入力装置
【課題】タッチパネルのパネル表示面に対する入力操作性を向上させる。
【解決手段】制御部は、パネル表示面3に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する。パネル表示面3には、操作基準位置40が予め設定され、操作基準位置40には、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41が設けられている。制御部は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面3のうち基準位置40以外の領域に対して設定する。制御部は、操作入力位置での押下操作を検出したとき、操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する。
【解決手段】制御部は、パネル表示面3に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する。パネル表示面3には、操作基準位置40が予め設定され、操作基準位置40には、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41が設けられている。制御部は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面3のうち基準位置40以外の領域に対して設定する。制御部は、操作入力位置での押下操作を検出したとき、操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを有する入力装置では、タッチパネルに表示されたボタンアイコンに対する押下によって操作入力を行う。
【0003】
【特許文献1】特開2004−171512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立体形状を有する複数のボタンを備えた入力装置の場合、操作入力に慣れたユーザは、ボタンを押下する際の指の触感を頼りに次の操作入力位置を感覚的に判断することにより、連続した操作入力を迅速に行うことができるようになる。例えば、携帯型の端末装置の場合、端末装置を持った手の親指による入力操作に慣れてくると、親指の触感を頼りに次の操作入力位置を瞬時に判断することが可能になる。
【0005】
しかし、一般的なタッチパネルでは、触感によって入力位置を認識することができない。このため、タッチパネルを採用した入力装置では、次の操作入力位置を指の触感を頼りに感覚的に判断することが難しく、入力操作性の低下を招く。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、入力操作性が良好な入力装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の入力装置は、表示手段と入力検出手段と操作基準位置と基準位置接触報知手段と操作入力位置設定手段と処理実行手段と表示制御手段とを備える。
【0008】
表示手段は、パネル表示面を有する。入力検出手段は、パネル表示面に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する。
【0009】
操作基準位置は、パネル表示面に対して予め設定されている。基準位置報知手段は、ユーザの指が操作基準位置でパネル表示面に接触していることをユーザに認識させる。
【0010】
操作入力位置設定手段は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面のうち基準位置以外の領域に対して設定する。処理実行手段は、入力検出手段が操作入力位置での押下操作を検出したとき、該操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する。表示制御手段は、操作入力位置を示す所定のアイコンを表示手段に表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パネル表示面に対する入力操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各実施形態は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0013】
[実施形態1]
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の入力装置は、携帯型の端末装置1である。
【0014】
(1)構成
<端末装置の外観構成>
端末装置1は、矩形板形状を有し、前面にパネル表示面3を備えている。このほか、端末装置1は、スピーカ15及びマイクロフォン16(図2に示す)や、図示しない赤外線ポート、USB端子、外部メモリ収容部、充電用端子、電源スイッチ等を備えている。外部メモリ収容部には、メモリスティックやメモリカードなどの外部メモリ21(図2に示す)が収容される。
【0015】
<端末装置のシステム構成>
図2を参照して、端末装置1のシステム構成について説明する。図2は、端末装置1の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
端末装置1は、制御部11、出力インターフェース12、入力インターフェース13、バックライト14、上記スピーカ15、上記マイクロフォン16、記憶部17、GPSユニット18、無線ユニット19、外部入力端子インターフェース20等を備えている。
【0017】
記憶部17は、RAM(Random Access Memory)からなるメインメモリと、ROM(Read Only Memory)とを備えている。
【0018】
制御部11は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びその周辺装置等からなるメイン制御部と、フレームバッファに描画を行う画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)等からなる画像制御部と、楽音、効果音等を発生する音声処理装置(SPU:Sound Processing Unit)等からなる音声制御部などから構成されている。
【0019】
メイン制御部は、CPUと、割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)転送の制御等を行う周辺装置制御部を備えている。
【0020】
音声制御部は、メイン制御部の制御の下、楽音、効果音等を発生するSPUと、SPUにより、波形データ等が記録されるサウンドバッファとを備え、SPUによって発生される楽音、効果音等がスピーカ15から出力される。SPUは、例えば16ビットの音声データを4ビットの差分信号として適応予測符号化(ADPCM:Adaptive Differential PCM)された音声データを再生するADPCM復号機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを再生することにより、効果音等を発生する再生機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを変調させて再生する変調機能等を備えている。また、SPUは、マイクロフォン16から供給された音声データをCPUに供給する機能を備えている。マイクロフォン16は、外部からの音声が入力されると、所定のサンプリング周波数と量子化ビット数によるA/D変換等を施して、SPUに音声データを供給する。
【0021】
画像制御部は、ジオメトリトランスファエンジン(GTE:Geometry Transfer Engine)と、GPUと、フレームバッファと、画像デコーダとを備えている。GTEは、例えば複数の演算を並列に実行する並列演算機構を備え、上記CPUからの演算要求に応じて座標変換、光源計算、行列あるいはベクトルなどの演算を高速に行う。そして、メイン制御部は、GTEによる演算結果に基づいて3角形や4角形などの基本的な単位図形(ポリゴン)の組合せとして3次元モデルを定義して3次元像を描画するための各ポリゴンに対応する描画命令をGPUに送る。GPUは、メイン制御部からの描画命令に従って、フレームバッファに対して多角形(ポリゴン)等の描画を行う。フレームバッファは、GPUにより描画された画像を記憶する。このフレームバッファは、所謂デュアルポートRAMからなり、GPUからの描画あるいは記憶部17のメインメモリからの転送と、表示のための読み出しとを同時に行うことができる。また、このフレームバッファには、ビデオ出力として出力される表示領域の他に、GPUがポリゴン等の描画を行う際に参照するカラールックアップテーブル(CLUT:Color Lock Up Table)が記憶されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPUによって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテクスチャ領域は、表示領域の変更等に従って動的に変更される。画像デコーダは、メイン制御部からの制御により、記憶部17のメインメモリに記憶され離散コサイン変換等の直交変換により圧縮されて符号化された静止画あるいは動画の画像データを復号してメインメモリに記憶させる。
【0022】
記憶部17のROMには、端末装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステム等のプログラムが記憶されている。制御部11のCPUは、ROMに記憶されているオペレーティングシステムを記憶部17のメインメモリに読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、この端末装置1の全体を制御する。更に、ROMには、端末装置1の各部や端末装置1に接続される各種周辺機器を制御するための制御プログラムや、映像コンテンツを再生するための映像再生プログラムや、ゲームを行う機能をCPUに実現させるためのゲームプログラムなどの各種プログラムが格納されている。
【0023】
記憶部17のメインメモリには、CPUがROMから読み出したプログラムや、各種プログラムの実行の際に用いられるデータ等の各種データが記憶される。
【0024】
GPSユニット18は、制御部11の制御の下、人工衛星が発信する電波を受信し、これを用いて端末装置1の位置情報(緯度・経度・高度など)を求めて制御部11へ出力する。
【0025】
無線通信部ユニット19は、制御部11の制御の下、赤外線ポートを介して他の端末装置と無線通信を行う。
【0026】
外部入力端子インターフェース20は、USB端子とUSBコントローラとを備え、USB端子を介して外部機器との間でUSB接続が行われる。
【0027】
上記外部メモリ収容部に収容された外部メモリ21は、図示しないパラレルI/Oインターフェース(PIO)及びシリアルI/Oインターフェース(SIO)とを介して制御部11に接続される。
【0028】
出力インターフェース12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)22とLCDコントローラ23とを備えている。LCD22は、LCDパネル26(図4に示す)やドライバ回路などをモジュール化したものである。LCDコントローラ23は、制御部11のフレームバッファから出力された画像データを一時的に格納するRAMを内蔵し、制御部(メイン制御部)11からの制御により、RAM内の画像データを所定のタイミングで読み出して、LCD22へ出力する。
【0029】
入力インターフェース13は、抵抗膜方式のタッチパネル24とタッチパネルコントローラ25とを備えている。タッチパネル24の表面(外面)には、透明樹脂材によって薄板状に形成された外装パネル2が密接状態で装着されている。外装パネル2の表面(外面)は、ユーザの指やペン等からの押下操作を受けるパネル表示面3を構成する。
【0030】
タッチパネル24は、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有し、LCD22(LCDパネル26)の表示画面上に配置されている(図4参照)。外装パネル2のパネル表示面3がユーザの指やペン等で押圧される(押下操作される)と、タッチパネル24の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパネルコントローラ25は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値として検出し、その座標値を操作入力位置情報(操作信号)として制御部11に出力する。すなわち、入力インターフェース13は、パネル表示面3に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する入力検出手段として機能する。
【0031】
タッチパネル24は、透明な薄板形状を有し、LCD22の表示画面上に密接して配置されている。このため、LCD22の表示画面上の画像は、タッチパネル24及び外装パネル2を透過してパネル表示面3から容易に視認可能であり、LCD22とタッチパネル24と外装パネル2とは、表示手段を構成している。また、外装パネル2及びタッチパネル24を介してパネル表示面3上に見えるLCD22の画像の位置(見かけ上の位置)と、LCD22の表示画面上の画像の位置(実際の位置)とは、殆どずれることなく一致する。
【0032】
なお、入力インターフェースは、上記抵抗膜方式のタッチパネル24に限定されるものではなく、パネル表示面に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する機能を有するものであれば良い。例えば、抵抗膜方式に代えて、静電容量方式、画像認識方式、光学方式など、様々なタイプの入力インターフェースを用いることができる。静電容量方式では、タッチパネルの表面全体に低圧の電界を形成し、タッチパネルに指が接触した際の表面電荷の変化を検出することにより、操作入力位置を検出する。画像認識方式では、LCDの表示画面の近傍に配置された複数のイメージセンサによってLCDの表示画面に接触する指などの画像を撮像し、撮像画像を解析することにより、操作入力位置を検出する。また、光学方式では、LCDの表示画面を囲む周壁のうち縦壁の一方と横壁の一方とに発光体を配置し、縦壁の他方と横壁の他方とに受光部を配置し、表示画面に接触する指によって遮られた光の縦横位置を検出することにより、操作入力位置を検出する。すなわち、画像認識方式や光学式では、タッチパネルを設ける必要がなく、LCDの画像表示面がユーザからの押下操作を受けるパネル表示面となる。
【0033】
バックライト14は、LCD22(LCDパネル26)の裏面側に配置され、制御部11の制御の下、LCD22の裏面側から表面側に向かって光を照射する。なお、バックライト14は、LCDコントローラ23からの制御に応じて光を照射してもよい。
【0034】
<端末装置のソフトウェア構成>
図3を参照して、端末装置1のソフトウェア構成について説明する。図3は、端末装置1の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
装置端末1のソフトウェア構成では、下位側からデバイスドライバ層、フレームワーク層、デバイス用ミドルウェア層、アプリケーション層が規定されている。
【0036】
デバイスドライバ層は、制御部11と、制御部11に接続されているハードウェアとを動作させるためのソフトウェアである。例えば、オーディオ変換モジュールを動作させるためのデバイスドライバや、LCDを動作させるためのLCDドライバや、バックライトドライバを動作させるためのドライバやなどが適宜含まれる。
【0037】
フレームワーク層は、アプリケーションプログラムに対して汎用的な機能を提供するとともに、デバイスドライバによって動作される各種資源を管理するソフトウェアである。フレームワーク層は、例えば、後述するミドルウェア層又はアプリケーション層において実行されるいずれかのアプリケーションプログラムが発生した命令をデバイスドライバに伝える。また、フレームワーク層は、記憶部17や外部メモリ21とのデータの入出力や、タッチパネル24からの操作入力やLCD22への画面出力といった入出力機能の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、システム全体を管理する。
【0038】
ミドルウェア層は、フレームワーク上で動作し、アプリケーションプログラムに対してフレームワークよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェアであるミドルウェアで構成されている。ここでは、ミドルウェアとして、スピーカ15からの出力音声を合成する技術の基本的な機能を提供するための音声合成ミドルウェア、マイクロフォン16から入力された音声を認識する技術の基本的な機能を提供するための音声認識ミドルウェア、タッチパネル24から操作入力を検出する技術の基本的な機能を提供するためのマルチタッチ検出ミドルウェア、及びLCD22へ映像を出力する技術の基本的な機能を提供するための映像出力ミドルウェアなどが用意されている。
【0039】
最上位層のアプリケーション層では、各種のアプリケーションプログラムが実行される。端末装置1においては、例えば、コミュニケーションアプリケーション、ウェブブラウザ、ファイル交換アプリケーション、オーディオプレイヤ、楽曲検索アプリケーション、ミュージックストリーミング、録音ツール、フォトビューア(Photo Viewer)、テキストエディタ(Text Editor)、ゲームアプリケーションなどの個別のアプリケーションや、メニュー表示ツール、セッティングツールなどに加えて、これらのアプリケーションソフトウェアを管理するアプリケーションマネージャと、開発環境が用意されている。
【0040】
<外装パネルの構成>
図1に示すように、端末装置1を横長に配置した状態でのパネル表示面3の左右の所定位置には、所定の範囲を有する操作基準位置40が設定されている。各操作基準位置40には、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを、指の触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41がそれぞれ形成されている。なお、本実施形態の操作基準位置40は、ユーザが端末装置1を手で持って使用する際に、端末装置1を持つ手の親指によって押下可能な位置に設定される。
【0041】
基準位置認識部41として、例えば、パネル表示面3から一体的に突出する凸部42(図4に示す)や、パネル表示面3から凹む凹部43(図5に示す)のような外面形状であってもよい。また、外装パネル2の内部に部分的な中空部44(図6に示す)を設け、パネル表示面3側に薄肉部45を形成した構造であってもよい。この場合、ユーザは、指で操作基準位置40を押下した際に、薄肉部45が容易に撓むため、その触感によって操作基準位置40を認識することができる。なお、パネル表示面3側からLCD22の画像を見た際に、中空部44が設けられた場所(操作基準位置40)と他の場所との間で見え方の相違が生じ難いように、光の屈折率が外装パネル2と同じ又は近い特性を有する液体やゲルやエラストマーなどを中空部44に密封してもよい。
【0042】
なお、外装パネル2をタッチパネル24と別体とせず、タッチパネル24の電極シートを覆う表面シートとして、タッチパネル24の部材として構成してもよい。
また、以下において、左右の操作基準位置40及び基準位置認識部41を区別するため、左側にはLの符号を、右側にはRの符号を適宜付して説明する。
【0043】
<端末装置の機能的構成>
上記システム構成及びソフトウェア構成を備えた端末装置1の制御部11が入力操作管理プログラムを実行することによって実現される操作入力管理処理に関する構成について説明する。なお、入力操作管理プログラムは、単独のアプリケーションとして記憶部17に記憶されていてもよく、またゲームアプリケーションなどの個々のアプリケーションに含まれた状態で記憶部17や外部メモリ21に記憶されていてもよい。また、入力操作管理プログラムが単独のアプリケーションとして記憶されている場合、他のアプリケーションの管理の下に入力操作管理プログラムを実行してもよい。なお、以下において、特に説明しない限り、操作入力管理処理に伴って制御部11が実行する処理をメイン処理と称する。
【0044】
操作入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の入力表示パターンの中から一つの入力表示パターンを特定し、特定した入力表示パターンに応じて、複数の入力操作位置をそれぞれ示す複数の入力位置表示アイコン30をパネル表示面3の所定位置に表示させる。各入力操作位置は所定の範囲を有し、入力操作位置の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30が表示される。各入力操作位置(各表示アイコン30の表示位置)は、パネル表示面3のうち上記2つの操作基準位置40を除く領域に、操作基準位置40を基準として予め設定されている。
【0045】
複数の入力表示パターンとしては、例えば、ゲームの実行に適したゲームボタン表示パターン(図1に示す)の他、特に図示しないが、両手での文字入力に適したキーボード表示パターン、音楽データの入力に適した鍵盤表示パターン、片手及び両手での文字入力に適した携帯電話型表示パターンなどが設定されている。なお、本実施形態では、ゲームボタン表示パターンを表示する場合について説明する。
【0046】
図1に示すように、ゲームボタン表示パターンにおいて、端末装置1を横長に配置した状態でのパネル表示面3の左側領域には、左側の操作基準位置40L(基準位置認識部41L)の上下左右に、上方向キーアイコン31U、下方向キーアイコン31D、左方向キーアイコン31L、及び右方向キーアイコン31Rが、それぞれ入力位置表示アイコン30(以下、左側アイコン群30Lと称する)として基準位置認識部41Lに近接して表示される。また、パネル表示面3の右側領域には、右側の操作基準位置40R(基準位置認識部41R)の上下左右に、△ボタンアイコン32B、×ボタンアイコン32D、□ボタンアイコン32C、及び〇ボタンアイコン32Aが、それぞれ入力位置表示アイコン30(以下、右側アイコン群30Rと称する)として基準位置認識部41Rに近接して表示される。各ボタンアイコン31U,31D,31L,31R,32A,32B,32C,32Dには、そのボタンを特定する印(例えば、上方向キーアイコン31Uでは上矢印、〇ボタンアイコン32Aでは○印)が合わせて表示される。なお、本実施形態の操作入力位置30は、ユーザが端末装置1を両手で持って使用する際に、端末装置1を持つ両手の各親指によって押下可能な位置に設定される。
【0047】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された入力表示パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの入力表示パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)に応じて所定の1つの入力表示パターンを特定してもよい。
【0048】
制御部11は、ゲームボタン表示パターンを表示した状態で、入力インターフェース13から操作入力位置情報を受信すると、その操作入力位置情報が示す座標位置が入力位置表示アイコン30の表示領域に対応した位置(操作入力位置)であるか否かを検知し、対応している場合には、ユーザから所定の入力操作が行われたと判断し、その入力位置表示アイコン30(入力操作位置)に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。すなわち、制御部11は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面3のうち操作基準位置40を除く領域に対して設定する操作入力位置設定手段、及び入力インターフェース13が操作入力位置での押下操作を検出したとき、その操作入力位置に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段として機能する。なお、上記操作入力位置の範囲と入力位置表示アイコン30の表示範囲とは、ほぼ同じである必要はなく、両者の範囲は少なくとも重複していればよい。
【0049】
一方、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が操作基準位置40である場合、制御部11は、メイン処理に対して特に制御信号を供給しない。
【0050】
また、制御部11は、複数の操作入力位置に対応した操作入力情報を入力インターフェース13から同時に受信した場合、その操作入力位置の組み合わせが予め設定されている適正な組み合わせか設定されていない不適正な組み合わせかを判定する。上記組み合わせが適正であると判定した場合、制御部11は、その組み合わせに対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。
【0051】
一方、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、係る押下操作は誤操作であると推定されるため、制御部11は、それら複数の操作入力位置に対する押下操作を全て無効とし、メイン処理に対して制御信号を出力しない。例えば、左側の操作基本位置40Lの周りの4カ所の操作入力位置については、操作基本位置40Lを挟んで対峙する2組の操作入力位置(上方向キーアイコン31Uと下方向キーアイコン31Dの組み合わせと左方向キーアイコン31Lと右方向キーアイコン31Rの組み合わせ)を不適正と設定する。また、右側の操作基本位置40Rの周りの4カ所の操作入力位置については、操作基本位置40Rを挟んで対峙する2組の操作入力位置(△ボタンアイコン32Bと×ボタンアイコン32Dの組み合わせと□ボタンアイコン32Cと〇ボタンアイコン32Aの組み合わせ)を不適正と設定する。
【0052】
なお、パネル表示面3が操作基準位置40で押下操作されたとき、操作入力位置情報を出力しないように入力インターフェース13を構成してもよい。このような入力インターフェース13は、様々な構造によって実現可能である。一例として、抵抗膜方式のタッチパネル24を備えた入力インターフェース13の場合、操作基準位置40に電極シートを設けないとか、電極シート間に絶縁体を配置するなどの構造とすればよい。
【0053】
また、図1の例では、左右の基準位置認識部41を、各入力位置表示アイコン30と隣接しない大きさに設定しているが、両者の関係はこれに限定されるものではなく、例えば図7に示すように、左右の基準位置認識部41を、入力位置表示アイコン30の間に入り込んでその入力位置アイコン30に隣接するような形状及び大きさに設定してもよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを、指の触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41を設けたが、このような基準位置認識部41を設けずに、他の方法によって、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることをユーザに認識させてもよい。例えば、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が操作基準位置40である場合、制御部11が、パネル表示面3の所定部分を点滅発光させたり、スピーカ15から報知音を出力するなどによって、上記状態を報知してもよい。さらに、バイブレーション機能を有する端末装置1であれば、端末装置1を振動することによって、上記状態を報知してもよい。また、その他に、微弱な電気刺激や温・冷刺激をユーザの指に付与することによって、上記状態を報知してもよい。
【0055】
また、制御部11は、左右の操作基準位置40L,40Rのうち少なくとも一方での押下操作を検出していることを条件に、ユーザから押下操作された入力位置表示アイコン30に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給してもよい。このような構成では、ユーザが操作端末1を適切に支持していると推定される場合(操作基準位置40で押下操作が検出されている場合)に限って、その入力操作位置に対応した制御信号がメイン処理に対して供給されるので、ユーザが携帯端末1を使用していない間(例えば、カバン等に入れて持ち歩いている間)に操作入力管理処理が誤って開始されてしまった場合であっても、ユーザが意図しないメイン処理が実行されてしまうことがない。
【0056】
(2)作用
次に、本願実施形態の作用について説明する。
【0057】
ユーザは、パネル表示面3に表示された入力位置表示アイコン30を指で押下することによって、端末装置1に対する操作入力を行う。
【0058】
この操作入力において、ユーザは、例えば図8に示すように、横長姿勢の端末装置1の左右両側を両手で把持し、左右の操作基準位置40(基準位置認識部41)に左右の親指を置き、基準位置認識部41をホームポジションとして、基準位置認識部41から必要に応じて親指を上下左右に適宜移動させながら所望の入力表示アイコン30上を押下する。
【0059】
このように、基準位置認識部41をホームポジションとして利用することにより、指の皮膚の感触によって操作基準位置40(基準位置認識部41)を認識しながら操作入力することができる。従って、ユーザは、基準位置認識部41での指の触感を頼りに次の操作入力位置を感覚的に判断することが可能となる。また、入力操作に慣れるに従って、連続した操作入力を迅速に行うことが可能となる。
【0060】
また、ユーザが複数の操作入力位置を不適正な組み合わせで同時に押下操作した場合、制御部11は、その操作を無効としてメイン処理に制御信号を供給しない。従って、係る誤操作によって不適正な制御信号がメイン処理に提供されることがなく、不適正な制御信号に起因して制御部11が誤作動を起こしてしまう可能性を排除することができる。
【0061】
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、上記第1の実施形態と共通する部分については、その説明を省略する。
【0062】
上記第1の実施形態では、2つの操作入力位置に対応した操作入力情報を同時に受信した制御部11は、その操作入力位置の組み合わせが予め設定されている適正な組み合わせか否かを判定し、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、2つの操作入力位置に対する押下操作をともに無効とし、メイン処理に対して制御信号を出力しない。これに対し、本実施形態では、制御部11は押下範囲検知手段として機能し、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、2つの操作入力位置に対する押下操作のうち、ユーザが意図した操作入力位置を推定することにより、一方を有功と判定し、他方を無効と判定する。制御部11は、有効と判定した押下操作に対応する制御信号をメイン処理に出力し、無効と判定した押下操作に対応する制御信号を出力しない。
【0063】
例えば、不適正な組み合わせとなる2つの操作入力位置(第1の操作入力位置と第2の操作入力位置)が同時に押下操作された場合、制御部11は、受信した操作入力位置情報が示す複数の座標位置に基づいて、第1の操作入力位置に含まれる押下範囲(面積)と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲(面積)とをそれぞれ求め、第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とを比較する。比較の結果、広い方の範囲の操作入力位置を、ユーザが意図した操作入力位置と推定し、その押下操作を有効な入力と判定し、一方、狭い方の範囲の操作入力位置を、ユーザが意図しない操作入力位置と推定し、その押下操作を無効な入力と判定する。そして、有効と判定した操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給し、無効と判定した操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給しない。なお、タッチパネル24が押下圧力を検出可能に構成されている場合、上記押下範囲(面積)に代えて若しくは加えて、各操作入力位置での押下圧力に基づいて有効な操作入力位置の判定を行ってもよい。
【0064】
上記構成では、不適正な組み合わせとなる2つの操作入力位置をユーザが同時に押下操作した場合、制御部11は、一方の操作入力位置をユーザが意図した位置と推定し、その操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給する。従って、係る誤操作によって不適正な制御信号がメイン処理に提供されることがなく、不適正な制御信号に起因して制御部11が誤作動を起こしてしまう可能性を排除することができる。また、ユーザが意図したと推定された操作入力位置に対応する制御信号がメイン処理に供給されるので、不適正な組み合わせで押下操作を行ったユーザにとって、再入力を繰り返して行う必要性が低減され、入力操作性が向上する。
【0065】
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0066】
本実施形態では、入力操作位置の範囲をユーザの指の大きさに応じて変更して設定する。制御部11は、押下範囲検知手段として機能し、上記操作入力管理処理の開始時に、以下の入力操作位置変更処理を実行する。
【0067】
入力操作位置変更処理では、パネル表示面3に、「指の大きさを判定します。」などの文章を表示して、本処理の開始をユーザに報知する。係る報知の後、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が2つの操作基準位置40に含まれる場合(操作基準位置40の押下による操作入力位置情報を受信した場合)、同時に受信した操作入力位置情報が示す複数の座標位置に基づいて、各操作基準位置40を含む押下範囲(面積)をそれぞれ求め、その押下範囲が予め設定された所定範囲以下であるか否かを判定する。このとき、2つの操作基準位置40の各押下範囲に対してそれぞれ判定を行ってもよく、また両者の平均値(平均押下範囲)に対して判定を行ってもよい。
【0068】
押下範囲が所定範囲以下のときは、ユーザの親指の大きさが普通サイズかそれ以下であると推定し、第1の範囲(例えば、右側の入力位置表示アイコン30Rの場合、図9に実線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第1の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。一方、押下範囲が所定範囲を超えているときは、ユーザの親指の大きさが普通サイズを超えていると推定し、第1の範囲よりも広い第2の範囲(図9に二点鎖線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第2の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。なお、入力位置表示アイコン30の表示範囲は、第1の範囲であってもよい。入力操作位置を設定すると、入力操作位置変更処理を終了する。また、第2の範囲は、第1の範囲を含み、且つ操作基準位置40から離間する方向に拡大するように設定される。
【0069】
なお、上記入力操作位置変更処理は、上記操作入力管理処理の開始時に必ず実行してもよく、ユーザからの指示によって選択的に実行してもよい。また、操作入力管理処理の実行途中に、ユーザからの指示によって実行してもよい。ユーザからの指示としては、例えば、2つの操作基準位置40を同時に2回連続して押下する(ダブルクリックする)とか、パネル表示面3を所定範囲内でダブルクリックするなどが可能である。2つの操作基準位置40のダブルクリックを入力操作位置変更処理の開始指示とする場合、ダブルクリックの前後の押下操作のうち少なくとも一方の操作入力位置情報を記憶しておき、これに基づいて押下範囲を求めてもよい。また、加速度センサ28を端末装置1に設け、2つの操作基準位置40での押下操作を検出している状態で加速度センサ28が所定値以上の加速度を検出したときに(ユーザが2つの操作基準位置40を押下操作した状態で端末操作1を所定値以上の加速度で振ったときに)、入力操作位置変更処理を開始するなども可能である。
【0070】
また、操作基準値40に代えて、図1に二点鎖線で示すように、パネル表示面に2カ所の押下範囲検知位置70を予め別途設定し、各押下範囲検知位置70を示す範囲検知位置アイコン71をそれぞれ表示させてもよい。
【0071】
また、上述のように、押下範囲に応じて入力操作位置の範囲を増大させることに代えて若しくは加えて、押下範囲に応じて入力操作位置の範囲を減少させてもよい。この場合、操作基準位置40から離間する方向に減少するように入力操作位置の範囲を設定してもよい。
【0072】
本実施形態では、ユーザの親指の大きさに応じて操作入力位置の範囲を増減されるので、入力操作性が向上する。また、ユーザの親指が大きい場合、操作基準位置40から離間する方向に操作入力位置の範囲が拡大されるので、操作基準位置40に置かれた親指によって操作入力位置が誤って押下操作されてしまう可能性が少なく、ユーザが意図しない誤操作が生じ難い。
【0073】
[実施形態4]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0074】
上記第3の実施形態の制御部11は、入力操作位置変更処理において、パネル表示面3に対する押下範囲(面積)を求め、その押下範囲の大きさに応じて入力操作位置の範囲(面積)を増減する。これに対し、本実施形態の制御部11は、入力操作位置変更処理において、ユーザが操作基準位置40を押下操作した際の押下範囲が操作基準位置40に対して何れの方向に偏っているかを判定し、その偏りに応じて入力操作位置を移動して設定する。
【0075】
例えば、入力操作位置変更処理の開始後、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が2つの操作基準位置40に含まれる場合、同時に受信した操作入力位置情報が示す座標位置に基づいて、各操作基準位置40を含む押下範囲が操作基準位置40に対して何れの方向(図1中の上方、下方及び左右方向)に偏っているか(変位しているか)を求め、その変位が予め設定された所定距離以下であるか否かを判定する。変位が所定距離以下のときは、ユーザの親指が操作基準位置40の中央を的確に押下していると推定し、第1の範囲(例えば、右側の入力位置表示アイコン30Rの場合、図10に実線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第1の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。一方、変位が所定距離を超えているときは、ユーザの親指が操作基準位置40の中央からずれた位置を押下していると推定し、第1の範囲から予め設定された所定距離だけ上記変位の方向に移動した第2の範囲(上方に移動した場合の第2の範囲を図9に二点鎖線で示す)に入力操作位置を設定し、第2の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。なお、入力位置表示アイコン30の表示範囲は、第1の範囲であってもよい。入力操作位置を設定すると、入力操作位置変更処理を終了する。
【0076】
なお、本実施形態の入力操作位置変更処理において、上述のように入力操作位置を移動するとともに、上記第3の実施形態のように入力操作位置に範囲を増減してもよい。
【0077】
本実施形態では、ユーザの操作姿勢やくせなどに起因してユーザが目標とする押下位置と実際の押下位置とがずれてしまう場合であっても、そのずれに応じて操作入力位置が移動されるので、入力操作性が向上する。また、操作基準位置40に置かれた親指によって操作入力位置が誤って押下操作されてしまう可能性が少なく、ユーザが意図しない誤操作が生じ難い。
【0078】
[実施形態5]
次に、本発明の第5の実施形態について、図11〜図13に基づき説明する。
【0079】
上記第1の実施形態では、2カ所の操作基準位置40を設定し、これら2カ所の操作基準位置を入力操作位置を設定するための基準として用いている。これに対し、本実施形態では、3カ所以上(本実施形態では6カ所)の操作基準位置40を予め設定し、その中の2カ所を入力操作位置を設定するための基準として適宜用いる。
【0080】
操作端末1は、加速度センサ28(図2に示す)を備える。加速度センサ28は、操作端末1に発生する加速度を検出して制御部11に出力し、制御部11は、加速度センサ28が検出した加速度に基づいて、端末装置1の姿勢(後述する横長の姿勢か縦長の姿勢か)を判断する。なお、操作端末1の姿勢を検知可能なセンサとして、ジャイロセンサなどの他のセンサを設けてもよい。
【0081】
図11に示すように、パネル表示面3には、上記2カ所の操作基準位置40(基準位置認識部41)に加えて、端末装置1を横長に配置した状態(横長の姿勢)で左側の操作基準位置40Lの上下2カ所にそれぞれ配置される操作基準位置50(基準位置認識部51)と、右側の操作基準位置40Rの上下2カ所に配置される操作基準位置60(基準位置認識部61)とが予め設定されている。
【0082】
制御部11が実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理(例えば、1人用のゲームアプリケーション)であり、操作端末1の長辺1a及び短辺1bのうち長辺1aが上方を向く横長の姿勢で端末装置1が使用される場合、図11に示すように、上記第1の実施形態で説明したように、操作基準位置40を基準に入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)がそれぞれ設定される。
【0083】
制御部11が実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理であり、短辺1bが上方を向く縦長の姿勢で端末装置1が使用される場合、図12に示すように、下方の左右の操作基準位置50を基準に入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)が設定される。この場合、ユーザは、端末装置1の下方の左右の両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよい。
【0084】
また、制御部11が実行するメイン処理が2人のユーザを対象とした処理の場合、端末装置1の姿勢によらず、図13に示すように、一方のユーザが操作入力を行う入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)は、操作基準位置50を基準に設定され、他方のユーザが操作入力を行う入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)は、操作基準位置60を基準に設定される。この場合、一方のユーザは、端末装置1の一方の短辺1bの両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよく、他方のユーザは、端末装置1の他方の短辺1bの両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよい。
【0085】
上記操作入力位置の設定処理を実現するため、本実施形態の制御部11は、操作入力管理処理において、実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理か2人のユーザを対象とした処理かを判定し、2人のユーザを対象とした処理の場合、図13に示すように、操作基準位置50及び操作基準位置60を入力操作位置の設定基準として用いる。また、1人のユーザを対象とした処理の場合、加速度センサ28が検出した加速度に基づいて端末装置1の姿勢を判断する。端末装置1が横長の姿勢のときは、図11に示すように、操作基準位置40を入力操作位置の設定基準として用いる。また、端末装置1が縦長の姿勢のときは、図12に示すように、操作基準位置50を入力操作位置の設定基準として用いる。
【0086】
上記構成では、複数設定された操作基準位置40,50,60のうち、入力操作位置の設定基準として用いる操作基準位置が、端末装置1が実行するメイン処理や端末装置1の姿勢に応じて適宜選択されるので、利便性が向上する。
【0087】
なお、上述の各実施形態では、携帯型の端末装置1を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、タッチパネルを有する種々の装置に広く適用可能である。
【0088】
すなわち、上述の各実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の各実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、タッチパネルを有する入力装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る端末装置を示す斜視図である。
【図2】端末装置の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】端末装置の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】基準位置認識部の断面図である。
【図5】基準位置認識部の他の例の断面図である。
【図6】基準位置認識部のさらに他の例の断面図である。
【図7】基準位置認識部のさらに他の例の平面図である
【図8】端末装置の使用状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を説明するための図1の要部拡大図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を説明するための図1の要部拡大図である。
【図11】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・端末装置、2・・・外装パネル、3・・・パネル表示面、11・・・制御部、12・・・出力インターフェース、13・・・入力インターフェース、22・・・LED、24・・・タッチパネル、30・・・入力位置表示アイコン、31U,31D,31L,31R・・・方向キーアイコン、32A,32B,32C,32D・・・ボタンアイコン、33,34,35・・・キーアイコン、40,50,60・・・操作基準位置、41,51,61・・・基準位置認識部
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを有する入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを有する入力装置では、タッチパネルに表示されたボタンアイコンに対する押下によって操作入力を行う。
【0003】
【特許文献1】特開2004−171512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立体形状を有する複数のボタンを備えた入力装置の場合、操作入力に慣れたユーザは、ボタンを押下する際の指の触感を頼りに次の操作入力位置を感覚的に判断することにより、連続した操作入力を迅速に行うことができるようになる。例えば、携帯型の端末装置の場合、端末装置を持った手の親指による入力操作に慣れてくると、親指の触感を頼りに次の操作入力位置を瞬時に判断することが可能になる。
【0005】
しかし、一般的なタッチパネルでは、触感によって入力位置を認識することができない。このため、タッチパネルを採用した入力装置では、次の操作入力位置を指の触感を頼りに感覚的に判断することが難しく、入力操作性の低下を招く。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、入力操作性が良好な入力装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の入力装置は、表示手段と入力検出手段と操作基準位置と基準位置接触報知手段と操作入力位置設定手段と処理実行手段と表示制御手段とを備える。
【0008】
表示手段は、パネル表示面を有する。入力検出手段は、パネル表示面に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する。
【0009】
操作基準位置は、パネル表示面に対して予め設定されている。基準位置報知手段は、ユーザの指が操作基準位置でパネル表示面に接触していることをユーザに認識させる。
【0010】
操作入力位置設定手段は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面のうち基準位置以外の領域に対して設定する。処理実行手段は、入力検出手段が操作入力位置での押下操作を検出したとき、該操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する。表示制御手段は、操作入力位置を示す所定のアイコンを表示手段に表示する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、パネル表示面に対する入力操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。各実施形態は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0013】
[実施形態1]
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の入力装置は、携帯型の端末装置1である。
【0014】
(1)構成
<端末装置の外観構成>
端末装置1は、矩形板形状を有し、前面にパネル表示面3を備えている。このほか、端末装置1は、スピーカ15及びマイクロフォン16(図2に示す)や、図示しない赤外線ポート、USB端子、外部メモリ収容部、充電用端子、電源スイッチ等を備えている。外部メモリ収容部には、メモリスティックやメモリカードなどの外部メモリ21(図2に示す)が収容される。
【0015】
<端末装置のシステム構成>
図2を参照して、端末装置1のシステム構成について説明する。図2は、端末装置1の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
端末装置1は、制御部11、出力インターフェース12、入力インターフェース13、バックライト14、上記スピーカ15、上記マイクロフォン16、記憶部17、GPSユニット18、無線ユニット19、外部入力端子インターフェース20等を備えている。
【0017】
記憶部17は、RAM(Random Access Memory)からなるメインメモリと、ROM(Read Only Memory)とを備えている。
【0018】
制御部11は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)及びその周辺装置等からなるメイン制御部と、フレームバッファに描画を行う画像処理装置(GPU:Graphic Processing Unit)等からなる画像制御部と、楽音、効果音等を発生する音声処理装置(SPU:Sound Processing Unit)等からなる音声制御部などから構成されている。
【0019】
メイン制御部は、CPUと、割り込み制御やダイレクトメモリアクセス(DMA:Direct Memory Access)転送の制御等を行う周辺装置制御部を備えている。
【0020】
音声制御部は、メイン制御部の制御の下、楽音、効果音等を発生するSPUと、SPUにより、波形データ等が記録されるサウンドバッファとを備え、SPUによって発生される楽音、効果音等がスピーカ15から出力される。SPUは、例えば16ビットの音声データを4ビットの差分信号として適応予測符号化(ADPCM:Adaptive Differential PCM)された音声データを再生するADPCM復号機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを再生することにより、効果音等を発生する再生機能と、サウンドバッファに記憶されている波形データを変調させて再生する変調機能等を備えている。また、SPUは、マイクロフォン16から供給された音声データをCPUに供給する機能を備えている。マイクロフォン16は、外部からの音声が入力されると、所定のサンプリング周波数と量子化ビット数によるA/D変換等を施して、SPUに音声データを供給する。
【0021】
画像制御部は、ジオメトリトランスファエンジン(GTE:Geometry Transfer Engine)と、GPUと、フレームバッファと、画像デコーダとを備えている。GTEは、例えば複数の演算を並列に実行する並列演算機構を備え、上記CPUからの演算要求に応じて座標変換、光源計算、行列あるいはベクトルなどの演算を高速に行う。そして、メイン制御部は、GTEによる演算結果に基づいて3角形や4角形などの基本的な単位図形(ポリゴン)の組合せとして3次元モデルを定義して3次元像を描画するための各ポリゴンに対応する描画命令をGPUに送る。GPUは、メイン制御部からの描画命令に従って、フレームバッファに対して多角形(ポリゴン)等の描画を行う。フレームバッファは、GPUにより描画された画像を記憶する。このフレームバッファは、所謂デュアルポートRAMからなり、GPUからの描画あるいは記憶部17のメインメモリからの転送と、表示のための読み出しとを同時に行うことができる。また、このフレームバッファには、ビデオ出力として出力される表示領域の他に、GPUがポリゴン等の描画を行う際に参照するカラールックアップテーブル(CLUT:Color Lock Up Table)が記憶されるCLUT領域と、描画時に座標変換されてGPUによって描画されるポリゴン等の中に挿入(マッピング)される素材(テクスチャ)が記憶されるテクスチャ領域が設けられている。これらのCLUT領域とテクスチャ領域は、表示領域の変更等に従って動的に変更される。画像デコーダは、メイン制御部からの制御により、記憶部17のメインメモリに記憶され離散コサイン変換等の直交変換により圧縮されて符号化された静止画あるいは動画の画像データを復号してメインメモリに記憶させる。
【0022】
記憶部17のROMには、端末装置1の各部を制御するためのオペレーティングシステム等のプログラムが記憶されている。制御部11のCPUは、ROMに記憶されているオペレーティングシステムを記憶部17のメインメモリに読み出し、読み出したオペレーティングシステムを実行することにより、この端末装置1の全体を制御する。更に、ROMには、端末装置1の各部や端末装置1に接続される各種周辺機器を制御するための制御プログラムや、映像コンテンツを再生するための映像再生プログラムや、ゲームを行う機能をCPUに実現させるためのゲームプログラムなどの各種プログラムが格納されている。
【0023】
記憶部17のメインメモリには、CPUがROMから読み出したプログラムや、各種プログラムの実行の際に用いられるデータ等の各種データが記憶される。
【0024】
GPSユニット18は、制御部11の制御の下、人工衛星が発信する電波を受信し、これを用いて端末装置1の位置情報(緯度・経度・高度など)を求めて制御部11へ出力する。
【0025】
無線通信部ユニット19は、制御部11の制御の下、赤外線ポートを介して他の端末装置と無線通信を行う。
【0026】
外部入力端子インターフェース20は、USB端子とUSBコントローラとを備え、USB端子を介して外部機器との間でUSB接続が行われる。
【0027】
上記外部メモリ収容部に収容された外部メモリ21は、図示しないパラレルI/Oインターフェース(PIO)及びシリアルI/Oインターフェース(SIO)とを介して制御部11に接続される。
【0028】
出力インターフェース12は、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)22とLCDコントローラ23とを備えている。LCD22は、LCDパネル26(図4に示す)やドライバ回路などをモジュール化したものである。LCDコントローラ23は、制御部11のフレームバッファから出力された画像データを一時的に格納するRAMを内蔵し、制御部(メイン制御部)11からの制御により、RAM内の画像データを所定のタイミングで読み出して、LCD22へ出力する。
【0029】
入力インターフェース13は、抵抗膜方式のタッチパネル24とタッチパネルコントローラ25とを備えている。タッチパネル24の表面(外面)には、透明樹脂材によって薄板状に形成された外装パネル2が密接状態で装着されている。外装パネル2の表面(外面)は、ユーザの指やペン等からの押下操作を受けるパネル表示面3を構成する。
【0030】
タッチパネル24は、透明電極が成膜された複数の電極シートを、電極面を対向させて一定の間隔を空けて配置した構造を有し、LCD22(LCDパネル26)の表示画面上に配置されている(図4参照)。外装パネル2のパネル表示面3がユーザの指やペン等で押圧される(押下操作される)と、タッチパネル24の電極シート同士が接触し、各電極シート上の抵抗値が変化する。タッチパネルコントローラ25は、各電極シート上の抵抗変化を検出することにより、押圧された位置(操作入力位置)を座標値として検出し、その座標値を操作入力位置情報(操作信号)として制御部11に出力する。すなわち、入力インターフェース13は、パネル表示面3に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する入力検出手段として機能する。
【0031】
タッチパネル24は、透明な薄板形状を有し、LCD22の表示画面上に密接して配置されている。このため、LCD22の表示画面上の画像は、タッチパネル24及び外装パネル2を透過してパネル表示面3から容易に視認可能であり、LCD22とタッチパネル24と外装パネル2とは、表示手段を構成している。また、外装パネル2及びタッチパネル24を介してパネル表示面3上に見えるLCD22の画像の位置(見かけ上の位置)と、LCD22の表示画面上の画像の位置(実際の位置)とは、殆どずれることなく一致する。
【0032】
なお、入力インターフェースは、上記抵抗膜方式のタッチパネル24に限定されるものではなく、パネル表示面に対するユーザの指からの押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する機能を有するものであれば良い。例えば、抵抗膜方式に代えて、静電容量方式、画像認識方式、光学方式など、様々なタイプの入力インターフェースを用いることができる。静電容量方式では、タッチパネルの表面全体に低圧の電界を形成し、タッチパネルに指が接触した際の表面電荷の変化を検出することにより、操作入力位置を検出する。画像認識方式では、LCDの表示画面の近傍に配置された複数のイメージセンサによってLCDの表示画面に接触する指などの画像を撮像し、撮像画像を解析することにより、操作入力位置を検出する。また、光学方式では、LCDの表示画面を囲む周壁のうち縦壁の一方と横壁の一方とに発光体を配置し、縦壁の他方と横壁の他方とに受光部を配置し、表示画面に接触する指によって遮られた光の縦横位置を検出することにより、操作入力位置を検出する。すなわち、画像認識方式や光学式では、タッチパネルを設ける必要がなく、LCDの画像表示面がユーザからの押下操作を受けるパネル表示面となる。
【0033】
バックライト14は、LCD22(LCDパネル26)の裏面側に配置され、制御部11の制御の下、LCD22の裏面側から表面側に向かって光を照射する。なお、バックライト14は、LCDコントローラ23からの制御に応じて光を照射してもよい。
【0034】
<端末装置のソフトウェア構成>
図3を参照して、端末装置1のソフトウェア構成について説明する。図3は、端末装置1の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
装置端末1のソフトウェア構成では、下位側からデバイスドライバ層、フレームワーク層、デバイス用ミドルウェア層、アプリケーション層が規定されている。
【0036】
デバイスドライバ層は、制御部11と、制御部11に接続されているハードウェアとを動作させるためのソフトウェアである。例えば、オーディオ変換モジュールを動作させるためのデバイスドライバや、LCDを動作させるためのLCDドライバや、バックライトドライバを動作させるためのドライバやなどが適宜含まれる。
【0037】
フレームワーク層は、アプリケーションプログラムに対して汎用的な機能を提供するとともに、デバイスドライバによって動作される各種資源を管理するソフトウェアである。フレームワーク層は、例えば、後述するミドルウェア層又はアプリケーション層において実行されるいずれかのアプリケーションプログラムが発生した命令をデバイスドライバに伝える。また、フレームワーク層は、記憶部17や外部メモリ21とのデータの入出力や、タッチパネル24からの操作入力やLCD22への画面出力といった入出力機能の管理など、多くのアプリケーションソフトから共通して利用される基本的な機能を提供し、システム全体を管理する。
【0038】
ミドルウェア層は、フレームワーク上で動作し、アプリケーションプログラムに対してフレームワークよりも高度で具体的な機能を提供するソフトウェアであるミドルウェアで構成されている。ここでは、ミドルウェアとして、スピーカ15からの出力音声を合成する技術の基本的な機能を提供するための音声合成ミドルウェア、マイクロフォン16から入力された音声を認識する技術の基本的な機能を提供するための音声認識ミドルウェア、タッチパネル24から操作入力を検出する技術の基本的な機能を提供するためのマルチタッチ検出ミドルウェア、及びLCD22へ映像を出力する技術の基本的な機能を提供するための映像出力ミドルウェアなどが用意されている。
【0039】
最上位層のアプリケーション層では、各種のアプリケーションプログラムが実行される。端末装置1においては、例えば、コミュニケーションアプリケーション、ウェブブラウザ、ファイル交換アプリケーション、オーディオプレイヤ、楽曲検索アプリケーション、ミュージックストリーミング、録音ツール、フォトビューア(Photo Viewer)、テキストエディタ(Text Editor)、ゲームアプリケーションなどの個別のアプリケーションや、メニュー表示ツール、セッティングツールなどに加えて、これらのアプリケーションソフトウェアを管理するアプリケーションマネージャと、開発環境が用意されている。
【0040】
<外装パネルの構成>
図1に示すように、端末装置1を横長に配置した状態でのパネル表示面3の左右の所定位置には、所定の範囲を有する操作基準位置40が設定されている。各操作基準位置40には、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを、指の触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41がそれぞれ形成されている。なお、本実施形態の操作基準位置40は、ユーザが端末装置1を手で持って使用する際に、端末装置1を持つ手の親指によって押下可能な位置に設定される。
【0041】
基準位置認識部41として、例えば、パネル表示面3から一体的に突出する凸部42(図4に示す)や、パネル表示面3から凹む凹部43(図5に示す)のような外面形状であってもよい。また、外装パネル2の内部に部分的な中空部44(図6に示す)を設け、パネル表示面3側に薄肉部45を形成した構造であってもよい。この場合、ユーザは、指で操作基準位置40を押下した際に、薄肉部45が容易に撓むため、その触感によって操作基準位置40を認識することができる。なお、パネル表示面3側からLCD22の画像を見た際に、中空部44が設けられた場所(操作基準位置40)と他の場所との間で見え方の相違が生じ難いように、光の屈折率が外装パネル2と同じ又は近い特性を有する液体やゲルやエラストマーなどを中空部44に密封してもよい。
【0042】
なお、外装パネル2をタッチパネル24と別体とせず、タッチパネル24の電極シートを覆う表面シートとして、タッチパネル24の部材として構成してもよい。
また、以下において、左右の操作基準位置40及び基準位置認識部41を区別するため、左側にはLの符号を、右側にはRの符号を適宜付して説明する。
【0043】
<端末装置の機能的構成>
上記システム構成及びソフトウェア構成を備えた端末装置1の制御部11が入力操作管理プログラムを実行することによって実現される操作入力管理処理に関する構成について説明する。なお、入力操作管理プログラムは、単独のアプリケーションとして記憶部17に記憶されていてもよく、またゲームアプリケーションなどの個々のアプリケーションに含まれた状態で記憶部17や外部メモリ21に記憶されていてもよい。また、入力操作管理プログラムが単独のアプリケーションとして記憶されている場合、他のアプリケーションの管理の下に入力操作管理プログラムを実行してもよい。なお、以下において、特に説明しない限り、操作入力管理処理に伴って制御部11が実行する処理をメイン処理と称する。
【0044】
操作入力管理処理において、制御部11は、予め記憶された複数の入力表示パターンの中から一つの入力表示パターンを特定し、特定した入力表示パターンに応じて、複数の入力操作位置をそれぞれ示す複数の入力位置表示アイコン30をパネル表示面3の所定位置に表示させる。各入力操作位置は所定の範囲を有し、入力操作位置の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30が表示される。各入力操作位置(各表示アイコン30の表示位置)は、パネル表示面3のうち上記2つの操作基準位置40を除く領域に、操作基準位置40を基準として予め設定されている。
【0045】
複数の入力表示パターンとしては、例えば、ゲームの実行に適したゲームボタン表示パターン(図1に示す)の他、特に図示しないが、両手での文字入力に適したキーボード表示パターン、音楽データの入力に適した鍵盤表示パターン、片手及び両手での文字入力に適した携帯電話型表示パターンなどが設定されている。なお、本実施形態では、ゲームボタン表示パターンを表示する場合について説明する。
【0046】
図1に示すように、ゲームボタン表示パターンにおいて、端末装置1を横長に配置した状態でのパネル表示面3の左側領域には、左側の操作基準位置40L(基準位置認識部41L)の上下左右に、上方向キーアイコン31U、下方向キーアイコン31D、左方向キーアイコン31L、及び右方向キーアイコン31Rが、それぞれ入力位置表示アイコン30(以下、左側アイコン群30Lと称する)として基準位置認識部41Lに近接して表示される。また、パネル表示面3の右側領域には、右側の操作基準位置40R(基準位置認識部41R)の上下左右に、△ボタンアイコン32B、×ボタンアイコン32D、□ボタンアイコン32C、及び〇ボタンアイコン32Aが、それぞれ入力位置表示アイコン30(以下、右側アイコン群30Rと称する)として基準位置認識部41Rに近接して表示される。各ボタンアイコン31U,31D,31L,31R,32A,32B,32C,32Dには、そのボタンを特定する印(例えば、上方向キーアイコン31Uでは上矢印、〇ボタンアイコン32Aでは○印)が合わせて表示される。なお、本実施形態の操作入力位置30は、ユーザが端末装置1を両手で持って使用する際に、端末装置1を持つ両手の各親指によって押下可能な位置に設定される。
【0047】
制御部11は、操作入力管理処理の開始直後に予め設定された入力表示パターンを特定し、その後のユーザからの操作入力に応じて1つの入力表示パターンを特定してもよく、実行するメイン処理(例えば、ゲームアプリケーション)に応じて所定の1つの入力表示パターンを特定してもよい。
【0048】
制御部11は、ゲームボタン表示パターンを表示した状態で、入力インターフェース13から操作入力位置情報を受信すると、その操作入力位置情報が示す座標位置が入力位置表示アイコン30の表示領域に対応した位置(操作入力位置)であるか否かを検知し、対応している場合には、ユーザから所定の入力操作が行われたと判断し、その入力位置表示アイコン30(入力操作位置)に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。すなわち、制御部11は、所定の範囲を有する操作入力位置を、パネル表示面3のうち操作基準位置40を除く領域に対して設定する操作入力位置設定手段、及び入力インターフェース13が操作入力位置での押下操作を検出したとき、その操作入力位置に対応して予め設定された処理を実行する処理実行手段として機能する。なお、上記操作入力位置の範囲と入力位置表示アイコン30の表示範囲とは、ほぼ同じである必要はなく、両者の範囲は少なくとも重複していればよい。
【0049】
一方、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が操作基準位置40である場合、制御部11は、メイン処理に対して特に制御信号を供給しない。
【0050】
また、制御部11は、複数の操作入力位置に対応した操作入力情報を入力インターフェース13から同時に受信した場合、その操作入力位置の組み合わせが予め設定されている適正な組み合わせか設定されていない不適正な組み合わせかを判定する。上記組み合わせが適正であると判定した場合、制御部11は、その組み合わせに対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給する。
【0051】
一方、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、係る押下操作は誤操作であると推定されるため、制御部11は、それら複数の操作入力位置に対する押下操作を全て無効とし、メイン処理に対して制御信号を出力しない。例えば、左側の操作基本位置40Lの周りの4カ所の操作入力位置については、操作基本位置40Lを挟んで対峙する2組の操作入力位置(上方向キーアイコン31Uと下方向キーアイコン31Dの組み合わせと左方向キーアイコン31Lと右方向キーアイコン31Rの組み合わせ)を不適正と設定する。また、右側の操作基本位置40Rの周りの4カ所の操作入力位置については、操作基本位置40Rを挟んで対峙する2組の操作入力位置(△ボタンアイコン32Bと×ボタンアイコン32Dの組み合わせと□ボタンアイコン32Cと〇ボタンアイコン32Aの組み合わせ)を不適正と設定する。
【0052】
なお、パネル表示面3が操作基準位置40で押下操作されたとき、操作入力位置情報を出力しないように入力インターフェース13を構成してもよい。このような入力インターフェース13は、様々な構造によって実現可能である。一例として、抵抗膜方式のタッチパネル24を備えた入力インターフェース13の場合、操作基準位置40に電極シートを設けないとか、電極シート間に絶縁体を配置するなどの構造とすればよい。
【0053】
また、図1の例では、左右の基準位置認識部41を、各入力位置表示アイコン30と隣接しない大きさに設定しているが、両者の関係はこれに限定されるものではなく、例えば図7に示すように、左右の基準位置認識部41を、入力位置表示アイコン30の間に入り込んでその入力位置アイコン30に隣接するような形状及び大きさに設定してもよい。
【0054】
さらに、本実施形態では、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることを、指の触感によってユーザに認識させる基準位置認識部41を設けたが、このような基準位置認識部41を設けずに、他の方法によって、ユーザの指が操作基準位置40でパネル表示面3に接触していることをユーザに認識させてもよい。例えば、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が操作基準位置40である場合、制御部11が、パネル表示面3の所定部分を点滅発光させたり、スピーカ15から報知音を出力するなどによって、上記状態を報知してもよい。さらに、バイブレーション機能を有する端末装置1であれば、端末装置1を振動することによって、上記状態を報知してもよい。また、その他に、微弱な電気刺激や温・冷刺激をユーザの指に付与することによって、上記状態を報知してもよい。
【0055】
また、制御部11は、左右の操作基準位置40L,40Rのうち少なくとも一方での押下操作を検出していることを条件に、ユーザから押下操作された入力位置表示アイコン30に対して予め対応付けられた制御信号を、メイン処理に対して供給してもよい。このような構成では、ユーザが操作端末1を適切に支持していると推定される場合(操作基準位置40で押下操作が検出されている場合)に限って、その入力操作位置に対応した制御信号がメイン処理に対して供給されるので、ユーザが携帯端末1を使用していない間(例えば、カバン等に入れて持ち歩いている間)に操作入力管理処理が誤って開始されてしまった場合であっても、ユーザが意図しないメイン処理が実行されてしまうことがない。
【0056】
(2)作用
次に、本願実施形態の作用について説明する。
【0057】
ユーザは、パネル表示面3に表示された入力位置表示アイコン30を指で押下することによって、端末装置1に対する操作入力を行う。
【0058】
この操作入力において、ユーザは、例えば図8に示すように、横長姿勢の端末装置1の左右両側を両手で把持し、左右の操作基準位置40(基準位置認識部41)に左右の親指を置き、基準位置認識部41をホームポジションとして、基準位置認識部41から必要に応じて親指を上下左右に適宜移動させながら所望の入力表示アイコン30上を押下する。
【0059】
このように、基準位置認識部41をホームポジションとして利用することにより、指の皮膚の感触によって操作基準位置40(基準位置認識部41)を認識しながら操作入力することができる。従って、ユーザは、基準位置認識部41での指の触感を頼りに次の操作入力位置を感覚的に判断することが可能となる。また、入力操作に慣れるに従って、連続した操作入力を迅速に行うことが可能となる。
【0060】
また、ユーザが複数の操作入力位置を不適正な組み合わせで同時に押下操作した場合、制御部11は、その操作を無効としてメイン処理に制御信号を供給しない。従って、係る誤操作によって不適正な制御信号がメイン処理に提供されることがなく、不適正な制御信号に起因して制御部11が誤作動を起こしてしまう可能性を排除することができる。
【0061】
[実施形態2]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、上記第1の実施形態と共通する部分については、その説明を省略する。
【0062】
上記第1の実施形態では、2つの操作入力位置に対応した操作入力情報を同時に受信した制御部11は、その操作入力位置の組み合わせが予め設定されている適正な組み合わせか否かを判定し、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、2つの操作入力位置に対する押下操作をともに無効とし、メイン処理に対して制御信号を出力しない。これに対し、本実施形態では、制御部11は押下範囲検知手段として機能し、上記組み合わせが不適正であると判定した場合、2つの操作入力位置に対する押下操作のうち、ユーザが意図した操作入力位置を推定することにより、一方を有功と判定し、他方を無効と判定する。制御部11は、有効と判定した押下操作に対応する制御信号をメイン処理に出力し、無効と判定した押下操作に対応する制御信号を出力しない。
【0063】
例えば、不適正な組み合わせとなる2つの操作入力位置(第1の操作入力位置と第2の操作入力位置)が同時に押下操作された場合、制御部11は、受信した操作入力位置情報が示す複数の座標位置に基づいて、第1の操作入力位置に含まれる押下範囲(面積)と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲(面積)とをそれぞれ求め、第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とを比較する。比較の結果、広い方の範囲の操作入力位置を、ユーザが意図した操作入力位置と推定し、その押下操作を有効な入力と判定し、一方、狭い方の範囲の操作入力位置を、ユーザが意図しない操作入力位置と推定し、その押下操作を無効な入力と判定する。そして、有効と判定した操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給し、無効と判定した操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給しない。なお、タッチパネル24が押下圧力を検出可能に構成されている場合、上記押下範囲(面積)に代えて若しくは加えて、各操作入力位置での押下圧力に基づいて有効な操作入力位置の判定を行ってもよい。
【0064】
上記構成では、不適正な組み合わせとなる2つの操作入力位置をユーザが同時に押下操作した場合、制御部11は、一方の操作入力位置をユーザが意図した位置と推定し、その操作入力位置に対応する制御信号をメイン処理に供給する。従って、係る誤操作によって不適正な制御信号がメイン処理に提供されることがなく、不適正な制御信号に起因して制御部11が誤作動を起こしてしまう可能性を排除することができる。また、ユーザが意図したと推定された操作入力位置に対応する制御信号がメイン処理に供給されるので、不適正な組み合わせで押下操作を行ったユーザにとって、再入力を繰り返して行う必要性が低減され、入力操作性が向上する。
【0065】
[実施形態3]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0066】
本実施形態では、入力操作位置の範囲をユーザの指の大きさに応じて変更して設定する。制御部11は、押下範囲検知手段として機能し、上記操作入力管理処理の開始時に、以下の入力操作位置変更処理を実行する。
【0067】
入力操作位置変更処理では、パネル表示面3に、「指の大きさを判定します。」などの文章を表示して、本処理の開始をユーザに報知する。係る報知の後、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が2つの操作基準位置40に含まれる場合(操作基準位置40の押下による操作入力位置情報を受信した場合)、同時に受信した操作入力位置情報が示す複数の座標位置に基づいて、各操作基準位置40を含む押下範囲(面積)をそれぞれ求め、その押下範囲が予め設定された所定範囲以下であるか否かを判定する。このとき、2つの操作基準位置40の各押下範囲に対してそれぞれ判定を行ってもよく、また両者の平均値(平均押下範囲)に対して判定を行ってもよい。
【0068】
押下範囲が所定範囲以下のときは、ユーザの親指の大きさが普通サイズかそれ以下であると推定し、第1の範囲(例えば、右側の入力位置表示アイコン30Rの場合、図9に実線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第1の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。一方、押下範囲が所定範囲を超えているときは、ユーザの親指の大きさが普通サイズを超えていると推定し、第1の範囲よりも広い第2の範囲(図9に二点鎖線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第2の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。なお、入力位置表示アイコン30の表示範囲は、第1の範囲であってもよい。入力操作位置を設定すると、入力操作位置変更処理を終了する。また、第2の範囲は、第1の範囲を含み、且つ操作基準位置40から離間する方向に拡大するように設定される。
【0069】
なお、上記入力操作位置変更処理は、上記操作入力管理処理の開始時に必ず実行してもよく、ユーザからの指示によって選択的に実行してもよい。また、操作入力管理処理の実行途中に、ユーザからの指示によって実行してもよい。ユーザからの指示としては、例えば、2つの操作基準位置40を同時に2回連続して押下する(ダブルクリックする)とか、パネル表示面3を所定範囲内でダブルクリックするなどが可能である。2つの操作基準位置40のダブルクリックを入力操作位置変更処理の開始指示とする場合、ダブルクリックの前後の押下操作のうち少なくとも一方の操作入力位置情報を記憶しておき、これに基づいて押下範囲を求めてもよい。また、加速度センサ28を端末装置1に設け、2つの操作基準位置40での押下操作を検出している状態で加速度センサ28が所定値以上の加速度を検出したときに(ユーザが2つの操作基準位置40を押下操作した状態で端末操作1を所定値以上の加速度で振ったときに)、入力操作位置変更処理を開始するなども可能である。
【0070】
また、操作基準値40に代えて、図1に二点鎖線で示すように、パネル表示面に2カ所の押下範囲検知位置70を予め別途設定し、各押下範囲検知位置70を示す範囲検知位置アイコン71をそれぞれ表示させてもよい。
【0071】
また、上述のように、押下範囲に応じて入力操作位置の範囲を増大させることに代えて若しくは加えて、押下範囲に応じて入力操作位置の範囲を減少させてもよい。この場合、操作基準位置40から離間する方向に減少するように入力操作位置の範囲を設定してもよい。
【0072】
本実施形態では、ユーザの親指の大きさに応じて操作入力位置の範囲を増減されるので、入力操作性が向上する。また、ユーザの親指が大きい場合、操作基準位置40から離間する方向に操作入力位置の範囲が拡大されるので、操作基準位置40に置かれた親指によって操作入力位置が誤って押下操作されてしまう可能性が少なく、ユーザが意図しない誤操作が生じ難い。
【0073】
[実施形態4]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0074】
上記第3の実施形態の制御部11は、入力操作位置変更処理において、パネル表示面3に対する押下範囲(面積)を求め、その押下範囲の大きさに応じて入力操作位置の範囲(面積)を増減する。これに対し、本実施形態の制御部11は、入力操作位置変更処理において、ユーザが操作基準位置40を押下操作した際の押下範囲が操作基準位置40に対して何れの方向に偏っているかを判定し、その偏りに応じて入力操作位置を移動して設定する。
【0075】
例えば、入力操作位置変更処理の開始後、入力インターフェース13から受信した操作入力位置情報が示す座標位置が2つの操作基準位置40に含まれる場合、同時に受信した操作入力位置情報が示す座標位置に基づいて、各操作基準位置40を含む押下範囲が操作基準位置40に対して何れの方向(図1中の上方、下方及び左右方向)に偏っているか(変位しているか)を求め、その変位が予め設定された所定距離以下であるか否かを判定する。変位が所定距離以下のときは、ユーザの親指が操作基準位置40の中央を的確に押下していると推定し、第1の範囲(例えば、右側の入力位置表示アイコン30Rの場合、図10に実線で示す範囲)に入力操作位置を設定し、第1の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。一方、変位が所定距離を超えているときは、ユーザの親指が操作基準位置40の中央からずれた位置を押下していると推定し、第1の範囲から予め設定された所定距離だけ上記変位の方向に移動した第2の範囲(上方に移動した場合の第2の範囲を図9に二点鎖線で示す)に入力操作位置を設定し、第2の範囲とほぼ同じ範囲に入力位置表示アイコン30を表示する。なお、入力位置表示アイコン30の表示範囲は、第1の範囲であってもよい。入力操作位置を設定すると、入力操作位置変更処理を終了する。
【0076】
なお、本実施形態の入力操作位置変更処理において、上述のように入力操作位置を移動するとともに、上記第3の実施形態のように入力操作位置に範囲を増減してもよい。
【0077】
本実施形態では、ユーザの操作姿勢やくせなどに起因してユーザが目標とする押下位置と実際の押下位置とがずれてしまう場合であっても、そのずれに応じて操作入力位置が移動されるので、入力操作性が向上する。また、操作基準位置40に置かれた親指によって操作入力位置が誤って押下操作されてしまう可能性が少なく、ユーザが意図しない誤操作が生じ難い。
【0078】
[実施形態5]
次に、本発明の第5の実施形態について、図11〜図13に基づき説明する。
【0079】
上記第1の実施形態では、2カ所の操作基準位置40を設定し、これら2カ所の操作基準位置を入力操作位置を設定するための基準として用いている。これに対し、本実施形態では、3カ所以上(本実施形態では6カ所)の操作基準位置40を予め設定し、その中の2カ所を入力操作位置を設定するための基準として適宜用いる。
【0080】
操作端末1は、加速度センサ28(図2に示す)を備える。加速度センサ28は、操作端末1に発生する加速度を検出して制御部11に出力し、制御部11は、加速度センサ28が検出した加速度に基づいて、端末装置1の姿勢(後述する横長の姿勢か縦長の姿勢か)を判断する。なお、操作端末1の姿勢を検知可能なセンサとして、ジャイロセンサなどの他のセンサを設けてもよい。
【0081】
図11に示すように、パネル表示面3には、上記2カ所の操作基準位置40(基準位置認識部41)に加えて、端末装置1を横長に配置した状態(横長の姿勢)で左側の操作基準位置40Lの上下2カ所にそれぞれ配置される操作基準位置50(基準位置認識部51)と、右側の操作基準位置40Rの上下2カ所に配置される操作基準位置60(基準位置認識部61)とが予め設定されている。
【0082】
制御部11が実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理(例えば、1人用のゲームアプリケーション)であり、操作端末1の長辺1a及び短辺1bのうち長辺1aが上方を向く横長の姿勢で端末装置1が使用される場合、図11に示すように、上記第1の実施形態で説明したように、操作基準位置40を基準に入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)がそれぞれ設定される。
【0083】
制御部11が実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理であり、短辺1bが上方を向く縦長の姿勢で端末装置1が使用される場合、図12に示すように、下方の左右の操作基準位置50を基準に入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)が設定される。この場合、ユーザは、端末装置1の下方の左右の両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよい。
【0084】
また、制御部11が実行するメイン処理が2人のユーザを対象とした処理の場合、端末装置1の姿勢によらず、図13に示すように、一方のユーザが操作入力を行う入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)は、操作基準位置50を基準に設定され、他方のユーザが操作入力を行う入力操作位置(入力位置表示アイコン30L,30R)は、操作基準位置60を基準に設定される。この場合、一方のユーザは、端末装置1の一方の短辺1bの両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよく、他方のユーザは、端末装置1の他方の短辺1bの両角部を両手で支持し、両手の親指で入力位置表示アイコン30L,30Rに対して押下操作を行えばよい。
【0085】
上記操作入力位置の設定処理を実現するため、本実施形態の制御部11は、操作入力管理処理において、実行するメイン処理が1人のユーザを対象とした処理か2人のユーザを対象とした処理かを判定し、2人のユーザを対象とした処理の場合、図13に示すように、操作基準位置50及び操作基準位置60を入力操作位置の設定基準として用いる。また、1人のユーザを対象とした処理の場合、加速度センサ28が検出した加速度に基づいて端末装置1の姿勢を判断する。端末装置1が横長の姿勢のときは、図11に示すように、操作基準位置40を入力操作位置の設定基準として用いる。また、端末装置1が縦長の姿勢のときは、図12に示すように、操作基準位置50を入力操作位置の設定基準として用いる。
【0086】
上記構成では、複数設定された操作基準位置40,50,60のうち、入力操作位置の設定基準として用いる操作基準位置が、端末装置1が実行するメイン処理や端末装置1の姿勢に応じて適宜選択されるので、利便性が向上する。
【0087】
なお、上述の各実施形態では、携帯型の端末装置1を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、タッチパネルを有する種々の装置に広く適用可能である。
【0088】
すなわち、上述の各実施形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の各実施形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態以外であっても種々の変更が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、タッチパネルを有する入力装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る端末装置を示す斜視図である。
【図2】端末装置の主要部の概略的なシステム構成の一例を示すブロック図である。
【図3】端末装置の主要部の概略的なソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】基準位置認識部の断面図である。
【図5】基準位置認識部の他の例の断面図である。
【図6】基準位置認識部のさらに他の例の断面図である。
【図7】基準位置認識部のさらに他の例の平面図である
【図8】端末装置の使用状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を説明するための図1の要部拡大図である。
【図10】本発明の第4の実施形態を説明するための図1の要部拡大図である。
【図11】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【図12】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【図13】本発明の第5の実施形態を説明するための端末装置1の平面図である。
【符号の説明】
【0091】
1・・・端末装置、2・・・外装パネル、3・・・パネル表示面、11・・・制御部、12・・・出力インターフェース、13・・・入力インターフェース、22・・・LED、24・・・タッチパネル、30・・・入力位置表示アイコン、31U,31D,31L,31R・・・方向キーアイコン、32A,32B,32C,32D・・・ボタンアイコン、33,34,35・・・キーアイコン、40,50,60・・・操作基準位置、41,51,61・・・基準位置認識部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル表示面を有する表示手段と、
前記パネル表示面に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する入力検出手段と、
前記パネル表示面に対して予め設定された操作基準位置と、
ユーザの指が前記操作基準位置で前記パネル表示面に接触していることを該ユーザに認識させる基準位置接触報知手段と、
所定の範囲を有する操作入力位置を、前記パネル表示面のうち前記操作基準位置以外の領域に対して設定する操作入力位置設定手段と、
前記入力検出手段が前記操作入力位置での押下操作を検出したとき、該操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する処理実行手段と、
前記操作入力位置を示す所定のアイコンを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記パネル表示面に対して予め設定された押下範囲検知位置と、
前記パネル表示面が前記押下範囲検知位置で押下操作されたとき、その押下範囲を検知する押下範囲検知手段と、を備え、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて前記操作入力位置を変更して設定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて、前記操作入力位置の範囲を増減する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて、前記操作入力位置を移動する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項5】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段が設定する操作入力位置は、前記操作基準位置の近傍にそれぞれ配置された第1の操作入力位置と第2の操作入力位置とを含み、
前記処理実行手段は、前記入力検出手段が前記第1の操作入力位置での押下操作と前記第2の操作入力位置での押下操作とを同時に検出したとき、前記第1の操作入力位置と前記第2の操作入力位置のうち一方の操作入力位置に対応した所定の処理を実行し、他方の操作入力位置に対応した所定の処理を実行しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項6】
請求項5に記載の入力装置であって、
前記パネル表示面が前記第1の操作入力位置及び前記第2の操作入力位置で同時に押下操作されたとき、前記第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とをそれぞれ検知する押下範囲検知手段を備え、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段がそれぞれ検知した前記第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とを比較し、広い方の範囲の操作入力位置に対応した所定の処理を実行し、狭い方の範囲の操作入力位置に対応した所定の処理を実行しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項7】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作基準位置を基準に前記操作入力位置を設定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項8】
請求項7に記載の入力装置であって、
前記入力装置の姿勢を検知する姿勢検知手段を備え、
前記操作基準位置は、前記入力装置の姿勢に応じて複数設定され、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作入力位置の設定基準とする操作基準位置を、前記姿勢検出手段が検知した前記入力装置の姿勢に応じて前記複数の操作基準位置の中から決定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項9】
請求項7に記載の入力装置であって、
前記操作基準位置は、前記処理実行手段が実行する所定の処理に応じて複数設定され、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作入力位置の設定基準とする操作基準位置を、前記処理実行手段が実行する前記所定の処理に応じて前記複数の操作基準位置の中から決定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項10】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作基準位置は、複数設定され、
前記処理実行手段は、前記複数の操作基準位置のうち少なくとも1つの操作基準位置での押下操作を前記入力検出手段が検出していることを条件に、前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項11】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記基準位置接触報知手段は、前記パネル表示面から突出する凸部又は前記パネル表示面から凹む凹部の少なくとも一方である
ことを特徴とする入力装置。
【請求項12】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記入力検出手段は、前記基準操作位置では押下操作を検知しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項13】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記入力装置は、携帯型の端末装置であり、
前記操作基準位置と前記操作入力位置とは、ユーザが前記端末装置を手で持って使用する際に、該端末装置を持つ手の親指によって押下可能な位置にそれぞれ設定される
ことを特徴とする入力装置。
【請求項1】
パネル表示面を有する表示手段と、
前記パネル表示面に対する押下操作を検知するとともに、押下操作された位置を検出する入力検出手段と、
前記パネル表示面に対して予め設定された操作基準位置と、
ユーザの指が前記操作基準位置で前記パネル表示面に接触していることを該ユーザに認識させる基準位置接触報知手段と、
所定の範囲を有する操作入力位置を、前記パネル表示面のうち前記操作基準位置以外の領域に対して設定する操作入力位置設定手段と、
前記入力検出手段が前記操作入力位置での押下操作を検出したとき、該操作入力位置に対応して予め設定された所定の処理を実行する処理実行手段と、
前記操作入力位置を示す所定のアイコンを前記表示手段に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記パネル表示面に対して予め設定された押下範囲検知位置と、
前記パネル表示面が前記押下範囲検知位置で押下操作されたとき、その押下範囲を検知する押下範囲検知手段と、を備え、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて前記操作入力位置を変更して設定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて、前記操作入力位置の範囲を増減する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項2に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段が検知した押下範囲に応じて、前記操作入力位置を移動する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項5】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段が設定する操作入力位置は、前記操作基準位置の近傍にそれぞれ配置された第1の操作入力位置と第2の操作入力位置とを含み、
前記処理実行手段は、前記入力検出手段が前記第1の操作入力位置での押下操作と前記第2の操作入力位置での押下操作とを同時に検出したとき、前記第1の操作入力位置と前記第2の操作入力位置のうち一方の操作入力位置に対応した所定の処理を実行し、他方の操作入力位置に対応した所定の処理を実行しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項6】
請求項5に記載の入力装置であって、
前記パネル表示面が前記第1の操作入力位置及び前記第2の操作入力位置で同時に押下操作されたとき、前記第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とをそれぞれ検知する押下範囲検知手段を備え、
前記操作入力位置設定手段は、前記押下範囲検知手段がそれぞれ検知した前記第1の操作入力位置に含まれる押下範囲と前記第2の操作入力位置に含まれる押下範囲とを比較し、広い方の範囲の操作入力位置に対応した所定の処理を実行し、狭い方の範囲の操作入力位置に対応した所定の処理を実行しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項7】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作基準位置を基準に前記操作入力位置を設定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項8】
請求項7に記載の入力装置であって、
前記入力装置の姿勢を検知する姿勢検知手段を備え、
前記操作基準位置は、前記入力装置の姿勢に応じて複数設定され、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作入力位置の設定基準とする操作基準位置を、前記姿勢検出手段が検知した前記入力装置の姿勢に応じて前記複数の操作基準位置の中から決定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項9】
請求項7に記載の入力装置であって、
前記操作基準位置は、前記処理実行手段が実行する所定の処理に応じて複数設定され、
前記操作入力位置設定手段は、前記操作入力位置の設定基準とする操作基準位置を、前記処理実行手段が実行する前記所定の処理に応じて前記複数の操作基準位置の中から決定する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項10】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記操作基準位置は、複数設定され、
前記処理実行手段は、前記複数の操作基準位置のうち少なくとも1つの操作基準位置での押下操作を前記入力検出手段が検出していることを条件に、前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする入力装置。
【請求項11】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記基準位置接触報知手段は、前記パネル表示面から突出する凸部又は前記パネル表示面から凹む凹部の少なくとも一方である
ことを特徴とする入力装置。
【請求項12】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記入力検出手段は、前記基準操作位置では押下操作を検知しない
ことを特徴とする入力装置。
【請求項13】
請求項1に記載の入力装置であって、
前記入力装置は、携帯型の端末装置であり、
前記操作基準位置と前記操作入力位置とは、ユーザが前記端末装置を手で持って使用する際に、該端末装置を持つ手の親指によって押下可能な位置にそれぞれ設定される
ことを特徴とする入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−66899(P2010−66899A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−231213(P2008−231213)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】
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