免疫応答修飾因子の標的化送達のための組成物および方法
本発明は、標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部位を含む免疫調節組成物を提供する。他の態様においては、本発明は、IRMの標的化送達をもたらし、局所免疫応答を発生し、および被検者における状態を処置する方法を提供する。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部位を含む免疫調節組成物の投与を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2000年12月28日出願の米国仮特許出願第60/254,229号に基づく優先権を主張する、2001年12月6日出願の米国特許出願シリアル第10/013,193号(現在は放棄されている)の継続出願である2005年8月6日出願の米国特許出願第11/220,235号の、一部継続出願である。さらに、本出願は、2005年2月23日出願の米国仮特許出願第60/655,713号および2006年2月22日出願の「免疫応答修飾因子複合体(Immune Response Modifier Conjugates)」と題された米国仮特許出願に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
近年において、免疫系の一定の重要な点を刺激することにより、ならびに一定の他の点を抑制することにより作用する新しい薬剤化合物の発見に対する注力がなされてきており、顕著な成功がおさめられている(例えば、米国特許第6,039,969号および同第6,200,592号を参照のこと)。本明細書において免疫応答修飾因子(IRM)として称されるこれらの化合物は、トール様受容体(TLR)として知られる基本的な免疫系メカニズムを介して作用して、選択されたサイトカイン生合成を誘導すると考えられている。これらは、広く多様な疾病および状態を処置するために有用であり得る。例えば、一定のIRMは、ウイルス性疾患(例えば、ヒトパピローマウイルス、肝炎、ヘルペス)、腫瘍症(例えば、基底細胞癌、扁平上皮癌、日光角化症、メラノーマ)、およびTH2−媒介性疾病(例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)を処置するために有用であり得、およびワクチンアジュバントとしても有用である。
【0003】
免疫応答修飾因子は、特に限定されないが抗ウイルス性および抗腫瘍活性を含む、有効な免疫調節活性を有する化合物を含む。一定のIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えば、一定のIRM化合物は、例えば、タイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの産生および分泌を誘導する。他の例として、一定のIRM化合物は、IL−4およびIL−5などの一定のTH2サイトカインの産生および分泌を阻害することができる。さらに、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号)。
【0004】
一定のIRMは、例えば、米国特許第4,689,338号;同第4,929,624号;同第5,266,575号;同第5,268,376号;同第5,346,905号;同第5,352,784号;同第5,389,640号;同第5,446,153号;同第5,482,936号;同第5,756,747号;同第6,110,929号;同第6,194,425号;同第6,331,539号;同第6,376,669号;同第6,451,810号;同第6,525,064号;同第6,541,485号;同第6,545,016号;同第6,545,017号;同第6,573,273号;同第6,656,938号;同第6,660,735号;同第6,660,747号;同第6,664,260号;同第6,664,264号;同第6,664,265号;同第6,667,312号;同第6,670,372号;同第6,677,347号;同第6,677,348号;同第6,677,349号;同第6,683,088号;同第6,756,382号;同第6,797,718号;および同第6,818,650号;米国特許出願公開第2004/0091491号;同第2004/0147543号;および同第2004/0176367号;および国際公開第WO2005/18551号、同第WO2005/18556号、同第WO2005/20999号、同第WO2005/032484号、同第WO2005/048933号、同第WO2005/048945号、同第WO2005/051317号、同第WO2005/051324号、同第WO2005/066169号、同第WO2005/066170号、同第WO2005/066172号、同第WO2005/076783号、および同第WO2005/079195号に開示のものなどの小有機分子(タンパク質、ペプチド、核酸等などの大きな生物学的分子とは対照的に、例えば、約1000ダルトン未満の、好ましくは約500ダルトン未満の分子量)である。
【0005】
小分子IRMの追加の例としては、一定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号、および同第6,028,076号に記載のものなど)、一定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号に記載のものなど)、一定のイミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号に記載のものなど)、一定のベンズイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号に記載のものなど)、5員窒素含有複素環式環に縮合された、4−アミノピリミジンの一定の誘導体(米国特許第6,376,501号;同第6,028,076号および同第6,329,381号;およびWO02/08905に記載のアデニン誘導体など)、一定の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体(米国特許出願公開第2003/0199461号に記載のものなど)、および例えば、米国特許出願公開第2005/0136065号に記載のものなどの一定の小分子免疫賦活薬化合物が挙げられる。
【0006】
他のIRMとしては、オリゴヌクレオチド配列などの大きな生物学的分子が挙げられる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列は、シトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、および例えば、米国特許第6,194,388号;同第6,207,646号;同第6,239,116号;同第6,339,068号;および同第6,406,705号に記載されている。いくつかのCpG含有オリゴヌクレオチドとしては、例えば、米国特許第6,426,334号および同第6,476,000号に記載のものなどの合成免疫調節性構造モチーフを挙げることができる。他のIRMヌクレオチド配列はCpG配列に欠け、および、例えば、国際公開第WO00/75304号に記載されている。
【0007】
他のIRMとしては、アミノアルキルグルコサミニドリン酸塩(AGP)などの生物学的分子が挙げられ、および例えば、米国特許第6,113,918号;同第6,303,347号;同第6,525,028号;および同第6,649,172号に記載されている。
【0008】
IRMの免疫賦活効果は、IRM化合物および抗原の免疫系の細胞への同時送達によって高め得る。同時送達は、例えば、IRMおよび抗原の共有または非共有化学結合、またはIRMおよび抗原の定義された空間への物理的拘束によって達成され得る。IRMおよび抗原の同時送達のための方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている。
【0009】
IRMに対する大きな治療的可能性の観点においては、すでになされた重要な研究にもかかわらず、これらの使用および治療的有益性を発展させるために、継続的な要求が相当にある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
免疫応答修飾因子材料が標的特異的な材料に結合されることができ、および各部分はそのそれぞれの機能を維持することができることが見出された。被検者に投与されたとき、得られる免疫調節組成物の標的化部分は、免疫応答修飾因子部位の標的化送達をもたらすことができる。
【0011】
従って、一側面においては、本発明は、標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を提供する。
【0012】
別の側面においては、本発明はまた、免疫応答修飾因子化合物の標的化送達方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を投与するステップを含む。
【0013】
別の側面においては、本発明はまた、局所免疫応答の誘導方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を、免疫応答を誘導するための有効量で投与するステップを含む。
【0014】
さらに別の側面において、本発明は、免疫応答を誘導することによって処置可能である被検者における状態の処置方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を有効量で投与して、状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するステップを含む。
【0015】
本発明の種々の他の特色および利点は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲および添付の図面を参照することにより容易に明らかとなるはずである。明細書の全体における数々の箇所において、例のリストを通して指針が提供されている。各場合において、引用したリストは代表的な群としてのみ役立ち、および限定的なリストとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の実施態様の詳細な説明
本発明は、免疫応答修飾因子(IRM)部分の標的化送達のために、IRM部分が標的化部分に結合された、免疫調節組成物を提供する。従って、組成物が全身的に投与され得る場合においても、標的化部分が、指向し、隔離し、維持することができ、またはそうでなければIRM部位の送達を能動的に標的化することができ、これによりIRM部位を標的部位に集中させることができる。IRM部分を標的部位に集中させることで、例えば、全身的に利用可能なIRM部分の量を低減させて、IRM部分の投与に関連する全身性副作用を軽減(おそらくさらには排除)させることなどの種々の有益性をもたらし得る。また、IRM部分が標的部位に集中させられるため、IRM部分のより少ない投与量(少なくともIRM部分の非結合形態(すなわち、非結合IRM化合物)と比較して)が効果的な処置を提供するために必要とされ得、これは、経済的および資源的有益性を提供し得、ならびにさらに望ましくない副作用の程度、重症度、および/または期間を限定する。
【0017】
本発明の目的について、以下の用語は表記の意味を有することとする。
「アゴニスト」は、受容体(例えば、TLR)と組み合わさって、細胞活動を誘導することができる化合物を指す。アゴニストは、直接的に受容体に結合するリガンドであり得る。あるいは、アゴニストは、例えば、(a)直接的に受容体に結合する他の分子と複合体を形成する、または(b)そうでなければ、他の化合物が直接的に受容体に結合するよう他の化合物の変性をもたらすことによって、受容体と間接的に組み合わされ得る。アゴニストは、特定のTLRのアゴニスト(例えば、TLR6アゴニスト)、またはTLRの特定の組み合わせのアゴニスト(例えば、TLR7/8アゴニスト−TLR7およびTLR8の両方のアゴニスト)として称され得る。
【0018】
「改善させる」は、特定の状態の症状または臨床的な徴候特徴の程度、重症度、頻度、および/または見込みにおけるどのようにかの軽減を指す。
【0019】
「抗原」は、ある程度免疫特異的である方策で、抗体によって結合され得るいずれかの物質を指す。
【0020】
「免疫細胞」は、免疫系の細胞を指し、すなわち、免疫応答が自然、後天性、体液性、または細胞性であろうと、免疫応答の発生または維持管理に直接的にまたは間接的に関わる細胞を指す。
【0021】
「免疫調節性」およびその変形は、免疫活性のいずれかの増加または軽減(すなわち、誘導または阻害)を指す。
【0022】
「誘導」およびその変形は、細胞活動におけるいずれかの計測可能な増加を指す。例えば、免疫応答の誘導は、例えば、サイトカインの産生の増加、免疫細胞集団の活性化、増殖、または成熟、および/または向上した免疫機能の他の指標を含み得る。
【0023】
「阻害」およびその変形は、細胞活動におけるいずれかの計測可能な低減を指す。例えば、特定のサイトカインの阻害は、サイトカインの産生の低下を指す。阻害の程度は、活性の通常レベルの割合として特徴付け得る。
【0024】
「IRM化合物」は、一般に、IRM−応答性細胞に投与されたときに、1つ以上の免疫調節性分子、例えば、サイトカインまたは共刺激性マーカーのレベルを変化させる免疫応答修飾因子化合物を指す。代表的なIRM化合物としては、例えば、小有機分子、プリン誘導体、小複素環式化合物、アミド誘導体、および上述のオリゴヌクレオチド配列が挙げられる。
【0025】
「IRM部分」は、免疫調節組成物の免疫調節性活性を有する部分を指す。IRM部分は、IRM化合物であり得るか、またはから誘導されが、あるいは、いくつかの他の免疫調節性材料であり得るか、またはから誘導され得る。いくつかの場合において、用語「IRM部分」は、標的化部分と結合前の、またはから分離後の非結合化合物を指し得る。
【0026】
「マーカー」およびその変形は、ある程度特異的である方策で、リガンドによって結合され得る細胞表面上のいずれかの物質を指す。本明細書において用いられるところ、マーカー−リガンド相互作用は、明示的に、免疫学的親和性(すなわち、抗体−抗原親和性)結合を排除する。従って、細胞表面上のいくつかの物質は、あるコンテクストにおいてはマーカーとみなされ得(すなわち、非免疫学的受容体−リガンドバインドが可能であり得る)および他のコンテクストにおいては抗原と見なされ得る(すなわち、抗体の標的であり得る)。
【0027】
「予防的」およびその変形は、状態の症状または臨床的徴候の発達および/または出現をいずれかの程度に制限する処置を指す。
【0028】
「選択的」およびその変形は、生物活性に差次的なまたは一般的ではない影響を有することを指す。選択的に生物活性を特定のTLRを介して調節するアゴニストは、TLR−選択的アゴニストであり得る。TLR−選択性は、特定のTLRに関して説明され得(例えば、TLR8−選択的またはTLR7−選択的)、またはTLRの特定の組み合わせに関して説明され得る(例えば、TLR7/9−選択的)。
【0029】
「徴候」または「臨床的徴候」は、患者以外の者によって見出されることが可能である、特定の状態に関する客観的な物理的知見を指す。
【0030】
「特異的」およびその変形は、特定の標的に対する差次的なまたは一般的ではない親和性を、ある程度で有することを指す。
【0031】
「症状」は、いずれかの疾病または患者の状態の主観的なエビデンスを指す。
【0032】
「標的化部分」は、標的特異的親和性を有する免疫調節組成物の部分を指す。標的化部分は、抗体であり得るか、または由来し得るが、あるいは、例えば、小分子および/またはナノ粒子を含む、非抗体タンパク質またはペプチド、または非タンパク質材料であり得るか、または由来し得る。いくつかの場合において、用語「標的化部分」は、IRM部分との結合前の、またはから分離後の非結合化合物を指し得る。
【0033】
「治療的」およびその変形は、状態に関連する1つ以上の既存の症状または臨床的徴候を改善させる処置を指す。
【0034】
「処置する」またはその変形は、状態に関連する症状または徴候を、いずれかの程度で、軽減し、進行を制限し、改善させ、予防し、または解決することを指す。
【0035】
本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は、同義的に用いられている。従って、例えば、「an」IRM化合物を含む免疫調節組成物は、少なくとも1つのIRM化合物を含む組成物を意味するとして解釈することができる。
【0036】
また、本明細書において、終点での数値範囲の列挙は、その範囲内に包摂されるすべての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。
【0037】
多数のIRM化合物が、免疫系の一定の局面を刺激することが知られている。度々、これは、強力な抗原提示細胞である樹状細胞(DC)の活性化を介して生じ得る。一定のIRM化合物の局所的な適用が、数々の動物疾病モデルおよびヒト臨床的治験(例えば、性器疣贅、日光角化症、表在型基底細胞癌等)において効果的であることが知られている。しかしながら、いくつかのIRM化合物はまた、全身的に投与された場合に、望ましくない副作用を、ある患者において誘導する可能性がある。これは、一つには、全身的に投与されたIRM化合物が特定の状態の改善に関連のない免疫細胞を活性化し得ることを理由とし得る。例えば、B細胞の活性化は、癌の一定の形態の処置には関連がない場合がある。全身的に投与されるIRMでのこのような癌の処置は、B細胞の活性化を生じさせ得、これは、例えば、非特異的免疫グロブリン産生、一定の慢性的状態(例えば自己免疫など)、および/またはB細胞の枯渇(その後の病原体に対する曝露での、より大きな疾病の感受性をもたらす可能性がある)などの副作用をもたらす可能性がある。
【0038】
従って、一側面においては、本発明は、標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を提供する。いくつかの場合において、IRM部分は、IRM化合物であり得るか、または由来し得る。いくつかの場合において、標的化部分は、抗体であり得るか、または抗体に由来し得る(すなわち、ある程度の免疫特異性を提供するために、少なくとも抗体の免疫特異的部分に十分である(例えば、L鎖に十分である))。しかしながら、他の場合においては、標的化部分は、例えば、ある程度、標的細胞集団によって特異的に表される受容体に結合するリガンドなどの腫瘍特異的マーカーの少なくとも一部分を認識する剤であり得るか、または由来し得る。この例において、受容体は、腫瘍特異的マーカーとして見なされ得る。
【0039】
IRM部分および標的化部分は、直接的にまたは間接的に結合され得る。例えば、IRM部分および標的化部分の直接的な結合は、IRM部位および標的化部分間の共有結合を介して達成され得る。直接的な結合はまた、例えば、アビジン−ビオチン親和性によって非共有的に達成されることができる。一つの部分がビオチン化され得ると共に、他の部分が、公知の方法を用いて、アビジン部分を含有するよう変性され得る。このように変性された部分は、アビジン−ビオチン親和性を活用することにより、直接的に結合され得る。
【0040】
代わりに、IRM部分および標的化部分は、各部分を、例えば、固形支持体またはスペーサアームなどの介在成分に結合することによって間接的に結合され得る。IRM化合物を好適な固形支持体に接続するため例および方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0258698号に記載されている。
【0041】
介在成分(例えば、固形支持体)は、複数の官能基を含み得、これにより、複数のIRM部分および/または複数の標的化部分の間接的な結合を許容する。複数のIRM部分が介在成分に接続される場合、IRM部分は、同一のIRM化合物または異なるIRM化合物に由来し得る。同様に、複数の標的化部分が介在成分に接続される場合、標的化部分は同一または異なり得、これは、(例えば、標的を見つける可能性を高めるために)より数多くの特定の標的化部分を有する組成物を設計する機会を提供し、および/または(例えば、多数の異なる標的化部分を有することにより)多数の標的に結合する能力を提供する。
【0042】
いくつかの実施態様において、IRM部分は、例えば、腫瘍特異的マーカーまたは抗腫瘍抗体のリガンドなどの、抗腫瘍標的化部分に結合され得る。本願明細書において用いられるところ、抗腫瘍抗体は、腫瘍の細胞を、ある程度の特異性をもって、正常な組織細胞から認識する抗体(Ab)を指す。結合IRM−Ab組成物は、抗体によってもたらされた腫瘍特異性を活用して、結合IRM部分の腫瘍抗原の近傍への送達を標的化する。従って、腫瘍の近傍にある樹状細胞(患者全体の樹状細胞とは対照的に)が優先的に活性化され、これにより、局在的な腫瘍特異的な、DC媒介性免疫応答を発生させ、その一方で、一般的なDC媒介性副作用を誘導する可能性がある樹状細胞の全身的な活性化を制限する。結合IRM/腫瘍特異的組成物を利用する治療法は、例えば、手術、放射線療法等などの他の治療法による処置が困難である、または不可能な癌(例えば、転移性癌)の処置に対して、特に望ましい場合がある。
【0043】
腫瘍特異的標的化部分の他の例としては、例えば、ナノ粒子および一定の小分子などの一定の非タンパク質材料が挙げられる。
【0044】
直径が約1nm〜200nmであるナノ粒子が、IRM部分の腫瘍への腫瘍特異的送達を提供するために用いられ得る。上述したとおり、IRM化合物は、例えば、共有および非共有化学相互作用などのいずれかの好適な手段によってナノ粒子に結合されていてもよい。非共有化学相互作用としては、親和性(例えば、アビジン/ビオチン、抗原/抗体、受容体/リガンド)、イオン性相互作用、および/または疎水性相互作用を挙げることができる。IRM化合物を、ナノ粒子などの固形支持体に接続するための方法が、例えば米国特許出願公開第2004/0258698号に記載されている。
【0045】
ナノ粒子は、腫瘍特異的標的化活性を、少なくとも2つの方法で有していることができる。第1に、上記の、ナノ粒子は、ナノ粒子を腫瘍に指向させる標的化部分で被覆され得る。標的化部分(例えば、抗体、受容体リガンド等)を接続させるための方法は周知である。第2に、ナノ粒子は、1つ以上の接続された標的化部分を有していなくても、IRM部分の腫瘍特異的標的化を提供し得る。約50nm〜約200nmの直径を有するナノ粒子は全身的に送達されると共に、腫瘍脈管構造に到達するまで血流中に存在し得る。循環系の間隙率または透過率の局在的な変化が、ナノ粒子が血流から脱して、循環系から離れ、および腫瘍の近傍に蓄積されることを許容する。
【0046】
IRM部分の腫瘍特異的標的化送達を提供することができる小分子部位の一例はビスホスホネートである。ビスホスホネート官能基は、骨組織のヒドロキシアパタイト成分に対する高い親和性、長期の関連性を付与する。ビスホスホネートは、骨組織中の診断および/または治療薬の標的化送達および隔離に対して有用であることが知られている。例えば、ビスホスホネート薬は、骨組織造影剤の送達のために診断的に、および骨粗鬆症、腫瘍骨溶解、および骨転移において治療的に用いられる。IRM/ビスホスホネート免疫調節組成物は、通常の転移サイト内にIRMの蓄積をもたらすことが可能である。
【0047】
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体は、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、およびメラノーマ細胞では著しく上昇している。従って、LHRH受容体のリガンドは、免疫調節組成物における標的化部分として用いられて、IRM部分の腫瘍サイトへの腫瘍特異的標的化送達を提供し得る。上述のヒト癌に対する動物モデルにおいては、LHRH特異的治療学は、選択的に患部組織に回帰する。IRMの、LHRH受容体のリガンド(例えば、LHRHまたは合成類似体)に対する結合は、これらの癌の腫瘍細胞へのIRMの標的化送達をもたらすことができ、これにより、IRMを腫瘍サイトに集中させると共に、治療指数を、IRM化合物単独で観察されたものを超えて高めることができる。フリーのDoxとLHRH−結合Doxとを比較する研究においては、LHRH複合体と同等の抗腫瘍活性を示すためには、およそ200倍多くのフリーのDoxが必要であった。好適なLHRH受容体リガンドとしては、LHRHデカペプチド、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する類似体、または小分子受容体リガンドを挙げることができる。
【0048】
LHRH受容体は、正常な器官組織と比して、多くの腫瘍細胞(例えば、乳房、前立腺、メラノーマ)で過剰発現性であることが知られている。従って、単一のIRM−LHRH受容体リガンド結合組成物が、2つ以上の癌を処置するために用いられる可能性がある。
【0049】
LHRH受容体リガンドは、直接的にIRM部位に結合され得、または1つ以上のIRM部分がまた接続しているナノ粒子に接続され得る。LHRH受容体リガンドを有するナノ粒子は、乳房中または肺転移中のいずれにおいても、乳癌細胞を標的とすることが知られている。比較すると、LHRHを有するナノ粒子は、優先的に正常な動物の肝臓に向けられる。
【0050】
葉酸受容体リガンドはまた、IRM部分に結合され得る標的化部分として有用であり得、およびIRMの腫瘍特異的標的化送達をもたらす。葉酸受容体の発現は、多くの腫瘍細胞の表面上で増加される。再度、葉酸受容体リガンドのIRM部分に対する結合は、腫瘍サイトでのIRMの選択的な蓄積をもたらすことができ、IRM部分の全身的な利用可能性を低減し、およびIRM部分の治療指数を高める。好適な葉酸受容体リガンドとしては、葉酸、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する類似体、または小分子受容体リガンドが挙げられる。
【0051】
いくつかの代替的な実施形態において、IRM部位は、樹状細胞標的化部分に結合され得る。標的化部分は、抗体(例えば、抗DC抗体)または、DC特異的マーカーを認識する非抗体リガンドであり得る。
【0052】
好適なDC特異的マーカーとしては、例えば、TNFRスーパーファミリー(例えば、CD40)、CD70、CD80、CD86、B7−CD、B7.1、B7.2等のいずれかの構成要素などの例えば、共刺激性マーカーが挙げられ得る。共刺激性マーカーを認識する標的化部分を含む免疫調節組成物が、単一の化学物質において2つのDC活性化刺激(すなわち、IRM部分および同時刺激)を送達するために用いられ得る。
【0053】
本明細書において用いられるところ、抗DC抗体は、樹状細胞抗原を認識する抗体を指す。好適な樹状細胞標的化部分は、樹状細胞によって、定性的にまたは定量的に差次的に発現するいずれかの抗原に結合し得る。好適な樹状細胞標的化部分は、例えば、DEC205、BDCA−1、BDCA−2、BDCA−3、BDCA−4、DC−SIGN、L−SIGN、HLR−DR、CD11c、CD13、CD14、CD21、CD33、CD35、CD123、C−タイプレクチン、インテグリン(例えば、α4、α6、α1β1)、および/またはいずれか1つのトール様受容体(TLR)等などの抗原に結合し得る。
【0054】
標的化部分がDC特異的マーカーを認識したかまたは抗原を認識したかに関わらず、IRM部分の標的化部分への結合は、全身的な送達経路で投与された場合においても、IRM部分の全身的な利用可能性を制限することができる。しかも、IRM部分は、樹状細胞の近傍に集中され得、これにより、樹状細胞がより効果的に成熟させ、および活性化される。腫瘍サイト(または腫瘍塊の内部においても)で活性化された樹状細胞は、腫瘍細胞の表面上に存在する腫瘍抗原を利用して、腫瘍に対する免疫応答を惹起することが可能であり得る。この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な抗腫瘍治療を提供することが可能である。
【0055】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、抗マクロファージ標的化部分に結合され得る。マクロファージは、多くの場合、腫瘍細胞の近傍に局在化されている。従って、再度、IRM部分の全身的な利用可能性を制限することができ、およびIRM部分は、標的細胞(すなわち、マクロファージ)の近傍に集中され得、これにより、マクロファージはより効率的に活性化される。活性化されたマクロファージは、抗腫瘍活性を示すことが知られている。従って、この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な腫瘍治療を提供することが可能である。
【0056】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、例えば、CD8+細胞障害性T細胞、NK細胞、またはNKT細胞などの、直接的に腫瘍細胞を死滅させる細胞タイプ上の表面抗原を認識する標的特異的部位に結合され得る。再度、免疫調節組成物が全身的に投与された場合においても、IRM部分は、腫瘍キラー細胞の近傍に集中され得、これにより、(a)腫瘍キラー細胞がより効果的に活性化され、および/または(b)IRM部分の全身的な利用可能性が制限される。腫瘍サイト(または腫瘍塊の内部であっても)で活性化された腫瘍キラー細胞は、腫瘍細胞の表面上に存在する腫瘍抗原を利用して、腫瘍に対する免疫応答を惹起させることが可能であり得る。この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な腫瘍治療を提供することが可能である。
【0057】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、例えば、内皮標的を認識する標的化部分に結合され得る。腫瘍塊の内皮環境には、正常な毛細血管床と比して顕著な差異が存在する。差異は、例えば、同一性、および一定の内皮表面タンパク質、接着分子(例えば、インテグリン)、細胞外マトリックスタンパク質、増殖因子受容体等が発現する程度において存在する。これらの差異を活用して、IRM部分の腫瘍関連内皮への標的送達をすることができる。このような差異を特異的に標的とするいくつかの試薬が、抗血管新生療法として有用であることが示された。標的化部分としてのこのような剤のIRM部分への結合は、2つの効果的な抗腫瘍療法(免疫療法および抗血管形成療法)を組み合わせることができる。
【0058】
好適な抗血管形成試薬としては、例えば、抗CD105抗体(CD105は腫瘍内皮において過剰発現される)、抗ED−B抗体(ED−Bは、腫瘍塊に見出されるフィブロネクチンアイソフォームである)、腫瘍に関連する内皮インテグリンに認識されるペプチド、およびその受容体が腫瘍内皮(例えば、血管性内皮増殖因子)上で上方制御される増殖因子が挙げられる。
【0059】
このような抗血管新生試薬の使用は、組み合わせた抗血管形成および免疫療法の見込みをもたらし得る。さらに、IRMの腫瘍内皮への標的化送達は、一般に、内皮は、腫瘍塊より変異原性に劣る組織であるため、腫瘍自体とは対照的に、より効果的な長期処置を提供し得る。従って、内皮に向けられた治療が薬剤耐性を生じる可能性はきわめてまれであり得る。また、内皮に向けられた治療は、腫瘍特異的試薬を必要とすることはなく、事実上いずれの血管新生化腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、肺癌)に対しても効果的であり得る。
【0060】
さらに他の代替的な実施態様において、標的指向化部位は2つ以上の標的化部分を含み得、その各々が異なる標的に結合することが可能である。従って、例えば、標的化部分は、例えば免疫細胞抗原または共刺激性マーカー(例えば、樹状細胞標的)を認識する一つの標的化部分と、例えば標的腫瘍細胞を認識する第2の標的化部分(例えば、抗腫瘍抗原)とを含み得る。このような組成物は、IRM部位の標的細胞集団のいずれかまたは両方への送達を標的化し得るだけではなく、また、標的免疫細胞(例えば、樹状細胞または腫瘍キラー細胞)およびIRM部位の、標的腫瘍細胞(例えば、腫瘍)の近傍への標的化送達をも提供し得る。
【0061】
組成物の標的化部分は、組成物の標的化送達を提供することができるいずれの材料であってもよい。多数の実施形態において、標的化部分は免疫特異的標的化を提供し得、すなわち、組成物の標的抗原に対する免疫特異的結合を促進するために十分な免疫グロブリン(すなわち抗体)の部分であり得る。しかしながら、本発明は、例えば、ホルモン(自然または合成)、脂質等などの例えば受容体リガンドなどの非免疫グロブリン標的化材料を用いても実施され得る。
【0062】
免疫グロブリンはタンパク質であるため、標的化部分として用いるには適当ではない変性免疫グロブリンを与えることなく、特定の免疫グロブリンに修飾を成すことができることが理解される。例えば、免疫グロブリンアミノ酸配列の1つ以上の部分が削除または置換され得、または追加のアミノ酸が免疫グロブリンに付加され得、および免疫グロブリンは、なお、本発明の実施に好適とされる十分な免疫特異的特徴を維持することができる。従って、以下の記載においては、特定の抗体に対する言及は、十分な量の免疫特異的特徴を維持しながら可能であるため、このような修飾(例えば、アミノ酸付加、削除、および/または置換)を有する変性免疫グロブリンを含む。
【0063】
好適な抗体は、微生物抗原(例えば、細菌性、ウイルス性、寄生性または真菌性抗原)、癌または腫瘍関連抗原、および/または自己抗原について特異的であり得る。多数の実施形態において、好適な抗体は、細胞上または中に存在する抗原を認識する、および結合するものである。特定の材料(すなわち、抗原)に結合する抗体は、同義的に、「抗抗原」または「抗原抗体」として称され得る。いくつかの事例においては、抗体は、一般名称または商業的商標によって称され得る。
【0064】
好適な抗体の例としては、限定されないが、リツキサン(RITUXAN)(リツキシマブ、抗CD20抗体)、ヘルセプチン(HERCEPTIN)(トラツズマブ)、クアドラメット(QUADRAMET)、パノレックス(PANOREX)、IDEC−Y2B8、BEC2、C225、オンコリム(ONCOLYM)、スマート(SMART)M195、アトラゲン(ATRAGEN)、オバレックス(OVAREX)、ベクサール(BEXXAR)、LDP−03、ior t6、MDX−210、MDX−11、MDX−22、OV103、3622W94、抗VEGF、ゼナパックス(ZENAPAX)、MDX−220、MDX−447、メリムネ(MELIMMUNE)−2、メリムネ(MELIMMUNE)−1、シアシド(CEACIDE)[google]、プレターゲット(PRETARGET)、ノボマブ(NovoMAb)−G2、TNT、グリオマブ(Gliomab)−H、GNI−250、EMD−72000、リンフォサイド(LYMPHOCIDE)、CMA676、モノファーム(Monopharm)−C、4B5、ior egf.r3、ior c5、BABS、抗FLK−2、MDX−260、ANAAb、スマート(SMART)ID10Ab、スマート(SMART)ABL364Ab、CC49(mAb B72.3)、ImmuRAIT−CEA、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−9抗体、抗Ig抗体、抗IgE抗体、血清由来B型肝炎抗体、組換えB型肝炎抗体、抗CD40抗体、抗OX40抗体、抗サイトカイン受容体抗体等が挙げられる。
【0065】
本発明について同様に有用である他の抗体としては、アレムツズマブ(B細胞慢性リンパ性白血病)、ゲムツズマブオゾガマイシン(CD33+急性骨髄性白血病)、hP67.6(CD33+急性骨髄性白血病)、インフリキシマブ(炎症性腸疾患および関節リウマチ)、エタネルセプト(ETANERCEPT)(関節リウマチ)、トシツモマブ、MDX−210、オレゴボマブ、抗EGF受容体mAb、MDX−447、抗組織因子タンパク質(TF)、(スノール(Sunol));ior−c5、c5、エドレコロマブ、イブリツモマブチウキセタン、ガングリオシドGD3エピトープの抗イディオタイプmAb擬態、抗HLA−Dr10 mAb、抗CD33ヒト化mAb、抗CD52humAb、抗CD1mAb(ior t6)、MDX−22、セロゴバブ(celogovab)、抗17−1A mAb、ベバシズマブ、ダクリズマブ、抗TAG−72(MDX−220)、高分子量プロテオグリカン(I−Mel−1)の抗イディオタイプmAb擬態、高分子量プロテオグリカン(I−Mel−2)の抗イディオタイプmAb擬態、抗CEA Ab、hmAbH11、抗DNAまたはDNA−関連タンパク質(ヒストン)mAb、グリオマブ(Gliomab)−H mAb、GNI−250mAb、抗CD22、CMA676)、GD2ガングリオシドに対する抗イディオタイプヒトmAb、ior egf/r3、抗ior c2糖タンパク質mAb、ior c5、抗FLK−2/FLT−3mAb、抗GD−2二重特異的mAb、抗核自己抗体、抗HLA−DR Ab、抗CEA mAb、パリビズマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ、BLyS−mAb、抗VEGF2、抗Trail受容体;B3mAb、mAb BR96、乳癌;およびAbx−Cb1mAbが挙げられる。
【0066】
好適な抗体としてはまた、以下の
例えば、特に限定されないが、抗ヒトFas/Fasリガンド抗体、抗マウスFas/Fasリガンド抗体、グランザイム抗体、グランザイムB抗体を含むFas/Fasリガンド抗体;特に限定されないが、抗チトクロムC抗体、抗ヒトBcl抗体(モノクローナル)、抗ヒトBcl抗体(ポリクローナル)、抗マウスBcl抗体(モノクローナル)、および抗マウスBcl抗体(ポリクローナル)を含むBcl抗体などのアポプトーシス抗体;
例えば、抗TRADD、抗TRAIL、および抗DR3抗体などのその他のアポプトーシス抗体;
例えば、特に限定されないが、抗ヒト、マウスbim抗体(ポリクローナル)、抗ヒト、マウスbim抗体(モノクローナル)を含むBim抗体などのその他のアポプトーシス関連抗体;
例えば、抗ヒトカスパーゼ抗体(モノクローナル)、および抗マウスカスパーゼ抗体などのカスパーゼ抗体;
例えば、抗CD25、抗CD29、抗CD29、抗CD41a、抗CD42b、抗CD42b、抗CD42b、抗CD43、抗CD46、抗CD61、抗CD61、抗CD62/P−slctn、抗CD62/P−slctn、および抗CD154などの抗CD抗体;
例えば、ヒトCNTF抗体、ヒトエオタキシン抗体、ヒト上皮性好中球活性化ペプチド−78(ENA−78)抗体、ヒトエクソダス抗体、ヒトGRO抗体、ヒトHCC−1抗体、ヒトI−309抗体、ヒトIP−10抗体、ヒトI−TAC抗体、ヒトLIF抗体、ヒト肝臓−発現ケモカイン(LEC)抗体、ヒトリンフォタキシン抗体、ヒトMCP抗体、ヒトMIP抗体、IFN−γ(MIG/CXCL9)抗体によって誘導されたヒトモノカイン、ヒトNAP−2抗体、ヒトNP−1抗体、ヒト血小板因子−4抗体、ヒトランテス抗体、ヒトSDF抗体、およびヒトTECK抗体などのヒトケモカイン抗体;
例えば、ヒトB−細胞攻撃マウスケモカイン抗体、ケモカイン−1抗体、マウスエオタキシン抗体、マウスエクソダス抗体、マウスGCP−2抗体、マウスKC抗体、マウスMCP抗体、マウスMIP抗体、およびマウスランテス抗体などのマウスケモカイン抗体;
例えば、ラットCNTF抗体、ラットGRO抗体、ラットMCP抗体、ラットMIP抗体、およびラットランテス抗体などのラットケモカイン抗体;
例えば、ヒトビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、ヒトインターフェロン(IFN)抗体、ヒトインターロイキン(IL)抗体、ヒトレプチン抗体、ヒトオンコスタチン抗体、ヒト腫瘍壊死因子(TNF)抗体、ヒトTNF受容体ファミリー抗体、マウスビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、マウスIFN抗体、マウスIL抗体、マウスTNF抗体、マウスTNF受容体抗体、ラットビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、ラットIFN抗体、ラットIL抗体、およびラットTNF抗体などのサイトカイン/サイトカイン受容体抗体;
例えば、コラーゲン/プロコラーゲン抗体、ラミニン抗体、ヒトコラーゲン抗体、ヒトラミニン抗体、ヒトプロコラーゲン抗体、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体抗体、ヒトビトロネクチン抗体、ヒトビトロネクチン受容体抗体、フィブロネクチン/フィブロネクチン受容体抗体、ヒトフィブロネクチン抗体、およびヒトフィブロネクチン受容体抗体などの細胞外マトリックス抗体;
例えば、ヒト増殖因子抗体、マウス増殖因子抗体、およびブタ増殖因子抗体などの増殖因子抗体;
例えば、バキュロウイルス抗体、カドヘリン抗体、補体抗体、C1q抗体、フォンウィルブランド因子抗体、Cre抗体、HIV抗体、インフルエンザ抗体、ヒトレプチン抗体、マウスレプチン抗体、マウスCTLA−4抗体、P450抗体、およびRNAポリメラーゼ抗体などのその他の抗体;
例えば、アミロイド抗体、GFAP抗体、ヒトNGF抗体、ヒトNT−3抗体、およびヒトNT−4抗体などの神経生物学的抗体
が挙げられる。
【0067】
本発明における使用に好適な追加の抗体としては、例えば、1次抗体のMSRSカタログおよびリンズコッツ(Linscott’s)ダイレクトリーなどの文献にリストされている抗体が挙げられる。
【0068】
組成物の免疫応答修飾因子部位はいずれかの好適なIRM化合物であり得るか、またはIRM化合物に由来し得る。他に示されていない限りにおいて、化合物への言及は、いずれかの異性体(例えば、ジアステレオマーまたはエナンチオマー)、塩、溶媒和物、異形体等を含むいずれかの薬剤的に許容可能な形態での化合物を含むことができる。特に、化合物が光学的に活性である場合には、化合物への言及は、化合物のエナンチオマーの各々、ならびにエナンチオマーのラセミ混合物を含むことができる。
【0069】
いくつかの実施態様において、IRM化合物は小分子免疫応答修飾因子(例えば、約1000ダルトン未満の分子量)であり得る。いくつかの実施形態において、IRM化合物は、5員窒素含有複素環式環に縮合した2−アミノピリジン、または5員窒素含有複素環式環に縮合した4−アミノピリミジンを含み得る。
【0070】
本発明における使用について好適なIRM化合物としては、5員窒素含有複素環式環に縮合された2−アミノピリジンを有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、特に限定されないが、例えば、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリール、ヘテロアリール、アリーロキシまたはアリールアルキレンオキシ置換イミダゾキノリンアミン、およびイミダゾキノリンジアミンなどの置換イミダゾキノリンアミンを含むイミダゾキノリンアミン;特に限定されないが、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、およびテトラヒドロイミダゾキノリンジアミンを含むテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;特に限定されないが、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンを含むイミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;およびピリジンアミンに縮合された1H−イミダゾダイマー、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンが挙げられる。
【0071】
一定の実施態様において、IRM化合物は、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであり得る。
【0072】
一定の実施態様において、IRM化合物は、置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであり得る。
【0073】
本明細書において用いられるところ、置換イミダゾキノリンアミンは、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリール、ヘテロアリール、アリーロキシまたはアリールアルキレンオキシ置換イミダゾキノリンアミン、またはイミダゾキノリンジアミンを指す。本明細書において用いられるところ、置換イミダゾキノリンアミンは、特定的に、かつ、明示的に1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンおよび4−アミノ−α,α−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを除外する。
【0074】
好適なIRM化合物としてはまた、プリン誘導体、イミダゾキノリンアミド誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、アデニン誘導体、アミノアルキルグルコサミニドリン酸塩、および上述のオリゴヌクレオチド配列が挙げられ得る。
【0075】
特定の一実施態様において、化合物の免疫応答修飾因子部位は、N−[6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソへキシル]−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドに由来する。
【0076】
本発明のいくつかの実施態様において、IRM化合物は、例えば、TLR6、TLR7、またはTLR8のアゴニストなどの、少なくとも1つのTLRのアゴニストであり得る。IRMは、いくつかの場合において、TLR9のアゴニストであり得る。
【0077】
特定の化合物についてのTLRアゴニズムは、いずれかの好適な方策で査定し得る。例えば、テスト化合物のTLRアゴニズムを検出するために好適なアッセイおよび組換え株細胞が、例えば、米国特許出願公開第2004/0014779号、同第2004/0132079号、同第2004/0162309号、同第2004/0171086号、同第2004/0191833号、および同第2004/0197865号に記載されている。
【0078】
利用された特定のアッセイに関わらず、化合物は、化合物でのアッセイを実施して、特定のTLRによって媒介されたいくつかの生物活性の閾増加量が少なくとももたらされる場合、特定のTLRアゴニストとして同定されることができる。逆に、化合物は、指定のTLRにより媒介された生物活性を検出するよう設計されたアッセイの実施に用いられたときに、化合物が生物活性における閾増加量の誘発に失敗する場合には、指定のTLRのアゴニストとして作用しないとして同定され得る。他に示されていない限りにおいて、生物活性の増加は、同一の生物活性における、適切な対照において観察された生物活性を超える増加を指す。アッセイは、適切な対照と併せて実施されても、されなくてもよい。経験により、当業者は、特定のアッセイについて十分に熟知度を深め得(例えば、適切な対照において、特定のアッセイ条件下で観察された値の範囲)、対照の実施は、特定のアッセイにおける化合物のTLRアゴニズムを測定するためには常に必要ではない場合がある。
【0079】
特定の化合物が所与のアッセイにおいて特定のTLRのアゴニストであるかまたはでないかを判定するための、TLR−媒介生物活性の精確な閾増加量は、特に限定されないが、アッセイのエンドポイントとして観察される生物活性、アッセイのエンドポイントを計測または検出するために用いられる方法、アッセイのSN比、アッセイの精度、および両方のTLRについての化合物のアゴニズムの測定に同一のアッセイが用いられたかどうかを含む、技術分野において公知である要素に応じて変化し得る。従って、すべての可能なアッセイについて、一般に化合物を特定のTLRのアゴニストまたは非アゴニストとして同定するために必要とされるTLR−媒介生物活性の閾増加量を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な閾値を容易に判定することができる。
【0080】
発現可能なTLR構造遺伝子で形質移入されたHEK293細胞を利用するアッセイは、化合物を細胞に形質移入されたTLRのアゴニストとして同定するために、化合物が例えば約1μM〜約10μMの濃度で提供されたとき、例えば、TLR−媒介生物活性(例えば、NFκB活性化)における少なくとも3倍の増加の閾値を用い得る。しかしながら、異なる閾値および/または異なる濃度範囲が、一定の状況においては好適であり得る。また、異なる閾値が、異なるアッセイについては適切であり得る。
【0081】
免疫調節組成物は、被検者への投与に好適ないずれかの方策で処方され得る。処方の好適なタイプが、例えば、米国特許第5,736,553号;同第5,238,944号;同第5,939,090号;同第6,365,166号;同第6,245,776号;および6,486,186号;欧州特許第0394026号;および米国特許出願公開第2003/0199538号に記載されている。化合物は、特に限定されないが、溶液、懸濁液、エマルジョンを含むいずれかの好適な形態、またはいずれかの形態の混合物で提供され得る。化合物は、いずれかの薬剤的に許容可能な賦形剤、キャリア、またはビヒクルとの配合物で供給され得る。例えば、配合物は、例えば、クリーム、軟膏剤、エアロゾル配合物、非エアロゾルスプレー、ゲル、ローション等などの従来の局所的剤形で供給され得る。配合物は、特に限定されないが、補助剤、皮膚浸透促進剤、着色剤、芳香剤、香味剤、湿潤剤、増粘剤等を含む1つ以上の添加剤をさらに含み得る。
【0082】
免疫調節組成物を含有する配合物は、例えば、経口または非経口などのいずれかの好適な方策で投与され得る。本明細書において用いられるところ、経口的とは、経口摂取によることを含む消化管を介した投与を指す。非経口的とは、例えば、静脈内、筋肉内、経皮的、皮下、経粘膜的(例えば、吸入により)、または局所的などの消化管を介する以外の投与を指す。
【0083】
本発明の実施に好適な配合物の組成物は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、意図される投与計画、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および配合物が投与される種を含む技術分野において公知である要素に応じて異なることとなる。従って、すべての可能な適用について効果的な配合物の組成を、一般に規定することは実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な配合物を容易に判定することができる。
【0084】
別の側面において、本発明は、免疫応答修飾因子の標的化送達方法を含む。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の投与を含む。
【0085】
別の側面において、本発明は、局所免疫応答を誘導する方法を提供する。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の、免疫応答を誘導するための有効量での投与を含む。
【0086】
さらに別の側面において、本発明は、免疫応答を誘導することにより処置可能な、被検者における状態を処置する方法を提供する。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の、状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための有効量での投与を含む。
【0087】
方法の各々について、好適な免疫調節組成物は、上述の免疫調節組成物を含む。いくつかの実施形態において、送達標的は腫瘍細胞を含む。他の実施形態において、送達標的は免疫細胞を含む。一定の実施態様において、標的指向化部位は、2つ以上の送達標的を認識し得る。このような一つの場合において、1つの送達標的は腫瘍細胞を含むことができると共に、2つ目の送達標的は免疫細胞を含むことができる。
【0088】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、例えば、約0.001%〜約10%(他に示されていない限りにおいて、本明細書に記載のすべてのパーセントは、重量/総配合物に関する重量である)の配合物での、免疫調節組成物の被検者への投与を含むが、いくつかの実施形態においては、免疫調節組成物は、この範囲外の濃度で免疫調節組成物を提供する配合を用いて投与され得る。一定の実施態様において、方法は、被検者への、約0.01%〜約1%の免疫調節組成物を含む配合物、例えば、約0.1%〜約0.5%の免疫調節組成物を含む配合物の投与を含む。
【0089】
本発明の実施に効果的である免疫調節組成物の量は、標的特異的な免疫応答を発生させるのに十分な量である。本発明の実施に必要とされる免疫調節組成物の精確な量は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、意図された投与計画、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および免疫調節組成物が投与される種を含む技術分野において公知である要素に応じて異なることとなる。従って、すべての可能な適用について効果的な免疫調節組成物の量を構成する量を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な量を容易に判定することができる。
【0090】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、例えば、被検者へ約100ng/kg〜約50mg/kgのIRM部位の投与量を提供することを含むが、いくつかの実施態様においては、方法は、免疫調節組成物を投与して、この範囲外のIRM部位の投与量を提供することにより実施されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、被検者への約10μg/kg〜約5mg/kgのIRM部位の投与量、例えば、約100μg/kg〜約1mg/kgの投与量を提供することを含む。
【0091】
あるいは、投与量は、処置過程の開始直前に得られる実際の体重を用いて算出され得る。このように算出される投与量のために、体表面積(m2)が、デュポワ法:m2=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184を用いて、処置過程の開始前に算出される。
【0092】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分なIRM複合体を投与して、例えば、約0.01mg/m2〜約10mg/m2の投与量を提供することを含み得る。
【0093】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、例えば、被検者への約50ng/kg〜約100mg/kgの標的化部分の投与量を提供することを含むが、いくつかの実施態様において、方法は、免疫調節組成物を投与して、この範囲外の標的化部分の投与量を提供することによって実施され得る。これらの実施態様のいくつかにおいて、方法は、十分な免疫調節組成物を提供して、被検者への約10μg/kg〜約50mg/kg標的化部分の投与量、例えば、約1mg/kg〜約20mg/kgの投与量を提供することを含む。
【0094】
投与計画は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、免疫調節組成物が投与される量、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および免疫調節組成物が投与される種を含む技術分野において公知である多数の要素に、少なくとも部分的に応じ得る。従って、すべての可能な適用について効果的な投与計画を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な投与計画を容易に判定することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施態様において、免疫調節組成物は、例えば、単一的な投与量から複数の投与量で投与され得る。一定の実施態様において、免疫調節組成物は、約1日1回から約3ヶ月に1回で投与され得るが、いくつかの実施態様において、本発明の方法は、この範囲外の頻度で免疫調節組成物を投与することによって実施され得る。特定の一実施態様において、免疫調節組成物は、約週1回から約月1回で投与される。他の実施態様において、免疫調節組成物は、1週間に2日で1日1回投与される。さらに他の実施態様において、免疫調節組成物は、1週間に3回で1日1回で投与される。
【0096】
免疫調節組成物を投与することにより処置され得る状態としては、限定されないが:
(a)例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡またはワクシニアなどのオルソポックスウイルス、または伝染性軟属腫)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルスまたはエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、および呼吸器多核体ウイルス(RSV))、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポーウイルス(例えば、性器疣贅、尋常性疣贅、または足底疣贅を発症させるものなどのパピロマーウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルスまたはデングウイルス)、またはレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)による感染から生じる疾病などのウイルス性疾患;
(b)例えば、大腸菌類、エンテロバクター、サルモネラ菌、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、好気菌、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、レンサ球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎レンサ球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バチルス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラの細菌による感染から生じる疾病などの、例えば細菌性疾患;
(c)クラミジア、特に限定されないが、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコッカス髄膜炎を含む真菌性疾病、または特に限定されないが、マラリア、ニューモシスティスカリニ肺炎、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染を含む寄生虫症などの他の感染性疾病;
(d)固体腫瘍癌(特に限定されないが、乳癌、大腸癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、前立腺癌、肝癌等を含む)、上皮内腫瘍、子宮頚部異形成、日光角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、白血病(特に限定されないが、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、B−細胞リンパ腫、および有毛細胞白血病を含む)、および他の癌などの腫瘍性疾患;
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、およびオーメン症候群などのTH2−媒介アトピー性疾病;
(f)全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症などの一定の自己免疫疾患;および
(g)例えば、ケロイド形成のおよび他のタイプの瘢痕(例えば、慢性的創傷を含む創傷治癒の増強)の阻害などの創傷修復に関連する疾病
が挙げられる。
【0097】
一定の免疫調節組成物は、易感染性免疫機能を有する固体に特に役立ち得る。例えば、一定の免疫調節組成物は、例えば、移植患者、癌患者およびHIV患者において、細胞性免疫の抑制後に生じる日和見感染および腫瘍を処置するために用いられ得る。
【0098】
IRM部分および標的化部分は、例えば、共有、および一定のタイプの非共有結合を含む、いずれかの好適な手段によっても結合され得る。共有的および非共有的にIRM化合物および抗原を結合する方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている。このような方法は、驚くべきことに、得られる組成物の各部位がその機能的特長を維持するよう、共有的または非共有的にIRM部分および標的化部分を結合するためにも用いられ得る。IRMおよび抗原が結合される可能性がある状態のいくつか(例えば、9.0を超えるpHおよびUV照射)は、一定の標的化部分の標的特異的特長を破壊する可能性があると考えられていた(例えば、抗体L鎖の抗原認識サイトの破壊)。しかも、空間的な考慮および1つ以上のIRM部位がバインドし、従って、標的化部分の標的−結合部分をブロックすることができる可能性は、IRMおよび標的化部分を結合するためのIRMおよび抗原を結合する方法の使用を妨げるであろう障害であると見なされていた。
【0099】
あるいは、標的指向化部位は、IRM部分および標的化部分を結合するためにUV照射に依存しない化学作用を用いてIRM部分に結合され得る。このような方法は、共役反応の制御、IRM部分対標的化部分の比の制御、最終組成物の特徴づけ、およびより均質な生成物を得ることを容易とし得る化学作用を用いる。IRM部分および標的化部分を結合するための追加の方法が、例えば、2006年2月22日出願の「免疫応答修飾因子複合体(Immune Response Modifier Conjugates)」と題された米国仮特許出願に記載されている。
【0100】
上記したとおり、IRM部分は、共有結合ではなく、親和性相互作用を用いて標的化部分に結合され得る。上記の一例は、アビジンおよびビオチンの間の親和性を活用する。IRM部分および標的化部分を結合するために有用であり得る代替的な親和性相互作用としては、例えば、糖タンパク質/レクチン相互作用が挙げられる。
【0101】
あるいは、免疫調節組成物は、IRM部分および標的化部分を共有的に結合することにより調製され得る。免疫調節組成物は、一般に、免疫応答修飾因子を、架橋剤と反応させ、および次いで得られた中間体を、例えば、所望の量の標的特異的な送達機能を提供するに十分な分量の抗体などの標的指向化部位と反応させることにより調製され得る。生物複合体の調製に好適な多くの架橋剤が公知であり、および多数が市販されている。例えば、ヘルマンソン(Hermanson),G.(1996年)「生物複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、アカデミックプレス(Academic Press)を参照のこと。
【0102】
あるいは、免疫調節組成物は、例えば、標的化部分が、IRM部分のR1を介してIRM部位と連結される反応スキームIに示される方法により、調製され得る。反応スキームIのステップ(1)においては、式IIIのIRM化合物が式IVのヘテロ二官能性架橋剤と反応されて、式IIの化合物が提供される。RAおよびRBの各々は、他方と反応するよう選択される官能基を含有する。例えば、RAが第1級アミンを含有する場合には、RBがN−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステルなどのアミン−反応性官能基を含有するヘテロ二官能性架橋剤が選択され得る。RAおよびRBは、両者が反応して、所望のリンカー基を複合体中に提供するよう選択され得る。
【0103】
RAが官能基を含有する式IIIの化合物の調製方法は公知である。例えば、米国特許第4,689,338号;同第4,929,624号;同第5,268,376号;同第5,389,640号;同第5,352,784号;同第5,494,916号;同第4,988,815号;同第5,367,076号;同第5,175,296号;同第5,395,937号;同第5,741,908号;同第5,693,811号;同第6,069,149号;同第6,194,425号;同第6,331,539号;同第6,451,810号;同第6,525,064号;6,541,485号;同第6,545,016号;同第6,545,017号;同第6,656,938号;同第6,660,747号;同第6,664,260号;同第6,664,264号;同第6,670,372号;同第6,677,349号;同第6,683、088号;および同第6,797,718号;および米国特許出願公開第2004/0147543号および同第2004/0176367号を参照のこと。
【0104】
多くのヘテロ二官能性架橋剤が公知であり、および多数が市販されている。例えば、ヘルマンソン(Hermanson),G.(1996年)「生物複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、アカデミックプレス(Academic Press)、第5章「ヘテロ二官能性架橋剤(Heterobifunctional Cross−Linkers)」、229〜285ページを参照のこと。反応は、一般に、式IIIの化合物のN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶剤中の溶液と、式IVのヘテロ二官能性架橋剤のN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶剤中の溶液とを組み合わせることによって行われることができる。反応は、周囲温度で行われ得る。式IIの生成物は、次いで、従来の技術を用いて単離され得る。
【0105】
反応スキームIのステップ(2)において、反応性基ZAを含有する式IIの化合物が標的化部分と反応されて、式Iの免疫調節性複合体が提供される。反応は、一般に、式IIの化合物のジメチルスルホキシドなどの好適な溶剤中の溶液と、標的化部分のPBSなどの好適な緩衝剤中の溶液とを組み合わせることによって行われることができる。反応は、周囲温度でまたは低温(約4℃)で行われ得る。ZAが、フェニルアジドなどの光反応性基である場合、反応混合物は、長波長UV光に適切な長さの時間露光されて、架橋が行われることとなる(例えば、10〜20分間)。標的化部分当たりのIRM部分の平均数は、反応において用いられる式IIの化合物の量を調整することにより制御され得る。式Iの免疫調節性複合体は、従来の技術を用いて単離および精製され得る。
【0106】
反応スキームI
【化1】
【0107】
あるいは、式IIの化合物は、ヘテロ二官能性架橋剤を用いることなく合成され得る。式IIの化合物は、反応性基ZAを含有している限り、上記のステップ(2)の方法を用いて標的化部分と反応されて、免疫調節性複合体を提供し得る。
【0108】
本明細書において用いられるところ、用語「アルキル」、「アルケニル」および接頭語「alk−」は直鎖、分岐鎖、および環式基を含み、すなわちシクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。他に規定されていない限りにおいて、これらの基は、1〜20個の炭素原子を含み、アルケニル基は2〜20個の炭素原子を含む。好ましい基は、合計で10個以下の炭素原子を有する。環式基は単環式または多環式であることができ、および好ましくは、3〜10個の環炭素原子を有する。例証的な環式基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、およびアダマンチルが挙げられる。
【0109】
用語「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子によって置換されている基を包括し、過フッ素化基を含む。これはまた、接頭語「halo−」を含む基にも当てはまる。好適なhaloアルキル基の例は、クロロメチル、トリフルオロメチル等である。
【0110】
本明細書中で使用するとき、用語「アリール」は、炭素環式芳香族環または環系を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。用語「ヘテロアリール」としては、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む芳香族環または環系が挙げられる。好適なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピローリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル等が挙げられる。
【0111】
「ヘテロシクリル」としては、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含有すると共に、上述のヘテロアリール基の完全に飽和のおよび部分的に不飽和の誘導体のすべてを含む非芳香族環または環系が挙げられる。例証的な複素環基としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびイミダゾリジニルが挙げられる。
【0112】
アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、未置換であることができ、あるいは、アルキル、アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、カルボキシ、ホルミル、アリール、アリーロキシ、アリールチオ、アリールアルコキシ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリーロキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルチオカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、ヘテロアリールチオカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールカルボニルチオ、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールジアジニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルケニルアミノカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニルアミノ、アリールアルキルアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノカルボニルアミノおよび、ヘテロシクリルの場合には、オキソからなる群から独立に選択される置換基の1つ以上によって置換されていることができる。他の基が「置換されている」または「任意により置換されている」として記載されている場合、それらの基はまた、上に列挙した置換基の1つ以上によって置換されていることもできる。
【0113】
一定の置換基が一般に好ましい。例えば、好ましいR2基としては、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、N−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびシクロプロピルメチル)、およびアルコキシアルキル基(例えば、メトキシエチルおよびエトキシメチル)が挙げられる。好ましくは、R3およびR4は、独立に水素またはメチルであり、またはR3およびR4は共に結合してベンゼン環、ピリジン環、6員飽和環または窒素原子を含有する6員飽和環を形成する。これらの好ましい置換基の1つ以上は、存在する場合、いずれの組み合わせでも存在することができる。
【0114】
IRM部分および標的化部分が、共有的に結合されているか、非共有的に結合されているかに関わらず、免疫調節組成物は、例えば、スペーサアームまたは固形支持体などの介在成分を含み得る。例えば約20Å〜約100Åの長さを有するものなどの一定のスペーサアームは組成物の溶解度を向上し得、これにより、組成物を用いて得ることができるIRM活性レベルが高められ得る。好適なスペーサが市販されている。
【0115】
いくつかの実施態様において、免疫調節組成物は、標的化部分およびIRM部分の両方が接続する巨大分子支持体を含み得る。一定の実施態様において、巨大分子支持体は固形支持体であり得る。IRM部位、標的化部分、または両方は、上述のものなどの架橋基を用いて、共有的に巨大分子支持体に接続され得る。巨大分子支持体は、例えばアガロースビーズ、金粒子等などの米国特許出願公開第2004/0202720号および同第2004/0258698号に記載のものなどの支持体を、例えば含み得る。
【0116】
本発明の方法は、いずれかの好適な被検者に実施され得る。好適な被検者としては、限定されず、特に限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、またはウシなどの動物が挙げられる。
【実施例】
【0117】
実施例
機構、利点、および他の本発明の詳細を単にさらに例示するために以下の実施例が選択された。しかしながら、実施例がこの目的のために役立つ一方で、用いられた特定の材料および量、ならびに他の状態および詳細は、本発明の範囲を不当に制限する可能性のある事項においては解釈されるべきではないことが明白に理解されるべきである。
【0118】
以下の実施例において、通常の高性能フラッシュクロマトグラフィ(HPFC)を、ホライゾン(HORIZON)HPFCシステム(米国バージニア州シャーロッツビルのバイオテージ(Biotage,Inc,Charlottesville,Virginia,USA)から入手可能な自動化高性能フラッシュ精製製品)またはインテリフラッシュ(INTELLIFLASH)フラッシュクロマトグラフィシステム(米国ウィスコンシン州バーリントンのアナロジックス(AnaLogix,Inc,Burlington,Wisconsin,USA)から入手可能な自動化フラッシュ精製システム)を用いて行った。各精製について用いた溶出液が実施例に与えられている。いくつかのクロマトグラフィ分離においては、溶媒混合物80/18/2v/v/vクロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム(CMA)を、溶出液の極性成分として用いた。これらの分離において、CMAをクロロホルムと示した比で混合した。
【0119】
IRM化合物の調製
IRM化合物1(IRM1):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド
【化2】
【0120】
パートA
6−(カルボベンジルオキシアミノ)カプロン酸(8.49グラム(g)、32.0ミリモル(mmol))のDMF(50mL)中の溶液に、0℃でN−ヒドロキシスクシンイミドおよび塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)を添加した。短時間の後、溶液を、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許出願公開第2004/0091491号に記載のとおり調製した、10g、32mmol)のDMF(100mL)中の0℃溶液に添加した。混合物を室温に温めさせおよび3日間攪拌した。溶液を、水(400mL)で希釈すると共に、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を組み合わせ、および水(2×)および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、および濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのHPFCにより3回精製して(クロロホルム中のCMAでの勾配溶離)、4.90gのベンジル6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメートを白色のフォームとして得た。
【0121】
パートB
ベンジル6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート(4.90g、8.75mmol)およびエタノール(100mL)中の10%の炭素に担持されたパラジウム(0.5g)の混合物を、パール(Parr)装置で、20〜40psi(1.4×105−2.8×105Pa)で1日水素化し、その間、新たな水素を数回導入した。混合物を、CELITEフィルタ剤を通してろ過した。濾液を減圧下に濃縮して、白色のフォームを得、これを直接的に次のステップにおいて用いた。
【0122】
パートC
3,3’−ジチオジプロピオン酸(920mg、4.38mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(1.42g、10.5mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)中の混合物に、0℃で塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.85g、9.63mmol)を添加した。混合物を、0℃で4時間攪拌した。パートBからの材料(8.75mmol)をDMF(20mL)中に溶解し、0℃に冷却し、および活性化二酸の冷えた溶液を一度に添加し、2回DMFですすいだ(各10mL)。反応を一晩かけて徐々に室温に温めさせた。さらなる数々の分量のEDCを、0℃で次の2日間にわたって反応に添加した。反応を室温でさらに数日間攪拌させ、次いで、水および飽和水性重炭酸ナトリウムで希釈し、および酢酸エチルで数回抽出した。組み合わせた有機抽出物を水および塩水で洗浄し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をHPFCで精製して、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドのジスルフィドダイマー3.8gを得た。
【0123】
パートD
パートCからの材料(3.8g、3.7mmol)を、メタノール(30mL)中に室温で溶解した。塩酸トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(1.38g、4.81mmol)を添加し、続いて、水(3mL)、および12.5M水性水酸化ナトリウム(1.12mL、14.1mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。溶液を、1M塩酸水溶液(およそ14mL)でpH6に調整した。メタノールを減圧下で除去し、および重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。混合物をジクロロメタン(3×)で抽出した。有機抽出物を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのHPFCにより精製した(クロロホルム中の0〜50%CMAでの勾配溶離)。適切な画分を濃縮して、2.36gのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドを得た。
【0124】
白色のフォーム,MS(ESI)m/z515(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(dd,1H),7.80(dd,1H),7.51(ddd,1H),7.32(ddd,1H),5.96(m,1H),5.59(s,1H),5.51(br s,2H),5.06(s,2H),4.84(br s,2H),3.62(q,J=6.9Hz,2H),3.25(q,J=6.9Hz,2H),2.81(m,2H),2.50(t,J=6.9Hz,2H),1.98(m,2H),1.61−1.18(m,13H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C26H38N6O3S・0.5H2Oについての解析的計算値:C,59.63;H,7.51;N,16.05;S,6.12。実際値:C,59.89;H,7.66;N,16.22;S,6.25。
【0125】
IRM化合物2(IRM2):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化3】
【0126】
N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(1.33g、2.58mmol)のジクロロメタン(16mL)中の溶液を、1.5時間にわたって、2,2’−ジピリジルジスルフィド(2.27g、10.3mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に滴下した。溶液を室温で18時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルでのHPFCにより2回精製して(ジクロロメタン中の1〜10%メタノールでの勾配溶離)、800mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、白色のフォームとして得た。
【0127】
代わりに、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、塩酸6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミドから1ステップで合成した。塩酸6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(68mg、0.16mmol)、トリエチルアミン(0.046mL、0.32mmol)、およびN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートのテトラヒドロフラン(1.6mL)およびDMF(0.5mL)中の混合物を、室温で5時間攪拌した。反応混合物を、水および酢酸エチルの間に分割した。水性相を酢酸エチルで抽出した。有機層を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して、36mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、無色の油として得た。
【0128】
MS(ESI)m/z624(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.43(m,1H),8.23(m,1H),7.80(m,1H),7.63(m,2H),7.50(m,1H),7.32(m,1H),7.11六重項,J=4.4Hz,1H),6.52(m,1H),5.55(s,1H),5.47(br s,2H),5.07(s,2H),4.83(br s,2H),3.62(q,J=6.9Hz,2H),3.27(q,2H),3.08(t,J=6.9Hz,2H),2.61(t,2H),2.04−1.99(m,2H),1.67−1.22(m,12H),1.24(t,J=7.0Hz,3H)。C31H41N7O3S2・1.0H2Oについての解析的計算値:C,58.01;H,6.75;N,15.28;S,9.99。実際値:C,58.37;H,6.69;N,15.24;S,9.99。
【0129】
IRM化合物3(IRM3):N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミド
【化4】
【0130】
パートA
IRM化合物1のパートCにおいて上述したものと同様の手順に従って、1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許第6,451,810号およびその中に引用されている文献、1.00g、3.21mmol)を、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドのジスルフィドダイマー1.05gに転換した。
【0131】
パートB
IRM化合物1のパートDにおいて上述したものと同様の手順に従って、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドのジスルフィドダイマー(0.78g、0.98mmol)を、シリカゲルでのHPFC(クロロホルム中の2〜30%CMAでの勾配溶離)による精製後、600mgのN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドに転換した。
【0132】
白色の固体,mp133.0−135.0℃。MS(ESI)m/z400(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.90(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.82(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.50(m,1H),7.32(m,1H),5.50(m,1H),5.34(br s,2H),4.49(t,J=7.5Hz,2H),3.34(q,J=6.8Hz,2H),2.90(m,2H),2.77(q,J=6.9Hz,2H),2.41(t,J=6.8Hz,2H),2.03−1.82(m,4H),1.73−1.45(m,5H),1.01(t,J=7.5Hz,3H)。C21H29N5OSについての解析的計算値:C,63.13;H,7.32;N,17.53。実際値:C,63.14;H,7.36;N,17.84。
【0133】
IRM化合物4(IRM4):N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパンアミド
【化5】
【0134】
パートA
IRM化合物2のパートAにおいて上述したものと同様の手順に従って、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミド(0.20g、0.50mmol)を、47mgのN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパンアミドに転換した。
【0135】
黄色のガラス状の固体,mp63.0−73.0℃。MS(ESI)m/z509(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.33(m,1H),7.89(m,1H),7.81(m,1H),7.61−7.46(m,3H),7.30(m,1H),7.05(m,1H),6.77(m,1H),5.49(br s,2H),4.47(t,J=7.5Hz,2H),3.37(q,J=6.5Hz,2H),3.04(m,2H),2.88(m,2H),2.55(t,J=6.5Hz,2H),2.05−1.66(m,6H),1.49(六重項,J=7.5Hz,2H),0.99(t,J=7.5Hz,3H)。C26H32N6OS2・0.6H2Oについての解析的計算値:C,60.11;H,6.44;N,16.18。実際値:C,59.80;H,6.23;N,16.25。
【0136】
IRM化合物5(IRM5):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミド
【化6】
【0137】
パートA
コハク酸無水物(3.20g、32.0mmol)を、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許出願公開第2004/0091491号に記載のとおり調製した、2.00g、6.39mmol)のDMF(20mL)中の100℃溶液に添加した。2日後、反応混合物を減圧下に濃縮して、オフホワイトの固体を得た。固体を100mLのジクロロメタンと共に攪拌し、およびろ過により単離した。濾液を濃縮し、ジクロロメタン(25mL)と攪拌し、およびろ過して、追加の固体を得た。組み合わせた固形分を真空下で乾燥させて、3.16gの4−({2−[4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタン酸を、白色の固体として得、これをさらなる精製なしで用いた。
【0138】
パートB
4−({2−[4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタン酸(3.16g、6.39mmol)のジクロロメタン(100mL)中の溶液を、トリエチルアミン(2.67mL、19.2mmol)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(3.67g、19.2mmol)、t−ブチルカルバゼート(2.46g、19.2mmol)およびN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(78mg、0.64mmol)で処理した。反応混合物を4日間攪拌すると共に、次いで100mLの水で処理した。層を分離しおよび水性部分をクロロホルム(50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を、水(50mL)および塩水(50mL)で順次に洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、白色のフォームを得た。白色のフォームを、ジクロロメタン(50mL)中に溶解し、およびエチレンジアミン(1mL)で処理した。4時間攪拌した後、反応混合物を水(50mL)およびクロロホルム(50mL)で処理し、および層を分離した。水性部分をクロロホルム(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、およびシリカゲルでのクロマトグラフィ(勾配溶離、クロロホルム中の25%〜100%CMA)による粗生成物の精製、続いてジクロロメタンからの結晶化により、1.67gのt−ブチル2−[4−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレートを、白色の粉末として得た。
【0139】
パートC
t−ブチル2−[4−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレート(792mg、1.50mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液を、トリフルオロ酢酸(3mL)で処理した。2時間攪拌した後、追加のトリフルオロ酢酸(3mL)を反応混合物に添加し、および攪拌を1時間継続した。反応混合物を減圧下に濃縮し、および得られたシロップ剤を水中に溶解した。溶液を、濃縮水酸化アンモニウムの添加により塩基性にし、および次いで10%メタノール/クロロホルムで反復的に抽出した。組み合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗白色の固体を、シリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して(勾配溶離、クロロホルム中の25%〜75%CMA)、340mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドを得た。
【0140】
白色の固体,mp203.0−204.6℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.98(s,1H),8.32(d,J=7.4Hz,1H),7.74(s,1H),7.60(dd,J=8.3,1.2,Hz,1H),7.41(m,1H),7.23(ddd,J=8.2,7.0,1.2Hz,1H),6.59(s,2H),4.99(br s,2H),4.72(br s,2H),4.16(br s,2H),3.51(q,J=7.0Hz,2H),2.34−2.24(m,4H),1.20(br s,6H),1.13(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ172.3,171.2,152.4,150.7,145.8,134.5,127.0,126.8,126.7,121.5,121.0,115.6,65.8,64.6,55.1,51.4,31.8,29.1,25.9,15.3;MS(ESI)m/z428(M+H)+;C21H29N7O3・0.5H2Oについての解析的計算値:C,57.78;H,6.93;N,22.46。実際値:C,58.00;H,6.69;N,22.36。
【0141】
IRM化合物6(IRM6):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化7】
【0142】
パートA
6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(28mg、0.66mmol、IRM化合物1のパートA〜Bに全体が記載のとおり調製した)のジクロロメタン(0.5mL)中の溶液に、室温で、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート(18mg、0.68mmol)を添加した。混合物を試薬が溶解するまで振盪し、30分間静置させ、次いで減圧下に濃縮した。フォームを、0.05%ギ酸/水中の0.05%ギ酸/アセトニトリルを溶出液として用いる逆相HPLCによって精製して、11mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドをモノギ酸塩として得た。
【0143】
オフホワイトのガラス状の固体,MS(ESI)m/z578(M+H)+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.34(d,J=7.5Hz,1H),8.22(s,2H),7.90(t,J=5.3Hz,1H),7.65(s,1H),7.60(dd,J=8.4,1.2Hz,1H),7.42(m,1H),7.22(m,1H),7.00(s,2H),6.67(br s,2H),5.00(br s,2H),4.74(br,2H),3.59(t,J=7.3Hz,2H),3.51(q,J=7.0Hz,2H),2.98(q,J=6.3Hz,2H),2.31(t,J=7.2Hz,2H),2.04(t,J=7.4Hz,2H),1.47(m,2H),1.36(m,2H),1.20(m,8H),1.13(t,J=7.0Hz,3H)。
【0144】
IRM化合物7(IRM7):N−{6−[(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化8】
【0145】
N−{2−[4−アミノ−7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(国際公開第2005/032484号の実施例45のパートA〜Jに記載のとおり調製した、457mg、0.903mmol)を、無水DMF(9mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(248mg、0.903mmol)で処理した。混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物を、次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(4×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(5%メタノール/クロロホルム)で、粘着性の、白色の固体を得、これを、ジクロロメタンおよびヘキサンの混合物から濃縮して、白色の固体を得た。材料を、50℃で数日間真空下で乾燥させて、380mgのN−{6−[(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを白色の粉末として得た。
【0146】
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.54(br s,1H),8.16(d,J=9.1Hz,1H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),7.06(d,J=2.6Hz,1H),7.00(s,1H),6.85(dd,J=9.1,2.6Hz,1H),6.60(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.55(d,J=2.1Hz,1H),6.21(s,2H),4.86(s,2H),4.82(s,2H),4.06(t,J=6.4Hz,2H),3.57(q,J=7.0Hz,2H),3.31(q,J=6.5Hz,2H),2.96(s,3H),1.78(m,2H),1.60(m,2H),1.52−1.39(m,4H),1.29(s,6H),1.15(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ168.8,162.1,157.9,152.5,150.1,147.3,144.7,135.0,129.7,125.3,122.7,112.6,111.5,110.0,109.5,108.2,107.5,67.6,65.7,65.1,57.7,54.6,44.7,39.3,29.1,29.0,26.6,25.8,25.7,15.3;MS m/z668(M+H)+;C31H41N9O6Sについての解析的計算値:C,55.76;H,6.19;N,18.88;S,4.80。実際値:C,55.87;H,6.28;N,18.18;S,4.66。
【0147】
IRM化合物8(IRM8):N−{6−[(4−アミノ−1−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ブチル}−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化9】
【0148】
N−(4−{4−アミノ−7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}ブチル)メタンスルホンアミド(国際公開第2005/032484号の実施例47のパートA〜Jに記載のとおり調製した、490mg、1.00mmol)を、無水DMF(10mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(274mg、1.00mmol)で処理し、および混合物を、窒素下で一晩攪拌した。反応混合物を次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(3×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(5%メタノール/クロロホルム)で、粘着性の、白色の固体を得た。材料を、50℃で数日間真空下で乾燥させて、400mgのN−{6−[(4−アミノ−1−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ブチル}−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを得た。
【0149】
白色の粉末。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.83(t,J=5.3Hz,1H),7.91(d,J=9.0Hz,1H),7.89(d,J=8.6Hz,1H),7.05(d,J=2.6Hz,1H),6.98(t,J=5.8Hz,1H),6.89(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),6.64(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.57(d,J=2.3Hz,1H),6.38(s,2H),4.46(t,J=7.2Hz,2H),4.04(t,J=6.4Hz,2H),3.30(q,J=6.5Hz,2H),2.98(q,J=6.4Hz,2H),2.87(t,J=7.4Hz,2H),2.86(s,3H),1.91−1.75(m,6H),1.66−1.54(m,4H),1.53−1.39(m,4H),1.03(t,J=7.4Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ168.7,162.1,157.7,152.5,152.2,146.7,144.7,133.1,129.8,125.3,121.4,112.7,112.2,109.9,109.2,108.3,107.5,44.7,44.2,39.5,39.3,29.1,29.0,28.7,27.4,26.7,26.6,25.7,21.3,14.2;MS m/z652(M+H)+;C31H41N9O5Sについての解析的計算値:C,57.13;H,6.34;N,19.34;S,4.92。実際値:C,56.79;H,6.05;N,19.09;S,4.79。
【0150】
IRM化合物9(IRM9):N−{6−[(4−アミノ−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化10】
【0151】
7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国仮特許出願第60/733036号の実施例9のパートAに記載のとおり調製した、350mg、0.978mmol)を、無水DMF(10mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(268mg、0.978mmol)で処理し、および混合物を、窒素雰囲気下で3時間攪拌した。反応混合物を、次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(50mL)中に溶解し、および次いで水(4×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(水酸化アンモニウムで飽和された3%メタノール/クロロホルム)で、微量のDMFをまだ含有する、粘着性の、明るい−黄色の固体を得た。材料を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(3×25mL)で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、330mgのN−{6−[(4−アミノ−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを得た。
【0152】
明るい黄色のフォーム,mp127−128℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ13.12(s,1H),8.80(t,J=5.3Hz,1H),7.88(d,J=8.6Hz,1H),7.64(d,J=8.7Hz,1H),7.02(d,J=2.4Hz,1H),6.88(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),6.78(s,2H),6.64(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.57(d,J=2.3Hz,1H),4.06(t,J=6.4Hz,2H),3.29(t,J=6.9Hz,2H),3.11(t,J=7.5Hz,2H)1.86(m,2H),1.77(m,2H),1.58(m,2H),1.51−1.35(m,4H),1.02(t,J=7.3Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ169.4,168.8,162.0,159.8,152.7,146.9,144.7,139.8,136.6,129.8,125.9,113.8,113.7,113.1,109.9,108.4,107.5,68.2,39.4,35.6,29.1,29.0,26.6,25.6,22.8,13.6;MS m/z520(M+H)+;C26H29N7O3Sについての解析的計算値:C,60.10;H,5.63;N,18.87;S,6.17。実際値:C,59.97;H,5.34;N,18.63;S,6.21。
【0153】
対照化合物1(CC1):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド
【化11】
【0154】
パートA
6−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸(6.81g、29.5mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.98g、29.5mmol)、および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(5.66g、29.5mmol)を、2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルアミン(これは、t−ブチル2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメートの酸−媒介脱保護によって調製し、これは、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている、8.00g、26.8mmol)のDMF(80mL)中の0℃溶液に添加した。溶液を、室温で一晩攪拌した。より多くの6−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸およびEDCを添加すると共に、溶液を追加の時間攪拌した。溶液を、水性重炭酸ナトリウムおよび酢酸エチルの間に分割した。水性層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して、3.99gのt−ブチル6−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメートをフォームとして得た。
【0155】
パートB
トリフルオロ酢酸(30mL)を徐々に、t−ブチル6−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート(3.99g、7.82mmol)のジクロロメタン(80mL)中の溶液に室温で添加した。1.5時間後、溶液を、圧力下で濃縮して油を得た。油を、少量の水および濃縮水酸化アンモニウム中に溶解した。得られた塩基性混合物を、ジクロロメタンで複数回抽出した。組み合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、3.4gの6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミドを得、これをさらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
【0156】
パートC
6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(1.35g、3.28mmol)、3,3’−ジチオジプロピオン酸(0.345g、1.64mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.443g、3.28mmol)、および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.692、3.61mmol)のDMF(10mL)中の溶液を、室温で一晩攪拌した。溶液を減圧下に濃縮し、および飽和水性重炭酸ナトリウムおよび酢酸エチル/メタノールの間に分割した。有機層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのHPFCにより精製して(CMA/クロロホルムでの勾配溶離)、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドのジスルフィドダイマーを得た。
【0157】
パートD
N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(2.14g、2.15mmol)を、メタノール(20mL)中に溶解した。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(0.800g、2.79mmol)、水(2mL)、および12.5MNaOH(0.65mL、8.17mmol)を添加した。溶液を1.5時間室温で攪拌させ、次いで氷浴中に冷却した。溶液を1M HClでpH6に調整し、および得られた混合物を減圧下に濃縮してメタノールを除去した。混合物を飽和水性重炭酸ナトリウムおよびジクロロメタンの間に分割した。水性層をジクロロメタンで複数回抽出した。有機相を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、1.69gのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドを白色のフォームとして得、これを、真空下で加熱してガラス状の固体を得た。
【0158】
無色のガラス状の固体。MS(ESI)m/z500(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.52(m,1H),8.26(m,1H),7.72−7.62(m,2H),5.84(m,1H),5.59(br s,1H),5.18(br s,2H),4.91(br s,2H)3.63(m,2H),3.27(m,2H),2.81(m,2H),2.49(t,J=6.9Hz,2H),2.05(t,J=7.5Hz,2H),1.63−1.22(m,16H)。C26H37N5O3Sについての解析的計算値:C,62.50;H,7.46;N,14.02;S,6.42。実際値:C,62.23;H,7.54;N,13.90;S,6.65。
【0159】
対照化合物2(CC2):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化12】
【0160】
IRM化合物2の調製について記載した手順を用いて、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド(0.55g)を、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(0.83g)から調製した。最終生成物をシリカゲルでのHPFCにより精製し(ジクロロメタン中の1〜10%メタノールでの勾配溶離)、および真空下で加熱した後に、無色のガラス状の固体として単離した。
【0161】
無色のガラス状の固体。MS(ESI)m/z609(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.53(m,1H),8.43(m,1H),8.26(m,1H),7.71−7.60(m,4H),7.11(m,1H),6.50(m,1H),5.58(br s,1H),5.19(br s,2H),4.90(br s,2H)3.63(q,J=6.9Hz,2H),3.28(m,2H),3.07(m,2H),2.60(m,2H),2.07(t,J=7.5Hz,2H),1.65−1.22(m,12H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C31H40N6O3S3・0.15CH3OHについての解析的計算値:C,60.97;H,6.67;N,13.70;S,10.43。実際値:C,60.57;H,6.75;N,13.61;S,10.62。
【0162】
対照化合物3(CC3):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミド
【化13】
【0163】
パートA
DMF(10mL)を、2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルアミン(これは、t−ブチル2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメートの酸−媒介脱保護によって調製し、これは、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている、1.00g、3.36mmol)およびコハク酸無水物(0.336g、3.36mmol)混合物に室温で添加した。混合物を、溶液が形成されるまで短時間超音波処理した。溶液を、室温で3日間静置させ、および次いで次のステップで用いた。
【0164】
パートB
パートAからの溶液を0℃に冷却し、およびt−カルバジン酸ブチル(0.489g、3.70mmol)および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.709g、3.70mmol)を添加した。混合物を室温に温めさせおよび一晩攪拌した。より多量のt−カルバジン酸ブチルおよび塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを添加した。1時間後、溶液を、水(60mL)で希釈すると共に、酢酸エチルで抽出した(3×75mL)。組み合わせた有機層を水、飽和水性重炭酸ナトリウム、および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、および減圧下に濃縮して、黄色のフォームを得た。クロロホルムをフォームに添加して、微細な白色の固体を形成させた。固体をろ過により単離して、0.758gのt−ブチル2−[4−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレートを得た。
【0165】
パートC
トリフルオロ酢酸(3mL)を、t−ブチル2−[4−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレート(0.688g、1.34mmol)のジクロロメタン(7mL)中の溶液に徐々に添加した。溶液を2.5時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドのトリフルオロ酢酸塩をアニオン交換樹脂に適用し、これをメタノール中のピリジンで溶離して、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドを、遊離塩基として得、これをシリカゲルでのHPFCにより精製した(勾配溶離、クロロホルム中の2〜50%CMA)。適切な画分を減圧下に濃縮して、フォームを得、これを真空下で加熱して0.31gのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドをガラス状の固体として得た。
【0166】
ガラス状の固体。MS(ESI)m/z413(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.50(m,1H),8.26(m,1H),7.71−7.61(m,2H),7.14(br s,1H),6.13(br s,1H),5.16(brs,2H),4.90(br s,2H),3.88(br s,2H),3.63(q,J=6.9Hz,2H),2.41(s,4H),1.37(br s,6H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C21H28N6O3・0.4H2Oについての解析的計算値:C,60.10;H,6.92;N,20.02。実際値:C,60.37;H,7.01;N,20.01。
【0167】
対照化合物4(CC4):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化14】
【0168】
6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(これは、上記の対照化合物1のパートAおよびBにおいて調製した、163mg、0.40mmol)のジクロロメタン(4mL)中の溶液に、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート(111mg、0.42mmol)を室温で添加した。混合物を、試薬が溶解するまで振盪し、および一晩静置させた。混合物を、ジクロロメタン(25mL)で希釈し、2M水性アンモニア(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、および減圧下に濃縮して158mgのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを得た。
【0169】
明るい黄色のフォーム、MS(ESI)m/z563(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H)、8.55(d,J=7.0Hz,1H)、8.31(m,1H)、7.69(m,2H)、6.68(s,2H)、5.79(m,1H)、5.57(br s,1H)、5.20(m,2H)、4.92(m,2H)、3.83(t,J=7.1Hz,2H)、3.63(q,J=6.9Hz,2H)、3.22(q,J=6.7Hz,2H)、2.52(t,J=7.2Hz,2H)、2.05(t,J=7.3Hz,2H)、1.55(m,12H)、1.25(t,J=7.0Hz,3H)。
【0170】
実施例において追加的に用いたIRM化合物が表1に示されている。
【0171】
【表1】
【0172】
変性抗体の調製
抗体−IRM複合体の調製に用いた材料は、以下の表2に見出すことができる。
【0173】
【表2】
【0174】
抗体のチオレーション:
抗体はpH7.4、5mM EDTAを含有するPBS中に5〜10mg/mLの濃度に調整される。2−ITの5mg/mL溶液が、これを、PH7.4、5mM EDTAを含有するPBS中に溶解することにより調製される。2−IT溶液は、混合されながら所望のモル過剰量で抗体溶液に徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。チオレート化抗体は、混合物を、PH7.2、5mM EDTAを含有するPBSで平衡化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1mL画分を回収し、および波長280nmでの吸光度を計測することにより測定されるチオレート化抗体を含有する画分が共にプールされる。任意により、活性化抗体のレベルが、チオール検出試薬(例えばエルマンズ試薬)を用いることにより測定される。
【0175】
ヘテロ二官能性架橋剤を用いる抗体の変性:
抗体は、pH7.4のPBS中に5〜10mg/mLに濃度に調整される。架橋剤(例えば、sSMCC、SMPT、またはNHS−PEO8−マレイミド)がDMSO中に5mg/mLの濃度に溶解される。架橋剤溶液が、混合されながら、抗体溶液に、所望のモル過剰量で徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。変性抗体は、混合物をPH7.2、5mM EDTAを含有するPBSで平衡化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1ミリリットル画分が回収され、および波長280nmでの吸光度を計測することにより測定される変性IgGを含有する画分が、共にプールされる。任意により、活性化抗体のレベルが、架橋剤について適切な分析方法を用いて測定される。
【0176】
光反応性IRM(pIRM)への抗体の複合化
抗体を、pH7.4のPBS中に5〜10mg/mLの濃度で溶解した。いくつかの事例においては、抗体溶液を1N NaOHでpH10に調整した。pIRM(例えば、IRM10)を、DMSO中に溶解した。pIRM溶液を徐々に、所望のモル過剰量で混合しながら抗体溶液に添加した。混合物は、12−ウェルプレート(500mL/ウェル)に添加され、および長波長UV光(366nm)が、氷上のプレート上に直接的に15分間置かれる。反応を、pH8.0の1Mトリスを、反応体積1/20(v/v)で添加することにより急冷した。IRM−抗体複合体を、緩衝剤を1mL/minの流量でカラムを流下させながら、pH7.4のPBSを用いてサイズ排除クロマトグラフィによって精製した。1ミリリットル画分を回収し、および各画分の吸光度を280nmで計測した。IRM−抗体複合体を含有する画分をプールし、および無菌条件下で、0.2ミクロンフィルタをとおしてろ過した。IRM−抗体複合体の濃度を、ウシガンマグロブリンを標準として用いてBCAアッセイにより測定した。ろ過された複合体を、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管した。
【0177】
染料標識化抗体
抗体は、PH7.4のPBS中に3〜10mg/mLの濃度に調整される。アミン反応性染料(例えば、アレクサ(Alexa)488)が、5mg/mLの濃度にDMSO中に溶解される。アミン反応性染料溶液が、混合されながら、抗体溶液に所望のモル過剰量(例えば、染料対抗体の8倍モル過剰量)で徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。標識化抗体は、混合物をPH7.4のPBSで平行化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1mL画分が回収され、および標識化抗体がプールされる。抗体−染料複合体の吸光度が280nmで計測され、および染料(Amax)についての最大吸光度が計測されて、染料:抗体比が測定される。あるいは、サイズ排除クロマトグラフィが、抗体−染料複合体を精製するために実施され得る。染料標識化抗体を含有する画分が共にプールされる。
【0178】
IRM−抗体複合体の調製
ピリジルジスルフィド変性IRM(pdIRM)へのチオレート化抗体の複合化
pdIRM(例えば、IRM2)が、10mg/mLの濃度でDMSO中に溶解される。pdIRMは、上記で調製されたチオレート化抗体に、抗体をチオレート化するために用いた2−ITのモル過剰量の半分で添加される。混合物は一晩室温でインキュベートされる。反応を急冷するために、500mML−システイン溶液(pH8.0の1Mトリス中に溶解した)が、反応混合物の0.01倍(v/v)で添加される。1mL画分が回収され、および280nmでの吸光度を計測される。IRM−抗体複合体は、1mL/minの流量でカラムを流下される緩衝剤としてpH7.4のPBSを用いるサイズ排除クロマトグラフィで計測される。IRM−抗体複合体を含有する画分がプールされ、および無菌条件下で、0.2−ミクロンフィルタを通してろ過される。IRM−抗体複合体の濃度が、ウシガンマグロブリンが標準として用いられるBCAアッセイにより測定される。ろ過された複合体が、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管される。
【0179】
ヘテロ二官能性架橋剤で変性された抗体のスルフヒドリル変性IRM(sIRM)への複合化
sIRM(例えば、IRM1)が、10mg/mLの濃度でDMSO中に溶解される。sIRMは、上記で調製された変性抗体に、抗体の変性に用いられた架橋剤の量に対してsIRMの4倍モル過剰量で添加される。混合物は一晩室温でインキュベートされる。反応を急冷するために、500mML−システイン溶液(pH8.0の1Mトリス中に溶解した)が、反応混合物の0.01倍(v/v)で添加される。IRM−抗体複合体は、1mL/minの流量でカラムを流下する緩衝剤としてPH7.4のPBSを用いるサイズ排除クロマトグラフィによって精製される。混合物の1mL画分が回収され、および280nmで計測される。IRM−抗体複合体を含有する画分がプールされ、および無菌条件下で、0.2−ミクロンフィルタをとおしてろ過される。IRM−抗体複合体の濃度が、ウシガンマグロブリンが標準として用いられるBCAアッセイによって測定される。ろ過された複合体が、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管される。
【0180】
実施例1
IRM1、IRM2、IRM10、CC1およびCC2をヒト抗CD20抗体(リツキサン(RITUXAN)、カルフォルニア州サンフランシスコのジェネンテック(Genentech,San Francisco,CA))に複合化した。IRM1およびCC1で調製された複合体は、ヘテロ二官能性架橋剤で変性された抗体のスルフヒドリル変性IRMs(sIRM)への複合化について上述された一般的な方法を用いた。具体的には、SMPT架橋剤と抗体とを、SMPTを抗体に対して12倍モル過剰量で混合した。IRM2およびCC2で調製された複合体は、チオレート化抗体のピリジルジスルフィド変性IRM(pdIRM)への複合化について上述された一般的な方法を用いた。具体的には、2−ITと抗体とを、2−ITを抗体に対して60倍モル過剰量で混合した。IRM10で調製された抗体複合体は、上記の一般的な方法において記載された光反応性方法を用いた。具体的には、IRM10と抗体とを、IRM10を抗体に対して20倍(20×)および40倍(40×)モル過剰量で混合した。
【0181】
健常なヒトドナーからの全血が、静脈穿刺によりEDTAを含有するチューブへ採取される。末梢血単核球(PBMC)が、ヒストパク(HISTOPAQUE)−1077またはフィコール−パックプラス(Ficoll−Paque Plus)を用いる密度勾配遠心法により全血から分離される。PBMC層が回収され、およびDPBSで2回洗浄し、およびフローサイトメトリ染色緩衝剤(FACS緩衝剤、バイオソース(Biosource))中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、1×106細胞/ウェルの最終PBMC濃度となるよう添加した。抗CD20または上で調製したIRM/抗CD20抗体複合体を、FcR遮断薬(カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミゲン(BD Pharmigen,San Diego,CA))との組み合わせにおける最終濃度9μg/mL〜0.004μg/mLの3倍希釈液で各ウェルに添加した。プレートを、15分間氷上にインキュベートし、および次いでウェル当たり0.3−μg/mL抗CD20−アレクサ(Alexa)488で処理した。アイソタイプ(IgG1)ネガティブコントロール(15μg/mL、コントロール、BDファーミゲン(BD Pharmigen))および0.3μg/mL抗CD20−アレクサ(Alexa)488を、個別のウェルに置いた。プレートを、30分間、氷上で暗中にインキュベートした。プレートを1350rpmで10分間遠心分離し、および細胞を再懸濁させ、およびFACS緩衝剤で2回で洗浄し、200μLFACS緩衝剤中に再懸濁させ、およびマルチ−ウェルフィルタプレート(ポールコーポレーション(Pall Corporation))をとおしてろ過した。細胞を100μLサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(BDファーミンゲン(BD Pharmingen))中に15分間、室温で、暗中に再懸濁させた。サンプルを、4℃で一晩保管し、およびFACSカリバー(FACSCalibur)(ベクトンディッキンソン(Becton Dickenson))で次の日処理した。複合体の抗体活性が、図1から6に示されている。抗CD20−アレクサ(Alexa)488の細胞への複合体の阻害能によって活性度を計測した。
【0182】
実施例2
健常なヒトドナーからの全血が、静脈穿刺によりEDTAを含有するチューブへ採取される。末梢血単核球(PBMC)が、ヒストパク(HISTOPAQUE)−1077またはフィコール−パックプラス(Ficoll−Paque Plus)を用いる密度勾配遠心法により全血から分離される。PBMC層が回収され、およびDPBSまたはHBSSで2回洗浄し、および4×106細胞/mLでRPMI完全媒体中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ)に、2×106細胞/mLの最終PBMC濃度となるよう添加した。PBMCを、一晩37℃で、5%二酸化炭素雰囲気中に、最終抗体濃度に基づく、0.33μM、0.420μM、0.830μM、または1.67μM抗CD20または実施例1において調製した抗CD20複合体で刺激した。培養上澄みを、IFN−αおよびTNF産生について、ヒトIFN−αエリーザ(ELISA)(PBLバイオメディカルラボラトリーズ(PBL Biomedical Laboratories,Piscataway,NJ))およびヒト−特定のTNF BV(登録商標)イムノアッセイ(ミッドランド州ゲイザースバーグのバイオベリス社(BioVeris Corp.,Gaithersburg,MD))をそれぞれ用いて分析し、結果を、pg/mLで表記した。複合体によるサイトカイン誘導が、図7に示されている。
【0183】
実施例3
IRM2およびIRM10をマウス抗CD40抗体(FGK4.5)に複合化した。抗CD40をIRM2に複合化するために用いた方法は、実施例1に記載のものと同一であったが、しかしながら、2−ITを抗CD40対して70倍モル過剰量で抗体複合体の調製において用いた。抗CD40をIRM10に複合するために用いた方法は、実施例1に記載のものと同一であったが、しかしながら、IRM10を抗CD40に対して8倍(8×)または25倍(25×)モル過剰量で、これらの抗体複合体の調製において用いた。
【0184】
マウス脾臓を屠殺されたC57BL6マウスから取り出し、および脾細胞を、脾臓を均質化することによりマウスから単離した。脾細胞を、1%FCSを含有するハンクス平衡塩類液媒体(カルフォルニア州カマリロのバイオソースインターナショナル(Biosource International,Camarillo,CA))中に均質化し、洗浄しおよびFACS緩衝剤(バイオソースインターナショナル(Biosource International))中に再懸濁させた。脾細胞を、2×106細胞/ウェルの最終細胞濃度となるよう、96−ウェル丸底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に置いた。抗CD40または上で調製した複合体を、マウスFcR遮断薬(2.4G2)との組み合わせにおける最終濃度300μg/mL〜0.14μg/mLの3倍希釈液で各ウェルに添加した。プレートを氷上に15分間インキュベートし、および次いでウェル当たり25−μg/mL抗CD40−アレクサ(Alexa)488で処理した。アイソタイプ(IgG2a)ネガティブコントロール(15μg/mL、コントロール、BDファーミゲン(BD Pharmigen))および25μg/mL抗CD40−アレクサ(Alexa)488を個別のウェルに置いた。プレートを、30分間、氷上で暗中にインキュベートした。プレートを1500rpmで10分間遠心分離し、および細胞を再懸濁させ、およびFACS緩衝剤で2回洗浄し、100μLサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(BDファーミガン(BD Pharmigen))中に15分間、室温で、暗中に再懸濁させた。細胞を洗浄し、および200μLFACS緩衝剤中に再懸濁させ、およびマルチ−ウェルフィルタプレートをとおしてろ過した。サンプルを4℃で一晩保管し、およびFACSカリバー(FACSCalibur)(ベクトンディッキンソン(Becton Dickenson))で、次の日処理した。複合体の抗体活性が図8から10に示されている。抗CD40−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。
【0185】
実施例4
実施例3において調製した抗CD40抗体および複合体を、実施例2に記載のとおりサイトカイン誘導についてテストした。複合体によるサイトカイン誘導が図11に示されている。
【0186】
実施例5
IRM2およびIRM10をマウス抗CD8抗体(53.6.72;バージニア州マナサス(Manassas,VA)のATCC)に複合化した。抗CD8のIRM2またはIRM10への複合化に用いた方法は、実施例3に記載のものと同一であった。複合体を抗体活性度について、12μg/mL〜0.006μg/mLの複合体の3倍希釈液および抗CD8−アレクサ(Alexa)488については0.40μg/mLを用いて、実施例3に記載のとおりテストした。抗CD8抗体および複合体もまた、サイトカイン誘導について実施例2に記載のとおりテストした。複合体の抗体活性が、図12から14に示されている。抗CD8−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。複合体によるサイトカイン誘導が、図15に示されている。
【0187】
実施例6
抗体複合体の調製において、28.4倍(pH7.4)、28.4倍(pH10)、または42.6倍(pH10)モル過剰量のIRM10をHER2に対して用いたこと以外は、実施例1に記載したものと同一の方法を用いて、IRM10をヘルセプチン(HERCEPTIN)抗体(HER2;ジェネンテック(Genentech))に複合化した。
【0188】
HER2抗体および複合体を、抗体活性度について、実施例2に記載のとおりテストしたが、しかしながら、HER2陽性ヒト乳癌細胞(HCC2218;バージニア州マナサス(Manassas,VA)のATCC)を、アッセイ(2.5×105細胞/ウェル)においてヒトPBMCの代わりに用いた。複合体を抗体活性度について、45μg/mL〜0.007μg/mLの複合体およびHER2−アレクサ(Alexa)488については0.30μg/mLの3倍希釈液を用いてテストした。複合体の抗体活性が、図16および17に示されている。HER2抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図18に示されている。
【0189】
実施例7
IRM1をHER2に、実施例1に記載のとおり複合化したが、しかしながら、NHS−PEO8−マレイミド架橋剤を、抗体と、NHS−PEO8−マレイミドを抗体に対して15倍モル過剰量で混合した。
【0190】
HER2抗体および複合体を、実施例6に記載のとおり抗体活性度についてテストした。HER2−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。複合体の抗体活性が、図19に示されている。HER2抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図20および21に示されている。
【0191】
実施例8
IRM1を抗CD8抗体に、実施例1に記載のとおり複合化したが、しかしながら、NHS−PEO8−マレイミド架橋剤を抗体に、NHS−PEO8−マレイミドを抗体に対して15倍モル過剰量で混合した。
【0192】
抗CD8抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図22および23に示されている。
【0193】
実施例9
IRM10を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mg/mLとなるよう懸濁させた。ラット抗マウスCD8抗体(53.6.72、ニューハンプシャー州ウエストレバノンのバイオエクスプレス(BioExpress,Inc.,West Lebanon,NH))を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に7.8mg/mLとなるよう懸濁させ、およびpHを、NaOHの添加により>9.0に調整した。1:10比のIRM:抗体(体積:体積)を、60μLのIRM10溶液(0.6mgIRM1IRM10)を540μLの抗CD8抗体溶液(4.21mg抗CD8)と共に添加することにより一緒に混合した。抗体対照は、540μLの抗CD8抗体溶液と混合された60μLのPBSであった。1:10IRM:抗体、1:100IRM:抗体、および抗体対照を、それぞれ24−ウェル組織培養プレートの単一ウェルに置いた。プレートを氷上に置き、および長波長UV光源をプレート上に直接的に、IRM10/抗体混合物を含有しているウェルに対してできるだけ接近させて置いた。混合物を、15分間照射した。得られた複合体および抗体対照を、ウェルから除去し、およびPBS中に、1:10、1:100、および抗体対照について、それぞれ、0.5mg/mLIRM10、3.51mg/mL抗CD8;0.05mg/mLIRM10、3.86mg/mL抗CD8;および3.51mg/mL抗CD8の最終濃度となるよう再懸濁させ、およびPBSに対して、10,000分子量カットオフスライド−a−レイザー(Slide−a−Lyzer)(イリノイ州ロックフォードのピアス(Pierce,Rockford,IL))を用いて透析して、非複合化IRMのすべてを除去した。
【0194】
実施例10
マウス脾臓を屠殺されたC57BL6マウスから取り出し、および脾細胞を、脾臓を均質化することによりマウスから単離した。脾細胞を、1%FCSを含有するEHAA媒体(カルフォルニア州カマリロのバイオソースインターナショナル(Biosource International,Camarillo,CA))において均質化し、洗浄し、およびFACS緩衝剤(バイオソースインターナショナル(Biosource International))中に再懸濁させた。脾細胞を、96ウェル丸底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、1×106細胞/ウェルの最終細胞濃度となるよう蒔いた。
【0195】
脾細胞を、30分間、4℃で、IRM:共に実施例9で調製した抗体(1:10)、抗体対照、または766μg/mL〜0.002μg/mLの範囲の5倍希釈濃度でのUV未処理抗体で処理した。30分の処置時間後、FITC−標識化マウス抗CD8(53.6.7、カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミンゲン(BD Pharmingen,San Diego,CA))およびPE−標識化マウス抗CD3(BDファーミンゲン(BD Pharmingen))を、すべてのウェルに添加し、および30分間、4℃でインキュベートした。細胞を、次いで2回FACS緩衝剤で洗浄し、およびサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミンゲン(BD Pharmingen,San Diego,CA))で固定した。フローサイトメトリ分析を、CD3+リンパ球上にゲーティングしおよびFITC−標識化抗体の平均蛍光強度(MFI)を計測することにより実施した。結果が図24に示されている。
【0196】
実施例11
健常なヒトドナーから全血を、静脈穿刺によりEDTA採血管へ採取した。末梢血単核球(PBMC)を、ヒストパク(Histopaque)(登録商標)−1077を用いて密度勾配遠心法により全血から分離した。血液をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)またはハンクス平衡塩液(HBSS)で1:1に希釈した。PBMC層を回収し、およびDPBSで2回洗浄し、またはHBSSおよび4×106細胞/mLで、RPMI完全媒体中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、2×106細胞/mLの最終PBMC濃度となるよう添加した。PBMCを一晩37℃で、5%二酸化炭素雰囲気中に、ラット抗マウスCD8抗体単独で、または実施例9に記載のとおり1:10IRM/抗体複合体で、3倍希釈物(292〜0.13μg/mL)中に刺激した。培養上澄みを、IFN−αおよびTNF産生について、それぞれ、ヒトIFN−αエリーザ(ELISA)(ニュージャージー州ピスカタウェイのPBLバイオメディカルラボラトリーズ(PBL Biomedical Laboratories,Piscataway,NJ))、およびヒト−特異的TNF BV(登録商標)イムノアッセイ(ミッドランド州ゲイザースバーグのバイオベリス社(BioVeris Corp.,Gaithersburg,MD))を用いて分析し、結果を、pg/mLで表記した。結果が図25および図26に示されている。
【0197】
特許、特許文書、および本明細書において引用された文献の完全な開示は、その各々が個別に組み込まれたかのように、参照により、それらの全体が援用される。抵触する場合には、定義を含む本明細書が他を規制するであろう。
【0198】
本発明に対する種々の修飾および改変は、本発明の範囲および思想から逸脱せずに、当業者に明白となるであろう。図示の実施形態および実施例は、例示のみのために提供されていると共に、本発明の範囲を制限することを意図していない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図2】対照化合物/抗CD20抗体組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図3】対照化合物/抗CD20抗体組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図4】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図5】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図6】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図7】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を表す棒グラフである。
【図8】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図9】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図10】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図11】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図12】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図13】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図14】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図15】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図16】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図17】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図18】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図19】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図20】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるIFN−α誘導を表す線グラフである。
【図21】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるTNF−α誘導を表す線グラフである。
【図22】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるIFN−α誘導を表す線グラフである。
【図23】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるTNF−α誘導を表す線グラフである。
【図24】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の免疫特異的を示す線グラフである。
【図25】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物による末梢血単核球(PBMC)におけるIFN−αの誘導を表す線グラフである。
【図26】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物によるPBMCにおけるTNF−αの誘導を表す線グラフである。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2000年12月28日出願の米国仮特許出願第60/254,229号に基づく優先権を主張する、2001年12月6日出願の米国特許出願シリアル第10/013,193号(現在は放棄されている)の継続出願である2005年8月6日出願の米国特許出願第11/220,235号の、一部継続出願である。さらに、本出願は、2005年2月23日出願の米国仮特許出願第60/655,713号および2006年2月22日出願の「免疫応答修飾因子複合体(Immune Response Modifier Conjugates)」と題された米国仮特許出願に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
近年において、免疫系の一定の重要な点を刺激することにより、ならびに一定の他の点を抑制することにより作用する新しい薬剤化合物の発見に対する注力がなされてきており、顕著な成功がおさめられている(例えば、米国特許第6,039,969号および同第6,200,592号を参照のこと)。本明細書において免疫応答修飾因子(IRM)として称されるこれらの化合物は、トール様受容体(TLR)として知られる基本的な免疫系メカニズムを介して作用して、選択されたサイトカイン生合成を誘導すると考えられている。これらは、広く多様な疾病および状態を処置するために有用であり得る。例えば、一定のIRMは、ウイルス性疾患(例えば、ヒトパピローマウイルス、肝炎、ヘルペス)、腫瘍症(例えば、基底細胞癌、扁平上皮癌、日光角化症、メラノーマ)、およびTH2−媒介性疾病(例えば、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)を処置するために有用であり得、およびワクチンアジュバントとしても有用である。
【0003】
免疫応答修飾因子は、特に限定されないが抗ウイルス性および抗腫瘍活性を含む、有効な免疫調節活性を有する化合物を含む。一定のIRMは、サイトカインの産生および分泌を調節する。例えば、一定のIRM化合物は、例えば、タイプIインターフェロン、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12、MIP−1、および/またはMCP−1などのサイトカインの産生および分泌を誘導する。他の例として、一定のIRM化合物は、IL−4およびIL−5などの一定のTH2サイトカインの産生および分泌を阻害することができる。さらに、いくつかのIRM化合物は、IL−1およびTNFを抑制すると言われている(米国特許第6,518,265号)。
【0004】
一定のIRMは、例えば、米国特許第4,689,338号;同第4,929,624号;同第5,266,575号;同第5,268,376号;同第5,346,905号;同第5,352,784号;同第5,389,640号;同第5,446,153号;同第5,482,936号;同第5,756,747号;同第6,110,929号;同第6,194,425号;同第6,331,539号;同第6,376,669号;同第6,451,810号;同第6,525,064号;同第6,541,485号;同第6,545,016号;同第6,545,017号;同第6,573,273号;同第6,656,938号;同第6,660,735号;同第6,660,747号;同第6,664,260号;同第6,664,264号;同第6,664,265号;同第6,667,312号;同第6,670,372号;同第6,677,347号;同第6,677,348号;同第6,677,349号;同第6,683,088号;同第6,756,382号;同第6,797,718号;および同第6,818,650号;米国特許出願公開第2004/0091491号;同第2004/0147543号;および同第2004/0176367号;および国際公開第WO2005/18551号、同第WO2005/18556号、同第WO2005/20999号、同第WO2005/032484号、同第WO2005/048933号、同第WO2005/048945号、同第WO2005/051317号、同第WO2005/051324号、同第WO2005/066169号、同第WO2005/066170号、同第WO2005/066172号、同第WO2005/076783号、および同第WO2005/079195号に開示のものなどの小有機分子(タンパク質、ペプチド、核酸等などの大きな生物学的分子とは対照的に、例えば、約1000ダルトン未満の、好ましくは約500ダルトン未満の分子量)である。
【0005】
小分子IRMの追加の例としては、一定のプリン誘導体(米国特許第6,376,501号、および同第6,028,076号に記載のものなど)、一定のイミダゾキノリンアミド誘導体(米国特許第6,069,149号に記載のものなど)、一定のイミダゾピリジン誘導体(米国特許第6,518,265号に記載のものなど)、一定のベンズイミダゾール誘導体(米国特許第6,387,938号に記載のものなど)、5員窒素含有複素環式環に縮合された、4−アミノピリミジンの一定の誘導体(米国特許第6,376,501号;同第6,028,076号および同第6,329,381号;およびWO02/08905に記載のアデニン誘導体など)、一定の3−β−D−リボフラノシルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン誘導体(米国特許出願公開第2003/0199461号に記載のものなど)、および例えば、米国特許出願公開第2005/0136065号に記載のものなどの一定の小分子免疫賦活薬化合物が挙げられる。
【0006】
他のIRMとしては、オリゴヌクレオチド配列などの大きな生物学的分子が挙げられる。いくつかのIRMオリゴヌクレオチド配列は、シトシン−グアニンジヌクレオチド(CpG)を含有し、および例えば、米国特許第6,194,388号;同第6,207,646号;同第6,239,116号;同第6,339,068号;および同第6,406,705号に記載されている。いくつかのCpG含有オリゴヌクレオチドとしては、例えば、米国特許第6,426,334号および同第6,476,000号に記載のものなどの合成免疫調節性構造モチーフを挙げることができる。他のIRMヌクレオチド配列はCpG配列に欠け、および、例えば、国際公開第WO00/75304号に記載されている。
【0007】
他のIRMとしては、アミノアルキルグルコサミニドリン酸塩(AGP)などの生物学的分子が挙げられ、および例えば、米国特許第6,113,918号;同第6,303,347号;同第6,525,028号;および同第6,649,172号に記載されている。
【0008】
IRMの免疫賦活効果は、IRM化合物および抗原の免疫系の細胞への同時送達によって高め得る。同時送達は、例えば、IRMおよび抗原の共有または非共有化学結合、またはIRMおよび抗原の定義された空間への物理的拘束によって達成され得る。IRMおよび抗原の同時送達のための方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている。
【0009】
IRMに対する大きな治療的可能性の観点においては、すでになされた重要な研究にもかかわらず、これらの使用および治療的有益性を発展させるために、継続的な要求が相当にある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要
免疫応答修飾因子材料が標的特異的な材料に結合されることができ、および各部分はそのそれぞれの機能を維持することができることが見出された。被検者に投与されたとき、得られる免疫調節組成物の標的化部分は、免疫応答修飾因子部位の標的化送達をもたらすことができる。
【0011】
従って、一側面においては、本発明は、標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を提供する。
【0012】
別の側面においては、本発明はまた、免疫応答修飾因子化合物の標的化送達方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を投与するステップを含む。
【0013】
別の側面においては、本発明はまた、局所免疫応答の誘導方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を、免疫応答を誘導するための有効量で投与するステップを含む。
【0014】
さらに別の側面において、本発明は、免疫応答を誘導することによって処置可能である被検者における状態の処置方法を提供する。一般に、方法は、被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子部分を含む免疫調節組成物を有効量で投与して、状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するステップを含む。
【0015】
本発明の種々の他の特色および利点は、以下の詳細な説明、実施例、特許請求の範囲および添付の図面を参照することにより容易に明らかとなるはずである。明細書の全体における数々の箇所において、例のリストを通して指針が提供されている。各場合において、引用したリストは代表的な群としてのみ役立ち、および限定的なリストとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明の実施態様の詳細な説明
本発明は、免疫応答修飾因子(IRM)部分の標的化送達のために、IRM部分が標的化部分に結合された、免疫調節組成物を提供する。従って、組成物が全身的に投与され得る場合においても、標的化部分が、指向し、隔離し、維持することができ、またはそうでなければIRM部位の送達を能動的に標的化することができ、これによりIRM部位を標的部位に集中させることができる。IRM部分を標的部位に集中させることで、例えば、全身的に利用可能なIRM部分の量を低減させて、IRM部分の投与に関連する全身性副作用を軽減(おそらくさらには排除)させることなどの種々の有益性をもたらし得る。また、IRM部分が標的部位に集中させられるため、IRM部分のより少ない投与量(少なくともIRM部分の非結合形態(すなわち、非結合IRM化合物)と比較して)が効果的な処置を提供するために必要とされ得、これは、経済的および資源的有益性を提供し得、ならびにさらに望ましくない副作用の程度、重症度、および/または期間を限定する。
【0017】
本発明の目的について、以下の用語は表記の意味を有することとする。
「アゴニスト」は、受容体(例えば、TLR)と組み合わさって、細胞活動を誘導することができる化合物を指す。アゴニストは、直接的に受容体に結合するリガンドであり得る。あるいは、アゴニストは、例えば、(a)直接的に受容体に結合する他の分子と複合体を形成する、または(b)そうでなければ、他の化合物が直接的に受容体に結合するよう他の化合物の変性をもたらすことによって、受容体と間接的に組み合わされ得る。アゴニストは、特定のTLRのアゴニスト(例えば、TLR6アゴニスト)、またはTLRの特定の組み合わせのアゴニスト(例えば、TLR7/8アゴニスト−TLR7およびTLR8の両方のアゴニスト)として称され得る。
【0018】
「改善させる」は、特定の状態の症状または臨床的な徴候特徴の程度、重症度、頻度、および/または見込みにおけるどのようにかの軽減を指す。
【0019】
「抗原」は、ある程度免疫特異的である方策で、抗体によって結合され得るいずれかの物質を指す。
【0020】
「免疫細胞」は、免疫系の細胞を指し、すなわち、免疫応答が自然、後天性、体液性、または細胞性であろうと、免疫応答の発生または維持管理に直接的にまたは間接的に関わる細胞を指す。
【0021】
「免疫調節性」およびその変形は、免疫活性のいずれかの増加または軽減(すなわち、誘導または阻害)を指す。
【0022】
「誘導」およびその変形は、細胞活動におけるいずれかの計測可能な増加を指す。例えば、免疫応答の誘導は、例えば、サイトカインの産生の増加、免疫細胞集団の活性化、増殖、または成熟、および/または向上した免疫機能の他の指標を含み得る。
【0023】
「阻害」およびその変形は、細胞活動におけるいずれかの計測可能な低減を指す。例えば、特定のサイトカインの阻害は、サイトカインの産生の低下を指す。阻害の程度は、活性の通常レベルの割合として特徴付け得る。
【0024】
「IRM化合物」は、一般に、IRM−応答性細胞に投与されたときに、1つ以上の免疫調節性分子、例えば、サイトカインまたは共刺激性マーカーのレベルを変化させる免疫応答修飾因子化合物を指す。代表的なIRM化合物としては、例えば、小有機分子、プリン誘導体、小複素環式化合物、アミド誘導体、および上述のオリゴヌクレオチド配列が挙げられる。
【0025】
「IRM部分」は、免疫調節組成物の免疫調節性活性を有する部分を指す。IRM部分は、IRM化合物であり得るか、またはから誘導されが、あるいは、いくつかの他の免疫調節性材料であり得るか、またはから誘導され得る。いくつかの場合において、用語「IRM部分」は、標的化部分と結合前の、またはから分離後の非結合化合物を指し得る。
【0026】
「マーカー」およびその変形は、ある程度特異的である方策で、リガンドによって結合され得る細胞表面上のいずれかの物質を指す。本明細書において用いられるところ、マーカー−リガンド相互作用は、明示的に、免疫学的親和性(すなわち、抗体−抗原親和性)結合を排除する。従って、細胞表面上のいくつかの物質は、あるコンテクストにおいてはマーカーとみなされ得(すなわち、非免疫学的受容体−リガンドバインドが可能であり得る)および他のコンテクストにおいては抗原と見なされ得る(すなわち、抗体の標的であり得る)。
【0027】
「予防的」およびその変形は、状態の症状または臨床的徴候の発達および/または出現をいずれかの程度に制限する処置を指す。
【0028】
「選択的」およびその変形は、生物活性に差次的なまたは一般的ではない影響を有することを指す。選択的に生物活性を特定のTLRを介して調節するアゴニストは、TLR−選択的アゴニストであり得る。TLR−選択性は、特定のTLRに関して説明され得(例えば、TLR8−選択的またはTLR7−選択的)、またはTLRの特定の組み合わせに関して説明され得る(例えば、TLR7/9−選択的)。
【0029】
「徴候」または「臨床的徴候」は、患者以外の者によって見出されることが可能である、特定の状態に関する客観的な物理的知見を指す。
【0030】
「特異的」およびその変形は、特定の標的に対する差次的なまたは一般的ではない親和性を、ある程度で有することを指す。
【0031】
「症状」は、いずれかの疾病または患者の状態の主観的なエビデンスを指す。
【0032】
「標的化部分」は、標的特異的親和性を有する免疫調節組成物の部分を指す。標的化部分は、抗体であり得るか、または由来し得るが、あるいは、例えば、小分子および/またはナノ粒子を含む、非抗体タンパク質またはペプチド、または非タンパク質材料であり得るか、または由来し得る。いくつかの場合において、用語「標的化部分」は、IRM部分との結合前の、またはから分離後の非結合化合物を指し得る。
【0033】
「治療的」およびその変形は、状態に関連する1つ以上の既存の症状または臨床的徴候を改善させる処置を指す。
【0034】
「処置する」またはその変形は、状態に関連する症状または徴候を、いずれかの程度で、軽減し、進行を制限し、改善させ、予防し、または解決することを指す。
【0035】
本明細書において用いられるところ、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」および「1つ以上」は、同義的に用いられている。従って、例えば、「an」IRM化合物を含む免疫調節組成物は、少なくとも1つのIRM化合物を含む組成物を意味するとして解釈することができる。
【0036】
また、本明細書において、終点での数値範囲の列挙は、その範囲内に包摂されるすべての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。
【0037】
多数のIRM化合物が、免疫系の一定の局面を刺激することが知られている。度々、これは、強力な抗原提示細胞である樹状細胞(DC)の活性化を介して生じ得る。一定のIRM化合物の局所的な適用が、数々の動物疾病モデルおよびヒト臨床的治験(例えば、性器疣贅、日光角化症、表在型基底細胞癌等)において効果的であることが知られている。しかしながら、いくつかのIRM化合物はまた、全身的に投与された場合に、望ましくない副作用を、ある患者において誘導する可能性がある。これは、一つには、全身的に投与されたIRM化合物が特定の状態の改善に関連のない免疫細胞を活性化し得ることを理由とし得る。例えば、B細胞の活性化は、癌の一定の形態の処置には関連がない場合がある。全身的に投与されるIRMでのこのような癌の処置は、B細胞の活性化を生じさせ得、これは、例えば、非特異的免疫グロブリン産生、一定の慢性的状態(例えば自己免疫など)、および/またはB細胞の枯渇(その後の病原体に対する曝露での、より大きな疾病の感受性をもたらす可能性がある)などの副作用をもたらす可能性がある。
【0038】
従って、一側面においては、本発明は、標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を提供する。いくつかの場合において、IRM部分は、IRM化合物であり得るか、または由来し得る。いくつかの場合において、標的化部分は、抗体であり得るか、または抗体に由来し得る(すなわち、ある程度の免疫特異性を提供するために、少なくとも抗体の免疫特異的部分に十分である(例えば、L鎖に十分である))。しかしながら、他の場合においては、標的化部分は、例えば、ある程度、標的細胞集団によって特異的に表される受容体に結合するリガンドなどの腫瘍特異的マーカーの少なくとも一部分を認識する剤であり得るか、または由来し得る。この例において、受容体は、腫瘍特異的マーカーとして見なされ得る。
【0039】
IRM部分および標的化部分は、直接的にまたは間接的に結合され得る。例えば、IRM部分および標的化部分の直接的な結合は、IRM部位および標的化部分間の共有結合を介して達成され得る。直接的な結合はまた、例えば、アビジン−ビオチン親和性によって非共有的に達成されることができる。一つの部分がビオチン化され得ると共に、他の部分が、公知の方法を用いて、アビジン部分を含有するよう変性され得る。このように変性された部分は、アビジン−ビオチン親和性を活用することにより、直接的に結合され得る。
【0040】
代わりに、IRM部分および標的化部分は、各部分を、例えば、固形支持体またはスペーサアームなどの介在成分に結合することによって間接的に結合され得る。IRM化合物を好適な固形支持体に接続するため例および方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0258698号に記載されている。
【0041】
介在成分(例えば、固形支持体)は、複数の官能基を含み得、これにより、複数のIRM部分および/または複数の標的化部分の間接的な結合を許容する。複数のIRM部分が介在成分に接続される場合、IRM部分は、同一のIRM化合物または異なるIRM化合物に由来し得る。同様に、複数の標的化部分が介在成分に接続される場合、標的化部分は同一または異なり得、これは、(例えば、標的を見つける可能性を高めるために)より数多くの特定の標的化部分を有する組成物を設計する機会を提供し、および/または(例えば、多数の異なる標的化部分を有することにより)多数の標的に結合する能力を提供する。
【0042】
いくつかの実施態様において、IRM部分は、例えば、腫瘍特異的マーカーまたは抗腫瘍抗体のリガンドなどの、抗腫瘍標的化部分に結合され得る。本願明細書において用いられるところ、抗腫瘍抗体は、腫瘍の細胞を、ある程度の特異性をもって、正常な組織細胞から認識する抗体(Ab)を指す。結合IRM−Ab組成物は、抗体によってもたらされた腫瘍特異性を活用して、結合IRM部分の腫瘍抗原の近傍への送達を標的化する。従って、腫瘍の近傍にある樹状細胞(患者全体の樹状細胞とは対照的に)が優先的に活性化され、これにより、局在的な腫瘍特異的な、DC媒介性免疫応答を発生させ、その一方で、一般的なDC媒介性副作用を誘導する可能性がある樹状細胞の全身的な活性化を制限する。結合IRM/腫瘍特異的組成物を利用する治療法は、例えば、手術、放射線療法等などの他の治療法による処置が困難である、または不可能な癌(例えば、転移性癌)の処置に対して、特に望ましい場合がある。
【0043】
腫瘍特異的標的化部分の他の例としては、例えば、ナノ粒子および一定の小分子などの一定の非タンパク質材料が挙げられる。
【0044】
直径が約1nm〜200nmであるナノ粒子が、IRM部分の腫瘍への腫瘍特異的送達を提供するために用いられ得る。上述したとおり、IRM化合物は、例えば、共有および非共有化学相互作用などのいずれかの好適な手段によってナノ粒子に結合されていてもよい。非共有化学相互作用としては、親和性(例えば、アビジン/ビオチン、抗原/抗体、受容体/リガンド)、イオン性相互作用、および/または疎水性相互作用を挙げることができる。IRM化合物を、ナノ粒子などの固形支持体に接続するための方法が、例えば米国特許出願公開第2004/0258698号に記載されている。
【0045】
ナノ粒子は、腫瘍特異的標的化活性を、少なくとも2つの方法で有していることができる。第1に、上記の、ナノ粒子は、ナノ粒子を腫瘍に指向させる標的化部分で被覆され得る。標的化部分(例えば、抗体、受容体リガンド等)を接続させるための方法は周知である。第2に、ナノ粒子は、1つ以上の接続された標的化部分を有していなくても、IRM部分の腫瘍特異的標的化を提供し得る。約50nm〜約200nmの直径を有するナノ粒子は全身的に送達されると共に、腫瘍脈管構造に到達するまで血流中に存在し得る。循環系の間隙率または透過率の局在的な変化が、ナノ粒子が血流から脱して、循環系から離れ、および腫瘍の近傍に蓄積されることを許容する。
【0046】
IRM部分の腫瘍特異的標的化送達を提供することができる小分子部位の一例はビスホスホネートである。ビスホスホネート官能基は、骨組織のヒドロキシアパタイト成分に対する高い親和性、長期の関連性を付与する。ビスホスホネートは、骨組織中の診断および/または治療薬の標的化送達および隔離に対して有用であることが知られている。例えば、ビスホスホネート薬は、骨組織造影剤の送達のために診断的に、および骨粗鬆症、腫瘍骨溶解、および骨転移において治療的に用いられる。IRM/ビスホスホネート免疫調節組成物は、通常の転移サイト内にIRMの蓄積をもたらすことが可能である。
【0047】
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体は、乳癌、前立腺癌、子宮内膜癌、卵巣癌、およびメラノーマ細胞では著しく上昇している。従って、LHRH受容体のリガンドは、免疫調節組成物における標的化部分として用いられて、IRM部分の腫瘍サイトへの腫瘍特異的標的化送達を提供し得る。上述のヒト癌に対する動物モデルにおいては、LHRH特異的治療学は、選択的に患部組織に回帰する。IRMの、LHRH受容体のリガンド(例えば、LHRHまたは合成類似体)に対する結合は、これらの癌の腫瘍細胞へのIRMの標的化送達をもたらすことができ、これにより、IRMを腫瘍サイトに集中させると共に、治療指数を、IRM化合物単独で観察されたものを超えて高めることができる。フリーのDoxとLHRH−結合Doxとを比較する研究においては、LHRH複合体と同等の抗腫瘍活性を示すためには、およそ200倍多くのフリーのDoxが必要であった。好適なLHRH受容体リガンドとしては、LHRHデカペプチド、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する類似体、または小分子受容体リガンドを挙げることができる。
【0048】
LHRH受容体は、正常な器官組織と比して、多くの腫瘍細胞(例えば、乳房、前立腺、メラノーマ)で過剰発現性であることが知られている。従って、単一のIRM−LHRH受容体リガンド結合組成物が、2つ以上の癌を処置するために用いられる可能性がある。
【0049】
LHRH受容体リガンドは、直接的にIRM部位に結合され得、または1つ以上のIRM部分がまた接続しているナノ粒子に接続され得る。LHRH受容体リガンドを有するナノ粒子は、乳房中または肺転移中のいずれにおいても、乳癌細胞を標的とすることが知られている。比較すると、LHRHを有するナノ粒子は、優先的に正常な動物の肝臓に向けられる。
【0050】
葉酸受容体リガンドはまた、IRM部分に結合され得る標的化部分として有用であり得、およびIRMの腫瘍特異的標的化送達をもたらす。葉酸受容体の発現は、多くの腫瘍細胞の表面上で増加される。再度、葉酸受容体リガンドのIRM部分に対する結合は、腫瘍サイトでのIRMの選択的な蓄積をもたらすことができ、IRM部分の全身的な利用可能性を低減し、およびIRM部分の治療指数を高める。好適な葉酸受容体リガンドとしては、葉酸、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する類似体、または小分子受容体リガンドが挙げられる。
【0051】
いくつかの代替的な実施形態において、IRM部位は、樹状細胞標的化部分に結合され得る。標的化部分は、抗体(例えば、抗DC抗体)または、DC特異的マーカーを認識する非抗体リガンドであり得る。
【0052】
好適なDC特異的マーカーとしては、例えば、TNFRスーパーファミリー(例えば、CD40)、CD70、CD80、CD86、B7−CD、B7.1、B7.2等のいずれかの構成要素などの例えば、共刺激性マーカーが挙げられ得る。共刺激性マーカーを認識する標的化部分を含む免疫調節組成物が、単一の化学物質において2つのDC活性化刺激(すなわち、IRM部分および同時刺激)を送達するために用いられ得る。
【0053】
本明細書において用いられるところ、抗DC抗体は、樹状細胞抗原を認識する抗体を指す。好適な樹状細胞標的化部分は、樹状細胞によって、定性的にまたは定量的に差次的に発現するいずれかの抗原に結合し得る。好適な樹状細胞標的化部分は、例えば、DEC205、BDCA−1、BDCA−2、BDCA−3、BDCA−4、DC−SIGN、L−SIGN、HLR−DR、CD11c、CD13、CD14、CD21、CD33、CD35、CD123、C−タイプレクチン、インテグリン(例えば、α4、α6、α1β1)、および/またはいずれか1つのトール様受容体(TLR)等などの抗原に結合し得る。
【0054】
標的化部分がDC特異的マーカーを認識したかまたは抗原を認識したかに関わらず、IRM部分の標的化部分への結合は、全身的な送達経路で投与された場合においても、IRM部分の全身的な利用可能性を制限することができる。しかも、IRM部分は、樹状細胞の近傍に集中され得、これにより、樹状細胞がより効果的に成熟させ、および活性化される。腫瘍サイト(または腫瘍塊の内部においても)で活性化された樹状細胞は、腫瘍細胞の表面上に存在する腫瘍抗原を利用して、腫瘍に対する免疫応答を惹起することが可能であり得る。この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な抗腫瘍治療を提供することが可能である。
【0055】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、抗マクロファージ標的化部分に結合され得る。マクロファージは、多くの場合、腫瘍細胞の近傍に局在化されている。従って、再度、IRM部分の全身的な利用可能性を制限することができ、およびIRM部分は、標的細胞(すなわち、マクロファージ)の近傍に集中され得、これにより、マクロファージはより効率的に活性化される。活性化されたマクロファージは、抗腫瘍活性を示すことが知られている。従って、この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な腫瘍治療を提供することが可能である。
【0056】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、例えば、CD8+細胞障害性T細胞、NK細胞、またはNKT細胞などの、直接的に腫瘍細胞を死滅させる細胞タイプ上の表面抗原を認識する標的特異的部位に結合され得る。再度、免疫調節組成物が全身的に投与された場合においても、IRM部分は、腫瘍キラー細胞の近傍に集中され得、これにより、(a)腫瘍キラー細胞がより効果的に活性化され、および/または(b)IRM部分の全身的な利用可能性が制限される。腫瘍サイト(または腫瘍塊の内部であっても)で活性化された腫瘍キラー細胞は、腫瘍細胞の表面上に存在する腫瘍抗原を利用して、腫瘍に対する免疫応答を惹起させることが可能であり得る。この方法は、腫瘍特異的抗体を必要とすることなく、全般的な腫瘍治療を提供することが可能である。
【0057】
他の代替的な実施態様において、IRM部分は、例えば、内皮標的を認識する標的化部分に結合され得る。腫瘍塊の内皮環境には、正常な毛細血管床と比して顕著な差異が存在する。差異は、例えば、同一性、および一定の内皮表面タンパク質、接着分子(例えば、インテグリン)、細胞外マトリックスタンパク質、増殖因子受容体等が発現する程度において存在する。これらの差異を活用して、IRM部分の腫瘍関連内皮への標的送達をすることができる。このような差異を特異的に標的とするいくつかの試薬が、抗血管新生療法として有用であることが示された。標的化部分としてのこのような剤のIRM部分への結合は、2つの効果的な抗腫瘍療法(免疫療法および抗血管形成療法)を組み合わせることができる。
【0058】
好適な抗血管形成試薬としては、例えば、抗CD105抗体(CD105は腫瘍内皮において過剰発現される)、抗ED−B抗体(ED−Bは、腫瘍塊に見出されるフィブロネクチンアイソフォームである)、腫瘍に関連する内皮インテグリンに認識されるペプチド、およびその受容体が腫瘍内皮(例えば、血管性内皮増殖因子)上で上方制御される増殖因子が挙げられる。
【0059】
このような抗血管新生試薬の使用は、組み合わせた抗血管形成および免疫療法の見込みをもたらし得る。さらに、IRMの腫瘍内皮への標的化送達は、一般に、内皮は、腫瘍塊より変異原性に劣る組織であるため、腫瘍自体とは対照的に、より効果的な長期処置を提供し得る。従って、内皮に向けられた治療が薬剤耐性を生じる可能性はきわめてまれであり得る。また、内皮に向けられた治療は、腫瘍特異的試薬を必要とすることはなく、事実上いずれの血管新生化腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、肺癌)に対しても効果的であり得る。
【0060】
さらに他の代替的な実施態様において、標的指向化部位は2つ以上の標的化部分を含み得、その各々が異なる標的に結合することが可能である。従って、例えば、標的化部分は、例えば免疫細胞抗原または共刺激性マーカー(例えば、樹状細胞標的)を認識する一つの標的化部分と、例えば標的腫瘍細胞を認識する第2の標的化部分(例えば、抗腫瘍抗原)とを含み得る。このような組成物は、IRM部位の標的細胞集団のいずれかまたは両方への送達を標的化し得るだけではなく、また、標的免疫細胞(例えば、樹状細胞または腫瘍キラー細胞)およびIRM部位の、標的腫瘍細胞(例えば、腫瘍)の近傍への標的化送達をも提供し得る。
【0061】
組成物の標的化部分は、組成物の標的化送達を提供することができるいずれの材料であってもよい。多数の実施形態において、標的化部分は免疫特異的標的化を提供し得、すなわち、組成物の標的抗原に対する免疫特異的結合を促進するために十分な免疫グロブリン(すなわち抗体)の部分であり得る。しかしながら、本発明は、例えば、ホルモン(自然または合成)、脂質等などの例えば受容体リガンドなどの非免疫グロブリン標的化材料を用いても実施され得る。
【0062】
免疫グロブリンはタンパク質であるため、標的化部分として用いるには適当ではない変性免疫グロブリンを与えることなく、特定の免疫グロブリンに修飾を成すことができることが理解される。例えば、免疫グロブリンアミノ酸配列の1つ以上の部分が削除または置換され得、または追加のアミノ酸が免疫グロブリンに付加され得、および免疫グロブリンは、なお、本発明の実施に好適とされる十分な免疫特異的特徴を維持することができる。従って、以下の記載においては、特定の抗体に対する言及は、十分な量の免疫特異的特徴を維持しながら可能であるため、このような修飾(例えば、アミノ酸付加、削除、および/または置換)を有する変性免疫グロブリンを含む。
【0063】
好適な抗体は、微生物抗原(例えば、細菌性、ウイルス性、寄生性または真菌性抗原)、癌または腫瘍関連抗原、および/または自己抗原について特異的であり得る。多数の実施形態において、好適な抗体は、細胞上または中に存在する抗原を認識する、および結合するものである。特定の材料(すなわち、抗原)に結合する抗体は、同義的に、「抗抗原」または「抗原抗体」として称され得る。いくつかの事例においては、抗体は、一般名称または商業的商標によって称され得る。
【0064】
好適な抗体の例としては、限定されないが、リツキサン(RITUXAN)(リツキシマブ、抗CD20抗体)、ヘルセプチン(HERCEPTIN)(トラツズマブ)、クアドラメット(QUADRAMET)、パノレックス(PANOREX)、IDEC−Y2B8、BEC2、C225、オンコリム(ONCOLYM)、スマート(SMART)M195、アトラゲン(ATRAGEN)、オバレックス(OVAREX)、ベクサール(BEXXAR)、LDP−03、ior t6、MDX−210、MDX−11、MDX−22、OV103、3622W94、抗VEGF、ゼナパックス(ZENAPAX)、MDX−220、MDX−447、メリムネ(MELIMMUNE)−2、メリムネ(MELIMMUNE)−1、シアシド(CEACIDE)[google]、プレターゲット(PRETARGET)、ノボマブ(NovoMAb)−G2、TNT、グリオマブ(Gliomab)−H、GNI−250、EMD−72000、リンフォサイド(LYMPHOCIDE)、CMA676、モノファーム(Monopharm)−C、4B5、ior egf.r3、ior c5、BABS、抗FLK−2、MDX−260、ANAAb、スマート(SMART)ID10Ab、スマート(SMART)ABL364Ab、CC49(mAb B72.3)、ImmuRAIT−CEA、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−9抗体、抗Ig抗体、抗IgE抗体、血清由来B型肝炎抗体、組換えB型肝炎抗体、抗CD40抗体、抗OX40抗体、抗サイトカイン受容体抗体等が挙げられる。
【0065】
本発明について同様に有用である他の抗体としては、アレムツズマブ(B細胞慢性リンパ性白血病)、ゲムツズマブオゾガマイシン(CD33+急性骨髄性白血病)、hP67.6(CD33+急性骨髄性白血病)、インフリキシマブ(炎症性腸疾患および関節リウマチ)、エタネルセプト(ETANERCEPT)(関節リウマチ)、トシツモマブ、MDX−210、オレゴボマブ、抗EGF受容体mAb、MDX−447、抗組織因子タンパク質(TF)、(スノール(Sunol));ior−c5、c5、エドレコロマブ、イブリツモマブチウキセタン、ガングリオシドGD3エピトープの抗イディオタイプmAb擬態、抗HLA−Dr10 mAb、抗CD33ヒト化mAb、抗CD52humAb、抗CD1mAb(ior t6)、MDX−22、セロゴバブ(celogovab)、抗17−1A mAb、ベバシズマブ、ダクリズマブ、抗TAG−72(MDX−220)、高分子量プロテオグリカン(I−Mel−1)の抗イディオタイプmAb擬態、高分子量プロテオグリカン(I−Mel−2)の抗イディオタイプmAb擬態、抗CEA Ab、hmAbH11、抗DNAまたはDNA−関連タンパク質(ヒストン)mAb、グリオマブ(Gliomab)−H mAb、GNI−250mAb、抗CD22、CMA676)、GD2ガングリオシドに対する抗イディオタイプヒトmAb、ior egf/r3、抗ior c2糖タンパク質mAb、ior c5、抗FLK−2/FLT−3mAb、抗GD−2二重特異的mAb、抗核自己抗体、抗HLA−DR Ab、抗CEA mAb、パリビズマブ、ベバシズマブ、アレムツズマブ、BLyS−mAb、抗VEGF2、抗Trail受容体;B3mAb、mAb BR96、乳癌;およびAbx−Cb1mAbが挙げられる。
【0066】
好適な抗体としてはまた、以下の
例えば、特に限定されないが、抗ヒトFas/Fasリガンド抗体、抗マウスFas/Fasリガンド抗体、グランザイム抗体、グランザイムB抗体を含むFas/Fasリガンド抗体;特に限定されないが、抗チトクロムC抗体、抗ヒトBcl抗体(モノクローナル)、抗ヒトBcl抗体(ポリクローナル)、抗マウスBcl抗体(モノクローナル)、および抗マウスBcl抗体(ポリクローナル)を含むBcl抗体などのアポプトーシス抗体;
例えば、抗TRADD、抗TRAIL、および抗DR3抗体などのその他のアポプトーシス抗体;
例えば、特に限定されないが、抗ヒト、マウスbim抗体(ポリクローナル)、抗ヒト、マウスbim抗体(モノクローナル)を含むBim抗体などのその他のアポプトーシス関連抗体;
例えば、抗ヒトカスパーゼ抗体(モノクローナル)、および抗マウスカスパーゼ抗体などのカスパーゼ抗体;
例えば、抗CD25、抗CD29、抗CD29、抗CD41a、抗CD42b、抗CD42b、抗CD42b、抗CD43、抗CD46、抗CD61、抗CD61、抗CD62/P−slctn、抗CD62/P−slctn、および抗CD154などの抗CD抗体;
例えば、ヒトCNTF抗体、ヒトエオタキシン抗体、ヒト上皮性好中球活性化ペプチド−78(ENA−78)抗体、ヒトエクソダス抗体、ヒトGRO抗体、ヒトHCC−1抗体、ヒトI−309抗体、ヒトIP−10抗体、ヒトI−TAC抗体、ヒトLIF抗体、ヒト肝臓−発現ケモカイン(LEC)抗体、ヒトリンフォタキシン抗体、ヒトMCP抗体、ヒトMIP抗体、IFN−γ(MIG/CXCL9)抗体によって誘導されたヒトモノカイン、ヒトNAP−2抗体、ヒトNP−1抗体、ヒト血小板因子−4抗体、ヒトランテス抗体、ヒトSDF抗体、およびヒトTECK抗体などのヒトケモカイン抗体;
例えば、ヒトB−細胞攻撃マウスケモカイン抗体、ケモカイン−1抗体、マウスエオタキシン抗体、マウスエクソダス抗体、マウスGCP−2抗体、マウスKC抗体、マウスMCP抗体、マウスMIP抗体、およびマウスランテス抗体などのマウスケモカイン抗体;
例えば、ラットCNTF抗体、ラットGRO抗体、ラットMCP抗体、ラットMIP抗体、およびラットランテス抗体などのラットケモカイン抗体;
例えば、ヒトビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、ヒトインターフェロン(IFN)抗体、ヒトインターロイキン(IL)抗体、ヒトレプチン抗体、ヒトオンコスタチン抗体、ヒト腫瘍壊死因子(TNF)抗体、ヒトTNF受容体ファミリー抗体、マウスビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、マウスIFN抗体、マウスIL抗体、マウスTNF抗体、マウスTNF受容体抗体、ラットビオチン化サイトカイン/サイトカイン受容体抗体、ラットIFN抗体、ラットIL抗体、およびラットTNF抗体などのサイトカイン/サイトカイン受容体抗体;
例えば、コラーゲン/プロコラーゲン抗体、ラミニン抗体、ヒトコラーゲン抗体、ヒトラミニン抗体、ヒトプロコラーゲン抗体、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体抗体、ヒトビトロネクチン抗体、ヒトビトロネクチン受容体抗体、フィブロネクチン/フィブロネクチン受容体抗体、ヒトフィブロネクチン抗体、およびヒトフィブロネクチン受容体抗体などの細胞外マトリックス抗体;
例えば、ヒト増殖因子抗体、マウス増殖因子抗体、およびブタ増殖因子抗体などの増殖因子抗体;
例えば、バキュロウイルス抗体、カドヘリン抗体、補体抗体、C1q抗体、フォンウィルブランド因子抗体、Cre抗体、HIV抗体、インフルエンザ抗体、ヒトレプチン抗体、マウスレプチン抗体、マウスCTLA−4抗体、P450抗体、およびRNAポリメラーゼ抗体などのその他の抗体;
例えば、アミロイド抗体、GFAP抗体、ヒトNGF抗体、ヒトNT−3抗体、およびヒトNT−4抗体などの神経生物学的抗体
が挙げられる。
【0067】
本発明における使用に好適な追加の抗体としては、例えば、1次抗体のMSRSカタログおよびリンズコッツ(Linscott’s)ダイレクトリーなどの文献にリストされている抗体が挙げられる。
【0068】
組成物の免疫応答修飾因子部位はいずれかの好適なIRM化合物であり得るか、またはIRM化合物に由来し得る。他に示されていない限りにおいて、化合物への言及は、いずれかの異性体(例えば、ジアステレオマーまたはエナンチオマー)、塩、溶媒和物、異形体等を含むいずれかの薬剤的に許容可能な形態での化合物を含むことができる。特に、化合物が光学的に活性である場合には、化合物への言及は、化合物のエナンチオマーの各々、ならびにエナンチオマーのラセミ混合物を含むことができる。
【0069】
いくつかの実施態様において、IRM化合物は小分子免疫応答修飾因子(例えば、約1000ダルトン未満の分子量)であり得る。いくつかの実施形態において、IRM化合物は、5員窒素含有複素環式環に縮合した2−アミノピリジン、または5員窒素含有複素環式環に縮合した4−アミノピリミジンを含み得る。
【0070】
本発明における使用について好適なIRM化合物としては、5員窒素含有複素環式環に縮合された2−アミノピリジンを有する化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、特に限定されないが、例えば、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリール、ヘテロアリール、アリーロキシまたはアリールアルキレンオキシ置換イミダゾキノリンアミン、およびイミダゾキノリンジアミンなどの置換イミダゾキノリンアミンを含むイミダゾキノリンアミン;特に限定されないが、アミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、尿素置換テトラヒドロイミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、およびテトラヒドロイミダゾキノリンジアミンを含むテトラヒドロイミダゾキノリンアミン;特に限定されないが、アミド置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミド置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンアミン、アリールエーテル置換イミダゾピリジンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾピリジンアミン、アミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾピリジンアミン、尿素置換イミダゾピリジンエーテル、およびチオエーテル置換イミダゾピリジンアミンを含むイミダゾピリジンアミン;1,2−架橋イミダゾキノリンアミン;6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン;イミダゾナフチリジンアミン;テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン;オキサゾロキノリンアミン;チアゾロキノリンアミン;オキサゾロピリジンアミン;チアゾロピリジンアミン;オキサゾロナフチリジンアミン;チアゾロナフチリジンアミン;およびピリジンアミンに縮合された1H−イミダゾダイマー、キノリンアミン、テトラヒドロキノリンアミン、ナフチリジンアミン、またはテトラヒドロナフチリジンアミンが挙げられる。
【0071】
一定の実施態様において、IRM化合物は、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであり得る。
【0072】
一定の実施態様において、IRM化合物は、置換イミダゾキノリンアミン、テトラヒドロイミダゾキノリンアミン、イミダゾピリジンアミン、1,2−架橋イミダゾキノリンアミン、6,7−縮合シクロアルキルイミダゾピリジンアミン、イミダゾナフチリジンアミン、テトラヒドロイミダゾナフチリジンアミン、オキサゾロキノリンアミン、チアゾロキノリンアミン、オキサゾロピリジンアミン、チアゾロピリジンアミン、オキサゾロナフチリジンアミン、またはチアゾロナフチリジンアミンであり得る。
【0073】
本明細書において用いられるところ、置換イミダゾキノリンアミンは、アミド置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミド置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンアミン、アリールエーテル置換イミダゾキノリンアミン、複素環式エーテル置換イミダゾキノリンアミン、アミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、スルホンアミドエーテル置換イミダゾキノリンアミン、尿素置換イミダゾキノリンエーテル、チオエーテル置換イミダゾキノリンアミン、6−、7−、8−、または9−アリール、ヘテロアリール、アリーロキシまたはアリールアルキレンオキシ置換イミダゾキノリンアミン、またはイミダゾキノリンジアミンを指す。本明細書において用いられるところ、置換イミダゾキノリンアミンは、特定的に、かつ、明示的に1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンおよび4−アミノ−α,α−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノールを除外する。
【0074】
好適なIRM化合物としてはまた、プリン誘導体、イミダゾキノリンアミド誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、アデニン誘導体、アミノアルキルグルコサミニドリン酸塩、および上述のオリゴヌクレオチド配列が挙げられ得る。
【0075】
特定の一実施態様において、化合物の免疫応答修飾因子部位は、N−[6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソへキシル]−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドに由来する。
【0076】
本発明のいくつかの実施態様において、IRM化合物は、例えば、TLR6、TLR7、またはTLR8のアゴニストなどの、少なくとも1つのTLRのアゴニストであり得る。IRMは、いくつかの場合において、TLR9のアゴニストであり得る。
【0077】
特定の化合物についてのTLRアゴニズムは、いずれかの好適な方策で査定し得る。例えば、テスト化合物のTLRアゴニズムを検出するために好適なアッセイおよび組換え株細胞が、例えば、米国特許出願公開第2004/0014779号、同第2004/0132079号、同第2004/0162309号、同第2004/0171086号、同第2004/0191833号、および同第2004/0197865号に記載されている。
【0078】
利用された特定のアッセイに関わらず、化合物は、化合物でのアッセイを実施して、特定のTLRによって媒介されたいくつかの生物活性の閾増加量が少なくとももたらされる場合、特定のTLRアゴニストとして同定されることができる。逆に、化合物は、指定のTLRにより媒介された生物活性を検出するよう設計されたアッセイの実施に用いられたときに、化合物が生物活性における閾増加量の誘発に失敗する場合には、指定のTLRのアゴニストとして作用しないとして同定され得る。他に示されていない限りにおいて、生物活性の増加は、同一の生物活性における、適切な対照において観察された生物活性を超える増加を指す。アッセイは、適切な対照と併せて実施されても、されなくてもよい。経験により、当業者は、特定のアッセイについて十分に熟知度を深め得(例えば、適切な対照において、特定のアッセイ条件下で観察された値の範囲)、対照の実施は、特定のアッセイにおける化合物のTLRアゴニズムを測定するためには常に必要ではない場合がある。
【0079】
特定の化合物が所与のアッセイにおいて特定のTLRのアゴニストであるかまたはでないかを判定するための、TLR−媒介生物活性の精確な閾増加量は、特に限定されないが、アッセイのエンドポイントとして観察される生物活性、アッセイのエンドポイントを計測または検出するために用いられる方法、アッセイのSN比、アッセイの精度、および両方のTLRについての化合物のアゴニズムの測定に同一のアッセイが用いられたかどうかを含む、技術分野において公知である要素に応じて変化し得る。従って、すべての可能なアッセイについて、一般に化合物を特定のTLRのアゴニストまたは非アゴニストとして同定するために必要とされるTLR−媒介生物活性の閾増加量を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な閾値を容易に判定することができる。
【0080】
発現可能なTLR構造遺伝子で形質移入されたHEK293細胞を利用するアッセイは、化合物を細胞に形質移入されたTLRのアゴニストとして同定するために、化合物が例えば約1μM〜約10μMの濃度で提供されたとき、例えば、TLR−媒介生物活性(例えば、NFκB活性化)における少なくとも3倍の増加の閾値を用い得る。しかしながら、異なる閾値および/または異なる濃度範囲が、一定の状況においては好適であり得る。また、異なる閾値が、異なるアッセイについては適切であり得る。
【0081】
免疫調節組成物は、被検者への投与に好適ないずれかの方策で処方され得る。処方の好適なタイプが、例えば、米国特許第5,736,553号;同第5,238,944号;同第5,939,090号;同第6,365,166号;同第6,245,776号;および6,486,186号;欧州特許第0394026号;および米国特許出願公開第2003/0199538号に記載されている。化合物は、特に限定されないが、溶液、懸濁液、エマルジョンを含むいずれかの好適な形態、またはいずれかの形態の混合物で提供され得る。化合物は、いずれかの薬剤的に許容可能な賦形剤、キャリア、またはビヒクルとの配合物で供給され得る。例えば、配合物は、例えば、クリーム、軟膏剤、エアロゾル配合物、非エアロゾルスプレー、ゲル、ローション等などの従来の局所的剤形で供給され得る。配合物は、特に限定されないが、補助剤、皮膚浸透促進剤、着色剤、芳香剤、香味剤、湿潤剤、増粘剤等を含む1つ以上の添加剤をさらに含み得る。
【0082】
免疫調節組成物を含有する配合物は、例えば、経口または非経口などのいずれかの好適な方策で投与され得る。本明細書において用いられるところ、経口的とは、経口摂取によることを含む消化管を介した投与を指す。非経口的とは、例えば、静脈内、筋肉内、経皮的、皮下、経粘膜的(例えば、吸入により)、または局所的などの消化管を介する以外の投与を指す。
【0083】
本発明の実施に好適な配合物の組成物は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、意図される投与計画、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および配合物が投与される種を含む技術分野において公知である要素に応じて異なることとなる。従って、すべての可能な適用について効果的な配合物の組成を、一般に規定することは実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な配合物を容易に判定することができる。
【0084】
別の側面において、本発明は、免疫応答修飾因子の標的化送達方法を含む。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の投与を含む。
【0085】
別の側面において、本発明は、局所免疫応答を誘導する方法を提供する。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の、免疫応答を誘導するための有効量での投与を含む。
【0086】
さらに別の側面において、本発明は、免疫応答を誘導することにより処置可能な、被検者における状態を処置する方法を提供する。一般に、方法は、被検者への、送達標的を認識する標的化部分に結合された免疫応答修飾因子を含む免疫調節組成物の、状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための有効量での投与を含む。
【0087】
方法の各々について、好適な免疫調節組成物は、上述の免疫調節組成物を含む。いくつかの実施形態において、送達標的は腫瘍細胞を含む。他の実施形態において、送達標的は免疫細胞を含む。一定の実施態様において、標的指向化部位は、2つ以上の送達標的を認識し得る。このような一つの場合において、1つの送達標的は腫瘍細胞を含むことができると共に、2つ目の送達標的は免疫細胞を含むことができる。
【0088】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、例えば、約0.001%〜約10%(他に示されていない限りにおいて、本明細書に記載のすべてのパーセントは、重量/総配合物に関する重量である)の配合物での、免疫調節組成物の被検者への投与を含むが、いくつかの実施形態においては、免疫調節組成物は、この範囲外の濃度で免疫調節組成物を提供する配合を用いて投与され得る。一定の実施態様において、方法は、被検者への、約0.01%〜約1%の免疫調節組成物を含む配合物、例えば、約0.1%〜約0.5%の免疫調節組成物を含む配合物の投与を含む。
【0089】
本発明の実施に効果的である免疫調節組成物の量は、標的特異的な免疫応答を発生させるのに十分な量である。本発明の実施に必要とされる免疫調節組成物の精確な量は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、意図された投与計画、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および免疫調節組成物が投与される種を含む技術分野において公知である要素に応じて異なることとなる。従って、すべての可能な適用について効果的な免疫調節組成物の量を構成する量を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な量を容易に判定することができる。
【0090】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、例えば、被検者へ約100ng/kg〜約50mg/kgのIRM部位の投与量を提供することを含むが、いくつかの実施態様においては、方法は、免疫調節組成物を投与して、この範囲外のIRM部位の投与量を提供することにより実施されてもよい。これらの実施態様のいくつかにおいて、方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、被検者への約10μg/kg〜約5mg/kgのIRM部位の投与量、例えば、約100μg/kg〜約1mg/kgの投与量を提供することを含む。
【0091】
あるいは、投与量は、処置過程の開始直前に得られる実際の体重を用いて算出され得る。このように算出される投与量のために、体表面積(m2)が、デュポワ法:m2=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184を用いて、処置過程の開始前に算出される。
【0092】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分なIRM複合体を投与して、例えば、約0.01mg/m2〜約10mg/m2の投与量を提供することを含み得る。
【0093】
いくつかの実施態様において、本発明の方法は、十分な免疫調節組成物を投与して、例えば、被検者への約50ng/kg〜約100mg/kgの標的化部分の投与量を提供することを含むが、いくつかの実施態様において、方法は、免疫調節組成物を投与して、この範囲外の標的化部分の投与量を提供することによって実施され得る。これらの実施態様のいくつかにおいて、方法は、十分な免疫調節組成物を提供して、被検者への約10μg/kg〜約50mg/kg標的化部分の投与量、例えば、約1mg/kg〜約20mg/kgの投与量を提供することを含む。
【0094】
投与計画は、特に限定されないが、免疫調節組成物の物理的および化学的性質、キャリアの性質、免疫調節組成物が投与される量、被検者の免疫系の状態(例えば、抑制されている、易感染性である、刺激されている)、免疫調節組成物の投与方法、および免疫調節組成物が投与される種を含む技術分野において公知である多数の要素に、少なくとも部分的に応じ得る。従って、すべての可能な適用について効果的な投与計画を規定することは一般に実際的ではない。当業者は、しかしながら、このような要素を十分に考慮して、適切な投与計画を容易に判定することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施態様において、免疫調節組成物は、例えば、単一的な投与量から複数の投与量で投与され得る。一定の実施態様において、免疫調節組成物は、約1日1回から約3ヶ月に1回で投与され得るが、いくつかの実施態様において、本発明の方法は、この範囲外の頻度で免疫調節組成物を投与することによって実施され得る。特定の一実施態様において、免疫調節組成物は、約週1回から約月1回で投与される。他の実施態様において、免疫調節組成物は、1週間に2日で1日1回投与される。さらに他の実施態様において、免疫調節組成物は、1週間に3回で1日1回で投与される。
【0096】
免疫調節組成物を投与することにより処置され得る状態としては、限定されないが:
(a)例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡またはワクシニアなどのオルソポックスウイルス、または伝染性軟属腫)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルスまたはエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、および呼吸器多核体ウイルス(RSV))、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポーウイルス(例えば、性器疣贅、尋常性疣贅、または足底疣贅を発症させるものなどのパピロマーウイルス)、ヘパドナウイルス(例えば、B型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えば、C型肝炎ウイルスまたはデングウイルス)、またはレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)による感染から生じる疾病などのウイルス性疾患;
(b)例えば、大腸菌類、エンテロバクター、サルモネラ菌、ブドウ球菌、赤痢菌、リステリア、好気菌、ヘリコバクター、クレブシエラ、プロテウス、シュードモナス、レンサ球菌、クラミジア、マイコプラズマ、肺炎レンサ球菌、ナイセリア、クロストリジウム、バチルス、コリネバクテリウム、マイコバクテリウム、カンピロバクター、ビブリオ、セラチア、プロビデンシア、クロモバクテリウム、ブルセラ、エルシニア、ヘモフィルス、またはボルデテラの細菌による感染から生じる疾病などの、例えば細菌性疾患;
(c)クラミジア、特に限定されないが、カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコッカス髄膜炎を含む真菌性疾病、または特に限定されないが、マラリア、ニューモシスティスカリニ肺炎、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症、およびトリパノソーマ感染を含む寄生虫症などの他の感染性疾病;
(d)固体腫瘍癌(特に限定されないが、乳癌、大腸癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、前立腺癌、肝癌等を含む)、上皮内腫瘍、子宮頚部異形成、日光角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、メラノーマ、白血病(特に限定されないが、骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫、B−細胞リンパ腫、および有毛細胞白血病を含む)、および他の癌などの腫瘍性疾患;
(e)アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、およびオーメン症候群などのTH2−媒介アトピー性疾病;
(f)全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、円板状エリテマトーデス、円形脱毛症などの一定の自己免疫疾患;および
(g)例えば、ケロイド形成のおよび他のタイプの瘢痕(例えば、慢性的創傷を含む創傷治癒の増強)の阻害などの創傷修復に関連する疾病
が挙げられる。
【0097】
一定の免疫調節組成物は、易感染性免疫機能を有する固体に特に役立ち得る。例えば、一定の免疫調節組成物は、例えば、移植患者、癌患者およびHIV患者において、細胞性免疫の抑制後に生じる日和見感染および腫瘍を処置するために用いられ得る。
【0098】
IRM部分および標的化部分は、例えば、共有、および一定のタイプの非共有結合を含む、いずれかの好適な手段によっても結合され得る。共有的および非共有的にIRM化合物および抗原を結合する方法が、例えば、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている。このような方法は、驚くべきことに、得られる組成物の各部位がその機能的特長を維持するよう、共有的または非共有的にIRM部分および標的化部分を結合するためにも用いられ得る。IRMおよび抗原が結合される可能性がある状態のいくつか(例えば、9.0を超えるpHおよびUV照射)は、一定の標的化部分の標的特異的特長を破壊する可能性があると考えられていた(例えば、抗体L鎖の抗原認識サイトの破壊)。しかも、空間的な考慮および1つ以上のIRM部位がバインドし、従って、標的化部分の標的−結合部分をブロックすることができる可能性は、IRMおよび標的化部分を結合するためのIRMおよび抗原を結合する方法の使用を妨げるであろう障害であると見なされていた。
【0099】
あるいは、標的指向化部位は、IRM部分および標的化部分を結合するためにUV照射に依存しない化学作用を用いてIRM部分に結合され得る。このような方法は、共役反応の制御、IRM部分対標的化部分の比の制御、最終組成物の特徴づけ、およびより均質な生成物を得ることを容易とし得る化学作用を用いる。IRM部分および標的化部分を結合するための追加の方法が、例えば、2006年2月22日出願の「免疫応答修飾因子複合体(Immune Response Modifier Conjugates)」と題された米国仮特許出願に記載されている。
【0100】
上記したとおり、IRM部分は、共有結合ではなく、親和性相互作用を用いて標的化部分に結合され得る。上記の一例は、アビジンおよびビオチンの間の親和性を活用する。IRM部分および標的化部分を結合するために有用であり得る代替的な親和性相互作用としては、例えば、糖タンパク質/レクチン相互作用が挙げられる。
【0101】
あるいは、免疫調節組成物は、IRM部分および標的化部分を共有的に結合することにより調製され得る。免疫調節組成物は、一般に、免疫応答修飾因子を、架橋剤と反応させ、および次いで得られた中間体を、例えば、所望の量の標的特異的な送達機能を提供するに十分な分量の抗体などの標的指向化部位と反応させることにより調製され得る。生物複合体の調製に好適な多くの架橋剤が公知であり、および多数が市販されている。例えば、ヘルマンソン(Hermanson),G.(1996年)「生物複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、アカデミックプレス(Academic Press)を参照のこと。
【0102】
あるいは、免疫調節組成物は、例えば、標的化部分が、IRM部分のR1を介してIRM部位と連結される反応スキームIに示される方法により、調製され得る。反応スキームIのステップ(1)においては、式IIIのIRM化合物が式IVのヘテロ二官能性架橋剤と反応されて、式IIの化合物が提供される。RAおよびRBの各々は、他方と反応するよう選択される官能基を含有する。例えば、RAが第1級アミンを含有する場合には、RBがN−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステルなどのアミン−反応性官能基を含有するヘテロ二官能性架橋剤が選択され得る。RAおよびRBは、両者が反応して、所望のリンカー基を複合体中に提供するよう選択され得る。
【0103】
RAが官能基を含有する式IIIの化合物の調製方法は公知である。例えば、米国特許第4,689,338号;同第4,929,624号;同第5,268,376号;同第5,389,640号;同第5,352,784号;同第5,494,916号;同第4,988,815号;同第5,367,076号;同第5,175,296号;同第5,395,937号;同第5,741,908号;同第5,693,811号;同第6,069,149号;同第6,194,425号;同第6,331,539号;同第6,451,810号;同第6,525,064号;6,541,485号;同第6,545,016号;同第6,545,017号;同第6,656,938号;同第6,660,747号;同第6,664,260号;同第6,664,264号;同第6,670,372号;同第6,677,349号;同第6,683、088号;および同第6,797,718号;および米国特許出願公開第2004/0147543号および同第2004/0176367号を参照のこと。
【0104】
多くのヘテロ二官能性架橋剤が公知であり、および多数が市販されている。例えば、ヘルマンソン(Hermanson),G.(1996年)「生物複合体技術(Bioconjugate Techniques)」、アカデミックプレス(Academic Press)、第5章「ヘテロ二官能性架橋剤(Heterobifunctional Cross−Linkers)」、229〜285ページを参照のこと。反応は、一般に、式IIIの化合物のN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶剤中の溶液と、式IVのヘテロ二官能性架橋剤のN,N−ジメチルホルムアミドなどの好適な溶剤中の溶液とを組み合わせることによって行われることができる。反応は、周囲温度で行われ得る。式IIの生成物は、次いで、従来の技術を用いて単離され得る。
【0105】
反応スキームIのステップ(2)において、反応性基ZAを含有する式IIの化合物が標的化部分と反応されて、式Iの免疫調節性複合体が提供される。反応は、一般に、式IIの化合物のジメチルスルホキシドなどの好適な溶剤中の溶液と、標的化部分のPBSなどの好適な緩衝剤中の溶液とを組み合わせることによって行われることができる。反応は、周囲温度でまたは低温(約4℃)で行われ得る。ZAが、フェニルアジドなどの光反応性基である場合、反応混合物は、長波長UV光に適切な長さの時間露光されて、架橋が行われることとなる(例えば、10〜20分間)。標的化部分当たりのIRM部分の平均数は、反応において用いられる式IIの化合物の量を調整することにより制御され得る。式Iの免疫調節性複合体は、従来の技術を用いて単離および精製され得る。
【0106】
反応スキームI
【化1】
【0107】
あるいは、式IIの化合物は、ヘテロ二官能性架橋剤を用いることなく合成され得る。式IIの化合物は、反応性基ZAを含有している限り、上記のステップ(2)の方法を用いて標的化部分と反応されて、免疫調節性複合体を提供し得る。
【0108】
本明細書において用いられるところ、用語「アルキル」、「アルケニル」および接頭語「alk−」は直鎖、分岐鎖、および環式基を含み、すなわちシクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。他に規定されていない限りにおいて、これらの基は、1〜20個の炭素原子を含み、アルケニル基は2〜20個の炭素原子を含む。好ましい基は、合計で10個以下の炭素原子を有する。環式基は単環式または多環式であることができ、および好ましくは、3〜10個の環炭素原子を有する。例証的な環式基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピルメチル、およびアダマンチルが挙げられる。
【0109】
用語「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲン原子によって置換されている基を包括し、過フッ素化基を含む。これはまた、接頭語「halo−」を含む基にも当てはまる。好適なhaloアルキル基の例は、クロロメチル、トリフルオロメチル等である。
【0110】
本明細書中で使用するとき、用語「アリール」は、炭素環式芳香族環または環系を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニルおよびインデニルが挙げられる。用語「ヘテロアリール」としては、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む芳香族環または環系が挙げられる。好適なヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピローリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル等が挙げられる。
【0111】
「ヘテロシクリル」としては、少なくとも1つの環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含有すると共に、上述のヘテロアリール基の完全に飽和のおよび部分的に不飽和の誘導体のすべてを含む非芳香族環または環系が挙げられる。例証的な複素環基としては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびイミダゾリジニルが挙げられる。
【0112】
アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリル基は、未置換であることができ、あるいは、アルキル、アルコキシ、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキルチオ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、カルボキシ、ホルミル、アリール、アリーロキシ、アリールチオ、アリールアルコキシ、アリールアルキルチオ、ヘテロアリール、ヘテロアリーロキシ、ヘテロアリールチオ、ヘテロアリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、アルキルチオカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、ヘテロアリールチオカルボニル、アルカノイルオキシ、アルカノイルチオ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アリールカルボニルチオ、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アリールジアジニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルケニルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールアルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アルケニルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アリールアルキルスルホニルアミノ、ヘテロアリールスルホニルアミノ、ヘテロアリールアルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルケニルアミノカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニルアミノ、アリールアルキルアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアミノカルボニルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノカルボニルアミノおよび、ヘテロシクリルの場合には、オキソからなる群から独立に選択される置換基の1つ以上によって置換されていることができる。他の基が「置換されている」または「任意により置換されている」として記載されている場合、それらの基はまた、上に列挙した置換基の1つ以上によって置換されていることもできる。
【0113】
一定の置換基が一般に好ましい。例えば、好ましいR2基としては、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(すなわち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、N−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、およびシクロプロピルメチル)、およびアルコキシアルキル基(例えば、メトキシエチルおよびエトキシメチル)が挙げられる。好ましくは、R3およびR4は、独立に水素またはメチルであり、またはR3およびR4は共に結合してベンゼン環、ピリジン環、6員飽和環または窒素原子を含有する6員飽和環を形成する。これらの好ましい置換基の1つ以上は、存在する場合、いずれの組み合わせでも存在することができる。
【0114】
IRM部分および標的化部分が、共有的に結合されているか、非共有的に結合されているかに関わらず、免疫調節組成物は、例えば、スペーサアームまたは固形支持体などの介在成分を含み得る。例えば約20Å〜約100Åの長さを有するものなどの一定のスペーサアームは組成物の溶解度を向上し得、これにより、組成物を用いて得ることができるIRM活性レベルが高められ得る。好適なスペーサが市販されている。
【0115】
いくつかの実施態様において、免疫調節組成物は、標的化部分およびIRM部分の両方が接続する巨大分子支持体を含み得る。一定の実施態様において、巨大分子支持体は固形支持体であり得る。IRM部位、標的化部分、または両方は、上述のものなどの架橋基を用いて、共有的に巨大分子支持体に接続され得る。巨大分子支持体は、例えばアガロースビーズ、金粒子等などの米国特許出願公開第2004/0202720号および同第2004/0258698号に記載のものなどの支持体を、例えば含み得る。
【0116】
本発明の方法は、いずれかの好適な被検者に実施され得る。好適な被検者としては、限定されず、特に限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、またはウシなどの動物が挙げられる。
【実施例】
【0117】
実施例
機構、利点、および他の本発明の詳細を単にさらに例示するために以下の実施例が選択された。しかしながら、実施例がこの目的のために役立つ一方で、用いられた特定の材料および量、ならびに他の状態および詳細は、本発明の範囲を不当に制限する可能性のある事項においては解釈されるべきではないことが明白に理解されるべきである。
【0118】
以下の実施例において、通常の高性能フラッシュクロマトグラフィ(HPFC)を、ホライゾン(HORIZON)HPFCシステム(米国バージニア州シャーロッツビルのバイオテージ(Biotage,Inc,Charlottesville,Virginia,USA)から入手可能な自動化高性能フラッシュ精製製品)またはインテリフラッシュ(INTELLIFLASH)フラッシュクロマトグラフィシステム(米国ウィスコンシン州バーリントンのアナロジックス(AnaLogix,Inc,Burlington,Wisconsin,USA)から入手可能な自動化フラッシュ精製システム)を用いて行った。各精製について用いた溶出液が実施例に与えられている。いくつかのクロマトグラフィ分離においては、溶媒混合物80/18/2v/v/vクロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム(CMA)を、溶出液の極性成分として用いた。これらの分離において、CMAをクロロホルムと示した比で混合した。
【0119】
IRM化合物の調製
IRM化合物1(IRM1):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド
【化2】
【0120】
パートA
6−(カルボベンジルオキシアミノ)カプロン酸(8.49グラム(g)、32.0ミリモル(mmol))のDMF(50mL)中の溶液に、0℃でN−ヒドロキシスクシンイミドおよび塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)を添加した。短時間の後、溶液を、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許出願公開第2004/0091491号に記載のとおり調製した、10g、32mmol)のDMF(100mL)中の0℃溶液に添加した。混合物を室温に温めさせおよび3日間攪拌した。溶液を、水(400mL)で希釈すると共に、酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を組み合わせ、および水(2×)および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、および濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのHPFCにより3回精製して(クロロホルム中のCMAでの勾配溶離)、4.90gのベンジル6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメートを白色のフォームとして得た。
【0121】
パートB
ベンジル6−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート(4.90g、8.75mmol)およびエタノール(100mL)中の10%の炭素に担持されたパラジウム(0.5g)の混合物を、パール(Parr)装置で、20〜40psi(1.4×105−2.8×105Pa)で1日水素化し、その間、新たな水素を数回導入した。混合物を、CELITEフィルタ剤を通してろ過した。濾液を減圧下に濃縮して、白色のフォームを得、これを直接的に次のステップにおいて用いた。
【0122】
パートC
3,3’−ジチオジプロピオン酸(920mg、4.38mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)(1.42g、10.5mmol)のジメチルホルムアミド(DMF)(50mL)中の混合物に、0℃で塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.85g、9.63mmol)を添加した。混合物を、0℃で4時間攪拌した。パートBからの材料(8.75mmol)をDMF(20mL)中に溶解し、0℃に冷却し、および活性化二酸の冷えた溶液を一度に添加し、2回DMFですすいだ(各10mL)。反応を一晩かけて徐々に室温に温めさせた。さらなる数々の分量のEDCを、0℃で次の2日間にわたって反応に添加した。反応を室温でさらに数日間攪拌させ、次いで、水および飽和水性重炭酸ナトリウムで希釈し、および酢酸エチルで数回抽出した。組み合わせた有機抽出物を水および塩水で洗浄し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をHPFCで精製して、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドのジスルフィドダイマー3.8gを得た。
【0123】
パートD
パートCからの材料(3.8g、3.7mmol)を、メタノール(30mL)中に室温で溶解した。塩酸トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(1.38g、4.81mmol)を添加し、続いて、水(3mL)、および12.5M水性水酸化ナトリウム(1.12mL、14.1mmol)を添加した。溶液を、室温で2時間攪拌し、次いで0℃に冷却した。溶液を、1M塩酸水溶液(およそ14mL)でpH6に調整した。メタノールを減圧下で除去し、および重炭酸ナトリウム水溶液を添加した。混合物をジクロロメタン(3×)で抽出した。有機抽出物を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物を、シリカゲルでのHPFCにより精製した(クロロホルム中の0〜50%CMAでの勾配溶離)。適切な画分を濃縮して、2.36gのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドを得た。
【0124】
白色のフォーム,MS(ESI)m/z515(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.22(dd,1H),7.80(dd,1H),7.51(ddd,1H),7.32(ddd,1H),5.96(m,1H),5.59(s,1H),5.51(br s,2H),5.06(s,2H),4.84(br s,2H),3.62(q,J=6.9Hz,2H),3.25(q,J=6.9Hz,2H),2.81(m,2H),2.50(t,J=6.9Hz,2H),1.98(m,2H),1.61−1.18(m,13H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C26H38N6O3S・0.5H2Oについての解析的計算値:C,59.63;H,7.51;N,16.05;S,6.12。実際値:C,59.89;H,7.66;N,16.22;S,6.25。
【0125】
IRM化合物2(IRM2):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化3】
【0126】
N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(1.33g、2.58mmol)のジクロロメタン(16mL)中の溶液を、1.5時間にわたって、2,2’−ジピリジルジスルフィド(2.27g、10.3mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に滴下した。溶液を室温で18時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルでのHPFCにより2回精製して(ジクロロメタン中の1〜10%メタノールでの勾配溶離)、800mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、白色のフォームとして得た。
【0127】
代わりに、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、塩酸6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミドから1ステップで合成した。塩酸6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(68mg、0.16mmol)、トリエチルアミン(0.046mL、0.32mmol)、およびN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートのテトラヒドロフラン(1.6mL)およびDMF(0.5mL)中の混合物を、室温で5時間攪拌した。反応混合物を、水および酢酸エチルの間に分割した。水性相を酢酸エチルで抽出した。有機層を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して、36mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを、無色の油として得た。
【0128】
MS(ESI)m/z624(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.43(m,1H),8.23(m,1H),7.80(m,1H),7.63(m,2H),7.50(m,1H),7.32(m,1H),7.11六重項,J=4.4Hz,1H),6.52(m,1H),5.55(s,1H),5.47(br s,2H),5.07(s,2H),4.83(br s,2H),3.62(q,J=6.9Hz,2H),3.27(q,2H),3.08(t,J=6.9Hz,2H),2.61(t,2H),2.04−1.99(m,2H),1.67−1.22(m,12H),1.24(t,J=7.0Hz,3H)。C31H41N7O3S2・1.0H2Oについての解析的計算値:C,58.01;H,6.75;N,15.28;S,9.99。実際値:C,58.37;H,6.69;N,15.24;S,9.99。
【0129】
IRM化合物3(IRM3):N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミド
【化4】
【0130】
パートA
IRM化合物1のパートCにおいて上述したものと同様の手順に従って、1−(4−アミノブチル)−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許第6,451,810号およびその中に引用されている文献、1.00g、3.21mmol)を、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドのジスルフィドダイマー1.05gに転換した。
【0131】
パートB
IRM化合物1のパートDにおいて上述したものと同様の手順に従って、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドのジスルフィドダイマー(0.78g、0.98mmol)を、シリカゲルでのHPFC(クロロホルム中の2〜30%CMAでの勾配溶離)による精製後、600mgのN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミドに転換した。
【0132】
白色の固体,mp133.0−135.0℃。MS(ESI)m/z400(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ7.90(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.82(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.50(m,1H),7.32(m,1H),5.50(m,1H),5.34(br s,2H),4.49(t,J=7.5Hz,2H),3.34(q,J=6.8Hz,2H),2.90(m,2H),2.77(q,J=6.9Hz,2H),2.41(t,J=6.8Hz,2H),2.03−1.82(m,4H),1.73−1.45(m,5H),1.01(t,J=7.5Hz,3H)。C21H29N5OSについての解析的計算値:C,63.13;H,7.32;N,17.53。実際値:C,63.14;H,7.36;N,17.84。
【0133】
IRM化合物4(IRM4):N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパンアミド
【化5】
【0134】
パートA
IRM化合物2のパートAにおいて上述したものと同様の手順に従って、N−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−メルカプトプロパンアミド(0.20g、0.50mmol)を、47mgのN−[4−(4−アミノ−2−ブチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル)ブチル]−3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパンアミドに転換した。
【0135】
黄色のガラス状の固体,mp63.0−73.0℃。MS(ESI)m/z509(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ8.33(m,1H),7.89(m,1H),7.81(m,1H),7.61−7.46(m,3H),7.30(m,1H),7.05(m,1H),6.77(m,1H),5.49(br s,2H),4.47(t,J=7.5Hz,2H),3.37(q,J=6.5Hz,2H),3.04(m,2H),2.88(m,2H),2.55(t,J=6.5Hz,2H),2.05−1.66(m,6H),1.49(六重項,J=7.5Hz,2H),0.99(t,J=7.5Hz,3H)。C26H32N6OS2・0.6H2Oについての解析的計算値:C,60.11;H,6.44;N,16.18。実際値:C,59.80;H,6.23;N,16.25。
【0136】
IRM化合物5(IRM5):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミド
【化6】
【0137】
パートA
コハク酸無水物(3.20g、32.0mmol)を、1−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国特許出願公開第2004/0091491号に記載のとおり調製した、2.00g、6.39mmol)のDMF(20mL)中の100℃溶液に添加した。2日後、反応混合物を減圧下に濃縮して、オフホワイトの固体を得た。固体を100mLのジクロロメタンと共に攪拌し、およびろ過により単離した。濾液を濃縮し、ジクロロメタン(25mL)と攪拌し、およびろ過して、追加の固体を得た。組み合わせた固形分を真空下で乾燥させて、3.16gの4−({2−[4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタン酸を、白色の固体として得、これをさらなる精製なしで用いた。
【0138】
パートB
4−({2−[4−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタン酸(3.16g、6.39mmol)のジクロロメタン(100mL)中の溶液を、トリエチルアミン(2.67mL、19.2mmol)、塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(3.67g、19.2mmol)、t−ブチルカルバゼート(2.46g、19.2mmol)およびN,N−ジメチルピリジン−4−アミン(78mg、0.64mmol)で処理した。反応混合物を4日間攪拌すると共に、次いで100mLの水で処理した。層を分離しおよび水性部分をクロロホルム(50mL)で抽出した。組み合わせた有機層を、水(50mL)および塩水(50mL)で順次に洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、白色のフォームを得た。白色のフォームを、ジクロロメタン(50mL)中に溶解し、およびエチレンジアミン(1mL)で処理した。4時間攪拌した後、反応混合物を水(50mL)およびクロロホルム(50mL)で処理し、および層を分離した。水性部分をクロロホルム(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、およびシリカゲルでのクロマトグラフィ(勾配溶離、クロロホルム中の25%〜100%CMA)による粗生成物の精製、続いてジクロロメタンからの結晶化により、1.67gのt−ブチル2−[4−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレートを、白色の粉末として得た。
【0139】
パートC
t−ブチル2−[4−({2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレート(792mg、1.50mmol)のジクロロメタン(30mL)中の溶液を、トリフルオロ酢酸(3mL)で処理した。2時間攪拌した後、追加のトリフルオロ酢酸(3mL)を反応混合物に添加し、および攪拌を1時間継続した。反応混合物を減圧下に濃縮し、および得られたシロップ剤を水中に溶解した。溶液を、濃縮水酸化アンモニウムの添加により塩基性にし、および次いで10%メタノール/クロロホルムで反復的に抽出した。組み合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗白色の固体を、シリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して(勾配溶離、クロロホルム中の25%〜75%CMA)、340mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドを得た。
【0140】
白色の固体,mp203.0−204.6℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.98(s,1H),8.32(d,J=7.4Hz,1H),7.74(s,1H),7.60(dd,J=8.3,1.2,Hz,1H),7.41(m,1H),7.23(ddd,J=8.2,7.0,1.2Hz,1H),6.59(s,2H),4.99(br s,2H),4.72(br s,2H),4.16(br s,2H),3.51(q,J=7.0Hz,2H),2.34−2.24(m,4H),1.20(br s,6H),1.13(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ172.3,171.2,152.4,150.7,145.8,134.5,127.0,126.8,126.7,121.5,121.0,115.6,65.8,64.6,55.1,51.4,31.8,29.1,25.9,15.3;MS(ESI)m/z428(M+H)+;C21H29N7O3・0.5H2Oについての解析的計算値:C,57.78;H,6.93;N,22.46。実際値:C,58.00;H,6.69;N,22.36。
【0141】
IRM化合物6(IRM6):N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化7】
【0142】
パートA
6−アミノ−N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(28mg、0.66mmol、IRM化合物1のパートA〜Bに全体が記載のとおり調製した)のジクロロメタン(0.5mL)中の溶液に、室温で、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート(18mg、0.68mmol)を添加した。混合物を試薬が溶解するまで振盪し、30分間静置させ、次いで減圧下に濃縮した。フォームを、0.05%ギ酸/水中の0.05%ギ酸/アセトニトリルを溶出液として用いる逆相HPLCによって精製して、11mgのN−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドをモノギ酸塩として得た。
【0143】
オフホワイトのガラス状の固体,MS(ESI)m/z578(M+H)+。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.34(d,J=7.5Hz,1H),8.22(s,2H),7.90(t,J=5.3Hz,1H),7.65(s,1H),7.60(dd,J=8.4,1.2Hz,1H),7.42(m,1H),7.22(m,1H),7.00(s,2H),6.67(br s,2H),5.00(br s,2H),4.74(br,2H),3.59(t,J=7.3Hz,2H),3.51(q,J=7.0Hz,2H),2.98(q,J=6.3Hz,2H),2.31(t,J=7.2Hz,2H),2.04(t,J=7.4Hz,2H),1.47(m,2H),1.36(m,2H),1.20(m,8H),1.13(t,J=7.0Hz,3H)。
【0144】
IRM化合物7(IRM7):N−{6−[(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化8】
【0145】
N−{2−[4−アミノ−7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(国際公開第2005/032484号の実施例45のパートA〜Jに記載のとおり調製した、457mg、0.903mmol)を、無水DMF(9mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(248mg、0.903mmol)で処理した。混合物を、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。反応混合物を、次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(4×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(5%メタノール/クロロホルム)で、粘着性の、白色の固体を得、これを、ジクロロメタンおよびヘキサンの混合物から濃縮して、白色の固体を得た。材料を、50℃で数日間真空下で乾燥させて、380mgのN−{6−[(4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを白色の粉末として得た。
【0146】
1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.54(br s,1H),8.16(d,J=9.1Hz,1H),7.86(d,J=8.5Hz,1H),7.06(d,J=2.6Hz,1H),7.00(s,1H),6.85(dd,J=9.1,2.6Hz,1H),6.60(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.55(d,J=2.1Hz,1H),6.21(s,2H),4.86(s,2H),4.82(s,2H),4.06(t,J=6.4Hz,2H),3.57(q,J=7.0Hz,2H),3.31(q,J=6.5Hz,2H),2.96(s,3H),1.78(m,2H),1.60(m,2H),1.52−1.39(m,4H),1.29(s,6H),1.15(t,J=7.0Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ168.8,162.1,157.9,152.5,150.1,147.3,144.7,135.0,129.7,125.3,122.7,112.6,111.5,110.0,109.5,108.2,107.5,67.6,65.7,65.1,57.7,54.6,44.7,39.3,29.1,29.0,26.6,25.8,25.7,15.3;MS m/z668(M+H)+;C31H41N9O6Sについての解析的計算値:C,55.76;H,6.19;N,18.88;S,4.80。実際値:C,55.87;H,6.28;N,18.18;S,4.66。
【0147】
IRM化合物8(IRM8):N−{6−[(4−アミノ−1−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ブチル}−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化9】
【0148】
N−(4−{4−アミノ−7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル}ブチル)メタンスルホンアミド(国際公開第2005/032484号の実施例47のパートA〜Jに記載のとおり調製した、490mg、1.00mmol)を、無水DMF(10mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(274mg、1.00mmol)で処理し、および混合物を、窒素下で一晩攪拌した。反応混合物を次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(3×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(5%メタノール/クロロホルム)で、粘着性の、白色の固体を得た。材料を、50℃で数日間真空下で乾燥させて、400mgのN−{6−[(4−アミノ−1−{4−[(メチルスルホニル)アミノ]ブチル}−2−プロピル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを得た。
【0149】
白色の粉末。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ8.83(t,J=5.3Hz,1H),7.91(d,J=9.0Hz,1H),7.89(d,J=8.6Hz,1H),7.05(d,J=2.6Hz,1H),6.98(t,J=5.8Hz,1H),6.89(dd,J=8.9,2.6Hz,1H),6.64(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.57(d,J=2.3Hz,1H),6.38(s,2H),4.46(t,J=7.2Hz,2H),4.04(t,J=6.4Hz,2H),3.30(q,J=6.5Hz,2H),2.98(q,J=6.4Hz,2H),2.87(t,J=7.4Hz,2H),2.86(s,3H),1.91−1.75(m,6H),1.66−1.54(m,4H),1.53−1.39(m,4H),1.03(t,J=7.4Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ168.7,162.1,157.7,152.5,152.2,146.7,144.7,133.1,129.8,125.3,121.4,112.7,112.2,109.9,109.2,108.3,107.5,44.7,44.2,39.5,39.3,29.1,29.0,28.7,27.4,26.7,26.6,25.7,21.3,14.2;MS m/z652(M+H)+;C31H41N9O5Sについての解析的計算値:C,57.13;H,6.34;N,19.34;S,4.92。実際値:C,56.79;H,6.05;N,19.09;S,4.79。
【0150】
IRM化合物9(IRM9):N−{6−[(4−アミノ−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミド
【化10】
【0151】
7−[(6−アミノヘキシル)オキシ]−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−4−アミン(米国仮特許出願第60/733036号の実施例9のパートAに記載のとおり調製した、350mg、0.978mmol)を、無水DMF(10mL)中に溶解し、およびN−ヒドロキシスクシンアミジル−4−アジドサリチル酸(268mg、0.978mmol)で処理し、および混合物を、窒素雰囲気下で3時間攪拌した。反応混合物を、次いで減圧下に濃縮した。得られたシロップ剤を、ジクロロメタン(50mL)中に溶解し、および次いで水(4×25mL)および塩水で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィ(水酸化アンモニウムで飽和された3%メタノール/クロロホルム)で、微量のDMFをまだ含有する、粘着性の、明るい−黄色の固体を得た。材料を、ジクロロメタン(25mL)中に溶解し、および次いで水(3×25mL)で洗浄した。有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、330mgのN−{6−[(4−アミノ−2−プロピル[1,3]チアゾロ[4,5−c]キノリン−7−イル)オキシ]ヘキシル}−4−アジド−2−ヒドロキシベンズアミドを得た。
【0152】
明るい黄色のフォーム,mp127−128℃。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ13.12(s,1H),8.80(t,J=5.3Hz,1H),7.88(d,J=8.6Hz,1H),7.64(d,J=8.7Hz,1H),7.02(d,J=2.4Hz,1H),6.88(dd,J=8.8,2.5Hz,1H),6.78(s,2H),6.64(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.57(d,J=2.3Hz,1H),4.06(t,J=6.4Hz,2H),3.29(t,J=6.9Hz,2H),3.11(t,J=7.5Hz,2H)1.86(m,2H),1.77(m,2H),1.58(m,2H),1.51−1.35(m,4H),1.02(t,J=7.3Hz,3H);13C NMR(125MHz,DMSO−d6)δ169.4,168.8,162.0,159.8,152.7,146.9,144.7,139.8,136.6,129.8,125.9,113.8,113.7,113.1,109.9,108.4,107.5,68.2,39.4,35.6,29.1,29.0,26.6,25.6,22.8,13.6;MS m/z520(M+H)+;C26H29N7O3Sについての解析的計算値:C,60.10;H,5.63;N,18.87;S,6.17。実際値:C,59.97;H,5.34;N,18.63;S,6.21。
【0153】
対照化合物1(CC1):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド
【化11】
【0154】
パートA
6−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸(6.81g、29.5mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.98g、29.5mmol)、および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)(5.66g、29.5mmol)を、2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルアミン(これは、t−ブチル2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメートの酸−媒介脱保護によって調製し、これは、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている、8.00g、26.8mmol)のDMF(80mL)中の0℃溶液に添加した。溶液を、室温で一晩攪拌した。より多くの6−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサン酸およびEDCを添加すると共に、溶液を追加の時間攪拌した。溶液を、水性重炭酸ナトリウムおよび酢酸エチルの間に分割した。水性層を酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィによって精製して、3.99gのt−ブチル6−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメートをフォームとして得た。
【0155】
パートB
トリフルオロ酢酸(30mL)を徐々に、t−ブチル6−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−6−オキソヘキシルカルバメート(3.99g、7.82mmol)のジクロロメタン(80mL)中の溶液に室温で添加した。1.5時間後、溶液を、圧力下で濃縮して油を得た。油を、少量の水および濃縮水酸化アンモニウム中に溶解した。得られた塩基性混合物を、ジクロロメタンで複数回抽出した。組み合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、3.4gの6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミドを得、これをさらなる精製なしで次のステップにおいて用いた。
【0156】
パートC
6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(1.35g、3.28mmol)、3,3’−ジチオジプロピオン酸(0.345g、1.64mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.443g、3.28mmol)、および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.692、3.61mmol)のDMF(10mL)中の溶液を、室温で一晩攪拌した。溶液を減圧下に濃縮し、および飽和水性重炭酸ナトリウムおよび酢酸エチル/メタノールの間に分割した。有機層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルでのHPFCにより精製して(CMA/クロロホルムでの勾配溶離)、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドのジスルフィドダイマーを得た。
【0157】
パートD
N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(2.14g、2.15mmol)を、メタノール(20mL)中に溶解した。トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(0.800g、2.79mmol)、水(2mL)、および12.5MNaOH(0.65mL、8.17mmol)を添加した。溶液を1.5時間室温で攪拌させ、次いで氷浴中に冷却した。溶液を1M HClでpH6に調整し、および得られた混合物を減圧下に濃縮してメタノールを除去した。混合物を飽和水性重炭酸ナトリウムおよびジクロロメタンの間に分割した。水性層をジクロロメタンで複数回抽出した。有機相を組み合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、および減圧下に濃縮して、1.69gのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミドを白色のフォームとして得、これを、真空下で加熱してガラス状の固体を得た。
【0158】
無色のガラス状の固体。MS(ESI)m/z500(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.52(m,1H),8.26(m,1H),7.72−7.62(m,2H),5.84(m,1H),5.59(br s,1H),5.18(br s,2H),4.91(br s,2H)3.63(m,2H),3.27(m,2H),2.81(m,2H),2.49(t,J=6.9Hz,2H),2.05(t,J=7.5Hz,2H),1.63−1.22(m,16H)。C26H37N5O3Sについての解析的計算値:C,62.50;H,7.46;N,14.02;S,6.42。実際値:C,62.23;H,7.54;N,13.90;S,6.65。
【0159】
対照化合物2(CC2):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化12】
【0160】
IRM化合物2の調製について記載した手順を用いて、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(ピリジン−2−イルジチオ)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド(0.55g)を、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−[(3−メルカプトプロパノイル)アミノ]ヘキサンアミド(0.83g)から調製した。最終生成物をシリカゲルでのHPFCにより精製し(ジクロロメタン中の1〜10%メタノールでの勾配溶離)、および真空下で加熱した後に、無色のガラス状の固体として単離した。
【0161】
無色のガラス状の固体。MS(ESI)m/z609(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.53(m,1H),8.43(m,1H),8.26(m,1H),7.71−7.60(m,4H),7.11(m,1H),6.50(m,1H),5.58(br s,1H),5.19(br s,2H),4.90(br s,2H)3.63(q,J=6.9Hz,2H),3.28(m,2H),3.07(m,2H),2.60(m,2H),2.07(t,J=7.5Hz,2H),1.65−1.22(m,12H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C31H40N6O3S3・0.15CH3OHについての解析的計算値:C,60.97;H,6.67;N,13.70;S,10.43。実際値:C,60.57;H,6.75;N,13.61;S,10.62。
【0162】
対照化合物3(CC3):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミド
【化13】
【0163】
パートA
DMF(10mL)を、2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルアミン(これは、t−ブチル2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチルカルバメートの酸−媒介脱保護によって調製し、これは、米国特許出願公開第2004/0091491号に記載されている、1.00g、3.36mmol)およびコハク酸無水物(0.336g、3.36mmol)混合物に室温で添加した。混合物を、溶液が形成されるまで短時間超音波処理した。溶液を、室温で3日間静置させ、および次いで次のステップで用いた。
【0164】
パートB
パートAからの溶液を0℃に冷却し、およびt−カルバジン酸ブチル(0.489g、3.70mmol)および塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(0.709g、3.70mmol)を添加した。混合物を室温に温めさせおよび一晩攪拌した。より多量のt−カルバジン酸ブチルおよび塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを添加した。1時間後、溶液を、水(60mL)で希釈すると共に、酢酸エチルで抽出した(3×75mL)。組み合わせた有機層を水、飽和水性重炭酸ナトリウム、および塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、および減圧下に濃縮して、黄色のフォームを得た。クロロホルムをフォームに添加して、微細な白色の固体を形成させた。固体をろ過により単離して、0.758gのt−ブチル2−[4−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレートを得た。
【0165】
パートC
トリフルオロ酢酸(3mL)を、t−ブチル2−[4−({2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}アミノ)−4−オキソブタノイル]ヒドラジンカルボキシレート(0.688g、1.34mmol)のジクロロメタン(7mL)中の溶液に徐々に添加した。溶液を2.5時間攪拌し、次いで減圧下に濃縮した。N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドのトリフルオロ酢酸塩をアニオン交換樹脂に適用し、これをメタノール中のピリジンで溶離して、N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドを、遊離塩基として得、これをシリカゲルでのHPFCにより精製した(勾配溶離、クロロホルム中の2〜50%CMA)。適切な画分を減圧下に濃縮して、フォームを得、これを真空下で加熱して0.31gのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−4−ヒドラジノ−4−オキソブタンアミドをガラス状の固体として得た。
【0166】
ガラス状の固体。MS(ESI)m/z413(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H),8.50(m,1H),8.26(m,1H),7.71−7.61(m,2H),7.14(br s,1H),6.13(br s,1H),5.16(brs,2H),4.90(br s,2H),3.88(br s,2H),3.63(q,J=6.9Hz,2H),2.41(s,4H),1.37(br s,6H),1.24(t,J=6.9Hz,3H)。C21H28N6O3・0.4H2Oについての解析的計算値:C,60.10;H,6.92;N,20.02。実際値:C,60.37;H,7.01;N,20.01。
【0167】
対照化合物4(CC4):N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミド
【化14】
【0168】
6−アミノ−N−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}ヘキサンアミド(これは、上記の対照化合物1のパートAおよびBにおいて調製した、163mg、0.40mmol)のジクロロメタン(4mL)中の溶液に、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート(111mg、0.42mmol)を室温で添加した。混合物を、試薬が溶解するまで振盪し、および一晩静置させた。混合物を、ジクロロメタン(25mL)で希釈し、2M水性アンモニア(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、および減圧下に濃縮して158mgのN−{2−[2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}−6−{[3−(2,5−ジオキソ−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)プロパノイル]アミノ}ヘキサンアミドを得た。
【0169】
明るい黄色のフォーム、MS(ESI)m/z563(M+H)+。1H NMR(300MHz,CDCl3)δ9.30(s,1H)、8.55(d,J=7.0Hz,1H)、8.31(m,1H)、7.69(m,2H)、6.68(s,2H)、5.79(m,1H)、5.57(br s,1H)、5.20(m,2H)、4.92(m,2H)、3.83(t,J=7.1Hz,2H)、3.63(q,J=6.9Hz,2H)、3.22(q,J=6.7Hz,2H)、2.52(t,J=7.2Hz,2H)、2.05(t,J=7.3Hz,2H)、1.55(m,12H)、1.25(t,J=7.0Hz,3H)。
【0170】
実施例において追加的に用いたIRM化合物が表1に示されている。
【0171】
【表1】
【0172】
変性抗体の調製
抗体−IRM複合体の調製に用いた材料は、以下の表2に見出すことができる。
【0173】
【表2】
【0174】
抗体のチオレーション:
抗体はpH7.4、5mM EDTAを含有するPBS中に5〜10mg/mLの濃度に調整される。2−ITの5mg/mL溶液が、これを、PH7.4、5mM EDTAを含有するPBS中に溶解することにより調製される。2−IT溶液は、混合されながら所望のモル過剰量で抗体溶液に徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。チオレート化抗体は、混合物を、PH7.2、5mM EDTAを含有するPBSで平衡化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1mL画分を回収し、および波長280nmでの吸光度を計測することにより測定されるチオレート化抗体を含有する画分が共にプールされる。任意により、活性化抗体のレベルが、チオール検出試薬(例えばエルマンズ試薬)を用いることにより測定される。
【0175】
ヘテロ二官能性架橋剤を用いる抗体の変性:
抗体は、pH7.4のPBS中に5〜10mg/mLに濃度に調整される。架橋剤(例えば、sSMCC、SMPT、またはNHS−PEO8−マレイミド)がDMSO中に5mg/mLの濃度に溶解される。架橋剤溶液が、混合されながら、抗体溶液に、所望のモル過剰量で徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。変性抗体は、混合物をPH7.2、5mM EDTAを含有するPBSで平衡化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1ミリリットル画分が回収され、および波長280nmでの吸光度を計測することにより測定される変性IgGを含有する画分が、共にプールされる。任意により、活性化抗体のレベルが、架橋剤について適切な分析方法を用いて測定される。
【0176】
光反応性IRM(pIRM)への抗体の複合化
抗体を、pH7.4のPBS中に5〜10mg/mLの濃度で溶解した。いくつかの事例においては、抗体溶液を1N NaOHでpH10に調整した。pIRM(例えば、IRM10)を、DMSO中に溶解した。pIRM溶液を徐々に、所望のモル過剰量で混合しながら抗体溶液に添加した。混合物は、12−ウェルプレート(500mL/ウェル)に添加され、および長波長UV光(366nm)が、氷上のプレート上に直接的に15分間置かれる。反応を、pH8.0の1Mトリスを、反応体積1/20(v/v)で添加することにより急冷した。IRM−抗体複合体を、緩衝剤を1mL/minの流量でカラムを流下させながら、pH7.4のPBSを用いてサイズ排除クロマトグラフィによって精製した。1ミリリットル画分を回収し、および各画分の吸光度を280nmで計測した。IRM−抗体複合体を含有する画分をプールし、および無菌条件下で、0.2ミクロンフィルタをとおしてろ過した。IRM−抗体複合体の濃度を、ウシガンマグロブリンを標準として用いてBCAアッセイにより測定した。ろ過された複合体を、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管した。
【0177】
染料標識化抗体
抗体は、PH7.4のPBS中に3〜10mg/mLの濃度に調整される。アミン反応性染料(例えば、アレクサ(Alexa)488)が、5mg/mLの濃度にDMSO中に溶解される。アミン反応性染料溶液が、混合されながら、抗体溶液に所望のモル過剰量(例えば、染料対抗体の8倍モル過剰量)で徐々に添加され、および1時間室温でインキュベートされる。標識化抗体は、混合物をPH7.4のPBSで平行化された脱塩カラムに適用されることにより精製される。1mL画分が回収され、および標識化抗体がプールされる。抗体−染料複合体の吸光度が280nmで計測され、および染料(Amax)についての最大吸光度が計測されて、染料:抗体比が測定される。あるいは、サイズ排除クロマトグラフィが、抗体−染料複合体を精製するために実施され得る。染料標識化抗体を含有する画分が共にプールされる。
【0178】
IRM−抗体複合体の調製
ピリジルジスルフィド変性IRM(pdIRM)へのチオレート化抗体の複合化
pdIRM(例えば、IRM2)が、10mg/mLの濃度でDMSO中に溶解される。pdIRMは、上記で調製されたチオレート化抗体に、抗体をチオレート化するために用いた2−ITのモル過剰量の半分で添加される。混合物は一晩室温でインキュベートされる。反応を急冷するために、500mML−システイン溶液(pH8.0の1Mトリス中に溶解した)が、反応混合物の0.01倍(v/v)で添加される。1mL画分が回収され、および280nmでの吸光度を計測される。IRM−抗体複合体は、1mL/minの流量でカラムを流下される緩衝剤としてpH7.4のPBSを用いるサイズ排除クロマトグラフィで計測される。IRM−抗体複合体を含有する画分がプールされ、および無菌条件下で、0.2−ミクロンフィルタを通してろ過される。IRM−抗体複合体の濃度が、ウシガンマグロブリンが標準として用いられるBCAアッセイにより測定される。ろ過された複合体が、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管される。
【0179】
ヘテロ二官能性架橋剤で変性された抗体のスルフヒドリル変性IRM(sIRM)への複合化
sIRM(例えば、IRM1)が、10mg/mLの濃度でDMSO中に溶解される。sIRMは、上記で調製された変性抗体に、抗体の変性に用いられた架橋剤の量に対してsIRMの4倍モル過剰量で添加される。混合物は一晩室温でインキュベートされる。反応を急冷するために、500mML−システイン溶液(pH8.0の1Mトリス中に溶解した)が、反応混合物の0.01倍(v/v)で添加される。IRM−抗体複合体は、1mL/minの流量でカラムを流下する緩衝剤としてPH7.4のPBSを用いるサイズ排除クロマトグラフィによって精製される。混合物の1mL画分が回収され、および280nmで計測される。IRM−抗体複合体を含有する画分がプールされ、および無菌条件下で、0.2−ミクロンフィルタをとおしてろ過される。IRM−抗体複合体の濃度が、ウシガンマグロブリンが標準として用いられるBCAアッセイによって測定される。ろ過された複合体が、生物学的アッセイにおける将来的なテストのために4℃で保管される。
【0180】
実施例1
IRM1、IRM2、IRM10、CC1およびCC2をヒト抗CD20抗体(リツキサン(RITUXAN)、カルフォルニア州サンフランシスコのジェネンテック(Genentech,San Francisco,CA))に複合化した。IRM1およびCC1で調製された複合体は、ヘテロ二官能性架橋剤で変性された抗体のスルフヒドリル変性IRMs(sIRM)への複合化について上述された一般的な方法を用いた。具体的には、SMPT架橋剤と抗体とを、SMPTを抗体に対して12倍モル過剰量で混合した。IRM2およびCC2で調製された複合体は、チオレート化抗体のピリジルジスルフィド変性IRM(pdIRM)への複合化について上述された一般的な方法を用いた。具体的には、2−ITと抗体とを、2−ITを抗体に対して60倍モル過剰量で混合した。IRM10で調製された抗体複合体は、上記の一般的な方法において記載された光反応性方法を用いた。具体的には、IRM10と抗体とを、IRM10を抗体に対して20倍(20×)および40倍(40×)モル過剰量で混合した。
【0181】
健常なヒトドナーからの全血が、静脈穿刺によりEDTAを含有するチューブへ採取される。末梢血単核球(PBMC)が、ヒストパク(HISTOPAQUE)−1077またはフィコール−パックプラス(Ficoll−Paque Plus)を用いる密度勾配遠心法により全血から分離される。PBMC層が回収され、およびDPBSで2回洗浄し、およびフローサイトメトリ染色緩衝剤(FACS緩衝剤、バイオソース(Biosource))中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、1×106細胞/ウェルの最終PBMC濃度となるよう添加した。抗CD20または上で調製したIRM/抗CD20抗体複合体を、FcR遮断薬(カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミゲン(BD Pharmigen,San Diego,CA))との組み合わせにおける最終濃度9μg/mL〜0.004μg/mLの3倍希釈液で各ウェルに添加した。プレートを、15分間氷上にインキュベートし、および次いでウェル当たり0.3−μg/mL抗CD20−アレクサ(Alexa)488で処理した。アイソタイプ(IgG1)ネガティブコントロール(15μg/mL、コントロール、BDファーミゲン(BD Pharmigen))および0.3μg/mL抗CD20−アレクサ(Alexa)488を、個別のウェルに置いた。プレートを、30分間、氷上で暗中にインキュベートした。プレートを1350rpmで10分間遠心分離し、および細胞を再懸濁させ、およびFACS緩衝剤で2回で洗浄し、200μLFACS緩衝剤中に再懸濁させ、およびマルチ−ウェルフィルタプレート(ポールコーポレーション(Pall Corporation))をとおしてろ過した。細胞を100μLサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(BDファーミンゲン(BD Pharmingen))中に15分間、室温で、暗中に再懸濁させた。サンプルを、4℃で一晩保管し、およびFACSカリバー(FACSCalibur)(ベクトンディッキンソン(Becton Dickenson))で次の日処理した。複合体の抗体活性が、図1から6に示されている。抗CD20−アレクサ(Alexa)488の細胞への複合体の阻害能によって活性度を計測した。
【0182】
実施例2
健常なヒトドナーからの全血が、静脈穿刺によりEDTAを含有するチューブへ採取される。末梢血単核球(PBMC)が、ヒストパク(HISTOPAQUE)−1077またはフィコール−パックプラス(Ficoll−Paque Plus)を用いる密度勾配遠心法により全血から分離される。PBMC層が回収され、およびDPBSまたはHBSSで2回洗浄し、および4×106細胞/mLでRPMI完全媒体中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ)に、2×106細胞/mLの最終PBMC濃度となるよう添加した。PBMCを、一晩37℃で、5%二酸化炭素雰囲気中に、最終抗体濃度に基づく、0.33μM、0.420μM、0.830μM、または1.67μM抗CD20または実施例1において調製した抗CD20複合体で刺激した。培養上澄みを、IFN−αおよびTNF産生について、ヒトIFN−αエリーザ(ELISA)(PBLバイオメディカルラボラトリーズ(PBL Biomedical Laboratories,Piscataway,NJ))およびヒト−特定のTNF BV(登録商標)イムノアッセイ(ミッドランド州ゲイザースバーグのバイオベリス社(BioVeris Corp.,Gaithersburg,MD))をそれぞれ用いて分析し、結果を、pg/mLで表記した。複合体によるサイトカイン誘導が、図7に示されている。
【0183】
実施例3
IRM2およびIRM10をマウス抗CD40抗体(FGK4.5)に複合化した。抗CD40をIRM2に複合化するために用いた方法は、実施例1に記載のものと同一であったが、しかしながら、2−ITを抗CD40対して70倍モル過剰量で抗体複合体の調製において用いた。抗CD40をIRM10に複合するために用いた方法は、実施例1に記載のものと同一であったが、しかしながら、IRM10を抗CD40に対して8倍(8×)または25倍(25×)モル過剰量で、これらの抗体複合体の調製において用いた。
【0184】
マウス脾臓を屠殺されたC57BL6マウスから取り出し、および脾細胞を、脾臓を均質化することによりマウスから単離した。脾細胞を、1%FCSを含有するハンクス平衡塩類液媒体(カルフォルニア州カマリロのバイオソースインターナショナル(Biosource International,Camarillo,CA))中に均質化し、洗浄しおよびFACS緩衝剤(バイオソースインターナショナル(Biosource International))中に再懸濁させた。脾細胞を、2×106細胞/ウェルの最終細胞濃度となるよう、96−ウェル丸底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に置いた。抗CD40または上で調製した複合体を、マウスFcR遮断薬(2.4G2)との組み合わせにおける最終濃度300μg/mL〜0.14μg/mLの3倍希釈液で各ウェルに添加した。プレートを氷上に15分間インキュベートし、および次いでウェル当たり25−μg/mL抗CD40−アレクサ(Alexa)488で処理した。アイソタイプ(IgG2a)ネガティブコントロール(15μg/mL、コントロール、BDファーミゲン(BD Pharmigen))および25μg/mL抗CD40−アレクサ(Alexa)488を個別のウェルに置いた。プレートを、30分間、氷上で暗中にインキュベートした。プレートを1500rpmで10分間遠心分離し、および細胞を再懸濁させ、およびFACS緩衝剤で2回洗浄し、100μLサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(BDファーミガン(BD Pharmigen))中に15分間、室温で、暗中に再懸濁させた。細胞を洗浄し、および200μLFACS緩衝剤中に再懸濁させ、およびマルチ−ウェルフィルタプレートをとおしてろ過した。サンプルを4℃で一晩保管し、およびFACSカリバー(FACSCalibur)(ベクトンディッキンソン(Becton Dickenson))で、次の日処理した。複合体の抗体活性が図8から10に示されている。抗CD40−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。
【0185】
実施例4
実施例3において調製した抗CD40抗体および複合体を、実施例2に記載のとおりサイトカイン誘導についてテストした。複合体によるサイトカイン誘導が図11に示されている。
【0186】
実施例5
IRM2およびIRM10をマウス抗CD8抗体(53.6.72;バージニア州マナサス(Manassas,VA)のATCC)に複合化した。抗CD8のIRM2またはIRM10への複合化に用いた方法は、実施例3に記載のものと同一であった。複合体を抗体活性度について、12μg/mL〜0.006μg/mLの複合体の3倍希釈液および抗CD8−アレクサ(Alexa)488については0.40μg/mLを用いて、実施例3に記載のとおりテストした。抗CD8抗体および複合体もまた、サイトカイン誘導について実施例2に記載のとおりテストした。複合体の抗体活性が、図12から14に示されている。抗CD8−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。複合体によるサイトカイン誘導が、図15に示されている。
【0187】
実施例6
抗体複合体の調製において、28.4倍(pH7.4)、28.4倍(pH10)、または42.6倍(pH10)モル過剰量のIRM10をHER2に対して用いたこと以外は、実施例1に記載したものと同一の方法を用いて、IRM10をヘルセプチン(HERCEPTIN)抗体(HER2;ジェネンテック(Genentech))に複合化した。
【0188】
HER2抗体および複合体を、抗体活性度について、実施例2に記載のとおりテストしたが、しかしながら、HER2陽性ヒト乳癌細胞(HCC2218;バージニア州マナサス(Manassas,VA)のATCC)を、アッセイ(2.5×105細胞/ウェル)においてヒトPBMCの代わりに用いた。複合体を抗体活性度について、45μg/mL〜0.007μg/mLの複合体およびHER2−アレクサ(Alexa)488については0.30μg/mLの3倍希釈液を用いてテストした。複合体の抗体活性が、図16および17に示されている。HER2抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図18に示されている。
【0189】
実施例7
IRM1をHER2に、実施例1に記載のとおり複合化したが、しかしながら、NHS−PEO8−マレイミド架橋剤を、抗体と、NHS−PEO8−マレイミドを抗体に対して15倍モル過剰量で混合した。
【0190】
HER2抗体および複合体を、実施例6に記載のとおり抗体活性度についてテストした。HER2−アレクサ(Alexa)488の細胞へのバインドの、複合体の阻害能によって活性度を計測した。複合体の抗体活性が、図19に示されている。HER2抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図20および21に示されている。
【0191】
実施例8
IRM1を抗CD8抗体に、実施例1に記載のとおり複合化したが、しかしながら、NHS−PEO8−マレイミド架橋剤を抗体に、NHS−PEO8−マレイミドを抗体に対して15倍モル過剰量で混合した。
【0192】
抗CD8抗体および複合体を、サイトカイン誘導について、実施例2に記載のとおりテストした。複合体によるサイトカイン誘導が、図22および23に示されている。
【0193】
実施例9
IRM10を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mg/mLとなるよう懸濁させた。ラット抗マウスCD8抗体(53.6.72、ニューハンプシャー州ウエストレバノンのバイオエクスプレス(BioExpress,Inc.,West Lebanon,NH))を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に7.8mg/mLとなるよう懸濁させ、およびpHを、NaOHの添加により>9.0に調整した。1:10比のIRM:抗体(体積:体積)を、60μLのIRM10溶液(0.6mgIRM1IRM10)を540μLの抗CD8抗体溶液(4.21mg抗CD8)と共に添加することにより一緒に混合した。抗体対照は、540μLの抗CD8抗体溶液と混合された60μLのPBSであった。1:10IRM:抗体、1:100IRM:抗体、および抗体対照を、それぞれ24−ウェル組織培養プレートの単一ウェルに置いた。プレートを氷上に置き、および長波長UV光源をプレート上に直接的に、IRM10/抗体混合物を含有しているウェルに対してできるだけ接近させて置いた。混合物を、15分間照射した。得られた複合体および抗体対照を、ウェルから除去し、およびPBS中に、1:10、1:100、および抗体対照について、それぞれ、0.5mg/mLIRM10、3.51mg/mL抗CD8;0.05mg/mLIRM10、3.86mg/mL抗CD8;および3.51mg/mL抗CD8の最終濃度となるよう再懸濁させ、およびPBSに対して、10,000分子量カットオフスライド−a−レイザー(Slide−a−Lyzer)(イリノイ州ロックフォードのピアス(Pierce,Rockford,IL))を用いて透析して、非複合化IRMのすべてを除去した。
【0194】
実施例10
マウス脾臓を屠殺されたC57BL6マウスから取り出し、および脾細胞を、脾臓を均質化することによりマウスから単離した。脾細胞を、1%FCSを含有するEHAA媒体(カルフォルニア州カマリロのバイオソースインターナショナル(Biosource International,Camarillo,CA))において均質化し、洗浄し、およびFACS緩衝剤(バイオソースインターナショナル(Biosource International))中に再懸濁させた。脾細胞を、96ウェル丸底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディッキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、1×106細胞/ウェルの最終細胞濃度となるよう蒔いた。
【0195】
脾細胞を、30分間、4℃で、IRM:共に実施例9で調製した抗体(1:10)、抗体対照、または766μg/mL〜0.002μg/mLの範囲の5倍希釈濃度でのUV未処理抗体で処理した。30分の処置時間後、FITC−標識化マウス抗CD8(53.6.7、カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミンゲン(BD Pharmingen,San Diego,CA))およびPE−標識化マウス抗CD3(BDファーミンゲン(BD Pharmingen))を、すべてのウェルに添加し、および30分間、4℃でインキュベートした。細胞を、次いで2回FACS緩衝剤で洗浄し、およびサイトフィックス(CYTOFIX)緩衝剤(カルフォルニア州サンディエゴのBDファーミンゲン(BD Pharmingen,San Diego,CA))で固定した。フローサイトメトリ分析を、CD3+リンパ球上にゲーティングしおよびFITC−標識化抗体の平均蛍光強度(MFI)を計測することにより実施した。結果が図24に示されている。
【0196】
実施例11
健常なヒトドナーから全血を、静脈穿刺によりEDTA採血管へ採取した。末梢血単核球(PBMC)を、ヒストパク(Histopaque)(登録商標)−1077を用いて密度勾配遠心法により全血から分離した。血液をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)またはハンクス平衡塩液(HBSS)で1:1に希釈した。PBMC層を回収し、およびDPBSで2回洗浄し、またはHBSSおよび4×106細胞/mLで、RPMI完全媒体中に再懸濁させた。PBMCを、96ウェル平底無菌組織培養プレート(マサチューセッツ州ケンブリッジのコースター(Costar,Cambridge,MA)またはニュージャージー州リンカーンパークのベクトンディキンソンラブウェア(Becton Dickinson Labware,Lincoln Park,NJ))に、2×106細胞/mLの最終PBMC濃度となるよう添加した。PBMCを一晩37℃で、5%二酸化炭素雰囲気中に、ラット抗マウスCD8抗体単独で、または実施例9に記載のとおり1:10IRM/抗体複合体で、3倍希釈物(292〜0.13μg/mL)中に刺激した。培養上澄みを、IFN−αおよびTNF産生について、それぞれ、ヒトIFN−αエリーザ(ELISA)(ニュージャージー州ピスカタウェイのPBLバイオメディカルラボラトリーズ(PBL Biomedical Laboratories,Piscataway,NJ))、およびヒト−特異的TNF BV(登録商標)イムノアッセイ(ミッドランド州ゲイザースバーグのバイオベリス社(BioVeris Corp.,Gaithersburg,MD))を用いて分析し、結果を、pg/mLで表記した。結果が図25および図26に示されている。
【0197】
特許、特許文書、および本明細書において引用された文献の完全な開示は、その各々が個別に組み込まれたかのように、参照により、それらの全体が援用される。抵触する場合には、定義を含む本明細書が他を規制するであろう。
【0198】
本発明に対する種々の修飾および改変は、本発明の範囲および思想から逸脱せずに、当業者に明白となるであろう。図示の実施形態および実施例は、例示のみのために提供されていると共に、本発明の範囲を制限することを意図していない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図2】対照化合物/抗CD20抗体組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図3】対照化合物/抗CD20抗体組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図4】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図5】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図6】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物の抗CD20活性を示す線グラフである。
【図7】IRM/抗CD20抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を表す棒グラフである。
【図8】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図9】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図10】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物の抗CD40活性を示す線グラフである。
【図11】IRM/抗CD40抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図12】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図13】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図14】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の抗CD8活性を示す線グラフである。
【図15】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図16】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図17】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図18】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるサイトカイン誘導を示す棒グラフである。
【図19】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物の抗HER2活性を示す線グラフである。
【図20】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるIFN−α誘導を表す線グラフである。
【図21】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるTNF−α誘導を表す線グラフである。
【図22】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるIFN−α誘導を表す線グラフである。
【図23】IRM/抗HER2抗体免疫調節組成物によるTNF−α誘導を表す線グラフである。
【図24】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物の免疫特異的を示す線グラフである。
【図25】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物による末梢血単核球(PBMC)におけるIFN−αの誘導を表す線グラフである。
【図26】IRM/抗CD8抗体免疫調節組成物によるPBMCにおけるTNF−αの誘導を表す線グラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物。
【請求項2】
前記IRM部分が、少なくとも1つのTLRのアゴニストである、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項3】
前記IRM部分および標的化部分が接続されたスペーサアームまたは固形支持体をさらに含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項4】
前記スペーサアームの長さが約20Å〜約100Åである、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項5】
前記固形支持体が、1nm〜約200nmの直径を有する粒子を含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項6】
IRM部分および前記標的化部分が、親和結合されている、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項7】
IRM部分および前記標的化部分が、共有結合されている、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項8】
前記標的化部分が、腫瘍特異的抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項9】
前記標的化部分が、乳癌、大腸癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、前立腺癌、肝癌、またはメラノーマに対して特異的である少なくとも1つの抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項8に記載の免疫調節組成物。
【請求項10】
前記標的化部分が、腫瘍特異的マーカーのリガンドを含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項11】
前記標的化部分が、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体リガンドを含む、請求項10に記載の免疫調節組成物。
【請求項12】
前記標的化部分が、葉酸受容体リガンドを含む、請求項10に記載の免疫調節組成物。
【請求項13】
前記標的化部分が、ビスホスホネートを含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項14】
前記標的化部分が、少なくとも1つの内皮抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項15】
前記標的化部分が、樹状細胞表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項16】
前記標的化部分が、活性化されたときに、腫瘍細胞を死滅させることが可能である細胞の表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項17】
前記標的化部分が、細胞障害性Tリンパ球、NKT細胞、またはNK細胞の表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項16に記載の免疫調節組成物。
【請求項18】
第2の標的化部分をさらに含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項19】
1つの標的特異的部分が免疫細胞に特異的な抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識し、および前記第2の標的化部分が腫瘍細胞に特異的な抗原またはマーカーを認識する、請求項18に記載の免疫調節組成物。
【請求項20】
1つの標的特異的部分が免疫細胞に特異的な抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識し、および前記第2の標的化部分が内皮抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項18に記載の免疫調節組成物。
【請求項21】
被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を投与することを含む、IRM化合物の標的化送達方法。
【請求項22】
前記送達標的が腫瘍細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記送達標的が免疫細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を、免疫応答を誘導するための有効量で投与することを含む、局所免疫応答の誘導方法。
【請求項25】
前記送達標的が腫瘍細胞を含み、および前記免疫応答が前記送達標的に対して指向される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記送達標的が免疫細胞であり、および前記免疫応答が少なくとも部分的に前記送達標的によって生起される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
免疫応答を誘導することによって処置可能である被検者における状態の処置方法であって、
前記被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を有効量で投与して、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置することを含む方法。
【請求項28】
前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための前記有効量は、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を改善するために有効な量である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための前記有効量は、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候の増進を軽減するために有効な量である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
標的化部分に結合されたIRM部分を含み、前記IRM部位が以下の式:
【化1】
(式中、
R1はリンカー基であり;
R2は、
−水素;
−アルキル;
−アルケニル;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−アルキル−O−アルキル;
−アルキル−S−アルキル;
−アルキル−O−アリール;
−アルキル−S−アリール;
−アルキル−O−アルケニル;
−アルキル−S−アルケニル、ならびに
−OH;
−ハロゲン;
−N(R5)2;
−CO−N(R5)2;
−CS−N(R5)2;
−SO2−N(R5)2;
−NR5−CO−C1-10アルキル;
−NR5−CS−C1-10アルキル;
−NR5−SO2−C1-10アルキル;
−CO−C1-10アルキル;
−CO−O−C1-10アルキル;
−N3;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−ヘテロシクリル;
−置換ヘテロシクリル;
−CO−アリール;
−CO−(置換アリール);
−CO−ヘテロアリール、および
−CO−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される−アルキルまたはアルケニル
からなる群から選択され;
R3およびR4は各独立に、
−水素;
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
であるか、
または、R3およびR4は、一緒になって、任意により、
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される縮合アリールまたはヘテロアリール基を形成するか、
または、R3およびR4は、一緒になって、任意により1つ以上のヘテロ原子を含有しおよび、任意により、
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される縮合5〜7員飽和環を形成し、および
各R5は、独立に水素またはC1-10アルキルである)
で表わされる化合物である免疫調節組成物。
【請求項1】
標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物。
【請求項2】
前記IRM部分が、少なくとも1つのTLRのアゴニストである、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項3】
前記IRM部分および標的化部分が接続されたスペーサアームまたは固形支持体をさらに含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項4】
前記スペーサアームの長さが約20Å〜約100Åである、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項5】
前記固形支持体が、1nm〜約200nmの直径を有する粒子を含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項6】
IRM部分および前記標的化部分が、親和結合されている、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項7】
IRM部分および前記標的化部分が、共有結合されている、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項8】
前記標的化部分が、腫瘍特異的抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項9】
前記標的化部分が、乳癌、大腸癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、前立腺癌、肝癌、またはメラノーマに対して特異的である少なくとも1つの抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項8に記載の免疫調節組成物。
【請求項10】
前記標的化部分が、腫瘍特異的マーカーのリガンドを含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項11】
前記標的化部分が、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)受容体リガンドを含む、請求項10に記載の免疫調節組成物。
【請求項12】
前記標的化部分が、葉酸受容体リガンドを含む、請求項10に記載の免疫調節組成物。
【請求項13】
前記標的化部分が、ビスホスホネートを含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項14】
前記標的化部分が、少なくとも1つの内皮抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項15】
前記標的化部分が、樹状細胞表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項16】
前記標的化部分が、活性化されたときに、腫瘍細胞を死滅させることが可能である細胞の表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項17】
前記標的化部分が、細胞障害性Tリンパ球、NKT細胞、またはNK細胞の表面抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項16に記載の免疫調節組成物。
【請求項18】
第2の標的化部分をさらに含む、請求項1に記載の免疫調節組成物。
【請求項19】
1つの標的特異的部分が免疫細胞に特異的な抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識し、および前記第2の標的化部分が腫瘍細胞に特異的な抗原またはマーカーを認識する、請求項18に記載の免疫調節組成物。
【請求項20】
1つの標的特異的部分が免疫細胞に特異的な抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識し、および前記第2の標的化部分が内皮抗原またはマーカーの少なくとも一部分を認識する、請求項18に記載の免疫調節組成物。
【請求項21】
被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を投与することを含む、IRM化合物の標的化送達方法。
【請求項22】
前記送達標的が腫瘍細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記送達標的が免疫細胞を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を、免疫応答を誘導するための有効量で投与することを含む、局所免疫応答の誘導方法。
【請求項25】
前記送達標的が腫瘍細胞を含み、および前記免疫応答が前記送達標的に対して指向される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記送達標的が免疫細胞であり、および前記免疫応答が少なくとも部分的に前記送達標的によって生起される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
免疫応答を誘導することによって処置可能である被検者における状態の処置方法であって、
前記被検者に、送達標的を認識する標的化部分に結合されたIRM部分を含む免疫調節組成物を有効量で投与して、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置することを含む方法。
【請求項28】
前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための前記有効量は、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を改善するために有効な量である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記状態の少なくとも1つの症状または徴候を処置するための前記有効量は、前記状態の少なくとも1つの症状または徴候の増進を軽減するために有効な量である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
標的化部分に結合されたIRM部分を含み、前記IRM部位が以下の式:
【化1】
(式中、
R1はリンカー基であり;
R2は、
−水素;
−アルキル;
−アルケニル;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−アルキル−O−アルキル;
−アルキル−S−アルキル;
−アルキル−O−アリール;
−アルキル−S−アリール;
−アルキル−O−アルケニル;
−アルキル−S−アルケニル、ならびに
−OH;
−ハロゲン;
−N(R5)2;
−CO−N(R5)2;
−CS−N(R5)2;
−SO2−N(R5)2;
−NR5−CO−C1-10アルキル;
−NR5−CS−C1-10アルキル;
−NR5−SO2−C1-10アルキル;
−CO−C1-10アルキル;
−CO−O−C1-10アルキル;
−N3;
−アリール;
−置換アリール;
−ヘテロアリール;
−置換ヘテロアリール;
−ヘテロシクリル;
−置換ヘテロシクリル;
−CO−アリール;
−CO−(置換アリール);
−CO−ヘテロアリール、および
−CO−(置換ヘテロアリール)
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される−アルキルまたはアルケニル
からなる群から選択され;
R3およびR4は各独立に、
−水素;
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
であるか、
または、R3およびR4は、一緒になって、任意により、
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される縮合アリールまたはヘテロアリール基を形成するか、
または、R3およびR4は、一緒になって、任意により1つ以上のヘテロ原子を含有しおよび、任意により、
−ハロゲン;
−アルキル;
−アルケニル;
−O−アルキル;
−S−アルキル、および
−N(R5)2
からなる群から選択される1つ以上の置換基によって置換される縮合5〜7員飽和環を形成し、および
各R5は、独立に水素またはC1-10アルキルである)
で表わされる化合物である免疫調節組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2008−531580(P2008−531580A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557149(P2007−557149)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006387
【国際公開番号】WO2006/091720
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006387
【国際公開番号】WO2006/091720
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]