説明

光測定装置

【課題】光放射面の形状にかかわらずに確実かつ簡便な照度の判定を可能にする光測定装置を提供する。
【解決手段】特に出力口上に光放射面(21)を有する光導装置が接続された光硬化装置内に配置された光源(19)の照度を測定するためのものであって少なくとも3個の測定フィールド(38)を備えてなる、特に歯科用光硬化装置のための光測定装置(34)に関する。光測定装置(34)は、二次元に分配された少なくとも4個の測定フィールド(38)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1前段に記載の特に歯科用光硬化装置のための光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前記の種類の光測定装置は例えば独国特許出願公開第3929562号A1号明細書(特許文献1)によって知られている。この光測定装置は内視鏡の試験のために使用されるものであるが、光源から放射された光が光導装置を介してセンサ構成に伝送され、センサの出力信号の比較によって内視鏡を試験する。
【0003】
さらに、光導体の直径およびその光放射面よりも小さな直径を有するセンサを設けることも提案されている。この解決方式は、光放射面の直径にかかわらずに放出された照度の計測を可能にすることを試みている。しかしながらこの解決方式には、基本的に光放射面の測定される領域内の光密度のみが検出されるという重大な問題点が存在する。このことは、比較的に大きな光放射面の場合に放出された光出力のうちの極僅かの割合のみが検出され、そのため光放射面の大きさが多様である場合に測定エラーが発生する。
【0004】
またこの解決方式においては特に距離測定が不可能であり、すなわちそれにおいては単に光硬化装置がセンサフィールドの上方に保持されそれによって放出された照度がまだ充分なものであるかどうかを判定するものであり、その理由はこの解決方式によれば光線拡散によって常に測定エラーが発生するためである。
【0005】
未公開の独国特許出願第102006035657号明細書(特許文献2)により、光センサの一次元配置を使用しその出力信号を光源の光出力の測定に使用することが提案されている。この解決方式は基本的に単純であり、その前から知られていた解決方式に対して改善を成すものである。一方でこの構成は、光放射面が円形から逸脱した形状を有する場合に正確な測定結果を提供することが不可能である。
【0006】
【特許文献1】独国特許出願公開第3929562号A1明細書
【特許文献2】独国特許出願第102006035657号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、光放射面の形状にかかわらずに確実かつ簡便な照度の判定を可能にする、請求項1前段に記載の光測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題は本発明に従って請求項1によって解決される。従属請求項には好適な追加構成が示されている。
【0009】
本発明によれば、光測定装置のために設けられた測定フィールドが少なくとも2つの次元に配分される。デカルト座標系内において測定フィールドは例えばXおよびY方向に配分することができるが、測定フィールドをZ方向すなわち上下に配分することによって第3の次元も使用するか、またはデカルト座標系以外のものを使用することも可能である。
【0010】
意外なことに、本発明に係る装置、特に測定フィールドによって定義されたマトリクスを光放射面よりも大きく形成した装置との組み合わせにおいて、測定フィールドの出力信号を積分することによって驚くほど簡便な方式で光源の照度を測定することができる。そのため、測定フィールドの周囲を(光源を除いて)遮光することが好適であり、従って光源によって照射されていない測定フィールドが大きさ0の出力信号を発信する。他方、光源の“光斑点”の焦点領域の外に放射された拡散光は周囲の測定フィールドによって検出され、そのため積分される照度の判定に反映される。
【0011】
しかしながら、光測定装置はストッパを備えることが好適であり、それは適宜な標記によって代替することもできるとともに光測定装置のための規準標記として機能するよう設定され、すなわちそこにおいて光放射面が測定フィールド構成上に設置される。この解決方式の利点は拡散光の大幅な削減であり、その結果積分された測定フィールドの総合照度が例えば歯科用光硬化装置の実際の光放射に相当する。
【0012】
二次元あるいは少なくとも二次元の照度の測定によって、その測定は光源の形状に依存しないものとなる。光ファイバ光導体は一般的に円形の光斑点を放射するが、誘導棒の先端上のチップ構成が光放射に影響をもたらす歯科用光硬化装置が増えており、そこで集光レンズを装着した際にも一般的に光放射は円形とならず、丸み付けられた角部を有する四角形となる。本発明に係る測定フィールドの配置によって光硬化装置が斜めまたはねじれて測定フィールド構成に装着された場合でさえも測定エラーを防止することができる。
【0013】
意外なことに、傾斜エラーを補償することも可能になる:傾斜によって鋭角に入射した測定フィールドが一般的により強く照射され、鈍角に入射した測定フィールドは一般的に弱く照射される。それに対して、照射された測定フィールドの積分された測定値は実質的に同じ測定結果を伝達する。
【0014】
本発明の好適な構成形態によれば、そのように検出された傾斜エラーを追加的に制御装置によって補償することが可能であり、その制御装置は、階調に相当しその点において光硬化装置の傾斜を意味するものである測定フィールドの多様な照度に対して一種の校正表として正確な校正を実施する。
【0015】
本発明によれば、一種のマトリクスとして配置された測定フィールドが低価格で調達されることも極めて好適である。多数の測定フィールド、例えば512×512個の測定フィールドまたはそれどころか1024×1024個の測定フィールドを提供しそれによって繊細かつ正確な光斑点境界の評価をも可能にする、例えばCCDセンサを使用することができる。
【0016】
その種のセンサは評価ユニットとして使用することもでき、その際検出された測定信号を例えばシフトレジスタ内に一時記録し評価装置によって周期的に呼び出すことができる。その種のセンサは例えば25×25mmの測定フィールド面を有し、従ってそれは例えば3mmまたは5mmである光硬化装置の光放射面の直径あるいは側辺長に比べて著しく大きいものである。
【0017】
従って本発明によれば、測定面の正確な方向合わせを行わなくても光硬化装置の検査および較正が可能となることが極めて好適である。
【0018】
別の好適な構成形態によれば、測定フィールドが互いに直行する2つの次元内に所与の格子サイズで延在し、光源の放射スペクトルに相応するスペクトル感応性を有する。
【0019】
別の好適な構成形態によれば、光源が380nmないし515nmのスペクトル領域の光を放射し、測定フィールドが特にその感度最大が380nmないし515nmの波長領域内に存在するスペクトル感応性を有する。
【0020】
別の好適な構成形態によれば、測定フィールドがマトリクス、特に二次元のマトリクスを形成し、その延伸がいずれの方向においても光放射面よりも大きくなり、特にいずれの方向においても光放射面の直径あるいはそれに該当する長さに比べて少なくとも2倍の大きさとなる。
【0021】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置が測定フィールドによって定義された面あるいはマトリクスに隣接してストッパを備え、それが光導装置の光出力口上の動作を前記ストッパ方向において制限する。
【0022】
別の好適な構成形態によれば、ストッパが測定フィールド構成を形成している測定フィールドを少なくとも部分的に包囲するとともにその表面より突出する。
【0023】
別の好適な構成形態によれば、測定フィールド構成の側辺長が光放射面の直径よりも大きくなり、特に約25mmあるいはそれ未満である。
【0024】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置の測定フィールドのセンサが互いに同等な複数の光センサの形式で形成され、それらが電荷結合素子(CCD)の原理で動作するとともにマトリクスの形式で二次元に延在する。
【0025】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置が表示装置を備えるかあるいは表示装置に接続されており、それによって光測定装置によって測定された照度をmW/cmの単位で表示し得るか、および/または光導体の光放射面の直径を表示することができる。
【0026】
別の好適な構成形態によれば、光放射面が表示装置上において象徴化して表示され、特に表示装置の表示面の一部を占める。
【0027】
別の好適な構成形態によれば、光源による測定フィールドの照射の強度が明暗差および/または色の相違によって表示装置上に表示される。
【0028】
別の好適な構成形態によれば、表示装置上に示された光源がその形状において光放射面に相当し、特に円形、楕円形、多角形であるか、または円形から逸脱した形状を有する。
【0029】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置が記憶装置を備え、それによって少なくとも1回の測定工程の結果を記憶可能であるか、および/またはそれを介して光源の光放射の変化を判定可能である。
【0030】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置が少なくとも1つのインタフェースを備え、それを介し、特に有線または無線接続によって、外部の機器とデータを交換可能である。
【0031】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置が内部電流源および/または外部電流源を備え、特に光測定装置に内蔵された充電池が光硬化装置に内蔵された充電池と互換である。
【0032】
別の好適な構成形態によれば、光測定装置がドッキングステーション、特に光硬化装置のドッキングステーションと結合可能である。
【0033】
別の好適な構成形態によれば、各測定フィールドが光源によって生成された測定フィールドの照度に相当する大きさを有する出力信号を発信する。
【0034】
別の好適な構成形態によれば、各測定フィールドが“発光中”である照明状態または“非発光中”である照明状態のいずれかに相当する出力信号を発信する。
【0035】
本発明によれば、前述した光測定装置によって2つの異なった階層で2つの異なった測定を実施することが極めて好適である。この方式によって例えば光測定装置内の照射された測定フィールドの増加を両方の階層間で判定することができる。意外なことにその増加が光導装置の形状および放射特性についてより多くの情報をもたらす。
【0036】
その際本発明によれば、単一の光測定装置を1つの階層から別の階層へ移動させてそこで測定を実施することができる。しかしながら、2つの異なった光測定装置が両方の階層内に存在することが好適であり、それによって両方の測定を並行して実施することができる。
【0037】
増加の形式で追加的に存在する情報によって光導装置の光放射面の形状あるいは大きさを判定することができる。それに代えてあるいは追加的に、放射特性自体をより詳細に判定することもできる。そのため、光線円錐の拡散角度または放射された光の光分散を前記増加に基づいて計算することができる。
【0038】
本発明の別の実施形態によれば、光硬化装置の光導装置から放射された光の少なくとも1つの物理的数値を検出可能な特に歯科用光硬化装置のための光測定装置が、放射された光を第1の階層内で検出するための第1のセンサ装置と、放射された光を前記第1の階層から離間した第2の階層内で検出するための第2のセンサ装置と、前記第1および第2のセンサ装置内の測定値間の差を判定するための評価回路とを備えてなる。
【0039】
評価回路は光導装置の光放射面の形状および/または大きさを検出することができ、特にある階層の照射されている総面積を検出可能である。
【0040】
評価回路は光導装置の放射特性を評定することができ、その放射特性は特に各階層上で検出された照度と、光線円錐の拡散角度と、および/または放射された光の光分散を含んでいる。
【0041】
センサ装置はそれぞれ照射される複数面を備えており、それら面がそれぞれ各階層に配置され、各層は互いに平行に延在することが好適である。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、特に歯科用光硬化装置のための光導装置から放射された光の少なくとも1つの物理的数値を検出するための方法が、放射された光を第1の階層内で検出し、放射された光を前記第1の階層から離間した第2の階層内で検出し、第1および第2の測定間の差を判定する各ステップを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
その他の詳細、特徴、ならびに種々の利点は、添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【0044】
図1に示された光硬化装置10は、ケース部材12と光硬化装置10のピストルグリップ16の裏面上部に設けられた表示装置14を備えている。この光硬化装置はケース部材12の前端部上に光導装置17を備え、それが概略的に図示された光源19からの光を光導装置の前端上の光放射面21に誘導する。
【0045】
光硬化装置10は光源19を収容した装置の一例であり、これはベースステーション18内に装着可能である。ピストルグリップ内には既知の方式で充電池が設けられ、その充電池が充電を必要とする場合はベースステーション18内に装着した際に自動的に充電される。ピストルグリップ16の上部内側に既知の方式で配置された接触スイッチ20を介して光硬化装置を起動することができる。起動された状態において概略的に図示されている光源19から光が放出され光導装置17を介して放射される。
【0046】
光導装置の前端部は、接近し難いが重合性材料の光硬化を実施しなければならない部位への容易な接近を達成するために曲折している。この曲折のため、ピストルグリップ16を把持している使用者の手ならびに光源19および光導装置17を介して延在する光硬化装置10の主軸の両方に対する光放射面21の傾斜が条件となる。
【0047】
光放射面21は例えば光透過性のカバーあるいは集光レンズを備えることができる。
【0048】
図示された実施例においてベースステーション18は特殊な方式で形成されている。これは、ベースステーション18の前端上に構成された光測定装置34と、(場合によって表示装置14と共に)光硬化装置10上に充電池の充電状態および/または光硬化装置のその他のパラメータを表示する表示装置32を含んでいる。
【0049】
光測定装置34はベースステーション18から空間的に離間して構成することもでき、光硬化装置10の光学的特性が(すなわち充電池の充電状態にかかわらず)重合すべき歯科補綴材料の有効な硬化を保証するために充分なものであるかどうかを検査するよう機能する。
【0050】
光放射が不充分である場合歯科補綴材の完全な重合が達成されずそれが様々な理由から極めて問題となるため、充分な光放射が非常に重要となる。
【0051】
光放射の低下は例えば光源の劣化、そこに設置された反射器の汚染、光導装置17上の集光レンズの傷あるいは濁色化、ケース損傷等の機械的障害、または光硬化装置内の光放射のための制御装置の誤制御によって発生する可能性があり、表示装置14および32のデータから直接動作不良を伝達することはできない。
【0052】
しかしながら本発明によれば、光放射を光測定装置34によって検査することができる。そのため光測定装置が、二次元に隣接して配置されそこに入射した光を測定して電気信号に変換する多数の測定フィールド38からなる測定フィールド構成36を備えている。
【0053】
測定フィールド構成36は同様に二次元の形状の窓40によって保護され、それは例えば透明なカバーからなり測定フィールド38を汚染から保護する。
【0054】
さらに、光測定装置34はストッパ42を備えており、これは測定フィールド構成36の後端に直接的に隣接して光導装置17のストッパとして延在している。光導装置17は追加的に点線で示されており、それによって較正時あるいは放射される光出力の測定時の光硬化装置の状態が明確にされている。好適な方向付けは光放射面21が窓40に平行に延在する場合であることが理解される。
【0055】
光放射面21は測定フィールド構成36および窓40に比べて著しく小さいことが示されている。その面積比は図示された実施例において例えば1対10である。従って多数の測定フィールド38は光放射面21によって遮蔽されておらず、ベースステーション18の周囲環境からの日光あるいは照明光の入射に曝されている。
【0056】
従って一実施形態によれば測定結果への悪影響を防止するために光硬化装置10の放射波長に設定されたフィルタ装置が設けられ、それが例えばUV領域を遮断して周囲光に対する差別化を可能にする。それに代えて、周囲光の測定を“非発光”と定義し、それによって所与の閾値よりも高い測定フィールドの受光に際してのみ光放射面21による照射であると仮定することもできる。
【0057】
測定フィールド構成36の露出領域46への周囲環境からの妨害光の入射を防止するために、例えばゴム製の環状密封リップを窓40の上方に設けることも可能であり、それを光硬化装置10の光導装置あるいはシャフトが貫通しその際密封リップが光硬化装置10に対して密着する。
【0058】
全ての測定フィールド38の出力信号が検出され評価回路44に伝送される。その評価回路44は、個別の測定フィールドから放射された光線の強度と、どの測定フィールド38において照射が行われていないかあるいは周囲光によって照射されているかの両方を検出する。ここで検出された測定値も総合照度に積分され、その際必要に応じて周囲光を含んだ照明が“非発光”と定義される。
【0059】
そのように検出された測定値に基づいて(測定フィールド38のマトリクスあるいは構成が二次元に設けられているため)光放射面21の直径およびその形状、ならびに光源から放射された照度のいずれをも検出することができ、それらも表示装置32上に表示することができる。
【0060】
図2には光測定装置34が拡大して示されている。ストッパ42は実質的にU字型に形成され、測定フィールド構成36を遮蔽する窓40に側方で隣接している。
【0061】
ここで個別の測定フィールド38は簡略的に示されており、適宜な測定フィールド38が測定フィールド構成36全体にわたって配分されていることが理解される。
【0062】
ストッパ42の設置によって光硬化装置10の光放射面21が確実に測定フィールド構成36の測定領域内に載置される。ここでは正確な配置は決定的なものではなく、複数の異なった光放射面21が図2中に点線および破線によって示されている。
【0063】
変更された構成においてはストッパ42が窓40を包囲し、従って光放射面21は常に窓40の上方に滞留する。
【0064】
図2に示されているように、傾斜した光放射面ならびにその形状が円形から逸脱した光放射面も容易に計測される。
【0065】
従って本発明によれば、光放射面の大きさならびに照度を精密に検出することが極めて正確に可能となる。
【0066】
光測定装置34をベースステーション18から独立して設置し得ることも理解され、多数の光硬化装置10に対して1つの中央光測定装置を設置することも可能である。その場合各光硬化装置またはその手持ち器具にコード付けを行うことも有効であり、それによってどの手持ち器具がその時点で測定されているかを光測定装置34が認識する。この構成形態によれば測定した数値を集積して記憶し、光学特性の劣化からいつ光硬化装置をオーバーホールすべきかが判定される。
【0067】
図3には、本発明に係る光測定装置の別の実施例が示されている。
【0068】
この解決方式によれば、2つの異なった本発明に係る光測定装置34が光導装置17の光放射面21の下方の2つの異なった階層48,48′内に配置される。従って光導装置17から放射された光の光線円錐50は両方の階層48,48′内でそれぞれ特定の面A,Aに照射され、ここで階層48内の照射された面Aは第2の階層48′内の照射された面Aよりも小さくなる。
【0069】
第1および第2の階層48,48′の照射された面の間の面積差は、評価回路44によって検出して処理することができる。この簡便な方式によって照度が単一の平面内のみでなく光放射面21からの距離に依存せずに測定可能となる。
【0070】
評価回路44は単純な三角関数計算または数値外挿法によって光線円錐の拡散角度αを判定することができる。
【0071】
さらに、両方の光測定装置34内の測定を光放射面21の放射特性の判定のためにも使用することができる。そのようにして判定された放射特性を基準値と比較することができる。光放射面21上の汚染および光源19の経年劣化が照度を低下させ、歯科補綴材の適正な硬化を阻害する危険性がある。追加的に放射特性は例えば光源19の入力エネルギーの適宜な後調節によって所要の設定値に調節することができ、この方式によって光硬化装置を検定および較正することができる。
【0072】
前記の測定は、光放射面21から離間した任意の平面について放射光の光分散を判定するために使用することもできる。それによって、完全硬化のために必要な時間を算出するために、例えばどの位の光量が歯科補綴材上に入射しているかを判定することができる。
【0073】
さらに、例えば所与の全体面のうちのどれくらいの面比率が照射されているかを判定することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】光硬化装置と組み合わせた本発明に係る光測定装置を示した概略構成図である。
【図2】本発明に係る光測定装置を概略的に示した上面図である。
【図3】本発明に係る光測定装置の別の実施形態を示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0075】
10 光硬化装置
12 ケース部材
14,32 表示装置
16 ピストルグリップ
17 光導装置
18 ベースステーション
19 光源
20 接触スイッチ
21 光放射面
34 光測定装置
36 測定フィールド構成
38 測定フィールド
40 窓
42 ストッパ
44 評価回路
48,48′ 階層
50 光線円錐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化装置の光導装置の光放射面から放射された光の照度を測定するための特に歯科用光硬化装置のための光測定装置であり、二次元に分配された少なくとも4個の測定フィールドを備えることを特徴とする光測定装置。
【請求項2】
測定フィールド(38)が互いに直行する2つの次元内に所与の格子サイズで延在し、光源(19)の放射スペクトルに相応するスペクトル感応性を有することを特徴とする請求項1記載の光測定装置。
【請求項3】
光源(19)が380nmないし515nmのスペクトル領域の光を放射し、測定フィールド(38)は特にその感度最大が380nmないし515nmの波長領域内に存在するスペクトル感応性を有することを特徴とする請求項1または2記載の光測定装置。
【請求項4】
測定フィールド(38)がマトリクス、特に二次元のマトリクスを形成し、その延伸がいずれの方向においても光放射面(21)よりも大きくなり、特にいずれの方向においても光放射面(21)の直径あるいはそれに該当する長さに比べて少なくとも2倍の大きさとなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項5】
光測定装置(34)が測定フィールド(38)によって定義された面あるいはマトリクスに隣接してストッパ(42)を備え、それが光導装置(17)の光出力口上の動作を前記ストッパ(42)方向において制限することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項6】
ストッパ(42)が測定フィールド構成(36)を形成している測定フィールド(38)を少なくとも部分的に包囲するとともにその表面より突出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項7】
測定フィールド構成(36)の側辺長が光放射面(21)の直径よりも大きくなり、特に約25mmあるいはそれ未満であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項8】
光測定装置(34)の測定フィールドのセンサが互いに同等な複数の光センサの形式で形成され、それらが電荷結合素子(CCD)の原理で動作するとともに一種のマトリクスの形式で二次元に延在することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項9】
光測定装置(34)が表示装置(14)を備えるかあるいは表示装置(14)に接続されており、それを介して光測定装置(34)によって測定された照度をmW/cmの単位で表示し得るか、および/または光導体の光放射面の直径を表示し得ることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項10】
光放射面(21)が表示装置(14)上において象徴化して表示され、特に表示装置(14)の表示面の一部を占めることを特徴とする請求項13記載の光測定装置。
【請求項11】
光源(19)による測定フィールド(38)の照射の強度が明暗差および/または色の相違によって表示装置(14)上に表示されることを特徴とする請求項13または14記載の光測定装置。
【請求項12】
表示装置(14)上に示された光源(19)がその形状において光放射面(21)に相当し、特に円形、楕円形、多角形であるか、または円形から逸脱した形状を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項13】
光測定装置(34)が記憶装置を備え、それによって少なくとも1回の測定工程の結果を記憶可能であるか、および/またはそれを介して光源(19)の光放射の変化を判定可能であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項14】
光測定装置(34)が少なくとも1つのインタフェースを備え、それを介し、特に有線または無線接続によって、外部の機器とデータを交換可能であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項15】
光測定装置(34)が内部電流源および/または外部電流源を備え、特に光測定装置(34)に内蔵された充電池が光硬化装置(10)に内蔵された充電池と互換であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項16】
光測定装置(34)がドッキングステーション、特に光硬化装置(10)のドッキングステーションと結合可能であることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項17】
各測定フィールド(38)が光源(19)によって生成された測定フィールド(38)の照度に相当する大きさを有する出力信号を発信することを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項18】
各測定フィールド(38)が“発光中”である照明状態または“非発光中”である照明状態のいずれかに相当する出力信号を発信することを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項19】
光硬化装置の光導装置から放射された光の少なくとも1つの物理的数値を検出可能な特に歯科用光硬化装置のための光測定装置であり、放射された光を第1の階層内で検出するための第1のセンサ装置と、放射された光を前記第1の階層から離間した第2の階層内で検出するための第2のセンサ装置と、前記第1および第2のセンサ装置内の測定値間の差を判定するための評価回路を有することを特徴とする光測定装置。
【請求項20】
評価回路は光導装置の光放射面の形状および/または大きさを検出するために設けられ、特に階層の照射されている総面積を検出することを特徴とする請求項19記載の光測定装置。
【請求項21】
評価回路は光導装置の放射特性を評定し、その放射特性が特に階層上で検出された照度と、光線円錐の拡散角度と、および/または放射された光の光分散を含むことを特徴とする請求項19または20記載の光測定装置。
【請求項22】
センサ装置は特に請求項1ないし18のいずれかに記載の光測定装置として形成されるとともにそれぞれ照射される複数面を備えており、それらの面がそれぞれ各階層に配置され、各層は好適には互いに平行に延在することを特徴とする請求項19ないし21のいずれかに記載の光測定装置。
【請求項23】
特に歯科用光硬化装置のための光導装置から放射された光の少なくとも1つの物理的数値を検出するための方法であり:
放射された光を第1の階層内で検出し;
放射された光を前記第1の階層から離間した第2の階層内で検出し;
第1および第2の測定間の差を判定する、
各ステップからなることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−115797(P2009−115797A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284867(P2008−284867)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】