説明

入退場管理装置及び情報通信端末

【課題】情報通信端末にそれが使われる場所に応じたネットワーク機器利用設定を行うことを、容易にする。
【解決手段】ユーザが情報処理端末101を携帯して或る場所に入るとき、その場所の出入口の入退場管理装置103が、ユーザの携帯するICカードに、その場所に設置されたネットワーク104とネットワーク機器102にそれぞれ対応したネットワーク情報とネットワーク機器利用情報を書き込む。その後、ユーザが情報処理端末101にログインするとき、情報処理端末101がICカードからネットワーク情報とネットワーク機器利用情報を読み取り、その情報を用いて、その場所のネットワーク104とネットワーク機器102にそれぞれ対応したネットワーク設定パラメータとネットワーク機器利用設定パラメータを情報処理端末101に自動設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型パーソナルコンピュータのような情報通信端末に、それに使われる場所に応じたネットワーク機器利用設定を行うことを容易にするための、入退場管理装置及び情報通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータのような情報通信端末がモバイル機器として普及したことに伴い、ユーザが情報通信端末を、頻繁に場所を変えながら利用する機会が増加している。このような現状を反映して、特許文献1では、情報通信端末の設置場所に基づく設定や、提供情報の作成を行うシステムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−323562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムによれば、場所に応じて適切に情報通信端末を設定可能である。しかし、設定を取得するためのサーバのアドレス情報や、サーバと通信するためのネットワーク情報等が、予め、情報端末に設定されていなければならない。また、例えばバーコードで提供される「場所コードラベル」を読み取る必要があるため、その読み取り操作をユーザがし忘れられたならば、正しい設定は適用されない。
【0005】
従って、本発明の目的は、情報通信端末に、それが使われる場所に応じたネットワーク機器利用設定を行うことを、ユーザにとり一層容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面に従えば、相互通信可能な携帯メモリと情報通信端末とを所持するユーザの所定場所への入退場を制御するための入退場管理装置において、前記携帯メモリに、データを読み書きする携帯メモリ通信手段と、前記ユーザが前記所定場所に入ることを許された者か否かを判断するためのユーザ認証を、前記携帯メモリに予め記憶されているユーザ情報に基づいて行うユーザ管理手段と、前記所定場所内で利用可能な所定のネットワーク機器を利用するための前記所定のネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータ、を前記情報通信端末に設定するためのネットワーク機器利用情報を管理するネットワーク機器利用情報管理手段とを備え、前記ユーザが前記所定場所に入る際、前記携帯メモリ通信手段が、前記携帯メモリから前記ユーザ情報を読み、前記ユーザ管理手段が、前記携帯メモリ通信手段によって前記携帯メモリから読まれた前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザ認証を行ない、前記ユーザ管理手段による前記ユーザ認証が成功した場合に、前記携帯メモリ通信手段が、前記ネットワーク機器利用情報管理手段に管理されている前記ネットワーク機器利用情報を、前記携帯メモリへ書き込む、ように構成された入退場管理装置が提供される。
【0007】
したがって、ユーザが所定場所に入るとき、そのユーザの携帯メモリ(例えば、無線通信機能を持つICカード)に、ネットワーク機器利用情報が自動的に書き込まれる。その後、そのユーザは、携帯メモリと情報通信端末との間の通信機能を利用することで、容易に、携帯メモリから情報通信端末へネットワーク機器利用情報を入力することができる。情報通信端末では、入力されたネットワーク機器利用情報に基づいて、その所定場所で利用可能な所定のネットワーク機器(例えば、その場所に設置されたネットワークプリンタ)の属性に依存した設定パラメータ(ネットワーク機器利用設定パラメータ)(例えば、そのネッワークプリンタのプリンタドライバ名、ネットワークアドレス、プリンタ名など)が設定される。従って、ユーザが或る場所に情報通信端末を持ち込んだ場合、情報通信端末内のネットワーク設定やネットワーク機器利用設定を、その場所のネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとり、より簡単になる。
【0008】
上記の入退場管理装置は、前記所定場所内で所定のネットワークに接続するための前記所定のネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータ、を前記情報通信端末に設定するためのネットワーク情報を管理するネットワーク情報管理手段をさらに備え、前記ユーザ管理手段による前記ユーザ認証が成功した場合に、前記携帯メモリ通信手段が、前記ネットワーク情報管理手段に管理されている前記ネットワーク情報を、前記携帯メモリへ書き込む、ように構成されてよい。
【0009】
この構成によれば、所定場所でネットワーク機器を利用できるように情報通信端末を設定する場合、通常、そのネットワーク機器そのものの属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータだけでなく、その場所のネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータ(例えば、ホスト名、ゲートウェイのネットワークアドレス、その情報通信端末に割り当てられるネットワークアドレスなど)も、その情報通信端末に設定される必要がある。上記の構成によれば、ネットワーク機器利用設定パラメータを設置するためのネットワーク機器利用情報だけでなく、ネットワーク設定パラメータを設定するためのネットワーク情報も、自動的にユーザの携帯メモリに書き込まれる。従って、ユーザが或る場所に情報通信端末を持ち込んだ場合、情報通信端末内のネットワーク設定やネットワーク機器利用設定を、その場所のネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとりより一層簡単になる。
【0010】
上記の入退場管理装置は、また、前記携帯メモリ通信手段から前記携帯メモリに書き込まれる前記ネットワーク機器利用情報が、前記ネットワーク機器利用設定パラメータを含む、ように構成されてよい。
【0011】
この構成によれば、ユーザの携帯メモリには、情報通信端末に設定されるべきネットワーク機器利用設定パラメータそのものが書き込まれる。従って、実質的に入退場管理装置がもつ機能だけで(つまり、情報通信端末が特別の設定機能を備えてなくても)、情報通信端末へのネットワーク機器利用設定の設定作業が実行できる。よって、ユーザが入った場所の環境に応じて情報通信端末の設定を追加・変更する操作が、ユーザにとり一層簡単になる。
【0012】
上記の入退場管理装置は、また、前記携帯メモリ通信手段から前記携帯メモリに書き込まれる前記ネットワーク機器利用情報が、前記ネットワーク機器利用設定パラメータの所在地を示すURLを含む、ように構成されてよい。
【0013】
この構成によれば、情報通信端末は、携帯メモリから入力されたURL(例えば、ネットワーク機器利用設定パラメータを提供するサーバコンピュータのURL)を用いて、ネットワーク機器利用設定パラメータを取得して設定することができるようになる。場所ごとに異なるとともに将来変わる可能性のあるネットワーク機器利用設定パラメータの管理を、そのURL(例えば、そのサーバコンピュータ)で一括して行うことができる。例えば、将来、或るネットワーク機器が或る場所から撤去されたり、新しいネットワーク機器がその場所へ設置される可能性がある。その場合でも、その場所に関連付けられたURLにて管理されるネットワーク機器利用設定パラメータを更新すれば、その同じURLは将来の有効であり続ける。従って、ユーザは、一旦携帯メモリ又は情報通信端末に入力されたURLを将来的に使うことができる。よって、ユーザが入った場所の環境に応じて情報通信端末の設定を追加・変更する操作が、ユーザにとり一層簡単になる。
【0014】
本発明の別の側面に従えば、予め設定された任意のネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータと任意のネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータとを用いることで、前記任意のネットワークに接続し、そして前記任意のネットワーク機器を利用するネットワーク機器利用手段を備えた情報通信端末において、ユーザに携帯される携帯メモリからデータを読み取るための携帯メモリ読み取り手段と、或るネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するためのネットワーク機器利用情報が、前記携帯メモリに記憶されている場合、前記携帯メモリ読み取り手段を用いて前記携帯メモリから前記ネットワーク機器利用情報を入力し、入力された前記ネットワーク利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成された前記ネットワーク機器利用設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するネットワーク機器利用設定手段とを備えた、情報通信端末が、提供される。
【0015】
したがって、携帯メモリに予め書き込まれているネットワーク機器利用情報に基づいて、自動的に、特定のネットワーク機器を利用するためのネットワーク機器利用設定パラメータを設定することができる。従って、ユーザが入った場所で利用可能なネットワーク機器に関連したネットワーク機器利用情報が予め携帯メモリに書き込まれていれば、ユーザが或る場所に情報通信端末を持ち込んだ場合、情報通信端末内のネットワーク設定やネットワーク機器利用設定を、その場所のネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとりより一層簡単になる。特に、この情報通信端末を本発明に従う入退場管理装置と組み合わせて用いれば、上記の利便性がさらに向上する。
【0016】
上記の情報通信端末は、或るネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するためのネットワーク情報が、前記携帯メモリに記憶されている場合、前記携帯メモリ読み取り手段を用いて前記携帯メモリから前記ネットワーク情報を入力し、入力された前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成された前記ネットワーク設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するネットワーク設定手段をさらに備え、前記携帯メモリから前記ネットワーク機器利用情報と前記ネットワーク情報とを入力した場合、前記ネットワーク設定手段が前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータの設定を行ない、その後、前記ネットワーク機器利用設定手段が前記ネットワーク機器利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータを設定する、ように構成されてよい。
【0017】
この構成によれば、ネットワーク機器利用設定パラメータの設定だけでなく、ネットワーク設定パラメータの設定も、自動的に行われる。従って、情報通信端末内のネットワーク設定やネットワーク機器利用設定を、その場所のネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとりより一層簡単になる。特に、この情報通信端末を本発明に従う入退場管理装置と組み合わせて用いれば、上記の利便性がさらに向上する。
【0018】
上記の情報通信端末は、また、前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報に基づいて設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータによって特定されたネットワーク機器、とは異なるネットワーク機器を利用する要求が入力された場合、前記ユーザに警告を出力する警告手段をさらに備えてもよい。
【0019】
この構成によれば、ユーザが頻繁に移動しながら次々に異なる場所で情報処理端末を使用するような場合、ユーザが、現在の場所とは違う場所に設定されているネットワーク機器を間違って利用すること(例えば、別の場所のプリンタを間違って利用してしまうと、ユーザにとり印刷物を取得することが困難になる)を、警告によって未然に防止できる。よって、場所に応じてネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとりより一層簡単になる。
【0020】
上記の情報通信端末は、また、前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータが設定された場合、他の既設定のネットワーク機器利用設定パラメータを無効化するネットワーク機器利用設定排他手段をさらに備えてもよい。
【0021】
この構成によれば、さらに一層強力に、現在の場所とは違う場所に設定されているネットワーク機器を間違って利用することが防止される。
【0022】
上記の情報通信端末は、また、前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータが設定された場合、他の既設定のネットワーク設定パラメータを無効化するネットワーク設定排他手段さらに備えてもよい。
【0023】
この構成によれば、ユーザが、現在の場所とは違う場所のネットワーク設定を間違って使用しようとすること(ネットワークに接続できないことになる)を、自動的に防止できる。よって、場所に応じてネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとりより一層簡単になる。
【0024】
この構成によれば、或る場所で設定されたネットワーク機器利用設定又はネットワーク設定や、居室に関連する情報が、その場所の外部へ漏れるのを防ぐことができるため、セキュリティが向上する。また、ユーザが別の場所で間違って、以前の場所のネットワーク機器を利用してしまう可能性が低くなる。よって、場所に応じてネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとり、より一層簡単になる。
【0025】
上記の情報通信端末は、また、前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報及び/又は前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータが設定された場合、その後に所定の事象の発生に応答して、設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータを削除する設定削除手段をさらに備えもよい。
【0026】
上記の所定の事象には、例えば、
A. 前記携帯メモリ読み取り手段が前記携帯メモリのデータを読み取れなくなったこと、
B. 前記ユーザが前記情報通信端末からログアウトしたこと、及び/又は、
C. 前記携帯メモリ読み取り手段が前記携帯メモリから別の前記ネットワーク機器利用情報及び/又は前記ネットワーク情報を読み取ったこと、
を含むことができる。
【0027】
この構成によれば、不要になった設定パラメータを適宜削除し、必要な設定パラメータだけを情報通信端末に貯めておくことができる。これによりユーザが誤って場外ネットワーク機器を利用することによる情報漏洩のリスクが減少でき、セキュリティが向上できる。またユーザがネットワーク機器を利用する際の機器選択も容易になり、場所に応じてネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとり、より一層簡単になる。
【0028】
上記の情報通信端末は、また、前記設定削除手段が、前記所定の事象が発生してから所定時間たった後に、設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータを削除する、ように構成されてよい。
【0029】
この構成によれば、設定の削除までに所定の時間を置くことで、ユーザの操作ミスにより所定事象が発生した場合(例えば、ユーザが誤ってログアウトした場合)に、その操作を取り消すことができる。そのため、ユーザにとり、上述した利便性が向上する。
【発明の効果】
【0030】
本発明に従う入退場管理装置によれば、ユーザが或る場所に情報通信端末を持ち込んだ場合、情報通信端末内のネットワーク設定やネットワーク機器利用設定を、その場所のネットワーク機器利用環境に応じて追加・変更する操作が、ユーザにとり、より簡単になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報通信端末と入退場管理装置がネットワーク接続されたネットワークシステムの構成図である。
【0033】
本ネットワークシステムは、異なる場所のいずれかに配置された(又は、上記異なる場所間を移動可能な携帯型の)少なくとも1台の情報通信端末101と、1台以上(典型的には上記異なる場所にそれぞれ配置された複数台)のネットワーク機器102と、1台以上(典型的には上記異なる場所にそれぞれ配置された複数台)の入退場管理装置103と、1以上(典型的には上記異なる場所にそれぞれ設備され、それぞれの場所に存在する各種装置と接続される複数)のネットワーク104とを備える。
【0034】
図1に示された具体例では、第1の場所(例えば或る部屋A)内に、第1のネットワーク機器102−1(例えばネットワークプリンタA1)と第2のネットワーク機器102−2(例えばネットワークプリンタA2)が配置される。第1の場所の出入口付近に、第1の入退場管理装置103−1が配置される。そして、それらの装置102−1、102−2、103−1が、第1の場所に設備された第1のネットワーク104−1に接続される。また、第2の場所(例えば別の部屋B)内には、第3のネットワーク機器102−3(例えばネットワークプリンタB)が設置される。第2の場所の出入口付近には、第2の入退場管理装置103−2が設置される。これらの装置102−3、103−2が、第2の場所に設備された第2のネットワーク104−2と接続される。第1と第2のネットワーク104−1及び104−2は相互接続される。さらに、1台の情報通信端末101(例えばパーソナルコンピュータ)があり、これは第1の場所に設置されて第1のネットワーク104−1に接続されるか、又は、ユーザに携帯されて第1と第2の場所のいずれへも移動可能であって、移動先の場所のネットワーク(図示の例では、第1の場所にある第1のネットワーク104−1)と接続される。
【0035】
図2は、図1のネットワークシステムに含まれるそれぞれの装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【0036】
情報通信端末101は、ネットワーク機器利用手段201、ネットワーク機器利用設定手段202、ネットワーク設定手段203、カード読み取り手段204、警告手段205、ネットワーク機器利用設定排他手段206、ネットワーク設定排他手段207、設定削除手段208を備える。
【0037】
ネットワーク機器102は、情報通信端末101から発行されるジョブ(例えば、印刷ジョブ)を実行するジョブ実行手段211を備える。
【0038】
入退場管理装置103は、ネットワーク機器利用情報管理手段221、ユーザ認証手段222、ゲート制御手段223、ネットワーク情報管理手段224、カード情報読み書き手段225を備える。
【0039】
次に、それぞれの装置101、102、103の機能を説明する。
【0040】
まず、入退場管理装置103の機能を説明する。
【0041】
入退場管理装置103は、ユーザの所定場所への入退場を、ゲート制御手段223により制御するものである。この入退場管理装置103を使用するとき、ユーザは、通信機能をもつ携帯メモリ(図示省略)を所持する。その携帯メモリは、入退場管理装置103と相互通信可能であり、また、情報通信端末101とも相互通信可能である。以下の説明では、その携帯メモリは、一例として、ICカードであるとする。
【0042】
一般に、入退場管理装置103は、所定の建物や部屋などの所定場所の出入り口付近に設置され、ユーザがその所定場所に入退場しようとするとき、そのユーザの所持するICカードに記録されているそのユーザの属性を示すデータ(本実施形態では、例えばユーザIDとする)をカード情報読み書き手段(携帯メモリ通信手段)225で読み取って、ユーザ認証手段(ユーザ管理手段)222により、そのユーザの個人認証を行なう。そして、入退場管理装置103は、個人認証に成功した場合にのみ、ゲート制御手段223によりゲートを開いて、そのユーザに入退場を許可することで、機密の漏洩の防止を図る。
【0043】
本実施形態においては、入退場管理装置103は、上記したようなユーザの入退場の制御する役割の他に、ユーザに入場を許可した際に、情報通信端末101に、それが使われる場所に応じたネットワーク機器利用設定を行うための情報を、ユーザのICカードに書き込むという役割も有している。
【0044】
即ち、入退場管理装置103のカード情報読み書き手段225に、ユーザがICカードをセットしてユーザ認証が成功すると、図3に示すような情報がカード情報読み書き手段225によりそのICカードに書き込まれる。
【0045】
図3に示すように、ICカードに書き込まれる情報の項目には、ネットワーク情報とネットワーク機器利用情報の2種類の項目がある。
【0046】
ネットワーク情報は、所定場所内で所定のネットワーク、例えば、図1の第1の場所内の第1のネットワーク104−1又は第2の場所内の第2のネットワーク104−2に接続するための、そのネットワーク104−1又は104−2の属性に依存したネットワーク設定パラメータ(例えば、情報通信端末101のIPアドレスとホスト名、そのネットワークのゲートウェイのIPアドレスなど)を情報通信端末101に設定するための情報である。
【0047】
このネットワーク情報は、入退場管理装置103のネットワーク情報管理手段224により管理される。本実施形態では、ネットワーク情報は、図3に例示されているように、ネットワーク設定パラメータそのものである。しかし、必ずしもそうでなければならないわけではなく、ネットワーク設定パラメータを情報通信端末101に設定することを可能にする情報であればよく、例えば、ネットワーク設定パラメータの所在地を示すURL、或いは、ネットワーク設定パラメータを情報通信端末101に設定するよう情報通信端末101を動作させるコンピュータプログラムなどであってもよい。
【0048】
また、ネットワーク機器利用情報は、所定場所内で利用可能な所定のネットワーク機器、例えば、図1の第1の場所内の第1と第2のネットワーク機器102−1及び102−2、又は第2の場所内の第3のネットワーク機器102−3を利用するための、それぞれのネットワーク機器102−1及び102−2、又は102−3の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータ(例えば、その機器(図3の例ではプリンタ)のデバイスドライバ名、その機器のIPアドレス、その機器の機器名など)を情報通信端末101に設定するための情報である。
【0049】
このネットワーク機器利用情報は、入退場管理装置103のネットワーク機器利用情報管理手段221により管理される。本実施形態では、ネットワーク機器利用情報は、図3に例示されているように、ネットワーク機器利用設定パラメータそのものである。しかし、必ずしもそうでなければならないわけではなく、ネットワーク機器利用設定パラメータを情報通信端末101に設定することを可能にする情報であればよく、例えば、ネットワーク機器利用設定パラメータの所在地を示すURL、或いは、ネットワーク機器利用設定パラメータを情報通信端末101に設定するよう情報通信端末101を動作させるコンピュータプログラムなどであってもよい。
【0050】
次に、情報通信端末101の機能を説明する。
【0051】
情報通信端末101は、以下の機能を有するネットワーク機器利用手段201を備える。すなわち、ネットワーク機器利用手段201には、任意のネットワーク104の属性に依存したネットワーク設定パラメータと任意のネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータとが設定することができる。そして、ネットワーク機器利用手段201は、そこに予め設定されたネットワーク設定パラメータとネットワーク機器利用設定パラメータとを用いることで、任意のネットワーク104に接続すると共に、その任意のネットワーク104を通じて、任意のネットワーク機器102を利用する。
【0052】
また、カード読み取り手段(携帯メモリ読み取り手段)204は、情報通信端末101にICカードがセットされたとき、そのICカードからデータ(例えば、ユーザID、ネットワーク情報およびネットワーク機器利用情報)を読み取る機能を有する。
【0053】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有するネットワーク設定手段203を備える。すなわち、ネットワーク設定手段203は、情報通信端末101にセットされたICカードにネットワーク情報が記憶されている場合、カード読み取り手段204を用いて、そのICカードからそのネットワーク情報を入力する。そして、ネットワーク設定手段203は、入力されたネットワーク情報に基づいて、ネットワーク設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成されたネットワーク設定パラメータをネットワーク機器利用手段201に設定する。
【0054】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有するネットワーク機器利用設定手段202を備える。ネットワーク機器利用設定手段202は、情報通信端末101にセットされたICカードにネットワーク機器利用情報が記憶されている場合、カード読み取り手段204を用いて、そのICカードからそのネットワーク機器利用情報を入力する。そして、ネットワーク機器利用設定手段202は、入力されたネットワーク機器利用情報に基づいて、ネットワーク機器利用設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成されたネットワーク機器利用設定パラメータをネットワーク機器利用手段201に設定する。
【0055】
ところで、情報通信端末101は、カードからネットワーク機器利用情報とネットワーク情報とを入力した場合、ネットワーク設定手段203がネットワーク情報に基づいてネットワーク設定パラメータの設定を行ない、その後、ネットワーク機器利用設定手段202がネットワーク機器利用情報に基づいてネットワーク機器利用設定パラメータを設定する。
【0056】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有する警告手段205を備える。すなわち、警告手段205は、或るネットワーク機器102を利用する要求(例えば、或るプリンタへ印刷ジョブを発行する要求)が情報通信端末101にユーザから入力された場合、その入力要求で利用対象とされるネットワーク機器102が、先にICカードから読み取られたネットワーク機器利用情報に基づいて設定されたネットワーク機器利用設定パラメータによって特定されるネットワーク機器102と、異なるか否かを判断し、その結果、異なる場合にユーザに警告を出力する。
【0057】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有するネットワーク機器利用設定排他手段206を備える。すなわち、ネットワーク機器利用設定排他手段206は、ICカードから読み取られたネットワーク機器利用情報に基づいてネットワーク機器利用設定パラメータがネットワーク機器利用手段201に設定されるとき、既設定の他のネットワーク機器利用設定パラメータを無効化する(例えば、その既設定の他のネットワーク機器利用設定パラメータを、ネットワーク機器利用手段201から消去して、情報通信端末101内の所定の退避記憶領域に書き込む)。
【0058】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有するネットワーク設定排他手段207を備える。すなわち、ネットワーク設定排他手段207は、ICカードから読み取られたネットワーク情報に基づいてネットワーク設定パラメータがネットワーク機器利用手段201に設定されるとき、既設定の他のネットワーク設定パラメータを無効化する(例えば、その既設定の他のネットワーク設定パラメータを、ネットワーク機器利用手段201から消去して、情報通信端末101内の所定の退避記憶領域に書き込む)。
【0059】
また、情報通信端末101は、以下の機能を有する設定削除手段208を備える。すなわち、設定削除手段208は、ICカードから読み取られたネットワーク機器利用情報及び/又はネットワーク情報に基づいてネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又はネットワーク設定パラメータが設定された場合、その後の所定の事象の発生に応答して、設定されたネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又はネットワーク設定パラメータを削除する(例えば、その既設定の他のネットワーク設定パラメータを、ネットワーク機器利用手段201から消去する)。
【0060】
ここで、所定の事象としては、例えば、
A. カード読み取り手段204がICカードのデータを読み取れなくなったこと(例えば、情報通信端末101に一旦セットされたICカードが、情報通信端末101から取り外されたこと)、
B. ユーザが情報通信端末101からログアウトしたこと、及び
C. カード読み取り手段204がICカードから別のネットワーク機器利用情報及び/又はネットワーク情報を読み取ったこと(例えば、ユーザが情報通信端末101を携帯して、今まで居た場所から別の場所に移動し、その移動先の場所でICカードを情報通信端末101にセットしたこと)
などうちの全部又はいずれかを採用することができる。
【0061】
また、設定削除手段208は、上記所定の事象が発生したときに、直ちに設定されているネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又はネットワーク設定パラメータを削除するようになっていてもよいが、変形例として、上記所定の事象が発生してから所定時間たった後に、設定されているネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又はネットワーク設定パラメータを削除するようになっていてもよい。
【0062】
以下、図2のネットワークシステムの動作をさらにフローチャートに基いて説明する。
【0063】
図4は、図2における入退場管理装置103によって実行される入場処理の手順を示すフローチャートである。
【0064】
まず、カード読み取り待機(S101)の後、カード情報読み書き手段225は、その入退場管理装置103が管理する場所へ入場しようとするユーザのICカードから、そのユーザのユーザIDを読み取る(S102)。
【0065】
次に、ユーザ認証手段222は、ユーザIDに基づいてユーザの個人認証(ユーザ認証)を行ない、そのユーザ認証が成功したか否か判断し(S103)、ユーザ認証が成功した場合は、ネットワーク情報管理手段224は、カード情報読み書き手段225により、その入退場管理装置103が管理する(そのユーザが入場しようとする)場所に配置されたネットワーク104とネットワーク機器102に対応したネットワーク情報とネットワーク機器利用情報をICカードに書き込む(S104、S105)。
【0066】
図5は、図2における入退場管理装置103によって実行される退場処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
まず、カード読み取り待機(S201)の後、ネットワーク情報管理手段224は、カード情報読み書き手段225により、入退場管理装置103が管理する場所から退場しようとするユーザのICカードから、その場所へ入るときに書き込まれた(その場所に配置されたネットワーク104とネットワーク機器102に対応した)ネットワーク情報とネットワーク機器利用情報を消去する(S202、S203)。
【0068】
図6は、図2における情報通信端末101によって実行されるログイン処理の手順を示すフローチャートである。
【0069】
まず、カード読み取り待機(S301)の後、カード読み取り手段204は、情報通信端末101にセットされたICカードからユーザIDの読み取りを行なう(S302)。
【0070】
そして、S303で、そのユーザIDに基づいてログイン可能か否かが判断され、ログイン不可能と判断されると、警告手段205により、ログインエラー表示がなされる(S809)。
【0071】
S303で、ログイン可能と判断されると、ネットワーク設定手段203は、そのICカードからネットワーク情報の読み取りを行ない(S304)、そのネットワーク情報からネットワーク設定パラメータを取得又は生成して、そのネットワーク設定パラメータをネットワーク機器利用手段201に設定する(S305)。S305で、新たなネットワーク設定パラメータを設定するとき、(通常、ネットワーク機器利用手段201には、一つのネットワークに対応するネットワーク設定パラメータだけが設定可能であるので、)ネットワーク機器利用手段201に今まで設定されていた既存のネットワーク設定パラメータをネットワーク機器利用手段201から消去して、それを、情報通信端末101内の所定の退避記憶領域(図示せず)に書き込む(退避させる)。
【0072】
続いて、ネットワーク機器利用設定手段202は、そのICカードからネットワーク機器利用情報の読み取りを行ない(S306)、そのネットワーク機器利用情報からネットワーク機器利用設定パラメータを取得又は生成して、そのネットワーク機器利用設定パラメータをネットワーク機器利用手段201に設定する(S307)。S307で、新たなネットワーク機器利用設定パラメータを設定するとき、(通常、ネットワーク機器利用手段201には、複数のネットワークに対応するネットワーク機器利用設定パラメータが設定可能であるので、)ネットワーク機器利用手段201に今まで設定されていた既存のネットワーク設定パラメータをそのまま残して、新たなネットワーク機器利用設定パラメータを追加してもよいが、別法として、既存のネットワーク設定パラメータをネットワーク機器利用手段201から消去して、それを、情報通信端末101内の所定の退避記憶領域(図示せず)に書き込む(退避させる)ようにしてもよい。
【0073】
S307により、例えば図10に示すようなネットワーク機器利用設定パラメータが、情報通信端末101のネットワーク機器利用手段201に設定されることになる。すなわち、図1に示された部屋A(第1の場所)に情報通信端末101とユーザが居る場合には、図10中の部屋AのプリンタA1、A2(ネットワーク機器)のネットワーク機器利用設定パラメータが設定されることになるし、また、部屋Bに情報通信端末101とユーザが居る場合には、図10中の部屋BのプリンタB(ネットワーク機器)のネットワーク機器利用設定パラメータが設定されることになる。
【0074】
図7は、図2における情報通信端末によって実行されるログアウト処理の手順を示すフローチャートである。
【0075】
S401でログアウト指示がなされると、S402で、設定削除手段208が、図6のログイン処理のS307で設定されたネットワーク機器利用設定パラメータがあったならば、その設定されたネットワーク機器利用設定パラメータをネットワーク機器利用手段201から削除する。このとき、図6のログイン処理のS307で退避されたネットワーク機器利用設定パラメータがあったなら、その退避されたネットワーク機器利用設定パラメータを、ネットワーク機器利用手段201に再設定してもよい。
【0076】
なお、S402の後に、次のようなステップS403を行ってもよい(行わなくてもよい)。すなわち、S403で、設定削除手段208が、図6のログイン処理のS305で設定されたネットワーク設定パラメータがあったならば、設定されたネットワーク設定パラメータをネットワーク機器利用手段201から削除する。このとき、図6のログイン処理のS305で退避されたネットワーク設定パラメータがあったなら、その退避されたネットワーク設定パラメータを、ネットワーク機器利用手段201に再設定してもよい。
【0077】
なお、上述したS402からS403の処理は、ログアウト時だけでなく、ログアウト時に代えて、ログイン時に設定されたネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又はネットワーク設定パラメータが最早使用されなくなったと推定されるような所定の事象、例えば、
(1) カード読み取り手段204がICカードのデータを読み取れなくなったこと(例えば、情報通信端末101に一旦セットされたICカードが、情報通信端末101から取り外されたこと)、及び/又は
(2) カード読み取り手段204がICカードから別のネットワーク機器利用情報及び/又はネットワーク情報を読み取ったこと(例えば、ユーザが情報通信端末101を携帯して、今まで居た場所から別の場所に移動し、その移動先の場所でICカードを情報通信端末101にセットしたこと)
などに行うようにしても良い。
【0078】
その場合、ログアウト又は上記所定の事象が発生した時、直ちに上述したS402からS403の処理を行ってよいが、変形例として、ログアウト又は上記所定の事象が発生してから所定時間たった後に、上述したS402からS403の処理を行なうようにしてもよい。そうすれば、ユーザの過ちでログアウト又は上記所定の事象を発生させた場合に、パラメータ設定を無駄にやり直さなければならない頻度が減る。
【0079】
図8は、図2における情報通信端末101とネットワーク機器102(ここでは、例えばネットワークプリンタであるとする)によって実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【0080】
まず、情報通信端末101は、自身のアプリケーションへ印刷を指示する(S501)。すると、ネットワーク機器利用手段201が、そこに設定されたネットワーク機器利用設定パラメータに基づいて使用できるプリンタの一覧を表示するので、ユーザはその一覧から所望のプリンタ(ネットワーク機器102)を選択し、続いて印刷ボタンを押下する(S503)。
【0081】
ここで、警告手段205により、選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)が、情報通信端末101と同じ場所に存在するプリンタ(ネットワーク機器102)かどうか(例えば、情報通信端末101と選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)のIPアドレスが、同じドメインアドレスをもつか)が、その選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)のネットワーク機器利用設定パラメータに基づいて判断される(S504)。選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)が、情報通信端末101の存在場所の外に存在する場合は、警告手段205により例えば、図9に示すような警告が行われる(S505)。
【0082】
ユーザが、図9の警告画面で、「はい」を選択すれば、つまり、ユーザが印刷の継続を希望した場合は(S506でtrue)、ネットワーク機器利用手段201が、そこに設定されているネットワーク設定パラメータと選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)のネットワーク機器利用設定パラメータとを用いて選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)と通信することで、プリンタ(ネットワーク機器102)へ印刷ジョブを発行する(S507)。
【0083】
また、S504で、選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)が、情報通信端末101と同じ場所にある場合も、ネットワーク機器利用手段201が、そこに設定されているネットワーク設定パラメータと選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)のネットワーク機器利用設定パラメータとを用いて選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)と通信することで、選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)へ印刷ジョブを発行する(S508)。
【0084】
選択されたプリンタ(ネットワーク機器102)では、ジョブ実行手段が、その印刷ジョブを実行する。
【0085】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれのみに制限する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱することなしに、上述した実施形態以外の形態でも実施可能である。
【0086】
例えば、上記実施形態では、それぞれの場所への出入りを管理する入退場管理装置が、それぞれの場所に適したネットワーク情報及びネットワーク機器利用情報を記憶しているが、変形例として、異なる場所への出入りをそれぞれ管理する複数の入退場管理装置がアクセスできる或るサーバ装置が、上記異なる場所にそれぞれ適したネットワーク情報及び/又はネットワーク機器利用情報を記憶されていて、それぞれの入退場管理装置に提供するようになっていてもよい。
【0087】
また、情報通信端末に入力されるネットワーク情報及び/又はネットワーク機器利用情報が、ネットワーク設定パラメータ及び/又はネットワーク機器利用設定パラメータの所在を示すURLである場合、情報通信端末が、そのURLからネットワーク設定パラメータ及び/又はネットワーク機器利用設定パラメータを受け取って、その情報通信端末に設定するようになっていてよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る情報通信端末と入退場管理装置がネットワーク接続されたネットワークシステムの構成図である。
【図2】図1のネットワークシステムに含まれるそれぞれの装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】カード書き込み情報の例を示す図である。
【図4】図2における入退場管理装置によって実行される入場処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図2における入退場管理装置によって実行される退場処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図2における情報通信端末によって実行されるログイン処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図2における情報通信端末によって実行されるログアウト処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図2における情報通信端末とネットワーク機器(プリンタ)によって実行される印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図2における警告手段に表示される警告例を示す図である。
【図10】ネットワーク機器(プリンタ)利用設定パラメータの例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
101 情報通信端末
102 ネットワーク機器
103 入退場管理装置
104 ネットワーク
201 ネットワーク機器利用手段
202 ネットワーク機器利用設定手段
203 ネットワーク設定手段
204 カード読み取り手段
205 警告手段
206 ネットワーク利用設定排他手段
207 ネットワーク設定排他手段
208 設定削除手段
221 ネットワーク機器利用情報管理手段
222 ユーザ認証手段
223 ゲート制御手段
224 ネットワーク管理手段
225 カード情報読み書き手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互通信可能な携帯メモリと情報通信端末とを所持するユーザの所定場所への入退場を制御するための入退場管理装置において、
前記携帯メモリに、データを読み書きする携帯メモリ通信手段と、
前記ユーザが前記所定場所に入ることを許された者か否かを判断するためのユーザ認証を、前記携帯メモリに予め記憶されているユーザ情報に基づいて行うユーザ管理手段と、
前記所定場所内で利用可能な所定のネットワーク機器を利用するための前記所定のネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータ、を前記情報通信端末に設定するためのネットワーク機器利用情報を管理するネットワーク機器利用情報管理手段と
を備え、
前記ユーザが前記所定場所に入る際、前記携帯メモリ通信手段が、前記携帯メモリから前記ユーザ情報を読み、
前記ユーザ管理手段が、前記携帯メモリ通信手段によって前記携帯メモリから読まれた前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザ認証を行ない、
前記ユーザ管理手段による前記ユーザ認証が成功した場合に、前記携帯メモリ通信手段が、前記ネットワーク機器利用情報管理手段に管理されている前記ネットワーク機器利用情報を、前記携帯メモリへ書き込む、
入退場管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の入退場管理装置において、
前記所定場所内で所定のネットワークに接続するための前記所定のネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータ、を前記情報通信端末に設定するためのネットワーク情報を管理するネットワーク情報管理手段
をさらに備え、
前記ユーザ管理手段による前記ユーザ認証が成功した場合に、前記携帯メモリ通信手段が、前記ネットワーク情報管理手段に管理されている前記ネットワーク情報を、前記携帯メモリへ書き込む、
入退場管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項記載の入退場管理装置において、
前記携帯メモリ通信手段から前記携帯メモリに書き込まれる前記ネットワーク機器利用情報が、前記ネットワーク機器利用設定パラメータを含む、
入退場管理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の入退場管理装置において、
前記携帯メモリ通信手段から前記携帯メモリに書き込まれる前記ネットワーク機器利用情報が、前記ネットワーク機器利用設定パラメータの所在地を示すURLを含む、
入退場管理装置。
【請求項5】
予め設定された任意のネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータと任意のネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータとを用いることで、前記任意のネットワークに接続し、そして前記任意のネットワーク機器を利用するネットワーク機器利用手段を備えた情報通信端末において、
ユーザに携帯される携帯メモリからデータを読み取るための携帯メモリ読み取り手段と、
或るネットワーク機器の属性に依存したネットワーク機器利用設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するためのネットワーク機器利用情報が、前記携帯メモリに記憶されている場合、前記携帯メモリ読み取り手段を用いて前記携帯メモリから前記ネットワーク機器利用情報を入力し、入力された前記ネットワーク利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成された前記ネットワーク機器利用設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するネットワーク機器利用設定手段と
を備えた情報通信端末。
【請求項6】
請求項5記載の情報通信端末において、
或るネットワークの属性に依存したネットワーク設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するためのネットワーク情報が、前記携帯メモリに記憶されている場合、前記携帯メモリ読み取り手段を用いて前記携帯メモリから前記ネットワーク情報を入力し、入力された前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータを取得又は生成し、取得又は生成された前記ネットワーク設定パラメータを前記ネットワーク機器利用手段に設定するネットワーク設定手段
をさらに備え、
前記携帯メモリから前記ネットワーク機器利用情報と前記ネットワーク情報とを入力した場合、前記ネットワーク設定手段が前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータの設定を行ない、その後、前記ネットワーク機器利用設定手段が前記ネットワーク機器利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータを設定する、
情報通信端末。
【請求項7】
請求項5又は6のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報に基づいて設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータによって特定されたネットワーク機器、とは異なるネットワーク機器を利用する要求が入力された場合、前記ユーザに警告を出力する警告手段
をさらに備えた情報通信端末。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータが設定された場合、他の既設定のネットワーク機器利用設定パラメータを無効化するネットワーク機器利用設定排他手段
をさらに備えた情報通信端末。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク設定パラメータが設定された場合、他の既設定のネットワーク設定パラメータを無効化するネットワーク設定排他手段
をさらに備えた情報通信端末。
【請求項10】
請求項5〜9のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記携帯メモリから読み取られた前記ネットワーク機器利用情報及び/又は前記ネットワーク情報に基づいて前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータが設定された場合、その後に所定の事象の発生に応答して、設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータを削除する設定削除手段
をさらに備えた情報通信端末。
【請求項11】
請求項10記載の情報通信端末において、
前記所定の事象が、前記携帯メモリ読み取り手段が前記携帯メモリのデータを読み取れなくなったことを含む、
情報通信端末。
【請求項12】
請求項10又は11のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記所定の事象が、前記ユーザが前記情報通信端末からログアウトしたことを含む、
情報通信端末。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記所定の事象が、前記携帯メモリ読み取り手段が前記携帯メモリから別の前記ネットワーク機器利用情報及び/又は前記ネットワーク情報を読み取ったことを含む、
情報通信端末。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか一項記載の情報通信端末において、
前記設定削除手段が、前記所定の事象が発生してから所定時間たった後に、設定された前記ネットワーク機器利用設定パラメータ及び/又は前記ネットワーク設定パラメータを削除する、
情報通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−102410(P2010−102410A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271391(P2008−271391)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】