説明

光触媒ヒドロゾル及び水系光触媒コーティング剤

【課題】分散性に優れる光触媒ヒドロゾル、光触媒活性及び/又は親水性を長期にわたって効果的に保持することができる光触媒コーティング材、及び塗装物を提供する。
【解決手段】光触媒粒子の表面に光触媒粒子に対して1から10質量%のアルミニウム化合物を被着した、中性のpH域で安定な光触媒ヒドロゾル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中性の光触媒ヒドロゾル及びそれを用いた水系光触媒コーティング剤に関するものである。
具体的には、中性のpH域で凝集や沈降が抑制されて安定に存在することのできる光触媒ヒドロゾルに関するものである。さらには環境負荷の小さい水系光触媒コーティング剤及び当該コーティング剤を塗布した塗装物に関する。
【背景技術】
【0002】
光触媒とは、光照射によって酸化、還元反応を起こす物質のことを言う。すなわち伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質であり、このとき、伝導帯に生成した電子の還元力および/または価電子帯に生成した正孔の酸化力を利用して、種々の化学反応を行うことができる。
また、光触媒活性とは、光照射によって酸化、還元反応を起こすことを言う。光触媒活性によって有機物質の分解作用や表面の親水化作用を示すことが知られており、光触媒は有害物の除去や防汚、防曇などに用いられる。
【0003】
このような光触媒は何らかの基体上に担持、固定して使用されることが一般的である。このとき、微粒子状の光触媒を基材に固定化すると表面を有効に使用でき、より活性が高まるために好ましい。あるいは透明性が増すことで基材の意匠性を損なわないという点でも微粒子状の光触媒が好ましい。
このような光触媒を基材に固定化するには溶媒に分散したゾル状の光触媒を塗布する方法が用いられる。光触媒のゾルとしては有機溶媒を使用したオルガノゾル、水を使用したヒドロゾルがあるが環境問題の観点からヒドロゾルを使用が望まれている。また、ヒドロゾルの中でも基材腐食防止及び作業性の観点などから中性のpH域で安定な中性のゾルの要求が高まっている。
【0004】
しかしながら、光触媒として多用されている酸化チタンは中性のpHでは安定性に劣るため、微粒子状の光触媒が分散した中性の光触媒ヒドロゾルを作製するのは困難であった。
この課題に対して例えば特許文献1では酸化チタンの表面に10質量%から25質量%の高濃度で多孔質シリカを被覆させる方法が開示されている。しかし、この方法では多量のシリカを使用しないと分散性を向上させることが困難となる。光触媒の表面に多量のシリカが被着しているとその分、光触媒の活性を犠牲にすることになるという問題点がある。
また、特許文献2では分散剤を使用して光触媒を分散させる方法が開示されている。しかし、この方法では光触媒ゾルを希釈したり濃縮したりするとそれに伴って分散剤の濃度も変わることとなり、実際にコーティング剤を調製する際には良分散性を保つのが難しいという問題点がある。
【0005】
【特許文献1】特開2005−170687号公報
【特許文献2】特開2000−290015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の課題を解決することを目的とし、微粒子状の光触媒が良分散で安定的に存在している中性ヒドロゾルを提供することである。また、そのような光触媒を含む水系光触媒塗料、さらにはこのような光触媒塗料を塗布した光触媒塗工製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の通りである。
1)光触媒粒子の表面に光触媒粒子に対して0.5から10質量%のアルミニウム化合物を被着した、中性のpH域で安定な光触媒ヒドロゾル、
2)光触媒粒子として、粒子表面に1から15質量%のシリカがあらかじめ被着された光触媒粒子を用いることを特徴とする1)に記載の光触媒ヒドロゾル、
3)光触媒が酸化チタンであることを特徴とする1)または2)に記載の光触媒ヒドロゾル、
4)光触媒ヒドロゾルに、光触媒粒子に対して0.5から10質量%のアルミニウム化合物を添加し、中性のpH域で混合することを特徴とする、1)から3)のいずれかに記載のアルミニウム化合物被着光触媒ヒドロゾルの製造方法、
5)あらかじめ粒子表面に1から10質量%のシリカが被着された光触媒粒子からなる光触媒ヒドロゾルを用いることを特徴とする4)に記載のアルミニウム化合物被着光触媒ヒドロゾルの製造方法、
6)1)から3)のいずれかに記載の光触媒ヒドロゾルと水系バインダーとからなる水系光触媒コーティング剤、
7)水系バインダーが、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体エマルジョン粒子と無機酸化物粒子(a)を含むことを特徴とする6)に記載の水系光触媒コーティング剤、
8)6)あるいは7)に記載の水系光触媒コーティング剤を塗布した光触媒塗装製品、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は分散性に優れる光触媒ヒドロゾルを提供するものである。当該光触媒ヒドロゾルを使用することにより、光触媒活性及び/又は親水性を効果的に発現する光触媒コーティング剤及び光触媒塗装物を提供することができる。また、少ない環境負荷で硬化可能であって、基材及びコーティング被膜に優れた耐久性を与える光触媒組成物(光触媒ヒドロゾル又は光触媒コーティング剤)を提供することができる。さらに当該組成物は耐候性、耐水性、透明性にも優れ、長期間にわたって汚れにくい塗装物を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において変性光触媒に使用できる光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物質をいう。中でも、光照射による酸化、還元反応を起こす能力と正孔と電子を生成させるのに必要な光のエネルギーのバランスから、バンドギャップエネルギーが1.2〜5.0eVの半導体化合物が好ましく、1.5〜4.1eVの半導体化合物がさらに好ましい。
【0010】
光触媒としては例えばTiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、BaTiO、BaTi、KNbO、Nb、Fe、Ta、KTaSi、WO、SnO、Bi、BiVO、NiO、CuO、SiC、MoS、InPb、RuO、CeO等、さらにはTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(特開昭62−74452号公報、特開平2−172535号公報、特開平7−24329号公報、特開平8−89799号公報、特開平8−89800号公報、特開平8−89804号公報、特開平8−198061号公報、特開平9−248465号公報、特開平10−99694号公報、特開平10−244165号公報等)を挙げることができる。また、これらの光触媒にPt、RH、Ru、Nb、Cu、Sn、Ni、Feなどの金属及び/又は金属の酸化物を添加あるいは固定化したものや、多孔質リン酸カルシウム等で被覆された光触媒(特開平11−267519号公報)等も使用することもできる。
【0011】
また、本発明の光触媒として、可視光(例えば約400〜800nmの波長)の照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現することが出来る可視光応答型光触媒を選択すると、本発明の光触媒組成物で処理された光触媒部材は、室内等の紫外線が十分に照射されない場所等における環境浄化効果や防汚効果が非常に大きなものとなるため好ましい。
【0012】
上記可視光応答型光触媒は、可視光で光触媒活性及び/又は親水性を発現するものであれば全て使用することが出来るが、例えばTaON、LaTiON、CaNbON、LaTaON、CaTaON等のオキシナイトライド化合物(例えば特開2002−66333号公報参照)やSmTi等のオキシサルファイド化合物(例えば特開2002−233770号公報参照)、CaIn、SrIn、ZnGa、NaSb等のd10電子状態の金属イオンを含む酸化物(例えば特開2002−59008号公報参照)、アンモニアや尿素等の窒素含有化合物存在下でチタン酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)や高表面酸化チタンを焼成して得られる窒素ドープ酸化チタン(例えば特開2002−29750号公報、特開2002−87818号公報、特開2002−154823号公報、特開2001−207082号公報参照)、チオ尿素等の硫黄化合物存在下にチタン酸化物前駆体(オキシ硫酸チタン、塩化チタン、アルコキシチタン等)を焼成して得られる硫黄ドープ酸化チタン、酸化チタンを水素プラズマ処理したり真空下で加熱処理したりすることによって得られる酸素欠陥型の酸化チタン(例えば特開2001−98219号公報参照)、さらには光触媒粒子をハロゲン化白金化合物で処理したり(例えば特開2002−239353号公報参照)、タングステンアルコキシドで処理(特開2001−286755号公報参照)することによって得られる表面処理光触媒等を好適に挙げることができる。
光触媒にはその性能向上をさせるなどのために,光触媒粒子の表面に白金、金、銀、銅、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどの金属や該金属の酸化物を被着しておいてもよい。
【0013】
本発明で用いる光触媒としては光触媒のとしての性能の観点及び分散性の観点から一次粒子径が1〜400nmの範囲にあることが好ましい。1〜100nmの範囲にあることがより好ましく、5〜50nmの範囲であることがさらに好ましい。光触媒の一次粒子径は透過型電子顕微鏡にて測定することができる。
本発明に用いる光触媒はヒドロゾルの形態にある。
ここで、光触媒ヒドロゾルとは、光触媒粒子が実質的に水を分散媒とする媒体中に固形分0.01〜70質量%、好ましくは0.1〜50質量%で分散されたものである。(ここで、実質的に水を分散媒とするとは、分散媒中に水が80%程度以上含有されていることを意味する。)
また、本発明に使用される光触媒ゾルに含まれる光触媒粒子は、一次粒子と二次粒子との混合物である。
かかるゾルの調製は周知であり、容易に製造できる。例えば、粒子表面がペルオキソ基で修飾されたアナターゼ型酸化チタンゾルが特開平10−67516号公報で提案された方法によって容易に得ることができる。
【0014】
上記光触媒ヒドロゾルが酸化チタンヒドロゾルである場合は、酸化チタンヒドロゾル中の固形分は50質量%以下、好ましくは35質量%以下である。さらに好ましくは35質量%以下0.1質量%以上である。このようなヒドロゾルの粘度(20℃)は比較的低く、例えば、2000cps〜0.5cps程度の範囲にあればよい。好ましくは1000cps〜1cps、さらに好ましくは500cps〜1cpsである。
また、例えば酸化セリウムゾル(特開平8−59235号公報)やTi、Nb、Ta、Vから選ばれた少なくとも1種の元素を有する層状酸化物のゾル(特開平9−25123号公報、特開平9−67124号公報、特開平9−227122号公報、特開平9−227123号公報、特開平10−259023号公報等)等、様々な光触媒ゾルの製造方法についても周知であり、酸化チタンゾルと同様に開示され
ている。
【0015】
本発明の光触媒ヒドロゾルは光触媒粒子の表面にアルミニウム化合物を被着したものである。アルミニウム化合物を被着するためには、例えば光触媒とアルミニウム化合物を水中で混合し、必要に応じて中和する方法が用いられる。アルミニウム化合物としてはアルコキシアルミニウム化合物,アルカリ金属アルミン酸塩などを使用することができる。取り扱い及び反応性の観点からアルカリ金属アルミン酸塩を使用することが好ましく、さらにはアルミン酸ナトリウムを使用することがより好ましい。アルミン酸ナトリウムにはアルミニウムとナトリウムの比が異なる様々な化合物があるが、いずれのアルミン酸ナトリウムも使用することができる。
【0016】
光触媒粒子表面に被着するアルミニウム化合物の量は光触媒に対して0.5から10質量%であり、好ましくは1から7質量%、さらに好ましくは2から7質量%である。当該範囲で被着することで光触媒粒子の良好な分散性と高い光触媒活性を両立することが可能となる。
これらの本発明で用いる光触媒としてはあらかじめ光触媒表面に1から15質量%のシリカが被着されているものが好ましい。より好ましくはシリカが2から10質量%の被着量の光触媒である。このような光触媒粒子を用いると、光触媒粒子とアルミニウム化合物との反応性が増すため、光触媒粒子表面に効率的にアルミニウム化合物を被着することができる。当該範囲のシリカ被着量であればアルミニウム化合物との良好な反応性と高い光触媒活性を両立することが可能となる。
本発明の光触媒ヒドロゾルは、該ヒドロゾル中には光触媒は一次粒子と二次粒子との混合物の状態で存在し、その混合物の数平均粒子径([実施例]にて定義)は、好ましくは1〜800nmであり、より好ましくは1〜200nmであり、特に好ましくは5〜100nmである。この数平均粒子径が800nm以下であると表面積が大きくなり、アルミニウム化合物との反応性及び光触媒活性の観点から好ましい。
【0017】
本発明で用いる光触媒粒子としてはTiO(酸化チタン)が好ましい。酸化チタンは無害であり、化学的安定性にも優れる。また、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトのいずれの結晶構造の酸化チタンも使用でき、複数の結晶構造の酸化チタンの混合物であってもよい。
酸化チタンとしてアナターゼ型酸化チタンを用いると光触媒活性及び/又は親水性がより強く発現する点で好ましい。また、酸化チタンとしてルチル型酸化チタンを用いると光触媒活性及び/又は親水性を発現しつつ耐候性に優れる点で好ましい。
酸化チタンの結晶構造はX線回折によって同定することができる。酸化チタンには、通常の酸化チタンのほかに含水酸化チタン、水和酸化チタン、オルトチタン酸、メタチタン酸、水酸化チタンと称されるものも含まれる。
【0018】
本発明の光触媒ヒドロゾルは水系バインダーと混合して光触媒塗料(コーティング剤)として使用することができる。本発明の光触媒ヒドロゾルはどのようなバインダーと混合してもすぐれた分散性を保持できる点で有効である。水系バインダーとは、実質的に水を分散媒とするバインダー樹脂溶液あるいはバインダー樹脂の分散体のことを言う。例えば、ポリビニルアルコール、カチオン変成ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド類、デンプン及びデンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、水性媒体中でのラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などによって得られる従来公知のポリ(メタ)アクリレート系、ポリビニルアセテート系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン酢酸ビニル系、シリコーン系、ポリブタジエン系、スチレンブタジエン系、NBR系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、塩化ビニリデン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系、スチレン−無水マレイン酸系等の共重合体、シリコーン変性アクリル系、フッソ−アクリル系、アクリルシリコン、エポキシ−アクリル系等の変性共重合体の水分散体などを挙げることができる。
【0019】
さらに、水系バインダーにはバインダー樹脂に含まれる官能基と反応する官能基を有する化合物を含むことができる。例えば、(ポリ)イソシアネート化合物、(ポリ)エポキシ化合物、アミノ化合物、(ポリ)カルボキシ化合物、(ポリ)ヒドロキシ化合物、グリコール化合物、シラノール化合物、シリル化合物、アルコキシ化合物、(メタ)アクリレート類などを挙げることができる。
本発明では水系バインダーとして、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られることを特徴とする重合体エマルジョン粒子と無機酸化物粒子を含むものであることが好ましい。
【0020】
加水分解性珪素化合物(b1)としては、下記式(1)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤を例示することができる。
SiW (1)
(式中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基から選ばれた少なくとも1種の基を表す。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。また、x+y=4である。)
ここでシランカップリング剤とは、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在する、加水分解性珪素化合物(b1)を表す。
【0021】
2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドを例示することができ、具体的には、例えばN−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等を挙げることができる。
中でも3級アミド基を有するビニル単量体を用いると水素結合性が強まり好ましい。
【0022】
無機酸化物粒子(a)としては例えば、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム及びそれらの複合酸化物等を用いることができる。それらの中でも、表面水酸基の多い酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、及びそれらの複合酸化物等が好ましく、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカがより好ましい。
【0023】
また、本発明における光触媒ヒドロゾルには乳化剤や分散安定剤を併用することもできる。当該乳化剤としては例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤や、例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、アルキルピリジニウムブロマイド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等を例示することができる。
【0024】
上記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、例えばスルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等を挙げることができる。
該分散安定剤としては例えば、ポリカルボン酸およびスルホン酸塩よりなる群から選ばれる各種の水溶性オリゴマー類や、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水溶性あるいは水分散性アクリル樹脂などの合成あるいは天然の水溶性あるいは水分散性の各種の水溶性高分子物質が挙げることができる。これらの乳化剤や分散安定剤は1種または2種以上の混合物を使用することができる。
また、本発明の光触媒ヒドロゾルには基材との相互作用を制御する目的で、アルコール類などの有機溶剤を少量添加することもできる。
【0025】
本発明の光触媒塗料(コーティング剤)は各種基材に塗装することができる。
本発明の光触媒組成物(光触媒ヒドロゾル或いは水系光触媒コーティング剤、以下同じ。)を塗装する基材としては、例えば合成樹脂、天然樹脂、繊維等の有機基材や、金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材や、それらの組み合わせ等を挙げることができる。
上記合成樹脂としては、熱可塑性樹脂と硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂等)の使用が可能であり、例えばシリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等を挙げることができる。
また、上記天然樹脂としては、セルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂等を挙げることができる。
【0026】
本発明において、樹脂板や繊維の表面は、コロナ放電処理やフレーム処理、プラズマ処理等の表面処理がされてあっても構わないが、これらの表面処理は必須ではない。
本発明に使用する基材の種類や膜厚は用途に応じて使い分けることができる。
また、本発明の光触媒ヒドロゾルあるいは水系光触媒コーティング剤には、その用途ならびに使用方法などに応じて、通常、塗料や成型用樹脂に添加配合される成分、例えば、増粘剤、レベリング剤、チクソ化剤、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、成膜助剤、防錆剤、染料、可塑剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤あるいは帯電調製剤等をそれぞれの目的に応じて選択、組み合わせて配合することができる。
本発明の水系光触媒コーティング剤(塗料)には、上記(b1)/(b2)を重合して得られる重合体エマルジョン粒子100質量部に対し、上記無機酸化物粒子粒子100質量武に対し、上記無機酸化物粒子(a)とアルミニウム化合物が被着された(又は場合により予めシリカが被着された)光触媒粒子とが、各々5〜900質量部、0.1〜50質量部が好ましく、更に10〜800質量部、0.5〜30質量部がより好ましい。
【0027】
本発明の光触媒組成物を含む塗装製品は光触媒活性及び/又は親水性に優れるとともに耐候性、耐水性、光学特性に優れる。
光触媒活性は、例えば材料表面の光照射時における色素等の有機物の分解性を測定することにより判定することができる。光触媒活性を有する表面は、優れた汚染有機物質の分解活性や耐汚染性を発現する。
ここで、光照射は光触媒のバンドギャップエネルギーよりも高いエネルギーの光の光源を用いて行う。光源としては、太陽光や室内照明灯等の一般住宅環境下で得られる光の他、ブラックライト、キセノンランプ、水銀灯、LED等の光が利用できる。光の照度は、0.001mW/cm以上あることが好ましく、0.01mW/cm以上だとより好ましく、0.1mW/cm以上だとさらに好ましい。
【0028】
本発明の光触媒コーティング剤は、任意の方法で塗装することができる。例えばスプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
塗装後に、40℃〜120℃程度の温度での熱処理あるいは紫外線照射等を行うことも可能である。
本発明の光触媒コーティング剤を基材上に塗膜として形成させる場合、該塗膜の厚みは0.05〜100μm、好ましくは0.1〜10μmである事が好ましい。透明性の面から100μm以下の厚みであることが好ましく、防汚性、光触媒活性等の機能を発現するためには0.05μm以上の厚みであることが好ましい。
【0029】
なお、本明細書では、塗膜という表現を使用しているが、必ずしも連続膜である必要はなく、不連続膜、島状分散膜等の態様であっても構わない。
本発明の塗装物の製造方法は、基材上に本発明の光触媒組成物を形成する場合に限定されない。基材と本発明の水系光触媒コーティング剤を同時に成形、たとえば、一体成形してもよい。また、本発明の光触媒コーティング剤を成形後、基材の成形を行ってもよい。また、塗装物と基材を個別に成形後、接着、融着等により製造してもよい。
【実施例】
【0030】
以下の実施例、参考例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例、参考例及び比較例中において、各種の物性は下記の方法で測定した。
1.平均一次粒子径
試料を電子顕微鏡用のメッシュ上に落とし、風乾した。メッシュ上の試料を超高分解能透過型電子顕微鏡(日立製H−9000UHR)で、加速電圧300kV、1000000倍で観察した。観察像から任意の粒子を100個抽出し、平均の一次粒子径を求めた。
【0031】
2.数平均粒子径
試料中の固形分含有量が20質量%となるよう適宜溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
3.固形分濃度
光触媒ゾルまたは光触媒コーティング剤試料を約2gアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後のサンプル量の差から固形分を計算した。
【0032】
4.塗工膜厚
MORITEX製MHF−D100LRを用いて測定した。
5.透明性(ヘイズ)
日本電色工業製濁度計NDH2000を用いてJIS−K7105に準じてヘイズ値及び全光線透過率を測定した。
【0033】
6.光触媒活性(分解指数)
基準認証研究開発事業 光触媒試験方法の標準化(日本ファインセラミックス協会)に記載されている、日本工業規格(案)光触媒材料のセルフクリーニング性能試験方法第2部:湿式分解性能に基づき664nmの吸光度から分解指数を求めた。
このときにメチレンブルーには和光純薬工業製メチレンブルー三水和物を使用した。吸光度測定には日本分光製紫外・可視吸収スペクトル計V−550を使用した。
【0034】
[製造例1]
石原産業製の酸性アナターゼ型酸化チタン(STS−01)を純水で希釈して、酸化チタン換算20質量%の酸化チタンゾルを500ml調製した。その後、70℃に昇温し、シリカ換算で432質量%のケイ酸ナトリウム水溶液14.4mlを20%硫酸と同時に添加し、その後、30分熟成した。次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液でpHを8に調製した後、2%硫酸水溶液でpH6に調製し、ろ過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して5.0質量部のシリカが被着している。
【0035】
[製造例2]
製造例1で添加するケイ酸ナトリウム量を23mlにする以外は製造例1と同様に実施した。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して8.1質量部のシリカが被着している。
[製造例3]
製造例1で添加するケイ酸ナトリウム量を8.6mlにする以外は製造例1と同様に実施した。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して2.9質量部のシリカが被着している。
[製造例4]
製造例1で添加するケイ酸ナトリウム量を43.2mlにする以外は製造例1と同様に実施した。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して14.8質量部のシリカが被着している。
【0036】
[実施例1]
酸化チタンヒドロゾル(A)の調製
製造例1で調製した酸化チタンゾルに対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で2.5質量%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、2.1質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
【0037】
[実施例2]
酸化チタンヒドロゾル(B)の調製
製造例2で調製した酸化チタンゾルに対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で2.5%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、2.1質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
【0038】
[実施例3]
酸化チタンヒドロゾル(C)の調製
製造例3で調製した酸化チタンゾルに対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で5.5%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、5.2質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
【0039】
[実施例4]
酸化チタンヒドロゾル(D)の調製
テイカ製中性酸化チタンゾル(TKS−203、シリカ被着なし)に対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で5.5%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、5.2質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
【0040】
[比較例1]
酸化チタンヒドロゾル(E)の調製
製造例4で調製した酸化チタンゾルに対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で2.5%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、2.2質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
【0041】
[比較例2]
酸化チタンヒドロゾル(F)の調製
製造例1で調製した酸化チタンゾルに対して、アルミン酸ナトリウムの10質量%水溶液を酸化チタンに対してアルミナ換算で12.5%となるように添加した。その後、80℃に昇温し、80℃で1時間撹拌した。得られたサンプルをろ過して中性で安定な酸化チタンゾル(固形分20質量%)を得た。
このときの酸化チタン粒子には酸化チタン100質量部に対して、12.2質量部のアルミニウム化合物が被着している。
評価結果を表1に示す。
[比較例3]
酸化チタンヒドロゾル(G)の調製
製造例2で調製した酸化チタンゾルを特に処理することなく酸化チタンヒドロゾル(G)とした。
評価結果を表1に示す。
【0042】
[製造例5]
重合体エマルジョン粒子水分散体の合成
還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1750g、ドデシルベンゼンスルホン酸2gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、アクリル酸ブチル86g、フェニルトリメトキシシラン133g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド197g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化(株)製、固形分25%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1950gの混合液を、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。さらに反応容器中の温度が80℃の状態で約2時間撹拌を続行した後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過した後、イオン交換水で固形分を10.0質量%に調整し、数平均粒子径100nmの重合体エマルジョン粒子水分散体(H)を得た。
【0043】
[実施例5]
製造例5で合成した重合体エマルジョン粒子(H)水分散体100gに、数平均粒子径12nmの水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスO」、日産化学工業(株)製、固形分20%)50gと酸化チタンヒドロゾル(A)2.5gを混合、攪拌する事により光触媒コーティング剤を得た。
10cm×10cmのPETフィルムに上記水系光触媒コーティング剤を膜厚が2μmとなるようにバーコートした後、70℃で10分間乾燥する事により、光触媒コーティング剤皮膜を有する試験板を得た。
得られた光触媒コーティング剤皮膜を有する試験板の評価結果を表2に示す。
[実施例6]から[実施例9]および[比較例4]から[比較例7]
酸化チタンとして表2に記載の種類と量の酸化チタンを用いる以外は実施例5と同様に実施した。試験結果を表2に示す。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によって提供される光触媒ヒドロゾルは分散安定性に優れるものであり、それを用いた光触媒コーティング剤は光触媒活性及び/又は親水性を効果的に発現するとともに外観にも優れるため、建築外装、外装表示用途、自動車、ディスプレイ、レンズ等のコーティング剤として有用である。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光触媒粒子の表面に光触媒粒子に対して0.5から10質量%のアルミニウム化合物を被着した、中性のpH域で安定な光触媒ヒドロゾル。
【請求項2】
光触媒粒子として、粒子表面に1から15質量%のシリカがあらかじめ被着された光触媒粒子を用いることを特徴とする請求項1に記載の光触媒ヒドロゾル。
【請求項3】
光触媒が酸化チタンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光触媒ヒドロゾル。
【請求項4】
光触媒ヒドロゾルに、光触媒粒子に対して0.5から10質量%のアルミニウム化合物を添加し、中性のpH域で混合することを特徴とする、アルミニウム化合物被着光触媒ヒドロゾルの製造方法。
【請求項5】
あらかじめ粒子表面に1から10質量%のシリカが被着された光触媒粒子からなる光触媒ヒドロゾルを用いることを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム化合物被着光触媒ヒドロゾルの製造方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の光触媒ヒドロゾルと水系バインダーとからなる水系光触媒コーティング剤。
【請求項7】
水系バインダーが、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合して得られる重合体エマルジョン粒子と無機酸化物粒子(a)を含むことを特徴とする請求項6に記載の水系光触媒コーティング剤。
【請求項8】
請求項6または7に記載の水系光触媒コーティング剤を塗布した光触媒塗装製品。

【公開番号】特開2009−101286(P2009−101286A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274905(P2007−274905)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】