説明

光無線伝送装置

【課題】簡単な構成にて光軸調整を容易とし、受信部の位置ずれの許容度を拡大することができる光無線伝送装置を提供する。
【解決手段】光無線伝送装置1は、送信部10と受信部20を備え、送信部10は、第1の波長帯の光を出射するとともに、外部からの戻り光によりレーザ発振するSLD11と、SLD11から出射された光を平行光にするコリメータレンズ13と、光の波長に応じて回折角が異なり、コリメータレンズ13からの平行光を、第1の平面内において第1の波長帯に相当する所定の角度の範囲内に分散させる回折格子14と、を備え、受信部20は、第1の平面内の所定の角度の範囲内に配置され、回折格子14を介して到達した光の一部を元の方向に反射させ、SLD11に戻すCCP21と、回折格子14を介して到達した光の残部を電気信号に変換する受光素子22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を用いて情報の空間伝送を行う光無線伝送装置に関し、特に、レーザ電力伝送や光通信に好適に適用できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空間を伝送路して用いる光無線伝送装置には、以下の2つのタイプが存在する。一つは、広がり角のある光により通信を行う拡散光タイプの光無線伝送装置である。この拡散光タイプの光無線伝送装置は、精密な光軸合わせを必要としないという長所があるが、光が拡散減衰するため、長距離の通信には適用できないという問題がある。もう一つは、平行光線により通信を行う平行光タイプの光無線伝送装置である。この平行光タイプの光無線伝送装置は、精密な光軸合わせをすることにより長距離通信が可能であるが、精密な光軸合わせが容易でないという問題がある。
【0003】
この点、特許文献1には、送信機側に2次元スキャナを設け、送信機と受信機の光軸ずれを、2次元スキャナを用いて修正する平行光タイプの通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−346467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の通信装置においては、機械的及び電気的な駆動機構である二次元スキャナを送信機側に組み込む必要があるため、通信装置のコストアップとなるとともに装置が大型化するという問題がある。そのため、機械的及び電気的な探索機構を必要としない構成、つまり、より簡単な構成で光軸合わせを容易とする光無線伝送装置が求められていた。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、簡単な構成にて光軸調整を容易とし、受信部の位置ずれの許容度を拡大することができる光無線伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成するため、本発明の一態様は、送信部と受信部を備えた光無線伝送装置であって、前記送信部は、第1の波長帯の光を出射するとともに、外部からの戻り光によりレーザ発振する光源と、前記光源から出射された光を平行光にするコリメート素子と、光の波長に応じて回折角が異なり、前記コリメート素子からの平行光を、第1の平面内において前記第1の波長帯に相当する所定の角度の範囲内に分散させる分散光学素子と、を備え、前記受信部は、前記第1の平面内の前記所定の角度の範囲内に配置され、前記分散光学素子を介して到達した光の一部を元の方向に反射させ、前記光源に戻す再帰性反射材と、前記分散光学素子を介して到達した光の残部を電気信号に変換する受光素子と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光無線伝送装置の概略構成図である。
【図2】回折格子に入射する光の回折方向を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る光無線伝送装置において、光源から出射された光の拡散方向を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光無線伝送装置において、外部に光を取り出す割合と、受光素子の光出力の関係を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光無線伝送装置の再帰性反射材の外観を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る光無線伝送装置において、受信部が光分散しない方向に位置ずれした場合の光の進み方を、第1の実施の形態に係る光無線伝送装置と対比させて説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る光無線伝送装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る光無線伝送装置の受信部の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0010】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光無線伝送装置1の概略構成図である。図1に示す光無線伝送装置1は、送信部10と受信部20を備え、送信部10が出射したレーザ光を受信部20が受光することにより信号が伝達されるようになっている。なお、光無線伝送装置1は、例えば、光通信装置やレーザ電力伝送装置が想定される。
【0011】
送信部10の光源11としては、例えば、通常の半導体レーザ(以下、LDと表記する)よりスペクトル線幅が広いスーパールミネッセントダイオード(super-luminescent diode;以下、SLDと表記する)が好適である。SLD11は、光源駆動部12の制御に基づいて、幅広いスペクトル(レーザ媒質により決定される。例えば、中心波長が950nmで線幅が60nmなど)を有する光を発する。SLD11は、LDのレーザ媒質の片側端面に、反射率を限りなくゼロに近づける反射防止コーティングを施すことによって作製される。つまり、SLD11のレーザ光の出射側の一方の端面には反射防止コーティングが施されており、他方の端面には反射防止コーティングが施されていない。そのため、SLD11は単独ではレーザ発振しない。本実施の形態では、後述するように、SLD11を外部共振器型レーザとして使用している。
【0012】
SLD11から出射された光は、コリメート素子であるコリメータレンズ13により平行光に変換され、平行光は、分散光学素子である回折格子14により回折される。
【0013】
ここで、図2を用いて、回折格子14を通過する光の回折方向(強め合う方向)について説明する。図2は、格子ピッチがN(単位長さあたりの格子数。格子間隔は1/N)の回折格子14に入射する光の回折方向を示す図である。入射光の波長をλ、入射角をα、回折角をβ、回折次数をmとすると、
sinα + sinβ = Nmλ (1)
の関係が成り立つので、回折角βは波長ごとに異なることになる。
【0014】
つまり、幅広いスペクトルを有する光が回折格子14に入射すると、回折光は、図3に示すように、拡散して伝搬する。なお、図3は、SLD11から出射された光の拡散方向を示す図である。より詳しくは、上記(1)式より、波長が長いほど回折角βは大きくなるので、入射光の波長λをλ1≦λ≦λ2とすると、波長λ1の光はA方向、波長λ2の光はB方向に進行し、A方向とB方向に囲まれるS領域が回折光の進行方向となる。なお、本実施の形態では、図1及び図3に示すように、SLD11から出射された光は、XY平面と平行な方向(紙面方向)に分散するものとして説明する。
【0015】
一般に、SLD11から出射された光を、SLD11の外部に配置された反射部材(リフレクタ)に反射させて、SLD11に戻すと、外部共振器型のLD光源となり、SLD11がレーザ発振することが知られている。そして、この特性と回折格子を用いた応用例としては、波長可変の外部共振器型レーザがある。波長可変の外部共振器型レーザでは、波長を選択するために回折格子で光を分散させ、特定波長の光だけをLD光源に戻すことにより、選択的に狭帯域なスペクトルのレーザ発振を実現している。この波長可変の外部共振器型レーザの原理に基づくと、回折格子14で光分散された拡散光の進行領域(以下、拡散領域という。具体的には、図3のS領域)の中に、ミラーなどの反射部材21を配置し、反射部材21に反射された光をSLD11に帰還させることにより、レーザ発振を起こさせることができる。すなわち、反射部材21を備えた受信部20を、拡散領域のいずれかに配置すれば、送信部10と受信部20とで自動的にレーザ共振器が構築され、送信部10から受信部20にレーザ光を送信することが可能となる。なお、レーザ発振が起こると、SLD11から出射される光のスペクトルは狭帯域になるため、回折格子14で光分散した光の拡散角は狭くなる。
【0016】
受信部20の反射部材21としては、再帰性反射材、例えば、コーナーキューブプリズム(以下、CCPと表記する)が好適である。CCP21は、入射した光を元の方向(入射した光と同一方向)に反射させる再帰性を有している。本実施の形態では、このCCP21の特性を利用することにより、回折格子14からCCP21に入射した光の一部を同一方向に反射し、反射した光を、回折格子14を介してSLD11に戻すようになっている。
【0017】
従来においては、送信部から受信部に対してレーザ光を送信するためには、送信部側に二次元スキャナなどの探索機構を組み込んで、精密な光軸合わせをする必要があった。しかしながら、本実施の形態においては、所定角度の広がりある拡散領域(図3のS領域)のどこかに受信部20(CCP21)を配置すればよいので、精密な光軸合わせをする必要はない。すなわち、光無線伝送装置1は、送信部10側に分散光学素子、受信部20側に再帰性反射材を備えるという簡単な構成にて光軸調整を容易とすることができ、受信部20の光分散方向(XY平面に平行な方向)に対する位置ずれの許容度を拡大することができる。
【0018】
また、受信部20のCCP21の反射面には、受光素子22が配置されている。受光素子22は、光を電気信号に変換する光電変換素子であり、CCP21の反射面に入射した光の一部を取り出し、光電変換を行う。光電変換素子としては、例えば、フォトダイオードや太陽電池が想定され、フォトダイオードの場合には、光変調信号を電気変調信号に変換し、また、太陽電池の場合には、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。なお、変換された電気変調信号または電気エネルギーは動作部23に送られる。
【0019】
ここで、受光素子22が取り出す光出力の大きさは、送信部10と受信部20で構築されたレーザ共振器が出射する光の中から、レーザ共振器外に光を取り出す割合η(=外部に取り出す光量/レーザ共振器内部の全光量。以下、光取り出し効率ともいう)により、異なってくる。図4は、実験により得られた、光取り出し効率ηと受光素子22が取り出す光出力の関係を示すグラフである。なお、受光素子22が取り出す光出力は規格化されており、光取り出し効率η=0.8のときの光出力を1としている。
【0020】
図4に示すように、光取り出し効率ηが小さすぎると、レーザ共振器外に取り出す光量自体が少ないので、受光素子22の光出力の大きさも小さくなる。一方、光取り出し効率ηが大きすぎると、SLD11に戻る光量が減るので、レーザ発振が弱くなり、これによって受光素子22の光出力の大きさも小さくなる。よって、適切な光取り出し効率ηを選択することにより、受光素子22は最大の光出力を得ることができる(図4においてはη=0.8)。本実施の形態の受信部20においては、受光素子22の光出力が最大となるように光取り出し効率ηが予め設定されている。具体的には、CCP21の裏面の反射率が適切な値となるように予め調整されているので、受光素子22の光出力は最大となるようになっている。
【0021】
以上から、本実施の形態の光無線伝送装置1によれば、送信部10は、第1の波長帯の光を出射するとともに、外部からの戻り光によりレーザ発振するSLD11と、SLD11から出射された光を平行光にするコリメータレンズ13と、光の波長に応じて回折角が異なり、コリメータレンズ13からの平行光を、第1の平面内において第1の波長帯に相当する所定の角度の範囲内に分散させる回折格子14と、を備え、受信部20は、第1の平面内の所定の角度の範囲内に配置され、回折格子14を介して到達した光の一部を元の方向に反射させ、SLD11に戻すCCP21と、回折格子14を介して到達した光の残部を電気信号に変換する受光素子22と、を備えているので、簡単な構成にて光軸調整を容易とし、受信部20の光分散する方向に対する位置ずれの許容度を拡大することができる。
【0022】
なお、拡散領域の大きさは、上記(1)式より、CCP21に入射する光の入射角α及び波長λ、並びに格子ピッチNの値をパラメータとして決定されるが、本実施の形態においては、光無線伝送装置1の用途に応じてこのパラメータの値を決め、好適な拡散領域の大きさが設定されている。
【0023】
また、本実施の形態の光伝送においては、レーザ発振を起こす特定の波長に意味はない。すなわち、本実施の形態では、所定の広がりある拡散領域上に受信部20を配置することにより、送信部10がレーザ発振を起こすことに意味があるのであって、結果として選択される特定の波長には特に意味はない。
【0024】
なお、分散光学素子を回折格子14ではなくレンズとし、レンズを用いて拡散光を生成することも可能であるが、レンズを用いた場合には、入射光の全波長分の光の一部がSLD11に戻ることとなるので、エネルギー損失が大きくなってしまう。一方、本実施の形態のように、分散光学素子を回折格子14とした場合には、入射光の特定の波長の光はすべてSLD11に戻るようになっているので、エネルギー損失は少ないという効果がある。その結果、受信部20を拡散領域内に配置するのであれば、送信部10と受信部20の間隔が長距離であっても、光伝送することが可能である。
【0025】
さらには、本実施の形態の光無線伝送装置1によれば、受信部20においてCCP21の反射率制御が行われているので、受信部20は好適な光出力を得ることができ、動作部23において所望の処理を実行することができる。
【0026】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、受信部20の光分散方向(XY平面に平行な方向)に対する位置ずれの許容度は大きかったが、光分散しない方向(XY平面に垂直な方向であるZ方向)に対しては、受信部20の位置ずれの許容度が小さかった。そのため、第2の実施の形態においては、再帰性反射材として、光分散しない方向(Z方向)にアレイ化されたCCPアレイ21Aを用いて、光分散しない方向(Z方向)にも受信部20の位置ずれの許容度を大きくしている。
【0027】
図5(a)は、CCPアレイ21Aの外観図である。CCPアレイ21Aは、図5(a)に示すように、回折格子14のZ方向の大きさに対して十分に小さな複数のCCP24を、Z方向にアレイ化することにより構成されている。
【0028】
図6(a)は、第1の実施の形態において、CCP21が光分散しない方向(Z方向)に位置ずれを起こしている場合の光の進み方を示す図であり、図6(b)は、第2の実施の形態において、CCPアレイ21Aが光分散しない方向(Z方向)に位置ずれを起こしている場合の光の進み方を示す図である。図6(a)に示すように、再帰性反射材にCCP21を用いた場合には、光分散しない方向(Z方向)に光軸ずれを起こしているので、CCP21で反射された光は、復路において回折格子14を通過することができない。これに対して、CCPアレイ21Aを用いた場合には、光分散しない方向(Z方向)に光軸ずれを起こしていても、CCP24の大きさを小さくすることで復路の光軸ずれ量を小さくすることができるので、戻り光量の損失を減少させることができる。
【0029】
したがって、第2の実施の光無線伝送装置2によれば、再帰性反射材は、第1の平面(光分散する方向)と垂直な方向(光分散しない方向)にアレイ化されて配置されたCCPアレイ21Aであり、CCPアレイ21Aを構成するそれぞれのCCP24の大きさは、回折格子14の第1の平面に垂直な方向(光分散しない方向)の大きさに対して十分に小さいので、第1の実施の形態の効果に加えて、受信部20の光分散しない方向(Z方向)に対する位置ずれの許容度を拡大することができる。
【0030】
なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、CCP24の反射面に受光素子22を配設したが、これとは異なる構成、例えば、図5(b)に示すように、CCP24と受光素子(光電変換素子)25をZ方向に混在させてアレイ化させてもよい。この場合には、CCP24と受光素子25の面積の割合により、光取り出し効率ηの値を制御することができる。なお、CCP24及び受光素子25の大きさは、CCPアレイ21Bに反射するレーザ光のビーム径に対して、十分に小さいものである。
【0031】
<第3の実施の形態>
図7は、第3の実施の形態に係る光無線伝送装置3の概略構成図である。第3の実施の形態では、複数の光源(SLD)11を光分散しない方向(Z方向)にアレイ化して配設している。また、第2の実施の形態と同様に、光分散しない方向(Z方向)にアレイ化されたCCPアレイ21Aを配設している。
【0032】
したがって、第3の実施の光無線伝送装置3によれば、SLD11を第1の平面に垂直な方向(光分散しない方向)アレイ化されて配置しているので、第2の実施の形態の効果に加えて、高出力化を実現でき、伝送する情報量を大容量化することができる。
【0033】
なお、第3実施の形態においては、複数の光源11を光分散しない方向(Z方向)にアレイ化したが、これとともに複数の光源11を光分散する方向(XY平面に平行な方向)にアレイ化してもよい。この場合には、CCPアレイ21Aも光分散する方向(XY平面に平行な方向)にアレイ化する必要がある。
【0034】
<第4の実施の形態>
図8は、第4の実施の形態に係る光無線伝送装置4の受信部30及び40の概略構成図である。第4の実施の形態においては、受信部に光取り出し効率ηの値を可変にする光学素子が追加されている。図8(a)は、反射部材21からの反射光を受光素子22に可変に取り込む受信部30の構成図、図8(b)は、SLD11からの入射光を受光素子22に可変に取り込む受信部40の構成図である。
【0035】
受信部30では、第1の実施の形態に係る受信部20の構成に、PBS(偏光ビームスプリッタ)26と、1/4波長板27が追加されている。そのため、受信部30においては、1/4波長板27を回転させることにより、PBS26及びCCP21を介して受光素子22に入射する光の光量を制御することができる。
【0036】
一方、受信部40では、第1の実施の形態に係る受信部20の構成に、PBS(偏光ビームスプリッタ)26と、1/2波長板28が追加されている。そのため、受信部40においては、1/2波長板28を回転させることにより、PBS26から受光素子22に入射する光の光量を制御することができる。
【0037】
したがって、第4の実施の光無線伝送装置4によれば、受信部は、受信部に到達した光を受光素子22に可変に取り入れる光学素子をさらに備えているので、例えば、反射部材が位置ずれするなどして状況が変化したとしても、最適な光取り出し効率ηを設定することができ、最大の光出力を得ることができる。具体的には、受信部30の場合には、PBS26と1/4波長板27を備えているので、1/4波長板27を回転させることにより、CCP21に反射した後の光が受光素子22に入射する光量を調整することができる。また、受信部40の場合には、PBS26と1/2波長板28を備えているので、1/2波長板28を回転させることにより、CCP21に反射する前の光が受光素子22に入射する光量を調整することができる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0039】
1,2,3,4 光無線伝送装置
10 送信部
11 SLD(光源)
12 光源駆動部
13 コリメータレンズ(コリメート素子)
14 回折格子(分散光学素子)
20,30,40 受信部
21,24 CCP(反射部材)
21A,21B CCPアレイ(反射部材)
22,25 光電変換素子(受光素子)
23 動作部
26 PBS
27 1/4波長板
28 1/2波長板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信部と受信部を備えた光無線伝送装置であって、
前記送信部は、
第1の波長帯の光を出射するとともに、外部からの戻り光によりレーザ発振する光源と、
前記光源から出射された光を平行光にするコリメート素子と、
光の波長に応じて回折角が異なり、前記コリメート素子からの平行光を、第1の平面内において前記第1の波長帯に相当する所定の角度の範囲内に分散させる分散光学素子と、
を備え、
前記受信部は、
前記第1の平面内の前記所定の角度の範囲内に配置され、前記分散光学素子を介して到達した光の一部を元の方向に反射させ、前記光源に戻す再帰性反射材と、
前記分散光学素子を介して到達した光の残部を電気信号に変換する受光素子と、
を備えることを特徴とする光無線伝送装置。
【請求項2】
前記再帰性反射材は、前記第1の平面と垂直な方向にアレイ化されて配置されており、
アレイ化された前記再帰性反射材のそれぞれの大きさは、前記分散光学素子の前記第1の平面に垂直な方向の大きさに対して十分に小さいことを特徴とする請求項1記載の光無線伝送装置。
【請求項3】
前記光源は、前記第1の平面と垂直な方向にアレイ化されて配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光無線伝送装置。
【請求項4】
前記受信部は、
前記受信部に到達した光を前記受光素子に可変に取り入れる光学素子をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光無線伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−234071(P2011−234071A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101753(P2010−101753)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】