説明

光触媒を含む塗料組成物

【課題】耐水性、耐候性、耐久性に優れ、長期間美観を保持し得る塗料組成物を提供する。
【解決手段】塗料成分と、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒とを含む塗料組成物。光触媒としては、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタン粒子、又は多孔体の表面が酸化チタン膜で被覆され、さらに酸化チタン膜表面の一部がリン酸カルシウムで被覆されたものを用いる。酸化チタンの結晶形はアナターゼであることが好ましい。有機塗料としては、ビニル系合成樹脂エマルション、無機塗料としては、ゾル−ゲル法によって塗膜を形成するための金属アルコキシドを含む溶液等が挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された光触媒を含む有機又は無機の塗料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料はその用途にもよるが、一般に塗布後の経時において、手垢などの油分や空気中の水分の付着、酸化、光による分解等によって黄ばみを生じたり劣化したりする。
そこで、塗料塗膜の耐久性向上及び美観保持のために、塗料中に抗菌剤を配合することが行われている。
【0003】
例えば、特開平8−259891号公報には、光触媒機能を有する粉末をシリカ塗料中に含有させる技術が開示されている。そして、光触媒機能を有する粉末として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化ビスマスが記載され、実施例によれば、酸化チタンを塗膜中に含有させることにより、脱臭、抗菌等の効果が得られることが記載されている。
【0004】
特開平5−305691号公報には、二酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄から選ばれる平均粒子径5μm以下の無機物質及びシリカを含有する膜の上に、さらに少なくともシリカを含有する膜を有する親水性被膜が記載されている。
【0005】
国際公開公報WO96/29375号には、TiO2 、ZnO、SnO2 、SrTiO3 、WO3 、Bi2 3 及びFe2 3 から選ばれた光触媒性材料とシリカとを含む光触媒性親水性被膜が記載されている。
【0006】
特開平10−237357号公報(本件出願の優先権主張日より後の日の公開)には、結晶性酸化チタン粒子、塩化タングステン及びテトラヒドロフランを含む溶液からなる光触媒性親水性コーティング組成物が記載されている。
【0007】
また、疎水性表面を形成するものとして、特開平10−237431号公報(本件出願の優先権主張日より後の日の公開)には、酸化チタン等の光触媒性酸化物粒子、シリコーン及びはっ水性フッソ樹脂を含有するはっ水性材料が記載されている。
【0008】
しかしながら、これら公報に記載の光触媒を塗膜中に含有させても、脱臭、抗菌等の作用が不十分な場合もあり、さらに高い耐久性及び長期間の美観保持性能を有する塗料の開発が望まれている。
また、塗料成分として有機塗料を用いた場合には、有機塗料成分が直接TiO2 等と接触するために、塗膜の劣化が起こるという問題もある。
【0009】
【特許文献1】特開平8−259891号公報
【特許文献2】特開平5−305691号公報
【特許文献3】国際公開公報WO96/29375号
【特許文献4】特開平10−237357号公報
【特許文献5】特開平10−237431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、耐水性、耐候性、耐久性に優れ、長期間美観を保持し得る塗料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討した結果、光触媒として、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒、より具体的には、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタンを用いることにより、上記目的を達成できることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、塗料成分と、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒とを含む塗料組成物である。
【0013】
本発明において、前記光触媒は、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタン粒子であってもよい。酸化チタン粒子は、多孔質のものであってもよい。
【0014】
本発明において、また、前記光触媒は、無機粒子の表面が酸化チタン膜で被覆され、さらに酸化チタン膜表面の一部がリン酸カルシウムで被覆されたものであってもよい。前記無機粒子は、活性炭、活性アルミナ及びシリカゲルの内から選ばれる少なくとも一種の多孔体であることも好ましい。酸化チタン膜が、均一孔径の細孔を有することも好ましい。酸化チタン膜の細孔の孔径が、1nm〜2μmであることも好ましい。
【0015】
本発明において、酸化チタン表面の1〜99%(面積%)がリン酸カルシウムで被覆されていることが好ましい。
本発明において、酸化チタンの結晶形がアナターゼであることが好ましい。
本発明において、リン酸カルシウムが、アパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウムからなる群から選ばれることが好ましい。
本発明において、塗料成分としては公知の有機又は無機塗料の如何なるものをも用いることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の塗料組成物は、上述のように構成されているので、この塗料組成物から形成される塗膜は、油分や水分の付着によっても黄ばみを生じたり劣化したりすることが非常に少なくなり、優れた耐久性と美観保持が得られる。
本発明の塗料組成物は、建築内外装用等の各種用途に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】
まず、本発明で用いる光触媒について説明する。本発明では、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒を用いる。この光触媒の形態は、特に限定されるものではないが、リン酸カルシウムがタンパク質や各種の水性の汚れ成分の吸着能に優れること、酸化チタンが光触媒機能に優れることを考慮すると、酸化チタの表面の一部にリン酸カルシウム被覆を有する形態が好ましい。
【0019】
このような光触媒の形態のうち、特に限定されることなく、例えば、第1のものとしては、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタン粒子が挙げられ、第2のものとしては、無機粒子の表面が酸化チタン膜で被覆され、さらに酸化チタン膜表面の一部がリン酸カルシウムで被覆されたものが挙げられる。
これら第1のもの及び第2のものは、光触媒機能を有する酸化チタン表面の一部上にリン酸カルシウム被覆を有する点で共通しており、本質的に同じ機能を有する。
【0020】
第1の光触媒における酸化チタン粒子としては、通常の酸化チタン粒子(平均粒径は例えば、1μm〜数mm程度)を用いれば良い。あるいは、多孔質の酸化チタン粒子を用いることも好ましく、この場合には粒子の表面積が大きくなるので、より大きな光触媒性能が得られる。
また、本発明において、酸化チタンの結晶形はアナターゼであることが、高い光触媒性能が得られるので好ましい。
【0021】
第2の光触媒においては、無機粒子の表面が酸化チタン膜で被覆されている。無機粒子としては、多孔質のセラミックスやガラス、金属など種々のものが挙げられるが、比表面積の大きさとコストの面から、活性炭、活性アルミナ、シリカゲルの内から選ばれる多孔体が特に好ましい。
【0022】
この酸化チタン膜は、均一孔径の細孔を有するものであることが好ましい。均一孔径の細孔を有することによって、比表面積が大きくなり、より大きな光触媒性能が得られる。すなわち、塗膜中あるいは塗膜表面の水分や有機成分を効率よく吸着し、光の照射によって生成した電子と正孔の酸化還元作用により、これを迅速に分解することが可能になる。
【0023】
また、酸化チタン膜の細孔の孔径は、特に限定されるものではないが、水分や有機成分を効率よく吸着するという観点から、1nm〜2μmであることが好ましい。
また、本発明において、酸化チタンの結晶形はアナターゼであることが、高い光触媒性能が得られるので好ましい。
【0024】
多孔体等の無機粒子の表面への酸化チタン膜の形成は、チタニアゾルを無機粒子の表面にコーティングした後、加熱焼成することにより行うことができる。チタニアゾルには、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドを添加することが好ましい。
【0025】
チタニアゾルは、超微粒子の酸化チタンを水に懸濁させたり、アルコールと四塩化チタンや金属チタンとの反応などによって得られるチタンのアルコキシドを加水分解したりすることによって調製することができる。その際、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルジアミノエタノール、ジイソプロパノールアミンなどアルコールアミン類や、ジエチレングリコールなどのグリコール類を添加すると均一で透明なチタニアゾルが得られ、それを用いることによって高性能の多孔質光触媒を得ることができる。
【0026】
このようにして得られたチタニアゾルを、ディップコーティング法、滴下法、塗布法、スプレー法などによって多孔体の表面にコーティングした後、加熱焼成する。
【0027】
チタニアゾルに、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドを添加しておくと、細孔が形成された比表面積の大きな光触媒が得られるので好ましい。すなわち、チタニアゾルに、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドを添加することにより、加熱焼成段階でポリエチレングリコールやポリエチレンオキサイドが燃焼・消失するため、多孔体表面に孔が開いて細孔とつながり、比表面積の大きな多孔質光触媒が得られる。
【0028】
また、焼成は、室温から徐々に600℃〜700℃の最終温度にまで加熱昇温して焼成するか、400℃〜600℃の温度で加熱して焼成することが好ましい。この操作によって、多孔体の表面にコーティングされたチタニアゾルは、光触媒として高性能の、結晶形がアナターゼである酸化チタンに変化する。この時、直接600℃〜700℃の温度で加熱焼成したり、焼成温度が400℃未満であったり、700℃を超えた場合には、光触媒として低活性なルチルや非晶質の混じった酸化チタンしか得られない。
【0029】
本発明において、酸化チタン膜が多孔体と強く密着した丈夫な高性能のものを得るためには、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドを添加したチタニアゾルを多孔体の表面に薄く塗布あるいはスプレーあるいはコートした後、それを加熱焼成することによって、多孔体の表面に酸化チタンの薄膜を形成し、この操作を繰り返すことによって多孔体の表面に酸化チタンの多層膜を形成することが望ましい。また、多孔体が活性炭などの場合には、予め硝酸、硫酸、塩酸などの酸で多孔体を酸処理して、表面を親水性に変えたものを使用することが望ましい。そうすることにより、酸化チタン膜が多孔体の表面にしっかり結合して付き、丈夫で耐久性に優れた高性能の多孔質光触媒が得られる。
【0030】
本発明において、チタニアゾルに添加するポリエチレングリコールやポリエチレンオキサイドは、分子量が1000以上のものが好ましく、その中でも特に、分子量が1000、1500、2000、3000、6000、8000、11000、13000、2万、10万、30万、200万、250万のもの等が好ましい。分子量が1000以上のものを用いることにより、多孔体表面に形成された酸化チタン膜が多孔体から剥離することがなく、丈夫で耐久性に優れた高性能の多孔質光触媒が得られる。
【0031】
また、本発明において、チタニアゾルに添加するポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドの量は、その溶解度以下の量であることが好ましい。溶解度を超えて添加した場合には、孔径の揃った細孔ができず、また丈夫で耐久性に優れた酸化チタン膜が形成されにくい。
【0032】
本発明において、酸化チタン膜の細孔の孔径や細孔分布の密度は、ポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドの添加量や分子量を変えることによって制御することができる。添加量を少なくしたり、分子量の小さいものを使用した場合には細孔径が小さくなり、一方、添加量を多くしたり、分子量の大きなものを使用した場合には細孔径が大きくなる。そして、添加量が少ない場合には細孔分布の密度が小さくなり、一方、添加量が多い場合には細孔分布の密度が大きくなる。また、分子量分布の広いポリエチレングリコール及び/又はポリエチレンオキサイドを添加した場合には、細孔の孔径が多様なものになる。さらに、酸化チタン薄膜を積層することにより、特異な三次元構造を持ったものとなる。以上のようにして、多孔体の表面へ酸化チタン膜を形成することができる。
【0033】
本発明で用いる光触媒は、この酸化チタン膜表面の一部にさらにリン酸カルシウム被覆が形成されたものである。あるいは、酸化チタン粒子表面の一部にリン酸カルシウム被覆が形成されたものである。
【0034】
本発明において、リン酸カルシウムは、特に限定されないが、アパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウムからなる群から選ばれることが好ましい。アパタイトとは、リン灰石であり、例えば、水酸アパタイト、フッ化アパタイト、炭酸アパタイト、銀アパタイト等が挙げられる。
【0035】
アパタイト等のリン酸カルシウムは、細菌等のタンパク質や、あるいは水性の汚れ(汗、手垢、水性インキなど)を吸着する。一方、酸化チタンはこのような吸着能はリン酸カルシウムに比べると乏しい。従って、酸化チタン表面の一部にさらにリン酸カルシウム被覆を形成することによって、リン酸カルシウムでタンパク質や各種の汚れ成分をより効率よく吸着し、これを酸化チタンの光触媒的酸化還元作用により分解する。
【0036】
このようなリン酸カルシウム及び酸化チタンの作用からして、本発明において一般に、酸化チタン表面の1〜99%(面積%)がリン酸カルシウムで被覆されていることが好ましい。すなわち、この被覆率が1%未満であると、リン酸カルシウムでの吸着効果があまり得られず、一方、被覆率が99%を超えると、酸化チタンの表面が覆われすぎて酸化チタンの光触媒効果が得られにくい。より好ましい被覆率は2〜80%程度であり、さらに好ましい被覆率は5〜70%程度である。
【0037】
リン酸カルシウム被覆の形態は、特に限定されるものではなく種々の形態が可能である。例えば、リン酸カルシウムが層状であっても良いし、微細片状や、微細粒状であっても良い。すなわち、酸化チタンの表面の一部にリン酸カルシウムの被覆層が形成された形態、酸化チタンの表面の一部が微細片状又は微細粒状のリン酸カルシウムが付着して覆われた形態のいずれの形態であってもよい。
微細粒状のリン酸カルシウムが、酸化チタン表面に均一に点在する形態が最も好ましく、その場合には、上記被覆率は20%以下、例えば2〜10%程度でも良い。
【0038】
リン酸カルシウムによる被覆は、酸化チタン粒子又は酸化チタン膜で覆われている粒子を、少なくともCa、Pを含む水溶液中に浸漬し、その後乾燥することによって行えばよい。水溶液は、例えば疑似体液でも良い。疑似体液としては、例えば、Na、K、Cl、Ca、P、Mg等のイオンを含むものが良い。特に、pHが7〜8のものが良く、pHが7.3〜7.7のものがさらに好ましい。水溶液中への浸漬は、例えば、20〜60℃で10分〜30日程度、好ましくは30〜40℃で20分〜24時間程度行う。
【0039】
リン酸カルシウム被覆の厚さは、特に限定されるものではないが、光触媒性能とコストの観点から1nm〜3μm程度が好ましく、1nm〜2μm程度がさらに好ましい。
【0040】
次に、本発明で用いる塗料成分について説明する。本発明において、塗料成分としては公知の水系あるいは溶剤系の有機塗料又は無機塗料の如何なるものをも用いることができる。
【0041】
例えば、水系有機塗料としては、ビニル系合成樹脂エマルションが挙げられる。ビニル系合成樹脂は、特に限定されるものではなく、乳化重合可能なビニル系モノマーの重合体であれば良く、例えば、アクリル樹脂、アクリル共重合樹脂、スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。また、各種樹脂のうち溶剤に可溶なものは、溶剤系の有機塗料して用いることができる。
【0042】
これら樹脂の重合用モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、アミド結合含有ビニルモノマー、スチレン又はスチレン誘導体、(メタ)アクリロニトリル、カルボキシル基含有ビニルモノマー、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル類、シリル基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
【0043】
より詳細には、(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12、好ましくは1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。より具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これらのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が入手容易である点、他のビニル系モノマーとの共重合性が良好である点から好ましい。
【0044】
また、アミド結合含有ビニルモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、α−エチルアクリルアミド; N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのN−置換(メタ)アクリルアミド; メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミドなどのN−置換(メタ)アクリルアミド2量体; N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、アクリルアミド、メタクリルアミド、α−エチルアクリルアミド; N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド等が入手容易である点、他のビニル系モノマーとの共重合性が良好である点から好ましい。
【0045】
スチレン又はスチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン等が挙げられる。これらのうち、スチレン、α−メチルスチレン等が入手容易である点、他のビニル系モノマーとの共重合性が良好である点から好ましい。
【0046】
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸の半エステル化物、フマル酸、フマル酸の半エステル化物、イタコン酸、イタコン酸の半エステル化物、クロトン酸、ケイ皮酸等のα,β−不飽和カルボン酸; さらには、カルボキシエチル(メタ)アクリレートやカルボキシプロピル(メタ)アクリレートなどのカルボキシアルキル(メタ)アクリレート; フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートやコハク酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどのジカルボン酸とモノヒドロキシアルキルアクリレートとのエステル等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸等が入手容易である点、他のビニル系モノマーとの共重合性が良好である点から好ましい。
【0047】
ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0048】
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
【0049】
また、シリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ−β−メトキシエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらのうち、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が入手容易である点、アルコキシシラン基の安定性の点から好ましい。
【0050】
これらの各種重合用モノマー成分は、必要に応じて任意に複数種を選択すれば良い。
さらに、重合用モノマーとして、必要に応じて上記の他に、ブタジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートなどを、適宜用いることもできる。
【0051】
本発明において、ビニル系重合体は、公知の方法により得ることができる。すなわち、上記各種重合用モノマー成分を、常法により乳化剤存在下に乳化重合させることにより得ることができる。
【0052】
本発明において、ビニル系重合体の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン換算で5万〜100万程度、好ましくは20万〜80万程度である。
【0053】
本発明に用いられる無機塗料としては、ゾル−ゲル法によって塗膜を形成するための加水分解重合性金属アルコキシドを含む溶液が挙げられる。
金属アルコキシドの金属としては、特に制限されるものではないが、例えばAl、Ti、Zr、Siなどが挙げられる。これらの金属のうち、Al、Siが好ましく、Siが特に好ましい。
【0054】
金属アルコキシドのアルコキシド基としては、特に制限されるものではなく、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどのアルコキシ基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4の低級アルコキシ基が好ましく、特にメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が好ましい。金属アルコキシドは、加水分解重合するために少なくとも2つのアルコキシド基を有する。
【0055】
アルミニウムのアルコキシド化合物としては、例えば、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウムなどが挙げられる。
【0056】
チタンのアルコキシド化合物としては、例えば、トリメトキシチタン、テトラメトキシチタン、トリエトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、クロロトリメトキシチタン、クロロトリエトキシチタン、エチルトリメトキシチタン、メチルトリエトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、ジエチルジエトキシチタン、フェニルトリメトキシチタン、フェニルトリエトキシチタンなどが挙げられる。ジルコニウムのアルコキシド化合物としては、上記チタネートにそれぞれ対応するジルコネートが挙げられる。
【0057】
ケイ素のアルコキシド化合物は、本発明において好適に用いることができる。このケイ素化合物は、次式(1)で表されるものである。
(R11n Si(OR124-n (1)
この式において、R11は置換基を有していても良い低級アルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を表し、R12は低級アルキル基を表し、R11及びR12はnにより異なっていても良い。nは0又は1の整数を表す。R11及びR12が表す低級アルキル基は通常、炭素数1〜4程度のアルキル基であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル基等が挙げられる。
【0058】
このようなケイ素化合物の具体例としては、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどが挙げられる。
【0059】
これらのケイ素化合物のうち、好ましいものとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0060】
また、本発明において、上記ケイ素化合物に加えて、必要に応じて、ゲル化後の塗膜の硬さ、柔軟性などの調整のために、上記式(1)のn=2のケイ素化合物を用いることも可能である。このようなものとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0061】
これらの金属アルコキシド化合物は、部分的に重合されているものであっても良い。また、金属アルコキシド化合物として、1種のみを用いてもよいが、2種以上を併用しても良い。
【0062】
上述の金属アルコキシド化合物、好ましくはケイ素のアルコキシド化合物、またはコロイダルシリカを溶剤に希釈して、硬化剤として水または酸又はアルカリ触媒を添加し、加水分解重合反応を行い、無機塗料を作製することができる。
【0063】
また、無機塗料の作製の際には、水の他に、適当な有機溶媒を用いることも可能である。このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類; ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類; N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、ベンゼン等が挙げられる。あるいはこれらの混合溶媒とすることもできる。
【0064】
本発明の塗料組成物においては、リン酸カルシウムで一部被覆された光触媒を有機又は無機塗料に対して、固形分重量比で、一般に1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%の配合割合で含む。この配合割合が1重量%未満であると光触媒効果が少なく、一方、配合割合が50重量%を超えるとコストが高くなる。配合割合は、塗料の種類によっても異なるが、光触媒効果とコストを考慮して当業者が適宜定めると良い。
【0065】
本発明の塗料組成物は、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒と有機又は無機塗料とを混合することによって得られる。この混合の際に、メチルセロソルブ、カルビトール、トリエチレングリコール、テキサノール等の造膜助剤を用いてもよい。また、塗料組成物には、必要に応じて、消泡剤、増粘剤、凍結安定剤、湿潤剤、顔料、水溶性樹脂、浸透助剤などの公知の添加剤を配合しても良い。
塗料組成物の塗装対象物への塗布は、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアレススプレー等の通常の方法により行うことができる。
【0066】
本発明の塗料組成物によれば、従来の光触媒よりも高い光触媒機能を有するリン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒、好ましくは酸化チタン表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された光触媒を含むので、得られる塗料塗膜は、油分や水分の付着によっても黄ばみを生じたり劣化したりすることが非常に少なくなり、優れた耐久性と美観保持が得られる。
また、塗料成分として有機塗料を用いた場合にも、有機塗料成分が直接TiO2 と接触しにくくなるために、塗膜が安定である。
【実施例】
【0067】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において、部とは特に断りのない限り重量部を表す。
【0068】
[参考例1](ビニル系合成樹脂エマルションの調製例)
【0069】
【表1】

【0070】
上記表1に示す組成で、合成樹脂エマルションを調製した。
4つ口フラスコにイオン交換水を40部仕込んで、窒素気流中で80℃まで昇温し、次に重合開始剤を添加し、さらに残りの水に溶解した乳化剤水溶液で重合性モノマー類を乳化させて、この混合物を3時間かけて滴下した。滴下時の反応温度は78〜82℃に制御した。
【0071】
滴下終了後も、同温度範囲に2時間保持しつつ、攪拌下に反応を継続させ、その後冷却し、14%アンモニア水でpHを8〜9に調節して、固形分が50.4%、粒子径が174ナノメーターで、表面張力が48ダイン/センチメートルの安定な合成樹脂エマルションを調製した。
【0072】
[参考例2](リン酸カルシウムで一部被覆された光触媒の調製)
チタンテトライソプロポキシド45gを400mlの無水エタノールで希釈し、攪拌しながらトリエタノールアミン15gと水4gを添加し、さらに分子量1500のポリエチレングリコール4gを添加して透明なゾル液を調製し、滴下法により直径約10μmの球状シリカゲルの表面に酸化チタン膜をコーテイングした。すなわち、このゾル液を少量、球状シリカゲルの表面に滴下し、余分な液を落として乾燥した後、室温から徐々に600℃の温度にまで加熱昇温して焼成し、これを5回繰り返して、球状シリカゲルの表面に酸化チタン膜を形成した。得られた酸化チタン膜の結晶構造をX線回折によって調べた結果、アナターゼ100%であった。また、その表面を電子顕微鏡で観察したところ、約20nmの大きさの細孔で覆われていた。
【0073】
得られた酸化チタン膜被覆粒子を、疑似体液1リットル中に懸濁させ、2時間、37℃で静置し、その後100℃で乾燥した。疑似体液は、水1リットル中に、塩化ナトリウム8000mg、塩化カリウム200mg、リン酸一水素ナトリウム1150mg、リン酸二水素カリウム200mg、塩化カルシウム200mgを含むものであった。このようにして、酸化チタン膜表面の一部(約12%:電子顕微鏡観察による)がリン酸カルシウムで被覆された光触媒を得た。
【0074】
[参考例3](リン酸カルシウムで一部被覆された光触媒の調製)
アナターゼ型酸化チタン(昭和電工(株)製、スーパーチタニア:平均粒径30nm)10gを、参考例2で用いたのと同じ疑似体液1リットル中に懸濁させ、2時間、37℃で静置し、その後100℃で乾燥した。このようにして、酸化チタン粒子表面の一部(約2%:電子顕微鏡観察による)がリン酸カルシウムで被覆された光触媒を得た。
【0075】
[実施例1〜2、比較例1〜2]
参考例1で得られた合成樹脂エマルションを、表2に示す配合組成で塗料化した。すなわち、光触媒として、実施例1では、参考例2で得られたリン酸カルシウム被覆TiO2 を、実施例2では、参考例3で得られたリン酸カルシウム被覆TiO2 を、比較例1では、TiO2 R630(石原産業製:平均粒径0.24μm)を、比較例2では、アナターゼ型TiO2 ST41(石原産業製:平均粒径0.1μm)をそれぞれ用いた。
これら各塗料につき、次のようにして塗料性能の評価を行った。
各塗料をバーコーター#20でアルミ板に塗布し、120℃で30分間焼付け、各テストピースを作製した。
【0076】
(耐候性)
各テストピースをQUV促進耐候性試験機にかけ、3000時間促進テストを行い、グロスメーターにより、光沢保持率(%)を定量した。
【0077】
(耐汚染性)
各テストピースの塗料膜上に、黒色水性インキで2mm幅の線を引いた。QUV 3000時間、60℃、湿度20%の条件で促進テストを行い、マクベス濃度計を用いて、黒色インキの分解率(%)を求めた。すなわち、インキ分解率(%)が高いほど、耐汚染性に優れる。
インキ分解率(%)=100×[(促進テスト前の黒色濃度)−(促進テスト後の黒色濃度)]/(促進テスト前の黒色濃度)
以上の結果を表2にまとめて示す。
【0078】
【表2】

【0079】
表2より、実施例1及び2では、TiO2 はリン酸カルシウムで一部被覆されているので、塗膜中の塗料成分が直接TiO2 に接触していないために、通常のアナターゼ型TiO2 を用いた比較例2に比べ、塗膜が安定であり耐候性に優れる。さらに、実施例1及び2では、水性インキをリン酸カルシウムが吸着し、インキの分解がより促進されるので、耐汚染性にも優れる。
【0080】
[実施例3]
メチルトリメトキシシラン100部、、テトラエトキシシラン10部、オルガノシリカゲル90部、ジメチルジメトキシシラン30部及びイソプロピルアルコール100部を混合した後に、水90部と参考例2のリン酸カルシウム一部被覆TiO2 40部とを添加し攪拌した。その後、60℃の恒温水槽中で重量平均分子量1500に調製し、光触媒含有無機塗料を得た。
この塗料をバーコーター#20でアルミナ基板に塗布し、得られた塗膜を、さらに1重量%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬して無機塗料塗膜を作製した。
【0081】
[比較例3]
光触媒として、参考例2のリン酸カルシウム一部被覆TiO2 に代えて、TiO2 (日本エアロジル社:P−25)を用いた以外は実施例3と同様にして無機塗料塗膜を作製した。
【0082】
これらの無機塗料塗膜における光触媒作用を評価するために、アルデヒド除去率(%)、黒色水性インキ分解率(%)及び光沢保持率(%)を測定した。
【0083】
(アルデヒド除去率)
無機塗料塗膜が形成されたアルミナ基板をプラスチック製容器中に入れ、この容器内に50ppmのアセトアルデヒドを注入し、10Wのブラックライトを30分間照射し、ガスクロマトグラフィーを用いて、アセトアルデヒドの除去率を求めた。
【0084】
水性インキ分解率(%)及び光沢保持率(%)の測定は、実施例1と同様にして行った。以上の結果を表3にまとめて示す。
【0085】
【表3】

【0086】
表3より、実施例3では、比較例3に比べ、アルデヒド除去率、水性インキ分解率に優れる。
【0087】
[実施例4]
溶剤型2液架橋アクリルシリコン樹脂として、アレスシリコン(関西ペイント(株)製)を用いた。前記アレスシリコンのクリアーベースに、参考例3で得られたリン酸カルシウム被覆TiO2 を全樹脂中含有量10重量%となるように分散した。これにアレスシリコン硬化剤を、前記クリアーベース14部に対して前記硬化剤1部の割合で加え、これをアルミ板に20μmの厚みで塗布し、常温で1週間で硬化させ、テストピースを作製した。
【0088】
[比較例4]
光触媒として、参考例3のリン酸カルシウム一部被覆TiO2 に代えて、アナターゼ型TiO2 ST41(石原産業製:平均粒径0.1μm)を用いた以外は実施例4と同様にして、テストピースを作製した。
【0089】
実施例4及び比較例4の各テストピースについて、実施例1と同様にして、耐候性としての光沢保持率(%)及び耐汚染性としてのインキ分解率(%)を測定した。結果を表4に示す。
【0090】
【表4】

【0091】
表4より、実施例4では、光触媒としてリン酸カルシウム被覆TiO2 を用いているので、通常のアナターゼ型TiO2 を用いた比較例4に比べ、塗膜が安定であり耐候性に優れる。さらに、実施例4では、インキの分解も促進され、耐汚染性にも優れる。
【0092】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変更は、すべて本発明の範囲内のものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料成分と、リン酸カルシウム及び酸化チタンを含む光触媒とを含む塗料組成物であって、
前記光触媒は、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタン粒子であり、
前記光触媒は、固形分重量比で1〜50重量%の配合割合で含まれている、塗料組成物。
【請求項2】
前記酸化チタン粒子が、多孔質のものである、請求項1に記載の塗料組成物。
【請求項3】
酸化チタン表面の1〜99%がリン酸カルシウムで被覆されている、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
酸化チタンの結晶形がアナターゼである、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項5】
リン酸カルシウムが、アパタイト、リン酸三カルシウム及びリン酸八カルシウムからなる群から選ばれる、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項6】
塗料成分が、有機塗料及び無機塗料から選ばれる、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の塗料組成物。
【請求項7】
有機塗料が、ビニル系合成樹脂エマルションである、請求項6に記載の塗料組成物。
【請求項8】
無機塗料が、ゾル−ゲル法によって塗膜を形成するための金属アルコキシドを含む溶液である、請求項6に記載の塗料組成物。

【公開番号】特開2008−88436(P2008−88436A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319808(P2007−319808)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【分割の表示】特願平11−40296の分割
【原出願日】平成11年2月18日(1999.2.18)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000002901)ダイセル化学工業株式会社 (1,236)
【出願人】(597012817)
【出願人】(597039869)
【Fターム(参考)】