説明

入力装置

【課題】ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、ユーザの入力の位置に係わらず、触感を呈示可能な入力装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る入力装置は、タッチ入力を検出するタッチセンサ11のタッチ面に対して、押圧対象が同一の力で押圧しても、押圧位置に応じて異なる押圧荷重を検出する圧電素子17を備える入力装置であって、前記圧電素子17は、前記タッチセンサ11のタッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示し、前記触感を呈示されるべき一律の力で、前記タッチ面の触感を呈示するどの位置を前記押圧対象が押圧しても、前記圧電素子17が前記押圧対象に対して前記触感を呈示するように、前記タッチ面の押圧位置に応じた制御をする制御部16、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサを備える入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の携帯端末、電卓、券売機等の情報機器、電子レンジ、テレビ、照明器具等の家電製品、産業用機器(FA機器)等には、ユーザによる入力操作を受け付ける操作部やスイッチ等の入力装置として、タッチパネルやタッチスイッチ等のタッチセンサを備える入力装置が広く使用されている。
【0003】
このようなタッチセンサには、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等の種々の方式が知られている。しかしながら、いずれの方式のタッチセンサにおいても、指やスタイラスペンによるタッチ入力を受け付けるものであって、タッチセンサ自体は、タッチされても、押しボタンスイッチのようには物理的に変位しない。
【0004】
このように、タッチセンサがタッチされても、タッチセンサ自体が物理的に変位しないので、操作者は、タッチ入力が受け付けられても、入力に対するフィードバックを得ることができない。このため、操作者は、同じ位置を何度もタッチする等の繰り返し入力が生じ易く、操作者にストレスを与える場合がある。
【0005】
このような繰り返し入力を防止するものとして、例えば、タッチ入力を受け付けて、音を鳴らしたり、当該入力位置に対応して表示部に画像表示されている入力ボタン等の入力用オブジェクトの表示色を変更する等の表示態様を変更したりして、聴覚や視覚により入力操作を確認できるようにしたものが知られている。
【0006】
しかし、聴覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、騒音環境下での確認が困難になるとともに、使用機器がマナーモード等で消音状態にある場合は、対応できないことになる。また、視覚に働きかけるフィードバック方法の場合は、表示部に表示されている入力用オブジェクトのサイズが小さいと、特に指入力の場合は、指の下に入力用オブジェクトが隠れて表示態様の変化が確認できない場合がある。
【0007】
また、聴覚や視覚によらず、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させて、操作者の指先に触覚を発生させるようにしたフィードバック方法も提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0008】
また、より詳細な触覚を呈示する方法には、タッチセンサに対するユーザの指等の接触位置から摺動速度を算出し、該摺動速度に応じてユーザ毎に異なる振動時間を有する複数種類の振動を発生できるようにしたフィードバック方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−288158号公報
【特許文献2】特開2008−130055号公報
【特許文献3】特許第4046095号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1,2に開示の技術は、単に、タッチセンサが入力を受け付けると、タッチセンサを振動させているに過ぎない。このため、特に、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ上部に描画されている場合、タッチセンサの入力を受け付ける閾値が低い場合は、タッチセンサに指等が軽く触れた(タッチした)だけで触感が呈示される。これにより操作者がプッシュする前の意図しない動作(タッチ)に反応して誤操作を誘発したり、操作者にプッシュする前の意図しない動作(タッチ)による違和感を与えたりすることになる。ここで、タッチセンサのタッチによる入力を受け付ける閾値とは、タッチセンサが反応する閾値で、例えば抵抗膜方式においては、上部導電膜が下部導電膜に接触する押圧力の閾値であり、静電容量方式においては、接触による電気的信号の検出閾値である。
【0011】
このような不都合を解決するため、本出願人は、タッチセンサのタッチ面に対するタッチによる押圧荷重を検出し、その検出荷重が触感を呈示する所定の閾値に達した際に、タッチセンサのタッチ面を振動させて指等の押圧対象に触感を呈示するようにした入力装置を開発している。
【0012】
この入力装置によれば、操作者がタッチ面をプッシュし、その押圧荷重が所定の閾値に達すると触感が呈示されるので、上述した意図しないタッチによる誤操作を誘発したり、違和感を与えたりするのを確実に防止して、操作者に対して入力が受け付けられたのを触感として認識させることができる。
【0013】
また、上記特許文献3に開示の技術は、タッチセンサのタッチ面に対して、ユーザの指等の押圧対象が同一の力で押圧しても、入力装置が検出する押圧荷重は、押圧位置に応じて異なる値になるということを考慮していない。本発明者は、ユーザからの押圧力と、入力装置により検出される押圧荷重のタッチ面の位置による変化について鋭意検討を進めた結果、以下に説明する知見を見出した。図7及び図8は、ユーザがタッチセンサのタッチ面の各位置をそれぞれ一律の力で押圧した場合の、押圧荷重(電圧)の値の分布の一例を示す図である。図7及び図8を参照すると、ユーザがタッチ面の各位置を一律の力(例えば1.0N)で押圧しても、荷重検出部が検出する値(例えば荷重(N)に対応する電圧(V)。なお、本例においては4つの荷重検出部の合計値とする。)は、タッチ面上の押圧位置に応じて異なる値となる。図7の場合、タッチパネルを縦3分割横3分割した9個の領域1〜9に関し、領域1、3、7および9を含む領域群A、領域2、4、6および8を含む領域群B、並びに、領域5を含む領域群Cにおいて、荷重検出部が検出する値は、それぞれ、1.0V、1.5Vおよび2.0Vとなる。また、図8の場合、タッチパネルを縦4分割横3分割した12個の領域1〜12に関し、領域2、7および9を含む領域群A、領域1、3、4、6および10〜12を含む領域群B、並びに、領域5および8を含む領域群Cにおいて、荷重検出部が検出する値は、それぞれ、1.0V、1.5Vおよび2.0Vとなる。タッチ面上の位置によって検出される押圧荷重の値が異なる原因としては、荷重検出部との距離や、タッチセンサを構成する部材の弾性率など様々な要因が考えられるが、このような検出される押圧荷重の値の違いは、入力装置がユーザに触感を呈示するかどうかの判断に大きな影響を与える。仮に、入力装置が、所定の荷重基準(例えば1.5V)によって触感を呈示するか否かを判断するものとする。この場合、ユーザが所定の押圧力(1N)で図7及び8の各領域に入力を行うと、領域群BおよびCにおいては入力装置から触感が呈示されるが、領域Aからは触感が呈示されないという事態が起こり得る。換言すると、ユーザは、領域Aに対しては本来触感が呈示されるべき力に比べて強い力(例えば1.5N)で入力を行う必要がある反面、領域Cに対しては本来触感が呈示されるべき力に比べて弱い力(例えば0.75N)で入力を行った場合に触感が呈示されてしまうことになる。
【0014】
特許文献3に開示の技術は、上述の通りタッチセンサのタッチ面に対して、ユーザの指等の押圧対象が同一の力で押圧しても、入力装置が受ける押圧荷重は、押圧位置に応じて異なる値になるということを考慮しない。このため、ユーザが触感を呈示されるべき一律の押圧力でタッチ面に入力を行っても、入力装置が検出する押圧荷重の値はタッチ面の位置毎に異なる。そのため、入力装置は、ある位置では触感を呈示する押圧荷重を下回る値を検出し、他の場所では触感を呈示する押圧荷重以上の値を検出することになる。このため、ユーザがタッチ面に対して触感を呈示されるべき一律の押圧力で入力を行っても、入力装置から触感が呈示されるかどうかは入力位置毎に異なることになる。即ち、ユーザは、触感を呈示されるべき一律の押圧力で入力を行っても触感が呈示されない場合には、さらに強い押圧力で入力を行わなくてはならず、また、触感を呈示されるべき一律の押圧力より低い押圧力で入力を行った場合など意図しないタイミングで触感が呈示される場合があるなど、操作時の違和感が増大する。ユーザの操作感を向上させるためには、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、ユーザの入力の位置に係わらず、触感を呈示することが好ましい。
【0015】
本発明は、このような要望に応えるべくなされたもので、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、ユーザの入力の位置に係わらず、触感を呈示することが可能な入力装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する第1の観点に係る入力装置の発明は、
タッチ入力を検出するタッチセンサのタッチ面に対して、押圧対象が同一の力で押圧しても、押圧位置に応じて異なる押圧荷重を検出する圧電素子を備える入力装置であって、
前記圧電素子は、前記タッチセンサのタッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示し、
前記触感を呈示されるべき一律の力で、前記タッチ面の触感を呈示するどの位置を前記押圧対象が押圧しても、前記圧電素子が前記押圧対象に対して前記触感を呈示するように、前記タッチ面の押圧位置に応じた制御をする制御部、
を備えることを特徴とするものである。
【0017】
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る入力装置において、
前記制御部は、前記圧電素子により検出される押圧荷重を前記押圧位置に応じて調整し、該調整した押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御する、
ことを特徴とするものである。
【0018】
第3の観点に係る発明は、第1の観点に係る入力装置において、
前記制御部は、前記押圧位置に応じて前記触感を呈示する基準を調整し、前記圧電素子により検出される押圧荷重が前記調整した触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御する、
ことを特徴とするものである。
【0019】
第4の観点に係る発明は、第1の観点に係る入力装置において、
前記制御部は、前記圧電素子により検出される押圧荷重が前記押圧位置に応じて調整された触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御する、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る入力装置によれば、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、ユーザの入力の位置に係わらず、触感を呈示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る入力装置の機能ブロック図である。
【図2】図1に示したタッチセンサを含む部分の実装構造の一例を示す図である。
【図3】第1実施の形態に係る入力装置による触感呈示動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施の形態に係る入力装置の機能ブロック図である。
【図5】図4に示したタッチセンサを含む部分の実装構造の一例を示す図である。
【図6】第2実施の形態に係る入力装置による触感呈示動作を示すフローチャートである。
【図7】ユーザからの押圧力に対する押圧荷重の値の分布の一例を示す図である。
【図8】ユーザからの押圧力に対する押圧荷重の値の分布の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る入力装置の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、ユーザが入力装置を押圧する力を「押圧力」、当該押圧力を入力装置によって検出した値を「押圧荷重」、さらに、当該「押圧荷重」に対して入力装置が触感を呈示するかどうかを判断する閾値を「荷重基準」と称するものとする。
【0023】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る入力装置の機能ブロック図である。この入力装置は、タッチセンサ11、荷重検出部12、触感呈示部13、表示部14、記憶部15、および、全体の動作を制御する制御部16を有する。
【0024】
タッチセンサ11は、そのタッチ面に対する指などのタッチ対象によるタッチ入力を検出するもので、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等のタッチ位置(指等の押圧対象の押圧位置)の二次元の位置情報を出力する公知のもので構成して、表示部14上に配置する。荷重検出部12は、タッチセンサ11のタッチ面に対する指等の押圧対象の押圧荷重を検出するもので、例えば、歪みゲージセンサや圧電素子等の荷重に対してリニアに反応する素子を用いて構成する。触感呈示部13は、タッチセンサ11を振動させるもので、例えば、圧電素子を用いて構成する。
【0025】
表示部14は、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のような入力ボタン等の入力用オブジェクトを表示するもので、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等を用いて構成する。この表示部14に表示された入力用オブジェクトに対するタッチ入力は、タッチセンサ11から出力される位置情報に基づいて制御部16により検出される。記憶部15は、触感呈示部13の駆動信号情報、および押圧対象の押圧位置に応じて触感呈示に関する調整を行うための荷重調整情報等の各種情報を記憶するもので、例えば、揮発性又は不揮発性メモリ等を用いて構成する。制御部16は、例えばCPU等からなり、タッチセンサ11からの押圧対象の押圧位置情報、荷重検出部12からの押圧荷重情報、並びに、記憶部15が記憶する荷重調整情報に基づいて、触感を呈示するかどうかを判断する。また、制御部15は、触感を呈示する場合には記憶部15が記憶する駆動信号情報に基づいて触感呈示部13の駆動を制御する。
【0026】
記憶部15が記憶する触感呈示部13の駆動信号情報は、ユーザに呈示する触感毎に、タッチ面を振動させる周波数および振動周期の数など種々の情報を含むものである。制御部16は、記憶部15の駆動信号情報に基づき、触感呈示部13の駆動を制御して、例えば、指等の押圧対象に対して、「ブル」と感じる触感や、「ブブ」と感じる触感や、「カツ」と感じる触感など、様々な触感を呈示することができる。ここで、触感呈示部13が圧電素子を用いて構成されている場合、制御部16は、「ブル」や「ブブ」と感じられる軟質的な触感を呈示する場合、200Hz〜500Hz程度の三角波信号や正弦波信号を2〜3周期分を駆動信号として圧電素子に印加する。また、「カツ」と感じられる硬質な触感を呈示する場合は、制御部16は、200Hz〜500Hz程度の矩形波信号を2〜3周期分を駆動信号として圧電素子に印加する。
【0027】
また、制御部16は、触感呈示部13の駆動を制御して、ユーザの操作感をさらに高めるため、指等の押圧対象に対して、「カチ」と感じるクリック触感を呈示することができる。制御部16は、硬い押しボタンスイッチを押したような「カチ」と感じられるクリック触感を呈示する場合は、駆動信号として、100Hz〜200Hz程度の正弦波信号または矩形波信号を1周期分印加する。「カチ」と感じるクリック触感の場合、表示部14に表示されたソフトウェア的な入力用オブジェクトに対する入力でも、ユーザは、ハードウェア的なボタンスイッチを押したような触感を得ることができるため、ユーザが体感する操作感は向上することになる。
【0028】
記憶部15が記憶する押圧対象の押圧位置に応じて触感呈示に関する調整を行うための荷重調整情報は、荷重検出部12からの押圧荷重を調整する押圧荷重調整情報や、触感を呈示するかどうかの閾値である荷重基準を調整する荷重基準調整情報や、荷重基準自体の情報など、種々の情報を含むものである。
【0029】
例えば、図7及び図8は、ユーザからの触感を呈示されるべき一律の押圧力に対して、タッチ面の各領域において荷重検出部が検出する押圧荷重の値(電圧)の例を示す図である。このように、タッチセンサ11のタッチ面上での位置と、荷重検出部12が検出する押圧荷重の値との関係を予め測定(キャリブレーション)しておき、製品出荷時などに、テーブルやリストとして記憶部15に記憶することが考えられる。例えば、タッチセンサ11のタッチ面を縦m分割、横n分割のm´n個領域に分割し、領域毎にユーザからの押圧力と検出される押圧荷重の値との関係を記憶部15に記憶させることができる。より具体的には、第1の領域(例えば図7及び8の領域群B)への入力に対する押圧荷重の調整値として第1の値(例えば1.0倍)、第2の領域(例えば図7及び8の領域群C)への入力に対する押圧荷重の調整値として第2の閾値(例えば0.75倍)、第3の領域(例えば図7及び8の領域群A)への入力に対する押圧荷重の調整値として第3の閾値(例えば1.5倍)など、領域ごとに異なる荷押圧荷重の調整値を記憶部15に記憶させることができる。このような押圧荷重調整情報により、制御部16は、押圧対象(押圧物)の押圧位置に応じて、検出された押圧荷重の値を調整することができる。例えば、ユーザからの触感を呈示されるべき一律の押圧力が1Nであり、触感を呈示する荷重基準が1.5Vであるとする。制御部16は、第1の領域(例えば図7及び8の領域群B)への入力の押圧荷重はそのまま(1.0倍して)荷重基準と比較し、第2の領域(例えば図7及び8の領域群B)への入力の押圧荷重は0.75倍して荷重基準と比較し、第3の領域(例えば図7及び8の領域群A)への入力の押圧荷重は1.5倍して荷重基準と比較するなど、領域ごとに異なる値で押圧荷重を調整することができる。これにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力(1N)があった場合に、タッチ面上の各位置における押圧荷重の値が調整されて同じ値となり、制御部16は、各位置に対して共通の1つの荷重基準(1.5V)によって触感を呈示するか否かを判断することができる。
【0030】
また、記憶部15は、触感を呈示する基準となる荷重基準の調整値を、タッチ面上の位置毎に記憶しておくことができる。例えば、第1の領域(例えば図7及び8の領域群B)への入力に対する荷重基準の調整値として第1の値(例えば1.0倍)、第2の領域(例えば図7及び8の領域群C)への入力に対する荷重基準の調整値として第2の閾値(例えば1.33(=4/3)倍)、第3の領域(例えば図7及び8の領域群A)への入力に対する荷重基準の調整値として第3の閾値(例えば0.66(=2/3)倍)など、領域ごとに異なる荷重基準の調整値を記憶部15に記憶させることができる。これにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力(1N)があった場合に、タッチ面上の入力位置に応じて荷重基準が調整されるため、制御部16は、該調整された荷重基準と押圧荷重とを比較することによって触感を呈示するか否かを判断することができる。
【0031】
また、記憶部15は、触感を呈示する基準となる荷重基準であって、タッチ面上の位置に応じて調整された荷重基準を記憶しておくことができる。例えば、第1の領域(例えば図7及び8の領域群A)への入力に対する荷重基準として第1の閾値(例えば1.0V)、第2の領域(例えば図7及び8の領域群B)への入力に対する荷重基準として第2の閾値(例えば1.5V)、第3の領域(例えば図7及び8の領域群C)への入力に対する荷重基準として第3の閾値(例えば2.0V)など、領域ごとに異なる荷重基準を記憶部15に記憶させることができる。これにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力(1N)があった場合に、制御部16は、タッチ面上の入力位置に応じた荷重基準を読み出して、該読み出した荷重基準と押圧荷重とを比較することによって触感を呈示するか否かを判断することができる。
【0032】
なお、記憶部15が記憶する押圧対象の押圧位置に応じて触感呈示に関する荷重を調整するための荷重調整情報は、押圧荷重を調整する情報、荷重基準を調整する情報、および荷重基準自体の情報のみに限定されるものではなく、触感を呈示するか否かの判定に関する任意のパラメータを用いることができるものである。
【0033】
図2は、図1に示したタッチセンサ11を含む部分の実装構造の一例を示すもので、図2(a)は要部断面図、図2(b)は要部平面図である。表示部14は、筐体21内に収納保持する。表示部14上には、弾性部材からなるインシュレータ22を介して、タッチセンサ11を保持する。なお、本実施の形態では、タッチセンサ11および表示部14を、平面視で縦長の矩形状として、タッチセンサ11を、図2(b)に仮想線で示す表示部14の表示領域Aから外れた4隅に配設したインシュレータ22を介して表示部14上に保持する。
【0034】
また、筐体21には、表示部14の表示領域から外れたタッチセンサ11の表面領域を覆うようにアッパカバー23を設け、このアッパカバー23とタッチセンサ11との間に、弾性部材からなるインシュレータ24を配設する。
【0035】
なお、図2に示すタッチセンサ11は、タッチ面11aを有する表面部材が、例えば透明フィルムやガラスで構成され、裏面部材がガラスやアクリルで構成されて、タッチ面11aが押圧されると、押圧部分が押圧力に応じて微少量撓む(歪む)、または構造体そのものが微少量撓む構造のものを用いる。
【0036】
タッチセンサ11の表面上には、アッパカバー23で覆われる各辺の近傍に、タッチセンサ11に加わる荷重(押圧力)を検出する歪みゲージセンサや圧電素子からなる荷重センサ31をそれぞれ接着等により設ける。また、タッチセンサ11の裏面上には、対向する2つの辺の近傍に、タッチセンサ11を振動させるための圧電素子32をそれぞれ接着等により設ける。すなわち、図2に示す入力装置は、図1に示した荷重検出部12を4つの荷重センサ31を用いて構成し、触感呈示部13を2つの圧電素子32を用いて構成している。そして、触感呈示部13によりタッチセンサ11を振動させることにより、タッチ面11aを振動させて、タッチ面11a上のタッチ対象に触感を呈示するようにしている。なお、図2(b)においては、図2(a)に示した筐体21、アッパカバー23およびインシュレータ24の図示を省略している。
【0037】
本実施の形態に係る入力装置においては、タッチセンサ11は、タッチ面11aへのタッチ操作を検出する。そして、制御部16は、押圧対象の押圧位置に応じて荷重調整処理を行い、荷重検出部12により検出される押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすかどうか判定する。そして、押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすと判定した場合は、制御部16は、タッチ面11aを押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように、触感呈示部13の駆動を制御する。
【0038】
以下、本実施の形態に係る入力装置による通知情報の触感呈示動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0039】
先ず、制御部16は、タッチセンサ11からの位置情報(押圧対象の押圧位置)の入力を検出して(ステップS101)、タッチ面11aに指等の押圧対象が接触したのを検出する(ステップS102)。次に、制御部16は、記憶部15を参照して押圧対象の押圧位置に応じた荷重調整情報を取得し(ステップS103)、荷重検出部12から入力される押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすか否かを判定する(ステップS104)。例えば、制御部16は、荷重検出部12からの押圧荷重を調整する押圧荷重調整情報を用いて、押圧対象の押圧位置に応じて押圧荷重を調整し、該調整した押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすか否かを判定することができる。また、制御部16は、触感を呈示するかどうかの閾値である荷重基準を調整する荷重基準調整情報を用いて、押圧対象の押圧位置に応じて荷重基準を調整し、荷重検出部12から入力される押圧荷重が該調整した荷重基準を満たすか否かを判定することができる。さらに、制御部16は、触感を呈示するかどうかの閾値であって押圧位置に応じた調整がされている荷重基準の調整情報を押圧対象の押圧位置に応じて記憶部15から読み出して、荷重検出部12から入力される押圧荷重が該読み出した荷重基準を満たすか否かを判定することができる。ステップS104の結果、押圧荷重が荷重基準を満たすと判定した場合(Yesの場合)、制御部16は、記憶部15を参照し、触感を呈示する駆動信号の情報を取得して、当該駆動信号により触感呈示部13を駆動して、ユーザへ触感を呈示する(ステップS105)。なお、制御部16は、触感がクリック触感となるように、触感呈示部13の駆動を制御することができる。
【0040】
本実施の形態に係る入力装置によれば、制御部16は、ユーザの指等の押圧対象の押圧位置に応じて、荷重検出部12が検出する押圧荷重と触感を呈示する荷重基準に対して調整を行い、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力があった場合に、押圧荷重が荷重基準を満たすように制御する。これにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。換言すると、ユーザは入力装置から触感を受けるために、触感が呈示されるべき押圧力より強い力で入力を行う必要はなく、また、触感が呈示されるべき押圧力より弱い力の入力に対して誤って触感が呈示されることもないため、ユーザが操作感時に感じる違和感をなくすことができる。
【0041】
また、制御部16は、荷重検出部12により検出される押圧荷重を押圧対象の押圧位置に応じて調整することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0042】
また、制御部16は、触感を呈示する荷重基準を押圧対象の押圧位置に応じて調整することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0043】
また、制御部16は、押圧対象の押圧位置に応じて調整されている荷重基準を読み出して利用することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0044】
(第2実施の形態)
図4は、本発明の第2実施の形態に係る入力装置の概略構成を示す機能ブロック図である。この入力装置は、図1に示す第1実施の形態に係る入力装置の荷重検出部12および触感呈示部13を圧電素子17によって置き換えたものである。タッチセンサ11、表示部14、記憶部15、および、制御部16については、それぞれ、第1実施の形態におけるものと同等の機能を有するものであり、詳細な説明は省略する。なお、第1実施の形態におけるタッチセンサ11、表示部14、記憶部15、および、制御部16に関する説明のうち、荷重検出部12、触感呈示部13に関する記載は、「荷重検出部12」及び「触感呈示部13」を「圧電素子17」と適宜読み替えるものとする。
【0045】
圧電素子17は、タッチセンサ11に装着される。この圧電素子17は、制御部16の制御により、圧電正効果を利用して、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出するための荷重検出モードと、圧電逆効果を利用して、タッチセンサ11のタッチ面11aを振動させる触感呈示モードとのいずれかのモードで動作させる。そして、荷重検出モードでは、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重に対応する出力信号を制御部16に供給する。また、触感呈示モードでは、制御部16から供給される駆動信号に応じてタッチセンサ11のタッチ面11aを振動させて、タッチ面を押圧している押圧対象に駆動信号に応じた所定の触感を呈示する。
【0046】
図5は、図4に示したタッチセンサ11、圧電素子17および表示部14の実装構造の概略構成例を示すもので、図5(a)は要部断面図、図5(b)は要部平面図である。タッチセンサ11には、その裏面上で、アッパカバー23で覆われる一辺または複数辺の近傍、ここでは3辺の近傍に、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出するとともに、タッチセンサ11を振動させて、タッチ面11aを押圧している押圧対象に触感を呈示するための圧電素子17をそれぞれ装着する。これら3個の圧電素子17の出力は、制御部16に並列に供給する。なお、図5(b)においては、図5(a)に示した筐体21、アッパカバー23およびインシュレータ24の図示を省略している。
【0047】
本実施の形態に係る入力装置においては、タッチセンサ11は、タッチ面11aへのタッチ操作を検出する。そして、制御部16は、押圧対象の押圧位置に応じて荷重調整処理を行い、圧電素子17により検出される押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすかどうか判定する。そして、押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすと判定した場合は、制御部16は、タッチ面11aを押圧している押圧対象に対して触感を呈示するように、圧電素子17の駆動を制御する。
【0048】
以下、本実施の形態に係る入力装置による通知情報の触感呈示動作について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0049】
先ず、制御部16は、3個の圧電素子17を荷重検出モードとして、それらの出力信号を監視する(ステップS201)。次いで、制御部16は、タッチセンサ11からの位置情報(押圧対象の押圧位置)の入力を検出して(ステップS202)、タッチ面11aに指等の押圧対象が接触したのを検出する(ステップS203)。次に、制御部16は、記憶部15を参照して押圧対象の押圧位置に応じた調整情報を取得し(ステップS204)、圧電素子17から入力される押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすか否かを判定する(ステップS205)。例えば、制御部16は、圧電素子17からの押圧荷重を調整する押圧荷重調整情報を用いて、押圧対象の押圧位置に応じて押圧荷重を調整し、該調整した押圧荷重が触感を呈示する荷重基準を満たすか否かを判定することができる。また、制御部16は、触感を呈示するかどうかの閾値である荷重基準を調整する荷重基準調整情報を用いて、押圧対象の押圧位置に応じて荷重基準を調整し、圧電素子17から入力される押圧荷重が該調整した荷重基準を満たすか否かを判定することができる。さらに、制御部16は、触感を呈示するかどうかの閾値であって押圧位置に応じた調整がされている荷重基準の調整情報を押圧対象の押圧位置に応じて記憶部15から読み出して、圧電素子17から入力される押圧荷重が該読み出した荷重基準を満たすか否かを判定することができる。ステップS205の結果、押圧荷重が荷重基準を満たすと判定した場合(Yesの場合)、制御部16は、3個の圧電素子17を荷重検出モードから、触感呈示モードに切り替える(ステップS206)。次いで、制御部16は、記憶部15を参照し、触感を呈示する駆動信号の情報を取得して、当該駆動信号により触感呈示部13を駆動して、ユーザへ触感を呈示する(ステップS207)。なお、制御部16は、触感がクリック触感となるように、触感呈示部13の駆動を制御することができる。その後、制御部16は、3個の圧電素子17を荷重検出モードに復帰させる(ステップS208)。
【0050】
本実施の形態に係る入力装置によれば、圧電素子17を、タッチセンサ11のタッチ面11aに対する押圧荷重を検出する荷重センサと、タッチ面11aを振動させるアクチュエータとして共用したので、部品点数を削減できてコストダウンが図れる。また、部品点数を削減できることから、部品の設置スペースを少なくできるので、装置を小型化することができる。
【0051】
また、本実施の形態に係る入力装置によれば、制御部16は、ユーザの指等の押圧対象の押圧位置に応じて、圧電素子17が検出する押圧荷重や触感を呈示する荷重基準に対して調整を行い、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力があった場合に、押圧荷重が触感を呈示する基準を満たすように制御する。これにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。換言すると、ユーザは入力装置から触感を受けるために、触感が呈示されるべき押圧力より強い力で入力を行う必要はなく、また、触感が呈示されるべき押圧力より弱い力の入力に対して誤って触感が呈示されることもないため、ユーザが操作感時に感じる違和感をなくすことができる。
【0052】
また、制御部16は、圧電素子17により検出される押圧荷重を押圧対象の押圧位置に応じて調整することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0053】
また、制御部16は、触感を呈示する荷重基準を押圧対象の押圧位置に応じて調整することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0054】
また、制御部16は、押圧対象の押圧位置に応じて調整されている荷重基準を読み出して利用することにより、ユーザから触感を呈示されるべき一律の押圧力を受けた場合に、タッチ面のどの位置をユーザが押圧しているかに係わらず、触感を呈示することが可能となり、ユーザの操作感を向上させることができる。
【0055】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部などに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0056】
例えば、荷重検出部12又は圧電素子17の出力に基づいて演算されるタッチセンサ11に加わる荷重が、触感を呈示する基準(例えば、1N)を満たすまでは圧覚を刺激するようにし、基準を満たすと、触感呈示部13又は圧電素子17を所定の駆動信号で駆動してタッチ面11aを振動させて触覚を刺激する。これにより、操作者に対してクリック触感を呈示して、当該入力操作が完了したことを認識させる。したがって、操作者は、押しボタンスイッチ(プッシュ式ボタンスイッチ)のようなボタンスイッチがタッチセンサ11上部に描画されていても、タッチセンサ11を、押しボタンスイッチを操作した場合と同様のリアルなクリック触感を得ながら、入力操作を行うことができるので、違和感を覚えることがない。また、タッチセンサ11を「押した」と言う意識との連動で入力操作を行うことができるので、単なる押圧による入力ミスも防止することができる。
【0057】
なお、触感を呈示する押圧荷重の基準は、例えば、表現したい押しボタンスイッチの押下時の荷重特性に応じて適宜設定することができる。例えば、この基準は、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重と同じに設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応と触感を呈示するタイミングを同じに設定)してもよいし、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重よりも高い荷重に設定(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)してもよい。例えば、本実施の形態に係る入力装置を携帯端末に適用する場合においては、好ましくは、タッチセンサ11がタッチ入力に反応する荷重以上(タッチセンサ11のタッチ入力の反応よりも触感を呈示するタイミングを遅くする設定)とする。また、年配のユーザは重めに(より遅く)、若いユーザは軽めに(より早く)設定できるように、ユーザにおいて自由に設定できるようにしても良い。
【0058】
また、例えば、触感呈示部13、荷重検出部12、および圧電素子17の数は、実施形態に記載の個数に限らず、任意の個数とすることができる。例えば、圧電素子17は、3個に限らず、任意の個数とすることができる。また、圧電素子17の構造も、タッチセンサ11の面積や、振動振幅等に応じて、モノモルフ、ユニモルフ、バイモルフ、積層型等の公知の構造とすることができる。
【0059】
また、本発明は、タッチセンサ11がオン・オフ動作を行うタッチスイッチとして機能する入力装置にも有効に適用することができる。さらに、本発明に係る入力装置は、タッチセンサ11に対する押圧の途中で、異なる基準(荷重)で順次に触感を呈示して、2段階スイッチ(押し込んだ後、さらに押し込む)などの多段階スイッチの触感を呈示することもできる。これにより、例えば、カメラのレリーズボタンに適用した場合は、フォーカスロック(1段押し)とレリーズ(2段押し)との触感を呈示することが可能となる。また、表示部14と組み合わせた場合は、押し込みの段数に応じてメニュー階層画面等の表示を種々変更することが可能となる。さらに、このように、多段階スイッチの触感を呈示する場合は、各段階でタッチ面を振動させる駆動信号を変更して、各段階において異なる触感を呈示することも可能である。
【0060】
また、本発明に係る入力装置は、荷重検出部12又は圧電素子17の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、触感呈示部13又は圧電素子17を駆動する。ここで、荷重検出部12又は圧電素子17の出力に基づいて検出される押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際とは、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値に達した際であってもよいし、検出される押圧荷重が触感を呈示する基準値を超えた際でもよいし、荷重検出部又は圧電素子の出力に基づいて触感を呈示する基準値が検出された際でもよい。
【符号の説明】
【0061】
11 タッチセンサ
11a タッチ面
12 荷重検出部
13 触感呈示部
14 表示部
15 記憶部
16 制御部
17 圧電素子
21 筐体
22 インシュレータ
23 アッパカバー
24 インシュレータ
31 荷重センサ
32 圧電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ入力を検出するタッチセンサのタッチ面に対して、押圧対象が同一の力で押圧しても、押圧位置に応じて異なる押圧荷重を検出する圧電素子を備える入力装置であって、
前記圧電素子は、前記タッチセンサのタッチ面を押圧している押圧対象に対して触感を呈示し、
前記触感を呈示されるべき一律の力で、前記タッチ面の触感を呈示するどの位置を前記押圧対象が押圧しても、前記圧電素子が前記押圧対象に対して前記触感を呈示するように、前記タッチ面の押圧位置に応じた制御をする制御部、
を備える入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記圧電素子により検出される押圧荷重を前記押圧位置に応じて調整し、該調整した押圧荷重が触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記押圧位置に応じて前記触感を呈示する基準を調整し、前記圧電素子により検出される押圧荷重が前記調整した触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記圧電素子により検出される押圧荷重が前記押圧位置に応じて調整された触感を呈示する基準を満たした際に、前記タッチ面を押圧している前記押圧対象に対して触感を呈示するように前記圧電素子を制御することを特徴とする請求項1に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−48815(P2011−48815A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108769(P2010−108769)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【分割の表示】特願2009−197437(P2009−197437)の分割
【原出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】