説明

入力装置

【課題】 複数の区分領域に二値の出力を得る検知手段が設けられている入力装置において、操作体による操作位置を精度良く判別できるようにする。
【解決手段】 入力装置1は複数の区分領域A〜Hが輪状に並び、それぞれの区分領域にONまたはOFFを出力する検知手段6A〜6Hが設けられている。最初に検知信号(ON)を得た検知手段が位置する区分領域を基準区分領域として、この基準区分領域に基準係数を設定し、この基準係数から時計回りに順番に正の係数を割り当て、反時計回りに順番に負の係数を割り当てる。操作体が触れたときに、検知信号(ON)を得た検知手段が属する区分領域の係数の総和sと、検知信号(ON)が得られた検知手段6の数mとからd=s/mを演算し、このdが、操作体による操作位置と判別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知信号と非検知信号の二値の出力を得る検知手段を複数個用いて、操作体による操作位置の情報を、高精度に判別できるようにした入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指などの操作体で操作を行う入力装置としては、特許文献1に記載されているタッチパネルのように、操作体が触れた位置の座標を検知できるものや、特許文献2に記載されているように、検知信号(ON)と非検知信号(OFF)の二値の信号を出力する検知手段を並べて配置したものとがある。
【0003】
前記タッチパネルは、特許文献1に記載されているように、操作体が接触している操作点に関する座標データが得られたときに、この座標データを用いて操作点の検出位置を補正する演算を行うことによって、操作点の座標上の位置を比較的精度良く得ることができる。しかし、前記タッチパネルは、パネル自体に複数のX電極とY電極が交叉して配置されるなど、その構造が複雑であり、また座標出力の検知回路も複雑である。したがって、操作体で図や文字を描いて入力する装置などには適しているが、例えば操作体をスライドさせて、そのスライド位置を検知する簡易的な入力装置として使用するには、機能が複雑すぎ価格も高すぎる。
【0004】
一方、特許文献2に記載のように、ONまたはOFFを出力するスイッチ接点を備えた検知手段が並べられた入力装置は、どの位置に操作体が触れたかを検知するのには有効であるが、操作しながら移動する操作体の位置を精度良く検知するのは難しい。
【0005】
また、特許文献2などに記載されている入力装置を使用し、例えば、隣り合う2つの検知手段が共にONとなったときに、操作体が2つの検知手段の中間の位置に有ると判断することは可能である。しかし、実際に入力装置の表面で指をスライドさせ、2つまたは3つ以上の検知手段が同時にONになったときに、操作体により正確な操作位置を判別することは難しい。
【特許文献1】特開2000−122801号公報
【特許文献2】特開2006−134609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、検知信号(ON)と非検知信号(OFF)の二値のいずれかを出力する検知手段を並べることで、操作体による操作位置および操作位置に移動状態を精度良く検知できる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、区画されて配列された複数の区分領域と、それぞれの区分領域が操作体で操作されたことを検知する検知信号を出力する検知手段と、区分領域ごとの前記検知手段からの出力に基づいて操作体の操作位置を判別する判別部が設けられた入力装置において、
前記判別部では、
少なくとも1つの区分領域の検知手段から検知信号が得られたときに、検知信号が得られた少なくとも1つの区分領域を基準区分領域として、この基準区分領域に基準係数を設定するとともに、
前記基準区分領域に並ぶそれぞれの区分領域に対して、前記基準区分領域の前記基準係数から数値の絶対値が徐々に大きくなる係数を割り当て、
検知手段から検知信号が得られている区分領域の前記係数の総和と、検知手段から検知信号が得られている区分領域の数とから、前記操作位置が判別されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の入力装置は、各区分領域にON−OFFを出力する検知手段を配列し、各区分領域に係数を割り当てることで、操作体の操作位置を確定することができる。
【0009】
そのために、本発明は、検知手段から検知信号が得られている区分領域の前記係数の総和を、検知手段から検知信号が得られている区分領域の数で除算することで、前記操作位置が判別される。
【0010】
例えば、本発明は、隣り合う区分領域に割り当てられる係数の差が均一となるように、前記基準区分領域から離れるにしたがって、順番に絶対値が大きくなるように係数が割り当てられる。
【0011】
隣り合う区分領域に割り振られる係数の差が均一であると、指などの操作体の操作位置の実際の移動距離と、判別した操作位置の移動距離を、一対一の感覚で把握することができる。ただし、本発明では、隣り合う区分領域間に割り当てられる係数の差が均一でなく、基準区分領域から離れるにしたがって、隣り合う区分領域間の係数の差の絶対値が徐々に大きくなったり、または徐々に小さくなってもよい。この場合、入力装置の上で操作体を移動するときの移動距離に対し、判別される操作位置の移動距離が加速されまたは減速されるなどして判別できるようになる。
【0012】
また、本発明では、基準区分領域から一方向に並ぶ区分領域に正の係数が割り当てられ、他方向へ向けて並ぶ区分領域に負の係数が割り当てられることが好ましい。
【0013】
基準区分領域から一方の側に並ぶ区分領域と他方の側に並ぶ区分領域とで、割り当てる係数に正負の区別を付しておくと、操作体を移動させるときのその移動方向を識別しやすくなる。
【0014】
また、本発明は、前記判別部では、
それぞれの区分領域における前記検知手段の出力を間欠的に監視する監視時間を設定し、監視時間内に得られた前記検知手段の出力に基づいて、前記操作位置が移動したと判別されたときには、
移動後の前記操作位置が存在する区分領域、または移動後の前記操作位置に最も近い位置の区分領域を新たな基準区分領域に設定し、この基準区分領域に基準係数を割り当て且つ各区分領域に割り当てる係数を更新して、その後の監視を行うものである。
【0015】
あるいは、本発明は、前記判別部では、
それぞれの区分領域における前記検知手段の出力を間欠的に監視する監視時間を設定し、監視時間内に得られた前記検知手段の出力に基づいて、前記操作位置が移動したと判別されたときには、
移動後の前記操作位置が存在する区分領域、または移動後の前記操作位置に最も近い位置にあり且つ直前に設定されていた基準区分領域の側に位置する区分領域を新たな基準区分領域に設定し、この基準区分領域に基準係数を割り当て且つ各区分領域に割り当てる係数を更新して、その後の監視を行うものである。
【0016】
監視時間ごとに、その時点で判別されている操作位置に基づいて、基準区分領域を移動させることにより、例えば、輪状に並ぶ区分領域上で操作体を連続的に移動させた場合であっても、その操作位置を正確に認識できる。
【0017】
また、本発明は、検知信号を検知した検知手段が属する区分領域と基準区分領域との距離が所定長よりも長いときには、その監視時間中に得られた検知信号を無視することが好ましい。
【0018】
前記の検知信号を無視することにより、操作位置が移動しているときに、その移動量が瞬間的に極端に移動するなどの検出不良の発生を防止できる。
また、本発明は、例えば、区分領域は、周回できるように配列しているものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の入力装置では、並んでいる複数の区分領域のそれぞれに、検知信号(ON)または非検知信号(OFF)を得る検知手段を設けたものにおいて、この入力装置上での操作体の操作位置を精度良く検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態の入力装置の機構部分を示す平面図、図2は図1の入力装置を、円弧状の断面線であるII−II線で切断した断面を直線的に展開して示す部分断面図である。図3は、前記入力装置の回路構成図である。
【0021】
図2に示すように、入力装置1は、硬質な基台2の上に絶縁基板3が設けられている。絶縁基板3は可撓性の合成樹脂フィルムであり、基台2の表面に接着固定されている。絶縁基板3の上には、一定の間隔を開けて複数の突条部4が形成されており、この突条部4の上に可撓性シート5が重ねられている。突条部4は、溶融樹脂を基台2の上に線状に塗布して硬化させることで形成されている。また、この突条部4は上方から加圧力を受けたときに変形できるものが好ましい。可撓性シート5は絶縁性の樹脂シートであり、PET、PPなどのオレフィン系樹脂フィルム、またはシリコーンゴムなどの絶縁性のゴムシートである。または、前記樹脂フィルムの上に前記ゴムシートが積層されたものである。可撓性シート5は、それぞれの突条部4の頂部に接着剤で接着固定されており、可撓性シート5と絶縁基板3とは接着固定されていない。
【0022】
図1に示すように、可撓性シート5は一定の幅寸法で輪形状に形成されており、それぞれの突条部4は、可撓性シート5の下において、輪形状の中心から半径方向へ延び、可撓性シート5を幅方向に横断して放射状に形成されている。
【0023】
絶縁基板3と可撓性シート5との間の空間は、突条部4と突条部4との間が区分領域として個別に区分されている。図1では、複数の区分領域をA,B,C,D,E,F,G,Hで示している。図1に示すように、区分領域は輪状に並んで配列しているため、区分領域Hは区分領域Aの隣に位置している。
【0024】
それぞれの区分領域A,B,C,D,E,F,G,Hには検知手段6が設けられている。区分領域Aに設けられた検知手段を6Aで示し、区分領域B,C,D,E,F,G,Hのそれぞれに設けられている検知手段を6B,6C,6D,6E,6F,6G,6Hで示している。それぞれの検知手段6では、絶縁基板3の上に下部電極7が設けられ、可撓性シート5の下面に、下部電極7に対向する上部電極8が設けられている。区分領域に圧力が作用していないときは、上部電極8が下部電極7から離れており、検知手段6の出力は非検知信号すなわちOFFである。指などの操作体9で可撓性シート5が押圧されると可撓性シート5が撓み、上部電極8と下部電極7とが接触して、検知手段6の出力が検知信号すなわちONに切り換わる。
【0025】
図2に示すように、それぞれの区分領域の半径方向の幅寸法および円周方向の長さ寸法は、操作体9である指との接触面の幅寸法よりも小さく、操作体9である指を可撓性シート5の表面に押し付けると、通常は、操作体9によって複数の区分領域の検知手段6から、同時に検知信号(ON)が出力されやすい。
【0026】
下部電極7と上部電極8は、銀やカーボンなどの導電性フィラーを含む熱可塑性樹脂で形成されている。絶縁基板3の上表面には、それぞれの下部電極7に導通する配線パターンが形成され、可撓性シート5の下表面には、それぞれの上部電極8に導通する配線パターンが形成されており、上部電極8が下部電極7に接触すると、絶縁基板3側の配線パターンと可撓性シート5側の配線パターンとが導通して検知手段6から検知信号(ON)が得られる。
【0027】
あるいは、それぞれの区分領域内において、絶縁基板3の上表面に一対の下部電極と、それぞれの下部電極に導通する配線パターンが形成され、可撓性シート5の下表面に、一対の下部電極の双方に対向する上部電極が設けられ、上部電極が一対の下部電極に接触したときに、一対の下部電極どうしが導通して検知信号(ON)が得られるものであってもよい。
【0028】
図3の回路ブロック図に示すように、それぞれの検知手段6は、検知信号(ON)と非検知信号(OFF)の二値の信号を出力するスイッチであり、それぞれの検知手段6の一方の電極に電源電圧Vccが印加され、他方の電極がスキャニング制御部11によって順番に設置電位に切り換えられる。いずれかの検知手段6において、電極間が閉じ、電流が流れたことがスキャニング制御部11で検知されると、その検知手段6の出力が検知信号(ON)として判別部12に与えられる。判別部12はCPUおよびメモリなどで構成されており、スキャニング制御部11から得られた各検知手段6の出力から、操作体9が、入力装置1のどの位置を操作しているかを判別する。
【0029】
この実施の形態では、スキャニング制御部11によって、検知手段6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,6Hの順でスキャニングが完了する時間が、1回の監視時間であり、この監視時間が一定の時間を空けて繰り返えされる。
【0030】
次に、前記入力装置1の判別部12で行われる判別動作を、図5に示すフローチャートおよび図6に示す表を用いて説明する。
【0031】
図5のフローチャートのステップS1では、判別部12が、スキャニング制御部11からの信号の入力を待機している。ステップS2において、ある監視時間に、区分領域A,B,C,D,E,F,G,Hのそれぞれに設けられた検知手段6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,6Hのいずれかから検知信号(ON)が得られると、ステップS3において、最初に検知信号(ON)が得られた1つの検知手段6が位置する区分領域が基準区分領域に設定される。図3に示すように、各検知手段は、6A,6B,6C,・・・の順に走査されるために、仮に複数の区分領域が操作体9で同時に押されて複数の検知手段6から同時に検知信号(ON)が出力されたとしても、この複数の検知手段6のうちのスキャニング制御部11によって先に走査された1つの検知手段が、最初に検知信号(ON)を出力する検知手段となり、この検知手段が属する区分領域が基準区分領域に設定される。
【0032】
ステップS3では、最初に検知信号(ON)が得られた1つの検知手段6が所属している区分領域を基準区分領域に設定するとともに、基準区分領域に基準係数(k0)を割り当てる。また、基準区分領域以外の他の区分領域に係数(+kまたは−k)を割り当てる。
【0033】
図6に示すように、この実施の形態では、ステップS2において、最初に検知信号(ON)を得たのが検知手段6Dであり、区分領域Dが基準区分領域に設定されている。よって、基準区分領域Dに基準係数(k0)が割り当てられ、基準区分領域Dから時計回り方向へ向けて順に並んでいる区分領域E,F,G,Hに対して、前記基準係数(k0)よりも絶対値が段階的に多くなる正の係数(+k)が割り当てられる。また、基準区分領域Dから反時計回り方向へ向けて順に並んでいる区分領域C,B,Aに対しては、前記基準係数(k0)よりも絶対値が段階的に多くなる負の係数(−k)が割り当てられる。
【0034】
この係数の割り当て方は、基準区分領域Dの基準係数(k0)とこれの時計方向側に隣接する区分領域Eの係数(+k)との差の絶対値、区分領域Eの係数(+k)と区分領域Fの係数(+k)との差の絶対値、区分領域Fの係数(+k)と区分領域Gの係数(+k)との差の絶対値、および区分領域Gの係数(+k)と区分領域Hの係数(+k)との差の絶対値が互いに等しくなるようにする。同様に、基準区分領域Dの基準係数(k0)とこれの反時計方向側に隣接する区分領域Cの係数(−k)との差の絶対値、区分領域Cの係数(−k)と区分領域Bの係数(−k)との差の絶対値、および区分領域Bの係数(−k)と区分領域Aの係数(−k)との差の絶対値が、それぞれ前記差の絶対値と等しくなるようにする。
【0035】
図6に示す例では、基準区分領域Dに割り当てられた基準係数(k0)が「0」である。基準区分領域D以外の各区分領域に割り当てられる係数(+k,−k)は、基準区分領域Dから離れるにしたがって絶対値が徐々に大きくなり、且つ隣り合う区分領域の係数の差の絶対値が「1」となるように設定されている。すなわち、区分領域Eに割り当てられる係数が「+1」、区分領域Fの係数が「+2」、区分領域Gの係数が「+3」、区分領域Hの係数が「+4」である。また、区分領域Cの係数が「−1」であり、区分領域Bの係数が「−2」、区分領域Aの係数が「−3」である。
【0036】
なお、隣り合う区分領域に割り当てられる係数の差の絶対値が「2」以上であってもよいし、または整数以外の数であってもよい。また、基準係数(k0)が「0」以外の数字であってもよい。
【0037】
さらに、隣り合う区分領域に割り当てられる係数の差の絶対値が、区分領域ごとに相違してもよい。例えば、基準区分領域Dの基準係数(k0)と区分領域Eの係数(+k)との差の絶対値よりも、区分領域Eの係数(+k)と区分領域Fの係数(+k)との差の絶対値の方が多く、さらに区分領域Fの係数(+k)と区分領域Gの係数(+k)との差の絶対値の方がさらに多くなるように、係数を割り当ててもよい。または、これとは逆に基準区分領域Dから離れるにしたがって、隣り合う区分領域間の係数の差の絶対値が段階的に小さくなるように、係数を割り当ててもよい。
【0038】
図1に示すように、入力装置1では、各区分領域A,B,C,D,E,F,G,Hの数が偶数であり、各区分領域が輪状に並んで区分領域Aと区分領域Hとが隣接している。区分領域の数が偶数であるために、基準区分領域Dを除いた他の区分領域の数が奇数である。この場合、図6に示すように、基準区分領域Dから時計回り方向に並ぶ4個の区分領域E,F,G,Hに、正の係数(+k)が割り当てられ、基準区分領域Dから反時計回り方向に並ぶ3個の区分領域C,B,Aに、負の係数(−k)が割り当てられている。
【0039】
図1に示すように区分領域が輪状に並べられた入力装置1は、入力装置1に押し付けた操作体9を時計回りに回転するように摺動させて、音量を増大させるなどの入力に使用される。そのため、操作体9を、時計方向へ長く移動させ反時計方向へ短く移動させる傾向にある。よって、入力装置1では、基準区分領域Dから時計回りに正の係数(+k)を割り当てる区分領域の数を、基準区分領域Dから反時計回りに負の係数(−k)を割り当てる区分領域の数よりも多くしている。図1と図6に示す入力装置1では、正の係数(+k)が割り当てられている区分領域E,F,G,Hの数「4」と、負の係数(−k)を割が当てられている区分領域C,B,Aの数「3」との差が「1」であるが、この差が「2」以上であってもよい。
【0040】
一方において、区分領域の数が奇数の場合には、基準区分領域を除いた他の区分領域の数が偶数である。この場合には、基準区分領域から時計回りに正の係数(+k)が割り当てられる区分領域の数と、基準区分領域から反時計回りに負の係数(−k)が割り当てられる区分領域の数とが同数に設定される。ただし、この場合も、正の係数(+k)が割り当てられる区分領域の数を、負の係数(−k)が割り当てられる区分領域の数よりも多く設定してもよい。
【0041】
ステップS3において、基準係数(k0)と係数(+k,−k)が割り当てられた後に、ステップS4に移行し、全ての検知手段6Aないし6Hに対するスキャニングが完了し、全ての検知手段6Aないし6Hの出力を確認するのを待つ。ステップS5において、全ての検知手段6へのスキャニングが所定の監視時間tに完了できなかったときは、ステップS3で割り当てられた基準係数(k0)と係数(+k,−k)を全てリセットし(ステップS6)、ステップS1に戻って、次の監視時間にいずれかの検知手段6から検知信号(ON)が得られるのを待つ。
【0042】
ステップS4において、所定の監視時間tに全ての検知手段6へのスキャニングが完了し、全ての検知手段6からの出力が確認できたときは、ステップS7に移行する。
【0043】
ステップS7では、検知信号(ON)が出力されている検知手段6が位置するそれぞれの区分領域に割り当てられている係数の総和sと、検知信号(ON)が出力されている検知手段6の数mとを計算する。前記総和sは、s=Σk・pであり、p=1すなわち検知信号(ON)が得られている検知手段6が位置する区分領域に割り振られている係数(k)の総和である。前記数mは、m=Σpであり、p=1すなわち検知信号(ON)が得られている検知手段6の数である。
【0044】
ステップS7では、操作位置dとしてs/mが計算される。s/mの計算結果は、基準区分領域Dの中心から、操作体9が操作しようとしている操作位置dまでの距離を意味している。この入力装置1では、基準区分領域Dの中心から時計回りに隣接する区分領域Eの中心までの距離が「1」となるように係数が割り当てられているため、この距離「1」は、基準区分領域Dの中心から時計方向へ45度だけ離れた位置であることを意味している。また、基準区分領域Dの中心から反時計回りに隣接する区分領域Cの中心までの距離が「−1」であり、この距離「−1」は、基準区分領域Dの中心から反時計回りに45度だけ離れた位置であることを意味している。
【0045】
図6では、検知手段6からの検知信号(ON)が得られている区分領域に「○」が付されており、最右欄に、s/mで計算された操作位置d、すなわち基準区分領域Dの中心からの「算出移動量」が記載されている。
【0046】
図6の最上欄に記載されているように、検知信号(ON)が得られているのが検知手段6Dのみのときには、操作位置dの計算値s/mは「0」、すなわち操作体9が操作していると想定される操作位置dは、基準区分領域Dの中心である。図6の上から2番目の欄に記載されているように、検知信号(ON)が得られているのが検知手段6Dと検知手段6Eの2つである場合、検知手段6Dが位置する区分領域Dに割り当てられた係数「0」と、検知手段6Eが位置する区分領域Eに割り当てられた係数「1」との総和がs=1である。検知信号(ON)が得られている検知手段は6Dと6Eであり、その数がm=2であるため、操作位置dは1/2=0.5である。すなわち、すなわち操作体9が操作していると想定される操作位置dは、基準区分領域Dと区分領域Eとの中間である。
【0047】
図6の上から3欄目に記載されているように、検知信号(ON)が得られているのが検知手段6Dと6Fの2つである場合は、検知手段6Dが位置している区分領域Dに割り当てられた係数「0」と、検知手段6Fが位置している区分領域Fに割り当てられた係数「2」の総和がs=2であり、検知信号(ON)が得られている検知手段の数がm=2である。このときの操作位置dは、2/2=1である。つまり、操作体9が操作していると想定される操作位置dは、区分領域Eの中心位置である。図6の上から4欄目に記載されているように、検知信号(ON)が得られているのが検知手段6D,6E,6Fの3箇所であるときは、s=3でm=3であり、操作位置dは3/3=1、すなわち操作体9が操作していると想定される操作位置dは、区分領域Eの中心位置である。
【0048】
その他、検知信号(ON)が得られている検知手段が位置する区分領域に割り当てられた係数の総和sと、検知信号(ON)が得られている検知手段の数mとから計算されるそれぞれの操作位置dは、図6の表の各欄に記載された通りである。
【0049】
図5に示すステップS7において、操作位置dが判別されたら、ステップS8に移行する。ステップS8では、判別された操作位置dが、その前のスキャニング期間(その前の監視時間)に設定されていた操作位置と同じであるか否かを判断する。判別された操作位置dがその前のスキャニング期間に設定されていた操作位置と同じであるときは、ステップS3に戻り、各区分領域A,B,C,D,E,F,G,Hに割り当てられた係数を変更することなく、次のスキャニング期間(次の監視時間)で、さらに各検知手段6からの出力に基づいて操作位置dを判別する。例えば、図6の最上欄のように、新たに判別された操作位置がd=0、すなわち、操作位置dが、基準区分領域である区分領域Dの中心から動いていないときには、各区分領域に割り当てられた係数をリセットしない。
【0050】
これに対し、ステップS8において、判別された操作位置dがその前のスキャニング期間に設定されていた操作位置から移動していたときには、その前のスキャニング期間において各区分領域へ割り当てられた係数がリセットされる。そして、新たに判別された操作位置dに応じて、新たな区分領域が基準区分領域として設定され、それぞれの区分領域に新たな係数が割り当てられる。
【0051】
この際、新たに判別された操作位置の計算値であるdが「1」「2」・・などの整数の場合、つまり計算値dが、隣り合う区分領域に割り当てられた係数の絶対値の差と同じ値であるときは、判別された新たな操作位置dは、いずれかの区分領域の中心に位置している。このときには、判別された操作位置dが存在している区分領域が新たな基準区分領域とされ、新たな基準区分領域に基準係数(k0)が割り当てられ、他の区分領域に、基準区分領域(k0)を基準としてそれぞれ係数(+k,−k)が割り当てられる。
【0052】
例えば、図6の上から3番目と4番目の欄に示すように、新たに判別された操作位置がd=1のとき、すなわち操作位置dが基準区分領域Dの中心から「1」だけ移動したと判断したときには、それまでに各区分領域に割り当てられていた係数がリセットされる。そして、新たな操作位置のd=1の計算値に基づいて、区分領域Eが新たな基準区分領域に設定される。そして新たな基準区分領域である区分領域Eに、基準係数の「0」が割り当てられ、区分領域Fに係数「1」が、区分領域Gに係数「2」が、区分領域Hに係数「3」が、区分領域Aに係数「4」が割り当てられる。また、区分領域Dに係数「−1」が割り当てられ、区分領域Cに係数「−2」が、区分領域Bに係数「−3」が割り当てられる。
【0053】
また、図6の上から6欄目では、新たに判別された移動位置がd=1.33であり、図6の上から7欄目では、新たに判別された移動位置がd=1.67であって、いずれも新たな操作位置dが整数ではなく、新たな操作位置dが区分領域の中心に位置していない。この場合には、その中心位置が操作位置dに隣接しているいずれかの区分領域が新たな基準区分領域に設定される。
【0054】
例えば、図6の上から6欄目では、判別された新たな操作位置dが「1.33」であるため、それまでの係数がリセットされ、この操作位置dに最も近い区分領域Eが新たな基準区分領域とされ、この区分領域Eに基準係数「0」を割り当て、他の区分領域に新たな係数が割り当てられる。図6の上から7欄目では、判別された新たな操作位置dが「1.67」であるため、それまでの係数がリセットされ、この操作位置dに最も近い区分領域Fが新たな基準区分領域とされ、この区分領域Fに基準係数「0」が割り当てられる。
【0055】
図6の上から5欄目では、判別された新たな操作位置がd=1.5であり、新たな操作位置dが、区分領域Eの中心と区分領域Fの中心との中点にある。この場合には、それまでの係数がリセットされて、区分領域Eと区分領域Fのいずれか一方が新たな基準区分領域に設定され、いずれかの区分領域に基準係数「0」が割り当てられる。
【0056】
ただし、新たに判別された操作位置がd=1.5のときには、新たな操作位置dに隣接する区分領域のうちの、リセット前の基準区分領域に近い側にある区分領域を新たな基準区分領域とすることが好ましい。例えば、図6の上から5欄目では、それまでの基準区分領域が区分領域Dであるため、操作位置の計算値dが「1.5」であった場合には、区分領域Eが新たな基準区分領域とされて、この区分領域Eに基準係数「0」が割り当てられることが好ましい。また、図6の上から6欄目または上から7欄目のように、新たに判別された操作位置dが、区分領域Eの中心と区分領域Fの中心との間に位置しているときには、操作位置dがどのような値であろうと、リセット前の基準区分領域に近い側にある区分領域Eが新たな基準区分領域として設定されることが好ましい。
【0057】
このように、基準区分領域の中心から新たに判別された操作位置までの距離が、隣り合う区分領域の中心間の距離に一致しないときには、すなわちこの実施の形態では、新たに計算された操作位置dが整数でない場合には、この操作位置dの両側に隣接する区分領域のうちの、リセット前の基準区分領域に近い側に位置する区分領域を新たな基準区分領域にすることが好ましい。このように構成すると、可撓性シート5を押圧している操作体9が移動しているときに、操作体9の進行方向の前方に位置する検知手段6のチャタリングなどが起きたとしても、操作位置が指などの操作体9の移動速度よりも極端に速く移動したかのような誤った判別が行なわれるのを防止できる。
【0058】
上記のように、スキャニング制御部11によるスキャニング期間(監視時間)ごとに、操作位置dの判別を行い、判別後の操作位置dがそれ以前の判別位置から移動していたら、それ以前の基準区分領域をリセットして、新たに判別した区分領域を基準区分領域に設定すると、操作体9の移動方向に沿って基準区分領域が順次移動していくことになる。このような制御を行うことにより、図1に示すように、区分領域A,B,C,D,E,F,G,Hが輪状に配列されている入力装置1において、可撓性シート5を撓ませている操作体9を移動させたときに、その移動方向が時計回りであるか反時計回りであるかを正確に知ることができる。
【0059】
例えば、図1に示す入力装置1において、基準区分領域が区分領域Dに固定されているとすると、例えば、操作体9で区分領域Gが押されて検知手段6Gから検知信号(ON)が得られた直後に、操作体9で区分領域Hが押されて検知手段6Hから検知信号(ON)が得られると、操作位置dの判別値が、正の値の「4」からいきなり負の値の「−3」になってしまい、入力装置1を操作している操作体9が、時計方向へ移動しているのか反時計方向へ移動しているのかを判断することが難しくなる。その結果、この入力装置1がオーディオ機器の音量調整に使用されている場合には、音量を上げるべきであるか音量を下げるべきであるか制御が不能となる。また、この入力装置1を、ロータリーエンコーダのように、回転検出のために使用している場合も、操作体9の移動方向を理解できなくなって、正確な信号入力ができなくなる。
【0060】
これに対し、入力装置1では、押圧操作している操作体9が移動するのにしたがって、基準区分領域が操作体9の移動方向に向かって順次移動していくため、入力装置1を操作している操作体9の移動方向を、常に正確に判別できるようになる。
【0061】
また、図1に示すように、区分領域が輪状に配列され、それぞれの区分領域の円周方向の幅寸法が、指などの操作体9の接触幅寸法よりも十分に小さく、さらに区分領域の数が少ない小型の入力装置1では、極端な例として、8個の検知手段のうちの6個や7個から同時に検知信号(ON)が得られることがあり、このような場合、操作体9がどの位置にあるのかを判別できなくなる。
【0062】
そこで、一定の数の検知手段から同時に検知信号(ON)が得られたときには、その監視時間での検知出力を無視することが好ましい。例えば、検知手段の総数が偶数Nの場合には、{(N/2)−1}個以上や、{N/2}個以上、または{(N/2)+1}個以上の検知手段から同時に検知信号(ON)が得られたときに、その監視時間での検知手段6からの出力を無視することが好ましい。図1の入力装置1では、検知手段6の総数がN=8であり、図6において(*1)で示しているように、{(N/2)+1}=5個以上の検知手段6から同時に検知信号(ON)が得られたときに、そのときの出力を無視している。
【0063】
さらに、その時点で設定されている基準区分領域から、極端に離れた位置にある区分領域の検知手段から検知信号(ON)が得られたときも、その監視時間での検知出力を無視するのが好ましい。図1に示す入力装置1では、図6において(*2)で示しているように、基準区分領域Dから4つ離れた区分領域Hに位置する検知手段6Hから検知信号(ON)が得られたときの検知出力を無視している。基準区分領域Dから極端に離れた位置の検知手段から検知信号(ON)が得られるのは、誤って操作されたときや、可撓性シート5の振動などにより誤って検出信号が得られている可能性が高い。よって、このときの検知出力を無視することで、誤操作や誤検出に基づく検知信号に基づいて操作位置が誤って判別されるなどの問題が生じにくくなる。
【0064】
なお、本発明は前記実施の形態に限られるものではなく、例えば、複数の区分領域が図1に示すように円形に並ぶのではなく、楕円枠や長円枠さらには四角枠形状に沿って並んでおり、入力装置を操作している操作体が楕円形状や長円形状または四角形状に沿って連続して周回させられるものであってもよい。
【0065】
または、複数の区分領域が直線に沿って並んでいるもので、この入力装置を押圧している操作体の位置や移動距離を直線上の距離として知ることができるものであってもよい。
【0066】
図4に示す実施の形態では、四角形状の複数の区分領域101が横方向であるX方向と縦方向であるY方向に規則的に並んでいる。それぞれの区分領域101は、図2に示した区分領域と同様に、検知手段6を有しており、表面の可撓性シートを押圧して撓ませることで、検知手段6から検知信号(ON)が得られる。
【0067】
横方向に並ぶ区分領域101の列が、左端から順番にXa,Xb,Xc,・・・で示され、縦方向に並ぶ区分領域101の行が、上端から順番にYa,Yb,Yc,・・・で示されている。中央に位置する列XdにX方向の係数として基準係数「0」が割り当てられ、列Xe,Xf,Xgに、X方向の正の係数「+1」「+2」「+3」が順番に割り当てられ、列Xc,Xb,Xaに、X方向の負の係数「−1」「−2」「−3」が順番に割り当てられている。また中央に位置する行YdにY方向の係数として基準係数「0」が割り当てられ、行Ye,Yf,Ygに、Y方向の正の係数「+1」「+2」「+3」が順番に割り当てられ、行Yc,Yb,Yaに、Y方向の負の係数「−1」「−2」「−3」が順番に割り当てられている。
【0068】
そして、入力装置1の表面においていずれかの箇所を操作体で押圧し、また操作体を移動させ、このときに各区分領域101に設けられた検知手段6の出力を監視し、X方向とY方向のそれぞれにおいて、操作位置d=s/mを計算することにより、操作体による操作位置をX−Y座標上の位置として知ることができる。特に、個々の区分領域101を小さくし、指などの操作体で複数の区分領域101の検知手段が同時にONになるように構成しておくと、細かな分解能で、X−Y座標データを入力することができる。
【0069】
なお、図4に示すように、区分領域101が縦と横に配列されている入力装置や、区分領域が一列に並んでいる入力装置では、図1に示すように、区分領域が輪状に連続して並んでいる入力装置1のように、連続回転操作という概念が存在していない。よって、図4に示す入力装置100などでは、図5に示すステップS8を省略し、基準区分領域および各係数の割り当て位置を常に固定しておくことができる。ただし、図4に示す入力装置100において、図5のステップS8のように、操作位置が移動したときに、その移動に伴なって基準区分領域を更新していくと、操作体を入力装置100の表面で速く移動させたときなどにおいて、その移動軌跡を高精度に検出しやすくなる。
【0070】
なお、それぞれの区分領域に設けられた検知手段6は、可撓性シートが撓んで電極どうしが接触して検知信号(ON)を得るものに限られず、それぞれの区分領域に指などの導電体の操作体が触れたときに、その区分領域の静電容量が変化することで、ON−OFFの二値の信号が得られるものや、それぞれの区分領域に導電体の操作体が触れたときの電荷の移動などによって、ON−OFFの二値の信号が得られるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態の入力装置の機構部分を示す平面図、
【図2】図1に示す入力装置をII−II線で切断して直線上に展開した断面図、
【図3】入力装置の回路構成を示すブロック図、
【図4】本発明の他の実施の形態の入力装置を示す平面図、
【図5】入力装置の判別動作を示すフローチャート、
【図6】入力装置の判別動作を示す表、
【符号の説明】
【0072】
1 入力装置
2 基台
3 絶縁基板
4 突条部
5 可撓性シート
6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G,6H 検知手段
7 下部電極
8 上部電極
A,B,C,D,E,F,G,H 区分領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画されて配列された複数の区分領域と、それぞれの区分領域が操作体で操作されたことを検知する検知信号を出力する検知手段と、区分領域ごとの前記検知手段からの出力に基づいて操作体の操作位置を判別する判別部が設けられた入力装置において、
前記判別部では、
少なくとも1つの区分領域の検知手段から検知信号が得られたときに、検知信号が得られた少なくとも1つの区分領域を基準区分領域として、この基準区分領域に基準係数を設定するとともに、
前記基準区分領域に並ぶそれぞれの区分領域に対して、前記基準区分領域の前記基準係数から数値の絶対値が徐々に大きくなる係数を割り当て、
検知手段から検知信号が得られている区分領域の前記係数の総和と、検知手段から検知信号が得られている区分領域の数とから、前記操作位置が判別されることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
検知手段から検知信号が得られている区分領域の前記係数の総和を、検知手段から検知信号が得られている区分領域の数で除算することで、前記操作位置が判別される請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
隣り合う区分領域に割り当てられる係数の差が均一となるように、前記基準区分領域から離れるにしたがって、順番に絶対値が大きくなるように係数が割り当てられる請求項1または2記載の入力装置。
【請求項4】
基準区分領域から一方向に並ぶ区分領域に正の係数が割り当てられ、他方向へ向けて並ぶ区分領域に負の係数が割り当てられる請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記判別部では、
それぞれの区分領域における前記検知手段の出力を間欠的に監視する監視時間を設定し、監視時間内に得られた前記検知手段の出力に基づいて、前記操作位置が移動したと判別されたときには、
移動後の前記操作位置が存在する区分領域、または移動後の前記操作位置に最も近い位置の区分領域を新たな基準区分領域に設定し、この基準区分領域に基準係数を割り当て且つ各区分領域に割り当てる係数を更新して、その後の監視を行う請求項1ないし4のいずれかに記載の入力装置。
【請求項6】
前記判別部では、
それぞれの区分領域における前記検知手段の出力を間欠的に監視する監視時間を設定し、監視時間内に得られた前記検知手段の出力に基づいて、前記操作位置が移動したと判別されたときには、
移動後の前記操作位置が存在する区分領域、または移動後の前記操作位置に最も近い位置にあり且つ直前に設定されていた基準区分領域の側に位置する区分領域を新たな基準区分領域に設定し、この基準区分領域に基準係数を割り当て且つ各区分領域に割り当てる係数を更新して、その後の監視を行う請求項1ないし4のいずれかに記載の入力装置。
【請求項7】
検知信号を検知した検知手段が属する区分領域と基準区分領域との距離が所定長よりも長いときには、その監視時間中に得られた検知信号を無視する請求項5または6記載の入力装置。
【請求項8】
区分領域は、周回できるように配列している請求項5ないし7のいずれかに記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−217445(P2008−217445A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−54264(P2007−54264)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】