説明

入力装置

【課題】スイッチの位置を容易に認識することができる入力装置を提供する。
【解決手段】実施の形態に係る入力装置2は、操作入力が可能なスイッチ部3と、スイッチ部3に隣接して設けられたベゼル21と、磁性体を含んで形成され、スイッチ部3及びベゼル21の少なくとも一方が設置されるセンターコンソール12とセンターコンソール12上に設置されたスイッチ部3及びベゼル21との間に設けられた板ばね23a〜板ばね23dと、第1の磁場に基づく板ばね23a〜板ばね23dの吸引によりスイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214との段差を生じさせない状態とし、第1の磁場とは異なる第2の磁場に基づく板ばね23a〜板ばね23dの吸引によりスイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214との段差を生じさせる状態とする電磁石24a〜電磁石24dと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の運転席と助手席との間のセンターコンソールに操作部を有する車両用操作装置が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
従来の車両用操作装置の操作部は、複数の操作スイッチと、複数の操作スイッチの上方に設けられた操作パネルと、操作スイッチよりも下方に設けられ、操作者の指を撮像するイメージセンサと、を有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−18111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような車両用操作装置の中には、例えば、操作パネルが設置された部材の表面と操作パネルの表面との段差をなくすことにより、意匠として優れたものがある。しかし、操作パネルが設置された部材の表面と操作パネルの表面との段差がない操作部は、操作者が触感により操作部のスイッチの位置を確認することが困難となる問題がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、スイッチの位置を容易に認識することができる入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、操作入力が可能な入力部と、入力部に隣接して設けられた隣接部材と、磁性体を含んで形成され、入力部及び隣接部材の少なくとも一方が設置される基部と基部上に設置された入力部又は隣接部材との間に設けられた弾性部材と、第1の磁場に基づく弾性部材の吸引により入力部の表面と隣接部材の表面との段差を生じさせない状態とし、第1の磁場とは異なる第2の磁場に基づく弾性部材の吸引により入力部の表面と隣接部材の表面との段差を生じさせる状態とする電磁石と、を備えた入力装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スイッチの位置を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、実施の形態に係る入力装置を搭載した車両内部の斜視図であり、(b)は、入力装置の上面図である。
【図2】図2は、実施の形態に係る入力装置の図1(b)のII−II線断面図である。
【図3】図3は、実施の形態に係る入力装置に関するブロック図である。
【図4】図4(a)は、実施の形態に係る車両が走行中の入力装置の断面図であり、(b)は、車両が停車中の入力装置の断面図である。
【図5】図5(a)は、実施の形態の変形例1に係る入力装置の側面図であり、(b)は、実施の形態の変形例2に係る第1の磁場を発生させる入力装置の側面図であり、(c)は、実施の形態の変形例2に係る第2の磁場を発生させる入力装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る入力装置は、操作入力が可能な入力部と、入力部に隣接して設けられた隣接部材と、磁性体を含んで形成され、入力部及び隣接部材の少なくとも一方が設置される基部と基部上に設置された入力部又は隣接部材との間に設けられた弾性部材と、第1の磁場に基づく弾性部材の吸引により入力部の表面と隣接部材の表面との段差を生じさせない状態とし、第1の磁場とは異なる第2の磁場に基づく弾性部材の吸引により入力部の表面と隣接部材の表面との段差を生じさせる状態とする電磁石と、を備える。
【0011】
[実施の形態]
(入力装置2の構成)
図1(a)は、実施の形態に係る入力装置を搭載した車両内部の斜視図であり、(b)は、入力装置の上面図である。図2は、実施の形態に係る入力装置の図1(b)のII−II線断面図である。図3は、実施の形態に係る入力装置に関するブロック図である。なお、本実施の形態では、第1の磁場がゼロである場合について説明する。
【0012】
入力装置2は、例えば、図1(a)に示すように、車両1の運転席10と助手席11との間に延びて設けられたセンターコンソール12上に配置されている。
【0013】
また、運転席10に着座した乗員から見て前方に位置するインストルメントパネル13には、例えば、地図や設定メニュー等を表示するメインモニタ14と、スピードメータ等の計器類が配置されるメータパネル15と、が配置されている。このメータパネル15には、例えば、メインモニタ14より小さなサブモニタ16が配置されている。このサブモニタ16には、例えば、後述するスイッチ部3の操作可能な領域を模した画像が表示される。乗員は、この画像を見ることで、スイッチ部3に視線移動することなく、スイッチ部3のタッチ操作可能な領域のレイアウトを確認することができ、スイッチ部3を容易に操作することができる。なお、操作可能な領域を模した画像とは、例えば、車両1に搭載されたオーディオ装置の入力装置としてスイッチ部3が利用可能であるとき、再生や停止等の指示を入力可能な領域の画像と、入力パネル30の上面視した画像と、を重畳した画像である
【0014】
入力装置2は、主に、入力部としてのスイッチ部3と、隣接部材としてのベゼル21と、弾性部材としての板ばね23a〜板ばね23dと、電磁石24a〜電磁石24dと、を備えて概略構成されている。この入力装置2は、例えば、センターコンソール12に設けられた凹部120に収納されている。
【0015】
また、入力装置2は、図3に示すように、取得した車両1の速度の情報である車速情報に基づいて車両1が走行中であると判定して後述する磁場(第2の磁場)を発生させる制御信号を生成し、生成した制御信号を電磁石24a〜電磁石24dに出力する制御部200と、通信部26と、を備えて概略構成されている。
【0016】
さらに、入力装置2は、スイッチ部3の表面としての操作面300とベゼル21の表面214との段差を生じさせない状態となるように板ばね23a〜板ばね23dによる弾性力を規制するストッパとしての段差部が、スイッチ部3及びベゼル21のそれぞれに形成されている。スイッチ部3の段差部301及びベゼル21の段差部212については、後述する。
【0017】
センターコンソール12は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂を用いて形成されている。また、センターコンソール12の凹部120は、例えば、その底部の中央に、凹部122が形成されている。この凹部122には、例えば、スイッチ部3の基板32を支持する複数の支持部材33が配置されている。この支持部材33は、例えば、弾性部材を用いて形成されている。この支持部材33は、例えば、上面視にて矩形状を有する基板32の4つの隅に配置されている。
【0018】
ベゼル21の底面に対向する凹部120の底面121には、図1(b)及び図2に示すように、板ばね23a〜板ばね23dが配置されている。
【0019】
ベゼル21は、例えば、スイッチ部3の周囲を囲む枠形状を有し、ABS樹脂等の合成樹脂又は金属材料を用いて形成されている。ベゼル21は、例えば、スイッチ部3が収容される開口211を有する。開口211には、図2に示すように、段差部212が形成されている。この段差部212は、例えば、図2(a)の紙面の上方の開口211の周の径が大きく、下方の開口211の周の径が小さくなっている。その径の違いによって、段差部212が形成されている。この段差部212の周の径が小さい部分の上面が、スイッチ部3の後述する段差部301と接触することにより、入力装置2は、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214とがフラットとなるように構成されている。
【0020】
また、ベゼル21は、電磁石24a〜電磁石24dが非通電状態であるとき、図2に示すように、凹部120の底面121とベゼル21の裏面213との距離がWである。本実施の形態の距離Wは、一例として、5〜6mmである。なお、ベゼル21は、スイッチ部3の周囲を囲む構成に限定されず、スイッチ部3の少なくとも一辺に沿って設けられても良い。例えば、ベゼル21は、スイッチ部3の車両1の後方の辺に隣接するように設けられることにより、乗員は、ベゼル21とスイッチ部3との段差を認識することができる。
【0021】
板ばね23a〜板ばね23dは、例えば、酸化鉄、フェライト等の板形状の磁性体金属材料を略Z字形状に折り曲げて形成され、ベゼル21の4隅の下方に配置される。また、板ばね23a〜板ばね23dは、例えば、一方の端部が接触する部材に固定され、他方の端部が接触する部材に移動可能に取り付けられる、又は、両方の端部が接触する部材に移動可能に取り付けられる。つまり、板ばね23a〜板ばね23dは、例えば、両方の端部が接触する部材であるセンターコンソール12の底面121とベゼル21の裏面213に固定されると、図2の紙面の下方に向けてベゼル21が移動した場合、センターコンソール12とベゼル21は、図2の紙面の上下方向のみならず左右方向にも相対移動する。そこで、板ばね23a〜板ばね23dは、例えば、いずれか一方の端部、又は両方の端部がセンターコンソール12及びベゼル21に移動可能に取り付けられることにより、図2の紙面の下方に向けてベゼル21が移動した場合、板ばね23a〜板ばね23dが横方向に移動するので、センターコンソール12とベゼル21は、図2の紙面の上下方向に相対移動することができる。
【0022】
なお、板ばね23a〜板ばね23dは、上記の形状に限定されず、板形状の材料を用途に応じて様々な形状に加工して用いることができる。また、入力装置2に用いられる弾性部材は、弾性エネルギーを蓄積し、開放できる機械要素であれば良く、例えば、コイル状のばね等の様々な弾性部材を用いることができる。
【0023】
電磁石24a〜電磁石24dは、図1(b)及び図2に示すように、板ばね23a〜板ばね23dのそれぞれに対応してセンターコンソール12の凹部120に設けられている。電磁石24a〜電磁石24dは、例えば、軟磁性体材料からなる芯と、この芯の周囲に電線を巻きまわしてコイル状としたコイルと、を備えてそれぞれ概略構成されている。また、電磁石24a〜電磁石24dは、通電による磁場により、ベゼル21の裏面213に取り付けられた板ばね23a〜板ばね23dを吸引することで、ベゼル21を図2の紙面の下方に移動させる。
【0024】
電磁石24aは、制御部200から出力される第1の制御信号により、磁場を発生させる。電磁石24bは、制御部200から出力される第2の制御信号により、磁場を発生させる。電磁石24cは、制御部200から出力される第3の制御信号により、磁場を発生させる。電磁石24dは、制御部200から出力される第4の制御信号により、磁場を発生させる。
【0025】
スイッチ部3は、例えば、入力パネル30と、スイッチ31と、基板32と、複数の支持部材33と、を備えて概略構成されている。スイッチ部3は、例えば、上面視にて正方形状を有し、その操作面300は、ほぼフラットである。また、スイッチ部3は、例えば、操作面300とは反対側の裏面の中央に凸部302を有し、スイッチ31のボタン310に接触している。
【0026】
スイッチ部3の入力パネル30の周囲には、ベゼル21の段差部212に対応した段差部301が形成されている。この段差部301は、例えば、図2の紙面の上方の周の径が大きく、下方の周の径が小さくなっている。この径の違いによって、段差部301が形成されている。なお、スイッチ部3は、例えば、基板32と入力パネル30との間に弾性部材が配置され、図2の紙面の上方の弾性力が入力パネル30に付加されていても良い。
【0027】
スイッチ部3は、例えば、図3に示すように、入力パネル30に接触した指の位置に応じた操作入力信号を出力するタッチスイッチである。入力パネル30は、例えば、乗員の指の接触又は接近、すなわち、乗員のタッチ操作による静電容量の変化を信号として出力するように構成されている。また、スイッチ部3は、押下げ操作(プッシュ操作)によって、この入力パネル30が図2の紙面の下方に移動することにより、スイッチ31のボタン310がオン状態となり、スイッチ31は、図3に示すように、オン状態を示すプッシュ信号を出力するように構成されている。なお、スイッチ部3は、指の接近による、静電容量の変化量がしきい値よりも大きい場合に操作入力信号を出力するように構成されても良い。また、本実施の形態に係るスイッチ部3は、一部がタッチスイッチとして構成されるが、これに限定されず、全てがタッチスイッチ、又は、機械式スイッチであっても良い。
【0028】
基板32は、例えば、プリント配線基板であり、入力パネル30に対するタッチ操作、及び入力パネル30に対するプッシュ操作に基づく操作信号を車両制御部100に出力する電子回路が設けられている。
【0029】
支持部材33は、例えば、円柱形の形状を有し、ゴム等の弾性部材、又は金属材料等を用いて形成されている。複数の支持部材33は、例えば、基板32と凹部122のとの間に配置され、基板32を支持している。
【0030】
入力装置2の制御部200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなるマイクロコンピュータである。制御部200は、通信部26を介して車両1の車両LAN(Local Area Network)4に接続されている。また、制御部200は、通信部26、車両LAN4を介して車両1の速度を測定する車速センサ5から車両1の速度を示す車速情報を取得するように構成されている。制御部200は、この車速情報に基づいて、車両1が停車中の場合は、第1の制御信号〜第4の制御信号の出力を行い、車両1が走行中の場合は、第1の制御信号〜第4の制御信号の出力を停止する。
【0031】
車両1は、例えば、車両LAN4と、車速センサ5と、通信部17と、車両制御部100と、を備えている。
【0032】
車両LAN4は、例えば、車両1に搭載された電子機器と接続され、各種信号の入出力に利用される。通信部17は、車両LAN4に接続されている。
【0033】
車速センサ5は、車両1の速度を測定し、測定した結果を車速情報として出力するように構成されている。
【0034】
この車両制御部100は、例えば、CPU、RAM及びROM等からなるマイクロコンピュータである。車両制御部100は、例えば、通信部17、車両LAN4、通信部26及び制御部200を介して取得した操作信号に基づいて表示信号を生成し、メインモニタ14及びサブモニタ16の少なくとも1つに出力する。以下に、本実施の形態に係る入力装置2の動作について説明する。
【0035】
(動作)
図4(a)は、実施の形態に係る車両が走行中の入力装置の断面図であり、(b)は、車両が停車中の入力装置の断面図である。
【0036】
乗員が、車両1の電源をオン状態にすると、車速センサ5は、車両1の速度を測定し、測定した結果を示す車速情報を所定の周期で通信部17を介して車両LAN4に出力する。
【0037】
入力装置2の制御部200は、車両LAN4及び通信部26を介して車速情報を取得すると、車両1が走行中であるか否かを判定する。なお、この判定は、例えば、ゼロでない車両1の速度が検出されている場合は走行中であると判定するものである。
【0038】
(走行中の場合)
制御部200は、例えば、車速情報に基づいて車両1が走行中であると判定したとき、第1の制御信号〜第4の制御信号を出力しない。従って、電磁石24a〜電磁石24dには、板ばね23a〜板ばね23dを吸引してベゼル21を移動させることができないので、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214は、図4(a)に示すように、フラットとなる。
【0039】
(停車中の場合)
制御部200は、例えば、車速情報に基づいて車両1が停車中であると判定したとき、第1の制御信号〜第4の制御信号を対応する電磁石24a〜電磁石24dに出力する。
【0040】
第1の制御信号〜第4の制御信号が入力した電磁石24a〜電磁石24dは、図4(b)に示すように、それぞれが磁場240(第2の磁場)を発生させる。磁場240により、板ばね23a〜板ばね23dが電磁石24a〜電磁石24dのそれぞれに吸引され、図4(a)に示すように、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214には、段差Wが生じる。この段差Wは、一例として、2〜3mmである。
【0041】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る入力装置2によれば、ベゼル21とスイッチ部3とに段差が生じるので、スイッチ部3に視線移動することなく、スイッチ部3の位置を容易に認識することができる。つまり、乗員は、例えば、指をスイッチ部3方向に、ベゼル21の表面214に接触させながら移動させると、段差を触感として感じることができ、スイッチ部3に視線移動することなく、スイッチ部3が操作可能な状態であることを確認することができると共に、スイッチ部3の位置を確認することができる。さらに、乗員が入力パネル30に接触することにより、スイッチ部3によって操作入力を行うことができる領域を模した画像が、メインモニタ14及びサブモニタ16の少なくともいずれか1つのモニタに表示され、乗員は、スイッチ部3に視線移動することなく、スイッチ部3によってどの様な操作が可能なのかを知ることができる。
【0042】
さらに、入力装置2は、車両1が走行中であるとき、ベゼル21の表面214とスイッチ部3の操作面300とがフラットな状態なので、意匠として優れている。また、フラットであることから、乗員は、スイッチ部3に視線移動することなく、入力装置2による入力操作が許容されているか否かを認識することができる。
【0043】
(実施の形態の変形例について)
以下に、実施の形態に係る変形例について説明する。
【0044】
図5(a)は、実施の形態の変形例1に係る入力装置の側面図であり、(b)は、実施の形態の変形例2に係る第1の磁場を発生させる入力装置の側面図であり、(c)は、実施の形態の変形例2に係る第2の磁場を発生させる入力装置の側面図である。まず、実施の形態に係る変形例1について説明する。
【0045】
(変形例1)
図5(a)に示す変形例1は、例えば、電磁石24a〜電磁石24dに第1の制御信号〜第4の制御信号が入力する状態、つまり、通電状態において、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214がフラットとなる点で上記の実施の形態と異なっている。
【0046】
つまり、本変形例に係る入力装置2の制御部200は、車両1が停車中であるとき、第1の制御信号〜第4の制御信号を出力せず、車両1が走行中であるとき、第1の制御信号〜第4の制御信号を出力するように構成されている。従って、車両1が停車中であるとき、板ばね23a〜板ばね23dの弾性力により、スイッチ部3の操作面300よりも、図5(a)の紙面の上方にベゼル21の表面214が位置することとなる。なお、スイッチ部3の段差部301とベゼル21の段差部212は、図5(a)に示すフラットな状態においては、接触しないように構成されている。
【0047】
(変形例2)
次に、図5(b)及び(c)に示す変形例2は、例えば、電磁石24a〜電磁石24dに第1の制御信号〜第4の制御信号が入力する状態において生じる磁場の強さによってスイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214がフラットとなったり、段差が生じたりする点で上記の実施の形態及び変形例1と異なっている。
【0048】
例えば、走行中に出力される第1の制御信号〜第4の制御信号により、電磁石24a〜電磁石24dに発生する磁場を第1の磁場240a、停車中に出力される第1の制御信号〜第4の制御信号により、電磁石24a〜電磁石24dに発生する磁場を第2の磁場240bとする。なお、第1の磁場240aは、第2の磁場240bよりも小さいものとする。
【0049】
本変形例における入力装置2は、図5(b)に示すように、第1の磁場240aが発生しているときは、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214がフラットとなるように構成される。また、本変形例における入力装置2は、図5(c)に示すように、第2の磁場240bが発生しているときは、スイッチ部3の操作面300とベゼル21の表面214に段差が生じるように構成されている。
【0050】
なお、変形例2において、第1の磁場240aが第2の磁場240bよりも小さかったがこれに限定されず、第1の磁場240aが第2の磁場240bよりも大きくても良い。この場合は、ベゼル21の表面214がスイッチ部3の操作面300よりも上方に位置する段差となる。
【0051】
(変形例3)
変形例3は、乗員の腕や指の近接を検出するセンサを設けている点で上記の実施の形態及び各変形例と異なっている。
【0052】
本変形例では、入力装置2への乗員の腕や指の近接をセンサで検出し、その検出信号に基づいて入力装置2の制御部200が電磁石24a〜電磁石24dに制御信号を出力するように構成される。
【0053】
なお、上記の実施の形態及び各変形例において、板ばね23a〜板ばね23dは、ベゼル21の下方に配置されたがこれに限定されず、スイッチ部3の下方に設けられても良く、その数も限定されない。この場合は、スイッチ部3の下方に配置された板ばね23a〜板ばね23dの位置に応じて電磁石24a〜電磁石24dは、配置される。
【0054】
またなお、上記の入力装置2は、センターコンソール12上に設けられたが、これに限定されず、乗員が着座するシートのアームレストやパームレストなどに用いられても良い。また、上記の入力装置2は、車両に搭載されたが、これに限定されず、航空機、建設機械などに搭載されても良い。
【0055】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1…車両、2…入力装置、3…スイッチ部、4…車両LAN、5…車速センサ、10…運転席、11…助手席、12…センターコンソール、13…インストルメントパネル、14…メインモニタ、15…メータパネル、16…サブモニタ、17…通信部、21…ベゼル、23a〜23d…板ばね、24a〜24d…電磁石、26…通信部、30…入力パネル、31…スイッチ、32…基板、33…支持部材、100…車両制御部、120…凹部、121…底面、200…制御部、211…開口、212…段差部、213…裏面、214…表面、240…磁場、240a・・・第1の磁場、240b…第2の磁場、300…操作面、301…段差部、302…凸部、310…ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力が可能な入力部と、
前記入力部に隣接して設けられた隣接部材と、
磁性体を含んで形成され、前記入力部及び前記隣接部材の少なくとも一方が設置される基部と前記基部上に設置された前記入力部又は前記隣接部材との間に設けられた弾性部材と、
第1の磁場に基づく前記弾性部材の吸引により前記入力部の表面と前記隣接部材の表面との段差を生じさせない状態とし、前記第1の磁場とは異なる第2の磁場に基づく前記弾性部材の吸引により前記入力部の表面と前記隣接部材の表面との段差を生じさせる状態とする電磁石と、
を備えた入力装置。
【請求項2】
取得した車両の速度の情報である車速情報に基づいて前記車両が走行中であると判定して前記第2の磁場を発生させる制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記電磁石に出力する制御部と、
を備えた請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力部の表面と前記隣接部材の表面との段差を生じさせない状態となるように前記弾性部材による弾性力を規制するストッパが、前記入力部及び前記隣接部材のそれぞれに形成された請求項1又は2に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−109041(P2012−109041A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254849(P2010−254849)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】