説明

光送信器、ネットワーク機器、及び、光送信器の軸ずれ量調整システム

【課題】MMFの光軸と発光素子の光軸の軸ずれ量が可変であり、軸ずれ量の調整によりMMFでの光信号の劣化が抑制される光送信器、該光送信器とともに用いられるネットワーク機器、及び、該光送信器の軸ずれ量調整システムを提供する。
【解決手段】光送信器(10)は、マルチモード光ファイバ(68)に向けて光信号を送信する。光送信器(10)は、発光素子(82)と、発光素子(82)の光軸(86)をマルチモード光ファイバ(68)の光軸(92)に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構(36)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸ずれ量調整機能を有する光送信器、該光送信器とともに用いられるネットワーク機器、及び、該光送信器の軸ずれ量調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばイーサネット(登録商標)等のネットワークシステムでは、伝送媒体として、メタル線の外に、光ファイバも用いられている。
光ファイバを用いる場合、電気信号を光信号に変換する光送信器が用いられる。光送信器は発光素子を有し、発光素子は、光ファイバに向けて光信号を出射する。
【0003】
光ファイバには、大別してSMF(シングルモード光ファイバ)とMMF(マルチモード光ファイバ)がある。MMFにおいては、光信号が複数のモードにて伝搬するが、MMFの有するモード分散によって、光信号が劣化してしまう。
そこで例えば特許文献1には、偏心キャピラリを用いて、SMFの光軸とMMFの光軸をずらした状態で、SMFとMMFを突き合わせて接続したモードコンディショナ付き光送信器が記載されている。このモードコンディショナ付き光送信器によれば、MMFのモード分散による光信号の劣化が低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−147334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
MMFの屈折率分布は、仕様が異なる場合は勿論、同じ仕様であっても個体毎に異なる。よって、モード分散の影響を最小に抑制することができる軸ずれ量は、使用するMMF毎に異なる。このため、使用するMMFに対応して、MMFに入射する光の光軸とMMFの光軸の軸ずれ量を任意に調整できることが望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1が開示するモードコンディショナ付き光送信器では、SMFの光軸とMMFの光軸の軸ずれ量は、偏心キャピラリの構造、SMFにおけるコアの位置、又は、SMFの出射端面の傾きにより、一意に決定される。このため、このモードコンディショナ付き光送信器にあっては、一度組み立てられた後に、軸ずれ量を調整することはできない。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされ、その目的とするところは、MMFの光軸と発光素子の光軸の軸ずれ量が可変であり、軸ずれ量の調整によりMMFでの光信号の劣化が抑制される光送信器、該光送信器とともに用いられるネットワーク機器、及び、該光送信器の軸ずれ量調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、発光素子と、前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構とを備える光送信器が提供される。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、発光素子と、前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構とを備える光送信器とともに用いられるネットワーク機器であって、検査信号を生成する検査信号生成部と、前記マルチモード光ファイバを伝搬した後の前記検査信号の状態を検出する検査信号状態検出部と、前記検査信号状態検出部によって検出された前記検査信号の状態に基づいて、前記調整機構の操作量を決定する調整機構操作量決定部と、前記調整機構操作量決定部によって決定された操作量に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部とを備えるネットワーク機器が提供される。
【0010】
更に、本発明の一態様によれば、マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、発光素子と、前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構とを備える光送信器の軸ずれ量調整システムであって、検査信号を生成する検査信号生成部と、前記マルチモード光ファイバを伝搬した後の前記検査信号の状態を検出する検査信号状態検出部と、前記検査信号状態検出部によって検出された前記検査信号の状態に基づいて、前記調整機構の操作量を決定する調整機構操作量決定部と、前記調整機構操作量決定部によって決定された操作量に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部とを備える光送信器の軸ずれ量調整システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、MMFの光軸と発光素子の光軸の軸ずれ量が可変であり、軸ずれ量の調整によりMMFでの光信号の劣化が抑制される光送信器、該光送信器とともに用いられるネットワーク機器、及び、該光送信器の軸ずれ量調整システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態の軸ずれ量調整システムの外観を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の軸ずれ量調整システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図1中の光送信器の概略的な構成を示す縦断面図である。
【図4】図3中の領域IVの拡大図である。
【図5】第2実施形態の軸ずれ量調整システムの外観を概略的に示す斜視図である。
【図6】図5の軸ずれ量調整システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る、軸ずれ量調整システム1の外観を概略的に示す斜視図である、軸ずれ量調整システム1は、軸ずれ量調整機能付きの光送信器10における、軸ずれ量調整のために使用される。
光送信器10は、光ケーブル12の一端に取り付けられ、光ケーブル12の他端には光受信器14が取り付けられている。光送信器10、光受信器14及び光ケーブル12は、1つの光アクティブケーブル16を構成している。
【0014】
なお、光アクティブケーブル16は、実際には、双方向での通信を可能とすべく、光ケーブル12の両端にそれぞれ、送信機能と受信機能を有する光トランシーバ10,14が取り付けられている。本実施形態の説明では、簡略化のため、光トランシーバ10を光送信器10として送信機能に限定して説明し、光トランシーバ14を光受信器14として受信機能に限定して説明する。
光トランシーバ10の受信機能を実現するための構成は、光受信器14と同様に、公知の構成を用いることができる。光トランシーバ14の送信機能を実現するための構成は、光送信器10の送信機能を実現するための構成と同じ構成を用いることができる。
【0015】
軸ずれ量調整システム1において、光送信器10は、軸ずれ量調整機能対応の例えばスイッチングハブ(フレーム中継装置)18の送受信ポート20に接続される。そして、光受信器14は、軸ずれ量調整装置22の受信ポート24に接続される。
また、スイッチングハブ18及び軸ずれ量調整装置22は、外部インターフェース26,28として、例えばRS232Cポートをそれぞれ有し、通信ケーブル30としてのRS232Cケーブルによって相互に接続される。
【0016】
図2は、光送信器10とともに軸ずれ量調整システム1の概略的な構成を示すブロック図である。
光送信器10は、例えばLD(レーザダイオード)からなる発光素子32、発光素子32を駆動するための発光素子駆動回路34、及び、発光素子32を移動させるためのアクチュエータ36を有する。
【0017】
〔スイッチングハブ〕
スイッチングハブ18では、送受信ポート20がPHY−LSI(大規模集積回路)40に接続されている。PHY−LSI40は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルにおける物理層でのデータ処理を担当する。
【0018】
PHY−LSI40は、MAC−LSI42に接続され、MAC−LSI42は、OSI参照モデルにおけるデータリンク層でのデータ処理を担当する。すなわちMAC−LSI42は、メモリ44と協働して、フレームの転送処理を担当する。
【0019】
また、スイッチングハブ18は、CPU(中央演算処理装置)46を有し、CPU46は、機能としてみたとき、検査信号生成部48を有する。検査信号生成部48は、例えば外部からの命令をトリガとして、軸ずれ量の調整に用いられる検査信号としての電気的な論理信号を生成する。PHY−LSI40は、検査信号生成部48が生成した論理信号を符号化してからパルス信号に変換し、発光素子駆動回路34はパルス信号に基づいて発光素子32を駆動する。これにより発光素子32は、検査信号としてのパルス信号を出射する。
【0020】
更に、スイッチングハブ18は、外部インターフェース26に接続されたアクチュエータ駆動部50を有する。アクチュエータ駆動部50は、送受信ポート20を通じて、光送信器10のアクチュエータ36に接続されており、アクチュエータ36の動作の制御を担当する。
【0021】
〔軸ずれ量調整装置〕
軸ずれ量調整装置22は、受信ポート24に接続された検査信号状態検出部52を有する。検査信号状態検出部52は、パルス信号を受信すると、符号誤り率を検出する。
また、軸ずれ量調整装置22は、アクチュエータ操作量決定部54を有する。アクチュエータ操作量決定部54は、検査信号状態検出部52によって検出された符号誤り率に基づいて、アクチュエータ36の操作量を決定する。
【0022】
アクチュエータ操作量決定部54によって決定されたアクチュエータ36の操作量は、外部インターフェース28及び通信ケーブル30を通じて、スイッチングハブ18の外部インターフェース26に入力される。スイッチングハブ18のアクチュエータ駆動部50は、アクチュエータ操作量決定部54によって決定された操作量に基づいて、アクチュエータ36を動作させる。
例えば、軸ずれ量調整装置22は、アクチュエータ36を段階的に動作させ、各段階で符号誤り率を検出し、符号誤り率が最小になる操作量(最適操作量)を決定する。そして、最適操作量の決定後、アクチュエータ駆動部50は、アクチュエータ36の操作量を最適操作量に固定する。
【0023】
〔光送信器〕
図3は、光送信器10の概略的な構成を示す縦断面図である。
光送信器10は、例えば、金属製のハウジング60を有し、ハウジング60は、相互に分離可能な第1ケース62及び第2ケース64からなる。ハウジング60の端部には、ゴム製のブーツ66が嵌められ、ブーツ66を通じて、光ケーブル12の芯線であるMMF(マルチモード光ファイバ)68がハウジング60内まで延びている。MMF68の先端部は、例えばセラミック製のガイド部材70によって保持されている。
【0024】
一方、ハウジング60内には、リジッドな回路基板(本体基板)72が設置されている。ハウジング60は、ブーツ66とは反対側に開口端を有し、ハウジング60の開口端内に、回路基板72の一端部が位置付けられている。回路基板72の一端部には、図示しないけれども、送受信ポート20と接続される電極端子が設けられている。
【0025】
本体基板72の他端側は、図4に拡大して示したように、可撓性を有するFPC基板(フレキシブルプリント回路基板)74の一端側に接続され、FPC基板74の他端側は、リジッドな回路基板(素子搭載基板)76に接続されている。
また、本体基板72の他端側には、アクチュエータ36の本体78が固定されている。アクチュエータ36の本体78からは、可動ロッド80が延びており、可動ロッド80の先端部は、素子搭載基板76に固定されている。可動ロッド80は、可動ロッド80の軸線方向にて往復動可能であり、これにより、本体基板72に対し、素子搭載基板76は接近又は離間する。つまり本体基板72は固定基板であり、素子搭載基板76は可動基板である。
なお、アクチュエータ36は、例えば電磁ソレノイド式であり、本体78に供給される電力に応じて、可動ロッド80の位置が変化する。
【0026】
素子搭載基板76には、例えばLD(レーザダイオード)からなる発光素子32、及び、発光素子駆動回路34を構成するICチップ84が実装されている。ICチップ84は、発光素子32に電気的に接続されるとともに、FPC基板74を介して、本体基板72の電極端子に電気的に接続されている。
発光素子32は例えば、面発光素子であり、素子搭載基板76とは反対側に発光面を有する。従って、発光素子32は、素子搭載基板76に対し垂直な光軸86を有する。
【0027】
また、素子搭載基板76には発光素子32の光軸上にレンズ88を有するレンズ部材が実装されている。そして、レンズ88を介して発光素子32と対向するように、MMF68の端面が配置されている。
従って、MMF68のコア90の中央から延びるMMF68の光軸92は、発光素子32の光軸86と平行である。そして、アクチュエータ36の可動ロッド80の位置、即ち、アクチュエータ36の操作量によって、発光素子32の光軸86とMMF68の光軸92との間における、これら光軸86,92と交差する方向、具体的には直交する方向での軸ずれ量が決定される。
つまり、アクチュエータ36は、発光素子32の光軸86をコア90の光軸92に対し、これら光軸86,92と交差する方向に相対的に任意量にて変位させる調整機構を構成している。
【0028】
上述した第1実施形態の軸ずれ量調整システム1によれば、光送信器10の組み立て後において、任意の時期に、符号誤り率を指標として、発光素子32の光軸86とMMF68の光軸92との間における軸ずれ量を調整可能である。このため、MMF68の屈折率分布の仕様や個体差に応じて、軸ずれ量を最適な値に設定することが可能である。
【0029】
そして、軸ずれ量が最適化された光送信器10によれば、MMF68のモード分散の影響が最小に抑制され、MMF68での光信号の劣化が抑制される。このため、この光送信器10によれば、例えば、MMF68の長さが100m程度であっても、10Gbpsを超える伝送レートで安定に通信を行うことができる。
【0030】
〔第2実施形態〕
図5は、第2実施形態に係る軸ずれ量調整システム100の外観を概略的に示す斜視図である。なお、第1実施形態と共通の機能を有する部分に関しては、同一の符号を付して説明を省略する。
軸ずれ量調整システム100においては、2つのスイッチングハブ102が、1本の光アクティブケーブル16を用いて接続されている。
【0031】
図6は、軸ずれ量調整システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
光アクティブケーブル16は、光ケーブル12の両端にそれぞれ、送信機能と受信機能を有する光トランシーバ10,14が取り付けられて、構成される。光トランシーバ10は、光送信機能を実現する光送信器10−1と、光受信機能を実現する光受信器10−2とを有する。光トランシーバ14は、光送信機能を実現する光送信器14−1と、光受信機能を実現する光受信器14−2とを有する。
【0032】
光送信器10−1と光受信器14−2とは、光ケーブル12を介して接続されている。同様に、光受信器10−2と光送信器14−1とは、光ケーブル12を介して接続されている。光送信器10−1,14−1は、第1実施形態の光送信器10と同様の構成を有する。
【0033】
スイッチングハブ102の検査信号生成部48は、自局宛の検査信号を生成する。スイッチングハブ102のPHY−LSI40は検査信号状態検出部104を有し、検査信号状態検出部104は、対向するスイッチングハブ102から返信された検査信号の状態、則ち符号誤り率を検出する。
【0034】
スイッチングハブ102のCPU46は、機能でみたとき、アクチュエータ操作量決定部106を有し、アクチュエータ操作量決定部106は、検査信号状態検出部104によって検出された符号誤り率に基づいて、アクチュエータ36の操作量を決定する。そして、アクチュエータ駆動部50は、アクチュエータ操作量決定部106によって決定された操作量に基づいて、アクチュエータ50を駆動する。
【0035】
第2実施形態に係る軸ずれ量調整システム100においても、光送信器10−1,14−1の組み立て後において、任意の時期に、符号誤り率を指標として、発光素子32の光軸86とMMF68の光軸92との間における軸ずれ量を調整可能である。このため、MMF68の屈折率分布の仕様や個体差に応じて、軸ずれ量を最適な値に設定することが可能である。
【0036】
また、第2実施形態に係る軸ずれ量調整システム100によれば、スイッチングハブ102及び光送信器10−1,14−1は、独立した軸ずれ量調整装置22を必要としない。このため、スイッチングハブ102及び光送信器10−1,14−1を運用中のネットワークに適用した後でも、任意の時期に、軸ずれ量を最適な値に設定することが可能である。つまり、軸ずれ量調整システム100によれば、ネットワークを停止させることなく、ネットワーク中の光送信器10−1,14−1の軸ずれ量を調整可能である。
【0037】
本発明は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、これら実施形態に変更を加えた形態も含む。
例えば、光送信器10のアクチュエータ36は、光軸86と直交する方向、即ち、コア90の半径方向にのみ往復動可能であったが、更に、コア90と発光素子32との間の距離を調整するために、コア90の軸線方向に往復動可能なアクチュエータを設けてもよい。
また、アクチュエータ36の本体78は、本体基板72に固定されていたが、ハウジング60に固定されていてもよい。
【0038】
そして、光送信器10においては、MMF68の先端部が取り外し不能に固定されていたが、MT(Mechanically Transferable)フェルール等を用いて、MMF68の先端部を脱着可能にしてもよい。
また、光送信器10では、発光素子32とコア90の間にレンズ88が介挿されていたが、発光素子32とコア90の距離に応じて、レンズ88を省略してもよい。
【0039】
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、光送信器10,10−1,14−1は、スイッチングハブ18,102と別体であったけれども、スイッチングハブ18,102に一体に内蔵されていてもよい。
あるいは、光送信器10が、検査信号生成部、検査信号状態検出部、アクチュエータ操作量決定部及びアクチュエータ駆動部のうち一つ以上を内蔵していてもよい。
【0040】
一方、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、検査信号状態検出部52,104が、検査信号の状態として、符号誤り率を検出したけれども、他の状態を検出してもよい。例えば、検査信号状態検出部52,104は、検査信号のアイ開口率を検出してもよい。
【0041】
この場合、アクチュエータ操作量決定部54,106は、アイ開口率に基づいて操作量を決定し、アクチュエータ駆動部50は、決定された操作量に基づいてアクチュエータ36を駆動する。そして、検査信号生成部48は、アイ開口率を測定するための検査信号を生成する。
【0042】
また、上述した第2実施形態の軸ずれ量調整システム100においては、アクチュエータ36の軸ずれ量を調整しようとしているスイッチングハブ102が、検査信号を対向するスイッチングハブ102宛に送信し、対向するスイッチングハブ102において、アクチュエータ36の操作量を決定してもよい。
【0043】
この場合、対向するスイッチングハブ102は、決定した操作量を情報として含むフレーム(操作量信号)を生成して、検査信号を送ってきたスイッチングハブ102に向けて返信する。そして、操作量信号を受信したスイッチングハブ102のアクチュエータ駆動部50は、操作量信号に基づいてアクチュエータ36を駆動する。
最後に、光送信器10が適用されるネットワーク機器は、スイッチングハブに限定されることはなく、ルータやメディアコンバータ等であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,100 軸ずれ量調整システム
10 光送信器
18,102 スイッチングハブ(ネットワーク機器)
22 軸ずれ量調整装置
32 発光素子
36 アクチュエータ(調整機構)
48 検査信号生成部
50 アクチュエータ駆動部(調整機構駆動部)
52 検査信号状態検出部
54 アクチュエータ操作量決定部(調整機構操作量決定部)
68 MMF
72 本体基板
74 FPC基板(フレキシブル基板)
76 素子搭載基板
86 発光素子の光軸
92 MMFの光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、
発光素子と、
前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構と
を備える光送信器。
【請求項2】
前記発光素子を搭載する素子搭載基板と、
本体基板と、
前記素子搭載基板と前記本体基板とを接続するフレキシブル基板とを更に備え、
前記調整機構は、前記本体基板と前記素子搭載基板の間の距離を調整するアクチュエータを有する、
請求項1に記載の光送信器。
【請求項3】
マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、発光素子と、前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構とを備える光送信器とともに用いられるネットワーク機器であって、
検査信号を生成する検査信号生成部と、
前記マルチモード光ファイバを伝搬した後の前記検査信号の状態を検出する検査信号状態検出部と、
前記検査信号状態検出部によって検出された前記検査信号の状態に基づいて、前記調整機構の操作量を決定する調整機構操作量決定部と、
前記調整機構操作量決定部によって決定された操作量に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部と
を備えるネットワーク機器。
【請求項4】
前記検査信号状態検出部は、前記検査信号の状態として、前記検査信号の符号誤り率及びアイ開口率のうち一方を検出する、請求項3に記載のネットワーク機器。
【請求項5】
マルチモード光ファイバに向けて光信号を送信する光送信器であって、発光素子と、前記発光素子の光軸を前記マルチモード光ファイバの光軸に対して交差する方向に相対的に任意量にて移動させる調整機構とを備える光送信器の軸ずれ量調整システムであって、
検査信号を生成する検査信号生成部と、
前記マルチモード光ファイバを伝搬した後の前記検査信号の状態を検出する検査信号状態検出部と、
前記検査信号状態検出部によって検出された前記検査信号の状態に基づいて、前記調整機構の操作量を決定する調整機構操作量決定部と、
前記調整機構操作量決定部によって決定された操作量に基づいて、前記調整機構を駆動する調整機構駆動部と
を備える光送信器の軸ずれ量調整システム。
【請求項6】
前記検査信号状態検出部は、前記検査信号の状態として、前記検査信号の符号誤り率及びアイ開口率のうち一方を検出する、請求項5に記載の光送信器の軸ずれ量調整システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−151610(P2012−151610A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8019(P2011−8019)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】