説明

入室管理システムおよび入室管理方法

【課題】通常時のセキュリティ性を確保しつつ、災害発生などの非常状態においては応援勤務者の支店への入室を許可できる。
【解決手段】企業コードと社員IDとを含む照合DBを記憶する記憶部150と、企業コードおよび社員IDを読み取る読取部101と、読み取った企業コードおよび社員IDと、照合DBにおける企業コードおよび社員IDとを照合し、照合が成功した場合に支店への入室者の入室を許可する認証部102と、非常状態になった場合に非常時モードに切り替える非常時モード切替部103と、を備え、読取部101は、照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替えられた場合、IDカードから企業コードを読み取り、認証部102は、非常時モードに切り替えられた場合、読み取った企業コードと、照合DBにおける企業コードとを照合することにより、支店への入室者の入室を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入室管理システムおよび入室管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
銀行等の金融機関(企業)では、パンデミックや地震などの災害発生時、職員が普段勤務している場所(支店や店舗)ではなく、最寄りの支店に集合するなどのBCP(Business Continuity Plan)対策が進められている。これは、災害発生時においても可能な限り業務の継続提供を行うこと、一刻も早い業務再開が求められていることによる。
【0003】
ところが、通常とは異なる支店へ出勤することになった場合、通常とは異なる支店に出勤した者(応援勤務者)には当該支店へ入室するための許可(入室許可)が与えられておらず、最寄りの支店に出勤してもその支店へ入室できないという問題がある。なお、応援勤務者の役割とは、災害発生時における支店内の状況確認や、被害箇所の復旧作業、重要物や貴重品の安全確保、あるいは重要物や貴重品の一時退避作業などであり、一刻でも早くこれらの対処を開始できることが望ましい。
【0004】
上記のような応援勤務者が支店に入室できない場合の対応としては、現地で警備会社の警備員と合流して鍵を開けてもらうか、支店に対して所定の監視処理を実行する監視センタからの遠隔操作で鍵を開けてもらうか、その支店に勤務する者(社員)が出社するまで待機する等が考えられる。
【0005】
また、例えば、監視センタより、一時個人認証許可信号および許可時間値を入退室管理システムに送信することにより、一時的に特定人物の認証を許可する入退室管理システムが開示されている(特許文献1参照)。この技術を利用すれば、災害発生時に応援勤務者の情報を応援勤務先の店舗に送信することで、応援勤務者の当該店舗への入室を許可できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−182171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、災害等で混乱している状況では、警備員への出動要請の集中や、交通機関の混乱などにより、警備員の対応までに非常に多くの時間を要することが想定される。また、監視センタからの遠隔操作についても、依頼の集中による対応の遅延や、通信回線の切断や輻輳(発信制限を含む)などによる遠隔操作の信号を送信できないなどが想定される。さらに、交通機関の混乱が生ずれば、その支店に勤務する者の出勤が大きく遅延することも想定される。このような場合、応援勤務者は支店に入室できる状況になるまで延々と待たされ、応援勤務者が現地に到着しているにもかかわらず、復旧のための業務を開始するまでに多大な時間を要する恐れがあった。
【0008】
また、上述のように、災害発生時においては、通信回線の切断や輻輳などにより、通信できないことが想定される。従って、上記特許文献1でも、通信ができないことにより、応援勤務者がどの店舗に出勤可能であるかの連絡が行えない、監視センタから店舗に対する情報を送信できない、あるいはこれらの連絡・情報送信に大きな遅延が生ずるなど、システムが有効に機能しない恐れがあった。
【0009】
一方、前述のような状況で応援勤務者がすぐに入室できるよう、それぞれの支店において予め応援勤務者に入室許可を与えておく、あるいは、その企業の関係者(銀行関係者)全員に入室許可を与えることも考えられる。
【0010】
しかしながら、それぞれの支店において予め応援勤務者に入室許可を与えておくには、照合用データベースに登録すべき対象者が増加することから、データベース更新作業が負担となるとともに、登録漏れや消去漏れなど更新時のミスが生ずるおそれがある。また、銀行などを想定した場合、金融機関という重要施設であることの特性を考えると、普段から必要な者以外に入室許可を与えておくことは、十分なセキュリティ性を確保する上で問題である。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、災害発生などの非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の支店への入室を許可できる入室管理システムおよび入室管理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、組織の建物の出入口付近に設置された照合装置を備えた入室管理システムにおいて、前記照合装置は、前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む照合情報を記憶する記憶部と、前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付手段と、受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する認証手段と、前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態になった場合、前記認証手段による照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替手段と、を備え、前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報の入力を受け付け、前記認証手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報とを照合することにより、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、組織の建物の出入口付近に設置された照合装置と、前記照合装置と接続され、前記建物を監視する制御装置とを備えた入室管理システムにおいて、前記制御装置は、前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む第1照合情報を記憶する第1記憶部と、前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報を受信する第1通信手段と、受信した前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記第1照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する第1認証手段と、を備え、前記第1通信手段は、前記建物への入室者の入室を許可した場合、その旨を示す許可通知を前記照合装置に送信し、前記照合装置は、前記組織識別情報と、前記建物を識別するための第1建物識別情報と、前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態において入室させる第2利用者用の建物識別情報である第2建物識別情報とを含む第2照合情報を記憶する第2記憶部と、前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付手段と、受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報を前記制御装置に送信した後、前記許可通知を受信する第2通信手段と、前記許可通知を受信した場合、前記建物への入室者の入室を許可する許可手段と、前記非常状態になった場合、前記建物への入室者の入室を許可する際の照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替手段と、を備え、前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報および前記第1建物識別情報の入力を受け付け、または、前記組織識別情報および前記第2建物識別情報の入力を受け付け、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報および前記第1建物識別情報と、前記第2照合情報における前記組織識別情報および前記第1建物識別情報とを照合し、または、受け付けた前記組織識別情報および前記第2建物識別情報と、前記第2照合情報における前記組織識別情報および前記第2建物識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する第2認証手段を、さらに備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、組織の建物の出入口付近に設置された照合装置を備えた入室管理システムで実行される入室管理方法において、前記照合装置は、前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む照合情報を記憶する記憶部を備え、前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合することにより、前記建物への入室者の入室を許可する認証ステップと、前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態になった場合、前記認証ステップによる照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替ステップと、を含み、前記入力受付ステップは、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報の入力を受け付け、前記認証ステップは、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、災害発生などの非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の支店への入室を許可できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる入室管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図2は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。
【図4】図4は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、照合装置の非常時モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。
【図7】図7は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。
【図8】図8は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図9】図9は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。
【図10】図10は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。
【図11】図11は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図12は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【図14】図14は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、照合装置の非常時モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる入室管理システムおよび入室管理方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。以下の実施の形態では、金融機関の店舗に入室管理システムが設置され、店舗内への入室者の入室管理を行う場合について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる入室管理システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の入室管理システムは、通常時(日常)では、照合装置が通常その店舗に勤務する者(社員)が所持するIDカードから所定の情報を読み取ると、該情報と照合装置に記憶された情報とを比較し、照合成功であれば電気錠を解錠し、警備状態を解除する。一方、非常時などでは、照合装置による照合方法を変更することで、社員以外の応援勤務者(通常とは異なる支店に出勤した者)の店舗への入室を許可するものである。ここで、社員は第1利用者であり、応援勤務者は第2利用者である。
【0019】
入室管理システムは、金融機関の店舗(支店)などに設置され、照合装置100と、制御装置200と、電気錠ユニット10と、通用口扉110に設けられる電気錠E1,E2と、専用電源40とが備えられている。そして、制御装置200は、電話回線、無線ネットワーク、インターネットなどのネットワーク30によって、監視センタ20と接続されている。図1における範囲Aで囲まれた照合装置100と、カードリーダ190と、通用口扉110および電気錠E1,E2は、通用口付近に設置されている。また、これらに電力を供給する専用電源も通用口付近に設置される。図2は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
まず、照合装置100について説明する。照合装置100は、金融機関(組織)の建物である店舗(支店)の職員が出入する通用口付近(出入口付近)に設置されており、カードリーダ190が接続され、記憶部150と、読取部101と、認証部102と、非常時モード切替部103と、通信状態判断部104と、通信部105とを主に備えている。
【0021】
カードリーダ190は、通信可能な範囲にあるIDカードに記憶されたID(識別情報)を読み出すものである。IDを記憶したIDカードは、店舗への入室者(利用者)が所持しているものであり、該入室者によってカードリーダ190に接触又は接近させられることによりIDが読み出される。
【0022】
記憶部150は、企業を識別するための企業コードと、企業に属する利用者(社員)を識別するための社員IDとを含む照合DB(Database)を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やメモリ等の記憶媒体である。ここで、企業コードは組織識別情報であり、社員IDは第1利用者識別情報である。
【0023】
図3は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。図3に示すように、照合DBには、企業コード「00123456」と、社員ID「00001001」「00001003」等が記憶されている。
【0024】
読取部101は、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードおよび社員IDを読み取るものである。また、読取部101は、後述する非常時モード切替部103により非常時モードに切り替えられた場合、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードを読み取る。なお、本実施の形態では、読取部がIDカードから企業コードおよび社員ID等を読み取る構成となっているが、店舗への入室者が操作パネルの入力キーなどから企業コードや社員ID等を入力し、入力された企業コードや社員ID等を読み取る構成としてもよい。
【0025】
認証部102は、読取部101により読み取った企業コードおよび社員IDと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび社員IDとを照合する。そして、当該照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する(認証する)ものである。すなわち、通常時においては、店舗に勤務する者(社員)は、企業コードと社員IDの照合が成功すれば、入室可能となる。
【0026】
また、認証部102は、後述する非常時モード切替部103により非常時モードに切り替えられた場合、読取部101により読み取った企業コードと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードとを照合する。そして、当該照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する。非常時モードとは、認証部102による照合方法を変更するモードであり、本実施の形態では、非常時モードに切り替えられた場合、入室者(社員や応援勤務者)は、企業コードの照合が成功すれば、入室可能となる。
【0027】
通信状態判断部104は、制御装置200との通信が可能であるか否かを判断するものである。例えば、通信状態判断部104は、一定時間ごとにネットワークコマンドで実際に制御装置200への接続を試みること、あるいは、一定時間ごとに接続確認用のネットワークコマンドを発行することで、制御装置200との通信が可能であるか否か判断をする。
【0028】
非常時モード切替部103は、入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態になった場合、非常時モードに切り替えるものである。すなわち、非常時モード切替部103は、通信状態判断部104により、制御装置200との通信が不可能であると判断されたことで非常状態になった場合、非常時モードに切り替える。
【0029】
ここで、照合装置100と制御装置200との間の通信障害について説明する。照合装置100と制御装置200との間の通信障害として、物理的な衝撃等による制御装置200の故障が考えられる。
【0030】
また、地震などの発生に伴い停電が発生する場合がある。制御装置200はバッテリを備えているが、一般的に長時間のバックアップには対応していない。停電が長時間に及ぶと制御装置200が機能を停止するおそれがある。従って、照合装置100と制御装置200との間の通信障害として、停電等の影響による制御装置200の機能停止(バックアップ時間経過後)が考えられる。
【0031】
また、照合装置100と制御装置200との間の通信障害として、地震などの発生に伴う制御装置200と照合装置100との間の通信回線切断が考えられる。
【0032】
以上のような状況においては、制御装置200から照合装置100に対して、非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を送信できない。そこで、照合装置100の非常時モード切替部103は、制御装置200との間の通信状態の確認、あるいは定期的な通信などにより制御装置200が機能しているかを確認し、制御装置200に異常が発生していると判断した場合は、非常時モードに切り替える。
【0033】
また、非常時モード切替部103は、制御装置200から非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を受信した場合、非常時モードに切り替えるものである。制御装置200が照合装置100にモード切替信号を送信する場合は、2つある。
【0034】
まず、入室管理システムが正常に機能している場合には、制御装置200は、監視センタ20から照合装置100において非常時モードに切り替えさせる旨の指示である切替指示信号を受信する。なお、監視センタ20では、センタ内で取り決められた条件の災害が発生した場合、あるいは金融機関等からの要請(取引先の要請)を受けた場合などに、対象となる店舗の制御装置200に対して切替指示信号を送信する。そして、切替指示信号を受信した制御装置200がモード切替信号を照合装置100に送信する。モード切替信号を受信すると、照合装置100の非常時モード切替部103は、非常時モードに切り替える。
【0035】
もう一方は、制御装置200と監視センタ20との通信が不可能であると判断された場合に、制御装置200がモード切替信号を送信し、照合装置100は該モード切替信号を受信する。照合装置100と制御装置200との間の通信障害としては、地震などの災害時における通信回線の通信断による通信不能や、通信回線の輻輳による通信困難、通信電文の到達遅延などが考えられる。制御装置200は、監視センタ20との通信が遮断されてしまうと、監視センタ20からの切替指示信号を受信できない。そこで、制御装置200において監視センタ20との通信回線の状態を把握し、通信回線の切断を検出した場合、制御装置200は、非常事態が発生した(非常状態)と判断し、照合装置100にモード切替信号を送る。モード切替信号を受信すると、照合装置100の非常時モード切替部103は、非常時モードに切り替える。
【0036】
通信部105は、制御装置200から、モード切替信号を受信する。また、通信部105は、認証部102による照合の結果(照合結果)を、制御装置200および電気錠ユニット10に送信するものである。
【0037】
次に、制御装置200について説明する。制御装置200は、照合装置100と接続され、店舗内を監視するものであり、警備用センサなどの各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と接続され、通信部201と、通信状態判断部202と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部213と、通報部214とを主に備えている。
【0038】
センサ291は、例えば、赤外線の受光量の変化をもとに人の存在を検出する赤外線センサ、赤外線などの受信が遮断されることで人の存在を検出する遮断センサ、電磁波の乱れで人の存在を検知する気配センサ及びマグネットにより扉の開閉を検出するマグネットセンサなどの各種センサであって、監視領域内(店舗内)の異常を検知するとその旨を示す検知信号を出力する。
【0039】
非常ボタン292は、非常時に店舗内の社員等が押下することにより、異常を検知させるものである。シャッター293は、店舗の出入り口に設置された開閉可能なシャッターである。
【0040】
通信状態判断部202は、監視センタ20との通信が可能であるか否かを判断するものである。例えば、通信状態判断部202は、一定時間ごとにネットワークコマンドで実際に監視センタ20への接続を試みること、あるいは、一定時間ごとに接続確認用のネットワークコマンドを発行することで、監視センタ20との通信が可能であるか否か判断をする。
【0041】
通信部201は、監視センタ20から、非常時モードに切り替えさせる旨の指示である切替指示信号を受信した場合、非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を照合装置100に送信するものである。また、通信部201は、通信状態判断部202により、監視センタ20との通信が不可能であると判断されたことで非常状態になった場合、照合装置100にモード切替信号を送信する。また、通信部201は、照合装置100から照合結果を受信する。
【0042】
異常検知部211は、監視領域(店舗)に設置されているセンサ291から送られてくる検知信号や、非常ボタン292が押下されたことによる検知信号をもとに、監視領域(店舗)における異常を検知するものである。
【0043】
開閉制御部212は、店舗のシャッター293の開閉を制御するものである。開閉制御部212は、予め定められた営業スケジュールまたは監視センタ20からの遠隔制御信号により店舗のシャッター293、自動ドア(不図示)、照明(不図示)等を制御し、自動開閉(自動開閉店制御)を行ってもよい。
【0044】
警備モード切替部213は、通信部201により受信した照合結果に基づいて警備モードを切り替えるものである。警備モードとは、監視領域(店舗)において異常検知した際の通報先への通報の可否、または監視領域(店舗)に対する報知の可否などを定めたモードであり、異常を検知したときの制御装置200の動作を決定するモードである。そして、代表的な警備モードとしては、警備状態、警備解除状態がある。
【0045】
警備状態とは、センサ291や、非常ボタン292の押下により監視領域(店舗)の異常を検知した場合に、その旨を示す警報を監視センタ20に送信する状態をいう。また、警備解除状態とは、センサ291が監視領域(店舗)の異常を検知した場合でも、異常とは判断せず、警報を監視センタ20に送信しない状態という。なお、警備解除状態においても、非常ボタン292が押下された場合は、警報を監視センタ20に通報する。
【0046】
通報部214は、警備モードが警備状態に設定されている場合に、異常検知部211がセンサ291や非常ボタン292の押下により異常を検知した場合に、監視センタ20に異常が検知された旨を通報するものである。
【0047】
次に、電気錠ユニット10について説明する。電気錠ユニット10は、通用口扉110に設けられている電気錠E1、E2に接続されており、通信部11と、施解錠部12とを主に備えている。なお、ここでは厳重に施錠できるよう電気錠を2つ設けているが、電気錠は1つのみでもよい。
【0048】
通信部11は、照合装置100から照合結果を受信する。施解錠部12は、受信した照合結果に基づいて通用口扉110の電気錠E1、E2を施錠または解錠する。
【0049】
次に、専用電源40について説明する。専用電源40は、範囲B(図1参照)で囲まれた照合装置100(カードリーダ190を含む)、電気錠ユニット10、および電気錠E1、E2に対して電力を供給する。これにより、長時間に及ぶ停電時でも電気錠E1、E2を解錠できるようにする。
【0050】
なお、制御装置200および制御装置200に接続される各種センサや店舗内の各種設備をバックアップすることも考えられるが、消費電力が大きくなることから、最低限、店舗への入退室管理を継続できるよう、専用電源40は電気錠E1、E2を中心に電力供給する。また、停電しなかった場合や、自家発電装置などで電力供給を受けられる場合は、専用電源40によらずシステムの稼動を続けることができる。さらに、制御装置200は、内蔵バッテリなどにより、停電後も一定時間は稼動を継続することができる。
【0051】
次に、監視センタ20について説明する。監視センタ20は、制御装置200(警備装置)からの異常を検知した旨の通報を受信した場合に、待機中の警備員に対して異常が検知された監視領域へ向かう旨の指示を出すとともに、必要に応じて警察や消防など関係機関への通報を行うセンタである。また、監視センタ20は、制御装置200に対して、非常時モードに切り替えさせる旨の指示である切替指示信号を送信し、照合方法の変更を行う。また、監視センタ20は、遠隔制御信号を送信することにより、店舗の自動開閉店制御を行わせることもできる。
【0052】
次に、制御装置200から照合装置100へのモード切替信号の送信処理の流れを説明する。図4は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
まず、通信部201は、監視センタ20から切替指示信号を受信したか否かを判断する(ステップS10)。切替指示信号を受信していない場合(ステップS10:No)、通信状態判断部202は、監視センタ20との通信が不可能か否かを判断する(ステップS11)。監視センタ20との通信が可能であると判断された場合(ステップS11:No)、処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS10において切替指示信号を受信した場合(ステップS10:Yes)、およびステップS11において監視センタ20との通信が不可能であると判断された場合(ステップS11:Yes)、通信部201は、モード切替信号を照合装置100に送信する(ステップS12)。
【0055】
次に、照合装置100における非常時モード切り替え処理の流れを説明する。図5は、照合装置の非常時モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【0056】
まず、通信部105は、制御装置200からモード切替信号を受信したか否かを判断する(ステップS20)。モード切替信号を受信していない場合(ステップS20:No)、通信状態判断部104は、制御装置200との通信が不可能か否かを判断する(ステップS21)。制御装置200との通信が可能であると判断された場合(ステップS12:No)、処理を終了する。
【0057】
一方、ステップS20においてモード切替信号を受信した場合(ステップS20:Yes)、およびステップS21において制御装置200との通信が不可能であると判断された場合(ステップS21:Yes)、非常時モード切替部103は、非常時モードに切り替える(ステップS22)。
【0058】
そして、非常時モードに切り替えられた場合、入室者が店舗に入室する際には企業コードのみを照合し、照合が成功した場合、該入室者の店舗への入室が許可されることになる。
【0059】
このように、本実施の形態の入室管理システムでは、通常時は、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常時には、非常時モードに切り替えられ、企業コードのみによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0060】
(実施の形態1の変形例1)
実施の形態1の入室管理システムでは、非常時モードに切り替えられた場合、企業コードのみによる照合方法に変更することにより、応援勤務者などの入室者の店舗への入室を許可する構成となっていた。本変形例では、非常時モードに切り替えられた場合、通常時の企業コードおよび社員IDによる照合方法に加え、企業コードおよび応援者を識別するための応援者コードによる照合方法に変更することにより、応援勤務者などの入室者の店舗への入室を許可する構成とした。非常時モードにおける照合方法以外は、実施の形態1と同様であるため、以下では、異なる機能を説明する。
【0061】
本変形例では、記憶部150は、企業を識別するための企業コード(組織識別情報)と、企業に属する利用者(社員)を識別するための社員IDと、非常状態に入室させる応援勤務者を識別するための応援者コードを含む照合DBを記憶するものである。ここで、応援者コードは第2利用者識別情報である。
【0062】
図6は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。図6に示すように、照合DBには、企業コード「00123456」と、社員ID「00001001」「00001003」と、応援者コード「5555」等が記憶されている。
【0063】
読取部101は、通常時において、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードおよび社員IDを読み取る。また、読取部101は、非常時モードに切り替えられた場合、IDカードから企業コードおよび応援者コードを読み取る。
【0064】
認証部102は、通常時において、読取部101により読み取った企業コードおよび社員IDと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび社員IDとを照合する。また、認証部102は、非常時モードに切り替えられた場合、読取部101により読み取った企業コードおよび応援者コードと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび応援者コードとを照合する。そして、当該照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する。このように、本変形例では、非常時モードに切り替えられた場合、入室者(社員や応援勤務者)は、企業コードおよび社員ID、または企業コードおよび応援者コードの照合が成功すれば、入室可能となる。
【0065】
ここで、制御装置200から照合装置100へのモード切替信号の送信処理の流れ、照合装置100における非常時モード切り替え処理の流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(図4、図5参照)。
【0066】
このように、本変形例の入室管理システムでは、通常時は、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常時には、非常時モードに切り替えられ、企業コードおよび社員IDに加え、企業コードおよび応援者コードによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0067】
(実施の形態1の変形例2)
実施の形態1の入室管理システムでは、非常時モードに切り替えられた場合、企業コードのみによる照合方法に変更することにより、応援勤務者などの入室者の店舗への入室を許可する構成となっていた。本変形例では、非常時モードに切り替えられた場合、企業コードおよび支店を識別するための支店コードによる照合方法と、企業コードおよび応援者の支店コードである応援者用の支店コードによる照合方法に変更することにより、応援勤務者などの入室者の店舗への入室を許可する構成とした。非常時モードにおける照合方法以外は、実施の形態1と同様であるため、以下では、異なる機能を説明する。
【0068】
本変形例では、記憶部150は、企業を識別するための企業コードと、支店(店舗)を識別するための支店コードと、非常状態において入室させる応援勤務者用の支店コードである応援者用の支店コードを含む照合DBを記憶するものである。ここで、支店コードは第1建物識別情報であり、応援者用の支店コードは第2建物識別情報である。
【0069】
図7は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。図7に示すように、照合DBには、企業コード「00123456」と、支店コード「7890」と、応援者用の支店コード「5555」と、社員ID「00001001」「00001003」等が記憶されている。
【0070】
読取部101は、通常時において、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードおよび支店コードを読み取る。また、読取部101は、非常時モードに切替えられた場合、IDカードから企業コードおよび応援者用の支店コードを読み取る。
【0071】
認証部102は、通常時において、読取部101により読み取った企業コードおよび支店コードと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび支店コードとを照合する。また、認証部102は、非常時モードに切り替えられた場合、読取部101により読み取った企業コードおよび応援者用の支店コードと、記憶部150に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび応援者用の支店コードとを照合する。そして、当該照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する。このように、本変形例では、非常時モードに切り替えられた場合、入室者(社員や応援勤務者)は、企業コードおよび支店コード、または企業コードおよび応援者用の支店コードの照合が成功すれば、入室可能となる。
【0072】
ここで、制御装置200から照合装置100へのモード切替信号の送信処理の流れ、照合装置100における非常時モード切り替え処理の流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(図4、図5参照)。
【0073】
このように、本変形例の入室管理システムでは、通常時は、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常時には、非常時モードに切り替えられ、企業コードおよび支店コード、企業コードおよび応援者用の支店コードによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0074】
(実施の形態2)
実施の形態1では、通常時も非常時モードに切り替えられた場合も、照合装置において照合を行う構成となっていた。これに対し、本実施の形態では、通常時は、制御装置において照合を行い、非常モードに切り替えられた場合には、照合装置において照合を行う構成とした。
【0075】
実施の形態2の入室管理システムの全体構成は、実施の形態1と同様である(図1参照)。図8は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。
【0076】
まず、照合装置300について説明する。照合装置300は、金融機関(組織)の建物である店舗(支店)の職員が出入する通用口付近(出入口付近)に設置されており、カードリーダ190が接続され、記憶部350と、読取部301と、認証部302と、非常時モード切替部103と、通信状態判断部104と、通信部305と、許可部306とを主に備えている。ここで、カードリーダ190と、非常時モード切替部103と、通信状態判断部104の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0077】
記憶部350は、企業を識別するための企業コードと、支店(店舗)を識別するための支店コードと、非常状態において入室させる応援勤務者用の支店コードである応援者用の支店コードを含む照合DBを記憶するものである。なお、記憶部350に記憶されている照合DBに含まれている内容は、不変のコードであるので、初期登録した後は、原則として書き換え不要である。
【0078】
図9は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。図9に示すように、照合DBには、企業コード「00123456」と、支店コード「7890」と、応援者用の支店コード「5555」と等が記憶されている。
【0079】
読取部301は、通常時において、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードおよび社員IDを読み取るものである。また、読取部301は、非常時モード切替部103により非常時モードに切り替えられた場合、店舗への入室者が所持するIDカードから、企業コードおよび支店コードを読み取る。また、読取部301は、非常時モードに切り替えられた場合、IDカードから企業コードおよび応援者用の支店コードを読み取る。
【0080】
認証部302は、非常時モード切替部103により非常時モードに切り替えられた場合、読取部301により読み取った企業コードおよび支店コードと、記憶部350に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび支店コードとを照合する。また、認証部302は、非常時モードに切り替えられた場合、読取部301により読み取った企業コードおよび応援者用の支店コードと、記憶部350に記憶されている照合DBにおける企業コードおよび応援者用の支店コードとを照合する。そして、当該照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する。このように、本実施の形態では、非常時モードに切り替えられた場合、入室者(社員や応援勤務者)は、企業コードおよび支店コード、または企業コードおよび応援者用の支店コードの照合が成功すれば、入室可能となる。なお、通常時の照合は、制御装置400で行う。
【0081】
通信部305は、通常時において、読取部301により読み取った企業コードおよび社員IDを制御装置400に送信する。そして、その後、制御装置400において店舗への入室者の入室を許可した場合、その旨を示す許可通知を制御装置400から受信する。また、通信部305は、制御装置400から、モード切替信号を受信する。また、通信部305は、非常時モードに切り替えられた場合、認証部302による照合結果を、電気錠ユニット50に送信する。
【0082】
許可部306は、通信部305によって制御装置400から許可通知を受信した場合、店舗への入室者の入室を許可するものである。
【0083】
次に、制御装置400について説明する。制御装置400は、照合装置300と接続され、店舗内を監視するものであり、各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と接続され、記憶部450と、通信部401と、通信状態判断部202と、認証部403と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部413と、通報部214と、を主に備えている。ここで、各種センサ291と、非常ボタン292と、店舗のシャッター293と、通信状態判断部202と、異常検知部211と、開閉制御部212と、通報部214の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0084】
記憶部450は、企業を識別するための企業コードと、企業に属する利用者(社員)を識別するための社員IDとを含む照合DBを記憶するHDDやメモリ等の記憶媒体である。
【0085】
図10は、記憶部に記憶された照合DBの一例を示す図である。図10に示すように、照合DBには、企業コード「00123456」と、社員ID「00001001」「00001003」等が記憶されている。
【0086】
通信部401は、照合装置300から企業コードおよび社員IDを受信するものである。また、通信部401は、後述する認証部403により店舗への入室者の入室を許可した場合、その旨を示す許可通知を照合装置300に送信する。また、通信部401は、照合装置300において非常時モードに切り替えられた場合、照合装置300から照合結果を受信する。また、通信部401は、通常時、認証部403による照合結果を電気錠ユニット50に送信する。
【0087】
認証部403は、通信部401によって受信した企業コードおよび社員IDと、記憶部450に記憶された照合情報における企業コードおよび社員IDとを照合し、照合が成功した場合、店舗への入室者の入室を許可する(認証する)ものである。すなわち、通常時には制御装置400において照合を行い、店舗に勤務する者(社員)は、企業コードと社員IDの照合が成功すれば、入室可能となる。
【0088】
警備モード切替部413は、通常時は、制御装置400における照合結果に基づいて警備モードを切り替える。また、警備モード切替部413は、照合装置300において非常時モードに切り替えられた場合は、通信部401により受信した照合結果に基づいて警備モードを切り替える。
【0089】
次に、電気錠ユニット50について説明する。電気錠ユニット50は、通用口扉110に設けられている電気錠E1、E2に接続されており、通信部51と、施解錠部12とを主に備えている。
【0090】
通信部51は、通常時は、制御装置400から照合結果を受信する。また、通信部51は、非常時モードに切り替えられた場合、照合装置300から照合結果を受信する。施解錠部12は、受信した照合結果に基づいて通用口扉110の電気錠E1、E2を施錠または解錠する。
【0091】
ここで、制御装置400から照合装置300へのモード切替信号の送信処理の流れ、照合装置300における非常時モード切り替え処理の流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(図4、図5参照)。
【0092】
このように、本実施の形態の入室管理システムでは、通常時は、制御装置400において、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常状態においては、非常時モードに切り替えられ、照合装置300において、企業コードおよび支店コード、企業コードおよび応援者用の支店コードによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0093】
また、本実施の形態の入室管理システムでは、通常時は、制御装置400に記憶された照合DBを利用して照合を行うため、照合装置300の負荷を低減できる。また、非常時モードに切り替えられると、照合装置300に記憶された照合DBを利用して照合を行うため、災害が発生しても、照合装置300が無事であれば、店舗への入室が可能となる。
【0094】
(実施の形態3)
実施の形態1の制御装置では、監視センタからの切替指示信号を受信した場合、および監視センタとの通信が不可能であると判断された場合、照合装置に非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を送信する構成となっていた。これに対して、本実施の形態の制御装置では、さらに、店舗内に社員等が在室している状態の場合は、監視センタからの切替指示信号を受信した場合、および制御装置と監視センタ間の通信が不可能であると判断された場合でもモード切替信号を送信しない構成とした。
【0095】
具体的には、銀行等の店舗では制御装置により店舗内の警備を実施しており、店舗部分が警備状態または警備解除状態のいずれかの警備モードが設定されているかを把握している。また、店舗のシャッターや自動ドア、照明等を制御し、自動で店舗を開店または閉店に制御(自動開閉店制御)が行われている店舗では、その店舗の営業スケジュールを把握している。そこで、通常の勤務者(社員)が出勤している状況(警備解除モードへの設定、営業スケジュール等で判断)においては、非常時モードへ切り替えないように制限する。
【0096】
実施の形態3の入室管理システムの全体構成は、実施の形態1と同様である(図1参照)。図11は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。ここで、照合装置100と、電気錠ユニット10は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0097】
次に、制御装置600について説明する。制御装置600は、照合装置100と接続され、店舗内を監視するものであり、各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と接続され、通信部601と、通信状態判断部202と、在室判断部604と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部213と、通報部214と、を主に備えている。ここで、各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と、通信状態判断部202と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部213と、通報部214の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0098】
在室判断部604は、店舗内における社員や店舗関係者等(利用者)の在室状況を判断するものである。在室状況を判断する方法としては、例えば、警備モードが警備解除状態に設定されている場合、店舗内の自動開閉店制御(実施の形態1参照)を行っている場合、利用者が在室していると判断できる。また、例えば、予め設定された営業スケジュールを参照するなどして「営業中」の時間帯となっている場合、利用者が在室していると判断できる。また、例えば、店舗内に設置された人体検知センサが人を検知した場合、利用者が在室していると判断できる。
【0099】
通信部601は、監視センタ20から、切替指示信号を受信した場合であって、かつ店舗内に利用者が在室していないと判断された場合、モード切替信号を照合装置100に送信するものである。また、通信部601は、通信状態判断部202により、監視センタ20との通信が不可能であると判断されたことで非常状態になった場合であって、かつ店舗内に利用者が在室していないと判断された場合、モード切替信号を照合装置100に送信する。また、通信部601は、店舗内に利用者が在室していると判断された場合は、モード切替信号を照合装置100に送信しない。また、通信部601は、照合装置100から照合結果を受信する。
【0100】
次に、制御装置600から照合装置100へのモード切替信号の送信処理の流れを説明する。図12は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0101】
まず、通信部601は、監視センタ20から切替指示信号を受信したか否かを判断する(ステップS30)。切替指示信号を受信していない場合(ステップS30:No)、通信状態判断部202は、監視センタ20との通信が不可能か否かを判断する(ステップS31)。監視センタ20との通信が可能であると判断された場合(ステップS31:No)、処理を終了する。
【0102】
一方、ステップS30において切替指示信号を受信した場合(ステップS30:Yes)、およびステップS31において監視センタ20との通信が不可能であると判断された場合(ステップS31:Yes)、在室判断部604は、店舗内における在室状況を判断する(ステップS32)。店舗内に人(社員等)が在室している場合(ステップS32:Yes)、モード切替信号を送信せず、処理を終了する。
【0103】
一方、店舗内に人が在室してない場合(ステップS32:No)、通信部601は、モード切替信号を照合装置100に送信する(ステップS33)。
【0104】
ここで、照合装置100における非常時モード切り替え処理の流れは、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する(図5参照)。また、照合方法は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態2のいずれの方法も適用可能である。
【0105】
このように、本実施の形態の入室管理システムでは、通常時は、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常状態においては、非常時モードに切り替えられ、企業コードのみによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0106】
また、監視センタ20と制御装置600との間の通信回線は、災害(パンデミック、地震等)以外の要因でも通信不能となる可能性がある。例えば、通信インフラの一時的な障害や、通信機器の単なる故障などである。そのような場合に、本来の社員が店舗にいる状況では、応援勤務者の必要性は低い。また、応援勤務者が必要な場合でも、社員が店舗にいれば、応援勤務者が応援先の店舗に入室できる。従って、本実施の形態の入室管理システムでは、すでに店舗に社員等がいる状況では非常時モードへの切り替えを不可とし、無用なモード切替によるセキュリティ性の低下を防ぐことができる。
【0107】
(実施の形態3の変形例)
実施の形態3では、店舗内に社員等が在室している状態の場合は、監視センタからの切替指示信号を受信した場合、および制御装置と監視センタ間の通信が不可能であると判断された場合でもモード切替信号を送信しない構成となっていた。本変形例は、さらに、地震などの災害発生と同時に制御装置と照合装置の通信が不可能になった場合に備え、店舗内の利用者の在室状況の変化に応じて、照合装置における非常時モードへの切り替えの可否を予め定めておく構成とした。
【0108】
実施の形態3の変形例の入室管理システムの全体構成は、実施の形態1と同様である(図1参照)。図13は、照合装置、制御装置、および電気錠ユニットの構成の一例を示すブロック図である。ここで、電気錠ユニット10は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
まず、制御装置800について説明する。制御装置800は、照合装置700と接続され、店舗内を監視するものであり、各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と接続され、通信部801と、通信状態判断部202と、在室判断部804と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部213と、通報部214と、を主に備えている。ここで、各種センサ291や非常ボタン292、店舗のシャッター293と、通信状態判断部202と、異常検知部211と、開閉制御部212と、警備モード切替部213と、通報部214の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0110】
在室判断部804は、店舗内における社員や店舗関係者等(利用者)の在室状況を判断するものである。また、在室判断部804は、店舗内において人(利用者)が不在から在室に変化したか、店舗内において人(利用者)が在室から不在に変化したかを判断する。これは、例えば、店舗内に設置された人体検知センサが人を検知していない状態から検知した場合、人が不在から在室に変化したと判断できる。また、人体検知センサが人を検知している状態から検知しなくなった場合、人が在室から不在に変化したと判断できる。
【0111】
通信部801は、監視センタ20から、切替指示信号を受信した場合であって、かつ店舗内に利用者が在室していないと判断された場合、モード切替信号を照合装置700に送信するものである。また、通信部801は、通信状態判断部202により、監視センタ20との通信が不可能であると判断されたことで非常状態になった場合であって、かつ店舗内に利用者が在室していないと判断された場合、モード切替信号を照合装置700に送信する。また、通信部801は、店舗内に利用者が在室していると判断された場合は、モード切替信号を照合装置700に送信しない。また、通信部801は、照合装置700から照合結果を受信する。
【0112】
また、通信部801は、在室判断部804により、店舗内において利用者が不在から在室に変化したと判断された場合、非常時モードへの切り替え不要である旨を示す切替不可信号を照合装置700に送信する。また、通信部801は、在室判断部804により、店舗内において利用者が在室から不在に変化したと判断された場合、非常時モードへの切り替えが可能である旨を示す切替可能信号を照合装置700に送信する。
【0113】
次に、照合装置700について説明する。照合装置700は、金融機関(組織)の建物である店舗(支店)の職員が出入する通用口付近(出入口付近)に設置されており、カードリーダ190が接続され、記憶部150と、読取部101と、認証部102と、非常時モード切替部703と、通信状態判断部104と、通信部705と、設定部707とを主に備えている。ここで、カードリーダ190が接続され、記憶部150と、読取部101と、認証部102と、通信状態判断部104の構成および機能は、実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0114】
通信部705は、制御装置800から、モード切替信号を受信する。また、通信部705は、認証部102による照合結果を、制御装置800および電気錠ユニット10に送信するものである。また、通信部705は、制御装置800から、切替不可信号または切替可能信号を受信する。
【0115】
設定部707は、通信部705により、切替不可信号を受信した場合は、非常時モードに切り替えが不可となる切替不可状態に設定する。また、設定部707は、通信部705により、切替可能信号を受信した場合は、非常時モードに切り替えが可能となる切替可能状態に設定する。
【0116】
非常時モード切替部703は、通信部705により、切替不可信号を受信し、設定部707により、切替不可状態に設定された場合は、非常時モードに切り替えが不可となり、非常時モードに切り替えを行わない。また、非常時モード切替部703は、通信部705により、切替可能信号を受信し、設定部707により、切替可能状態に設定された場合は、非常時モードに切り替えが可能となる。
【0117】
次に、制御装置800から照合装置700へのモード切替信号の送信処理の流れを説明する。図14は、制御装置のモード切替信号の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0118】
まず、在室判断部804は、店舗内で人が不在から在室に変化したか否かを判断する(ステップS40)。店舗内で人が不在から在室に変化した場合(ステップS40:Yes)、通信部801は、切替不可信号を照合装置700に送信する(ステップS41)。
【0119】
一方、店舗内で人が不在から在室に変化していない場合(ステップS40:No)、在室判断部804は、店舗内で人が在室から不在に変化したか否かを判断する(ステップS42)。店舗内で人が在室から不在に変化した場合(ステップS42:Yes)、通信部801は、切替可能信号を照合装置700に送信する(ステップS43)。
【0120】
店舗内で人が在室から不在に変化していない場合(ステップS42:No)、切替不可信号を送信した後(ステップS41)、および切替可能信号を送信した後(ステップS43)、通信部801は、監視センタ20から切替指示信号を受信したか否かを判断する(ステップS44)。
【0121】
切替指示信号を受信していない場合(ステップS44:No)、通信状態判断部202は、監視センタ20との通信が不可能か否かを判断する(ステップS45)。監視センタ20との通信が可能であると判断された場合(ステップS45:No)、処理を終了する。
【0122】
一方、ステップS44において切替指示信号を受信した場合(ステップS44:Yes)、およびステップS45において監視センタ20との通信が不可能であると判断された場合(ステップS45:Yes)、は、在室判断部804は、店舗内における在室状況を判断する(ステップS46)。店舗内に人(社員等)が在室している場合(ステップS46:Yes)、モード切替信号を送信せず、処理を終了する。
【0123】
一方、店舗内に人が在室してない場合(ステップS46:No)、通信部801は、モード切替信号を照合装置700に送信する(ステップS47)。
【0124】
次に、照合装置700における非常時モード切り替え処理の流れを説明する。図15は、照合装置の非常時モード切り替え処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
まず、通信部705は、制御装置800から切替不可信号を受信したか否かを判断する(ステップS50)。切替不可信号を受信した場合(ステップS50:Yes)、設定部707は、非常時モードに切り替えが不可となる切替不可状態に設定する(ステップS51)。
【0126】
一方、切替不可信号を受信していない場合(ステップS50:No)、通信部705は、制御装置800から切替可能信号を受信したか否かを判断する(ステップS52)。切替可能信号を受信した場合(ステップS52:Yes)、設定部707は、非常時モードに切り替えが可能となる切替可能状態に設定する(ステップS53)。
【0127】
一方、切替可能信号を受信していない場合(ステップS52:No)、切替不可状態に設定した後(ステップS51)、および切替可能状態に設定した後(ステップS53)、通信部705は、制御装置800からモード切替信号を受信したか否かを判断する(ステップS54)。
【0128】
モード切替信号を受信していない場合(ステップS54:No)、通信状態判断部104は、制御装置800との通信が不可能か否かを判断する(ステップS55)。制御装置800との通信が可能であると判断された場合(ステップS55:No)、処理を終了する。
【0129】
一方、ステップS54においてモード切替信号を受信した場合(ステップS54:Yes)、およびステップS55において制御装置800との通信が不可能であると判断された場合(ステップS55:Yes)、非常時モード切替部103は、切替不可状態に設定されているか否かを判断する(ステップS56)。
【0130】
切替不可状態に設定されている場合(ステップS56:Yes)、処理を非常時モードに切り替えずに処理を終了する。一方、切替不可状態に設定されていない場合(ステップS56:No)、すなわち、切替可能状態に設定されている場合、非常時モード切替部703は、非常時モードに切り替える(ステップS57)。
【0131】
そして、非常時モードに切り替えられた場合、入室者が店舗に入室する際には企業コードのみを照合し、照合が成功した場合、該入室者の店舗への入室が許可されることになる。ここで、照合方法は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態2のいずれの方法も適用可能である。
【0132】
このように、本変形例の入室管理システムでは、通常時は、企業コードおよび社員IDによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。そして、災害時等の非常時には、非常時モードに切り替えられ、企業コードのみによる照合を行い、照合が成功した場合に入室者の店舗への入室を許可する。従って、通常時のセキュリティ性を確保しつつ、監視センタとの通信が行えない状況や、災害発生時における停電や水害、物理的衝撃などの要因により、入室管理システムの一部が機能しなくなるなどの不具合が生じた非常状態においては、入室許可を与えるための照合方法を切り替えて応援勤務者の店舗への入室を許可できる。
【0133】
また、地震などの災害発生と同時に制御装置800が故障した場合、あるいは制御装置800と照合装置700との間の通信回線が切断した場合などには、照合装置700では店舗内に人が在室しているか否かを確認することができない。従って、本実施の形態の入室管理システムでは、制御装置800において、店舗内において人が在室または不在の状態が変化したときに、それに応じた信号(切替不可信号または切替可能信号)を照合装置700に送信しておくことにより、非常時モードへの切り替えの可否を照合装置700において設定できる。そうすると、災害発生と同時に制御装置800との通信が途絶えても適切に非常時モードへの切り替えを行うことができる。
【0134】
以上の実施の形態では、金融機関の店舗を例として説明してきたが、入室管理システムの利用先はこれに限られない。一般企業におけるBCP対策の一環として利用し、通常時は、その建物に勤務する者を中心に出入する権限を与えておき、災害発生等の非常状態においては応援勤務者も出入できるよう出入する権限の範囲を広げるようにしてもよい。
【0135】
また、出入する権限を与える範囲について、銀行内(会社内)の職員に限定せず、設備の点検や復旧を行うメンテナンス業者や非常事態発生時の状況確認を行う警備員などが含まれるよう拡大してもよい。この場合、これらメンテナンス業者や警備員が出入できる範囲が限定的であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0136】
以上のように、本発明にかかる入室管理システムおよび入室管理方法は、所定の監視領域への入室管理に有用であり、特に、災害時などの緊急時の入室管理に適している。
【符号の説明】
【0137】
10 電気錠ユニット
11、51 通信部
12 施解錠部
20 監視センタ
30 ネットワーク
40 専用電源
50 電気錠ユニット
100、300、700 照合装置
101、301 読取部
102、302 認証部
103、703 非常時モード切替部
104 通信状態判断部
105、305、705 通信部
110 通用口扉
306 許可部
707 設定部
150、350 記憶部
190 カードリーダ
200、400、600、800 制御装置
201、401、601、801 通信部
202 通信状態判断部
403 認証部
604、804 在室判断部
211 異常検知部
212 開閉制御部
213、413 警備モード切替部
214 通報部
291 センサ
292 非常ボタン
293 シャッター
450 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の建物の出入口付近に設置された照合装置を備えた入室管理システムにおいて、
前記照合装置は、
前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む照合情報を記憶する記憶部と、
前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する認証手段と、
前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態になった場合、前記認証手段による照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替手段と、を備え、
前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報の入力を受け付け、
前記認証手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報とを照合することにより、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする入室管理システム。
【請求項2】
前記照合情報は、さらに、前記非常状態に入室させる第2利用者を識別するための第2利用者識別情報を含み、
前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付け、または、前記組織識別情報および前記第2利用者識別情報の入力を受け付け、
前記認証手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合し、または、受け付けた前記組織識別情報および前記第2利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第2利用者識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする請求項1に記載する入室管理システム。
【請求項3】
前記照合情報は、さらに、前記建物を識別するための第1建物識別情報と、前記第2利用者用の建物識別情報である第2建物識別情報とを含み、
前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報および前記第1建物識別情報の入力を受け付け、または、前記組織識別情報および前記第2建物識別情報の入力を受け付け、
前記認証手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報および前記第1建物識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1建物識別情報とを照合し、または受け付けた前記組織識別情報および前記第2建物識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第2建物識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする請求項1に記載する入室管理システム。
【請求項4】
前記入室管理システムは、前記照合装置と接続され、前記建物を監視する制御装置をさらに備え、
前記照合装置は、
前記制御装置との通信が可能であるか否かを判断する第1通信状態判断手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記制御装置との通信が不可能であると判断されたことで前記非常状態になった場合、前記非常時モードに切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の入室管理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
ネットワークを介して接続され、所定の監視処理を実行する監視センタとの通信が可能であるか否かを判断する第2通信状態判断手段と、
前記監視センタとの通信が不可能であると判断されたことで前記非常状態になった場合、前記非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を、前記照合装置に送信する第1通信手段と、をさらに備え、
前記照合装置は、
前記制御装置から、前記モード切替信号を受信する第2通信手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記モード切替信号を受信した場合、前記非常時モードに切り替えることを特徴とする請求項4に記載の入室管理システム。
【請求項6】
前記第1通信手段は、さらに、前記監視センタから、前記非常時モードに切り替えさせる旨の指示である切替指示信号を受信した場合、前記モード切替信号を前記照合装置に送信することを特徴とする請求項5に記載の入室管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記建物内における前記第1利用者の在室状況を判断する在室判断手段をさらに備え、
前記第1通信手段は、前記建物内に前記第1利用者が在室していると判断された場合、前記モード切替信号を前記照合装置に送信しないことを特徴とする請求項5または6に記載の入室管理システム。
【請求項8】
前記第1通信手段は、前記建物内において前記第1利用者が不在から在室に変化したと判断された場合、前記非常時モードへの切り替え不要である旨を示す切替不可信号を前記照合装置に送信し、前記建物内において前記第1利用者が在室から不在に変化したと判断された場合、前記非常時モードへの切り替えが可能である旨を示す切替可能信号を前記照合装置に送信し、
前記第2通信手段は、前記切替不可信号または前記切替可能信号を受信し、
前記切替手段は、前記切替不可信号を受信した場合は、前記非常時モードに切り替えが不可となり、前記切替可能信号を受信した場合は、前記非常時モードに切り替えが可能となることを特徴とする請求項7に記載の入室管理システム。
【請求項9】
組織の建物の出入口付近に設置された照合装置と、前記照合装置と接続され、前記建物を監視する制御装置とを備えた入室管理システムにおいて、
前記制御装置は、
前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む第1照合情報を記憶する第1記憶部と、
前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報を受信する第1通信手段と、
受信した前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記第1照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する第1認証手段と、を備え、
前記第1通信手段は、前記建物への入室者の入室を許可した場合、その旨を示す許可通知を前記照合装置に送信し、
前記照合装置は、
前記組織識別情報と、前記建物を識別するための第1建物識別情報と、前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態において入室させる第2利用者用の建物識別情報である第2建物識別情報とを含む第2照合情報を記憶する第2記憶部と、
前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付手段と、
受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報を前記制御装置に送信した後、前記許可通知を受信する第2通信手段と、
前記許可通知を受信した場合、前記建物への入室者の入室を許可する許可手段と、
前記非常状態になった場合、前記建物への入室者の入室を許可する際の照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替手段と、を備え、
前記入力受付手段は、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報および前記第1建物識別情報の入力を受け付け、または、前記組織識別情報および前記第2建物識別情報の入力を受け付け、
前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報および前記第1建物識別情報と、前記第2照合情報における前記組織識別情報および前記第1建物識別情報とを照合し、または、受け付けた前記組織識別情報および前記第2建物識別情報と、前記第2照合情報における前記組織識別情報および前記第2建物識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可する第2認証手段を、さらに備えることを特徴とする入室管理システム。
【請求項10】
前記照合装置は、
前記制御装置との通信が可能であるか否かを判断する第1通信状態判断手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記制御装置との通信が不可能であると判断されたことで前記非常事態になった場合、前記非常時モードに切り替えることを特徴とする請求項9に記載の入室管理システム。
【請求項11】
前記制御装置は、
ネットワークを介して接続され、所定の監視処理を実行する監視センタとの通信が可能であるか否かを判断する第2通信状態判断手段を備え、
前記第1通信手段は、前記監視センタとの通信が不可能であると判断されたことで前記非常状態になった場合、前記非常時モードに切り替える旨の指示であるモード切替信号を、前記照合装置に送信し、
前記第2通信手段は、前記制御装置から、前記モード切替信号を受信し、
前記切替手段は、前記モード切替信号を受信した場合、前記非常時モードに切り替えることを特徴とする請求項10に記載の入室管理システム。
【請求項12】
前記第1通信手段は、さらに、前記監視センタから、前記非常時モードに切り替えさせる旨の指示である切替指示信号を受信した場合、前記モード切替信号を前記照合装置に送信することを特徴とする請求項11に記載の入室管理システム。
【請求項13】
組織の建物の出入口付近に設置された照合装置を備えた入室管理システムで実行される入室管理方法において、
前記照合装置は、
前記組織を識別するための組織識別情報と、前記組織に属する第1利用者を識別するための第1利用者識別情報とを含む照合情報を記憶する記憶部を備え、
前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
受け付けた前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報および前記第1利用者識別情報とを照合することにより、前記建物への入室者の入室を許可する認証ステップと、
前記入室管理システムが正常に機能していない状態である非常状態になった場合、前記認証ステップによる照合方法を変更するモードである非常時モードに切り替える切替ステップと、を含み、
前記入力受付ステップは、前記非常時モードに切り替えられた場合、前記組織識別情報の入力を受け付け、
前記認証ステップは、前記非常時モードに切り替えられた場合、受け付けた前記組織識別情報と、前記照合情報における前記組織識別情報とを照合し、照合が成功した場合、前記建物への入室者の入室を許可することを特徴とする入室管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−80347(P2013−80347A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219550(P2011−219550)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】