入力装置、入力方法、プログラム及び記録媒体
【課題】ユーザのシームレスな(一連の)操作で相互に関連する2以上の機能(動作)を制御対象に実行させる。
【解決手段】入力装置が備える検出部により、指示体41から該検出部の検出面までの距離L1,L2に応じた信号を出力する。そして、入力装置が備える制御部により、検出部の出力に基づき指示体41から検出面までの距離L1,L2を検出し、該距離L1,L2に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる。
【解決手段】入力装置が備える検出部により、指示体41から該検出部の検出面までの距離L1,L2に応じた信号を出力する。そして、入力装置が備える制御部により、検出部の出力に基づき指示体41から検出面までの距離L1,L2を検出し、該距離L1,L2に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等の制御対象に対し関連する2以上の機能を非接触で指示するための入力装置、入力方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等でユーザが行う静止画撮影動作としては、メカニカルシャッター釦を手指で押し込む方式が最も一般的である。ただしこの方式では、釦を押し込む際のカメラ本体動揺による手振れ問題を一般に伴う。特に絞り込みを強くする条件下での撮影や暗所での撮影においては、露出時間が長いモードとなるため、上記手振れの影響が著しく大きくなる。この問題を回避するため、メカニカルシャッター釦の押し込みを伴わない非接触な操作により、一連の静止画撮影動作を実現する技術がいくつか提案されている。一般には、タッチパネルを用いて非接触操作を実現したものが多いが、最近では、タッチパネルを用いずに非接触操作を実現しているものもある。
【0003】
特許文献1では、撮影者が手指をかざす動作を非接触撮影に利用する技術が提案されている。この手法では、撮影者がフォトリフレクタに手指をかざした時にその反射光が受光素子に受光され、光量に応じた電圧に変換される。この電圧が所定の閾値に達したことをトリガーとして撮影動作を開始する。
【0004】
また特許文献2では、携帯電話機の用途として、撮影者が手指をかざす動作を非接触撮影に利用する技術が提案されている。この手法では、光センサを携帯電話に搭載し、撮影者の手指などにより入射光が遮断されて光量が低減する方向に変化したことをトリガーとして撮影動作を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−160971号公報
【特許文献2】特開2006−14074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、いずれも非接触な操作のための手段としてタッチパネル以外の何らかの検出専用のデバイスをカメラ本体に搭載しており、コスト増加の問題点を抱えている。また近年は市場の要請からカメラの小型化、薄型化が進んでいるため、部品点数の削減・少量化の観点からも検出専用デバイスの搭載は好ましくない。
【0007】
また、特許文献1、2に記載の技術では、フォトリフレクタや光センサの手指を検出可能な範囲が限定されているので、キャプチャ動作開始のトリガーとするためのユーザの手指検出に使用可能な領域が狭く限定されてしまう。なお、以下の説明においてキャプチャとは、撮像素子に得られる画像信号を記録デバイスに記録することであり、ライブビュー画像を表示することと区別している。
【0008】
また、フォトリフレクタや光センサはあくまでキャプチャ動作のみのための手段とされており、その前段階として必要な撮影準備動作(自動フォーカス走査や自動露出調整など)の指示は別の方法で行っている。そのため、関連する2つの機能に対する別々の操作をほぼ同時に行うことになり、ユーザにとって操作が煩雑である。
【0009】
なお、非接触な操作を実現する手段としてタッチパネルを用いた場合においても、ユーザが関連した2つの機能を実行したいとき、メニューを切り替えて別のソフトキーを表示するなど別々の操作が必要とされていた。
【0010】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、ユーザのシームレスな(一連の)操作で相互に関連する2以上の機能(動作)を実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、まず入力装置が備える検出部により、指示体から検出面までの距離に応じた信号を出力する。そして、入力装置が備える制御部により、検出部の出力に基づき指示体から検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる構成を備える。
【0012】
また、上記の構成において、上記指示体が上記検出面に近接して第1の距離から第2の距離へと移動する場合、上記制御部は、まず指示体から検出面までの距離が第1の距離になったとき第1の機能を制御対象に実行させる。続いて指示体から検出面までの距離が第2の距離になったとき第2の機能を制御対象に実行させることが好適である。
【0013】
本発明によれば、検出部の検出面から指示体までの距離と実行すべき機能(動作)が対応しており、該距離が変化するに従い第1の機能に続き、第2の機能の実行が行われる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザのシームレスな(一連の)操作で相互に関連する2以上の機能(動作)を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る撮像装置を示す概略構成図である。
【図2】マルチAF機能の説明に供する図である。
【図3】撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】Aは撮像装置の前方斜視図、Bは撮像装置の後方斜視図である。
【図5】第1の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図6】第1の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるステップS14(スポットAF/AE制御中)の処理例を示すフローチャートである。
【図8】図6におけるステップS15(マルチAF/AE制御中)の処理例を示すフローチャートである。
【図9】図6におけるステップS16(撮影・記録動作中)の処理例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図13】第3の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図14】第4の実施の形態に係る画像の再生に関する操作(画送り)を示す説明図である。
【図15】第4の実施の形態に係る画像の再生に関する操作(画戻し)を示す説明図である。
【図16】手指とタッチパネルとの距離と、画送り継続処理速度の関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において共通の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
1.第1の実施の形態(異なる2つの距離設定にて関連する2つの機能を実現する例)
2.第2の実施の形態(異なる3つの距離設定にて関連する2つの機能を実現する例)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態において2つの操作に対する距離設定を逆転させた例)
4.第4の実施の形態(再生機能へ応用した例)
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の概略構成]
まず、図1を参照して、本発明が適用された入力装置の第1の実施の形態に係る撮像装置の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る撮像装置10を示す概略構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、例えば、少なくとも静止画像を撮像可能なデジタルカメラ(例えばデジタルスチルカメラ)を適用できる。この撮像装置10は、被写体を撮像して、当該撮像により得られた静止画像をデジタル方式の画像データとして記録媒体に記録する。撮像装置10は、レンズ装置(図示せず)の焦点を被写体に自動的に合焦させるためのオートフォーカス(AutoFocus:以下「AF」という。)機能と、撮像画像の露出を自動的に調整するためのオートエキスポージャー(AutoExposure:以下「AE」という。)機能と、を有する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、撮像装置10全体の動作を制御する制御部1と、撮像装置10に対するユーザの入力操作を受け付ける操作入力部3と、半導体メモリ等の記録媒体で構成された記憶部4を備える。さらに、操作入力部3への入力操作等に応じて生成される画像を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等で構成された表示部5と、を備える。
【0020】
制御部1は、記憶部4に格納されている制御プログラム2を読み出して実行することで、例えば、モード設定部2a、AF領域設定部2b、AE領域設定部2c、表示制御部2d、主制御部2eとして機能する。
【0021】
制御部1は、モード設定部2aにより、撮像装置10のモードを設定する。より詳細には、モードは、例えば、マルチAFモードやスポットAFモード等のAFモード、マルチAEモードやスポットAEモード等のAEモードなどを含む。モード設定部2aは、斯かるモードを、操作入力部3に対するユーザの入力操作に基づき設定してもよいし、撮像条件に応じて自動的に設定してもよい。
【0022】
ここで、マルチAFモードとは、撮像された画像内(撮像範囲内)で複数の領域もしくはポイントに対してAF制御を行うモードであり、マルチエリアAF、マルチポイントAFと呼ぶこともある。このマルチAFモードでは、スポットAFモードと比べて、表示部5の画面100内の比較的広い領域(例えば、画面全体の領域、又は、画面中央を中心とする所定領域)内にマルチAF領域(マルチAF検波枠104内の領域)を設定している。それにより、当該広いマルチAF領域を基準として自動的にピント合わせをする。マルチAF検波枠104は、画面100内でAF検波可能な最大の領域を表すAF検波可能枠102内に設定される。
【0023】
一般なマルチAFモードでは、表示部5の画面100の中央を中心とした所定の範囲内を、複数の領域(若しくはポイント)に分けて、当該複数の領域(AF領域)を基準としてAF制御を行う。撮像装置10の実装コスト、処理コストの関係上、このAF領域(若しくはポイント)の数、配置位置には制限が出てくるが、理論上は画面100全体に対してマルチAFを行うことが可能である。
【0024】
一方、スポットAFモードとは、撮像された画像内(撮像範囲内)の任意の位置に設定可能な比較的狭いスポットAF領域(スポットAF検波枠103内の領域)を基準として、AF制御を行うモードである。このスポットAFモードでは、操作入力部3に対するユーザの位置指定に応じて、画面上の任意の位置にスポットAF検波枠103を移動させ、非常に小さな被写体や狭いエリアを狙ってピント合わせを行うことができる。
【0025】
前述のマルチAFモードでは、図2に示すように、マルチAF検波枠104上の広い範囲に複数のAF領域101を設けることで、広範囲に被写体を捕らえて合焦動作を行う。これによって、ユーザは撮影指示を入力する(例えば、シャッターボタン押下)だけで、マルチAF検波枠104内のいずれかの領域にピントが合った写真を撮影できる。しかし、被写体の状態によっては、ユーザの意図した位置にある被写体に合焦するとは限らない。そこで、スポットAFモードでは、ユーザがAF検波可能枠102内の任意の領域(スポットAF検波枠103)をAF領域として指定することで、AF制御の範囲を任意の一点に絞り、意図した被写体に確実に合焦するように制御することができる。
【0026】
AF領域設定部2bは、撮像範囲内(即ち、表示部5のAF検波可能枠102内)に上記AF領域(マルチAF領域又はスポットAF領域)を設定する。AF領域設定部2bは、マルチAF検波枠104(複数のAF領域101から構成)を、画面100中央を中心とした所定の範囲内に設定する。また、AF領域設定部2bは、スポットAF検波枠103を、操作入力部3(位置指定受付部に相当する)に対するユーザの位置指定に応じて、AF検波可能枠102内の任意の位置に設定することができる。
【0027】
また、マルチAEモードは、上記マルチAFモードと同様に、画面100内の比較的広い領域をマルチAE領域に設定し、当該マルチAE領域に含まれる複数の領域若しくはポイントを対象として画像を露出制御するモードである。このマルチAEモードでは、画面100上の広範囲の被写体に合わせて露出調整することができる。
【0028】
一方、スポットAEモードは、上記スポットAFモードと同様に、撮像された画像内(撮像範囲内)の任意の位置に設定可能な比較的狭いスポットAE領域(スポットAE枠内の領域)を基準として、露出制御するモードである。このスポットAEモードでは、操作入力部3に対するユーザの位置指定に応じて、画面上の任意の位置にスポットAE枠を移動させ、非常に小さな被写体や狭いエリアに合わせて露出調整することができる。
【0029】
AE領域設定部2cは、撮像範囲内(即ち、表示部5のAF検波可能枠102内)に上記AE領域(マルチAE領域又はスポットAE領域)を設定する。本実施の形態では、このマルチAE領域は、上記マルチAF領域と同一の領域に設定される。また、スポットAE領域は、上記スポットAF領域と同一の領域に設定されてもよいし、画面100内の任意の領域に設定されてもよい。
【0030】
AE領域設定部2cは、撮像範囲内(AF検波可能枠102内)の任意の位置に設定されたAF領域の中心に位置するように、AE領域を設定してもよい。これにより、AE領域をAF領域の中心に設定して、AF処理により合焦される被写体を基準として露出調整できるので、撮像画像の画質を向上できる。
【0031】
表示制御部2dは、表示部5による表示処理を制御する。例えば、表示制御部2dは、上記AE領域設定部2cにより設定されたAF領域を表すスポットAF検波枠103又は複数のAF領域101を、画面100に表示された画像上に重畳して表示するよう、表示部5を制御する。ユーザは、表示部5に表示されたスポットAF検波枠103又は複数のAF領域101の枠により、現在、マルチAFモードであるかスポットAFモードであるかを認識できる。また、当該スポットAF検波枠103又はAF領域101内に含まれる被写体が合焦対象であることも認識できる。
【0032】
また、表示制御部2dは、AF領域に含まれる被写体に対する合焦処理が完了したか否かを表す情報を表示部5に表示させる。例えば、表示制御部2dは、スポットAF検波枠103又はAF領域101の枠を、未合焦時は白色、合焦完了時は緑色に表示するといったように、合焦状態に応じてAF枠の色の表示変更を行う。このように、合焦処理が完了したか否かを表す情報を表示することで、ユーザは、撮像装置10の合焦部による合焦処理が完了したか否かを容易に認識できる。また、表示制御部2dは、AF領域を指定可能な範囲を表す情報として、例えば、上記AF検波可能枠102を表示部5に表示させる。これにより、ユーザは、スポットAF領域を設定可能な範囲を認識できるため、操作入力部3を用いたスポットAF枠の位置指定を適切に実行できる。
【0033】
主制御部2eは、撮像装置10が実行する各種の処理動作を制御する。主制御部2eは、例えば、被写体の撮像処理を制御する撮像制御部と、被写体に対する合焦処理を制御する合焦制御部と、撮像時の露出調整処理を制御する露出制御部と、撮像した画像の信号処理及び記録媒体に対する記録処理を制御する撮影・記録制御部と、記録媒体に記録された画像の再生処理を制御する再生制御部などを含む。
【0034】
本実施の形態に係るマルチAFモード及びスポットAFモードでの操作方式では、以上に説明した撮像装置10を用いる。被写体を撮像して得られた動画像(ライブビュー画像)の位置を指定するための位置指定操作及びマルチAFモードとスポットAFモードのモード切替操作の双方の操作の受付部として、例えば非接触操作が可能なタッチパネルを利用する。そして、このタッチパネルに対するタップすなわち電極が積層された検出面を手指で軽くたたく、若しくは手指が検出面に近接した状態でたたくような仕草をすることを契機として、撮影・記録処理を実行する。
【0035】
[ハードウェア構成]
次に、撮像装置10のハードウェア構成について詳細に説明する。図3は、撮像装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、主に撮像部6、信号処理部7、入力装置8から構成される。
【0037】
例えば、撮像部6には、撮影レンズ、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ等の光学系(図示せず)を含むレンズ部11が配設されている。このレンズ部11を介して入射する被写体光の光路上には、CCD(Charge Coupled Device)、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子12が配設されている。撮像素子12は、レンズ部11により撮像面に集光された光学像を光電変換して、画像信号を出力する。
【0038】
この撮像素子12の出力部は、アナログ信号処理部13、アナログ/デジタル(A/D)変換部14を介して、デジタル信号処理部15の入力部に接続されている。そして、このデジタル信号処理部15の出力部は、液晶パネル17、記録デバイス19の入力部に電気的に接続されている。これらのアナログ信号処理部13、A/D変換部14及びデジタル信号処理部15は、信号処理部7を構成している。信号処理部7は、撮像素子12から出力される画像信号に対して所定の信号処理を実行し、当該信号処理後の画像信号を液晶パネル17又は記録デバイス19に出力する。
【0039】
レンズ部11には、それを構成する絞りの調整や、フォーカスレンズの移動を行うための駆動機構であるアクチュエータ20が機械的に接続されている。そして、アクチュエータ20は、その駆動制御を行うためのモータドライバ21に接続されている。上記のレンズ部11、撮像素子12、アクチュエータ20、モータドライバ21及びTG22は、撮像部6を構成する。撮像部6は、被写体を撮像し、当該撮像により得られた画像信号を信号処理部7へ出力する。
【0040】
モータドライバ21は、CPU23からの指示に基づいて、撮像部6の各部の動作を制御する。例えば、撮像時には、モータドライバ21は、タッチパネル16や操作部24に対するユーザ操作に応じて、適切なフォーカス、露出等で被写体が撮像されるように、撮像部6の駆動機構を制御して、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞りなどを駆動させる。また、タイミングジェネレータ(TG;Timing Generator)22は、CPU23からの指示に基づき、撮像素子12の撮像タイミングを制御するためのタイミング信号を撮像素子12に出力する。
【0041】
さらに、撮像装置10には、撮像装置10全体を制御する上記制御部1(図1参照)に相当するCPU(Central Processing Unit)23が配設されている。該CPU23は、モータドライバ21、TG22、操作部24、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)25、プログラムROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、タッチパネル16と接続されている。
【0042】
CPU23は、プログラムROM26等の記憶媒体に格納された制御プログラムを読み出し、実行することで、上記図1のモード設定部2a、AF領域設定部2b、AE領域設定部2c、表示制御部2d、主制御部2eなどとして機能する。また、CPU23と撮像部6は、撮像部6による撮像範囲内の所定のAF領域に含まれる被写体に自動的に合焦(AF制御)させるための合焦部として機能する。さらに、CPU23と撮像部6は、当該撮像範囲内の所定のAE領域を対象として画像を自動的に露出調整(AE制御)する露出調整部としても機能する。
【0043】
タッチパネル16は、液晶パネル17の表面上に重畳して配設される透明な静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル16と液晶パネル17とでタッチスクリーン18が構成される。タッチパネル16は、ユーザの入力操作を受け付ける位置指定受付部(座標検出部)である。液晶パネル17は表示部5(図1参照)に相当する。
【0044】
タッチパネル16の表面全体には、タッチパネル駆動回路により一様な電界が形成されており、ユーザが指又は専用タッチペンをタッチパネル16に近接させると、タッチパネル16と指又は専用タッチペンとの間で、近接距離に応じた局所的な静電結合が形成される。タッチパネル16は、その静電結合を検出し、その状態に応じた静電容量に基づく信号をCPU23に出力する。それにより、CPU23は、近接しているタッチパネル16の検出面法線上にある指又は専用タッチペンを当該検出面に投影した位置の座標(xy座標)、並びに指又は専用タッチペンとの距離(z座標)を含む三次元座標情報を取得する。
【0045】
タッチパネル16は、CPU23とともに入力装置8を構成する。なお、位置指定受付部としては、表示部5に表示された撮像画像に対するユーザの位置指定を三次元的に検出可能であれば、静電容量方式のタッチパネル16以外にも、任意の位置検出デバイスを使用してもよい。その他の位置検出デバイスとして、例えば、電磁誘導方式タッチパネルや赤外線を用いた光学式タッチパネル、ビデオカメラを利用した画像認識方式タッチパネルなどを適用できる。
【0046】
記録デバイス19は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスク、メモリカード等の半導体メモリ、磁気テープ、その他のリムーバブル記録媒体が適用され、撮像装置10の本体に対して着脱自在である。また、記録デバイス19は、撮像装置10に内蔵される半導体メモリ、ディスク、HDD等で構成することも可能である。斯かる記録デバイス19は、CPU23(撮影・記録制御部に相当する)の指示に基づき、信号処理部7で信号処理された画像信号を、画像データとして記録媒体に記録する。
【0047】
操作部24は、タッチパネル16とは別途に設けられた操作手段であり、例えば、シャッターボタン、電源ボタン等の各種ボタンや、スイッチ、レバー、ダイヤル、十字キーなどを含む。また、操作部24は、接触センサ、光センサなど、所定のユーザ入力を検出するユーザ入力検出部を含んでもよい。
【0048】
EEPROM25は、指からタッチパネル16までの距離と機能との対応関係を設定した各種情報など、電源がオフにされたときも保持すべきデータ等を記憶する。プログラムROM26は、CPU23が実行するプログラム、該プログラムを実行する上で必要なデータを記憶する。そして、RAM27は、CPU23が各種処理を実行する際のワークエリアとして必要なプログラムやデータを一時記憶する。EEPROM25、プログラムROM26及びRAM27は、図1の記憶部4に相当する。
【0049】
[外観構成]
ここで、図4A,図4Bを参照して、本実施の形態に係る撮像装置10の外観構成の一例について説明する。図4A、図4Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置10を示す前方斜視図、後方斜視図である。
【0050】
図4A、図4Bに示すように、撮像装置10の前面は、スライド式のレンズカバー31で覆われている。当該前面のレンズカバー31を下方にスライドさせて開くと、上記レンズ部11を構成する撮影レンズ32とAFイルミネータ33が露呈するように配置されている。このAFイルミネータ33は、セルフタイマランプを兼ねている。また、撮像装置10の背面には、当該背面の大部分を占めるようにして、上述したタッチスクリーン18が設けられている。
【0051】
また、撮像装置10の上面には、ズームレバー(TELE/WIDE)34、シャッターボタン35、再生ボタン36及び電源ボタン37が配置されている。これらズームレバー34、シャッターボタン35、再生ボタン36及び電源ボタン37は、上記図3に示した操作部24の一例である。なお、ユーザがシャッターボタン35を押下することで撮影動作を指示することができるが、本実施の形態に係る撮像装置10は、タッチパネル16に対する入力操作のみで撮影可能であるので、シャッターボタン35を省略してもよい。また、撮像指示用の操作具として、シャッターボタン35の代わりに、例えば、接触センサ又は光センサなどといった、ユーザによる押下操作が不要な操作具を設置してもよい。これらは、撮影時にシャッターボタン35を全押しすることに伴う手振れなどを防止して、安定的に撮影する手段の一例である。
【0052】
[撮像装置の動作]
次に、以上説明したようなハードウェア構成の撮像装置10の動作について説明する。CPU23は、プログラムROM26に記録されているプログラムを実行することにより撮像装置10を構成する各部を制御し、タッチパネル16からの信号や、操作部24からの信号に応じて、所定の処理を実行する。操作部24は、ユーザによる操作に対応した信号をCPU23に供給する。
【0053】
(a)AF制御
撮像時には、まず、レンズ部11を介して撮像素子12に被写体光が入射すると、撮像素子12は、撮像範囲内の被写体を撮像する。即ち、撮像素子12は、レンズ部11により撮像面に集光された光学像を光電変換して、アナログの画像信号を出力する。このとき、モータドライバ21は、CPU23の制御に基づきアクチュエータ20を駆動する。この駆動により、レンズ部11は、撮像装置10の筐体から露出/収納される。また、この駆動により、レンズ部11を構成する絞りの調整や、レンズ部11を構成するフォーカスレンズの移動が行われる。このようにして、AF領域内の被写体に対してレンズ部11の焦点が自動的に合焦される(自動合焦制御)。
【0054】
(b)AE制御
さらに、タイミングジェネレータ22は、CPU23の制御に基づいて、タイミング信号を撮像素子12に供給する。このタイミング信号により撮像素子12における露出時間等が制御される。撮像素子12は、このタイミングジェネレータ22から供給されるタイミング信号に基づいて動作することにより、レンズ部11を介して入射する被写体からの光を受光して光電変換を行う。そして、受光量に応じた電気信号としてのアナログの画像信号を、アナログ信号処理部13に供給する。このようにして、被写体を撮像して得られる画像の露出が適切となるよう自動的に調整される(自動露出制御)。
【0055】
(c)信号処理
アナログ信号処理部13は、CPU23の制御に基づいて、撮像素子12から送出されたアナログの画像信号に対してアナログ信号処理(増幅等)を行い、その結果得られる画像信号を、A/D変換部14に供給する。A/D変換部14は、CPU23の制御に基づいて、アナログ信号処理部13からのアナログの画像信号をA/D変換し、その結果得られるデジタルの画像データをデジタル信号処理部15に供給する。デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、A/D変換部14からのデジタルの画像信号に対し、ノイズ除去、ホワイトバランス調整、色補正、エッジ強調、ガンマ補正等のうち必要なデジタル信号処理を施し、液晶パネル17に供給して表示させる。デジタル信号処理部15が出力した画像信号は、CPU23にも供給される。
【0056】
(d)圧縮記録処理
また、デジタル信号処理部15は、A/D変換部14からのデジタルの画像信号を、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の所定の圧縮符号化方式で圧縮する。そして、その結果、得られる圧縮されたデジタルの画像信号を、記録デバイス19に供給して記録させる。
【0057】
(e)再生処理
さらに、デジタル信号処理部15は、記録デバイス19に記録された圧縮された画像データを伸張し、その結果得られる画像データを液晶パネル17に供給して表示させる。
【0058】
(f)ライブビュー画像の表示処理
デジタル信号処理部15は、A/D変換部14からの動画像データを、液晶パネル17に供給し、これにより液晶パネル17では、撮像範囲内にある被写体を撮像したライブビュー画像(動画像)が表示される。このライブビュー画像は、ユーザが、所望の静止画像を撮影するために、撮像範囲や画角、被写体の状態などを視認するためのものである。このため、ライブビュー画像の画質は、記録デバイス19に記録される静止画(写真)ほどには求められない。このため、撮像処理の迅速化及び容易化の観点から、ライブビュー画像には、記録される静止画と比べてデータ密度を落とし、信号処理も簡素化した動画像が用いられる。
【0059】
その他、デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、フォーカス制御に用いるAF枠(マルチAF枠、スポットAF枠等)の画像を生成し、当該AF枠を液晶パネル17に表示させる。
【0060】
上述したように、本実施の形態に係る撮像装置10では、撮像素子12によって撮像された画像上にAF枠が設定され、そのAF枠の内部の画像に基づいてフォーカスが制御される。このAF機能では、AF枠を、液晶パネル17に表示された画像上の任意の位置に設定することができるようになっている。さらに、例えば、液晶パネル17と一体的に構成されたタッチパネル16に対する操作だけで、その位置やサイズ等の制御を行うことができるようになっている。
【0061】
上記のようにして、撮像部6により撮像された動画像(ライブビュー画像)が液晶パネル17に表示されているときに、ユーザは、撮像装置10を所望の被写体に向けてカメラアングルを定めて、撮影する。この撮影時には、一般には、ユーザが操作部24に対して所定の操作(例えば、シャッターボタンの押下)を行うことで、撮像装置10に対して撮影動作を指示する。このユーザ操作に応じて、操作部24からレリーズ信号がCPU23に供給される。レリーズ信号がCPU23に供給されると、CPU23は、デジタル信号処理部15を制御し、A/D変換部14からデジタル信号処理部15に供給された画像データを圧縮させ、この圧縮された画像データを記録デバイス19に記録させる。以降、これらの処理を「撮影・記録処理」と呼ぶ。上述した撮像装置10の動作のうち、信号処理部7における信号処理(c)と、デジタル信号処理部15における画像データ圧縮処理及び記録デバイス19における記録処理(d)が、本実施の形態に係る「撮影・記録処理」に相当する。
【0062】
[撮像方法]
次に、図5、図6及び図7〜図9を参照して、撮像装置10における撮像方法について詳細に説明する。図5A、図5Bはそれぞれ、撮像装置10における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図6は、撮像装置10における撮像動作例を示すフローチャートである。図7は、図6に示すステップS14(スポットAF/AE制御中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。図8は、図6に示すステップS15(マルチAF/AE制御中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。図9は、図6に示すステップS16(撮影・記録動作中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。
【0063】
なお、図5A,図5Bにおいて、説明の便宜上2つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103内に対して垂直な領域内にあるが、2つの手指41が同一のスポットAF検波枠103内に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。以降の説明では、スポットAF検波枠とスポットAE検波枠を総称してスポットAF/AE検波枠103と称し、またマルチAF検波枠とマルチAE検波枠を総称してマルチAF/AE検波枠104と称することもある。
【0064】
図6のフローチャートにおける撮影方法を説明する。まず、通常モード(ステップS11)においてユーザが撮像装置10のタッチパネル16上に手指41を移動させ、その表面に近接させる。すると、制御部1の主制御部2e(図3参照)は手指41とタッチパネル16との距離がL1以内になった時点でその旨を検出し(ステップS12)、その手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を、ユーザが指定したxy座標と判断する。
【0065】
このとき、モード設定部2aは、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105内に対して垂直な領域内か、又はマルチAF検出エリア106内に対して垂直な領域内であるかを判定する(ステップS13)。図5Aのように、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、スポットAF/AE制御を行う(ステップS14)。一方、図5Bのように、検出されたxy座標がマルチAF検出エリア106に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、マルチAF/AE制御を行う(ステップS16)。そして、検出されたxy座標がその他の領域、例えばマルチAF検出エリア106より外側であるような場合、通常モードであるステップS11へ移行する。
【0066】
図7のフローチャートを参照し、ステップS14(図6参照)のスポットAF/AE制御の詳細について説明する。ステップS14へ移行直後、主制御部2e(撮像制御部)、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、検出された座標を中心とした狭い領域に対するスポットAF/AEの動作を行う(ステップS101)。やがてスポットAF/AEのロック状態(合焦/露光処理が完了した状態)になったら、表示制御部2dは、デジタル信号処理部15を制御して、ロック状態になったことを示すスポットAF/AE検波枠103を液晶パネル17上に表示する(ステップS102)。その後、待機状態へ移行する(ステップS103)。
【0067】
ステップS101、ステップS102、ステップS103の処理のいずれかにおいて、ユーザが手指41を現在のスポットAF/AE検波枠103の領域に対して垂直方向の空間から外に移動させていないか監視する(ステップS104)。手指41が現在のスポットAF/AE検波枠103の領域に対して垂直方向の空間から外に移動した場合、主制御部2eは、移動した後の手指41の位置をタッチパネル16に垂直投影した座標を、ユーザが再指定したxy座標と判断する。そして、スポットAF/AE制御の一連の動作を、同座標を中心とした狭い領域に対して再度行う。
【0068】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をさらにタッチパネル16に近接させ、その距離がL2(L1よりも短い)以内になったとする(ステップS15)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS18)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS11の通常モードに戻る。
【0069】
図8のフローチャートを参照し、ステップS16(図6参照)のマルチAF/AE制御の詳細について説明する。ステップS16へ移行直後、主制御部2e(撮像制御部)、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、画面100の中心を基準としたマルチAF/AEの動作を行う(ステップS111)。やがてマルチAF/AEのロック状態(合焦/露光処理が完了した状態)になったら、表示制御部2dは、デジタル信号処理部15を制御して、ロック状態になったことを示す複数のマルチAF/AE検波枠104を液晶パネル17上に表示する(ステップS112)。その後、待機状態へ移行する(ステップS113)。
【0070】
マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をさらにタッチパネル16に近接させ、その距離がL2(L1よりも短い)以内になったとする(ステップS17)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS18)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS11の通常モードに戻る。
【0071】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をスポットAF検出エリア105に対して垂直方向の空間から外側、すなわちマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間内に移動させた場合を想定する(ステップS19)。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、マルチAF/AE制御を行うステップS16へ移行する。
【0072】
逆に、マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間から内側、すなわちスポットAF検出エリア105に対して垂直方向の空間内に移動させた場合を想定する(ステップS20)。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、スポットAF/AE制御を行うステップS14へ移行する。
【0073】
また、ステップS16において、ユーザが手指41をマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間から外側に移動させた場合を想定する(ステップS21)。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する。
【0074】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L1よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する(ステップS22)。
【0075】
同様に、マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L1よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する(ステップS23)。
【0076】
続いて、図9のフローチャートを参照し、ステップS18(図6参照)の撮影・記録動作の詳細について説明する。
まず、ステップS18の撮影・記録動作状態に移行したとき、主制御部2eは、ステップS18に移行する前段階の制御モードを確認する(ステップS120)。このとき制御モードがステップS14のスポットAF/AE制御である場合、スポットAF/AEロックが完了しているか確認する(ステップS121)。スポットAF/AEロックが完了していれば、主制御部2eは、ただちに撮影・記録処理を行う(ステップS123)。一方、スポットAF/AEロックが完了していなければ、主制御部2e、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、スポットAF/AE動作を行う(ステップS124)。そして、スポットAF/AEロックが完了次第、ステップS123へ移行して撮影・記録処理を行う。
【0077】
また、このとき制御モードがステップS16のマルチAF/AE制御である場合、マルチAF/AEロックが完了しているか確認する(ステップS122)。マルチAF/AEロックが完了していれば、主制御部2eは、ただちに撮影・記録処理を行う(ステップS123)。一方、マルチAF/AEロックが完了していなければ、主制御部2e、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、マルチAF/AE動作を行い(ステップS124)、マルチAF/AEロックが完了次第、ステップS123へ移行して撮影・記録処理を行う。
【0078】
上述した第1の実施の形態によれば、カメラ等における、スポットAF/AEやマルチAF/AEといった撮影前段階の光学系の処理からカメラの撮影・記録処理までを、タッチパネルの検出面とユーザの手指との距離に応じて指示することができる。それゆえ、従来のフォトリフレクタや光センサを用いた場合と比較して、手指を検出可能な範囲が限定されず、また、タッチスクリーンの特定のアイコンが表示された狭い領域に限定されることもない。したがって、カメラの撮影前段階の光学系の処理から撮影・記録処理までを、タッチスクリーンに対する広範囲かつ非接触な操作により可能とすることができ、直観的な操作性を保ちつつ撮影時の手振れの影響を軽減する入力装置を提供することができる。
【0079】
このように本実施の形態では、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、ユーザがシームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、関連する2つの機能を実行する例を説明したが、例えば異なる3つの距離と関連する3つの機能をそれぞれ対応づけて設定することにより、シームレスな操作により関連する3つの機能を実行することもできる。
【0081】
<2.第2の実施の形態>
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置及び撮像方法について説明する。第1の実施の形態は撮像装置10のタッチパネル16と手指41との距離に関して2つの距離を設定した例であるが、第2の実施の形態はタッチパネル16と手指41との距離に関して3つの距離を設定した例である。第2の実施の形態においては、入力操作の対象は第1の実施の形態に係る撮像装置10を想定しており、以下では、第2の実施の形態と第1の実施の形態との相違点、すなわち第2の実施の形態の特徴を中心に説明する。
【0082】
図10A,図10Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図11は、本実施の形態に係る撮像装置における撮像動作例を示すフローチャートである。なお、図10A,図10Bにおいて、説明の便宜上、一人のユーザの操作を表す3つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内に位置するよう記載している。しかし、3つの手指41が同一のスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。
【0083】
図11のフローチャートにおける撮影方法を説明する。図11に示すステップS31〜ステップS41の処理は、第1の実施の形態で説明したステップS11〜ステップS21(図6参照)の処理とそれぞれ同じであるため、これらの説明については省略する。
【0084】
スポットAF/AE制御を行うステップS34において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L3よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0085】
同様に、マルチAF/AE制御を行うステップS43において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L3よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS31へ移行する(ステップS43)。
【0086】
上述した第2の実施の形態では、ユーザの手指41とタッチパネル16との距離がL3≧L1となるよう設定する。すなわち、スポットAF/AE制御のステップに移行するための、ユーザの手指41とタッチパネル16との距離L1よりも、スポットAF/AE制御を解除して通常モードに戻るための距離L3を大きく設定し、両者の間にヒステリシスを持たせている。マルチAF/AE制御に関しても同様である。
【0087】
既述の第1の実施の形態では、スポットAF/AE制御のステップに移行する際のユーザの手指41の動揺などにより、ユーザの意図しないところでスポットAF/AE制御のステップと通常モード間の移行が発生してしまう可能性がある。これに対し、第2の実施の形態では、図10に示すようなヒステリシスを考慮した操作指示形態にすることにより、このような誤操作の発生を防ぐことができる。マルチAF/AE制御に関しても同様である。
【0088】
第2の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、シームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0089】
<3.第3の実施の形態>
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置及び撮像方法について説明する。第1及び第2の実施の形態では、ユーザが撮影・記録処理を指示すべくタッチパネルに手指を近接させるようにしている。これに対し、第3の実施の形態は、ユーザが手指をタッチパネルに近接させた後、手指をタッチパネルから遠ざける動作をトリガーとして撮影・記録処理を行う例である。第3の実施の形態においては、入力操作の対象は第1の実施の形態に係る撮像装置10を想定しており、以下では、第3の実施の形態と第1の実施の形態との相違点、すなわち第3の実施の形態の特徴を中心に説明する。
【0090】
図12A,図12Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図13は、本実施の形態に係る撮像装置における撮像動作例を示すフローチャートである。なお、図12A,図12Bにおいて、説明の便宜上、一人のユーザの操作を表す2つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内に位置するように記載している。しかし、2つの手指41が同一のスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。
【0091】
図13のフローチャートにおける撮影方法を説明する。図13に示すステップS51,S53,S54,S56,S58,S59〜S61の処理は、第1の実施の形態で説明したステップS11,S13,S14,S16,S18,S19〜S21(図6参照)の処理とそれぞれ同じであるため、これらの説明については省略する。
【0092】
まず、通常モード(ステップS51)においてユーザが撮像装置10のタッチパネル16上に手指41を移動させ、その表面に近接させる。すると、制御部1の主制御部2e(図3参照)は手指41とタッチパネル16との距離がL1以内になった時点でその旨を検出し(ステップS52)、その手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を、ユーザが指定したxy座標と判断する。
【0093】
このとき、モード設定部2aは、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105内に対して垂直な領域内か、又はマルチAF検出エリア106内に対して垂直な領域内であるかを判定する(ステップS53)。図12Aのように、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、スポットAF/AE制御を行う(ステップS54)。一方、図12Bのように、検出されたxy座標がマルチAF検出エリア106に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、マルチAF/AE制御を行う(ステップS56)。そして、検出されたxy座標がその他の領域、例えばマルチAF検出エリア106より外側であるような場合、通常モードであるステップS51へ移行する
【0094】
スポットAF/AE制御を行うステップS54において、ユーザが手指41をタッチパネル16から遠ざけ、その距離がL2(L1より長い)以上になったとする(ステップS55)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS58)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS51の通常モードに戻る。なお、ステップS54において、第1及び第2の実施の形態におけるステップS22,S42に相当する処理は存在しない。
【0095】
一方、マルチAF/AE制御を行うステップS56において、ユーザが手指41をタッチパネル16から遠ざけ、その距離がL2(L1より長い)以上になったとする(ステップS57)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS58)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS51の通常モードに戻る。なお、ステップS57において、第1及び第2の実施の形態におけるステップS23,S43に相当する処理は存在しない。
【0096】
上述した第3の実施の形態では、スポットAF/AE制御又はマルチAF/AE制御のステップに移行するためにユーザが手指41をタッチパネル16に近接させた後、手指41をタッチパネル16から遠ざける動作をトリガーとして撮影・記録処理を行う。第1及び第2の実施の形態では、ユーザが撮影・記録処理を指示すべくタッチパネル16に手指41を近接させようとする際、誤って手指41をタッチパネル16に接触させてしまい、撮影・記録処理の瞬間に撮像装置10が物理的動揺を受けてしまう可能性がある。これに対し、第2の実施の形態では、手指41を遠ざける動作をトリガーとする操作指示形態にすることにより、このような誤操作の発生を防ぐことができる。
【0097】
第3の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、シームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0098】
以上、機能構成として静電容量方式のタッチパネルを備えた撮像装置による、広範囲かつ非接触なユーザ操作を利用して手振れの影響を受けずに自動フォーカス走査や自動露出調整、キャプチャ動作等を行うための、3つの実施の形態について説明した。続いて、上記の機能構成を備えた撮像装置を応用した実施の形態例についても紹介する。
【0099】
<4.第4の実施の形態>
撮像装置においては一般に、撮影・記録処理によって記録された静止画データをユーザが閲覧するための再生機能が併せて搭載される。静止画データ再生機能として代表されるモードの一つが一枚画再生モードであり、記録デバイスに記録されている静止画データのうち一つを拡大して表示部に表示するモードである。
【0100】
静止画データが複数存在する場合、ユーザが操作部を介して撮像装置に指示を与え、撮像装置はその指示に対応して、その都度表示部に対して更新処理、再表示を行う。記録デバイスへ複数の静止画データが格納される場合、その順序はJPEGなどの圧縮符号化方式によって一意に決定され、ユーザの操作指示によって画像が再表示されていく順序もこれに準ずる。以降、順方向に画像を再表示させる操作を「画送り」、逆方向に画像を再表示させる操作を「画戻し」と呼ぶ。画送りも画戻しもユーザが一回操作指示を行うたびに一枚ずつ更新していく方式が最も一般的である。しかし、記録デバイスが大容量化していき、記録されている静止画データ数が大量に増加した場合、上記の一回のユーザ操作で一枚分の画送り又は画戻ししかできない操作形態では、目的とする静止画データにたどり着くまでに時間・手間を要するようになり、不便さが増してくる。
【0101】
そのため、ユーザが操作部を「押す」などの単発的動作ではなく、撮像装置に対して連続的に指示を与え続けられ、かつ高速に画送り、画戻しが実現できるような操作形態を提供することが重要である。またその際に画送り、画戻しのスピードを可変できる操作形態であることが望ましい。そこで以下では、機能構成として静電容量方式のタッチパネルを備えた撮像装置を応用して、画送り及び画戻しの操作指示を連続的かつ速度可変に実現するための実施の形態(第4の実施の形態)について述べる。
【0102】
第4の実施の形態に係るハードウェア構成については図1及び図3を参照して説明する。また、本実施の形態に係る撮像装置10における再生の画送りの操作例を図14A、図14B、画戻しの操作例を示すイメージ図を図15A、図15Bに示す。ユーザが静止画データ再生機能を利用しようとするとき、制御部1は、モード設定部2aにより、撮像装置10のモードを一枚画再生モードに設定する。当該一枚画再生モードにおいて、デジタル信号処理部15は、CPU23(主制御部2e)の制御に基づいて、記録デバイス19に記録された圧縮された画像データをRAM27内に読み出す。そして、RAM27上で伸張処理を実施し、その結果得られる画像データを表示部である液晶パネル17に供給し、液晶パネル17内の静止画データ表示枠107内に表示させる。このとき、液晶パネル17の画面100には、表示制御部2dの制御に基づいて、画送りシンボル108及び画戻しシンボル109(ソフトキー)が、静止画データ表示枠107と並行して表示されている。
【0103】
次に、画送り操作の具体的な実施例について説明する。まず、ユーザが手指41を画送りシンボル108に対して垂直な空間にかざした場合を想定する。この場合、図14Aに示すように手指41とタッチパネル16との距離が一定の距離L4よりも短くなった時点で、主制御部2eはその手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を検出する。主制御部2eはユーザによって画送り指示がなされたと判断し、デジタル信号処理部15を制御して画送り処理を行う。すなわち、CPU23の制御に基づいて画送り処理が行われ、静止画データ表示枠107内の画像データを更新して再表示する。
【0104】
ユーザが画送りシンボル108に対して垂直な空間上に手指41をかざす動作を継続していれば、主制御部2eはユーザが連続的に画送りを指示し続けていると解釈し、画送り処理を継続的に行う。手指41が画送りシンボル108に対して垂直な空間上に保たれ、かつタッチパネル16との距離が一定の場合、主制御部2eが画送りを行う速度は一定であり、静止画データ表示枠107内の表示は、一定の速度で更新され続ける。
【0105】
ユーザが手指41を、画送りシンボル108に対して垂直な空間上で距離L4から遠ざけると、主制御部2eは画送り処理を停止する。静止画データ表示枠107内には、画送りが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。反対に、図14Bに示すように、ユーザが手指41を、距離L5(<L4)になるまでタッチパネル16に近接させた場合、主制御部2eは、図12Aに示す状態よりも速い速度で画送り処理を継続的に行う。その結果として、静止画データ表示枠107内の表示は、より速い一定の速度で更新され続ける。
【0106】
図16は、手指41とタッチパネル16との距離と、撮像装置10による画送り継続処理速度の関係の一例を示す特性図である。手指41とタッチパネル16との距離がL4よりも短ければ、画送りシンボル108に対して垂直な空間上にある限り、主制御部2eは画送り処理を継続的に行う。逆に、手指41が画送りシンボル108に対して垂直な空間から外れた場合、主制御部2eは画送り処理を停止する。このとき静止画データ表示枠107内には、画送りが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。
【0107】
続いて、画戻し操作の具体的な実施例について説明する。まず、ユーザが手指41を画戻しシンボル109に対して垂直な空間にかざした場合を想定する。この場合、図15Aに示すように手指41とタッチパネル16との距離が一定の距離L4よりも短くなった時点で、主制御部2eはその手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を検出する。主制御部2eはユーザによって画戻し指示がなされたと判断し、デジタル信号処理部15を制御して画戻し処理を行う。すなわち、CPU23の制御に基づいて画戻し処理が行われ、静止画データ表示枠107内の画像データを更新して再表示する。
【0108】
ユーザが画戻しシンボル109に対して垂直な空間上に手指41をかざす動作を継続していれば、主制御部2eはユーザが連続的に画戻しを指示し続けていると解釈し、画戻し処理を継続的に行う。手指41が画戻しシンボル109に対して垂直な空間上に保たれ、かつタッチパネル16との距離が一定の場合、主制御部2eが画戻しを行う速度は一定であり、静止画データ表示枠107内の表示は、一定の速度で更新され続ける。
【0109】
ユーザが手指41を、画戻しシンボル109に対して垂直な空間上で距離L4から遠ざけると、主制御部2eは画戻し処理を停止する。静止画データ表示枠107内には、画戻しが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。反対に、図15Bに示すように、ユーザが手指41を、距離L5(<L4)になるまでタッチパネル16に近接させた場合、主制御部2eは図15Aに示す状態よりも速い速度で画戻し処理を継続的に行う。その結果として、静止画データ表示枠107内の表示は、より速い一定の速度で更新され続ける。
【0110】
手指41とタッチパネル16との距離と、撮像装置10による画戻し継続処理速度の関係は、画送りの場合と同様に、例えば図16に示すような特性図で表される。手指41とタッチパネル16との距離がL4よりも短ければ、画戻しシンボル109に対して垂直な空間上にある限り、主制御部2eは画戻し処理を継続的に行う。逆に、手指41が画戻しシンボル109に対して垂直な空間から外れた場合、主制御部2eは画戻し処理を停止する。このとき静止画データ表示枠107内には、画戻しが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。
【0111】
上述の第4の実施の形態により、撮像装置の一枚画再生モードにおいて、連続的かつ速度可変な画送り及び画戻しが可能となる。それゆえ、大容量記録デバイス下で静止画データ数が大量に存在する場合においても、目標の画像データに効率よく到達できる操作性を確保することができる。
【0112】
第4の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、ユーザがシームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0113】
また応用例として、大容量の記録デバイスにおいても、一枚画再生モードにおいて連続的かつ速度可変な再生画切り替えを可能とすることにより、目標の画像データに効率よく到達できる入力装置を提供することができる。また、一枚画再生モードに限らず、複数枚の静止画データの画送りや画戻し、動画データの再生及びその速度調整の操作指示などにも応用できる。さらに、本発明のシームレスな操作方法を利用することにより、ユーザは制御対象に対して関連する任意の2つ以上の機能(動作)の実行を指示することができる。
【0114】
なお、上述した実施の形態例における一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることができるが、ハードウェアにより実行することもできる。また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(例えば、記録デバイス19)を、撮像装置(入力装置)に供給してもよい。また、その装置が備えるコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、目的の機能が実現されることは言うまでもない。
【0115】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0116】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0117】
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
【0118】
以上、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、応用例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
1…制御部、2…制御プログラム、2a…モード設定部、2b…AF領域設定部、2c…AE領域設定部、2d…表示制御部、2e…主制御部、3…操作入力部、4…記憶部、5…表示部、6…撮像部、7…信号処理部、8…入力装置、10…撮像装置、12…撮像素子、15…デジタル信号処理部、16…タッチパネル、17…液晶パネル、18…タッチスクリーン、19…記録デバイス、23…CPU、24…操作部、25…EEPROM、26…プログラムROM、27…RAM、41…手指、100…画面、101…AF領域、102…AF検波可能枠、103…スポットAF枠(スポットAF枠)、104…マルチAF枠(マルチAF枠)、105…スポットAF検出エリア、106…マルチAF検出エリア、107…静止画データ表示枠、108…画送りシンボル、109…画戻しシンボル、L1〜L5…距離
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等の制御対象に対し関連する2以上の機能を非接触で指示するための入力装置、入力方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等でユーザが行う静止画撮影動作としては、メカニカルシャッター釦を手指で押し込む方式が最も一般的である。ただしこの方式では、釦を押し込む際のカメラ本体動揺による手振れ問題を一般に伴う。特に絞り込みを強くする条件下での撮影や暗所での撮影においては、露出時間が長いモードとなるため、上記手振れの影響が著しく大きくなる。この問題を回避するため、メカニカルシャッター釦の押し込みを伴わない非接触な操作により、一連の静止画撮影動作を実現する技術がいくつか提案されている。一般には、タッチパネルを用いて非接触操作を実現したものが多いが、最近では、タッチパネルを用いずに非接触操作を実現しているものもある。
【0003】
特許文献1では、撮影者が手指をかざす動作を非接触撮影に利用する技術が提案されている。この手法では、撮影者がフォトリフレクタに手指をかざした時にその反射光が受光素子に受光され、光量に応じた電圧に変換される。この電圧が所定の閾値に達したことをトリガーとして撮影動作を開始する。
【0004】
また特許文献2では、携帯電話機の用途として、撮影者が手指をかざす動作を非接触撮影に利用する技術が提案されている。この手法では、光センサを携帯電話に搭載し、撮影者の手指などにより入射光が遮断されて光量が低減する方向に変化したことをトリガーとして撮影動作を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−160971号公報
【特許文献2】特開2006−14074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、いずれも非接触な操作のための手段としてタッチパネル以外の何らかの検出専用のデバイスをカメラ本体に搭載しており、コスト増加の問題点を抱えている。また近年は市場の要請からカメラの小型化、薄型化が進んでいるため、部品点数の削減・少量化の観点からも検出専用デバイスの搭載は好ましくない。
【0007】
また、特許文献1、2に記載の技術では、フォトリフレクタや光センサの手指を検出可能な範囲が限定されているので、キャプチャ動作開始のトリガーとするためのユーザの手指検出に使用可能な領域が狭く限定されてしまう。なお、以下の説明においてキャプチャとは、撮像素子に得られる画像信号を記録デバイスに記録することであり、ライブビュー画像を表示することと区別している。
【0008】
また、フォトリフレクタや光センサはあくまでキャプチャ動作のみのための手段とされており、その前段階として必要な撮影準備動作(自動フォーカス走査や自動露出調整など)の指示は別の方法で行っている。そのため、関連する2つの機能に対する別々の操作をほぼ同時に行うことになり、ユーザにとって操作が煩雑である。
【0009】
なお、非接触な操作を実現する手段としてタッチパネルを用いた場合においても、ユーザが関連した2つの機能を実行したいとき、メニューを切り替えて別のソフトキーを表示するなど別々の操作が必要とされていた。
【0010】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、ユーザのシームレスな(一連の)操作で相互に関連する2以上の機能(動作)を実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、まず入力装置が備える検出部により、指示体から検出面までの距離に応じた信号を出力する。そして、入力装置が備える制御部により、検出部の出力に基づき指示体から検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる構成を備える。
【0012】
また、上記の構成において、上記指示体が上記検出面に近接して第1の距離から第2の距離へと移動する場合、上記制御部は、まず指示体から検出面までの距離が第1の距離になったとき第1の機能を制御対象に実行させる。続いて指示体から検出面までの距離が第2の距離になったとき第2の機能を制御対象に実行させることが好適である。
【0013】
本発明によれば、検出部の検出面から指示体までの距離と実行すべき機能(動作)が対応しており、該距離が変化するに従い第1の機能に続き、第2の機能の実行が行われる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザのシームレスな(一連の)操作で相互に関連する2以上の機能(動作)を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る撮像装置を示す概略構成図である。
【図2】マルチAF機能の説明に供する図である。
【図3】撮像装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】Aは撮像装置の前方斜視図、Bは撮像装置の後方斜視図である。
【図5】第1の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図6】第1の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図7】図6におけるステップS14(スポットAF/AE制御中)の処理例を示すフローチャートである。
【図8】図6におけるステップS15(マルチAF/AE制御中)の処理例を示すフローチャートである。
【図9】図6におけるステップS16(撮影・記録動作中)の処理例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態に係る撮影時の入力操作例を示す説明図である。
【図13】第3の実施の形態に係る撮像動作例を示すフローチャートである。
【図14】第4の実施の形態に係る画像の再生に関する操作(画送り)を示す説明図である。
【図15】第4の実施の形態に係る画像の再生に関する操作(画戻し)を示す説明図である。
【図16】手指とタッチパネルとの距離と、画送り継続処理速度の関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において共通の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
1.第1の実施の形態(異なる2つの距離設定にて関連する2つの機能を実現する例)
2.第2の実施の形態(異なる3つの距離設定にて関連する2つの機能を実現する例)
3.第3の実施の形態(第1の実施の形態において2つの操作に対する距離設定を逆転させた例)
4.第4の実施の形態(再生機能へ応用した例)
【0017】
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の概略構成]
まず、図1を参照して、本発明が適用された入力装置の第1の実施の形態に係る撮像装置の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る撮像装置10を示す概略構成図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、例えば、少なくとも静止画像を撮像可能なデジタルカメラ(例えばデジタルスチルカメラ)を適用できる。この撮像装置10は、被写体を撮像して、当該撮像により得られた静止画像をデジタル方式の画像データとして記録媒体に記録する。撮像装置10は、レンズ装置(図示せず)の焦点を被写体に自動的に合焦させるためのオートフォーカス(AutoFocus:以下「AF」という。)機能と、撮像画像の露出を自動的に調整するためのオートエキスポージャー(AutoExposure:以下「AE」という。)機能と、を有する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、撮像装置10全体の動作を制御する制御部1と、撮像装置10に対するユーザの入力操作を受け付ける操作入力部3と、半導体メモリ等の記録媒体で構成された記憶部4を備える。さらに、操作入力部3への入力操作等に応じて生成される画像を表示する液晶ディスプレイ(LCD)等で構成された表示部5と、を備える。
【0020】
制御部1は、記憶部4に格納されている制御プログラム2を読み出して実行することで、例えば、モード設定部2a、AF領域設定部2b、AE領域設定部2c、表示制御部2d、主制御部2eとして機能する。
【0021】
制御部1は、モード設定部2aにより、撮像装置10のモードを設定する。より詳細には、モードは、例えば、マルチAFモードやスポットAFモード等のAFモード、マルチAEモードやスポットAEモード等のAEモードなどを含む。モード設定部2aは、斯かるモードを、操作入力部3に対するユーザの入力操作に基づき設定してもよいし、撮像条件に応じて自動的に設定してもよい。
【0022】
ここで、マルチAFモードとは、撮像された画像内(撮像範囲内)で複数の領域もしくはポイントに対してAF制御を行うモードであり、マルチエリアAF、マルチポイントAFと呼ぶこともある。このマルチAFモードでは、スポットAFモードと比べて、表示部5の画面100内の比較的広い領域(例えば、画面全体の領域、又は、画面中央を中心とする所定領域)内にマルチAF領域(マルチAF検波枠104内の領域)を設定している。それにより、当該広いマルチAF領域を基準として自動的にピント合わせをする。マルチAF検波枠104は、画面100内でAF検波可能な最大の領域を表すAF検波可能枠102内に設定される。
【0023】
一般なマルチAFモードでは、表示部5の画面100の中央を中心とした所定の範囲内を、複数の領域(若しくはポイント)に分けて、当該複数の領域(AF領域)を基準としてAF制御を行う。撮像装置10の実装コスト、処理コストの関係上、このAF領域(若しくはポイント)の数、配置位置には制限が出てくるが、理論上は画面100全体に対してマルチAFを行うことが可能である。
【0024】
一方、スポットAFモードとは、撮像された画像内(撮像範囲内)の任意の位置に設定可能な比較的狭いスポットAF領域(スポットAF検波枠103内の領域)を基準として、AF制御を行うモードである。このスポットAFモードでは、操作入力部3に対するユーザの位置指定に応じて、画面上の任意の位置にスポットAF検波枠103を移動させ、非常に小さな被写体や狭いエリアを狙ってピント合わせを行うことができる。
【0025】
前述のマルチAFモードでは、図2に示すように、マルチAF検波枠104上の広い範囲に複数のAF領域101を設けることで、広範囲に被写体を捕らえて合焦動作を行う。これによって、ユーザは撮影指示を入力する(例えば、シャッターボタン押下)だけで、マルチAF検波枠104内のいずれかの領域にピントが合った写真を撮影できる。しかし、被写体の状態によっては、ユーザの意図した位置にある被写体に合焦するとは限らない。そこで、スポットAFモードでは、ユーザがAF検波可能枠102内の任意の領域(スポットAF検波枠103)をAF領域として指定することで、AF制御の範囲を任意の一点に絞り、意図した被写体に確実に合焦するように制御することができる。
【0026】
AF領域設定部2bは、撮像範囲内(即ち、表示部5のAF検波可能枠102内)に上記AF領域(マルチAF領域又はスポットAF領域)を設定する。AF領域設定部2bは、マルチAF検波枠104(複数のAF領域101から構成)を、画面100中央を中心とした所定の範囲内に設定する。また、AF領域設定部2bは、スポットAF検波枠103を、操作入力部3(位置指定受付部に相当する)に対するユーザの位置指定に応じて、AF検波可能枠102内の任意の位置に設定することができる。
【0027】
また、マルチAEモードは、上記マルチAFモードと同様に、画面100内の比較的広い領域をマルチAE領域に設定し、当該マルチAE領域に含まれる複数の領域若しくはポイントを対象として画像を露出制御するモードである。このマルチAEモードでは、画面100上の広範囲の被写体に合わせて露出調整することができる。
【0028】
一方、スポットAEモードは、上記スポットAFモードと同様に、撮像された画像内(撮像範囲内)の任意の位置に設定可能な比較的狭いスポットAE領域(スポットAE枠内の領域)を基準として、露出制御するモードである。このスポットAEモードでは、操作入力部3に対するユーザの位置指定に応じて、画面上の任意の位置にスポットAE枠を移動させ、非常に小さな被写体や狭いエリアに合わせて露出調整することができる。
【0029】
AE領域設定部2cは、撮像範囲内(即ち、表示部5のAF検波可能枠102内)に上記AE領域(マルチAE領域又はスポットAE領域)を設定する。本実施の形態では、このマルチAE領域は、上記マルチAF領域と同一の領域に設定される。また、スポットAE領域は、上記スポットAF領域と同一の領域に設定されてもよいし、画面100内の任意の領域に設定されてもよい。
【0030】
AE領域設定部2cは、撮像範囲内(AF検波可能枠102内)の任意の位置に設定されたAF領域の中心に位置するように、AE領域を設定してもよい。これにより、AE領域をAF領域の中心に設定して、AF処理により合焦される被写体を基準として露出調整できるので、撮像画像の画質を向上できる。
【0031】
表示制御部2dは、表示部5による表示処理を制御する。例えば、表示制御部2dは、上記AE領域設定部2cにより設定されたAF領域を表すスポットAF検波枠103又は複数のAF領域101を、画面100に表示された画像上に重畳して表示するよう、表示部5を制御する。ユーザは、表示部5に表示されたスポットAF検波枠103又は複数のAF領域101の枠により、現在、マルチAFモードであるかスポットAFモードであるかを認識できる。また、当該スポットAF検波枠103又はAF領域101内に含まれる被写体が合焦対象であることも認識できる。
【0032】
また、表示制御部2dは、AF領域に含まれる被写体に対する合焦処理が完了したか否かを表す情報を表示部5に表示させる。例えば、表示制御部2dは、スポットAF検波枠103又はAF領域101の枠を、未合焦時は白色、合焦完了時は緑色に表示するといったように、合焦状態に応じてAF枠の色の表示変更を行う。このように、合焦処理が完了したか否かを表す情報を表示することで、ユーザは、撮像装置10の合焦部による合焦処理が完了したか否かを容易に認識できる。また、表示制御部2dは、AF領域を指定可能な範囲を表す情報として、例えば、上記AF検波可能枠102を表示部5に表示させる。これにより、ユーザは、スポットAF領域を設定可能な範囲を認識できるため、操作入力部3を用いたスポットAF枠の位置指定を適切に実行できる。
【0033】
主制御部2eは、撮像装置10が実行する各種の処理動作を制御する。主制御部2eは、例えば、被写体の撮像処理を制御する撮像制御部と、被写体に対する合焦処理を制御する合焦制御部と、撮像時の露出調整処理を制御する露出制御部と、撮像した画像の信号処理及び記録媒体に対する記録処理を制御する撮影・記録制御部と、記録媒体に記録された画像の再生処理を制御する再生制御部などを含む。
【0034】
本実施の形態に係るマルチAFモード及びスポットAFモードでの操作方式では、以上に説明した撮像装置10を用いる。被写体を撮像して得られた動画像(ライブビュー画像)の位置を指定するための位置指定操作及びマルチAFモードとスポットAFモードのモード切替操作の双方の操作の受付部として、例えば非接触操作が可能なタッチパネルを利用する。そして、このタッチパネルに対するタップすなわち電極が積層された検出面を手指で軽くたたく、若しくは手指が検出面に近接した状態でたたくような仕草をすることを契機として、撮影・記録処理を実行する。
【0035】
[ハードウェア構成]
次に、撮像装置10のハードウェア構成について詳細に説明する。図3は、撮像装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0036】
図3に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、主に撮像部6、信号処理部7、入力装置8から構成される。
【0037】
例えば、撮像部6には、撮影レンズ、絞り、フォーカスレンズ、ズームレンズ等の光学系(図示せず)を含むレンズ部11が配設されている。このレンズ部11を介して入射する被写体光の光路上には、CCD(Charge Coupled Device)、C−MOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子12が配設されている。撮像素子12は、レンズ部11により撮像面に集光された光学像を光電変換して、画像信号を出力する。
【0038】
この撮像素子12の出力部は、アナログ信号処理部13、アナログ/デジタル(A/D)変換部14を介して、デジタル信号処理部15の入力部に接続されている。そして、このデジタル信号処理部15の出力部は、液晶パネル17、記録デバイス19の入力部に電気的に接続されている。これらのアナログ信号処理部13、A/D変換部14及びデジタル信号処理部15は、信号処理部7を構成している。信号処理部7は、撮像素子12から出力される画像信号に対して所定の信号処理を実行し、当該信号処理後の画像信号を液晶パネル17又は記録デバイス19に出力する。
【0039】
レンズ部11には、それを構成する絞りの調整や、フォーカスレンズの移動を行うための駆動機構であるアクチュエータ20が機械的に接続されている。そして、アクチュエータ20は、その駆動制御を行うためのモータドライバ21に接続されている。上記のレンズ部11、撮像素子12、アクチュエータ20、モータドライバ21及びTG22は、撮像部6を構成する。撮像部6は、被写体を撮像し、当該撮像により得られた画像信号を信号処理部7へ出力する。
【0040】
モータドライバ21は、CPU23からの指示に基づいて、撮像部6の各部の動作を制御する。例えば、撮像時には、モータドライバ21は、タッチパネル16や操作部24に対するユーザ操作に応じて、適切なフォーカス、露出等で被写体が撮像されるように、撮像部6の駆動機構を制御して、ズームレンズ、フォーカスレンズ、絞りなどを駆動させる。また、タイミングジェネレータ(TG;Timing Generator)22は、CPU23からの指示に基づき、撮像素子12の撮像タイミングを制御するためのタイミング信号を撮像素子12に出力する。
【0041】
さらに、撮像装置10には、撮像装置10全体を制御する上記制御部1(図1参照)に相当するCPU(Central Processing Unit)23が配設されている。該CPU23は、モータドライバ21、TG22、操作部24、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)25、プログラムROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、タッチパネル16と接続されている。
【0042】
CPU23は、プログラムROM26等の記憶媒体に格納された制御プログラムを読み出し、実行することで、上記図1のモード設定部2a、AF領域設定部2b、AE領域設定部2c、表示制御部2d、主制御部2eなどとして機能する。また、CPU23と撮像部6は、撮像部6による撮像範囲内の所定のAF領域に含まれる被写体に自動的に合焦(AF制御)させるための合焦部として機能する。さらに、CPU23と撮像部6は、当該撮像範囲内の所定のAE領域を対象として画像を自動的に露出調整(AE制御)する露出調整部としても機能する。
【0043】
タッチパネル16は、液晶パネル17の表面上に重畳して配設される透明な静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル16と液晶パネル17とでタッチスクリーン18が構成される。タッチパネル16は、ユーザの入力操作を受け付ける位置指定受付部(座標検出部)である。液晶パネル17は表示部5(図1参照)に相当する。
【0044】
タッチパネル16の表面全体には、タッチパネル駆動回路により一様な電界が形成されており、ユーザが指又は専用タッチペンをタッチパネル16に近接させると、タッチパネル16と指又は専用タッチペンとの間で、近接距離に応じた局所的な静電結合が形成される。タッチパネル16は、その静電結合を検出し、その状態に応じた静電容量に基づく信号をCPU23に出力する。それにより、CPU23は、近接しているタッチパネル16の検出面法線上にある指又は専用タッチペンを当該検出面に投影した位置の座標(xy座標)、並びに指又は専用タッチペンとの距離(z座標)を含む三次元座標情報を取得する。
【0045】
タッチパネル16は、CPU23とともに入力装置8を構成する。なお、位置指定受付部としては、表示部5に表示された撮像画像に対するユーザの位置指定を三次元的に検出可能であれば、静電容量方式のタッチパネル16以外にも、任意の位置検出デバイスを使用してもよい。その他の位置検出デバイスとして、例えば、電磁誘導方式タッチパネルや赤外線を用いた光学式タッチパネル、ビデオカメラを利用した画像認識方式タッチパネルなどを適用できる。
【0046】
記録デバイス19は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等のディスク、メモリカード等の半導体メモリ、磁気テープ、その他のリムーバブル記録媒体が適用され、撮像装置10の本体に対して着脱自在である。また、記録デバイス19は、撮像装置10に内蔵される半導体メモリ、ディスク、HDD等で構成することも可能である。斯かる記録デバイス19は、CPU23(撮影・記録制御部に相当する)の指示に基づき、信号処理部7で信号処理された画像信号を、画像データとして記録媒体に記録する。
【0047】
操作部24は、タッチパネル16とは別途に設けられた操作手段であり、例えば、シャッターボタン、電源ボタン等の各種ボタンや、スイッチ、レバー、ダイヤル、十字キーなどを含む。また、操作部24は、接触センサ、光センサなど、所定のユーザ入力を検出するユーザ入力検出部を含んでもよい。
【0048】
EEPROM25は、指からタッチパネル16までの距離と機能との対応関係を設定した各種情報など、電源がオフにされたときも保持すべきデータ等を記憶する。プログラムROM26は、CPU23が実行するプログラム、該プログラムを実行する上で必要なデータを記憶する。そして、RAM27は、CPU23が各種処理を実行する際のワークエリアとして必要なプログラムやデータを一時記憶する。EEPROM25、プログラムROM26及びRAM27は、図1の記憶部4に相当する。
【0049】
[外観構成]
ここで、図4A,図4Bを参照して、本実施の形態に係る撮像装置10の外観構成の一例について説明する。図4A、図4Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置10を示す前方斜視図、後方斜視図である。
【0050】
図4A、図4Bに示すように、撮像装置10の前面は、スライド式のレンズカバー31で覆われている。当該前面のレンズカバー31を下方にスライドさせて開くと、上記レンズ部11を構成する撮影レンズ32とAFイルミネータ33が露呈するように配置されている。このAFイルミネータ33は、セルフタイマランプを兼ねている。また、撮像装置10の背面には、当該背面の大部分を占めるようにして、上述したタッチスクリーン18が設けられている。
【0051】
また、撮像装置10の上面には、ズームレバー(TELE/WIDE)34、シャッターボタン35、再生ボタン36及び電源ボタン37が配置されている。これらズームレバー34、シャッターボタン35、再生ボタン36及び電源ボタン37は、上記図3に示した操作部24の一例である。なお、ユーザがシャッターボタン35を押下することで撮影動作を指示することができるが、本実施の形態に係る撮像装置10は、タッチパネル16に対する入力操作のみで撮影可能であるので、シャッターボタン35を省略してもよい。また、撮像指示用の操作具として、シャッターボタン35の代わりに、例えば、接触センサ又は光センサなどといった、ユーザによる押下操作が不要な操作具を設置してもよい。これらは、撮影時にシャッターボタン35を全押しすることに伴う手振れなどを防止して、安定的に撮影する手段の一例である。
【0052】
[撮像装置の動作]
次に、以上説明したようなハードウェア構成の撮像装置10の動作について説明する。CPU23は、プログラムROM26に記録されているプログラムを実行することにより撮像装置10を構成する各部を制御し、タッチパネル16からの信号や、操作部24からの信号に応じて、所定の処理を実行する。操作部24は、ユーザによる操作に対応した信号をCPU23に供給する。
【0053】
(a)AF制御
撮像時には、まず、レンズ部11を介して撮像素子12に被写体光が入射すると、撮像素子12は、撮像範囲内の被写体を撮像する。即ち、撮像素子12は、レンズ部11により撮像面に集光された光学像を光電変換して、アナログの画像信号を出力する。このとき、モータドライバ21は、CPU23の制御に基づきアクチュエータ20を駆動する。この駆動により、レンズ部11は、撮像装置10の筐体から露出/収納される。また、この駆動により、レンズ部11を構成する絞りの調整や、レンズ部11を構成するフォーカスレンズの移動が行われる。このようにして、AF領域内の被写体に対してレンズ部11の焦点が自動的に合焦される(自動合焦制御)。
【0054】
(b)AE制御
さらに、タイミングジェネレータ22は、CPU23の制御に基づいて、タイミング信号を撮像素子12に供給する。このタイミング信号により撮像素子12における露出時間等が制御される。撮像素子12は、このタイミングジェネレータ22から供給されるタイミング信号に基づいて動作することにより、レンズ部11を介して入射する被写体からの光を受光して光電変換を行う。そして、受光量に応じた電気信号としてのアナログの画像信号を、アナログ信号処理部13に供給する。このようにして、被写体を撮像して得られる画像の露出が適切となるよう自動的に調整される(自動露出制御)。
【0055】
(c)信号処理
アナログ信号処理部13は、CPU23の制御に基づいて、撮像素子12から送出されたアナログの画像信号に対してアナログ信号処理(増幅等)を行い、その結果得られる画像信号を、A/D変換部14に供給する。A/D変換部14は、CPU23の制御に基づいて、アナログ信号処理部13からのアナログの画像信号をA/D変換し、その結果得られるデジタルの画像データをデジタル信号処理部15に供給する。デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、A/D変換部14からのデジタルの画像信号に対し、ノイズ除去、ホワイトバランス調整、色補正、エッジ強調、ガンマ補正等のうち必要なデジタル信号処理を施し、液晶パネル17に供給して表示させる。デジタル信号処理部15が出力した画像信号は、CPU23にも供給される。
【0056】
(d)圧縮記録処理
また、デジタル信号処理部15は、A/D変換部14からのデジタルの画像信号を、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の所定の圧縮符号化方式で圧縮する。そして、その結果、得られる圧縮されたデジタルの画像信号を、記録デバイス19に供給して記録させる。
【0057】
(e)再生処理
さらに、デジタル信号処理部15は、記録デバイス19に記録された圧縮された画像データを伸張し、その結果得られる画像データを液晶パネル17に供給して表示させる。
【0058】
(f)ライブビュー画像の表示処理
デジタル信号処理部15は、A/D変換部14からの動画像データを、液晶パネル17に供給し、これにより液晶パネル17では、撮像範囲内にある被写体を撮像したライブビュー画像(動画像)が表示される。このライブビュー画像は、ユーザが、所望の静止画像を撮影するために、撮像範囲や画角、被写体の状態などを視認するためのものである。このため、ライブビュー画像の画質は、記録デバイス19に記録される静止画(写真)ほどには求められない。このため、撮像処理の迅速化及び容易化の観点から、ライブビュー画像には、記録される静止画と比べてデータ密度を落とし、信号処理も簡素化した動画像が用いられる。
【0059】
その他、デジタル信号処理部15は、CPU23の制御に基づいて、フォーカス制御に用いるAF枠(マルチAF枠、スポットAF枠等)の画像を生成し、当該AF枠を液晶パネル17に表示させる。
【0060】
上述したように、本実施の形態に係る撮像装置10では、撮像素子12によって撮像された画像上にAF枠が設定され、そのAF枠の内部の画像に基づいてフォーカスが制御される。このAF機能では、AF枠を、液晶パネル17に表示された画像上の任意の位置に設定することができるようになっている。さらに、例えば、液晶パネル17と一体的に構成されたタッチパネル16に対する操作だけで、その位置やサイズ等の制御を行うことができるようになっている。
【0061】
上記のようにして、撮像部6により撮像された動画像(ライブビュー画像)が液晶パネル17に表示されているときに、ユーザは、撮像装置10を所望の被写体に向けてカメラアングルを定めて、撮影する。この撮影時には、一般には、ユーザが操作部24に対して所定の操作(例えば、シャッターボタンの押下)を行うことで、撮像装置10に対して撮影動作を指示する。このユーザ操作に応じて、操作部24からレリーズ信号がCPU23に供給される。レリーズ信号がCPU23に供給されると、CPU23は、デジタル信号処理部15を制御し、A/D変換部14からデジタル信号処理部15に供給された画像データを圧縮させ、この圧縮された画像データを記録デバイス19に記録させる。以降、これらの処理を「撮影・記録処理」と呼ぶ。上述した撮像装置10の動作のうち、信号処理部7における信号処理(c)と、デジタル信号処理部15における画像データ圧縮処理及び記録デバイス19における記録処理(d)が、本実施の形態に係る「撮影・記録処理」に相当する。
【0062】
[撮像方法]
次に、図5、図6及び図7〜図9を参照して、撮像装置10における撮像方法について詳細に説明する。図5A、図5Bはそれぞれ、撮像装置10における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図6は、撮像装置10における撮像動作例を示すフローチャートである。図7は、図6に示すステップS14(スポットAF/AE制御中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。図8は、図6に示すステップS15(マルチAF/AE制御中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。図9は、図6に示すステップS16(撮影・記録動作中)における制御部1の処理例を示すフローチャートである。
【0063】
なお、図5A,図5Bにおいて、説明の便宜上2つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103内に対して垂直な領域内にあるが、2つの手指41が同一のスポットAF検波枠103内に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。以降の説明では、スポットAF検波枠とスポットAE検波枠を総称してスポットAF/AE検波枠103と称し、またマルチAF検波枠とマルチAE検波枠を総称してマルチAF/AE検波枠104と称することもある。
【0064】
図6のフローチャートにおける撮影方法を説明する。まず、通常モード(ステップS11)においてユーザが撮像装置10のタッチパネル16上に手指41を移動させ、その表面に近接させる。すると、制御部1の主制御部2e(図3参照)は手指41とタッチパネル16との距離がL1以内になった時点でその旨を検出し(ステップS12)、その手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を、ユーザが指定したxy座標と判断する。
【0065】
このとき、モード設定部2aは、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105内に対して垂直な領域内か、又はマルチAF検出エリア106内に対して垂直な領域内であるかを判定する(ステップS13)。図5Aのように、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、スポットAF/AE制御を行う(ステップS14)。一方、図5Bのように、検出されたxy座標がマルチAF検出エリア106に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、マルチAF/AE制御を行う(ステップS16)。そして、検出されたxy座標がその他の領域、例えばマルチAF検出エリア106より外側であるような場合、通常モードであるステップS11へ移行する。
【0066】
図7のフローチャートを参照し、ステップS14(図6参照)のスポットAF/AE制御の詳細について説明する。ステップS14へ移行直後、主制御部2e(撮像制御部)、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、検出された座標を中心とした狭い領域に対するスポットAF/AEの動作を行う(ステップS101)。やがてスポットAF/AEのロック状態(合焦/露光処理が完了した状態)になったら、表示制御部2dは、デジタル信号処理部15を制御して、ロック状態になったことを示すスポットAF/AE検波枠103を液晶パネル17上に表示する(ステップS102)。その後、待機状態へ移行する(ステップS103)。
【0067】
ステップS101、ステップS102、ステップS103の処理のいずれかにおいて、ユーザが手指41を現在のスポットAF/AE検波枠103の領域に対して垂直方向の空間から外に移動させていないか監視する(ステップS104)。手指41が現在のスポットAF/AE検波枠103の領域に対して垂直方向の空間から外に移動した場合、主制御部2eは、移動した後の手指41の位置をタッチパネル16に垂直投影した座標を、ユーザが再指定したxy座標と判断する。そして、スポットAF/AE制御の一連の動作を、同座標を中心とした狭い領域に対して再度行う。
【0068】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をさらにタッチパネル16に近接させ、その距離がL2(L1よりも短い)以内になったとする(ステップS15)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS18)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS11の通常モードに戻る。
【0069】
図8のフローチャートを参照し、ステップS16(図6参照)のマルチAF/AE制御の詳細について説明する。ステップS16へ移行直後、主制御部2e(撮像制御部)、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、画面100の中心を基準としたマルチAF/AEの動作を行う(ステップS111)。やがてマルチAF/AEのロック状態(合焦/露光処理が完了した状態)になったら、表示制御部2dは、デジタル信号処理部15を制御して、ロック状態になったことを示す複数のマルチAF/AE検波枠104を液晶パネル17上に表示する(ステップS112)。その後、待機状態へ移行する(ステップS113)。
【0070】
マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をさらにタッチパネル16に近接させ、その距離がL2(L1よりも短い)以内になったとする(ステップS17)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS18)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS11の通常モードに戻る。
【0071】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をスポットAF検出エリア105に対して垂直方向の空間から外側、すなわちマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間内に移動させた場合を想定する(ステップS19)。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、マルチAF/AE制御を行うステップS16へ移行する。
【0072】
逆に、マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間から内側、すなわちスポットAF検出エリア105に対して垂直方向の空間内に移動させた場合を想定する(ステップS20)。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、スポットAF/AE制御を行うステップS14へ移行する。
【0073】
また、ステップS16において、ユーザが手指41をマルチAF検出エリア106に対して垂直方向の空間から外側に移動させた場合を想定する(ステップS21)。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する。
【0074】
スポットAF/AE制御を行うステップS14において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L1よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する(ステップS22)。
【0075】
同様に、マルチAF/AE制御を行うステップS16において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L1よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS11へ移行する(ステップS23)。
【0076】
続いて、図9のフローチャートを参照し、ステップS18(図6参照)の撮影・記録動作の詳細について説明する。
まず、ステップS18の撮影・記録動作状態に移行したとき、主制御部2eは、ステップS18に移行する前段階の制御モードを確認する(ステップS120)。このとき制御モードがステップS14のスポットAF/AE制御である場合、スポットAF/AEロックが完了しているか確認する(ステップS121)。スポットAF/AEロックが完了していれば、主制御部2eは、ただちに撮影・記録処理を行う(ステップS123)。一方、スポットAF/AEロックが完了していなければ、主制御部2e、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、スポットAF/AE動作を行う(ステップS124)。そして、スポットAF/AEロックが完了次第、ステップS123へ移行して撮影・記録処理を行う。
【0077】
また、このとき制御モードがステップS16のマルチAF/AE制御である場合、マルチAF/AEロックが完了しているか確認する(ステップS122)。マルチAF/AEロックが完了していれば、主制御部2eは、ただちに撮影・記録処理を行う(ステップS123)。一方、マルチAF/AEロックが完了していなければ、主制御部2e、AF領域設定部2b(又はAE領域設定部2c)は、マルチAF/AE動作を行い(ステップS124)、マルチAF/AEロックが完了次第、ステップS123へ移行して撮影・記録処理を行う。
【0078】
上述した第1の実施の形態によれば、カメラ等における、スポットAF/AEやマルチAF/AEといった撮影前段階の光学系の処理からカメラの撮影・記録処理までを、タッチパネルの検出面とユーザの手指との距離に応じて指示することができる。それゆえ、従来のフォトリフレクタや光センサを用いた場合と比較して、手指を検出可能な範囲が限定されず、また、タッチスクリーンの特定のアイコンが表示された狭い領域に限定されることもない。したがって、カメラの撮影前段階の光学系の処理から撮影・記録処理までを、タッチスクリーンに対する広範囲かつ非接触な操作により可能とすることができ、直観的な操作性を保ちつつ撮影時の手振れの影響を軽減する入力装置を提供することができる。
【0079】
このように本実施の形態では、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、ユーザがシームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0080】
なお、本実施の形態では、関連する2つの機能を実行する例を説明したが、例えば異なる3つの距離と関連する3つの機能をそれぞれ対応づけて設定することにより、シームレスな操作により関連する3つの機能を実行することもできる。
【0081】
<2.第2の実施の形態>
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置及び撮像方法について説明する。第1の実施の形態は撮像装置10のタッチパネル16と手指41との距離に関して2つの距離を設定した例であるが、第2の実施の形態はタッチパネル16と手指41との距離に関して3つの距離を設定した例である。第2の実施の形態においては、入力操作の対象は第1の実施の形態に係る撮像装置10を想定しており、以下では、第2の実施の形態と第1の実施の形態との相違点、すなわち第2の実施の形態の特徴を中心に説明する。
【0082】
図10A,図10Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図11は、本実施の形態に係る撮像装置における撮像動作例を示すフローチャートである。なお、図10A,図10Bにおいて、説明の便宜上、一人のユーザの操作を表す3つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内に位置するよう記載している。しかし、3つの手指41が同一のスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。
【0083】
図11のフローチャートにおける撮影方法を説明する。図11に示すステップS31〜ステップS41の処理は、第1の実施の形態で説明したステップS11〜ステップS21(図6参照)の処理とそれぞれ同じであるため、これらの説明については省略する。
【0084】
スポットAF/AE制御を行うステップS34において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L3よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、スポットAF/AE動作の中断もしくはスポットAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0085】
同様に、マルチAF/AE制御を行うステップS43において、ユーザが手指41をタッチパネル16に対し距離L3よりも遠い距離に移動したとする。この場合、モード設定部2aは、マルチAF/AE動作の中断もしくはマルチAF/AEロックの解除を行い、通常モードであるステップS31へ移行する(ステップS43)。
【0086】
上述した第2の実施の形態では、ユーザの手指41とタッチパネル16との距離がL3≧L1となるよう設定する。すなわち、スポットAF/AE制御のステップに移行するための、ユーザの手指41とタッチパネル16との距離L1よりも、スポットAF/AE制御を解除して通常モードに戻るための距離L3を大きく設定し、両者の間にヒステリシスを持たせている。マルチAF/AE制御に関しても同様である。
【0087】
既述の第1の実施の形態では、スポットAF/AE制御のステップに移行する際のユーザの手指41の動揺などにより、ユーザの意図しないところでスポットAF/AE制御のステップと通常モード間の移行が発生してしまう可能性がある。これに対し、第2の実施の形態では、図10に示すようなヒステリシスを考慮した操作指示形態にすることにより、このような誤操作の発生を防ぐことができる。マルチAF/AE制御に関しても同様である。
【0088】
第2の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、シームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0089】
<3.第3の実施の形態>
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置及び撮像方法について説明する。第1及び第2の実施の形態では、ユーザが撮影・記録処理を指示すべくタッチパネルに手指を近接させるようにしている。これに対し、第3の実施の形態は、ユーザが手指をタッチパネルに近接させた後、手指をタッチパネルから遠ざける動作をトリガーとして撮影・記録処理を行う例である。第3の実施の形態においては、入力操作の対象は第1の実施の形態に係る撮像装置10を想定しており、以下では、第3の実施の形態と第1の実施の形態との相違点、すなわち第3の実施の形態の特徴を中心に説明する。
【0090】
図12A,図12Bはそれぞれ、本実施の形態に係る撮像装置における撮影時の入力操作例を示す説明図であり、図13は、本実施の形態に係る撮像装置における撮像動作例を示すフローチャートである。なお、図12A,図12Bにおいて、説明の便宜上、一人のユーザの操作を表す2つの手指41はそれぞれ、異なるスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内に位置するように記載している。しかし、2つの手指41が同一のスポットAF検波枠103の領域に対して垂直な領域内で移動してもよいことは勿論である。
【0091】
図13のフローチャートにおける撮影方法を説明する。図13に示すステップS51,S53,S54,S56,S58,S59〜S61の処理は、第1の実施の形態で説明したステップS11,S13,S14,S16,S18,S19〜S21(図6参照)の処理とそれぞれ同じであるため、これらの説明については省略する。
【0092】
まず、通常モード(ステップS51)においてユーザが撮像装置10のタッチパネル16上に手指41を移動させ、その表面に近接させる。すると、制御部1の主制御部2e(図3参照)は手指41とタッチパネル16との距離がL1以内になった時点でその旨を検出し(ステップS52)、その手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を、ユーザが指定したxy座標と判断する。
【0093】
このとき、モード設定部2aは、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105内に対して垂直な領域内か、又はマルチAF検出エリア106内に対して垂直な領域内であるかを判定する(ステップS53)。図12Aのように、検出されたxy座標がスポットAF検出エリア105に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、スポットAF/AE制御を行う(ステップS54)。一方、図12Bのように、検出されたxy座標がマルチAF検出エリア106に対して垂直な領域内であれば、モード設定部2aは、マルチAF/AE制御を行う(ステップS56)。そして、検出されたxy座標がその他の領域、例えばマルチAF検出エリア106より外側であるような場合、通常モードであるステップS51へ移行する
【0094】
スポットAF/AE制御を行うステップS54において、ユーザが手指41をタッチパネル16から遠ざけ、その距離がL2(L1より長い)以上になったとする(ステップS55)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS58)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS51の通常モードに戻る。なお、ステップS54において、第1及び第2の実施の形態におけるステップS22,S42に相当する処理は存在しない。
【0095】
一方、マルチAF/AE制御を行うステップS56において、ユーザが手指41をタッチパネル16から遠ざけ、その距離がL2(L1より長い)以上になったとする(ステップS57)。この場合、主制御部2eは、撮影・記録動作のステップに移行する(ステップS58)。撮影・記録動作が終了後、例えばステップS51の通常モードに戻る。なお、ステップS57において、第1及び第2の実施の形態におけるステップS23,S43に相当する処理は存在しない。
【0096】
上述した第3の実施の形態では、スポットAF/AE制御又はマルチAF/AE制御のステップに移行するためにユーザが手指41をタッチパネル16に近接させた後、手指41をタッチパネル16から遠ざける動作をトリガーとして撮影・記録処理を行う。第1及び第2の実施の形態では、ユーザが撮影・記録処理を指示すべくタッチパネル16に手指41を近接させようとする際、誤って手指41をタッチパネル16に接触させてしまい、撮影・記録処理の瞬間に撮像装置10が物理的動揺を受けてしまう可能性がある。これに対し、第2の実施の形態では、手指41を遠ざける動作をトリガーとする操作指示形態にすることにより、このような誤操作の発生を防ぐことができる。
【0097】
第3の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、シームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0098】
以上、機能構成として静電容量方式のタッチパネルを備えた撮像装置による、広範囲かつ非接触なユーザ操作を利用して手振れの影響を受けずに自動フォーカス走査や自動露出調整、キャプチャ動作等を行うための、3つの実施の形態について説明した。続いて、上記の機能構成を備えた撮像装置を応用した実施の形態例についても紹介する。
【0099】
<4.第4の実施の形態>
撮像装置においては一般に、撮影・記録処理によって記録された静止画データをユーザが閲覧するための再生機能が併せて搭載される。静止画データ再生機能として代表されるモードの一つが一枚画再生モードであり、記録デバイスに記録されている静止画データのうち一つを拡大して表示部に表示するモードである。
【0100】
静止画データが複数存在する場合、ユーザが操作部を介して撮像装置に指示を与え、撮像装置はその指示に対応して、その都度表示部に対して更新処理、再表示を行う。記録デバイスへ複数の静止画データが格納される場合、その順序はJPEGなどの圧縮符号化方式によって一意に決定され、ユーザの操作指示によって画像が再表示されていく順序もこれに準ずる。以降、順方向に画像を再表示させる操作を「画送り」、逆方向に画像を再表示させる操作を「画戻し」と呼ぶ。画送りも画戻しもユーザが一回操作指示を行うたびに一枚ずつ更新していく方式が最も一般的である。しかし、記録デバイスが大容量化していき、記録されている静止画データ数が大量に増加した場合、上記の一回のユーザ操作で一枚分の画送り又は画戻ししかできない操作形態では、目的とする静止画データにたどり着くまでに時間・手間を要するようになり、不便さが増してくる。
【0101】
そのため、ユーザが操作部を「押す」などの単発的動作ではなく、撮像装置に対して連続的に指示を与え続けられ、かつ高速に画送り、画戻しが実現できるような操作形態を提供することが重要である。またその際に画送り、画戻しのスピードを可変できる操作形態であることが望ましい。そこで以下では、機能構成として静電容量方式のタッチパネルを備えた撮像装置を応用して、画送り及び画戻しの操作指示を連続的かつ速度可変に実現するための実施の形態(第4の実施の形態)について述べる。
【0102】
第4の実施の形態に係るハードウェア構成については図1及び図3を参照して説明する。また、本実施の形態に係る撮像装置10における再生の画送りの操作例を図14A、図14B、画戻しの操作例を示すイメージ図を図15A、図15Bに示す。ユーザが静止画データ再生機能を利用しようとするとき、制御部1は、モード設定部2aにより、撮像装置10のモードを一枚画再生モードに設定する。当該一枚画再生モードにおいて、デジタル信号処理部15は、CPU23(主制御部2e)の制御に基づいて、記録デバイス19に記録された圧縮された画像データをRAM27内に読み出す。そして、RAM27上で伸張処理を実施し、その結果得られる画像データを表示部である液晶パネル17に供給し、液晶パネル17内の静止画データ表示枠107内に表示させる。このとき、液晶パネル17の画面100には、表示制御部2dの制御に基づいて、画送りシンボル108及び画戻しシンボル109(ソフトキー)が、静止画データ表示枠107と並行して表示されている。
【0103】
次に、画送り操作の具体的な実施例について説明する。まず、ユーザが手指41を画送りシンボル108に対して垂直な空間にかざした場合を想定する。この場合、図14Aに示すように手指41とタッチパネル16との距離が一定の距離L4よりも短くなった時点で、主制御部2eはその手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を検出する。主制御部2eはユーザによって画送り指示がなされたと判断し、デジタル信号処理部15を制御して画送り処理を行う。すなわち、CPU23の制御に基づいて画送り処理が行われ、静止画データ表示枠107内の画像データを更新して再表示する。
【0104】
ユーザが画送りシンボル108に対して垂直な空間上に手指41をかざす動作を継続していれば、主制御部2eはユーザが連続的に画送りを指示し続けていると解釈し、画送り処理を継続的に行う。手指41が画送りシンボル108に対して垂直な空間上に保たれ、かつタッチパネル16との距離が一定の場合、主制御部2eが画送りを行う速度は一定であり、静止画データ表示枠107内の表示は、一定の速度で更新され続ける。
【0105】
ユーザが手指41を、画送りシンボル108に対して垂直な空間上で距離L4から遠ざけると、主制御部2eは画送り処理を停止する。静止画データ表示枠107内には、画送りが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。反対に、図14Bに示すように、ユーザが手指41を、距離L5(<L4)になるまでタッチパネル16に近接させた場合、主制御部2eは、図12Aに示す状態よりも速い速度で画送り処理を継続的に行う。その結果として、静止画データ表示枠107内の表示は、より速い一定の速度で更新され続ける。
【0106】
図16は、手指41とタッチパネル16との距離と、撮像装置10による画送り継続処理速度の関係の一例を示す特性図である。手指41とタッチパネル16との距離がL4よりも短ければ、画送りシンボル108に対して垂直な空間上にある限り、主制御部2eは画送り処理を継続的に行う。逆に、手指41が画送りシンボル108に対して垂直な空間から外れた場合、主制御部2eは画送り処理を停止する。このとき静止画データ表示枠107内には、画送りが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。
【0107】
続いて、画戻し操作の具体的な実施例について説明する。まず、ユーザが手指41を画戻しシンボル109に対して垂直な空間にかざした場合を想定する。この場合、図15Aに示すように手指41とタッチパネル16との距離が一定の距離L4よりも短くなった時点で、主制御部2eはその手指41の位置をタッチパネル16に垂直に投影した座標を検出する。主制御部2eはユーザによって画戻し指示がなされたと判断し、デジタル信号処理部15を制御して画戻し処理を行う。すなわち、CPU23の制御に基づいて画戻し処理が行われ、静止画データ表示枠107内の画像データを更新して再表示する。
【0108】
ユーザが画戻しシンボル109に対して垂直な空間上に手指41をかざす動作を継続していれば、主制御部2eはユーザが連続的に画戻しを指示し続けていると解釈し、画戻し処理を継続的に行う。手指41が画戻しシンボル109に対して垂直な空間上に保たれ、かつタッチパネル16との距離が一定の場合、主制御部2eが画戻しを行う速度は一定であり、静止画データ表示枠107内の表示は、一定の速度で更新され続ける。
【0109】
ユーザが手指41を、画戻しシンボル109に対して垂直な空間上で距離L4から遠ざけると、主制御部2eは画戻し処理を停止する。静止画データ表示枠107内には、画戻しが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。反対に、図15Bに示すように、ユーザが手指41を、距離L5(<L4)になるまでタッチパネル16に近接させた場合、主制御部2eは図15Aに示す状態よりも速い速度で画戻し処理を継続的に行う。その結果として、静止画データ表示枠107内の表示は、より速い一定の速度で更新され続ける。
【0110】
手指41とタッチパネル16との距離と、撮像装置10による画戻し継続処理速度の関係は、画送りの場合と同様に、例えば図16に示すような特性図で表される。手指41とタッチパネル16との距離がL4よりも短ければ、画戻しシンボル109に対して垂直な空間上にある限り、主制御部2eは画戻し処理を継続的に行う。逆に、手指41が画戻しシンボル109に対して垂直な空間から外れた場合、主制御部2eは画戻し処理を停止する。このとき静止画データ表示枠107内には、画戻しが終了した時点で読み出されている静止画データが、アクティブなものとして表示される。
【0111】
上述の第4の実施の形態により、撮像装置の一枚画再生モードにおいて、連続的かつ速度可変な画送り及び画戻しが可能となる。それゆえ、大容量記録デバイス下で静止画データ数が大量に存在する場合においても、目標の画像データに効率よく到達できる操作性を確保することができる。
【0112】
第4の実施の形態は、上記の他、第1の実施の形態と同様の作用・効果を奏し、タッチパネルの検出面から手指までの距離と対応づけて機能(動作)を設定することにより、ユーザがシームレスな操作で関連する2つの機能(動作)を指示することができる。
【0113】
また応用例として、大容量の記録デバイスにおいても、一枚画再生モードにおいて連続的かつ速度可変な再生画切り替えを可能とすることにより、目標の画像データに効率よく到達できる入力装置を提供することができる。また、一枚画再生モードに限らず、複数枚の静止画データの画送りや画戻し、動画データの再生及びその速度調整の操作指示などにも応用できる。さらに、本発明のシームレスな操作方法を利用することにより、ユーザは制御対象に対して関連する任意の2つ以上の機能(動作)の実行を指示することができる。
【0114】
なお、上述した実施の形態例における一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることができるが、ハードウェアにより実行することもできる。また、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体(例えば、記録デバイス19)を、撮像装置(入力装置)に供給してもよい。また、その装置が備えるコンピュータ(またはCPU等の制御装置)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、目的の機能が実現されることは言うまでもない。
【0115】
この場合のプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0116】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0117】
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
【0118】
以上、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、応用例を取り得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0119】
1…制御部、2…制御プログラム、2a…モード設定部、2b…AF領域設定部、2c…AE領域設定部、2d…表示制御部、2e…主制御部、3…操作入力部、4…記憶部、5…表示部、6…撮像部、7…信号処理部、8…入力装置、10…撮像装置、12…撮像素子、15…デジタル信号処理部、16…タッチパネル、17…液晶パネル、18…タッチスクリーン、19…記録デバイス、23…CPU、24…操作部、25…EEPROM、26…プログラムROM、27…RAM、41…手指、100…画面、101…AF領域、102…AF検波可能枠、103…スポットAF枠(スポットAF枠)、104…マルチAF枠(マルチAF枠)、105…スポットAF検出エリア、106…マルチAF検出エリア、107…静止画データ表示枠、108…画送りシンボル、109…画戻しシンボル、L1〜L5…距離
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示体から検出面までの距離に応じた信号を出力する検出部と、
前記検出部の出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる制御部と、
を備える入力装置。
【請求項2】
前記指示体が前記検出面に近接して第1の距離から第2の距離へと移動する場合において、
前記制御部は、前記指示体から前記検出面までの距離が第1の距離になったとき第1の機能を制御対象に実行させ、続いて前記指示体から前記検出面までの距離が第2の距離になったとき第2の機能を制御対象に実行させる
請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
第1の機能は、撮影の前段階における光学系の制御処理に関する機能であり、
第2の機能は、第1の機能である光学系の制御処理が終了後に撮像素子から出力される画像信号を記録手段に記録する撮影・記録処理に関する機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
第1の機能は、自動合焦機能又は自動露出調整機能である
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
第1の機能は、単一領域についての自動合焦機能又は自動露出調整機能であり、
第2の機能は、複数領域についての自動合焦機能又は自動露出調整機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項6】
第1の機能は、画像データを再生する機能であり、
第2の機能は、第1の機能により再生されている画像データの再生速度を変更する機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項7】
入力装置が備える検出部により、指示体から該検出部の検出面までの距離に応じた信号を出力するステップと、
入力装置が備える制御部により、前記検出部の出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させるステップと、を含む
入力方法。
【請求項8】
コンピュータを、
指示体から検出部の検出面までの距離に応じた信号を出力する手段と、
前記出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
指示体から検出面までの距離に応じた信号を出力する検出部と、
前記検出部の出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる制御部と、
を備える入力装置。
【請求項2】
前記指示体が前記検出面に近接して第1の距離から第2の距離へと移動する場合において、
前記制御部は、前記指示体から前記検出面までの距離が第1の距離になったとき第1の機能を制御対象に実行させ、続いて前記指示体から前記検出面までの距離が第2の距離になったとき第2の機能を制御対象に実行させる
請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
第1の機能は、撮影の前段階における光学系の制御処理に関する機能であり、
第2の機能は、第1の機能である光学系の制御処理が終了後に撮像素子から出力される画像信号を記録手段に記録する撮影・記録処理に関する機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
第1の機能は、自動合焦機能又は自動露出調整機能である
請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
第1の機能は、単一領域についての自動合焦機能又は自動露出調整機能であり、
第2の機能は、複数領域についての自動合焦機能又は自動露出調整機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項6】
第1の機能は、画像データを再生する機能であり、
第2の機能は、第1の機能により再生されている画像データの再生速度を変更する機能である
請求項2に記載の入力装置。
【請求項7】
入力装置が備える検出部により、指示体から該検出部の検出面までの距離に応じた信号を出力するステップと、
入力装置が備える制御部により、前記検出部の出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させるステップと、を含む
入力方法。
【請求項8】
コンピュータを、
指示体から検出部の検出面までの距離に応じた信号を出力する手段と、
前記出力に基づき前記指示体から前記検出面までの距離を検出し、該距離に応じて、第1の機能と、該第1の機能に続いて該第1の機能と関連する第2の機能を制御対象に実行させる手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図13】
【図16】
【図5】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図13】
【図16】
【図5】
【図10】
【図12】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−104994(P2012−104994A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250791(P2010−250791)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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