説明

光書き込み装置、及びプログラム

【課題】書き込み光が照射された画像を表示する箇所の反射率を高くする。
【解決手段】画像を書き込む際に、書き込み光を照射する時間間隔Tで光導電体層10に照射されるように照射部32を制御すると共に、表示層7及び光導電体層10に時間間隔Tより長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、第1のパルス電圧に続いて、第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値の絶対値が第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が印加されるように電圧印加部26を制御する制御手段としての制御部30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光書き込み装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示体と、表示体に重ねて配置された光導電体と、表示体と光導電体との両側に配置された一対の電極とを備えた記録素子に対して、光によって情報の書き込みを行う記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の記録装置では、情報の書き込みに際しては、例えば、時点(時刻)T1において電極に電圧を印加し、時点T1の後の時点T2において第1の光源で光の照射を開始する。そして、時点T2の後の時点T3において第1の光源での光の照射を終了し、時点T3の後の時点T4において電圧の印加を停止する。
【0003】
また、従来、電荷発生層を有する有機感光体と、コレステリック相を形成する液晶を主成分とする液晶層と、有機感光体及び液晶層を挟んで配置された一対の第1及び第2の電極とを備えた光記録素子を駆動する光記録駆動方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の光記録駆動方法では、第1及び第2の電極間に第1のパルスを印加して液晶層の液晶分子をホメオトロピック状態にし、その後、第1のパルスと極性が反対で、かつ第1のパルスに比べて振幅の絶対値が小さい第2のパルスを印加して第1のパルスによって形成された電界強度の減衰を加速させて液晶分子をプレーナ状態にすることにより、光記録素子の初期化または光記録素子への情報の記録を行う。
【特許文献1】国際公開第2004/068230号公報
【特許文献2】特許第4011408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、書き込み光が照射された画像を表示する箇所の反射率が高い光書き込み装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明の光書き込み装置は、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層、及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に、前記書き込み光を照射する照射手段と、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段と、画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で前記光導電体層に照射されるように前記照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が印加されるように前記電圧印加手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0006】
また、上記目的を達成するために、請求項2記載の発明の光書き込み装置は、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層、及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に、前記書き込み光を照射する照射手段と、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段と、画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で前記光導電体層に照射されるように前記照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が前記表示層及び前記光導電体層に印加され、前記第2のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第3のパルス電圧が印加されるように前記電圧印加手段を制御する制御手段とを含んで構成されている。
【0007】
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明のプログラムは、コンピュータを、画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層に照射されるように、前記光導電体層及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に前記書き込み光を照射する照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が印加されるように、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明のプログラムは、コンピュータを、画像を書き込む際に、書き込み光を照射する時間間隔で、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層に照射されるように、前記光導電体層及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に前記書き込み光を照射する照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が前記表示層及び前記光導電体層に印加され、前記第2のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第3のパルス電圧が印加されるように、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段を制御する制御手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1及び請求項3に記載の各発明によれば、書き込み光が照射された画像を表示する箇所の反射率が高い、という効果を有する。
【0010】
請求項2及び請求項4に記載の各発明によれば、光書き込み装置の書き込み用の電圧のラチチュード(光書き込み装置で画像を書き込みする際に用いるパルス電圧の範囲)を広くすることができる、という効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態における光書き込み型の表示媒体1の断面図を示している。表示媒体1は、画像に応じたアドレス光の照射及びパルス電圧(バイアス信号)の印加によって画像を記録することが可能な表示媒体である。
【0013】
図1に示すように、表示媒体(光書き込み型画像表示媒体)1は、表示面側から順に、透明基板3、透明電極5、表示層(液晶層)7、ラミネート層8、遮光層(着色層)9、光導電体層10、透明電極6および透明基板4が積層されて構成されている。
【0014】
透明基板3、4は、各機能層を内面に保持し、表示媒体の構造を維持するためのものである。透明基板3、4は、外力に耐える強度を有するシート形状の部材で構成され、表示面側の透明基板3は少なくとも入射光を、書き込み面側の透明基板4は少なくともアドレス光(書き込み光)を、それぞれ透過する。透明基板3、4は、フレキシブル性を有することが好ましい。具体的な材料としては、無機シート(例えばガラス・シリコン)、高分子フイルム(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート)等を挙げることができる。外表面に、防汚膜、耐磨耗膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
【0015】
なお、透明基板3、4は、本実施形態では可視光全域にわたって透過性をもつものであるが、表示させる波長域のみ透過性を有していてもよい。
【0016】
透明電極5、6は、図2に示す光書き込み装置(光記録装置)2から印加されたパルス電圧(バイアス電圧)を、表示媒体1内の各機能層へ印加するためのものである。透明電極5及び透明電極6は表示媒体1の全面に相当する面積を有する単一の透明電極で構成されている。透明電極5、6は、理想的には面均一な導電性を有し、表示面側の透明電極5は少なくとも入射光を、書き込み面側の透明電極6は少なくともアドレス光を透過する。具体的には、金属(例えば金、アルミニウム)、金属酸化物(例えば酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ(ITO))、導電性有機高分子(例えばポリチオフェン系・ポリアニリン系)などで形成された導電性薄膜を挙げることができる。表面に、密着力改善膜、光反射防止膜、ガスバリア膜など公知の機能性膜を形成してもよい。
【0017】
なお、透明電極5、6は、本実施形態では可視光全域にわたって透過性をもつものであるが、表示させる波長域のみ透過性を有していてもよい。
【0018】
表示層7は、電場によって入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、選択した状態が無電場で保持できる性質のものである。表示層7としては、曲げや圧力などの外力に対して変形しない構造であることが好ましい。表示層7は、以下で詳細を説明する光導電体層10を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する。
【0019】
本実施形態では、表示層7は、一例としてコレステリック液晶及び透明樹脂を含む自己保持型液晶複合体の液晶層で構成される。すなわち、複合体として自己保持性を有するためスペーサ等を必要としない液晶層であるが、これに限られるものではない。本実施形態では、図1に示されるように、高分子マトリックス(透明樹脂)11中にコレステリック液晶12が分散した状態となっている。
【0020】
コレステリック液晶12は、入射光のうち特定の色光の反射・透過状態を変調する機能を有し、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、らせん軸方向から入射した光のうち、らせんピッチに依存した特定の光を干渉反射する。電場によって配向が変化し、反射状態を変化させることができる。カラー表示の場合、ドロップサイズが均一で、単層稠密に配置されていることが好ましい。
【0021】
コレステリック液晶12として使用可能な具体的な液晶としては、ネマチック液晶やスメクチック液晶(例えばシッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ビフェニル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキサン系、トラン系、アルケニル系、スチルベン系、縮合多環系)、またはこれらの混合物に、カイラル剤(例えばステロイド系コレステロール誘導体、シッフ塩基系、アゾ系、エステル系、ビフェニル系)を添加したもの等を挙げることができる。
【0022】
コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整する。例えば、表示色を青、緑、赤とする場合には、それぞれ選択反射の中心波長が、400nm〜500nm、500nm〜600nm、600nm〜700nmの範囲になるようにする。また、コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償するために、捩じれ方向が異なる、または逆の温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加する公知の手法を用いてもよい。
【0023】
表示層7がコレステリック液晶12と高分子マトリックス(透明樹脂)11を含む自己保持型液晶複合体を形成する形態としては、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)を用いることができ、PNLC構造やPDLC構造とすることによって、コレステリック液晶と高分子の界面にアンカリング効果を生じ、無電界でのプレーナ相またはフォーカルコニック相の保持状態を、より安定にすることができる。
【0024】
PNLC構造やPDLC構造は、高分子と液晶とを相分離させる公知の方法、例えば、アクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などによって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced PhaseSeparation)法、ポリビニルアルコールなどの、液晶の溶解度が低い高分子と液晶とを混合し、攪拌懸濁させて、液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法、熱可塑性高分子と液晶とを混合し、均一相に加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、高分子と液晶とをクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶とを相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法などによって形成することができるが、特に限定されるものではない。
【0025】
高分子マトリックス11は、コレステリック液晶12を保持し、表示媒体の変形による液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が好適に用いられる。また、高分子マトリックス11としては、外力に耐える強度をもち、少なくとも反射光およびアドレス光に対して高い透過性を示す材料であることが望まれる。
【0026】
高分子マトリックス11として採用可能な材料としては、水溶性高分子材料(例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸系ポリマー、エチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアミジン、イソプレン系スルホン酸ポリマー)、あるいは水性エマルジョン化できる材料(例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂)等を挙げることができる。
【0027】
光導電体層10は、内部光電効果をもち、アドレス光の照射強度に応じてインピーダンス特性が変化する特性を有する層である。AC動作が可能であり、アドレス光に対して対称駆動になることが好ましく、電荷発生層(CGL)が電荷輸送層(CTL)の上下に積層された3層構造が好適である。本実施形態では、光導電体層10として、一例として図1における上層から順に上側の電荷発生層13、電荷輸送層14および下側の電荷発生層15が積層されてなる。光導電体層10は、照射された書き込み光の光量に応じて自身の電気抵抗の大きさが変化する。
【0028】
電荷発生層13、15は、アドレス光を吸収して光キャリアを発生させる機能を有する層である。主に、電荷発生層13が表示面側(表示層7側)の透明電極5から書き込み面側(光導電体層10側)の透明電極6の方向に流れる光キャリア量を、電荷発生層15が書き込み面側の透明電極6から表示面側の透明電極5の方向に流れる光キャリア量を、それぞれ左右している。電荷発生層13、15としては、アドレス光を吸収して励起子を発生させ、電荷発生層内部、または電荷発生層/電荷輸送層界面で自由キャリアに効率良く分離させられるものが好ましい。
【0029】
電荷発生層13、15は、電荷発生材料(例えばクロロガリウムフタロシアニンやヒドロキシガリウムフタロシアニンのような金属又は無金属フタロシアニン、スクアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスやトリス等アゾ顔料、キナクリドン顔料、ピロロピロール色素、多環キノン顔料、ジブロモアントアントロンなど縮環芳香族系顔料、シアニン色素、キサンテン顔料、ポリビニルカルバゾールとニトロフルオレン等電荷移動錯体、ピリリウム塩染料とポリカーボネート樹脂からなる共昌錯体)を直接成膜する乾式法か、またはこれら電荷発生材料を、高分子バインダー(例えばポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルカルバゾール樹脂、ビニルホルマール樹脂、部分変性ビニルアセタール樹脂、カーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、ビニルアセテート樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
【0030】
電荷輸送層14は、電荷発生層13、15で発生した光キャリアが注入されて、バイアス信号で印加された電場方向にドリフトする機能を有する層である。一般に電荷輸送層は、電荷発生層の数10倍の厚みを有するため、電荷輸送層14の容量、電荷輸送層14の暗電流、および電荷輸送層14内部の光キャリア電流が、光導電体層10全体の明暗インピーダンスを決定付けている。
【0031】
電荷輸送層14は、電荷発生層13、15からの自由キャリアの注入が効率良く発生し(電荷発生層13、15とイオン化ポテンシャルが近いことが好ましい)、注入された自由キャリアができるだけ高速にホッピング移動するものが好適である。暗時のインピーダンスを高くするため、熱キャリアによる暗電流は低い方が好ましい。
【0032】
電荷輸送層14は、低分子の正孔輸送材料(例えばトリニトロフルオレン系化合物、ポリビニルカルバゾール系化合物、オキサジアゾール系化合物、ベンジルアミノ系ヒドラゾンあるいはキノリン系ヒドラゾン等のヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ベンジジン系化合物)、または低分子の電子輸送材料(例えばキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物)を、高分子バインダー(例えばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、含珪素架橋型樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させたもの、あるいは上記正孔輸送材料や電子輸送材料を高分子化した材料を適当な溶剤に分散ないし溶解させたものを調製し、これを塗布し乾燥させて形成すればよい。
【0033】
遮光層(着色層)9は、書き込み時にアドレス光と入射光を光学分離し、相互干渉による誤動作を防ぐとともに、表示時に表示媒体の非表示面側から入射する外光と表示画像を光学分離し、画質の劣化を防ぐ目的で設けられた層である。その目的から、遮光層9には、少なくとも電荷発生層の吸収波長域の光、および表示層の反射波長域の光を吸収する機能が要求される。
【0034】
着色層9は、具体的には、無機顔料(例えばカドミウム系、クロム系、コバルト系、マンガン系、カーボン系)、または有機染料や有機顔料(アゾ系、アントラキノン系、インジゴ系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、フタロシアニン系、ペリレン系、ピロロピロール系、キナクリドン系、多環キノン系、スクエアリウム系、アズレニウム系、シアニン系、ピリリウム系、アントロン系)を光導電体層10の電荷発生層13側の面に直接成膜する乾式法か、あるいはこれらを高分子バインダー(例えばポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル樹脂等)とともに適当な溶剤に分散ないし溶解させて塗布液を調製し、これを塗布し乾燥させて成膜する湿式塗布法等により形成することができる。
【0035】
ラミネート層8は、それぞれ上下基板内面に形成した各機能層を貼りあわせる際に、凹凸吸収および接着の役割を果たす目的で設けられる層であり、本実施形態において必須の構成要素ではない。ラミネート層8は、ガラス転移点の低い高分子材料からなるものであり、熱や圧力によって表示層7と着色層9とを密着・接着させることができる材料が選択される。また、少なくとも入射光に対して透過性を有することが条件となる。
【0036】
ラミネート層8に好適な材料としては、粘着性の高分子材料(例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂)を挙げることができる。
【0037】
図3は、図1に示される構造の表示媒体(液晶デバイス)1の等価回路を示す回路図である。Clc、Copc、およびRlc、Ropcは、それぞれ表示層7および光導電体層10の静電容量および抵抗値である。CeおよびReは、表示層7および光導電体層10以外の構成要素の等価静電容量および等価抵抗値である。
【0038】
表示媒体1の透明電極5−透明電極6間に外部の書き込み装置2から印加される電圧をVとすると、各構成要素には、各構成要素間のインピーダンス比によって決まる分圧Vlc、VopcおよびVeが印加される。より具体的には、電圧が印加された直後には各構成要素の容量比で決定される分圧が生じ、時間経過とともに各構成要素の抵抗値比で決定される分圧へと緩和していく。
【0039】
ここで、アドレス光の強度(光量)に応じて光導電体層10の抵抗値Ropcが変化するため、露光と非露光によって表示層7に印加される実効電圧を制御することができる。露光時には光導電体層10の抵抗値Ropcが小さくなって表示層7に印加される実効電圧は大きくなり、逆に非露光時には光導電体層10の抵抗値Ropcが大きくなって表示層7に印加される実効電圧は小さくなる。
【0040】
次に、コレステリック液晶(カイラルネマチック液晶)12について具体的に説明する。コレステリック液晶12が示すプレーナ相は、螺旋軸に平行に入射した光を右旋光と左旋光に分け、螺旋の捩じれ方向に一致する円偏光成分をブラッグ反射し、残りの光を透過させる選択反射現象を起こす。反射光の中心波長λおよび反射波長幅Δλは、螺旋ピッチをp、螺旋軸に直交する平面内の平均屈折率をn、複屈折率をΔnとすると、それぞれ、λ=n・p、Δλ=Δn・pで表され、プレーナ相のコレステリック液晶層による反射光は、螺旋ピッチに依存した鮮やかな色を呈する。
【0041】
正の誘電率異方性を有するコレステリック液晶は、図4(A)に示すように、螺旋軸がセル表面に垂直になり、入射光に対して上記の選択反射現象を起こすプレーナ相、同図(B)に示すように、螺旋軸がほぼセル表面に平行になり、入射光を少し前方散乱させながら透過させるフォーカルコニック相、および同図(C)に示すように、螺旋構造がほどけて液晶ダイレクタが電界方向を向き、入射光をほぼ完全に透過させるホメオトロピック相、の3つの状態を示す。
【0042】
上記の3つの状態のうち、プレーナ相とフォーカルコニック相は、無電界で双安定に存在することができる。したがって、コレステリック液晶の相状態は、液晶層に印加される電界強度に対して一義的に決まらず、プレーナ相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、プレーナ相、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化し、フォーカルコニック相が初期状態の場合には、電界強度の増加に伴って、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順に変化する。
【0043】
一方、液晶層に印加した電界強度をゼロにした場合には、プレーナ相とフォーカルコニック相はそのままの状態を維持し、ホメオトロピック相はプレーナ相に変化する。
【0044】
したがって、パルス信号を印加した直後のコレステリック液晶層は、図5に示すようなスイッチング挙動を示し、印加されたパルス信号の電圧が、Vfh以上のときには、ホメオトロピック相からプレーナ相に変化した選択反射状態となり、VpfとVfhの間のときには、フォーカルコニック相による透過状態となり、Vpf以下のときには、パルス信号印加前の状態を継続した状態、すなわちプレーナ相による選択反射状態またはフォーカルコニック相による透過状態となる。
【0045】
なお、図中、縦軸は正規化反射率であり、最大反射率を100、最小反射率を0として、反射率を正規化している。また、プレーナ相、フォーカルコニック相およびホメオトロピック相の各状態間には、遷移領域が存在するため、正規化反射率が50以上の場合を選択反射状態、正規化反射率が50未満の場合を透過状態と定義し、プレーナ相とフォーカルコニック相の相変化のしきい値電圧をVpfとし、フォーカルコニック相とホメオトロピック相の相変化のしきい値電圧をVfhとする。
【0046】
特に、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶がドロップレット状に分散されたPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)構造(マイクロカプセル化されたものを含む)の液晶層においては、コレステリック液晶と高分子の界面における干渉により(アンカリング効果)、プレーナ相とフォーカルコニック相の無電界における双安定性が向上し、長期間に渡ってパルス信号印加直後の状態を保持することができる。
【0047】
このようなコレステリック液晶12を用いた表示媒体1では、コレステリック液晶の双安定現象を利用して、(A)プレーナ相による選択反射状態と、(B)フォーカルコニック相による透過状態とを、スイッチングすることによって、無電界でのメモリー性を有するブラック・ホワイトのモノクロ表示、または無電界でのメモリー性を有するカラー表示を行う。
【0048】
外部印加電圧の大きさに応じてコレステリック液晶12は、プレーナ相状態(P状態)またはホメオトロピック相状態(H状態)を初期状態とした場合にはP状態、フォーカルコニック相状態(F状態)、H状態と変化し、F状態を初期状態とした場合にはF状態、H状態と変化し、その最終状態がP状態およびF状態では、印加電圧を除した後も維持されるが、H状態では、P状態に相変化する。従って、露光/非露光に関わらず、印加電圧の大きさにより、最終的な相状態としてP状態ないしF状態が選択される。図5に示すように、P状態では光反射、F状態では光透過状態となる。
【0049】
次に、図2に示す画像表示装置20について説明する。画像表示装置20は、表示媒体1及び光書き込み装置(光記録装置)2を含んで構成される。
【0050】
光書き込み装置2は、表示媒体1に画像を書き込む(記録する)装置であり、表示媒体1に対して書き込み光(アドレス光)の照射を行う光照射部32、光照射部32と表示媒体1とが相対移動するように光照射部32を図中矢印A方向及び図中矢印B方向へ移動させる駆動部24、表示媒体1に印加するバイアス電圧(高圧パルス)を発生させる高圧パルス発生部26Aから成る電圧印加部26、並びに駆動部24、電圧印加部26及び光照射部32を制御する制御部30を含んで構成される。
【0051】
光照射部32は、表示媒体1をリセット(初期化)するためのリセット光を照射すると共に、制御部30からの画像に応じた入力信号に基づいた書き込み光(光画像パターン)を表示媒体1(詳しくは、光導電体層10上)に照射する光源32Aを含んで構成される。なお、リセット光を照射するリセット光源が、光照射部32と分離されて設けられていてもよく、この場合、光照射部32には、書き込み光を表示媒体1に照射する光源が設けられる。また、光源32Aは、固定された2次元の光源でも複数の点光源でもよい。
【0052】
なお、表示媒体1をリセット(初期化)するとは、具体的には例えばコレステリック液晶12の液晶の配向を初期化することをいい、例えばF状態又はP状態にすることをいう。
【0053】
光源32Aにより照射される書き込み光(アドレス光)としては、光導電体層10の吸収波長域内にピーク強度を持ち、バンド幅の狭い光であることが望ましい。
【0054】
また、光源32Aは、本実施の形態では、リセット光をも照射するため、リセット光として均一な光を表示媒体1に照射することが可能な光源であることが望ましい。
【0055】
光源32Aとしては、例えば、冷陰極管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、EL、レーザ等の光源を一次元のアレイ状に配置したものや、ポリゴンミラーと組み合せたもの、など走査動作によって任意の二次元発光パターンを形成できるものが用いられる。光源32Aによって、光導電体層10側から書き込み光が照射されることにより、表示層7に画像を書き込むことが可能となる。
【0056】
高圧パルス発生部26Aは、リセット用パルス電圧及び画像書き込み用パルス電圧を発生する回路である。高圧パルス発生部26Aには、例えばリセット用パルス電圧及び画像書き込み用パルス電圧を発生する高電圧アンプなどが用いられる。
【0057】
本実施形態では、図2に示すように表示媒体1の透明電極6は接地されており、制御部30の制御によって、高圧パルス発生部26Aは、画像を書き込む際には、詳細を以下で説明する画像書き込み用パルス電圧を印加し、リセットする際には、負の極性を有するリセット用パルス電圧を印加する。すなわち、電極5に対して、接地された透明電極6に印加されるリセット用パルス電圧は、負の極性を有する電圧となる。
【0058】
ここで、リセット用パルス電圧の電圧値は、光源32Aによりリセット光が表示媒体1に照射された状態でリセット用パルス電圧が透明電極5−透明電極6間に印加された場合に、表示媒体1をリセット(初期化)することができる電圧値、具体的には、例えばコレステリック液晶12の液晶の配向を初期化することができる電圧値に設定される。例えばF状態に初期化するのであれば、図5に示すように、表示層7に印加される電圧(分圧)がVpfより大きくVfhより小さい電圧の範囲内となるような電圧値であり、P状態に初期化するのであれば、表示層7に印加される電圧(分圧)がVfh以上の電圧となるような電圧値である。この電圧値として、例えば、−650Vが考えられる。
【0059】
また、画像書き込み用パルス電圧の電圧値(高さ)は、光源32Aにより画像に応じた書き込み光(画像光)が表示媒体1に照射された状態及び書き込み光の照射が終了した状態で画像書き込み用パルス電圧が透明電極5−透明電極6間に印加された場合に、表示媒体1に画像を記録することができる電圧値に設定される。なお、このような電圧値の画像書き込みパルスの波形の詳細については後述する。
【0060】
駆動部24は、制御部30からの指示に従って、光照射部32を図2において矢印A方向(副走査方向)及び矢印B方向(副走査方向)へ移動させる。駆動部24は、例えばパルスモータ等を含んで構成され、パルスモータの駆動によって光照射部32を図中矢印A方向及び矢印B方向へ移動させる。これにより、光源32Aが図中矢印A方向及び矢印B方向へ移動する。光照射部32を移動させる構成とすることで、表示媒体1の透明電極を検出する構成が不要となり表示媒体1を移動させる場合と比較して電圧印加部26との接続構成が簡単となる。
【0061】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)30a、ROM(Read Only Memory)30b、RAM(Random Access Memory)30c、及びI/O(入出力)ポート30dを含んで構成されており、これらCPU30a、ROM30b、RAM30c、及びI/Oポート30dは互いにバス30eで接続されている。ROM30bにはOS等の基本プログラム、及び光書き込み装置2全体を制御する制御処理を実行するためのプログラムが記憶されている。CPU30aは、プログラムをROM30bから読み出して実行する。RAM30cには、各種データが一時的に記憶される。I/Oポート30dには、駆動部24、電圧印加部26、及び光源32Aが接続されている。
【0062】
制御部30は、例えば、上述したリセットが可能となる予め定められた速度v(mm/s)で光照射部32が図2における矢印B方向へ移動するように駆動部24に指示(駆動部24を制御)すると共に、上述したリセットが可能となる予め定められたタイミングでリセット光が光源32Aにより表示媒体1に照射されるように光源32Aを制御し、かつ上述したリセットが可能となる予め定められたタイミングで透明電極5−透明電極6間にリセット用パルス電圧が印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、表示媒体1がリセットされる。なお、リセット光の照射時間(リセット光照射時間)Tは、リセットを行う際に必要な光照射部32の移動距離Lを、速度vで除算した値(L/v)で表される。また、上記で説明したリセット光照射時間Tは、光源32Aが移動する場合のものであり、光源32Aが固定光源である場合には、リセット光照射時間Tは任意に設定できる。
【0063】
また、制御部30は、予め定められた速度v´(mm/s)で光照射部32が図2における矢印A方向へ移動するように駆動部24に指示(駆動部24を制御)すると共に、入力された画像データに基づいた書き込み光(画像光)が光源32Aにより表示媒体1に照射されるように光源32Aを制御し、かつ詳細を以下で説明するタイミングで透明電極5−透明電極6間に画像書き込み用パルス電圧が印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、表示媒体1に画像が書き込まれる。なお、書き込み光の照射時間(書き込み光照射時間)Tは、書き込みを行う際に必要な光照射部32の移動距離Lを、速度v´で除算した値(L/v´)で表される。このように光を照射しているトータルの時間がTとなる。また、1ピクセルの照射時間は、書き込み光の照射時間Tを、移動距離Lをピクセル長Lで除算した値によって除算した値(T/(L/L))で表される。
【0064】
ここで、制御部30によって制御された電圧印加部26により、透明電極5−透明電極6間に印加されるリセットをする際のリセット用パルス電圧、及び画像を書き込む際の画像書き込み用パルス電圧について、図6を参照して説明する。図6には、本実施形態におけるリセット用パルス電圧の波形50及び画像書き込み用パルス電圧の波形52が示されている。なお、同図に示すように、区間S1における波形がリセットパルス用電圧の波形50であり、区間S2における波形が画像書き込み用パルス電圧の波形52である。同図に図示されるように、時刻T〜T間で負の方形波のパルス電圧(図6の例では電圧値は−650V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。なお、時刻T〜T間は、リセット光照射時間Tであり、時刻Tは、時刻Tより後の時刻であり、時刻Tは、時刻Tより前の時刻である。すなわち、リセット光が照射される前にリセット用パルス電圧の印加が開始され、リセット光の照射が終了した後に、リセット用パルス電圧の印加が終了される。
【0065】
また、同図に図示されるように、時刻T〜T間で正の方形波のパルス電圧(第1のパルス電圧;図6の例では電圧値は650V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。なお、時刻T〜T間は、書き込み光照射時間Tであり、時刻Tは、時刻Tより後の時刻であり、時刻Tは、時刻Tより前の時刻である。すなわち、書き込み光が照射される前に画像書き込み用パルス電圧の印加が開始され、書き込み光の照射が終了した後も、画像書き込み用パルス電圧の印加が継続される。また、同図に図示されるように、時刻T〜T間で、上記第1のパルス電圧と極性が反対の負の方形波のパルス電圧(第2のパルス電圧;図6の例では電圧値は−800V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。本実施の形態では、この第2のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値は、上記の第1のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値より高い(大きい)ものとする。
【0066】
次に、表示媒体1に対する画像書き込みの動作について説明する。光照射部32の移動速度(副走査速度)を上述したようにv及びv´(mm/s)とする。
【0067】
まず、制御部30は、図2において矢印B方向へ光照射部32が移動開始するように駆動部24に指示する。光照射部32は、リセット動作を開始する前は予め定めた待機位置に配置されている。この待機位置は、表示媒体1の矢印B方向上流側の端部よりもさらに上流側に位置する。
【0068】
制御部30が、駆動部24に対して光照射部32の移動開始を指示すると、駆動部24は光照射部32の移動を開始させる。これにより、光照射部32は図2において矢印B方向へ予め定めた移動速度vで移動を開始する。
【0069】
そして、制御部30は、光源32によるリセット光の照射が開始する時点(図6の例ではT)よりも前の時点(図6の例ではT)で、すなわち、光源32Aが電極5の矢印B方向上流側の端部に到達するよりも前の時点で、リセット用パルス電圧が電極5に予め定められた時間TER(図6の例ではT−T)分印加されるように電圧印加部26を制御する。また、制御部30は、光源32Aによるリセット光の照射が開始する時点(図6の例ではT)からリセット光の照射期間が終了する時点(図6の例ではT)までの期間T、すなわち光源32Aが電極5の矢印B方向上流側の端部に到達した時点から光源32Aが電極5の矢印B方向下流側の端部に到達するまでの期間に、リセット光を示すデータ(情報)を光源32Aに出力する。これにより、TからTのリセット光の照射期間Tにリセット光が照射され、表示媒体1がリセットされる。
【0070】
リセットが終了すると、制御部30は、光源32Aによる書き込み光(画像光)の照射期間が開始する時点(図6の例ではT)よりも前の時点(図6の例ではT)で、すなわち光源32Aが電極5の矢印A方向上流側の端部に到達するよりも前の時点で、画像書き込み用パルス電圧のうち第1のパルス電圧が透明電極5−透明電極6間に予め定められた時間TEW分印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、電圧印加部26は、透明電極5−透明電極6間に、第1のパルス電圧を予め定められた時間TEW分印加する。なお、この時間TEWは、図6に図示されるように、書き込み光照射時間Tより長い時間である。また、制御部30は、光源32Aによる書き込み光の照射が開始する時点(図6の例ではT)から書き込み光の照射が終了する時点(図6の例ではT)までの期間T、すなわち光源32Aが電極5の矢印A方向上流側の端部に到達した時点から光源32Aが電極5の矢印A方向下流側の端部に到達するまでの期間に、入力された画像データの電極5の領域に書き込むべき画像の画像データを光源32Aに出力する。これにより、TからTの書き込み光の照射期間Tに画像データに基づいた書き込み光が照射され、画像が書き込まれる。例えば書き込み光が照射された領域はF状態からH状態となる。なお、画像を書き込まない領域については画像光が照射されないのはいうまでもない。そして、制御部30は、第1のパルス電圧の印加が終了した時点(図6の例ではT)で、画像書き込み用パルス電圧のうち第2のパルス電圧が透明電極5−透明電極6間に予め定められた時間TEH分印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、電圧印加部26によって、透明電極5−透明電極6間に、第2のパルス電圧が予め定められた時間TEH分印加されて、表示層7の電界強度が減衰する。
【0071】
ここで、本実施の形態の光書き込み装置2において、第1のパルス電圧の電圧値を650Vとし、第2のパルス電圧の電圧値Vを0V〜900Vまで所定間隔で変更して、表示媒体1に画像の書き込みを行った場合の表示媒体1の光照射領域の表示層7の反射率R(%)について図7を参照して説明する。同図に図示されるように、第2のパルス電圧の電圧値Vを850V以上に設定した場合には、第2のパルス電圧の電圧値Vを大きさ(高さ)の絶対値が第1のパルス電圧の大きさ(高さ)より低く設定した場合(対応する電圧値は0V〜650V)と比較して反射率が良好となる。ここで、第1のパルス電圧の電圧値が650Vであることを考えると、第2のパルス電圧の大きさ(高さ)の絶対値は、第1のパルス電圧の大きさ(高さ)の絶対値より、約1.3倍(850÷650)以上であることが望ましい。
【0072】
以上、説明したように、本実施の形態の光書き込み装置2は、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層10、及び光導電体層10を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層7を備えた光書き込み型画像表示媒体1の光導電体層10に、書き込み光を照射する照射手段としての照射部32と、表示層7及び光導電体層10に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段としての電圧印加部26と、画像を書き込む際に、書き込み光を照射する時間間隔Tで光導電体層10に照射されるように照射部32を制御すると共に、表示層7及び光導電体層10に時間間隔Tより長い間隔(幅)の第1のパルス電圧が印加され、第1のパルス電圧に続いて、第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値(高さ)の絶対値が第1のパルス電圧の電圧値(高さ)より大きい(高い)(対応する電圧値は例えば−850V)第2のパルス電圧が印加されるように電圧印加部26を制御する制御手段としての制御部30を備えている。
【0073】
なお、本実施形態では、表示層としてコレステリック液晶を用いた場合について説明したが、これに限らず、強誘電性液晶を用いてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、表示媒体1が固定された状態で光照射部32を移動させることにより光照射部32と表示媒体1とを相対移動させる場合について説明したが、光照射部32を固定した状態で表示媒体1を移動させたり、両者を移動させたりすることにより両者を相対移動させるようにしてもよい。
【0075】
[第2の実施の形態]
次に第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成及び同様の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。第1の実施の形態では、第1のパルス電圧及び第2のパルス電圧を印加する例について説明したが、本実施の形態では、第1のパルス電圧、第2のパルス電圧、及び第3のパルス電圧を印加する。
【0076】
図8に示すように、本実施の形態では、時刻T〜T10間で正の方形波のパルス電圧(第1のパルス電圧;図8の例では電圧値は650V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。また、同図に図示されるように、時刻T10〜T間で、上記第1のパルス電圧と極性が同一の正の方形波のパルス電圧(第2のパルス電圧;図8の例では電圧値は800V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。本実施の形態では、この第2のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値は、上記の第1のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値より高い(大きい)ものとする。また、同図に図示されるように、時刻T〜T間で、上記第1のパルス電圧と極性が反対の負の方形波のパルス電圧(第3のパルス電圧;図8の例では電圧値は−800V)が透明電極5−透明電極6間に印加される。本実施の形態では、この第3のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値は、上記の第1のパルス電圧の高さ(電圧値)の絶対値より高い(大きい)ものとする。
【0077】
次に、本実施の形態における表示媒体1に対する画像書き込みの動作について説明する。光照射部32の移動速度(副走査速度)を第1の実施の形態と同様にv及びv´(mm/s)とする。
【0078】
まず、制御部30は、図2において矢印B方向へ光照射部32が移動開始するように駆動部24に指示する。光照射部32は、リセット動作を開始する前は予め定めた待機位置に配置されている。この待機位置は、表示媒体1の矢印B方向上流側の端部よりもさらに上流側に位置する。
【0079】
制御部30が、駆動部24に対して光照射部32の移動開始を指示すると、駆動部24は光照射部32の移動を開始させる。これにより、光照射部32は図2において矢印B方向へ予め定めた移動速度vで移動を開始する。
【0080】
そして、制御部30は、光源32によるリセット光の照射が開始する時点(図8の例ではT)よりも前の時点(図8の例ではT)で、すなわち、光源32Aが電極5の矢印B方向上流側の端部に到達するよりも前の時点で、リセット用パルス電圧が電極5に予め定められた時間TER(図8の例ではT−T)分印加されるように電圧印加部26を制御する。また、制御部30は、光源32Aによるリセット光の照射が開始する時点(図8の例ではT)からリセット光の照射期間が終了する時点(図8の例ではT)までの期間T、すなわち光源32Aが電極5の矢印B方向上流側の端部に到達した時点から光源32Aが電極5の矢印B方向下流側の端部に到達するまでの期間に、リセット光を示すデータ(情報)を光源32Aに出力する。これにより、TからTのリセット光の照射期間Tにリセット光が照射され、表示媒体1がリセットされる。
【0081】
リセットが終了すると、制御部30は、光源32Aによる書き込み光(画像光)の照射期間が開始する時点(図8の例ではT)よりも前の時点(図8の例ではT)で、すなわち光源32Aが電極5の矢印A方向上流側の端部に到達するよりも前の時点で、画像書き込み用パルス電圧のうち第1のパルス電圧が透明電極5−透明電極6間に予め定められた時間TEW分印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、電圧印加部26は、透明電極5−透明電極6間に、第1のパルス電圧を予め定められた時間TEW分印加する。なお、この時間TEWは、図6に図示されるように、書き込み光照射時間Tより長い時間である。また、制御部30は、光源32Aによる書き込み光の照射が開始する時点(図8の例ではT)から書き込み光の照射が終了する時点(図8の例ではT)までの期間T、すなわち光源32Aが電極5の矢印A方向上流側の端部に到達した時点から光源32Aが電極5の矢印A方向下流側の端部に到達するまでの期間に、入力された画像データの電極5の領域に書き込むべき画像の画像データを光源32Aに出力する。これにより、TからTの書き込み光の照射期間Tに画像データに基づいた書き込み光が照射され、画像が書き込まれる。例えば書き込み光が照射された領域はF状態からH状態となる。なお、画像を書き込まない領域については画像光が照射されないのはいうまでもない。そして、制御部30は、第1のパルス電圧の印加が終了した時点(図8の例ではT10)で、画像書き込み用パルス電圧のうち第2のパルス電圧が透明電極5−透明電極6間に予め定められた時間TES分印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、電圧印加部26によって、透明電極5−透明電極6間に、第2のパルス電圧が予め定められた時間TES分印加される。そして、制御部30は、第2のパルス電圧の印加が終了した時点(図8の例ではT)で、画像書き込み用パルス電圧のうち第3のパルス電圧が透明電極5−透明電極6間に予め定められた時間TEH分印加されるように電圧印加部26を制御する。これにより、電圧印加部26によって、透明電極5−透明電極6間に、第3のパルス電圧が予め定められた時間TEH分印加されて、表示層7の電界強度が減衰する。
【0082】
ここで、本実施の形態の光書き込み装置2において、第2のパルス電圧の電圧値を800Vとし、第3のパルス電圧の電圧値を−800Vとし、第1のパルス電圧の電圧値Vを200V〜800Vまで所定間隔で変更して、表示媒体1に画像の書き込みを行った場合の表示媒体1の光照射領域の表示層7の反射率R(%)について図9を参照して説明する。同図には、第2のパルス電圧の電圧値を第1のパルスの電圧値と同一に設定し、第3のパルス電圧の高さの絶対値が第1のパルス電圧の高さの絶対値より小さくした場合の光照射時の表示層7の反射率Rを示すグラフ70、第2のパルス電圧の電圧値を第1のパルスの電圧値と同一に設定し、第3のパルス電圧の高さの絶対値が第1のパルス電圧の高さの絶対値より小さくした場合の非光照射時の表示層7の反射率Rを示すグラフ72、第2のパルス電圧の電圧値を800Vに設定し、第3のパルス電圧の電圧値を−800Vに設定した場合の光照射時の表示層7の反射率Rを示すグラフ74、第2のパルス電圧の電圧値を800Vに設定し、第3のパルス電圧の電圧値を−800Vに設定した場合の非光照射時の表示層7の反射率Rを示すグラフ76が示されている。これらのグラフ70、72、74及び76から、本実施形態の光書き込み装置2の書き込み用の電圧のラチチュード(光書き込み装置で画像を書き込みする際に用いるパルス電圧の範囲)は、従来の技術と比較して広いことが分かる。
【0083】
また、第2のパルス電圧の電圧値を800Vとし、第3のパルス電圧の電圧値を−800Vとし、第1のパルス電圧の電圧値Vを200V〜600Vまで所定間隔で変更して、表示媒体1に画像の書き込みを行った場合の表示媒体1の表示層7のコントラストについて図10を参照して説明する。同図には、第2のパルス電圧の電圧値を第1のパルスの電圧値と同一に設定し、第3のパルス電圧の高さの絶対値が第1のパルス電圧の高さの絶対値より小さくした場合の表示層7のコントラストを示すグラフ80、第2のパルス電圧の電圧値を800Vに設定し、第3のパルス電圧の電圧値を−800Vに設定した場合の表示層7のコントラストを示すグラフ82が示されている。これらのグラフ80、82から、本実施形態の光書き込み装置2によって書き込まれた表示媒体1の画像のコントラストは、従来の技術と比較して良好であることが分かる。
【0084】
以上説明したように、本実施の形態の光書き込み装置2は、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層10、及び光導電体層10を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層7を備えた光書き込み型画像表示媒体1の光導電体層10に、書き込み光を照射する照射手段としての照射部32と、表示層7及び光導電体層10に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段としての電圧印加部26と、画像を書き込む際に、書き込み光を照射する時間間隔Tで光導電体層10に照射されるように照射部32を制御すると共に、表示層7及び光導電体層10に時間間隔Tより長い間隔(幅)の第1のパルス電圧が印加され、第1のパルス電圧に続いて、第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値(高さ)の絶対値が第1のパルス電圧の電圧値(高さ)より大きい(高い)(対応する電圧値は例えば850V)第2のパルス電圧が印加され、第2のパルスに続いて、第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値(高さ)の絶対値が第1のパルス電圧の電圧値(高さ)より大きい(高い)(対応する電圧値は例えば−850V)第3のパルス電圧が印加されるように電圧印加部26を制御する制御手段としての制御部30を備えている。
【0085】
なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、電圧印加部26が、図11に示すように、高圧電源90、スイッチング素子としてのFET92、FET94、FET96、及びFET98を備える構成としてもよい。例えば、以下のような構成としてもよい。すなわち、図11に示すように、FET92のドレイン電極にノード88を介して高圧電源90を接続し、FET92のソース電極にノード84を介してFET96のドレイン電極及び透明電極5を接続する。また、FET96のソース電極を接地する。また、FET94のドレイン電極にノード88を介して高圧電源90を接続し、FET92のソース電極にノード86を介してFET98のドレイン電極及び透明電極6を接続する。そして、FET98のソース電極を接地する。また、各FETのゲート電極に制御部30を接続する。このような構成とした場合に、制御部30は、FET92及びFET98をオンして、FET94及びFET96をオフすることにより、図11に示す矢印D方向に電流を流すことができ、FET92及びFET98をオフして、FET94及びFET96をオンすることにより、図11に示す矢印E方向に電流を流すことができる。これにより、正負の電源を2つ用いることなく、簡易な構成で透明電極5−透明電極6間に印加する電圧の方向が切り換えられる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】表示媒体の断面図である。
【図2】画像表示装置(光書き込み装置)の概略構成図である。
【図3】表示媒体の等価回路を示す回路図である。
【図4】コレステリック液晶の分子配向と光学特性の関係を示す模式説明図であり、(A)はプレーナ相、(B)はフォーカルコニック相、(C)ホメオトロピック相の各相におけるものである。
【図5】コレステリック液晶のスイッチング挙動を説明するためのグラフである。
【図6】第1の実施の形態のリセット用パルス電圧及び画像書き込み用パルス電圧の波形を示す図である。
【図7】実験結果を示す図である。
【図8】第2の実施の形態のリセット用パルス電圧及び画像書き込み用パルス電圧の波形を示す図である。
【図9】実験結果を示す図である。
【図10】実験結果を示す図である。
【図11】電圧印加部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1 表示媒体
2 光記録装置
3、4 透明基板
5、6 透明電極
7 表示層
8 ラミネート層
9 遮光層
10 光導電体層
12 コレステリック液晶
20 画像表示装置
24 駆動部
26 電圧印加部
30 制御部
32 光照射部
32A 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層、及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に、前記書き込み光を照射する照射手段と、
前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段と、
画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で前記光導電体層に照射されるように前記照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が印加されるように前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
を含む光書き込み装置。
【請求項2】
照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層、及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に、前記書き込み光を照射する照射手段と、
前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段と、
画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で前記光導電体層に照射されるように前記照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が前記表示層及び前記光導電体層に印加され、前記第2のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第3のパルス電圧が印加されるように前記電圧印加手段を制御する制御手段と、
を含む光書き込み装置。
【請求項3】
コンピュータを、
画像を書き込む際に、前記書き込み光を照射する時間間隔で、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層に照射されるように、前記光導電体層及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に前記書き込み光を照射する照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が印加されるように、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
画像を書き込む際に、書き込み光を照射する時間間隔で、照射された書き込み光の光量に応じて電気抵抗の大きさが変化する光導電体層に照射されるように、前記光導電体層及び前記光導電体層を介して印加される電圧の大きさに応じた波長の光を反射及び透過させることにより画像を表示する表示層を備えた光書き込み型画像表示媒体の前記光導電体層に前記書き込み光を照射する照射手段を制御すると共に、前記表示層及び前記光導電体層に前記時間間隔より長い間隔の第1のパルス電圧が印加され、前記第1のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が同一で、かつ電圧値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第2のパルス電圧が前記表示層及び前記光導電体層に印加され、前記第2のパルス電圧に続いて、前記第1のパルス電圧と極性が反対で、かつ電圧値の絶対値が前記第1のパルス電圧の電圧値より大きい第3のパルス電圧が印加されるように、前記表示層及び前記光導電体層に画像書き込み用パルス電圧を印加する電圧印加手段を制御する制御手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−91914(P2010−91914A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263711(P2008−263711)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】