説明

光触媒活性を有するTiO2成形体

本発明は、浄化すべき廃水を、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒と、光を照射しながら接触させることによる、廃水の浄化方法、並びに、光を照射しながら、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒を、廃水浄化のために用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化すべき廃水をストランド状TiO2光触媒と、光を照射しながら接触させることによる、廃水の浄化方法、並びに、光を照射しながら、前記ストランド状TiO2光触媒を、廃水浄化のために用いる使用に関する。
【0002】
二酸化チタン含有光触媒若しくはそのような触媒の廃水浄化のための使用は、従来技術で既に記載されている。
【0003】
CN 134 8834は、有機不純物を有する廃水浄化のために使用可能な、BET比表面積が4〜20m2/gの二酸化チタン含有触媒ペレットを開示しているCN 134 8834に従って使用される触媒は、炭素、デンプン、及び炭酸塩から選択される。細孔形成試薬を用いて製造される。CN 134 8834は、BET比表面積が25〜200m2/gのストランド状TiO2光触媒を用いた廃水の浄化法を開示していない。
【0004】
JP 2005/066433は、二酸化チタンをアナターゼ変性で含む光触媒活性顆粒を開示している。JP 2005/066433によれば、使用される顆粒は、長い時間にわたって活性を保つために、最小サイズが0.5〜1.0ミリメーターでなければならない。使用される二酸化チタン含有顆粒の特性、例えばBET比表面積、細孔体積、又は平均細孔直径は、JP 2005/066433には開示されていない。
【0005】
JP 2000/354863は、二酸化チタンを触媒活性化合物として含む、廃水処理のための光触媒を開示している。処理すべき廃水は、有機不純物を含んでいてよい。JP 2000/354863は、使用される二酸化チタン触媒の規格を開示していない。
【0006】
EP 1 175 259 B1は、二酸化チタンから成る成形体、前記成形体の製造方法、及びその使用を開示している。この文献によれば前記成形体は、それぞれアナターゼ変性で二酸化チタンの一次晶子から成る粒径が0.01〜50mmであり、BET比表面積が20〜150m2/gであり、細孔体積が0.1〜0.45cm3/gであり、かつ細孔直径が100〜300Åである、二酸化チタンを含む。EP 1 175 259 B1によれば、この触媒中の外部由来イオン(Fremdion)の割合は、特に低い。この成形体はUV活性を示すため、前記成形体は光触媒として使用可能である。EP 1 175 259 B1は、この二酸化チタン触媒を用いた廃水の浄化法を開示していない。
【0007】
US 2001/0006933 A1は、光触媒活性を有する顆粒と、その製造方法を開示している。光触媒活性化合物として、この成形体中に二酸化チタンが存在し、コロイド状二酸化ケイ素が少なくとも10質量%、結合剤として使用される。US 2001/0006933 A1は、BET比表面積、細孔体積、又は細孔直径について、二酸化チタン触媒の特性を開示していない。さらに、廃水浄化法も開示されていない。
【0008】
EP 1 369 383は、硫化水素と、ベンゼン、トルエン及び/又はキシレンを含む混合物から、硫黄を除去するための方法を開示している。このために、アルミニウム、二酸化チタン及びジルコニウムの群から選択されている少なくとも1つの化合物を含み、かつ担体を有する触媒が使用され、この際に前記担体はさらに、鉄、コバルト、ニッケル、銅、及びバナジウムから成る群から選択される少なくとも1つのドープ元素を含む。EP 1 369 383は同様に、汚染された廃水の浄化法を開示していない。
【0009】
本発明の課題は、特に高い効率によって特徴付けられる、廃水の浄化方法を提供することである。本発明による方法は例えば、比較的長時間にわたって同一に保たれる高い浄化作用も有するのが望ましい。さらに本方法は、廃水中に存在する汚染物質を効果的に除去するのが望ましく、その結果、有害物質の割合が特に低い、浄化された廃水が得られる。
【0010】
この課題は、浄化すべき廃水を、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒と、光を照射しながら接触させることによる、廃水の浄化方法、並びに、光を照射しながら、このようなストランド状光触媒を、廃水浄化のために用いる使用により解決される。
【0011】
本発明による廃水浄化法では、特別なストランド状二酸化チタン光触媒を使用し、この触媒は、各触媒粒子のBET比表面積、細孔体積、平均細孔直径、及び形状の本発明による組み合わせにより、特徴付けられる。本発明によるこの組み合わせは、特に高い活性、並びに高い活性を保ったままで、使用される光触媒の特に長い寿命をもたらす。
【0012】
本発明の方法の好ましい実施態様では、基本的にアナターゼ変性で存在する二酸化チタンを使用する。本発明の範囲において「基本的に」とは、当業者に公知のXRD測定法に基づき、二酸化チタンの少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも75%がアナターゼ変性で存在することを意味する。二酸化チタンの残分は、非晶質の金属酸化物、ブルッカイト変性若しくはルチル変性、又はこれらの混合物から成る。極めて特に好ましい実施態様では、使用される二酸化チタンは完全に、すなわちXRDで測定して100%、アナターゼ変性で存在する。
【0013】
本発明による方法では、ストランド状のTiO2光触媒を使用する。本発明の範囲においてストランド状とは、使用される光触媒が好ましくは1つの楕円状、又は円形の基底面を有することを意味する。この円形基底面若しくは楕円形基底面の直径は、最大三次元方向で一般的に0.2〜10mm、好ましくは0.5〜3.0mmである。ストランド状二酸化チタン光触媒は、一般的に長さが0.5〜10mm、好ましくは0.8〜8mm、特に好ましくは1.0〜5.0mmである。本発明によるストランド状光触媒の長さ対直径の比は一般的に、0.05〜50、好ましくは1.0〜10である。
【0014】
使用されるストランド状光触媒は、光触媒活性材料として基本的に二酸化チタンを含む、すなわち使用される光触媒は一般的に、少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも95質量%、特に好ましくは99質量%、二酸化チタンを含む。残分は、無機若しくは有機の添加物、又はこれらの混合物である。
【0015】
さらに好ましい実施態様では、二酸化チタン光触媒は少なくとも1つの添加物、特に好ましくは元素周期表(新IUPAC命名法)の1族、4族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族、又はランタノイドから選択される少なくとも1つの添加物、例えばナトリウム、カリウム、ジルコニウム、コバルト、亜鉛、鉄、銅、銀、金、パラジウム、白金、ガリウム、窒素、炭素、硫黄、イッテルビウム、エルビウム、タリウム、ネオジウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの添加物を、元素の形又は酸化された形で含む。好ましくはまた、上記添加物の2つ又はそれより多い組み合わせが存在していてよく、特に好ましい組み合わせは、ジルコニウムと窒素、ジルコニウムとコバルト、ランタンとジルコニウム、カリウムとジルコニウム、又はナトリウムとジルコニウムである。
【0016】
少なくとも1つの添加物は、本発明により使用されるストランド状二酸化チタン光触媒中で、好ましくは0.001〜5質量%、特に好ましくは0.01〜3質量%の量で存在する。2つ又はそれより多い上記添加物が本発明により使用される光触媒中に同時に存在する場合、上記の量の記載は、この混合物に関するものである。
【0017】
本発明により使用されるストランド状二酸化チタン光触媒は一般的に、BET比表面積が25〜200m/2g、好ましくは50〜180m2/g、特に好ましくは80〜150m2/gである。BET比表面積は、当業者に公知の方法、例えばDIN 66 131に従って測定することができる。
【0018】
本発明により使用されるストランド状二酸化チタン光触媒は一般的に、細孔体積が0.1〜1.00ml/g、好ましくは0.2〜0.7ml/g、特に好ましくは0.25〜0.55ml/gである。細孔体積は、当業者に公知の方法に従って測定することができる。
【0019】
本発明により使用可能なストランド状二酸化チタン光触媒は一般的に、平均細孔直径が0.001〜0.050μm、好ましくは0.005〜0.030μm、特に好ましくは0.010〜0.025μmである。平均細孔直径は、当業者に公知の方法に従って測定することができる。
【0020】
本発明により使用可能なストランド状二酸化チタン光触媒は、当業者に公知の方法で製造することができる。好ましい実施態様では、本発明により使用される光触媒は、相応する量の二酸化チタンと、少なくとも1つの有機結合剤(好ましくは糖誘導体、例えばチロース、デンプン溶液、例えばコーンスターチ、セルロース、例えばメチルセルロース、及び/又は少なくとも1つの脂肪酸、例えばステアリン酸から選択されるもの)、ポリマー、例えばポリエチレンオキシド、及び少なくとも1つの酸、例えば鉱酸、例えば希硝酸若しくは塩酸、又は有機酸、例えばギ酸、とを混合することにより得られる。この混合物は、当業者に公知の方法により一般的な装置で混合され、例えば粉砕混合される(kollern)。得られる混合物はこの後、押出成形して相応するストランド状光触媒にすることができる。こうして製造された押出成形体は好ましくは、最高120℃の温度で乾燥させ、得られるストランドをこの後、好ましくは300〜500℃の温度で空気雰囲気下でか焼し、BET比表面積、細孔体積、及び平均細孔直径の本発明による組み合わせが得られる。
【0021】
本発明により使用される二酸化チタンの製造の際にチロース及びステアリン酸を使用することによって、得られる二酸化チタンが高い活性と、長期間にわたって高い活性を維持したままでの高い安定性との本発明による組み合わせを有するという作用がもたらされる。
【0022】
本発明による方法によって、問題となる若しくは毒性のある物質が存在する廃水の浄化が可能になる。本発明による方法によって、廃水が浄化される、すなわち本方法実施後には、問題となる物質の濃度が、本方法実施前よりも低くなる。本発明の範囲において処理すべき廃水は、例えば工業プラント、例えば精油所、製紙工場、鉱山からの廃水、食料品領域又は化学工業での廃水、個人的な領域、例えばスポーツ施設、レストラン、病院、又は天然由来からの廃水であってよい。廃水から除去すべきものとして問題となる物質は、一般的に、廃水中に残存している場合には、例えば毒性作用、臭いの付着、廃水の着色などにより問題となる作用をもたらす、有機又は無機の物質から選択されている。
【0023】
本発明による方法の好ましい実施態様では、有機又は無機の化合物、例えば有機酸、ハロゲン化された有機物質、芳香族若しくは脂肪族の有機物質、アミン、オリゴマー若しくはポリマーの材料、アルコール、エーテル、エステル、糖、生分解性若しくは非生分解性の物質、界面活性剤、アンモニア、塩、重金属、及びこれらの混合物の化学的な分解により、浄化が行われる。
【0024】
本発明による方法により廃水から除去可能な物質は好ましくは、有機酸、ハロゲン化された有機物質、芳香族若しくは脂肪族の有機物質、アミン、オリゴマー若しくはポリマーの材料、アルコール、エーテル、エステル、糖、生分解性若しくは非生分解性の物質、界面活性剤、及びこれらの混合物から成る群から選択される有機化合物から選択されている。
【0025】
本発明による廃水浄化法は、浄化すべき廃水をストランド状二酸化チタン光触媒と接触させることによって行う。この接触は、連続的に、又は非連続的に行うことができる。適切な装置は当業者に公知であり、例えば固定床反応器、例えば、流動管又はプレート型反応器(Plattenreaktoren)である。
【0026】
好ましい実施態様では、ストランド状二酸化チタン光触媒を相応する容器、例えば流動管内に装入し、そして浄化すべき廃水を、前記触媒を介して及び/又は前記触媒を通じて流す。この際、浄化すべき廃水の流速は、浄化すべき廃水と光触媒との間に充分に長い接触時間が存在するように調整する。適切な流速は例えば、0.001〜100cm/秒、好ましくは0.01〜1cm/秒である。
【0027】
本発明による方法は一般的に、0〜80℃、好ましくは10〜60℃、特に好ましくは15〜35℃の温度で行う。本発明による方法は一般的に、0.5〜50bar、好ましくは0.8〜5bar、特に好ましくは大気圧で行う。
【0028】
本発明による方法において二酸化チタン光触媒は、特に高い貯蔵安定性を有する。触媒の活性は、分解速度に比例しており、この活性は「触媒量あたり1時間で分解された有害物質の量」で測定される。触媒の活性は、分解すべき有害物質、並びに反応条件、例えば温度、濃度などに依存する。
【0029】
触媒の安定性は、反応時間x後の触媒活性xを、0の時点(すなわち反応開始)の触媒活性0と比較することによって測定することができる。適切な反応時間xは例えば、12、24、又は36ヶ月である。本発明による光触媒は例えば、12ヶ月の反応時間後、好ましくは24ヶ月の反応時間後、特に好ましくは36ヶ月の反応時間後でもなお、活性xが活性0の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%である。よって本発明による触媒は長期間にわたってほとんど活性が失われることがなく、このことは前記触媒が連続的かつメンテナンスの少ない浄化法に特に適している証明となる。
【0030】
本発明による方法は、光を照射しながら、浄化すべき廃水をストランド状二酸化チタン光触媒と接触させることを含む。
【0031】
本発明によれば当業者に公知のあらゆる種類の光、例えば波長λが200〜800nm、好ましくは300〜500nm、極めて特に好ましくは360〜420nmの光を使用することができる。本発明によれば例えば、本発明による方法は、UV光(λ=200〜400nm)、日光(λ=380〜800nm)、及び/又は市販の白熱電球光(λ=400〜800nm)を用いて行うことができる。
【0032】
光による照射を行う光の強度は一般的に、0.01〜100mW/cm2、好ましくは0.1〜20mW/cm2である。
【0033】
本発明はまた、光を照射しながら、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒を、廃水浄化のために用いる使用に関する。
【0034】
特定のストランド状二酸化チタン光触媒を廃水浄化のために用いる使用、及び好ましい実施態様については、本発明による方法について述べたことが当てはまる。
【0035】
とりわけ本発明による使用は、TiO2光触媒が、元素周期表(新IUPAC命名法)の1族、4族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族、又はランタノイドから選択される少なくとも1つの添加物を含むことを特徴とする。
【0036】
好ましくは少なくとも1つの添加物は、TiO2光触媒に対して0.01〜5質量%の量で存在する。
【0037】
さらに、本発明による使用では好ましくは、浄化すべき廃水が、有機又は無機の化合物、好ましくは有機酸、ハロゲン化された有機物質、芳香族若しくは脂肪族の有機物質、アミン、オリゴマー若しくはポリマーの材料、アルコール、エーテル、エステル、糖、生分解性若しくは非生分解性の物質、界面活性剤、アンモニア、塩、重金属、及びこれらの混合物からなる群からの有機又は無機の化合物を含む。
【0038】
実施例
実施例1:1.5mmのTiO2タブレット(比較例)
TiO2(S150、FinnTi, Kemira社)11.2kgを、アスコルビルパルミテート(3%)と混合し、そしてタブレット形態(1.5×1.5mm)にプレスする。このタブレットを三時間にわたって、500℃でか焼する。
【0039】
実施例2:3mmのTiO2タブレット(比較例)
TiO2(S150、FinnTi, Kemira社)11.2kgを、アスコルビルパルミテート(3%)と混合し、そしてタブレット形態(3×3mm)にプレスする。このタブレットを三時間にわたって、500℃でか焼する。
【0040】
実施例3:5mmのTiO2タブレット(比較例)
TiO2(S150、FinnTi, Kemira社)4.04kgを、アスコルビルパルミテート(3%)と混合し、そしてタブレット形態(5×5mm)にプレスする。このタブレットを三時間にわたって、500℃でか焼する。
【0041】
実施例4:TiO2被覆された2mmのAl23ビーズ(比較例)
Al23ビーズ60g(Sasoll社、直径2.0mm、130℃で強熱)を、チタンイソプロポキシド20mL中に浸漬し、そして4時間空気中で室温で乾燥させる。ほとんど乾燥したビーズをこの後、マッフル炉内で30分、120℃に加熱し、そして2時間120℃で予備乾燥する。このビーズを引き続き75分、500℃に加熱し、そして1時間500℃でか焼する。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例5:1.5mmのストランド(本発明によるもの)
本発明によるTiO2光触媒は、以下のように製造する:
TiO2200kg、破砕物40kg(REUGEM)、チロース1.04kg、及びステアリン酸2kgを乾燥させ、そして5分間予備混合する。希硝酸82Lをゆっくりと(15分にわたって)流し込む。最後の10分間に、水分を最大7Lの脱塩水で調整する。引き続き、60分間粉砕混合する。
【0044】
押出成形のために1.5mmの母型を使用し、スクリュー螺旋末端に対向するように一本腕のワイパーを使用する。回転モーメントは、50〜150Nmに調整する。押出成形機を冷却する。こうして得られる押出成形体を3ゾーン式乾燥機内で、ゾーン1/2/3が55/70/100℃で乾燥させる。乾燥された押出成形体は、複数のゾーンがある炉内で300℃(ゾーン1)/300℃(ゾーン2)/435℃(ゾーン3)/435℃(ゾーン4)/435℃(ゾーン4)でか焼する。
【0045】
こうして得られるストランド状触媒は、以下の特性値を有する。
【0046】
【表2】

【0047】
これに加えて、生成物の光活性は、実施例33(4074ppm/h*kg触媒)及び実施例34(943ppm/h*kg触媒)に従って測定した。
【0048】
実施例6:硬度の改善、及びBET比表面積の増大
ストランドの硬度と担体の比表面積との間には、相関関係がある。より硬いストランドは、比表面積がより小さい。この特性は、か焼の強熱ゾーンでの温度によって調整する。より高い温度では硬度が上昇するが、比表面積はより小さくなる。炉を稼働させるための範囲(Fenster)は、420℃〜435℃の熱いゾーンにある。上記データは、最適化された稼働点である。
【0049】
実施例7:イットリウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸イットリウム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5から得られる1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Y含分は、0.41g/100gである。
【0050】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が4141ppm/h*kg触媒である。
【0051】
実施例8:エルビウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸エルビウム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5から得られる1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Er含分は、1.0g/100gである。
【0052】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が4208ppm/h*kg触媒である。
【0053】
実施例9:タリウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸タリウム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Tm含分は、0.86g/100gである。
【0054】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が4259ppm/h*kg触媒である。
【0055】
実施例10:ガリウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ガリウム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Ga含分は、0.40g/100gである。
【0056】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が4394ppm/h*kg触媒である。
【0057】
実施例11:ネオジムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ネオジム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Nd含分は、0.78g/100gである。
【0058】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が4427ppm/h*kg触媒である。
【0059】
実施例12:ジルコニウム及び窒素によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例15から得られるTiO2ストランド20gを回転管に満たし、そして7.0L/hのNH3を用いて1時間で450℃に加熱する。それからこれらのストランドを、3時間にわたって450℃に保ち、そしてその後N2下で冷却する。生成物は、明るい黄色である。Zr含分は0.16%、N含分は0.017%である。
【0060】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5016ppm/h*kg触媒である。
【0061】
実施例13:ジルコニウム及び窒素によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例15から得られるTiO2ストランド20gを回転管に満たし、そして7.0L/hのNH3を用いて1時間で400℃に加熱する。それからこれらのストランドを、3時間にわたって400℃に保ち、そしてその後N2下で冷却する。生成物は、明るい黄色である。Zr含分は0.16%であり、N含分は0.016%である。
【0062】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5218ppm/h*kg触媒である。
【0063】
実施例14:窒素によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5から得られるか焼していないTiO2ストランド50gを回転管に満たし、そして7.5L/hのNH3を用いて1時間で550℃に加熱する。それからこれらのストランドを、3時間にわたって550℃に保ち、そしてその後N2下で冷却する。この生成物は、灰色である。N含分は、0.002%である。
【0064】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5538ppm/h*kg触媒である。
【0065】
実施例15:ジルコニウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ジルコニウム9.3g(40mmol)を水400ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド400gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。6時間後に、これらのストランドを16時間、80℃で空気強制循環式に乾燥する。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は、0.16%である。
【0066】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5723ppm/h*kg触媒である。光触媒活性の測定を付加的に、実施例34で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が1044ppm/h*kg触媒である。
【0067】
実施例16:窒素によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5から得られるか焼していないTiO2ストランド20gを回転管に満たし、そして7.5L/hのNH3を用いて1時間で500℃に加熱する。それからこれらのストランドを3時間にわたってNH3中で500℃に保ち、そして3時間にわたって空気中で500℃でか焼し、そして冷却する。生成物は、明るい黄色である。N含分は、0.002%である。
【0068】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5841ppm/h*kg触媒である。
【0069】
実施例17:ナトリウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ナトリウム2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランドを20g、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Na含分は、0.16g/100gである。
【0070】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5909ppm/h*kg触媒である。
【0071】
実施例18:銀によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸銀2mmolを水20ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド20gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。これらのストランドを、空気強制循環式炉で30分間かけて120℃にし、そして2時間120℃で予備乾燥させ、そしてそれから76分かけて500℃にし、そして1時間500℃でか焼する。Ag含分は、0.93g/100gである。
【0072】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が5959ppm/h*kg触媒である。
【0073】
実施例19:窒素によるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5から得られるTiO2ストランド20gを回転管に満たし、そして7.5L/hのNH3を用いて1時間で500℃に加熱する。それからこれらのストランドを2時間にわたってNH3中で500℃に保ち、そして3時間にわたって空気中で500℃でか焼し、そして冷却する。生成物は、明るい黄色である。N含分は、0.002%である。
【0074】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が6363ppm/h*kg触媒である。
【0075】
実施例20:ジルコニウム及びコバルトによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ジルコニウム9.3g(40mmol)を水400ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド400gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。6時間後に、これらのストランドを16時間、80℃で空気強制循環式に乾燥する。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。これらのストランド20gを、硝酸コバルト0.58g及び水19.4gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は0.28%であり、Co含分は0.33%である。
【0076】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が6565ppm/h*kg触媒である。
【0077】
実施例21:ランタン及びジルコニウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5のTiO2ストランド20gを、硝酸ランタン0.87g及び水19.1gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。これらのか焼されたストランドを、硝酸ジルコニウム0.46g及び水19.5gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。
【0078】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が6599ppm/h*kg触媒である。
【0079】
実施例22:カリウム及びジルコニウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5のTiO2ストランド20gを、硝酸カリウム0.20g及び水19.8gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。これらのか焼されたストランドを、硝酸ジルコニウム0.46g及び水19.5gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は0.34%であり、K含分は0.28%である。
【0080】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が6868ppm/h*kg触媒である。
【0081】
実施例23:ジルコニウム及びカリウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
硝酸ジルコニウム9.3g(40mmol)を水400ml中に溶かし、そして実施例5の1.5mmのTiO2ストランド400gを、この溶液を用いて浸漬する(余剰な溶液はデカンタ除去する)。6時間後に、これらのストランドを16時間、80℃で空気強制循環式に乾燥する。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。これらのストランド20gを、硝酸カリウム0.20g及び水19.8gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は0.29%であり、K含分は0.26%である。
【0082】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が7945ppm/h*kg触媒である。
【0083】
実施例24:ナトリウム及びジルコニウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5のTiO2ストランド20gを、硝酸ナトリウム0.17g、硝酸ジルコニウム0.46g及び水19.3gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。
【0084】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が7996ppm/h*kg触媒である。
【0085】
実施例25:TiO2ストランドの変性:ナトリウム及びジルコニウム(本発明によるもの)
実施例5のTiO2ストランド20gを、硝酸ナトリウム0.17g及び水19.8gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。これらのか焼されたストランドを、硝酸ジルコニウム0.46g及び水19.5gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は0.32%であり、Na含分は0.13%である。
【0086】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が8484ppm/h*kg触媒である。
【0087】
実施例26:ランタン及びジルコニウムによるTiO2ストランドの変性(本発明によるもの)
実施例5のTiO2ストランド20gを、硝酸ランタン0.87g、硝酸ジルコニウム0.46g及び水18.7gから成る溶液中で浸漬する。これらのストランドを16時間にわたって、80℃で空気強制循環式に乾燥させる。ほとんど乾燥したストランドを2時間で300℃に加熱し、そして3時間300℃でか焼する。Zr含分は0.37%であり、La含分は0.83%である。
【0088】
光触媒活性の測定は、実施例33で記載するように行う。この生成物は、DCA分解速度が8686ppm/h*kg触媒である。
【0089】
実施例27:Zrドープされた1.5mmのTiO2ストランドの製造(本発明によるもの)
TiO2200kg、ZrO(NO320.0176kg、破砕物40kg(REUGEM)、チロース1.04kg、及びステアリン酸2kgを乾燥させ、そして5分間予備混合する。希硝酸82Lをゆっくりと(15分にわたって)流し込む。最後の10分間に、水分を最大7Lの脱塩水で調整する。引き続き、60分間粉砕混合する。
【0090】
押出成形のために1.5mmの母型を使用し、スクリュー螺旋末端に対向するように一本腕のワイパーを使用する。回転モーメントは、50〜150Nmに調整する。押出成形機を冷却する。こうして得られる押出成形体を3ゾーン式乾燥機内で、ゾーン1/2/3が55/70/100℃で乾燥させる。乾燥された押出成形体を、回転管炉内で435℃でか焼する。Zr含分は0.08%である。
【0091】
1.5mmのTiO2ストランドの光触媒活性は、実施例35の方法に従って測定する。1.5mmのTiO2ストランドは、DCA分解速度が233ppm/h*kg触媒である。
【0092】
実施例28:Zrドープされた1.5mmのTiO2ストランドの製造
TiO2200kg、ZrO(NO320.0352kg、破砕物40kg(REUGEM)、チロース1.04kg、及びステアリン酸2kgを乾燥させ、そして5分間予備混合する。希硝酸82Lをゆっくりと(15分にわたって)流し込む。最後の10分間に、水分を最大7Lの脱塩水で調整する。引き続き、60分間粉砕混合する。
【0093】
押出成形のために1.5mmの母型を使用し、スクリュー螺旋末端に対向するように一本腕のワイパーを使用する。回転モーメントは、50〜150Nmに調整する。押出成形機を冷却する。こうして得られる押出成形体を3ゾーン式乾燥機内で、ゾーン1/2/3が55/70/100℃で乾燥させる。乾燥された押出成形体を、回転管炉内で435℃でか焼する。Zr含分は、0.16%である。
【0094】
1.5mmのTiO2ストランドの光触媒活性は、実施例35の方法に従って測定する。1.5mmのTiO2ストランドは、DCA分解速度が250ppm/h*kg触媒である。
【0095】
実施例31:Zrドープされた1.5mmのTiO2ストランドの製造
TiO2200kg、ZrO(NO320.088kg、破砕物40kg(REUGEM)、チロース1.04kg、及びステアリン酸2kgを乾燥させ、そして5分間予備混合する。希硝酸82Lをゆっくりと(15分にわたって)流し込む。最後の10分間に、水分を最大7Lの脱塩水で調整する。引き続き、60分間粉砕混合する。
【0096】
押出成形のために1.5mmの母型を使用し、スクリュー螺旋末端に対向するように一本腕のワイパーを使用する。回転モーメントは、50〜150Nmに調整する。押出成形機を冷却する。こうして得られる押出成形体を3ゾーン式乾燥機内で、ゾーン1/2/3が55/70/100℃で乾燥させる。乾燥された押出成形体を、回転管炉内で435℃でか焼する。Zr含分は、0.49%である。
【0097】
1.5mmのTiO2ストランドの光触媒活性は、実施例35の方法に従って測定する。1.5mmのTiO2ストランドは、DCA分解速度が238ppm/h*kg触媒である。
【0098】
実施例32:3mmのTiO2ストランドの製造
TiO2200kg、粉砕体(Mahlgut)40kg(REUGEM)、チロース1.04kg、及びステアリン酸2kgを乾燥させ、そして5分間予備混合する。希硝酸82Lをゆっくりと(15分にわたって)流し込む。最後の10分間に、水分を最大7Lの脱塩水で調整する。引き続き、60分間粉砕混合する。
【0099】
押出成形のために3.0mmの母型を使用し、スクリュー螺旋末端に対向するように一本腕のワイパーを使用する。回転モーメントは、50〜150Nmに調整する。押出成形機を冷却する。こうして得られる押出成形体を3ゾーン式乾燥機内で、ゾーン1/2/3が55/70/100℃で乾燥させる。乾燥された押出成形体を、435℃でか焼する。
【0100】
【表3】

【0101】
実施例33:UV照射下での光触媒活性の測定
製造された触媒の光活性は、懸濁液中の塩化炭化水素、ジクロロ酢酸(DCA)の光触媒分解の速度により測定する。
【0102】
UV照射下、水溶液中のDCAの光触媒分解速度を調べるための試験の総経過時間は、24時間である。UV光強度は、1mW/cm2である。
【0103】
溶液のpH値は、苛性ソーダ液で3に調整する。反応器内の温度は、20〜30℃である。DCAの濃度は20mmol/Lであり、光触媒の濃度は3g/Lである。24時間後にpH値を測定することにより、分解速度(ppm/h)を測定することができる。
【0104】
DCAの分解の対照試験を、標準的な触媒(Degussa P25, アナターゼ変性約80%/ルチル変性約20%、XRD(回折計 D 4 Endeavor)により測定)を添加して照射下で行う。さらに、UV照射下でのDCA分解のための対照試験を、光触媒を添加せずに、及びルチル変性二酸化チタン(Degussa P25 18時間900℃でか焼、ルチル割合100%、XRD(回折計 D 4 Endeavor)により測定)を用いて行う。
【0105】
【表4】

【0106】
実施例34:室内照射下での光触媒活性の測定
製造された触媒の光活性は、懸濁液中の塩化炭化水素、ジクロロ酢酸(DCA)の光触媒分解の速度により測定する。
【0107】
UV照射下、水溶液中のDCAの光触媒分解速度を調べるための試験の総経過時間は、24時間である。
【0108】
この照射は、Osram Biolux (L18/W965)ランプを用いて行い、UV光強度は<0.1mW/cm2である。
【0109】
溶液のpH値は、苛性ソーダ液で3に調整する。反応器内の温度は、20〜30℃である。DCAの濃度は20mmol/Lであり、光触媒の濃度は3g/Lである。24時間後にpH値を測定することにより、分解速度(ppm/h)を測定することができる。
【0110】
実施例35:成形触媒の光触媒活性の測定
製造された触媒の光活性は、懸濁液中の塩化炭化水素、ジクロロ酢酸(DCA)の光触媒分解の速度により測定する。
【0111】
UV照射下、水溶液中のDCAの光触媒分解速度を調べるための試験の総経過時間は、6時間である。この照射は、Osram Biolux (L18/W965)ランプを用いて行い、UV光強度は1.2mW/cm2である。
【0112】
反応器内の温度は、20〜30℃である。DCAの濃度は、162ppmである。DCA溶液のpH値は、苛性ソーダ液で3に調整する。光触媒成形体200gを装入する。苛性ソーダ液の滴定により、pH値を3に保つ。分解速度(ppm/h)の測定は、苛性ソーダ液の添加量により測定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化すべき廃水を、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒と、光を照射しながら接触させることによる、廃水の浄化方法。
【請求項2】
前記TiO2光触媒が、元素周期表(新IUPAC命名法)の1族、4族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族、又はランタノイドから選択される少なくとも1つの添加物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
0〜80℃の温度で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記浄化を、有機酸、ハロゲン化された有機物質、芳香族若しくは脂肪族の有機物質、アミン、オリゴマー若しくはポリマーの材料、アルコール、エーテル、エステル、糖、生分解性若しくは非生分解性の物質、界面活性剤、アンモニア、塩、重金属、及びこれらの混合物から選択される有機又は無機化合物の化学的分解により行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの添加物が0.001〜5質量%の量で存在することを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
光を照射しながら、BET比表面積が25〜200m2/g、細孔体積が0.10〜1.00mL/g、そして平均細孔直径が0.005〜0.050μmであるストランド状TiO2光触媒を、廃水浄化のために用いる使用。
【請求項7】
前記TiO2光触媒が、元素周期表(新IUPAC命名法)の1族、4族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族、又はランタノイドから選択される少なくとも1つの添加物を含むことを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
少なくとも1つの添加物が、前記TiO2光触媒に対して0.01〜5質量%の量で存在することを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記浄化すべき廃水が、有機酸、ハロゲン化された有機物質、芳香族若しくは脂肪族の有機物質、アミン、オリゴマー若しくはポリマーの材料、アルコール、エーテル、エステル、糖、生分解性若しくは非生分解性の物質、界面活性剤、アンモニア、塩、重金属、及びこれらの混合物から選択される化合物を含むことを特徴とする、請求項6から8までのいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2011−519721(P2011−519721A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506716(P2011−506716)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055247
【国際公開番号】WO2009/133165
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】