説明

入力装置

【課題】ユーザが操作ボタンの配置を自由に変更することが可能な入力装置を提供する。
【解決手段】 入力装置本体の上面部に取付けられて移動自在な複数の操作ボタン5と、操作ボタン5のそれぞれの下方に設けられて操作ボタン5の押下により当該操作ボタン5に接触可能な複数の接触部13と、操作ボタン5が押下されて接触部13に接触した際の接触状態に応じて操作ボタン5毎に異なる電気信号を発生する信号発生手段と、前記電気信号に基づいて各操作ボタン5を認識する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に係り、特に操作ボタンを複数備える入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入力装置の一つとして、テレビジョン受信装置を遠隔操作するために使用されるリモートコントローラ(以下、「リモコン」とする)が知られている。一般に、リモコンの操作面には複数の操作ボタンが配置されており、リモコンの内部には操作ボタンが押下されているか否かを検出する検出手段と、当該検出手段の検出結果に基づいて赤外線を所定の方向に向けて送信する発光手段と、が備えられている。このようなリモコンにおいては、各操作ボタンをユーザが押下して操作指示を入力するので、被操作物であるテレビジョン受信機の機能の複雑化に伴い、操作ボタンを多数備えることが必要となっている。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のリモコンのように、操作面に操作ボタンと切り替えスイッチとを設けることにより、一つの操作ボタンに複数の操作機能を備えさせる技術が開発されている。係るリモコンによれば、操作ボタンを多数備えてリモコンを大型化させることなく、その操作性を向上させるようになっている。
【0004】
また、操作ボタンが増加して煩雑になることによってリモコンの利便性が損なわれないように、いわゆる学習リモコンのような、ユーザ自らが各操作ボタンにソフトウェア的なボタン設定を行うことを可能とするものがある。
【特許文献1】特開平9−134248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の入力装置においては、予め機能が決定されている操作ボタン自体の配置は製造の際に決定されるものであり、ユーザの所望の配置に変更させることができないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ユーザが操作ボタンの配置を自由に変更することが可能な入力装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力装置において、
入力装置本体の上面部に矩形状に形成され、その隣り合う二つの縁部の側面にはガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二つの縁部の側面にはガイド凸部が設けられた開口部と、
前記開口部の内側に取付けられて移動自在であり、矩形状に形成されてその下面には識別用端子が備えられるとともに、隣り合う二辺の側面には前記ガイド凸部がスライド自在に係合される凹溝部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二辺の側面には前記ガイド凹部及び前記凹溝部がスライド自在に係合される凸部が設けられた操作ボタンと、
前記操作ボタンの下方に備えられ、前記操作ボタンの押下によって前記識別用端子が接触される可変抵抗の抵抗体と当該入力装置の電源をON/OFF制御する電源スイッチとを有する複数の接触部と、
前記操作ボタンのうちの一つであって、前記接触部に取付けられている際に前記電源スイッチを押下して前記入力装置本体に着脱自在な電源ボタンと、
前記識別用端子の前記抵抗体への接触箇所は前記操作ボタン毎に異なっており、前記識
別用端子と前記抵抗体との接触状態に応じて前記操作ボタン毎に異なる電気信号を発生させる信号発生手段と、
前記電気信号に基づいて前記各操作ボタンを認識する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、入力装置において、
入力装置本体の上面部に取付けられて移動自在な複数の操作ボタンと、
前記操作ボタンのそれぞれの下方に設けられ、前記操作ボタンの押下により当該操作ボタンに接触可能な複数の接触部と、
前記操作ボタンが押下されて前記接触部に接触した際の接触状態に応じて前記操作ボタン毎に異なる電気信号を発生する信号発生手段と、
前記電気信号に基づいて前記各操作ボタンを認識する制御部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の入力装置において、
前記信号発生手段は、前記操作ボタンの下面に備えられた識別用端子と、前記接触部の上面に備えられた可変抵抗の抵抗体と、を備え、
前記識別用端子は前記操作ボタンの押下によって前記可変抵抗の所定の箇所に接触し、その接触箇所は前記操作ボタン毎に異なっていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の入力装置において、
前記操作ボタンは矩形状であり、その隣り合う二辺の側面には長手方向の一端部から他端部に渡って凹溝部が設けられているとともに他の二辺の側面には前記凹溝部にスライド自在に係合される凸部が設けられており、
前記入力装置本体の上面部にはその下方に前記接触部が配列される矩形の開口部が形成されており、前記開口部を形成する縁部であって隣り合う二つの縁部の側面には前記凸部がスライド自在に係合されるガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられるとともに他の二つの縁部の側面には前記凹溝部にスライド自在に係合されるガイド凸部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載の入力装置において、
前記接触部には当該入力装置の電源をON/OFF制御する前記電源スイッチがそれぞれ備えられており、前記操作ボタンのうちの一つは前記入力装置本体に取付けられている際に前記電源スイッチを押下する電源ボタンであり、前記電源ボタンは前記入力装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、入力装置に取付けられた操作ボタンをユーザが押下すると、操作ボタンの識別用端子が接触部の抵抗体に接触し、信号発生手段がその接触状態に応じて操作ボタン毎に異なる電気信号を発生させる。そして、制御部はその電気信号に基づいて各操作ボタンを認識する。従って、制御部は開口部での操作ボタンの配置に関わらずその認識が可能であり、操作ボタンを任意の接触部の上方に位置させることができ、ユーザは操作ボタンの配置を自由に変更して入力装置を使用することが可能である。
【0013】
また、操作ボタンは各辺の側面の凸部及び凹溝部を互いに係合させているので、同一平面においてスライド自在となっている。また、入力装置本体の開口部を形成する縁部であって隣り合う二つの縁部の側面には凸部がスライド自在に係合されるガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二つの縁部の側面には凹溝部にスライド自在に係合されるガイド凸部が設けられているので、入力装置本体に操作ボタンをスライド自在に取付けることが可能である。また、操作ボタンの配置変更を「15パズル」の要領で行うことにより、入力装置にゲーム性が備えられ、ユーザが入力装置の操作ボタンの配
置変更を楽しみながら行うことが可能である。
【0014】
さらに、電源ボタンを入力装置本体に取付けると、電源ボタンは電源スイッチを押下して入力装置の電源をONにすると同時に「15パズル」の止め具としても機能する。一方、操作ボタンの配置変更の際には、電源ボタンを取り外して入力装置全体の電源をOFFにして、操作ボタンの配置変更の際に入力装置の誤動作を防ぎかつ安全に行うことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、入力装置に取付けられた操作ボタンをユーザが押下すると、操作ボタンが接触部に接触し、信号発生手段がその接触状態に応じた電気信号を発生させる。そして、制御部はその電気信号に基づいて各操作ボタンを認識する。
【0016】
従って、制御部は開口部での操作ボタンの配置に関わらずその認識が可能であるので、操作ボタンを任意の接触部の上方に位置させることができ、ユーザは操作ボタンの配置を自由に変更して入力装置を使用することが可能である。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、各識別用端子が抵抗体の所定の位置に接触するので、可変抵抗の抵抗体は当該接触箇所に応じた抵抗値を示して、信号発生手段がその抵抗値に応じた電気信号を発生させる。ここで、識別用端子と抵抗体との接触箇所は操作ボタン毎に異なっているので、可変抵抗の示す抵抗値は各操作ボタンによって異なっている。従って、信号発生手段により発生される電気信号が各操作ボタンによって異なることとなり、制御部は当該電気信号の電圧値などを測定することにより容易に各操作ボタンを認識することが可能である。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、隣接する操作ボタンは各辺の側面の凸部及び凹溝部を互いに係合させているので、同一平面においてスライド自在となっている。また、入力装置本体の開口部を形成する縁部であって隣り合う二つの縁部の側面には凸部がスライド自在に係合されるガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二つの縁部の側面には凹溝部にスライド自在に係合されるガイド凸部が設けられているので、入力装置本体に操作ボタンをスライド自在に取付けることが可能である。
【0019】
従って、操作ボタン同士を係合させて入力装置本体に取付けつつ、操作ボタンの開口部における位置を変更させることが可能である。また、操作ボタンの位置を「15パズル」の要領で変更させることにより、入力装置にゲーム性が備えられ、ユーザが入力装置の操作ボタンの配置変更を楽しみながら行うことが可能である。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、電源ボタンを入力装置本体に取付けると、電源ボタンは電源スイッチを押下して入力装置の電源をONにすると同時に「15パズル」の止め具としても機能する。一方、操作ボタンの配置変更の際には、電源ボタンを取り外して入力装置全体の電源をOFFにして、操作ボタンの配置変更の際に入力装置の誤動作を防ぎかつ安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係る入力装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0022】
本実施形態の入力装置は、例えば、図1に示すような、テレビジョン受信装置を遠隔操作するために使用されるリモコン1である。リモコン1には、その外面を被覆する入力装置本体としての筐体2が備えられている。筐体2の一側面には、赤外線を所定方向に向けて発信する発光部3(図6参照)が備えられている。
【0023】
図2に示すように、筐体2の上面部には、平面視矩形状の開口部4が形成されている。開口部4を形成する縁部のうち上側と左側の縁部の側面には、開口部4の内側に向けて突
出するガイド凸部4aが、長手方向の一端部から他端部に渡って設けられている。また、開口部4の下側と右側の縁部の側面には、開口部4の外側に向けて突出するガイド凹部4bが、長手方向の一端部から他端部に渡ってかつガイド凸部4aに対向する位置に設けられている。
【0024】
開口部4の内側には、例えば、ユーザにより押下操作される24個の操作ボタン5…が、6行×4列となるように配列されている。図3に示すように、操作ボタン5には、上面が矩形状に形成された平板部6が設けられている。平板部6の上辺と左辺の側面には、ガイド凸部4aにスライド自在に係合する凹溝部7が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられている。また、平板部6の下辺と右辺の側面には、ガイド凹部4b及び凹溝部7にスライド自在に係合する凸部8が設けられている。従って、隣接する操作ボタン5はそれぞれの凸部8と凹溝部7とを互いに係合させて、同一平面上に隙間無く並べられるようになっている。また、開口部4の上側と左側の縁部の側面に接する操作ボタン5は、それぞれの凹溝部7をガイド凸部4aに係合させ、一方、開口部4の下側と左側の縁部の側面に接する操作ボタン5はそれぞれの凸部8をガイド凹部4bに係合させて、全ての操作ボタン5が筐体2にスライド自在に保持されるようになっている(図2参照)。
【0025】
図4に示すように、平板部6には、平面視矩形状であり上下方向に開口する孔部6aが形成されている。孔部6aの内側には、その上面に各操作ボタン5の番号や記号などが表示される押下部9が備えられている。押下部9は可撓性であり、ユーザが操作ボタン5を押下した際には下方に撓むようになっている。押下部9の下方には、下方に向けて径が小さくなるように突出して形成されたテーパ部10が、押下部9の変形に対応して上下方向に移動自在に備えられている。
【0026】
図3に示すように、テーパ部10の底面には、導電性素材からなる識別用端子11が、テーパ部10の中心点から円周方向に向けて延在するように設けられている。ここで、識別用端子11のテーパ部10に対する取付け位置はテーパ部10の下面の中心点と円周上の一点を結ぶ位置であり、当該円周上の一点は各操作ボタン5によって異なっている。
【0027】
図1に示すように、左下の操作ボタン5は、リモコン1の電源をON/OFFさせる電源ボタン12である。電源ボタン12は、平面視円形状で弾性素材からなり、その円周方向に向けて付勢されるようなっている。電源ボタン12は上側及び右側の隣接する操作ボタン5の側面と開口部4の左側及び下側の縁部の側面とに圧接されて、操作ボタン5のスライドを止める止め具としても機能するようになっている。また、図4に示すように、電源ボタン12の下面には、下方に突出する突起部12aが設けられている。
【0028】
図5に示すように、開口部4の内側であってその上面には、全ての操作ボタン5に対向する接触部13…が備えられている。各接触部13の上面には、巻き線抵抗等の可変抵抗の抵抗体14が、テーパ部10の底面の円周に沿うように円弧状に湾曲して設けられている。図6に示すように、抵抗体14の左端は接地されており、抵抗体14の任意の箇所に端子が接続すると、当該端子の接触箇所から左端までの距離に応じた抵抗値で電流を流すようになっている。
【0029】
接触部13の上面であってその中央には、識別用端子11に対向する中央端子15が備えられている。中央端子15には所定の電圧を印加する電源16が接続されており、中央端子15と電源16との間には所定の抵抗値を示すプルアップ抵抗17が備えられている。また、図7に示すように、中央端子15には、印加される電圧値を測定するマイコン18が接続されている。
【0030】
ここで、本実施形態における信号発生手段は、電源16、プルアップ抵抗17、中央端子15、マイコン18、識別用端子11及び抵抗体14からなり、図8に示すような識別
用端子11が中央端子15と抵抗体14とに接触してこれらが導通された際には、図9に示す抵抗体14に電流が流れ、マイコン18は抵抗体14の抵抗値に応じた電圧値を測定するようになっている。
【0031】
接触部13の右下部には、電源ボタン12の突起部12aにより押下されてリモコン1全体の電源をONにする電源スイッチ19が突出されている。本実施形態においては、各接触部13に電源スイッチ19が備えられていることとしたが、所望のタイミングでリモコン1の電源を切ることができればよく、リモコン1に別途電源スイッチを備えることとしても良い。
【0032】
次に、図10を用いて、リモコン1の電気的な制御構成について説明する。
【0033】
リモコン1には、発光部3、電源16、電源スイッチ19、マイコン18などに電気的に接続されるとともにこれらを制御する制御部21が設けられている。制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAM(いずれも図示せず)からなり、ROMに記録された処理プログラムをRAMに展開してCPUによりこの処理プログラムを実行するものである。
【0034】
制御部21は、電源スイッチ19が電源ボタン12の突起部12aにより押下されている際には、リモコン1の電源をONにして、電源16により所定の電圧を印加させるように制御している。そして、マイコン18により中央端子15に印加される電圧値を検出するように制御している。さらに、制御部21は、マイコン18の検出結果に基づいて変調された赤外線を、発光部3により発信させるように制御している。
【0035】
次に、リモコン1の操作ボタン5の配置変更の方法について説明する。
【0036】
はじめに、電源ボタン12を両側から押圧して内部の弾性部材を撓ませつつ、電源ボタン12を筐体2から取り外す。すると、電源ボタン12の突起部12aは電源スイッチ19から離れて電源スイッチ19を押下しなくなり、リモコン1の電源がOFFになるので、制御部21は電源16による電圧の印加を停止させる。このようにして一旦リモコン1全体の電源を切ってから、ユーザは操作ボタン5の配置を変更する。
【0037】
操作ボタン5の配置変更の際には、操作ボタン5同士は互いの凸部8と凹溝部7とを係合させているので、平面方向においてスライド自在であり、止め具としての電源ボタン12を取り外すことにより開口部4に操作ボタン5が一つずつスライド可能なスペースが確保される。つまり、いわゆる「15パズル」の要領で操作ボタン5を移動させることにより、操作ボタン5の配置を変更させる。ここで、開口部4の縁部に接する操作ボタン5の凸部8及び凹溝部7は、開口部4のガイド凹部4b及びガイド凸部4aに係合しているので、操作ボタン5がリモコン1本体から外れることはない。
【0038】
このようにして操作ボタン5を所望の配置に変更させてから、操作ボタン5が配置されていない接触部13に電源ボタン12を取付ける(図11参照)。すると、電源ボタン12が操作ボタン5の側面又は開口部4の縁部に圧接して操作ボタン5の位置が固定されるとともに、電源ボタン12の突起部12aが接触部13の電源スイッチ19を押下するので、制御部21は電源16により再び所定の電圧を印加させる。
【0039】
次に、リモコン1を用いた入力操作方法について説明する。
【0040】
まず、ユーザが操作ボタン5を押下すると、押下部9を介してテーパ部10に圧力が付与されて、テーパ部10が下方向に移動する。すると、テーパ部10の下面に備えられた識別用端子11が接触部13に接触する。ここで、接触部13の中央端子15には、識別用端子11の中心点側の端部が接触する。また、接触部13の抵抗体14には識別用端子11の円周側の端部が接触する。
【0041】
識別用端子11が接触部13に接触すると、識別用端子11が中央端子15と抵抗体14とを導通させるので、電源16からの電流は抵抗体14側に流れる。ここで、各操作ボタン5によって識別用端子11の取付け位置が異なるので、識別用端子11が抵抗体14に接触する箇所が異なり、抵抗体14の抵抗値は各操作ボタン5によって異なることとなる。
【0042】
そして、マイコン18の検出する電圧値はプルアップ抵抗17と可変抵抗とによって分圧された値であり、抵抗体14と識別用端子11とからなる可変抵抗の示す抵抗値は各操作ボタン5によって異なるので、制御部21はマイコン18の検出した電圧値に応じて各操作ボタン5を認識する。制御部21は各操作ボタン5を認識すると、それに応じて変調させた赤外線を発光部3により発信させる。
【0043】
このように、本実施形態に係るリモコン1によれば、識別用端子11と抵抗体14との接触により、制御部21は各操作ボタン5を認識することが可能である。そのため、操作ボタン5は任意の接触部13の上方に移動可能であり、ユーザは所望の配置で操作ボタン5をリモコン1に取付けて使用することが可能である。
【0044】
また、操作ボタン5同士を係合させて筐体2に取付けることが可能であり、かつ操作ボタン5は開口部4においてスライド自在とすることが可能である。また、操作ボタン5の配置変更を「15パズル」の要領で行うことにより、リモコン1にゲーム性が備えられ、ユーザが操作ボタン5の配置変更を楽しみながら行うことが可能である。
【0045】
さらに、操作ボタン5の配置変更の際には、電源スイッチ19によりリモコン1全体の電源をOFFにすることができ、操作ボタン5の配置変更の際にリモコン1の誤動作を防ぎかつ安全に行うことができる。そして、電源ボタン12を接触部13に取付けることにより、リモコン1本体の電源をONにするとともに、操作ボタン5がスライドすることを防止することが可能である。
【0046】
なお、本実施形態の操作ボタン5は「15パズル」の要領で移動することとしたが、操作ボタン5の移動方法は特に制限されない。従って、操作ボタンを接触部から取外し可能な構造として、任意の配置で取付けることにより入力装置を構成することとしても良い。
【0047】
また、本実施形態の入力装置はテレビジョン受信装置を遠隔操作するためのリモコンとしたが、複数の操作ボタンを備える入力装置であれば適用可能であり特に制限されない。
【0048】
さらに、本実施形態においては可変抵抗を用いて、マイコンの測定する電圧値により各操作ボタンを認識することとしたが、各操作ボタンの識別方法としては特に制限は無い。従って、操作ボタンの下面に複数のピンを配設して、当該ピンの配置や形状などに応じて電気信号を発生させることとしても良い。また、操作ボタンに各操作ボタンを識別するICを設けさせ、各ICに応じて電気信号を発生させることとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態に係るリモコンの平面図である。
【図2】図1におけるI−I部断面図である。
【図3】本実施形態に係る操作ボタンの平面図、側面図及び底面図である。
【図4】図1におけるII−II部断面図である。
【図5】本実施形態に係る筐体の平面図である。
【図6】本実施形態に係る接触部の平面図である。
【図7】本実施形態に係る接触部の電気回路図である。
【図8】本実施形態に係るテーパ部の底面図である。
【図9】本実施形態に係る操作ボタンの底面図である。
【図10】本実施形態に係るリモコンの制御構成図である。
【図11】本実施形態にかかるリモコンの平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 リモコン
2 筐体
4 開口部
4a ガイド凸部
4b ガイド凹部
5 操作ボタン
6 平板部
7 凹溝部
8 凸部
9 押下部
11 識別用端子
12 電源ボタン
12a 突起部
13 接触部
14 抵抗体
18 マイコン
19 電源スイッチ
21 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置本体の上面部に矩形状に形成され、その隣り合う二つの縁部の側面にはガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二つの縁部の側面にはガイド凸部が設けられた開口部と、
前記開口部の内側に取付けられて移動自在であり、矩形状に形成されてその下面には識別用端子が備えられるとともに、隣り合う二辺の側面には前記ガイド凸部がスライド自在に係合される凹溝部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられ、他の二辺の側面には前記ガイド凹部及び前記凹溝部がスライド自在に係合される凸部が設けられた操作ボタンと、
前記操作ボタンの下方に備えられ、前記操作ボタンの押下によって前記識別用端子が接触される可変抵抗の抵抗体と当該入力装置の電源をON/OFF制御する電源スイッチとを有する複数の接触部と、
前記操作ボタンのうちの一つであって、前記接触部に取付けられている際に前記電源スイッチを押下して前記入力装置本体に着脱自在な電源ボタンと、
前記識別用端子の前記抵抗体への接触箇所は前記操作ボタン毎に異なっており、前記識別用端子と前記抵抗体との接触状態に応じて前記操作ボタン毎に異なる電気信号を発生させる信号発生手段と、
前記電気信号に基づいて前記各操作ボタンを認識する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
入力装置本体の上面部に取付けられて移動自在な複数の操作ボタンと、
前記操作ボタンのそれぞれの下方に設けられ、前記操作ボタンの押下により当該操作ボタンに接触可能な複数の接触部と、
前記操作ボタンが押下されて前記接触部に接触した際の接触状態に応じて前記操作ボタン毎に異なる電気信号を発生する信号発生手段と、
前記電気信号に基づいて前記各操作ボタンを認識する制御部と、
を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項3】
前記信号発生手段は、前記操作ボタンの下面に備えられた識別用端子と、前記接触部の上面に備えられた可変抵抗の抵抗体と、を備え、
前記識別用端子は前記操作ボタンの押下によって前記可変抵抗の所定の箇所に接触し、その接触箇所は前記操作ボタン毎に異なっていることを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記操作ボタンは矩形状であり、その隣り合う二辺の側面には長手方向の一端部から他端部に渡って凹溝部が設けられているとともに他の二辺の側面には前記凹溝部にスライド自在に係合される凸部が設けられており、
前記入力装置本体の上面部にはその下方に前記接触部が配列される矩形の開口部が形成されており、前記開口部を形成する縁部であって隣り合う二つの縁部の側面には前記凸部がスライド自在に係合されるガイド凹部が長手方向の一端部から他端部に渡って設けられるとともに他の二つの縁部の側面には前記凹溝部にスライド自在に係合されるガイド凸部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記接触部には当該入力装置の電源をON/OFF制御する前記電源スイッチがそれぞれ備えられており、前記操作ボタンのうちの一つは前記入力装置本体に取付けられている際に前記電源スイッチを押下する電源ボタンであり、前記電源ボタンは前記入力装置本体に着脱自在であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−59074(P2007−59074A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−239805(P2005−239805)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】