説明

入力装置

【課題】使い易いスライド操作を実現できる入力装置を提供すること。
【解決手段】基準電極数に対する電極数の変化率に応じてスライド量が予め設定されており、例えば、図3(a)に示す状態において、図3(b)に示すように矢印キー31が1本の指でタッチされると、基準電極数に対する電極数の変化率が「1」であるとして、1ファイル分左へスライド表示し、図3(b)に示す状態から引続いて図3(c)に示すように矢印キー31が2本の指でタッチされると、基準電極数に対する電極数の変化率が「2」であるとして、3ファイル分左へスライド表示し、図3(c)に示す状態から引続いて図3(d)に示すように矢印キー31が3本の指でタッチされると、基準電極数に対する電極数の変化率が「3」であるとして、5ファイル分左へスライド表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次の特許文献1には、タッチパネル24の上面をタッチする指42の本数に基づいて、ページめくりするページ数を変更する技術が記載されている。例えば、1本の指42をタッチパネル24にタッチさせ、右から左へ所定量K以上移動させた場合には、表示されているページを1ページ分めくり、2本の指42をタッチパネル24にタッチさせ、右から左へ所定量K以上移動させた場合には、表示されているページを2ページ分めくることが記載されている。
【特許文献1】特開平8−76926(段落第「0026」等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1には、スライド操作に関する言及がなく、また、ページをめくる指示を入力するために、タッチパネル24を何度もタッチする必要があり、ページをめくる指示を入力するのに手間であるという問題点があった。
【0004】
また、一旦、タッチパネル24がタッチされ、めくるページ数の指示が入力されると、そのタッチが解除されるまでは、入力された指示に従ってページがめくられるので、ページめくりを行っている間(タッチされている間)は、めくるページ数を変更することができない。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、使い易いスライド操作を実現できる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載の入力装置は、画像を表示する表示手段と、その表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段とを備え、その表示制御手段によって制御する画像に関する指示を入力するものであって、前記指示として前記画像を所定のスライド量でスライド表示する指示が割当てられている検出領域のうち、入力媒体が接近、または、接触した領域を示す反応領域を検出する検出手段と、その検出手段によって前記反応領域が検出された場合に前記指示を入力する入力手段と、その入力手段によって入力された指示に従ってスライド表示を開始してから終了するまでのスライド表示期間の間、前記反応領域の面積変化を監視する監視手段と、その監視手段によって前記面積変化が認められた場合に、その面積変化に応じて前記入力手段によって入力された所定のスライド量を変更するスライド量変更手段とを備えている。
【0007】
請求項2記載の入力装置は、請求項1記載の入力装置において、基準面積に相当する値を取得する基準面積取得手段を備え、前記入力手段は、前記反応領域を入力領域として、その入力領域の面積に相当する値を取得する入力面積取得手段と、前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化に応じて、前記所定のスライド量を設定するスライド量設定手段とを備えている。
【0008】
請求項3記載の入力装置は、請求項2に記載の入力装置において、前記スライド量設定手段は、前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を設定する。
【0009】
請求項4記載の入力装置は、請求項2に記載の入力装置において、前記監視手段は、前記反応面積を監視領域として、その監視領域の面積に相当する値を取得する監視面積取得手段と、その監視面積取得手段によって取得される値が、前記基準面積取得手段によって取得される値に対して変化したかを判断する判断手段とを備え、前記スライド量変更手段は、前記判断手段によって変化したと判断された場合に、その変化に応じて前記所定のスライド量を変更する。
【0010】
請求項5記載の入力装置は、請求項4に記載の入力装置において、前記スライド量変更手段は、前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を変更する。
【0011】
請求項6記載の入力装置は、請求項1に記載の入力装置において、前記入力手段は、前記反応領域を入力領域として、その入力領域の面積に相当する値を取得する入力面積取得手段を備え、前記監視手段は、前記反応面積を監視領域として、その監視領域の面積に相当する値を取得する監視面積取得手段と、その監視面積取得手段によって取得される値が、前記入力面積取得手段によって取得される値に対して変化したかを判断する判断手段とを備え、前記スライド量変更手段は、前記判断手段によって変化したと判断された場合に、その変化に応じて前記所定のスライド量を変更する。
【0012】
請求項7記載の入力装置は、請求項6に記載の入力装置において、前記スライド量変更手段は、前記入力面積取得手段によって取得される値に対する前記監視面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を変更する。
【0013】
請求項8記載の入力装置は、請求項1から7のいずれかに記載の入力装置において、前記表示手段は、その表示領域内に前記検出領域を含み、前記表示制御手段は、全長が前記画像の総数を示し、一端側から他端側までを所定ピッチで区画した各区間毎に前記画像を一枚ずつ割当てた棒状のスライドバーを前記検出領域に重ねて表示し、前記入力手段は、前記反応領域に含まれている区間に対応付けられている画像が、前記表示手段に表示されるまでスライド表示する指示を入力し、前記監視手段は、前記反応領域に含まれる区間が変化したかを監視し、前記スライド量変更手段は、前記区間の変化が認められた場合に、スライド表示する位置を、変化後の区間に対応付けられている画像が前記表示手段に表示されるまでに変更する。
【0014】
請求項9記載の入力装置は、請求項1から8のいずれかに記載の入力装置において、前記表示制御手段は、前記表示手段に表示する画像数に応じた長さで、前記反応領域に追従して前記スライドバー上を移動するスライダを表示し、前記スライド量変更手段によってスライド量を変更する場合に、その変更量に応じて前記スライダの長さを変更して表示する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の入力装置によれば、ユーザにとっては、検出領域に接触させている入力媒体としての一例である指を、起すことで接触面積を減らしたり、寝かすことで接触面積を増やしたり、本数を増すことで接触面積を増やしたりするという簡単な操作で、検出領域に指を接触させたままの状態で、スライド表示される画像のスライド量を手間無く調節することができる。従って、使い易いスライド操作を実現することができるという効果がある。
【0016】
請求項2記載の入力装置によれば、ユーザは、基準面積を認識していれば、当初のスライド量を、所望するスライド量に手間無く設定することができるという効果がある。
【0017】
請求項3記載の入力装置によれば、ユーザ毎に、各ユーザに対応した基準面積を設定することで、各ユーザに拘らず同程度のスライド量を設定することができるという効果がある。
【0018】
請求項4記載の入力装置によれば、ユーザは、基準面積を認識していれば、スライド表示中のスライド量を、所望するスライド量に手間無く設定することができるという効果がある。
【0019】
請求項5記載の入力装置によれば、ユーザ毎に、各ユーザに対応した基準面積を設定することで、各ユーザに拘らず同程度のスライド量を設定することができるという効果がある。
【0020】
請求項6記載の入力装置によれば、ユーザは、入力領域を基準として、スライド表示中のスライド量を、所望するスライド量に手間無く設定することができるという効果がある。
【0021】
請求項7記載の入力装置によれば、ユーザ毎に基準面積を設定すること無く、各ユーザに拘らず同程度のスライド量を設定することができるという効果がある。
【0022】
請求項8記載の入力装置によれば、スライド表示している間に、スライド表示終了地点を変更することができるという効果がある。
【0023】
請求項9記載の入力装置によれば、スライド量をユーザに視覚的に認識させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1で多機能周辺装置の外観構成、図2で入力装置のハードウェア構成、図3〜図4で入力装置の操作の一例、図5〜図8で入力装置の表示更新処理を説明する。
【0025】
図1は、本発明の入力装置の一例である多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」と称す)1の外観構成を示した斜視図である。本実施形態のMFP1の正面上部には、操作キー15に加えて、LCD16およびタッチパネル17が配設されており、ユーザは、操作キー15による入力操作か、又はタッチパネル17による入力操作を行うことで、MFP1の各種設定や各種制御を行うことができる。
【0026】
このMFP1では、複数のファイルの中からユーザが所望する(例えば、印刷したい)ファイルを選択する場合には、LCD16においてファイルのスライド表示が行われる。スライド表示とは、ファイル数が多く全ファイルを一覧表示できない場合などに、全ファイルに対して連続する表示順序を付すと共に、全ファイルの中で表示順序が連続する所定数(例えば、6個)のファイルを、昇順(又は、降順)に並べた状態で表示する操作画面のことである。
【0027】
このスライド表示では、表示中のファイルを一定数ずつ入れ替えながら表示していくことで、全ファイルを閲覧表示することができる。また、スライド表示では、表示中の一部(又は、全部)のファイルが表示順序の大きいファイルや、小さいファイルに入れ替えられる度に、各ファイルが昇順(又は、降順)に並び替えられるので、各ファイルが操作画面上を移動していくように(流れていくように)見える。
【0028】
このMFP1は、ユーザがタッチパネル17を操作して、スライド表示中のファイルを入れ替える場合に、その入れ替えるファイルの数(即ち、表示中のファイルの移動量)を、操作する指の本数(指の面積変化)で、感覚的に簡単に調整できるものである。
【0029】
MFP1は、電話回線網100(図2参照)を介して接続される外部装置(非図示)とファクシミリ通信可能に構成されている。また、このMFP1は、プリンタ機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能も有している。
【0030】
MFP1には、正面上部に設けられる横長形状の操作パネル6が設けられている。この操作パネル6は、MFP1を操作するためのものであり、操作キー15と、LCD16と、タッチパネル17とが主に設けられている。ユーザは、操作キー15の各種ボタンを操作するか、又は、タッチパネル17を操作することで、各種機能の設定や動作を実行することができる。
【0031】
LCD16には、メニューや操作手順や実行中の処理の状態などが表示される。このLCD16の表示面には、入力装置の一種であるタッチパネル17が配設されている。LCD16に表示されている画像(例えば、画像で形成されたキー(以後、「画像キー」と称する))が、ユーザによって指で触れられると、LCD16の表示面に配設されたタッチパネル17が指で触れられることになる。
【0032】
このタッチパネル17は、表面全体が碁盤の目のように細かく(例えば、1mm間隔)区分けされており、区分けされた各領域(以後、「検出領域」と称する)毎に、指の接触を検出する電極(センサ)が配設されている。なお、各検出領域の面積は、タッチパネル17に接触するユーザの指の面積よりも十分に小さいため、ユーザの指がタッチパネル17に触れると、その指で複数の検出領域が触れられることになる。
【0033】
このタッチパネル17では、指の接触が検出された場合、指で触れられている全ての検出領域が特定される。CPU11(図2参照)は、タッチパネル17により検出された指の位置に応じて、具体的には、各検出領域の位置(各電極の位置)や、各検出領域の合計数(電極の合計数)に応じて、その指の位置に表示されている画像(例えば、画像キー)に対応する各処理を実行する。
【0034】
次に、図2(a)を参照して、MFP1の電気的構成について説明する。図2(a)は、MFP1の電気的構成を示すブロック図である。MFP1は、CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、NCU23、モデム24とを主に有している。
【0035】
CPU11、ROM12、RAM13、フラッシュメモリ14は、バスライン26を介して互いに接続されている。また、操作キー15、LCD16、タッチパネル17、スキャナ20、プリンタ21、NCU23、モデム24、バスライン26は、入出力ポート27を介して互いに接続されている。
【0036】
CPU11は、ROM12やRAM13やフラッシュメモリ14に記憶される固定値やプログラム或いは、NCU23を介して送受信される各種信号に従って、MFP1が有している各機能の制御や、入出力ポート27と接続された各部を制御するものである。
【0037】
ROM12は、MFP1で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリである。後述する図5のフローチャートに示す表示更新処理、図6のフローチャートに示すキー操作取得処理、図7のフローチャートに示すバー操作取得処理、図8のフローチャートに示すスライダ操作取得処理を実行する各プログラムは、このROM12に格納されている。
【0038】
また、このROM12には、基準電極数パターンメモリ12aと、移動量選定テーブルメモリ12bとが設けられている。
【0039】
次に、図2(b)を参照して、移動量選定テーブルの内容の一例について説明する。移動量選定テーブルは、スライド表示において表示中のファイルの移動量を設定するために参照されるテーブルである。この移動量選定テーブルは、電極数の変化率aと、その電極数の変化率に対応する移動量とにより構成されている。
【0040】
電極数の変化率aは、タッチパネル17の入力操作中に検出された電極数(具体的には、後述する操作中電極数メモリ13aの電極数)を、基準となる電極数(具体的には、後述する基準電極数メモリ14aの電極数)で除算した場合の演算結果を示し、移動量は、予め設定されているファイルの移動量に乗算すべき係数を示す。
【0041】
例えば、移動量選定テーブルにおいて、電極数の変化率「a=1」には、移動量「1」が対応付けられている。これは、ファイルの移動量が基本状態のまま変化しないことを示す。また、例えば、「1<a≦1.5」という範囲の電極数の変化率aには、「1.5」という移動量が対応付けられている。これは、ファイルの移動量が、基本状態よりも1.5倍増加することを示す。その他の電極数の変化率aについての説明も同様となるので、その説明を省略する。
【0042】
ここで、図2(a)の説明に戻り、電気的構成の説明を続ける。RAM13は、書換可能な揮発性のメモリであり、MFP1の各操作の実行時に各種のデータを一時的に記憶するためのメモリである。RAM13には、操作中電極数メモリ13aが設けられている。
【0043】
操作中電極数メモリ13aは、スライド表示中に、ユーザが画像キーに触れている間、その画像キーに対応する検出領域内で指の接触が検出されている電極の合計数を、操作中電極数として記憶するためのメモリである。
【0044】
フラッシュメモリ14は、書換可能な不揮発性のメモリであり、このフラッシュメモリ14に記憶されたデータは、MFP1の電源オフ後も保持される。フラッシュメモリ14には、基準電極数メモリ14aが設けられている。基準電極数メモリ14aは、ユーザが普段タッチパネル17を操作する場合に触れる電極数を、予め基準電極数として記憶するためのメモリである。
【0045】
次に、図2(c)を参照して、ユーザの指がタッチパネル17に接触した場合に、接触が検出される電極の一例について説明する。図2(c)は、ユーザの指がタッチパネル17に接触した場合に、接触が検出される電極の一例を説明するための概略図である。なお、図2(c)に示す各検出領域の大きさは、分かり易く説明するために拡大したものであり、実際の大きさとは異なる。
【0046】
例えば、MFP1の初期設定の際には、ユーザが普段タッチパネル17を操作する場合と同様に、1本の指(例えば、人差し指)でタッチパネル17に触れるよう要求がなされる。ここで、図2(c)に示すように、ユーザが普段通りにタッチパネル17に触れると、タッチパネル17において指が接触している各電極が特定され、その電極の合計数がCPU11により計数される。
【0047】
そして、ROM12の基準電極数パターンメモリ12aに記憶されている各電極数の中から、計数された電極数に最も近い電極数が選択され、基準電極数として、フラッシュメモリ14の基準電極数メモリ14aに記憶される。
【0048】
このように、本実施形態では、MFP1を使用するユーザの指の接触面積(電極数)を予め記憶させておくので、電極数の変化率aを算出する場合に演算の精度を向上させることができる。即ち、この基準電極数を予め定数としておくと、指の太いユーザや、指の細い人ユーザなど、MFP1を利用するユーザの指の接触面積に応じて、電極数の変化率aの算出結果が変わってしまう。しかし、MFP1を使用するユーザの指の接触面積(電極数)を予め記憶させておくことで、ユーザの指の太さや、ユーザの指の接触面積に関わらず、電極数の変化率aを精度良く算出することができる。
【0049】
次に、図3および図4を参照して、タッチパネル17の操作方法の一例について説明する。図3(a)は、LCD16に表示されるスライド表示の一例を示す概略図であり、図3(b)〜(d)は、スライド表示の右スクロールキー31の操作方法の一例を説明するための概略図である。
【0050】
まず、図3(a)を参照して、LCD16に表示されるスライド表示について説明する。図3(a)に示すように、例えば、スライド表示の際には、LCD16の上方から下方に向かって順に、操作画面のタイトルと、ファイルが表示されるファイル表示エリア51内に所定数(例えば、6個)のファイルと、右スクロールキー31と、左スクロールキー32と、スライドバー33と、スライダ34とが表示される。
【0051】
ファイル表示エリア51内には、ファイルの表示順序が左端から右端に向かって順番に大きくなるように、所定数(例えば、6個)のファイルが表示される。なお、ファイルの表示順序を分かり易くするために、表示中の各ファイル上には、それぞれファイルの表示順序を付している。つまり、図3(a)では、表示順序「1〜6」までの各ファイルが表示されていることを示している。
【0052】
次に、図3(b)〜図3(d)を参照して、スライド表示の右スクロールキー31の操作方法の一例について説明する。なお、初期設定では、ユーザが1本の指でタッチパネル17に触れて、基準電極数を設定したものとして説明する。
【0053】
図3(a)に示す状態から、図3(b)に示すように、ユーザが1本の指で、右スクロールキー31に触れると、表示中のファイルが1つ、表示順序が大きくなるように入れ替えられる。
【0054】
上述した通り、基準電極数の設定は、ユーザが1本の指で行っているので、ユーザが1本の指で入力操作を行っている間は、電極数の変化率a(=操作中電極数÷基準電極数)は「1」のまま変化しない。そして、移動量選定テーブルメモリ12bの移動量選定テーブル(図2(b)参照)が参照され、電極数の変化率a「1」に対応するファイルの移動量「1」が取得される。しかし、取得された移動量は「1」なので、ファイルの移動量は変更されない(基準の1倍に設定される)。
【0055】
上述した図3(b)に示す状態に続けて、図3(c)に示すように、ユーザが指をもう1本増やして(指を2本にして)、矢印キー31に触れると、表示中のファイルが3つ、表示順序が大きくなるように入れ替えられる。
【0056】
ユーザが指の本数を2本に増やすと、1本(基準)の場合と比較して検出される電極数が2倍になるので、電極数の変化率aが「2」となる。よって、移動量選定テーブル(図2(b)参照)が参照されると、電極数の変化率a「2」に対応するファイルの移動量「3」が取得される。従って、ファイルの移動量は、基準の3倍に設定される。
【0057】
上述した図3(c)に示す状態に続けて、図3(d)に示すように、ユーザが指をもう1本増やして(指を3本にして)、矢印キー31に触れると、表示中のファイルが5つ、表示順序が大きくなるように入れ替えられる。
【0058】
ユーザが指の本数を3本に増やすと、1本(基準)の場合と比較して検出される電極数が3倍になるので、電極数の変化率aが「3」となる。よって、移動量選定テーブル(図2(b)参照)が参照されると、電極数の変化率a「3」に対応するファイルの移動量「5」が取得される。従って、ファイルの移動量は、基準の5倍に設定される。
【0059】
なお、図示はしないが、左スクロールキー32がユーザにより触れられている間は、上述した説明内容と同様に、ユーザの指の本数の変化量に応じて、表示順序の大きいファイルが入れ替えられ、表示順序のより小さいファイルが、ファイル表示エリア51内に表示される。
【0060】
次に、図4を参照して、タッチパネル17の操作方法の一例について説明する。なお、初期設定では、ユーザが1本の指でタッチパネル17に触れて、基準電極数を設定したものとして説明する。
【0061】
図4(a),(b)は、スライド表示のスライドバー33の操作方法の一例を説明するための概略図であり、図4(c),(d)は、スライド表示のスライダ34の操作方法の一例を説明するための概略図である。
【0062】
まず、スライドバー33の操作方法の一例について説明する。図3(a)に示す状態から、図4(a)に示すように、ユーザが1本の指で、スライドバー33の全領域の中で、スライダ34よりも右側の領域に触れると、表示中のファイルが6個全て、表示順序が大きくなるように入れ替えられる。
【0063】
上述した図4(a)に示す状態に続けて、図4(b)に示すように、ユーザが指をもう1本増やして(指を2本にして)、スライドバー33に触れると、ファイルの移動量は基準の3倍に設定されるので、表示中のファイルが6個全て、表示順序を18ファイル分跳ばして、表示順序が大きくなるように入れ替えられる。
【0064】
なお、図示はしないが、スライドバー33の全領域の中で、スライダ34よりも左側の領域が、ユーザにより触れられている間は、上述した説明内容と同様に、ユーザの指の本数の変化量に応じて、表示中のファイルが6個全て、表示順序が小さくなるように入れ替えられて、ファイル表示エリア51内に表示される。
【0065】
次に、スライダ34の操作方法の一例について説明する。図3(a)に示す状態から、図4(c)に示すように、ユーザが1本の指でスライダ34に触れた状態で、その指を右方向に動かすと、その指を追従するようにスライダ34の表示位置が移動する。すると、右方向に移動したスライダ34の表示位置に応じたファイルが、表示中のファイルと入れ替えられて表示されるので、表示順序の大きいファイルが表示される。
【0066】
例えば、右方向に動かしたスライダ34の表示位置が、全ファイルの表示順序の「11〜16」に対応する位置であれば、ファイル表示エリア51内に表示されていた表示順序「1〜6」までの全ファイルが、図4(c)に示すように、表示順序「11〜16」のファイルに入れ替えられる。
【0067】
上述した図4(d)に示す状態に続けて、図4(d)に示すように、ユーザが指をもう1本増やして(指を2本にして)、スライダ34に触れると、ファイルの移動量は基準の3倍に設定されるので、表示中のファイルが6個から18個に増加する。また、スライダ34の幅が3倍に延長される。
【0068】
具体的には、ファイル表示エリア51内に表示されていた表示順序「11〜16」までの全ファイルに加えて、図4(d)に示すように、表示順序「17〜28」までのファイルが同時に表示される。よって、図4(d)に示すように、ファイル表示エリア51内には、表示順序「11〜28」までの18個のファイルが表示される。
【0069】
また、表示中のファイルの数が、6個から18個(3倍)に変更されるので、全ファイルの数に対する現在表示中のファイル数の割合も変わり、その結果、スライダ34の幅が3倍延長して表示される。
【0070】
ユーザは、このスライダ34に触れた状態で、その指を右方向、又は、左方向に動かすことで、通常(基準)よりも多くのファイルを表示させつつ、スライダ34の表示位置を変更できる。スライダ34の表示位置が変更されると、その位置に応じたファイルが、ファイル表示エリア51内に表示される。
【0071】
次に、図5を参照して、MFP1のCPU11により実行される表示更新処理について説明する。表示更新処理は、ユーザの入力操作に応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理であり、MFP1の主電源が投入されてから主電源が遮断されるまで繰り返し実行される処理である。
【0072】
この表示更新処理では、まず、ユーザによりタッチパネル17が操作されたかを判定し(S1)、ユーザによりタッチパネル17が操作されるまで、待機する(S1:No)。ユーザによりタッチパネル17が操作された場合は(S1:Yes)、ユーザによりスライド表示の右スクロールキー31、又は、左スクロールキー32が操作されたかを判定する(S2)。
【0073】
右スクロールキー31、又は、左スクロールキー32が操作された場合は(S2:Yes)、キー操作取得処理を実行して(S3)、上述したS1〜S3の各処理を繰り返す。なお、詳細については後述するが、キー操作取得処理は、ユーザが触れているスクロールキー31,32の種類と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0074】
一方、各スクロールキー31,32が操作されていない場合は(S2:No)、ユーザによりスクロールバー33が操作されたかを判定する(S4)。スクロールバー33が操作された場合は(S4:Yes)、バー操作取得処理を実行して(S5)、上述したS1〜S5の各処理を繰り返す。
【0075】
なお、詳細については後述するが、バー操作取得処理は、ユーザが触れているスクロールバー33の位置と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0076】
一方、スクロールバー33が操作されていない場合は(S4:No)、ユーザによりスライダ34が操作されたかを判定する(S6)。スライダ34が操作された場合は(S6:Yes)、スライダ操作取得処理を実行して(S7)、上述したS1〜S7の各処理を繰り返す。
【0077】
なお、詳細については後述するが、スライダ操作取得処理は、ユーザがスライダ34に触れている状態で移動させる指の移動方向と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0078】
一方、スライダ34が操作されていない場合は(S6:No)、タッチパネル17において、各スクロールキー31,32、スクロールバー33、及び、スライダ34とは関係の無い領域が触れられている場合であるので、何もせずに、S1の処理に戻り、上述したS1〜S6の各処理を繰り返す。
【0079】
次に、図6を参照して、MFP1のCPU11により実行されるキー操作取得処理(S3)について説明する。キー操作取得処理の中で、同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0080】
このキー操作取得処理(S3)は、ユーザが触れているスクロールキー31,32の種類と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0081】
キー操作取得処理では、まず、右スクロールキー31にユーザの指が接触しているかを判定し(S11)、右スクロールキー31にユーザの指が接触している場合は(S11:Yes)、右スクロールキー31内で、指の接触が検出されている電極(検出領域)の合計数を取得する(S12)。
【0082】
次に、取得した電極の数を、操作中電極数として、RAM13の操作中電極数メモリ13aに記憶する(S13)。次に、フラッシュメモリ14の基準電極数メモリ14aに記憶されている基準電極数と、操作中電極数メモリ13aの操作中電極数とを用いて、「操作中電極数÷基準電極数」を演算し、電極数の変化率aを算出する(S14)。
【0083】
次に、ROM12の移動量選定テーブルメモリ12bの移動量選定テーブルを参照して、S14の処理で算出した電極数の変化率aに対応する移動量を取得する(S15)。
【0084】
そして、スライド表示において、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルを、S15の処理で取得した移動量に応じた数だけ、ファイルの表示順序の大きいものに入れ替えて表示し(S16)、S19の処理に移行する。
【0085】
例えば、S15の処理で取得した移動量が「3」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルのうち、ファイルの表示順序が小さいものから順に3個のファイルが、表示順序の大きいファイルに入れ替えられる。
【0086】
S11の処理において、右スクロールキー31にユーザの指が接触していない場合は(S11:No)、ユーザの指が左スクロールキー32に接触している場合である。この場合は、左スクロールキー32内で、指の接触が検出されている電極(検出領域)の合計数を取得する(S17)。
【0087】
そして、上述したS13〜S15の処理と同様に各処理を実行した後、スライド表示において、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルを、S15の処理で取得した移動量に応じた数だけ、ファイルの表示順序の小さいものに入れ替えて表示し(S18)、S19の処理に移行する。
【0088】
例えば、S15の処理で取得した移動量が「5」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルのうち、ファイルの表示順序が大きいものから順に5個のファイルが、表示順序の小さいファイルに入れ替えられる。
【0089】
そして、S19の処理では、S16の処理、又は、S18の処理によって表示が更新された各ファイルの表示順序に応じて、スライド表示におけるスライダ34の表示位置を更新する(S19)。次に、ユーザの指が、右スクロールキー31、又は、左スクロールキー32から離れたかを判定し(S20)、ユーザの指がスクロールキー31,32に接触している場合は(S20:No)、上述した各S11〜S20の各処理を繰り返す。
【0090】
一方、ユーザの指がスクロールキー31,32から離れた場合は(S20:Yes)、このキー操作取得処理を終了する。
【0091】
以上の図6のフローチャートのキー操作取得処理により、ユーザが触れているスクロールキー31,32の種類と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えることができる。
【0092】
また、スクロールキー31,32が操作されている間(ユーザの指が触れている間)に、触れている指の本数が変化した場合には、その変化量に応じてファイルの移動量(即ち、入れ替えるファイルの数)を変更できる。
【0093】
よって、ユーザは、スクロールキー31,32に触れている間に、触れている指の本数を変化させれば、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの移動量を変化させることができる。従って、ユーザは、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの移動量を感覚的に簡単に調整できる。
【0094】
次に、図7を参照して、MFP1のCPU11により実行されるバー操作取得処理(S5)について説明する。バー操作取得処理を説明するにあたり、上述した図6のキー操作取得処理と同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0095】
このバー操作取得処理(S5)は、ユーザが触れているスクロールバー33の位置と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0096】
バー操作取得処理では、まず、スクロールバー33内で、スライダ34よりも右側の領域にユーザの指が接触しているかを判定する(S31)。スクロールバー33内で、スライダ34よりも右側の領域にユーザの指が接触している場合は(S31:Yes)、スライダ34よりも右側に位置するスクロールバー33内で、指の接触が検出されている電極(検出領域)の合計数を取得する(S32)。
【0097】
そして、S13〜S15の各処理を順番に実行した後、スライド表示において、ファイル表示エリア51内に表示されているファイル全てを、ファイルの表示順序の大きいものに、S15の処理で取得した移動量に応じた数のファイル分を跳ばして入れ替えて表示し(S33)、S36の処理に移行する。
【0098】
例えば、S15の処理で取得した移動量が「3」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルが全て、ファイルの表示順序が大きいファイルに入れ替えられるが、ファイルの表示順序を18ファイル分跳ばして入れ替えられる。また、S15の処理で取得した移動量が「1」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルが全て、ファイルの表示順序の大きいファイルに、跳ばされること無く入れ替えられる。
【0099】
S31の処理において、スクロールバー33内で、スライダ34よりも右側の領域にユーザの指が接触していない場合は(S31:No)、ユーザの指が、スライダ34よりも左側に位置するスクロールバー33内に接触している場合である。この場合は、スライダ34よりも左側に位置するスクロールバー33内で、指の接触が検出されている電極(検出領域)の合計数を取得する(S34)。
【0100】
そして、S13〜S15の各処理を順番に実行した後、スライド表示において、ファイル表示エリア51内に表示されているファイル全てを、ファイルの表示順序の小さいものに、S15の処理で取得した移動量に応じた数のファイル分を跳ばして入れ替えて表示し(S35)、S36の処理に移行する。
【0101】
例えば、S15の処理で取得した移動量が「3」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルが全て、ファイルの表示順序の小さいファイルに入れ替えられるが、ファイルの表示順序を18ファイル分跳ばして入れ替えられる。
【0102】
そして、S36の処理では、S33の処理、又は、S35の処理によって表示が更新された各ファイルの表示順序に応じて、スライド表示におけるスライダ34の表示位置を更新する(S36)。次に、スライダ34が、ユーザの指の接触位置に到達したかを判定し(S37)、スライダ34が、ユーザの指の接触位置に到達した場合は(S37:Yes)、このバー操作取得処理を終了する。
【0103】
よって、スライダ34の表示位置が、ユーザの指の接触位置に到達するまでは、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルが、定期的(例えば、2秒毎)に更新されていくことになる。
【0104】
従って、スライダ34の表示位置が、ユーザの指の接触位置に到達する前であれば、ユーザは、指の接触位置を別の位置に変更して、ファイルの更新終了時にファイル表示エリア51内に表示されるファイル内容を変更できる。
【0105】
一方、S37の処理において、スライダ34が、ユーザの指の接触位置に到達していない場合は(S37:No)、ユーザの指が、スクロールバー33から離れたかを判定する(S38)。
【0106】
ユーザの指が、スクロールバー33に接触している場合は(S38:No)、上述した各S31〜S38の各処理を繰り返す。一方、ユーザの指がスクロールバー33から離れた場合は(S38:Yes)、このバー操作取得処理を終了する。
【0107】
以上の図7のフローチャートのバー操作取得処理により、ユーザが触れているスクロールバー33の位置と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えることができる。
【0108】
また、スクロールバー33が操作されている間(ユーザの指が触れている間)に、触れている指の本数が変化した場合には、その変化量に応じてファイルの移動量(即ち、入れ替えるファイルの数)を変更できる。
【0109】
よって、ユーザは、スクロールバー33に触れている間に、触れている指の本数を変化させれば、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの移動量を変化させることができる。従って、ユーザは、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの移動量を感覚的に簡単に調整できる。
【0110】
次に、図8を参照して、MFP1のCPU11により実行されるスライダ操作取得処理(S7)について説明する。スライダ操作取得処理を説明するにあたり、上述した図6のキー操作取得処理と同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0111】
このスライダ操作取得処理(S7)は、ユーザがスライダ34に触れている状態で移動させる指の移動方向と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えるための処理である。
【0112】
スライダ操作取得処理では、まず、スライダ34内で、指の接触が検出されている電極(検出領域)の合計数を取得する(S41)。そして、S13〜S15の各処理を順番に実行した後、スライド表示において、スライダの幅を、S15の処理で取得した移動量に応じた長さに設定する(S42)。例えば、S15の処理で取得した移動量が「3」であれば、スライダの長さが3倍に設定される。よって、スライド量をユーザに視覚的に認識させることができる。
【0113】
次に、予め設定されている(ファイル表示エリア51内に表示される)ファイルの表示数(本実施形態では、6個)に、S15の処理で取得した移動量に応じた数を乗算し(S43)、演算結果に応じた数のファイルを、ファイル表示エリア51内に表示する(S44)。
【0114】
例えば、S15の処理で取得した移動量が「3」であれば、ファイル表示エリア51内に表示されているファイルの数が3倍となるので、ファイル表示エリア51内には、合計18個のファイルが表示される。よって、スライド量をユーザに視覚的に認識させることができる。
【0115】
次に、スライダ34に触れているユーザの指の位置が移動したかを判定し(S45)、スライダ34に触れているユーザの指の位置が移動していない場合は(S45:No)、上述したS41〜S45の各処理を繰り返す。
【0116】
一方、スライダ34に触れているユーザの指の位置が移動した場合は(S45:Yes)、移動したユーザの指の位置に重なるように、スライダ34を表示する(S46)。そして、移動したユーザの指の位置に応じて、ファイル表示エリア51内に表示しているファイルを入れ替えて表示する(S47)。
【0117】
例えば、ユーザがスライダ34に触れた状態で、その指を右方向に移動させると、指が接触している位置に追従するように、スライダ34の表示位置が変更される。スライダ34の表示位置が変更されると、ファイルの表示数が増加している状態で、右方向に移動したスライダ34の表示位置に対応する各ファイルが、ファイル表示エリア51内に表示される。なお、ユーザがスライダ34に触れた状態で、その指を左方向に移動させた場合については、スライダ34の表示位置が左方向に移動するので、表示順序の小さいファイルが、ファイル表示エリア51内に表示されることになる。
【0118】
そして、ユーザの指が、スライダ34から離れたかを判定し(S48)、ユーザの指が、スライダ34に接触している場合は(S48:No)、上述したS41〜S48の各処理を繰り返す。一方、ユーザの指がスライダ34から離れた場合は(S48:Yes)、このスライダ操作処理を終了する。
【0119】
以上の図8のフローチャートのスライダ操作取得処理により、ユーザがスライダ34に触れている状態で移動させる指の移動方向と、その触れている指の本数の変化量とに応じて、スライド表示中のファイルを入れ替えることができる。
【0120】
また、スライダ34が操作されている間(ユーザの指が触れている間)に、触れている指の本数が変化した場合には、その変化量に応じて、ファイル表示エリア51内に表示するファイルの数を変更できる。
【0121】
よって、ユーザは、スライダ34に触れている間に、触れている指の本数を変化させれば、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの数を変化させることができる。従って、ユーザは、ファイル表示エリア51内に表示されるファイルの数を感覚的に簡単に調整できる。
【0122】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0123】
例えば、本実施形態では、ROM12の基準電極数パターンメモリ12aに、基準電極数とする電極数を予め複数格納しているが、この基準電極数パターンメモリ12aを止めて、ユーザの指が画像キーに接触する度に、最初に接触が検出された際の電極の合計数を、基準電極数としてフラッシュメモリ14の基準に記憶するように構成しても良い。このように構成すれば、特に、不特定多数のユーザがMFP1を利用する場合に、ユーザ毎に基準電極数を設定することが不用となり、また、ユーザがMFP1を利用する度に、基準電極数を自身の値に設定することも不用となるので、ユーザの使い勝手が良い。また、基準電極数パターンメモリ12a不用となるので、ROM12の空き容量を増やすことができ、他の処理に関するプログラムなどを追加することができる。
【0124】
また、本実施形態では、予め移動量選定テーブルを用意しているが、ユーザ自身が、この移動量選定テーブル内の各パラメータ(電極数の変化率aの範囲、および、それに対応する移動量)を任意に設定できるように構成しても良い。このように構成すれば、ユーザの所望する移動量に設定できるので、ユーザの使い勝手がより良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の入力装置の一例であるMFPの外観構成を示した斜視図である。
【図2】(a)は、MFPの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、移動量選定テーブルの内容の一例を示す概略図であり、(c)は、ユーザの指がタッチパネルに接触した場合に、接触が検出される電極の一例を説明するための概略図である。
【図3】(a)は、LCDに表示されるスライド表示の一例を示す概略図であり、(b)〜(d)は、スライド表示の右スクロールキーの操作方法の一例を説明するための概略図である。
【図4】(a),(b)は、スライド表示のスライドバーの操作方法の一例を説明するための概略図であり、(c),(d)は、スライド表示のスライダの操作方法の一例を説明するための概略図である。
【図5】MFPの表示更新処理を示すフローチャートである。
【図6】MFPのキー操作取得処理を示すフローチャートである。
【図7】MFPのバー操作取得処理を示すフローチャートである。
【図8】MFPのスライダ操作取得処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0126】
1 MFP(入力装置の一例)
16 LCD(表示手段の一例)
17 タッチパネル(検出手段の一例)
S2 入力手段の一例
S12 入力面積取得手段の一例
S12 監視面積取得手段
S14 基準面積取得手段
S15 スライド量変更手段の一例
S19 表示制御手段の一例





【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、その表示手段に表示する画像を制御する表示制御手段とを備え、その表示制御手段によって制御する画像に関する指示を入力する入力装置において、
前記指示として前記画像を所定のスライド量でスライド表示する指示が割当てられている検出領域のうち、入力媒体が接近、または、接触した領域を示す反応領域を検出する検出手段と、
その検出手段によって前記反応領域が検出された場合に前記指示を入力する入力手段と、
その入力手段によって入力された指示に従ってスライド表示を開始してから終了するまでのスライド表示期間の間、前記反応領域の面積変化を監視する監視手段と、
その監視手段によって前記面積変化が認められた場合に、その面積変化に応じて前記入力手段によって入力された所定のスライド量を変更するスライド量変更手段とを備えていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
基準面積に相当する値を取得する基準面積取得手段を備え、
前記入力手段は、
前記反応領域を入力領域として、その入力領域の面積に相当する値を取得する入力面積取得手段と、
前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化に応じて、前記所定のスライド量を設定するスライド量設定手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記スライド量設定手段は、前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を設定することを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記監視手段は、
前記反応面積を監視領域として、その監視領域の面積に相当する値を取得する監視面積取得手段と、
その監視面積取得手段によって取得される値が、前記基準面積取得手段によって取得される値に対して変化したかを判断する判断手段とを備え、
前記スライド量変更手段は、
前記判断手段によって変化したと判断された場合に、その変化に応じて前記所定のスライド量を変更することを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記スライド量変更手段は、前記基準面積取得手段によって取得される値に対する前記入力面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を変更することを特徴とする請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記入力手段は、
前記反応領域を入力領域として、その入力領域の面積に相当する値を取得する入力面積取得手段を備え、
前記監視手段は、
前記反応面積を監視領域として、その監視領域の面積に相当する値を取得する監視面積取得手段と、
その監視面積取得手段によって取得される値が、前記入力面積取得手段によって取得される値に対して変化したかを判断する判断手段とを備え、
前記スライド量変更手段は、
前記判断手段によって変化したと判断された場合に、その変化に応じて前記所定のスライド量を変更することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項7】
前記スライド量変更手段は、前記入力面積取得手段によって取得される値に対する前記監視面積取得手段によって取得される値の変化率に応じて、前記所定のスライド量を変更することを特徴とする請求項6に記載の入力装置。
【請求項8】
前記表示手段は、その表示領域内に前記検出領域を含み、
前記表示制御手段は、全長が前記画像の総数を示し、一端側から他端側までを所定ピッチで区画した各区間毎に前記画像を一枚ずつ割当てた棒状のスライドバーを前記検出領域に重ねて表示し、
前記入力手段は、前記反応領域に含まれている区間に対応付けられている画像が、前記表示手段に表示されるまでスライド表示する指示を入力し、
前記監視手段は、前記反応領域に含まれる区間が変化したかを監視し、
前記スライド量変更手段は、前記区間の変化が認められた場合に、スライド表示する位置を、変化後の区間に対応付けられている画像が前記表示手段に表示されるまでに変更することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の入力装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示する画像数に応じた長さで、前記反応領域に追従して前記スライドバー上を移動するスライダを表示し、
前記スライド量変更手段によってスライド量を変更する場合に、その変更量に応じて前記スライダの長さを変更して表示することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−157047(P2010−157047A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334132(P2008−334132)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】