説明

光断層画像取得装置

【課題】本発明は、歯科用などの光断層画像取得装置に関するもので、プローブを小型化することを目的とするものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、プローブは、プローブ本体1と、このプローブ本体に着脱自在に装着した口腔内挿入部2と、により構成し、前記プローブ本体1内に設けた光走査部8は、光を口腔内挿入部2本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、断層画像用演算部23の演算結果より口腔内挿入部2の種別を判断する口腔内挿入部種別判断部31を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、医療用として活用される光断層画像取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用として活用される光断層画像取得装置の構成は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、光源と、この光源から出た光を分割する分割部と、この分割された一方の光を、光走査部によって照射方向を変えながら口腔内挿入部から測定対象に向けて照射し、その測定対象からの反射光を、前記口腔内挿入部から前記光走査部を経由して測定光として取り込むブローブと、前記分割部によって分割された他方の光を反射する参照鏡と、この参照鏡から反射された光と、前記プローブが取り込んだ測定光と、を干渉させて干渉光を生成する干渉部と、この干渉部で生成された干渉光を演算処理して測定対象の断層画像情報を生成する断層画像用演算部と、を備え、前記プローブの口腔内挿入部はプローブ本体に着脱可能に設けられ、プローブ内には、この口腔内挿入部の種別を判断する電気的、あるいは、機構的な検知部が設けられた構成となっていた(例えば、これに類似する技術は下記特許文献1に記載されている)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/060973号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、プローブが大型化するということであった。
【0006】
すなわち、上記従来の光断層画像取得装置では、例えば、歯科用の光断層画像取得装置のプローブの口腔内挿入部は、測定対象によって種別が異なるので、交換可能に設けられていたが、この口腔内挿入部の種別によって、測定範囲や光走査方向が変わってくるので、測定の制御が異なる。この口腔内挿入部の種別を判断するための電気的、あるいは、機構的な検知部がプローブ内に設けられており、その結果プローブが大型化してしまっていた。
【0007】
そこで本発明は、プローブを小型化することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明は、光源と、この光源から出た光を分割する分割部と、この分割された一方の光を、光走査部によって照射方向を変えながら口腔内挿入部から測定対象に向けて照射し、その測定対象からの反射光を、前記口腔内挿入部から前記光走査部を経由して測定光として取り込むブローブと、前記分割部によって分割された他方の光を反射する参照鏡と、この参照鏡から反射された光と、前記プローブが取り込んだ測定光と、を干渉させて干渉光を生成する干渉部と、この干渉部で生成された干渉光を演算処理して測定対象の断層画像情報を生成する断層画像用演算部と、を備え、前記プローブは、プローブ本体と、このプローブ本体に着脱自在に装着した口腔内挿入部と、により構成し、前記プローブ本体内に設けた光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断する口腔内挿入部種別判断部を設け、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、光源と、この光源から出た光を分割する分割部と、この分割された一方の光を、光走査部によって照射方向を変えながら口腔内挿入部から測定対象に向けて照射し、その測定対象からの反射光を、前記口腔内挿入部から前記光走査部を経由して測定光として取り込むブローブと、前記分割部によって分割された他方の光を反射する参照鏡と、この参照鏡から反射された光と、前記プローブが取り込んだ測定光と、を干渉させて干渉光を生成する干渉部と、この干渉部で生成された干渉光を演算処理して測定対象の断層画像情報を生成する断層画像用演算部と、を備え、前記プローブは、プローブ本体と、このプローブ本体に着脱自在に装着した口腔内挿入部と、により構成し、前記プローブ本体内に設けた光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断する口腔内挿入部種別判断部を設けたものであるので、プローブを小型化することができる。
【0010】
すなわち、本発明の光断層画像取得装置では、前記プローブの光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、その測定光から得られた干渉光の前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断するので、装置が備えていた機能を用いて、口腔内挿入部の種別を判断可能となり、スイッチ等の電気的、あるいは、機構的な検知部を設ける必要がないため、プローブを小型化することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の使用例を示す斜視図
【図2】その斜視図
【図3】その表示部の正面図
【図4】その分解斜視図
【図5】その分解斜視図
【図6】その主要部の分解斜視図
【図7】その電気的なブロック図
【図8】その主要部の使用時の断面図
【図9】その主要部の分解斜視図
【図10】その主要部の断面図
【図11】その干渉光の周波数スペクトラム図
【図12】そのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における光断層画像取得装置の使用例を示す。
【0014】
図1において、1はプローブ本体で、このプローブ本体1の前方には、口腔内挿入部2が突出した状態で装着されている。
【0015】
あとで詳細に説明するが、この図1に示すように、本実施形態における光断層画像取得装置は、口腔3内に口腔内挿入部2を差し入れ、歯4のX軸方向の光断層画像をY軸方向に連続的に取得するものである。
【0016】
この口腔内挿入部2は、被測定者によって、例えば、被測定者が大人か子供かによって、その形状が異なるために、プローブ本体1に対して交換可能となるように装着されている。
【0017】
さて、プローブ本体1は、図2に示すように片手で保持できるようにピストル形状をしており、後端には、ケーブル5を介して制御ボックス6が接続されている。なお、ケーブル5内には、光入出力用や電気的信号用の配線が収納されている。
【0018】
また、プローブ本体1内には、図4から図6に示すごとく、測定用の近赤外光を平行光とするコリメータレンズ7を有し、このコリメータレンズ7からの近赤外光は、光走査部8で一軸方向に走査され、続いて、それに直交する方向に移動後、再び一軸方向に走査される、つまり、従来のブラウン管テレビにおける画像形成のための走査状態と同じ状態で走査される。
【0019】
そして、この走査された光が、波長分離プリズム9、反射ミラー10を介して図2の歯4に図4、図5のごとく照射される。この照射は、図3に示す表示部12の画像からも理解されるように、歯11のX軸方向に走査され、そのX軸方向の走査時における断層画像は、図3上方の表示部13に表示される。
【0020】
図3において、この表示部13には、下方の表示部12では、発見されなかった虫歯14が断層画像で表示されている。たとえば、虫歯14は、歯11の表面では、わずかな黒シミにしか見えなかったものが、断層画像を撮れば表示部13のごとく、下方には大きく開口した状態であることが確認でき、この時には、直ちに虫歯治療を行うことになる。つまり、早期治療が可能になるものである。
【0021】
つづいて、次の瞬間には、Y軸方向にわずかに移動した状態で、再びX軸方向の走査が行われ、この時の画像は、再び表示部13に表示される。もちろん、このようにX軸方向の走査ごとに、直ちに表示部13にその断層画像を表示させなくても、後で歯科医の手操作により、画像を1枚ずつ送りながら確認することもできる。
【0022】
さて、このような画像をつくるために、波長分離プリズム9の前方に、図5、図6に示すごとく照明用の発光素子15が配置され、この発光素子15からの光は、反射ミラー10を介して歯11に照射される。この照射により、歯から反射され、光入出力開口部10aから反射ミラー10に入射した光は、再び反射ミラー10で反射され、続いて、波長分離プリズム9、内部反射ミラー28、内部反射ミラー29を経由して、カメラ16にて画像として検出され、それが、上述した表示部12に示す画像となる。
【0023】
つまり、表示部12は、現在どの歯11の断層画像を得ようとしているかということを、表示するためのものであって、この表示部12の画像を見ながら、図4および図5に示す近赤外光の走査が行われる。
【0024】
このように、図4、図5に示すように、走査された近赤外光は、波長分離プリズム9を直進し、コリメータレンズ7を通過した後、ケーブル5を介して、(図2に示すところの)制御ボックス6にもどり、ここで画像処理され、この処理後の画像が図3の表示部13に表示されている。つまり、図3は、制御ボックス6の表示部17を示している。
【0025】
ここで、制御ボックス6における画像処理について説明する。
【0026】
図7における光源18は波長掃引光源で、この光源18から出た光は分割部19で分割され、その一部がケーブル5を介して光走査部8に供給され、上述した歯4に対する上述したX軸方向とY軸方向への走査が行われるものとなる。
【0027】
また、分割部19で分割された残りの光は、参照鏡20で反射され、それが干渉部21に供給される。干渉部21では、参照鏡20で反射された光と、光走査部8、ケーブル5を介して戻った光とを干渉をさせて干渉光を生成する。この干渉光は、受光部22で電気信号に変換し、さらにこの電気信号をA/D変換した後に、その結果を断層画像用演算部23に供給する。
【0028】
断層画像用演算部23では、干渉光のA/D変換結果に対してFFT演算を行い、測定対象の断層画像情報を取得する。
【0029】
また、詳細は後述するが、口腔内挿入部2の種別判断を行う際には、口腔内挿入部種別判断部31は、断層画像用演算部23によって得られた断層画像情報により、口腔内挿入部2の種別を判断し、その結果を制御部24に供給する。
【0030】
制御部24は、口腔内挿入部2の種別に応じて光走査部8や観察画像用演算部25を制御し、図3に示す表示部12に観察画像をリアルタイムに表示させる。また、断層画像用演算部23は、制御部24で制御され、図3に示す表示部13に断層画像を表示させる。
【0031】
ここで、表示部13に断層画像を表示する際に、この断層画像の表示範囲についての説明をする。
【0032】
上述した分割部19から参照鏡20を経由して干渉部21までの光学経路長Xと、分割部19からプローブの口腔内挿入部2の光学経路の先端、つまり、プローブの光入出口を折り返して、干渉部までの光学経路長Y、との差が干渉光のスペクトラムとして現れることになる。ここで、光学経路X=Yとなる位置が、表示部13に表示される断層画像の表示開始位置となる。この表示開始位置については、後述の説明に用いることとする。
【0033】
本実施形態における光走査部8は、図4、図5、図6に示すガルバノスキャナ26により、コリメータレンズ7からの近赤外光を一軸方向(図4、図5のX方向)に走査し、前記一軸とは直交する他軸方向(図4、図5のY方向)に走査するガルバノスキャナ27を有する。
【0034】
図8はプローブ本体1の口腔内挿入部2が、口腔内に挿入された場合の断面構造を示した図である。上述したように、プローブ本体1の前方には口腔内挿入部2が設けられ、その先端には、光偏向部材である反射ミラー10が設けられ、さらには図9に示すように光透過性のカバー体である保護カバー38が口腔内挿入部2とプローブ本体1を前後に分けるようにして設けられている。
【0035】
再び図8に戻って説明するが、上述したように、プローブ本体1側から入射した光は、保護カバー38を通過し、光屈折部材である反射ミラー10によって偏向され、開口部39を通って測定対象である歯4に照射される。歯4に照射された光は、反射して再び開口部39から反射ミラー10を経由して、保護カバー38を通過し、プローブ本体1側に測定光として返っていくのである。
【0036】
このプローブの開口部39と歯4の間には、上述した断層画像の表示開始位置となる点Sが設定されている。
【0037】
この表示開始位置Sの定義について説明する。まず、図7における分割部19から参照鏡20を経由して干渉部21までの光学経路長Xと、分割部19からプローブの口腔内挿入部2を経由して干渉部までの光学経路長Yとの差が等しくなる位置が表示開始位置Sとなる。
【0038】
この表示開始位置の点から歯4の表面および、断層方向の画像を取得することになる。
【0039】
以上の説明で本実施形態における、基本的な構成及び作用が理解されたところで、以下、本実施形態における特徴点について説明をする。
【0040】
上述したように、本実施形態のプローブの口腔内挿入部2は、被測定者によって、例えば、被測定者が大人か子供かによって、その形状が異なるために、プローブ本体1に対して交換可能となるように装着されている。
【0041】
本実施形態では、このプローブ本体1に装着されている口腔内挿入部2の種別を自動的に判別できるように構成されている。
【0042】
図10は、口腔内挿入部2の種別判断の仕方を説明した図である。
【0043】
図10の(a)は、歯科用の光断層画像取得装置において、成人を対象とした奥歯観察用の口腔内挿入部2の種別であり、(b)は子供を対象とした奥歯観察用の口腔内挿入部2の種別である。
【0044】
上記のような奥歯観察用の種別においては、口腔内挿入部2の先端に反射ミラー10を設けることで奥歯を観察しやすいように照射光および測定光を偏向可能となるので、奥歯などの断層画像を取得しやすい構成としている。
【0045】
また、図10の(c)は、前歯観察用の口腔内挿入部2の種別であり、前歯を観察しやすいように、偏向させないで、直接、照射光を前歯に照射し、測定光を取り込む構成としている。
【0046】
次に、図10(a)、(b)を用いて、奥歯観察用の口腔内挿入部2の種別判断の方法について説明する。
【0047】
まず、光走査部8の照射方向を、口腔内挿入部2の種別判断光路40となるように制御し、口腔内挿入部2の開口部39の後方に設けられた照射壁41に照射する。次に、照射壁41に照射された光は、反射光となって、再び種別判断光路40を戻り、光走査部8を経由して測定光として干渉部21に取り込み、断層画像用演算部23は、この干渉光の周波数スペクトラムを求める。
【0048】
次に、図11に周波数スペクトラムを示すが、口腔内挿入部種別判断部31は、得られた周波数スペクトラムの所定の閾値42を超えた周波数ピーク43を算出し、この周波数ピーク43の周波数44から口腔内挿入部2の種別を判断する。
【0049】
図11においては、図11(a)は、図10(a)の成人用の口腔内挿入部2の周波数スペクトラムを示し、図11(b)は、図10(b)の子供用の口腔内挿入部2の周波数スペクトラムを示す。
【0050】
本発明の実施形態においては、図10(a)に示す、成人用の口腔内挿入部2と、(b)に示す、子供用の口腔内挿入部2では、長さ(図10における左右方向の長さ)は、同じであるが、高さ(図10における上下方向の長さ)が異なる。
【0051】
このような場合においては、高さの違いが、測定光の経路長の違いとなって現れるために、測定光の経路長を周波数で認識する周波数スペクトラムにおいては、この違いが上述した周波数スペクトラムの周波数ピークの周波数の差となって現れる。具体的には、経路長の短い子供用の口腔内挿入部2では、図11(b)の周波数44bとなり、この周波数44bは、経路長が子供用の口腔内挿入部2より長い成人用の口腔内挿入部2では、図11(a)の周波数44aとなり、違いが現れる。口腔内挿入部種別判断部31では、この周波数によって、口腔内挿入部2の種別を判断するのである。
【0052】
次に、図10の(c)に示す、前歯観察用の口腔内挿入部2の種別判断の方法について説明する。
【0053】
光走査部8の照射方向を、口腔内挿入部2の種別判断光路40となるように制御し、口腔内挿入部2の後方開口部45周辺に設けられた照射壁46に照射する。次に、照射壁46に照射された光は、反射光となって、再び種別判断光路40を戻り、光走査部8を経由して測定光として干渉部21に取り込み、断層画像用演算部23は、この干渉光の周波数スペクトラムを求める。
【0054】
この周波数スペクトラムを図11の(c)に示す。
【0055】
図11(c)の周波数スペクトラムでは、周波数ピークが存在しない。これは、照射壁46の位置が、干渉範囲外の設けられているためである。この干渉範囲は、光源18から出力される光のコヒーレンス長によって決められるものであり、本実施形態における干渉範囲は、図8の表示開始位置Sを中心に±10mmの範囲となっている。
【0056】
つまり、図10の(c)に示す、前歯観察用の口腔内挿入部2の種別判断は、口腔内挿入部の種別判断時の測定光の経路長が干渉範囲外であることを検出して種別判断を行うのである。
【0057】
すなわち、本発明の実施の形態の光断層画像取得装置では、プローブの光走査部8は、光を前記口腔内挿入部2本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、その測定光から得られた干渉光の断層画像用演算部23の演算結果より口腔内挿入部2の種別を判断するので、装置が備えていた断層画像取得機能を用いて、口腔内挿入部2の種別を判断可能となり、スイッチ等の電気的、あるいは、機構的な検知部を設ける必要がないため、プローブを小型化することが可能となるのである。
【0058】
次に、この種別判断をいつ行うかについて説明する。
【0059】
図12に種別判断の開始時期を示すフローチャートを示す。
【0060】
まず、システム起動後において、測定開始要求があるかないかを判断を行い(S1)、次に、測定開始要求があった場合には、上述した口腔内挿入部2の種別判断を実施し(S2)、次に、その種別に応じた、設定を行い(S3)、次に測定対象の断層画像測定を行い(S4)、測定を終了する(S5)。
【0061】
このように、測定を行うごとに、口腔内挿入部2の種別判断を実施すると、電源OFF時、あるいは、非測定時において、使用者が口腔内挿入部2を交換した場合においても、測定時の口腔内挿入部2の種別に応じた適切な測定が可能となる。
【0062】
さらには、電源ON時には、口腔内挿入部2の交換不能とするロック機構等を設けることにより、口腔内挿入部2の種別判断を電源投入時にのみ実施することも可能となり、システムの設計が簡単になる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように本発明は、 以上のように本発明は、光源と、この光源から出た光を分割する分割部と、この分割された一方の光を、光走査部によって照射方向を変えながら口腔内挿入部から測定対象に向けて照射し、その測定対象からの反射光を、前記口腔内挿入部から前記光走査部を経由して測定光として取り込むブローブと、前記分割部によって分割された他方の光を反射する参照鏡と、この参照鏡から反射された光と、前記プローブが取り込んだ測定光と、を干渉させて干渉光を生成する干渉部と、この干渉部で生成された干渉光を演算処理して測定対象の断層画像情報を生成する断層画像用演算部と、を備え、前記プローブは、プローブ本体と、このプローブ本体に着脱自在に装着した口腔内挿入部と、により構成し、前記プローブ本体内に設けた光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この口腔内挿入部本体からの反射光を測定光として取り込むよう制御し、前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断する口腔内挿入部種別判断部を設けたものであるので、プローブを小型化することができる。
【0064】
すなわち、本発明の光断層画像取得装置では、前記プローブの光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この口腔内挿入部本体からの反射光を測定光として取り込むよう制御し、その測定光から得られた干渉光の前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断するので、装置が備えていた機能を用いて、口腔内挿入部の種別を判断可能となり、スイッチ等の電気的、あるいは、機構的な検知部を設ける必要がないため、プローブを小型化することが可能となるのである。
【0065】
したがって、たとえば、歯科用光断層画像取得装置として、広く活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 プローブ本体
2 口腔内挿入部
3 口腔
4 歯
5 ケーブル
6 制御ボックス
7 コリメータレンズ
8 光走査部
9 波長分離プリズム
10 反射ミラー
11 歯
12 表示部
13 表示部
14 虫歯
15 発光素子
16 カメラ
17 表示部
18 光源
19 分割部
20 参照鏡
21 干渉部
22 受光部
23 断層画像用演算部
24 制御部
25 観察画像用演算部
26 ガルバノスキャナ
27 ガルバノスキャナ
28 内部反射ミラー
29 内部反射ミラー
30 光入出力部マウントスクリュー
31 口腔内挿入部種別判断部
38 保護カバー
39 開口部
40 種別判断光路
41 照射壁
42 閾値
43 周波数ピーク
44、44a、44b 周波数
45 後方開口部
46 照射壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、この光源から出た光を分割する分割部と、この分割された一方の光を、光走査部によって照射方向を変えながら口腔内挿入部から測定対象に向けて照射し、その測定対象からの反射光を、前記口腔内挿入部から前記光走査部を経由して測定光として取り込むプローブと、前記分割部によって分割された他方の光を反射する参照鏡と、この参照鏡から反射された光と、前記プローブが取り込んだ測定光と、を干渉させて干渉光を生成する干渉部と、この干渉部で生成された干渉光を演算処理して測定対象の断層画像情報を生成する断層画像用演算部とを備え、
前記プローブは、プローブ本体と、このプローブ本体に着脱自在に装着した口腔内挿入部と、により構成し、前記プローブ本体内に設けた光走査部は、光を前記口腔内挿入部本体に照射し、この反射光を測定光として取り込むよう制御し、前記断層画像用演算部の演算結果より口腔内挿入部の種別を判断する口腔内挿入部種別判断部を設けた光断層画像取得装置。
【請求項2】
前記断層画像用演算部が断層画像情報を出力する表示部を備えた請求項1に記載の光断層画像取得装置。
【請求項3】
前記口腔内挿入部種別判断部は、光断層画像取得装置の電源投入後に口腔内挿入部の種別判断を実施する構成とした請求項1または2に記載の光断層画像取得装置。
【請求項4】
前記口腔内挿入部種別判断部は、測定開始時に口腔内挿入部の種別判断を実施する構成とした請求項1から3のいずれか一つに記載の光断層画像取得装置。
【請求項5】
前記口腔内挿入部本体には、この種別判断のために光を照射する照射壁を開口部周辺に設けた請求項1から4のいずれか一つに記載の光断層画像取得装置。
【請求項6】
前記口腔内挿入部種別判断部は、口腔内挿入部の種別判断時の測定光の経路長によって種別判断を行う請求項1から5のいずれか一つに記載の光断層画像取得装置。
【請求項7】
前記口腔内挿入部種別判断部は、口腔内挿入部の種別判断時の測定光の経路長が干渉範囲外であることを検出して種別判断を行う請求項1から5のいずれか一つに記載の光断層画像取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−130477(P2012−130477A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283995(P2010−283995)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】