光源の製造方法、および光源
【課題】LED等の発光素子の利用効率をさらに向上させ、また、特性が異なる発光素子を組み合わせつつも色むらや輝度むらが発生しにくい光源の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の発光素子を、特性値の範囲に応じて複数のクラスに分類し、これら複数のクラスの中からN個のクラスを選択し、さらに上記N個のクラスから一定比率でM個の発光素子を取り出して、発光素子グループを形成する。この発光素子グループは、その特性値平均が光源の特性目標値に最も近くなるものが選択されるようにする。決定された発光素子グループを周期的に配置することで光源を構成する。
【解決手段】複数の発光素子を、特性値の範囲に応じて複数のクラスに分類し、これら複数のクラスの中からN個のクラスを選択し、さらに上記N個のクラスから一定比率でM個の発光素子を取り出して、発光素子グループを形成する。この発光素子グループは、その特性値平均が光源の特性目標値に最も近くなるものが選択されるようにする。決定された発光素子グループを周期的に配置することで光源を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED等の発光素子を配置した光源、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置のバックライトや照明装置等の光源において、低消費電力・低発熱性による省エネルギー化が可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の発光素子が用いられることが多くなっている。すなわち、LED等の発光素子は、供給される電力の多くが発光に使われ、つまり発光効率が高いために、従来の白熱照明と同じ明るさを作るのに必要な電力が少なくて済む。また、消費電力が少ないということは、従来では熱となって失われていた電力分の発熱が少なくて済み、低発熱であるといった特徴を有している。
【0003】
上記発光素子を用いる光源は、通常、複数の発光素子を配置し、線状もしくは面状光源として構成される。
【0004】
ただし、製造される個々の発光素子は、通常、製造ばらつきによる特性の相違が生じており、複数の発光素子を単純に配置するのみでは、光源における輝度むらや色むらが生じる可能性がある。このため、従来では、製造される多数の発光素子を複数の特性値クラスに分類し、各光源では、単一の特性値クラスに属する発光素子のみを配置する構成としていた。
【0005】
しかしながら、上記構成では、ある特性値の光源を作成する時に、その特性値に近い特性値の発光素子ばかりを使用すると、特性の外れた発光素子を使用できなくなり、発光素子の歩留まりが低下して、コストが増加するといった問題が生じる。また、使用する発光素子のクラスによって、作成された光源の特性が異なり、選別工程が必要になるといった問題も生じる。
【0006】
特許文献1および2には、特性の外れた発光素子を使用可能とすることで、発光素子のコストを低減する技術が開示されている。すなわち、特許文献1および2では、製造される多数の発光素子を複数の特性値クラスに分類し、同一の光源に対して異なるクラスの発光素子を組み合わせて使用し、発光素子の使用率を増加させてコスト低減を図っている。さらに、目標の特性値から逆方向に離れた特性の発光素子同士を組み合わせることで、光源における照度の均一化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−180842号公報(2008年8月7日公開)
【特許文献2】特開2008−147563号公報(2008年6月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された従来技術では、光源における照度の均一化を図るために各クラスの発光素子の組み合わせを決定しており、各クラスにおける発光素子の個数分布によっては、全ての発光素子を十分に使いきれないといった問題がある。
【0009】
また、特性が異なる発光素子を組み合わせることで、色むらや輝度むらが発生しやすくなるといった問題がある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、LED等の発光素子の利用効率をさらに向上させ、また、特性が異なる発光素子を組み合わせつつも色むらや輝度むらが発生しにくい光源の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光源の製造方法は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、複数の発光素子を、特性値に応じて複数のクラスに分類する第1の工程と、上記クラスの中からN個のクラスを選択し、上記N個のクラスから、その特性値の平均が予め定めた一定値に最も近くなる発光素子が選択されるようにM個の発光素子を取り出し発光素子グループを形成する第2の工程とを有し、上記発光素子グループを周期的に配置することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、上記第1の工程で特性のばらつきを有する複数の発光素子を特性値に応じて複数のクラスに分類し、上記第2の工程で上記クラス分けを利用した発光素子グループが形成される。この発光素子グループでは、その特性値の平均が予め定めた一定値に(例えば、光源の特性目標値)に最も近くなるものが選択される。クラス分けした発光素子を適切に組み合わせて使用することで、従来では特性が目標から離れていた使用できなかった発光素子まで使用できるため、発光素子の歩留まりが向上してコストを削減できる。また、形成される発光素子グループ同士における特性値の平均のばらつきも小さくなり、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となる。
【0013】
また、上記光源の製造方法では、上記第2の工程は、上記複数のクラスの中から、予め定めた一定値から最も離れたクラスの一つを決定とし、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択する第3の工程と、上記第3の工程で選択されたN個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成すると共に、この発光素子グループは、その特性値平均が予め定めた一定値に最も近くなるものが選択されるようにする第4の工程とからなり、任意選択される(N−1)個のクラスを変更して得られるN個のクラスの組み合わせに対して上記第3および第4の工程を行った後、光源の予め定めた一定値に最も近くなる発光素子グループを選択する構成とすることができる。
【0014】
上記の構成によれば、上記複数のクラスの中から特性の目標値から最も離れたクラスの一つを決定し、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択して、N個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するときに、最適なクラス選択が可能となる。
【0015】
本発明の他の光源の製造方法は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、複数の発光素子グループに対して、上記発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する第1の工程と、発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する第2の工程と、上記発光素子グループに含まれる発光素子の配置が決定するまで上記第2の工程を繰り返す第3の工程を有し、上記発光素子グループを周期的に配置することを特徴としている。
【0016】
上記の方法によれば、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差を低減した発光素子並び順を決定することができ、光源における色むら輝度むらを抑制できる。
【0017】
また、上記光源の製造方法では、上記発光素子グループは、上記LED光源の製造方法の第1および第2の工程によって形成されたものとすることができる。
【0018】
本発明の光源は、上記の課題を解決するために、上記光源の製造方法で形成された光源であって、上記発光素子は、蛍光体を含む樹脂にて封止されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光源の製造方法では、クラス分けした発光素子を適切に組み合わせて使用することで、従来では特性が目標から離れていた使用できなかった発光素子まで使用できるため、発光素子の歩留まりが向上してコストを削減できるといった効果を奏する。また、形成される発光素子グループ同士における特性値平均のばらつきも小さくなり、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となるといった効果を奏する。
【0020】
さらに、本発明の他の光源の製造方法では、隣り合う2つの発光素子間の特性値の平均の誤差を低減した発光素子並び順を決定することができ、光源における色むら輝度むらを抑制できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態1に係る光源の製造方法の概略を示す図である。
【図2】実施の形態1の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態2に係る光源の製造方法の概略を示す図である。
【図5】実施の形態2の光源の製造方法における、発光素子の並びと特性値との関係を示す図である。
【図6】実施の形態2の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2の光源の製造方法における、発光素子の並び順の決定方法を示す図である。
【図8】図7の方法で決定された発光素子の並び順における、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差を示す図である。
【図9】図7に示す発光素子の並び順の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す発光素子並び順を用いた場合の発光素子グループのつなぎ目の誤差を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態3に係る光源の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
〔実施の形態1〕
本実施の形態1においては、複数の発光素子を用いて、その特性値の平均が予め定めた一定値となるような光源を製造する方法について図1ないし図3を参照して説明する。ここでは、予め定めた一定値を特性目標値とし、特性目標値を平均波長450nm,平均光出力37.5mWとする。図2,3は、本実施の形態における発光素子グループの選択手順を示すフローチャートである。尚、上記発光素子としては、例えば、LEDが好適に使用できる。
【0024】
発光素子は、同一のウェハ上に同時に多数個製造され、これらを個々のチップに分割することによって複数の発光素子が得られる。この時、上記特性目標値に合わせ込んだ発光素子が得られるように製造条件等を設定するが、実際に製造される複数の発光素子は特性のばらつきを有するものとなる。
【0025】
このように特性のばらつきを有する複数の発光素子は、特性値の範囲に応じてクラス分けされる(図2のS1)。図1の例では、ドミナント波長(nm)については、各クラスは、440〜445,445〜450,450〜455,455〜460の4つの範囲を記載し、また、光出力(mW)については、各クラスは、30〜35,35〜40,40〜45の3つの範囲を記載している。すなわち、図1の例では、4×3=12で12個のクラス分けが記載されている。しかしながら、実際には、ドミナント波長および光出力共に、より多くのクラスに分けられていてもよい。また、上記クラス分けに使用される特性値は、上記例に限定されるものではなく、上記のドミナント波長や光出力以外に、順方向電圧(V)等を合わせこむ特性値としても良い。尚、ドミナント波長とは、発光素子の光を人間の目で見た色目を数値化した波長を意味する。
【0026】
ここから、所定数(N個)のクラスから所定数(M個)の発光素子を取り出し、その平均波長および平均光出力が上記特性目標値に近づくように、発光素子グループを形成する(S2)。図1の例では、3個のクラスから4個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するものとする。尚、発光素子グループを形成するためのクラス数および発光素子数は特に限定されるものではなく、これらの数を大きくすれば、発光素子グループの平均波長および平均光出力が上記特性目標値に近づきやすくなる。但し、クラス数を大きくすると、後述する製造工程が煩雑化するため、上記クラス数はあまり大きな値にしすぎ無いことが好ましい。また、グループ内の発光素子数については、その数が少な過ぎると、発光素子グループの平均特性を目標特性に近づけることが困難であるが、多すぎても各発光素子の光が十分に混ざらず、むらが見えてしまう虞がある。よって、グループ内の発光素子数は、色むら・明度むらが発生しない範囲で、なるべく大きな数とすることが好ましい(例えば、10個以内の数が望ましい)。
【0027】
次に、上記図2のS2の工程において、上記発光素子グループを形成するための3個のクラスおよび4個の発光素子をどのような手順で選択するかを図3のフローチャートに基づいて説明する。最初は上記12個のクラスのうち、特性目標値から最も離れたクラスの一つを固定し、他の2つのクラスを任意に選択する(S21)。以下の説明では、選択時に固定されるクラスをクラスA、これと組み合わされる任意の2つのクラスをクラスB,Cとする。図1の例では、ドミナント波長が440〜445nm、光出力が30〜35mWのクラス(クラスA)を固定とし、さらに、ドミナント波長が450〜455nm、光出力が35〜40mWのクラス(クラスB)、およびドミナント波長が450〜455nm、光出力が40〜45mWのクラス(クラスC)を組み合わせた場合を考える。
【0028】
選択された3個のクラスからM個(ここでは4個)の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するにあたって、この発光素子グループの特性値平均が光源の特性目標値に最も近くなるように、発光素子比率が決定される(S22)。このような発光素子比率の決定を行うには、例えば、以下のような算出方法を用いることができる。尚、ここでの発光素子比率は、選択された各クラスから取り出される発光素子の個数比として定義されるものであり、上記3クラスから4チップを選択する場合には、例えば、A:B:C=1:2:1のような比率となる。
【0029】
これらの3つのクラスから発光素子を1:p:qの比率で抜き出して発光素子グループを形成した場合の、該発光素子グループの平均波長および平均光出力が目標特性値(420nm、37.5mW)に等しいと仮定すれば、下記の(1),(2)式が成立する。尚、下記(1),(2)式においては、それぞれのクラスから選択される発光素子のドミナント波長及び光出力値は、そのクラスにおける範囲の中央の値を代表値として用いている。図1の例では、クラスAは、波長(nm)が440〜445の範囲で中央値は442.5、光出力(mW)が30〜35の範囲で中央値は32.5であり、クラスBは、波長(nm)が450〜455の範囲で中央値は452.5、光出力(mW)が35〜40の範囲で中央値は37.5であり、クラスCは、波長(nm)が450〜455の範囲で中央値は452.5、光出力(mW)が40〜45の範囲で中央値は42.5である。
【0030】
(WA+WB・p+WC・q)/(1+p+q)=450 ・・・(1)
(PA+PB・p+PC・q)/(1+p+q)=37.5 ・・・(2)
WA〜WC:クラスA〜Cのそれぞれの代表波長値
PA〜PC:クラスA〜Cのそれぞれの代表光出力値
図1に例示したクラスA〜Cの選択の場合、上記(1),(2)式は下記式となる。
【0031】
(442.5+452.5p+452.5q)/(1+p+q)=450
(32.5+37.5p+42.5q)/(1+p+q)=37.5
上式を解いて、発光素子の比率を求めると、1:2:1となり、クラスAから1個、クラスBから2個、クラスCから1個の発光素子を組み合わせれば、該発光素子グループの平均波長および平均光出力が目標特性値(450nm、37.5mW)に等しくなることが分かる。
【0032】
この時、最初に仮定した発光素子比率である1:p:qが整数比として求まらなかった場合、あるいは、1:p:qが整数比として求まっても、1+p+qが発光素子グループを形成する発光素子数に一致しなかった場合には、グループを形成する発光素子数をnとして、r’:p’:q’(r’+p’+q’=n)の整数比に近似する。また、発光素子比率が(r’:p’:q’)の近似比として求められた場合は、これら(r’:p’:q’)の値を、下記の(3),(4)式に代入して該発光素子グループの平均波長および平均光出力を求め、さらに目標特性値との誤差を求める。この時、(r’:p’:q’)の組み合わせが複数考えられる場合には、目標特性値との誤差が最も小さくなる組み合わせを採用する。
【0033】
(平均波長)=(WA・r’+WB・p’+WC・q’)/n ・・・(3)
(平均光出力)=(PA・r’+PB・p’+PC・q’)/n ・・・(4)
さらに、誤差最小の組み合わせが複数ある場合には、例えば以下の(方法1)または(方法2)の選択基準によって、組み合わせを選択することができる。
(方法1)
クラスA,B,Cに属する発光素子チップ数が多いものをとる。この方法によれば、選択された組み合わせにおいて、より多くのグループが得られる。
(方法2)
グループ内の特性値のばらつきを考える。
【0034】
グループ内の波長の平均をm=(Wa+Wb×p+Wc×q)/(1+p+q)として、
分散S=(Wa−m)2+(Wb−m)2×p+(Wc−m)2×q)/(1+p+q)となるので、この分散Sが最も小さくなる組み合わせを選択する。この方法によれば、グループ内での特性バラつきが少なくなる。
【0035】
さらに、クラスB,Cを変更して、固定されたクラスAに対して、全ての組み合わせについて同様の計算を行い、それぞれの組み合わせにおける最適な発光素子比率を求める。このため、全ての組み合わせについての上記処理が終了していなければ(S23でNO)、任選択のクラスを変更し(S24)、上記S22の処理に戻る。
【0036】
固定されたクラスAに対して、全ての組み合わせにおいて最適な発光素子比率が求まると(S23でYES)、目標特性値との誤差が最も小さくなりうる組み合わせの選択クラスを採用する(S25)。
【0037】
ここで、合わせこむ特性値の数をT、グループ内で使用するクラス数をN、グループ内で使用する発光素子数をMとすると、上記説明では、T=2、N=3である。このように、N=T+1の時には、発光素子グループにおける最適な発光素子比率を上記のようにして求めることができる。しかしながら、本発明では、特性値の数Tおよびグループ内で使用するクラス数Nは、特に限定されるものではなく、常にN=T+1になるとは限らない。
【0038】
N<T+1の場合、発光素子比率における求めるべき変数よりも条件式の数の方が多くなる。例えば、特性値が2つ(例えば、ドミナント波長および光出力)だか、クラス数が2個の場合は、発光素子比率における求めるべき変数は1つであるが、条件式は、ドミナント波長に関する式と光出力に関する式との2つを立てることができる。このような場合、それぞれの条件式を独立に解いて複数の解を求め、これら複数の解の平均を取って整数化する。
【0039】
逆に、N>T+1の場合、発光素子比率における求めるべき変数よりも条件式の数の方が少なくなる。例えば、特性値が2つ(例えば、ドミナント波長および光出力)だか、クラス数が4個の場合は、発光素子比率における求めるべき変数は3つであるが、条件式は、ドミナント波長に関する式と光出力に関する式との2つしか立てることができない。このような場合は、幾つかの変数をパラメータとして複数の解を得る(上記例では、1つの変数をパラメータとすれば、求めるべき変数の数と条件式の数が同じになるので、これを解くことができる)。上記例では、4つのクラスにおける発光素子比率を1:p:q:rと仮定し、例えばrをパラメータとして、r=1,2,3,…(この時、rを振る最大数はグループ内発光素子数M)と振って複数の解を求め、それぞれの解に対応する平均特性値を計算して、最も目標値に近くなるものを選択すれば良い。
【0040】
上記方法によって、固定されたクラスAに対して、最適な発光素子グループ、すなわち最適なクラス選択と最適な発光素子比率とが決定される。このようにして発光素子グループが決定されると、決定された発光素子グループを、周期的に配置することで光源を構成することができる。本発明において、発光素子の配置は様々な配列が可能である。
【0041】
また、このようにして決定された最適な発光素子グループを用いて光源を構成していくと、選択されたクラスの何れかにおいて全ての発光素子が使用され尽くし、上記発光素子グループを構成することができなくなる。この時は、その時点で残っているクラスの中から上記と同様の手順で、新たに最適な発光素子グループを決定すれば良い。これを繰り返すことによって、最終的には、残りのクラス数が(N−1)になるまで発光素子グループを形成することができる。また、最終的に残ったクラスにおいても、最初にそのクラスに属していた全ての発光素子が未使用として残るわけではなく、大半は使用される。
【0042】
尚、最終的に得られる光源は、上述したように、発光素子グループを周期的に配置することで構成されるが、使用される発光素子グループが全て同一の発光素子構成を有している必要は無い(同一のクラスから選択されている必要は無い)。
【0043】
本実施の形態に係る光源の製造方法では、単独では使用できない特性外れの発光素子を使用することができ、発光素子の歩留まりを向上させてコストを下げることができる。また、使用する発光素子の特性クラスが異なっていても、形成される発光素子グループ全体の平均特性は特性目標値に近いほぼ揃った特性となるため、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となる。
【0044】
さらに、上記光源を白色光源とするときには、通常、青色発光素子に黄色蛍光体を塗布するが、発光素子の特性が異なると、蛍光体も発光素子特性に合わせて個別に変えないといけない。これに対し、本手法では、発光素子グループ単位での平均的特性が揃うため、発光素子に対して個別に蛍光体を変える必要は無く、同一の蛍光体を使用することができる。
【0045】
発光素子の特性値としては、光出力(mW)、ドミナント波長(nm)、順方向電圧(V)等があるが、これらの相関を予め計算し、相関がある場合には、どちらか一方のみを考慮すればよい。例えば、順方向電圧とドミナント波長に相関があれば(相関係数>0.5)、光出力とドミナント波長のみを合わせこんだ場合でも、ドミナント波長の合わせこみに伴って同時に順方向電圧も合うことになる。これにより、クラス分けのクラス数を減らすことができ、製造工程を簡略化することができる。
【0046】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2においては、特性のばらついた発光素子を配置して線光源を形成する場合に、特性むらのない線光源を製造する方法について図4〜図9を参照して説明する。
【0047】
本実施の形態2では、最初に、特性のばらつきを有する複数の発光素子からなる発光素子グループが決定されている。
【0048】
特性のばらつきを有する複数の発光素子は、実施の形態1と同様に、特性値の範囲に応じてクラス分けされる。図4の例では、光出力(mW)に応じて4つのクラスに分けられた場合を例示しており、各クラスから1つずつの発光素子を取り出し、計4個の発光素子から発光素子グループが構成されている。各発光素子グループでは、これらの発光素子が所定の順序で配置され、さらに複数の発光素子グループが連続して配置されることで光源が構成される。尚、本実施の形態2において、クラス分けの数は4つに限定されるものではなく、また、特性値も光出力に限定されるものではない。
【0049】
ここで、発光素子グループにおける発光素子並び順は、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gをできるだけ小さくするように決定される。例えば、1つの発光素子グループが4個の発光素子から構成される場合であって、図5に示す並び順にした場合を考える。ここでは、その4個の発光素子に特性値の小さい順から“1”,“2”,“3”,“4”の番号を付し、かつ、この番号が1つ違いの発光素子同士における特性値の差はほぼ等しいものとする。
【0050】
また、図5に示すように、特性値が異なる4個の発光素子を周期的に並べ、k番目に並べた発光素子の特性値をskとする。図5の例では、左から順に“3”,“1”,“4”,“2”の順序で発光素子が並べられており、左から順に発光素子の特性値をs1,s2,s3,s4とすれば、s1=3,s2=1,s3=4,s4=2となる。
【0051】
ここで、隣り合う発光素子間の特性値平均の二乗誤差Gは、
m=(s1+s2+s3+s4)/4
として、
G={(s1+s2)/2−m}2+{(s2+s3)/2−m}2
+{(s3+s4)/2−m}2+{(s4+s1)/2−m}2
={(s1)2+(s2)2+(s3)2+(s4)2}/2+4m2
−2m(s1+s2+s3+s4)
+(s1s2+s2s3+s3s4+s4s1)/2
となる。
【0052】
上記式において、{(s1)2+(s2)2+(s3)2+(s4)2}および(s1+s2+s3+s4)は一定の値となるため、Gを最小にするためには、
G’=s1s2+s2s3+s3s4+s4s1
を最小化すれば良いことが分かる。
【0053】
最小のG’を求めるためには、例えば、発光素子の並び順の全ての組み合わせに対してG’を計算し、その中で最小のG’を選択する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、1つの発光素子グループを構成する発光素子数が増加すると、その計算量が膨大となる。したがって、本実施の形態では、以下の(a)〜(c)の工程にて発光素子の並び順を決定し、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gをできるだけ小さくするようにしている。図6に発光素子の並び順を決定する処理のフローチャートを示す。
(a) 発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する(S11)。
(b) 両端の発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、残っている発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、両端の発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、残っている発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する(S12)。
(c) 上記発光素子グループに含まれる全ての発光素子が配置される(S13でYES)まで、上記(b)の工程(S12)を繰り返す。
【0054】
上記(a)〜(c)の工程にて、特性値が“1”〜“8”の8種類の発光素子の並び順を決定する例を図7に示す。ここで、“1”〜“8”の番号は、単に8個の発光素子の特性値の小さい順に番号を付したものであり、かつ、この番号が1つ違いの発光素子同士における特性値の差はほぼ等しいものとする。
【0055】
図7に示すように、特性値が“1”〜“8”の8種類の発光素子を、上記(a)〜(c)の工程に従って並べた場合、その並び順は“5”,“3”,“7”,“1”,“8”,“2”,“6”,“4”となる。このように並べると、どの隣り合う2つをとっても、その平均値が4〜5の間となり(図8参照)、特性ばらつきの少ない配置になっていることが分かる。
【0056】
上記のように“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成する場合、ウェハから製造される多数の発光素子は、最初に少なくとも8クラスに分類される。しかしながらこの時、分類される各クラスにおける特性値の幅を同じに設定すると、各クラスに属する発光素子の個数は同じとはならない。通常は、真ん中の特性値(通常は目標値にほぼ一致する)に近い発光素子の分布が多くなり、真ん中の特性値から離れた発光素子の分布は少なくなる。このため、“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成しようとしても、この構成の発光素子グループだけでは多くの発光素子が使用できずに余ることになる。
【0057】
したがって、本実施の形態2の製造方法において、発光素子の使用率を上げるためには、例えば以下の方法が考えられる。
【0058】
最初に、ウェハから製造される多数の発光素子は、“1”〜“8”のクラスに分類されているとする。分類される各クラスにおける特性値の幅を同じに設定されており、各クラスに属する発光素子はそのクラスの特性値幅の中心値である特性値を有していると仮定する。この仮定の下では、隣り合うクラスに属する発光素子同士の特性値の差は等しくなる。
【0059】
“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成していくと、通常は、最初に“1”または“8”のクラスの発光素子が使い尽くされる。すると、ここからは、“2”〜“7”の6種類のクラスの発光素子を用いて発光素子グループが構成される。但し、発光素子グループを構成する発光素子数は8個から減らすことができないため、例えば、“2”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“7”といったように、同一のクラスから複数の発光素子を取り出すことを許容する。同一のクラスから複数の発光素子を取り出した場合であっても、上記(a)〜(c)の工程にて並び順を決定することは可能であり、例えば、上記組み合わせでの並び順は、“5”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“4”となる。
【0060】
また、“2”〜“7”の6種類のクラスの発光素子を用いて発光素子グループを構成する場合の取り出し方は、上記例に限定されるものではなく、“2”,“3”,“4”,“4”,“5”,“5”,“6”,“7”といった取り出し方でも良い。要は、最初に分類された8個のクラスの中心から見て、対称となる取り出し方であれば良い(これにより、発光素子グループの特性値平均が特性目標値に近くなる)。
【0061】
6種類の発光素子で発光素子グループを構成していき、その中の何れかのクラスの発光素子が使い尽くされると、次は、4種類の発光素子で発光素子グループを構成する。そして、最後は、2種類の発光素子で発光素子グループを構成することができる。このようにすることで、最初に存在する発光素子の大多数を使いきることができ、発光素子の歩留まりを向上させてコストを下げることができる。
【0062】
続いて、上記のように構成された発光素子グループを連続的に配置して線光源とする場合の、発光素子グループのつなぎ目の処理について説明する。先の説明では、“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成する場合、“5”,“3”,“7”,“1”,“8”,“2”,“6”,“4”の並び順(ケース(1))が好適であることを説明した。但し、同一構成の発光素子グループを連続的に配置する場合で考えれば、これ以外にも、同一の結果が得られる配置が存在する。すなわち、図9に示すように、ケース(1)の並びをローテーション配置した並び(ケース(2))や、裏返しに配置した並び(ケース(3))であっても、全体として同じ結果となる。
【0063】
しかしながら、上述したように、発光素子の歩留まりを向上させるためには、同一の構成の発光素子グループのみを構成することはできず、実際には、異なる構成の発光素子グループも存在する。そして、構成の異なる発光素子グループ同士を隣接させる場合に、つなぎ目での特性ばらつきを抑えるためには、発光素子の並び順に関し、さらに以下の(A),(B)の条件を付すことが好ましい。
(A) 両端に配置される発光素子の特性は、中心値に近いものとする。
(B) 両端に配置される発光素子の特性は、左(もしくは右)を大きい方と決める。
【0064】
ここで、図9に示した3種類の配置例を、特性値“2”,“3”,“6”,“7”から2個ずつとって8個の発光素子を並べた別構成の発光素子グループと隣接させる場合を考える(図10参照)。ここで、上記別構成の発光素子グループでは、8個の発光素子は、上記(A),(B)の条件を満たすように、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並び順となっている。
【0065】
図9に示した3種類の配置例のうち、ケース(1)の並びを、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、図10に示すように、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は4となる。すなわち、ケース(1)の並びは、上記(A),(B)の条件を満たした良好な場合であり、つなぎ目での平均値は良好な数値である4〜5の範囲に収まっている。
【0066】
一方、ローテーション配置した並び(ケース(2))を、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は5.5となり、良好な数値である4〜5の範囲を超えている。これは、(ケース(2))の並びが上記(A)の条件を満たしていないため、特性が中心値から大きく外れた発光素子が端に来ることによって、つなぎ目での特性値平均が大きくなったためである。
【0067】
また、裏返しに配置した並び(ケース(3))を、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は3.5となり、良好な数値である4〜5の範囲より低くなっている。これは、(ケース(3))の並びが上記(B)の条件を満たしていないため、左右のどちらの端を大きいものとするかが2つの発光素子グループで一致せず、つなぎ目での特性値平均が大きくなったためである。
【0068】
尚、図10において示されている隣接する2つの発光素子間の特性値平均は、あくまで仮想的なものであり、実際の発光素子の特性値を示すものではない。
【0069】
また、本実施の形態2における上記説明では、各発光素子グループは、最初に分類された8個のクラスの中心から見て、対称となる取り出し方で複数の発光素子が取り出されるものとなっている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、各発光素子グループは、実施の形態1で説明した方法によって決定された発光素子グループであっても良い。
【0070】
すなわち、実施の形態1で説明した方法によって決定された発光素子グループであっても、そのグループに含まれる発光素子の特性値順に基づいて、上記方法で並び順を決定すれば、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gを抑制することが可能である。
【0071】
尚、本実施の形態2では、複数の発光素子を1次元的に配置する場合の並べ順を決定する方法を記載している。このため、実施の形態1のように、複数の特性値に基づいてクラス分けされている場合には、例えば、以下の方法によって複数の特性値を考慮することができる。すなわち、考慮すべき2つの特性値を特性値1および2とすると、特性値1をW、特性値2をPとしたとき、評価関数F=a×W+b×Pを考え、Fの値で並べ順を決定する。上記評価関数におけるa,bの値は特性値1,2の優先度を考慮した重みとする。
【0072】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3においては、上記実施の形態1または2によって決定された発光素子グループを連続して配置してなる光源の構成例について図11を参照して説明する。本実施の形態3に係る光源は、例えば、液晶表示装置のバックライトや、シーリングライト等の照明装置等に用いることができる。
【0073】
図11は、発光素子を発光素子として線状に配置してなる線光源としての光源1の構成例を示す上面図である。但し、本発明の光源において発光素子の配置は、線状や面状に限定されるものではなく、他の周期的配置であっても良い。尚、本実施の形態3における光源1を液晶表示装置のバックライトや照明装置等で使用する場合は、複数の光源1を並べて配置してもよい。
【0074】
図11に示す光源1では、基板10上に直線状のダム11が形成されている。ダム11内には、発光素子チップ12が、ダム11の長さ方向に間隔をあけて配置されている。発光素子チップ12の間隔は、例えば0.75mm〜4.5mm程度であればよい。さらに好ましくは、1.93mm〜3.86mmであれば、より効率良く性能を発揮できる。また、ダム11の外周には、他の光学部材等との位置調整のためのアライメントマーク13が設けられていてもよい。
【0075】
ここで、発光素子チップ12は、実施の形態1,2での説明における発光素子に相当するものである。1つの光源1には、少なくとも1つ以上の発光素子グループに相当する発光素子チップ12が設けられる。例えば、1つの発光素子グループが8個の発光素子で形成されており、1つの光源1に40個の発光素子チップ12が配置されているとすれば、1つの光源1は5つの発光素子グループ分の発光素子配列を有していることになる。
【0076】
すなわち、実施の形態1の方法で選択された発光素子の組み合わせや、実施の形態2の方法で決定された発光素子の並び順を用いて発光素子グループを形成し、この発光素子グループを光源1において連続して配列することで、本発明の光源が実現される。
【0077】
尚、図11に示すように異なる光源1を隣接して配置する場合、当然ながら、異なる光源1のそれぞれの端部の発光素子チップ間距離は、同一の光源1内の発光素子チップ間距離と等しくなることが好ましい。このため、発光素子チップ間距離を例えば3mmとすると、隣接する光源1の基板間距離はこれより小さい距離、例えば1mmとされる。光源1において、隣接する発光素子チップから照射される光が十分に混じって色むらや輝度むらが抑制される好適な発光素子チップ間距離は最大で5mmである。このため、隣接する光源1の基板間距離は、最大で4mmとすることが好ましい。
【0078】
また、各光源1上の複数の発光素子は、直列に接続される。一方、図11に示すように、複数の光源1を並べて配置する場合、各光源1は並列に接続される。これは、複数の光源1を直列に接続すると、その全体において必要とする電源電圧が高くなりすぎるためである。光源1を並列接続とすることで、電源電圧を適度な大きさに抑えることができる。
【0079】
また、光源1を並列接続とする場合、各光源1における順方向電圧のばらつきは十分に抑える必要がある。これは、各光源1における順方向電圧にばらつきがあると、それぞれの光源1に流れる電流にばらつきが生じ、光源1ごとの輝度むらが生じるためである。このような不具合を防止するためには、各光源1における順方向電圧は、目標値に対して±0.35%に収めることが望ましい。
【0080】
ここで、1つの光源1における発光素子チップの搭載数を40個、発光素子チップの順方向電圧の平均値をVf=2.9Vとする場合を仮定し、発光素子チップ12の順方向電圧におけるクラス分けを6クラスとすれば、これら6クラスから上記実施の形態1または2の方法で、発光素子グループを選択した場合に、使用発光素子の歩留まりが99.7%で目標値に対して±0.35%の誤差とすることが可能であり、好適な条件であった。尚、クラス分けを4クラスとすれば、使用発光素子の歩留まりが95%で目標値に対して±0.35%の誤差となった。
【0081】
また、図11では示されていないが、ダム11内には、複数の発光素子チップ12を封止する樹脂が充填されている。この樹脂は、蛍光体を含むものとすることができる。
【0082】
これは、光源1を白色光源とする場合に通常用いられる構成である。すなわち、発光素子を青色発光素子とし、封止樹脂には黄色蛍光体を含ませる。これにより、発光素子が発する一次光(青色光)と、黄色蛍光体が上記一次光を吸収することで発する二次光(黄色光)とが合成されて、白色光を得ることができる。
【0083】
上記のように、発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色光を得ようとする場合、発光素子の特性にばらつきがあれば、それにあわせて蛍光体も変える必要があった。このため、従来では、発光素子チップ毎に適切な蛍光体を用いた樹脂でパッケージし、パッケージされた発光素子チップを基板に搭載する構成としていた。
【0084】
しかしながら、本発明の光源では、発光素子グループ毎の特性平均値をほぼ特性目標値となるように揃えることができるため、発光素子チップ毎に封止樹脂を変える必要は無い。このため、発光素子チップを基板に搭載した後で、同一の樹脂で封止することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0085】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、液晶表示装置のバックライトや照明装置等で使用される線光源または面光源となる光源に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 光源
11 ダム
12 発光素子チップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED等の発光素子を配置した光源、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置のバックライトや照明装置等の光源において、低消費電力・低発熱性による省エネルギー化が可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の発光素子が用いられることが多くなっている。すなわち、LED等の発光素子は、供給される電力の多くが発光に使われ、つまり発光効率が高いために、従来の白熱照明と同じ明るさを作るのに必要な電力が少なくて済む。また、消費電力が少ないということは、従来では熱となって失われていた電力分の発熱が少なくて済み、低発熱であるといった特徴を有している。
【0003】
上記発光素子を用いる光源は、通常、複数の発光素子を配置し、線状もしくは面状光源として構成される。
【0004】
ただし、製造される個々の発光素子は、通常、製造ばらつきによる特性の相違が生じており、複数の発光素子を単純に配置するのみでは、光源における輝度むらや色むらが生じる可能性がある。このため、従来では、製造される多数の発光素子を複数の特性値クラスに分類し、各光源では、単一の特性値クラスに属する発光素子のみを配置する構成としていた。
【0005】
しかしながら、上記構成では、ある特性値の光源を作成する時に、その特性値に近い特性値の発光素子ばかりを使用すると、特性の外れた発光素子を使用できなくなり、発光素子の歩留まりが低下して、コストが増加するといった問題が生じる。また、使用する発光素子のクラスによって、作成された光源の特性が異なり、選別工程が必要になるといった問題も生じる。
【0006】
特許文献1および2には、特性の外れた発光素子を使用可能とすることで、発光素子のコストを低減する技術が開示されている。すなわち、特許文献1および2では、製造される多数の発光素子を複数の特性値クラスに分類し、同一の光源に対して異なるクラスの発光素子を組み合わせて使用し、発光素子の使用率を増加させてコスト低減を図っている。さらに、目標の特性値から逆方向に離れた特性の発光素子同士を組み合わせることで、光源における照度の均一化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−180842号公報(2008年8月7日公開)
【特許文献2】特開2008−147563号公報(2008年6月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1および2に開示された従来技術では、光源における照度の均一化を図るために各クラスの発光素子の組み合わせを決定しており、各クラスにおける発光素子の個数分布によっては、全ての発光素子を十分に使いきれないといった問題がある。
【0009】
また、特性が異なる発光素子を組み合わせることで、色むらや輝度むらが発生しやすくなるといった問題がある。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、LED等の発光素子の利用効率をさらに向上させ、また、特性が異なる発光素子を組み合わせつつも色むらや輝度むらが発生しにくい光源の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光源の製造方法は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、複数の発光素子を、特性値に応じて複数のクラスに分類する第1の工程と、上記クラスの中からN個のクラスを選択し、上記N個のクラスから、その特性値の平均が予め定めた一定値に最も近くなる発光素子が選択されるようにM個の発光素子を取り出し発光素子グループを形成する第2の工程とを有し、上記発光素子グループを周期的に配置することを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、上記第1の工程で特性のばらつきを有する複数の発光素子を特性値に応じて複数のクラスに分類し、上記第2の工程で上記クラス分けを利用した発光素子グループが形成される。この発光素子グループでは、その特性値の平均が予め定めた一定値に(例えば、光源の特性目標値)に最も近くなるものが選択される。クラス分けした発光素子を適切に組み合わせて使用することで、従来では特性が目標から離れていた使用できなかった発光素子まで使用できるため、発光素子の歩留まりが向上してコストを削減できる。また、形成される発光素子グループ同士における特性値の平均のばらつきも小さくなり、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となる。
【0013】
また、上記光源の製造方法では、上記第2の工程は、上記複数のクラスの中から、予め定めた一定値から最も離れたクラスの一つを決定とし、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択する第3の工程と、上記第3の工程で選択されたN個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成すると共に、この発光素子グループは、その特性値平均が予め定めた一定値に最も近くなるものが選択されるようにする第4の工程とからなり、任意選択される(N−1)個のクラスを変更して得られるN個のクラスの組み合わせに対して上記第3および第4の工程を行った後、光源の予め定めた一定値に最も近くなる発光素子グループを選択する構成とすることができる。
【0014】
上記の構成によれば、上記複数のクラスの中から特性の目標値から最も離れたクラスの一つを決定し、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択して、N個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するときに、最適なクラス選択が可能となる。
【0015】
本発明の他の光源の製造方法は、上記の課題を解決するために、複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、複数の発光素子グループに対して、上記発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する第1の工程と、発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する第2の工程と、上記発光素子グループに含まれる発光素子の配置が決定するまで上記第2の工程を繰り返す第3の工程を有し、上記発光素子グループを周期的に配置することを特徴としている。
【0016】
上記の方法によれば、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差を低減した発光素子並び順を決定することができ、光源における色むら輝度むらを抑制できる。
【0017】
また、上記光源の製造方法では、上記発光素子グループは、上記LED光源の製造方法の第1および第2の工程によって形成されたものとすることができる。
【0018】
本発明の光源は、上記の課題を解決するために、上記光源の製造方法で形成された光源であって、上記発光素子は、蛍光体を含む樹脂にて封止されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の光源の製造方法では、クラス分けした発光素子を適切に組み合わせて使用することで、従来では特性が目標から離れていた使用できなかった発光素子まで使用できるため、発光素子の歩留まりが向上してコストを削減できるといった効果を奏する。また、形成される発光素子グループ同士における特性値平均のばらつきも小さくなり、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となるといった効果を奏する。
【0020】
さらに、本発明の他の光源の製造方法では、隣り合う2つの発光素子間の特性値の平均の誤差を低減した発光素子並び順を決定することができ、光源における色むら輝度むらを抑制できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態1に係る光源の製造方法の概略を示す図である。
【図2】実施の形態1の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態2に係る光源の製造方法の概略を示す図である。
【図5】実施の形態2の光源の製造方法における、発光素子の並びと特性値との関係を示す図である。
【図6】実施の形態2の光源の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態2の光源の製造方法における、発光素子の並び順の決定方法を示す図である。
【図8】図7の方法で決定された発光素子の並び順における、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差を示す図である。
【図9】図7に示す発光素子の並び順の変形例を示す図である。
【図10】図9に示す発光素子並び順を用いた場合の発光素子グループのつなぎ目の誤差を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態3に係る光源の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
〔実施の形態1〕
本実施の形態1においては、複数の発光素子を用いて、その特性値の平均が予め定めた一定値となるような光源を製造する方法について図1ないし図3を参照して説明する。ここでは、予め定めた一定値を特性目標値とし、特性目標値を平均波長450nm,平均光出力37.5mWとする。図2,3は、本実施の形態における発光素子グループの選択手順を示すフローチャートである。尚、上記発光素子としては、例えば、LEDが好適に使用できる。
【0024】
発光素子は、同一のウェハ上に同時に多数個製造され、これらを個々のチップに分割することによって複数の発光素子が得られる。この時、上記特性目標値に合わせ込んだ発光素子が得られるように製造条件等を設定するが、実際に製造される複数の発光素子は特性のばらつきを有するものとなる。
【0025】
このように特性のばらつきを有する複数の発光素子は、特性値の範囲に応じてクラス分けされる(図2のS1)。図1の例では、ドミナント波長(nm)については、各クラスは、440〜445,445〜450,450〜455,455〜460の4つの範囲を記載し、また、光出力(mW)については、各クラスは、30〜35,35〜40,40〜45の3つの範囲を記載している。すなわち、図1の例では、4×3=12で12個のクラス分けが記載されている。しかしながら、実際には、ドミナント波長および光出力共に、より多くのクラスに分けられていてもよい。また、上記クラス分けに使用される特性値は、上記例に限定されるものではなく、上記のドミナント波長や光出力以外に、順方向電圧(V)等を合わせこむ特性値としても良い。尚、ドミナント波長とは、発光素子の光を人間の目で見た色目を数値化した波長を意味する。
【0026】
ここから、所定数(N個)のクラスから所定数(M個)の発光素子を取り出し、その平均波長および平均光出力が上記特性目標値に近づくように、発光素子グループを形成する(S2)。図1の例では、3個のクラスから4個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するものとする。尚、発光素子グループを形成するためのクラス数および発光素子数は特に限定されるものではなく、これらの数を大きくすれば、発光素子グループの平均波長および平均光出力が上記特性目標値に近づきやすくなる。但し、クラス数を大きくすると、後述する製造工程が煩雑化するため、上記クラス数はあまり大きな値にしすぎ無いことが好ましい。また、グループ内の発光素子数については、その数が少な過ぎると、発光素子グループの平均特性を目標特性に近づけることが困難であるが、多すぎても各発光素子の光が十分に混ざらず、むらが見えてしまう虞がある。よって、グループ内の発光素子数は、色むら・明度むらが発生しない範囲で、なるべく大きな数とすることが好ましい(例えば、10個以内の数が望ましい)。
【0027】
次に、上記図2のS2の工程において、上記発光素子グループを形成するための3個のクラスおよび4個の発光素子をどのような手順で選択するかを図3のフローチャートに基づいて説明する。最初は上記12個のクラスのうち、特性目標値から最も離れたクラスの一つを固定し、他の2つのクラスを任意に選択する(S21)。以下の説明では、選択時に固定されるクラスをクラスA、これと組み合わされる任意の2つのクラスをクラスB,Cとする。図1の例では、ドミナント波長が440〜445nm、光出力が30〜35mWのクラス(クラスA)を固定とし、さらに、ドミナント波長が450〜455nm、光出力が35〜40mWのクラス(クラスB)、およびドミナント波長が450〜455nm、光出力が40〜45mWのクラス(クラスC)を組み合わせた場合を考える。
【0028】
選択された3個のクラスからM個(ここでは4個)の発光素子を取り出して発光素子グループを形成するにあたって、この発光素子グループの特性値平均が光源の特性目標値に最も近くなるように、発光素子比率が決定される(S22)。このような発光素子比率の決定を行うには、例えば、以下のような算出方法を用いることができる。尚、ここでの発光素子比率は、選択された各クラスから取り出される発光素子の個数比として定義されるものであり、上記3クラスから4チップを選択する場合には、例えば、A:B:C=1:2:1のような比率となる。
【0029】
これらの3つのクラスから発光素子を1:p:qの比率で抜き出して発光素子グループを形成した場合の、該発光素子グループの平均波長および平均光出力が目標特性値(420nm、37.5mW)に等しいと仮定すれば、下記の(1),(2)式が成立する。尚、下記(1),(2)式においては、それぞれのクラスから選択される発光素子のドミナント波長及び光出力値は、そのクラスにおける範囲の中央の値を代表値として用いている。図1の例では、クラスAは、波長(nm)が440〜445の範囲で中央値は442.5、光出力(mW)が30〜35の範囲で中央値は32.5であり、クラスBは、波長(nm)が450〜455の範囲で中央値は452.5、光出力(mW)が35〜40の範囲で中央値は37.5であり、クラスCは、波長(nm)が450〜455の範囲で中央値は452.5、光出力(mW)が40〜45の範囲で中央値は42.5である。
【0030】
(WA+WB・p+WC・q)/(1+p+q)=450 ・・・(1)
(PA+PB・p+PC・q)/(1+p+q)=37.5 ・・・(2)
WA〜WC:クラスA〜Cのそれぞれの代表波長値
PA〜PC:クラスA〜Cのそれぞれの代表光出力値
図1に例示したクラスA〜Cの選択の場合、上記(1),(2)式は下記式となる。
【0031】
(442.5+452.5p+452.5q)/(1+p+q)=450
(32.5+37.5p+42.5q)/(1+p+q)=37.5
上式を解いて、発光素子の比率を求めると、1:2:1となり、クラスAから1個、クラスBから2個、クラスCから1個の発光素子を組み合わせれば、該発光素子グループの平均波長および平均光出力が目標特性値(450nm、37.5mW)に等しくなることが分かる。
【0032】
この時、最初に仮定した発光素子比率である1:p:qが整数比として求まらなかった場合、あるいは、1:p:qが整数比として求まっても、1+p+qが発光素子グループを形成する発光素子数に一致しなかった場合には、グループを形成する発光素子数をnとして、r’:p’:q’(r’+p’+q’=n)の整数比に近似する。また、発光素子比率が(r’:p’:q’)の近似比として求められた場合は、これら(r’:p’:q’)の値を、下記の(3),(4)式に代入して該発光素子グループの平均波長および平均光出力を求め、さらに目標特性値との誤差を求める。この時、(r’:p’:q’)の組み合わせが複数考えられる場合には、目標特性値との誤差が最も小さくなる組み合わせを採用する。
【0033】
(平均波長)=(WA・r’+WB・p’+WC・q’)/n ・・・(3)
(平均光出力)=(PA・r’+PB・p’+PC・q’)/n ・・・(4)
さらに、誤差最小の組み合わせが複数ある場合には、例えば以下の(方法1)または(方法2)の選択基準によって、組み合わせを選択することができる。
(方法1)
クラスA,B,Cに属する発光素子チップ数が多いものをとる。この方法によれば、選択された組み合わせにおいて、より多くのグループが得られる。
(方法2)
グループ内の特性値のばらつきを考える。
【0034】
グループ内の波長の平均をm=(Wa+Wb×p+Wc×q)/(1+p+q)として、
分散S=(Wa−m)2+(Wb−m)2×p+(Wc−m)2×q)/(1+p+q)となるので、この分散Sが最も小さくなる組み合わせを選択する。この方法によれば、グループ内での特性バラつきが少なくなる。
【0035】
さらに、クラスB,Cを変更して、固定されたクラスAに対して、全ての組み合わせについて同様の計算を行い、それぞれの組み合わせにおける最適な発光素子比率を求める。このため、全ての組み合わせについての上記処理が終了していなければ(S23でNO)、任選択のクラスを変更し(S24)、上記S22の処理に戻る。
【0036】
固定されたクラスAに対して、全ての組み合わせにおいて最適な発光素子比率が求まると(S23でYES)、目標特性値との誤差が最も小さくなりうる組み合わせの選択クラスを採用する(S25)。
【0037】
ここで、合わせこむ特性値の数をT、グループ内で使用するクラス数をN、グループ内で使用する発光素子数をMとすると、上記説明では、T=2、N=3である。このように、N=T+1の時には、発光素子グループにおける最適な発光素子比率を上記のようにして求めることができる。しかしながら、本発明では、特性値の数Tおよびグループ内で使用するクラス数Nは、特に限定されるものではなく、常にN=T+1になるとは限らない。
【0038】
N<T+1の場合、発光素子比率における求めるべき変数よりも条件式の数の方が多くなる。例えば、特性値が2つ(例えば、ドミナント波長および光出力)だか、クラス数が2個の場合は、発光素子比率における求めるべき変数は1つであるが、条件式は、ドミナント波長に関する式と光出力に関する式との2つを立てることができる。このような場合、それぞれの条件式を独立に解いて複数の解を求め、これら複数の解の平均を取って整数化する。
【0039】
逆に、N>T+1の場合、発光素子比率における求めるべき変数よりも条件式の数の方が少なくなる。例えば、特性値が2つ(例えば、ドミナント波長および光出力)だか、クラス数が4個の場合は、発光素子比率における求めるべき変数は3つであるが、条件式は、ドミナント波長に関する式と光出力に関する式との2つしか立てることができない。このような場合は、幾つかの変数をパラメータとして複数の解を得る(上記例では、1つの変数をパラメータとすれば、求めるべき変数の数と条件式の数が同じになるので、これを解くことができる)。上記例では、4つのクラスにおける発光素子比率を1:p:q:rと仮定し、例えばrをパラメータとして、r=1,2,3,…(この時、rを振る最大数はグループ内発光素子数M)と振って複数の解を求め、それぞれの解に対応する平均特性値を計算して、最も目標値に近くなるものを選択すれば良い。
【0040】
上記方法によって、固定されたクラスAに対して、最適な発光素子グループ、すなわち最適なクラス選択と最適な発光素子比率とが決定される。このようにして発光素子グループが決定されると、決定された発光素子グループを、周期的に配置することで光源を構成することができる。本発明において、発光素子の配置は様々な配列が可能である。
【0041】
また、このようにして決定された最適な発光素子グループを用いて光源を構成していくと、選択されたクラスの何れかにおいて全ての発光素子が使用され尽くし、上記発光素子グループを構成することができなくなる。この時は、その時点で残っているクラスの中から上記と同様の手順で、新たに最適な発光素子グループを決定すれば良い。これを繰り返すことによって、最終的には、残りのクラス数が(N−1)になるまで発光素子グループを形成することができる。また、最終的に残ったクラスにおいても、最初にそのクラスに属していた全ての発光素子が未使用として残るわけではなく、大半は使用される。
【0042】
尚、最終的に得られる光源は、上述したように、発光素子グループを周期的に配置することで構成されるが、使用される発光素子グループが全て同一の発光素子構成を有している必要は無い(同一のクラスから選択されている必要は無い)。
【0043】
本実施の形態に係る光源の製造方法では、単独では使用できない特性外れの発光素子を使用することができ、発光素子の歩留まりを向上させてコストを下げることができる。また、使用する発光素子の特性クラスが異なっていても、形成される発光素子グループ全体の平均特性は特性目標値に近いほぼ揃った特性となるため、複数の発光素子グループを並べて光源を構成しても、色むらや明度むらが生じず、選別工程が不要となる。
【0044】
さらに、上記光源を白色光源とするときには、通常、青色発光素子に黄色蛍光体を塗布するが、発光素子の特性が異なると、蛍光体も発光素子特性に合わせて個別に変えないといけない。これに対し、本手法では、発光素子グループ単位での平均的特性が揃うため、発光素子に対して個別に蛍光体を変える必要は無く、同一の蛍光体を使用することができる。
【0045】
発光素子の特性値としては、光出力(mW)、ドミナント波長(nm)、順方向電圧(V)等があるが、これらの相関を予め計算し、相関がある場合には、どちらか一方のみを考慮すればよい。例えば、順方向電圧とドミナント波長に相関があれば(相関係数>0.5)、光出力とドミナント波長のみを合わせこんだ場合でも、ドミナント波長の合わせこみに伴って同時に順方向電圧も合うことになる。これにより、クラス分けのクラス数を減らすことができ、製造工程を簡略化することができる。
【0046】
〔実施の形態2〕
本実施の形態2においては、特性のばらついた発光素子を配置して線光源を形成する場合に、特性むらのない線光源を製造する方法について図4〜図9を参照して説明する。
【0047】
本実施の形態2では、最初に、特性のばらつきを有する複数の発光素子からなる発光素子グループが決定されている。
【0048】
特性のばらつきを有する複数の発光素子は、実施の形態1と同様に、特性値の範囲に応じてクラス分けされる。図4の例では、光出力(mW)に応じて4つのクラスに分けられた場合を例示しており、各クラスから1つずつの発光素子を取り出し、計4個の発光素子から発光素子グループが構成されている。各発光素子グループでは、これらの発光素子が所定の順序で配置され、さらに複数の発光素子グループが連続して配置されることで光源が構成される。尚、本実施の形態2において、クラス分けの数は4つに限定されるものではなく、また、特性値も光出力に限定されるものではない。
【0049】
ここで、発光素子グループにおける発光素子並び順は、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gをできるだけ小さくするように決定される。例えば、1つの発光素子グループが4個の発光素子から構成される場合であって、図5に示す並び順にした場合を考える。ここでは、その4個の発光素子に特性値の小さい順から“1”,“2”,“3”,“4”の番号を付し、かつ、この番号が1つ違いの発光素子同士における特性値の差はほぼ等しいものとする。
【0050】
また、図5に示すように、特性値が異なる4個の発光素子を周期的に並べ、k番目に並べた発光素子の特性値をskとする。図5の例では、左から順に“3”,“1”,“4”,“2”の順序で発光素子が並べられており、左から順に発光素子の特性値をs1,s2,s3,s4とすれば、s1=3,s2=1,s3=4,s4=2となる。
【0051】
ここで、隣り合う発光素子間の特性値平均の二乗誤差Gは、
m=(s1+s2+s3+s4)/4
として、
G={(s1+s2)/2−m}2+{(s2+s3)/2−m}2
+{(s3+s4)/2−m}2+{(s4+s1)/2−m}2
={(s1)2+(s2)2+(s3)2+(s4)2}/2+4m2
−2m(s1+s2+s3+s4)
+(s1s2+s2s3+s3s4+s4s1)/2
となる。
【0052】
上記式において、{(s1)2+(s2)2+(s3)2+(s4)2}および(s1+s2+s3+s4)は一定の値となるため、Gを最小にするためには、
G’=s1s2+s2s3+s3s4+s4s1
を最小化すれば良いことが分かる。
【0053】
最小のG’を求めるためには、例えば、発光素子の並び順の全ての組み合わせに対してG’を計算し、その中で最小のG’を選択する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、1つの発光素子グループを構成する発光素子数が増加すると、その計算量が膨大となる。したがって、本実施の形態では、以下の(a)〜(c)の工程にて発光素子の並び順を決定し、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gをできるだけ小さくするようにしている。図6に発光素子の並び順を決定する処理のフローチャートを示す。
(a) 発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する(S11)。
(b) 両端の発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、残っている発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、両端の発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、残っている発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する(S12)。
(c) 上記発光素子グループに含まれる全ての発光素子が配置される(S13でYES)まで、上記(b)の工程(S12)を繰り返す。
【0054】
上記(a)〜(c)の工程にて、特性値が“1”〜“8”の8種類の発光素子の並び順を決定する例を図7に示す。ここで、“1”〜“8”の番号は、単に8個の発光素子の特性値の小さい順に番号を付したものであり、かつ、この番号が1つ違いの発光素子同士における特性値の差はほぼ等しいものとする。
【0055】
図7に示すように、特性値が“1”〜“8”の8種類の発光素子を、上記(a)〜(c)の工程に従って並べた場合、その並び順は“5”,“3”,“7”,“1”,“8”,“2”,“6”,“4”となる。このように並べると、どの隣り合う2つをとっても、その平均値が4〜5の間となり(図8参照)、特性ばらつきの少ない配置になっていることが分かる。
【0056】
上記のように“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成する場合、ウェハから製造される多数の発光素子は、最初に少なくとも8クラスに分類される。しかしながらこの時、分類される各クラスにおける特性値の幅を同じに設定すると、各クラスに属する発光素子の個数は同じとはならない。通常は、真ん中の特性値(通常は目標値にほぼ一致する)に近い発光素子の分布が多くなり、真ん中の特性値から離れた発光素子の分布は少なくなる。このため、“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成しようとしても、この構成の発光素子グループだけでは多くの発光素子が使用できずに余ることになる。
【0057】
したがって、本実施の形態2の製造方法において、発光素子の使用率を上げるためには、例えば以下の方法が考えられる。
【0058】
最初に、ウェハから製造される多数の発光素子は、“1”〜“8”のクラスに分類されているとする。分類される各クラスにおける特性値の幅を同じに設定されており、各クラスに属する発光素子はそのクラスの特性値幅の中心値である特性値を有していると仮定する。この仮定の下では、隣り合うクラスに属する発光素子同士の特性値の差は等しくなる。
【0059】
“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成していくと、通常は、最初に“1”または“8”のクラスの発光素子が使い尽くされる。すると、ここからは、“2”〜“7”の6種類のクラスの発光素子を用いて発光素子グループが構成される。但し、発光素子グループを構成する発光素子数は8個から減らすことができないため、例えば、“2”,“2”,“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“7”といったように、同一のクラスから複数の発光素子を取り出すことを許容する。同一のクラスから複数の発光素子を取り出した場合であっても、上記(a)〜(c)の工程にて並び順を決定することは可能であり、例えば、上記組み合わせでの並び順は、“5”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“4”となる。
【0060】
また、“2”〜“7”の6種類のクラスの発光素子を用いて発光素子グループを構成する場合の取り出し方は、上記例に限定されるものではなく、“2”,“3”,“4”,“4”,“5”,“5”,“6”,“7”といった取り出し方でも良い。要は、最初に分類された8個のクラスの中心から見て、対称となる取り出し方であれば良い(これにより、発光素子グループの特性値平均が特性目標値に近くなる)。
【0061】
6種類の発光素子で発光素子グループを構成していき、その中の何れかのクラスの発光素子が使い尽くされると、次は、4種類の発光素子で発光素子グループを構成する。そして、最後は、2種類の発光素子で発光素子グループを構成することができる。このようにすることで、最初に存在する発光素子の大多数を使いきることができ、発光素子の歩留まりを向上させてコストを下げることができる。
【0062】
続いて、上記のように構成された発光素子グループを連続的に配置して線光源とする場合の、発光素子グループのつなぎ目の処理について説明する。先の説明では、“1”〜“8”の8種類の発光素子で発光素子グループを構成する場合、“5”,“3”,“7”,“1”,“8”,“2”,“6”,“4”の並び順(ケース(1))が好適であることを説明した。但し、同一構成の発光素子グループを連続的に配置する場合で考えれば、これ以外にも、同一の結果が得られる配置が存在する。すなわち、図9に示すように、ケース(1)の並びをローテーション配置した並び(ケース(2))や、裏返しに配置した並び(ケース(3))であっても、全体として同じ結果となる。
【0063】
しかしながら、上述したように、発光素子の歩留まりを向上させるためには、同一の構成の発光素子グループのみを構成することはできず、実際には、異なる構成の発光素子グループも存在する。そして、構成の異なる発光素子グループ同士を隣接させる場合に、つなぎ目での特性ばらつきを抑えるためには、発光素子の並び順に関し、さらに以下の(A),(B)の条件を付すことが好ましい。
(A) 両端に配置される発光素子の特性は、中心値に近いものとする。
(B) 両端に配置される発光素子の特性は、左(もしくは右)を大きい方と決める。
【0064】
ここで、図9に示した3種類の配置例を、特性値“2”,“3”,“6”,“7”から2個ずつとって8個の発光素子を並べた別構成の発光素子グループと隣接させる場合を考える(図10参照)。ここで、上記別構成の発光素子グループでは、8個の発光素子は、上記(A),(B)の条件を満たすように、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並び順となっている。
【0065】
図9に示した3種類の配置例のうち、ケース(1)の並びを、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、図10に示すように、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は4となる。すなわち、ケース(1)の並びは、上記(A),(B)の条件を満たした良好な場合であり、つなぎ目での平均値は良好な数値である4〜5の範囲に収まっている。
【0066】
一方、ローテーション配置した並び(ケース(2))を、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は5.5となり、良好な数値である4〜5の範囲を超えている。これは、(ケース(2))の並びが上記(A)の条件を満たしていないため、特性が中心値から大きく外れた発光素子が端に来ることによって、つなぎ目での特性値平均が大きくなったためである。
【0067】
また、裏返しに配置した並び(ケース(3))を、“6”,“3”,“7”,“2”,“7”,“2”,“6”,“3”の並びを有する発光素子グループと隣接させた場合、上記2つの発光素子グループのつなぎ目において、隣接する2つの発光素子間の平均値は3.5となり、良好な数値である4〜5の範囲より低くなっている。これは、(ケース(3))の並びが上記(B)の条件を満たしていないため、左右のどちらの端を大きいものとするかが2つの発光素子グループで一致せず、つなぎ目での特性値平均が大きくなったためである。
【0068】
尚、図10において示されている隣接する2つの発光素子間の特性値平均は、あくまで仮想的なものであり、実際の発光素子の特性値を示すものではない。
【0069】
また、本実施の形態2における上記説明では、各発光素子グループは、最初に分類された8個のクラスの中心から見て、対称となる取り出し方で複数の発光素子が取り出されるものとなっている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、各発光素子グループは、実施の形態1で説明した方法によって決定された発光素子グループであっても良い。
【0070】
すなわち、実施の形態1で説明した方法によって決定された発光素子グループであっても、そのグループに含まれる発光素子の特性値順に基づいて、上記方法で並び順を決定すれば、隣り合う2つの発光素子間の特性値平均の誤差Gを抑制することが可能である。
【0071】
尚、本実施の形態2では、複数の発光素子を1次元的に配置する場合の並べ順を決定する方法を記載している。このため、実施の形態1のように、複数の特性値に基づいてクラス分けされている場合には、例えば、以下の方法によって複数の特性値を考慮することができる。すなわち、考慮すべき2つの特性値を特性値1および2とすると、特性値1をW、特性値2をPとしたとき、評価関数F=a×W+b×Pを考え、Fの値で並べ順を決定する。上記評価関数におけるa,bの値は特性値1,2の優先度を考慮した重みとする。
【0072】
〔実施の形態3〕
本実施の形態3においては、上記実施の形態1または2によって決定された発光素子グループを連続して配置してなる光源の構成例について図11を参照して説明する。本実施の形態3に係る光源は、例えば、液晶表示装置のバックライトや、シーリングライト等の照明装置等に用いることができる。
【0073】
図11は、発光素子を発光素子として線状に配置してなる線光源としての光源1の構成例を示す上面図である。但し、本発明の光源において発光素子の配置は、線状や面状に限定されるものではなく、他の周期的配置であっても良い。尚、本実施の形態3における光源1を液晶表示装置のバックライトや照明装置等で使用する場合は、複数の光源1を並べて配置してもよい。
【0074】
図11に示す光源1では、基板10上に直線状のダム11が形成されている。ダム11内には、発光素子チップ12が、ダム11の長さ方向に間隔をあけて配置されている。発光素子チップ12の間隔は、例えば0.75mm〜4.5mm程度であればよい。さらに好ましくは、1.93mm〜3.86mmであれば、より効率良く性能を発揮できる。また、ダム11の外周には、他の光学部材等との位置調整のためのアライメントマーク13が設けられていてもよい。
【0075】
ここで、発光素子チップ12は、実施の形態1,2での説明における発光素子に相当するものである。1つの光源1には、少なくとも1つ以上の発光素子グループに相当する発光素子チップ12が設けられる。例えば、1つの発光素子グループが8個の発光素子で形成されており、1つの光源1に40個の発光素子チップ12が配置されているとすれば、1つの光源1は5つの発光素子グループ分の発光素子配列を有していることになる。
【0076】
すなわち、実施の形態1の方法で選択された発光素子の組み合わせや、実施の形態2の方法で決定された発光素子の並び順を用いて発光素子グループを形成し、この発光素子グループを光源1において連続して配列することで、本発明の光源が実現される。
【0077】
尚、図11に示すように異なる光源1を隣接して配置する場合、当然ながら、異なる光源1のそれぞれの端部の発光素子チップ間距離は、同一の光源1内の発光素子チップ間距離と等しくなることが好ましい。このため、発光素子チップ間距離を例えば3mmとすると、隣接する光源1の基板間距離はこれより小さい距離、例えば1mmとされる。光源1において、隣接する発光素子チップから照射される光が十分に混じって色むらや輝度むらが抑制される好適な発光素子チップ間距離は最大で5mmである。このため、隣接する光源1の基板間距離は、最大で4mmとすることが好ましい。
【0078】
また、各光源1上の複数の発光素子は、直列に接続される。一方、図11に示すように、複数の光源1を並べて配置する場合、各光源1は並列に接続される。これは、複数の光源1を直列に接続すると、その全体において必要とする電源電圧が高くなりすぎるためである。光源1を並列接続とすることで、電源電圧を適度な大きさに抑えることができる。
【0079】
また、光源1を並列接続とする場合、各光源1における順方向電圧のばらつきは十分に抑える必要がある。これは、各光源1における順方向電圧にばらつきがあると、それぞれの光源1に流れる電流にばらつきが生じ、光源1ごとの輝度むらが生じるためである。このような不具合を防止するためには、各光源1における順方向電圧は、目標値に対して±0.35%に収めることが望ましい。
【0080】
ここで、1つの光源1における発光素子チップの搭載数を40個、発光素子チップの順方向電圧の平均値をVf=2.9Vとする場合を仮定し、発光素子チップ12の順方向電圧におけるクラス分けを6クラスとすれば、これら6クラスから上記実施の形態1または2の方法で、発光素子グループを選択した場合に、使用発光素子の歩留まりが99.7%で目標値に対して±0.35%の誤差とすることが可能であり、好適な条件であった。尚、クラス分けを4クラスとすれば、使用発光素子の歩留まりが95%で目標値に対して±0.35%の誤差となった。
【0081】
また、図11では示されていないが、ダム11内には、複数の発光素子チップ12を封止する樹脂が充填されている。この樹脂は、蛍光体を含むものとすることができる。
【0082】
これは、光源1を白色光源とする場合に通常用いられる構成である。すなわち、発光素子を青色発光素子とし、封止樹脂には黄色蛍光体を含ませる。これにより、発光素子が発する一次光(青色光)と、黄色蛍光体が上記一次光を吸収することで発する二次光(黄色光)とが合成されて、白色光を得ることができる。
【0083】
上記のように、発光素子と蛍光体とを組み合わせて白色光を得ようとする場合、発光素子の特性にばらつきがあれば、それにあわせて蛍光体も変える必要があった。このため、従来では、発光素子チップ毎に適切な蛍光体を用いた樹脂でパッケージし、パッケージされた発光素子チップを基板に搭載する構成としていた。
【0084】
しかしながら、本発明の光源では、発光素子グループ毎の特性平均値をほぼ特性目標値となるように揃えることができるため、発光素子チップ毎に封止樹脂を変える必要は無い。このため、発光素子チップを基板に搭載した後で、同一の樹脂で封止することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0085】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、液晶表示装置のバックライトや照明装置等で使用される線光源または面光源となる光源に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 光源
11 ダム
12 発光素子チップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、
複数の発光素子を、特性値に応じて複数のクラスに分類する第1の工程と、
上記クラスの中からN個のクラスを選択し、
上記N個のクラスから、その特性値の平均が予め定めた一定値に最も近くなる発光素子が選択されるようにM個の発光素子を取り出し発光素子グループを形成する第2の工程とを有し、上記発光素子グループを周期的に配置すること特徴とする光源の製造方法。
【請求項2】
上記第2の工程は、
上記複数のクラスの中から、予め定めた一定値から最も離れたクラスの一つを決定とし、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択する第3の工程と、
上記第3の工程で選択されたN個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成すると共に、この発光素子グループは、その特性値平均が予め定めた一定値に最も近くなるものが選択されるようにする第4の工程とからなり、
任意選択される(N−1)個のクラスを変更して得られるN個のクラスの組み合わせに対して上記第3および第4の工程を行った後、光源の予め定めた一定値に最も近くなる発光素子グループを選択することを特徴とする請求項1に記載の光源の製造方法。
【請求項3】
複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、
複数の発光素子グループに対して、
上記発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する第1の工程と、
発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する第2の工程と、
上記発光素子グループに含まれる発光素子の配置が決定するまで上記第2の工程を繰り返す第3の工程を有し、上記発光素子グループを周期的に配置すること特徴とする光源の製造方法。
【請求項4】
上記発光素子グループは、上記請求項1に記載の第1および第2の工程によって形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の光源の製造方法。
【請求項5】
上記請求項1から4の何れかに記載の製造方法で形成された光源であって、
上記発光素子は、蛍光体を含む樹脂にて封止されていることを特徴とする光源。
【請求項1】
複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、
複数の発光素子を、特性値に応じて複数のクラスに分類する第1の工程と、
上記クラスの中からN個のクラスを選択し、
上記N個のクラスから、その特性値の平均が予め定めた一定値に最も近くなる発光素子が選択されるようにM個の発光素子を取り出し発光素子グループを形成する第2の工程とを有し、上記発光素子グループを周期的に配置すること特徴とする光源の製造方法。
【請求項2】
上記第2の工程は、
上記複数のクラスの中から、予め定めた一定値から最も離れたクラスの一つを決定とし、さらに他の(N−1)個のクラスを任意に選択する第3の工程と、
上記第3の工程で選択されたN個のクラスからM個の発光素子を取り出して発光素子グループを形成すると共に、この発光素子グループは、その特性値平均が予め定めた一定値に最も近くなるものが選択されるようにする第4の工程とからなり、
任意選択される(N−1)個のクラスを変更して得られるN個のクラスの組み合わせに対して上記第3および第4の工程を行った後、光源の予め定めた一定値に最も近くなる発光素子グループを選択することを特徴とする請求項1に記載の光源の製造方法。
【請求項3】
複数の発光素子を搭載する光源の製造方法であって、
複数の発光素子グループに対して、
上記発光素子グループに含まれる発光素子のうち、特性値の最も大きい発光素子と特性値の最も小さい発光素子とを隣接して配置する第1の工程と、
発光素子のうち、特性値が小さい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も大きい発光素子を配置し、かつ、発光素子のうち、特性値が大きい方の発光素子の隣に、発光素子のうちで特性値が最も小さい発光素子を配置する第2の工程と、
上記発光素子グループに含まれる発光素子の配置が決定するまで上記第2の工程を繰り返す第3の工程を有し、上記発光素子グループを周期的に配置すること特徴とする光源の製造方法。
【請求項4】
上記発光素子グループは、上記請求項1に記載の第1および第2の工程によって形成されたものであることを特徴とする請求項3に記載の光源の製造方法。
【請求項5】
上記請求項1から4の何れかに記載の製造方法で形成された光源であって、
上記発光素子は、蛍光体を含む樹脂にて封止されていることを特徴とする光源。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−227397(P2012−227397A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94536(P2011−94536)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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