説明

光電池ならびにジケトンベースおよびジケトピロロピロールベースのポリマーを含む、有機電子素子ならびにポリマー

有機電子素子および光電池用のp型材料において使用することができるポリマーを開示する。式(I)および/または式(VIII)を含む化合物、単量体、二量体、三量体、およびポリマーであり、式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、ピロール環に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。良好な光起電力効率および寿命を実現することができる。R基は溶解性、環境安定性、ならびに分光特性および/または電子特性の微調節を与えることができる。複数のバンドギャップおよび広範で強力な吸収を促進する異なるポリマー微細構造を調製することができる。カルボニルは、隣接するチオフェン環と相互作用することで、骨格に剛性を与え、平面性を誘導し、分子内の鎖ねじれという欠陥を減少および/または除去することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年9月4日出願の米国仮出願第61/240,137号; 2009年9月11日出願の米国仮出願第61/241,813号; 2009年10月2日出願の米国仮出願第61/248,335号; 2009年12月22日出願の米国仮出願第61/289,314号; 2009年12月29日出願の米国仮出願第61/290,844号; および2010年2月23日出願の米国仮出願第61/307,387号の優先権を主張し、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
序論
より良い太陽電池または光起電力素子を含む、より良い電子素子およびフォトニック素子を提供する必要性が存在する。これらの素子のいくつかの局面が、有機ポリマーを含む有機材料に基づく場合、コスト削減を実現することができる。
【0003】
特に、有機光起電力素子用のより良い活性層を提供する必要性が存在する。これらの活性層はp型材料とn型材料との組み合わせを含み得る。p型材料は共役ポリマーであり得る。理想的には、ポリマーは種々の化学物理特性、例えば溶解性、加工性、良好な膜形成、適切な吸収特性、適切なHOMO/LUMO(分子軌道およびエネルギーレベル)、バンドギャップ、電荷担体移動度ならびに他の特性を満たすべきである。しかし、特性の組み合わせの実現は困難なことがあり、1つの特性を得ることによって別の特性が犠牲になることがある。
【0004】
有機光起電力技術の考察については、例えばSun and Saraciftci (Eds.), Organic Photovoltaics, Mechanisms, Materials, and Devices, CRC, 2005(非特許文献1)を参照。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sun and Saraciftci (Eds.), Organic Photovoltaics, Mechanisms, Materials, and Devices, CRC, 2005
【発明の概要】
【0006】
概要
本明細書において提供される態様は、単量体組成物、オリゴマー組成物およびポリマー組成物を含む組成物、素子、ならびにそれらを作製および使用する方法を含む。
【0007】
本明細書において提供される一態様は、供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む材料であって、該供与体が、ジケトピロロピロール構造を含む受容体構造に直接共有結合した縮合環系を含む、前記材料を含む。特に、縮合環系が、受容体構造に直接共有結合した縮合チオフェン環を含む、態様が提供される。
【0008】
別の態様は、供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む組成物であって、該受容体が、非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環によって供与体構造に直接共有結合していないジケトピロロピロール構造を含む、前記組成物を提供する。
【0009】
一態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。
【0010】
一態様では、少なくとも2つの縮合環は骨格の一部を形成しており、いずれの縮合環も骨格に対する側基を形成していない。
【0011】
別の態様は、このポリマーを素子とは独立して提供する。ポリマーを基板上に堆積させることもできる。
【0012】
別の態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環を含まない。
【0013】
別の態様は、このポリマーを素子とは独立して提供する。ポリマーを基板上に堆積させることもできる。
【0014】
一態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する。

【0015】
一態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する:

式中、部分VはR1およびR2基を介してポリマー骨格に二価結合しており、R1およびR2基は環を形成している。
【0016】
一態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する:

式中、Aはヘテロ原子であってもよく、部分Vは、R1およびR2基に結合した図示されるチオフェン環を介してポリマー骨格に二価結合しており、R1およびR2基は環を形成している。
【0017】
一態様は、
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む素子を提供する:

式中、Aはヘテロ原子であってもよく、部分VIIは図示されるチオフェン環を介してポリマー骨格に結合している。
【0018】
さらなる態様は、本明細書に記載の単量体組成物、二量体組成物、三量体組成物、オリゴマー組成物、およびポリマー組成物、ならびにそれを含むインク組成物を含む。ガラス、セラミックス、金属およびポリマーを例えばはじめとする任意の固体表面であるコーティング基板を調製することができる。
【0019】
さらなる態様は、本明細書に記載のポリマー組成物を作製および使用する方法を含む。
【0020】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つの利点は、効率(電力変換効率を含む)、曲線因子、開路電圧および/または短絡電流、ならびにその組み合わせを含む、良好な光起電力性能である。
【0021】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、改善された寿命および環境安定性である。
【0022】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、高いモル吸光率であり、モル吸光率はαおよび/またはモル吸収/吸光係数と呼ぶことがある。
【0023】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、振電構造または振電特徴を伴う吸収プロファイルである。これは例えば、より広範な吸収バンドを与えることができる。振電構造は固体状態または溶液において観察することができる。
【0024】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、良好な電荷移動度である。
【0025】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、良好な励起子拡散距離である。
【0026】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、長い共役長である。
【0027】
少なくとも1つのさらなる利点は、比較的障害性の低いペンダント基および比較的剛性の高い供与体発色団の使用である。
【0028】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、良好な加工性である。
【0029】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、例えばX線回折で検出される膜中の秩序の存在である。
【0030】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、バルクヘテロ接合の改善された形成である。
【0031】
少なくとも1つの態様の少なくとも1つのさらなる利点は、改善されたポリマー溶解性であり、これは改善された溶解性と相対的に高い分子量との組み合わせを含む。ポリマー骨格の剛性にもかかわらず、相対的に高い分子量を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1−1】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図1−2】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図1−3】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図1−4】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図1−5】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図1−6】単量体およびポリマーに有用な例示的供与体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図2】単量体およびポリマーに有用な例示的受容体部分のリストを示す。側基は、例えば所望の電子効果、立体効果および反応性効果を与えるように調整することができる。
【図3】4つの異なる溶媒を有する4つの溶液から調製した4つの供与体-受容体ポリマー膜(n型材料なし)の吸収スペクトルを示す。
【図4】光起電力素子活性層中の供与体-受容体ポリマー(実施例6)とn型材料(C60誘導体)との混合物のEQEおよび吸収スペクトルを示す。
【図5】光起電力素子活性層中の供与体-受容体ポリマー(実施例9)とn型材料(C60誘導体)との混合物のEQEおよび吸収スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
詳細な説明
序論
2010年9月1日出願のPlextronicsに譲渡されたSheinaらの米国同時出願第 号(「Organic Electronic Devices and Polymers, including Photovoltaic Cells and Diketone-Based Polymers」)は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0034】
2009年9月4日出願の米国仮出願第61/240,137号; 2009年9月11日出願の米国仮出願第61/241,813号; 2009年10月2日出願の米国仮出願第61/248,335号; 2009年12月22日出願の米国仮出願第61/289,314号; 2009年12月29日出願の米国仮出願第61/290,844号; および2010年2月23日出願の米国仮出願第61/307,387号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0035】
本明細書において引用されるすべての参考文献はその全体が参照により組み入れられる。
【0036】
本出願において引用される参考文献がどれでも先行技術であると認めるものではない。
【0037】
少なくとも1つの共役共重合体を含む組成物を提供し、ここで共重合体骨格は少なくとも1つの供与体部分および少なくとも1つの受容体部分を含み、共重合体は少なくとも2つの高吸光係数発色団を有しており、したがって、約400〜1000nmであって中心が約750〜800nmにある太陽スペクトルの高光子束部分を包含する。近赤外領域までを含む広範な吸収が望ましい。振電構造を検出することができる。
【0038】
低バンドギャップ材料は当技術分野で公知である。例えばBlouin et al., Accounts of Chemical Research, 1110-1119, September 2008, 41, 9を参照。
【0039】
ポリマー太陽電池は当技術分野で公知である。例えばChen et al., Advanced Materials, 2009, 21, 1-16; Hoppe, Adv. Polym. Sci., 2008, 214, 1-86; Gunes et al., Chem. Rev., 2007, 107, 1324-1338を参照。
【0040】
アリールアミンおよびTPDを含む有機半導体は当技術分野で公知である。例えばWalzer et al., Chem. Rev., 2007, 107, 1233-1271を参照。
【0041】
太陽電池用の活性層に使用されるポリマーは当技術分野で公知である。例えば、2009年2月13日出願のSheinaらの第PCT/US2009/034157号および2009年6月30日出願の米国仮出願第61/222,053号(いずれもPlextronics, Inc.に譲渡)を参照。
【0042】
パートI:ポリマー
パートIA
ポリマーおよび共役ポリマーならびに共重合体
当技術分野で公知のように、ポリマーは骨格および側基を含み得る。例えばBillmeyer, Textbook of Polymer Science, 1984を参照。共重合体は当技術分野で公知であり、例えば三元共重合体およびブロック共重合体、ならびに交互共重合体およびランダム共重合体を含む。ポリマーブレンドを調製することができる。
【0043】
共役ポリマーは、例えばT. A. Skotheim, Handbook of Conducting Polymers, 3rd Ed. (two vol), 2007; Meijer et al., Materials Science and Engineering, 32 (2001), 1-40; およびKim, Pure Appl. Chem., 74, 11, 2031-2044, 2002に記載されている。
【0044】
共役ポリマーは、光起電力活性層中でp型材料として使用することができる。p型活性材料は、共通のポリマー骨格を有するが、ポリマーの特性を調整する誘導体化側基が異なる、同様のポリマーのファミリーのメンバーを含み得る。
【0045】
共役ポリマーは、平坦化骨格、および共役が中断される前の増大した共役長を含み得る。
【0046】
構造(I)に基づくポリマー
(I)によって表される骨格部分を含むポリマーを調製することができる。

【0047】
(I)において、チオフェン環の2位および5位にある線は、ポリマー鎖または重合もしくはカップリング用の反応性基など、別の部分に対する結合が生じる場所を示す。
【0048】
(I)を含むポリマーの重要な局面は、インクが形成可能でかつ溶液加工が実現可能であるようにそれらが十分に可溶性であるということである。有機溶媒または水性溶媒中の溶解度を検査することができる。当業者は、R基ならびにポリマー鎖および側基の他の部分、ならびに分子量を、十分な溶解度を生み出すように適応させることができる。有機溶媒は例えばハロゲン化溶媒および非ハロゲン化溶媒であり得る。溶媒は単一の溶媒でも溶媒の混合物でもよい。ハロゲン化溶媒の一例はオルトジクロロベンゼンであり、この溶媒を使用して溶解度を測定することができる。溶解度は25℃で測定することができる。溶解度は例えば少なくとも1mg/mlまたは少なくとも20mg/mlであり得る。いくつかの態様では、良好なバルクヘテロ接合(BHJ)層の形態を与えるように溶解度を適応させることができる。例えば、いくつかの態様では、分子量が低すぎるときに溶解度が高い場合、BHJ形成が損なわれる可能性がある。溶解度を調整するにはより高い分子量が好ましいことがあり、溶解度を調整するために、添加剤を含む他の調合戦略と共に分子量を使用することができる。さらに、真溶液が形成されるか否かにかかわらず溶液加工が実現可能であるように、ポリマーは溶媒に可溶性かつ機能的に分散性であり得る。
【0049】
溶解性を促進または付与するようにR基を適応させることができる。所望の電子特性を与えるようにR基を適応させることもできる。立体特性および分子積層特性を与えるようにR基を適応させることもできる。
【0050】
ポリマー鎖に結合するR基中の原子は例えば炭素であり得る。炭素はsp3、sp2、またはsp混成であり得る。
【0051】
例えば、R基は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、または置換されていてもよいアリールオキシであり得る。R基は例えば3〜30個の炭素、または4〜25個の炭素、または5〜15個の炭素を有し得る。例としてはブチル、オクチルおよびドデシル、ならびにエチルヘキシルが挙げられる。R基は、例えばペンタセン環またはベンゼン環を含む、例えば5員環または6員環を含む、少なくとも1つ、または少なくとも2つ、または少なくとも3つの環を含んでいてもよい。異なるR基を必要に応じて同一のポリマー中で使用することができる。R基はキラルであり得る。R基を所望に応じて官能化または置換することができる。置換基の例としてはアミノ、カルボン酸、エステル、ハロゲン(フルオロおよびクロロを含む)、擬ハロゲン(例えばシアノ)、および当技術分野で公知の他の官能基が挙げられる。
【0052】
R基は、酸素または窒素などのヘテロ原子を炭素鎖(例えばそれぞれエーテル結合またはアミノ結合)中に含み得る。R基は例えばC1〜C20アルコキシまたはC1〜C20アルキレンオキシを含み得る。R基は、例えばアルコキシアルコキシ、または例えばメトキシエトキシエトキシなどのアルコキシアルコキシアルコキシなどのオリゴエーテルであり得る。
【0053】
構造Iを含むポリマーは保護基を含まないことがあり、特にR基は保護基を含まないことがある。
【0054】
LUMOの減少もしくは増大を与えることを含めてLUMOを調整もしくは調節するように、またはより良好な固相充填を与えるように、または改善された電荷輸送を与えるように、かつ/あるいは環境安定性を与えるように、R基を適応させることができる。例えば、塩素またはフッ素を含む基を含むようにR基をハロゲン化することができる。R基は例えば過フッ素化され得る。例えば、R基は、例えば-C3F7などのパーフルオロアルキル基であり得る。例えば、R基は、例えば-C6F5などのパーフルオロアリール基であり得る。LUMOおよび固相充填を調整するためのハロゲン化置換基の使用については、例えばSchmidt et al., J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 6215-6228を参照。
【0055】
1つまたは複数のポリマー中のR基は変動し得るものであり、すべてRの例である例えばR1、R2、R3、またはR'、R''、R'''などの異なるR基を使用することができる。例えば、その各々がRであるR1およびR2を含む単一のポリマーを調製することができる。例えば、R1を有する単量体とR2を含む単量体とを共重合することができる。あるいは、R1を含むポリマーとR2を含むポリマーとをブレンドすることもできる。R基は同一でも異なっていてもよい。
【0056】
(I)を含むオリゴマーおよびポリマー構造は当技術分野で公知である。例えば、Nielsen et al., Organic Letters, 2004, 6, 19, 3381-3384(ジオキソピロロ官能化ポリチオフェンを記載); Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., 120, 22, June 10, 1998(構造12および21); Zhang et al., J. Am. Chem. Soc., 1997, 119, 5065-5066を参照。
【0057】
理論的考察を含む他の参考文献としてはLi et al, Polymeric Materials Science and Engineering (PMSE) Preprints, 2007, 96, 757-758; Pomerantz et al., Synthetic Metals, 2003, 135-136, 257-258; Pomerantz et al., Tetrahedron Letters, 2003, 44(8), 1563-1565; およびPomerantz et al., Tetrahedron Letters, 40, 1999, 3317-3320が挙げられる。
【0058】
(I)を含むポリマーはランダム共重合体または規則的交互共重合体であり得る。ポリマーは複数の繰り返し部分を含み得る。
【0059】
ポリマー鎖中の部分は、炭素-炭素結合を共役と共に与えることができ、またはさらには正孔輸送を与えることができる。
【0060】
ポリマー側基は電子吸引性または電子求引性を与えることができ、これの強度は変動することがあり、例えば弱または強であり、あるいは弱から強になることがある。プッシュプル電子効果を生成することができる。
【0061】
ポリマー側基を保護または脱保護することができる。例えば、ブチルオキシカルボニル(BOC)を使用してアミノ側基を保護することができる。しかし、一態様は、保護基を完全に含まないポリマーを含む。
【0062】
ブロック共重合体を調製することができる。すべてのブロックが本明細書に記載の態様であってもよく、あるいは、ブロックのサブセットのみが本明細書に記載の態様であってもよい。例えば、ブロック共重合体は、共役ポリマーブロックと非共役ポリマーブロックとの両方、または供与体-受容体ブロックと非供与体-受容体ブロックとの両方を含み得る。
【0063】
一態様では、ポリマーは少なくとも6,000g/mol、または少なくとも7,500g/mol、または少なくとも10,000の分子量Mnを含む。別の態様では、ポリマーは少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも40,000、または少なくとも50,000の分子量Mnを含む。
【0064】
別の態様では、ポリマーは、少なくとも2つの受容体を含む供与体-受容体構造を含み、少なくとも1つの受容体は構造Iによって表され、少なくとも1つの受容体は構造VII(下記)によって表される。
【0065】
別の態様では、ポリマーは供与体-受容体構造を含み、供与体は、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含む。例えば一態様では、供与体は、A-B-Cによって表される三環式環構造を含み、AおよびCは、ヘテロ原子を含んでいてもよい中心環Bに縮合したチオフェン環である。中心環Bは例えば5員環または6員環であり得る。ヘテロ原子の一例はケイ素である。
【0066】
別の態様では、ポリマーは供与体-受容体構造を含み、供与体は、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含み、ここで2つの環はチオフェン環であり、かつ1つの環はベンゼン環である。別の態様では、ポリマーは供与体-受容体構造を含み、供与体は、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含み、ここで2つの環はチオフェン環であり、かつ1つの環はベンゼン環であり、かつベンゼン環は三環構造の中央にある。別の態様では、ポリマーは供与体-受容体構造を含み、供与体は対称部分である。別の態様では、ポリマーは供与体-受容体構造を含み、供与体は、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含み、ここで2つの環はチオフェン環であり、かつ1つの環はベンゼン環である。
【0067】
別の態様では、ポリマーは供与体と受容体との両方において保護基を含まない。
【0068】
紫外可視吸収分光法によって測定されるように、ポリマーは振電構造を示し得る。
【0069】
R基を含む構造Iを、分子量が例えば1,000g/モル未満、さらには500g/モル未満になるように適応させることができる。
【0070】
(I)を含むさらなるポリマー構造は本明細書に記載されている。
【0071】
一態様では、構造Iは、チオフェンを通じて少なくとも1つの縮合環系または少なくとも2つの縮合環系に直接共有結合している。例えば図1の供与体部分を含む縮合環系の例は本出願を通じて示される。一態様では、構造Iは、チオフェンを通じて非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環に直接共有結合していない。
【0072】
供与体-受容体ポリマー
重要な態様は、当技術分野で公知の供与体-受容体ポリマーである。例えばZhang et al., J. Am. Chem. Soc., 1995, 117, 4437-4447; Sun and Saraciftci (Eds.), Organic Photovoltaics, Mechanisms, Materials, and Devices, CRC, 2005を参照。構造(I)は、供与体-受容体ポリマーの受容体構造に見ることができる。
【0073】
当技術分野で公知のように、またポリマー合成により決定されるように、供与体-受容体構造は交互またはランダムであり得る。例えば、交互構造は-(D-A)n-として表すことができ(D-A規則的交互供与体-受容体繰り返し単位)、ランダム構造は-(DxAy)-であり得る(ここでDおよびAはランダムに分散している)。供与体単位および受容体単位が二量体、三量体、およびオリゴマーに含まれ、これらの二量体、三量体、およびオリゴマーがさらなる重合に供された、セグメント共重合体を作製することができる。
【0074】
より低いバンドギャップおよび/またはより良い吸収特性を与えるように、供与体-受容体構造を調節し、適応させることができる。例えば、供与体および受容体のエネルギーレベル、例えばHOMOおよびLUMOを調節することができる。異なるHOMOおよびLUMOを有する異なる供与体および受容体を同一のポリマー中で使用することができる。供与体は例えば5.1〜5.4、または5.2〜5.3のHOMOを有し得る。より低いHOMOを与えるようにポリマー構造を適応させることができる。
【0075】
損失経路を最小化することができる剛性発色団を例えば使用して、小さな一重項/三重項分裂を与えるようにポリマー構造を適応させることができる。
【0076】
供与体-受容体構造は1つまたは複数の色素構造を含み得るものであり、色素構造は骨格または側基中に存在し得る。
【0077】
低くかつ複数のバンドギャップを与えるように構造を適応させることができる。バンドギャップの例としては2eV未満、例えば約1.4〜約1.9eV、または約1.4eV〜約1.8eVのバンドギャップが挙げられる。低バンドギャップは高電流電位と関連し得る。
【0078】
例えばp型およびn型の同一のLUMOを回避することで、再結合位置を回避するように構造を適応させることができる。
【0079】
秩序ある集合を与えるように構造を適応させることができる。平らで芳香族様の構造を使用することができる。
【0080】
例えば結晶合成中間体の使用により材料および/または構造の純粋性を実現または改善することができる。
【0081】
ポリマーの分子量は例えば約10,000〜約1,000,000、または約25,000〜約500,000、または約25,000〜約100,000、または約25,000〜約40,000(数平均分子量、Mn)であり得る。多分散度は例えば約1.5〜約4.0、または約1.5〜約3.0、または約2.0〜約2.8であり得る。
【0082】
モデルスペクトルを使用してポリマー構造を設計することができる。
【0083】
ポリマー膜吸収プロファイルを使用して光電池効率を算出することができる。
【0084】
約105cm-1の吸収を示す材料を調製することができる。
【0085】
吸収スペクトルの赤色領域と青色領域との間で吸収を平衡させることができる。
【0086】
スペーサー基の使用を最小化または回避することで、隣接する環の間の回転二面角を改変するかまたは減少させることができる。
【0087】
供与体-供与体間、および/または供与体-受容体間、および/または受容体-受容体間の非共有結合相互作用を平坦化することは、発色団を剛性にすることに役立ち得るものであり、このことは、αを増大させることに役立ち得る。
【0088】
供与体と受容体との間の立体相互作用を最小化することができる。
【0089】
少なくとも1つの供与体分子または単量体、および少なくとも1つの受容体分子または単量体を含むキットを生成することができる。
【0090】
さらなる供与体-受容体構造は本明細書に記載されている。
【0091】
部分IIAおよび部分IIB
例えばポリマーを含むより大きな分子の一部として、構造Iは、例えばIIAまたはIIBなどのより大きな別の部分の一部であり得る。

式中、A1は、チオフェン環の2位または5位において(I)に結合したチオフェン環を含む;および

式中、A1およびA2はいずれも、チオフェン環の2位または5位において(I)に結合したチオフェン環を含む。
【0092】
A1およびA2基を介して構造IIAおよびIIBをポリマー骨格に組み込むことができる。構造A1およびA2は例えば供与体部分の一部であり得る。例えば、供与体部分ベンゾジチオフェンは、いずれもA1またはA2であり得る2つのチオフェン環を含む。
【0093】
ここでA1は、図示されるチオフェン環の2位または5位において(I)に結合したチオフェン環を含み得る。同様にA2(およびA1とA2との両方)も、図示されるチオフェン環の2位または5位において(I)に結合したチオフェン環を含み得る。A1およびA2中のチオフェン環は、単一のチオフェン環、二価結合した2個、3個もしくはそれ以上のチオフェン環のオリゴマー系列、またはより大きな縮合環構造の一部であるチオフェン環のいずれかであり得る。例えば、A1および/またはA2は、-TT-または-TTT-または-TTTT-によって表すことができ、ここでTは、チオフェン環の2位および5位において結合したチオフェン環である。
【0094】
当技術分野で公知のように、例えば置換されていてもよいアルキル、オリゴエーテル、ポリエーテル、エステル、ケトンまたはアルキレンオキシ置換基、例えばn-アルキル、例えばC6〜C8または分岐アルキル(例えばヘキシル、エチルヘキシルまたはメトキシエトキシエトキシ置換基)の使用により、溶解性を促進させるようにチオフェン環を3位および/または4位において置換してもよい。
【0095】
チオフェン硫黄とのカルボニル相互作用を含む、分子内非共有結合相互作用
静電結合、クーロン結合、水素結合またはキレートなどの種々の分子内非共有結合相互作用を使用して、増大した剛性および/または平坦性をポリマー鎖およびその発色団に与えることができるが、本明細書に記載の様々な態様は必ずしも理論により限定されない。増大した剛性を使用して、良挙動の励起状態の可能性を増大させること、ならびに良好な励起子拡散距離、および励起状態からのエネルギー損失経路(例えば電荷捕捉、ポーラロン消光、励起状態失活、さらには局在化)の最小化を導くことができる。吸収プロファイリングを使用してそのような特徴を検査することができる。
【0096】
特に、本明細書に記載の様々な態様は必ずしも理論により限定されないが、少なくともいくつかの態様では、例えばIIAまたはIIBに示すようにチオフェン環が(I)に共有結合している場合、カルボニル基はチオフェン硫黄と相互作用し得ると考えられる。相対的に正に荷電しているチオフェン硫黄とは対照的に、カルボニル酸素は負に荷電している。これにより、骨格において平坦化を与えかつ/または剛性を増大させ、また性能を改善することができる。例えばX線またはNOE(核オーバーハウザー効果)を含む当技術分野で公知の方法によって、相互作用を測定することができる。例えば、Pomerantz et al., Synthetic Metals, 2003, 135-136, 257-258; Pomerantz et al., Tetrahedron Letters, 2003, 44(8), 1563-1565; およびPomerantz et al., Tetrahedron Letters, 40, 1999, 3317-3320を参照。
【0097】
カルボニル酸素:硫黄相互作用に加えて、他の静電結合または配位結合相互作用を使用して、部分の二面角を平坦化し、架橋し、剛性にし、従って制御することを支援することで、有利な化学物理特性(例えば光物理特性および電気特性)を与えることができる。例えば、sp2窒素およびエーテル酸素を使用することができる。他の例としてはピリジン、イミダゾール、ケトン、エーテル、ラクトン、ラクタム、およびアミジンが挙げられる。ポリマー骨格に特に有用な1つの単量体単位は、例えばRがアルキレン部分である-OR-O、例えば-OCH2CH2O-(EDOTとして一般的に知られる)などの架橋ジアルコキシアルキレンモチーフで3位および4位において置換されたチオフェン環である。
【0098】
ジオキシピロロ官能基などのジケト型の構造を含む供与体-受容体ポリマーは、OPVなどの有機電子素子において適用される新規材料の合成のための「設計規則」として分子内相互作用を示すことで、記録性能を実現することができる。図3も参照。
【0099】
チオフェン環は、単離されたチオフェン部分、またはベンゾジチオフェンに見られるチオフェンなどの縮合環チオフェン部分の一部であり得る。
【0100】
振電構造
例えば紫外可視吸収分光法に示されるように、本明細書に記載のポリマーは振電構造を示し得る。p型発色団における振電構造は、組織化された剛性構造の指標となり得る。これは、より良挙動の励起状態挙動および励起子拡散距離を与えることができる。振電構造は膜状態または溶液状態において見ることができる。特に、例えば、第1のピーク(0-0遷移)対第2のピーク(0-1遷移)の比は1超であることがある。
【0101】
振電特徴および振電構造が存在し得る。振電構造は例えばHandbook of Conducting Polymers, Skotheim, T.A., Handbook of Conducting Polymers; Marcel Dekker: New York, 1986、例えば第9章(McCullough et al.)、第14章(Scherf)および第28章(Del Zoppo et al.)に記載されている。Brown et al., Phys. Rev. B, 67, 064203 (2003)も参照。
【0102】
振電構造および振電特徴は、当技術分野で公知の方法により実験的および理論的に検査することができる。
【0103】
特定のポリマー構造
種々の供与体および受容体と共に(I)を含む特定のポリマー構造をIIIA〜Kに示す。




【0104】
構造IIIにおいて、n、xおよびyなどの変数は、1超であることがあり、および整数未満であることがあり、当技術分野で公知のように、また本明細書内の明細書、図面、特許請求の範囲および実施例に記載のように、二量体、三量体、オリゴマー、およびポリマーを形成するカップリングにこれらの変数を適応させることができる。分子量、ならびに反応化学量論および混合順序を使用して、これらの変数n、xおよびyを決定することができる。当業者に公知のように、いくつかの構造において、構造は、ポリマー材料の統計的表現を表すことがある。
【0105】
供与体および他の受容体
他の供与体または供与体部分は当技術分野で公知である。図1は、使用可能な供与体構造の例示的リストを示す。図1に示す構造は単量体、二量体、三量体、オリゴマー、およびポリマーにおいて使用することができる。側基は変動し得るものであり、図1に示す構造に限定されない。例えば、(I)の構造において使用することができる側基の種類に関する上記Rの説明を参照。図1において、置換基としての環の外方に描かれる−としてのダングリングボンドの表現は、当技術分野で公知のように、反応性基への結合部位、または二量体、三量体、オリゴマー、もしくはポリマーのような別の部分中に結合するための結合部位を意味する。これらの部位の2つは、ポリマー鎖を含む別の部位にその部分が二価結合し得ることを意味する。
【0106】
対称的供与体構造を使用することができる。例えば、中心環を両側で環と縮合させることで、対称的三縮合環構造を得ることができる。中心環は全炭素環、または少なくとも1個のヘテロ原子を含む環であり得る。一態様では、ベンゾジチオフェン単位を供与体として使用することができる。特に有用な供与体は、以下の実施例9に示す供与体である。例えばLiang et al., J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 56-57を参照。J. Am. Chem. Soc., 131, 7792, 2009, ("Highly Efficient Solar Cell Polymers Developed via Fine-Tuning of Structural and Electronic Properties")も参照。Hou et al., Macromolecules, 2008, 41, 6012-6018も参照。さらに、ジチエノシロール部分を使用することができる。例えば実施例2を参照。一態様では、2つの他のチオフェン環に縮合した中心環を含む単位を含むトリシクロ単位を使用することができる。別の例は構造VIIIの誘導体として示され、ここで供与体は一緒に結合した3つの環(チオフェン-ピロール-チオフェン)を含む。

【0107】
さらに、他の受容体または受容体部分を構造(I)と共に使用することができる。例としては図2に示す部分が挙げられる。図2に示す構造は単量体、二量体、三量体、オリゴマー、およびポリマーにおいて使用することができる。側基は変動し得るものであり、図2に示す構造の側基に限定されない。例えば、(I)の構造において使用することができる側基の種類に関する上記Rの説明を参照。図2において、-RまたはR-という表現は、反応性基への結合部位、または反応後に二量体、三量体、オリゴマー、もしくはポリマーのような別の部分中に結合するための結合部位を意味する。これらの部位の2つは、ポリマー鎖を含む別の部位にその部分が二価結合し得ることを意味する。
【0108】
受容体の一例はジケトピロロピロールベースの受容体部分である。例えばZhou et al., Chemistry of Materials, 2009, "Synthesis and Photovoltaic Properties of Diketopyrrolopyrrole-Based Donor-Acceptor Complexes"を参照。例えば実施例9を参照。
【0109】
単一のポリマーでは、1つを超える供与体、例えばD1、D2、D3などを使用することができる。さらに、1つを超える受容体、例えばA1、A2、A3などを使用することができる。
【0110】
ポリマーはD1-A1部分、D2-A2部分、D3-A3部分などを含み得る。
【0111】
1つを超える供与体または受容体の使用は、より広範および/または強力な吸収バンドおよび/または振電構造を与えることができる。
【0112】
特に、供与体構造の一例は、2009年6月30日出願の米国仮出願第61/222,053号に見出される。
【0113】
スペーサー部分を所望に応じて使用することができる。
【0114】
図1および図2に示す部分のいずれかを構造IVと呼ぶことができる。
【0115】
D1、D2、A1、およびA2に基づく共重合体構造の態様
以下のチャートは、異なる供与体であるD1およびD2供与体ならびに異なる受容体であるA1およびA2受容体を有する共重合体構造の異なる例示的態様を示す。チャートIは、先行技術に見られる-[D-A]-代替式とは異なる例を示す。

【0116】
受容体A1、A2、またはその両方は、構造Iを含み得るものであり、図2に列挙される受容体のいずれかも含み得る。
【0117】
供与体は、例えば図1に列挙される供与体より選択することができる。
【0118】
チャートIに示す構造は、さらなる供与体、例えばD3、D4、D5など、またはさらなる受容体、例えばA3、A4、A5などをさらに含むように拡張可能である。
【0119】
いくつかの態様では、共役骨格は、共役に供された炭素鎖中に非チオフェン単位を含み得る。例えば、ベンゼン環は、例えばベンゾジチオフェン単位を介して共役構造の一部を形成することができる。
【0120】
供与体および受容体の比
供与体および受容体のモル比は1、1未満または1超であり得る。言い換えれば、ポリマーは等モル量の供与体および受容体を含む必要はない。ポリマーは受容体よりも多くの供与体、または供与体よりも多くの受容体を含み得る。チャートIはこれの例を示す。例えば、比は2:1であり得る。
【0121】
ランダム共重合体または交互共重合体
ポリマー化学技術分野における当業者に公知のように、異なる共重合体ミクロ構造を調製することができる。例えば、ランダム共重合体構造を生成することができる。混合単量体重合を行うことができる。非ランダム共重合体構造を生成することができる。
【0122】
ランダム共重合体の態様では、適切な合成順序を使用して良好な材料を得ることができる。合成アプローチとしては例えば重合用の山本、鈴木、根岸、またはスティルカップリングが挙げられる。例えば(a) Cross-Coupling Reactions: A Practical Guide, Ed. Miyaura, 2002; (b) Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis, Ed. Negishi, 2002; (c) Kuwano, R, Utsunomiya, M., Hartwig, J. F., J. Org. Chem., 2002, 67, 6479-6486; (d) Yu et al. J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 56; (e) Hou, J.,; Park; M.-H.; Zhang, S.,; Yao, Y.; Chen, L.-M.; Li, J.-H.; Yang, Y. Macromolecules, 2008, 41 (16), 6012-6018; (f) Blouin, N.; Michaud, A.; Gendron, D.; Wakim, S.; Blair, E.; Neagu-Plesu, R.; Belletete, M.; Durocher, G.; Tao, Y.; Leclerc, M. J. Am. Chem. Soc. 2008 130 (2), 732-742; (g) Swager et al. Adv. Mater. 2001, 13, 1775; (h) Koeckelberghs et al. Macromolecules. 2007, 40, 4173; (i) High-Efficient-Low-Cost Photovoltaics, Springer Verlag Berlin Heidelberg, 2009, Editors: Petrova-Kock, V.; Goetzberger, A., 195-222を参照。
【0123】
例えば、一態様は下記式を提供する。

【0124】
一態様は、三量体などの高純度中間体の調製を提供する。
【0125】
規則的交互共重合体構造を生成することができる。チャートIはこれの例を示す。
【0126】
ポリマー特性/発色団/吸収スペクトル
良好な光起電力特性を与えるように、および本明細書に記される設計規則に従うように、ポリマー特性を適応させることができる。
【0127】
λmaxは例えば600nm超であり得る。
【0128】
吸収端は赤色領域に向かって拡張し得る。
【0129】
吸収スペクトルは、特に光起電力用途のポリマーに重要なパラメータである。共役ポリマーの紫外可視吸収スペクトルを含む吸収スペクトルを記録することは公知である。例えばBrown et al., Phys. Rev. B, 67, 064203 (2003)を参照(異なる種類のポリチオフェンのスペクトルを記載)。
【0130】
構造Vを含むポリマー
さらに、ポリマー骨格が部分(V)を含むポリマーを調製することができる:

式中、部分VはR1およびR2基を介してポリマー骨格に二価結合することで、環を形成することができる。構造Vにおいて、ピロール環の炭素原子3および4が二重結合により連結されることで、構造VAに示すように延長共役ポリマー鎖の一部を形成することができる。

【0131】
R1およびR2基は一緒に結合して、例えばチオフェン環またはベンゼン環を含む、全炭素環、または複素環などのヘテロ原子を含む環を含む、例えば5員環または6員環を含む環を形成することができる。R1およびR2が形成する環は芳香族または擬似芳香族であり得る。環は、ポリマー骨格に組み込み可能になるように二価官能化することができる。
【0132】
構造Iは構造VおよびV-Aの一態様である。別の例は構造VBである。

【0133】
(I)について本明細書に記載のR基は(V)中でも使用することができる。
【0134】
構造Vでは、構造Iと同様に、1つまたは複数のポリマー中のR基は変動し得るものであり、すべてRの例である例えばR1、R2、R3、またはR'、R''、R'''などの異なるR基を使用することができる。例えば、その各々がRであるR1およびR2を含む単一のポリマーを調製することができる。例えば、R1を有する単量体とR2を含む単量体とを共重合することができる。あるいは、R1を含むポリマーとR2を含むポリマーとをブレンドすることもできる。R基は同一でも異なっていてもよい。
【0135】
構造Vは、本明細書に記載の構造Iと類似した様式で使用することができる。
【0136】
一態様では、構造Vは、R1およびR2基から形成される環を通じて、少なくとも1つの縮合環系または少なくとも2つの縮合環系に直接共有結合している。例えば図1の供与体部分を含む縮合環系の例は本出願を通じて示される。一態様では、構造Vは、R1およびR2基から形成される環を通じて、非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環に直接共有結合していない。
【0137】
構造VIを含むポリマー
下記式によって表される少なくとも1つの骨格部分を含むポリマーを調製することもできる:

式中、Aは、置換されていてもよいアルキレン部分(例えば置換されていてもよいメチレンもしくはエチレン)-(CH2)x-またはヘテロ原子であってもよく、部分Vは、R1およびR2基に結合した図示されるチオフェン環を介してポリマー骨格に二価結合している。VIにおいて、チオフェン環硫黄とカルボニル酸素との間の非共有結合相互作用が破線として示されているが、そのような相互作用は任意であって必要ではない。チオフェン環はそれらの2位および5位においてポリマーに結合し得る。チオフェン環はさらなるチオフェン環に結合し得る。
【0138】
構造Vと同様に、構造VIにおいて、アルキレンまたはヘテロ原子Aを含む上部環の炭素原子3および4が二重結合により連結されることで、構造VI-Bに示すように延長共役ポリマー鎖の一部を形成することができる。

【0139】
Aのヘテロ原子の態様において、Aは例えば窒素、酸素、硫黄またはセレンであり得る。窒素は、ヘテロ原子Aであれば、Iに示すように官能化することができる。構造IのR基は、窒素原子に結合するように適応している。本明細書に記載されるVIなどの他の構造において、Rは窒素以外の他の原子に結合し得るものであり、Rは適切に適応可能である。
【0140】
構造Vと同様の様式で、R1およびR2は、ベンゼン環またはチオフェン環を含む、複素環を含む芳香環または擬似芳香環を含む、5員環または6員環を形成することができる。
【0141】
ベンジジン環構造およびビフェニル構造を含む芳香環構造を含む芳香環構造を使用することができる。
【0142】
構造I、IIおよびVは構造VIの態様であり得る。
【0143】
構造IおよびVと同様に、1つまたは複数のポリマー中の構造VIのR基(R1およびR2)は変動し得るものであり、すべてRの例である例えばR1、R2、R3、またはR'、R''、R'''などの異なるR基を使用することができる。例えば、その各々がRであるR1およびR2を含む単一のポリマーを調製することができる。例えば、R1を有する単量体とR2を含む単量体とを共重合することができる。あるいは、R1を含むポリマーとR2を含むポリマーとをブレンドすることもできる。R基は同一でも異なっていてもよい。
【0144】
一態様では、構造VIの図示されるチオフェン環は、少なくとも1つの縮合環系または少なくとも2つの縮合環系の一部である。例えば図1の供与体部分を含む縮合環系の例は本出願を通じて示される。一態様では、構造VIの図示されるチオフェン環は、非縮合チオフェン環ではない。
【0145】
構造VIIを含むポリマー
骨格が、VIIによって表される構造を含む、ポリマーを調製することもできる。

【0146】
ここで、構造VIについて先に記載のように、Aは置換されていてもよいアルキレンまたは例えばN、O、SもしくはSeなどのヘテロ原子であり得る。A基は、構造IのR基などの置換基を含み得る。例えば、構造VIIのR基は、窒素原子に結合するように適応可能である。本明細書に記載されるVIIなどの構造において、Rは窒素以外の他の原子に結合し得るものであり、Rは適切に適応可能である。
【0147】
構造VIIは、図示されるチオフェン環を介してポリマー鎖中に結合し得る。
【0148】
構造I、VおよびVIと同様に、1つまたは複数のポリマー中の構造VIIのR基は変動し得るものであり、すべてRの例である例えばR1、R2、R3、またはR'、R''、R'''などの異なるR基を使用することができる。例えば、その各々がRであるR1およびR2を含む単一のポリマーを調製することができる。例えば、R1を有する単量体とR2を含む単量体とを共重合することができる。あるいは、R1を含むポリマーとR2を含むポリマーとをブレンドすることもできる。R基は同一でも異なっていてもよい。
【0149】
以下のパートIBでは、構造VIII、部分構造IX、およびパートIBの他の構造は、VIIの例であり得るものであり、以下でさらに説明する。
【0150】
一態様では、構造VIIの図示されるチオフェン環は、少なくとも1つの縮合環系または少なくとも2つの縮合環系の一部である。例えば図1の供与体部分を含む縮合環系の例は本出願を通じて示される。一態様では、構造VIIの図示されるチオフェン環は、非縮合チオフェン環ではない。
【0151】
単量体およびオリゴマーを作製する方法
さらなる合成および重合に使用可能な単量体または低分子化合物は、有機合成およびポリマー化学の分野を含む当技術分野で公知のように調製することができる。例えばMarch's Advanced Organic Chemistry, 6th Ed., Wiley, 2007; Nielsen, C.B. and Bjornholm, T. Org. Lett., 2004, V6, 338; Watson et al. J. Am. Chem. Soc. 2009 131, 7206-7207を参照。
【0152】
単量体の例としては下記式が挙げられる。

【0153】
例えば、チオフェンを3位および4位において臭素化することができ、次に臭素を3位および4位において塩化アシルに変換することができる。次にチオフェンを2位および5位において臭素化することができる。次に、両方の塩化アシルとn-ブチルアミンのような第一級アミンとの反応により、イミド形成および閉環を生じさせて、重合用の2つの臭素部位を有するIに示す構造を形成することができる。Zhang et al. J. Am. Chem. Soc., 120, 22, 1998, 5355-5362を参照。
【0154】
一般に、供与体部分Dに反応性基Xが付与されるX-D-X、または受容体Aに反応性基Yが付与されるY-A-Yの、供与体または受容体構造を示す二官能性単量体を調製することができ、反応性基XおよびYを、互いに反応するように、また受容体および供与体を共有結合させて二量体にするように適応させることができる。
【0155】
二量体を作製し、次に必要に応じて改変し、重合することができる。
【0156】
三量体を作製し、次に必要に応じて改変し、重合することができる。例えば、二官能性単位を2つの一官能性単位と反応させて三量体を調製することができる。オリゴマーを作製することができる。オリゴマーは当技術分野で公知である。例えば、スティルカップリングを記載しているRadke et al. Organic Letters, 2005, 7, 23, 5253-5256を参照。
【0157】
ポリマーを作製する方法
電気化学重合もしくは酸化的化学重合、または金属により促進されるクロスカップリング重合、例えば山本、鈴木、根岸、ホーナー・エモンズ、またはスティルカップリング((a) Stille, J. K. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1986, 25, 508. (b) Farina, V. et al. J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 9585. (b) Bao, Z. et al. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 12426.)および山本型重合(Yamamoto, T. et al. Macromolecules 1992, 25, 1214.)を例えば含む重合反応は当技術分野で公知である。
【0158】
二官能性単量体、二量体、三量体、および/またはオリゴマーは、例えば下記式によって表すように重合することができる(ここでAおよびBをカップリングさせることで炭素-炭素結合の形成を得ることができ、XおよびYは単量体、二量体、三量体などである)。
A-X-A + B-Y-B → X-Y (末端基は図示せず)
【0159】
パートIB ジケトピロロピロールベースのポリマーを含むさらなる態様
ジケトピロロピロールベースの化合物は当技術分野で公知である。例えば、米国特許第4,585,878号(Ciba-Geigy)、第4,778,899号(Ciba-Geigy)、第4,931,566号(Ciba-Geigy)、PCT公開WO 2008/000664号ならびに欧州特許出願EP 0962499A2号、EP 0094911B1号、EP 0181290 B1号、EP 0302018 B1号、EP 0302018 B1号、EP 0672729 B1号およびEP 0962499 B2号を参照。Yu Zhu Doctoral Dissertation, University of Koln, 2006も参照。当技術分野で公知のように、ジケトピロロピロールはDPPと呼ばれることもある。
【0160】
本明細書において提供される一態様は、供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む材料であって、該供与体が、ジケトピロロピロール構造を含む受容体構造に直接共有結合した縮合環系を含む、前記材料を含む。特に、縮合環系が、受容体構造に直接共有結合した縮合チオフェン環を含む、態様が提供される。
【0161】
供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む組成物であって、該受容体が、非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環によって供与体構造に直接共有結合していないジケトピロロピロール構造を含む、前記組成物も提供される。
【0162】
構造VIIを含む上記に示す態様に加えて、構造VIIIおよび部分構造IXによって表される少なくとも1つの部分を含む低分子材料、オリゴマー材料、およびポリマー材料も提供される:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IXとして表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。

A1およびA2は、部分VIIIをより大きなポリマー骨格に結合させる、共重合体繰り返し単位の一部を形成する部分であり、例えば供与体部分を含み得る。
【0163】
別の態様は、下記式によって表される少なくとも1つの部分を含む低分子材料、オリゴマー材料、およびポリマー材料を提供する:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IXとして表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環を含まない。

やはりA1およびA2は、部分VIIIをより大きいポリマー骨格中に結合させる、共重合体繰り返し単位の一部を形成する部分であり、例えば供与体部分を含み得る。
【0164】
A1とA2は同一でも異なっていてもよい。対称構造または非対称構造を使用することができる。以下は、左側に1つのA1部分を含む部分であり、A1部分は、部分構造IXに直接共有結合した縮合環系を含み得るものであり、あるいは、A1は、非縮合チオフェン環またはベンゼン環を含まないように適応され得る。

【0165】
しかし、VIII-Cにおいて、ピロール環から外に延長する右側のダングリングボンドをそのように限定する必要はない。構造VIII-Cは非対称部分の一例である。
【0166】
下記構造VIII-D〜VIII-Hは、部分構造IXに直接共有結合した非縮合チオフェン環の例を示す。


VIII-D〜VIII-Hなどの部分を除外するか、または主要な受容体成分の量に比べてモル比で少量の成分としてそれらを使用する、ポリマーを調製することができる。
【0167】
構造VIIIおよびIXに示される部分などの部分を含むポリマー材料を含むこれらの材料を、パートIAにおいて先に記載の材料と同様に溶液、インク、コーティング基板、および光起電力素子を含む有機電子素子に二次加工することができる。二量体、三量体およびオリゴマーを含む比較的低分子量の材料を、重合反応での使用のために重合可能になるように適応させることができる。例えば、重合反応に関与可能な少なくとも2つの重合可能な基を含むようにそれらを官能化することができる。例えばクロスカップリング重合を含む重合反応が本出願を通じて記載されている。
【0168】
構造IおよびVIIIの両方を含むポリマーを調製することができる。しかし、いくつかの態様では、材料は構造Iの部分を含まない。
【0169】
いくつかの態様では、オリゴマーおよびポリマーを含む材料は、受容体が(VIII)を含む供与体-受容体構造を含む。
【0170】
いくつかの態様では、ポリマーを含む材料は可溶性である。いくつかの態様では、ポリマーに溶解性を与えるように、R基であるR1およびR2を適応させることができる。いくつかの態様では、R基であるR1およびR2はそれぞれ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、または置換されていてもよいアリールオキシを含み得るものであり、R基であるR1およびR2はフッ素をさらに含んでいてもよい。フッ素化R基の例としては、過フッ素化アルキル基および過フッ素化アリール基を含むフッ素化アルキル基およびフッ素化アリール基が挙げられる。
【0171】
構造VIIIは対称構造であり得る。例えば、いくつかの態様では、R基であるR1とR2は同一であり、A1とA2も同一である。しかし、R1とR2は異なることがあり、A1とA2は異なることがある。
【0172】
いくつかの態様では、VIII中の縮合環系は少なくとも1つのチオフェン縮合環を含み得るものであり、ここでチオフェン環は部分構造IXに直接結合している。例えば、骨格が、VIII-Bによって表される構造を含む、ポリマーを調製することもできる。

【0173】
ここで、Aは、例えばN、O、SまたはSeなどのヘテロ原子であってもよく、構造Iおよび他の構造に関して先に記載のように、アルキル、アリール、パーフルオロアルキル、パーフルオロアリール、アルキル-アリールで置換されていてもよい。VIII-BのR'基は、縮合環系を含むさらなる環系を形成することができ、構造VIは、図示されるチオフェン環を介してポリマー鎖中に結合し得る。例えば、R'基はベンゼン環、ナフタレン環、またはケイ素を含む環(シロール)を形成することができる。構造VIII-Bにおいて、カルボニル酸素とチオフェン硫黄との間の潜在的相互作用が示されているが、特許請求される発明はこの相互作用の理論によって限定されない。
【0174】
ジケトピロロピロールベースの構造を含むポリマーの例としては、下記構造によって表されるポリマーが挙げられる。




構造Xにおいて、n、xおよびyなどの図示される変数を、分子量および共重合体構造を制御するように本明細書の記載に従って適応させることができる。さらに、R、R'およびR''は、所与のポリマー鎖について同一でも異なっていてもよく、本明細書に記載の構造Iおよび他のポリマー側基について先に記載の通りであり得る。
【0175】
ジケトピロロピロールベースの材料のさらなる態様は、二量体、三量体、オリゴマー、または高次ポリマーにおいて見ることができる以下の部分を含む。





【0176】
構造XI-n、XI-oおよびXI-pなどのいくつかの態様では、DPP単位の一部(構造IX)は、アリールアミン部分の非縮合フェニル環に直接共有結合し得る。
【0177】
構造XIにおいて、側基RおよびR'は先に記載の通りであり得るものであり、所与のポリマーのRおよび/またはR'基は所与のポリマーについて同一でも異なっていてもよい。
【0178】
チャートIに示すミクロ構造を有するポリマーであって、複数の受容体A1、A2など、および/または複数の供与体D1、D2などに基づいて異なる共重合体ミクロ構造を与えることができるポリマーを調製することができる。図1および図2に示す供与体および受容体IVを有するポリマーを調製することができる。
【0179】
先に記載の分子内非共有結合相互作用を、例えば隣接するチオフェン環とのカルボニル相互作用において示す、ポリマーを調製することができる。
【0180】
VIIIに示される単位のすべてもしくは実質的にすべてが縮合環系に直接共有結合しているポリマー、またはVIIIに示される単位のごく一部が縮合環系に直接共有結合しているポリマーを調製することができる。
【0181】
広範な先行文献から知られる手順に従って、ジケトピロール単量体を作製することができる。例えば、Peet et al., Appl. Phys. Lett., 2009, 93, 163306; Janssen et al. Adv. Mat., 2008, 20, 2556; Zhu, Y. Ph.D. Dissertation, University of Koln, Germany, 2006; Yang et al. J. App. Polymer Sci, 2009, 111, 1976; EA00962499A2号; EB0094911B1号; EB00133156B1号; EB00181290B1号; EB00302018B1号; EB00672729B1号; EB 00962499B2号; Tamayo et al., J. Phys. Chem. C., 2008, 17402; Boens et al., Int. J. Photoenergy, 2004, V6, 2004, 159; Lunak et al., J. Fluoresc Chem. 2008, 18, 1181; Tamayo et al. APL, 2009, 94, 103301; Tamayo et al., J. Phys. Chem. C, 112, 11545; US04585878B1号; US04778899B1号; US04921566B1号; WO08000664A1号; Burgi et al., Adv. Mater. 2008, 20, 2217を参照。
【0182】
例えば、新規モノマーは、以下の典型的な順序に従って調製することができる。

【0183】
パートII:さらなる態様および用途
ポリマーの使用
パートIAおよびIBを含むパートI、実施例および特許請求の範囲において本明細書に記載の材料、単量体、二量体、三量体、オリゴマー、ポリマー、および共重合体は、例えばOLED、OPV活性層を含むOPV、トランジスタ、OFET、電池、および一般にプリンテッドエレクトロニクス、ならびにセンサを含む、有機電子素子において使用可能である。パートIIに記載の方法は、使用される特定の化合物およびポリマーに適応可能である。
【0184】
例えば、光電池(太陽電池)は当技術分野で公知である。例えばSun and Sariciftci, Organic Photovoltaics, Mechanisms, Materials, and Devices, 2005を参照。光電池は、少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む組成物を含む活性層を含み得る。良好な性能のためにp型材料およびn型材料のHOMO、LUMOおよびバンドギャップを操作することができる。良好な性能を与えるように活性層の形態を適応させることができる。例えばナノスケール形態を調製することができる。一例はバルクヘテロ接合である。
【0185】
光起電力素子は、少なくとも1つの陰極と、少なくとも1つの陽極と、陰極と陽極との間に配置された少なくとも1つの光起電活性層とを含み得る。活性層はp型材料およびn型材料を含み得る。
【0186】
OPV活性層において、p型材料であり得る本明細書に記載のポリマーを、例えばフラーレンおよびフラーレン誘導体などのn型材料または受容体部分と組み合わせることができる。フラーレン誘導体の一例はPCBMである。いずれもLairdらの2007年5月2日出願のPCT特許公開WO 2008/018931号および2008年12月25日公開の米国特許出願公開第2008/0319207号(Plextronics, Inc.)に例えば記載のようにフラーレンを誘導体化することもできる。当技術分野で公知の他の種類のn型材料を使用できる。所望であれば、より大面積の光起電力素子を製作することができる。例えばBundgaard et al., Solar Energy Materials and Solar Cells, 2007, 91, 1019-1025を参照。
【0187】
ポリマーフラーレン太陽電池を含むポリマー太陽電池は、例えばHoppe et al., Adv. Polym. Sci. (2008), 214: 1-86; Zhu et al., "Design Rules for Efficient Organic Solar Cells," Chapter 13, 195-222 in High-Efficient Low-Cost Photovoltaics, Springer, 2009に記載されている。
【0188】
白色OLEDまたはWOLEDを含むOLED素子は当技術分野で公知である。例えばLi and Meng, Organic Light Emitting Materials and Devices, CRC Taylor, 2006および2006年4月13日公開の米国特許出願公開第2006/0078761号を参照。例えば、この素子は、ガラスまたはPETもしくはPEN上の透明導電性酸化物(TCO)などの透明導体を含む陽極; 正孔注入層; ポリマー層などのエレクトロルミネセンス層; LiFなどのコンディショニング層; および例えばCa、AlまたはBaなどの陰極を例えば含む多層構造を含み得る。
【0189】
当技術分野で公知の方法を使用して、例えばOLED素子を含む有機電子素子を製作することができる。当技術分野で公知の方法を使用して輝度、効率および寿命を測定することができる。OLED特許としては例えば米国特許第4,356,429号および第4,539,507号(Kodak)が挙げられる。発光する導電性ポリマーは例えば米国特許第5,247,190号および第5,401,827号(Cambridge Display Technologies)に記載されている。素子構造、物理的原理、溶液加工、多層形成、ブレンド、ならびに材料の合成および調合を含む、その全体が参照により本明細書に組み入れられるKraft et al., "Electroluminescent Conjugated Polymers - Seeing Polymers in a New Light," Angew. Chem. Int. Ed., 1998, 37, 402-428も参照。
【0190】
さらに、プリンテッドエレクトロニクスは当技術分野で一般に公知である。例えばPrinted Organic and Molecular Electronics, Ed. D. Gamota et al., 2004を参照。例えば、第1章および第2章では有機半導体が記載されており、第3章では回路をプリントするための製造プラットフォームが記載されており、第4章ではトランジスタおよび回路の電気的挙動が記載されており、第5章では用途が記載されており、第6章では分子エレクトロニクスが記載されている。Pope et al., Electronic Processes in Organic Crystals and Polymers, 1999も参照。
【0191】
溶液およびインク調合物
材料、ポリマーおよび共重合体を、インク調合物を含む溶液または分散液の形態にすることで、さらなる加工、そしてOLED、太陽電池、および太陽電池の活性層などの電子素子を含む特定の目下の用途への適応に供することができる。
【0192】
本明細書に記載のポリマーなどのポリマーをインクに加工することができ、次にこれを慣習的な印刷プロセスのインクと同一の様式で取り扱うことができることから、より低コストの電子素子を可能にすることができる。有機光起電力素子の活性層を例えば形成するために使用するインク組成物は、他の添加剤を含有してもよい溶媒系にp型材料およびn型材料を溶解させることで作製することができる。
【0193】
電子受容体などのさらなる添加剤を含み得る溶媒および共役ポリマーインクを、太陽電池などの特定用途における使用のために調合するかまたは適応させることができる。n型材料およびp型材料の良好な分散性、n型材料およびp型材料の良好な溶解性、ならびにインク調合物の良好な安定性を与えるように、添加剤および溶媒を適応させることができる。例えば、フラーレンまたはフラーレン誘導体n型化合物に良好な溶解性または分散性を与える溶媒を使用することができる。溶媒は、規制の観点から環境に優しいものになるように適応可能であり、例えばハロゲンフリーであり得る。他の態様では、最終膜形態または他の特性を改善する添加剤がインクに含まれ得る。例えば、「Processing Additives for Fabricating Organic Photovoltaic Cells」と題する2009年4月30日公開のBazanらの米国特許出願公開第2009/0108255号に開示される溶媒添加剤が含まれ得る。
【0194】
溶媒および溶媒添加剤をインク組成物から除去することができ、膜を形成することができる。溶媒および溶媒添加剤を含むか、溶媒および溶媒添加剤を実質的に含まないか、または溶媒および溶媒添加剤を含まないかのいずれかである固体膜を形成することができる。例えば、残留溶媒の量は約5重量%未満、または約1重量%未満、または約0.1重量%未満であり得る。例えば、残留溶媒添加剤の量は約5重量%未満、または約1重量%未満、または約0.1重量%未満であり得る。
【0195】
慣習的な方法を使用して組成物からポリマー材料をキャストすることで、薄膜形態および印刷形態を含む固体形態を与えることができる。例えば、活性層のp型およびn型ポリマーを溶媒に溶解させてインクを形成した後、乾燥させることができる。好適なコーティング方法は公知である。これらはロールコート法、スクリーン印刷法、スピンキャスト法、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレーコート法またはインクジェット印刷法、ならびに他の公知のコーティングおよび印刷法を含む。
【0196】
インク成分
例えば溶媒およびn型材料を含む当技術分野で公知のインク成分を使用することができる。性能を改善するように成分の量を適応させることができる。
【0197】
n型材料
例えば太陽電池中の活性層組成物は、n型成分もしくは電子受容体、または電子受容体部分を含み得る。これらは、強力な電子親和力および良好な電子受容性を有する材料であり得る。n型成分は高速の移動、良好な安定性および良好な加工性を与えるはずである。溶液加工を行うために、n型材料は溶媒に可溶性であるか、分散性であるか、または他のやり方で混和性であることが望ましい。n型成分は、微粒子およびナノ粒子、無機粒子、有機粒子、ならびに/または半導体粒子を含む粒子の形態を取り得る。
【0198】
例えば、活性層は、少なくとも1つのフラーレン構造を含むn型材料を含み得る。フラーレンは当技術分野で公知である。フラーレンは球状炭素化合物として記述することができる。例えば、当技術分野で公知のように、フラーレン表面は[6,6]結合および[6,5]結合を提示し得る。フラーレンは、6員環および5員環を含む表面を有し得る。フラーレンは例えばC60、C70またはC84であり得るものであり、誘導体基を介してさらなる炭素原子を付加することができる。例えば、フラーレンの命名法および合成反応、誘導体化反応、還元反応(第2章)、求核反応(第3章)、環化付加(第4章)、水素化(第5章)、ラジカル付加(第6章)、遷移金属錯体形成(第7章)、酸化および求電子剤との反応(第8章)、ハロゲン化(第9章)、位置化学(第10章)、クラスター修飾(第11章)、ヘテロフラーレン(第12章)ならびに高級フラーレン(第13章)に関する教示を含めて参照により本明細書に組み入れられる、Hirsch, A.; Brettreich, M., Fullerenes: Chemistry and Reactions, Wiley-VCH Verlag, Weinheim, 2005を参照。本明細書に記載の方法を使用して、フラーレン誘導体および付加体を合成することができる。
【0199】
特に、活性層は少なくとも1つのn型材料を含み得るものであり、ここでn型材料は少なくとも1つの誘導体化フラーレンまたはフラーレン誘導体を含む。誘導体化合物は例えば付加体であり得る。本明細書で使用する「誘導体化フラーレン」、「フラーレン誘導体」という用語は、互換的に使用可能であり、例えば、いずれも例えば球状炭素化合物中の1個または2個の炭素に共有結合した1〜84個、または1〜70個、または1〜60個、1〜20個、1〜18個、1〜10個、または1〜6個、または1〜5個、または1〜3個の置換基を含むフラーレンであり得る。誘導体化フラーレンは、[4+2]環化付加により少なくとも1つの誘導体部分Rに共有結合したフラーレンを含み得る。
【0200】
n型材料の一例はPCBMである。
【0201】
n型材料の例は、いずれもLairdらの2008年2月14日公開の国際特許公開第WO/2008/018931号および2008年12月25日公開の米国特許出願公開第2008/0319207号に例えば記載されている。
【0202】
溶媒
本明細書で特許請求される発明に有用な溶媒としては、例えばハロゲン化ベンゼン、アルキルベンゼン、ハロゲン化メタンおよびチオフェン誘導体などを挙げることができる。より具体的には、溶媒は例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、キシレン、トルエン、クロロホルム、3-メチルチオフェン、3-プロピルチオフェン、3-ヘキシルチオフェン、およびその混合物であり得る。少なくとも2つの溶媒を使用することができる。
【0203】
溶媒系は、互いに異なる少なくとも2つの溶媒、少なくとも1つの第1の溶媒および少なくとも1つの第2の溶媒(例えば溶媒添加剤)を含み得る。それらは有機溶媒であり得る。「Solvent System for Conjugated Polymers」と題するSheinaらの2007年5月2日出願の同時係属中の米国特許出願第12/113,058号および「Improved Solvent System」と題する2009年8月14日出願の同時係属中の米国特許出願第12/541,500号に記載の特に有用な溶媒系を使用することができ、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0204】
溶媒添加剤
ある成分の相対的に少量の添加(例えば1〜3重量%)が性能に大きな影響を与え得る溶媒添加剤を使用することができる。例えば、一次溶媒または第1の溶媒を溶媒添加剤との組み合わせで使用することができる。溶媒添加剤は揮発性であり得るものであり、溶媒除去時に除去可能である。あるいは、溶媒添加剤は揮発性が比較的低いことがあり、溶媒除去時に膜中にとどまることがある。
【0205】
溶媒添加剤には異なる例が存在する。例えば、溶媒添加剤は少なくとも1つの複素環を含み得る。複素環は例えば少なくとも1つのチオフェン環であり得る。第2の溶媒は例えばアルキルチオフェンであり得る。いくつかの例では、複素環は窒素含有環ではない。あるいは、それは窒素含有環であり得る。したがって、いくつかの態様では、第2の溶媒はピリジン、ピラジン、ピリミジンまたはピロリジノンであるかまたはそれではない。いくつかの態様では、複素環は少なくとも1個のS原子および少なくとも1個のO原子を含む。好適な溶媒添加剤の例としてはチオフェン誘導体(すなわち置換チオフェン)が挙げられるがそれに限定されない。チオフェン環は環上の異なる位置で置換されていても置換されていなくてもよい。しかし、いくつかの例では、チオフェン誘導体はハロゲン原子を含有しない。アルキルチオフェンおよびその組み合わせを第2の溶媒として使用することができる。アルキル基は例えばC1、C2、C3、C4などから最大で例えばC8、C12、C16およびC20であり得る。アルキル基は直鎖状または分岐状であり得る。好適なアルキルチオフェンの具体例としてはメチルチオフェン、エチルチオフェン、プロピルチオフェン、ブチルチオフェン、ペンチルチオフェン、ヘキシルチオフェン、ヘプチルチオフェン、オクチルチオフェン、ノニルチオフェン、およびデシルチオフェンが挙げられる。
【0206】
上述の同時係属中の米国特許出願、「Processing Additives for Fabricating Organic Photovoltaic Cells」と題する2009年4月30日公開のBazanらの米国特許出願公開第2009/0108255号またはPeet, et al., "Efficiency enhancement in low-bandgap polymer solar cells by processing with alkane dithiols," Nat. Mater., 2007, 6, 497-500に記載の溶媒系の他の例を使用することができる。
【0207】
素子調製
本明細書に記載のポリマー、ならびに陽極および陰極を含む1つまたは複数の電極を含む、1つまたは複数の層を含む、素子を作製することができる。基板上に層を構築することができる。例えばChen et al., Advanced Materials, 2009, 21, 1-16を参照。
【0208】
本明細書で特許請求される発明を使用する素子は、基板上の陽極材料としてITOを例えば使用して作製することができる。他の陽極材料は、例えばAuなどの金属、単層または多層カーボンナノチューブ、および他の透明導電性酸化物を含み得る。陽極の抵抗率は、例えば15Ω/sq以下、25以下、50以下、または100以下、または200以下、または250以下に維持することができる。基板は、リジッドでもフレキシブルでもよく、例えばガラス、プラスチック(PTFE、ポリシロキサン、熱可塑性プラスチック、PET、PENなど)、金属(Al、Au、Ag)、金属箔、金属酸化物(TiOx、ZnOx)およびSiなどの半導体であり得る。基板上のITOは、素子層堆積の前に当技術分野で公知の技術を使用して洗浄可能である。
【0209】
陽極と太陽電池の活性層またはOLEDの発光層との間には種々の層が含まれ得る。これらの層は一般に正孔輸送層(HTL)、正孔注入層(HIL)、正孔収集層(HCL)、電子遮断層(EBL)および/または中間層と呼ばれる。
【0210】
様々な種類の正孔輸送層、正孔注入層、正孔収集層および/または正孔抽出層を使用することができる。例えば、様々な種類の正孔輸送層は以下の参考文献に記載されている: 1) 2009年8月4日発行のHammondらの米国特許7,569,159号; 2007年7月13日出願の米国特許出願第11/826,394号、2008年10月9日に第2008/0248313号として公開; 2009年4月9日出願の米国特許出願第12/422,159号; 2008年10月27日出願の米国特許出願第61/108,851号; および2008年11月18日出願の米国特許出願第61/115,877号。
【0211】
スピンキャスト法、インクジェット法、ドクターブレード法、スプレーキャスト法、ディップコート法、蒸着法または任意の他の公知の堆積法を例えば使用して、正孔輸送層(HTL)を付加することができる。
【0212】
HTLは、例えばPEDOT、PEDOT/PSSまたはTBD、またはNPB、またはPLEXCORE(登録商標)OCインク(ペンシルベニア州ピッツバーグ、Plextronics)からの膜として形成することができる。
【0213】
HTLまたはHIL層の厚さは、例えば約10nm〜約300nm厚、または30nm〜60nm、60nm〜100nmもしくは100nm〜200nmであり得る。次に膜を110〜200℃で1分〜1時間、任意で不活性雰囲気中で、乾燥/アニールしてもよい。
【0214】
活性層の厚さは、例えばOPV素子について例えば約50nm〜約250nmであり得る。
【0215】
活性層は、n型材料とp型材料との混合物から調合することができる。n型材料とp型材料とは、例えば約0.1〜4.0(p型)対約1(n型)の重量比、または約1.1〜約3.0(p型)対約1(n型)の比、または約1.1〜約1.5(p型)対約1(n型)の比で混合することができる。各種類の材料の量、または2種類の成分間の比は、特定の用途について変動し得る。
【0216】
次に、活性層を、スピンキャスト法、インクジェット法、ドクターブレード法、スプレーキャスト法、ディップコート法、蒸着法、または任意の他の公知の堆積法によってHTLまたはHIL膜上に堆積することができる。次に、膜を例えば約40〜約250℃または約150〜180℃で約10分〜1時間、不活性雰囲気中で熱アニールしてもよい。溶媒アニールを必要に応じて行うこともできる。
【0217】
例えば1つまたは複数の金属の熱蒸着を一般に使用して、陰極層を素子に付加することができる。例えば、シャドウマスクを通じて1〜15nmのCa層を活性層上に熱蒸着させた後、10〜300nmのAl層を堆積させる。陰極と太陽電池の活性層またはOLEDの発光層との間には様々な層が含まれ得る。これらの層は一般に電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、正孔遮断層(HBL)および/または中間層と呼ばれる。
【0218】
いくつかの態様では、活性層と陰極との間、および/またはHTLもしくはHILと活性層との間に任意の中間層が含まれ得る。この中間層は0.5nm〜約100nmまたは約1〜3nmの厚さであり得る。中間層は、電子調節材料、正孔遮断材料または抽出材料、例えばLiF、BCP、バトクプロイン、フラーレンまたはフラーレン誘導体、例えばC60、C70、C84ならびに本明細書で論じる他のフラーレンおよびフラーレン誘導体を含み得る。
【0219】
電子輸送層は例えば太陽電池素子において使用することができる。例えば2008年11月21日出願の米国特許出願第61/116,963号を参照。
【0220】
次に素子を、硬化性グルーで封止されたガラスカバースリップを用いて、または他のエポキシもしくはプラスチックコーティング中に、封入することができる。ゲッター/乾燥剤を有する空洞ガラスも使用可能である。
【0221】
さらに、活性層は、例えば界面活性剤、分散剤、酸素捕捉剤および水捕捉剤を含むさらなる成分を含み得る。
【0222】
活性層は、複数の層を含み得るか、または多層状であり得る。
【0223】
活性層組成物は、混合物を含むインクから膜として形成することができる。膜および素子を使用および試験前にアニールすることができる。熱アニールおよび溶媒アニールを行うことができる。
【0224】
反転太陽電池を作製することができる。例えばChen et al. Advanced Materials, 2009, 21, 1-16を参照。タンデム太陽電池を作製することができる。
【0225】
素子試験
JSC(mA/cm2)、およびVOC(V)、および曲線因子(FF)、および電力変換効率(%、PCE)を例えば含む公知の太陽電池パラメータを当技術分野で公知の方法によって測定することができる。例えば、上記で引用したHoppe論文およびそこに引用された参考文献を参照。
【0226】
Orielソーラーシミュレーターを使用して、FF、JSC、VOCおよび効率を例えば含むPV特性を決定することができる。KG5-Si基準セルを用いる較正を例えば含む当技術分野で公知の方法でシミュレータを較正することができる。外部量子効率(EQE)を測定することができる。
【0227】
インク、膜および素子の他の特性は、当技術分野で公知の方法で測定することができる。
【0228】
電力変換効率(PCE)は例えば少なくとも約1%、または少なくとも約2%、または少なくとも約3%、または少なくとも約4%、または少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、またはそれ以上であり得る。
【0229】
0〜1の数字または0〜100%の割合として表すことができる曲線因子は、例えば少なくとも約0.4 (40%)、または少なくとも約0.5 (50%)、または少なくとも約0.6、または少なくとも約0.7、または少なくとも約0.8、または少なくとも約0.9、またはそれ以上であり得る。
【0230】
V単位の開路電圧(VOC)は例えば少なくとも約0.3、または少なくとも約0.4、または少なくとも約0.5、または少なくとも約0.6V、またはそれ以上であり得る。
【0231】
短絡電流(JSC)は例えば少なくとも約0.5、または少なくとも約0.6、または少なくとも約0.7、または少なくとも約0.8、または少なくとも約0.9、または少なくとも約1.0、または少なくとも約2.0、または少なくとも約3.0、または少なくとも約4.0、または少なくとも約5.0、またはそれ以上(mA/cm2)であり得る。
【実施例】
【0232】
パートIII:実施例および予想実施例
さらなる態様を非限定的な実施例および予想実施例によって示す。
【0233】
I. 合成:単量体およびポリマー
以下の合成例は例示的なものであり、限定的であるようには意図されていない。特に記さない限り、反応を、オーブン乾燥および/または火炎乾燥ガラス器具を用いて、予め精製された窒素またはアルゴン下で行った。氷/水、ドライアイス/アセトンをそれぞれ0℃浴および-78℃浴に使用した。別途指定されない限り、市販の化学物質を商業的供給源(例えばAldrich Chemical Co., Inc.、Fisher Scientific、Acrosなど)から購入し、さらに精製せずに使用した。Love, B. E. et al. J. Org. Chem. 1999, 64, 3755に記載の手順に従ってグリニャール/有機リチウム試薬の滴定を行った。必要な場合、試薬グレード溶媒を乾燥させ、かつ/または蒸留もしくはその他によって精製した。
【0234】
材料
4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロールの合成[参考文献: Hou et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 16144];
4,8-ジオクチルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェンおよび修飾2,5-ジ-アルキル-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]-ピロール-1,4-ジオンの合成は、刊行された手順から改変し[参考文献: (1) Hou et al., Macromolecules 2008, 41, 6012、(2) Zou et al., Macromolecules, 2009, 42, 289、(3) Tamayo et al., J. Phys. Chem. C, 2008, 112, 15543]、
2,5-ジエチルヘキシル-3,6-ビス(5-ブロモチオフェン-2-イル)ピロロ[3,4-c]-ピロール-1,4-ジオンの合成[参考文献: Tamayo et al., J. Phys. Chem. C 2008, 112, 15543]、
4,7-ジブロモ-ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールの合成[参考文献; Hou, Q.; Xu, Y.; Yang, W.; Yuan, M.; Peng, J.; Cao, Y. Mater. Chem. 2002, 10, 2887]は、刊行された手順から改変した。
1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオンの合成はAcoris, Inc.から受け取った(合成はZhang, Q. T.; Tour, J. M. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 5065から改変した)。
【0235】
実施例1
2,6-ビス(トリメチルスズ)-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン

乾燥500mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(6.9g、0.015mol)およびジエチルエーテル(Et2O)(150mL、0.1M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってtert-ブチルリチウムのヘキサン中1.7M溶液(23mL、0.038mol)を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。塩化トリメチルスズのTHF中1M溶液(39mL、0.038mol)を反応フラスコに滴下し、攪拌を-76℃で1時間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(20mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水100mLに注ぎ、ヘキサン(150mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。粗生成物をTHF/メタノールからの3回の再結晶により精製して白色結晶性固体(7.3g、61%)を得た。
スペクトルデータ:

【0236】
実施例2
4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)-5,5'-ビス(トリメチルスズ)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール

乾燥500mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール(10.4g、0.025mol)およびTHF(250mL、0.1M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってtert-ブチルリチウムのヘキサン中1.6M溶液(37mL、0.062mol)を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。塩化トリメチルスズのTHF中1M溶液(62mL、0.062mol)を反応フラスコに滴下し、攪拌を-78℃で1時間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(50mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水200mLに注ぎ、ヘキサン(200mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物を黄緑色油状物(17.5g、96%)として得た。
スペクトルデータ:

【0237】
実施例3
2-トリメチルスズ-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン

乾燥250mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(4.0g、9.0mmol)およびTHF(100mL、0.10M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってn-ブチルリチウムのヘキサン(4.1mL、9.0mmol)中2.17M溶液を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。塩化トリメチルスズのTHF中1M溶液(13.5mL、13.5mmol)を反応フラスコに滴下し、攪拌を-76℃で1時間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(20mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水100mLに注ぎ、ヘキサン(150mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物を黄色油状物(5.3g、96%)として得た。
スペクトルデータ:

【0238】
実施例4
1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン

グローブボックス中で、2-トリメチルスズ-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(1.0g、1.64mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.33g、0.78mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.018g、0.020mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.024g、0.080mmol)を秤量して火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン10mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、最終混合物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)40mLに注ぎ、それ(3x50mL)で抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物を最初にヘキサン/クロロホルム(勾配)と共にフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通し、次にクロロホルムと共にbiobeads SX-1カラムに通した。それを橙色で外観がろう状の固体ペースト(0.40g、60%)として得た。
スペクトルデータ:

【0239】
実施例5
1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオンの臭素化

冷却器、攪拌子、添加漏斗およびガス(HBr)出口を備えた乾燥50mL三つ口フラスコに1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.20g、0.17mmol)を装入した。フラスコに無水塩化メチレン(CH2Cl2)(10mL)を装入した。反応フラスコを0℃に冷却し、添加漏斗によって塩化メチレン10mL中臭素(0.06mL、0.37mmol)を反応フラスコに滴下した。溶液混合物を0℃で2時間、次に室温(RT)でさらに6時間攪拌した。必要であれば、臭素溶液の第2の部分を反応フラスコに加えることができ、反応をさらに2時間進行させることができた。完了時点で反応液をNaOH/NaHSO3溶液(5%)に加えた。層を分離し、水層をMTBEで3回抽出し、有機層を収集し、NaOH、水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。粗生成物を最初にヘキサン/クロロホルム(勾配)と共にフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーカラムに通し、次にクロロホルムと共にbiobeads SX-1カラムに通した。それを橙色粘稠固体ペーストとして70〜80%の範囲の収率で得た。純度をNMRで点検した。
【0240】
実施例6
ポリ{2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン-alt-(5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン}

グローブボックス中で、2,6-ビス(トリメチルスズ)-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(0.4g、0.52mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.22g、0.52mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.012g、0.013mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.016g、0.052mmol)を秤量して火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン6mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌した。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導した。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取した。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製した。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去して銅褐色ポリマー(0.18g、50%)を得た。ポリスチレン標準物質に対する1,3,5-トリクロロベンゼン(150℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=24,700、Mw=49,100、PDI=2.0。
【0241】
実施例7
ポリ{4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン}

グローブボックス中で、4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)-5,5'-ビス(トリメチルスズ)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール(0.98g、1.3mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.50g、1.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.030g、0.033mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.040g、0.13mmol)を秤量して火炎乾燥100mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン20mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で36時間攪拌した。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導した。最終混合物をメタノール500mLに注ぎ、ポリマーを濾取した。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製した。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去して銅褐色ポリマー(0.14g、クロロホルム可溶性画分の20%)を得た。ポリスチレン標準物質に対するクロロホルム(35℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=9,900、Mw=16,000、PDI=1.6。
【0242】
実施例8
ポリ{(4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン)-alt-(4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-5-ジエチルヘキシル-3,6-ジチオフェン-2-イルピロロ[3,4-c]ピロール-1,4-ジオン)}

グローブボックス中で、4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)-5,5'-ビス(トリメチルスズ)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール(0.44g、0.60mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.12g、0.28mmol)、2,5-ジエチルヘキシル-3,6-ビス(5-ブロモチオフェン-2-イル)ピロロ[3,4-c]-ピロール-1,4-ジオン(0.19g、0.28mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.014g、0.015mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.018g、0.059mmol)を秤量して火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン8mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌した。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導した。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取した。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製した。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去して銅褐色ポリマー(0.38g、55%)を得た。ポリスチレン標準物質に対するクロロホルム(35℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=12,900、Mw=95,700、PDI=7.4。
【0243】
実施例9
ポリ{(2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン-alt-(5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン)-alt-(2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン-alt-5-ジエチルヘキシル-3,6-ジチオフェン-2-イルピロロ[3,4-c]ピロール-1,4-ジオン)}

グローブボックス中で、2,6-ビス(トリメチルスズ)-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(0.4g、0.52mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.11g、0.26mmol)、2,5-ジエチルヘキシル-3,6-ビス(5-ブロモチオフェン-2-イル)ピロロ[3,4-c]-ピロール-1,4-ジオン(0.18g、0.26mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.012g、0.013mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.016g、0.052mmol)を秤量して火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン6mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌した。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導した。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取した。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製した。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去して銅褐色ポリマー(0.29g、67%)を得た。ポリスチレン標準物質に対する1,3,5-トリクロロベンゼン(150℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=26,100、Mw=74,100、PDI=2.8。
【0244】
実施例10
構造IIIG. ポリ{(4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン)-alt-(4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール-alt-2-ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール)}

グローブボックス中で、4,4'-ビス(2-エチルヘキシル)-5,5'-ビス(トリメチルスズ)ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]シロール(0.40g、0.54mmol)、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.11g、0.26mmol)、4,7-ジブロモ-ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール(0.075g、0.26mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.012g、0.013mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.016g、0.053mmol)を秤量して火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに入れた。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン7mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌した。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌した。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導した。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取した。メタノール、アセトンおよびヘキサンの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製した。ヘキサン画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去して銅褐色ポリマー(0.15g、37%)を得た。ポリスチレン標準物質に対するクロロホルム(35℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=4,910, Mw=10,700, PDI=2.2。
【0245】
予想実施例
実施例11
(予想)スティルクロスカップリング重合を経由した4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェンに富んだポリ{ビス(2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-alt-(5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン}の合成の一般的手順

グローブボックス中で、ジブロモ-(1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン)(0.50mmol)、2,6-ビス(トリメチルスズ)-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(0.50mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.5mol%)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.050mmol)を火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに装入する。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン6mLをシリンジによって加える。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填する。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌する。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌する。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導する。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取する。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製する。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去してポリマーを得る。ヘキサンおよびクロロホルム画分を濃縮し、メタノール中で再析出させ、濾過によって単離し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびNMRで分析する。
【0246】
さらに、実施例11に加えて、ジオキソピロロベースの供与体-受容体交互ポリマーの合成のための遷移金属で支援/触媒されるクロスカップリング反応に基づくものであって、ポリマー骨格中の単量体の順序の規則的交互変化を保存するであろう、いくつかの他の補完的手順を、多くの他の有機金属種に首尾よく拡張することができる。グリニャール試薬(熊田クロスカップリング; 参考文献: Yamamoto, T.; Morita, A.; Miyazaki, Y.; Maruyama, T.; Wakayama, H.; Zhou, Z.-H.; Nakamura, Y.; Kanbara, T.; Sasaki, S.; Kubota, K. Macromolecules 1992, 25, 1214.、スキームA)および/もしくは有機亜鉛試薬(根岸クロスカップリング; 参考文献: Knochel, P.; Dohle, W.; Gommermann, N.; Kneisel, F. F.; Kopp, F.; Korn, T.; Sapountzis, I.; Vu, V. A.、スキームB)、ならびに/または有機スズ中間体(Woo, C. H.; Thompson, B. C; Kim, B. J.; Toney, M. F.; Frechet, J. M. J. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 16324.、スキームC)の使用を包含するいくつかの例示的合成スキームを以下に提示する。
【0247】
スキームA. 熊田クロスカップリング重合を経由した4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェンに富んだポリ{ビス(2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-alt-(5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン}の合成の一般的合成スキーム

【0248】
スキームB. 根岸クロスカップリング反応を経由した1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(上側)および4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェンに富んだポリ{ビス(2,6'-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-alt-(5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン}(下側)の合成の一般的手順

【0249】
スキームC. スティルクロスカップリング反応を経由した1,3-ビス(4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン)-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオンの合成の一般的手順

【0250】
すべてのポリマー試料をメタノール中で析出させ、濾過し、メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムを連続利用するソックスレー抽出ならびに/またはセライトベッドに通すことにより精製する。ヘキサンおよびクロロホルム画分を濃縮し、メタノール中で再析出させ、濾過によって単離し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびNMRで分析する。
【0251】
II. 素子製作および試験を含むポリマーの試験
図3:異なる溶媒からスピンキャストした薄膜中のジオキシピロロ官能基を含むポリマーIIIH(実施例6)供与体-受容体ポリマーの紫外可視吸収プロファイル
図3は、ポリマーIIIH/C60-PCBM(実施例6)の一連の膜の吸収スペクトルを示す。すべてのこれらのフィルムにおける重要な観察事項は、はっきりとした発色団を示す振電構造の存在である。理論により制限されるものではないが、これは強力な酸素-硫黄相互作用の存在により生じ得るものであり、この相互作用は、供与体-受容体単位を剛性にすることおよび/または著しく平坦化することに役立ち、したがって隣接するチオフェン環間の二面角を減少させることができる。この平坦化非共有結合相互作用は、発色団を剛性にすることに役立ち得るものであり、このことは、増大した充填密度、電荷輸送により吸光を増大させること、ならびに良挙動の光物理特性(例えば長い励起子拡散距離および励起状態寿命)を生じさせることにおそらく役立つ。多くの場合、二面角のねじれは、励起状態緩和の結果である。そのような効果の除去は、上記の改善された化学物理特性を生じさせることができる。この振電構造効果は、ポルフィリンのような剛性発色団において見ることができ、P3HTのような半結晶性共役ポリマーにおいてはそれほど見ることはできない。この効果は、先行技術において合成される非晶質D-A共役ポリマーの大部分には存在しないかまたはほぼ存在しないと考えられる。
【0252】
ポリマーおよびフラーレン受容体を使用する太陽電池素子の製作
フラーレン誘導体受容体および溶媒を用いてインクを調合した。
【0253】
インジウムスズ酸化物(「ITO」)コーティングガラス基板をThin Film Devices(「TFD」、カリフォルニア州アナハイム)から購入した。クラス10,000クリーンルームにおいて、石鹸液中で20分間の超音波処理、続いて水中で20分間の超音波処理、アセトン中で20分間の超音波処理およびIPA中で20分間の超音波処理によって、これらの基板をクリーニングした。最後に、基板を紫外線オゾン(300W)に10分間露光した。クリーニング後、空気中にて400rpmで5秒間、続いて6000rpmで1分間スピンコーティングすることで、各基板を約30nm厚のBaytron AI4083 (H.C Stark)層でコーティングした。次に素子をN2雰囲気のグローブボックスに移し、ホットプレート上、175℃で30分間アニールした。
【0254】
次に活性層を、Headwayスピナー上のPEDOT:PSS層の上に300〜1000rpmの範囲のスピン速度でスピンコーティングして、所要の活性層の厚さを得た。活性層フィルムをグローブボックス中で乾燥させるか、またはホットプレート上でアニールして乾燥させた。最後に、アニール後に陰極を約7x10-7のベース圧力で蒸着させた。すべての以下の実施例において、素子の陰極はCa(25nm)およびAl(200nm)の二重層とした。CaおよびAlをそれぞれ0.3Å/秒および4Å/秒の速度で堆積させた。次に、EPO-TEK OG112-4紫外線硬化性グルーで封止したガラスカバースリップ(ブランケット)封入体によって素子を封入した。封入した素子を紫外線照射(80mW/cm2)下で4分間硬化し、以下のように試験した。
【0255】
白色露光(エアマス1.5グローバルフィルター)下での素子の光起電力特性を、Keithley 2400ソースメーターと、100mW/cm2の出力強度を有するXeランプに基づくOriel 300Wソーラーシミュレーター(AM1.5G)とを備えたシステムを用いて測定した。NREL認証Si-KG5ケイ素フォトダイオードを用いて光強度を設定した。
【0256】
電力変換効率の決定
上記のように調製した素子を、Orielソーラーシミュレーターを使用して試験し、電圧を逆バイアスから順バイアスに掃引した。測定された結果的な電流から各素子の電力変換効率を決定した。各素子のデータおよび各素子の関連する処理パラメータを表1にまとめる。
【0257】
(表1)ジオキシピロロ官能基を含む供与体-受容体ポリマーに基づく単層OPVの光起電力性能

【0258】
(表2)ポリ(3-ヘキシルチオフェン)と、ジオキシピロロ官能基を含む供与体-受容体ポリマーとの吸収係数αの比較

*α=2.3x吸光度(λmaxでの)/b(cm単位の膜厚)[薄膜中]
新規ポリマーは、P3HTに対して吸光率(αに基づく)の約2倍の増大を示し、これは、JSCの増大、したがって優れたOPV性能を生じさせる可能性がある、より平坦な構造、より密な/小さい鎖間距離を示唆している(P3HTはポリ(3-ヘキシルチオフェン)である)。
【0259】
図4:III-H:C60-PCBMブレンドを有する素子の吸収およびEQEスペクトルの比較
III-H(実施例6)に基づく素子が約400nm〜約650nmを包含する相対的に広範な応答範囲を示すことは、データから明白である。吸収は相対的に平らで、実質的なギャップが存在しない。
【0260】
図5:III-C:C60-PCBMブレンドを有する素子の吸収およびEQEスペクトルの比較(実施例9は構造III-Cである)
吸収は図4に比べて赤色領域に向かってより広範である。
【0261】
パートIII:さらなる実施例および予想実施例
文献から知られる手順、およびそれから改変した手順に従って、ジケトピロール単量体を作製することができる。例えば

を参照。
【0262】
実施例12
8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェンの合成

冷却器を備えた乾燥500mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-4,8-ジオン(22.0g、0.10mol)、亜鉛末(14.4g、0.22mol)、水酸化ナトリウム(NaOH)(30g、1.5mol)および水(330mL、0.3M)を装入した。反応フラスコを還流温度に1時間加熱した後、エチルヘキシルブロミド(53.3mL、0.30mol)を加え、攪拌を還流温度でさらに1時間続けた。反応をTLCでモニタリングしたところ、ゆっくりとした変換が示され、したがって2倍量の亜鉛末およびエチルヘキシルブロミドを加えた。反応液を還流温度でさらに12時間攪拌した。加熱を停止させ、反応混合物を周囲温度に昇温し、攪拌をさらに12時間続けた。反応が完了した際に、反応混合物を水300mLに注ぎ、MTBE(200mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物をヘキサン/クロロホルム(勾配)によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーを使用して精製して黄色油状物を70〜80%の範囲の収率で得た。
【0263】
実施例13
6-ブロモ-8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェンの合成

乾燥500mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン(8.4g、0.020mol)およびTHF(200mL、0.1M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってn-ブチルリチウムのヘキサン(10mL、0.020mol)中2.0M溶液を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、ジブロモテトラフルオロエタン(7.8g、0.030mol)を反応フラスコに加え、攪拌を-78℃で1時間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(50mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水150mLに注ぎ、ヘキサン(200mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物をヘキサン/クロロホルム(勾配)によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーを使用して精製して無色油状物(4.2g、42%)を得た。
スペクトルデータ:

【0264】
実施例14
4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-2-カルボニトリルの合成

冷却器を備えた乾燥100mL三つ口フラスコに6-ブロモ-8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン(4.2g、8.2mmol)を装入し、N2でフラッシュした。次に脱酸素化ピリジン(15mL、0.5M)をシリンジによって加えた。シアン化銅(I)(2.2g、25mmol)を反応フラスコに加え、混合物を脱気し、窒素を3回再充填した。反応フラスコを還流温度に48時間加熱した。反応が完了した際に、反応混合物を水50mLに注ぎ、MTBE(50mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物をヘキサン/酢酸エチル(勾配)によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーを使用して精製して油状物(1.4g、38%)を得た。
【0265】
実施例15
4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオンの合成

添加漏斗、冷却器および温度計を備えた乾燥100mL三つ口フラスコにナトリウム(0.13g、5.6mmol)、t-アミルアルコール(3mL)を装入し、N2でフラッシュした。触媒量の無水FeCl3を加え、ナトリウム金属が完全に溶解するまで反応溶液を90℃に加熱した。反応液を50℃に冷却し、4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-2-カルボニトリル(1.3g、2.8mmol)をフラスコに加えた。反応混合物を再度90℃に昇温した後、t-アミルアルコール5mL中コハク酸ジイソプロピル(0.29g、1.4mmol)を1時間かけて滴下した。反応液を90℃でさらに20時間攪拌し、50℃に冷却した。酢酸(5mL)をゆっくりと反応フラスコに加え、反応液を還流温度に短時間加熱した後、冷却した。反応混合物を減圧濾過した。残渣を熱メタノールに再分散させ、収集し、熱メタノールおよび水で数回洗浄し、乾燥させた。最終生成物の収率は70〜80%の範囲であった。
【0266】
実施例16
4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオンのアルキル化

冷却器を備えた乾燥100mL三つ口フラスコに4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオン(1.0g、1.0mmol)、無水炭酸カリウム(K2CO3)(0.55g、4.0mmol)を装入し、N2でフラッシュした。次に無水N,N-ジメチルホルムアミド(10mL、0.1M)をシリンジによって加えた。反応フラスコを120℃に1時間加熱した。臭化N-オクチル(0.58g、3.0mmol)を加え、反応混合物を130℃で12時間攪拌した。反応が完了した際に、反応混合物を周囲雰囲気に冷却し、次に激しく攪拌中の水50mLに注ぎ、2時間攪拌した。反応残渣をMTBE(50mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水/メタノールで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物をヘキサン/酢酸エチル(勾配)によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーを使用して精製し、収率は70〜80%の範囲であった。
【0267】
予想実施例
実施例17(予想)
4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオンの臭素化

乾燥100mL三つ口フラスコにビス-アルキル化-4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオン(0.5mmol)を装入し、N2で洗い流す。無水クロロホルム(0.3M)をシリンジによって反応フラスコに加えた後、N-ブロモスクシンイミド(1.1mmol)を加える。反応フラスコをアルミニウム箔で覆い、窒素下、周囲温度で12時間攪拌する。次に反応液をメタノールに注ぎ、1時間攪拌する。残渣を収集および精製する。
【0268】
実施例18(予想)
スティルクロスカップリング重合を経由した交互共重合体の合成の一般的手順

グローブボックス中で、ジブロモ-4-[4-(2-エチルヘキソキシ)-8-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-1-[8-(2-エチルヘキソキシ)-4-(2-エチルヘキシル)チエノ[2,3-f]ベンゾチオフェン-6-イル]-2,5-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオン(0.50mmol)、2,6-ビス(トリメチルスズ)-4,8-ジエチルヘキシルオキシベンゾ[1,2-b;3,4-b]ジチオフェン(0.50mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.5mol%)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.050mmol)を火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに装入する。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン6mLをシリンジによって加える。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填する。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌する。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌する。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導する。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取する。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムを順次用いる連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製する。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去してポリマーを得る。ヘキサンおよびクロロホルム画分を濃縮し、メタノール中で再析出させ、濾過によって単離し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびNMRで分析する。
【0269】
実施例19(予想)
さらに、ジオキソピロロベースの供与体-受容体交互ポリマーの合成のための遷移金属で支援/触媒されるクロスカップリング反応に基づくものであって、ポリマー骨格中の単量体の順序の規則的交互変化を保存するであろう、いくつかの他の補完的手順を、多くの他の有機金属種にうまく拡張することができる。グリニャール試薬(熊田クロスカップリング; 参考文献: Yamamoto et al., Macromolecules 1992, 25, 1214.; スキームA)および/もしくは有機亜鉛試薬(根岸クロスカップリング; 参考文献: Knochel, P. et al.; スキームB)、ならびに/または有機スズ中間体(Woo et al., J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 16324.; スキームC)の使用を包含するいくつかの予想合成スキームを以下に提示する。
【0270】
スキームA. 熊田クロスカップリング重合を経由した交互共重合体の合成の一般的合成スキーム

【0271】
スキームB. 根岸クロスカップリング反応を経由した交互共重合体の合成の一般的手順

【0272】
実施例20(予想)
スティルクロスカップリング重合を経由した交互共重合体の合成の一般的手順

グローブボックス中で、ジブロモ-1,4-ビス[4,5-ビス(2-エチルヘキシル)チエノ[3,2-g]ベンゾチオフェン-2-イル]-2,5-ジオクチル-ピロロ[3,4-c]ピロール-3,6-ジオン(0.50mmol)、1,3-ジブロモ-5-(n-オクチル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.50mmol)、N-(4-sec-ブチルフェニル)-4-トリメチルスタンニル-N-(4-トリメチルスタンニルフェニル)アニリン(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.5mol%)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(0.050mmol)を火炎乾燥50mLシュレンクフラスコ中に装入する。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化トルエン15mLをシリンジによって加える。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填する。反応フラスコを、110℃に予備加熱した油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で12時間攪拌する。2-ヨードチオフェン0.3mLで重合を停止させ、110℃でさらに2時間攪拌する。油浴を取り除き、室温に冷却後、メタノール15mLを反応混合物に激しい攪拌下で加えて析出を誘導する。最終混合物をメタノール200mLに注ぎ、ポリマーを濾取する。メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムを順次用いる連続的ソックスレー抽出によってポリマーを精製する。クロロホルム画分をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去してポリマーを得る。ヘキサンおよびクロロホルム画分を濃縮し、メタノール中で再析出させ、濾過によって単離し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびNMRで分析する。
【0273】
すべてのポリマー試料をメタノール中で析出させ、濾過し、メタノール、アセトン、ヘキサンおよびクロロホルムを連続利用するソックスレー抽出ならびに/またはセライトベッドに通すことにより精製する。ヘキサンおよびクロロホルム画分を濃縮し、メタノール中で再析出させ、濾過によって単離し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびNMRで分析する。
【0274】
インク、溶液および素子
インク、溶液および光起電力素子は、本明細書に記載の方法で調製および試験される。
【0275】
パートIV:さらなる態様
パートIVA
ポリマー骨格に組み込まれる部分を調製するための合成スキームを示す。
【0276】
実施例
2,6-ジブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェンの合成

乾燥500mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン(5.9g、0.013mol)およびジエチルエーテル(Et2O)(133mL、0.1M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってtert-ブチルリチウムのヘキサン中1.3M溶液(28mL、0.036mol)を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。1,2-ジブロモテトラフルオロエタン(6.3mL、0.053mol)を反応フラスコに滴下し、攪拌を-76℃で30分間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(20mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水100mLに注ぎ、MTBE(150mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。ヘキサンを使用するシリカカラムクロマトグラフィーで粗生成物を精製して黄色固体(7.0g、88%)を得た。

【0277】
実施例
6-ブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-カルボニトリルの合成

2,6-ジブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン(6.7g、0.011mol)を乾燥THF 56mLに溶解させ、-78℃に冷却した。n-BuLi(5.2mL)のヘキサン中2.1M溶液を滴下し、反応の完了をモニタリングした。次に懸濁液を、THFに溶解した1-シアノイミダゾール(2.07g、0.022mol)を含む別のフラスコに移し、-78℃に予備冷却した。反応をTLCでモニタリングし、完了時点で反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎ、30分間攪拌した。混合物をMTBEで抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させた。溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した(75%)。
【0278】
予想実施例
3,6-ビス(6-ブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオンの合成

温度計および還流冷却器を取り付けた100mL三つ口フラスコにナトリウム金属(0.71g、0.031mol)およびアミルアルコール(20mL)を加える。触媒量のFeCl3を加え、ナトリウムが完全に溶融するまで混合物を90℃に設定する。混合物を50℃に冷却し、ニトリルを数回に分けて加える(0.015mol)。混合物を再度90℃に昇温し、アミルアルコール(5mL)およびコハク酸イソプロピル(1.17mL)の溶液を30分かけてシリンジポンプにより加える。反応液を90℃で終夜攪拌後、50℃に冷却する。氷酢酸(20mL)をフラスコに加え、混合物を再度還流温度に30分間設定する。室温に冷却後、反応液を水で希釈し、生成物をMTBEで抽出する。一緒にした有機画分を無水MgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を回転蒸発で除去する。生成物をカラムクロマトグラフィーで精製する。
【0279】
予想実施例
3,6-ビス(6-ブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-2,5-ビス(2-エチルヘキシル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオンの合成

オーブン乾燥100mLフラスコに3,6-ビス(6-ブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)ピロロ[3,4-c]ピロール-1,4(2H,5H)-ジオン(0.0017mol)、K2CO3(0.005mol)およびNMP 20mLを装入する。混合物を120℃に1時間昇温する。2-エチルヘキシルブロミドを反応フラスコに滴下し、120℃で12時間攪拌する。混合物を室温に冷却し、水に注いだ後、CHCl3で抽出する。一緒にした有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、溶媒を回転蒸発で除去する。生成物をヘキサン:CHCl3(1:1)混合物でのカラムクロマトグラフィーで精製する。
【0280】
本明細書に記載のポリマー構造に、この単量体を組み込むことができる。
【0281】
パートIVB
パートIVBでは、参照により本明細書に組み入れられる2010年9月1日出願のPlextronicsに譲渡されたSheinaらの同時出願第 号(「Organic Electronic Devices and Polymers, including Photovoltaic Cells and Diketone-Based Polymers」)を参照する。
【0282】
(I)として本明細書に記載の構造をそれ自体と結合させて、(I)-(I)または(I)-(I)または(I)-(I)-(I)などのより大きな構造を形成することができる。(I)がそれ自体と結合することから、側基Rは同一でも異なっていてもよい。これらを、供与体-受容体ポリマーにおける受容体として使用することができる。
【0283】
例えば、単量体、オリゴマー、およびポリマーに含まれ得る他の基としては、例えば下記式が挙げられる。

酸素と硫黄との間の相互作用を示す。式中、本明細書に記載のように、Rは可溶化基であり得る。

式中、Xは例えば、窒素、二価炭素、または、2個のカルボニルを結合させて置換されていてもよいフェニル環を形成する、置換されていてもよいフェニル環の2個の炭素であり得る。

【0284】
実施例
1-ブロモ-5-(2-エチルヘキシル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオンの合成

水冷却器を備えた三つ口丸底フラスコに、1,3-ジブロモ-5-(2-エチルヘキシル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(2.6g、5mmol)をエタノール(35mL)、酢酸(10mL)および1M HCl 3滴と共に入れた。出発原料が完全に溶解するまで混合物を加熱した。この時点で亜鉛(310mg、5mmol)を1回で加えた。混合物を1時間還流させた後、アリコートをGC分析およびNMRに供したところ、反応完了が示された。冷却後、フリットガラスを通じて溶液を濾過して残留Zn粒子を除去し、溶媒を減圧蒸発させた。100%ヘキサン→100% CHCl3勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで生成物を得た(1.1g、52%)。
スペクトルデータ:

【0285】
実施例
5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオンの合成

1-ブロモ-5-(2-エチルヘキシル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(2.2g、6mmol)、Pd2dba3(137mg、0.15mmol)、P(o-トリル)3(182mg、0.6mmol)およびビス(トリブチルスズ)(1.7g、3mmol)をシュレンクフラスコに装入した。グローブボックスの外側で、フラスコをアルゴンラインに接続し、トルエン(40ml、アルゴンを終夜吹き込んだ)を加えた。フラスコを真空アルゴンサイクルでパージした後、110℃で予備加熱した油浴に入れた。混合物をその温度で12時間攪拌した後、それを冷却し、KF水溶液を加えた。溶液を1時間攪拌した。分離後、水相をトルエンでさらに抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過後に溶媒を蒸発させた。100%ヘキサン/100%クロロホルム勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで最終生成物を黄色固体として得る。
スペクトルデータ:

【0286】
実施例
3,3'-ジブロモ-5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオンの合成

アルミニウム箔で包まれて内部温度計を備えた窒素雰囲気下の三つ口丸底フラスコ中で、トリフルオロ酢酸(53ml)および硫酸(12mL)の3:1混合物に5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4H'-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(1.7g、3.21mmol)を溶解させた。N-ブロモスクシンイミド(NBS)(1.26g、7.1mmol、使用前に再結晶させた)を1回で加えた。添加直後に発熱量を観察し、温度が室温に戻るまで反応液を攪拌した。アリコートをNMRに供したところ、反応が完了したことが確認された。混合物を氷冷水に注いだ後、水溶液をCHCl3で抽出した。有機相を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。100%ヘキサン→100% CHCl3勾配を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで混合物を精製して黄色固体(1.5g、70%)を得た。
スペクトルデータ:

【0287】
実施例
1-ブロモ-5-(ヘプタデカン-9-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオンの合成

水冷却器を備えた三つ口丸底フラスコに、1,3-ジブロモ-5-(ヘプタデカン-9-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(9.43g、20.04mmol)および亜鉛(1.31g、20.04mmol)をエタノール(130mL)、酢酸(40mL)および1M HCl(2.5mL)と共に入れた。混合物を1時間還流させた後、アリコートをNMR分析に供したところ、反応が完了したことが示された。冷却後、フリットガラスを通じて溶液を濾過して残留Zn粒子を除去し、溶媒を減圧蒸発させた。100%ヘキサン→100% CHCl3勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで生成物を得た。
スペクトルデータ:

【0288】
実施例
5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオンの合成

1-ブロモ-5-(ヘプタデカン-9-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(575mg、1.22mmol)、Pd2dba3(28mg、0.03mmol)、(o-トリル)3P(37.2mg、0.122mmol)およびビス(トリブチルスズ)(0.31mL、0.61mmol)をシュレンクフラスコに装入した。グローブボックスの外側で、フラスコをアルゴンラインに接続し、トルエン(10mL、アルゴンを終夜吹き込んだ)を加えた。フラスコを真空アルゴンサイクルでパージした後、110℃で予備加熱した油浴に入れた。混合物をその温度で12時間攪拌した後、それを冷却し、KF水溶液を加えた。溶液を1時間攪拌した。分離後、水相をトルエンでさらに抽出した。有機相を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、濾過後に溶媒を蒸発させた。100%ヘキサン/100%クロロホルム勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで最終生成物を黄色固体として得る(347mg、収率36%)。
スペクトルデータ:

【0289】
実施例
3,3'-ジブロモ-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオンの合成

アルミニウム箔で包まれて内部温度計を備えた窒素雰囲気下の三つ口丸底フラスコ中で、トリフルオロ酢酸(16mL)および硫酸(4mL)の4:1混合物に5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(347mg、0.444mmol)を溶解させた。N-ブロモスクシンイミド(178mg、1mmol、使用前に再結晶させた)を1回で加えた。添加直後に発熱量を観察し、温度が室温に戻るまで反応液を攪拌した。アリコートをNMRに供したところ、反応が完了したことが確認された。混合物を氷冷水に注いだ後、水溶液をCHCl3で抽出した。有機相を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。100%ヘキサン→100% CHCl3勾配を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで混合物を精製した(406mg、97%)。
スペクトルデータ:

【0290】
実施例
5-(ヘプタデカン-9-イル)-1,3-ジ(チオフェン-2-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオンの合成

1,3-ジブロモ-5-(ヘプタデカン-9-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(2g、3.64mmol)、Pd2dba3(167mg、0.18mmol)、(o-トリル)3P(221mg、0.72mmol)および2-トリメチルスズ-チオフェン(3.4g、9.1mmol)をシュレンクフラスコに装入した。グローブボックスの外側で、フラスコをアルゴンラインに接続し、トルエン(70mL、アルゴンを終夜吹き込んだ)を加えた。フラスコを真空アルゴンサイクルでパージした後、110℃で予備加熱した油浴に入れた。混合物をその温度で12時間攪拌した後、それを冷却し、KF水溶液を加えた。溶液を1時間攪拌した。分離後、水相をトルエンでさらに抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、濾過後に溶媒を蒸発させた。100%ヘキサン/100%クロロホルム勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで生成物を最初に精製した。最終生成物である黄色固体を、クロロホルムへの溶解、続いてメタノールでの析出によりさらに精製した(1.2g、56%)。
スペクトルデータ:

【0291】
実施例
1,3-ビス(5-ブロモチオフェン-2-イル)-5-(ヘプタデカン-9-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオンの合成

アルミニウム箔で包まれて内部温度計を備えた窒素雰囲気下の三つ口丸底フラスコ中で、酢酸(20mL)およびクロロホルム(20mL)の1:1混合物に5-(ヘプタデカン-9-イル)-1,3-ジ(チオフェン-2-イル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(0.62g、1.115mmol)を溶解させた。N-ブロモスクシンイミド(0.4g、2.23mmol、使用前に再結晶させた)を1回で加えた。添加直後に発熱量を観察し、溶液が室温に戻るまで反応液を攪拌した。アリコートをNMRに供したところ、反応が完了したことが確認された。混合物を氷冷水に注いだ後、水溶液をCHCl3で抽出した。有機相を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、溶媒を減圧除去した。100%ヘキサン→100% CHCl3勾配を使用するシリカカラムクロマトグラフィーで混合物を精製した。次に生成物を最初に最小量のクロロホルム、続いて大量のメタノールに溶解させることでさらに精製して純粋な生成物を析出させ、濾過後に黄色固体として得る(0.5g、63%)。
スペクトルデータ:

【0292】

【0293】
実施例
1,1'-(チオフェン-2,5-ジイル)ビス(5-(2-エチルヘキシル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン)の合成

グローブボックス中で、1-ブロモ-5-(2-エチルヘキシル)-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-4,6(5H)-ジオン(1.55g、4.5mmol)、2,5-ビス(トリメチルスズ)-チオフェン(0.74g、1.8mmol)、Pd2dba3(41mg、0.045mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(55mg、0.18mmol)をシュレンクフラスコに装入した。グローブボックスの外側で、フラスコをアルゴンラインに接続し、トルエン(11mL、アルゴンを終夜吹き込んだ)を加えた。フラスコを真空アルゴンサイクルでパージした後、110℃で予備加熱した油浴に入れた。混合物をその温度で12時間攪拌した後、それを冷却し、KF水溶液を加えた。溶液を1時間攪拌した。分離後、水相をトルエンでさらに抽出した。有機相を水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、濾過後に溶媒を蒸発させた。100%ヘキサン/100%クロロホルム勾配を使用するシリカクロマトグラフィーで生成物を最初に精製した。最終生成物である黄色固体を、クロロホルムへの溶解、続いてメタノールでの析出によりさらに精製した。
スペクトルデータ:

【0294】
実施例
ポリ(3-(4,8-ビス(ヘプタン-3-イルオキシ)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-alt-5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)の合成

グローブボックス中で、3,3'-ジブロモ-5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(267mg、0.388mmol)、(4,8-ビス(2-エチルヘキシル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(300mg、0.39mmol)、Pd2dba3(9mg、0.01mmol)、P(o-トリル)3(12mg、0.04mmol)を100mLシュレンクフラスコに装入した。フラスコを真空/アルゴンラインに接続した後、側枝を5回の真空-アルゴンサイクルでフラッシュし、フラスコをアルゴンに対して開放した。アルゴンで終夜脱気したトルエン(20mL)を加えた。フラスコを真空-アルゴンサイクルを通じて5回パージした後、110℃で予備加熱したフラスコに48時間入れた。冷却後、メタノールを加えてポリマーを析出させた。ポリマーをソックスレーシンブルを通じて濾過し、ソックスレー抽出をメタノール、MTBE、ヘキサンおよびクロロホルムを順次用いて行った(340mg)。ポリスチレン標準物質に対するクロロベンゼン(80℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=25,000、Mw=137,500、PDI=5.5。
【0295】
実施例
ポリ(3-(4,8-ビス(2-エチルヘキシル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-alt-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)の合成

グローブボックス中で、3,3'-ジブロモ-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(0.454mmol)、(4,8-ビス(2-エチルヘキシル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(0.454mmol)、Pd2dba3(10.4mg、0.011mmol)、P(o-トリル)3(13.8mg、0.044mmol)を100mLシュレンクフラスコに装入した。フラスコを真空/アルゴンラインに接続した後、側枝を5回の真空-アルゴンサイクルでフラッシュし、フラスコをアルゴンに対して開放した。アルゴンで終夜脱気したトルエン(20mL)を加えた。フラスコを真空-アルゴンサイクルを通じて5回パージした後、110℃で予備加熱したフラスコに48時間入れた。冷却後、メタノールを加えてポリマーを析出させた。ポリマーをソックスレーシンブルを通じて濾過し、ソックスレー抽出をメタノール、MTBE、ヘキサンおよびクロロホルムを順次用いて行った(200mg)。ポリスチレン標準物質に対するクロロベンゼン(80℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=27,300、Mw=62,800、PDI=2.3。
【0296】
実施例
ポリ(3-(4,8-ビス(2-エチルヘキシル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-ran-5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)の合成

グローブボックス中で、3,3'-ジブロモ-5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(180mg、0.262mmol)、2,6-ジブロモ-4,8-ビス(3-エチルヘプチル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン(77.4mg、0.129mmol)、(4,8-ビス(2-エチルヘキシル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(300mg、0.390mmol)、Pd2dba3(9.00mg、0.010mmol)、P(o-トリル)3(12.0mg、0.040mmol)を50mLシュレンクフラスコに装入した。フラスコを真空/アルゴンラインに接続した後、側枝を5回の真空-アルゴンサイクルでフラッシュし、フラスコをアルゴンに対して開放した。アルゴンで終夜脱気したクロロベンゼン(10mL)を加えた。フラスコを真空-アルゴンサイクルを通じて5回パージした後、110℃で予備加熱したフラスコに48時間入れた。冷却後、メタノールを加えてポリマーを析出させた。ポリマーをソックスレーシンブルを通じて濾過し、ソックスレー抽出をメタノール、MTBEを順次用いて行った(335mg)。ポリスチレン標準物質に対するクロロベンゼン(80℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=7,000、Mw=12,600、PDI=1.8。
【0297】
実施例
ポリ{(3-4-(5,9-ジエチルトリデカン-7-イル)-4H-ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]ピロール-2-イル)-alt-(5,5'-ビス(2-エチルヘキシル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)}の合成

グローブボックス中で、4-(5,9-ジエチルトリデカン-7-イル)-2,6-ビス(トリメチルスタンニル)4H-ジチエノ[3,2-b:2',3'-d]ピロール(0.30g、0.40mmol)、1-ブロモ-3-[3-ブロモ-5-(2-エチルヘキシル)-4,6-ジオキソ-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]-5-(2-エチルヘキシル)チエノ[3,4-c]ピロール-4,6-ジオン(0.28g、0.40mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9.2mg、0.010mmol)およびトリス(o-トリル)ホスフィン(12mg、0.040mmol)を火炎乾燥50mLシュレンクフラスコに装入した。反応フラスコをグローブボックスから取り除き、脱酸素化クロロベンゼン10mLをシリンジによって加えた。混合物を脱気し、アルゴンで5回再充填した。反応フラスコを、110℃油浴に浸漬させ、アルゴン気流下で2日間攪拌した。室温に冷却後、メタノール40mLを反応混合物に加えた。ポリマーを濾取し、メタノール、MTBE、ヘキサンおよびクロロホルムの順による連続的ソックスレー抽出によって精製した。クロロホルム溶液をセライトに通して残留触媒を除去し、溶媒を減圧除去してポリマーを得た。ポリマーを少量のクロロホルムに再溶解させ、IPA、水およびメタノールの混合物中に再析出させ、遠心分離によって単離し、乾燥させてポリマーを64%で得た。ポリスチレン標準物質に対するクロロベンゼン(80℃で1mL/分)中でのGPCにより分子量を決定した。Mn=24,400、Mw=47,300、PDI=1.9。
【0298】
実施例
4,8-ジメチルベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェンの合成

還流冷却器および添加漏斗を備えた乾燥250mL三つ口フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって臭化メチルマグネシウム(11mL)のTHF中1M溶液を装入した。ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-4,8-ジオン(1.0g、4.5mmol)のTHF(40mL)中0.1M溶液を数回に分けて加えた。反応液を還流温度に1時間加熱した。反応が完了した際に、フラスコを周囲温度に冷却し、SnCl2(2.1g)を10% HCl(20mL)に溶解させた溶液を反応フラスコに加えた。温度を還流温度に1時間上昇させた後、反応液を周囲温度に冷却しながら、攪拌を続けた。反応液を10% HCl 10mLと共に冷水100mLに注ぎ、CHCl3(100mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。生成物をヘキサン/クロロホルム(勾配)によるシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーを使用して精製して白色固体(0.46g、40%)を得た。
スペクトルデータ:

【0299】
実施例
(4,8-ジメチルベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)の合成

乾燥250mL三つ口丸底フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによって4,8-ジメチルベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン(1.02g、4.70mmol)および無水テトラヒドロフラン(THF)(75.0mL、0.01M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってtert-ブチルリチウムのヘキサン中1.3M溶液(9.00mL、23.0mmol)を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。塩化トリメチルスズ(19.0mL、37.0mmol)のヘキサン中1M溶液を反応フラスコに滴下し、攪拌を-76℃で30分間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(10mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水50mLに注ぎ、MTBE(100mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。粗生成物をTHF溶液からメタノールへの析出により精製して白色固体(1.90g、74%)を得た。
スペクトルデータ:

【0300】
実施例
2,6-ビス(トリメチルスタンニル)ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェンの合成

乾燥1L三つ口丸底フラスコをN2でフラッシュし、脱酸素化シリンジによってベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン(5.20g、26.3mmol)および無水テトラヒドロフラン(THF)(300mL、0.01M)を装入した。反応フラスコを-78℃に冷却し、脱酸素化シリンジによってtert-ブチルリチウムのヘキサン中1.3M溶液(53.0mL、68.8mmol)を滴下した。-78℃で30分間攪拌後、溶液を0℃に冷却し、攪拌を5分間続け、その時点で反応混合物を再度-78℃に冷却した。塩化トリメチルスズ(105mL、100mmol)のヘキサン中1M溶液を反応フラスコに滴下し、攪拌を-76℃で30分間続けた。冷却浴を除去し、反応混合物を周囲温度に昇温した。反応が完了した際に、冷脱イオン水(50mL)をゆっくりと反応フラスコに加えた。次に反応混合物を冷水300mLに注ぎ、MTBE(300mL)で3回抽出した。一緒にした有機層を水で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥させた。生成物を濾過した後、溶媒を回転蒸発で除去した。粗生成物をTHF溶液からメタノールへの析出により精製して白色固体(12.0g、88%)を得た。
スペクトルデータ:

【0301】
実施例
ポリ(3-(4,8-ジメチルベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-alt-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)の合成

グローブボックス中で、3,3'-ジブロモ-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(345.2mg、0.37mmol)、(4,8-ジメチルベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(200mg、0.37mmol)、Pd2dba3(9mg、0.0098mmol)、P(o-トリル)3(12mg、0.039mmol)を100mLシュレンクフラスコに装入した。フラスコを真空/アルゴンラインに接続した後、側枝を5回の真空-アルゴンサイクルでフラッシュし、フラスコをアルゴンに対して開放した。クロロベンゼン(20mL、アルゴンで終夜脱気した)を加えた。フラスコを真空-アルゴンサイクルを通じて5回パージした後、110℃で予備加熱したフラスコに48時間入れた。冷却後、メタノールを加えてポリマーを析出させた。ポリマーをソックスレーシンブルを通じて濾過し、ソックスレー精製をメタノール、MTBEおよびヘキサンを用いて行った。CHCl3ソックスレーを通じてポリマーを抽出し、溶媒の減圧蒸発後に反射褐色固体として得た(250mg)。
【0302】
実施例
ポリ(3-(ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2-イル)-alt-5,5'-ビス(1-オクチルノニル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン)の合成

グローブボックス中で、3,3'-ジブロモ-5,5'-ジ(ヘプタデカン-9-イル)-4H,4'H-[1,1'-ビチエノ[3,4-c]ピロール]-4,4',6,6'(5H,5'H)-テトラオン(364mg、0.388mmol)、ベンゾ[1,2-b:4,5-b']ジチオフェン-2,6-ジイル)ビス(トリメチルスタンナン)(200mg、0.388mmol)、Pd2dba3(9mg、0.0098mmol)およびP(o-トリル)3(12mg、0.039mmol)を100mLシュレンクフラスコに装入した。フラスコを真空/アルゴンラインに接続した後、側枝を5回の真空-アルゴンサイクルでフラッシュし、フラスコをアルゴンに対して開放した。クロロベンゼン(20mL、アルゴンで終夜脱気した)を加えた。フラスコを真空-アルゴンサイクルを通じて5回パージした後、110℃で予備加熱したフラスコに48時間入れた。冷却後、メタノールを加えてポリマーを析出させた。ポリマーをソックスレーシンブルを通じて濾過し、ソックスレー抽出をメタノール、MTBE、ヘキサンおよびクロロホルムを順次用いて行った。乾燥後、チンブルからポリマーを反射褐色固体(210mg)として収集した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。
【請求項2】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、受容体が(VIII)を含む、請求項1記載の素子。
【請求項3】
ポリマーが可溶性である、請求項1記載の素子。
【請求項4】
R基であるR1およびR2が、ポリマーに溶解性を与えるように適応している、請求項1記載の素子。
【請求項5】
R基であるR1およびR2がそれぞれ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよい直鎖アルキル、置換されていてもよい分岐アルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアルキルアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、または置換されていてもよいアリールオキシを含み、かつR基であるR1およびR2がフッ素をさらに含んでいてもよい、請求項1記載の素子。
【請求項6】
R1とR2が同一であり、かつA1とA2が同一である、請求項1記載の素子。
【請求項7】
縮合環系が少なくとも1つのチオフェン縮合環を含み、チオフェン環が部分構造IXに直接結合している、請求項1記載の素子。
【請求項8】
ポリマーが、下記式のうちの1つによって表される、請求項1記載の素子:





【請求項9】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、供与体が図1の供与体のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の素子。
【請求項10】
ポリマーが、以下の部分のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の素子:




【請求項11】
ポリマーがランダム共重合体である、請求項1記載の素子。
【請求項12】
ポリマーが交互共重合体である、請求項1記載の素子。
【請求項13】
ポリマーが、供与体-受容体構造を含むが、供与体および受容体を等量では含まない、請求項1記載の素子。
【請求項14】
ポリマーが、供与体-受容体構造を含み、かつ供与体よりも多くの受容体を含む、請求項1記載の素子。
【請求項15】
ポリマーが、供与体-受容体構造を含み、かつ受容体よりも多くの供与体を含む、請求項1記載の素子。
【請求項16】
ポリマーが、単位D1、D2、A1、および/またはA2を含む供与体-受容体構造を含み、かつ以下の構造のうちの少なくとも1つによって表される、請求項1記載の素子:


【請求項17】
光起電力素子であり、かつ少なくとも3%の電力変換効率を示す、請求項1記載の素子。
【請求項18】
n型材料がフラーレン誘導体を含む、請求項1記載の素子。
【請求項19】
少なくとも1つの正孔収集層をさらに含む、請求項1記載の素子。
【請求項20】
A1および/またはA2が、(IX)に直接共有結合したチオフェン環を含み、(VIII)に示されるカルボニル基のうちの少なくとも1つが、(IX)に直接共有結合したチオフェン環のチオフェン硫黄と相互作用する、請求項1記載の素子。
【請求項21】
ポリマーが少なくとも10,000の分子量Mnを含む、請求項1記載の素子。
【請求項22】
ポリマーが少なくとも20,000の分子量Mnを含む、請求項1記載の素子。
【請求項23】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、A1およびA2が、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含む供与体を含む、請求項1記載の素子。
【請求項24】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、A1およびA2が、少なくとも4つの縮合環を含む供与体を含む、請求項1記載の素子。
【請求項25】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、供与体がシロールを含む、請求項1記載の素子。
【請求項26】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、かつ該ポリマーが、VIIIによって表される少なくとも1つの受容体と、トリアリールアミンである少なくとも1つの供与体とを含む、請求項1記載の素子。
【請求項27】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、供与体が対称部分である、請求項1記載の素子。
【請求項28】
ポリマーが供与体-受容体構造を含み、A1および/またはA2が、3つの縮合環を含む少なくとも1つの三環式単位を含む供与体を含み、ここで2つの環はチオフェン環であり、かつ1つの環はベンゼン環である、請求項1記載の素子。
【請求項29】
ポリマーが保護基を含まない、請求項1記載の素子。
【請求項30】
ポリマーが、紫外可視吸収分光法によって測定されるように振電構造を示す、請求項1記載の素子。
【請求項31】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極;と
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環を含まない。
【請求項32】
供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む組成物であって、該供与体が、ジケトピロロピロール構造を含む受容体構造に直接共有結合した縮合環系を含む、前記組成物。
【請求項33】
供与体-受容体構造を有するオリゴマーまたはポリマーを含む組成物であって、該受容体が、非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環によって供与体構造に直接共有結合していないジケトピロロピロール構造を含む、前記組成物。
【請求項34】
下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、組成物:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。
【請求項35】
下記式オリゴマー骨格部分を含む少なくとも1つのオリゴマーを含む組成物であって、該オリゴマーが少なくとも2つの重合可能な基を含む、前記組成物:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。
【請求項36】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式ポリマー骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、Aはヘテロ原子であり、R'は環を形成している。
【請求項37】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、Aはヘテロ原子であり、2つの図示されるチオフェン環はそれぞれ独立して縮合環系の一部である。
【請求項38】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、部分(I)はチオフェン環を通じて少なくとも1つの縮合環構造に直接共有結合している。
【請求項39】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、部分VはR1およびR2基を介してポリマー骨格に二価結合しており、R1およびR2基は環を形成しており、該環は少なくとも1つの縮合環構造に直接共有結合している。
【請求項40】
少なくとも1つの陰極と;
少なくとも1つの陽極と;
陰極と陽極との間に配置され、かつ少なくとも1つのp型材料および少なくとも1つのn型材料を含む、少なくとも1つの光起電力活性層であって、該p型材料が、下記式骨格部分を含む少なくとも1つのポリマーを含む、前記少なくとも1つの光起電力活性層と
を含む、素子:

式中、Aはヘテロ原子であってもよく、部分VはR1およびR2基に結合したチオフェン環を介してポリマー骨格に二価結合しており、R1およびR2基は環を形成しており、該環は少なくとも1つの縮合環構造に直接共有結合している。
【請求項41】
下記式によって表される少なくとも1つの部分を含む、組成物:

式中、A1またはA2のうちの少なくとも1つは、部分構造IX

に直接共有結合したアリールアミン部分を含む。
【請求項42】
以下の部分のうちの少なくとも1つを含む、請求項41記載の組成物:


【請求項43】
ポリマーが、下記式によって表される部分を除外する、請求項1記載の素子:


【請求項44】
Aが窒素原子である、請求項43記載の素子。
【請求項45】
下記式を含む化合物を調製する工程と;
A1およびA2がそれぞれ少なくとも1つの重合可能な基を含むように、該化合物を修飾する工程と
を含む、方法:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、部分構造IX

として表されるVIIIの部分構造に直接共有結合した少なくとも2つの縮合環を含む縮合環系を含む。
【請求項46】
下記式を含む化合物を調製する工程と;
A1およびA2がそれぞれ少なくとも1つの重合可能な基を含むように、該化合物を修飾する工程と
を含む、方法:

式中、A1およびA2はそれぞれ独立して、非縮合チオフェン環または非縮合ベンゼン環によって部分構造IX

に直接共有結合していない。
【請求項47】
修飾された化合物を重合する工程をさらに含む、請求項45記載の方法。
【請求項48】
修飾された化合物を重合する工程をさらに含む、請求項46記載の方法。
【請求項49】
少なくとも2つの縮合環が骨格の一部を形成しており、いずれの縮合環も骨格に対する側基を形成していない、請求項1記載の素子。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図1−6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−504210(P2013−504210A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528015(P2012−528015)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/047567
【国際公開番号】WO2011/028829
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(507094393)プレックストロニクス インコーポレーティッド (24)
【Fターム(参考)】