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築部446と、前記表面データ生成部410で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築部420と、断層画像と表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成部448と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光断層画像化装置及び光断層画像化方法に係り、特に、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出可能な光断層画像化装置及び光断層画像化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、癌の診断等の目的で生体の詳細な断層像を取得することが求められている。その方法として、従来から低干渉性光源から出力される光を走査して被検体に対する断層像を得る「Time domain OCT」が提案されている。
【0003】
また、近年は「Time domain OCT」の欠点である最適な信号/ノイズ比(S/N比)が得られない、撮像フレームレートが低い、浸透深度(観察深度)が乏しいという問題を解決した改良型のOCTである周波数ドメインOCT(Frequency domain OCT)が利用さている。
【0004】
周波数ドメインOCT(Frequency domain OCT)計測を行う装置構成で代表的なものとしては、SD−OCT(Spectral Domain OCT)装置とSS−OCT(Swept Source OCT)の2種類が挙げられる。
【0005】
SD−OCT装置は、SLD(Super Luminescence Diode)やASE(Amplified Spontaneous Emission)光源、白色光といった広帯域の低コヒーレント光を光源に用い、マイケルソン型干渉計等を用いて、広帯域の低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻ってきた反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光をスペクトロメータを用いて各周波数成分に分解し、フォトダイオード等の素子がアレイ状に配列されたディテクタアレイを用いて各周波数成分毎の干渉光強度を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより、断層画像を構成するようにしたものである。
【0006】
一方、SS−OCT装置は、光周波数を時間的に掃引させるレーザを光源に用い、反射光と参照光とを各波長において干渉させ、光周波数の時間変化に対応した信号の時間波形を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより断層画像を構成するようにしたものである。
【0007】
ところで、内視鏡下での癌の診断においては、近年内視鏡で観察した病変の表面状態から癌の進行度合いを判別する手法が一般化している。
【0008】
そのため、OCT装置(光断層画像化装置)においても、従来の断層画像だけでなく、病変の表面状態も同時に観察することができれば、非常に有効である。このような要望から、すべての断層画像を取得した後、3次元ボリュームデータから表面に水平な方向の断層像を生成し、癌の診断に利用する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−68865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、すべての断層画像を取得した後、3次元ボリュームデータから表面に水平な方向の断層像を再構成して表示しているため、リアルタイムに表面状態を観察できないという問題がある。また、すべての断層画像を取得してからでないと、再構成画像を構築できないという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能な光断層画像化装置及び光断層画像化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置であって、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成手段と、前記断層データ生成手段と並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成手段と、前記断層データ生成手段で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築手段と、前記表面データ生成手段で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築手段と、前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化手段と、前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉波形データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号から低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去された干渉信号を前記絶対値化手段に入力することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明であって、前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引き手段を備え、前記フレーム間引き手段で間引き処理された干渉信号を前記断層データ生成手段に入力することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去されたフーリエ変換データを前記フーリエ変換データ積分手段に入力することを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示画像生成手段は、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする。
【0022】
また、前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法であって、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成ステップと、前記断層データ生成ステップと並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成ステップと、前記断層データ生成ステップで生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築ステップと、前記表面データ生成ステップで生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築ステップと、前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化ステップと、前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分ステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉波形データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記干渉信号から低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去された干渉信号は前記絶対値化ステップに入力されることを特徴とする。
【0027】
請求項14に記載の発明は、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の発明であって、前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引きステップを含み、前記フレーム間引きステップで間引き処理された干渉信号は前記断層データ生成ステップに入力されることを特徴とする。
【0028】
請求項15に記載の発明は、請求項10に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換ステップと、前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分ステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記フーリエ変換データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0030】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去されたフーリエ変換データは前記フーリエ変換データ積分ステップに入力されることを特徴とする。
【0031】
請求項18に記載の発明は、請求項10乃至17のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示画像生成ステップは、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施形態に係る光断層画像化装置を用いた画像診断装置を示す外観図
【図2】図1のOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図
【図3】図2のOCTプローブの断面図
【図4】図2の測定対象Sに対して光走査がラジアル走査の場合の断層画像のスキャン面を示す図
【図5】図4の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図
【図6】図1の内視鏡の鉗子口から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図
【図7】図2の測定対象Sに対してセクタ走査を行って断層画像を取得する構成を示す図
【図8】図7の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図
【図9】図2の信号処理部の構成を示すブロック図
【図10】モニタ装置に表示される画像の一例を示した図
【図11】第2の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0035】
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0036】
<画像診断装置の外観>
図1は本発明の第1の実施形態に係る光断層画像化装置を用いた画像診断装置を示す外観図である。
【0037】
図1に示すように、画像診断装置10は、主として内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、光断層画像化装置としてのOCTプロセッサ400、及びモニタ装置500とから構成されている。なお、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
【0038】
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0039】
手元操作部112には、鉗子挿入部138が設けられており、この鉗子挿入部138が先端部144の鉗子口156に連通されている。本実施形態では、OCTプローブ600を鉗子挿入部138から挿入することによって、OCTプローブ600を鉗子口156から導出する。OCTプローブ600は、鉗子挿入部138から挿入され、鉗子口156から導出される挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ610を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
【0040】
<内視鏡、内視鏡プロセッサ、光源装置の構成>
[内視鏡]
内視鏡100の先端部144には、観察光学系150、照明光学系152、及びCCD(不図示)が配設されている。
【0041】
観察光学系150は、被検体を図示しないCCDの受光面に結像させ、CCDは受光面上に結像された被検体像を各受光素子によって電気信号に変換する。本実施形態のCCDは、3原色の赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが所定の配列(ベイヤー配列、ハニカム配列)で各画素毎に配設されたカラーCCDである。
【0042】
なお、符号154は、観察光学系150に向けて洗浄液や加圧エアを供給するための洗浄ノズルである。
【0043】
[光源装置]
光源装置300は、可視光を図示しないライトガイドに入射させる。ライトガイドの一端はLGコネクタ120を介して光源装置300に接続され、ライトガイドの他端は照明光学系152に対面している。光源装置300から発せられた光は、ライトガイドを経由して照明光学系152から出射され、観察光学系150の視野範囲を照明する。
【0044】
[内視鏡プロセッサ]
内視鏡プロセッサ200には、CCDから出力される画像信号が電気コネクタ110を介して入力される。このアナログの画像信号は、内視鏡プロセッサ200内においてデジタルの画像信号に変換され、モニタ装置500の画面に表示するための必要な処理が施される。
【0045】
このように、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
【0046】
<OCTプロセッサ、OCTプローブの内部構成>
図2は図1のOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図である。
【0047】
[OCTプロセッサ]
図2に示すOCTプロセッサ400及びOCTプローブ600は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのもので、測定のための光Laを射出する第1の光源部(第1の光源ユニット)12と、第1の光源部12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像(以下、単に「断層画像」とも言う。)を取得する信号処理部22を有する。また、信号処理部22で取得された光断層画像はモニタ装置500に表示される。
【0048】
また、OCTプロセッサ400は、測定の目印を示すためのエイミング光(第2の光束)Leを射出する第2の光源部(第2の光源ユニット)13と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、第1の光源部12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ14で合波された戻り光L4およびL5を検出する検出器30aおよび30bと、信号処理部22への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
【0049】
なお、図2に示すOCTプロセッサ400においては、上述した射出光La、エイミング光Le、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)が用いられている。
【0050】
第1の光源部12は、OCTの測定のための光(例えば、波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出するものであり、この第1の光源部12は周波数を一定の周期で掃引させながら赤外領域である、例えば波長1.3μmを中心とするレーザ光Laを射出する光源である。この第1の光源部12は、レーザ光あるいは低コヒーレンス光Laを射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えている。また、詳しくは後述するが、第1の光源部12から射出された光Laは、光ファイバFB4、FB3を介して光ファイバカプラ14で測定光L1と参照光L2に分割され、測定光L1は光コネクタ18に入力される。
【0051】
また、第2の光源部13は、エイミング光Leとして測定部位を確認しやすくするために可視光を射出するものである。例えば、波長0.66μmの赤半導体レーザ光、波長0.63μmのHe−Neレーザ光、波長0.405μmの青半導体レーザ光などを用いることができる。そこで、第2の光源部13としては、例えば赤色あるいは青色あるいは緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ13aと、半導体レーザ13aから射出されたエイミング光Leを集光するレンズ13bを備えている。第2の光源部13から射出されたエイミング光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入力される。
【0052】
光コネクタ18では、測定光L1とエイミング光Leとが合波され、OCTプローブ600内の回転側光ファイバFB1に導波される。
【0053】
光ファイバカプラ(分岐合波部)14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、固定側光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB5、光ファイバFB7とそれぞれ光学的に接続されている。
【0054】
光ファイバカプラ14は、第1の光源部12から光ファイバFB4およびFB3を介して入射した光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を固定側光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
【0055】
さらに、光ファイバカプラ14は、光ファイバFB5に入射され後述する光路長調整部26によって周波数シフトおよび光路長の変更が施されて光ファイバFB5を戻った光L2と、後述するOCTプローブ600で取得され固定側光ファイバFB2から導波された光L3とを合波し、光ファイバFB3(FB6)および光ファイバFB7に射出する。
【0056】
OCTプローブ600は、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2と接続されており、固定側光ファイバFB2から、光コネクタ18を介して、エイミング光Leと合波された測定光L1が回転側光ファイバFB1に入射される。入射されたこのエイミング光Leと合波された測定光L1を回転側光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射する。そして測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を回転側光ファイバFB1によって伝送して、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2に射出するようになっている。
【0057】
光コネクタ18は、測定光(第1の光束)L1とエイミング光(第2の光束)Leとを合波するものである。
【0058】
干渉光検出部20は、光ファイバFB6および光ファイバFB7と接続されており、光ファイバカプラ14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4およびL5を干渉信号として検出するものである。
【0059】
ここで、OCTプロセッサ400は、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6上に設けられ、干渉光L4の光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB7の光路上に干渉光L5の光強度を検出する検出器30bとを有している。
【0060】
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、干渉信号を生成する。
【0061】
信号処理部22は、干渉光検出部20で検出した干渉信号から断層画像を取得し、取得した断層画像をモニタ装置500へ出力する。なお、本実施形態では、干渉光検出部20で検出した干渉信号に基づいて測定対象Sの断層画像の生成と表面画像の生成が並列的に行われ、モニタ装置500に断層画像と表面画像がリアルタイムで同時に表示されるようになっている。これを実現するための信号処理部22の詳細な構成は後述する。
【0062】
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の光ファイバカプラ14とは反対側の端部)に配置されている。
【0063】
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
【0064】
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
【0065】
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
【0066】
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
【0067】
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
【0068】
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図2矢印A方向)に移動させる。
【0069】
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
【0070】
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、信号処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、信号処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
【0071】
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源部12、第2の光源部13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出器30aおよび30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
【0072】
[OCTプローブ]
図3は図2のOCTプローブの断面図である。
【0073】
図3に示すように、挿入部602の先端部は、プローブ外筒620と、キャップ622と、回転側光ファイバFB1と、バネ624と、固定部材626と、光学レンズ628とを有している。
【0074】
プローブ外筒(シース)620は、可撓性を有する筒状の部材であり、光コネクタ18においてエイミング光Leが合波された測定光L1および戻り光L3が透過する材料からなっている。なお、プローブ外筒620は、測定光L1(エイミング光Le)および戻り光L3が通過する先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端、以下プローブ外筒620の先端と言う)側の一部が全周に渡って光を透過する材料(透明な材料)で形成されていればよく、先端以外の部分については光を透過しない材料で形成されていてもよい。
【0075】
キャップ622は、プローブ外筒620の先端に設けられ、プローブ外筒620の先端を閉塞している。
【0076】
回転側光ファイバFB1は、線状部材であり、プローブ外筒620内にプローブ外筒620に沿って収容されており、固定側光ファイバFB2から射出され、光コネクタ18で光ファイバFB8から射出されたエイミング光Leと合波された測定光L1を光学レンズ628まで導波するとともに、測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに照射して光学レンズ628で取得した測定対象Sからの戻り光L3を光コネクタ18まで導波し、固定側光ファイバFB2に入射する。
【0077】
ここで、回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2とは、光コネクタ18によって接続されており、回転側光ファイバFB1の回転が固定側光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、回転側光ファイバFB1は、プローブ外筒620に対して回転自在、およびプローブ外筒620の軸方向に移動自在な状態で配置されている。
【0078】
バネ624は、回転側光ファイバFB1の外周に固定されている。また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、光コネクタ18に接続されている。
【0079】
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1の測定側先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端)に配置されており、先端部が、回転側光ファイバFB1から射出された測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し集光するために略球状の形状で形成されている。
【0080】
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1から射出した測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し照射し、測定対象Sからの戻り光L3を集光し回転側光ファイバFB1に入射する。
【0081】
固定部材626は、回転側光ファイバFB1と光学レンズ628との接続部の外周に配置されており、光学レンズ628を回転側光ファイバFB1の端部に固定する。ここで、固定部材626による回転側光ファイバFB1と光学レンズ628の固定方法は、特に限定されず、接着剤により、固定部材626と回転側光ファイバFB1および光学レンズ628を接着させて固定されても、ボルト等を用い機械的構造で固定してもよい。なお、固定部材626は、ジルコニアフェルールやメタルフェルールなど光ファイバの固定や保持あるいは保護のために用いられるものであれば、如何なるものを用いても良い。
【0082】
また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、後述する回転筒656に接続されており、回転筒656によって回転側光ファイバFB1およびバネ624を回転させることで、光学レンズ628をプローブ外筒620に対し、矢印R2方向に回転させる。また、光コネクタ18は、回転エンコーダを備え、回転エンコーダからの信号に基づいて光学レンズ628の位置情報(角度情報)から測定光L1の照射位置を検出する。つまり、回転している光学レンズ628の回転方向における基準位置に対する角度を検出して、測定位置を検出する。
【0083】
さらに、回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628は、後述する駆動部により、プローブ外筒620内部を矢印S1方向(鉗子口方向)、及びS2方向(プローブ外筒620の先端方向)に移動可能に構成されている。
【0084】
また、図3左側は、OCTプローブ600の操作部604における回転側光ファイバFB1等の駆動部の概略を示す図である。
【0085】
プローブ外筒620は、固定部材670に固定されている。これに対し、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、回転筒656に接続されており、回転筒656は、モータ652の回転に応じてギア654を介して回転するように構成されている。回転筒656は、光コネクタ18に接続されており、測定光L1及び戻り光L3は、光コネクタ18を介して回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2間を伝送される。
【0086】
また、これらを内蔵するフレーム650は支持部材662を備えており、支持部材662は、図示しないネジ孔を有している。ネジ孔には進退移動用ボールネジ664が咬合しており、進退移動用ボールネジ664には、モータ660が接続されている。したがって、モータ660を回転駆動することによりフレーム650を進退移動させ、これにより回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628を図3のS1及びS2方向に移動させることが可能となっている。
【0087】
OCTプローブ600は、以上のような構成であり、光コネクタ18により回転側光ファイバFB1およびバネ624が、図3中矢印R2方向に回転されることで、光学レンズ628から射出される測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し、矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に対し走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。エイミング光Leは、測定対象Sに、例えば青色、赤色あるいは緑色のスポット光として照射され、このエイミング光Leの反射光は、モニタ装置500に表示された観察画像に輝点としても表示される。
【0088】
これにより、プローブ外筒620の円周方向の全周において、測定対象Sの所望の部位を正確にとらえることができ、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
【0089】
さらに、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像を取得する場合は、駆動部により光学レンズ628が矢印S1方向の移動可能範囲の終端まで移動され、断層画像を取得しながら所定量ずつS2方向に移動し、又は断層画像取得とS2方向への所定量移動を交互に繰り返しながら、移動可能範囲の終端まで移動する。
【0090】
このように測定対象Sに対して所望の範囲の複数枚の波形データを得ることで表面画像を得ることができるとともに、取得した複数の断層画像に基づいて3次元ボリュームデータを得ることができる。
【0091】
図4は図2の測定対象Sに対して光走査がラジアル走査の場合の断層画像のスキャン面を示す図であり、図5は図4の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図である。干渉信号により測定対象Sの深さ方向(第1の方向)の断層画像を取得し、測定対象Sに対し図3矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に走査(ラジアル走査)することで、図4に示すように、第1の方向と該第1の方向と直交する第2の方向とからなるスキャン面での断層画像を取得することができる。またさらに、このスキャン面に直交する第3の方向に沿ってスキャン面を移動させることで、図5に示すように、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像が取得できる。
【0092】
図6は図1の内視鏡の鉗子口から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図である。図6に示すように、OCTプローブの挿入部602の先端部を、測定対象Sの所望の部位に近づけて、断層画像を得る。所望の範囲の複数の断層画像を取得する場合は、OCTプローブ600本体を移動させる必要はなく、前述の駆動部によりプローブ外筒620内で光学レンズ628を移動させればよい。
【0093】
なお、測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sにラジアル走査するとしたが、これに限らない。図7は図2の測定対象Sに対してセクタ走査を行って断層画像を取得する構成を示す図であり、図8は図7の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図である。図7に示すように、ガルバノミラー900を使用し、測定対象Sの上方からセクタ走査を行って断層画像を取得する構成にも適用でき、この場合もスキャン面を移動させることで、図8に示すように、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像が取得できる。
【0094】
[信号処理部]
図9は図2の信号処理部22及びその周辺部の構成を示すブロック図である。
【0095】
図9に示すように、干渉光検出部20は、干渉信号生成部20aとAD変換部20bとから構成される。干渉光検出部20に測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波した干渉光が入力されると、干渉信号生成部20aで干渉光(光信号)から干渉信号(電気信号)が生成される。そして、干渉信号生成部20aで生成された干渉信号はAD変換部20bでアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理部22に入力される。
【0096】
本実施形態の信号処理部22は、表面データを生成する表面データ生成部410と、表面データから表面画像を構築する表面画像構築部420と、フレーム単位で干渉信号の間引き処理を行うフレーム間引き処理部430と、断層データを生成する断層データ生成部440と、断層データから断層画像を構築する断層画像構築部446と、表面画像と断層画像とからモニタ装置500に表示するための画像を生成する表示画像生成部448と、操作制御部32からの操作信号に基づき信号処理部22の各部を制御する制御部490とから主に構成される。
【0097】
干渉光検出部20から信号処理部22に入力された干渉信号は2つに分岐され、一方の干渉信号は表面データ生成部410に入力され、他方の干渉信号はフレーム間引き処理部430を介して断層データ生成部440に入力される。
【0098】
表面データ生成部410は、ハイパスフィルタ(HPF)412、絶対値化部414、積分処理部416、及び対数変換部418から構成される。
【0099】
ハイパスフィルタ412は、表面データ生成部410に入力された干渉信号から低周波成分を除去する。これは、OCTプローブ600のプローブ外筒620で反射した戻り光による干渉信号成分が低周波側にあるためであり、ハイパスフィルタ412によって干渉信号の低周波成分を除去することで、生体からの戻り光による干渉信号成分のみとすることができる。ハイパスフィルタ412のカットオフ周波数は、OCTプローブ600の最外層(すなわちプローブ外筒620)の干渉信号成分の周波数が除去できるように設定する。
【0100】
絶対値化部414は、ハイパスフィルタ412で低周波成分が除去された干渉信号の振幅値を絶対値化する。ここでは、干渉信号の波形のマイナス成分をプラス側に反転させることにより絶対値化を行っている。絶対値化の方法としては、干渉信号の波形のマイナス成分をプラス側に反転させるものに限らず、干渉信号の振幅値を2乗して平方根をとるものでもよく、一般的に知られているどのような方法でもよい。
【0101】
積分処理部416は、絶対値化部414で絶対値化された干渉信号に対して積分処理を行う。具体的には、絶対値化された干渉信号のうち1ライン分すべてのデータ、すなわち1ライン分のデータ(干渉信号)を時間方向に全積分することで、そのライン方向における生体の表面データを算出する。ここでは、1ライン分すべてのデータを積分しているが、干渉光検出部20のAD変換部20bで干渉信号はアナログ信号からデジタル信号に変換されて離散的なデータとなっていることから、1ライン分すべてのデータを加算することでも同じ結果が得られる。このように、通常の断層画像(OCT画像)1ライン分の信号をFFT(高速フーリエ変換)を行わずに、1ライン分のデータを積分することでそのライン方向の表面データ1点が生成される。さらに、1フレーム分のデータから表面画像1ラインが生成されることになる。
【0102】
対数変換部418は、積分処理部416における積分処理によって得られた表面データの対数変換を行う。対数変換された表面データは、表面画像構築部420に入力される。
【0103】
表面画像構築部420は、表面データ生成部410で生成された表面データ(すなわち、対数変換部418で対数変換された表面データ)に基づき、モニタ装置500及びその表示方法にあわせて表面画像を構築する。具体的には、輝度、コントラスト調整、表示サイズにあわせたリサンプル、走査方法に合わせての座標変換などにより表面画像を構築する。このようにして構築された表面画像は、後述の表示画像生成部448に入力される。
【0104】
フレーム間引き処理部430は、干渉光検出部20から入力された干渉信号に対してフレーム単位で間引き処理を行い、後段の断層データ生成部440に間引き処理後の干渉信号を出力する。具体的には、モニタ装置500のフレームレート以下で干渉信号が出力されるようにフレーム単位で間引き処理を行う。
【0105】
これは、例えば、OCTのラジアル走査では100Hzの周波数で行われるため、100fpsのフレームレートで干渉信号を取得できる。それに対して、モニタ装置500のフレームレートは通常30fps程度であるため、干渉光検出部20で検出された干渉信号をすべて処理したとしても、すべてのフレームを表示することはできない。そのため、この段階で干渉信号をフレーム単位で間引き処理しておくことで、後段の処理にかけられる時間を大きくできる。また、実際には、モニタ装置500のフレームレートは15fps程度でも十分に診断可能なので、診断可能な範囲で干渉信号の間引き処理を行うことで後段の処理にかかる負担を軽減することができる。
【0106】
本実施形態では、モニタ装置500のフレームレートに応じてフレーム間引き処理部430から出力される干渉信号のフレームレートを自動的に可変させる態様が好ましい。例えば、モニタ装置500のフレームレートの読み取り手段を設け、この読み取り手段で読み取られたフレームレート以下で干渉信号がフレーム間引き処理部430から出力されるようにする。
【0107】
また、フレーム間引き処理部430から出力される干渉信号のフレームレートを手動で可変できるようにする態様も好ましい。例えば、操作者が操作制御部32からフレームレート又は間引き率を指定すると、フレーム間引き処理部430は指定されたフレームレート又は間引き率に従って干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うようにする。この態様によれば、操作者の意図や好みに応じて断層データ生成部440に入力される干渉信号のフレームレートを可変させることができ、信号処理部22の処理負荷をさらに軽減することが可能となる。
【0108】
断層データ生成部440は、干渉光検出部20からフレーム間引き処理部430を介して入力された干渉信号に基づき断層データを生成する処理部であり、フーリエ変換部442及び対数変換部444から構成される。
【0109】
フーリエ変換部442は、フレーム間引き処理部430で間引き処理が施された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)により周波数分解して、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度、すなわち深度方向の1ラインの反射強度データ(断層データ)を生成する。
【0110】
対数変換部444は、フーリエ変換部442でフーリエ変換された断層データの対数変換を行う。対数変換された断層データは、断層画像構築部446に入力される。
【0111】
断層画像構築部446は、断層データ生成部440で生成された断層データ(すなわち、対数変換部444で対数変換された断層データ)からモニタ装置500及びその表示方法にあわせて断層画像を構築する。具体的には、輝度、コントラストの調整、表示サイズにあわせたリサンプル、ラジアル走査、セクタ走査等の走査方法に合わせての座標変換などにより断層画像を構築する。このようにして構築された断層画像は、後述の表示画像生成部448に入力される。
【0112】
表示画像生成部448は、表面画像構築部420で構築された表面画像と、断層画像構築部446で構築された断層画像とからモニタ装置500に表示される画像を生成し、当該画像をモニタ装置500に対して出力する。
【0113】
次に、上記の如く構成された本実施形態の作用について説明する。
【0114】
まず、干渉光検出部20から信号処理部22に入力され、2つに分岐された干渉信号のうち、一方の干渉信号は表面データ生成部410に入力され、表面データの生成処理が行われる。
【0115】
表面データ生成部410で行われる具体的な処理としては、まず、ハイパスフィルタ412で干渉信号から低周波成分が除去される。これにより、プローブ外筒620から反射した戻り光による干渉信号成分が除去され、生体から反射した戻り光による干渉信号成分のみとなる。次いで、絶対値化部414で干渉信号の振幅値の絶対値化が行われた後、積分処理部416で1ライン分すべてのデータ、すなわち1ライン分のデータ(干渉信号)を時間方向に全積分する。これにより、そのライン方向における生体の表面データが算出される。さらに表面データは対数変換部418で対数変換される。
【0116】
このようにして表面データ生成部410で生成された表面データは表面画像構築部420に入力される。表面データ生成部410では、1ライン(又は1フレーム)分の表面データが蓄積されると、その蓄積された表面データに基づき表面画像の生成が行われる。
【0117】
一方、干渉光検出部20から信号処理部22に入力され、2つに分岐された干渉信号のうち、他方の干渉信号はフレーム間引き処理部430を介して断層データ生成部440に入力される。
【0118】
フレーム間引き処理部430に入力された干渉信号はフレーム単位で間引き処理が行われる。具体的には、モニタ装置500のフレームレート以下の干渉信号が出力されるように間引き処理が行われる。間引き処理後の干渉信号は断層データ生成部440に入力され、断層データの生成処理が行われる。
【0119】
断層データ生成部440で行われる具体的な処理としては、まず、フレーム間引き処理部430で間引き処理された干渉信号が入力されると、フーリエ変換部442にてFFT(高速フーリエ変換)による周波数解析が行われる。これにより、測定対象Sの深度方向の反射強度データ(断層データ)が生成される。次いで、フーリエ変換部442で生成された断層データは、対数変換部444で対数変換される。
【0120】
このようにして断層データ生成部440で生成された断層データは表面画像構築部420に入力される。表面画像構築部420では、1フレーム分の断層データが蓄積されると、その蓄積された断層データに基づき断層画像の生成が行われる。
【0121】
表示画像生成部448では、表面画像構築部420で構築された表面画像と表面画像構築部420で構築された断層画像とから表示画像が生成される。このようにして生成された表示画像はモニタ装置500に対して出力される。
【0122】
ここで、モニタ装置500に表示される画像の一例を図10に示す。同図に示すように、モニタ装置500の表示画面502には表面画像と断層画像が並べて表示される。なお、表示画面502の右側に示した断層画像は、左側の表面画像のP−P’線に沿う断面における断層画像を表している。
【0123】
図10に示した例では、断層画像は1フレーム分の断層データが生成される度に更新されるのに対して、表面画像は1ライン(又は1フレーム)分の表面データが生成される度に更新される。例えば、1ライン分の表面データが生成されると、その位置に対応する1点分の表面画像が追加される。そして、OCTプローブ600の走査に応じて、図10の左から右、さらには上から下に向かって次々と表面画像が追加される。このとき、断層画像は、1フレーム分の断層データが生成される度に更新される。なお、1フレーム分の表面データが生成される度に1フレーム分の表面画像(すなわち、図10の表面画像の1水平ライン)をまとめてするようにしてもよい。
【0124】
このように本実施形態によれば、OCTプローブ600の走査により取得された干渉信号から断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、3次元ボリュームデータから表面画像を再構築することなく、モニタ装置500に断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に表示することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0125】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0126】
第1の実施形態では、干渉光検出部20から入力された干渉信号は2つに分岐され、一方の干渉信号から表面画像が生成され、他方の干渉信号はフレーム単位で間引き処理が行われてから断層画像が生成される。このようにした理由は、モニタ装置500のフレームレートに適した間隔で干渉信号を間引くことで断層画像の生成を容易にするためである。このとき、表面データの生成処理では、処理の複雑なFFT(高速フーリエ変換)を行わずに表面データを生成することができる。
【0127】
それに対して、第2の実施形態では、干渉信号の間引き処理が省略された態様であり、OCTプローブ600の走査で取得される干渉信号のフレームレート(すなわち、干渉光検出部20から入力された干渉信号のフレームレート)がモニタ装置500のフレームレートと同程度の場合に好適な態様である。
【0128】
図11は第2の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図である。図11中、図9と共通又は類似の要素には同一の番号を付している。
【0129】
図11に示すように、第2の実施形態としての信号処理部22Bは、第1の実施形態のフレーム間引き処理部430(図9参照)を備えておらず、干渉光検出部20から出力された干渉信号はフーリエ変換部450に入力される。
【0130】
フーリエ変換部450は、表面データ生成部410と断層データ生成部440の共通処理部であり、入力された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)により周波数分解して、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度、すなわち深度方向の1ラインの反射強度データ(断層データ)を生成する。なお、表面データ生成部410と断層データ生成部440にフーリエ変換部450を個々に設けてもよいのはもちろんである。
【0131】
フーリエ変換部450から出力される断層データは2つに分岐され、一方の断層データはハイパスフィルタ412により低周波成分が除去される。これにより、プローブ外筒620から反射した戻り光による干渉信号成分が除去され、生体から反射した戻り光による信号成分のみとされる。さらに、積分処理部416により1ライン分すべてのデータが積分され(つまり、フーリエ変換されたデータが周波数軸方向に全積分され)、そのラインに対応する表面データ1点分が出力される。ここでは積分としているが、AD変換により離散的なデータとなっていることから、1ライン分すべてのデータを加算することでも同じ結果が得られる。積分処理部416から出力されたデータは対数変換部418で対数変換される。対数変換されたデータは表面画像構築部420に入力される。一方、フーリエ変換部450から出力された他方の断層データは対数変換部444で対数変換された後、断層画像構築部446に入力される。これ以降の処理については、第1の実施形態と同様である。
【0132】
第2の実施形態によれば、干渉光検出部20から信号処理部22Bに入力された干渉信号は間引き処理が行われることなく、断層画像の生成処理と表面画像の生成処理が並列的に行われる。このため、OCTプローブ600の走査で取得される干渉信号のフレームレート(すなわち、干渉光検出部20から入力された干渉信号のフレームレート)がモニタ装置500のフレームレートと同程度の場合に好適な態様であり、干渉信号の間引き処理を省略することができ、信号処理部22Bを簡易な構成とすることが可能となる。
【0133】
なお、上述した各実施形態では、OCTプロセッサ400としてSS−OCT(Swept Source OCT)装置を用いて説明したが、これに限らず、OCTプロセッサ400をSD−OCT(Spectral Domain OCT)装置としても適用可能である。
【0134】
以上、本発明の光断層画像化装置及び光断層画像化方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0135】
10…画像診断装置、20…干渉光検出部、20a…干渉信号生成部、20b…AD変換部、22…信号処理部、100…内視鏡、200…内視鏡プロセッサ、300…光源装置、400…OCTプロセッサ、410…表面データ生成部、412…ハイパスフィルタ、414…絶対値化部、416…積分処理部、418…対数変換部、420…表面画像構築部、430…フレーム間引き処理部、440…断層データ生成部、442…フーリエ変換部、444…対数変換部、446…断層画像構築部、448…表示画像生成部、450…フーリエ変換部、490…制御部、500…モニタ装置
【技術分野】
【0001】
本発明は光断層画像化装置及び光断層画像化方法に係り、特に、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出可能な光断層画像化装置及び光断層画像化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、癌の診断等の目的で生体の詳細な断層像を取得することが求められている。その方法として、従来から低干渉性光源から出力される光を走査して被検体に対する断層像を得る「Time domain OCT」が提案されている。
【0003】
また、近年は「Time domain OCT」の欠点である最適な信号/ノイズ比(S/N比)が得られない、撮像フレームレートが低い、浸透深度(観察深度)が乏しいという問題を解決した改良型のOCTである周波数ドメインOCT(Frequency domain OCT)が利用さている。
【0004】
周波数ドメインOCT(Frequency domain OCT)計測を行う装置構成で代表的なものとしては、SD−OCT(Spectral Domain OCT)装置とSS−OCT(Swept Source OCT)の2種類が挙げられる。
【0005】
SD−OCT装置は、SLD(Super Luminescence Diode)やASE(Amplified Spontaneous Emission)光源、白色光といった広帯域の低コヒーレント光を光源に用い、マイケルソン型干渉計等を用いて、広帯域の低コヒーレント光を測定光と参照光とに分割した後、測定光を測定対象に照射させ、そのとき戻ってきた反射光と参照光とを干渉させ、この干渉光をスペクトロメータを用いて各周波数成分に分解し、フォトダイオード等の素子がアレイ状に配列されたディテクタアレイを用いて各周波数成分毎の干渉光強度を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより、断層画像を構成するようにしたものである。
【0006】
一方、SS−OCT装置は、光周波数を時間的に掃引させるレーザを光源に用い、反射光と参照光とを各波長において干渉させ、光周波数の時間変化に対応した信号の時間波形を測定し、これにより得られたスペクトル干渉強度信号を計算機でフーリエ変換することにより断層画像を構成するようにしたものである。
【0007】
ところで、内視鏡下での癌の診断においては、近年内視鏡で観察した病変の表面状態から癌の進行度合いを判別する手法が一般化している。
【0008】
そのため、OCT装置(光断層画像化装置)においても、従来の断層画像だけでなく、病変の表面状態も同時に観察することができれば、非常に有効である。このような要望から、すべての断層画像を取得した後、3次元ボリュームデータから表面に水平な方向の断層像を生成し、癌の診断に利用する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−68865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、すべての断層画像を取得した後、3次元ボリュームデータから表面に水平な方向の断層像を再構成して表示しているため、リアルタイムに表面状態を観察できないという問題がある。また、すべての断層画像を取得してからでないと、再構成画像を構築できないという問題がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能な光断層画像化装置及び光断層画像化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置であって、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成手段と、前記断層データ生成手段と並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成手段と、前記断層データ生成手段で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築手段と、前記表面データ生成手段で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築手段と、前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化手段と、前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉波形データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号から低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去された干渉信号を前記絶対値化手段に入力することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明であって、前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引き手段を備え、前記フレーム間引き手段で間引き処理された干渉信号を前記断層データ生成手段に入力することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換手段と、前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分手段と、を備えて構成されることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の発明であって、前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去されたフーリエ変換データを前記フーリエ変換データ積分手段に入力することを特徴とする。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示画像生成手段は、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする。
【0022】
また、前記目的を達成するために、請求項10に記載の発明は、波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法であって、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成ステップと、前記断層データ生成ステップと並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成ステップと、前記断層データ生成ステップで生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築ステップと、前記表面データ生成ステップで生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築ステップと、前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0024】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化ステップと、前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分ステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉波形データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0026】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記干渉信号から低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去された干渉信号は前記絶対値化ステップに入力されることを特徴とする。
【0027】
請求項14に記載の発明は、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の発明であって、前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引きステップを含み、前記フレーム間引きステップで間引き処理された干渉信号は前記断層データ生成ステップに入力されることを特徴とする。
【0028】
請求項15に記載の発明は、請求項10に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換ステップと、前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分ステップと、を含むことを特徴とする。
【0029】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、前記フーリエ変換データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする。
【0030】
請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の発明であって、前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去されたフーリエ変換データは前記フーリエ変換データ積分ステップに入力されることを特徴とする。
【0031】
請求項18に記載の発明は、請求項10乃至17のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示画像生成ステップは、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に描出することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施形態に係る光断層画像化装置を用いた画像診断装置を示す外観図
【図2】図1のOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図
【図3】図2のOCTプローブの断面図
【図4】図2の測定対象Sに対して光走査がラジアル走査の場合の断層画像のスキャン面を示す図
【図5】図4の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図
【図6】図1の内視鏡の鉗子口から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図
【図7】図2の測定対象Sに対してセクタ走査を行って断層画像を取得する構成を示す図
【図8】図7の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図
【図9】図2の信号処理部の構成を示すブロック図
【図10】モニタ装置に表示される画像の一例を示した図
【図11】第2の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0035】
〔第1の実施形態〕
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0036】
<画像診断装置の外観>
図1は本発明の第1の実施形態に係る光断層画像化装置を用いた画像診断装置を示す外観図である。
【0037】
図1に示すように、画像診断装置10は、主として内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、光断層画像化装置としてのOCTプロセッサ400、及びモニタ装置500とから構成されている。なお、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
【0038】
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0039】
手元操作部112には、鉗子挿入部138が設けられており、この鉗子挿入部138が先端部144の鉗子口156に連通されている。本実施形態では、OCTプローブ600を鉗子挿入部138から挿入することによって、OCTプローブ600を鉗子口156から導出する。OCTプローブ600は、鉗子挿入部138から挿入され、鉗子口156から導出される挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ610を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
【0040】
<内視鏡、内視鏡プロセッサ、光源装置の構成>
[内視鏡]
内視鏡100の先端部144には、観察光学系150、照明光学系152、及びCCD(不図示)が配設されている。
【0041】
観察光学系150は、被検体を図示しないCCDの受光面に結像させ、CCDは受光面上に結像された被検体像を各受光素子によって電気信号に変換する。本実施形態のCCDは、3原色の赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが所定の配列(ベイヤー配列、ハニカム配列)で各画素毎に配設されたカラーCCDである。
【0042】
なお、符号154は、観察光学系150に向けて洗浄液や加圧エアを供給するための洗浄ノズルである。
【0043】
[光源装置]
光源装置300は、可視光を図示しないライトガイドに入射させる。ライトガイドの一端はLGコネクタ120を介して光源装置300に接続され、ライトガイドの他端は照明光学系152に対面している。光源装置300から発せられた光は、ライトガイドを経由して照明光学系152から出射され、観察光学系150の視野範囲を照明する。
【0044】
[内視鏡プロセッサ]
内視鏡プロセッサ200には、CCDから出力される画像信号が電気コネクタ110を介して入力される。このアナログの画像信号は、内視鏡プロセッサ200内においてデジタルの画像信号に変換され、モニタ装置500の画面に表示するための必要な処理が施される。
【0045】
このように、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
【0046】
<OCTプロセッサ、OCTプローブの内部構成>
図2は図1のOCTプロセッサの内部構成を示すブロック図である。
【0047】
[OCTプロセッサ]
図2に示すOCTプロセッサ400及びOCTプローブ600は、光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法による測定対象の光断層画像を取得するためのもので、測定のための光Laを射出する第1の光源部(第1の光源ユニット)12と、第1の光源部12から射出された光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ(分岐合波部)14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1を測定対象まで導波するとともに測定対象からの戻り光L3を導波する回転側光ファイバFB1を備えるOCTプローブ600と、測定光L1を回転側光ファイバFB1まで導波するとともに回転側光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する固定側光ファイバFB2と、回転側光ファイバFB1を固定側光ファイバFB2に対して回転可能に接続し、測定光L1および戻り光L3を伝送する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、この干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像(以下、単に「断層画像」とも言う。)を取得する信号処理部22を有する。また、信号処理部22で取得された光断層画像はモニタ装置500に表示される。
【0048】
また、OCTプロセッサ400は、測定の目印を示すためのエイミング光(第2の光束)Leを射出する第2の光源部(第2の光源ユニット)13と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、第1の光源部12から射出された光Laを分光する光ファイバカプラ28と、光ファイバカプラ14で合波された戻り光L4およびL5を検出する検出器30aおよび30bと、信号処理部22への各種条件の入力、設定の変更等を行う操作制御部32とを有する。
【0049】
なお、図2に示すOCTプロセッサ400においては、上述した射出光La、エイミング光Le、測定光L1、参照光L2および戻り光L3などを含む種々の光を各光デバイスなどの構成要素間で導波し、伝送するための光の経路として、回転側光ファイバFB1および固定側光ファイバFB2を含め種々の光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)が用いられている。
【0050】
第1の光源部12は、OCTの測定のための光(例えば、波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出するものであり、この第1の光源部12は周波数を一定の周期で掃引させながら赤外領域である、例えば波長1.3μmを中心とするレーザ光Laを射出する光源である。この第1の光源部12は、レーザ光あるいは低コヒーレンス光Laを射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えている。また、詳しくは後述するが、第1の光源部12から射出された光Laは、光ファイバFB4、FB3を介して光ファイバカプラ14で測定光L1と参照光L2に分割され、測定光L1は光コネクタ18に入力される。
【0051】
また、第2の光源部13は、エイミング光Leとして測定部位を確認しやすくするために可視光を射出するものである。例えば、波長0.66μmの赤半導体レーザ光、波長0.63μmのHe−Neレーザ光、波長0.405μmの青半導体レーザ光などを用いることができる。そこで、第2の光源部13としては、例えば赤色あるいは青色あるいは緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ13aと、半導体レーザ13aから射出されたエイミング光Leを集光するレンズ13bを備えている。第2の光源部13から射出されたエイミング光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入力される。
【0052】
光コネクタ18では、測定光L1とエイミング光Leとが合波され、OCTプローブ600内の回転側光ファイバFB1に導波される。
【0053】
光ファイバカプラ(分岐合波部)14は、例えば2×2の光ファイバカプラで構成されており、固定側光ファイバFB2、光ファイバFB3、光ファイバFB5、光ファイバFB7とそれぞれ光学的に接続されている。
【0054】
光ファイバカプラ14は、第1の光源部12から光ファイバFB4およびFB3を介して入射した光Laを測定光(第1の光束)L1と参照光L2とに分割し、測定光L1を固定側光ファイバFB2に入射させ、参照光L2を光ファイバFB5に入射させる。
【0055】
さらに、光ファイバカプラ14は、光ファイバFB5に入射され後述する光路長調整部26によって周波数シフトおよび光路長の変更が施されて光ファイバFB5を戻った光L2と、後述するOCTプローブ600で取得され固定側光ファイバFB2から導波された光L3とを合波し、光ファイバFB3(FB6)および光ファイバFB7に射出する。
【0056】
OCTプローブ600は、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2と接続されており、固定側光ファイバFB2から、光コネクタ18を介して、エイミング光Leと合波された測定光L1が回転側光ファイバFB1に入射される。入射されたこのエイミング光Leと合波された測定光L1を回転側光ファイバFB1によって伝送して測定対象Sに照射する。そして測定対象Sからの戻り光L3を取得し、取得した戻り光L3を回転側光ファイバFB1によって伝送して、光コネクタ18を介して、固定側光ファイバFB2に射出するようになっている。
【0057】
光コネクタ18は、測定光(第1の光束)L1とエイミング光(第2の光束)Leとを合波するものである。
【0058】
干渉光検出部20は、光ファイバFB6および光ファイバFB7と接続されており、光ファイバカプラ14で参照光L2と戻り光L3とを合波して生成された干渉光L4およびL5を干渉信号として検出するものである。
【0059】
ここで、OCTプロセッサ400は、光ファイバカプラ28から分岐させた光ファイバFB6上に設けられ、干渉光L4の光強度を検出する検出器30aと、光ファイバFB7の光路上に干渉光L5の光強度を検出する検出器30bとを有している。
【0060】
干渉光検出部20は、検出器30aおよび検出器30bの検出結果に基づいて、干渉信号を生成する。
【0061】
信号処理部22は、干渉光検出部20で検出した干渉信号から断層画像を取得し、取得した断層画像をモニタ装置500へ出力する。なお、本実施形態では、干渉光検出部20で検出した干渉信号に基づいて測定対象Sの断層画像の生成と表面画像の生成が並列的に行われ、モニタ装置500に断層画像と表面画像がリアルタイムで同時に表示されるようになっている。これを実現するための信号処理部22の詳細な構成は後述する。
【0062】
光路長調整部26は、光ファイバFB5の参照光L2の射出側(すなわち、光ファイバFB5の光ファイバカプラ14とは反対側の端部)に配置されている。
【0063】
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された光を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82および反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを有し、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることで参照光L2の光路長を調整する。
【0064】
第1光学レンズ80は、光ファイバFB5のコアから射出された参照光L2を平行光にするとともに、反射ミラー84で反射された参照光L2を光ファイバFB5のコアに集光する。
【0065】
また、第2光学レンズ82は、第1光学レンズ80により平行光にされた参照光L2を反射ミラー84上に集光するとともに、反射ミラー84により反射された参照光L2を平行光にする。このように、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82とにより共焦点光学系が形成されている。
【0066】
さらに、反射ミラー84は、第2光学レンズ82で集光される光の焦点に配置されており、第2光学レンズ82で集光された参照光L2を反射する。
【0067】
これにより、光ファイバFB5から射出した参照光L2は、第1光学レンズ80により平行光になり、第2光学レンズ82により反射ミラー84上に集光される。その後、反射ミラー84により反射された参照光L2は、第2光学レンズ82により平行光になり、第1光学レンズ80により光ファイバFB5のコアに集光される。
【0068】
また、基台86は、第2光学レンズ82と反射ミラー84とを固定し、ミラー移動機構88は、基台86を第1光学レンズ80の光軸方向(図2矢印A方向)に移動させる。
【0069】
ミラー移動機構88で、基台86を矢印A方向に移動させることで、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変更することができ、参照光L2の光路長を調整することができる。
【0070】
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、信号処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、信号処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
【0071】
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源部12、第2の光源部13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出器30aおよび30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
【0072】
[OCTプローブ]
図3は図2のOCTプローブの断面図である。
【0073】
図3に示すように、挿入部602の先端部は、プローブ外筒620と、キャップ622と、回転側光ファイバFB1と、バネ624と、固定部材626と、光学レンズ628とを有している。
【0074】
プローブ外筒(シース)620は、可撓性を有する筒状の部材であり、光コネクタ18においてエイミング光Leが合波された測定光L1および戻り光L3が透過する材料からなっている。なお、プローブ外筒620は、測定光L1(エイミング光Le)および戻り光L3が通過する先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端、以下プローブ外筒620の先端と言う)側の一部が全周に渡って光を透過する材料(透明な材料)で形成されていればよく、先端以外の部分については光を透過しない材料で形成されていてもよい。
【0075】
キャップ622は、プローブ外筒620の先端に設けられ、プローブ外筒620の先端を閉塞している。
【0076】
回転側光ファイバFB1は、線状部材であり、プローブ外筒620内にプローブ外筒620に沿って収容されており、固定側光ファイバFB2から射出され、光コネクタ18で光ファイバFB8から射出されたエイミング光Leと合波された測定光L1を光学レンズ628まで導波するとともに、測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに照射して光学レンズ628で取得した測定対象Sからの戻り光L3を光コネクタ18まで導波し、固定側光ファイバFB2に入射する。
【0077】
ここで、回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2とは、光コネクタ18によって接続されており、回転側光ファイバFB1の回転が固定側光ファイバFB2に伝達しない状態で、光学的に接続されている。また、回転側光ファイバFB1は、プローブ外筒620に対して回転自在、およびプローブ外筒620の軸方向に移動自在な状態で配置されている。
【0078】
バネ624は、回転側光ファイバFB1の外周に固定されている。また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、光コネクタ18に接続されている。
【0079】
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1の測定側先端(光コネクタ18と反対側の回転側光ファイバFB1の先端)に配置されており、先端部が、回転側光ファイバFB1から射出された測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し集光するために略球状の形状で形成されている。
【0080】
光学レンズ628は、回転側光ファイバFB1から射出した測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し照射し、測定対象Sからの戻り光L3を集光し回転側光ファイバFB1に入射する。
【0081】
固定部材626は、回転側光ファイバFB1と光学レンズ628との接続部の外周に配置されており、光学レンズ628を回転側光ファイバFB1の端部に固定する。ここで、固定部材626による回転側光ファイバFB1と光学レンズ628の固定方法は、特に限定されず、接着剤により、固定部材626と回転側光ファイバFB1および光学レンズ628を接着させて固定されても、ボルト等を用い機械的構造で固定してもよい。なお、固定部材626は、ジルコニアフェルールやメタルフェルールなど光ファイバの固定や保持あるいは保護のために用いられるものであれば、如何なるものを用いても良い。
【0082】
また、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、後述する回転筒656に接続されており、回転筒656によって回転側光ファイバFB1およびバネ624を回転させることで、光学レンズ628をプローブ外筒620に対し、矢印R2方向に回転させる。また、光コネクタ18は、回転エンコーダを備え、回転エンコーダからの信号に基づいて光学レンズ628の位置情報(角度情報)から測定光L1の照射位置を検出する。つまり、回転している光学レンズ628の回転方向における基準位置に対する角度を検出して、測定位置を検出する。
【0083】
さらに、回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628は、後述する駆動部により、プローブ外筒620内部を矢印S1方向(鉗子口方向)、及びS2方向(プローブ外筒620の先端方向)に移動可能に構成されている。
【0084】
また、図3左側は、OCTプローブ600の操作部604における回転側光ファイバFB1等の駆動部の概略を示す図である。
【0085】
プローブ外筒620は、固定部材670に固定されている。これに対し、回転側光ファイバFB1およびバネ624は、回転筒656に接続されており、回転筒656は、モータ652の回転に応じてギア654を介して回転するように構成されている。回転筒656は、光コネクタ18に接続されており、測定光L1及び戻り光L3は、光コネクタ18を介して回転側光ファイバFB1と固定側光ファイバFB2間を伝送される。
【0086】
また、これらを内蔵するフレーム650は支持部材662を備えており、支持部材662は、図示しないネジ孔を有している。ネジ孔には進退移動用ボールネジ664が咬合しており、進退移動用ボールネジ664には、モータ660が接続されている。したがって、モータ660を回転駆動することによりフレーム650を進退移動させ、これにより回転側光ファイバFB1、バネ624、固定部材626、及び光学レンズ628を図3のS1及びS2方向に移動させることが可能となっている。
【0087】
OCTプローブ600は、以上のような構成であり、光コネクタ18により回転側光ファイバFB1およびバネ624が、図3中矢印R2方向に回転されることで、光学レンズ628から射出される測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sに対し、矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に対し走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。エイミング光Leは、測定対象Sに、例えば青色、赤色あるいは緑色のスポット光として照射され、このエイミング光Leの反射光は、モニタ装置500に表示された観察画像に輝点としても表示される。
【0088】
これにより、プローブ外筒620の円周方向の全周において、測定対象Sの所望の部位を正確にとらえることができ、測定対象Sを反射した戻り光L3を取得することができる。
【0089】
さらに、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像を取得する場合は、駆動部により光学レンズ628が矢印S1方向の移動可能範囲の終端まで移動され、断層画像を取得しながら所定量ずつS2方向に移動し、又は断層画像取得とS2方向への所定量移動を交互に繰り返しながら、移動可能範囲の終端まで移動する。
【0090】
このように測定対象Sに対して所望の範囲の複数枚の波形データを得ることで表面画像を得ることができるとともに、取得した複数の断層画像に基づいて3次元ボリュームデータを得ることができる。
【0091】
図4は図2の測定対象Sに対して光走査がラジアル走査の場合の断層画像のスキャン面を示す図であり、図5は図4の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図である。干渉信号により測定対象Sの深さ方向(第1の方向)の断層画像を取得し、測定対象Sに対し図3矢印R2方向(プローブ外筒620の円周方向)に走査(ラジアル走査)することで、図4に示すように、第1の方向と該第1の方向と直交する第2の方向とからなるスキャン面での断層画像を取得することができる。またさらに、このスキャン面に直交する第3の方向に沿ってスキャン面を移動させることで、図5に示すように、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像が取得できる。
【0092】
図6は図1の内視鏡の鉗子口から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図である。図6に示すように、OCTプローブの挿入部602の先端部を、測定対象Sの所望の部位に近づけて、断層画像を得る。所望の範囲の複数の断層画像を取得する場合は、OCTプローブ600本体を移動させる必要はなく、前述の駆動部によりプローブ外筒620内で光学レンズ628を移動させればよい。
【0093】
なお、測定光L1(エイミング光Le)を測定対象Sにラジアル走査するとしたが、これに限らない。図7は図2の測定対象Sに対してセクタ走査を行って断層画像を取得する構成を示す図であり、図8は図7の断層画像により構築される3次元ボリュームデータを示す図である。図7に示すように、ガルバノミラー900を使用し、測定対象Sの上方からセクタ走査を行って断層画像を取得する構成にも適用でき、この場合もスキャン面を移動させることで、図8に示すように、3次元ボリュームデータを生成するための複数の断層画像が取得できる。
【0094】
[信号処理部]
図9は図2の信号処理部22及びその周辺部の構成を示すブロック図である。
【0095】
図9に示すように、干渉光検出部20は、干渉信号生成部20aとAD変換部20bとから構成される。干渉光検出部20に測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波した干渉光が入力されると、干渉信号生成部20aで干渉光(光信号)から干渉信号(電気信号)が生成される。そして、干渉信号生成部20aで生成された干渉信号はAD変換部20bでアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理部22に入力される。
【0096】
本実施形態の信号処理部22は、表面データを生成する表面データ生成部410と、表面データから表面画像を構築する表面画像構築部420と、フレーム単位で干渉信号の間引き処理を行うフレーム間引き処理部430と、断層データを生成する断層データ生成部440と、断層データから断層画像を構築する断層画像構築部446と、表面画像と断層画像とからモニタ装置500に表示するための画像を生成する表示画像生成部448と、操作制御部32からの操作信号に基づき信号処理部22の各部を制御する制御部490とから主に構成される。
【0097】
干渉光検出部20から信号処理部22に入力された干渉信号は2つに分岐され、一方の干渉信号は表面データ生成部410に入力され、他方の干渉信号はフレーム間引き処理部430を介して断層データ生成部440に入力される。
【0098】
表面データ生成部410は、ハイパスフィルタ(HPF)412、絶対値化部414、積分処理部416、及び対数変換部418から構成される。
【0099】
ハイパスフィルタ412は、表面データ生成部410に入力された干渉信号から低周波成分を除去する。これは、OCTプローブ600のプローブ外筒620で反射した戻り光による干渉信号成分が低周波側にあるためであり、ハイパスフィルタ412によって干渉信号の低周波成分を除去することで、生体からの戻り光による干渉信号成分のみとすることができる。ハイパスフィルタ412のカットオフ周波数は、OCTプローブ600の最外層(すなわちプローブ外筒620)の干渉信号成分の周波数が除去できるように設定する。
【0100】
絶対値化部414は、ハイパスフィルタ412で低周波成分が除去された干渉信号の振幅値を絶対値化する。ここでは、干渉信号の波形のマイナス成分をプラス側に反転させることにより絶対値化を行っている。絶対値化の方法としては、干渉信号の波形のマイナス成分をプラス側に反転させるものに限らず、干渉信号の振幅値を2乗して平方根をとるものでもよく、一般的に知られているどのような方法でもよい。
【0101】
積分処理部416は、絶対値化部414で絶対値化された干渉信号に対して積分処理を行う。具体的には、絶対値化された干渉信号のうち1ライン分すべてのデータ、すなわち1ライン分のデータ(干渉信号)を時間方向に全積分することで、そのライン方向における生体の表面データを算出する。ここでは、1ライン分すべてのデータを積分しているが、干渉光検出部20のAD変換部20bで干渉信号はアナログ信号からデジタル信号に変換されて離散的なデータとなっていることから、1ライン分すべてのデータを加算することでも同じ結果が得られる。このように、通常の断層画像(OCT画像)1ライン分の信号をFFT(高速フーリエ変換)を行わずに、1ライン分のデータを積分することでそのライン方向の表面データ1点が生成される。さらに、1フレーム分のデータから表面画像1ラインが生成されることになる。
【0102】
対数変換部418は、積分処理部416における積分処理によって得られた表面データの対数変換を行う。対数変換された表面データは、表面画像構築部420に入力される。
【0103】
表面画像構築部420は、表面データ生成部410で生成された表面データ(すなわち、対数変換部418で対数変換された表面データ)に基づき、モニタ装置500及びその表示方法にあわせて表面画像を構築する。具体的には、輝度、コントラスト調整、表示サイズにあわせたリサンプル、走査方法に合わせての座標変換などにより表面画像を構築する。このようにして構築された表面画像は、後述の表示画像生成部448に入力される。
【0104】
フレーム間引き処理部430は、干渉光検出部20から入力された干渉信号に対してフレーム単位で間引き処理を行い、後段の断層データ生成部440に間引き処理後の干渉信号を出力する。具体的には、モニタ装置500のフレームレート以下で干渉信号が出力されるようにフレーム単位で間引き処理を行う。
【0105】
これは、例えば、OCTのラジアル走査では100Hzの周波数で行われるため、100fpsのフレームレートで干渉信号を取得できる。それに対して、モニタ装置500のフレームレートは通常30fps程度であるため、干渉光検出部20で検出された干渉信号をすべて処理したとしても、すべてのフレームを表示することはできない。そのため、この段階で干渉信号をフレーム単位で間引き処理しておくことで、後段の処理にかけられる時間を大きくできる。また、実際には、モニタ装置500のフレームレートは15fps程度でも十分に診断可能なので、診断可能な範囲で干渉信号の間引き処理を行うことで後段の処理にかかる負担を軽減することができる。
【0106】
本実施形態では、モニタ装置500のフレームレートに応じてフレーム間引き処理部430から出力される干渉信号のフレームレートを自動的に可変させる態様が好ましい。例えば、モニタ装置500のフレームレートの読み取り手段を設け、この読み取り手段で読み取られたフレームレート以下で干渉信号がフレーム間引き処理部430から出力されるようにする。
【0107】
また、フレーム間引き処理部430から出力される干渉信号のフレームレートを手動で可変できるようにする態様も好ましい。例えば、操作者が操作制御部32からフレームレート又は間引き率を指定すると、フレーム間引き処理部430は指定されたフレームレート又は間引き率に従って干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うようにする。この態様によれば、操作者の意図や好みに応じて断層データ生成部440に入力される干渉信号のフレームレートを可変させることができ、信号処理部22の処理負荷をさらに軽減することが可能となる。
【0108】
断層データ生成部440は、干渉光検出部20からフレーム間引き処理部430を介して入力された干渉信号に基づき断層データを生成する処理部であり、フーリエ変換部442及び対数変換部444から構成される。
【0109】
フーリエ変換部442は、フレーム間引き処理部430で間引き処理が施された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)により周波数分解して、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度、すなわち深度方向の1ラインの反射強度データ(断層データ)を生成する。
【0110】
対数変換部444は、フーリエ変換部442でフーリエ変換された断層データの対数変換を行う。対数変換された断層データは、断層画像構築部446に入力される。
【0111】
断層画像構築部446は、断層データ生成部440で生成された断層データ(すなわち、対数変換部444で対数変換された断層データ)からモニタ装置500及びその表示方法にあわせて断層画像を構築する。具体的には、輝度、コントラストの調整、表示サイズにあわせたリサンプル、ラジアル走査、セクタ走査等の走査方法に合わせての座標変換などにより断層画像を構築する。このようにして構築された断層画像は、後述の表示画像生成部448に入力される。
【0112】
表示画像生成部448は、表面画像構築部420で構築された表面画像と、断層画像構築部446で構築された断層画像とからモニタ装置500に表示される画像を生成し、当該画像をモニタ装置500に対して出力する。
【0113】
次に、上記の如く構成された本実施形態の作用について説明する。
【0114】
まず、干渉光検出部20から信号処理部22に入力され、2つに分岐された干渉信号のうち、一方の干渉信号は表面データ生成部410に入力され、表面データの生成処理が行われる。
【0115】
表面データ生成部410で行われる具体的な処理としては、まず、ハイパスフィルタ412で干渉信号から低周波成分が除去される。これにより、プローブ外筒620から反射した戻り光による干渉信号成分が除去され、生体から反射した戻り光による干渉信号成分のみとなる。次いで、絶対値化部414で干渉信号の振幅値の絶対値化が行われた後、積分処理部416で1ライン分すべてのデータ、すなわち1ライン分のデータ(干渉信号)を時間方向に全積分する。これにより、そのライン方向における生体の表面データが算出される。さらに表面データは対数変換部418で対数変換される。
【0116】
このようにして表面データ生成部410で生成された表面データは表面画像構築部420に入力される。表面データ生成部410では、1ライン(又は1フレーム)分の表面データが蓄積されると、その蓄積された表面データに基づき表面画像の生成が行われる。
【0117】
一方、干渉光検出部20から信号処理部22に入力され、2つに分岐された干渉信号のうち、他方の干渉信号はフレーム間引き処理部430を介して断層データ生成部440に入力される。
【0118】
フレーム間引き処理部430に入力された干渉信号はフレーム単位で間引き処理が行われる。具体的には、モニタ装置500のフレームレート以下の干渉信号が出力されるように間引き処理が行われる。間引き処理後の干渉信号は断層データ生成部440に入力され、断層データの生成処理が行われる。
【0119】
断層データ生成部440で行われる具体的な処理としては、まず、フレーム間引き処理部430で間引き処理された干渉信号が入力されると、フーリエ変換部442にてFFT(高速フーリエ変換)による周波数解析が行われる。これにより、測定対象Sの深度方向の反射強度データ(断層データ)が生成される。次いで、フーリエ変換部442で生成された断層データは、対数変換部444で対数変換される。
【0120】
このようにして断層データ生成部440で生成された断層データは表面画像構築部420に入力される。表面画像構築部420では、1フレーム分の断層データが蓄積されると、その蓄積された断層データに基づき断層画像の生成が行われる。
【0121】
表示画像生成部448では、表面画像構築部420で構築された表面画像と表面画像構築部420で構築された断層画像とから表示画像が生成される。このようにして生成された表示画像はモニタ装置500に対して出力される。
【0122】
ここで、モニタ装置500に表示される画像の一例を図10に示す。同図に示すように、モニタ装置500の表示画面502には表面画像と断層画像が並べて表示される。なお、表示画面502の右側に示した断層画像は、左側の表面画像のP−P’線に沿う断面における断層画像を表している。
【0123】
図10に示した例では、断層画像は1フレーム分の断層データが生成される度に更新されるのに対して、表面画像は1ライン(又は1フレーム)分の表面データが生成される度に更新される。例えば、1ライン分の表面データが生成されると、その位置に対応する1点分の表面画像が追加される。そして、OCTプローブ600の走査に応じて、図10の左から右、さらには上から下に向かって次々と表面画像が追加される。このとき、断層画像は、1フレーム分の断層データが生成される度に更新される。なお、1フレーム分の表面データが生成される度に1フレーム分の表面画像(すなわち、図10の表面画像の1水平ライン)をまとめてするようにしてもよい。
【0124】
このように本実施形態によれば、OCTプローブ600の走査により取得された干渉信号から断層データの生成と表面データの生成が並列的に行われるので、3次元ボリュームデータから表面画像を再構築することなく、モニタ装置500に断層画像と表面画像をリアルタイムに同時に表示することが可能となる。これにより、術者は、病変部の断層画像だけでなく、表面画像も同時に観察することが可能となり、治療方法の選択が容易になる。
【0125】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0126】
第1の実施形態では、干渉光検出部20から入力された干渉信号は2つに分岐され、一方の干渉信号から表面画像が生成され、他方の干渉信号はフレーム単位で間引き処理が行われてから断層画像が生成される。このようにした理由は、モニタ装置500のフレームレートに適した間隔で干渉信号を間引くことで断層画像の生成を容易にするためである。このとき、表面データの生成処理では、処理の複雑なFFT(高速フーリエ変換)を行わずに表面データを生成することができる。
【0127】
それに対して、第2の実施形態では、干渉信号の間引き処理が省略された態様であり、OCTプローブ600の走査で取得される干渉信号のフレームレート(すなわち、干渉光検出部20から入力された干渉信号のフレームレート)がモニタ装置500のフレームレートと同程度の場合に好適な態様である。
【0128】
図11は第2の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図である。図11中、図9と共通又は類似の要素には同一の番号を付している。
【0129】
図11に示すように、第2の実施形態としての信号処理部22Bは、第1の実施形態のフレーム間引き処理部430(図9参照)を備えておらず、干渉光検出部20から出力された干渉信号はフーリエ変換部450に入力される。
【0130】
フーリエ変換部450は、表面データ生成部410と断層データ生成部440の共通処理部であり、入力された干渉信号をFFT(高速フーリエ変換)により周波数分解して、測定対象Sの各深さ位置における反射光L3の強度、すなわち深度方向の1ラインの反射強度データ(断層データ)を生成する。なお、表面データ生成部410と断層データ生成部440にフーリエ変換部450を個々に設けてもよいのはもちろんである。
【0131】
フーリエ変換部450から出力される断層データは2つに分岐され、一方の断層データはハイパスフィルタ412により低周波成分が除去される。これにより、プローブ外筒620から反射した戻り光による干渉信号成分が除去され、生体から反射した戻り光による信号成分のみとされる。さらに、積分処理部416により1ライン分すべてのデータが積分され(つまり、フーリエ変換されたデータが周波数軸方向に全積分され)、そのラインに対応する表面データ1点分が出力される。ここでは積分としているが、AD変換により離散的なデータとなっていることから、1ライン分すべてのデータを加算することでも同じ結果が得られる。積分処理部416から出力されたデータは対数変換部418で対数変換される。対数変換されたデータは表面画像構築部420に入力される。一方、フーリエ変換部450から出力された他方の断層データは対数変換部444で対数変換された後、断層画像構築部446に入力される。これ以降の処理については、第1の実施形態と同様である。
【0132】
第2の実施形態によれば、干渉光検出部20から信号処理部22Bに入力された干渉信号は間引き処理が行われることなく、断層画像の生成処理と表面画像の生成処理が並列的に行われる。このため、OCTプローブ600の走査で取得される干渉信号のフレームレート(すなわち、干渉光検出部20から入力された干渉信号のフレームレート)がモニタ装置500のフレームレートと同程度の場合に好適な態様であり、干渉信号の間引き処理を省略することができ、信号処理部22Bを簡易な構成とすることが可能となる。
【0133】
なお、上述した各実施形態では、OCTプロセッサ400としてSS−OCT(Swept Source OCT)装置を用いて説明したが、これに限らず、OCTプロセッサ400をSD−OCT(Spectral Domain OCT)装置としても適用可能である。
【0134】
以上、本発明の光断層画像化装置及び光断層画像化方法について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0135】
10…画像診断装置、20…干渉光検出部、20a…干渉信号生成部、20b…AD変換部、22…信号処理部、100…内視鏡、200…内視鏡プロセッサ、300…光源装置、400…OCTプロセッサ、410…表面データ生成部、412…ハイパスフィルタ、414…絶対値化部、416…積分処理部、418…対数変換部、420…表面画像構築部、430…フレーム間引き処理部、440…断層データ生成部、442…フーリエ変換部、444…対数変換部、446…断層画像構築部、448…表示画像生成部、450…フーリエ変換部、490…制御部、500…モニタ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置であって、
前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成手段と、
前記断層データ生成手段と並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成手段と、
前記断層データ生成手段で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築手段と、
前記表面データ生成手段で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築手段と、
前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成手段と、
を備えたことを特徴とする光断層画像化装置。
【請求項2】
前記表面データ生成手段は、
前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化手段と、
前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分手段と、
を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像化装置。
【請求項3】
前記表面データ生成手段は、前記干渉波形データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の光断層画像化装置。
【請求項4】
前記表面データ生成手段は、前記干渉信号から低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、
前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去された干渉信号を前記絶対値化手段に入力することを特徴とする請求項2又は3に記載の光断層画像化装置。
【請求項5】
前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引き手段を備え、
前記フレーム間引き手段で間引き処理された干渉信号を前記断層データ生成手段に入力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光断層画像化装置。
【請求項6】
前記表面データ生成手段は、
前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換手段と、
前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分手段と、
を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像化装置。
【請求項7】
前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の光断層画像化装置。
【請求項8】
前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、
前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去されたフーリエ変換データを前記フーリエ変換データ積分手段に入力することを特徴とする請求項6又は7に記載の光断層画像化装置。
【請求項9】
前記表示画像生成手段は、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光断層画像化装置。
【請求項10】
波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法であって、
前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成ステップと、
前記断層データ生成ステップと並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成ステップと、
前記断層データ生成ステップで生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築ステップと、
前記表面データ生成ステップで出力された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築ステップと、
前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
を備えたことを特徴とする光断層画像化方法。
【請求項11】
前記表面データ生成ステップは、
前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化ステップと、
前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分ステップと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の光断層画像化方法。
【請求項12】
前記表面データ生成ステップは、前記干渉波形データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光断層画像化方法。
【請求項13】
前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記干渉信号から低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去された干渉信号は前記絶対値化ステップに入力されることを特徴とする請求項11又は12に記載の光断層画像化方法。
【請求項14】
前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引きステップを含み、
前記フレーム間引きステップで間引き処理された干渉信号は前記断層データ生成ステップに入力されることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の光断層画像化方法。
【請求項15】
前記表面データ生成ステップは、
前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換ステップと、
前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分ステップと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の光断層画像化方法。
【請求項16】
前記表面データ生成ステップは、前記フーリエ変換データ積分ステップにより周波数方向に全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の光断層画像化方法。
【請求項17】
前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去されたフーリエ変換データは前記フーリエ変換データ積分ステップに入力されることを特徴とする請求項15又は16に記載の光断層画像化方法。
【請求項18】
前記表示画像生成ステップは、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の光断層画像化方法。
【請求項1】
波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化装置であって、
前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成手段と、
前記断層データ生成手段と並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成手段と、
前記断層データ生成手段で生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築手段と、
前記表面データ生成手段で生成された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築手段と、
前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成手段と、
を備えたことを特徴とする光断層画像化装置。
【請求項2】
前記表面データ生成手段は、
前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化手段と、
前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分手段と、
を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像化装置。
【請求項3】
前記表面データ生成手段は、前記干渉波形データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の光断層画像化装置。
【請求項4】
前記表面データ生成手段は、前記干渉信号から低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、
前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去された干渉信号を前記絶対値化手段に入力することを特徴とする請求項2又は3に記載の光断層画像化装置。
【請求項5】
前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引き手段を備え、
前記フレーム間引き手段で間引き処理された干渉信号を前記断層データ生成手段に入力することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光断層画像化装置。
【請求項6】
前記表面データ生成手段は、
前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換手段と、
前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分手段と、
を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の光断層画像化装置。
【請求項7】
前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データ積分手段により全積分されたデータを対数変換する対数変換手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の光断層画像化装置。
【請求項8】
前記表面データ生成手段は、前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するハイパスフィルタをさらに備え、
前記ハイパスフィルタで低周波成分が除去されたフーリエ変換データを前記フーリエ変換データ積分手段に入力することを特徴とする請求項6又は7に記載の光断層画像化装置。
【請求項9】
前記表示画像生成手段は、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光断層画像化装置。
【請求項10】
波長掃引光源から射出される光を測定光と参照光に分割し、前記測定光にて測定対象に照射し、該測定対象からの反射光と前記参照光とを合波し、前記反射光と前記参照光が合波したときの干渉光を干渉信号として検出し、該干渉信号をフーリエ変換することで前記測定対象の断層画像を取得する光断層画像化方法であって、
前記干渉信号に基づいて前記測定対象の断層データを生成する断層データ生成ステップと、
前記断層データ生成ステップと並列的に処理を行い、前記干渉信号に基づいて前記測定対象の表面データを生成する表面データ生成ステップと、
前記断層データ生成ステップで生成された断層データに基づく断層画像を構築する断層画像構築ステップと、
前記表面データ生成ステップで出力された表面データに基づく表面画像を構築する表面画像構築ステップと、
前記断層画像と前記表面画像とから表示画像を生成する表示画像生成ステップと、
を備えたことを特徴とする光断層画像化方法。
【請求項11】
前記表面データ生成ステップは、
前記干渉信号の振幅値を絶対値化した絶対値データを出力する絶対値化ステップと、
前記絶対値データを時間方向に全積分する干渉波形データ積分ステップと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の光断層画像化方法。
【請求項12】
前記表面データ生成ステップは、前記干渉波形データ積分ステップにより全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の光断層画像化方法。
【請求項13】
前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記干渉信号から低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去された干渉信号は前記絶対値化ステップに入力されることを特徴とする請求項11又は12に記載の光断層画像化方法。
【請求項14】
前記干渉信号をフレーム単位で間引き処理を行うフレーム間引きステップを含み、
前記フレーム間引きステップで間引き処理された干渉信号は前記断層データ生成ステップに入力されることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の光断層画像化方法。
【請求項15】
前記表面データ生成ステップは、
前記干渉信号をフーリエ変換してフーリエ変換データを出力するフーリエ変換ステップと、
前記フーリエ変換データを周波数軸方向に全積分するフーリエ変換データ積分ステップと、
を含むことを特徴とする請求項10に記載の光断層画像化方法。
【請求項16】
前記表面データ生成ステップは、前記フーリエ変換データ積分ステップにより周波数方向に全積分されたデータを対数変換する対数変換ステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の光断層画像化方法。
【請求項17】
前記表面データ生成ステップは、ハイパスフィルタにより前記フーリエ変換データから低周波成分を除去するステップを含み、該ステップにより低周波成分が除去されたフーリエ変換データは前記フーリエ変換データ積分ステップに入力されることを特徴とする請求項15又は16に記載の光断層画像化方法。
【請求項18】
前記表示画像生成ステップは、前記断層画像と前記表面画像を並べた画像を生成することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の光断層画像化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−32296(P2012−32296A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−172682(P2010−172682)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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