説明

光電式自動点滅器

【課題】ハウジングの外面とカバーとによって囲まれる空間に浸入した水滴が、ハウジングに設けられた挿通孔を介してハウジング内に浸入し、回路ブロックに水滴が付着してしまうことを防ぎ、さらに、単純な金型構造でハウジングを成型することができる光電式自動点滅器を提供する。
【解決手段】内部に収納した回路ブロック1の操作ツマミ311a,311bを前面に露出する挿通孔211a,211bを設けたハウジング7と、ハウジング7の前面に覆設される化粧カバー1とを備え、ハウジング7は挿通孔211a,211bの上方にひさし250を設けることにより、ハウジング7の表面を流れる水滴が、挿通孔211a,211bを介してハウジング7内に浸入することを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物などに取り付けられて使用される光電式自動点滅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、周囲の照度を検出して、検出した照度が所定照度よりも低くなったときに、外部電源から照明負荷への給電をオンして照明負荷を点灯し、検出した照度が所定照度よりも高くなったときに、外部電源から照明負荷への給電をオフして照明負荷を消灯する、いわゆるEEスイッチと称される自動点滅器が提供されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種の自動点滅器としては、図10(a)(b)、及び図11(a)(b)に示すような自動点滅器が提供されている。図10(a)(b)に示す自動点滅器は、構造物の壁面などに設置されるベース940と、後面を開口してベース940の前面に覆設されるカバー910とでハウジング970が構成され、ハウジング970内には、周囲照度を検出する照度センサを具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロック(図示なし)が収納される。
【0004】
ここで、図10(a)の上方向を自動点滅器の前方、下方向を後方、左上方向を上方、右下方向を下方とした場合、カバー910は、その後面下端をベース940の上端に嵌め合わせた後、下方にスライドさせることでベース940の前面に覆設する。そして、カバー910の下面後端の両側に設けた一対の係止突起911a,911a(一方は図示せず)が、ベース940の前面にL型に形成された係止部942a、942bに係止することでカバー910がベース940に固定される。
【0005】
また、図11(a)(b)に示す自動点滅器は、構造物の壁面などに設置されるベース945と、後面を開口してベース945の前面に覆設される内器カバー925とでハウジング975が構成され、内器カバー925の前面に化粧カバー915が覆設される。ハウジング975内には、周囲照度を検出する照度センサを具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロック(図示なし)が収納される。
【0006】
ここで、図11(a)において、上方向を自動点滅器の前方、下方向を後方、左上方向を上方、右下方向を下方とした場合、化粧カバー915は、その後面下端をハウジング975の上端に嵌め合わせた後、下方にスライドさせることでハウジング975の前面に覆設する。化粧カバー915の前面裏側の略中央には、図15に示すように、係止突起995が設けられており、ハウジング975の前面下端に設けられた係止片943に化粧カバーの係止突起995を係止させることで化粧カバー915がハウジング975に固定される。
【特許文献1】特開2005−050664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の光電式自動点滅器は、照明負荷への給電の入切を切り替える周囲の照度レベル(閾値)などを設定するための操作子は回路ブロックに設けられており、ハウジングの内部に収納されていた。そのため、操作子により照度レベルなどの操作設定を行う際には、例えば、図10(b)に示すようにカバー910をベース940から外したり、図11(b)の内器カバー925をベース945から外すなどをして、操作子を操作する必要があり、操作設定に手間がかかった。
【0008】
また、光電式自動点滅器のハウジング前面に挿通孔を設け、回路ブロックの操作子を露出させた場合、光電式自動点滅器は屋外に配置されるため、水滴がハウジングの挿通孔を介してハウジング内に浸入してしまう。
【0009】
例えば、図10(a)(b)に示す光電式自動点滅器は、ハウジング970はカバー910とベース940とで構成されているため、カバー910に挿通孔を形成した場合、水が直接かかることによって、挿通孔を介して水がハウジング970内に浸入してしまう。
【0010】
また、図11(a)(b)に示す光電式自動点滅器は、ハウジング975は内器カバー925とベース945とで構成されており、内器カバー925の前面には、さらに、化粧カバー915が覆設されている。しかし、化粧カバー915と内器カバー925とのすき間に水滴が浸入した際、内器カバー925の外面を伝って水滴が流れるため、内器カバー925に挿通孔を形成した場合、挿通孔を介して水がハウジング975内に浸入してしまう。
【0011】
そして、ハウジング970及びハウジング975の中には、上記回路ブロックが収納されているため、ハウジング970及びハウジング975の中に浸入した水が、照度センサの検出感度の劣化や、回路ブロック内の抵抗、コンデンサ、IC等の回路素子の短絡などを引き起こしていた。
【0012】
また、従来の光電式自動点滅器は、ハウジングの上面に付着した水を側方に向かって流すための水路を形成した溝を形成していた。例えば、図10の光電式自動点滅器では、ベース940の上面斜視図及び側面図である図12(a)(b)に示すように、溝980はベース940の上端に形成されている。また、図11の光電式自動点滅器のハウジング975の上面斜視図及び側面図である図13(a)(b)では、溝985が内器カバー925の上端に形成されている。この溝980及び溝985を樹脂の成型作業において形成するためには、スライドコア金型を用いる必要があり、金型費用がかさむとともに、成型作業が煩雑になって成型時間がかかり、その結果、製造コストが高くなるといった問題があった。
【0013】
さらに、従来の光電式自動点滅器は、図11の後面斜視図及び側面断面図である図14及び図15に示すように、外部電源や照明負荷から導出された配線981を回路ブロックと電気的に接続するための端子部982と、その端子部982に設けられた、配線981の端部が接続される複数の接続部983が、ハウジング975の後面から後方に向かって露出されていた。このため、配線981を伝う水滴により、端子部982に水滴が付着し、さらには、その水滴がハウジング975の中に浸入し、その結果、回路ブロック(図示せず)に水滴が付着してしまうという問題があった。
【0014】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハウジングの外面とカバーとによって囲まれる空間に浸入した水滴が、ハウジングに設けられた挿通孔を介してハウジング内に浸入し、回路ブロックに水滴が付着してしまうことを防ぎ、さらに、単純な金型構造でハウジングを成型することができる光電式自動点滅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、周囲照度を検出する照度検出手段を具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロックと、内部に回路ブロックを収納するハウジングと、ハウジングの一面に覆設されるカバーとを備え、ハウジングの一面には、回路ブロックに設けた操作子を挿通させる挿通孔を形成した操作面と、操作面の上方からハウジングの幅方向の両端にわたって突出して形成されたひさしとを有することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、ハウジングの外面とカバーとによって囲まれる空間に水滴が浸入し、ハウジングの外面を伝って上方から下方へと流れた際に、操作面の上方に設けられたひさしによって水滴をせき止めて操作面に水滴を流さないことで、水滴が操作面に設けた挿通孔を介してハウジング内に浸入することを防ぎ、これにより、ハウジングの内部に収納した回路ブロックに水滴が付着することを防ぐことができる。また、ハウジングの一面をカバーが覆設しているため、ハウジングに直接水がかかることを防ぐことができ、これにより、ハウジングの内部に収納した回路ブロックに水滴が付着することを一層防ぐことができる。さらに、ひさしはハウジングの一面から突出して形成されているため、単純な金型構造でハウジングを成型することができる。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1において、ひさしは、両幅方向に各々向かうにつれて、下方向に傾斜したテーパー形状であることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、ひさしによってせき止めた水滴がひさしの上面から、両幅方向の各々に向かって流れて、両幅方向先端より水滴が流れ落ちるため、ひさしの上面から前方に水があふれて下方に流れ、その水滴が操作面に達することを防止することができる。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1において、ひさしの上方のハウジングの一面は、鉛直方向に形成された垂直面であり、操作面は、垂直面よりも前記ハウジングの一面に対向する他面方向に位置することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、ひさしの上方のハウジングの一面は垂直面に形成されるので、斜面に形成した場合に比べて、ひさしの突出寸法を大きくすることができる。したがって、ひさしの上面に溜まった水がひさしの先端に達することを抑えることができ、さらには、毛細管現象により水滴がひさしの上面から下面に移動することを防ぐことができる。また、毛細管現象によりひさしの下面に水滴が移動した場合でも、操作面は、垂直面よりもハウジングの一面に対向する他面方向に位置するため、移動した水滴が操作面に達しにくくすることができる。さらに、水滴はハウジングの外面を伝って、垂直面に沿って垂直に流れるため、水滴がひさしの上面を通って、ひさしの先端から流れ落ちることを防ぐことができる。
【0021】
請求項4の発明は、請求項2において、ハウジングの一面の幅方向の両端から連続するハウジングの両側面は、ひさしの前記幅方向の両端上面と連結する溝を形成されたことを特徴とする。
【0022】
この発明によると、ひさしの幅方向に流れた水滴は、ハウジングの両側面に形成された溝を介してハウジングの両側面に流れるため、ひさしの上面に溜まった水滴をすみやかに流すことができる。
【0023】
請求項5の発明は、請求項1において、ひさしは、両幅方向に各々向かうにつれて、下方向に傾斜した円弧形状であることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、ひさしによってせき止めた水滴がひさしの上面から、両幅方向の各々に向かって流れて、両幅方向先端より水滴が流れ落ちるため、ひさしの上面から前方に水があふれて下方に流れ、その水滴が操作面に達することを防止することができる。
【0025】
請求項6の発明は、周囲照度を検出する照度検出手段を具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロックと、内部に回路ブロックを収納するハウジングと、ハウジングの一面に覆設されるカバーとを備え、回路ブロックは、外部からの配線が接続される接続部が鉛直下方向に露出した端子部を備えていることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、回路ブロックは、外部からの配線が接続される接続部が鉛直下方向に露出した端子部を備えているため、外部からの配線は回路ブロックの端子部に対して下方から上方に向かって接続されるため、配線の表面を伝う水滴は、端子部に達しない。これにより、回路ブロックの端子部を伝って回路ブロックに水滴が付着することを防止することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上に説明したように、本発明では、ハウジングの外面とカバーとによって囲まれる空間に浸入した水滴が、ハウジングに設けられた挿通孔を介してハウジング内に浸入し、回路ブロックに水滴が付着してしまうことを防ぐことができ、さらに、単純な金型構造でハウジングを成型することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(実施形態1)
本実施形態の自動点滅器を、図1〜図6を用いて説明する。ここで、図2において、上方向を自動点滅器の上方、下方向を下方、右方向を右方、左方向を左方、手前を前方、奥を後方とする。本実施形態の自動点滅器は、矩形状のベース4と、ベース4の前面に設置される回路ブロック3と、後面を開口してベース4と回路ブロック3の前面に覆設される内器カバー2と、内器カバー2の前面に覆設される化粧カバー1とを備え、ベース4に内器カバー2を覆設することによりハウジング7が構成される。そして、ハウジング7内に水が浸入することを防ぐために、ベース4と構造物の壁面などの設置面との間にパッキン5が設けられる。
【0030】
回路ブロック3は、図3に示すように、周囲照度を検出する照度センサ32を基板31の前面に実装し、照度センサ32が検出した周囲照度に基づいて照明負荷(図示せず)への給電を入切し、照明負荷を点滅させる機能を有する。基板31の前面には、照度センサ32以外に、サイリスタを用いて照明負荷へ供給する電力を制御することで照明負荷の点灯、消灯、調光を行う複数の回路素子群33と、照明負荷への給電の入切を切り替える周囲の照度レベル(閾値)を設定する可変抵抗31aと、可変抵抗31aの抵抗値を変化させる操作ツマミ311aと、照明負荷点灯時の調光レベルを設定する可変抵抗31bと、可変抵抗31bの抵抗値を変化させる操作ツマミ311bと、を実装している。基板31の後面左右上方には、外部電源及び照明負荷を一端に設けた配線85a及び85bが下方から接続される接続部36a,36a(一方は図示せず)を鉛直下方向に露出した端子部35a,35bを実装している。また、基板31の両側下方には、ベース4に内器カバー2を固定する後述の取り付けネジ6が挿通する切欠部34a,34bを形成され、基板31の上端略中央と下端略中央には、切欠部34c,34dが設けられている。
【0031】
ベース4は、例えば、不透光性の合成樹脂などにより、上方に矩形の開口部43a,43bを左右方向に並設した略長方形の平板状に形成されている。また、ベース4の四隅には、ベース4と内器カバー2とを固定するための取り付けネジ6が後方から挿通される挿通孔41が形成されており、ベース4の上端略中央と下端略中央には、支持凹部42a,42bが設けられている。
【0032】
内器カバー2は、図3,図4に示すように、例えば不透光性の合成樹脂などにより、下方に向かうにしたがって前方に突出する曲面状の上面2aと、上面2aの下端と連結して、鉛直方向に形成された垂直面2cと、垂直面2cの下端と連結して、下方に向かうにしたがって後方に傾斜した段差面2dと、段差面2dの下端と連結して、下方に垂直方向に形成された操作面217と、操作面217の下端と連結して、下方に向かうにしたがって後方に傾斜した平面状の下面2bとを備えている。
【0033】
操作面217には、挿通孔211a,211bと、採光孔212が設けられており、挿通孔211a,211bは、基板31上の操作ツマミ311a,311bが挿通して操作面217から前方に突出し、採光孔212を介して照度センサー32が前方に露出する。
【0034】
また、操作面217の前面には、挿通孔211a,211bと採光孔212にそれぞれ対応した孔220a,220b,220cを設けた設定説明ラベル220が貼られており、設定説明ラベル220には、操作ツマミ311aによる自動点滅器の照明負荷への給電の入切を切り替える照度レベルの操作設定と、操作ツマミ311bによる照明負荷点灯時の調光レベルの操作設定を示した説明が記載されている。
【0035】
さらに、内器カバー2の段差面2dの上端には、前方に突出したひさし250を左右方向に形成し、ひさし250の左右両側端の各々からは、下方に延設されて、内器カバーの側面に連続した左鍔部260a及び右鍔部260bを形成している。
【0036】
ひさし250は、内器カバー2の左右方向略中央に形成された中央部251cと、中央部251cから内器カバー2の左端に向かうにつれて下方に傾斜した左テーパー部251aと、中央部251cから内器カバー2の右端に向かうにつれて下方に傾斜した右テーパー部251bとからなり、テーパー形状となっている。
【0037】
内器カバー2の内側の四隅には、取り付けネジ6を螺入させるためのネジ孔(図示せず)が設けられており、ベース4の挿通孔41を挿通したネジ6が当該ネジ孔に螺入することで内器カバー2がベース4に取り付けられる。内器カバー2の内面の上部及び下部には、左右方向の略中央から支柱部213a,213bが突設している。
【0038】
内器カバー2の上面2aの上端略中央には、凹部214aが設けられており、その凹部214a上端には、化粧カバー1に設けられた係止部12を係止する、U字状の被係止部214が設けられている。
【0039】
内器カバー2の下面2bの下端からは、線状の切欠215a,215aが上方に向かって形成され、切欠215aと215aとの間には、撓み片215が形成される。そして、撓み片215の表面下端略中央には矩形の操作片216を下方に突出して設けており、操作片216の両側では、撓み片215の裏面下端に沿って、化粧カバー1に設けられたロック爪13,13(図5参照)を係止する帯状の係止突起(図示せず)が設けられている。また、図6に示すように、操作片216の裏面両側下端から撓み片215の裏面上端に亘って上方に垂直に突出した板状のリブ219a,219aが、前方から後方に向かうにしたがって下方に傾斜して形成されている。そして、撓み片215の裏面両側下端から撓み片215の裏面上端に亘って上方に垂直に突出した板状のリブ219bが、前方から後方に向かうにしたがって下方に傾斜して形成されている。
【0040】
化粧カバー1は、図3,図5に示すように、不透明性の合成樹脂などにより、後面を開口して形成しており、上面1aは下方に行くほど後面からの突出寸法を大きくするように前方に曲面状に傾斜しており、下面1bは上方に行くほど後面からの突出寸法を大きくするように前方に平面状に傾斜している。下面1bには、周囲の光を照度センサ32に取り込むための採光孔11が形成され、採光孔11には、透明性の合成樹脂などからなる採光窓111が化粧カバー1の後方から装着されている。化粧カバー1の上端略中央からは、図5に示すように、後端が上方に屈曲した係止片12bを備えた突出片12aからなる係止部12が突出しており、係止片12bは内器カバー2のU字状の被係止部214の先端214bに係止する。下面1bの後端略中央には内器カバー2の操作片216が前面に露出可能な切欠凹部121が設けられており、切欠凹部121の両側には、内器カバー2の係止突起に係止する帯状のロック爪13,13が上方に向かって突設している。
【0041】
パッキン5は、自動点滅器内に水が浸入することを防止するためのものであり、例えばゴム材料などで略長方形に形成されており、中央には開口部51を設けている。
【0042】
本実施形態の自動点滅器は上記の部材により構成されており、各部材は次のように配置されている。
【0043】
ベース4の前面に回路ブロック3が載置されると、ベース4の開口部43a,43bからは回路ブロック3の端子部35a,35bが、各々後方へ突出し、端子部35a,35bの下面からは接続部36a,36aが鉛直下方向に露出する。そして、回路ブロック3の基板31に形成された切欠部34a,34bは、ベース4の下方の挿通孔41,41に対向して配置される。
【0044】
次に、回路ブロック3が載置されたベース4の前面に内器カバー2の後面側を覆設し、内器カバー2の内面に設けた支柱部213a、213bが、支持凹部42a,42bにそれぞれ挿通し、支柱部213aの外周に設けた段差部213cが支持凹部42aの下端に設けた鍔部42cに係合し、支柱部213bの外周に設けた段差部213dが支持凹部42bの下端に設けた鍔部42dに係合することで、内器カバー2がベース4に対して位置決めされる。また、基板31上の操作ツマミ311a,311bは内器カバー2の操作面217に形成された挿通孔211a,211bおよび設定説明ラベル220の孔220a,220bに挿通して、内器カバー2の前方に突出しており、基板31上の照度センサ32は内器カバー2の操作面217に形成された採光孔212および設定説明ラベル220の孔220cを介して前方に臨む。
【0045】
そして、取り付けねじ6をベース4の後方から挿通孔41に挿通させ、内器カバー2の裏面に設けたネジ孔(図示せず)に螺入することで内器カバー2がベース4に固定され、ベース4と内器カバー2とによってハウジング7が形成される。
【0046】
その後、化粧カバー1の係止片12bを内器カバー2の凹部214aに挿入し、係止片12bの上面を被係止部214の先端214bに当接させる。そして、係止片12bと先端214bの当接部分を支点にして、化粧カバー1の下端を下方に回動させることで係止片12bが先端214bに係止し、次に化粧カバー1のロック爪13,13を内器カバー2の係止突起に係止させる。これにより、化粧カバー1をハウジング7の前面に覆設する。
【0047】
また、壁面に設置されたパッキン5の前面の外周に沿って形成した嵌合溝52に、ベース4後端の外周を嵌め合わせることで、ベース4にパッキン5が取り付けられる。そして、パッキン5の開口部51から回路ブロック3の端子部35a,35bが後方に露出し、端子部35a,35bの下面からは、接続部36a,36aが鉛直下方に向けて露出する。そして、図6,図7に示すように、端子部35aの接続部36aは外部電源からの配線85aが下方から接続される入力部を構成し、端子部35bの接続部36aは、照明器具からの配線85bが下方から接続される出力部を構成する。
【0048】
そして、回路ブロック3は、化粧カバー1の採光窓111、設定説明ラベル220の孔220c、内器カバー2の採光孔212を介して外部から入射した周囲の光を照度センサ32により検出し、この検出した周囲の照度と所定照度とを比較して、周囲の照度が所定照度よりも低くなったときに、外部電源から照明負荷への給電をオンして照明負荷を点灯し、周囲照度が点灯照度よりも高くなったときに、外部電源から照明負荷への給電をオフして照明負荷を消灯するという動作を行う。上述の周囲照度と比較される所定照度(閾値)は操作ツマミ311aによって可変抵抗31aの抵抗値を変化させることで設定され、点灯時の照明負荷の調光レベルは操作ツマミ311bによって可変抵抗31bの抵抗値を変化させることで設定される。
【0049】
このような本実施形態の自動点滅器は、ひさし250が挿通孔211a,211b及び採光孔212を備えた操作面217の上方を覆うように形成されているため、水滴が内器カバー2の前面と化粧カバー1の裏面とのすき間に浸入し、内器カバー2の上面2a及び垂直面2cを伝って下方へ流れても、このひさし250が水滴をせき止めて、ひさし250の下方に設けられた操作面217に水滴を流さない。これにより、操作面217に形成された挿通孔211a,211bを介して、ハウジング7内に水滴が浸入することを防ぐことができ、回路ブロック3に水滴が付着することを防ぐことができる。
【0050】
また、ひさし250は、中央部251cと左テーパー部251aと右テーパー部251bとからなるテーパー形状をしており、ひさし250のひさし上面250aでせき止めた水滴が左右方向の各々に向かって流れる。これにより、ひさし250の前端に水があふれて下方に流れ、その水滴が操作面217の挿通孔211a,211b及び、採光孔212に達することを防止できる。
【0051】
さらに、ひさし250の左テーパー部251aの左端及び右テーパー部251bの右端に達した水滴は、操作面217の左端及び右端に設けられた左鍔部260a及び右鍔部260bを伝って下方に流れる。これにより、左テーパー部251aの左端及び右テーパー部251bの右端から流れ落ちた水滴が、内器カバー2の操作面217の挿通孔211a,211b及び採光孔212に達することを防止できる。
【0052】
また、本実施形態の自動点滅器は、ひさし250の上方の垂直面2cは鉛直方向に形成されているため、垂直面2cを斜面で形成した場合よりも、ひさし250の突出寸法を大きくすることができる。したがって、ひさし250でせき止めた水滴をひさし250の前端に達しにくくすることができ、これにより、ひさし上面250aに達した水滴が、毛細管現象によりひさし下面250bに移動することを防止できる。
【0053】
そして、毛細管現象により、ひさし下面250bに水滴が移動した場合でも、操作面217は、段差面2dを介して垂直面2cよりも後方に位置するため、ひさし250の下面に移動した水滴が操作面217に達しにくくすることができる。さらには、水滴は内器カバー2の上面を伝って、垂直面2cに沿って垂直に流れるため、水滴がひさし上面250aを通って、ひさし250の前端から流れ落ちることを防止できる。
【0054】
また、本実施形態の自動点滅器において、ひさし250は、内器カバー2から前方に突出して形成されている。これにより、樹脂の成型作業において、単純な金型構造で内器カバー2を成型することができ、内器カバー2の製造コストを安くすることができる。
【0055】
また、本実施形態の自動点滅器は、ハウジング7の前面には化粧カバー1が覆設されているため、自動点滅器を屋外に設置した際に、ハウジング7に対して、雨などの水が直接かかることを防ぐことができる。これにより、ハウジング7の内部に収納した回路ブロック3に水滴が付着することを一層防ぐことができる。
【0056】
さらに、本実施形態の自動点滅器は、回路ブロック3の後方に突出した端子部35a,35bの接続部36a,36aが鉛直下方に向けて露出している。これにより、配線85a,85bの表面を伝う水滴は、接続部36a,36aに対して下方から接続されるため、配線85a,85bの表面を伝って流れる水滴は、端子部35a,35bに達することがない。このため、端子部35a,35bを介して回路ブロック3に水滴が付着することを防止できる。
【0057】
(実施形態2)
本実施形態の自動点滅器を、図8を用いて説明する。本実施形態の自動点滅器は、上記の実施形態1に比べて、図8に示すように内器カバー2の構成が異なっており、これによって、ひさし250の上面の水滴が内器カバー2の両側面2e,2fに流れるようにしたことに特徴がある。尚、その他の構造は上記実施形態1と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
【0058】
内器カバー2は、実施形態1の内器カバー2に加えて、内器カバー2の左側面2e及び右側面2fに溝部270a,270b(一方は図示せず)を設けている。
【0059】
溝部270a,270bは、内器カバー2の両側面2e,2fの上下方向略中央に、断面略コの字状に形成されている。そして、溝部270a,270bの前端は、左テーパー部251aの上面左端及び右テーパー部251bの上面右端と連結しており、溝部270a,270bの後端はそれぞれ、内器カバー2の側面2e及び2fの後端まで延設されている。
【0060】
このように、本実施形態の自動点滅器は、ひさし上部250aの左右各々に向けて流れた水滴は、左テーパー部251aの上面左端及び右テーパー部251bの上面右端に達し、その後、内器カバー2の側面2e,2fの溝部270a,270bに流れ込む。これにより、ひさし上面250aに溜まった水滴をすみやかに溝270a,270bに流し、側面2e,2fに伝わせて下方へ流すことができる。
【0061】
また、本実施形態の自動点滅器の他の構成は実施形態1と同様であるため、実施形態1と同様の効果を奏する。
【0062】
(実施形態3)
本実施形態の自動点滅器を、図9を用いて説明する。本実施形態の自動点滅器は、上記の実施形態2に比べて、図9に示すように内器カバー2に設けたひさしの形状が異なっており、これによって、水滴を内器カバー2の左右に向けて流れるようにしたことに特徴がある。尚、その他の構造は上記実施形態2と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
【0063】
内器カバー2は、実施形態2の内器カバー2に代えて、段差面2dの上端に、内器カバー2の中央から左端および右端に各々向かうにつれて下方に傾斜した円弧形状のひさし280を形成している。
【0064】
したがって、ひさし280の上面でせき止めた水滴が、ひさし280の左右方向の各々に向かって流れる。これにより、ひさし280の上面から前端に水があふれて下方に流れ、その水滴が操作面217に達することを防止できる。
【0065】
また、本実施形態の自動点滅器の他の構成は実施形態2と同様であるため、実施形態2と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実施形態1の光電式自動点滅器の断面図である。
【図2】同上の前面図である。
【図3】同上の分解斜視図である。
【図4】同上の前面図(化粧カバーなし)である。
【図5】同上の化粧カバーの裏面とハウジングの斜視図である。
【図6】同上の配線を接続したときの後面の斜視図である。
【図7】同上の配線を接続したときの断面図である。
【図8】実施形態2の光電式自動点滅器の斜視図である。
【図9】実施形態3の光電式自動点滅器の斜視図である。
【図10】(a)(b)従来の光電式自動点滅器の斜視図及び分解斜視図である。
【図11】(a)(b)従来の光電式自動点滅器の斜視図及び分解斜視図である。
【図12】(a)(b)従来の光電式自動点滅器のベース上方からの斜視図及び側面図である。
【図13】(a)(b)従来の光電式自動点滅器のハウジング上方からの斜視図及び側面図である。
【図14】従来の光電式自動点滅器の配線を接続したときの後面図である。
【図15】同上の配線を接続したときの断面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 化粧カバー
2 内器カバー
2c 垂直面
217 操作面
250 ひさし
3 回路ブロック
311a 操作ツマミ
32 照度センサ
4 ベース
5 パッキン
7 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲照度を検出する照度検出手段を具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロックと、
内部に回路ブロックを収納するハウジングと、
ハウジングの一面に覆設されるカバーとを備え、
ハウジングの一面には、回路ブロックに設けた操作子を挿通させる挿通孔を形成した操作面と、操作面の上方からハウジングの幅方向の両端にわたって突出して形成されたひさしとを有することを特徴とする光電式自動点滅器。
【請求項2】
前記ひさしは、両幅方向に各々向かうにつれて、下方向に傾斜したテーパー形状であることを特徴とする請求項1に記載の光電式自動点滅器。
【請求項3】
前記ひさしの上方の前記ハウジングの一面は、鉛直方向に形成された垂直面であり、
前記操作面は、垂直面よりも前記ハウジングの一面に対向する他面方向に位置することを特徴とする請求項1に記載の光電式自動点滅器。
【請求項4】
前記ハウジングの一面の幅方向の両端から連続するハウジングの両側面は、前記ひさしの前記幅方向の両端上面と連結する溝を形成されたことを特徴とする請求項2に記載の光電式自動点滅器。
【請求項5】
前記ひさしは、両幅方向に各々向かうにつれて、下方向に傾斜した円弧形状であることを特徴とする請求項1に記載の光電式自動点滅器。
【請求項6】
周囲照度を検出する照度検出手段を具備して、検出した周囲照度に基づいて照明負荷への給電を入切し、照明負荷を点滅させる回路ブロックと、
内部に回路ブロックを収納するハウジングと、
ハウジングの一面に覆設されるカバーとを備え、
回路ブロックは、外部からの配線が接続される接続部が鉛直下方向に露出した端子部を備えていることを特徴とする光電式自動点滅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−129862(P2009−129862A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306590(P2007−306590)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】