説明

内分泌腺ガンを検出するための方法

カリクレイン(12)タンパク質、カリクレイン(14)タンパク質およびカリクレイン(15)タンパク質、ならびに、該タンパク質をコードする核酸は、内分泌腺ガン(特に卵巣ガン)の検出において特に適用される。カリクレイン(12)タンパク質、カリクレイン(14)タンパク質およびカリクレイン(15)タンパク質、ならびに、該タンパク質をコードする核酸は、内分泌腺ガンの診断およびモニターリング(すなわち、内分泌腺ガンの進行または治療的処置をモニターすること)のための新しいバイオマーカーを構成する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者における内分泌腺ガンに関連するカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸を検出するための方法であって、
(a)サンプルを患者から得ること、
(b)カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸をサンプルにおいて検出または同定すること、および
(c)検出された量を、標準について検出された量と比較すること
を含む方法。
【請求項2】
患者が内分泌腺ガンに冒されているか、または内分泌腺ガンに対する素因を有するかを評価する方法であって、
(a)患者から得られたサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベル、および
(b)コントロール被験者から得られた同じタイプのサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベル
を比較することを含み、
カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のコントロール被験者由来の対応するレベルに対して、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸の著しく変化したレベルにより、患者が内分泌腺ガンに冒されているということが示される、方法。
【請求項3】
カリクレイン14のレベルが、コントロールの正常な被験者に由来するレベルと比較され、正常な被験者に対するレベルに対してカリクレイン14の上昇したレベルにより、患者が乳ガンまたは卵巣ガンに冒されているということが示される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
患者における内分泌腺ガンの進行をモニターするための方法であって、
(a)患者から得られたサンプルにおけるカリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質、あるいは、該タンパク質をコードする核酸を第1の時点において検出すること、
(b)その後の時点において工程(a)を繰り返すこと、および
(c)(a)および(b)で検出されたレベルを比較し、それから、内分泌腺ガンの進行をモニターすること
を含む方法。
【請求項5】
内分泌腺ガンの攻撃性または無痛性を評価するための方法であって、
(a)患者サンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベル、および
(b)コントロールサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベル
を比較することを含み、
患者サンプルにおけるレベルと、コントロールサンプルにおけるレベルとの間における著しい差により、ガンが攻撃性または無痛性であるということが示される、方法。
【請求項6】
内分泌腺ガンが転移しているか、または、将来に転移する可能性があるかを決定するための方法であって、
(a)患者サンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベル、および
(b)コントロールサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸の非転移性レベル
を比較することを含む、方法。
【請求項7】
被験者における卵巣ガン腫を診断およびモニターするための方法であって、被験者から得られたサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15を測定することを含む方法。
【請求項8】
カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15が、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいはその一部分と特異的に反応し得る抗体を使用して測定される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
内分泌腺ガンについて被験者をスクリーニングするための方法であって、(a)生物学的サンプルを被験者から得ること;(b)前記サンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15の量を検出すること;および(c)検出されたカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15の前記量を所定の標準と比較することを含み、標準のレベルと著しく異なるレベルのカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15が検出されることにより、内分泌腺ガンが示される、方法。
【請求項10】
カリクレイン14のレベルが正常なレベルと比較され、正常なサンプルと比較してサンプルにおけるカリクレイン14の上昇したレベルにより、卵巣ガンまたは乳ガンが示される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)被験者から得られた生物学的サンプルを、検出可能な物質で直接的または間接的に標識される、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15について特異的な第1の抗体、および、固定化されている、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15について特異的な第2の抗体とインキュベーションすること、
(b)検出可能な物質を検出し、それにより、生物学的サンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15を定量すること、および
(c)定量されたカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15を、所定の標準に対するレベルと比較すること
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
被験者から得られたサンプルにおける内分泌腺ガンを診断およびモニターするための方法であって、サンプルから核酸、好ましくはmRNAを単離すること、および、サンプルにおけるKLK12核酸、KLK14核酸および/またはKLK15核酸を検出することを含む、方法。
【請求項13】
標準またはコントロールと比較して、サンプルにおけるKLK12核酸、KLK14核酸および/またはKLK15核酸の異なるレベルの存在により、疾患、疾患段階および/または予後が示される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
被験者における卵巣ガンの存在または非存在を決定するための方法であって、(a)被験者から得られたサンプルを、KLK12、KLK14および/またはKLK15にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドと接触させること;および(b)KLK12、KLK14および/またはKLK15にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドのレベルを、所定のカットオフ値に対して、サンプルにおいて検出し、それから、被験者における卵巣ガンの存在または非存在を決定することを含む、方法。
【請求項15】
ポリヌクレオチドがmRNAであり、ポリヌクレオチドのレベルがポリメラーゼ連鎖反応によって検出される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ポリヌクレオチドがmRNAであり、mRNAの量が、KLK12、KLK14および/またはKLK15、あるいは、KLK12、KLK14および/またはKLK15の相補体にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリダイゼーション技術を使用して検出される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(a)被験者から得られたサンプルを、KLK14またはKLK15の一方または両方にハイブリダイゼーションするオリゴヌクレオチドと接触させること;および(b)KLK14またはKLK15の一方または両方にハイブリダイゼーションするポリヌクレオチドのレベルを、所定のカットオフ値に対して、サンプルにおいて検出し、それから、被験者における卵巣ガンの存在または非存在を決定すること
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
KLK14のmRNAおよびKLK15のmRNAの一方または両方が、(a)サンプルからmRNAを単離し、該mRNAを、cDNAに変換するための試薬と一緒にすること;(b)変換されたcDNAを、増幅反応試薬、ならびに、KLK14およびKLK15の一方または両方にハイブリダイゼーションする核酸プライマーで処理して、増幅生成物を得ること;(d)増幅生成物を分析して、KLK14のmRNAおよびKLK15のmRNAの一方または両方の量を検出すること;および(e)mRNAの量を、類似する核酸プライマーを使用して得られる正常な組織および悪性の組織に対する予測値のパネルに対して検出された量と比較することによって検出される、請求項12または13に記載の方法。
【請求項19】
コントロールと比較して患者におけるKLK14の上昇したレベルにより、早期段階の疾患(病期IまたはII)、最適な縮小化、より長い進行のない疾患生存および全生存が示され、かつ/または、被験者が化学療法に応答し得ることが示される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
コントロールと比較して患者におけるKLK15の上昇したレベルにより、卵巣ガンが示される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
コントロールと比較して患者におけるKLK15の上昇したレベルにより、低下した進行のない生存および全生存が示される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
卵巣ガンを画像化するためのインビボ方法であって、
(a)ガンを画像化するための標識を有する、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15に結合する薬剤を患者に注射すること、
(b)前記薬剤をインビボでインキュベーションし、ガンに関連するカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15に結合させること、および
(c)ガンに局在化した標識の存在を検出すること
を含む、方法。
【請求項23】
内分泌腺ガンに寄与する試験化合物の潜在的可能性を評価する方法であって、
(a)内分泌腺ガン疾患細胞の個々のアリコートを試験化合物の存在下および非存在下で維持すること、および
(b)アリコートのそれぞれにおける、カリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質、あるいは、該タンパク質をコードする核酸のレベルを比較すること
を含み、
試験化合物の非存在下で維持されたアリコートに対して、試験化合物の存在下におけるカリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質、あるいは、該タンパク質をコードする核酸のレベルの著しい差により、試験化合物が、内分泌腺ガンに寄与する潜在的可能性を有するということが示される、方法。
【請求項24】
患者における内分泌腺ガンを阻害するための試験薬剤の潜在的効力を評価するための方法であって、
(a)患者から得られ、試験薬剤に曝された第1のサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸、ならびに、場合によっては他の内分泌腺ガンマーカーのレベル、および
(b)患者から得られ、試験薬剤に曝されていない第2のサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに、場合によっては他のマーカーのレベル
を比較することを含み、
第2のサンプルに対して、第1のサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸、ならびに、場合によっては他のマーカーの発現レベルの著しい差により、試験薬剤が、患者における内分泌腺ガンを阻害するために潜在的に有効であるということが示される、方法。
【請求項25】
患者における内分泌腺ガンを阻害するための治療の効力を評価するための方法であって、(a)治療の少なくとも一部を患者に施す前の患者から得られた患者由来のサンプルにおけるカリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質、あるいは、該タンパク質をコードする核酸のレベルと、(b)治療後の患者から得られた第2のサンプルにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、あるいは、該タンパク質をコードする核酸のレベルとを比較することを含む、方法。
【請求項26】
患者における内分泌腺ガンを阻害するための薬剤を同定または選択するための方法であって、
(a)サンプルを患者から得ること、
(b)サンプルのアリコートを複数の試験薬剤の存在下で個々に維持すること、
(c)それぞれのアリコートにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸、ならびに、場合によっては他の内分泌腺ガンマーカーを比較すること、および
(d)カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸、ならびに、場合によっては他の内分泌腺ガンマーカーのレベルを、他の試験薬剤に対して、その試験薬剤を含有するアリコートにおいて変化させる試験薬剤の1つを選択すること、
を含む、方法。
【請求項27】
患者における内分泌腺ガンを阻害する方法であって、
(a)疾患細胞を含むサンプルを患者から得ること、
(b)サンプルのアリコートを複数の試験薬剤の存在下で個々に維持すること、
(c)それぞれのアリコートにおけるカリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベルを比較すること、および
(d)カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15、ならびに/あるいは、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15をコードする核酸のレベルを、他の試験薬剤に対して、その試験薬剤を含有するアリコートにおいて変化させる試験薬剤の少なくとも1つを患者に投与すること、
を含む、方法。
【請求項28】
サンプルが血清を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
内分泌腺ガンが卵巣ガンである、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
カリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質、あるいは、カリクレイン12タンパク質、カリクレイン14タンパク質および/またはカリクレイン15タンパク質に結合する薬剤、あるいは、KLK12、KLK14および/またはKLK15、あるいは、KLK12、KLK14および/またはKLK15にハイブリダイゼーションするプローブまたはプライマーを含む診断組成物。
【請求項31】
卵巣ガンを処置するための医薬組成物を調製する際の、カリクレイン12、カリクレイン14および/またはカリクレイン15の使用。
【請求項32】
前記請求項のいずれかに記載されるような方法を行うためのキット。
【請求項33】
患者における卵巣ガンまたは乳ガンの存在を決定するためのキットであって、カリクレイン14に特異的に結合する結合性薬剤の既知量を含み、結合性薬剤が検出可能な物質を含むか、または、検出可能な物質に直接的もしくは間接的に結合する、キット。
【請求項34】
患者における卵巣ガンの存在を決定するためのキットであって、KLK14およびKLK15の一方または両方に結合するオリゴヌクレオチドの既知量を含み、オリゴヌクレオチドが検出可能な物質で直接的または間接的に標識される、キット。
【請求項35】
患者における卵巣ガンを阻害するための複数の薬剤のそれぞれの好適性を評価するためのキットであって、カリクレイン14、KLK14および/またはKLK15を検出するための複数の薬剤および試薬を含む、キット。
【請求項36】
薬物発見業務を行う方法であって、
(a)患者における内分泌腺ガンを阻害する薬剤を同定するために、請求項26に記載される方法を提供すること、
(b)動物における効力および毒性について、工程(a)において同定された薬剤またはそのさらなるアナログの治療プロファイリングを行うこと、および
(c)許容され得る治療プロフィルを有するとして工程(b)において同定された1つ以上の薬剤を含む医薬用調製物を配合すること
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図13】
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【図14】
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【図17】
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【公表番号】特表2006−500036(P2006−500036A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−538614(P2004−538614)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001478
【国際公開番号】WO2004/029285
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【出願人】(505109875)マウント シナイ ホスピタル (4)
【Fターム(参考)】