説明

共通信号伝達方法、および装置

共通信号伝達方法と、装置が提供されている。一実施例において、マスタービーコンを受信し、前記マスタービーコンに含まれる無線周波数をスキャンし、一覧された無線周波数の一つから、占有されていない無線周波数を使用して、通信を確立することにより、遊休無線周波数における通信を可能にする方法が提供されている。本要約書は、読者が本文に含まれる開示の主題を早急に確認することを可能にする、要約書要求規則に応じることを唯一の目的として提供されている。本要約書は、特許請求の範囲、あるいは意味を、解釈または制限するために使用されないという、明確な理解と共に提出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関連する。特に本発明は、通信システムの共通通信方法について述べる。
【背景技術】
【0002】
情報化時代が到来した。各種通信システムを介しての膨大な量の情報へのアクセスが、人々の働き方、楽しみ方、および相互の通信の仕方を変化させている。より早く、より能力のある通信技術が、絶えず開発されている。さらに、これらの技術には、より効率的なスペクトラムの使用の利点が考えられる。これらの新しい技術の製造者、および設計者にとって、「相互運用性」を達成することは、ますます難しい挑戦となっている。
【0003】
相互運用性とは、一つの装置が、他の装置と、あるいは他のネットワークと通信する能力で、それを通し他の通信装置とコンタクトを取ることができる。しかしながら、異なる通信プロトコル(すなわち、通信機器がデータを転送するために使用する決まり)の急増により、真の相互運用性を設計することは、たやすいことではない。
【0004】
例えば、大部分の無線通信機器は、従来「搬送波」、あるいは無線周波数(RF)技術を用いる一方、他の機器は電気光学技術を使用する。一般的に、これらの各通信技術、それ独自のプロトコルを用いる。
【0005】
他の種類の通信技術は、超広帯域(UWB)である。UWB技術は、RF技術の従来形式と根本的に異なる。UWBは、高周波数搬送波生成ハードウェア、搬送波変調ハードウェア、および位相弁別ハードウェア、あるいは、従来周波数ドメイン通信システムに用いられている、他の装置を必要としない、「キャリア・フリー」設計を用いることができる。
【0006】
UWB通信の中では、様々な種類の技術とネットワークに、それぞれ独自の通信プロトコルが想定される。例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)、センサーネットワーク等がある。各ネットワークは独自の通信プロトコルを持つことがある。
【0007】
したがって、より効率的なスペクトラムの使用、異なるネットワーク、および異なる種類の通信機器の間での互換性、および共存を可能にする、通信機器の共通通信方法の必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、共通通信方法、あるいは、遊休無線周波数帯域を使用する通信の、プロトコルを提供する。
【0009】
本発明の一実施例では、信号伝達情報はマスタービーコン信号に伝達される。機器は、マスタービーコン信号、およびマスタービーコン信号に含まれる信号伝達情報を見つけるまで、多数の周波数をスキャンしても良い。プロトコル、あるいは通信方法は、通信機器が、送信前に信号伝達情報をスキャンすることを可能にするため、提供されている。
【0010】
本発明の一つの特徴は、放送テレビジョン周波数、および他の遊休周波帯域幅での通信の装置、システム、および方法を提供することである。現在の法体制の下では、多くの放送スペクトラムの周波数帯域は、十分使用されていない。本発明の一つの特徴は、通信チャンネルとして無線周波数が使用可能であることを、適応通信機器に知らせるマスタービーコンを提供することである。
【0011】
本発明の、これら、あるいはその他の特徴および利点は、同等の参照番号が全体を通し、同等部分を参照する添付の図面に加え、次の発明を実施するための最良の状態を検討することから理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の文章では、添付図面を参照しながら、例証として本発明を詳細に説明する。本発明は様々な形式で実現が可能であるが、本開示は本発明の原理の一例として考慮されるべきである。表示され、記述されている特定の実施例に、本発明を限定することは出来ないとともに、詳細で具体的な実施例が本文に図面とともに記述される。つまり、この説明全体を通して示される最適な実施形態、および実施例は、代表例とみなすべきものであり、本発明を何ら限定するものではない。既知の構成部品、方法、および/または処理技術の記述は、本発明を不必要に不明瞭にしない範囲で、割愛されている。本明細書で用いられる「本発明」とは、本明細書に記載する発明の実施形態のいずれか1つ、およびこれと同等なあらゆる実施形態のことをいう。さらに、本明細書全体を通して「本発明」のさまざまな特徴について言及したとしても、請求項に記載の全ての実施形態や方法が、その言及した特徴を必ずしも含まなければならないというわけではない。
【0013】
本発明の一つの特徴は、放送テレビジョン周波数、および他の遊休周波数帯域における通信の装置、システムおよび方法を提供することである。現在の法体制の下では、多くの放送スペクトラムの周波数帯域は、十分利用されていない。本発明の一つの特徴は、通信チャンネルとして無線周波数が使用可能であることを、適応通信機器に知らせるマスタービーコンを提供することである。本発明を実践するため、異なる様々な通信技術を使用することができる。これらの通信技術には、従来搬送波ベース技術、および超広帯域(UWB)ベース技術を含むことがある。
【0014】
従来搬送波通信技術の一例が、図1に示されている。IEEE802.11aは、約5メガヘルツの無線周波数分布で、5ギガヘルツの中心周波数で正弦無線周波数信号を送信する、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)プロトコルである。本文に定義されているように、搬送波は、情報を搬送するために、無線送信機から発せられる、特定の周波数および振幅の電磁波である。802.11プロトコルは、搬送波通信技術の一例である。搬送波は、数秒から数分の範囲の長さになることがある、特定狭周波数(5メガヘルツ)を持つ、実質的に連続した正弦波形からなる。
【0015】
図1および図2を参照して、インパルス‐UWB通信は、例えばナノ秒、ピコ秒間隔で
(一般的に、数十ピコ秒から、数ナノ秒の長さ)、発せられる電磁エネルギーの個別パルスを用いる。この理由で、この種類の超広帯域は、しばし「インパルス無線」と呼ばれる。つまり、UWBパルスは、従来搬送波通信技術とは対象に、正弦波または、正弦搬送波に変調されることなく送信してもよい。この種類のUWBは一般的に、割り当てられた周波数、または、電力増幅器を必要としない。
【0016】
それに対し、2つの典型的なUWBパルスを示す図2に提示されている、超広帯域(UWB)パルスは、約4ギガヘルツの周波数分布で、2.0ギガヘルツ中心周波数であることがある。図2は、UWBパルスの時間が短いほど、その周波数スペクトラムの分布が広いことを示す。これは、帯域幅がパルスの時間分に反比例するからである。600ピコ秒のUWBパルスは、約1.6ギガヘルツの周波数分布で、中心周波数1.8ギガヘルツになることがあり、300ピコ秒のUWBパルスは、約3.3ギガヘルツの周波数分布で、中心周波数約3ギガヘルツになることがある。したがって、UWBパルスは一般的に、図1に示されているように、特定の周波数内で動作しない。図2に示されているパルスいずれも、例えばヘテロダイニング法を使用して、実質的に同じ帯域ではあるが、希望するいずれの周波数で集中させるため、周波数がシフトされてもよい。また、UWBパルスは、非常に広い周波数範囲にわたり分布することから、UWB通信システムは、毎秒100メガバイト以上などの、非常に高いデータ転送率での通信を可能にする。
【0017】
また、UWBパルスは、非常に広い周波数範囲にわたり分布することから、例えば1メガヘルツ帯域幅でサンプルされる電力は非常に低い。例えば、1ナノ秒の長さで、1ミリワット平均電力(0dBM)のUWBパルスは、そのパルスによって占有される、一ギガヘルツ周波数帯域全体に、電力を広げる。結果として生じる電力密度はしたがって、1,000メガヘルツパルス帯域幅割る1ミリワット、またはメガヘルツ(−30dBM/MHz)あたり、0.001ミリワットである。これは、ほとんどの従来通信システムの信号レベルより低く、したがって、従来通信信号の、復調と回復に干渉しない。
【0018】
一般的に、ワイヤレス通信の場合、UWBのパルスの多重度は、比較的低い電力密度(メガヘルツあたりミリワット)で、送信することがある。しかしながら、代替的なUWB通信システムでは、高い電力密度で送信されることがある。例えば、UWBパルスは、30dBmから−50dBmの間で送信されてもよい。
【0019】
しかしながら、UWBパルスは、ワイヤレス無線周波数送信と干渉しない多くの有線媒体を通して送信される。したがって、有線媒体を通して送信された、UWBパルスの電力(単一周波数でサンプルされた)は、約+30dBmから約−140dBmの範囲になることがある。
【0020】
超広帯域(UWB)通信のいくつかの様々な方法が提案されている。米国内のワイヤレスUWB通信では、これらのすべての方法は、2002年4月22日(ET整理番号98−153)連邦通信委員会(FCC)によって、その報告書および指令で、最近制定された制限を満たさなければならない。現在FCCは限定的なUWB通信を許可しているが、UWBシステムが展開されるにつれ、この新しい技術の更なる経験が得られ、FCCは、UWB通信技術の使用を拡大するかもしれない。
【0021】
4月22日報告書および指令は、UWBパルスまたは信号は、20%を上回る比帯域幅、または500メガヘルツのいずれか小さい方を占有するよう要求している。比帯域幅は、高および低10デシベル遮断周波数の差の二倍を、高および低10デシベル遮断周波数合計によって割ると定義される。特に、比帯域幅の式は、
[数式1]

であり、上式で

が高10デシベル遮断周波数で、

が低10デシベル遮断周波数とする。
【0022】
言い換えれば、比帯域幅は、その信号が占有する信号の中心周波数の割合である。例えば、10メガヘルツの中心周波数で、2メガヘルツの帯域幅(すなわち9から11メガヘルツ)の信号は、比帯域幅は20%になる。つまり、中心周波数、
[数式2]

である。
【0023】
図3は、4月22日報告書および指令により義務化された、屋内システムの超広帯域放出限界を示す。報告書および指令は、UWB通信を3.1ギガヘルツから、10.6ギガヘルツの周波数スペクトラム、意図的な放出を41.3dBm/Mhzを超えないよう制限している。報告書および指令はまた、ハンドヘルドUWBシステム、自動車レーダーシステム、医療画像システム、監視システム、スルーウォール画像システム、探知レーダー、および他のUWBシステムのための放出限界を策定した。当然のことながら、本文に説明されている発明は、屋内、および/または屋外で用いられてもよく、また固定および/または可動式でもよい。
【0024】
国際電気電子技術者協会(IEEE)に関連する、通信基準委員会は、FCCによって策定された規制を満たす、超広帯域(UWB)ワイヤレス通信方法の数々を検討している。UWB通信方法の一つは、FCCの7.5ギガヘルツの割り当て(3.1ギガヘルツから、10.6ギガヘルツまで)の中で、500メガヘルツ帯を占有するUWBパルスを送信することができる。この通信方法の一実施例においては、UWBパルスは、500メガヘルツ帯域に対応する、約2ナノ秒の長さである。UWBパルスの中心周波数は、7.5ギガヘルツの割り当ての中で、希望するところに置くために変えることができる。本通信方法の別の実施例では、それぞれが約4.125メガヘルツ幅の搬送波を122生成するため、並列データに逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform (IFFT))を行う。この実施例では、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM))でも知られる、結果として生じるUWBパルスまたは信号は、約506メガヘルツの幅で、また、約242ナノ秒の長さがある。各パルスの長さの理由からというよりも、比較的狭帯域の搬送波の凝集であることから、FCC規則を満たす。
【0025】
IEEE基準委員会によって評価されている、別のUWB通信方法は、500メガヘルツを上回る周波数スペクトラムを占有する個別のUWBパルスを伝送することからなる。例えば、本通信方法の一実施例では、UWBパルスの長さは、約500メガヘルツを占有する2ナノ秒から、7.5ギガヘルツの帯域幅を占有する133ピコ秒に変化することがある。つまり、単一UWBパルスは、実質的に通信の割り当て全体すべてを占有することがある(3.1ギガヘルツから、10.6ギガヘルツまで)。
【0026】
また、IEEE基準委員会によって評価されている、他のUWB通信方法は、約0.7ナノ秒以下の長さで、また、毎秒約1.4ギガパルスのチッピング速度でもよい、一連のパルスを送信することからなる。パルスは、直接シーケンス変調技術を用い変調されており、DS−UWBと呼ばれている。一方の帯域が、1.4ギガヘルツ幅の信号で、4ギガヘルツ近くに集中されていて、同時に2番目の帯域が2.8ギガヘルツ幅のUWB信号で、8ギガヘルツに集中されている、2つの帯域での動作が検討されている。動作はいずれか、または両方のUWB帯域において行われることがある。約28メガバイト/秒から1320メガバイト/秒ぐらいまでのデータ転送率が検討される。
【0027】
他のUWB通信方法は、要求された20パーセントを越える比帯域幅を占有する、送信された信号によって周波数が占有されている場合、変調継続搬送波を送信することからなる。この方法では、継続搬送波は、周波数帯域占有を生じる時間に変調することができる。例えば、4ギガヘルツの搬送波が、750ピコ秒のデータ時間で、二相位相変調方式(Binary Phase Shift Keying (BPSK))を使用し、変調された場合、結果として生じる信号は、中心周波数4ギガヘルツぐらいで、1.3ギガヘルツの帯域幅を占有することがある。この例では、比帯域幅は約32.5パーセントである。この信号は、上述のFCC規制下のUWBとみなされる。
【0028】
よって、上述されているのは、異なる4つの超広帯域(UWB)通信の方法である。当然ながら、本発明は、上述のUWB方法、あるいはまだ開発されていないほかの方法に用いてもよい。
【0029】
どの種類の通信方法、あるいは技術が用いられたに関わらず、機器が通信に使う、無線周波数(RF)または周波数は、より込み合ってきている。ワイヤレス通信への増大する消費者の需要に応えるため、FCCは、TV信号を送信するのに使用されていない、放送テレビジョン周波数での、通信機器を動作(すなわち、無線周波数を使用する)の許可を提案した。
【0030】
本発明の一つの特徴は、放送テレビジョン周波数、および遊休周波数帯域における通信のための装置、システム、および方法を提供することである。既存の規制体制下では、放送スペクトラムの多くの周波数帯域は、十分使用されていない。一般的に、放送テレビジョン送信は数十キロワットで、いくつかの局は送信電力が数百キロワットを超える。したがって、送信された信号は、数十、時には数百マイル以上も移動する。それぞれ異なる表示内容を含む、同じ周波数の二つ以上のTV放送が干渉することを防ぐため、FCC区分は、特定の地理的地域への特定の無線周波数(RF)の使用を区分する。したがって、各地理的地域には、使用されていないRF帯域がある。同一チャンネル(すなわち同じRF帯域)または近接するチャンネル局に干渉を生じることがあるため、特定の地理的地域に使用されていないテレビチャンネルが多々ある。
【0031】
例えば、デジタルテレビジョンの割り当ての既存の規制は、196.3から273.6キロメートルの範囲で同一チャンネル局同士の間の最低分離を規定している。米国内でのデジタルテレビジョン周波数は、一般的に54メガヘルツから、800メガヘルツまである。割り当てられる周波数帯域は、国によって異なり、50メガヘルツから、約1ギガヘルツの周波数を含むことがある。これらの帯域幅は、これらの範囲内の帯域の数々が放送テレビジョンに使用されていない点から、通常断続的である。例えば、FM周波数は、米国内においては、88メガヘルツから約108メガヘルツまでに及び、同時に飛行機のナビゲーション周波数は、約108メガヘルツから、約120メガヘルツまでに及ぶ。
【0032】
本発明の一実施例は、これらの遊休周波数帯域でのワイヤレス通信を促進するために設計された、プロトコル、または通信方法を提供する。低無線周波数(RF)帯域は、電磁波伝播により適しているとよく知られている。伝播は通常、周波数の二乗の逆数の比例として表される。したがって、他すべての事項が等しいと、周波数帯域が高いほど、伝播距離がより短い。最新の米国内の未許可の通信機器は、2.4ギガヘルツ周波数帯域で動作し、これらにはIEEE802.11b・g(WiFi)、ブルートゥース、及び携帯電話などの機器が含まれる。未許可機器に関係するほかの帯域は、802.11a機器が動作する5ギガヘルツ帯域である。上述のように、超広帯域(UWB)は、別の未許可装置技術である。現在、UWB通信機器は、3.1から10.6ギガヘルツ周波数帯域に許可されているが、メガヘルツで測定された−41.25bBmに制限されている。この技術は、ワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)、及びいくつかのワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)に適しているように思われる。本発明の一実施例は、上述の周波数より低い周波数を占有する、テレビ放送スペクトラムにおける、未許可装置の動作のためのプロトコル、及び方法を提供する。
【0033】
本発明の一実施例では、マスタービーコン信号は、AMまたはFMラジオ局から放送してもよく、あるいはテレビ局から放送してもよい。マスタービーコン信号は、デジタルテレビ局によって放送される制御信号、アナログテレビ局の垂直帰線区間の間に送信された情報、AMまたはFMラジオ局から送信された副搬送波でもよく、あるいは、マスタービーコン信号は、800−900メガヘルツ周波数帯域で、携帯電話事業者に
よって送信してもよい。マスタービーコンには、ローカル地理的地域内で、どの周波数大域が使用可能かという情報を含んでもよい。あるいは、マスタービーコンはさらに、送信電力限界、および優先情報、あるいは、警察、消防、ならびに他の優先サービスおよびユーザーにアクセスを提供してもよい。
【0034】
図4は、本発明の一実施例に一致する、通信プロトコル、または方法を表す。ステップ10では、通信機器は、周波数帯域の一式のマスタービーコンをスキャン、および聞く。ビーコンは、約88から約108メガヘルツのFMラジオ帯域などの、上述のRF帯域のいずれかに送信してもよい。制限ではなく、例示の目的で、マスタービーコンは、その他にもAMラジオ、放送テレビ局、あるいは携帯事業者によって占有されているスペクトラム内で送信されてもよい。ステップ20では、通信機器がマスタービーコン信号を見つけると、どの帯域が通信に使用可能なのかを判断するため、どれが使用可能な帯域なのかをその機器に判断を許す(ステップ30)、マスタービーコン信号を聞く。ステップ40では、通信機器は、次に、使用可能な周波数帯域の一つに同調する。ステップ50では、通信機器は、チャンネルが使用されているか、または別の方法で占有されているかを判断するために聞く。チャンネルが占有されている場合、次の使用可能な帯域に移動する。ステップ60では、通信機器が未占有、または未使用の帯域を発見すると、ローカルビーコン信号を送信し始める。ステップ70では、通信機器は、他の通信機器との通信を確立しても良い。
【0035】
ステップ90では、通信機器がマスタービーコンを発見できなかった場合、機器は、事前設定周波数帯域の一覧をスキャンする。ステップ100では、通信機器は、各帯域を聞き、現在その帯域が占有されているかを判断する。帯域が占有されている場合は、その帯域で送信せず、代わりにステップ80で、次の事前設定帯域をスキャンする。ステップ110では、通信機器が使用可能な帯域を見つけると、ローカルビーコンを送信し始め、ステップ120で、他の通信機器と通信を確立してもよい。複数の通信機器との間で通信が確立されている場合、上述の方法と同じように、定期的にマスタービーコンを確認してもよい。
【0036】
マスタービーコンには、提供されているネットワークサービスの種類に関連する情報、通信機器が、未占有であると分かっている周波数帯域の一覧、高および低データ転送率通信に使用可能なデータ転送率、ならびに高および低データ転送率通信に使用された変調技術を含むことがあるが、これに限定されない。さらに、マスタービーコンは、タイミングチャンネル、測距チャンネル、携帯電話およびその他の予備電源のついた通信機器の電力節約機能、動的ノード・ツー・ノード電源送受信電源制御機能、ネットワーク状況/調子/制御ステータスプロバイダ、無線再プログラミングリンク、無線再キーイングリンク、「シャットダウン」機能、および網形回線網のルーティング更新の方法、などの、広範囲な追加の機能能力を提供してもよい。これら各機能は次に説明されている。
【0037】
マスタービーコンは、タイミングビーコンとして機能することによって、ワイヤレスネットワーク全体に時間精度を与えてもよい。好ましい実施例では、異なるPHYが共通ビーコンにアクセスすることができる。例えば、ブルートゥース対応装置および802.11対応装置は、共通マスタービーコンチャンネルにアクセスする。本発明のこの側面は、ワイヤレスネットワーク全体で、時間情報の共有を可能にする。ワイヤレス機器同士で時間推定を共有することにより、ネットワーク全体における高精度の時間推定を生成することが可能になる。ネットワーク全体のより高い時間精度は、特に時間分割多重(TDMA)ネットワークにおいて、より高い時間精度TDMAプロトコルが使用させることによって、能力の増大させる可能性がある。
【0038】
マスタービーコンはまた、低帯域幅通信機器に低帯域幅通信リンクを与える、特定の無線周波数帯域に関する情報を提供してもよい。低帯域幅メッセージングは、追加の帯域幅を必要とするユーザーのため、帯域幅を確保する。例えば、低帯域幅セキュリティーセンサーは、ステータス情報を報告するのに、高帯域幅通信リンクを必要としないので、広帯域容量を他のアプリケーションに確保する。マスタービーコンのこの側面はまた、限定された予備電力の付いた通信機器またはその他の機器に、電源節約機能を提供することができる。低帯域幅通信チャンネルに、情報、および次のアクセスを与えることによって、マスタービーコンは、携帯あるいは限定電力機器に電力節約を可能にすることがある。例えば、低帯域幅チャンネルを必要とする通信機器は、低帯域幅情報を入手、または通すのに、広帯域幅チャンネルを監視する必要がない。このようにして、限定電力装置は電源節約を改善することができ、より長い動作が確実にされる。
【0039】
マスタービーコンはまた、無線再プログラミングリンクを提供してもよい。本発明は、新しい機能を可能にするため、新しい通信アルゴリズム、または他のプログラミング情報を通信機器に送る。例えば、ソフトウェア無線(Software definable radio(SDR))を用いる通信機器は、通信機器が新しい波形を送信することを可能にする、プログラムを受信してもよい。リアルタイム再プログラミングを提供することによって、装置の送信特性または能力は必要に応じて変えることができる。ソフトウェア無線および他の認知無線に関して規制が変わることから、マスタービーコンは新しい規制に従うため、ソフトウェアおよびファームウェア更新するのに使用してもよい。この無線再プログラミング機能は、通信機器が変化する規制環境に従うことを可能にし、設計者、製造者、ならびに消費者も対しても同様に、ワイヤレス機器の再設計および交換の費用を低減する。
【0040】
マスタービーコンは、無線再キーイング機能を提供してもよい。つまり、マスタービーコンは、保護ネットワークに暗号鍵配布機能を提供してもよく、したがって暗号機器の無線再キーイングを可能にする。この機能は、通信ネットワークにセキュリティーをもたらすことがある。
【0041】
マスタービーコンはまた、「シャットダウン」機能を提供してもよい。ワイヤレス通信機器は、セキュリティーの問題、社会的な理由など、様々な理由ですべての場所で認められていないことがある。例えば、ワイヤレス通信機器は、飛行の安全の理由で、飛行機の中での使用はまだ認められていない、生命の安全の理由で病院内での使用は認められていない、また社会的な理由で、映画館の中で使用することは一般的に望ましくない。本発明は、企業その他が必要に応じて通信機器を停止させることができる、停止機能を提供してもよい。
【0042】
マスタービーコンのこの側面は、警察、消防、あるいはその他の優先ユーザーによって使用されてもよい。例えば、警察、消防などの緊急サービスは、マスタービーコンにすべての通信機器に停止するか、または他の使用可能な周波数を探すように指示する、優先要求を送ってもよい。あるいは、緊急サービス通信機器は、緊急対応メッセージを含んだ信号を送信してもよい。通信機器が、マスタービーコンから優先要求を受信する、または緊急サービス通信機器から緊急対応メッセージを受信すると、チャンネルを空ける、あるいは、送信を停止、またはエマージェンシーサービスにスペクトラムを与えてもよい。本実施例では、機器は、現在のチャンネルを開ける前に、他の機器と新しいチャンネルに移動する交渉をしてもよい。あるいは、通信機器は、即時に送信を停止してもよい。いずれの場合でも、通信機器は、緊急サービスがいつチャンネルを空けるかを判断するため、マスタービーコンを継続して聞いてもよい。この判断がなされると、通信機器は、使用可能な周波数での通信を再確立してもよい。
【0043】
マスタービーコンは、網形回線網のルーティング更新に使用してもよい。携帯網形回線網の問題の一つは、すでにトラフィックで飽和しているノードに、ルーティング情報を更新することである。別個の帯域外のチャンネルを備えることにより、マスタービーコンは、更新されたルーティング情報を飽和したノードに与えることができ、よって他のノードにトラフィックをオフロードすることを許す。さらに、トラフィック帯域幅は、データまたはビット提供チャンネルを占有する代わりに、帯域はずれにされる、共通ルーティング情報を運ぶためには使用されない。
【0044】
マスタービーコンはまた、干渉の評価、および管理してもよい。マスタービーコンを受信する通信機器は、通信機器の受信器によって見られる実際の干渉量を送信してもよい。マスタービーコンは、次にビーコン信号内にこの情報を含むことができ、これにより、ローカル干渉状態の情報を通信する。これは、トランシーバーが目標受信器に基づき、動的に送信電力を調節することを可能にし、よって局所干渉が、送信を混雑させたり、または他の方法で低減させることがない。さらに、送信電源は、放出レベルを超えることを防ぐため、干渉の観点から調節することができる。
【0045】
図5は、本発明の通信プロトコル、または方法を使用することのできる環境を示している。ビーコンステーション130および160は、上述の開示された情報の一部、またはすべてを含むマスタービーコン信号を、それぞれの被覆領域140および150に送信する。各被覆領域内では、多数の適応通信機器D1からD16のネットワークがあっても良い。ネットワークN1、N2およびN3は、ビーコンステーション130の被覆領域140に位置しても良い。ビーコンステーション130および160の被覆領域は、適応通信機器D1からD16の範囲より大きくなることが予測される。しかし本発明は、その観点に限定されない。ネットワークN1、N2およびN3が初期化されると、ビーコンステーション130を聞き、上述の方法で適切な周波数を選択する。これらのネットワーク内での通信の過程において、適応通信機器は、ビーコンステーション130によるマスタービーコン放送を継続して監視する。ネットワークN4は、上述と同様の方法でビーコンステーション160によって送信されたマスタービーコンに応答する。ネットワークN5は、固定ビーコンステーション130または160の範囲から外れている。適応通信機器D17−D19は、ローカルビーコン信号を送信する適応通信機器の一つと、自身のネットワークN5を確立しても良い。各適応通信機器は、マスタービーコンを、さらにスキャンしても良い。ローカルビーコンは、使用可能な無線周波数帯域、およびその他の情報に関連する情報を送信しても良い。
【0046】
例えば、通信機器が図4に関連し記述されているステップを実施すると、ローカルビーコンを送信し、ローカルネットワークN5を確立する。ローカルビーコンには、干渉を防ぐため、ネットワークN5を除く、他の通信機器を妨げる、ローカル通信を確立するため使用される、無線周波数の情報を含む。
【0047】
ローカルビーコンは、いくつかの機能を提供することが出来る。一つの機能は測距チャンネルである。つまり、ローカルビーコンは、通信機器がワイヤレス位置決めビーコンとして機能することを可能にする。通信機器がビーコンノードとして機能することを許すことにより、位置決めアプリケーションは、より簡単に導入することができる。2番目の通信機器は2方向測距プロセスを行うことができる。2方向測距は、非常に正確な測距を可能にし、屋内E−911位置能力を与えることができる。
【0048】
ローカルビーコンはまた、動的ノード・ツー・ノード電源送受信電力制御を備えることができる。つまり、ローカルビーコンは、リンクを維持するために、最小送信電力のみが使用されることを確実にするため、ワイヤレスリンクが、各リンクの端(つまり各通信機器)によって送信された電力を、動的に制御することを許す。これは、ローカルRF環境がすべてのリンクを維持するのに必要な最低レベルに保つことを確実にするするため、網形ネットワーキングなどのアプリケーションに有利である。さらに、この電力制御を送信する機能は、ワイヤレス機器が、変化する規制送信電力制限を活用することを許す。
【0049】
ローカルビーコンはまた、ローカル通信機器によって確立された、ネットワークの状況/調子/制御情報を提供してもよい。ネットワーク状況、調子および制御情報は、低帯域幅チャンネル通して提供されることがある。例えば、ワイヤレス網形ネットワークでのノードの使用可能性の更新は、高帯域幅チャンネルを占有する代わりに、低帯域幅、帯域外チャンネルを使用することができる。
【0050】
通信機器、またはマスター、およびローカルビーコンを使用して動作することのできる、適応通信機器D1−19は、コグニティブ無線からなってもよい。電気電子技術者協会(IEEE)は、コグニティブ無線を「特定の無線スペクトラムの区分が、現在使用中かどうかを理性的に検出し、また他の承認ユーザーの送信を干渉することなく、非常に早く一時的に未使用のスペクトラムに突入する(必要に応じ突出する)よう設計された、無線周波数送受信器」と定義している。連邦通信委員会(FCC)は、コグニティブ無線技術を「自身のネットワーク内で免許所持者により、また、交渉ベース、あるいは便宜的ベースで、スペクトラムアクセスを共有するスペクトラム使用者により、集中的、効率的なスペクトラム使用を可能にする」ものとして定義されている。これらの技術には、とりわけ、位置の判断、近隣の装置によるスペクトラム使用の検地、周波数の変更、出力電力の調整、および送信パラメータおよび特性の変更する装置の能力を含む“。
【0051】
次に図6、図7を参照する、図5に示されている機器D1−19いずれか一つでもよい、適応通信機器の一実施例には、2つの受信器回路180を用いてもよい。明確にするため、本項では、適応通信機器を指定するため、D1を使用する。一番目の受信器回路180は、実質的に継続的に一つの無線周波数

のマスタービーコンを監視してもよく、同時に、他方の受信回路180は、他方の無線周波数

で、他の適応機器と通信する。他の実施例では(図示せず)、適応機器D1は、一つの受信回路180を用い、また、マスタービーコンを監視するため、図7に示されている時間分割多重アクセス(TDMA)フレーム175を用いてもよい。
【0052】
各受信器回路180は、一つ以上のバンドパスフィルター、および一つ以上の低雑音増幅器(図示せず)などの、構成部品を含んでもよい。本実施例では、バンドパスフィルターは、異なる周波数帯域が通過することができるよう、可変、または調節可能でもよい。このようにして、適応機器D1は、上述のように、数々の周波数帯域をスキャンしてもよい。一実施例では、一つの受信器回路180は、マスタービーコンが受信された周波数帯に調整または、「聞いて」もよく、他方の受信回路180が、本質的に同時に、他の周波数帯域での通信を受信することを可能にする。あるいは、適応機器D1は、定期的にマスタービーコンを「聞く」または「監視」してもよく、残りの時間を他の周波数帯域での通信にあてる。
【0053】
適応機器D1のほかの実施例においては、単一受信器回路180のみを用いてもよい。この実施例では、単一受信器回路180は、マスタービーコンが定期的に送信される周波数帯域に応答してもよい。適応機器D1は、マスタービーコンのオフタイム中に通信してもよく、マスタービーコンが存在する場合、「聞く」または「監視」する。あるいは、この実施例では、適応機器D1は、周波数帯域を、通信の実施される帯域と、マスタービーコンが送信される帯域とで定期的に切り替えてもよい。このようにして、適応機器D1は、マスタービーコンの更新情報を監視してもよい。この情報には、緊急サービスのための帯域要求を含んでもよい。そのような要求を受信した場合、適応機器D1は、すべての周波数における送信を停止し、ビーコンを継続して監視する。ビーコン中に緊急サービス要求がもう存在しなくなると、適応機器D1は通常通信を再開することができる。
【0054】
図7を参照する、TDMAフレーム175は、マスタービーコン190を監視するためのタイムスロット、および通信データ200のためのタイムスロットを含むよう、構成されてもよい。マスタービーコンタイムスロット190は、通信データタイムスロット200よりも、低い負荷サイクルでもよい。適応機器D1は、全地球測位システム(GPS)技術などの、地理的位置技術をさらに含んでもよい。地理的位置対応適応機器D1は、地理的位置によって参照される、使用可能な周波数帯域の一覧のデータベースをさらに含んでもよい。この種類の適応機器D1は、その地理的位置において使用可能と報告された周波数をスキャンし、送信の前に、「クリア」または使用可能なチャンネルを聞く。
【0055】
本発明の実施例に従い構成された、適応通信機器D1は、低および高データ転送率トランシーバー両方を用いてもよい。適応通信機器D1は、電話、携帯情報端末、携帯コンピューター、ラップトップ・コンピューター、デスクトップ・コンピューター、メーンフレーム・コンピューター、ビデオ・モニター、コンピューター・モニター、または、適応技術を用いるほかの装置いずれでもよい。あるいは、適応通信機器D1は、複数の周波数を、同時、または順次のいずれかで、聞くことを可能にするスキャンニング技術を用いてもよい。
【0056】
低データ転送率トランシーバーは、一般的に少量のエネルギーを使用し、高データ転送率トランシーバーは、一般的に著しく多量のエネルギーを使用する。本発明の一つの利点としては、低および高データ転送率トランシーバーの両方を用いる適応通信機器D1は、高データ転送率(HDR)部分が出力を下げられている間の、(マスタービーコンの)発見、制御、ネットワーク・ログオン、およびプロトコル交渉に、低データ転送率(LDR)部分を使うことができることであり、よって電力を節約し、電池寿命を延ばす。例えば、LDRトランシーバーは、ローカル適応機器またはネットワークに信号を送り、その通信能力を発見する。そしてLDRトランシーバーは、ローカル適応機器/ネットワークと同期することができ、同期情報を、これまでスリープモードだった、HDRトランシーバーに与え、それによりエネルギーを節約する。
【0057】
本発明の一実施例において、低データ転送率送信器が、携帯タブレットコンピューターなどの、ハンドヘルド適応通信機器に使用されている。この適応通信機器D1は、放送テレビジョン信号を受信し、低データ転送率送信機を通じ、テレビジョン・サービス事業者と相互作用することができる。このテレビジョン放送への「バックチャンネル」は、テレビジョン、または商業ラジオ事業者、および消費者に、リアルタイムに近い双方向性を与える。代替的な実施例には、「バックチャンネル」のための高データ転送率送信器を含んでもよい。
【0058】
よって、本発明の一つの特徴は、マスターおよびローカルビーコンの形で、共通信号プロトコルを提供することであり、適応機器D1は、遊休周波数帯域を使用して通信することができる。さらに、適応機器D1は、スペクトラムが必要される場合、緊急サービスに譲り渡すことができる。
【0059】
別の適応通信機器D1には、異なる物理レイヤー(PHYs)を含んでもよい。本発明の別の特徴は、異なる物理レイヤー(PHYs)を用いる装置の間での通信の、共通通信方法、またはプロトコルを提供することである。本発明の様々な実施例は、これらの通信機器同士の通信を可能にする、特徴や、機能を提供する。本文に定義されているように、「物理レイヤー」は、ビット(すなわちデータ)送信および受信のために物理要素を活性化し使用する、能力と手順を提供する。よってワイヤレス通信で、PHYによって実行される主要な機能は、電波などの、通信媒体への接続の確立、および停止、また通信媒体上で、送信および/または受信されるデジタルデータとそれに対応する信号またはパルスに変換することである。簡単に言えば、PHYの一つの機能は、ビットを、パルス、または変調された搬送波に変えることである。PHYは、コンピュータソフトウェア、ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェアの両方の形式でもよい。
【0060】
本発明の一実施例では、PHYに超広帯域PHYを含んでもよい。他の実施例では、超広帯域PHY技術を含まないことがあり、よって、本発明は超広帯域通信技術のみに限定されない。
【0061】
電気電子技術者協会(IEEE)は、超広帯域技術を使うことがある、様々なネットワーク、および他の通信環境のための、規則および通信基準を現在策定している。これらの異なる通信基準は、異なる規則、また、各基準への物理レイヤー干渉をもたらすこととなることがある。例えば、IEEE802.15.3(a)は超広帯域WPANの基準に関係する。超広帯域はまた、IEEE802.15.4(センサーおよび制御装置の基準)、802.11n(ローカル・エリア・ネットワークの基準)、地中探知レーダー、スルーウォール画像、および他のネットワーク、および環境に用いられてもよい。これら各機器は、超広帯域通信技術を用いてもよく、また、各機器は固有の通信基準があってもよい。
【0062】
本文で使用されている、適応通信機器D1内の適応PHYは、広い範囲の周波数での通信が可能なRFフロントエンドからなってもよい。PHYは、通信チャンネルが使用可能かを判断するため、多数の周波数をスキャンすることができる。スキャンの手順には、受信器フロントエンドを、特定の周波数帯域に一定時間開放することからなってもよい。その時間に信号が受信される場合、機器は、信号をマスタービーコンとして解釈することを試みてもよい。受信された信号が、マスタービーコンでない場合、機器は、チャンネルはクリアではないと判断し、次の周波数帯域に移動してもよい。
【0063】
一般的に、PHYへのアクセスは、媒体アクセス制御レイヤー(MAC)によって制御されている。MACは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)でよく用いられるが、アドホックネットワークを含む、他の種類のネットワークに用いられてもよい。本発明で、MACは一般的に共通通信チャンネルを共有する、適応機器D1−19が互いに干渉しあうことを避けるために使用されている。各適応機器D1−19に含まれているMACは、コンピュータソフトウェア、ハードウェア、あるいはソフトウェアとハードウェア両方の形式でもよい。本文で説明されているMACは、ネットワーク上の一適応機器D1が、マスタ機器として指定されている、マスタ/スレーブMACでもよい。マスタ機器は、ネットワーク上のスレーブ機器同士、および、マスタとスレーブ機器間での通信を調整する。一実施例では、マスタ機器は、ローカルビーコン信号を送信してもよい。このローカルビーコン信号は、他の機器にネットワークの存在と、その使用可能性を知らせる。さらに、このローカルマスタービーコン信号には、マスタ機器がどの周波数帯域が使用可能、または「クリア」であるとして知っているかという情報を含んでもよい。マスタ機器は、さらに上述のようにマスタービーコン信号を監視してもよい。マスタ機器は、さらにそのネットワークを、別の使用可能な周波数帯域に移動を決定してもよい。この場合、ローカルビーコンは、スレーブ機器がどの周波数帯域に動くべきかを伝達するために使用されてもよい。
【0064】
本発明の別の側面は、通信ネットワークN1−5の一部は、図5に示されているように、有線媒体の一部を含んでもよいことを想定する。例えば、ネットワークN4のいくつかの適応機器D10−16は、マスタービーコンによって指定された無線周波数帯域上をワイヤレスで通信しても良いが、一つ以上の適応機器D10−16は、有線媒体を通して、情報を送信しても良い。よって、適応機器D10−16は、ワイヤレスで情報を受信することができ、そして有線ネットワークを通じて情報を送信する、あるいは逆も同様である。
【0065】
よって、本発明は、ワイヤレスまたは、優先媒体とワイヤレス構成要素との混合であっても、いずれの種類のネットワークに用いることができる。つまり、同軸ケーブルなどの有線媒体、ならびに衛星、または携帯電話アンテナなどのワイヤレス機器の両方に使用することができる。本文に定義されているように、ネットワークは、通信経路によって接続された点またはノードの一群である。通信経路は、有線を使用しても良いし、あるいは、ワイヤレスでも良い。本文に定義されているネットワークは、他のネットワークと相互接続してもよく、またサブ・ネットワークを含んでもよい。本文に定義されているネットワークは、例えば、とりわけローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、広域ネットワーク(WAN)、およびワイヤレス・パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)などの、空間距離の点において特性化することができる。本文に定義されているネットワークはまた、例えば、とりわけ、伝送制御プロトコル(TCP/IP)ネットワーク、システム・ネットワーク・アーキテクチャー・ネットワークなど、ネットワークによって、使用されているデータ送信技術の種類によって特性化することができる。本文に定義されているネットワークはまた、音声、データ、あるいは両方の種類の信号を搬送しているかどうかで、特性化することができる。本文に定義されているネットワークはまた、例えば、とりわけ、公衆交換電話網(PSTN)または他の種類の公衆ネットワーク、およびプライベートネットワーク(一つの部屋または家の中など)のユーザーなどの、ネットワークのユーザーによって特性化しても良い。本文に定義されているネットワークはまた、例えば、とりわけ、ダイアルアップ・ネットワーク、スイッチド・ネットワーク、専用ネットワーク、および、非スイッチド・ネットワークなどの、通常の接続の性質によって特性化しても良い。本文に定義されているネットワークはまた、例えば、とりわけ光ファイバー、同軸ケーブル、両方の混合、非シールドツイストペア、シールド付ツイストペアなど、それが用いる物理的リンクの種類によって、特性化しても良い。
【0066】
したがって、共通信号伝達方法が提供されている。当業者には当然のことながら、限定する目的ではなく例示する目的のために本明細書で説明した、上記の実施形態以外によっても、本発明を実現することは可能である。本明細書および図面は、本発明文献の内容を限定するためではない。本明細書で説明した特定の実施形態と同等なあらゆる実施形態も、本発明を実現できることに留意されたい。つまり、本発明は、本文で特定な実施例とあわせて論じられているが、様々な代案、改良、置換、変化物は、前述の観点から、当業者に明白になるのは明らかである。したがって、本発明は、すべてそのような、代案、改良、および変化物を、添付の請求の範囲に入るものとして、受け入れることを目的としている。製品、手順、あるいは方法が、上述の模範的実施例の一つ以上との違いを示すという事実は、その製品や、手順が請求の範囲(字義通りの範囲および/または法的に認められた範囲)外であることを意味しない。

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】異なる通信方法の図示である。
【図2】二つの超広帯域パルスの図示である。
【図3】2002年4月22日連邦通信委員会によって規定された、超広帯域放出限度の表である。
【図4】本発明の一実施例と一致する通信方法を示す。
【図5】本発明に従い構築されたトランシーバーの無線ネットワークを示す。
【図6】本発明の一実施例に従い構築された適応通信機器を示す。
【図7】本発明の一実施例に従う時分割多重アクセスフレーム構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信の方法であって、
複数の無線周波数の、マスタービーコン信号をスキャンし、
無線周波数の一覧を含む、マスタービーコン信号を受信し、
前記無線周波数の一覧の、未使用無線周波数をスキャンし、さらに
前記未使用無線周波数上で信号を送信すること、
を特徴とする通信方法。
【請求項2】
前記複数無線周波数が、約50メガヘルツから、約1ギガヘルツの範囲にある無線周波数からなることを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項3】
前記複数無線周波数が、テレビジョン信号を送信するために使用される、無線周波数からなることを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項4】
ローカルビーコン信号を送信し、さらに
前記複数無線周波数の前記マスタービーコン信号を定期的にスキャンすること、
をさらに特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項5】
前記マスタービーコン信号を検知し、
前記マスタービーコン信号に優先信号が含まれる場合、送信を停止し、
前記マスタービーコン信号を監視し、さらに
前記マスタービーコン信号に優先信号が不在の場合、送信すること、
をさらに特徴する、請求項4記載の通信方法。

【請求項6】
前記マスタービーコン信号は、AMラジオ局、FMラジオ局、およびテレビジョン放送局からなる一群から選択され、商業放送局により送信されることを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項7】
前記マスタービーコン信号は、アナログテレビジョン放送信号の、垂直帰線区間に存在することを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項8】
前記マスタービーコン信号は、デジタルテレビジョン放送信号の一部に存在することを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項9】
前記マスタービーコン信号は、前記無線周波数の一覧、通信データ転送率、信号変調方法、タイミング情報、測距情報、シャットダウン機能、電力制御情報、および有線信号情報からなる一群から選択される情報を含むことを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項10】
前記無線周波数の一覧は、テレビジョン信号無線周波数からなることを特徴とする、請求項1記載の通信方法。
【請求項11】
通信の方法であって、
複数の無線周波数の、マスタービーコン信号をスキャンし、
マスタービーコン信号を検出せずに、
前記複数無線周波数の、未使用周波数をスキャンし、さらに
未使用無線周波数上で信号を送信すること、
を特徴とする通信方法。
【請求項12】
前記複数無線周波数が、約50メガヘルツから、約1ギガヘルツの範囲にある周波数からなることを特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項13】
前記複数無線周波数は、テレビジョン信号を送信するために使用される無線周波数からなることを特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項14】
ローカルビーコン信号を送信し、さらに
前記複数無線周波数の前記マスタービーコン信号を定期的にスキャンすること、
をさらに特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項15】
前記マスタービーコン信号を検知し、
前記マスタービーコン信号に優先信号が含まれる場合、送信を停止し、
前記マスタービーコン信号を監視し、さらに
前記マスタービーコン信号に優先信号が不在の場合、送信すること、
をさらに特徴する、請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記未使用無線周波数は、通信信号を含まない無線周波数からなることを特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項17】
前記未使用無線周波数は、テレビジョン信号を送信するために使用される無線周波数からなることを特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項18】
前記未使用無線周波数は、約50メガヘルツから、約1ギガヘルツの範囲にある、無線周波数からなることを特徴とする、請求項11記載の通信方法。
【請求項19】
複数無線周波数で、マスタービーコン信号を送信するマスタ装置からなり、
複数無線周波数をスキャンし、前記マスタービーコン信号を受信し、前記マスタービーコン信号から無線周波数の一覧を入手し、前記無線周波数の一覧の未使用周波数をスキャンし、かつ未使用無線周波数上で信号を送信するよう、少なくとも一つのスレーブ装置が構成されることを特徴とする、通信ネットワーク。
【請求項20】
前記無線周波数の一覧は、テレビジョン信号を送信するために使用される、無線周波数からなることを特徴とする、請求項19記載の通信ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−508790(P2008−508790A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523548(P2007−523548)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/014630
【国際公開番号】WO2006/022903
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(505334019)パルス−リンク、インク (5)
【Fターム(参考)】