内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器
【課題】 従来、蓋と包装との間に隙間が生じるおそれがあり、容器内に収納される内容物の品質が劣化するおそれがあった
【解決手段】 内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、開口部に対応する第1開口部を有し、内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、開口部に対応する第2開口部を有し、内容物を密閉するように支持体を被覆するシート状の包装部と、閉じた状態のとき開口部を覆い、開いた状態のとき開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、を備える。
【解決手段】 内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、開口部に対応する第1開口部を有し、内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、開口部に対応する第2開口部を有し、内容物を密閉するように支持体を被覆するシート状の包装部と、閉じた状態のとき開口部を覆い、開いた状態のとき開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開口部を介して内容物が取出し又は取り入れ可能に構成された容器について、様々なタイプのものが開発されている。
【0003】
図15に、従来の容器500の説明図を示す。なお、容器500は、菓子類を封入する容器であるものとする。図11に示すように、容器500は、トレー502、袋503、を有する。トレー502には、菓子501が載置される。袋503は、トレー502を被覆し、菓子501を包み込む。
【0004】
図15に模式的に示すように、商品の購入者が袋503を開封してしまうと、袋503は密封していた状態に復元されることは困難となる。よって、商品の購入者は、一度袋503を開封した後は、速やかに菓子501を食べる必要がある。
【0005】
図16に、従来の他の容器600の説明図を示す。なお、容器600は、菓子類を封入する容器であるものとする。図16に示すように、容器600は、トレー602、袋603、を有する。トレー602には、菓子601が載置される。袋603は、トレー602を被覆し、菓子601を包み込む。
【0006】
容器600の場合、袋603の取出し口に、チャック604が取り付けられている。よって、商品の購入者は、一度袋603を開封した後も、チャック604を閉めた状態とすることにより、袋603内部の気密性を確保することができる。但し、菓子601を取り出すためには、袋603からトレー602を取り出す必要がある。
【0007】
ここで、図17を用いて、湿潤材(例えば、ウェットティッシュ等)を収納する従来の容器700について説明する。図17に示すように、容器700は、ウェットティッシュ701、ウェットティッシュ701を収納する袋702、密閉用のシート703を有する。ウェットティッシュ701は、幾層にも重ねあわされた状態で、容器700に収納される。
【0008】
容器700では、シート703が開けられることにより露出する開口を介して、容器700内のウェットティッシュ701は取り出される。また、シート703が閉じられることにより開口を閉じた状態とし、容器700の密閉性を確保する。なお、図12には、商品の購入者がウェットティッシュ701を消費する前の状態が示されている。このときのウェットティッシュ701の束の厚みをT1とする。
【0009】
次に、図18を用いて、上述の容器700の問題点を説明する。尚、袋702は、例えば、軟性のシート部材(ポリエチレン等)であるものとする。ウェットティッシュ701が消費されるに従って、ウェットティッシュ701の束の厚みはT1(図17参照)からT2にまで減少する。ウェットティッシュ701の束の厚みはT2になったとき、袋702は、図17のように張った状態から図18のように弛んだ状態となる。図18のように袋702が弛んだ状態となると、商品の購入者は、密閉用のシート703により、袋702の開口をスムーズに閉じることができない。そして、シート703と袋702との間に隙間が生じてしまうと、内部に封入されたウェットティッシュ701を湿潤状態に保つことが困難となるおそれもある。
【0010】
また、シート703に代えて、硬質の蓋を袋702に取り付ける場合にも、弛んだ状態の袋702に対して硬質の蓋を取り付ける際に、蓋と袋との間に隙間が生じるおそれがある。
【0011】
なお、ウェットティッシュ用の容器としては、特許文献1、特許文献2に記載の容器が開発されている。
【特許文献1】特開2006−117320号公報
【特許文献2】特開2006−282243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のように、従来の容器では、蓋と包装との間に隙間が生じるおそれがあり、容器内に収納される内容物の品質が劣化するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる容器は、内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、前記開口部に対応する第1開口部を有し、前記内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、前記開口部に対応する第2開口部を有し、前記内容物を密閉するように前記支持体を被覆するシート状の包装部と、閉じた状態のとき前記開口部を覆い、開いた状態のとき前記開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、を備える。
【0014】
シート状の包装部は、支持体に支持されることにより、張った状態に維持され、弛まない。よって、蓋と包装との間に隙間が生じることを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
蓋と包装との間に隙間が生じることが抑制され、容器内に収納される内容物の品質が劣化することが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態は、説明の便宜上、簡略化されている。図面は簡略的なものであるから、図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。図面は、もっぱら技術的事項の説明のためのものであり、図面に示された要素の正確な大きさ等は反映していない。同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。さらに、上下左右という方向を示す言葉は、図を正面視した場合を前提として用いるものとする。
【0017】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。尚、図1は、容器1Aの斜視図である。図2は、図1に示したX点とX点とを結ぶラインに沿う容器1Aの概略的な断面図である。図3に支持体5Aの斜視図である。図4は、ウェットティッシュ4が消費された状態を示す断面図である。
【0018】
図1に、第1の実施の形態にかかる容器1Aの斜視図を示す。図1に示すように、容器1Aは、シート状の包装(包装部)2、ラベル(蓋部)3を有するパッケージである。また、容器1Aは、包装2の主面2cに開口部OPを有する。尚、開口部OPは、ラベル3の下の点線で示す領域に設けられる。
【0019】
容器1Aは、包装2が閉じられることで構成される袋状の包装である。容器1Aは、端部2a、端部2b、主面2cを有する。端部2a及び端部2bは、包装2の上下に重ねあわされた部分が熱圧着されることにより形成される。端部2aと主面2cとの間には斜面が形成され、また、端部2bと主面2cとの間にも斜面が形成される。包装2の主面2cは、略平坦に構成される。換言すると、容器1Aは、端部2a、主面2c、端部2bにかけて、リッジ状の形状を有する。
【0020】
容器1Aは、包装2の表面と一致する主面2cにラベル3を有する。換言すると、ラベル3は、包装2の主面2cに取り付けられる。尚、ここでは、ラベル3は、包装2と一体として構成される。
【0021】
ラベル3は、容器1Aの主面2cに伏せられたり、容器1Aの主面2cに倒立させられたりする。ラベル3が伏せた状態(閉じた状態)にあるときには、主面2cに形成された開口部OPは、ラベル3に覆われた状態にある。ラベル3が倒立した状態(開いた状態)にあるとき、主面2cに形成された開口部OPは、ラベル3により覆われずに、容器1Aの表面に露出する。なお、ラベル3は、ラベル3の端部3aが摘まれることにより、上述のように開閉される。
【0022】
図2に、図1に示したX点とX点とを結ぶラインに沿う容器1Aの概略的な断面図を示す。図2に示すように、容器1Aは、包装(包装部)2、ラベル(蓋部)3、ウェットティッシュ(内容物)4、支持体5Aを有する。
【0023】
包装2は、袋状の包装であり、端部2a、端部2b、主面2cを有する。上述のように、端部2a、端部2bは、包装2の熱圧着された部分である。また、主面2cには、容器1Aの開口部OPに対応する開口部OP1が形成される。開口部OP1は、ウェットティッシュ4の取出し口として機能する。尚、包装2は、シート状(膜状)の軟性部材で構成される。換言すると、包装2は、可撓性を有する。また、包装2は、容器1Aの内部を気密に保つため、気密性の材料から構成される。
【0024】
ラベル3は、包装2の主面2cに配置される。ラベル3は、端部3aと端部3bを有する。ラベル3の端部3bは、包装2の主面2cに固定されている。他方、ラベル3の端部3aは、包装2の主面2cに着脱可能に構成される。かかる構成により、ウェットティッシュ4は、開口部OPを介して容器1Aの内部から外部へと取り出されることができる。なお、ラベル3と包装2の主面2cとの密着性を確保するために、対向するラベル3の一面又は包装2の主面2cのいずれか又は双方には接着性のある材料が塗布される。つまり、ラベル3又はラベル3が付着される包装2の領域をシール性の材料で構成しても良い。
【0025】
ラベル3は、包装2と同様に、シート状の軟性部材で構成される。換言すると、ラベル3は、可撓性を有する。ラベル3は、包装2と一体に形成され、包装2と同一の材料から構成される。
【0026】
ウェットティッシュ4は、図2に示すように、包装2の内部に収納される。また、ウェットティッシュ4は、支持体5Aの内部に収納される。ウェットティッシュ4は、湿潤材であり、外気にさらされることにより湿潤性が劣化する。すなわち、ウェットティッシュ4は、外気に触れることにより乾燥してしまう。
【0027】
支持体5Aは、図2に示すように、包装2の内部に収納される。また、支持体5Aは、基部5a、壁部5bから構成される器状の部材である。ここでは、支持体5Aは、プラスチック材料又は加工された紙材料等からなる軽量の容器である。
【0028】
基部5aは、平板状の部材であり、一面(載置面)にウェットティッシュ4が載置される。壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材であり、積層されたウェットティッシュ4の周囲の全体を囲むように配置される。なお、ウェットティッシュ4の積層方向は、容器1Aからウェットティッシュ4が取り出される方向と等しい。また、換言すると、壁部5bは、基部5aの縁部分に連なって形成される。このような構成により、支持体5Aの機械的な強度を確保することもできる。また、壁部5bが連なって形成される基部5aの縁の全域に亘って、壁部5bの高さは実質的に等しく設定される。
【0029】
支持体5Aは、後述するように、ティッシュを湿潤状態とさせるために充填させる液体の受け皿としても機能する。なお、支持体5Aが有する開口部OP2は、壁部5bの内壁の間に等しい。
【0030】
図3に支持体5Aの斜視図を示す。図3に示すように、支持体5Aは、基部5a、壁部5bにより、器状の部材として構成される。
【0031】
なお、支持体5Aの表面には、包装2の内面が密着した状態で配置される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Aを被覆するからである。これにより、支持体5Aのように、器状の部材であっても、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0032】
本実施形態においては、上述のように、包装2の内部に支持体5Aが収納される。これにより、たとえ、ウェットティッシュ4が消費されたとしても、包装2は支持体5Aにより支持され、包装2が弛むことはない(図4を併せて参照のこと)。従って、商品の購入者が、ラベル3を包装2の主面2cに伏せた状態とする場合に、ラベル3と包装2との間に隙間が生じることが抑制される。よって、容器の内部にあるウェットティッシュ4の品質が劣化されることが抑制される。
【0033】
尚、容器1Aは、例えば、次の手順により製造することができる。まず、支持体5Aの内部に、湿潤状態とされる前のティッシュの積層体を載置する。尚、支持体5Aは、上述のように、器状の部材であって、広い開口部OP2を有する。よって、作業主体は、簡易にティッシュを支持体5Aの基部5aの一面に載置できる。
【0034】
次に、支持体5Aの一面に載置されたティッシュに、支持体5Aを器として液体を充填する。このとき、支持体5Aは、器として機能するため、効果的に液体を充填することができる。また、支持体5Aは、ウェットティッシュ4の積層体の厚みよりも高い壁部5bを有する。よって、支持体5Aを器として、十分な量の液体を充填することができる。液体を十分に充填することができるため、長期保存用の容器とすることもできる。次に、ウェットティッシュ4が載置された支持体5Aを、一般的な包装技術(いわゆるピロー包装技術等)に基づいて、包装2で被覆する。そして、包装2の上下に重ねあわされた部分を熱圧着させる。このようにして容器1Aを製造することができる。なお、製造方法については、他の方法も採用することができることは言うまでもない。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について、図5、図6を用いて説明する。図5は、本実施形態にかかる容器1Bの断面図である。図6は、支持体5Bの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Bを採用した点である。
【0036】
図5に、本実施形態にかかる容器1Bの断面図を示す。図5に示すように、支持体5Bは、基部5a、壁部5b、突出部5cから構成される箱状の部材である。支持体5Bは、突出部5cから規定される開口部OP2のみを有し、他に開口は有していない。尚、基部5a、壁部5bは、第1の実施の形態におけるものと等しいから説明は省略する。
【0037】
本実施形態においては、支持体5Bは、上述のように、開口部OP2を規定する突出部5cを有する。突出部5cは、壁部5bの頂部から、支持体5Bの内側に向けて延在する板状の部材である。突出部5cは、壁部の構成に対応して、壁部の頂端部分に連なって形成される。これにより、支持体5Bは、包装2の主面2c側に、矩形状の開口部OP2を有することになる。なお、支持体5Bが有する開口部OP2は、突出部5cの端部の間と等しい。尚、第1の実施の形態と同様に、支持体5Bは、軽量なプラスチック容器を採用するとよい。
【0038】
本実施の形態の場合でも、第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、支持体5Bの表面上には、包装2の内面が密着した状態で配置される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Bを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0039】
また、本実施形態における支持体5Bにおいては、突出部5cを有する。これにより、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は十分に確保される。また、容器1Bの形状は、より安定になるとともに、容器1Bの内部に充填された液体が、支持体5Bと包装2との間に漏れることも抑制される。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について、図7、図8を用いて説明する。図7は、本実施形態にかかる容器1Cの断面図である。図8は、支持体5Cの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Cを採用した点である。
【0041】
図7に、本実施形態にかかる容器1Cの断面図を示す。図7に示すように、支持体5Cは、基部5a、壁部5b、から構成される器状の部材である。但し、第1の実施形態とは異なり、基部5aは、ウェットティッシュ4の上に配置される。また、基部5aには、開口部OP2が形成される。
【0042】
図7に示すように、支持体5Cの基部5aは、平板状の部材であって、ウェットティッシュ4の上方に配置される。また、基部5aには、ウェットティッシュ4の取出し口として機能する開口部OP2が形成される。開口部OP2は、容器1Cの開口部OPに対応する。尚、第1の実施の形態と同様に、壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材であり、積層されたウェットティッシュ4の周囲の全体を囲むように配置される。また、第1の実施の形態と同様に、支持体5Cは、軽量なプラスチック容器を採用するとよい。
【0043】
本実施形態でも、包装2は、支持体5Cにより好適に支持される。つまり、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Cを被覆する。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。支持体5Cでは、基部5aは、積層されたウェットティッシュ4の上面に配置される。これにより、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は十分に確保される。
【0044】
また、本実施形態における支持体5Cにおいては、基部5aに開口部OP1が形成され、基部5a上に包装2が密着して配置される。かかる構成により、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は、より十分に確保される。
【0045】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について、図9、10を用いて説明する。図9は、本実施形態にかかる容器1Dの断面図である。図10は、支持体5Dの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Dを採用した点である。
【0046】
図9に、本実施形態にかかる容器1Dの断面図を示す。図9に示すように、支持体5Dは、壁部5bを有する。壁部5bは、板状の部材で構成される。支持体5Dは、壁部5bが連なって構成された枠状の部材である(図9及び図10を併せて参照のこと)。尚、支持体5Dは、内部にウェットティッシュ4の束を収納するための空間を有する。また、壁部5bの高さは、積層されたウェットティッシュ4の高さよりも高い。また、支持体5Cの開口部OP2は、対向する壁部5bにより規定される。開口部OP2は、容器1Dの開口部OPに対応する。
【0047】
本実施形態では、支持体5Dは、連なった壁部5bにより枠状に構成され、積層されたウェットティッシュ4を囲むように配置される。かかる場合でも、包装2は、支持体5Cにより好適に支持される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2は、引っ張られた状態で、支持体5Cを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cを平坦に保つことができる。本実施形態においては、容器1の軽量化の観点又は製造コストの観点からメリットが見込まれる。
【0048】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、本実施形態にかかる容器1Eの断面図である。図12は、容器1Eの上面図である。
【0049】
図11に示すように、本実施形態では、ラベル3に代えて、開閉可能な蓋(蓋部)20を有する。蓋20は、包装2の主面2c上に配置される。例えば、蓋20は、接着剤などにより包装2の主面2c上に固定される。
【0050】
図12に示すように、蓋20は、基部21と扉部22を有する。基部21は、包装2の主面2cに取り付けられる部分である。扉部22は、開閉可能に基部21に取り付けられる。なお、ここでは、基部21と扉部22は、一体として構成される。
【0051】
本実施形態の場合にも、第2の実施の形態の場合と同様に、包装2は、支持体5Bにより張った状態にある。よって、蓋20を、包装2の主面2cに取り付ける際には、包装2が弛むことはない。よって、蓋20と包装2との間に隙間が形成されることが抑制され、容器1に収納されるウェットティッシュ4の品質が劣化することが抑制される。
【0052】
〔バリエーションについて〕
次に、上述の実施の形態に含まれる支持体のバリエーションについて、図13を用いて説明する。また、容器に収納される内容物のバリエーションについて、図14を用いて説明する。
【0053】
図13(a)に、支持体5Eを示す。支持体5Eは、上述の支持体5Bの構成と略等しい構成である。しかしながら、支持体5Bは、分離線L1を境として、上部50、下部51とに完全に分離可能に構成される。なお、上部50は、支持体5Eの蓋部分を構成する。下部51は、支持体5Eの本体部分を構成する。尚、下部51は、上述の支持体5Aの構成と等しい。
【0054】
かかる構成によれば、上部50を下部51から分離させたうえで、ウェットティッシュ4を支持体5Eの下部51の面上に載置することができる。よって、ウェットティッシュ4を載置する工程を簡略化することができる。
【0055】
図13(b)に、支持体5Fを示す。支持体5Fは、上述の支持体5Eの構成と略等しい。しかしながら、上部50は、下部51に、開閉可能に取り付けられる。このような構成によっても、下部51に対して上部50を開いた状態とさせれば、ウェットティッシュ4を支持体5Fの下部51の底面上に載置することができる。よって、ウェットティッシュ4を載置する工程を簡略化することができる。なお、上部50の長辺と下部51の長辺とを固定することにより、上部50を下部51に開閉可能に取り付けても良い。また、上部50の短辺と下部51の短辺とを固定することにより、上部50を下部51に開閉可能に取り付けても良い。これらの事項は、使用する製造装置に応じて、適宜、決定すればよい。
【0056】
図13(c)に、支持体5Gを示す。支持体5Gは、基部5a、壁部5b(5b1、5b2)を有する。支持体5Gの場合には、壁部5bは、基部5aに載置されるウェットティッシュ4の周囲の一部に設けられ、ウェットティッシュ4の周囲の全部に設けられない。このような場合であっても、包装2は、支持体5Gにより好適に支持される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2は、引っ張られた状態で、支持体5Gを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0057】
なお、基部5aは、平板状の部材である。壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材である。壁部5bは、基部5aの主面に、壁部(第1壁部)5b1、壁部(第2壁部)5b2を有する。壁部5b1と壁部5b2とは、対向した位置に配置される。なお、包装2の端部2aは壁部5b1側に配置され、包装2の端部2bは壁部5b2側に配置される。これにより、包装2は、壁部5b1と壁部5b2とにより好適に支持される。また、壁部5b1の高さは、基部5aから見て等しく、実質的に平坦に構成される。壁部5b2についても同様である。これにより、包装2による支持体5Gのパッケージングを好適に行うことができる。なお、壁部5b1の高さと壁部5b2の高さとは、基部5aからみて必ずしも等しく設定される必要はない。
【0058】
上述のように、支持体の具体的な形状は任意であり、他にも様々な形状とすることができる。ただし、支持体として器状の部材を用いれば、当然、容器に収納される内容物を載置しやすくなる。また、支持体として器状の部材を用いれば、器状の内部に過剰に液体を充填することもでき、長期保存用の内容物に適した容器とすることができる。
【0059】
また、容器内に収納される内容物は、ウェットティッシュに例示されるような湿潤材に限られることはない。すなわち、図14に示すように、クッキー30、キャンディー31、洋菓子32であっても構わない。図14に例示したもののほか、容器は、使い捨ての医療用の用具等他の様々なものを収納することが可能である。
【0060】
本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態及び上述したバリエーションに限定されない。すなわち、上述のように、支持体の具体的な形状は任意である。また、収納する内容物は、例示したもの以外であっても構わない。容器に設けられる開口部の形状は、容器の内部に収納される内容物に応じて適宜変更可能である。すなわち、円状の開口であってもよいし、矩形状の開口であっても良いし、その他の形状の開口であっても構わない。また、容器自体の形状も、立方体状の形状に限られない。用途に応じて、他の様々な形状を採用することができる。包装を構成する材料とラベルを構成する材料とは、異なる材料であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】容器1Aの概略的な斜視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる容器1AのX点とX点とを結ぶラインに沿う概略的な断面図である。
【図3】支持体5Aの概略的な斜視図である。
【図4】ウェットティッシュ4が減少した場合の概略的な断面図である。
【図5】第2の実施の形態にかかる容器1Bの概略的な断面図である。
【図6】支持体5Bの概略的な斜視図である。
【図7】第3の実施の形態にかかる容器1Cの概略的な断面図である。
【図8】支持体5Cの概略的な斜視図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる容器1Dの概略的な断面図である。
【図10】支持体5Dの概略的な斜視図である。
【図11】第4の実施の形態にかかる容器1Eの概略的な断面図である。
【図12】第4の実施の形態にかかる容器1Eの概略的な上面図である。
【図13】支持体5E〜5Gの概略的な斜視図である。
【図14】内容物のバリエーションを説明するための断面図である。
【図15】従来の容器500を説明するための説明図である。
【図16】従来の容器600を説明するための説明図である。
【図17】従来の容器700を説明するための説明図である。
【図18】従来の容器700の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1A〜1E 容器
OP 開口部
OP1 開口部
OP2 開口部
2 包装
2a 端部
2b 端部
3 ラベル
3a 端部
3b 端部
4 ウェットティッシュ
5A〜5H 支持体
5a 基部
5b 壁部
5c 突出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開口部を介して内容物が取出し又は取り入れ可能に構成された容器について、様々なタイプのものが開発されている。
【0003】
図15に、従来の容器500の説明図を示す。なお、容器500は、菓子類を封入する容器であるものとする。図11に示すように、容器500は、トレー502、袋503、を有する。トレー502には、菓子501が載置される。袋503は、トレー502を被覆し、菓子501を包み込む。
【0004】
図15に模式的に示すように、商品の購入者が袋503を開封してしまうと、袋503は密封していた状態に復元されることは困難となる。よって、商品の購入者は、一度袋503を開封した後は、速やかに菓子501を食べる必要がある。
【0005】
図16に、従来の他の容器600の説明図を示す。なお、容器600は、菓子類を封入する容器であるものとする。図16に示すように、容器600は、トレー602、袋603、を有する。トレー602には、菓子601が載置される。袋603は、トレー602を被覆し、菓子601を包み込む。
【0006】
容器600の場合、袋603の取出し口に、チャック604が取り付けられている。よって、商品の購入者は、一度袋603を開封した後も、チャック604を閉めた状態とすることにより、袋603内部の気密性を確保することができる。但し、菓子601を取り出すためには、袋603からトレー602を取り出す必要がある。
【0007】
ここで、図17を用いて、湿潤材(例えば、ウェットティッシュ等)を収納する従来の容器700について説明する。図17に示すように、容器700は、ウェットティッシュ701、ウェットティッシュ701を収納する袋702、密閉用のシート703を有する。ウェットティッシュ701は、幾層にも重ねあわされた状態で、容器700に収納される。
【0008】
容器700では、シート703が開けられることにより露出する開口を介して、容器700内のウェットティッシュ701は取り出される。また、シート703が閉じられることにより開口を閉じた状態とし、容器700の密閉性を確保する。なお、図12には、商品の購入者がウェットティッシュ701を消費する前の状態が示されている。このときのウェットティッシュ701の束の厚みをT1とする。
【0009】
次に、図18を用いて、上述の容器700の問題点を説明する。尚、袋702は、例えば、軟性のシート部材(ポリエチレン等)であるものとする。ウェットティッシュ701が消費されるに従って、ウェットティッシュ701の束の厚みはT1(図17参照)からT2にまで減少する。ウェットティッシュ701の束の厚みはT2になったとき、袋702は、図17のように張った状態から図18のように弛んだ状態となる。図18のように袋702が弛んだ状態となると、商品の購入者は、密閉用のシート703により、袋702の開口をスムーズに閉じることができない。そして、シート703と袋702との間に隙間が生じてしまうと、内部に封入されたウェットティッシュ701を湿潤状態に保つことが困難となるおそれもある。
【0010】
また、シート703に代えて、硬質の蓋を袋702に取り付ける場合にも、弛んだ状態の袋702に対して硬質の蓋を取り付ける際に、蓋と袋との間に隙間が生じるおそれがある。
【0011】
なお、ウェットティッシュ用の容器としては、特許文献1、特許文献2に記載の容器が開発されている。
【特許文献1】特開2006−117320号公報
【特許文献2】特開2006−282243号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述のように、従来の容器では、蓋と包装との間に隙間が生じるおそれがあり、容器内に収納される内容物の品質が劣化するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる容器は、内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、前記開口部に対応する第1開口部を有し、前記内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、前記開口部に対応する第2開口部を有し、前記内容物を密閉するように前記支持体を被覆するシート状の包装部と、閉じた状態のとき前記開口部を覆い、開いた状態のとき前記開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、を備える。
【0014】
シート状の包装部は、支持体に支持されることにより、張った状態に維持され、弛まない。よって、蓋と包装との間に隙間が生じることを抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
蓋と包装との間に隙間が生じることが抑制され、容器内に収納される内容物の品質が劣化することが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態は、説明の便宜上、簡略化されている。図面は簡略的なものであるから、図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。図面は、もっぱら技術的事項の説明のためのものであり、図面に示された要素の正確な大きさ等は反映していない。同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。さらに、上下左右という方向を示す言葉は、図を正面視した場合を前提として用いるものとする。
【0017】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について、図1〜図4を用いて説明する。尚、図1は、容器1Aの斜視図である。図2は、図1に示したX点とX点とを結ぶラインに沿う容器1Aの概略的な断面図である。図3に支持体5Aの斜視図である。図4は、ウェットティッシュ4が消費された状態を示す断面図である。
【0018】
図1に、第1の実施の形態にかかる容器1Aの斜視図を示す。図1に示すように、容器1Aは、シート状の包装(包装部)2、ラベル(蓋部)3を有するパッケージである。また、容器1Aは、包装2の主面2cに開口部OPを有する。尚、開口部OPは、ラベル3の下の点線で示す領域に設けられる。
【0019】
容器1Aは、包装2が閉じられることで構成される袋状の包装である。容器1Aは、端部2a、端部2b、主面2cを有する。端部2a及び端部2bは、包装2の上下に重ねあわされた部分が熱圧着されることにより形成される。端部2aと主面2cとの間には斜面が形成され、また、端部2bと主面2cとの間にも斜面が形成される。包装2の主面2cは、略平坦に構成される。換言すると、容器1Aは、端部2a、主面2c、端部2bにかけて、リッジ状の形状を有する。
【0020】
容器1Aは、包装2の表面と一致する主面2cにラベル3を有する。換言すると、ラベル3は、包装2の主面2cに取り付けられる。尚、ここでは、ラベル3は、包装2と一体として構成される。
【0021】
ラベル3は、容器1Aの主面2cに伏せられたり、容器1Aの主面2cに倒立させられたりする。ラベル3が伏せた状態(閉じた状態)にあるときには、主面2cに形成された開口部OPは、ラベル3に覆われた状態にある。ラベル3が倒立した状態(開いた状態)にあるとき、主面2cに形成された開口部OPは、ラベル3により覆われずに、容器1Aの表面に露出する。なお、ラベル3は、ラベル3の端部3aが摘まれることにより、上述のように開閉される。
【0022】
図2に、図1に示したX点とX点とを結ぶラインに沿う容器1Aの概略的な断面図を示す。図2に示すように、容器1Aは、包装(包装部)2、ラベル(蓋部)3、ウェットティッシュ(内容物)4、支持体5Aを有する。
【0023】
包装2は、袋状の包装であり、端部2a、端部2b、主面2cを有する。上述のように、端部2a、端部2bは、包装2の熱圧着された部分である。また、主面2cには、容器1Aの開口部OPに対応する開口部OP1が形成される。開口部OP1は、ウェットティッシュ4の取出し口として機能する。尚、包装2は、シート状(膜状)の軟性部材で構成される。換言すると、包装2は、可撓性を有する。また、包装2は、容器1Aの内部を気密に保つため、気密性の材料から構成される。
【0024】
ラベル3は、包装2の主面2cに配置される。ラベル3は、端部3aと端部3bを有する。ラベル3の端部3bは、包装2の主面2cに固定されている。他方、ラベル3の端部3aは、包装2の主面2cに着脱可能に構成される。かかる構成により、ウェットティッシュ4は、開口部OPを介して容器1Aの内部から外部へと取り出されることができる。なお、ラベル3と包装2の主面2cとの密着性を確保するために、対向するラベル3の一面又は包装2の主面2cのいずれか又は双方には接着性のある材料が塗布される。つまり、ラベル3又はラベル3が付着される包装2の領域をシール性の材料で構成しても良い。
【0025】
ラベル3は、包装2と同様に、シート状の軟性部材で構成される。換言すると、ラベル3は、可撓性を有する。ラベル3は、包装2と一体に形成され、包装2と同一の材料から構成される。
【0026】
ウェットティッシュ4は、図2に示すように、包装2の内部に収納される。また、ウェットティッシュ4は、支持体5Aの内部に収納される。ウェットティッシュ4は、湿潤材であり、外気にさらされることにより湿潤性が劣化する。すなわち、ウェットティッシュ4は、外気に触れることにより乾燥してしまう。
【0027】
支持体5Aは、図2に示すように、包装2の内部に収納される。また、支持体5Aは、基部5a、壁部5bから構成される器状の部材である。ここでは、支持体5Aは、プラスチック材料又は加工された紙材料等からなる軽量の容器である。
【0028】
基部5aは、平板状の部材であり、一面(載置面)にウェットティッシュ4が載置される。壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材であり、積層されたウェットティッシュ4の周囲の全体を囲むように配置される。なお、ウェットティッシュ4の積層方向は、容器1Aからウェットティッシュ4が取り出される方向と等しい。また、換言すると、壁部5bは、基部5aの縁部分に連なって形成される。このような構成により、支持体5Aの機械的な強度を確保することもできる。また、壁部5bが連なって形成される基部5aの縁の全域に亘って、壁部5bの高さは実質的に等しく設定される。
【0029】
支持体5Aは、後述するように、ティッシュを湿潤状態とさせるために充填させる液体の受け皿としても機能する。なお、支持体5Aが有する開口部OP2は、壁部5bの内壁の間に等しい。
【0030】
図3に支持体5Aの斜視図を示す。図3に示すように、支持体5Aは、基部5a、壁部5bにより、器状の部材として構成される。
【0031】
なお、支持体5Aの表面には、包装2の内面が密着した状態で配置される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Aを被覆するからである。これにより、支持体5Aのように、器状の部材であっても、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0032】
本実施形態においては、上述のように、包装2の内部に支持体5Aが収納される。これにより、たとえ、ウェットティッシュ4が消費されたとしても、包装2は支持体5Aにより支持され、包装2が弛むことはない(図4を併せて参照のこと)。従って、商品の購入者が、ラベル3を包装2の主面2cに伏せた状態とする場合に、ラベル3と包装2との間に隙間が生じることが抑制される。よって、容器の内部にあるウェットティッシュ4の品質が劣化されることが抑制される。
【0033】
尚、容器1Aは、例えば、次の手順により製造することができる。まず、支持体5Aの内部に、湿潤状態とされる前のティッシュの積層体を載置する。尚、支持体5Aは、上述のように、器状の部材であって、広い開口部OP2を有する。よって、作業主体は、簡易にティッシュを支持体5Aの基部5aの一面に載置できる。
【0034】
次に、支持体5Aの一面に載置されたティッシュに、支持体5Aを器として液体を充填する。このとき、支持体5Aは、器として機能するため、効果的に液体を充填することができる。また、支持体5Aは、ウェットティッシュ4の積層体の厚みよりも高い壁部5bを有する。よって、支持体5Aを器として、十分な量の液体を充填することができる。液体を十分に充填することができるため、長期保存用の容器とすることもできる。次に、ウェットティッシュ4が載置された支持体5Aを、一般的な包装技術(いわゆるピロー包装技術等)に基づいて、包装2で被覆する。そして、包装2の上下に重ねあわされた部分を熱圧着させる。このようにして容器1Aを製造することができる。なお、製造方法については、他の方法も採用することができることは言うまでもない。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について、図5、図6を用いて説明する。図5は、本実施形態にかかる容器1Bの断面図である。図6は、支持体5Bの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Bを採用した点である。
【0036】
図5に、本実施形態にかかる容器1Bの断面図を示す。図5に示すように、支持体5Bは、基部5a、壁部5b、突出部5cから構成される箱状の部材である。支持体5Bは、突出部5cから規定される開口部OP2のみを有し、他に開口は有していない。尚、基部5a、壁部5bは、第1の実施の形態におけるものと等しいから説明は省略する。
【0037】
本実施形態においては、支持体5Bは、上述のように、開口部OP2を規定する突出部5cを有する。突出部5cは、壁部5bの頂部から、支持体5Bの内側に向けて延在する板状の部材である。突出部5cは、壁部の構成に対応して、壁部の頂端部分に連なって形成される。これにより、支持体5Bは、包装2の主面2c側に、矩形状の開口部OP2を有することになる。なお、支持体5Bが有する開口部OP2は、突出部5cの端部の間と等しい。尚、第1の実施の形態と同様に、支持体5Bは、軽量なプラスチック容器を採用するとよい。
【0038】
本実施の形態の場合でも、第1の実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、支持体5Bの表面上には、包装2の内面が密着した状態で配置される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Bを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0039】
また、本実施形態における支持体5Bにおいては、突出部5cを有する。これにより、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は十分に確保される。また、容器1Bの形状は、より安定になるとともに、容器1Bの内部に充填された液体が、支持体5Bと包装2との間に漏れることも抑制される。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について、図7、図8を用いて説明する。図7は、本実施形態にかかる容器1Cの断面図である。図8は、支持体5Cの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Cを採用した点である。
【0041】
図7に、本実施形態にかかる容器1Cの断面図を示す。図7に示すように、支持体5Cは、基部5a、壁部5b、から構成される器状の部材である。但し、第1の実施形態とは異なり、基部5aは、ウェットティッシュ4の上に配置される。また、基部5aには、開口部OP2が形成される。
【0042】
図7に示すように、支持体5Cの基部5aは、平板状の部材であって、ウェットティッシュ4の上方に配置される。また、基部5aには、ウェットティッシュ4の取出し口として機能する開口部OP2が形成される。開口部OP2は、容器1Cの開口部OPに対応する。尚、第1の実施の形態と同様に、壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材であり、積層されたウェットティッシュ4の周囲の全体を囲むように配置される。また、第1の実施の形態と同様に、支持体5Cは、軽量なプラスチック容器を採用するとよい。
【0043】
本実施形態でも、包装2は、支持体5Cにより好適に支持される。つまり、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2が引っ張られた状態で、支持体5Cを被覆する。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。支持体5Cでは、基部5aは、積層されたウェットティッシュ4の上面に配置される。これにより、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は十分に確保される。
【0044】
また、本実施形態における支持体5Cにおいては、基部5aに開口部OP1が形成され、基部5a上に包装2が密着して配置される。かかる構成により、支持体5Aと比べて、包装2の主面2cの平坦性は、より十分に確保される。
【0045】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について、図9、10を用いて説明する。図9は、本実施形態にかかる容器1Dの断面図である。図10は、支持体5Dの斜視図である。第1の実施の形態と異なる点は、支持体5Aに代えて、支持体5Dを採用した点である。
【0046】
図9に、本実施形態にかかる容器1Dの断面図を示す。図9に示すように、支持体5Dは、壁部5bを有する。壁部5bは、板状の部材で構成される。支持体5Dは、壁部5bが連なって構成された枠状の部材である(図9及び図10を併せて参照のこと)。尚、支持体5Dは、内部にウェットティッシュ4の束を収納するための空間を有する。また、壁部5bの高さは、積層されたウェットティッシュ4の高さよりも高い。また、支持体5Cの開口部OP2は、対向する壁部5bにより規定される。開口部OP2は、容器1Dの開口部OPに対応する。
【0047】
本実施形態では、支持体5Dは、連なった壁部5bにより枠状に構成され、積層されたウェットティッシュ4を囲むように配置される。かかる場合でも、包装2は、支持体5Cにより好適に支持される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2は、引っ張られた状態で、支持体5Cを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cを平坦に保つことができる。本実施形態においては、容器1の軽量化の観点又は製造コストの観点からメリットが見込まれる。
【0048】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について、図11及び図12を用いて説明する。図11は、本実施形態にかかる容器1Eの断面図である。図12は、容器1Eの上面図である。
【0049】
図11に示すように、本実施形態では、ラベル3に代えて、開閉可能な蓋(蓋部)20を有する。蓋20は、包装2の主面2c上に配置される。例えば、蓋20は、接着剤などにより包装2の主面2c上に固定される。
【0050】
図12に示すように、蓋20は、基部21と扉部22を有する。基部21は、包装2の主面2cに取り付けられる部分である。扉部22は、開閉可能に基部21に取り付けられる。なお、ここでは、基部21と扉部22は、一体として構成される。
【0051】
本実施形態の場合にも、第2の実施の形態の場合と同様に、包装2は、支持体5Bにより張った状態にある。よって、蓋20を、包装2の主面2cに取り付ける際には、包装2が弛むことはない。よって、蓋20と包装2との間に隙間が形成されることが抑制され、容器1に収納されるウェットティッシュ4の品質が劣化することが抑制される。
【0052】
〔バリエーションについて〕
次に、上述の実施の形態に含まれる支持体のバリエーションについて、図13を用いて説明する。また、容器に収納される内容物のバリエーションについて、図14を用いて説明する。
【0053】
図13(a)に、支持体5Eを示す。支持体5Eは、上述の支持体5Bの構成と略等しい構成である。しかしながら、支持体5Bは、分離線L1を境として、上部50、下部51とに完全に分離可能に構成される。なお、上部50は、支持体5Eの蓋部分を構成する。下部51は、支持体5Eの本体部分を構成する。尚、下部51は、上述の支持体5Aの構成と等しい。
【0054】
かかる構成によれば、上部50を下部51から分離させたうえで、ウェットティッシュ4を支持体5Eの下部51の面上に載置することができる。よって、ウェットティッシュ4を載置する工程を簡略化することができる。
【0055】
図13(b)に、支持体5Fを示す。支持体5Fは、上述の支持体5Eの構成と略等しい。しかしながら、上部50は、下部51に、開閉可能に取り付けられる。このような構成によっても、下部51に対して上部50を開いた状態とさせれば、ウェットティッシュ4を支持体5Fの下部51の底面上に載置することができる。よって、ウェットティッシュ4を載置する工程を簡略化することができる。なお、上部50の長辺と下部51の長辺とを固定することにより、上部50を下部51に開閉可能に取り付けても良い。また、上部50の短辺と下部51の短辺とを固定することにより、上部50を下部51に開閉可能に取り付けても良い。これらの事項は、使用する製造装置に応じて、適宜、決定すればよい。
【0056】
図13(c)に、支持体5Gを示す。支持体5Gは、基部5a、壁部5b(5b1、5b2)を有する。支持体5Gの場合には、壁部5bは、基部5aに載置されるウェットティッシュ4の周囲の一部に設けられ、ウェットティッシュ4の周囲の全部に設けられない。このような場合であっても、包装2は、支持体5Gにより好適に支持される。これは、包装2の端部2a、端部2bが熱圧着等により形成される際に、包装2は、引っ張られた状態で、支持体5Gを被覆するからである。これにより、効果的に、包装2の主面2cが平坦に保たれる。
【0057】
なお、基部5aは、平板状の部材である。壁部5bは、基部5aの縁部分からウェットティッシュ4の積層方向に延在する板状の部材である。壁部5bは、基部5aの主面に、壁部(第1壁部)5b1、壁部(第2壁部)5b2を有する。壁部5b1と壁部5b2とは、対向した位置に配置される。なお、包装2の端部2aは壁部5b1側に配置され、包装2の端部2bは壁部5b2側に配置される。これにより、包装2は、壁部5b1と壁部5b2とにより好適に支持される。また、壁部5b1の高さは、基部5aから見て等しく、実質的に平坦に構成される。壁部5b2についても同様である。これにより、包装2による支持体5Gのパッケージングを好適に行うことができる。なお、壁部5b1の高さと壁部5b2の高さとは、基部5aからみて必ずしも等しく設定される必要はない。
【0058】
上述のように、支持体の具体的な形状は任意であり、他にも様々な形状とすることができる。ただし、支持体として器状の部材を用いれば、当然、容器に収納される内容物を載置しやすくなる。また、支持体として器状の部材を用いれば、器状の内部に過剰に液体を充填することもでき、長期保存用の内容物に適した容器とすることができる。
【0059】
また、容器内に収納される内容物は、ウェットティッシュに例示されるような湿潤材に限られることはない。すなわち、図14に示すように、クッキー30、キャンディー31、洋菓子32であっても構わない。図14に例示したもののほか、容器は、使い捨ての医療用の用具等他の様々なものを収納することが可能である。
【0060】
本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態及び上述したバリエーションに限定されない。すなわち、上述のように、支持体の具体的な形状は任意である。また、収納する内容物は、例示したもの以外であっても構わない。容器に設けられる開口部の形状は、容器の内部に収納される内容物に応じて適宜変更可能である。すなわち、円状の開口であってもよいし、矩形状の開口であっても良いし、その他の形状の開口であっても構わない。また、容器自体の形状も、立方体状の形状に限られない。用途に応じて、他の様々な形状を採用することができる。包装を構成する材料とラベルを構成する材料とは、異なる材料であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】容器1Aの概略的な斜視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる容器1AのX点とX点とを結ぶラインに沿う概略的な断面図である。
【図3】支持体5Aの概略的な斜視図である。
【図4】ウェットティッシュ4が減少した場合の概略的な断面図である。
【図5】第2の実施の形態にかかる容器1Bの概略的な断面図である。
【図6】支持体5Bの概略的な斜視図である。
【図7】第3の実施の形態にかかる容器1Cの概略的な断面図である。
【図8】支持体5Cの概略的な斜視図である。
【図9】第3の実施の形態にかかる容器1Dの概略的な断面図である。
【図10】支持体5Dの概略的な斜視図である。
【図11】第4の実施の形態にかかる容器1Eの概略的な断面図である。
【図12】第4の実施の形態にかかる容器1Eの概略的な上面図である。
【図13】支持体5E〜5Gの概略的な斜視図である。
【図14】内容物のバリエーションを説明するための断面図である。
【図15】従来の容器500を説明するための説明図である。
【図16】従来の容器600を説明するための説明図である。
【図17】従来の容器700を説明するための説明図である。
【図18】従来の容器700の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0062】
1A〜1E 容器
OP 開口部
OP1 開口部
OP2 開口部
2 包装
2a 端部
2b 端部
3 ラベル
3a 端部
3b 端部
4 ウェットティッシュ
5A〜5H 支持体
5a 基部
5b 壁部
5c 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、
前記開口部に対応する第1開口部を有し、前記内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、
前記開口部に対応する第2開口部を有し、前記内容物を密閉するように前記支持体を被覆するシート状の包装部と、
閉じた状態のとき前記開口部を覆い、開いた状態のとき前記開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、
を備える容器。
【請求項2】
前記蓋部が閉じたとき、前記内容物は前記容器内に実質的に密閉されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記容器に収納される前記内容物は、外気により品質が劣化する物であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の容器。
【請求項4】
前記蓋部は、シート状の部材から構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項5】
前記蓋部は、前記包装部と一体に構成されることを特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記蓋部は、硬質材料から構成され、
開閉可能に構成された扉部と、
前記扉部が係止され、前記包装部上に配置された基部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項7】
前記支持体は、前記壁部が連なって形成された枠状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項8】
前記支持体は、枠状に構成された前記壁部、枠状の前記壁部が設けられた基部、を含む器状の部材として構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項9】
前記基部は、前記内容物が載置される面又は前記第1開口部が形成される面を有することを特徴とする請求項8記載の容器。
【請求項10】
前記支持体は、
前記壁部の頂端から前記基部の内側方向に延在する突出部、をさらに含む箱状の部材として構成され、
前記第1開口部は、対向する前記突出部の端部により規定されることを特徴とする請求項8記載の容器。
【請求項11】
前記包装部は、圧着された第1端部及び第2端部を備え、
前記第1端部と前記第2端部とは、前記支持体を挟んで対向する位置にあり、
前記包装部は、前記第1端部、当該包装部の主面、前記第2端部、により、リッジ状に構成される部分を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項1】
内容物の取出し又は取り入れ用の開口部を有する容器であって、
前記開口部に対応する第1開口部を有し、前記内容物の周囲の全部又は一部に設けられた壁部を有する支持体と、
前記開口部に対応する第2開口部を有し、前記内容物を密閉するように前記支持体を被覆するシート状の包装部と、
閉じた状態のとき前記開口部を覆い、開いた状態のとき前記開口部が露出するように構成されるとともに、前記包装部に取り付けられた蓋部と、
を備える容器。
【請求項2】
前記蓋部が閉じたとき、前記内容物は前記容器内に実質的に密閉されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記容器に収納される前記内容物は、外気により品質が劣化する物であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の容器。
【請求項4】
前記蓋部は、シート状の部材から構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項5】
前記蓋部は、前記包装部と一体に構成されることを特徴とする請求項4記載の容器。
【請求項6】
前記蓋部は、硬質材料から構成され、
開閉可能に構成された扉部と、
前記扉部が係止され、前記包装部上に配置された基部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項7】
前記支持体は、前記壁部が連なって形成された枠状の部材を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項8】
前記支持体は、枠状に構成された前記壁部、枠状の前記壁部が設けられた基部、を含む器状の部材として構成されることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項9】
前記基部は、前記内容物が載置される面又は前記第1開口部が形成される面を有することを特徴とする請求項8記載の容器。
【請求項10】
前記支持体は、
前記壁部の頂端から前記基部の内側方向に延在する突出部、をさらに含む箱状の部材として構成され、
前記第1開口部は、対向する前記突出部の端部により規定されることを特徴とする請求項8記載の容器。
【請求項11】
前記包装部は、圧着された第1端部及び第2端部を備え、
前記第1端部と前記第2端部とは、前記支持体を挟んで対向する位置にあり、
前記包装部は、前記第1端部、当該包装部の主面、前記第2端部、により、リッジ状に構成される部分を含むことを特徴とする請求項1記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−114884(P2008−114884A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299416(P2006−299416)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(506369933)有限会社あんど企画 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(506369933)有限会社あんど企画 (8)
【Fターム(参考)】
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