説明

光断層画像撮像装置及びその制御方法

【課題】光干渉を利用した光断層画像撮像装置によって得られる2次元断層像を用いた3次元断層画像の生成において被検眼の移動による断層画像の変動を高精度に補正する。
【解決手段】光の干渉を用いて眼底の断層画像を撮像する光断層画像撮像装置は、計測光を第1の方向に走査することで計測光の光軸方向に沿った断層情報が第1の方向に沿って並ぶ2次元断層画像を取得し、当該走査を第1の方向と異なる第2の方向へ移動させながら繰り返して3次元断層画像を形成するための複数の2次元断層画像を取得する。このとき、N個の2次元断層画像ごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、2次元断層画像の撮像に同期して2次元眼底画像が取得される。そして取得された2次元眼底画像から抽出した特徴点の2次元眼底画像での変動を補正する補正量を算出し、この補正量で当該2次元眼底画像に同期したN個の2次元断層画像を形成する断層情報の位置を補正し3次元断層画像を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の断層画像を撮像する光断層画像撮像装置及びその制御方法に関し、特に眼科診療等に用いられる低コヒーレント光干渉光学系を有する光断層画像撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、眼科用機器として、様々な光学機器が使用されている。中でも、眼を観察する光学機器として、
・前眼部撮影機、
・眼底カメラ、
・共焦点レーザ走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)、
・低コヒーレント光による光干渉を利用した光断層画像撮像装置である光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)等、様々な機器が使用されている。
【0003】
特に、この低コヒーレント光による光干渉を利用した光断層画像撮像装置は、眼底の断層画像を高解像度に得る装置であり、現在、網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつある。以下、このような光断層画像撮像装置を、OCT装置と記す。
【0004】
OCT装置は低コヒーレント光を、網膜に代表されるサンプルに照射し、そのサンプルからの反射光を干渉計を用いることで、高感度に測定する装置である。また、OCT装置は低コヒーレント光を、サンプル上にスキャンすることで、断層画像を得ることができる。特に、網膜の断層画像は眼科診断に広く利用されている。
【0005】
ところで、OCT装置により断層画像を撮像する際に、連続的に複数の断層画像を取得することによって、眼底網膜の3次元構造の画像を取得することができる。しかしながら、3次元構造の画像の取得においては、複数の断層画像をスキャンしながら撮像するため、1断層像の取得に比べて撮像時間が長くなる。そのため、撮像中に眼球が動いた場合、取得する画像に変形または変位を生じることとなる。被検者が一点を見続けているつもりでも、固視微動と呼ばれる不随意的な眼球運動により、常に眼球は動いており、結果として、撮像位置の変位が起こってしまう。このような課題に対して、特許文献1においては、OCT装置による3次元断層画像を深さ方向に積算して作成した画像を用いて、別手段により撮影された、眼底表面の2次元画像に対して位置合わせし、ずれを補正することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007―130403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、OCT装置を用いて網膜の3次元構造の画像を取得する際、撮像中に被検眼が動いた場合に眼底表面像に対する位置合わせをすることによって、ずれ補正をすることは特許文献1に示されている。しかしながら、OCT装置の高解像度化、高再現性への要望の高度化によって、より高精度なずれ防止が望まれている。眼球運動は、視線の方向の動きの2方向だけではなく、眼球の視軸周りに眼球が回転する回旋運動も存在する。すなわち、3自由度を持った動きとなっている。特許文献1では、各断層画像毎の(走査毎の)上記3自由度の変化は、考慮されていない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光干渉を利用した光断層画像撮像装置によって得られる断層画像を用いた3次元断層画像の生成において、撮像中の被検眼の移動による断層画像の変動をより高精度に補正可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の一態様による光断層画像撮像装置は以下の構成を備える。すなわち、
計測光と参照光の干渉を用いて眼底の断層画像を撮像する光断層画像撮像装置であって、
前記計測光を第1の方向に走査することにより前記計測光の光軸方向に沿った断層情報が前記第1の方向に沿って並ぶ断層画像を取得し、前記第1の方向への走査を前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移動させながら繰り返すことで3次元断層画像を形成するための複数の断層画像を取得する第1取得手段と、
N個の前記断層画像ごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、前記第1取得手段における断層画像の撮像に同期して2次元眼底画像を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段で取得された2次元眼底画像から特徴点を抽出し、当該特徴点の2次元眼底画像での変動を補正するための補正量を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された2次元眼底画像の補正量を用いて当該2次元眼底画像に同期した前記N個の断層画像における前記断層情報の位置を補正して3次元断層画像を生成する生成手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光干渉を利用した光断層画像撮像装置により得られる断層画像を用いた3次元断層画像の生成において、撮像中の被検眼の移動による断層画像の変動をより高精度に補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第一実施形態の光断層画像撮像装置の光学系の構成図。
【図2】第一実施形態の光断層画像撮像装置の制御部のブロック図。
【図3】第一実施形態の光断層画像撮像装置のスキャナ走査信号波形を示す図。
【図4】実施形態による画像補正を説明するための概念図。
【図5】第一実施形態による補正処理を示すフローチャート。
【図6】第二実施形態による光断層画像撮像装置の光学系の構成図。
【図7】第二実施形態による光断層画像撮像装置の制御部のブロック図。
【図8】第二実施形態による光断層画像撮像装置のスキャナ走査信号波形を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第一実施形態]
本実施形態の光断層画像撮像装置は、第1の方向に沿った断層画像の撮像を第2の方向に沿ってその撮像位置を移動させながら繰り返して複数の断層画像を取得する第1取得部と、2次元眼底画像を取得する第2取得部と、これらを制御する制御部とを有する。本実施形態では、このような第1取得部としてOCT撮像部が、第2取得部としてSLO撮像部が用いられる。以下、各構成について詳細に説明する。
【0013】
<OCT撮像部光学構成>
本実施形態の第1取得部としてのOCT撮像部の光学構成を図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態における光断層画像撮像装置の光学系の構成図となっている。低コヒーレント光源115としては、SLD光源(Super Luminescent Diode)や、ASE光源(Amplified Spontaneous Emission)などが用いられる。なお、SS光源(SweptSource)を用いることもでき、その場合は、図1の構成とは異なり、全体構成をSS−OCTの形態とする必要があるが、そのような構成は当業者には明らかである。低コヒーレント光源115が生成する低コヒーレント光としては、眼底撮像に好適な、850nm近傍および1050nm近傍のいずれかの波長の光が用いられる。本実施形態においては、中心波長840nm、波長半値幅45nmのSLD光源が用いられるものとする。
【0014】
低コヒーレント光源115から出射される低コヒーレント光がファイバを経由して、ファイバカプラ110に入り、計測光と参照光に分けられる。ここではファイバを用いた干渉計構成を記載しているが、空間光光学系でビームスプリッタを用いた構成としてもかまわない。
【0015】
計測光は、ファイバ109を介して、ファイバコリメータ108から平行光となって出射される。さらに計測光は、OCTスキャナ(Y)107、リレーレンズ106、105を経由し、さらにOCTスキャナ(X)104を通り、ダイクロイックビームスプリッタ103を透過しスキャンレンズ102、接眼レンズ101を通り被検眼100に入射する。ここで、OCTスキャナ(X)104およびOCTスキャナ(Y)107には、ガルバノスキャナが用いられる。被検眼100に入射した計測光は、網膜で反射し、同一光路を通りファイバカプラ110に戻る。なお、本実施形態では、X方向、Y方向を図1に示すように設定している。計測光と参照光から得られる干渉光により光軸方向に沿うZ方向の断層情報(Aスキャン画像)が得られる。そして、OCTスキャナ(X)104によるX方向への走査により、断層情報(Aスキャン画像)がX方向に並ぶ、X−Z面の2次元断層画像であるBスキャン画像が得られる。そして、OCTスキャナ(Y)107によるY方向への走査により、Y方向に並ぶ複数のBスキャン画像が取得され、これらを接続することで3次元断層画像が得られることになる。
【0016】
参照光は、ファイバカプラ110からファイバコリメータ116に導かれ、平行光となり出射される。ファイバコリメータ116より出射された参照光は、分散補正ガラス117を通り、光路長可変ステージ118に設けられた参照ミラー119により反射される。参照ミラー119により反射された参照光は、同一の光路をたどり、ファイバカプラ110に戻る。
【0017】
ファイバカプラ110に戻ってきた計測光および参照光は、ファイバカプラ110により合波され、ファイバコリメータ111に導かれる。ここでは合波された光を干渉光と呼ぶ。ファイバコリメータ111、グレーティング112、レンズ113、ラインセンサ114によって、分光器が構成されている。干渉光は、分光器によって、波長毎の強度情報となって計測される。すなわち、本実施形態のOCT撮像部は、スペクトラルドメイン方式となっている。
【0018】
<SLO撮像部光学構成>
つづいて、第2取得部としてのSLO撮像部の光学構成を同じく図1を用いて説明する。
【0019】
レーザ光源129は、半導体レーザやSLD光源が好適に用いることができる。なお、レーザ光源129の波長は、波長分離手段であるダイクロイックビームスプリッタ103によって低コヒーレント光源115が出力する光の波長と分離できる波長であればよい。但し、眼底観察像の画質として、700nm〜1000nmの近赤外の波長域が好適に用いられる。本実施形態においては、レーザ光源129として波長760nmの光を出力する半導体レーザが用いられる。
【0020】
レーザ光源129から出射されたレーザはファイバ128を介して、ファイバコリメータ127から平行光となり、シリンダーレンズ126に入射する。シリンダーレンズ126は、入射された平行光をX方向に広がるライン状のビームを出力する。本実施形態ではシリンダーレンズを用いているが、ラインビーム生成可能な光学素子であれば特に制約はなく、パウエルレンズや回折光学素子を用いたラインビームシェイパーを用いることができる。
【0021】
シリンダーレンズ126でX方向に延びるライン状に広げられたビーム(SLOビーム)は、リレーレンズ125、124によって、リングミラー123の中心を通り、リレーレンズ121、122を通り、SLOスキャナ(Y)120に導かれる。SLOスキャナ(Y)120は、ガルバノスキャナを用いている。さらにダイクロイックビームスプリッタ103で反射され、スキャンレンズ102と接眼レンズ101を通り、被検眼100に入射する。ダイクロイックビームスプリッタ103は、OCTビーム(OCT撮像部の計測光)を透過し、SLOビームを反射するように構成しておく。本実施形態においては、800nm以上を透過し、770nm未満の波長を反射する膜構成のものを用いる。
【0022】
被検眼100に入射したSLOビームは、被検眼の眼底に、X方向に延びるライン状のビーム(ラインビーム)で照射される。このライン状のビームが、被検眼の眼底で反射あるいは散乱され、同一光路をたどり、リングミラー123まで戻る。リングミラー123の位置は、被検眼の瞳孔位置と共役になっており、眼底に照射されているラインビームが後方散乱した光のうち、瞳孔周辺部を通った光が、リングミラー123によって反射され、レンズ130によりラインセンサ131上に結像する。本構成では、ラインビームを用いるラインスキャンSLO構成でSLO撮像部を記載したが、当然ながら、フライングスポットSLOで構成しても構わない。この場合、レーザ光源129からの光をX,Y方向へスキャンさせることになる。
【0023】
<制御部構成>
本実施形態の光断層画像撮像装置の制御部の構成を図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る光断層画像撮像装置の制御部のブロック図である。
【0024】
201は中央演算装置(以下、CPU)であり、表示装置202、固定ディスク203、主記憶装置204、ユーザインターフェース205、フォーカスモータドライバ206、OCTステージコントローラ207に接続されている。さらに、CPU201は、走査波形を生成する制御波形生成器208と接続され、制御波形生成器208を経由して、OCTスキャナドライバ(X)209とOCTスキャナドライバ(Y)210、SLOスキャナドライバ(Y)211を制御する。なお、CPU201には、OCT撮像部のラインセンサ114として、OCTラインセンサカメラ212が接続され、SLO撮像部のラインセンサ131としてSLOラインセンサカメラ213が接続されている。
【0025】
さらに、制御部による各スキャナを制御するためのスキャナ走査信号波形を、図3を用いて説明する。OCTスキャナ(X)104を制御するためのOCT(X)走査信号301は、図示されるような、三角波となっている。OCTスキャナ(Y)107を制御するためのOCT(Y)走査信号302は、OCT(X)走査信号301の1周期毎に走査位置を順次ずらしていくような、ステップ信号となっている。OCTスキャナ(X)104とOCTスキャナ(Y)107によるOCTビームの走査によって、3次元のOCT撮像を行う。これらの走査信号により、低コヒーレント光源115からの光(OCTビーム)を第1の方向(X方向)に走査して行われる第1の方向に沿った2次元断層画像の撮像が、第1の方向と異なる第2の方向(Y方向)へ、その撮像位置を移動させながら繰り返される。こうして、3次元断層画像を形成するための複数の2次元断層画像(Bスキャン画像)を取得する第1取得処理が行われることになる。本実施形態では、このようにして得られた断層画像の位置を、当該断層画像の撮像に同期して取得されたSLO画像から検出した眼球の変動に基づいて補正し、高精度な3次元断層画像を得る(詳細は後述する)。なお、本実施形態ではOCT(Y)107の走査量を3次元データを取得するために、ある一定の振幅でステップ駆動を実施した。しかしながら、OCT(Y)107の走査量、すなわちOCT(Y)走査信号302の振り幅を0(ゼロ)として、同一部位を繰り返し撮像する構成にしても構わない。その場合、同一位置の複数のBスキャン画像が得られる。この目的は同一部位のBスキャン画像を繰り返し取得し、取得した画像を加算平均することによって高画質なBスキャン画像を得ることである。この際にSLO画像から求めた眼球の変動量がある一定の閾値を超えていた場合、変動量が閾値を超えたときのBスキャン画像は加算平均しない処理をすることにより、より高画質なBスキャン画像を得ることができる。
【0026】
SLOスキャナ(Y)120を制御するためのSLO(Y)走査信号303は、OCT(X)走査信号301と同一の走査波形となっている。すなわち、OCTスキャナ(X)104が1つのBスキャン画像を撮像するために1走査する間に、SLOスキャナ(Y)120が1走査され、1つのSLO画像が取得されるように制御されている。それぞれ、走査の軸は異なるが、Bスキャン走査時間とSLO走査時間が同一になるように波形が構成されている。これらの画像の取得のためのラインセンサ114(212)、131(213)のための同期信号がトリガ信号304である。このトリガ信号304の立ち上がりによって、OCT用のラインセンサ114およびSLO用のラインセンサ131の双方によるデータ取得が行われる。このようにして、第2取得部としてのSLO撮像部は、第1取得部としてのOCT撮像部により1個の断層画像が取得されるごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、OCT撮像部による断層画像の撮像に同期して2次元眼底画像を取得する。
【0027】
OCT画像およびSLO画像にそれぞれ必要な解像度もしくは画素数、走査速度との関係で、それぞれのラインセンサに必要な読み出し周波数を設定しておく。実際の撮像に際しては、被検眼に対して、フォーカス調整や、眼底の断層画像表示位置調整が実施される。このとき、CPU201は、フォーカスモータドライバ206によって、フォーカス調整する。フォーカス調整は、接眼光学系の移動によって実施される。フォーカス調整に際しては、検者(操作者)が表示装置202に表示されるSLO画像のコントラストを確認しながらユーザインターフェース205を操作する。すなわち、フォーカス調整はマニュアルで行われる。また、眼底断層画像の表示位置調整に関しては、同様に図2の表示装置202で検者が確認しながら、OCTステージコントローラ(Z)207により、光路長可変ステージ118を動作させることにより実現する。動作指示は、ユーザインターフェース205から入力する。これらの調整の完了後に、図2のユーザインターフェース205より、撮像指示を行う。
【0028】
検者により撮像指示が行われると、図3に示した、3次元走査波形を図2の制御波形生成器208により生成させ、3次元走査波形を作る。そして、3次元の画像を形成するための複数のBスキャン画像(X方向に沿った断層画像)とそれぞれのBスキャン画像に対応するSLO画像(2次元眼底画像)が収録される。収録に際しては、図3のトリガ信号304の立ち上がりに応じて、OCTラインセンサカメラ212から断層画像を、SLOラインセンサカメラ213から2次元眼底画像を取得し、収録する。図3の305は、OCTのBスキャン画像およびSLO画像の画像収録時間をあらわしており、矢印の範囲の時間でデータを収録している。データ収録時には随時、CPU201によって、OCTラインセンサカメラ212およびSLOラインセンサカメラ213による収録データを固定ディスク203に保存する。こうして固定ディスク203には、断層画像(Bスキャン画像)とこれに同期して取得された2次元眼底画像(SLO画像)が対応づけて収録される。以上で、画像取得が完了する。
【0029】
<画像補正時処理>
次に、取得した画像の補正時の処理を図4、図5を用いて説明する。図4は本実施形態の画像補正について説明するための図である。SLO画像401は、SLO撮像部によって撮像された眼底の2次元画像(2次元眼底画像)である。SLO画像401から、眼球運動を計測するための特徴点402〜405を抽出する。これらの特徴点を用いて画像補正を行う。特徴点として、例えば血管交差部や、血管分岐部を用い、これらを含む領域を抽出する。本実施形態においては、SLO画像の中心を基準にしたときに、各象限に特徴点があるように4点設定している。この特徴点を抽出するSLO画像を基準SLOとする。基準SLOは、事前に取得したSLO画像を用いていもよいし、3次元断層画像を構成するBスキャン画像に対応するSLO画像の中から選択(たとえば、1枚目のSLO画像を選択)してもよい。また、ここでは、4点の特徴点を用いたが、かならずしも4点である必要はなく、同一直線上にない、3点以上であればよい。
【0030】
図5は、本実施形態の補正処理を示すフローチャートである。なお、以下の各処理は、CPU201によって実行される。
【0031】
ステップ501において、CPU201は、上述した撮影動作により、複数のBスキャン画像と、それぞれに対応する複数の2次元眼底画像を収録する。ステップ502では、CPU201は、基準とするSLO画像から、図4の特徴点402〜405に相当する複数の特徴点を抽出する。基準とするSLO画像上での特徴点座標を記憶しておく。具体的には、基準座標、特徴点の座標(XiRef,YiRef)(iは、特徴点の番号)である基準位置、特徴点の形状を記憶する。
【0032】
ステップ503で、CPU201はBスキャン画像と同時に取得したSLO画像中ですべての特徴点の位置(Xi,Yi)を求める。特徴点の位置の検出には、例えば上記特徴点の形状を用いた周知のパターンマッチング処理を適用することができる。ステップ504で、CPU201は1つのBスキャン画像の補正量を求める。具体的には、各特徴点の変位をもとに式1により写像の座標を求め、求めた座標と取得済み特徴点の画像座標との差が最小になるような線形補正量を算出する。線形補正量は、以下の線形写像式における変倍率(Magnification)、回転量(θ)、平行移動量(ShiftX、ShiftY)のそれぞれを、最小二乗法(式2を最小にする補正量を求める)により求める。
【0033】
【数1】

【数2】

(但し、nは特徴点数)
【0034】
すなわち、n個の特徴点の移動量を最小の誤差で表現できる線形補正量を求めていることになる。ステップ505で、CPU201は、求めた線形補正量を用いて、ズレを考慮したBスキャン画像の取得位置を求める(式3)。
【0035】
【数3】

【0036】
眼球運動がないと仮定したときの、Bスキャン画像を構成するAスキャン画像の位置を(X,Y)とすると、式3によって、Bスキャン画像の取得時の補正量を適用した位置が求められる。ここではBスキャン画像を構成するすべてのAスキャン画像の位置を、対応する2次元眼底画像について算出された補正量を適用して求める。ステップ506で、全てのBスキャン画像について処理したか否かを確認し、未処理のBスキャン画像があれば、ステップ503にもどり、次のBスキャン画像の処理を実施する。すべてのBスキャン画像について、上述した処理を繰り返し実行すると、3次元断層データを構成するBスキャン画像の取得時の眼球位置に基づいた位置に補正をすることができる。すべてのBスキャン画像の補正処理が終了した場合は、ステップ507において、補正されたBスキャン画像を用いて3次元断層画像を生成する。こうして、3次元断層画像を形成する複数のBスキャン画像の各々と同期して取得された2次元眼底画像を元に、複数のBスキャン画像の相対位置が調整され、3次元断層画像が生成される。このため、3次元ずれに関して高精度な補正が可能となる。
【0037】
以上説明した実施形態では、すべてのBスキャン画像を有効としたが、各Bスキャン画像の補正量(Magnification,θ,ShiftX,ShiftY)が、一定の閾値を越える場合、当該Bスキャン画像を使用しないようにしても良い。補正量が一定の閾値を越せる場合とは、例えば、大きな眼球運動があったことを示していると考えられる。なお、この判定は、基準画像からの変動ではなく、各Bスキャン画像の前の画像(直前のBスキャン画像や所定走査数だけ過去のBスキャン画像)と比較して、補正量がある一定の閾値を超えるか否かにより行われても良い。本処理を加えることによって、1つのBスキャン画像中にマイクロサッケード等の大きな眼球運動があった場合にも適切にデータを省くことが可能となる。
【0038】
また、1枚のBスキャン画像に対して1枚の2次元眼底画像を取得して補正量を取得したが、2枚以上のBスキャン画像に対して1枚の2次元眼底画像を取得するようにしても良い。すなわち、N枚のBスキャン画像に対して1枚の2次元眼底画像を取得して補正量を取得し、この補正量に基づいて当該N枚のBスキャン画像を補正するようにしてもよい。このとき、N枚のBスキャン画像に適用する補正量をどのように決定するかは種々の方法が考えられる。たとえばN枚のBスキャン画像のいずれか1枚と同期してSLO撮像部に2次元眼底画像を取得させ、取得した2次元眼底画像から上述した方法で補正量を算出して、当該N枚のBスキャン画像の全てにこれを適用しても良い。ここで、N枚のBスキャン画像のいずれか1枚とは、N枚のBスキャン画像の先頭のBスキャン画像とすることができる。更に、N枚のBスキャン画像を取得する期間をSLOビームの一走査期間として、N枚のBスキャン画像に対して1枚の2次元眼底画像を取得し、当該N枚のBスキャン画像に対する補正量をこの1枚の2次元眼底画像から得るようにしてもよい。
【0039】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態における光断層画像撮像装置について説明する。
【0040】
<OCT撮像部光学構成>
第二実施形態のOCT撮像部を、図6を用いて説明する。低コヒーレント光源618には、たとえば、中心波長840nm、波長半値幅45nmのSLD光源(Super Luminescent Diode)が用いられる。低コヒーレント光源618から出射された低コヒーレント光はファイバを経由して、ファイバカプラ613に入り、計測光と参照光に分けられる。
【0041】
計測光は、ファイバ612を介して、ファイバコリメータ611から平行光となって出射され、スキャナ(Y)610、ダイクロイックビームスプリッタ609、リレーレンズ608、607、リングミラー606、リレーレンズ605、604を通る。さらに、計測光はスキャナ(X)603を通り、スキャンレンズ602、接眼レンズ601を通り、被検眼600に入射する。被検眼600に入射した計測光は、網膜で反射し、同一光路を通りファイバカプラ613に戻る。スキャナ(Y)610を動かすことによって、計測光は、被検者が正立しているとしたときの鉛直方向(Y方向)に走査される。スキャナ(X)603を動かすことによって、計測光は、被検者が正立しているとしたときの水平方向(X方向)に走査される。
【0042】
参照光は、ファイバカプラ613からファイバコリメータ619に導かれ、平行光となり照射される。照射された参照光は、分散補償ガラス620を通り、光路長可変ステージ621上の参照ミラー622により反射される。参照ミラー622により反射された参照光は、同一の光路をたどり、ファイバカプラ613に戻る。
【0043】
ファイバカプラ613に戻ってきた計測光および参照光は、ファイバカプラ613により合波され、ファイバコリメータ614に導かれる。ここでは合波された光を干渉光と呼ぶ。ファイバコリメータ614、透過型回折格子615、レンズ616、ラインセンサ617によって、分光器が構成されている。干渉光は、分光器によって、波長毎の強度情報となって計測される。
【0044】
<SLO撮像部光学構成>
SLO撮像部の光学構成を同じく図6を用いて説明する。レーザ光源628は、波長760nmの半導体レーザを用いている。レーザ光源628から出射されたレーザ光はファイバ627を介して、ファイバコリメータ626から平行光となって出射され、シリンダーレンズ625に入射する。レーザ光は、シリンダーレンズ625でY方向へ延びるライン状に広げられ、ダイクロイックビームスプリッタ609によって、反射される。このダイクロイックビームスプリッタ609には、800nm以上の波長を透過し、770nm未満の波長を反射する様な膜構成のものが用いられる。ダイクロイックビームスプリッタ609によって反射されたビームは、リレーレンズ608、607を通り、リングミラー606の中心部を通り、さらにリレーレンズ605、604を通り、OCT撮像部と共用されている、スキャナ(X)603を通る。そして、このビームは、スキャンレンズ602、接眼レンズ601を経由して、被検眼600に入射する。こうして、OCT撮像部とSLO撮像部は、スキャナ(X)を共通の走査機構として用いて、X方向への走査を行うことになる。
【0045】
被検眼600の眼底には、鉛直方向(Y)方向に伸びるラインビームとして投影されている。被検眼600の眼底にて、反射、散乱されたビームは、同一の光路をたどり、リングミラー606まで戻る。リングミラー606は、被検眼の瞳孔位置と共役になっており、眼底に照射されているラインビームが後方散乱した光のうち、瞳孔周辺部を通った光が、リングミラー606によって反射され、レンズ623によりラインセンサ624上に結像する。以上のように、本実施形態のSLOは、ラインビームを用いるラインスキャンSLO構成となっている。ここで、第二実施形態では、スキャナ(X)603をSLO撮像部とOCT撮像部で共用している。そのため、被験者が正立しているときの鉛直軸方向(Y方向)に伸びるSLO撮像部のラインビームとOCT撮像部の計測光のビームが、X方向に確実に同期して走査されることになる。なお、SLO撮像部のラインビームとOCT撮像部の計測光のラインビームは、かならずしも同じX座標に位置しなくてもよく。X方向にずれていても構わない。言い換えると、SLO撮像部のラインビームとOCT撮像部のラインビームの走査時間が同期できていれば十分である。
【0046】
<制御部構成>
つづいて、制御部の構成について図7を用いて用いて説明する。図7は、本実施形態における光断層画像撮像装置の制御部のブロック図である。
【0047】
中央演算装置(以下、CPU)701は、表示装置702、固定ディスク703、主記憶装置704、ユーザインターフェース705と接続されている。さらに、CPU701は、フォーカスモータドライバ706と、OCTステージコントローラ707と接続されている。CPU701は、さらに走査波形を生成する制御波形生成器708と接続され、制御波形生成器708を経由して、スキャナドライバ(X)709とスキャナドライバ(Y)710を制御する。OCT撮像部のラインセンサ617として、OCTラインセンサカメラ711が接続され、SLO撮像部のラインセンサ624としてSLOラインセンサカメラ712が接続されている。
【0048】
続いて、第二実施形態による撮像時の制御方法を、図7および図8を用いて説明する。眼底の3次元画像の撮像時には、図8に示される制御波形を用いることにより各スキャナを制御する。
【0049】
OCT撮像部の計測ビームとSLO撮像部のビームをX方向に走査させるためのスキャナ(X)603を制御するためのOCT(X)走査信号801は、図8に示されるような、三角波となっている。OCT撮像部の計測ビームをY方向に変位させるためのスキャナ(Y)610を制御するためのスキャナ(Y)走査信号802は、スキャナ(X)走査信号801の1周期毎に走査位置を順次ずらしていくような、ステップ信号となっている。スキャナ(X)603とスキャナ(Y)610によるビームの走査によって、3次元のOCT撮像を行うことができる。またSLO画像は、スキャナ(X)603の走査によって、Bスキャン画像と同期して取得される。これらの取得のための各ラインセンサのための同期信号が、トリガ信号803であり、このトリガ信号803の立ち上がりによって、OCT用のラインセンサ617およびSLO用のラインセンサ624の双方によるデータ取得が行われる。このようにして、第2取得部としてのSLO撮像部は、第1取得部としてのOCT撮像部により1個の断層画像が取得されるごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、OCT撮像部による断層画像の撮影に同期して2次元眼底画像を取得する。
【0050】
OCTラインセンサ617およびSLOラインセンサ624には、OCT画像およびSLO画像にそれぞれ必要な解像度もしくは画素数、走査速度との関係で必要な、読み出し周波数が設定されている。実際の撮像に際しては、被検眼600に対して、フォーカス調整や、眼底の断層画像表示位置調整が実施される。このときは、フォーカスモータドライバ706によって、接眼光学系が移動され、フォーカス調整が行われる。フォーカス調整に際しては、検者が表示装置702に表示されるSLO画像のコントラストを確認しながらユーザインターフェース705を操作する。また、眼底断層画像の表示位置調整に関しては、同様に図7の表示装置702を検者が確認しながら、図7のOCTステージコントローラ(Z)707により、図6の光路長可変ステージ621を動作させることにより実現する。動作指示は、ユーザインターフェース705から入力する。検者は、これらの調整の完了後に、ユーザインターフェース705より、撮像指示を行う。
【0051】
撮像指示が行われると、CPU701は、図8に示した3次元走査波形を制御波形生成器708により生成させ、3次元断層画像を生成するための複数のBスキャン画像とそれぞれのBスキャン画像に対応するSLO画像を収録する。収録に際しては、トリガ信号803の立ち上がりを元に、OCTラインセンサカメラ711(617)、SLOラインセンサカメラ712(624)がそれぞれ撮像を行ってデータを収録する。図8の804は、OCT撮像部のBスキャン画像およびSLO撮像部のSLO画像の収録時間をあらわしており、矢印の範囲の時間でデータを収録している。データ収録時には随時、CPU701によって、OCTラインセンサカメラ711およびSLOラインセンサカメラ712による収録データを固定ディスク703に保存する。以上で、画像取得が完了する。なお、第一実施形態と同様に、固定ディスク703には、断層画像(Bスキャン画像)とこれに同期して取得された2次元眼底画像(SLO画像)が対応づけて収録される。
【0052】
<画像補正時処理>
つづいて、第二実施形態による画像の補正について説明する。第二実施形態による画像の補正時の処理を、第一実施形態で用いた図4、図5を用いて説明する。第二実施形態では、線形写像式において、回転及び倍率を、第1の方向(X方向)と第2の方向(Y方向)の2軸に分けて算出する。なお、以下の各処理は、CPU701により実行される。
【0053】
ステップ501では、図6〜図8を用いて説明した処理により、複数のBスキャン画像と2次元眼底画像(SLO画像)が固定ディスク703に収録される。ステップ502では、CPU701は、基準とするSLO画像から、図4の特徴点402〜405に相当する複数の特徴点を抽出し、基準とするSLO画像上での特徴点座標を保管しておく。具体的には、基準座標、特徴点の座標(XiRef,YiRef)(iは、特徴点の番号)、特徴点の形状を記憶する。
【0054】
ステップ503で、CPU701は、Bスキャンと同時に取得したSLO画像中ですべての特徴点の位置(Xi,Yi)を求める。ステップ504で、CPU701は、1つのBスキャン画像の補正量を求める。より具体的には、各特徴点の変位をもとに式4により写像の座標を求め、求めた座標と取得済み特徴点の画像座標との差が最小になるような、線形補正量を求める。線形補正量は、回転量θx、θy、変倍量MagnificationX、MagnificationY、平行移動量ShiftX、ShiftYであり、CPU701はそれぞれを最小二乗法(式5が最小となるような線形補正量を求める)により求める。
【0055】
【数4】

【数5】

(但し、nは特徴点数)
【0056】
すなわち、n個の特徴点の移動量を最小の誤差で表現できる線形補正量を求めていることになる。第一実施形態との画像の補正処理上の差異は、回転、倍率の補正量を第1の方向(X)と第2の方向(Y)のそれぞれの軸に分けて算出する点である。なお、第二実施形態において第一実施形態で説明した補正量の算出方法を用いても良いし、第一実施形態において第二実施形態で説明される補正量の算出方法を用いても良い。
【0057】
ステップ505で、求めた線形補正量から、式6を用いて、ズレを考慮したBスキャン画像の取得位置を求める。
【数6】

【0058】
眼球運動がないと仮定したときの、Bスキャン画像を構成するAスキャン画像の位置を(X,Y)とすると、式6によって、Bスキャン画像の取得時の補正量を適用した位置が求められる。ここではBスキャン画像を構成するすべてのAスキャン画像の位置を補正量を適用して求める。ステップ506で、すべてのBスキャン画像について処理を終えたかどうかを確認し、未処理のBスキャン画像があれば、ステップ903にもどり、次のBスキャン画像の処理を実施する。
【0059】
すべてのBスキャン画像の補正処理が終了すると、ステップ507において、CPU701は、補正処理されたBスキャン画像により3次元断層画像を生成する。その後、本処理を終了する。すべてのBスキャン画像について、上述した処理を繰り返し実行すると、3次元断層データを構成するBスキャン画像の取得時の眼球位置に基づいた位置に補正をすることができる。したがって、ステップ507では、相対位置が調整された複数のBスキャン画像(断層画像)により3次元断層画像が生成される。
【0060】
以上記載した実施形態では、すべてのBスキャン画像を有効としたが、各Bスキャン画像の補正量のなかで、θxとθy、MagnificationXとMagnificationYの差がある一定の閾値以上の場合に、画像中で大きな眼球運動があったと判定し、該当するBスキャン画像を無効データとして、結果データから削除する処理を加えてもよい。本処理を加えることによって、1つのBスキャン画像中にマイクロサッケード等の大きな眼球運動があった場合にも適切にデータを省くことが可能となる。
【0061】
なお、第一実施形態で説明したように、N個の断層画像(Bスキャン画像)に対して1枚の2次元眼底画像(SLO画像)が取得されるようにしても良い。
【0062】
なお、上記実施形態において、S503〜S507の各処理はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置により実行されてもよい。その場合、固定ディスク203,703に格納された断層画像と2次元眼底画像が情報処理装置に提供され、情報処理装置がこれらの画像を用いて3次元断層画像を生成することになる。
【0063】
なお、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測光と参照光の干渉を用いて眼底の断層画像を撮像する光断層画像撮像装置であって、
前記計測光を第1の方向に走査することにより前記計測光の光軸方向に沿った断層情報が前記第1の方向に沿って並ぶ2次元断層画像を取得し、前記第1の方向への走査を前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移動させながら繰り返すことで3次元断層画像を形成するための複数の2次元断層画像を取得する第1取得手段と、
N個の前記2次元断層画像ごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、前記第1取得手段における2次元断層画像の撮像に同期して2次元眼底画像を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段で取得された2次元眼底画像から特徴点を抽出し、当該特徴点の2次元眼底画像での変動を補正するための補正量を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された2次元眼底画像の補正量を用いて当該2次元眼底画像に同期した前記N個の2次元断層画像における前記断層情報の位置を補正して3次元断層画像を生成する生成手段とを備えることを特徴とする光断層画像撮像装置。
【請求項2】
前記第2取得手段は、前記第2の方向へ延びたライン状のビームを前記第1の方向へ走査することで前記2次元眼底画像を取得するものであり、
前記第1取得手段における前記計測光の前記第1の方向への走査と、前記ライン状のビームの前記第1の方向への走査を共通の走査手段により行うことを特徴とする請求項1に記載の光断層画像撮像装置。
【請求項3】
前記算出手段は、線形写像式を用いて、倍率、回転および平行移動に関する補正量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の光断層画像撮像装置。
【請求項4】
前記線形写像式は、回転及び倍率を、前記第1の方向と前記第2の方向の2軸に分けて算出することを特徴とする請求項3に記載の光断層画像撮像装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記算出手段により算出された補正量が閾値を超える2次元眼底画像と同期している2次元断層画像を、3次元断層画像の生成に用いないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光断層画像撮像装置。
【請求項6】
前記第2取得手段は、1つの2次元断層画像ごとに1つの2次元眼底画像を取得することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光断層画像撮像装置。
【請求項7】
計測光と参照光の干渉を用いて眼底の断層画像を撮像する光断層画像撮像装置の制御方法であって、
第1取得手段が、前記計測光を第1の方向に走査することにより前記計測光の光軸方向に沿った断層情報が前記第1の方向に沿って並ぶ2次元断層画像を取得し、前記第1の方向への走査を前記第1の方向とは異なる第2の方向へ移動させながら繰り返すことで3次元断層画像を形成するための複数の2次元断層画像を取得する第1取得工程と、
第2取得手段が、N個の前記2次元断層画像ごとに1つの2次元眼底画像が取得されるように、前記第1取得工程における2次元断層画像の撮像に同期して2次元眼底画像を取得する第2取得工程と、
算出手段が、前記第2取得工程で取得された2次元眼底画像から特徴点を抽出し、当該特徴点の2次元眼底画像での変動を補正するための補正量を算出する算出工程と、
生成手段が、前記算出工程で算出された2次元眼底画像の補正量を用いて当該2次元眼底画像に同期した前記N個の2次元断層画像における前記断層情報の位置を補正して3次元断層画像を生成する生成工程とを有することを特徴とする光断層画像撮像装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1乃至6のいずれか1項に記載された光断層画像撮像装置の各手段として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−10960(P2012−10960A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150261(P2010−150261)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】