説明

光量測定装置

【課題】装置の動作停止時における受光素子による電力の消費を抑制することができる光量測定装置を提供する。
【解決手段】受光した光量に応じた電気信号を出力するフォトダイオード60A,60Bとフォトダイオード60A,60Bに電力を供給する電力供給部52との間に介在された、フォトダイオード60A,60Bと電力供給部52との接続及び切断を切り替えるFET62Aが、CPU40及び駆動制御部66によって、フォトダイオード60A,60Bを動作状態にする場合はフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とを接続し、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態にする場合はフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とを切断するように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受光した光量を測定する光量測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光等に含まれる所定の波長の光量を測定するための光量測定装置が普及している。
【0003】
特許文献1には、可視光領域及び赤外領域に感度を有するフォトダイオードが設けられた光検出領域と、光検出領域の光入射面側に形成された赤外領域の光を遮光するための光学フィルタとを備えた光量測定装置であって、上記フォトダイオードに接続されている電力供給部によって、上記フォトダイオードに逆バイアスを印加することで光量を測定する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、シリコン基板上に2つのフォトダイオードを形成し、可視光領域の光を遮断して赤外領域の光のみを透過させる光学フィルタを、一方のフォトダイオードにのみ設けた半導体光センサ装置であって、上記2つのフォトダイオードに接続されている電力供給部によって、上記2つのフォトダイオードに逆バイアスを印加し、上記2つのフォトダイオードからの出力を減算することで可視光領域の光量を測定する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−337827号公報
【特許文献2】特開2006−332226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、フォトダイオードが電力供給部に直接接続されているため、装置の動作を停止させても、フォトダイオードに光が照射されると、受光した光量に応じた大きさの電流が当該フォトダイオードにより発生する。そのため、一例として、図6に示すように、装置の動作停止時でも、光が照射されると、光が照射されない場合に比較して大きな消費電流(以下、「停止時消費電流」という。)が発生し、電力の消費が促進されてしまう、という問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費を抑制することができる光量測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子と、前記受光素子に電力を供給する電力供給手段と、前記受光素子と前記電力供給手段との間に介在され、前記受光素子と前記電力供給手段との接続及び切断を切り替える電力切替手段と、前記受光素子を動作状態にする場合は、前記電力切替手段によって前記受光素子と前記電力供給手段とが接続され、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記電力切替手段によって前記受光素子と前記電力供給手段とが切断されるように制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
請求項1に記載の光量測定装置によれば、受光素子によって、受光した光量に応じた電気信号が出力され、当該受光素子には電力供給手段によって電力が供給される。
【0009】
なお、上記受光素子には、フォトダイオード、フォトトランジスタ等の光電変換素子が含まれる。
【0010】
ここで、本発明では、受光素子と電力供給手段との間に介在される電力切替手段によって、受光素子と電力供給手段との接続及び切断が切り替えられ、制御手段により、受光素子を動作状態にする場合は、電力切替手段によって受光素子と電力供給手段とが接続され、受光素子を非動作状態にする場合は、電力切替手段によって受光素子と電力供給手段とが切断されるように制御される。
【0011】
なお、上記電力切替手段には、FET(電界効果トランジスタ)、バイポーラ型トランジスタ等の半導体スイッチの他、リレースイッチ等の電気的に断続可能なメカニカルスイッチが含まれる。
【0012】
このように、請求項1に記載の光量測定装置によれば、受光素子を非動作状態にする場合は、受光素子と電力供給手段とを切断するので、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費を抑制することができる。
【0013】
また、本発明は、請求項2に記載の発明のように、前記受光素子から出力された前記電気信号を増幅する増幅手段を更に備え、前記制御手段が、前記受光素子を動作状態にする場合は、前記増幅手段を動作状態にし、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記増幅手段を非動作状態にするように制御してもよい。これにより、装置の動作停止時における電力の消費をより抑制することができる。
【0014】
特に請求項2に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記受光素子と前記増幅手段とを接続する配線と接地部との接続及び切断を切り替える接地部切替手段を更に備え、前記制御手段が、前記受光素子を動作状態にする場合は、前記接地部切替手段によって前記配線と前記接地部とが切断され、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記接地部切替手段によって前記配線と前記接地部とが接続されるように制御してもよい。これにより、装置の動作停止時に受光素子が受光することによって発生した電流が、増幅手段を介した経路で電力供給手段に流れることを防ぐので、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費をより抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した如く、本発明によれば、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費を抑制する、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明を、携帯電話機に適用した場合について説明する。
【0017】
図1に示すように、携帯電話機10は、表示部12、操作部14、及び連結部16を備え、表示部12と操作部14とが連結部16により開閉可能に連結された構造とされている。
【0018】
表示部12は、電話帳、WWW(World Wide Web)ブラウザ、及び文字の入力を補助するための五十音表を含むキーボード画像等の画像を表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)20、表示部12に照射される太陽光や室内光等の光量を測定する光量測定部22、及び音声を出力するスピーカ23を備えている。
【0019】
操作部14には、電話番号や文字の入力、各種動作モードの指示入力等を行なうための複数の操作スイッチ24、及び音声を入力するためのマイク25が設けられている。なお、本実施の形態に係る携帯電話機10の上記動作モードには、他の電話機との間で通話を行う通話モード、WWWプラウザを介して通信を行うWWWモード、光量測定部22で光量の測定を行う光量測定モード等が含まれる。
【0020】
図2に、携帯電話機10の光量測定部22及びその周辺の破断側面図を示す。
【0021】
同図に示すように、光量測定部22は、光を透過させるカバー30、基板32に設けられ、上記カバー30を透過した光の可視光領域の光量を測定し、測定した光量に応じた電圧を出力する光量測定回路34を備えている。
【0022】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る携帯電話機10の光量の測定に関する電気系の要部構成を説明する。
【0023】
同図に示すように、携帯電話機10は、携帯電話機10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)40、各種制御プログラムや各種テーブル情報等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)42、CPU40による各種プログラムの実行時のワークエリアや、各種情報を記憶するために用いられるRAM(Random Access Memory)44、光量測定モードが設定された場合において光量測定回路34から出力された電圧をデジタル情報に変換するADC(Analog Degital Converter)46、ADC46から出力されたデジタル情報をCPU40で処理しやすい形式に変換してCPU40へ出力するインタフェース部48、電話帳、WWWブラウザ等をLCD20に表示させるための信号を生成してLCD20に供給すると共に、LCD20のバックライトを点灯させるLCD駆動部50、携帯電話機10の各構成部に電力を供給する電力供給部52、及び上述した操作スイッチ24、光量測定回路34を備えている。
【0024】
なお、CPU40、ROM42、RAM44、LCD駆動部50、及び操作スイッチ24はシステムバス54を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU40は、ROM42、及びRAM44へのアクセス、LCD駆動部50を介したLCD20による各種情報の表示、及び操作スイッチ24に対する操作状態の把握を、各々行なうことができる。
【0025】
また、本実施の形態に係るCPU40は、光量測定モードが設定されているか否かを示す光量測定モード信号を光量測定回路34に出力する。なお、本実施の形態に係るCPU40は、光量測定モードが設定されている場合は、光量測定モード信号としてハイレベル(High Level)の信号を光量測定回路34に出力する一方、光量測定モードの設定が解除されている場合は、光量測定モード信号としてローレベル(Low Level)の信号を光量測定回路34へ出力する。
【0026】
一方、光量測定回路34は、図3に示されるように、各々受光した光量に応じた電気信号(本実施の形態では、電流)を出力する受光素子であるフォトダイオード60A,60B、フォトダイオード60A,60Bと電力供給部52との間に介在され、フォトダイオード60A,60Bと電力供給部52との接続及び切断を切り替えるFET62A、フォトダイオード60A,60Bから出力された電流を増幅する増幅部64、フォトダイオード60A,60Bと増幅部64とを接続する配線68と接地部70との接続及び切断を切り替えるFET62B、CPU40から出力された光量測定モード信号が入力される駆動制御部66が備えられている。
【0027】
本実施の形態に係るフォトダイオード60A,60Bは、共に可視光領域の波長の光及び赤外領域の波長の光に感度を持っており、フォトダイオード60Bの受光面には、可視光領域の波長の光を透過させないフィルタが設けられている。
【0028】
なお、電力供給部52の出力端子はFET62Aのソースに接続され、FET62Aのドレインはフォトダイオード60Aのカソードに接続され、フォトダイオード60Aのアノードはフォトダイオード60Bのカソードに接続され、フォトダイオード60Bのアノードは接地部70に接続されている。
【0029】
また、フォトダイオード60Aのアノードとフォトダイオード60Bのカソードとの接続は分岐され、配線68を介して増幅部64に接続されている。また、配線68には、FET62Bのソースが接続され、FET62Bのドレインは接地部70に接続されている。さらに、FET62A,62Bのゲートは、各々駆動制御部66に接続されている。
【0030】
増幅部64は、オペアンプ72、及び抵抗74を含んで構成されており、オペアンプ72の反転入力端子は配線68と接続されると共に、抵抗74を介して自身の出力端子と接続される一方、オペアンプ72の非反転入力端子は所定の参照電圧が印加されている。すなわち、増幅部64は、電流電圧変換を兼ねて構成されている。また、オペアンプ72を動作させるための電力が供給される電力供給端子は駆動制御部66に接続されており、オペアンプ72を動作させるための電力は、駆動制御部66を介して電力供給部52から供給されている。
【0031】
駆動制御部66は、CPU40から出力された光量測定モード信号の入力を受け付け、当該光量測定モード信号の状態に基づいて、FET62A,62Bのオン及びオフの切り替え、オペアンプ72の動作状態及び非動作状態の切り替えを行う。
【0032】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る携帯電話機10の作用を説明する。なお、図4は、光量測定モードの設定、及び光量測定モードの設定の解除を示す指示信号が操作スイッチ24を介して入力された場合にCPU40によって実行される光量測定動作制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはROM42の所定領域に予め記憶されている。
【0033】
ステップ100では、光量測定モードが設定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ102へ移行する一方、否定判定となった場合はステップ104へ移行する。
【0034】
ステップ102では、フォトダイオード60A,60Bを動作状態にさせると共に、配線68と接地部70とを切断させ、オペアンプ72を動作状態にさせる。
【0035】
具体的には、ハイレベルの光量測定モード信号を駆動制御部66へ出力する。
【0036】
駆動制御部66は、ハイレベルの光量測定モード信号が入力されると、フォトダイオード60A,60Bを動作状態とするために、FET62Aのゲートに、FET62Aをオン状態とすることが可能な予め定められた電圧(以下、「オン電圧」という。)を印加し、FET62Aによってフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とを接続させる。
【0037】
また、本実施の形態に係る駆動制御部66は、配線68と接地部70とが切断されるように、FET62Bのゲートにオン電圧よりも小さい大きさの電圧(以下、「オフ電圧」という。)を印加してFET62Bをオフ状態にし、さらに、オペアンプ72を動作状態にさせるために、オペアンプ72の電力供給端子に電力を供給する。
【0038】
このように、FET62Aによってフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とが接続されることにより、フォトダイオード60A,60Bには逆バイアスが印加され、受光した光量に応じた大きさの電流を出力する。なお、上述したように、フォトダイオード60A,60Bは、赤外領域の波長の光及び可視光領域の波長の光に感度を持っており、フォトダイオード60Bの受光面には、可視光領域の波長の光を透過させないフィルタが設けられているため、フォトダイオード60Aからは赤外領域及び可視光領域の光量に応じた電流Iが出力され、フォトダイオード60Bからは赤外領域の光量に応じた電流Iが出力される。そして、このときFET62Bがオフ状態とされているため、増幅部64には、電流Iから電流Iが減じられた電流I、すなわち可視光領域の光量に応じた電流が配線68を介して入力され、増幅部64は、入力された電流Iを電圧に変換し、ADC46に出力する。そして、上記電圧は、ADC46によって光量測定回路34で測定された光量を示すデジタル情報に変換され、インタフェース部48を介してCPU40に入力される。CPU40は、上記デジタル情報により示される光量が大きい場合はLCD20のバックライトの光量を少なくし、上記デジタル情報により示される光量が小さい場合はLCD20のバックライトの光量を多くするように制御する。
【0039】
一方、ステップ104では、光量測定モードの設定が解除されている場合であり、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態にさせると共に、配線68と接地部70とを接続させ、オペアンプ72を非動作状態にさせる。
【0040】
具体的には、ローレベルの光量測定モード信号を駆動制御部66へ出力する。
【0041】
駆動制御部66は、ローレベルの光量測定モード信号が入力されると、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態にするために、FET62Aのゲートにオフ電圧を印加し、FET62Aによってフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とを切断させる。
【0042】
また、本実施の形態に係る駆動制御部66は、FET62Bによって配線68と接地部70とが接続されるように、FET62Bのゲートにオン電圧を印加し、オペアンプ72を非動作状態にするためにオペアンプ72への電力の供給を停止する。
【0043】
このように、FET62Aによってフォトダイオード60A,60Bと電力供給部52とが切断されることにより、フォトダイオード60A,60Bに対する逆バイアスの印加は停止され、電力供給部52で消費される電力は抑制される。
【0044】
しかし、フォトダイオード60A,60Bは、逆バイアスが印加されていなくても、受光すると電流を発生する場合がある。そのため、配線68が接地されていない場合は、オペアンプ72が非動作状態となっていても、抵抗74を介した経路から電力供給部52に電流が流れ、電力を消費する可能性がある。そこで、本実施の形態に係る携帯電話機10では、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする場合に、FET62Bによって配線68と接地部70とを接続させることで、フォトダイオード60A,60Bで発生する電流が電力供給部52に流れないようにしている。
【0045】
そして、ステップ102、又はステップ104の処理が終了すると、本プログラムを終了する。
【0046】
図5に、本実施の形態に係る光量測定回路34にFET62Aが設けられている場合と、FET62Aが設けられていない場合の、受光した光量と停止時消費電流との関係の一例を示す。
【0047】
同図に示すように、FET62Aを設けていない光量測定回路では、受光する光量が多くなるに連れて停止時消費電流は大きくなるが、FET62Aを備えている本実施の形態に係る光量測定回路34では、受光する光量が多くなるに連れて停止時消費電流が大きくなることはない。
【0048】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子(ここでは、フォトダイオード60A,60B)と受光素子に電力を供給する電力供給手段(ここでは、電力供給部52)との間に介在された、受光素子と電力供給手段との接続及び切断を切り替える電力切替手段(ここでは、FET62A)が、制御手段(ここでは、CPU40及び駆動制御部66)によって、受光素子を動作状態にする場合は受光素子と電力供給手段とを接続し、受光素子を非動作状態にする場合は受光素子と電力供給手段とを切断するように制御されるので、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費を抑制することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、受光素子から出力された電気信号を増幅する増幅手段(ここでは、増幅部64)を更に備え、制御手段が、受光素子を動作状態にする場合は、増幅手段を動作状態にし、受光素子を非動作状態にする場合は、増幅手段を非動作状態にするように制御するので、装置の動作停止時の電力の消費をより抑制することができる。
【0050】
また、本実施の形態では、受光素子と増幅手段とを接続する配線と接地部との接続及び切断を切り替える接地部切替手段(ここでは、FET62B)を更に備え、制御手段が、受光素子を動作状態にする場合は、接地部切替手段によって配線と接地部とが切断され、受光素子を非動作状態にする場合は、接地部切替手段によって配線と接地部とが接続されるように制御するので、装置の動作停止時における受光素子による電力の消費をより抑制することができる。
【0051】
以上、本発明を上記実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0052】
また、上記実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における組み合わせにより種々の発明を抽出できる。上記実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0053】
例えば、上記実施の形態では、光量測定モードが設定された場合にフォトダイオード60A,60Bを動作状態とし、光量測定モードの設定が解除された場合にフォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯電話機10の表示部12と操作部14とが開かれた場合に、フォトダイオード60A,60Bを動作状態とし、携帯電話機10の表示部12と操作部14とが閉じられた場合に、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする形態としてもよいし、携帯電話機10の電源がオンとされた場合に、フォトダイオード60A,60Bを動作状態とし、携帯電話機10の電源がオフとされた場合に、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする形態としてもよい。
【0054】
また、上記実施の形態では、光量測定部22を表示部12のLCD20が設けられている面(表面)に備えた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光量測定部22を表示部12のLCD20が設けられていない面(裏面)に備えた形態としてもよい。
【0055】
また、上記実施の形態では、本発明に係る光量測定装置を携帯電話機10に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、PDA(Personal Digital Assistant)等の他の携帯型情報端末機器やパーソナル・コンピュータに用いる液晶モニタ、及び液晶テレビ等の画像表示装置や、予め定められた時刻と時刻との間に点灯する街灯等に適用する形態としてもよい。
【0056】
なお、本発明に係る光量測定装置を上記街灯に適用する形態の場合は、上記予め定められた時刻と時刻との間に、フォトダイオード60A,60Bを動作状態とし、光量測定回路34から出力された電気信号に基づいて、街灯が発する光量を制御し、上記予め定められた時刻と時刻との間以外では、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする。
【0057】
また、上記実施の形態では、光量測定回路34で出力された電圧に基づいて、LCD20のバックライトの光量を制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、測定した光量を表示する光量表示装置に適用する形態としてもよい。
【0058】
この形態の場合、上記光量表示装置の電源がオンとされた場合に、フォトダイオード60A,60Bを動作状態とし、上記光量表示装置の電源がオフとされた場合に、フォトダイオード60A,60Bを非動作状態とする。
【0059】
また、上記実施の形態では、光量測定回路34によって可視光領域の光量を測定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤外領域の光量や、紫外領域の光量等、他の領域の光量を測定する形態としてもよい。
【0060】
その他、上記実施の形態で説明した携帯電話機10の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりすることができることは言うまでもない。
【0061】
また、上記実施の形態で説明した光量測定動作制御プログラムの処理の流れ(図4参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりすることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の外観図である。
【図2】実施の形態に係る携帯電話機の光量測定部及びその周辺の破断側面図である。
【図3】実施の形態に係る携帯電話機の光量測定に関する電気系の要部構成を示すブロック図(一部回路図)である。
【図4】実施の形態に係る光量測定動作制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係る光量測定回路にFETが設けられている場合と、FETが設けられていない場合の、受光した光量と停止時消費電流との関係の一例を示すグラフである。
【図6】従来の問題点の説明に供する図であり、照射される光量と停止時消費電流との関係一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0063】
10 携帯電話機
34 光量測定回路
40 CPU
60A フォトダイオード
60B フォトダイオード
62A FET
62B FET
64 増幅部
66 駆動制御部
68 配線
70 接地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子と、
前記受光素子に電力を供給する電力供給手段と、
前記受光素子と前記電力供給手段との間に介在され、前記受光素子と前記電力供給手段との接続及び切断を切り替える電力切替手段と、
前記受光素子を動作状態にする場合は、前記電力切替手段によって前記受光素子と前記電力供給手段とが接続され、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記電力切替手段によって前記受光素子と前記電力供給手段とが切断されるように制御する制御手段と、
を備えた光量測定装置。
【請求項2】
前記受光素子から出力された前記電気信号を増幅する増幅手段を更に備え、
前記制御手段は、前記受光素子を動作状態にする場合は、前記増幅手段を動作状態にし、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記増幅手段を非動作状態にするように制御する請求項1記載の光量測定装置。
【請求項3】
前記受光素子と前記増幅手段とを接続する配線と接地部との接続及び切断を切り替える接地部切替手段を更に備え、
前記制御手段は、前記受光素子を動作状態にする場合は、前記接地部切替手段によって前記配線と前記接地部とが切断され、前記受光素子を非動作状態にする場合は、前記接地部切替手段によって前記配線と前記接地部とが接続されるように制御する請求項2記載の光量測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−133898(P2010−133898A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−312404(P2008−312404)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(308033711)OKIセミコンダクタ株式会社 (898)
【Fターム(参考)】