説明

入力装置および入力方法

【課題】1つの指示部による操作を検出する装置であって、誤入力を抑制しながら1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用できる入力装置を提供する。
【解決手段】第一の操作を検出する手段と、前記第一の操作に伴って発生する前記第一の操作とは異なる事象を第二の操作として検出する手段とを備え、前記第二の操作として検出した情報が誤入力かどうかを判定し、前記第一の操作および前記第二の操作を確定する。これにより、複数の入力動作を1つの指示部で使い分けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報機器で用いられるタッチパネルなどの入力装置および入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などに、タッチパネルやタッチパッドなどボタンのような押下操作以外で機器を操作する入力装置が広く利用されるようになっている。これらの入力装置はユーザの接触位置を座標として検出・利用するものであり、ボタンよりも細かな操作を可能としている。
【0003】
前記座標入力装置として接触による静電容量の変化を検出する静電容量式センサがある。静電容量式センサは接触面積の中心付近を座標として検出するため、たとえば選択・決定操作として一般的な、入力面を指で叩くように操作するタップ操作をした場合、指の接触面積の変化により検出座標が一定とはならず、タップ操作ではなく指の移動操作として検出されるなどの誤検知が発生する。このような前記座標検出装置を単体で利用した場合の課題を解決する手段として、複数のセンサを用いた入力装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−179872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された方法は、スタイラスペンと指による接触操作を同じ入力面に対して行うことが可能な方法であるが、細かな操作はスタイラスペン、大まかな操作は指、と指示部を操作に応じて変更しなければならず、かつスタイラスペンと指の2つの指示部が同時に接触したときに誤動作してしまうという問題を有していた。また、両方のセンサが物理的に重なっている必要があるため、たとえば携帯端末など薄くする必要のある端末では特許文献1記載の入力装置では厚くなってしまうという問題を有していた。
【0006】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、1つの指示部による操作を検出する装置であって、第一の操作を検出する入力手段と、前記第一の操作に伴って発生する前記第一の入力手段で検出できる事象とは異なる事象を第二の操作として検出する手段とを備えたことにより、誤入力を抑制しながら1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用できる入力装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の入力装置は、第一の操作を検出する第一情報入力部と、前記第一の操作に伴って発生する前記第一情報入力部で検出できる事象とは異なる事象を第二の操作として検出する第二情報入力部と、前記第二情報入力部で検出した情報を解析する第二情報解析部と、前記第二情報解析部の出力が前記第二の操作を有効とする領域で操作したものかを判定する誤入力判定部と、前記誤入力判定部で前記第二の操作を有効とする領域で操作されたと判定された前記第二情報解析部の出力が前記第二の操作と合致するかを判定する第二情報操作判定部と、前記第一情報入力部の出力と前記第二情報操作判定部の出力から検出した操作を選択する入力制御部と、前記入力制御部からの情報を用い検出した操作に応答して処理を行う応用処理部とを備えた構成を有する。
【0008】
この構成により、誤入力を抑制しながら1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用することができる。
【0009】
また、本発明の入力装置は、前記第二情報解析部からの入力データを解析し操作部位を特定し、前記特定した操作部位が前記第二の操作を有効とする領域かどうかを判定することを特徴とする前記誤入力判定部を備えた構成を有する。
【0010】
この構成により、前記第二の操作として検出する操作部位を限定することで、誤入力を抑制することができる。
【0011】
また、本発明の入力装置は、前記第二情報解析部の出力を前記第二の操作と比較し、前前記第二情報解析部の出力と前記第二の操作との類似性から前記第二の操作の有無を判定することを特徴とする前記第二情報操作判定部を備えた構成を有する。
【0012】
この構成により、前記第二情報入力部の出力が前記第二の操作であるかを判定することができる。
【0013】
また、本発明の入力装置は、前記第二の操作の有無を判定し、前記第二の操作ありと判定した場合に前記第二の操作を前記応用処理部に通知し、前記第二の操作なしと判定した場合に前記第一の操作の有無を判定し、前記第一の操作ありと判定した場合に前記第一の操作を前記応用処理部に通知することを特徴とする前記入力制御部を備えた構成を有する。
【0014】
この構成により、前記第一の操作と前記第二の操作を区別して利用することができる。
【0015】
また、本発明の入力装置は、前記第二情報入力部の感度を調整する第二情報入力制御部をさらに備え、前記第一の操作の有無により前記第二情報入力制御部に第二情報入力部の感度調整を指示することを特徴とする前記入力制御部を備えた構成を有する。
【0016】
この構成より、前記第一情報入力部が有効である場合は前記第一の操作を検出中と判断し、前記第二の操作とは異なる情報により誤って前記第二の操作を検出することを抑制することができる。
【0017】
また、本発明の入力装置は、前記第一情報入力部の有効状態かどうかを判定し、前記第一情報入力部が有効の場合に前記第二情報入力部の感度を低下するように調整し、前記第一情報入力部が無効の場合に前記第二情報入力部の感度を復帰させることを特徴とする前記第二情報入力制御部を備えた構成を有する。
【0018】
この構成により、前記第一の操作検出中は前記第二の操作を外的要因のノイズにより誤検出することを抑制することができる。
【0019】
また、本発明の入力装置は、前記第二情報入力部の感度を調整する第二情報入力制御部をさらに備え、前記第一情報入力部の変化を検出し前記第二情報入力制御部に通知し、前記第二情報入力制御部が、前記入力制御部から通知された前記第一の操作の変化に基づいて前記第二情報入力部の有効化および無効化を制御することを特徴とする前記入力制御部を備えた構成を有する。
【0020】
この構成により、前記第二の操作と前記第一の操作が時間的に関係する場合に、前記第一の操作の変化を利用することで、誤って前記第二の操作を検出することを抑制することができる。
【0021】
また、本発明の入力装置は、前記第一の操作の変化を検出し、前記第一の操作の変化なしと判定した場合に操作なしと判定し、前記第一の操作の変化ありと判定した場合に前記第二情報入力部に前記第二情報入力部の有効化要求を通知することを特徴とする前記入力制御部を備えた構成を有する。
【0022】
この構成により、前記第一の操作の検出完了後に前記第二の操作の検出を開始することができる。
【0023】
また、本発明の入力装置は、前記入力制御部からの前記第二情報入力部の有効化要求の通知があったかどうかを判定し、前記有効化要求有無要求があると判定した場合に前記第二情報入力部を有効化および前記第二情報入力部の有効化時間を制限する有効化タイマ起動し、前記有効化要求有無要求がないと判定した場合に前記有効化タイマが終了しているかを判定し、前記有効化タイマが終了していると判定した場合に前記第二情報入力部を無効化することを特徴とする前記第二情報入力制御部を備えた構成を有する。
【0024】
この構成により、前記第二の操作と前記第一の操作が時間的に関係する場合に、前記第一の操作の変化を利用して一定時間のみ前記第二の操作を検出することで、誤って前記第二の操作を検出することを抑制することができる。
【0025】
本発明の入力方法は、第一の操作を検出する第一情報入力ステップと、前記第一の操作に伴って発生する前記第一情報入力部で検出できる事象とは異なる事象を第二の操作として検出する第二情報入力ステップと、前記第二情報入力ステップで検出した情報を解析する第二情報解析ステップと、前記第二情報解析ステップの出力が前記第二の操作を有効とする領域で操作したものかを判定する誤入力判定ステップと、前記誤入力判定ステップで前記第二の操作を有効とする領域で操作されたと判定された前記第二情報解析ステップの結果が前記第二の操作と合致するかを判定する第二情報操作判定ステップと、前記第一情報入力ステップの出力と前記第二情報操作判定ステップの出力から検出した操作を選択する入力制御ステップと、前記入力制御ステップからの情報を用い検出した操作に応答して処理を行う応用処理ステップとを備えた構成を有する。
【0026】
この構成により、誤入力を抑制しながら1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の入力装置によれば、入力装置の小型化を図りながら、1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出することができ、かつ誤入力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第一の操作と第二の操作の一例を示す図
【図2】本発明の第一情報入力部301と第二情報入力部302の配置例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る入力装置の構成を示すブロック図
【図4】第二の操作で検出できる情報の一例を示す図
【図5】本発明の誤入力判定部304のフローチャート
【図6】本発明の第二情報操作判定部305のフローチャート
【図7】本発明の実施の形態1および実施の形態2に係る入力制御部306のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態2に係る入力装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2に係る第二情報入力制御部801のフローチャート
【図10】本発明の実施の形態3に係る入力装置の構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態3に係る入力制御部1001のフローチャート
【図12】本発明の実施の形態3に係る第二情報入力制御部1002のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態では第一の操作を静電式タッチパネルなどによる座標入力、第二の操作を接触時に発生する音での入力として記載するが、本発明では第一の操作と第二の操作とをそれぞれ座標入力と音入力に限るものではない。また、第二の操作を1種類に限るものではない。
【0030】
実施の形態の説明で用いる第一の操作と第二の操作を図1に示す。指示部101と操作面102を用いて操作を行う。ここでは、指示部101は指、操作面102はタッチパネルの入力面である。第一の操作は、指示部101で操作面102を押下やなぞる操作であり、指示部101が接触している座標を第一情報として検出する。第二の操作は指示部101の先で操作面102をたたく操作であり、前記第一の操作のような座標入力とは独立して発生する接触音を第二情報として検出する。例えば、前記第二の操作を決定操作やタップ操作として利用する。
【0031】
図1に示す前記第一の操作および前記第二の操作を検出するための入力装置201の外観を図2に示す。入力装置201は前記第一の操作を検出するタッチパネル202、および前記第二の操作を検出するマイク203を備える。操作面102はタッチパネル202であり、タッチパネル202を指で押下やなぞると第一の操作、タッチパネル202を指先でたたくと第二の操作として検出する。なお、入力装置201の形状、タッチパネル202およびマイク203の位置関係は図2に示すものに限るものではない。
(実施の形態1)
図3は本発明の第1の実施形態における入力装置300の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図3に示す入力装置300は、第一情報入力部301、第二情報入力部302、第二情報解析部303、誤入力判定部304、第二情報操作判定部305、入力制御部306、応用処理部307を備える。
【0033】
第一情報入力部301は、第一の操作を検出する。例えば、タッチパネル202を用いることで接触座標を第一の操作として検出する。
【0034】
第二情報入力部302は、第二の操作を検出する。例えは、マイク203を用いることで接触音を第二の操作として検出する。
【0035】
第二情報解析部303は、第二情報入力部302が検出した情報を解析し、後述する誤入力判定や第二情報操作判定を行うための情報を抽出する。例えば、検出した音情報の周波数成分を分析することで操作の特徴量を抽出する。
【0036】
誤入力判定部304は、第二情報解析部303で求めた特徴量から、検出した前記第二情報が操作面102で入力された情報かどうかを判定する。図4(a)〜図4(d)は前記第二の操作を異なる材質の操作面で実施した場合の音の波形の例であり、材質が異なることで検出できる情報が変化する。図4から、あらかじめ操作面102の特徴量を保持しておくことで、検出した音の特徴量、例えば周波数成分の構成などから操作面を特定する。
【0037】
第二情報操作判定部305は、誤入力判定部304の結果が操作面102であると判定した場合、第二情報解析部303が抽出した特徴量があらかじめ保持している前記第二の操作の特徴量と比較することで前記第二の操作が行われたかどうかを判定する。なお、前記第二の操作は第二情報入力部302から得られる情報を用いて行う操作であるため、第二情報解析部303で複数の操作の特徴量を保持しておくことで前記第二の操作を複数検出することも可能である。
【0038】
入力制御部306は、第一情報入力部301の出力と第二情報操作判定部305の出力からユーザの操作を選択する。
【0039】
応用処理部307は、入力制御部306が選択した前記第一の操作または前記第二の操作の通知を受け、処理を行う。例えば、応用処理部307が写真ビューアであり、前記第一の操作の通知を受けた場合は画面のスクロールを行い、前記第二の操作の通知を受けた場合は写真の選択を行う。
【0040】
次に、上記構成の入力装置300の動作について説明する。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施形態における入力装置300の誤入力判定部304の動作を示すフローチャートである。
【0042】
誤入力判定部304は、第二情報解析部303からの入力データから操作部位を特定する(ステップS501)。誤入力判定部304が保持している操作面102での操作の特徴量と前記入力データとを比較し、前記第二の操作を可能とする操作面102での操作と判定した場合(ステップS502のYes)、前記第二の操作の可能性ありと判定する(ステップS503)。一方、操作面102での操作ではないと判定した場合(ステップS502のNo)、前記第二の操作ではないと判定する(ステップS504)。
【0043】
図6は、本発明の第1の実施形態における入力装置300の第二情報操作判定部305の動作を示すフローチャートである。
【0044】
第二情報操作判定部305は、誤入力判定部304の結果、前記第二の操作の可能性ありと判定された入力データについて、第二情報操作判定部305が保持している前記第二の操作の特徴量と前記入力データとを比較する(ステップS601)。比較の結果、類似性があると判定した場合(ステップS602のYes)、前記第二の操作と判定する(ステップS603)。一方、比較の結果、類似性がないと判断した場合(ステップS602のNo)、前記第二の操作ではないと判定する(ステップS604)。
【0045】
図7は、本発明の第1の実施形態における入力装置300の入力制御部306の動作を示すフローチャートである。
【0046】
入力制御部306は、第一情報入力部301および第二情報操作判定部305からのデータを受け取り、前記第二の操作ありと判定した場合(ステップS701のYes)、前記第二の操作を応用処理部307に通知する(ステップS702)。一方、前記第二の操作なしと判定し(ステップS701のNo)、かつ前記第一の操作ありと判定した場合(ステップS703のYes)、前記第一の操作を応用処理部307に通知する(ステップS704)。さらに、前記第一の操作なしと判定した場合(ステップS703のNo)、操作なしと判定し応答処理部307には何も通知しない(ステップS705)。なお、本実施形態の入力制御部306は前記第二の操作を前記第一の操作よりも優先する処理としたが、本発明では前記第一の操作と前記第二の操作の優先度を限定するものではない。
【0047】
このような本実施形態の入力装置300によれば、操作面102以外で発生した第二情報を誤入力として破棄しながら、同一の操作面102において1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用することができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施形態における入力装置の概略構成を示すブロック図である。図8に示す入力装置800は、第1の実施形態の入力装置300と比較して、第二情報入力制御部801が追加されている点が異なる。図8に示す入力装置800において、図3で示した入力装置300と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0048】
第二情報入力制御部801は、前記第一の操作の有無により第二情報入力部302の感度を調整する。前記第一の操作と前記第二の操作が同時に発生しない場合、前記第一の操作を検出中は第二情報入力部302の感度を低下させることで、外的要因のノイズを誤って前記第二の操作として検出することを抑制する。例えば、前記第一の操作が指示部101で操作面102をなぞる操作であり、前記第二の操作が指示部101で操作面102をたたく操作の場合、なぞる操作中にたたく操作は発生しないので、なぞる操作を検出中はたたき音を検出する能力を低下させることで前記第二の操作の誤検出を抑制する。一方、なぞる操作を検出していなければたたく操作が発生する可能性があるためたたき音を検出する能力の低下を復帰させることで、前記第二の操作を検出可能とする。
【0049】
次に、上記構成の入力装置800の動作について説明する。
【0050】
図9は、本発明の第2の実施形態における入力装置800の第二情報入力制御部801の動作を示すフローチャートである。
【0051】
第二情報入力制御部801は、第一情報入力部301の状態を監視し、前記第一の操作を検出していると判定した場合(ステップS901のYes)、前記第二の操作を外的要因のノイズにより誤って検出しないために第二情報入力部302の感度を低下させるよう調整する(ステップS902)。一方、前記第一の操作を検出していないと判定した場合(ステップS903)、前記第二の操作を検出できるよう第二情報入力部の感度を復帰させる。
【0052】
このような本実施形態の入力装置800によれば、前記第一の操作検出中は前記第二の操作を外的要因のノイズにより誤検出することを抑制することができる。
(実施の形態3)
図10は、本発明の第3の実施形態における入力装置の概略構成を示すブロック図である。図10に示す入力装置1000は、第1の実施形態の入力装置300と比較して、入力制御部306が入力制御部1001に置換されている点、および第二情報入力制御部1001が追加されている点が異なる。図10に示す入力装置1000において、図3で示した入力装置300と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0053】
入力制御部1001は、第一情報入力部301からの情報から前記第一の操作に変化があるかどうかを検出し、変化がある場合に第二情報制御部1002に第二情報入力部有効化要求を通知する。例えば、例えば、前記第一の操作が指示部101で操作面102をなぞる操作であり、前記第二の操作が指示部101で操作面102をたたく操作の場合、かつ前記たたく操作が前記なぞる操作の直後に頻繁に発生する場合、第二情報入力部302は前記第二の操作を検出する期間を前記第一の操作の後のみにすることができる。そのため、入力制御部1001は、なぞる操作検出中から検出終了、例えば指示部101が操作面102から離れたことを検出することを前記第一の操作の変化として検出する。
【0054】
第二情報入力制御部1002は、入力制御部1001から前記第二情報入力部有効化要求の通知を受け、第二情報入力部302を一定時間有効にする。
【0055】
次に、上記構成の入力装置1000の動作について説明する。
【0056】
図11は、本発明の第3の実施形態における入力装置1000の入力制御部1001の動作を示すフローチャートである。
【0057】
入力制御部1001は、第一情報入力部301および第二情報操作判定部305からのデータを受け取り、前記第二の操作ありと判定した場合(ステップS701のYes)、前記第二の操作を応用処理部307に通知する(ステップS702)。一方、前記第二の操作なしと判定し(ステップS701のNo)、かつ前記第一の操作ありと判定した場合(ステップS703のYes)、前記第一の操作を応用処理部307に通知する(ステップS704)。さらに、前記第一の操作なしと判定した場合(ステップS703のNo)、かつ前記第一の操作の変化を検出していない場合(ステップS1101のNo)、操作なしと判定し応答処理部307には何も通知しない(ステップS705)。一方、前記第一の操作の変化を検出した場合(ステップS1101のYes)、第二情報入力制御部1002に対して第二情報入力部有効化要求を通知する(ステップS1102)。
【0058】
図12は、本発明の第3の実施形態における入力装置1000の第二情報入力制御部1002の動作を示すフローチャートである。
【0059】
第二情報入力制御部1002は、入力制御部1001から前記第二情報入力部有効化要求の通知を受けていた場合(ステップS1201のYes)、第二情報入力部302を有効とし(ステップS1202)、第二情報入力部302を有効とする期間を計測する有効化タイマを起動する(ステップS1203)。一方、前記第二情報入力部有効化要求の通知を受けていない場合(ステップS1201のNo)、有効化タイマが終了しているかどうかを確認し、有効化タイマが終了している場合(ステップS1204のYes)、第二情報入力部を無効化する(ステップS1205)。一方、有効化タイマが終了していない場合(ステップS1204のNo)、何もせず処理を終了する。
【0060】
このような本実施形態の入力装置1000によれば、操作面102以外で発生した第二情報を誤入力として破棄しながら、同一の操作面102において1つの指示部の複数の入力動作の違いを検出し利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の入力装置によれば、入力装置の小型化を図りながら、1つの指示部の入力動作の違いを検出することができ、かつ誤入力を抑制することができるため、小型・薄型化が求められ、複雑な入力操作が必要となる携帯電話やPDA等の電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0062】
101 指示部
102 操作面
201 本発明の入力装置
202 第一情報入力部
203 第二情報入力部
300 実施の形態1に係る入力装置
301 第一情報入力部
302 第二情報入力部
303 第二情報解析部
304 誤入力判定部
305 第二情報操作判定部
306 実施の形態1および実施の形態2に係る入力制御部
307 応用処理部
800 実施の形態2に係る入力装置
801 実施の形態2に係る第二情報入力制御部
1000 実施の形態3に係る入力装置
1001 実施の形態3に係る入力制御部
1002 実施の形態3に係る第二情報入力制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の操作を検出する第一情報入力部と、
前記第一の操作に伴って発生する前記第一情報入力部で検出できる事象とは異なる事象を第二の操作として検出する第二情報入力部と、
前記第二情報入力部で検出した情報を解析する第二情報解析部と、
前記第二情報解析部の出力が前記第二の操作を有効とする領域で操作したものかを判定する誤入力判定部と、
前記誤入力判定部で前記第二の操作を有効とする領域で操作されたと判定された前記第二情報解析部の出力が前記第二の操作と合致するかを判定する第二情報操作判定部と、
前記第一情報入力部の出力と前記第二情報操作判定部の出力から検出した操作を選択する入力制御部と、
前記入力制御部からの情報を用い検出した操作に応答して処理を行う応用処理部と、
を備えた入力装置。
【請求項2】
前記誤入力判定部は、前記第二情報解析部からの入力データを解析し操作部位を特定し、前記特定した操作部位が前記第二の操作を有効とする領域かどうかを判定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記第二情報操作判定部は、前記第二情報解析部の出力を前記第二の操作と比較し、前前記第二情報解析部の出力と前記第二の操作との類似性から前記第二の操作の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力制御部は、前記第二の操作の有無を判定し、前記第二の操作ありと判定した場合に前記第二の操作を前記応用処理部に通知し、前記第二の操作なしと判定した場合に前記第一の操作の有無を判定し、前記第一の操作ありと判定した場合に前記第一の操作を前記応用処理部に通知することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項5】
前記第二情報入力部の感度を調整する第二情報入力制御部をさらに備え、
前記入力制御部が、前記第一の操作の有無により前記第二情報入力制御部に第二情報入力部の感度調整を指示することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項6】
前記第二情報入力制御部が前記第一情報入力部の有効状態かどうかを判定し、前記第一情報入力部が有効の場合に前記第二情報入力部の感度を低下するように調整し、前記第一情報入力部が無効の場合に前記第二情報入力部の感度を復帰させることを特徴とする請求項5記載の入力装置。
【請求項7】
前記第二情報入力部の感度を調整する第二情報入力制御部をさらに備え、
前記入力制御部が、前記第一情報入力部の変化を検出し前記第二情報入力制御部に通知し、
前記第二情報入力制御部が、前記入力制御部から通知された前記第一の操作の変化に基づいて前記第二情報入力部の有効化および無効化を制御することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項8】
前記入力制御部は、前記第一の操作の変化を検出し、前記第一の操作の変化なしと判定した場合に操作なしと判定し、前記第一の操作の変化ありと判定した場合に前記第二情報入力部に前記第二情報入力部の有効化要求を通知することを特徴とする請求項7記載の入力装置。
【請求項9】
前記第二情報入力制御部は、前記入力制御部からの前記第二情報入力部の有効化要求の通知があったかどうかを判定し、前記有効化要求有無要求があると判定した場合に前記第二情報入力部を有効化および前記第二情報入力部の有効化時間を制限する有効化タイマ起動し、前記有効化要求有無要求がないと判定した場合に前記有効化タイマが終了しているかを判定し、前記有効化タイマが終了していると判定した場合に前記第二情報入力部を無効化することを特徴とする請求項7記載の入力装置。
【請求項10】
第一の操作を検出する第一情報入力ステップと、
前記第一の操作に伴って発生する前記第一情報入力部で検出できる事象とは異なる事象を第二の操作として検出する第二情報入力ステップと、
前記第二情報入力ステップで検出した情報を解析する第二情報解析ステップと、
前記第二情報解析ステップの出力が前記第二の操作を有効とする領域で操作したものかを判定する誤入力判定ステップと、
前記誤入力判定ステップで前記第二の操作を有効とする領域で操作されたと判定された前記第二情報解析ステップの結果が前記第二の操作と合致するかを判定する第二情報操作判定ステップと、
前記第一情報入力ステップの出力と前記第二情報操作判定ステップの出力から検出した操作を選択する入力制御ステップと、
前記入力制御ステップからの情報を用い検出した操作に応答して処理を行う応用処理ステップと、
を備えた入力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−123581(P2011−123581A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279163(P2009−279163)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】