説明

光測定器

【課題】複数の光センサのレンジを、被測定光の強度の予測される変動量などに応じて容易に設定することを可能とする光測定器を提供する。
【解決手段】複数の光センサS1〜Snと、複数の光センサから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器2と、上記デジタル信号に基づいて求められた被測定光の特性に係る情報を表示する表示器5と、を有する光測定器100において、複数の光センサのそれぞれのレンジを独立して切り替えるレンジ切り替え手段12と、複数の光センサのそれぞれの現在のレンジに対する、複数の光センサのそれぞれからの入力の現在のレベルを判定するレベル判定手段13と、複数の光センサのそれぞれを識別可能な識別情報と、前記複数の光センサのそれぞれについての現在のレベルの情報と、を関連付けて表すレベル一覧を表示するための信号を表示器に入力する表示情報発生手段14と、を有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、蛍光灯、電球、LED照明、LED素子、LD、LCD(液晶ディスプレー)などの光源の光の色度、照度、演色性、波長、パワーなどの光の特性を測定する光測定器に関し、特に、複数の光センサを使用して光の特性を測定する光測定器における各光センサのレンジの設定に係る機能に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の光センサを有し、それぞれの光センサが異なる波長帯の光を検出するように構成された光測定器がある(特許文献1)。
【0003】
図7に従来の光測定器の一例の概略構成を示す。同図に示す光測定器200は、複数のフォトダイオードとされる複数の光電変換素子E1〜Enを有する。各光電変換素子E1〜Enの光入射部分には、分光手段として分光透過特性が制限された光学フィルタ(バンドパスフィルタ)F1〜Fnが設けられている。各光電変換素子E1〜Enに対応して各光電変換素子E1〜Enが受光して出力する信号を検出する検出回路C1〜Cnが設けられている。検出回路C1〜Cnは、光電変換素子E1〜Enごとに設けられた電流−電圧変換アンプ(IV変換アンプ)とされる。このように、異なる特性の光学フィルタF1〜Fnと光電変換素子E1〜Enと検出回路C1〜Cnとが組み合わされて、分光感度特性が異なる複数個の光センサS1〜Snが構成されている。
【0004】
この光測定器200で被測定光を測定する際には、被測定光を受光した光電変換素子E1〜Enで光電変換されて発生した電流は、検出回路(電流検出回路)C1〜Cnで電圧に変換される。
【0005】
一般に、検出回路C1〜Cnは、帰還系の抵抗値や容量値(積分回路の場合)をゲイン切り替えスイッチG1〜Gnによって切り替え、光電変換素子E1〜Enの信号のゲインを切り替えるレンジアンプとして使用される。レンジアンプのゲインは、一般に10倍ずつ変化する。
【0006】
光センサS1〜Snからの信号は、A/D変換器202に入力され、A/D変換器202でA/D変換されて、演算制御部であるCPU201に取り込まれる。
【0007】
CPU201では、光センサS1〜Snの分光感度特性(予め測定されて記憶されている)と、光センサS1〜Snからの信号の強度と、に基づいて、被測定光の色度や光度などの被測定光の特性を演算して、結果を表示器203において表示する。
【0008】
A/D変換器202のフルスケールに対して適切なレベルの信号を入力できるように光センサS1〜Snのレンジを切り替えることで、S/N比の高い測定データをCPU201に入力して、より精度の高い測定結果を得ることができる。光センサS1〜Snのレンジ設定は、自動又は固定が選択できるようにすることができる。
【0009】
上述のような光測定器200では、複数個の光センサS1〜Snのそれぞれに検出回路C1〜Cnが設けられているため、S/N比が良い測定が可能である。つまり、一般に、ポリクロメータなどで使用しているリニアセンサやCCDなどは、全てのフォトダイオードが一つの読み出し回路で信号を出力するため、そのような構成と比較すると、上述のような光測定器200は、ダイナミックレンジが広く、S/N比が良い構成である。
【0010】
図8は、光測定器200の測定結果を表示する測定時画面D2の一例を示す。図示の例では、被測定光の光束や色度の測定結果I1を表示している。又、光センサS1〜Snのレンジの設定を自動にするか固定にするかの選択状態I2を表示している。又、レンジの設定を固定にしたとき、何れかの光センサS1〜Snがレンジオーバーして測定している場合に、レンジオーバーである旨I3を表示するようになっている。
【0011】
上述のような光測定器200の光センサS1〜Snの数は、例えば10個、20個、30個などと多く、その中の1個でもレンジオーバーした場合、測定値が不正確になる。
【0012】
一般にレンジの設定は自動にされ、各光センサS1〜Snに最適なレンジになるように設定される。光測定器200の入力範囲内の信号であれば、各光センサS1〜Snのレンジの設定を自動にすれば、何れの光センサS1〜Snについてもレンジオーバーすることはない。
【0013】
しかし、例えば、被測定光がパルス光である場合などには、レンジを固定して測定する必要がある。つまり、例えば製造ラインで測定する時、より具体的には、例えば測定対象光源(例えば、LED)の製品の選別をする時や発光色のバラツキを測定する時などには、光測定器200に入力される被測定光はパルス光であることが多い。この場合、レンジの設定を自動にすると、光測定器200の回路構成の制約などから、光測定器200に入力される被測定光の明滅に光センサS1〜Snのレンジの切り替えが間に合わず、最適なレンジで測定することが困難となる。そのため、このような場合には、一般に、レンジを固定して測定する。
【0014】
このようにレンジを固定して測定する場合、例えば、予め被測定光の基準(代表値)となる測定対象光源をDC点灯させ、光測定器200の各光センサS1〜Snのレンジを自動で設定して、各レンジをその際に最適化されたレンジで固定する。その後、各光センサS1〜Snのレンジを固定したまま、測定対象光源の光を測定するような手順になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2002−013981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述のようにして、例えば製造ラインなどで測定する場合に、各光センサS1〜Snのレンジを予め設定して固定することができる。
【0017】
しかし、例えば測定対象光源の強度のばらつきなどによって、上述のようにして予め被測定光の基準となる測定対象光源によって最適化されたレンジに対して、レンジオーバーするような光が入力され得る場合がある。
【0018】
このような場合には、予め測定対象光源の強度のばらつきを考慮して、レンジオーバーしないように、各光センサS1〜Snのレンジを設定することが望まれる。
【0019】
しかしながら、従来、複数の光センサS1〜Snのそれぞれに関して、個々にその検出回路C1〜Cnのレンジを設定するのは、非常に面倒な作業である。
【0020】
従って、本発明の目的は、複数の光センサを使用して光の特性を測定する光測定器における各光センサのレンジを、被測定光の強度の予測される変動量などに応じて容易に設定することを可能とする光測定器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的は本発明に係る光測定器にて達成される。要約すれば、本発明は、光電変換素子、及び前記光電変換素子が受光して出力する信号を検出する検出回路であって前記光電変換素子の信号のゲインを切り替えて前記光電変換素子の信号を測定する複数のレンジを選択的に切り替え可能な検出回路をそれぞれが備えた複数の光センサと、前記複数の光センサから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記デジタル信号に基づいて求められた被測定光の特性に係る情報を表示する表示器と、を有する光測定器において、前記複数の光センサのそれぞれのレンジを独立して切り替えるレンジ切り替え手段と、前記複数の光センサのそれぞれの現在のレンジに対する、前記複数の光センサのそれぞれからの入力の現在のレベルを判定するレベル判定手段と、前記複数の光センサのそれぞれを識別可能な識別情報と、前記複数の光センサのそれぞれについての前記現在のレベルの情報と、を関連付けて表すレベル一覧を表示するための信号を前記表示器に入力する表示情報発生手段と、を有することを特徴とする光測定器である。
【0022】
本発明の一実施態様によると、前記レベル判定手段は、前記複数の光センサのそれぞれについての前記現在のレベルが、(i)所定の第1のレベルを超えるか否か、(ii)前記第1のレベルよりも小さい所定の第2のレベルを下回るか否か、又は(iii)前記第2のレベルを下回るか又は前記第1のレベルを超えるか否かを判断し、前記表示情報発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第1のレベルを超えると判断されるか、(ii)前記第2のレベルを下回ると判断されるか、又は(iii)前記第2のレベルを下回るか又は前記第1のレベルを超えると判断された光センサに関する前記レベル一覧内の少なくとも一つの項目の情報を、そのように判断されたもの以外の光センサに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を前記表示器に入力する。
【0023】
本発明の他の実施態様によると、被測定光の強度の変動幅に係る情報を前記レベル判定手段に入力する変動幅入力手段を有し、前記レベル判定手段は、被測定光の強度が前記変動幅で変動した場合に、前記複数の光センサのそれぞれからの入力のレベルが前記現在のレベルから変動して、(i)所定の第3のレベルを超えることがあるか否か、(ii)前記第3のレベルよりも小さい所定の第4のレベルを下回ることがあるか否か、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあるか否かを判断し、前記表示情報発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第3のレベルを超えることがあると判断されるか、(ii)前記第4のレベルを下回ることがあると判断されるか、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサに関する前記レベル一覧内の少なくとも一つの項目の情報を、そのように判断されたもの以外の光センサに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を前記表示器に入力する。
【0024】
本発明の他の実施態様によると、被測定光の強度の変動幅に係る情報を前記レベル判定手段に入力する変動幅入力手段と、前記レンジ切り替え手段に前記複数の光センサのレンジを切り替えて再設定させるための信号を入力するレンジ再設定信号発生手段と、を有し、前記レベル判定手段は、被測定光の強度が前記変動幅で変動した場合に、前記複数の光センサのそれぞれからの入力のレベルが前記現在のレベルから変動して、(i)所定の第3のレベルを超えることがあるか否か、(ii)前記第3のレベルよりも小さい所定の第4のレベルを下回ることがあるか否か、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあるか否かを判断し、前記レンジ再設定信号発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第3のレベルを超えることがあると判断されるか、(ii)前記第4のレベルを下回ることがあると判断されるか、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあると判断された前記光センサのレンジを切り替えて、前記レベル判定手段によりそのように判断されることがないレンジに再設定するための信号を、前記レンジ切り替え手段に入力する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、複数の光センサを使用して光の特性を測定する光測定器における各光センサのレンジを、被測定光の強度の予測される変動量などに応じて容易に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る光測定器の一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】レンジ設定画面の一例を示す模式図である。
【図3】レンジ設定画面の他の例を示す模式図である。
【図4】レンジ設定画面の他の例を示す模式図である。
【図5】本発明に係る光測定器の他の実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図6】レンジ設定画面の他の例を示す模式図である。
【図7】従来の光測定器を説明するためのブロック図である。
【図8】測定時画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る光測定器を図面に則して更に詳しく説明する。
【0028】
実施例1
図1は本発明に係る光測定器の一実施例の概略構成を示す。本実施例において、光測定器100は、複数の光センサを使用して、LEDなどの光源の光の色度、照度、演色性、波長、パワーなどの光の特性を測定することができるものである。
【0029】
光測定器100は、複数のフォトダイオードとされる複数の光電変換素子E1〜Enを有する。各光電変換素子E1〜Enの光入射部分には、分光手段として分光透過特性が制限された光学フィルタ(バンドパスフィルタ)F1〜Fnが設けられている。各光電変換素子E1〜Enに対応して、各光電変換素子E1〜Enが受光して出力する信号を検出する検出回路C1〜Cnが設けられている。検出回路C1〜Cnは、光電変換素子E1〜Enごとに設けられた電流−電圧変換アンプ(IV変換アンプ)とされる。異なる特性の光学フィルタF1〜Fnと光電変換素子E1〜Enと検出回路C1〜Cnとが組み合わされて、分光感度特性が異なる複数個の光センサS1〜Snが構成されている。
【0030】
検出回路C1〜Cnは、光電変換素子E1〜Enの信号のゲインを切り替えて光電変換素子E1〜Enの信号を測定する複数のレンジを選択的に切り替えることが可能とされている。本実施例では、各検出回路E1〜Enは、帰還抵抗をゲイン切り替えスイッチG1〜Gnによって切り替え、光電変換素子E1〜Enのゲインを切り替えるレンジアンプとして構成されている。本実施例では、各レンジアンプのゲインは、10倍ずつ4段階に変化するように構成されている。
【0031】
本実施例では、一例として、光センサS1〜Snの数は、30個(即ち、n=30)とされている。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、n=5〜100など、任意に設定することができる。
【0032】
又、光測定器100は、A/D変換器2、演算制御部であるCPU1、記憶手段としてのROM3及びRAM4、表示器5、及び操作部6などを有する。
【0033】
A/D変換器2は、複数の光センサS1〜Snから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換して、CPU1に入力する。
【0034】
CPU1は、ROM3に記憶されているプログラムやデータに従って光測定器100の動作を統括的に制御する。特に、本実施例では、CPU1は、A/D変換器2から入力されるデジタル信号に基づいて被測定光の特性に係る情報を求める測定手段としての測定部11の機能を有する。その他、詳しくは後述するように、CPU1は、レンジ切り替え手段としてのレンジ切り替え部12、レベル判定手段としてのレベル判定部13、表示情報発生手段としての表示情報発生部14の機能を有する。CPU1は、ROM3から読み込んだ所定のプログラムやデータに従って演算制御処理を行うことで、上記各機能を発揮する各手段を具現する。
【0035】
ROM3は、CPU1がそれに従って制御を行うためのプログラムやデータを記憶する。RAM4は、CPU1の制御により書き込まれる測定データなどのデータを一時的に記憶する。
【0036】
表示器5は、CPU1によって求められた被測定光の特性に係る情報を表示する他、詳しくは後述するように、各光センサS1〜Snのレンジの設定時にレンジ設定画面D1(図2など)を表示する。表示器5は、CPU1の表示情報発生部14が発生する信号に従って、表示器5上に所定の表示を行う。
【0037】
操作部6は、測定の開始・終了の指示、各種設定値などの情報をCPU1に入力するために用いられる。操作部6は、表示器6とは別個に設けることができるが、表示器5と一体的な、所謂、タッチパネルとして構成することもできる。
【0038】
光測定器100で被測定光を測定する際には、被測定光を受光した光電変換素子E1〜Enで光電変換されて発生した電流は、検出回路(電流検出回路)C1〜Cnで電圧に変換される。
【0039】
光センサS1〜Snからの信号は、A/D変換器2に入力され、A/D変換器2でA/D変換されて、演算制御部であるCPU1に取り込まれる。
【0040】
CPU1の測定部11では、光センサS1〜Snの分光感度特性(予め測定されて記憶されている)と、光センサS1〜Snからの信号の強度と、に基づいて、被測定光の色度や光度などの被測定光の特性を演算する。表示情報発生部14は、測定部11により求められた結果を表示器3において表示するための信号を表示器5に入力する。
【0041】
本実施例では、光センサS1〜Snのレンジ設定は、自動又は固定が選択できるようになっている。光センサS1〜Snのレンジの設定を自動にするか、固定にするかは、ユーザが操作部6からキー入力により、レンジ切り替え手段としてのCPU1のレンジ切り替え部12に指示することで選択される。レンジ切り替え部12は、複数の光センサS1〜Snのそれぞれのレンジを独立して切り替えることができる。
【0042】
レンジの設定を自動にすると、各光センサS1〜Snのレンジは最適なレンジになるように設定される。本実施例では、ROM3には、A/D変換器2のフルスケール(例えば2V)に関する情報が記憶されており、被測定光の測定時には、CPU1のレンジ切り替え部12は、ROM3に記憶されているA/D変換器2のフルスケールに関する情報を読み込み、各光センサS1〜SnからA/D変換器2への入力と比較することで、その入力のレベルが上記フルスケールを超えることでレンジオーバーが発生しないように、常に最適なレンジを選択し、自動的に切り替える。
【0043】
一方、レンジの設定を固定にすると、各光センサS1〜Snのレンジは、各光センサS1〜SnからA/D変換器2への入力に拘わらず、設定されたレンジに固定される。各光センサS1〜Snのレンジは、ユーザが操作部6からキー入力によりCPU1のレンジ切り替え部12に指示することで、任意の時点で、手動により切り替えることができるようになっている。従って、レンジの設定が固定されると、その後手動により切り替えられるか、又はレンジの設定が自動にされるまでは、レンジは変更されることはない。
【0044】
本実施例では、測定時に光測定器100の表示器5の表示される画面である測定時画面D2は、図8を参照して説明した従来のものと同様である。図示の例では、被測定光の光束や色度の測定結果I1を表示すると共に、光センサS1〜Snのレンジの設定を自動にするか固定にするかの選択状態I2を表示し、又レンジの設定を固定にしたとき何れかの光センサS1〜Snがレンジオーバーして測定している場合にレンジオーバーである旨I3を表示する。
【0045】
ここで、前述のように、例えば製造ラインで測定対象光源(例えば、LED)の製品の選別をする時や発光色のバラツキを測定する時などには、光測定器100に入力される被測定光はパルス光であることが多く、この場合、レンジの設定を自動にすると光測定器100に入力される被測定光の明滅にレンジの切り替えが間に合わず、最適なレンジで測定することが困難となる。そのため、このような場合には、レンジを予め設定し、固定して測定することができる。
【0046】
そして、本実施例の光測定器100は、レンジを予め設定し、固定する際に、測定時に測定対象光源の強度のばらつきなどによってレンジオーバーが発生することがないように、各光センサS1〜Snのレンジを設定することを容易とするために、レンジの設定時の画面D1であるレンジ設定画面D1(図2など)を表示器5に表示する制御を行う。
【0047】
例えば製造ラインなどでレンジを固定して測定する場合には、被測定光の基準(代表値)となる測定対象光源をDC点灯させて、この光を、光測定器100のレンジの設定を自動に切り替えた上で測定する。これにより、各光センサS1〜Snのレンジは自動で最適化される。
【0048】
図2にレンジ設定画面D1の一例を示す。上述のようにレンジの設定を自動にして被測定光の基準(代表値)を測定しているとき、レベル判定手段としてのCPU1のレベル判定部13が、複数の光センサS1〜Snのそれぞれの現在のレンジに対する、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力の現在のレベルを判定する。本実施例では、レベル判定部13は、ROM3に記憶されている、A/D変換器2のフルスケールに関する情報を読み込み、各光センサS1〜SnからA/D変換器2への入力と比較することで、その入力のレベルが上記フルスケールに対して何%であるかを求める。又、本実施例では、各光センサS1〜Snのレンジは、レンジ番号1〜4の4段階でレンジ切り替えが可能であり、レベル判定部13はレンジ番号に対応付けて上記現在のレベルを判定する。
【0049】
次に、表示情報発生手段としてのCPU1の表示情報発生部14は、複数の光センサS1〜Snのそれぞれを識別可能な識別情報と、複数の光センサS1〜Snのそれぞれについての上記現在のレベルの情報と、を関連付けて現すレベル一覧Tを表示するための信号を発生し、その信号を表示器5に入力する。これにより、表示器5は、入力されたレベル一覧Tをレンジ設定画面D1において表示するための信号に従って、レベル一覧Tを含むレンジ設定画面D1を表示することができる。又、表示情報発生部14は、上記現在のレベルの情報に加えて、各光センサS1〜Snの現在選択されているレンジを表示する情報が、光センサS1〜Snの識別情報と関連付けられたレベル一覧Tを表示するための信号を発生してもよい。
【0050】
本実施例では、図2に示すように、表示情報発生部14は、各光センサS1〜Snの識別情報としてのPD番号(PD1〜PD30)ごとに、現在のレンジ番号と、A/D変換器2のフルスケールに対する現在の入力のレベル(レンジに対する割合(%),A/Dレベル)と、が関連付けられたレベル一覧Tを表示させる。
【0051】
このように、光センサS1〜Snごとに、現在のレンジ及びそのレンジに対して何%のレベルが入力されているかを一覧表示することで、ユーザは各光センサS1〜Snのレンジ設定が最適かどうかを容易に確認することができる。
【0052】
尚、本実施例では、現在のレベルを数値で表示するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、バーグラフなどで各レベルをグラフで表示することもできる。
【0053】
この状態で、ユーザは、レンジの設定を固定に切り替えて、各光センサS1〜Snのレンジを現在のレンジで固定する。レンジ切り替え部12は、各光センサS1〜Snの現在のレンジ番号をRAM4に記録する。
【0054】
ユーザは、レベル一覧Tにおいて各光センサS1〜Snの各レンジに対する現在の入力のレベルを確認して、何れのレンジも手動で変更する必要が無いと判断すれば、各光センサS1〜Snのレンジを変更することなく、レンジの設定を固定にしたままで、例えばパルス光とされる測定対象光源の光を測定することができる。一方、ユーザが、被測定光の強度の予測される変動量、例えば製造ラインにおける測定対象光源たるLEDなどの発光量の個体差によるバラツキの範囲、各光センサS1〜Snの各レンジに対する現在の入力のレベルなどに基づいて、何れかの光センサS1〜Snに関して、現在のレンジでは実際の被測定光の測定時にレンジオーバーとなる可能性があると判断した場合などには、操作部6からのキー入力により、レンジ切り替え部12に指示することで、そのレンジを手動にて変更することができる。レンジ切り替え部12は、変更されたレンジ番号をRAM4に記録する。その後、レンジの設定を固定したままで、例えばパルス光とされる測定対象光源からの光を測定することができる。
【0055】
本実施例では、ユーザが、表示切り替え指示手段として機能する操作部6からのキー入力により、表示器5における表示の切り替えをCPU1の表示情報発生部14に指示することで、表示器5に表示する画面を、図8に示すような測定時画面D2と、図2に示すようなレンジ設定時画面D1との間で切り替える。このように、本実施例では、表示情報発生部14は、操作部6からの指示に応じて、レベル一覧Tを表示するための信号と、被測定光の特性に係る情報を表示するための信号と、を選択的に表示器5に入力する。これにより、必要時にのみ各レンジの設定を表示させて、操作性の向上を図ることができる。
【0056】
ここで、ユーザが各レンジに対する現在の入力のレベルを確認することを容易とし、又ユーザにレンジの変更を促すために、レベル一覧Tにおいて、現在の入力のレベルが、被測定光の強度が変動することで一般にレンジオーバーが発生し易いと考えられる範囲に達している光センサS1〜Snに関する情報については、それ以外のものと異なる表示態様で表示することができる。
【0057】
更に説明すると、先ず、レベル判定部13は、複数の光センサS1〜Snのそれぞれについての上記現在のレベルが、所定の第1のレベル(例えば80%)を超えるか否かを判断することができる。そして、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第1のレベルを超えると判断され光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(例えば、光センサS1〜Snの識別情報、現在のレンジの情報、現在のレベルの情報、又はこれらの組み合わせ)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。これにより、被測定光の強度が大きくなった場合に、光センサS1〜Snからの入力のレベルがA/D変換器2のフルスケールを超えることでレンジオーバーが発生することがないように、ユーザが手動にてレンジを変更することを促すことができる。例えば、図2の例では、上記第1のレベルとして80%を超えるレベルとなっている光センサS1〜Snに関して、レベルの表示を点滅させるように設定されており、PD19、PD20の現在のレンジに対する入力のレベルが85%、90%と該当するため点滅している。
【0058】
又、レベル判定部13は、複数の光センサS1〜Snのそれぞれについての上記現在のレベルが、上記第1のレベルよりも小さい所定の第2のレベル(例えば20%)を下回るか否かを判断することができる。そして、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第2のレベルを下回ると判断された光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(レベルの表示など)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。これにより、被測定光の強度が小さくなった場合に、光センサS1〜Snからの入力のレベルがA/D変換器2のフルスケールに対して小さくなり過ぎることがないように、ユーザが手動にてレンジを変更することを促すことができる。例えば、上記第2のレベルとして30%未満のレベルとなっている光センサS1〜Snに関して、レベルの表示を点滅させることができる。
【0059】
又、レベル判定部13は、複数の光センサS1〜Snのそれぞれについての上記現在のレベルが、上記第2のレベル(例えば20%)を下回るか又は上記第1のレベル(例えば80%)を超えるか否かを判断することができる。そして、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第2のレベルを下回るか又は上記第1のレベルを超えると判断された光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(レベルの表示など)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。これにより、被測定光の強度が大きくなる場合にも、小さくなる場合にも対応することができる。
【0060】
更に、ユーザが被測定光の強度の変動の割合を入力することにより、被測定光の強度の変動分を考慮して、レンジオーバーになりそうな光センサS1〜Snについては、レベル一覧T内の表示が点滅するなどして、ユーザにレンジの変更を促すようにすることができる。
【0061】
例えば、光源装置(LEDなど)の製造ラインなどにおいて、測定対象光源が発する光の強度が変動する場合、通常、基準となる発光スペクトルの全体が、高強度側又は低強度側にシフトする。従って、予め求められている各光センサS1〜Snの受光光量と出力信号の強度との関係と、予測される被測定光の強度の変動幅とから、各光センサS1〜SnからA/D変換器2への入力が変動してA/D変換器2のフルスケールを超えるか否か、又はフルスケールに対して小さくなり過ぎるか否かを求めることができる。
【0062】
更に説明すると、ユーザは、変動幅入力手段として機能する操作部6からキー入力により被測定光の強度の変動幅に係る情報をレベル判定部13に入力する。図4に示すように、この変動幅の入力値V1を、レンジ設定画面D1に表示することができる。そして、先ず、レベル判定部13は、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、所定の第3のレベル(例えば100%)を超えることがあるか否かを判断することができる。この場合、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(レベルの表示など)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。レベル判定部13は、ROM3に予め記憶されている各光センサS1〜Snの受光光量と出力信号の強度との関係を示す情報に基づいて、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、各光センサS1〜SnからA/D変換器2への入力がA/D変換器2のフルスケールを超えることがある否かを判断する。これにより、被測定光の強度が大きくなった場合に、光センサS1〜Snからの入力のレベルがA/D変換器2のフルスケールを超えることでレンジオーバーが発生することがないように、ユーザが手動にてレンジを変更することを促すことができる。例えば、図4の例では、PD19、PD20の現在のレンジに対する入力のレベルが85%、90%であり、このレベルでは、操作部6から入力された被測定光の強度の変動分である50%(被測定光の強度が現在の測定結果を元に、±50%変動することを意味する。)だけ被測定光の強度が変動した場合に、レンジオーバーが発生することを、当該レベルの表示が点滅することで表している。
【0063】
又、レベル判定部13は、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、上記第3のレベルよりも小さい所定の第4のレベル(例えば1%)を下回ることがあるか否かを判断することができる。この場合、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第4のレベルを下回ることがあると判断された光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(レベルの表示など)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。これにより、被測定光の強度が小さくなった場合に、光センサS1〜Snからの入力のレベルがA/D変換器2のフルスケールに対して小さくなり過ぎることがないように、ユーザが手動にてレンジを変更することを促すことができる。このように、レンジオーバーのみでなく、レンジに対して入力が低い場合にも、レンジ変更を促す表示を行うことができる。
【0064】
又、レベル判定部13は、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、上記第4のレベル(例えば1%)を下回るか又は上記第3のレベル(例えば100%)を超えることがあるか否かを判断することができる。この場合、表示情報発生部14は、レベル判定部13により上記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサS1〜Snに関するレベル一覧T内の少なくとも一つの項目の情報(レベルの表示など)を、そのように判断されたもの以外の光センサS1〜Snに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を表示器5に入力することができる。これにより、被測定光の強度が大きくなる場合にも、小さくなる場合にも対応することができる。
【0065】
尚、上記第1のレベルと上記第3のレベルは同じであってもよいし異なっていてもよい。同様に、上記第2のレベルと上記第4のレベルは同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0066】
又、上述の「異なる表示態様」は、これに限定されるものではないが、表示の色、大きさ、字体、文字・図形・記号の付加、点滅の有無、又はこれらの組み合わせを異ならせることで強調して表示する態様とすることが好ましい。例えば、図3のようなバーグラフでレベルを表示する場合、当該バーグラフの色を変更させて強調する方法で表示することができる。
【0067】
以上のように、本実施例では、レベル一覧Tを表示することによって、ユーザは複数の光センサS1〜Snの個々のレンジを設定する際に、各レンジが最適かどうかの確認を容易に行うことができる。又、レベル一覧Tは、ユーザが測定時にレンジオーバーが発生しないようにレンジを変更するのを補助することができる。
【0068】
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の光検出器の基本的な構成及び動作は、実施例1のもの同様であるので、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0069】
図5は、本実施例の光測定器100の概略構成を示す。本実施例では、各光センサS1〜Snのレンジの設定時に、予測される被測定光の強度の変動幅に基づいて各レンジを自動的に再設定できるようにする。
【0070】
本実施例では、CPU1は、レンジ再設定信号発生手段としての再設定信号発生部15としての機能を有する。このレンジ再設定信号発生手段は、レンジ切り替え手段としてのレンジ切り替え部12に複数の光センサS1〜Snのレンジを再設定させるための信号を入力するものである。そして、再設定信号発生部15は、概略、実施例1において説明したように、レベル判定部13が、ユーザが入力した被測定光の強度の変動の割合に基づいて、光センサS1〜Snの現在のレンジでは、実際の測定時に入力のレベルが所定の第3のレベル(例えば100%)を超えるか又は所定の第4のレベル(例えば1%)を下回ることがあると判断した光センサS1〜Snについて、そのレンジを自動的に変更する。
【0071】
例えば、実施例1で説明したのと同様にして、予め被測定光の基準(代表値)となる測定対象光源をDC点灯させて、この光を、光測定器100のレンジを自動で設定して、各光センサS1〜Snについて最適化されたレンジで固定して測定する。レンジ切り替え部12は、各光センサS1〜Snの識別情報としてのPD番号ごとに、このときの各光センサS1〜Snの現在のレンジ番号とそのA/DレベルとをRAM4に記録する。
【0072】
そして、操作部6からのキー入力により、被測定光の強度の変動の割合をユーザが入力し、レンジの再設定を指示することで、被測定光の強度の変動分を考慮して、全ての光センサS1〜Snのレンジを自動で設定することができる。
【0073】
図6は本実施例におけるレンジ設定画面D1の一例を示す。本実施例では、実施例1と同様に、レンジ設定画面D1には、レベル一覧Tなどが表示されている。又、実施例1において、一般的に或いはユーザが入力した被測定光の強度の変動の割合から被測定光の強度の変動分を考慮して、レンジオーバーやレンジに対して入力が小さくなり過ぎることが発生しそうな光センサS1〜Snを判定したのと同様にして、レベル判定部13がいずれかの光センサS1〜Snについてレンジオーバーなどが発生することがあると判定した場合に、レンジの再設定の指示を入力すべきことをユーザに促す表示R1を表示させるための信号を表示情報発生部14が表示器5に入力することができる。尚、本実施例においても、実施例1と同様にして、レンジオーバーなどが発生することがあると判定された光センサS1〜Snについてのレベル一覧T内の表示態様を、それ以外の光センサS1〜Snについての表示態様と異ならせることができ、これによりユーザにレンジの再設定の指示を入力すべきことをユーザに促すことができる。又、被測定光の強度の変動の割合をユーザが入力することにより、レンジの再設定が必要な場合には自動でレンジの再設定が行われるようにしてもよい。
【0074】
更に説明すると、ユーザは、変動幅入力手段として機能する操作部6からキー入力により被測定光の強度の変動幅に係る情報をレベル判定部13に入力する。そして、レベル判定部13は、実施例1で説明したのと同様にして、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、所定の第3のレベル(例えば100%)を超えることがあるか否かを判断することができる。この場合、再設定信号発生部15は、レベル判定部13により上記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサS1〜Snのレンジを切り替えて、被測定光の強度が上記変動幅で変動して当該光センサからの入力のレベルが現在のレベルから変動しても、入力のレベルが上記第3のレベルを超えることがないレンジに再設定するための信号を、レンジ切り替え部12に入力する。
【0075】
又、レベル判定部13は、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、所定の第4のレベル(例えば1%)を下回ることがあるか否かを判断することができる。この場合、再設定信号発生部15は、レベル判定部13により上記第4のレベルを下回ることがあると判断された光センサS1〜Snのレンジを切り替えて、被測定光の強度が上記変動幅で変動して当該光センサからの入力のレベルが現在のレベルから変動しても、入力のレベルが上記第4のレベルを下回ることがないレンジに再設定するための信号を、レンジ切り替え部12に入力する。
【0076】
又、レベル判定部13は、被測定光の強度が上記変動幅で変動した場合に、複数の光センサS1〜Snのそれぞれからの入力のレベルが現在のレベルから変動して、上記第4のレベル(例えば1%)を下回るか又は上記第3のレベル(例えば100%)を超えることがあるか否かを判断することができる。この場合、再設定信号発生部15は、レベル判定部13により上記第4のレベルを下回るか又は上記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサS1〜Snのレンジを切り替えて、被測定光の強度が上記変動幅で変動して当該光センサからの入力のレベルが現在のレベルから変動しても、入力のレベルが上記第4のレベルを下回るか又は上記第3のレベルを超えることがないレンジに再設定するための信号を、レンジ切り替え部12に入力する。
【0077】
本実施例では、レンジ再設定信号発生部12は、レンジ再設定指示手段として機能する操作部6から、当該切り替えのための信号の発生を指示することで当該信号を発生する。
【0078】
以上のように、本実施例では、ユーザは、複数の光センサS1〜Snの個々のレンジを手動で設定することが不要になる。又、予めユーザによって入力された、予測される被測定光の強度の変動の値によって各光センサS1〜Snのレンジを自動で設定することで、測定対象光源の光が変動範囲内で変化したとしても、全てのレンジにおいてレンジをオーバーすることはなく、正確な測定が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 CPU1
2 A/D変換器
3 ROM
4 RAM
5 表示器
6 操作部
11 測定部
12 レンジ切り替え部
13 レベル判定部
14 表示情報発生部
15 再設定信号発生部
1〜Cn 検出回路
1〜En 光電変換素子
1〜Sn 光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子、及び前記光電変換素子が受光して出力する信号を検出する検出回路であって前記光電変換素子の信号のゲインを切り替えて前記光電変換素子の信号を測定する複数のレンジを選択的に切り替え可能な検出回路をそれぞれが備えた複数の光センサと、前記複数の光センサから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、前記デジタル信号に基づいて求められた被測定光の特性に係る情報を表示する表示器と、を有する光測定器において、
前記複数の光センサのそれぞれのレンジを独立して切り替えるレンジ切り替え手段と、
前記複数の光センサのそれぞれの現在のレンジに対する、前記複数の光センサのそれぞれからの入力の現在のレベルを判定するレベル判定手段と、
前記複数の光センサのそれぞれを識別可能な識別情報と、前記複数の光センサのそれぞれについての前記現在のレベルの情報と、を関連付けて表すレベル一覧を表示するための信号を前記表示器に入力する表示情報発生手段と、
を有することを特徴とする光測定器。
【請求項2】
前記レベル判定手段は、前記複数の光センサのそれぞれについての前記現在のレベルが、(i)所定の第1のレベルを超えるか否か、(ii)前記第1のレベルよりも小さい所定の第2のレベルを下回るか否か、又は(iii)前記第2のレベルを下回るか又は前記第1のレベルを超えるか否かを判断し、
前記表示情報発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第1のレベルを超えると判断されるか、(ii)前記第2のレベルを下回ると判断されるか、又は(iii)前記第2のレベルを下回るか又は前記第1のレベルを超えると判断された光センサに関する前記レベル一覧内の少なくとも一つの項目の情報を、そのように判断されたもの以外の光センサに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を前記表示器に入力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光測定器。
【請求項3】
被測定光の強度の変動幅に係る情報を前記レベル判定手段に入力する変動幅入力手段を有し、
前記レベル判定手段は、被測定光の強度が前記変動幅で変動した場合に、前記複数の光センサのそれぞれからの入力のレベルが前記現在のレベルから変動して、(i)所定の第3のレベルを超えることがあるか否か、(ii)前記第3のレベルよりも小さい所定の第4のレベルを下回ることがあるか否か、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあるか否かを判断し、
前記表示情報発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第3のレベルを超えることがあると判断されるか、(ii)前記第4のレベルを下回ることがあると判断されるか、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあると判断された光センサに関する前記レベル一覧内の少なくとも一つの項目の情報を、そのように判断されたもの以外の光センサに関する情報とは異なる表示態様で表示するための信号を前記表示器に入力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光測定器。
【請求項4】
被測定光の強度の変動幅に係る情報を前記レベル判定手段に入力する変動幅入力手段と、
前記レンジ切り替え手段に前記複数の光センサのレンジを切り替えて再設定させるための信号を入力するレンジ再設定信号発生手段と、
を有し、
前記レベル判定手段は、被測定光の強度が前記変動幅で変動した場合に、前記複数の光センサのそれぞれからの入力のレベルが前記現在のレベルから変動して、(i)所定の第3のレベルを超えることがあるか否か、(ii)前記第3のレベルよりも小さい所定の第4のレベルを下回ることがあるか否か、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあるか否かを判断し、
前記レンジ再設定信号発生手段は、前記レベル判定手段により(i)前記第3のレベルを超えることがあると判断されるか、(ii)前記第4のレベルを下回ることがあると判断されるか、又は(iii)前記第4のレベルを下回るか又は前記第3のレベルを超えることがあると判断された前記光センサのレンジを切り替えて、前記レベル判定手段によりそのように判断されることがないレンジに再設定するための信号を、前記レンジ切り替え手段に入力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光測定器。
【請求項5】
前記異なる表示態様は、表示の色、大きさ、字体、文字・図形・記号の付加、点滅の有無、又はこれらの組み合わせを異ならせることで強調して表示する態様であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかの項に記載の光測定器。
【請求項6】
前記表示器における表示の切り替えを前記表示情報発生手段に指示する表示切り替え指示手段を有しており、
前記表示情報発生手段は、前記表示切り替え指示手段からの指示に応じて、前記レベル一覧を表示するための信号と、被測定光の特性に係る情報を表示するための信号と、を選択的に前記表示器に入力し、前記表示器に表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの項に記載の光測定器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−75332(P2011−75332A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225340(P2009−225340)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】