説明

光記録媒体

【課題】大容量型光ディスクにおいて記録層多層化を実現する。
【解決手段】基板11と、2層以上の記録層121,122とを有し、少なくとも1以上の記録層に、Pd、O、M(MはZn、Al、In、Sn、の中の1つ或いは複数の元素)が含まれ、且つ、OはMを完全酸化させたとき(ZnO、Al、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含まれる。Pd、O、Mを含む記録層のうち、少なくとも1以上の記録層にAlが含まれ、Alを含む記録層については、この記録層が記録用光の入射側とは反対側から数えてn番目の記録層である場合、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量が、n-1番目の記録層におけるAlの含有量以上とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の光記録媒体に関し、特に高記録密度で記録可能な光記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量光ディスクとしてブルーレイディスク(BD:Blu-ray Disc(登録商標)、以下本明細書では「大容量光ディスク」と記す)が製品化されている。この大容量光ディスクは、記録再生用光波長を405nm程度、記録再生用光学系の集光レンズの開口数NAを0.85程度として、約25GBの記録容量を実現している。
【0003】
この大容量光ディスク型の光記録媒体において、追記可能な記録層材料が種々検討されている。従来の追記型光ディスクの記録層材料としては、有機色素材料が知られている。一方、有機色素材料を用いる場合の生産性、また記録信号の長期安定保存性の問題点を改善するため、無機材料を追記型記録層材料に用いることが種々検討されている。例えば下記特許文献1には、昇温により高速で結晶化して光学変化を生じさせるTe−O等を含む記録層を有する光記録媒体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−112556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した大容量光ディスク型の追記型光記録媒体において更に大容量化を図るために、多層化が進められている。単層の大容量光ディスクに対してはジッター、変調度、エラーレート等の記録特性に関する適切な範囲が設定されており、多層型の媒体においてもこの範囲の記録特性を達成することが求められている。
【0006】
以上の課題に鑑みて、本発明は、上述した大容量光ディスク型であって追記型の光記録媒体の記録層材料に対応可能であり、多層化による記録特性の低下を抑制し、単層記録層構成と同等の記録特性を有する光記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明による光記録媒体は、基板と、2層以上の記録層とを有する。そして記録層のうち少なくとも1以上の記録層に、Pd、O、M(MはAl、Zn、In、Snの中の1つ或いは複数の元素)が含まれ、且つ、OはMを完全酸化させたとき(Al、ZnO、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含まれる。更に、Pd、O、Mを含む記録層のうち、少なくとも1以上の記録層にAlが含まれる。そしてAlを含む記録層については、この記録層が記録用光の入射側とは反対側から数えてn番目の記録層である場合、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量が、n-1番目の記録層におけるAlの含有量以上とされる構成とする。
【0008】
このように、本発明の光記録媒体においては、まず記録層を2層以上の多層構成とするものであり、その一以上の記録層にPd、O、M(MはAl、Zn、In、Sn、の中の1つ或いは複数の元素であり)を含むものとする。そしてOはMを完全酸化させたとき(Al、ZnO、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含む構成とすることで、記録層内の少なくとも一部のPdは酸化され、PdO又はPdOとして存在する。
【0009】
このようなPd、O、Mを含む記録層に対してレーザ等の記録用光を照射すると、AlやZnOというような安定した酸化物ではなく、PdO、PdOが反応する。即ち、記録用光の照射によってPdOはPdとOに分解し、またPdOはPdOとOに分解するように反応する。このときOが発生することで、平坦な薄膜状の記録層に膨れが生ずる構造となる。このため記録用光を照射した位置に、周囲とは反射率の異なる記録マークが形成される。
【0010】
更に、本発明の光記録媒体においては、Pd、O、Mを含む記録層のうち、少なくとも1以上の記録層にAlを含ませる。そして、Alを含む記録層については、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量を変化させることで、記録層の透過率及び反射率を調整する。即ち、Alを含む記録層のうち、少なくとも記録用光の入射側に近い側から記録用光の入射側とは反対側に向かって、そのAl含有量、つまりPd及びMの総和に対する組成比が同等か徐々に小さくなる構成とする。
【0011】
このように記録層材料にAlが含まれる場合、Alの含有量が高いと透過率が高く反射率が低くなり、逆にAl含有量が低いと透過率が低くなり反射率が高くなる傾向がある。つまりAl含有量により透過率を容易に調整することができる。したがって、Al含有量を制御することで、記録用光の入射側に最も近い記録層では透過率を高く且つ反射率を低くし、記録用光の入射側から遠ざかるにつれて透過率を低く且つ反射率を高くすることができる。またこのとき、後述する実験例等において説明するように、Pdの組成比を調整して透過率を変化させる場合と比べて、記録特性の低下を抑えることができる。即ち、再生信号のジッター、変調度、エラーレート等において、上述の大容量光ディスク型の光記録媒体に対応する十分な特性が得られる。したがって、多層記録層とする場合においても、記録特性の良好な大容量光ディスク対応の光記録媒体を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大容量型光ディスクであって追記型の光記録媒体において、単層記録層構成と同等の記録特性を有する多層記録層構成の光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光記録媒体の概略断面構成図である。
【図2】本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体の概略断面構成図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体の概略断面構成図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る光記録媒体の各記録層の特性を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る光記録媒体の各記録層の特性を示す図である。
【図6】参考例による光記録媒体の記録層の特性を示す図である。
【図7】参考例による光記録媒体の記録層の特性を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体の記録層の特性を示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体の記録層の特性を示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体の記録層の特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.光記録媒体の構成
2.実験例(Al含有量に対する記録特性の検討)
3.参考例(Pd含有量に対する記録特性の検討)
4.実施の形態(記録層4層構成とする例)
【0015】
<1.光記録媒体の構成>
[光記録媒体の構造]
図1は、本発明の一実施の形態に係る光記録媒体10の概略断面構成図である。図1に示すように、この光記録媒体10は、基板11上に、2層の記録層121(L0)及び122(L1)が形成される。なお、多層記録媒体においては通常、基板に最も近い記録層をL0、次いでL1、L2、・・・とするので、便宜上併記して示す。
【0016】
本例の光記録媒体10は、上述した大容量光ディスク(BD、登録商標)型の構成とする場合は、厚みが約1.1mmで、外径が約120mmの円盤状の基板11が用いられる。そしてその一面側、例えばウォブリンググルーブとしての凹凸が形成された面の上に、記録層121及び122が光透過性材料より成る中間層14を介して形成される。更に記録層122の上には、厚さが約100μmの光透過性材料より成る保護層13が形成され、全体として厚さ1.2mmとして構成される。大容量光ディスク型構成とする場合、記録用光の入射側は保護層13側とされる。なお、本発明は大容量光ディスク型構成とする場合に限定されるものではなく、ディスク状ではなくカード状等の基板を用いるとか、また基板11や保護層13の厚さ、ディスク状とする場合の外径等は用途に応じて適宜選定可能である。
【0017】
図2及び図3は、本発明の他の実施の形態に係る光記録媒体20及び30の概略断面構成図である。
図2に示す例においては、記録層を3層構成とする光記録媒体20の構成を示す。この例では、基板21上に、図1に示す例と同様にウォブリンググルーブとしての凹凸が形成され、その凹凸形成面の上に、基板21側から順に記録層221(L0)、222(L1)及び223(L2)が、中間層241及び242を介して形成される。記録層222(L1)の上には、保護層23が形成される。図1に示す例と同様に、大容量光ディスク型の構成とする場合は、基板21の外径や厚さ、保護層23の厚さを図1に示す例と同様とする。
【0018】
図3は、記録層をn層(nは任意の自然数)とする場合の光記録媒体30の構成を示す。この例では、基板31上に、図1に示す例と同様にウォブリンググルーブとしての凹凸が形成される。そしてこの凹凸形成面の上に、基板31側から順に記録層321(L0)、322(L1)、323(L2)、324(L3)・・・32n(Ln)が、中間層341、342、343・・・34nを介して形成される。記録層32n(Ln)の上には、保護層33が形成される。この場合も図1に示す例と同様に、大容量光ディスク型の構成とする場合は、基板31の厚さや外径、保護層33の厚さを図1に示す例と同様とする。
【0019】
次に、図1〜図3に示す各実施の形態に係る光記録媒体における基板、記録層、中間層及び保護層の各部の適用可能な構造や材料等について説明する。
【0020】
[基板の構造]
基板11(21、31)は、例えばポリカーボネートなどの樹脂等の材料より成り、射出成形等によって、マスタリング原盤からトラッキング用のウォブリンググルーブの凹凸形状が転写されて形成される。なお、本発明の光記録媒体においてグルーブ形状は必須ではなく、トラッキングが可能で、且つ記録トラック間クロストークが適切に抑制される構造であればよい。また、記録トラックは光入射側から見てグルーブ上又はランド上とすることができ、記録方式を問わない。
【0021】
[記録層材料]
本例において少なくとも1以上の記録層、例えば記録層122、223、32n等は、上述したようにPd、O、M(MはAl、Zn、In、Sn、の中の1つ或いは複数の元素であり)を含むものとする。そしてOはMを完全酸化させたとき(Al、ZnO、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含まれるようにする。即ちこれら記録層122、223、32n等には、AlやZnOというような安定した酸化物に加えてPdO又はPdOが含まれる。そして、例えば中心波長405nm近傍のレーザ等の光を照射したときに、PdOはPdとOに、PdOはPdOとOに分解し、Oの発生によって構造的に膨れを生じる。これにより、周囲と反射率の異なる記録マークが形成される。ここで、一部の記録層、例えば最も基板11(21、31)側の記録層121(221又は321、L0)は、Alを含まなくてもよい。
【0022】
一方、Pd、O、Mを含む記録層のうち少なくとも1以上の記録層、図1に示す例では記録層122(L1)、記録層223(L2)又は記録層32n(Ln)は、Pd、O及びAlを含むものとする。そして、記録用光の入射側から基板11(21、31)側に向かうにつれて、PdとMの総和に対するAlの含有量が同等か又は小さくなるようにする。すなわち、記録層121がAlを含む場合は、その含有量を記録層122と同等か又は少なく構成する。また記録層222(L1)がAlを含む場合は、記録層223(L2)に比べてAl含有量を同等か又は少なくし、記録層32n(Ln)に隣接する基板31側の記録層がAlを含む場合は、記録層32n(Ln)に比べてAl含有量を同等か又は少なくする。なお、いずれかの層においては、Al含有量が同一でなく、記録用光の入射側で大とすることが好ましい。Alを含む記録層においては、以下同様に構成すればよく、つまり、記録用光の入射側とは反対側から数えてn番目の記録層は、n-1番目の記録層よりPdとMの含有量の総和に対するAlの含有量、即ち組成比を同等か大として構成する。以下本明細書においてAl組成比とはPdとMの含有量の総和に対するAlの含有量を指す。
【0023】
このようにAlを含み、Al組成比により透過率を調整する記録層は、記録用光の入射側から少なくとも2層以上設けることが好ましい。即ち、記録層を2層とする場合は2層とも、3層とする場合は、入射側の2層、4層以上とする場合は入射側から2層以上とすることが好ましい。
【0024】
また、Al含有量の好ましい範囲の下限としては、PdとMの含有量に対して0%を超えていれば透過率の制御が可能である。一方上限としては、Alを含む材料をスパッタ法により成膜する場合に比較的成膜レートが低いので、生産性を考慮すると20原子%以下とすることが好ましい。
【0025】
記録層がAlを含まない場合は、少なくともZn、In、Snのいずれかを含むことが好ましい。即ち、Zn−Pd−O、In−Pd−O、Sn−Pd−Oのいずれかとすることができる。また、Zn−In−Pd−O、Zn−Sn−Pd−O、In−Sn−Pd−O、Zn−In−Sn−Pd−Oのいずれかとしてもよい。いずれの場合も透過率に対して影響が少なく、記録特性に大きな違いを生じることがない。そして、OはZn、InまたはSnを完全酸化させたとき(ZnO、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含まれるようにする。このようにすることで、上述したようにこの記録層がPdO又はPdOを含み、大容量光ディスク型構成とした場合に良好な記録特性が得られ、またAlを含む他の記録層と共通の成膜装置を利用して記録層形成が可能であり、生産性上好適である。なお、本明細書において「元素−O」とは、その元素と酸素とを成分として含む材料を示し、その元素と酸素とを含む化合物、その元素の酸化物(完全酸化に限らない)を含む。
【0026】
また、Alを含まない記録層のうち、例えば最も基板11(21、31)側の記録層121(221、321)は、上述の材料、すなわちPd、O、Mを含む材料に限定されず、その他の材料を用いてもよい。上記の材料の他、多層記録層構成とした場合に良好な記録層としての記録特性が得られる材料であれば利用可能であり、特に限定されない。例えば、別の追記型の記録材料や書き換え型記録材料より成る記録層を設けることも可能であり、或いは再生専用型の記録層を設けることもできる。
【0027】
なお、記録層121、122(221、222・・)の下層、又は上層、又は上下に、保護膜としての機能を持つ材料より成る厚さ数nm〜数十nm程度の光透過性の誘電体層を形成してもよい。このような誘電体層として適用可能な材料を例示すると、In−O、Zn−O、Al−O、Sn−O、Ga−O、Si−O、Ti−O、V−O、Cr−O、Nb−O、Zr−O、Hf−O、Ta−O、Bi−Oなどの酸化物が挙げられる。また、SiN、AlNなどの窒化物、SiCなどの炭化物も利用可能である。これらの材料を用いる場合、記録層121(122、221・・等)の耐久性を高めることができる。
【0028】
なお、このように誘電体層を設ける場合、誘電体層の材料や組成、又は成膜条件の少なくともいずれかを変えることにより、誘電体層を含む記録層の透過率を変化させることができる。成膜条件としては、例えば成膜時の成膜パワー(スパッタ法による場合はスパッタ電力)や成膜雰囲気である酸素分圧が挙げられる。ここで酸素分圧とは、例えば不活性ガスとしてArガスを使う場合、Arガスと酸素ガスとを含む全ガス中の酸素のガス圧分を示す。
【0029】
例えば材料の選定により透過率を変化させる例としては、In−Sn−OとIn−Si−Zr−Oが挙げられ、この場合In−Sn−OよりもIn−Si−Zr−Oの方が透過率は高い。また、組成を変えて透過率を変化させる例としては、In−Ga−Zn−Oが挙げられ、組成比をIn:Ga:Zn=88:6:6とするよりも、In:Ga:Zn=34:33:33とする方が、透過率が高くなる。また、成膜条件として例えば酸素分圧により変化させる場合、酸素分圧大とするほうが酸素分圧小とする場合よりも透過率が高くなる。更に、成膜時のパワーにより透過率を変える場合は、パワー大とするほうがパワー小とする場合より透過率が高くなる。
【0030】
したがって、隣接してAlを含む記録層を設ける場合において、そのAl含有量を同一とするときは、このように誘電体層の材料や組成、成膜条件の少なくともいずれかを変えることで透過率を制御し、上下誘電体層と記録層全体の透過率を変えることが好ましい。つまり記録層の透過率が同一の場合は、記録用光の入射側の記録層はその上層誘電体層、下層誘電体層の少なくともいずれかの透過率を高く、入射側とは反対側の記録層はその上層誘電体層、下層誘電体層の少なくともいずれかの透過率を低くすることが好ましい。なお、Alを含まない記録層を設ける場合においても同様である。
【0031】
[製造方法]
記録層121(122、221、・・・等)の成膜は蒸着法やスパッタ法等により行うことができる。例えばスパッタリング法によりAl−Pd−Oより成る記録層を形成する場合、Alターゲットと、Pdターゲットとを使用して、アルゴンガスと酸素ガスを流しながら、スパッタ法により成膜する。または、目的とする組成比の合金ターゲットを用いてもよい。
【0032】
また図1に示す記録層121と記録層122の間など、各記録層の間には、光透過性材料より成る中間層14が形成される。中間層14の材料としては、記録特性に影響を及ぼさない十分な光透過性があればよく、その厚さは層間クロストークを所定値以下に抑えられる範囲であればよい。
【0033】
中間層14(241、341等)の材料としては、例えば紫外線硬化樹脂等の、光硬化性、又は熱硬化性の樹脂等を用いることができる。この場合、スピンコート等により塗布した後、加熱又は光照射により形成される。
【0034】
記録層121、122(221、222・・)の下層、又は上層、又は上下に誘電体層を設ける場合は、上述の材料をターゲット材料に用いてスパッタ法等により成膜することができる。
【0035】
また、記録用光入射側に設ける保護層13(23、33)は、熱又は光硬化性の樹脂材料が利用可能である。これらの材料をスピンコート法等により塗布して成膜した後、加熱や光照射、例えば紫外線照射により硬化して形成することができる。または、紫外線硬化樹脂等とポリカーボネート等の樹脂シートや、接着層とポリカーボネート等の樹脂シート用いて保護層13を形成することもできる。
【0036】
なお、図示しないが、保護層13(23、33)の表面(レーザ照射面)に、例えば機械的な衝撃、傷に対する保護、また利用者の取り扱い時の塵埃や指紋の付着などから、情報信号の記録再生品質を保護するためのハードコートを設けてもよい。ハードコートには、機械的強度を向上させるためにシリカゲルの微粉末を混入したものや、溶剤タイプ、無溶剤タイプなどの紫外線硬化樹脂を用いることができる。機械的強度を有し、撥水性や撥油性を持たせるには、厚さを1μmから数μm程度とすることが好ましい。
【0037】
このような構成の光記録媒体10(20、30)によれば、後述の実験例において述べるように、非常に良好な記録再生特性を得ることができた。例えば再生信号の反射率、透過率、記録感度、記録マージンなどの点で、大容量光ディスクとして十分な特性が得られた。
【0038】
<2.実験例(Al含有量に対する記録特性の検討)>
次に、Al含有量を変えた単層の記録層を形成した光記録媒体を用意して、各記録層の特性を測定することで、Al含有量に対する記録特性の変化を調べた。
各例共に、光記録媒体の基板としては、外径120mm、厚さ1.1mmのディスク状のポリカーボネートより成る基板を用いた。この基板上に、Inより成る厚さ15nmの下層誘電体層、Zn−In−Al−Pd−Oより成る厚さ50nmの記録層、Inより成る厚さ10nmの上層誘電体層を形成した。更にこの上に、記録用光入射側最表面のいわゆるカバー層として、紫外線硬化性樹脂より成る厚さ100μmの保護層を形成した。
【0039】
Zn−In−Al−Pd−Oより成る記録層のスパッタの際のターゲットには、ZnO、Al、In、Pdを用いて、各ターゲットのスパッタ電力をコントロールすることで組成を調整した。組成は実験例1〜3において、下記の通りとした。
(実験例1)Zn:In:Al:Pd=38:38:12:12
(実験例2)Zn:In:Al:Pd=39.5:39.5:9:12
(実験例3)Zn:In:Al:Pd=41:41:6:12
なお、上記組成比は原子%を表す。
【0040】
スパッタ時には、ArガスとOガスを用いて、その流量は、Ar:70sccm、O:30sccmとした。この場合、記録層のAlとZnとInは完全に酸化し、Al、ZnO、Inになり、PdはPdOおよびPdOの両方を含んでいる。
【0041】
作製した光記録媒体における記録層の透過率は、偏光解析装置を用いて測定した。Al組成比が6原子%の場合は透過率73.4%、9原子%の場合は透過率74.7%、12原子%の場合は透過率75.7%であった。このように、Pd組成を12原子%に固定しても、Al組成を増加させることで、透過率を増大させることができることが分かった。
【0042】
また、この光記録媒体のジッター評価として、Blu-ray Disc(登録商標)用の評価装置において1倍記録(4.92m/s)にて連続5トラックを記録し、中央のトラックのジッターを測定した。この評価装置における記録用光の波長は405nm、集光レンズの開口数NAは0.85、一層当たりの記録容量は約25GBを実現する記録方式である。この結果を図4に示す。また、同評価装置において変調度も測定した。この結果を図5に示す。図4及び図5において、実線a1及びb1はAl組成比が6原子%(透過率73.4%)、実線a2及びb2はAl組成比が9原子%(透過率74.7%)、実線a3及びb3はAl組成比が12原子%(透過率75.7%)の結果をそれぞれ示す。なお、図中透過率の値をTとして示す。
【0043】
図4から明らかなように、記録層の透過率が73.4%から74.7%、更に75.7%に増大しても、ジッターの悪化は見られない。また、図5に示すように、Al組成比を増やして記録層の透過率が増加しても変調度が減少せず、60〜70%以上を維持している結果となった。それぞれのAl組成比の記録層に対して十分な記録パワーマージンが得られ、且つ、通常の光ディスクにおいて実用可能な範囲の記録パワーで記録再生可能であることが分かる。
【0044】
このように透過率が70%以上と比較的高い記録層は、3層、4層などの多層記録層構成の光記録媒体において有用である。このように3層以上とする場合、入射光側において透過率が70%以上と高く、且つ良好な記録特性が求められるからである。上記の実験例1〜3のように、Alを添加し、その組成比を調整することにより、ジッターを悪化させることなく透過率を70%以上に上げることができる。Alの添加量が高いほど透過率を上げられる。このため、例えば4層媒体の光入射側の3層(基板側からL0/L1/L2/L3とするときのL1、L2、L3層)において、Al組成比x1、x2、x3に関しては、x1(L1)<x2(L2)<x3(L3)とすると好ましい。また、3層以上の媒体において特に入射側の2層(L2、L3層)にAlを添加しても良い。この場合は、Al組成比x2、x3を、x2(L2)<x3(L3)とすることで、高い透過率と優れた記録特性を両立した記録層を有する多層記録層構成の光記録媒体を実現することができる。
【0045】
なお、Alを含む記録層のうち、少なくとも一部の層において、Al組成比を同一としてもよい。この場合は、上述したように、記録層の上層か下層の少なくともいずれかに誘電体層を設け、その材料、組成、成膜条件の少なくともいずれかを変えることで、透過率の調整を行えばよい。しかしながら、Al組成比を変えることで、好ましい範囲で容易に透過率を調整することが可能であることから、Al組成比を変えて積層する記録層の組み合わせを、少なくとも1以上設けることが好ましい。
【0046】
また、上述したAlを含む記録層においては、透過率を高くしてもジッターボトム値を極めて低く抑えていることが特長である。大容量光ディスクにおいては、ジッターボトム値は7%以下であればよいとされているが、実際には製造マージンを考慮して6%以下が望ましい。実験例1〜3ではこれを更に下回って5%近傍を達成している。つまり、図5に示すように透過率を上げても変調度が減少しないことによって、高透過率記録層における特性を改善しているものと考えられる。
【0047】
したがって、このようにAl組成比を調整して透過率を変化させた記録層を、中間層を介して順次積層することによって、大容量光ディスクに十分適用可能な、良好な記録再生特性の光記録媒体を提供することができる。
【0048】
<3.参考例(Pd含有量に対する記録特性の検討)>
次に、参考例として、Al組成比ではなくPd組成比を変えて透過率を調整する場合について、記録特性について検討した。この場合においても、記録層としてZn−In−O−Pdより成る記録層を用いて光記録媒体を構成した。この場合、記録層はZnとInは完全に酸化しZnO、Inになり、PdはPdOおよびPdOの両方を含んでいる。Pdの組成比は低い程透過率が高く、Pd組成比が高いと透過率は低くなる。
【0049】
この例においては、外径120mm、厚さ1.1mmのディスク状のポリカーボネートより成る基板を用意した。この基板上に、Zn−In−Pd−Oより成る厚さ60nmの記録層、記録用光入射側最表面のいわゆるカバー層として、紫外線硬化性樹脂より成る厚さ100μmの保護層を形成した。記録層はスパッタ法により成膜し、ターゲット材、ガス種、流量等の成膜条件は実験例1〜3と同様とした。参考例1〜3の各元素の組成比(原子%)は下記の通りである。
【0050】
(参考例1)Zn:In:Pd=41.5:41.5:17
(参考例2)Zn:In:Pd=43:43:14
(参考例3)Zn:In:Pd=44.5:44.5:11
【0051】
これらの記録層の透過率を偏光解析により測定したところ、記録層のPd組成比(Pd/(Pd+Zn+In))を17原子%、14原子%、11原子%と徐々に低くすることで、透過率は55.8%、61.9%、68.2%と徐々に増加した。
【0052】
これら参考例1〜3による光記録媒体について、実験例1〜3と同様の評価装置及び評価条件でジッター及び変調度を測定した。この結果を図6及び図7に示す。図6及び図7において、実線c1及びd1はPd組成比を17原子%(透過率55.8%)、実性c2及びd2はPd組成比が14原子%(透過率61.9%)、実線c3及びd3はPd組成比が11原子%(透過率68.2%)の結果をそれぞれ示す。
【0053】
図6の結果から、透過率が70%未満の範囲であるにもかかわらず、ジッターはPd組成比が14原子%、11原子%となるにつれ悪化していることがわかる。これは、図7に示す変調度の結果からわかるように、Pd組成比が14原子%、11原子%と低くなるにつれて変調度が小さくなっているのが原因と考えられる。
【0054】
つまり、Pdの組成比を調整して透過率や反射率を変化させる場合、記録特性に影響を及ぼすことがわかる。これは、本発明の光記録媒体においてはPdの酸化物の分解により記録を行うものであるため、Pd自体の含有量を変えると記録特性も変化してしまうものと思われる。よって、本発明の光記録媒体のようにPdの酸化物を含む記録層を設ける場合は、Pdの組成比を調整して透過率や反射率を変化させて多層記録を実現することは好ましくないことが分かる。
【0055】
<4.実施の形態(記録層4層構成とする例)>
次に、記録層を4層設ける例について実際に多層記録層構成の光記録媒体を作製して、その記録特性を検討した。
この例においても、外径120mm、厚さ1.1mmのディスク状のポリカーボネートより成る基板を用いた。この基板上に、第1の記録層L0、中間層、第2の記録層L1、中間層、第3の記録層L2、中間層、第4の記録層L3、保護層(カバー層)を順次形成した。更にこの上に、記録用光入射側最表面のいわゆるカバー層として、紫外線硬化性樹脂より成る保護層を形成した。
【0056】
第1〜第4の記録層L0〜L3はそれぞれ、上下に誘電体層を設ける構成とした。各層の構成は下記の通りである。
【0057】
(第1の記録層L0)下層誘電体層In−Zn−Sn−O(厚さ5nm)/記録層In−Zn−Sn−Pd−O膜(厚さ40nm)/上層誘電体層In−Zn−Sn−O(厚さ5nm)
(第2の記録層L1)下層誘電体層In−Zn−O(厚さ10nm)/記録層In−Zn−Sn−Al−Pd−O膜(厚さ40nm)/上層誘電体層In−Zn−O(厚さ15nm)
(第3の記録層L2)下層誘電体層In−Zn−Ga−O(厚さ10nm)/記録層In−Zn−Sn−Al−Pd−O膜(厚さ40nm)/上層誘電体層In−Zn−Ga−O(厚さ25nm)
(第4の記録層L3)下層誘電体層In−Zn−Al−O(厚さ10nm)/記録層In−Zn−Sn−Al−Pd−O膜(厚さ40nm)/上層誘電体層In−Zn−Al−O(厚さ30nm)
【0058】
また、中間層は全てアクリル系の紫外線硬化樹脂によりスピンコート法によって形成した。膜厚は、第1及び第2の記録層の間の中間層は16μm、第2及び第3の記録層の間の中間層は18μm、第3及び第4の記録層の間の中間層は14μmとした。なお、第4の記録層L3の上の保護層は、アクリル系の紫外線硬化樹脂により厚さ52μmとしてスピンコート法により形成した。
【0059】
記録層各層はスパッタ法で成膜した。その際、各元素に対してそれぞれZnO、Al、In、SnO、Pdを用いて、各ターゲットのスパッタ電力をコントロールすることで組成を調整した。ガスの流量は、誘電膜の作製時はAr:70sccm、O:30sccm、記録層の成膜時は、L0の場合は、Ar:70sccm、O:30sccm、L1〜L3の場合は、Ar:70sccm、O:30sccm、N:10sccmとした。
【0060】
組成は、原子%の比で表したとき、
(L0上下誘電膜)In:Zn:Sn=70:20:10
(L0記録層)In:Zn:Sn:Pd=25:35:5:35
(L1上下誘電膜)In:Zn=80:20
(L1記録層)In:Zn:Sn:Al:Pd=48:16:4:12:20
(L2上下誘電膜)In:Zn:Ga=86:7:7
(L2記録層)In:Zn:Sn:Al:Pd=55:15:5:13:12
(L3上下誘電膜)In:Zn:Al=50:10:40
(L3記録層)In:Zn:Sn:Al:Pd=55:15:5:15:10
とした。つまり、L3、L2、L1のAl組成比はそれぞれ15原子%、13原子%、12原子%であり、L0のAl組成比はゼロとした。
【0061】
これらの記録層を有する4層記録層構成の光記録媒体として構成した状態で、各記録層の反射率と透過率を偏光解析装置により測定した。この結果は下記の通りである。
(L0)反射率R0=2.5%
(L1)反射率R1=3.3%、透過率T1=65%
(L2)反射率R2=3.2%、透過率T2=75%
(L3)反射率R3=3.6%、透過率T3=80%
【0062】
この光記録媒体の記録特性を上述の実験例1〜3と同様に大容量光ディスク用の評価装置にて確認した。まず、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sで記録を行い、ジッターを測定した。この結果を図8に示す。図8において、実線e1はAl組成比0%の第1の記録層L0、実線e2はAl組成比12原子%、透過率65%の第2の記録層を表す。また、実線e3はAl組成比13原子%、透過率75%の第3の記録層、実線e4はAl組成比15原子%、透過率80%の第4の記録層を示す。図8から明らかなように、ジッターボトム値は非常に小さく、記録層単層型の大容量型光ディスクにおいて7%以下が望ましいとされるのに対し、これを十分に下回る5%近傍を達成している。したがって記録パワーマージンは各記録層において十分得られており、非常に良好な記録特性が得られることが分かる。
【0063】
また、この材料は高密度での特性も非常に優れていることが分かった。図9及び図10は、上述の第4の記録層L3について、クロック周波数132MHz、線速7.68m/sで記録再生したときのシンボルエラーレートSER及び変調度を測定したものである。この記録条件は、上述の大容量光ディスクが1層25GBであるのに対して、1層32GBに対応する記録条件である。図9及び図10から分かるように、最もAl組成比が多く、透過率が80%と高い第4の記録層においても、32GB相当の高密度記録時のエラーレートが十分小さく、非常に良好な特性が得られることが分かった。
【0064】
以上説明したように、本発明によれば、記録層にPd、O、M(MはAl、Zn、In、Sn、の中の1つ或いは複数の元素)が含まれる光記録媒体において、Al組成比を調整して透過率を制御することにより、以下の効果が得られる。
【0065】
2層以上の記録層構成の光記録媒体を形成する際に、記録用光の入射側から徐々にAl組成比を小さくすることで、容易に透過率を制御することができる。
また、記録用光の入射側に近い記録層において、透過率を例えば60%以上と高くする場合においても記録特性、即ちジッターや変調度が悪化することが殆どない。したがって、記録用光入射側において80%以上、記録用光を入射する側とは反対側において60%未満と、透過率を比較的大きく変える場合においても、各記録層の記録特性をばらつき、悪化を抑えることができる。
【0066】
特に、大容量光ディスクタイプ、即ち記録用光を中心波長405nm程度、集光光学系の開口数を0.85程度とする単層記録層の容量が約25GB程度とされる光記録媒体に適用することで、多層構成を実現し、更に大容量化を図ることができる。
【0067】
特に、多層化された記録層のうち透過率の高い記録層において、30GBを超えるより高密度の記録を行った場合でも良好な特性が得られる。このため、多層化に加え、各層における高密度化を行うことで、60GB、100GBといったより高密度、大容量の光記録媒体を提供することが可能となる。
【0068】
なお、本発明は上述の各実施の形態において説明した光記録媒体の材料、構成に限定されるものではない。例えば、多層記録層構成とする場合に、一層を追記型以外の記録層を設けるとか、或いは再生専用型のピット等による記録領域が部分的に設けられる光記録媒体にも適用可能であり、本発明構成を逸脱しない範囲で適宜変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
10,20,30・・光記録媒体、11,21,31・・基板、13,23,33・・保護層、14,241,242,341,342,343・・中間層、121,122,221,222,223,321,322,323,324,32n・・記録層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
2層以上の記録層とを有し、
前記記録層のうち少なくとも1以上の記録層に、Pd、O、M(MはAl、Zn、In、Snの中の1つ或いは複数の元素)が含まれ、且つ、OはMを完全酸化させたとき(Al、ZnO、In、SnO)の化学量論組成よりも多く含まれ、
前記Pd、O、Mを含む記録層のうち、少なくとも1以上の記録層にAlが含まれ、
前記Alを含む記録層については、該記録層が前記記録用光の入射側とは反対側から数えてn番目の記録層である場合、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量が、n-1番目の記録層におけるAlの含有量以上とされる
光記録媒体。
【請求項2】
前記Alを含む記録層が2層以上隣接して設けられる場合、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量が、前記記録用光の入射側においてより大きく選定される請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項3】
前記Alを含む記録層におけるPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量は、0を超え20原子%以下である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項4】
前記記録用光の入射側から2層目までの記録層の透過率が70%以上である請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項5】
前記記録層に隣接してその上層、下層の少なくともいずれかに、In、Zn、Al、Sn、Ga、Si、Ti、V、Cr、Nb、Zr、Hf、Ta、Biの少なくともいずれかの酸化物、又は、SiN、AlN、SiCのいずれかの材料より成る誘電体層が設けられる請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項6】
前記Pd、O、Mを含む記録層のうち、隣接する記録層にAlが含まれ、そのPd及びMの含有量の総和に対するAlの含有量が同一である2つの記録層を含む場合、
前記Alの含有量が同一である2つの記録層の上層、下層の少なくともいずれかに設ける前記誘電体層の透過率を変化させることで、前記隣接するAlを含む記録層のうち記録用光の入射側とは反対側における、前記誘電体層を含む前記記録層の透過率が低くなるように構成される請求項5に記載の光記録媒体。
【請求項7】
前記記録用光の入射側は、前記基板とは反対側とされる請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項8】
前記記録用光の入射側に、光透過性材料より成る保護層が形成される請求項7に記載の光記録媒体。
【請求項9】
前記記録層は、波長405nm、集光レンズの開口数NA0.85に対して25GB以上の記録容量とされる請求項1に記載の光記録媒体。
【請求項10】
前記記録層が3層以上とされ、
前記記録層の記録容量が30GB以上とされる請求項1に記載の光記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−194617(P2011−194617A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61394(P2010−61394)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】