説明

光透過表示装置

【課題】本発明は昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して遮光インク層部とその裏面に印刷されている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、また、夜間または暗がりでは外装板内の表示部材に設ける文字、絵画、図柄が光源からの光により光透過インク層部から、鮮明かつ確実に発光表示でき、製作および組立を容易になす。
【解決手段】合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、裏面に対向して印刷された光透過インク層部3と、合成樹脂フィルム基材4にマスキング部5を施すとともに、その設置個所以外に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部6となして接設させた表示部材7と、光源8と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光透過表示装置に関し、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置として例えば自動車のリア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器に最適に使用され、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して遮光インク層部とその裏面に印刷されている光透過インク層部との露呈する無地部が見られるだけで、さらにその内部を見ることはできず、透けが無く、夜間または暗がりでは外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄が光源からの光により光透過インク層部から、鮮明かつ確実に発光表示がなされるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車に装着されるガーニッシュには、合成樹脂よりなる光透過性板材と、前記光透過性板材の裏面に設けられた印刷、ホットスタンプ、成形マーク、塗装、蒸着、スパッタリングにより、設けられた表示部と、前記光透過性板材の裏面に設けられて内部を照明するための、蛍光管、LED(発光ダイオード)、EL(エレクトロルミネセンス)よりなる照明手段と、を備え、昼間において表示部に表示された表示内容と、および夜間において照明手段による照明により、表示部に表示された表示内容の視認性とを良好にするというものがあった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、車両用スピードメータの文字盤の基材として、合成樹脂よりなる透明基材を用いたものは、透明基材のほぼ全面に隠蔽性の高い遮光インキを用いて遮光インキ層が形成され、この遮光インキ層の上面に模様等を印刷により施し、バックライトの光を透過させることにより、遮光インキ層の上面の模様を表示させるものがあった(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−79093号公報
【特許文献2】特開2010−250312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来のガーニッシュは、合成樹脂よりなる光透過性板材自体が、真空成型される等して自動車の外形に合わせて塑性変形して成形されるものであるので、成形時の伸縮性により出来上がったガーニッシュの厚さが均一に成形されるという訳ではなく、部所により厚薄変化に富むものであった。このため、前記光透過性板材の裏面に印刷、塗装、蒸着、スパッタリングにより、文字、図柄、絵画等の表示部の膜厚も真空成形時の光透過性板材の伸縮に応じて厚薄変化し、斑を生じていた。従って、光透過性板材および該光透過性板材の裏面に設けられた表示部を透過する光もそれらの厚みの厚薄に応じて変化するので、昼間は、自然光が光透過性板材を通じてガーニッシュ内に到達するため、照明手段等が透けたりし、光透過性板材内が見える等、不体裁であった。また、夜間には、照明手段からの照明が各部所毎の厚さの厚薄変化に伴って不均一になり、斑になり、表示された表示部の表示内容が不鮮明になり、視認性に欠けるという問題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された上記従来の車両用スピードメータの文字盤の基材では、合成樹脂よりなる透明基材のほぼ全面に隠蔽性の高い遮光インキを用いて遮光インキ層が形成され、この遮光インキ層の上面に模様等を印刷により施したものは、必要個所としての模様等の印刷個所における遮光性が不十分であるので、バックライトの光を透過させることにより、遮光インキ層の上面の模様等がぼやけ、鮮明に表示させることができなかった。
【0007】
本発明は上記従来の欠点を解決し、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して遮光インク層部とその裏面に印刷されている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部が見えたり、内部の透けがなく、また、夜間または暗がりでは外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄が光源からの光により光透過インク層部から、鮮明かつ確実に発光表示でき、視認性を向上し、さらには製作および組立が容易な光透過表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発明は、合成樹脂の透明材にて形成される外装板と、
前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部と、
前記遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部と、
前記光透過インク層部の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部を施すとともに、前記マスキング部の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部となして接設させた表示部材と、
前記表示部材の裏面に配設された光源と、を備えている
ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記透明材が、透明なアクリル板であるか、またはスモークグレー、或いはクリアレッド、または他の透明性を有する有彩色の彩色が施こされた有色透明なアクリル板であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記遮光インク層部が、塩化ビニール系の樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料を用いた遮光性インキを用いて印刷されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1−3の何れかにおいて、前記遮光インク層部が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1−4の何れかにおいて、前記遮光インク層部が、シルク印刷により印刷されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1または2の何れかにおいて、前記光透過インク層部が、黒色、または濃色系のインクで印刷されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1−6の何れかにおいて、前記パターン形状が、メッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1または7において、前記パターン形状が、幅0.3〜3mmに形成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項9に記載の発明は、前記請求項1−7に記載された光透過表示装置において、前記光透過表示装置が、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置として例えば自動車のリア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器の何れかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、合成樹脂の透明材にて形成される外装板と、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部と、前記遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部と、前記光透過インク層部の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部を施すとともに、前記マスキング部の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部となして接設させた表示部材と、前記表示部材の裏面に配設された光源と、を備えているので、透明な外装板よりなる透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部により密閉性が発揮されるのと、遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて遮光インク層部の多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の多数の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見えることにより、昼間に自然光で見る場合にはさらに光源等の外形は透けて見えたり、その内部は見えず、透けはない。
【0018】
そして、透明な外装板よりなる透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された遮光インク層部は、多数の小孔群を有する規則的なパターン形状をなすことにより厚さが減容化されているので、外装材の外形状に合わせて真空成型するのに、外装材が塑性変形によりその部所毎に伸縮することにより厚さが厚薄変化するのに応じて本発明の光透過表示装置では、透明な外装板の裏面に印刷された遮光インク層部は、伸縮するが、厚さが減容化されているのと、伸縮加減を調整するのとから、山谷の高低差が低くなるため、遮光インクにより印刷される遮光インク層部と、該遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部の厚さは変化が少なく、斑なく、均一になる。従って、前述のように、多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部と、規則的なパターン形状の多数の小孔群から臨まれている光透過インク層部とによる無地部の隠蔽と、さらに光源等その内部が透けたり、見えたりはしない。
【0019】
こうして、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲をパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性が良好になる。
【0020】
また、本発明の光透過表示装置は、合成樹脂の透明材にて形成される外装板と、前記透明材の裏面に印刷手段を用いて印刷表示されたパターン形状の遮光インク層部と、前記遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部と、前記光透過インク層部の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部を施すとともに、前記マスキング部の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描くように接設されて透光表示させる表示部材と、前記表示部材の裏面に配設された光源と、を備えているので、構造的に簡単になり、製作および組立が容易に行え、薄形に仕上がる。
【0021】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、請求項1において、前記透明材が、透明なアクリル板であるか、またはスモークグレー、或いはクリアレッド、または他の透明性を有する有彩色の彩色が施こされた有色透明なアクリル板であるので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部とその裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて規則的なパターン形状の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けもない。
【0022】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性が良くなる。
【0023】
また、本発明の請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2において、前記遮光インク層部が、塩化ビニール系の樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料を用いた遮光性インキを用いて印刷されるので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部とその裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて規則的なパターン形状の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けもない。
【0024】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性は良好になる。
【0025】
また、本発明の請求項4に記載の発明によれば、請求項1−3の何れかにおいて、前記遮光インク層部が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されているので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されている遮光インク層部とその裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けもない。
【0026】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されている遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を多数の小孔群を有するパターン形状の銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されている遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性は良好になる。
【0027】
また、本発明の請求項5に記載の発明によれば、請求項1−4の何れかにおいて、前記遮光インク層部が、シルク印刷により印刷されるので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状にシルク印刷により印刷表示された遮光インク層部と、その裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けはない。
【0028】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いてシルク印刷により印刷表示された規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性を良好にできる。
【0029】
また、本発明の請求項6に記載の発明によれば、請求項1または2の何れかにおいて、前記光透過インク層部が、黒色、または濃色系のインクで印刷されるので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部とその裏面に対向して全面に黒色、または濃色系のインクである光透過インクを用いて印刷されて規則的なパターン形状の多数の小孔群から臨まれている黒色、または濃色系のインクである光透過インク層部との露呈する無地部が見え、黒色、または濃色系のインクよりなる光透過インク層部により外部からの自然光を吸収してさらにその内部が見えず、透けはない。
【0030】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された黒色、または濃色系のインクである光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性を向上できる。
【0031】
また、本発明の請求項7に記載の発明によれば、請求項1−6の何れかにおいて、前記パターン形状が、メッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されているので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いてメッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されている多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部とその裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されてメッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されて多数の小孔群を有している規則的なパターン形状の隙間から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けない。
【0032】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示され、メッシュ形状であるか、または略有孔状に形成された多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲をメッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されている多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性が良くなる。
【0033】
また、本発明の請求項8に記載の発明によれば、請求項1または7において、前記パターン形状が、幅0.3〜3mmに形成されているので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的な幅0.3〜3mmのパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部と、その裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群を有する幅0.3〜3mmの規則的なパターン形状の多数の小孔群から臨まれている光透過インク層部とよりなる露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けもない。
【0034】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された幅0.3〜3mmの多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲を幅0.3〜3mmの多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性が良くなる。
【0035】
また、本発明の請求項9に記載の発明によれば、請求項1−7に記載された光透過表示装置において、前記光透過表示装置が、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置として例えば自動車のリア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器の何れかであるので、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置が、リア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器である場合に、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部と、その裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の小孔群から臨まれている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、透けもない。
【0036】
また、夜間または暗がりでは、表示部材の裏面に配設された光源が発光すると、光源からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群を有する規則的なパターン形状の遮光インク層部の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄は光源からの光が周囲をパターン形状の遮光インク層部により密閉された光透過インク層部を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性は向上される。
【0037】
また、本発明の光透過表示装置が、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置として例えば自動車のリア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器の何れかは、合成樹脂の透明材にて形成される外装板と、前記透明材の裏面に印刷手段を用いて印刷表示された多数の小孔群を有するパターン形状の遮光インク層部と、前記遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部と、前記光透過インク層部の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部を施すとともに、前記マスキング部の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描くように接設されて透光表示させる表示部材と、前記表示部材の裏面に配設された光源と、を備えているので、製作および組立が容易に行え、薄形に仕上がる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は本発明の光透過表示装置を自動車のリア・ガーニッシュに適用した実施形態1を示す説明的な断面図である。
【図2】図2は同じく分解斜視図である。
【図3】図3は同じく使用状態を示す斜視図である。
【図4】図4は同じく本実施形態1に一例として使用する回路図である。
【図5】図5は本実施形態1で使用されるパターン形状の遮光インク層部が有孔状の他例を示す斜視図である。
【図6】図6は本発明の光透過表示装置を自動車のフロント・スポイラーに適用した実施形態2を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の光透過表示装置を自動車のサイドミラーに適用した実施形態3を示す斜視図である。
【図8】図8は同じく本実施形態3で使用する表示部材をミラーカバー本体から取外した状態の分解斜視図である。
【図9】図9は同じく図8のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面に従って本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0040】
<実施形態1>
図1ないし図5は本発明の光透過表示装置を自動車用のリア・ガーニッシュに適用した場合の実施形態1を示し、本実施形態1では、合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、前記遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部3と、前記光透過インク層部3の裏面に、合成樹脂フィルム基材4にマスキング部5を施すとともに、前記マスキング部5の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部6となして接設させた表示部材7と、前記表示部材7の裏面に配設された光源8と、を備えている。
【0041】
前記透明材が、透明なアクリル板であるか、またはスモークグレー、或いはクリアレッドの彩色が施こされた有色透明なアクリル板である。このように、光透過表示装置のリア・ガーニッシュの透明材として、アクリル板を用いたのは、代表的な例示であり、耐機械的強度、透明度、耐薬品性、耐水性、耐紫外線、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、耐摩耗性等が高く、成形が容易であるからであり、限定する趣旨ではない。
【0042】
前記遮光インク層部2が、例えば塩化ビニール系の樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料等を用いた遮光性インキを用いて印刷される。
【0043】
また、前記遮光インク層部2が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されている。このように、遮光インク層部2が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色したのは、多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の遮光インク層部2に外部からの自然光を吸収して光の密閉性を高くし、光の透過に伴う反射光によりリア・ガーニッシュの内部を見えなくし、透かしを防止するためである。
【0044】
また、前記遮光インク層部2が、シルク印刷により印刷されるが、このように、遮光インク層部2を、シルク印刷により印刷するようにしたのは、昼間に自然光で見る場合に、透明な外装板1を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて規則的なパターン形状にシルク印刷により印刷表示された遮光インク層部2による密閉性と、その裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の小孔群2aから臨まれる光透過インク層部3との露呈する無地部が見え、隠蔽により、さらにその内部は見えず、透かしを防止するためである。
【0045】
前記光透過インク層部3が、黒色、または濃色系のインクである。このように、光透過インク層部3に黒色、または濃色系のインクを用いたのは、昼間に自然光で見る場合には、透明な外装板1を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、その裏面に対向して全面に印刷されて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の多数の前記小孔群2aから臨まれている黒色、または濃色系のインクである光透過インク層部3との露呈する無地部による隠蔽と、黒色、または濃色系のインクよりなる前記光透過インク層部3により外部からの自然光を吸収してさらにその内部が見えないようにするのと、また、夜間または暗がりでは、表示部材7の裏面に配設された光源8が発光すると、光源8からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の遮光インク層部2の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板1内の表示部材7に設けられている文字、絵画、図柄は、光源8からの光が周囲を多数の小孔群2aを有するパターン形状の遮光インク層部3により密閉された黒色、または濃色系のインクである光透過インク層部3を透過し、鮮明かつ確実に発光表示するためである。
【0046】
前記パターン形状が、図2に示すようなメッシュ形状であるか、または図5に示すような略有孔状に形成される。このように、前記パターン形状を図2に示すようなメッシュ形状であるか、または図5に示すような略有孔状に形成したのは、自動車の外形状に合わせて外装材1を真空成型すると、外装材1がその部所毎に塑性変形されて伸縮することにより厚さt1が厚薄変化するのに応じて本発明の光透過表示装置では、透明な外装板1の裏面に印刷された遮光インク層部2は、多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状、すなわち、多数の小孔群2aと、非有孔部とが平面的な広がりをもって連続的に形成されることにより、図2に示すようなメッシュ形状であるか、または図5に示すような略有孔状に形成されることにより、多数の小孔群2aを設ける分、厚さtが減容化されているのと、遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部3に対する伸縮を加減して調整するのとから、伸縮に伴う山谷の高低差が低くなるため、遮光インクにより印刷される遮光インク層部2の厚さtと、該遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部3の厚さt2は変化が少なく、斑なく、均一になる。従って、前述のように、多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の遮光インク層部2と、規則的なパターン形状の多数の前記小孔群2aから臨まれている光透過インク層部3とによる無地部の隠蔽と、さらに光源8等その内部の透けとをなくすためである。なお、前記小孔群3aの内形状は、図2示すような四角形、図5に示すような円形のほか、図には示さないが、三角形、五角形、六角形、星形等適宜に選択される。また、遮光インク層部2の厚さt、光透過インク層部3の厚さt2は、外装材1の厚さt1、成形姿態に応じて適当に選択される。
【0047】
前記パターン形状が、図2において幅Wが0.3〜3mmに形成されている。このように、遮光インク層部2の規則的なパターン形状を、幅W0.3〜3mmに形成したのは、昼間に自然光で見る場合には、透明な外装板1を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて規則的な幅W0.3〜3mmのパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された面方向に拡がる遮光インク層部2と、その裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて幅W0.3〜3mmの規則的なパターン形状の小孔群2aから臨まれている光透過インク層部3との露呈する無地部が見え、さらに、前記無地部の隠蔽により内部は見えないようにするためである。そして、パターン形状の幅Wが、0.3mmより小さいと、遮光インクによるパターンの線幅が細く、パターンにより周囲を囲まれる光透過インク層部3からの光が透過し易くなり密閉性による遮光効果が低くなるからである。また、パターン形状の幅Wが、3mmより大きいと、パターンの線幅が太く、遮光性は高くなるが、パターンにより周囲を囲まれる光透過インク層部3の設置面積が狭くなり、光透過インク層部3からの光が透過し難くなり、表示部材7の透光表示部6による光表示の見映えがしなくなるためである。
【0048】
また、前記光源8としては、例えばランプ、LED(発光ダイオード)、EL(エレクトロルミネセンス)の何れかが使用される。そして、この光源8を点灯させるための回路構成としては、例えば図4に示されるような配線の回路が用いられる。
【0049】
本発明の光透過表示装置がリア・ガーニッシュである実施形態1は以上の構成からなり、合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、前記遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部3と、前記光透過インク層部3の裏面に、合成樹脂フィルム基材4にマスキング部5を施すとともに、前記マスキング部5の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部6となして接設させた表示部材7と、前記表示部材7の裏面に配設された光源8と、を備えているので、透明な外装板1の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2により密閉性が発揮されるのと、遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された規則的なパターン形状の遮光インク層部2の多数の小孔群2aから臨まれる光透過インク層部3とよりなる露呈する無地部が見え、該無地部の遮蔽により、昼間に自然光で見る場合には、さらに光源8等その内部は見えず、透けはない。
【0050】
そして、透明な外装板1よりなる透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された遮光インク層部2は、多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状をなすことにより厚さtが、減容化されているので、自動車の外形状に合わせて外装材1を真空成型するのに、外装材1がその部所毎に塑性変形により伸縮することにより厚さt1が厚薄変化するのに応じて本発明の光透過表示装置では、透明な外装板1の裏面に印刷された遮光インク層部2は、伸縮するが、遮光インク層部2自体は、多数の小孔群2aを有することにより、厚さtが減容化されているのと、光透過インク層部3に対する伸縮加減を調整するのとから、山谷の高低差が少なくなるため、遮光インクにより印刷される遮光インク層部2と、該遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部3の厚さt2は変化が少なく、斑なく、均一になる。従って、前述のように、多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の遮光インク層部2と、この規則的なパターン形状の多数の小孔群2aから臨まれている光透過インク層部3とよりなる無地部が見られ、該無地部による隠蔽により、さらに光源8の外形が透ける等、その内部は見えなくなる。
【0051】
この際、遮光インク層部2の規則的なパターン形状を、図2に示すように、幅W0.3〜3mmに形成したので、昼間に自然光で見る場合に透明な外装板1を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて規則的な幅W0.3〜3mmの面方向に拡がりをもつ光透過インク層部3の密閉性により光透過表示装置の内部に自然光が入り込む余地がないから、光透過インク層部3と、パターン形状の該遮光インク層部2の多数の小孔群2aから臨まれる光透過インク層部3とよりなる露呈する無地部が見え、さらに該無地部による隠蔽により、その内部は見えず、透けはない。
【0052】
そして、パターン形状の幅Wを0.3〜3mmに形成したのは、幅Wが0.3mmより小さいと、遮光インクによるパターンの線幅が細く、パターンにより周囲を囲まれる光透過インク層部3からの光が透過し易くなり密閉性による遮光効果が低い。また、パターン形状の幅Wが、3mmより大きいと、パターンの線幅が太く、遮光性は高くなるが、パターンにより周囲を囲まれる光透過インク層部3の設置面積が狭くなるから、光透過インク層部3からの光が透過し難くなり、表示部材7の透光表示部6による光表示の見映えがしなくなるためである。
【0053】
また、前記遮光インク層部2が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色され、しかもシルク印刷されているので、昼間に自然光で見る場合には透明な外装板1を介して透明材の裏面に遮光インクを用いて規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されている遮光インク層部2とその裏面に対向して全面に透過インクを用いて印刷されて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の多数の前記小孔群2aから臨まれる黒色、または濃色系のインクにて印刷された光透過インク層部2との露呈する無地部が看者には、遮光インク層部2が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかと、光透過インク層部2の黒色とが調和された色相として見え、自動車の外観に塗装された色相に調和するように選択される。
【0054】
そして、前記透明材が、透明なアクリル板であるか、またはスモークグレー、或いはクリアレッド、または他の透明性を有する有彩色の彩色が施こされた有色透明なアクリル板であるので、耐機械的強度、透明度、耐薬品性、耐水性、耐紫外線、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、耐摩耗性等が高く、成形が容易である。しかしながら、自動車用の光表示装置のリア・ガーニッシュの透明材として、アクリル板を用いたのは、代表的な例示であり、之に限定する趣旨ではない。
【0055】
また、夜間または暗がりでは、表示部材7の裏面に配設された光源8が発光すると、光源8からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の遮光インク層部2の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板1内の表示部材7に設けられている文字、絵画、図柄は光源8からの光が周囲をパターン形状の遮光インク層部2により精度良く、確実に
密閉された光透過インク層部2を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができる。そのため、視認性が良くなり、高級感を発揮できる。
【0056】
また、本発明の光透過表示装置は、合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、前記透明材の裏面に印刷手段を用いて印刷表示されたパターン形状の遮光インク層部2と、前記遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部3と、前記光透過インク層部3の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部5を施すとともに、前記マスキング部5の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描くように接設されて透光表示させる表示部材7と、前記表示部材7の裏面に配設された光源8と、を備えているので、製作および組立が容易に行え、薄形に仕上がる。
【0057】
<実施形態2>
図6に示すものは、本発明の光透過表示装置の実施形態2である。この実施形態2では、光透過表示装置として、自動車用のフロント・スポイラーに適用したものであり、スポイラー本体20に、合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、前記遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部3と、前記光透過インク層部3の裏面に、合成樹脂フィルム基材4にマスキング部5を施すとともに、前記マスキング部5の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部6となして接設させた表示部材7と、前記表示部材7の裏面に配設された光源8と、を備えたものであり、この点の構成は実施形態1と同様の構成である。
【0058】
そして、本実施形態2では、透明な外装板1よりなる透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2が密閉性が発揮されるのと、遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷されて遮光インク層部2の多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状の多数の小孔群2aから臨まれている光透過インク層部3との露呈する無地部が見えることにより、昼間に自然光で見る場合にはさらに光源8等その内部は見えず、透けはない。
【0059】
また、夜間または暗がりでは、表示部材7の裏面に配設された光源8が発光すると、光源8からの光は、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて印刷手段により印刷表示された規則的なパターン形状の遮光インク層部2の密閉性により精度良くかつ確実に密閉されるので、外装板1内の表示部材7に設けられている文字、絵画、図柄は光源8からの光が周囲をパターン形状の遮光インク層部2により密閉された光透過インク層部3を透過し、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性が良くなり、高級感を発揮できる効果があるほかは、前記実施態様1と同様の構成、効果がある。
【0060】
<実施形態3>
また、図7乃至図9に示すものは、本発明の光透過表示装置の実施態様3である。この実施態様3では、光透過表示装置として、自動車のサイドミラーに適用したものであり、ミラーカバー本体30に、合成樹脂の透明材にて形成される外装板1と、前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群2aを有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部2と、前記遮光インク層部2の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷された光透過インク層部3と、前記光透過インク層部3の裏面に、合成樹脂フィルム基材4にマスキング部5を施すとともに、前記マスキング部5の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部6となして接設させた表示部材7と、前記表示部材7の裏面に配設された光源8と、を備えている点の構成は、実施形態1、および実施形態2と同様の構成であるほか、前記実施形態1、および実施形態2と同様の効果を奏する。
【0061】
上記説明において、光透過表示装置が、実施形態1では自動車の外面に取付けられるリア・ガーニッシュ、また、実施形態2ではフロント・スポイラー、実施形態3ではサイドミラーにつき、代表的に説明したけれども、図には示さないが、本発明はこのほかにラジエター・グリル、方向指示器、或いは自動車の内面に取付けられるドアハンドル、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器についても適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は昼間に自然光で見る場合には透明な外装板を介して遮光インク層部とその裏面に印刷されている光透過インク層部との露呈する無地部が見え、さらにその内部は見えず、また、夜間または暗がりでは外装板内の表示部材に設けられている文字、絵画、図柄が光源からの光により光透過インク層部から、鮮明かつ確実に発光表示することができ、視認性を良好にし、製作および組立が容易な用途・分野に適する。
【符号の説明】
【0063】
1 外装板
2 遮光インク層部
2a 小孔群
3 光透過インク層部
4 合成樹脂フィルム基材
5 マスキング部
6 透光表示部
7 表示部材
8 光源
20 スポイラー本体
30 ミラーカバー本体
W 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂の透明材にて形成される外装板と、
前記透明材の裏面に遮光インクを用いて多数の小孔群を有する規則的なパターン形状により印刷手段を用いて印刷表示された遮光インク層部と、
前記遮光インク層部の裏面に対向して全面に光透過インクを用いて印刷される光透過インク層部と、
前記光透過インク層部の裏面に、合成樹脂フィルム基材にマスキング部を施すとともに、前記マスキング部の設置個所以外の個所に文字、絵画、図柄等を描いて透光表示部となして接設させた表示部材と、
前記表示部材の裏面に配設された光源と、を備えている
ことを特徴とする光透過表示装置。
【請求項2】
前記透明材が、透明なアクリル板であるか、またはスモークグレー、或いはクリアレッド、または他の透明性を有する有彩色の彩色が施こされた有色透明なアクリル板であることを特徴とする請求項1に記載された光透過表示装置。
【請求項3】
前記遮光インク層部が、塩化ビニール系の樹脂バインダーと隠蔽性のある金属顔料や無機顔料を用いた遮光性インキを用いて印刷されることを特徴とする請求項1または2に記載された光透過表示装置。
【請求項4】
前記遮光インク層部が、銀色、または赤色、青色、黒色、または遮光性を有するその他の有彩色の何れかに彩色されていることを特徴とする請求項1−3の何れかに記載された光透過表示装置。
【請求項5】
前記遮光インク層部が、シルク印刷により印刷されることを特徴とする請求項1−4の何れかに記載された光透過表示装置。
【請求項6】
前記光透過インク層部が、黒色、または濃色系のインクで印刷されることを特徴とする請求項1または2の何れかに記載された光透過表示装置。
【請求項7】
前記パターン形状が、メッシュ形状であるか、または略有孔状に形成されていることを特徴とする請求項1−6に記載された光透過表示装置。
【請求項8】
前記パターン形状が、幅0.3〜3mmに形成されていることを特徴とする請求項1または7に記載された光透過表示装置。
【請求項9】
前記請求項1−7に記載された光透過表示装置において、
前記光透過表示装置が、自動車の外面または内面に取付けられる光透過表示装置として例えば自動車のリア・ガーニッシュ、フロント・スポイラー、ラジエター・グリル、サイドミラー、ナンバープレートフレーム、ドアハンドル、方向指示器、ラジオ、また、家庭電化製品、オーディオ/ビディオ機器の何れかである
ことを特徴とする光透過表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−83859(P2013−83859A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224729(P2011−224729)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(390024774)技研株式会社 (6)
【Fターム(参考)】