説明

光配線基板及びその製造方法

【課題】Nチャンネルの入力光配線と出力光配線とをチャンネル数に依存せずに上下2層に敷設し、層間移行部の夫々の個所において1対1の光配線同士で層を違えて接続し、有効な多チャンネルのクロスコネクト構造を有する光配線基板を提供する。
【解決手段】基板17の一方の面にNチャンネル入力光配線12を形成し、他方の面にNチャンネル出力光配線13を形成する。入力光配線12に対し出力光配線13は直角に配置されている。また、入力光配線12が接続された入力端子15は基板15の一端面に配置され、出力光配線13が接続された出力端子14は基板15の他の端面に配置されている。入力光配線12と出力光配線13とは、それらの交点に配置された層間光移行部16を介して光接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速、大容量の信号伝送を必要とする情報通信系に用いられる光配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報通信系において、高速、大容量の信号伝送に適する光信号が用いられている。光デバイス間の光伝送は、光配線として本数が少ないときは光ファイバを用い、本数が数百本から数千本となる場合には、基板上に光導波路が敷設された光配線基板が用いられる。通常は、複数の光導波路が光学的に接続され、光信号の伝送が行われる複数の光配線基板が設けられる。
【0003】
この場合、光の直進性が高いため、光ファイバ同士、又は、基板上の光導波路同士を結合させる際、位置精度が問題となる。例えば、シングルモードの光ファイバ同士では、設定されている位置ずれの許容差は、0.5μm程度である。マルチモードで、数10μmのコア径の光導波路・光ファイバの位置ずれの許容差は、コア径の数分の1程度である。
【0004】
光導波路が敷設された光配線基板同士を別部材のコネクタを使用して結合させる場合もあるが、100μm以上の位置ずれが生じる場合がある。このように、用いられるコア径以上に位置ずれが生じると光信号は、伝播されない。
【0005】
又、光配線基板上に敷設された数百本から数千本の光導波路同士を結合させる際に、コネクタとして精密加工された光ファイバコネクタを用いようとしても、許容される心線数は、単心から12心程度に制限されるので、使用される光ファイバコネクタの数は格段に多くなり、現実的でない。
【0006】
又、光信号は、高速なデータ送信が可能なことから、基幹通信システムのような長距離伝送では、光通信が主体になっている。特に、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長多重変調)と呼ばれる1本の光ファイバに複数の波長で異なった情報を同時に送信する技術が開発され、大容量の情報が高速で送られる。
【0007】
基幹通信システムの中継基地局では、WDMで送られてくる情報を単一波長に分離し、夫々の行き先をスイッチで切換えて、再び一つの光ファイバに合波する。このとき、ある波長の光の行先を任意に切換える必要がある。即ち、Nチャンネルの入力をNチャンネルの出力に交換するクロスコネクト機能が必要である。
【0008】
WDMの多重化が進み、100波以上の光が一つの光ファイバで送られてくることが予想されている。このため、クロスコネクト機能には1000チャンネル以上を処理する能力が求められている。
【0009】
しかし、数1000チャンネルを処理可能な光スイッチは、未だ存在しない。そこで、現実には、図54で示すように小さなスイッチを多段に組み合わせて用いている。
【0010】
図54は、入力光ファイバ410と出力光ファイバ460との間の光伝送を、64チャンネルの入出力を3段構成の8×8チャンネルの第1、第2、及び第3のスイッチ420、440、450を用いてクロスコネクト光配線430、430のチャンネル処理を行っていることを示している。
【0011】
各段のスイッチは、所定本数毎の入力光ファイバ410を担う光スイッチ470が複数個有している。このとき、前記クロスコネクト光配線430は、各段のスイッチ間で交差して結合される光配線構造としなければならない。
【0012】
従来の特開平6−331910号公報(特許文献1)は、任意の組み合わせで接続替えを行う光ファイバ心線切替え装置が開示されている。
【0013】
しかしながら、1000チャンネル以上になると光ファイバを収納するための膨大なスペースが必要となる欠点が指摘されていた。又、特開平11−178018号公報(特許文献2)に示す光コネクト装置は、前段のスイッチを搭載した基板と後段の基板を直交させた構造が開示されている。しかしながら、光ファイバの引き回しが単純化されるが、基板の実装方法が限定される。
【0014】
更に、特開平10−243424号公報(特許文献3)に示す光クロスコネクトシステムは、N本のM芯光ファイバを積層した二次元ファイバアレイとM本×N芯の二次元ファイバアレイを直交して接合させることでクロスコネクト構成とする技術が開示されている。しかしながら、クロスコネクト構造は、コンパクトに実現できるが、光ファイバの芯間ピッチで積層することができなければ、結合損失が大きくなる製造上の問題が生じていた。
【0015】
又、光ファイバ素線を任意の配線に敷設して、樹脂などによりシート状に固定させたファイバシート技術を使用する方法もある。この場合、光ファイバに保護皮膜がない分、コンパクトにまとめることができる。しかしながら、先に図54で示したように交差構造の中央部分に光ファイバが集中して積み重なってしまう。光ファイバには最小曲げ半径が決まっているが、光ファイバの積み重なりにより生じる縦方向の曲げ半径の制御は困難となる。このため、光伝送の特性が保証できないという問題が生じていた。
【0016】
近時、通信分野では、長距離のみならず近距離の信号伝達に光伝送が主流になってきている。従来の電気による信号伝達技術は、CPUの発達によるクロック周波数およびデータの通信速度が上昇し、信号の伝送速度は、日々向上している。しかし、電気信号の伝達技術において信号の切替を担うクロスコネクト装置をそのまま光通信の信号切替に使うには難があり、そこで特に、光ビアを多層配線の層間に構成し、光信号の層間移行部としている。
【0017】
又、高速、大容量の信号伝送を必要とする情報通信系の装置内において、信号やデータを伝送する光配線基板を構成する従来の光導波路は、シリコンウエハ等の基板上にクラッド材料を成膜し、次いでコア材をパターニングするプロセスで製作されている。この場合、工程中に熱履歴による応力により基板に反りが生じたり、クラックが入る等の欠点があった。これに対処するための従来技術として、特開平8−29632号公報(特許文献4)に開示されているような、光配線を構成している光導波路層の構成個所を除く個所を除去する対策、特開平5−281424号公報(特許文献5)に示される応力緩和層を導入する対策、又は、特開平6−214128号公報(特許文献6)の光導波路層の裏面に応力層を成膜することで表と裏の両面で応力のバランスを保ち、基板の平坦化を達成する対策が採られている。
【0018】
又、従来、基板面にレンズを形成する技術として、光メモリから情報を再生するための光ピックアップ装置に用いられる光学素子としてのマイクロレンズの製造方法が知られている。特開昭60−155552号公報(特許文献7)は、両面からエッチングにより半球面上穴部を形成し、基板と異なる物質を充填した後、表面を研磨して平面マイクロレンズを得ている。特開平11−177123号公報(特許文献8)は、基板の両面にレンズが配置される構造が示されている。
【0019】
しかし、基板の両面にレンズを形成する際の位置合わせに難があった。例えば、図55(A)に示すように、従来の光ディスク装置等に使用されるマイクロレンズの製造工程において、基板61の上下の両面に凹部62を形成し、次いで、図55(B)に示すように透明物質63を前記凹部62に埋めてレンズを形成するに際し、前記上下の凹部62の位置合わせが正確に行えない欠点があった。
【0020】
又、高速, 大容量の信号伝送を必要とする情報通信系の装置内における光信号の伝送に際しては、光配線基板の導波路同士の光学的な接続が、両者の接続位置における位置合わせに高精度が要求され、又、集光機能を高めるという点で重要視されている。光導波路同士を光学的に接続するためには、コリメートや、集光するためのレンズが必要とされるが、従来、図56に示すような、クラッド85上のコア86からの光が射出される先端部にボールレンズ87が置かれる構造のものが知られている。
【0021】
又、高速, 大容量の信号伝送を必要とする情報通信系の装置において、CPUの動作周波数の向上に伴い、クロック周波数の向上や、データの転送速度の向上がもたらされた。近時、伝送速度の向上のため、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:差動伝送)や、波形整形技術などの高帯域化技術が開発され、電気伝送の性能の向上は進んでいるが10Gbps以上の領域では、電気信号の波形なまりの発生などが原因で伝送を困難にしている。
【0022】
又、光通信を主体とする長距離伝送では、パスの切換えを行うクロスコネクト装置の電気伝送部分が、光通信速度を担いきれなくなってきている。そこで、短距離伝送でも光通信が行えるよう技術開発が行われ、光送受信モジュールと光ファイバとの接続態様が実現している。又、短距離の高速信号伝送の光接続に用いられる光配線基板も知られている。例えば、複数の光導波路がX軸方向に並行して配置されている光導波層と、他の複数の光導波路がY軸方向に並行して配置されている光導波層とを積層して多層光配線を構成する場合、層間の光接続位置は、図57に示すように決められている。
【0023】
光基板90上でX軸方向に並行して複数本の光導波路91が配設された光導波路層と、前記複数本の光導波路91に直角に交差してY軸方向に並行して配設された複数本の光導波路から成る光導波路層が積層されて構成される光配線基板は、前記X軸とY軸の複数の光導波路の夫々との交差位置の内、図57中に斜線で示す任意の交差位置93に光ビアを形成することで層間の光伝播を行っている。
【0024】
図60に示すX軸方向に並行して配設された複数本の光導波路91とY軸方向に並行して配設された複数本の光導波路92とが交差するよう積層された光導波路層は、図58に示すX軸方向に並行して配設された複数本の光導波路91から成る光導波路層に、図59に示すY軸方向に並行して配設された複数本の光導波路92から成る光導波路層を重ねることで得られる。
【0025】
前記光導波路層の夫々には位置合わせマーク94が示されていて、これら位置合わせマーク94を基準にして積層し、図60に示す多層光配線が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開平6−331910号公報
【特許文献2】特開平11−178018号公報
【特許文献3】特開平10−243424号公報
【特許文献4】特開平8−29632号公報
【特許文献5】特開平5−281424号公報
【特許文献6】特開平6−214128号公報
【特許文献7】特開昭60−155552号公報
【特許文献8】特開平11−177123号公報
【特許文献9】特開平10−62825号公報
【特許文献10】特開平10−73775号公報
【特許文献11】特開平9−283776号公報
【特許文献12】特開平8−179178号公報
【特許文献13】特開平5−241044号公報
【特許文献14】特開平6−250031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
上述したように光信号を伝送するに際し、光ファイバ又は、基板上に敷設した光導波路を用いる場合、コネクタによる心線数の制限や、光ファイバ同士、又は、光導波路同士を結合させる際の結合位置の精度が、光信号伝送の妨げとなる場合が生じた。
【0028】
又、一方の光配線基板の光導波路から射出された光が、他方の光配線基板の光導波路に入射される光路中で平行光とされることが望ましいが、従来は、図53に示したように光導波路のコア1の端面を半円形に形成し、端面を通過した光が平行になるよう意図した構成がある。しかしながら、光導波路内では、光が複雑に反射しているので完全な平行光を得ることができなかった。
【0029】
又、光通信の多層配線間で光信号の切換をするクロスコネクト機能を担う光ビアは、その製造プロセスにおいて、温度変化が原因で内部に気泡が生じ、内面に応力が働きクラックが生じるおそれがあった。更に、光導波路から前記光ビアに光が入る際に、光の有する波動性のために進行方向で広がろうとして、光路中での有効な光の進行が妨げられる。
【0030】
又、光導波路を製作する工程中に生じる反りやクラックに対する従来の対策技術は、多層化する光配線基板に対しては充分ではなかった。例えば、特開平8−29632号公報(特許文献4)は、1層のみでは有効であるが、多層化した場合、除去した部分が埋まってしまう。埋まるのを避けるため、多層化するに際しフィルムを層間に挿入することもできるがスリット部に空気層が残ってしまうため熱工程中に空気の熱膨張により応力が発生してしまう問題点が指摘されていた。
【0031】
又、特開平5−281424号公報(特許文献5)は、リッジ型導波路で1層のみの場合は有効であるが、埋め込み方や多層化の場合は、熱膨張によりクラックが発生する欠点があった。
【0032】
一方、特開平6−214128号公報(特許文献6)は、多層化した場合に、応力のバランスを保つためには、光導波路層の両面に応力層を成膜することが必要となり、表と裏の両面を多層化すること必要となり現実的でないのが実情である。
【0033】
又、光ディスク装置等において、光メモリからの情報をピックアップするために用いられるマイクロレンズの製造工程においては、図55(A)に示すように基板61の両面に別々工程で穴(凹部)62を形成するので、上下の位置合わせが難しく、図55(B)に形成されたレンズ63の位置は、ずれ64が生じてしまう欠点があった。このことから、大型基板に用いる場合には、ずれも大きくなり適用が難しい。
【0034】
又、基板自体を光学材料で製作する必要があるので、大型基板とするには強度やコストの点で不利であった。
【0035】
又、従来、光導波路同士を光学的に接続する場合、クラッド上のコアからの光を射出するコア先端部に置かれる球状のレンズは、前記コアとの位置あわせに高精度が要求されていた。しかし、配線基板上に多くの光導波路が設けられている場合には、夫々の光導波路毎に球状レンズを対応させて設けなければならず、しかもその位置合わせは、前記コアの中心と球状レンズの中心とをμm単位の高精度で配置する必要があった。このため、製造工程を難しくするとともに、製造コストも掛かるという欠点があった。
【0036】
又、多層光配線において、従来のプリント基板のように配線の引き回しを可能にするためには、光導波路の交差構造や、層間の光導波路の接続技術に配慮する必要がある。
【0037】
光導波路層を積層する場合、従来のフォトリソグラフィ技術を使った位置合わせでは、数十cm角以上の大きさの基板で、層間光移行部である光ビアを数ミクロン以下の位置精度で形成することは難しい。図57で示した従来例で、2層の光導波路層を積層する場合、光ビアを形成すべき層間の光導波路の交差位置は、導波路層自体が透明であるため、認識できない。このため、位置合わせマーク94を基準にして積層し、パターニングされた光導波路の交差位置を光ビア位置と定め、レーザ加工する。
【0038】
しかしながら、前記位置合わせマークを基準にして光導波路層を積層したとしても、導波路形成用のマスクによる導波路パターンの位置ずれや、導波路の積層プロセスでの熱履歴が原因の位置ずれがあり、光ビアの加工位置にずれが生ずる。基板サイズが大きい場合には、この欠点は、特に、顕著である。
【0039】
又、1000チャンネル以上の高速で大容量のデータ信号を伝送処理する能力を有するクロスコネクト構造を有する光配線基板の実現が望まれていた。
【0040】
本発明は、Nチャンネルの入力光配線と出力光配線を、チャンネル数に依存せずに上下2層に敷設し、層間移行部の夫々の個所において、1対1の光配線同士で層を違えて接続し、有効な多チャンネルのクロスコネクト構造を有する光配線基板を提供することを目的とする。
【0041】
又、本発明は、基板の上下2面に夫々下部クラッド層とコアと上部クラッド層とを形成する光導波路の製造工程において、前記上部クラッド層から前記基板に達する、光ビアとなる略45°斜面を形成する工程を含む光配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明に係る光配線基板は、基板と、前記基板の一方の面に積層されるN個の入力端を有する入力側の複数の光配線と、前記基板の他方の面に積層され、前記基板上で前記N個の入力端と直交するN個の出力端を有する出力側の複数の光配線とを有し、前記入力側の複数の光配線と前記出力側の複数の光配線とは、層間移行部の夫々の個所において、1対1の光配線同士で層を違えて接続されることを特徴とする。
【0043】
本発明に係る光配線基板は、入力光配線の直線部と出力光配線の直線部とを異なる層に配し、屈曲部で層間の移行を行う。これにより、チャンネル数に依存することなくNチャンネル入力をNチャンネル出力に交換でき、大規模なクロスコネクト機能を要する場合にも容易に適応できる。
【0044】
又、本発明に係る光配線基板の製造方法は、基板に下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層上にコア層を形成する工程と、前記コア層上に光導波路パターン層を形成する工程と、前記光導波路パターン層をマスクとしてエッチングし、光導波路となるコアパターンを形成する工程と、前記光導波路パターン層を除去し、前記コアパターンを露出後、上部クラッド層を形成する工程と、前記上部クラッド層から前記基板に達する、光ビアとなる略45°斜面を形成する工程と、前記略45°斜面に反射膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0045】
本発明に係る光配線基板の製造方法によれば、基板上に光配線としての光導波路を、光ビアとなる略45°斜面を有し、容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、第1の実施形態である光配線基板の基本的構成を示す模式的平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線による断面図である。
【図3】図3は、多層光配線の光学的な接続構造を示す断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態の実施例の光配線基板の構成を示す模式的平面図である。
【図5】図5は、第2の実施形態の光配線基板の基本的構成を模式的に示した斜視図である。
【図6】図6は、第2の実施形態の光配線基板の多チャンネルの光導波路の敷設パターンを平面的に示す図である。
【図7】図7は、第2の実施形態の光配線基板の光ビア部分を含む光導波路の断面図である。
【図8】図8(A)〜(D)は、第2の実施形態の光配線基板の光導波路の製造工程を示す工程図(その1)である。
【図9】図9(A)〜(D)は、第2の実施形態の光配線基板の光導波路の製造工程を示す工程図(その2)である。
【図10】図10は、第2の実施形態の光配線基板の実装例を示す平面図である。
【図11】図11は、第2の実施形態の光配線基板の他の実装例を示す平面図である。
【図12】図12(A)は、他の実施形態を示す光配線の敷設状態を示す平面図である。図12(B)は、図12(A)に示す光配線の敷設状態を形成すための一方の光線パターンを示す平面図である。図12(C)は、図12(A)に示す光配線の敷設状態を形成すための他方の光線パターンを示す平面図である。
【図13】図13は、第2の実施形態の光配線基板の他の例を示す斜視図である。
【図14】図14は、光配線基板の更に他の実施形態を示す平面図である。
【図15】図15(A)〜(C)は、図14に示す光配線を敷設する敷設順序を示す平面図である。
【図16】図16は、第3の実施形態を示す多層光配線基板の模式的構成図を示す。
【図17】図17は、第3の実施形態をを示す光導波路に対するレーザ加工によるパターニング方法を説明する図である。
【図18】図18は、第3の実施形態の光配線基板における光導波路のクラッド層に通気用の溝を形成した状態を示す図である。
【図19】図19は、第3の実施形態を示す光導波路のクラッド層の形成工程を説明する図である。
【図20】図20は、第3の実施形態を示す支持基板の形成工程を説明する図である。
【図21】図21は、第3の実施形態を示す支持基板を用いて上下面に光導波路を形成する工程を説明する図である。
【図22】図22は、第3の実施形態を示す上下面に溝を形成する支持基板を用いて光導波路を形成する工程を説明する図である。
【図23】図23は、第3の実施形態を示し、クラッド層内の複数の溝を一括して通気できる通気孔を設ける例を示す模式図である。
【図24】図24は、第3の実施形態の多層光配線において光ビア内に球レンズを挿入する工程を説明する図。
【図25】図25は、第4の実施形態の光配線基板の構成を模式的に示す平面図である。
【図26】図26は、図25におけるX−X線による断面図である。
【図27】図27は、図25におけるY−Y線による断面図である。
【図28】図28は、第4の実施形態の光導波路層が積層された状態を示す断面図である。
【図29】図29(A)〜(D)は、第4の実施形態の光配線基板の製造方法を説明する工程図である。
【図30】図30は、図29に示す実施例に使われるコア層の主成分の化学式を示す。
【図31】図31は、第5の実施形態の光配線基板の層間光移行部の構成を示す断面図である。
【図32】図32は、図31に示す光配線基板の層間光移行部の製造工程図である。
【図33】図33は、第5の実施形態の一実施形態である光配線基板の構成を示す断面図である。
【図34】図34(A)〜(C)は、第5の実施形態である光配線基板の製造工程を示す図である。
【図35】図35(A)〜(D)は、第5の実施形態の他の例である光配線基板の製造工程を示す図である。
【図36】図36(A)〜(C)は、第5の実施形態の更に他の例である光配線基板の製造工程を示す図である。
【図37】図37は、第6の実施形態を示す光導波路の構成を示す概略斜視図である。
【図38】図38は、第6の実施形態を示す図37に示す光導波路の平面図である。
【図39】図39は、図38に示す実施形態の他の例を示す光導波路の平面図である。
【図40】図40は、光導波路同士を光学的に接続する態様を斜視して示す図である。
【図41】図41は、第7の実施形態の光配線基板を示す図であり、図41(A)は、X軸方向に3 本の光導波路が並設された1 層目の光導波路層を示す平面図、図41(B)は、図41のA−A線による断面図である。
【図42】図42(A)は、Y軸方向に3 本の光導波路が並設された2層目の光導波路層を示す平面図、図42(B)は、図42(A)のB−B線による断面図である。
【図43】図43(A)は、図41(A)と図42(A)に示す光導波路層を積層して得られる積層光導波路層の平面図、図43(B)は、図43(A)C−C線による断面図、図43(C)は、図43(A)のD−D線による断面図である。
【図44】図44(A)〜(D)は、図42(B)の断面図で示した光導波路層の製造工程を示す工程図(その1)である。
【図45】図45(A)〜(C)は、図42(B)の断面図で示した光導波路層の製造工程を示す工程図(その2)である。
【図46】図46は、光導波路層を積層したときの光導波路の中心軸及び両光導波路の交差部の検出について説明する図である。
【図47】図47は、光ビア部分を形成するレーザ加工を説明する図である。
【図48】図48は、レーザ加工する際のマスクの移動速度と加工深さの関係を示す特性図である。
【図49】図49は、異なる層間の光導波路同士が光路を直交して光結合する光ビア部分の一例を示す構成図である。
【図50】図50は、光結合される光導波路の端面が夫々シリンドリカルミラーで構成されている例を示す光ビア構造を示す部分的斜視図である。
【図51】図51は、レーザ加工する際のマスクの移動速度と加工深さの関係が45度平面ミラーと、シリンドリカルミラーとで異なることを示す特性図である。
【図52】図52は、異なる層間の光導波路同士が光路を直進して光結合する光ビア部分の一例を示す構成図である。
【図53】図53は、従来の光配線基板における光導波路の光の進行方向を説明する図である。
【図54】図54は、従来の多チャンネルの光信号のクロスコネクト機能を果たす3段構成の光スイッチの構成例を示す図である。
【図55】図55(A)、(B)は、従来の光ディスク装置等に使用されるマイクロレンズの製造工程においてレンズ間の位置ずれが生じる例を示す図である。
【図56】図56は、導波路同士を光学的に接続するために、光導波路の先端に対向してボールレンズが配置される光導波路の従来例を示す斜視図である。
【図57】図57は、光配線基板における、光導波路層を積層したときの光学的な接続位置を示す模式的平面図である。
【図58】図58は、複数の光導波路がX軸方向に並行して配置されている光導波層の配置例を示す図である。
【図59】図59は、複数の光導波路がY軸方向に並行して配置されている光導波層の配置例を示す図である。
【図60】図60は、X軸方向に並行して配設された複数本の光導波路とY軸方向に並行して配設された複数本の光導波路とが交差するよう積層された光導波路層を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0048】
(第1の実施形態)
図1は、光配線基板の基本的構成を示す模式的平面図であり、図2は、図1のA−A線による断面図である。
【0049】
基板8上に敷設される光導波路10は、コア1とクラッド2より成る。光信号の伝送部となる前記コア1は、前記クラッド2より屈折率が高い。この場合のクラッド材として、フッ素化ポリイミド樹脂OP1−N3205(日立化成)、屈折率=1.52が用いられる。コア材としては、フッ素化ポリイミド樹脂OP1−N3405(日立化成)、屈折率=1.53が用いられる。
【0050】
前記光導波路10のコア1の光路先端部に連続して、スラブ光導波路3及び平板状凸レンズ4が形成される。前記光導波路10から前記スラブ光導波路3及び平板状凸レンズ4を経て射出された光は、その光路上に設けられた45度ミラー5で光の進行方向を略90度変換される。前記45度ミラー5は、その表面に反射率を向上させるため、金属反射膜若しくは誘電体多層膜7が形成される。
【0051】
この場合の誘電体多層膜は、高屈折率物質と低屈折率物質を交互に積層した構成であり、夫々が、膜厚×屈折率=λ/4、もしくはλ/2(λは波長)なる値に設定されている。高屈折率物質としてZnS(2.35)、TiO2 (2.35)が用いられ、低屈折率物質としてMgF2(1.38)、SiO2(1.46)が用いられる。
【0052】
前記ミラーで反射された光を受光するシリンドリカルレンズ6が前記光導波路10の表面であって、前記光路上に設置される。前記シリンドリカルレンズ6を設置するための位置決めは、前記クラッドの表面に窪みを設けるか、又は、位置決め用の突起9を設け位置合わせをすればよい。
【0053】
上記構成の光配線基板において、光導波路のコア1から進行してきた光は、スラブ導波路3を通過する際に進行方向に対して横方向に広がり、平板状凸レンズ4を経て光の水平成分は、平行光となって射出される。このとき、前記スラブ導波路3の屈折率を前記コア1の屈折率以上とすれば広がり角を小さくでき、ビーム径の小さい平行光を得ることができる。
【0054】
更に、射出光は、45度ミラー5で進行方向を略90度変換され、シリンドリカルレンズ6を経て平行光を得ることができる。ロッドレンズを前記シリンドリカルレンズ6に代えて用いてもよい。
【0055】
図3は、一方の光導波路から射出された光が、光路中で平行光とされ、他方の光導波路に入光され、結合位置の精度を厳密に設定することなく光導波路同士の結合ができる多層光配線の光学的な接続構造を示す断面図である。
【0056】
図3において、一方の光導波路を含む光配線基板及び他方の光導波路を含む光配線基板の夫々は、図2に示す基本的な光配線基板の構成と同一であり、添字を異にする同一参照番号を付し、その構成の説明は省略する。
【0057】
一方の光配線基板を構成する光路中にあるシリンドリカルレンズ6aに対向する位置に他方の光配線基板を構成するシリンドリカルレンズ6bを配置して光導波路同士の結合ができる多層光配線の光学的な接続構造とする。
【0058】
一方のシリンドリカルレンズ6aから得られた平行光は、他方の光配線基板を構成するシリンドリカルレンズ6bに入射され、集光されて光の光路を略90度変換する45度ミラー7bを介して他方の導波路中に導かれる。次いで、平板状凸レンズ4b及びスラブ光導波路3bを順に介してコア1bに光信号は、伝送される。
【0059】
図4は、本実施形態の変形例を示す光配線基板の構成を示す平面図である。コア1とスラブ光導波路3と平板凸レンズ4と45度ミラー5を含む光導波路が平行に複数個、同一クラッド2中に設けられる。夫々の光導波路中に設けられている夫々の45度ミラー5からの光は、共通にクラッド上に設けられた1個のシリンドリカルレンズ6で受光され、夫々が平行光として射出される。1個のシリンドリカルレンズ6で複数の光導波路を一括して対応できるのでコスト上有利である。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図5乃至図15を参照して説明する。図5は、本発明の実施形態に係る光配線基板の基本的構成を模式的に示した図である。基板17の両面にNチャンネル光配線12,13が形成される。入力光配線12は、入力端子14を有し下層に敷設され、出力光配線13は、出力端子15を有し上層に敷設される。
【0061】
入力光配線12及び出力光配線13は、直線状に形成され異なる層上で互いに直交している。このため、前記入力端と出力端とは、矩形状の前記基板17の対向していない辺に設けられる。前記入力光配線12は、夫々が層間光移行部1 6で直角に屈曲され、出力光配線13に接続される。
【0062】
図6は、多チャンネルの光導波路の敷設パターンを平面的に示す図であり、図5と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
前記層間移行部(以下光ビアと称する)6の構成及びその製造方法を図7及び図8を参照して説明する。図7は、前記光ビア6部分を含む光導波路の断面図を示す。尚、説明の便宜上、上層光導波路と下層光導波路とが基板21を挟んで平行に図示されているが、実際は上方から見て配線方向が互いに直交している。
【0064】
前記上層光導波路と下層光導波路は基板21上下面にあって、共に下部クラッド22/コア23/上部クラッド24の三層から構成されている。前記光ビア6は、反射面が45°の傾斜を持つ溝20であり、斜面に金属より成る反射膜25が形成されている。図8(A)〜(D)及び図9(A)〜(D)は光導波路の製造工程を示す工程図である。
【0065】
図8(A)は、基板21上にクラッド層22を積層した図を示す。この場合のクラッド材として、フッ素化ポリイミド樹脂OP1−N3205(日立化成)、屈折率=1.52が用いられる。このフッ素化ポリイミド樹脂は、スピンコートで5〜15μmの厚みに塗布し、所定の条件で加熱し、硬化させる。
【0066】
次に、前記クラッド層22上にコア層23を積層する(図8(B))。コア材としては、フッ素化ポリイミド樹脂OP1−N3405(日立化成)、屈折率=1.53が用いられる。このフッ素化ポリイミド樹脂は、スピンコートで10〜20μmの厚みに塗布し、所定の条件で加熱し、硬化させる。
【0067】
次いで、スッパッタ及びエッチングにより、アルミニウム層24により光導波路パターンを形成する(図8(C))。アルミニウム層24により成る光導波路パターンをエッチングマスクとして、前記コア層22をドライエッチング(RIE)することで、光導波路となる矩形状のコアパターン26を形成する(図8(D))。 前記光導波路パターンを形成した前記アルミニウム層24は、酸で除去され前記コアパターン26を露出する(図9(A))。
【0068】
次いで、前記クラッド層22及び前記コア層23を覆い、上部クラッド層27を積層する(図9(B))。この場合のクラッド材として、フッ素化ポリイミド樹脂OP1−N3205(日立化成)、屈折率=1.52が用いられる。このフッ素化ポリイミド樹脂は、塗布され所定の条件で加熱され、硬化する。前記上部クラッド層27の上面から前記基板に至るまでエキシマレーザを照射して45°の傾斜を持つ溝20を形成し、光ビアを形成する(図9(C))。
【0069】
更に、前記溝20の斜面にスパッタにより金の薄膜を形成し、反射膜28とする(図9(D))。
【0070】
次に、図10及び図11を参照して、外部と接続されるための上記光配線基板の実装構成を説明する。図10は、本発明の光配線基板の実装例を示す平面図であり、光コネクタ29が、前記基板21上の前記入力光配線12の入力端子及び前記出力光配線13の出力端子の夫々を複数本の光ファイバ毎にまとめ、装着される例を示す。
【0071】
図11は、前記入力光配線12の入力端子及び前記出力光配線13の出力端子の夫々に、段差的に光路長が異なる多芯光ファイバ又は、テープ状の光導波路30が接続される例を示す。接続される光ファイバの長さを段階的に変えることでトータルの長さを均一化し、基板上の光ファイバを通過する光信号の同時性の要求を満たすことができる。
【0072】
又、前記入力光配線12の入力端子及び前記出力光配線13の出力端子の夫々に、接続される光配線を前記光配線基板21の材質と同じ材質で形成すれば、トータルの配線長を揃えることで光信号を電気信号に変換する際の損失のばらつきを少なくすることができる。他に、光配線基板中に光を減衰させる手段、例えば金属膜をコア近傍に配置することで光信号を電気信号に変換する際の損失のばらつきを少なくすることができる。
【0073】
次に、本実施形態の光配線基板の他の例について説明する。図12(A)は、光配線基板の平面図である。図に示すように矩形状の基板21におけるN個の入力端14は、前記基板21の対向する2辺に設けられ、N個の出力端15は、前記基板21の前記2辺と異なる対向する2辺に設けられる。これは、図12(B)に示す光配線パターンと図12(C)に示す光配線パターンとを重ね合わせることで得られる。
【0074】
通常の多芯光ファイバのピッチは、250μmである。これと同一ピッチで光導波路を敷設すると、1000チャンネルの場合、25cm以上の基板が必要となるが本構成の場合、およそ半分の大きさの基板で済む。
【0075】
図13は、光配線基板の更に他の例を示す斜視図である。前記光配線が、前記基板21を介して上下に2層ずつ積層される4層の光導波路であり、前記入力端14側及び前記出力端15側から見て各層間のコア配列は、千鳥配列である。
【0076】
本構成も図12で説明したように、上下に光導波路パターンを重ね合わせて形成できる。これによれば、コンパクトな光配線基板を得ることができる。図14は、光配線基板の更に他の例を示す平面図である。基板21上に光配線として光ファイバ素線12aが敷設される。基板の1辺にN個の入力端14を有し、他辺にN個の出力端15を有する。
【0077】
前記基板21上で光ファイバ素線12aは、連続して略L字状に敷設され樹脂で固められる。前記光ファイバ素線12aは、直角に曲げることができないので、最小曲げ半径以上の曲率を有するように略L字状に敷設している。この場合、前記入力側光と前記出力側との光ファイバは同一であり、光路の方向を90度変換したときに、互いに重なり合う個所を有して敷設される。
【0078】
図14に示す光配線基板の構成は、図15(A)に示すように基板21もしくはシート上に、外形250μmのシングルモード光ファイバもしくは、GI型マルチモード光ファイバ素線12aを敷設する。続いて、図15(B)及び図15(C)に示すように順次、光ファイバ素線12aを追加しながら敷設することによって得られる。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態である多層光配線基板について、図16〜図24を参照して説明する。
【0080】
図16は、本実施形態の多層光配線基板の模式的構成図を示す。図は、基板31の上下両面に光導波路32を設けた構成を示す。
【0081】
前記基板31には、前記光導波路32からの光を前記光導波路33へ移行する層間移行部である光ビア34が設けられる。前記基板31の内部に前記光ビア34と外部とを連絡するトンネル構造の溝35が形成される。前記光ビア34内には、光集光部としての球レンズ36が配置される。前記溝35は、内部が空気、又は液体で満たされる。
【0082】
多層光配線基板に溝を設けた例として、特開平10−62825号公報(特許文献9)があるが、溝はコア層に設けられている。特開平10−73775号公報(特許文献10)は、光導波路にスリットから交差部と屈折率の等しい屈折率整合液体を封入することの記載があるが、本実施形態、光ビア内の気泡の圧力による応力を緩和しようとする溝であることと異なる。
【0083】
特開平9−283776号公報(特許文献11)及び特開平8−179178号公報(特許文献12)は、球レンズをモジュールに実装することが開示されているが本実施形態のような光導波路層間の光の層間移行部に用いるものではない。更に、特開平5−241044号公報(特許文献13)は、光ファイバと凸レンズの結合について開示されているが、光導波路層間の移行のための光ビアや、球レンズについては触れていない。特開平6−250031号公報(特許文献14)は、光配線基板に設けられるスルーホールが、断面が露出するとの開示があるが、本実施形態の光ビアは、基板の上下から挟み込まれている構造である。このように、従来の開示技術と本実施形態とは構造上も、その主旨も明らかに異なる。
【0084】
図16に示した本実施形態の多層光配線基板は、リッジ型の光導波路32,33を採用している。導波路材料として、クラッド材は、日立化成工業株式会社の光部品用ポリイミドOPI−N3205が用いられる。
【0085】
前記クラッド材の積層にはスピンコーターが用いられ、アンダークラッド層となる樹脂を積層した後、このクラッド層の屈折率と異なる屈折率を有するコア層の樹脂を積層する。コア材は、日立化成工業株式会社の光部品用ポリイミドOPI−N3405が用いられる。コア層には、図17に示すようなレーザ加工により光導波路のパターンが形成される。
【0086】
コア層49の表面には、レーザ46からのレーザ光をマスク47、結像レンズ48を介して光導波路パターンを作製する。更に、光導波路パターンが形成された前記コア層49の表面にオーバークラッド層を積層して光導波路を形成する。
【0087】
上記図16に示す実施形態においては、通気孔となるトンネル構造の溝35を設けることにより前記光ビア34内で発生した圧力が逃がされ、応力が緩和される。
【0088】
又、光集光部としての球レンズ36の挿入により、前記光ビア34内部での光の損失が減少する。レンズは、球状であるため光ビア内部に挿入するときの方向精度の難度が緩和される。又、前記光ビア34内部を空気で満たすことができるので空気と前記球レンズとの屈折率差が大きくなるため、集光効果が増大する。
【0089】
更に、多層配線基板において適応する場合には、多層に積層する際に球レンズが目印となり、位置精度が向上する。
【0090】
次に、上記実施形態の光配線基板の構成部分について具体的に説明する。図18は、本実施形態の光導波路のクラッド層に通気用の溝を形成した状態を示す図である。
【0091】
光導波路のクラッド層37に複数の光ビア34及びこれら光ビア34間を結ぶ溝35が形成されていることを示す。前記溝35は、図上2箇所において外部に連絡され、溝内は、通気されている。前記溝35は、図17に示すレーザ加工により形成される。
【0092】
次に、図19に示すように前記クラッド層37の一面にフィルム38を挟んで他のクラッド層39を積層しアンダークラッド層40を形成する。前記フィルム38は、前記光ビア35が前記クラッド層39を形成する際の樹脂で埋まるのを防ぐためである。
【0093】
前記アンダークラッド層40の上に図示していないがコア層を積層する。このようにして、クラッド層37内に複数の光ビア34及びこれら光ビア34間を結ぶ溝35が形成される。
【0094】
図20は、本実施形態を示す支持基板の形成工程を説明する図である。
【0095】
2枚の基板を貼り合わせて支持基板を構成し、この支持基板内に複数の光ビアと溝を形成する例である。一方の基板41には、通気用の溝35が、レーザでパターニングされて形成される。前記基板41に他方の基板42が貼り合わされ、上方からレーザ又は、ドリルを用いて光ビア34を形成する。片方の基板にのみ溝が形成される。
【0096】
その後, 図21に示すように2枚の基板で出来た支持基板43の両面に夫々フィルム44,45を介して図示しない光導波路のアンダークラッド層を形成する。図22は、基板の両面に溝が形成される例を示す。図で下面の溝は、図示されない。
【0097】
1枚の基板46の上下面の夫々に複数の光ビア34と、これらビア間を連絡し、外部と通気のために連絡される溝35が形成される例である。前記基板46の両面には夫々フィルム44,45を介して基板に対する上層及び下層の夫々の導波路の下部クラッド層が積層される。
【0098】
図23は、クラッド層内の複数の溝を一括して通気できる通気孔を設ける例を示す模式図である。
【0099】
前記複数の光ビア34に夫々連絡される複数の溝35は、一括して前記クラッド層37の最上面から垂直に設けられた通気孔50に連絡される。前記通気孔50は、クラッド層を製造する最終工程でドリル51用いて形成される。
【0100】
図24は、前記クラッド層37に形成された複数の光ビア34内に夫々球レンズ36を挿入する工程を説明する図である。
【0101】
クラッド37の上面に複数の球レンズ36を散布する。スキージ52を用いてクラッド37の上面を掃き、前記球レンズ36を開口部から空いている光ビア内へ落とし込む。スクリーン印刷の要領で掃く操作を行い前記球レンズ36を光ビア内に収納する。
【0102】
(第4の実施形態)
次に、光配線基板の第4の実施形態を図25乃至図30を参照して説明する。
【0103】
図25は、光配線基板の構成を模式的に示す平面図である。図26は、図25におけるX−X線断面図であり、図27は、図25におけるY−Y線断面図である。
【0104】
図25に示すように、基板53上には、複数の光導波路54が直線状に設けられる。前記複数の光導波路の夫々は、図26、図27に夫々示すように下部クラッド層55、コア層56、上部クラッド層57より構成される。
【0105】
前記直線状の光導波路54の両側には、略平行に一対のスリット58が設けられる。これらスリットによって、複数の光導波路層は夫々基板上で分断される形状とされる。他の光導波路54が、前記スリット58の直線方向と略直角に交わるように配置される場合もある。前記一対のスリット58間は、溝59が形成されて連通される。前記溝59は、図27に示すように前記上部クラッド層57を前記直線状のコア層を直角に横切るように削り形成される。前記スリット58及び前記溝59は、いずれかが前記基板の端で外気と連絡される。
【0106】
図28は、図26に示す第1の光導波路の上部クラッド層上に第2の光導波路60が積層された状態を示す。前記第2の光導波路60は、スリット58がコア層56の長手方向を直角に断つように形成されている。前記第1の光導波路54と前記第2の光導波路60の夫々のスリット58は、前記溝59を介して互いに連通している。
【0107】
次に、図29(A)〜(D)を参照して光配線基板の製造方法について説明する。
【0108】
第1の製造例を以下に説明する。図29(A)に示すように、シリコン基板53上に、光硬化エポキシ樹脂を下部クラッド層55として15μm成膜して、光硬化させた。この光硬化エポキシ樹脂は、屈折率が波長830nmの光に対し1.505であり、商品名−UVR6128(ユニオンカーバイド製)が用いられる。
【0109】
次いで、コア層として光硬化エポキシ樹脂を20μm成膜する。マスク越しに光照射を行い導波路パターンを形成し、これをマスクとしてエッチングし、光導波路となるコアパターンを形成する。このときのコア層は、屈折率が波長830nmの光に対し1.520であり、主成分を図30の化学式に示すビスフェノールAジグリシジルとする屈折率を調整して得られる複数のエポキシ樹脂の混合物より成る。
【0110】
次いで、図29(B)に示すように前記光導波路パターン層を除去し、前記コアパターンを露出後、光硬化エポキシ樹脂を15μmの厚さで成膜した上部クラッド層57を形成し光硬化させた。このときの上部クラッド層57は、屈折率が波長830nmの光に対し1.505であり、商品名−UVR6128(ユニオンカーバイド製)が用いられる。
【0111】
前記上部クラッド層57の上面を平坦化後、エキシマレーザを用いて前記コア層の長手方向の両側に略平行して前記基板53の表面に届くまで削り、一対のスリット58を形成する(図29(C))。図では複数の光導波路層の夫々が、基板53上でスリット58によって分断されることを示す。
【0112】
更に、前記上部クラッド層57の上面をエキシマレーザを用いて5μm削り、前記スリット間を連結する溝59を形成する。(図29(D))。上述のようにして、本実施形態の光配線基板を製造することができる。
【0113】
図28に示すように光配線層を積層する構成は、別途作成した光硬化エポキシ樹脂を用いた導波路フィルムフィルムラミネータで貼り付け光導波路の2層構造とすることができる。
【0114】
第2の製造例は、上記第1製造例とその構成は、以下の点を異にするだけで同一である。
【0115】
即ち、シリコン基板53上に形成される第1層の光導波路は、光硬化エポキシ樹脂を用いて製作され、この第1層の光導波路上に液状のシリコン樹脂を成膜した後、光硬化エポキシ樹脂を用いて成膜して、第2層の光導波路を積層した。ここで、液状のシリコン樹脂は、シリコンオイルでよい。
【0116】
第3の製造例は、シリコン基板53上に下部クラッド55として、フッ素樹脂を10μmの厚さで成膜して、150℃で焼結した。コア層としてフッ素樹脂を10μmの厚さで成膜して、150℃で焼結した。前記コア上にアルミニウムをスパッタした後、レジストを用いて線幅10μmのパターニングを行った。次いで、前記コア用フッ素樹脂をエッチングし、更に、アルミニウムをリン酸と硝酸との混合物でエッチングすることで10μm角の導波路を作成した。
【0117】
前記コア層の上に上部クラッド57用のフッ素樹脂を成膜して上面を平坦化した。前記スリット58及び溝59は、第1の製造例と同様にエキシマレーザを用いて製作した。このようにして製作した光導波路の第1層の上に光硬化エポキシ樹脂を塗布し、その上に第2層の光導波路を積層する。
【0118】
前記第2層の光導波路は、下部クラッド層55としてフッ素樹脂を成膜して、150℃で焼結した。コア層をパターニングした後、上部クラッド層57を成膜して、150℃で焼結した。高圧水銀灯を照射することによって、前記光硬化エポキシ樹脂を硬化させた。このようにして、本実施形態の光配線基板を製造することができる。
【0119】
(第5の実施形態)
次に、図31乃至図36を参照して、光配線基板の第5の実施形態である層間光移行部及びその製造工程を説明する。図31は、本実施形態の光配線基板の層間光移行部の構成を示す断面図である。
【0120】
基板65には、貫通孔66が設けられる。前記貫通孔66には、上下面が凹面形状とされた低屈折率樹脂67が挿入され、前記凹面の窪みに高屈折率樹脂68が埋められる。前記高屈折率樹脂68は、基板の表面に沿って夫々平坦化され一対の凹レンズ69を形成して層間光移行部70とする。上記構成は、前記基板65の上下の2面に配設される例えば光導波路間の光路をつなぐ光ビアとして機能する。
【0121】
図32(A)〜(F)は、図31に示す光配線基板の層間光移行部70の製造工程図である。図32(A)に示す基板65は、ガラスエポキシ樹脂より成り、例えばレーザドリルで削り貫通孔66を設ける(図32(B))。
【0122】
次に、前記基板65の上面を一面に低屈折率樹脂であるフッ素化エポキシ樹脂67を塗布し、前記基板面上にスキージを移行させて、前記樹脂67を前記貫通孔66内に埋め込み、その後焼結する(図32(C))。
【0123】
前記基板65の研磨速度を前記低屈折率樹脂67の研磨速度よりも小さくするという条件で前記低屈折率樹脂67の表面を研磨し、その表面を凹面形状にする(図32(D))。このとき、研磨時間や、圧力条件などを変更することにより、凹面の曲率を任意に設定できる。
【0124】
次に、前記低屈折率樹脂67の凹面に、ビスフェノールを硬化材とするエポキシ樹脂を高屈折率樹脂68として充填し、その後焼結する(図32(E))。前記基板65の表面に沿って前記高屈折率樹脂68を研磨して、平坦化し前記基板の両表面に一対の凹面レンズ69を形成する(図32(F))。このとき、前記一対の凹面レンズ69、69の設定位置は、前記貫通孔66を形成した時点で決められ、移動することもなく正確に定まる。従って、光ビアとして前記基板65の上下面に配設されている光配線間の光路を上下に中心位置の合った一対の凹面レンズを通じて光学的に接続できる。
【0125】
次に、図33を参照して、本実施形態である光配線基板について説明する。図33は、基板65に設けられる層間光移行部の光ビア部分の構成は、図31に示す構成と同一であり、同一符号を付してその説明を省略する。
【0126】
前記基板65の上下面には、夫々光導波路71,72が敷設される。前記光導波路71,72は、コア層73とクラッド層74とから成り、夫々の端面は、前記光ビア70の面上で45度に傾斜した45度ミラー75が設けられる。
【0127】
一方の光導波路71から前記基板65に平行に進行した光は、前記45度ミラー75で90度、光路が変更され前記光ビア70内で前記一対凹面のレンズ69に発散と集光が行われて、他方の光導波路72へ伝播される。
【0128】
次に、図34(A)〜(C)を参照して、他の実施形態である光配線基板の製造工程について説明する。
【0129】
図34(A)に示す基板65に形成された貫通孔66内に充填される低屈折率樹脂67の上下の凹面は、一方の凹面78よりも他方の凹面79の研磨深さを深くする。両凹面の研磨条件を変えることで凹面の曲率を変えることができる。前記凹面78,79に高屈折率樹脂68を充填した後、基板面に沿って表面を平坦化して曲率の異なる凹レンズ69を形成する(図34(B))。
【0130】
次に、前記基板65の上面はスペーサ80を介して光導波路71が敷設され、下面には、他の光導波路72が敷設される(図34(C))。この光導波路71からの光は、前記スペーサ80の存在のため、放射面積が大きくなる。しかしながら、前記凹面79の曲率が大なので前記凹レンズ69における集光効果が著しく、他方の凹レンズ69を介して他方の光導波路72に有効に伝播される。
【0131】
次に、図35(A)〜(D)を参照して、本実施形態の他の例である光配線基板の製造工程について説明する。図35(A)に示す基板65は、ガラスエポキシ樹脂より成り、例えばレーザドリル81で削られ、貫通孔66が形成される(図35(B))。前記貫通孔66は、前記基板65に炭酸ガスレーザ81を照射することによって得られる。炭酸ガスレーザ81をスパイラル状に移動させ、円加工を行うことで前記貫通孔66の側面は、テーパー状の断面形状となる。
【0132】
次に、前記基板65の上面を一面に低屈折率樹脂であるフッ素化エポキシ樹脂67を塗布し、前記基板面上にスキージを移行させて、前記貫通孔66の径の大なる開口から前記樹脂67を前記貫通孔66内に埋め込み、その後焼結する。次いで、前記基板65の研磨速度を前記低屈折率樹脂67の研磨速度よりも小さくするという条件で前記低屈折率樹脂67の表面を研磨し、その表面を凹面形状にする。
【0133】
次に、前記低屈折率樹脂67の凹面に、ビスフェノールを硬化材とするエポキシ樹脂を高屈折率樹脂68として充填し、その後焼結する。前記基板65の表面に沿って前記高屈折率樹脂68を研磨して、平坦化し前記基板の両表面に一対の凹面レンズ69を形成し、光インターフェース84を完成する(図35(C))。
【0134】
前記光インターフェース84が形成された前記基板65の一方の面には、光導波路72が敷設される。前記光インターフェース84を介して光路を変更された光は、前記基板65の他方の面に固定部82で固定された受光素子83によって受光される(図35(D))。このとき、前記基板下部の光導波路72からの光は、前記光インターフェース84内で出射角をもって広がるが、前記溝66がテーパー状であるため通過する光は前記基板65に当たることなく、前記基板上部の前記受光素子83に効率よく到達できる。
【0135】
次に、図36(A)〜(C)を参照して、本実施形態の他の例である光配線基板の製造工程について説明する。前記基板65に貫通孔66を形成し、前記貫通孔65内に低屈折率材より成るフッ素化エポキシ樹脂67を挿入し、オーブン82内で前記貫通孔66の一方の端から加圧する(図36(A))。
【0136】
その結果、前記フッ素化エポキシ樹脂67の一方の端は、凹面に形成され、他方の端は、凸面に形成され、その後焼結される(図36(B))。前記凹面に高屈折率樹脂68を充填し、その後焼結し、更にその表面を研磨して、平坦化し凹面レンズ69を形成する(図36(B))。前記光ビア70が形成された前記基板65の一方の面には、光導波路72が敷設され、前記光ビア70を介して光路を変更された光は、前記基板65の他方の面に固定部82で固定された受光素子83によって受光される(図36(C))。
【0137】
このとき、前記フッ素化エポキシ樹脂67の凸部は、空気と接する部分で空気との屈折率の差が大きくなり、より大きな集光が得られる。このため、基板下部の光導波路72と、基板上部の受光素子83との間で効率よく光学的に結合できる。
【0138】
(第6の実施形態)
次に、光配線基板の第6の実施形態を図37乃至図38を参照して説明する。
【0139】
図37は第6の実施形態を示す光導波路の構成を示す概略斜視図である。図37に示すように基板90上に、スピンコート法を用いてクラッド層85及びコア層86を積層する。前記コア層86からの光を放出する先端部は、メタルマスクにより凸形状となるようエッチングにより凸型先端部88を形成する。
【0140】
前記凸型先端部88に対向する位置で前記クラッド85上にシリンドリカルレンズ89を配置する。このとき、前記コア86の長手方向の中心線の延長上に前記シリンドリカルレンズ89の曲率中心があるよう両者は、配置される。
【0141】
図38は、図37に示す光導波路の平面図である。前記コア86の凸形状の先端部は、前記コア86の屈折率と同じ屈折率を有する部材であれば別部材で構成してもよい。
【0142】
図39は、図38に示す前記コア86の他の例を示す光導波路の平面図である。前記コア86は、先端部に向かって末広形状とする形状であり、先端部は、凸形状である。
【0143】
図40は、光導波路同士を光学的に接続する態様を斜視して示す図である。一方の光導波路は、コア86と、前記コア86の周囲を覆い、前記コアの屈折率と異なる屈折率を有するクラッド85とで構成される。
【0144】
前記コア86の先端部が前記クラッド85から空気中に露出して基板90上に支持される。前記一方の光導波路に対向する位置に、光学的に接続される他方の光導波路が配置される。前記コア86は、空気中に露出している先端部88を有し、周囲をクラッド85で覆われている。前記クラッドの屈折率は、前記コアの屈折率と異なる。
【0145】
一方の光導波路の露出している凸形状の端部88から射出された光は、他方の光導波路の露出している凸形状の端部88に集光され、光信号の伝播を結合効率良く行うことができる光学的接続構造を得ることができる。
【0146】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態である光配線基板及びその製造方法、及び多層光配線基板について図41乃至図51を参照して説明する。
【0147】
図41(A)は、1層の光導波路層を示す平面図であり、図41(B)は、図4 1(A)のA−A線断面図である。図41(A)、(B)は、基板上に3本の光導波路が、X軸方向に並行して配設された光配線を示す。前記光導波路は、夫々コア91と、前記コア91の周囲を覆うクラッド95、96とより成る。前記夫々の光導波路の両側は、コア91の軸心を中心にして軸対象に光透過率の低い光吸収部材97が並行して埋め込まれ第1層の光導波路層が形成される。
【0148】
図42(A)は、2層目の光導波路層を示す平面図であり、図42(B)は、図42(A)のB−B線断面図である。図42、図43は、基板上に3本の光導波路が、Y軸方向に並行して配設された光配線を示す。前記夫々のコア92とクラッド95、96より成る光導波路の両側は、コア91の軸心を中心にして軸対称に光透過率の低い光吸収部材97が並行して埋め込まれ第2層目の光導波路層が形成される。
【0149】
図41(A)、図42(A)に示す光導波路層上から垂直に光を照らした時、光吸収部材97を設けたため、光導波路部分が明るく認識できる。図43(A)に示すように、前記第1層の光導波路層の上に前記第2の光導波路層を重ね合わせ照明すると格子状に前記各層の導波路の交差部分が明るく認識される。各格子状の中心93が前記導波路の交差位置の中心である。
【0150】
図43(B)は、図43(A)のC−C線断面図であり、図43(C)は、図43(A)のD−D線断面図である。次に、図42(B)の断面図で示した光導波路層の製造工程を図47、48を参照して説明する。基板98上に低屈折率の樹脂を塗布し、この樹脂を光硬化させて第1のクラッド層95を形成する(図44(A))。
【0151】
前記第1のクラッド層95上に高屈折率の樹脂を塗布してコア層92を成膜後(図44(B))、マスク99を介して露光処理し(図44(C))、その後現像処理してコア部92を形成する(図44(D))。次に、前記コア部92を覆い第2のクラッド層96をディップ法などで形成する(図45(A))。
【0152】
前記第2のクラッド層97上に光吸収率の高い部材で光吸収層97を形成する(図45(B))。次に、前記光吸収層97を平坦化し(図45(C)、前記コア92の軸対称に光透過分布領域を形成する。
【0153】
図42(B)の断面図は、理想的な光導波路層を示しているが、図43(C)の断面図で示す光導波路層であれば、前記コア92の軸対称に光透過分布領域を形成し、光導波路の中心軸を認識するのに充分である。
【0154】
次に、図43(A)で説明した第1層及び第2層の光導波路層を積層した場合の光導波路の中心軸及び両光導波路の交差部の検出について、図46を参照して説明する。光配線基板の背面から光を照射し、CCDカメラ等で画像化するとコア軸を中心に軸対称に形成された光透過率分布領域97が検出できる。
【0155】
更に、画像処理によって、光導波路同士の交差位置の中心座標を求めることができる。交差位置の中心座標は、X軸上、光強度が閾値を越えているX座標x1とx2とを検出し、座標点(x1+x2)/2をY軸方向に配置されている光導波路の中心軸の座標と認識する。同様に、Y軸上、光強度が閾値を越えているY座標y1とy2とを検出し、座標点(y1+y2)/2をX軸方向に配置されている光導波路の中心軸の座標と認識する。
【0156】
上記X軸上及びY軸上の夫々の中心線の交差点を中心座標と定め、この位置に光ビアを設ければよい。複数の光導波路が層を違えて互いに交差している場合も、複数の交差点を、夫々座標上の番地として順次認識し、その位置で光ビアを形成する。前記光ビアは、積層された光導波路層の一方の層から他方の層へ光路を変更するため光を射出する端面と受光する端面をエキシマレーザ加工機によって所望の形状に加工する。
【0157】
前記エキシマレーザ加工機は、上述した画像認識による光導波路交差部の検出系の動作と連動させ、図47に示すレーザ加工マスク100の開口部108を移動させ、前記光ビア部にある光導波路の端面をレーザ加工する。レーザ加工する際の加工の深さは、図48の曲線aに示すように、マスク100の移動速度が速ければ浅く、速度が遅ければ深く加工される。
【0158】
図49は、異なる層にある光導波路101、102同士を光学的に接続するのに光導波路の端面を夫々45度傾斜したミラー103の形状に加工した例を示す。光ビア部の加工は、画像認識による光導波路交差部の検出系の動作と連動しているので交差位置をその都度検出しながら加工することができるので、位置ずれなく加工できる。
【0159】
更に、加工されるミラー面に図示されてないが、反射率の高い金(Au)などの金属スパッタ、メッキなど公知の手法で薄膜を形成することによって、光導波路内を伝播する光の反射率を高めることができる。この光ビア部で光路は、90度変更される。
【0160】
次に、異なる層間の光導波路の光学的な接続構造についての実施形態を図50乃至図52を参照して説明する。
【0161】
図50は、異なる層にある光導波路101,102の端面が夫々シリンドリカルミラー104,105に構成され、互いに軸が直交する配置とされる光ビア構造を示す。シリンドリカルミラーを作るためのシリンドリカル面の加工方法は、レーザ加工時の図47に示したスリットマスク100の移動速度を調節することで得られる。
【0162】
図51に示すように、45度の平面ミラーの製作時のマスクの移動曲線aに比べ、シリンドリカルミラーの製作時のマスクの移動曲線bは、初期の速さをはやくし、最終移動時の速さを緩くすることでシリンドリカル面が得られる。
【0163】
マルチモード導波路の場合は、伝播する光の進行方向が定まらないので、光ビアを通過する際に、光の広がりによる損失が発生しやすい。上述したように一組の45度ミラーを互いに軸が直交するシリンドリカル面とすることによって、光集光性を持たせ、結合効率を向上させることができる。
【0164】
異なる層にある光導波路の軸がねじれて、略直交する配置の場合でも同様のレーザ加工を夫々の端面に施すことで、相互に軸が直交するシリンドリカル面を形成できる。
【0165】
次に、図52を参照して、異なる層間で平行に、光導波路102,103を直線上に配置した場合の例を説明する。
【0166】
前記光導波路102,103の光結合する夫々の端面は、45度ミラー106,107が形成されている。前記光導波路101,102の軸に対して軸対称に光透過率分布が成されていれば、両光導波路の軸心を認識でき、軸心上の任意の位置を光ビア部とすることができる。
【0167】
(付記1)基板と、前記基板上に形成されるコアとクラッドよりなる光導波路と、前記光導波路の光路先端部に連続して形成されるスラブ光導波路及び平板状凸レンズと、前記凸レンズを通過した光を前記基板の面に交差する方向に反射するミラーと、前記ミラーで反射された光を平行光とするレンズとを有することを特徴とする光配線基板。
【0168】
(付記2)前記ミラーは、表面に金属反射膜及び誘電体多層膜のいずれか一方により形成されていることを特徴とする付記1に記載の光配線基板。
【0169】
(付記3)クラッド、コア、スラブ光導波路、平板凸レンズ及び反射鏡を含み、光路を形成する光導波路が、平行に複数個設けられ、夫々の光導波路に設けられている夫々の反射鏡からの光は、共通に設けられた1個のシリンドリカルレンズによって夫々平行光となることを特徴とする光配線基板。
【0170】
(付記4)第1基板と、前記基板上に形成されるコアとクラッドよりなる第1光導波路と、前記第1光導波路の光路先端部に続いて形成される第1のスラブ光導波路及び第1平板状凸レンズと、前記第1平板状凸レンズを通過した光を前記基板の面に交差する方向に反射する第1ミラーと、前記第1ミラーで反射された光を平行光とする第1レンズと、を有する第1光配線基板と、前記第1のレンズに対向して配置され、前記第1のレンズからの平行光を入射し集光する第2のレンズと、第2基板と、前記第2のレンズを通過した光を前記第2基板の面に平行な方向に反射する第2ミラーと、前記第2基板上に形成されるコアとクラッドよりなる第2光導波路と、前記第2光導波路の端部に続いて形成され、前記第2ミラーで反射された光を通す第2の平板状凸レンズ及びスラブ光導波路と、を有する第2の光配線基板とを有し、前記第1の光配線基板と前記第2の光配線基板との間で光信号を接続することを特徴とする多層光配線。
【0171】
(付記5)基板と、前記基板の一方の面に積層されるN個の入力端を有する入力側の複数の光配線と、前記基板の他方の面に積層され、前記基板上で前記N個の入力端と直交するN個の出力端を有する出力側の複数の光配線とを有し、前記入力側の複数の光配線と前記出力側の複数の光配線とは、層間移行部の夫々の個所において、1対1の光配線同士で層を違えて接続されることを特徴とする光配線基板。
【0172】
(付記6)前記N個の入力端は、前記基板の第1の辺に設けられ、前記N個の出力端は、前記基板の第1の辺に隣り合う第2の辺に設けられることを特徴とする付記5に記載の光配線基板。
【0173】
(付記7)前記N個の入力端は、前記基板の対向する2辺に設けられ、前記N個の出力端は、前記基板の前記2辺と異なる対向する2辺に設けられることを特徴とする付記5に記載の光配線基板。
【0174】
(付記8)前記光配線は、光導波路であり、2層間の前記層間移行部は、前記入力側の前記光導波路と前記出力側の前記光導波路の夫々において、互いに対向し、光路を直交して変更する一対の斜面ミラーが設けられていることを特徴とする付記5に記載の光配線基板。
【0175】
(付記9)前記光配線は、前記基板を介して積層される4層の光導波路であり、各層間のコア配列は、千鳥配列であることを特徴とする付記5に記載の光配線基板。
【0176】
(付記10)前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方に、前記基板上での異なる光路長を全長で均一になるように補完する光ファイバが接続されていることを特徴とする付記5に記載の光配線基板。
【0177】
(付記11)基板と、前記基板上に敷設され、基板の1辺にN個の入力端を有し、他辺にN個の出力端を有し、前記基板上に略L字状に敷設された複数の光ファイバとにより構成されたことを特徴とする光配線基板。
【0178】
(付記12)前記複数の光ファイバは、互いに重なり合って敷設される個所を有することを特徴とする付記11に記載の光配線基板。
【0179】
(付記13)基板に下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層上にコア層を形成する工程と、前記コア層上に光導波路パターン層を形成する工程と、前記光導波路パターン層をマスクとしてエッチングし、光導波路となるコアパターンを形成する工程と、前記光導波路パターン層を除去し、前記コアパターンを露出後、上部クラッド層を形成する工程と、前記上部クラッド層から前記基板に達する、光ビアとなる略45°傾斜を形成する工程と、前記略45°の斜面に反射膜を形成する工程と、を有することを特徴とする光配線基板の製造方法。
【0180】
(付記14)基板と、前記基板の上下面に異なる光配線層を形成する光導波路と、光配線層間を結ぶ光ビアと、前記光ビア内と外部とを連絡する溝又は孔とを有することを特徴とする多層光配線基板。
【0181】
(付記15)前記溝又は孔は、前記導波路に形成されることを特徴とする付記14に記載の多層光配線基板。
【0182】
(付記16)前記溝又は孔は、前記基板に形成されることを特徴とする付記14に記載の多層光配線基板。
【0183】
(付記17)前記光ビアは、前記クラッド層内で前記コア数に対応して複数個設けられ、前記複数の光ビアは、少なくとも隣接する光ビア同士を共通の溝又は孔で連結され、外部に連絡されることを特徴とする付記14に記載の多層光配線基板。
【0184】
(付記18)前記クラッド層内で、前記複数の光ビアに夫々連絡された複数の孔は、前記クラッド層上面から垂直に設けられた通気孔に連絡されることを特徴とする付記17に記載の多層光配線基板。
【0185】
(付記19)前記孔は、前記光導波路と前記基板との境界面に形成されることを特徴とする付記14に記載の多層光配線基板。
【0186】
(付記20)基板と、前記基板の上下面に異なる光配線層を形成する光導波路と、光配線層間を結ぶ光ビアと、前記光ビア内と外部とを連絡する孔と、前記光ビア内に収納される光集光部とを有することを特徴とする多層光配線基板。
【0187】
(付記21)基板と、前記基板上に形成される下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層より成る光導波路と、前記コア層の両側に略平行して配設される一対のスリットと、前記上部クラッド層に設けられ前記一対のスリット間を連結する少なくとも一個の溝とを有することを特徴とする光配線基板。
【0188】
(付記22)前記スリット及び前記溝の少なくともいずれか一方が外気と連通していることを特徴とする付記21に記載の光配線基板。
【0189】
(付記23)前記スリットの幅は、前記導波路の幅より小であることを特徴とする付記21に記載の光配線基板。
【0190】
(付記24)前記スリットと略直角に交差する他の光導波路を更に有することを特徴とする付記21に記載の光配線基板。
【0191】
(付記25)基板上に形成される下部クラッド層、コア層及び上部クラッド層より成る光導波路と、前記コア層の両側に略平行して配設される一対のスリットと、前記上部クラッド層に設けられ前記一対のスリットを連結する少なくとも一個の溝とを有する第1の光配線層と、前記第1の光配線層上に積層され、前記第1の光配線層の前記一対のスリットのいずれか一方と前記溝を介して連通されるスリットを持つ少なくとも一対のスリットを有する前記第1の光配線層と同一構成の第2の光配線層とにより構成されていることを特徴とする多層光配線基板。
【0192】
(付記26)基板上に下部クラッド層を形成する工程と、前記下部クラッド層上にコア層を形成する工程と、前記コア層上に作成した光導波路パターン層をマスクとしてエッチングし、光導波路となるコアパターンを形成する工程と、前記光導波路パターン層を除去し、前記コアパターンを露出後、上部クラッド層を形成する工程と、前記コア層の両側に略平行して前記基板の表面に届く一対のスリットを形成する工程と、前記上部クラッド層に設けられ前記一対のスリット間を連結する少なくとも一個の溝を形成する工程とを有することを特徴とする光配線基板の製造方法。
【0193】
(付記27)基板と、前記基板の一方の面に形成される光導波路層と、前記基板の他方の面に形成される受光部と、前記基板中に設けられ、一方の面から他方の面に光路を変更する光の層間移行部とを有する光配線基板において、前記層間移行部は、前記基板に形成された貫通孔と、前記貫通孔内に充填される屈折率の異なる2種の透明物質を重ねて形成される前記基板の少なくとも一方の面に形成されるレンズとにより構成されていることを特徴とする光配線基板。
【0194】
(付記28)前記受光部は、他の光導波路層であり、前記層間移行部は、光ビアであり、前記貫通孔に充填されたとき、上下の両表面が凹面に形成される所定の屈折率を有する第1の透明物質と、前記両凹面に夫々前記第1の透明物質の屈折率より高い屈折率の物質を充填し、前記基板面に沿って表面を平坦化して前記基板面に凹面レンズが形成される第2の透明物質とにより構成されていることを特徴とする付記27に記載の光配線基板。
【0195】
(付記29)前記前記第1の透明物質が形成する前記上下両面は、互いに曲率が異なる凹面が形成されることを特徴とする付記28に記載の光配線基板。
【0196】
(付記30)前記受光部は、受光素子であり、前記層間移行部は、光インターフェイスであり、前記貫通孔は、前記基板の深さ方向に断面がテーパー形状であり、前記基板の上下面に形成される凹面レンズは、互いに径を異にすることを特徴とする付記27に記載の光配線基板。
【0197】
(付記31)前記受光部は、受光素子であり、前記層間移行部は、光インターフェイスであり、前記光導波路から入光される一方の面は、高い屈折率物質より成る凹面レンズが形成され、他方の面は、前記凹面レンズより低い屈折率物質で表面が凸面形状であることを特徴とする付記27に記載の光配線基板。
【0198】
(付記32)基板に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔に所定の屈折率を有する第1の透明物質を充填する工程と、前記第1の透明物質の両表面を研磨し夫々凹面を形成する工程と、前記両凹面に夫々前記第1の透明物質の屈折率より高い屈折率の第2の透明物質を充填する工程とを有することを特徴とする光配線基板の製造方法。
【0199】
(付記33)前記基板に貫通孔を設ける工程は、レーザ光をスパイラル状に移行照射し、前記貫通孔を前記基板の深さ方向に断面がテーパー形状に形成することを特徴とする付記32に記載の光配線基板の製造方法。
【0200】
(付記34)基板に貫通孔を設ける工程と、前記貫通孔内に低屈折率材より成る樹脂を充填する工程と、前記低屈折率材より成る樹脂の一方の面から加圧し、前記一方の面を凹面形状とし、他方の面を凸面形状とする工程と、前記低屈折率材より成る樹脂の凹面に高屈折率材より成る樹脂を充填する工程と、前記基板面に沿って前記高屈折率材より成る樹脂を研磨して平坦化する工程とを有することを特徴とする光配線基板の製造方法。
【0201】
(付記35)コアと、前記コアに接し、前記コアの屈折率と異なる屈折率を有するクラッドとより成る光導波路を基板上で支持し、前記コアの先端部は、凸形状に形成され、前記凸形状の先端部に対向し前記コアの中心に曲率中心が合致するよう配置されたシリンドリカルコイルを有することを特徴とする光配線基板。
【0202】
(付記36)前記凸形状の先端部は、前記コアの屈折率と同じ屈折率を有する部材で構成されることを特徴とする付記35に記載の光配線基板。
【0203】
(付記37)前記コアは、先端部に向かって広がった形状であることを特徴とする付記35に記載の光配線基板。
【0204】
(付記38)コアと、前記コアの周囲を覆い、前記コアの屈折率と異なる屈折率を有するクラッドとより成り、前記コアの先端部が前記クラッドから空気中に露出して基板上に支持される第1の光導波路と、前記第1の光導波路の前記先端部に対向する位置に配置され、空気中に露出している先端部を有するコアと、前記コアの周囲を覆い、前記コアの屈折率と異なる屈折率を有するクラッドとより成り、前記第1の光導波路との間で光信号の伝播を行う基板上に支持される第2の光導波路とにより構成される信号の光学的接続構造を有する光配線基板。
【0205】
(付記39)前記第1の光導波路の先端部は垂直方向を中心軸とする円筒面を有し、前記第2の光導波路の先端部は水平方向を中心軸とする円筒面を有することを特徴とする付記38に記載の光配線基板。
【0206】
(付記40)コアと、前記コアの周囲を覆い、前記コアの屈折率と異なる屈折率を有するクラッドとより成る光導波路層を支持する光配線基板において、前記光導波路層の幅方向に軸対称に光透過率分布領域を形成したことを特徴とする光配線基板。
【0207】
(付記41)積層された第1光導波路及び第2光導波路の交差部における垂直方向の光透過率を他の部分と異ならせることにより、前記交差部の中心位置を検出可能とし、当該中心位置に光導波路層間を光伝播する光ビアが形成されることを特徴とする多層光配線基板。
【0208】
(付記42)X軸に沿って並設され、夫々第1のコアと第1のクラッドで構成される複数の第1の光導波路と、前記第1の光導波路の両側に前記第1のコアの軸心を中心にして軸対象に配設される光透過率の低い第1の光吸収部材とより成る第1の光導波路層と、Y軸に沿って並設され、夫々第2のコアと第2のクラッドで構成され、前記第1の光導波路層の前記第1の光導波路と夫々直交して配設される複数の第2の光導波路と、前記第2の光導波路の両側に夫々前記第2のコアの軸心を中心にして軸対象に配設される光透過率の低い第2の光吸収部材とを有し、前記第1の光導波路層に前記第2の光導波路層が積層されていることを特徴とする多層光配線。
【0209】
(付記43)前記第1光導波路と第2光導波路は、層を違えて互いに直交し、前記交差部における光ビア構造は、前記第1光導波路と第2光導波路の光路の結合面を、互いに軸が直交するシリンドリカル面とすることを特徴とする付記41に記載の多層光配線基板。
【0210】
(付記44)前記第1光導波路と第2光導波路は、層を違えて互いに平行に直進し、前記交差部における光ビア構造は、前記第1光導波路と第2光導波路の光路の結合面を、互いに平面ミラーとすることを特徴とする付記41に記載の多層光配線基板。
【0211】
(付記45)基板上に第1のクラッド層を形成する工程と、前記クラッド層上にコア層を形成後、マスクを介して露光処理しコア部を形成する工程と、前記コア部を覆い第2のクラッド層を形成する工程と、前記第2のクラッド層上に光吸収率の高い部材で第3のクラッド層を形成する工程と、前記第3のクラッド層を平坦化し、前記コアの軸対称に光透過分布領域を形成する工程と、より成ることを特徴とする光配線基板の製造方法。
【符号の説明】
【0212】
1…コア、2…クラッド、3…スラブ導波路、4…平板凸レンズ、5…45度ミラー、6…シリンドリカルレンズ、17、21…基板、12…入力光配線、13…出力光配線、20…V字溝、22,24…クラッド、23…コア、25…反射膜、31…基板、32,33…光導波路、34…光ビア、35…溝、36…球レンズ、37、39…クラッド層、38…フィルム、41,42…基板、43…支持基板、44,45…フィルム、50…通気孔、54…第1の光導波路、55…下部クラッド層、56…コア層、57…上部クラッド層、58…スリット、59…溝、60…第2の光導波路、66…貫通孔、67…低屈折率樹脂、68…高屈折率樹脂、69…凹レンズ、70…光ビア、71,72…光導波路、80…スペーサ、83…受光素子、84…光インターフェイス、85…クラッド、86…コア、89…シリンドリカルレンズ、90…基板、91,92…コア、95,96…クラッド、97…光吸収部材、100…マスク、101,102…光導波路、104,105…シリンドリカルミラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面に積層されるN個の入力端を有する入力側の複数の光配線と、
前記基板の他方の面に積層され、前記基板上で前記N個の入力端と直交するN個の出力端を有する出力側の複数の光配線とを有し、
前記入力側の複数の光配線と前記出力側の複数の光配線とは、層間移行部の夫々の個所において、1対1の光配線同士で層を違えて接続されることを特徴とする光配線基板。
【請求項2】
前記N個の入力端は前記基板の第1の辺に設けられ、前記N個の出力端は前記基板の前記第1の辺に隣り合う第2の辺に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光配線基板。
【請求項3】
前記N個の入力端は前記基板の対向する2辺に設けられ、前記N個の出力端は前記基板の前記2辺と異なる対向する2辺に設けられることを特徴とする請求項1に記載の光配線基板。
【請求項4】
前記光配線は光導波路であり、2層間の前記層間移行部は、前記入力側の前記光導波路と前記出力側の前記光導波路の夫々において、互いに対向し、光路を直交して変更する一対の斜面ミラーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光配線基板。
【請求項5】
前記光配線は前記基板を介して積層される4層の光導波路であり、各層間のコア配列は千鳥配列であることを特徴とする請求項1に記載の光配線基板。
【請求項6】
前記入力端及び前記出力端の少なくとも一方に、前記基板上での異なる光路長を全長で均一になるように補完する光ファイバが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の光配線基板。
【請求項7】
基板に下部クラッド層を形成する工程と、
前記下部クラッド層上にコア層を形成する工程と、
前記コア層上に光導波路パターン層を形成する工程と、
前記光導波路パターン層をマスクとしてエッチングし、光導波路となるコアパターンを形成する工程と、
前記光導波路パターン層を除去し、前記コアパターンを露出後、上部クラッド層を形成する工程と、
前記上部クラッド層から前記基板に達する、光ビアとなる略45°傾斜を形成する工程と、
前記略45°の斜面に反射膜を形成する工程と
を有することを特徴とする光配線基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【公開番号】特開2010−61175(P2010−61175A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287170(P2009−287170)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【分割の表示】特願2001−56009(P2001−56009)の分割
【原出願日】平成13年2月28日(2001.2.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】