説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】コストアップすることなくコンパクト化を図ることができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光走査装置16は、光源(レーザ発光部100)から射出された光ビームを偏向走査する偏向器(ポリゴンミラー19)と、偏向器で偏向された光ビームを被走査面F上に結像する結像光学系(fθレンズ20、補正レンズ21等)と、光ビームを検知する光センサ102と、光ビームの走査範囲のうち画像形成に利用される有効走査領域Aから外れた光ビームを光センサ102に反射させる第1反射ミラー101を備えている。そして、第1反射ミラー101と光センサ102は、第1反射ミラー101で反射された光ビームが、結像光学系を構成する光学素子のうち正の屈折力を有するレンズ(補正レンズ21)の有効走査領域A1を通って光センサ102に到達するように、配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏向器により偏向される光ビームを検知する光センサを備える光走査装置と、この光走査装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、レーザダイオードから射出された光ビームをポリゴンミラー(偏向器)によって偏向走査することで、帯電した感光ドラム表面に画像(静電潜像)を描画する光走査装置が知られている。このような光走査装置では、ポリゴンミラーにより偏向される光ビームの走査範囲のうち画像形成に利用される有効走査領域から外れた位置(非有効走査領域)に、光ビームを検知する光センサが設けられている。これにより、ポリゴンミラーによって走査された光ビームが光センサを通過する際に当該光センサで検知されて、同期検知信号が生成され、この同期検知信号を基にして光ビームの変調タイミング(明滅のタイミング)を補正することで、感光ドラム上に正確な書き出し位置で画像が形成される。
【0003】
ところで、このような光センサを備える光走査装置では、光センサに至る光ビームが光センサに届く時点である程度集光していないと、同期検知信号にブレが生じて、印字線の揺らぎ(画像のずれ)が発生してしまう。この問題を解決する手段としては、従来、特許文献1や特許文献2に開示された技術がある。
【0004】
特許文献1の技術では、図5に示すように、ポリゴンミラーPMにより偏向された光ビームを感光ドラム(被走査面F)上に集光させる補正レンズRを使って光センサSに光ビームを集光させている。具体的には、長尺状の補正レンズRの一端側(非有効走査領域B:ドットがない部分)を通って出てくる光ビームを、反射ミラーMによって光センサSに反射させることで、光ビームを光センサSに集光している。
【0005】
また、特許文献2の技術では、図6に示すように、補正レンズRとは別の専用レンズSRを使って光センサSに光ビームを集光させている。具体的には、光ビームが長尺状の補正レンズRの非有効走査領域Bに入る前に、光ビームを反射ミラーMによって反射させて専用レンズSRに入射させることで、この専用レンズSRを介して光ビームを光センサSに集光している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−251242号公報
【特許文献2】特開2006−284707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、長尺状の補正レンズRの後方(光ビームの進行方向における下流側)に反射ミラーMを配置するので、補正レンズRの後方に大きな光路スペース(反射ミラーM等を設置するスペース)が必要になるといった問題があった。すなわち、補正レンズRの出口面から反射ミラーMまでの距離と、反射ミラーMから光センサSまでの距離とを足し合わせた距離が、補正レンズRの出口面から被走査面Fまでの距離L1となるように反射ミラーMや光センサSを配置しなければならず、光路スペースが大きくなってしまうといった問題があった。また、特許文献1の技術では、補正レンズRの出口面から被走査面Fまでの距離L1に対応した距離だけ、光センサSを反射ミラーMから離さなければならないので、反射ミラーMから光センサSまでの距離が長くなり、集光位置の精度が悪化するといった問題もあった。
【0008】
これに対し、特許文献2の技術では、反射ミラーMを補正レンズRの前方に配置するので、補正レンズRよりも後方の光路スペースを小さくすることができるが、結像光学系とは別の専用レンズSRを設けるので、部品点数が増え、その分コストアップとなる問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、コストアップすることなくコンパクト化を図ることができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決する本発明は、光源と、前記光源から射出された光ビームを偏向走査する偏向器と、前記偏向器により偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系と、光ビームを検知する光センサと、前記偏向器により偏向される光ビームの走査範囲のうち画像形成に利用される有効走査領域から外れた光ビームを前記光センサに反射させる第1反射ミラーと、を備えた光走査装置において、前記第1反射ミラーで反射された光ビームが、前記結像光学系を構成する光学素子のうち正の屈折力を有するレンズの有効走査領域を通って前記光センサに到達するように、前記第1反射ミラーと前記光センサが配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、結像光学系を構成するレンズ、すなわち既存のレンズを利用して光センサに射出する光ビームを絞ることができるので、従来のように専用レンズを別途設けるものに比べ、コストアップを抑えることができる。また、光ビームを有効走査領域の一方からレンズの有効走査領域を通して他方に射出させることで、レンズの見かけ上の曲率半径が小さくなるので、レンズの出口面から光の焦点(光センサ)までの距離を短くすることができ、コンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、専用レンズが不要であり、かつ、レンズから光センサまでの距離を短くできるので、コストアップすることなくコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーザプリンタを示す側断面図である。
【図2】光走査装置を簡略的に示す説明図である。
【図3】補正レンズの正規の断面形状を示す断面図(a)と、正規の断面形状に対して斜めに入射された光ビームに沿って切った断面形状を示す断面図(b)である。
【図4】補正レンズに検知用の光ビームを2回通す形態を示す説明図である。
【図5】補正レンズの下流側に反射ミラーおよび光センサを設けた従来の形態を示す説明図である。
【図6】専用レンズで光センサに光ビームを集光させる従来の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<レーザプリンタの全体構成>
最初に、レーザプリンタの全体構成について簡単に説明する。図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に用紙3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0015】
フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7を備えている。また、フィーダ部4は、給紙トレイ6の一端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、紙粉取りローラ10,11と、レジストローラ12とを備えている。
【0016】
そして、このフィーダ部4では、給紙トレイ6内の用紙3が、用紙押圧板7によって給紙ローラ8側に寄せられ、この給紙ローラ8および給紙パット9で送り出されて各種ローラ10〜12を通った後一枚ずつ画像形成部5に搬送される。
【0017】
画像形成部5は、光走査装置16、プロセスカートリッジ17、定着装置18などを備えている。
【0018】
光走査装置16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、光源の一例としてのレーザ発光部100(図2参照)と、偏向器の一例としてのポリゴンミラー19と、結像光学系を構成する光学素子の一例としてのfθレンズ20、補正レンズ21および折り返しミラー22,23,24とを備えている。レーザ発光部100から射出される画像データに基づく光ビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、fθレンズ20、折り返しミラー22,23、補正レンズ21、折り返しミラー24の順に通過あるいは反射して、プロセスカートリッジ17の感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。なお、光走査装置16の詳細は、後で詳述する。
【0019】
プロセスカートリッジ17は、光走査装置16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着される構造となっている。そして、このプロセスカートリッジ17は、感光ドラム27、帯電器29、転写ローラ30、現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33およびトナーホッパ34を備えている。
【0020】
このプロセスカートリッジ17では、トナーホッパ34内のトナーが供給ローラ33の回転により、現像ローラ31に供給され、このとき、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32と現像ローラ31との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
【0021】
一方、回転する感光ドラム27の表面は、帯電器29により一様に帯電された後、光走査装置16からの光ビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0022】
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されているトナーが、感光ドラム27の表面上に形成される静電潜像に供給されて、感光ドラム27の表面上にトナー像が形成される。その後、感光ドラム27と転写ローラ30の間で用紙3が搬送されることで、感光ドラム27の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
【0023】
定着装置18は、プロセスカートリッジ17の下流側に配設され、加熱ローラ41と、加熱ローラ41に向けて押圧される加圧ローラ42と、1対の搬送ローラ43とを備えている。そして、この定着装置18では、用紙3上に転写されたトナー像を、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に熱定着させる。その後、用紙3は、搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送される。なお、排紙パス44に送られた用紙3は、排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
【0024】
<光走査装置16の構造の詳細>
次に、本発明の特徴部分となる光走査装置16の詳細について説明する。なお、図2においては、説明の便宜上、図1の光走査装置16から各折り返しミラー22〜24を省略して、各レンズ20,21や被走査面F(感光ドラム27の周面のうち光ビームが走査される面)を略同一平面に展開し、簡略化して示している。また、以下の説明では、光ビームを被走査面F上に走査させる方向(左右方向)を「主走査方向」と呼び、この主走査方向と光ビームの光軸とに直交する方向(被走査面Fの移動方向)を「副走査方向」と呼ぶこととする。
【0025】
図2に示すように、光走査装置16は、前述したレーザ発光部100、ポリゴンミラー19、fθレンズ20および補正レンズ21等を備える他、第1反射ミラー101と、光センサ102とを備えている。
【0026】
レーザ発光部100は、光ビームを射出する装置であり、図示せぬ制御装置により画像データに基づいて適宜明滅するように制御されている。具体的には、後述する光センサ102で光ビームが検知された後、所定時間後に画像データに基づく明滅制御が開始されることで、被走査面Fにおける書き出しの位置を一定に揃えることが可能となっている。レーザ発光部100から射出された光ビームは、カップリングレンズ201やアパーチャ202で整形され、副走査方向に正の屈折力を有するシリンダレンズ203によりポリゴンミラー反射点近傍で線状に結像される。
【0027】
ポリゴンミラー19は、図示せぬ駆動モータにより駆動されて等角速度で高速回転する多面鏡であり、レーザ発光部100から射出された光ビームを等角速度で偏向走査している。具体的には、ポリゴンミラー19は、図示時計回りに回転することで、光ビームを被走査面F上の図示左側から図示右側へ走査している。
【0028】
なお、以下の説明では、ポリゴンミラー19により偏向される光ビームの走査範囲のうち画像形成に利用される範囲(図にドットで示す範囲)を、有効走査領域Aと呼ぶこととする。具体的に、この有効走査領域Aとは、前述した画像データに基づく明滅制御が開始されてから終了されるまでの間に光ビームで走査される領域をいう。
【0029】
fθレンズ20は、ポリゴンミラー19によって等角速度で偏向される光ビームを、被走査面F上で等速度運動させるように作用するレンズである。
【0030】
補正レンズ21は、副走査方向に正の屈折力を有する(光ビームを絞る)レンズであり、図3(a)に示すように、副走査方向における中央部が光ビームの進行方向下流側に突出するような凸レンズとなっている。そして、この補正レンズ21で絞られた光ビームは、被走査面F上に結像(集光)されるようになっている。
【0031】
また、この補正レンズ21は、ポリゴンミラー19の面倒れ(鏡面の向き、すなわち鏡面の法線が副走査方向に傾くこと)を補正する機能も有している。すなわち、ポリゴンミラー19により偏向・反射された光ビームが補正レンズ21の副走査方向における中心から副走査方向にずれて入射してきた場合であっても、補正レンズ21を通った光ビームは、被走査面F上では副走査方向において一定の位置に結像される。
【0032】
第1反射ミラー101は、光ビームを反射するミラーであり、有効走査領域Aよりも図示左側(主走査方向の一方)に外れた位置であって、補正レンズ21よりも光ビームの進行方向における上流側に配置されている。そして、この第1反射ミラー101は、反射した光ビームが補正レンズ21の有効走査領域A1を通って光センサ102に到達するような向きに向けられている。ここで、「補正レンズ21の有効走査領域A1」とは、補正レンズ21のうち、有効走査領域Aを走査するレーザ光が通る部分をいい、図に大きなドットで示している。
【0033】
光センサ102は、光ビームを検知するセンサであり、第1反射ミラー101とは補正レンズ21の有効走査領域A1を挟んだ反対側に配置されている。詳しくは、光センサ102は、有効走査領域Aよりも図示右側(主走査方向の他方)に外れた位置であって、補正レンズ21よりも光ビームの進行方向における下流側に配置されている。
【0034】
そして、以上のように第1反射ミラー101と光センサ102が配置されることによって、第1反射ミラー101で反射された光ビームが補正レンズ21を通るときの補正レンズ21の見かけ上の曲率半径が、図3(a)に示す正規の断面形状の曲率半径よりも、図3(b)に示すように小さくなる。ここで、正規の断面形状とは、ポリゴンミラー19で偏向された光ビームがfθレンズ20のみを通って補正レンズ21に入射されるときの断面形状をいい、より詳しくは、fθレンズ20を通ってきた光ビームを被走査面Fの位置で集光させるような断面形状をいう。
【0035】
そのため、例えば第1反射ミラー101を設けない場合には、光ビームは図に2点鎖線で示すようなルートを通るので、補正レンズ21の曲率半径は、距離L1だけ離れた位置に集光させるための曲率半径となっている。これに対し、第1反射ミラー101を使って、光ビームを正規の断面形状に対して斜めに入射させると、図3(b)に示すように、見かけ上の断面形状の曲率半径が正規の断面形状よりも小さくなる。
【0036】
したがって、補正レンズ21の出口面(下流側の面)から光センサ102(光の焦点)までの距離が、第1反射ミラー101を設けない場合の距離L1よりも短い距離L2になる。これにより、図5に示す従来技術のように補正レンズRよりも下流側に反射ミラーMを設けた場合には、補正レンズRの出口面から反射ミラーMまでの距離と、反射ミラーMから光センサSまでの距離との合計を距離L1にしなければならないが、本実施形態では補正レンズ21の出口面から光センサ102までの距離を短くすることができる。
【0037】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
結像光学系を構成する補正レンズ21、すなわち既存の補正レンズ21を利用して光センサ102に射出する光ビームを絞ることができるので、従来のように専用レンズSRを別途設けるものに比べ、コストアップを抑えることができる。また、光ビームを有効走査領域Aの一方から補正レンズ21の有効走査領域A1を通して他方に射出させることで、補正レンズ21の見かけ上の曲率半径が小さくなるので、補正レンズ21の出口面から光センサ102までの距離を短くすることができ、光走査装置16のコンパクト化、ひいてはレーザプリンタ1のコンパクト化を図ることができる。
【0038】
補正レンズ21の出口面から光センサ102までの距離を短くすることができるので、集光位置の精度も向上させることができる。
【0039】
第1反射ミラー101と光センサ102を補正レンズ21の有効走査領域A1を挟んで配置したので、第1反射ミラー101で反射した光ビームを補正レンズ21に1回通すだけの構成で済み、構造を簡易化することができる。
【0040】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、第1反射ミラー101と光センサ102を補正レンズ21の有効走査領域A1を挟んで配置したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、補正レンズ21の有効走査領域A1を挟んで第1反射ミラー101とは反対側に第2反射ミラー103を設け、補正レンズ21を挟んで第2反射ミラー103とは反対側に光センサ102を設けてもよい。
【0041】
すなわち、第1反射ミラー101で反射された光ビームが、補正レンズ21内の有効走査領域A1を通って第2反射ミラー103で反射された後、補正レンズ21を通って光センサ102に到達するように構成してもよい。なお、図4では、前記実施形態と同様の構造については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
この図4の構造によれば、補正レンズ21の出口面から出た光ビームを第2反射ミラー103で反射して、再度補正レンズ21に通すので、光ビームをさらに絞って、補正レンズ21の出口面から光センサ102までの距離をさらに短くすることができる。そして、このように出口面からの距離がさらに短くなることで、図4に示すように、補正レンズ21の後方に配置する第2反射ミラー103を前記実施形態(図2)の光センサ102の位置よりも補正レンズ21寄りに寄せることができるので、さらなる小型化を図ることができる。
【0043】
なお、図4では、第2反射ミラー103で反射した光ビームを補正レンズ21の非有効走査領域B1に通したが、第2反射ミラー103で反射した光ビームを有効走査領域A1に通してもよい。この場合には、第1反射ミラー101と同じ側(有効走査領域Aの左側)に光センサ102を配置させればよい。
【0044】
前記実施形態では、第1反射ミラー101を補正レンズ21の上流側に配置したが、本発明はこれに限定されず、下流側に配置してもよい。この場合には、光センサ102を補正レンズ21の上流側に配置すればよい。
【0045】
前記実施形態では、偏向器としてポリゴンミラー19を採用したが、本発明はこれに限定されず、例えばガルバノミラーなどを採用してもよい。また、反射ミラーとしては、光ビームを反射させるものであればどのようなものであってもよく、例えばプリズムなどを採用してもよい。
【0046】
前記実施形態では、結像光学系を主にfθレンズ20とこの下流側に配置される補正レンズ21とで構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、fθレンズの上流側に補正レンズを配置した結像光学系を採用してもよいし、1つの補正レンズの代わりに2つの絞りレンズで光ビームを被走査面に集光させる結像光学系を採用してもよい。なお、後者の場合は、2つの絞りレンズのうちの少なくとも一方の有効走査領域に第1反射ミラーで反射した光ビームを通すように構成すればよい。
また、fθレンズ20と補正レンズ21の機能を単一のレンズで果たす、いわゆる1枚玉レンズを適用してもよい。
【0047】
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、感光ドラム27の表面を被走査面Fとしたが、例えば中間転写方式の場合には、中間転写ベルトの表面を被走査面としてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 レーザプリンタ
16 光走査装置
19 ポリゴンミラー
20 fθレンズ
21 補正レンズ
22,23,24 折り返しミラー
27 感光ドラム
100 レーザ発光部
101 第1反射ミラー
102 光センサ
103 第2反射ミラー
A 有効走査領域
A1 有効走査領域
F 被走査面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源から射出された光ビームを偏向走査する偏向器と、前記偏向器により偏向された光ビームを被走査面上に結像する結像光学系と、光ビームを検知する光センサと、前記偏向器により偏向される光ビームの走査範囲のうち画像形成に利用される有効走査領域から外れた光ビームを前記光センサに反射させる第1反射ミラーと、を備えた光走査装置において、
前記第1反射ミラーで反射された光ビームが、前記結像光学系を構成する光学素子のうち正の屈折力を有するレンズの有効走査領域を通って前記光センサに到達するように、前記第1反射ミラーと前記光センサが配置されていることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記第1反射ミラーと前記光センサは、前記レンズの有効走査領域を挟んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記レンズの有効走査領域を挟んで前記第1反射ミラーとは反対側に設けられる第2反射ミラーをさらに備え、
前記光センサは、前記レンズを挟んで前記第2反射ミラーとは反対側に設けられ、
前記第1反射ミラーで反射された光ビームが、前記レンズ内の有効走査領域を通って前記第2反射ミラーで反射された後、前記レンズを通って前記光センサに到達するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−17846(P2011−17846A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161740(P2009−161740)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】