説明

入出管理システム及び入出管理方法

【課題】入出管理を効率よく実施できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、キーボード5及びマウス6を操作して入力された申請情報を保存する。コード記号発行機3は、情報処理装置1から入力した申請情報をコード記号情報に変換して2次元コードを発行する。リーダー9は、発行された2次元コードから読み取った申請情報を端末10に出力する。端末10は、リーダー9から入力した申請情報を、通信ネットワーク17を介して情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、リーダー9により読み取られた申請情報と予め登録された申請情報とを照合して入域許可又は入域禁止を示す情報を端末10に送信する。端末10は、情報処理装置1から送信された入域許可又は入域禁止を示す情報を受信してモニタ11に表示する。これにより、管理区域への入域および退域の管理を効率よく実施できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コード記号から情報を読み取って入出の管理を行う入出管理システム及び入出管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば原子力発電所におけるセキュリティ強化の観点からプラントなどの管理区域の入退域の管理が非常に煩雑になっている。例えば、原子力発電所に来客があった場合、来客は、原子力発電所の管理区域に入域する申請を総務課へ行う。この場合、来客は、所属や氏名、用件、入域場所などの必要事項を申請書類に記載して、原子力発電所の管理区域における入域許可を総務課に申請する。来客は、原子力発電所の管理区域に入域するゲートで、警備員によって身分証(例えば運転免許証)を用いた本人確認が実施され、総務課に申請した申請書類に基づいて入域許可が実施される。
【0003】
また、職員が定例で持ち込む物品に関しても、原子力発電所の管理区域に入域する申請を総務課へ行う。この場合、職員は管理区域に入域する自らの申請と共に物品の申請を行う。例えば、職員は物品の申請を行う場合、所属や氏名、物品名、入域場所などの必要事項を申請書類に記載して、原子力発電所の管理区域における入域許可を総務課に申請する。職員が定例で持ち込む物品は、原子力発電所の管理区域に入域するゲートで、警備員によって総務課に申請した申請書類に基づいて入域許可が実施される。物品の入域が許可されれば、物品を持ち込んだことを記録しておく為に帳面に記帳する。
【0004】
このような従来例に関連して特許文献1には、訪問者の本人認証を行う訪問者認証方法が開示されている。特許文献1によれば、データベースに訪問者の所属組織名、氏名のほかに、暗証番号を予め登録しておく。訪問者は訪問した際、携帯電話の表示画面に表示したコード記号を受付のリーダーにかざして、所属組織名、氏名のどちらか一つを読み取らせてサーバに送信するとともに、予め通知された暗証番号を入力する。サーバは、入力された各情報が、予めデータベースに登録された情報と一致した場合に訪問者の入場を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−032188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来例に係る原子力発電所の管理区域に入域する申請方法によれば、書面で入出域の管理を行っているので、特に多数の来客に対応する場合に、来客の身分証による本人確認や身分証と申請書類の内容の照合に時間がかかっていた。また、職員が定例で持ち込む物品(例えばデジタルカメラ)についても、書面で入出域の管理を行っているので、職員の身分証による本人確認や身分証と申請書類の内容の照合に時間がかかっていた。さらに、物品の入域が許可されれば、物品を持ち込んだことを記録しておく為に手書きで帳面に記帳する必要があり、時間と手間がかかっていた。また、特許文献1に係る訪問者認証方法は、氏名(所属組織名)およびパスワードで認証を実施しているため、認証を効率的に実施できない場合がある。
【0007】
そこで、本発明はこのような従来例に係る課題を解決したものであって、入出管理を効率よく実施できるようにした入出管理システム及び入出管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係る入出管理システムは、コード記号を用いた入出管理システムであって、管理区域への入出を管理するための申請情報を入力するための情報入力部と、前記情報入力部により入力された申請情報をコード記号情報に変換してコード記号を発行するコード記号発行機と、前記コード記号発行機により発行されたコード記号から前記申請情報を読み取るリーダーと、前記リーダーにより読み取られた申請情報と前記情報入力部により入力された申請情報とを照合する入出管理部と、前記入出管理部により照合された結果を出力する出力部とを備えるものである。
【0009】
また、上述した課題お解決するために、本発明に係る入出管理方法は、コード記号を用いた入出管理方法であって、管理区域への入出を管理するための申請情報を入力する第1のステップと、前記第1のステップで入力された前記申請情報をコード記号情報に変換してコード記号を発行する第2のステップと、前記第2のステップで発行された前記コード記号から前記申請情報を読み取る第3のステップと、前記第3のステップで読み取られた前記申請情報と前記第1のステップで入力された申請情報とを照合する第4のステップと、前記第4のステップで照合された結果を出力する第5のステップとを有するものである。
【0010】
本発明において、前記コード記号発行機により発行されるコード記号には、コード記号の有効期限を示す情報が含まれる。これにより、有効期限を超過したコード記号は使用できなくなるのでセキュリティを向上できる。
【0011】
コード記号発行機は、コード記号を粘着ラベルに印刷する。これにより、身分証にコード記号を貼り付けることができる。従って、身分証による本人確認とコード記号の読み取りを1つの媒体で共有できるので、コード記号の保持が容易になる。
【0012】
リーダーは、管理区域に入域時にコード記号から申請情報を読み取り、入出管理部は、リーダーにより読み取られた申請情報と情報入力部により入力された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を入域状態に設定する。一方で、リーダーは、管理区域から退域時にコード記号から申請情報を読み取り、入出管理部は、リーダーにより読み取られた申請情報と情報入力部により入力された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を入域状態から退域状態に設定する。このように、入域状態と退域状態を確認することで、入出管理を確実に実施することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リーダーが、管理区域への入出を管理するための申請情報をコード記号から読み取り、リーダーにより読み取られた申請情報と情報入力部により入力された申請情報とを照合するものである。これにより、管理区域への入域および退域の管理を効率よく実施できるようになる。さらに、管理区域への入域および退域の履歴を電子的に記録できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】2次元コードを用いた入出管理システム100の構成例を示す概略図である。
【図2】入出管理システム100の構成例を示すブロック図である。
【図3】入出管理システム100の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、図面を参照しながら本発明に係る入出管理システム及び入出管理方法の実施形態について説明する。本発明は、リーダーが、管理区域への入出を管理するための申請情報を2次元コードから読み取り、リーダーにより読み取られた申請情報と予め登録された申請情報とを照合することで、管理区域への入域および退域の管理を効率よく実施できるようにするものである。
【0016】
図1に示す入出管理システム100はコード記号を用いた入出管理システムであって、情報処理装置1、この情報処理装置1に接続されたコード記号発行機3、端末10、この端末10に接続されたリーダー9、端末14、この端末14に接続されたリーダー13を備えている。コード記号として、バーコード、2次元コードがあり、この例では、バーコードよりも情報量が多い2次元コードを用いる。なお、2次元コードの種類には、QRコード(登録商標)やデータマトリクスコードなどがある。
【0017】
情報処理装置1は、本体装置2、モニタ4、キーボード5及びマウス6から構成され、モニタ4、キーボード5及びマウス6が本体装置2に接続されている。本体装置2はコード記号発行機3及び通信ネットワーク17に接続されている。
【0018】
キーボード5及びマウス6は情報入力部の一例であり、原子力発電所におけるプラントなどの管理区域への入出を管理するための申請情報を入力する際に使用される。キーボード5及びマウス6を操作して入力された申請情報は本体装置2に保存される。この申請情報には、所属や氏名、用件、入域場所、入退域時間、有効期間など情報が含まれる。申請情報に含まれる用件とは管理区域に入域して行う事柄である。また、申請情報に含まれる入退域時間とは、管理区域に入域する時刻と管理区域から退域する時刻である。なお、申請情報には、前述した情報以外の内容が含まれてもよい。
【0019】
コード記号発行機3は、本体装置2から入力した申請情報をコード記号情報に変換して2次元コードを発行する。例えばコード記号発行機3は、2次元コードを粘着ラベルに印刷する。これにより、免許証などの身分証に2次元コードを貼り付けることができる。従って、身分証による本人確認と2次元コードの読み取りを1つの媒体で共有できるので、2次元コードの保持が容易になる。
【0020】
2次元コードには、2次元コードの有効期限を示す情報が含まれている。この有効期限を示す情報は、管理区域に入域可能な期間を示す情報である。例えば、この有効期限は、「平成21年10月1日」〜「平成21年10月7日」などのように設定される。有効期限を超過すると、コード記号発行機3により発行された2次元コードは無効となる。これにより、有効期限を超過した2次元コードは使用できなくなるのでセキュリティを向上できる。
【0021】
管理区域の最初の入り口である第1のゲート7には端末10及びリーダー9が備えられ、第1のゲート7の後段に設置された第2のゲート8には端末14及びリーダー13が備えられている。この例で、第2のゲート8は、第1のゲート7の後段に設置されており、第1のゲート7を通過しなければ通過することができない。
【0022】
リーダー9,13は、2次元コードを照射する光源、2次元コードからの拡散反射光を捉える光学系や受光素子、受光素子からの出力信号をデジタル化する回路及びデジタル信号を演算処理してデコードする回路などで構成される。リーダー9,13は、手で掴んで2次元コードに向けて光を照射するハンドヘルド型であるが、これに限らず、設置台などに置いてスキャンエリアに2次元コードをかざして読み取るプロジェクション型であってもよい。
【0023】
リーダー9と端末10はUSBにより接続されている。端末10はノート型であり、モニタ11及びキーボード12を備えている。リーダー9は、2次元コードに光を照射して2次元コードの反射光から申請情報を読み取る。リーダー9は、読み取った2次元コードの申請情報を端末10に出力する。端末10は、リーダー9から入力した申請情報を、通信ネットワーク17を介して情報処理装置1に送信する。
【0024】
情報処理装置1は、リーダー9により読み取られた申請情報とキーボード5などから入力されて予め登録された申請情報とを照合する。モニタ11は出力部の一例であり、情報処理装置1により照合された結果を出力する。この例で、情報処理装置1は、リーダー9により読み取られた申請情報の名前と予め登録された申請情報の名前を照合する。情報処理装置1は、2つの名前が一致した場合には、入域許可を示す情報を端末10に通信ネットワーク17を介して送信し、2つの名前が不一致の場合には、入域禁止を示す情報を端末10に通信ネットワーク17を介して送信する。端末10は、情報処理装置1から送信された入域許可又は入域禁止を示す情報を受信してモニタ11に表示する。これにより、第1のゲート7に配属された警備員は、モニタ11に表示された内容を確認して入域許可又は入域禁止を判断することができる。
【0025】
第1のゲート7と同様に、第2のゲート8に設置されたリーダー13と端末14はUSBにより接続されている。端末14はノート型であり、モニタ15及びキーボード16を備えている。リーダー13は、2次元コードに光を照射して2次元コードの反射光から申請情報を読み取る。リーダー13は、読み取った2次元コードの申請情報を端末14に出力する。端末14は、リーダー13から入力した申請情報を、通信ネットワーク17を介して情報処理装置1に送信する。
【0026】
情報処理装置1は、リーダー13により読み取られた申請情報と予め登録された申請情報とを照合する。モニタ15は出力部の一例であり、情報処理装置1により照合された結果を出力する。この例で、情報処理装置1は、リーダー13により読み取られた申請情報の名前と予め登録された申請情報の名前を照合する。情報処理装置1は、2つの名前が一致した場合には、入域許可を示す情報を端末14に通信ネットワーク17を介して送信し、2つの名前が不一致の場合には、入域禁止を示す情報を端末14に通信ネットワーク17を介して送信する。端末14は、情報処理装置1から送信された入域許可又は入域禁止を示す情報を受信してモニタ15に表示する。なお、この例では、2つのゲートを設定したが、これに限らず、1つのゲートを設置してもよいし、2つ以上のゲートを設置してもよい。
【0027】
続いて、図2を参照して情報処理装置1及び端末10,14の構成例について説明する。図2に示す端末10は、CPU(Central Processing Unit)10a及びメモリ10bを備えている。CPU10aはリーダー9に接続され、リーダー9から入力した申請情報を、通信ネットワーク17を介して情報処理装置1に送信する。メモリ10bはメインメモリとして機能する。
【0028】
情報処理装置1の本体装置2は、入出管理部2a及び記憶部2bを備えている。入出管理部2aは、キーボード5及びマウス6が操作されて入力された申請情報を記憶部2bに出力する。記憶部2bは、入出管理部2aから出力された申請情報を記憶する。入出管理部2aは、CPU10aから送信された申請情報の名前と記憶部2bに予め登録された申請情報の名前を照合する。
【0029】
入出管理部2aは、2つの名前が一致した場合には、入域許可を示す情報を端末10のCPU10aに通信ネットワーク17を介して送信し、2つの名前が不一致の場合には、入域禁止を示す情報をCPU10aに通信ネットワーク17を介して送信する。CPU10aは、入出管理部2aから送信された入域許可又は入域禁止を示す情報を受信してモニタ11に表示する。
【0030】
同様に、端末14は、CPU14a及びメモリ14bを備えている。CPU14aはリーダー13に接続され、リーダー13から入力した申請情報を、通信ネットワーク17を介して情報処理装置1の入出管理部2aに送信する。メモリ14bはメインメモリとして機能する。
【0031】
入出管理部2aは、CPU14aから送信された申請情報の名前と記憶部2bに予め登録された申請情報の名前を照合する。入出管理部2aは、2つの名前が一致した場合には、入域許可を示す情報を端末14のCPU14aに通信ネットワーク17を介して送信し、2つの名前が不一致の場合には、入域禁止を示す情報をCPU14aに通信ネットワーク17を介して送信する。CPU14aは、入出管理部2aから送信された入域許可又は入域禁止を示す情報を受信してモニタ15に表示する。
【0032】
続いて、図3を参照して入出管理システム100の動作例について説明する。この例では、来客における入出管理について説明する。来客は、例えば原子力発電所における管理区域へ入域する際に、原子力発電所の総務課に申請書を提出する。来客がこの申請書を提出する方法は、書面であっても電子データであってもよい。申請書の内容には、所属や氏名、用件、入域場所、入退域時間、有効期間など情報が含まれる。これを条件として図3に示すステップST1で、情報処理装置1は、総務課の担当者によりキーボード5及びマウス6が操作されて申請書の内容が入力され、入出管理部2aは申請情報を入力して記憶部2bに出力する。記憶部2bは、入出管理部2aから出力された申請情報を記憶してステップST2に移行する。
【0033】
ステップST2で、コード記号発行機3は、記憶部2bに記憶された申請情報をコード記号情報に変換して2次元コードを発行する。例えばコード記号発行機3は、2次元コードを粘着ラベルに印刷する。総務課の担当者は、案内所で来客に免許証などの身分証を提示してもらい、来客の本人確認を実施した際に来客本人に、粘着ラベルに印刷された2次元コードを渡す。来客は、粘着ラベルの剥離紙を剥がして免許証に2次元コードを貼り付ける。続いてステップST3に移行する。
【0034】
ステップST3で、リーダー9は、コード記号発行機3により発行された2次元コードから申請情報を読み取る。例えば、来客は、免許証に貼り付けられた2次元コードをリーダー9の光源にかざす。リーダー9は、2次元コードからの拡散反射光を光学系や受光素子で捉えて、受光素子からの出力信号をデジタル化し、当該デジタル信号を演算処理してデコードして申請情報を読み取って端末10のCPU10aに出力する。CPU10aは、通信ネットワーク17を介して申請情報を情報処理装置1の入出管理部2aに送信してステップST4に移行する。
【0035】
ステップST4,ST5で、入出管理部2aは、リーダー9により読み取られた申請情報の名前と記憶部2bに記憶された申請情報の名前とを照合し、モニタ11は、入出管理部2aにより照合された結果を出力する。例えば、入出管理部2aは、2つの名前が一致した場合には、入域許可を示す情報を端末10のCPU10aに送信し、2つの名前が不一致の場合には、入域禁止を示す情報をCPU10aに送信する。また、入出管理部2aは、申請情報から有効期限を取得して情報処理装置1内の日付情報と有効期限を比較し、有効期限が超過している場合には入域禁止を示す情報をCPU10aに送信する。CPU10aはモニタ11に入域許可又は入域禁止を示す情報と少なくとも申請情報の名前を表示させる。管理区域の最初の入り口である第1のゲート7において、警備員は、モニタ11に表示された表示結果が入域許可であり、かつ、免許証の顔写真が本人の顔と同一であってさらに免許証の名前とモニタ11に表示された名前が同一であれば入域許可とする。また、警備員は、表示結果又は免許証の内容のどちらか一方でも不一致であれば入域禁止とする。
【0036】
また、第1のゲート7の後段に設置され、第1のゲート7を通過後に入域可能な第2のゲート8においては身分証が不要であり、2次元コードのみで入域可能である。これは、第1のゲート7において本人確認が既に実施されているので、第2のゲート8では、本人確認を実施する必要がないからである。これにより、第2のゲート8の通過を円滑に行うことができる。
【0037】
この例で、第2のゲート8に設置されたリーダー13は、2次元コードから申請情報を読み取り、端末14のCPU14aに出力する。CPU14aは、通信ネットワーク17を介して申請情報を情報処理装置1の入出管理部2aに送信する。入出管理部2aは、リーダー13により読み取られた申請情報の名前と記憶部2bに記憶された申請情報の名前とを照合し、照合結果を端末14のCPU14aに送信する。CPU14aは、照合結果に基づいて第2のゲート8のドア(不図示)を自動的に開閉制御する。これにより、第1のゲート7の後段に設置された第2のゲート8においては、2次元コードのみで入域可能となる。もちろん、第2のゲート8において、モニタ15に入域許可又は入域禁止を示す情報を表示させて、警備員により入域管理を実施するようにしてもよい。
【0038】
このように本発明に係る入出管理システム100によれば、リーダー9が、管理区域への入出を管理するための申請情報を2次元コードから読み取り、リーダー9により読み取られた申請情報と記憶部2bに登録された申請情報とを照合するものである。これにより、管理区域への入域および退域の管理を効率よく実施できるようになる。さらに、管理区域への入域および退域の履歴を電子的に記録できるようになる。
【0039】
この例で、リーダー9は、管理区域に入域時に2次元コードから申請情報を読み取り、入出管理部2aは、リーダー9により読み取られた申請情報と記憶部2bに登録された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を入域状態に設定する。また、リーダー9は、管理区域から退域時に2次元コードから申請情報を読み取り、入出管理部2aは、リーダー9により読み取られた申請情報と記憶部2bに登録された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を入域状態から退域状態に設定する。このように、入域状態と退域状態を確認することで、入出管理を確実に実施することができる。
【0040】
なお、実施例では、来客における入出管理について説明したが、職員における入出管理も同様に実施可能である。この場合、免許証に替えて職員用のICカードを用いる。さらに、職員が定例で持ち込む物品に関しても同様に入出管理が実施可能である。例えば、職員は、管理区域へ物品を持ち込む際に、総務課に定例持ち込み物品の申請書を提出する。申請書の内容には、物品名、持込人、入域場所、入域期間などの情報が含まれる。情報処理装置1は、総務課の担当者により物品の申請書の内容が入力され、入出管理部2aは物品の申請情報を入力して記憶部2bに記憶する。さらに、情報処理装置1は、総務課の担当者により物品を持ち込む職員の申請書の内容が入力され、入出管理部2aは職員の申請情報を入力して記憶部2bに記憶する。
【0041】
コード記号発行機3は、記憶部2bに記憶された物品及び職員の申請情報をコード記号情報に変換して2次元コードを発行する。総務課の担当者は、案内所で職員にICカードなどの身分証を提示してもらい、職員の本人確認を実施した際に職員本人に、粘着ラベルに印刷された2次元コードを渡す。職員はICカードに2次元コードを貼り付ける。
【0042】
リーダー9は、コード記号発行機3により発行された2次元コードから職員及び物品の申請情報を読み取って端末10のCPU10aに出力する。CPU10aは、通信ネットワーク17を介して職員及び物品の申請情報を情報処理装置1の入出管理部2aに送信する。
【0043】
入出管理部2aは、リーダー9により読み取られた申請情報の職員名と記憶部2bに記憶された申請情報の職員名とを照合すると共に、リーダー9により読み取られた申請情報の物品名と記憶部2bに記憶された申請情報の物品名とを照合する。CPU10aは、入出管理部2aから照合結果を受信してモニタ11に入域許可又は入域禁止を示す情報を表示させる。このように、職員が定例で持ち込む物品に関しても同様に入出管理が実施可能である。
【0044】
なお、実施例では、コード記号発行機3が、本体装置2から入力した申請情報をコード記号情報に変換して2次元コードを発行したが、これに限らず、本体装置2が申請情報をコード記号情報に変換し、コード記号発行機3は2次元コードを発行する機能のみ持たせるようにしてもよい。すなわち、コード記号発行機3は、本体装置2により変換されたコード記号情報をプリントアウトする印刷機のみの機能を持たせるようにしてもよい。
【0045】
また、実施例では、コード記号発行機3が2次元コードを粘着ラベルに印刷する例を示したが、これに限らず、2次元コードを用紙に印刷するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、管理区域への入域および退域の管理を行うシステムに適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0047】
2a・・・入出管理部、3・・・コード記号発行機、5・・・キーボード(情報入力部)、6・・・マウス(情報入力部)、9,13・・・リーダー、11,15・・・モニタ(出力部)、100・・・入出管理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード記号を用いた入出管理システムであって、
管理区域への入出を管理するための申請情報を入力するための情報入力部と、
前記情報入力部により入力された申請情報をコード記号情報に変換してコード記号を発行するコード記号発行機と、
前記コード記号発行機により発行されたコード記号から前記申請情報を読み取るリーダーと、
前記リーダーにより読み取られた申請情報と前記情報入力部により入力された申請情報とを照合する入出管理部と、
前記入出管理部により照合された結果を出力する出力部とを備えることを特徴とする入出管理システム。
【請求項2】
前記コード記号発行機により発行されるコード記号には、コード記号の有効期限を示す情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の入出管理システム。
【請求項3】
前記コード記号発行機は、前記コード記号を粘着ラベルに印刷することを特徴とする請求項1に記載の入出管理システム。
【請求項4】
前記リーダーは、
前記管理区域に入域時に前記コード記号から前記申請情報を読み取り、
前記入出管理部は、
前記リーダーにより読み取られた申請情報と前記情報入力部により入力された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を入域状態に設定し、
前記リーダーは、
前記管理区域から退域時に前記コード記号から前記申請情報を読み取り、
前記入出管理部は、
前記リーダーにより読み取られた申請情報と前記情報入力部により入力された申請情報とを照合して一致すると入出管理状態を前記入域状態から退域状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の入出管理システム。
【請求項5】
コード記号を用いた入出管理方法であって、
管理区域への入出を管理するための申請情報を入力する第1のステップと、
前記第1のステップで入力された前記申請情報をコード記号情報に変換してコード記号を発行する第2のステップと、
前記第2のステップで発行された前記コード記号から前記申請情報を読み取る第3のステップと、
前記第3のステップで読み取られた前記申請情報と前記第1のステップで入力された申請情報とを照合する第4のステップと、
前記第4のステップで照合された結果を出力する第5のステップとを有することを特徴とする入出管理方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−22636(P2012−22636A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162146(P2010−162146)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】