説明

内容物放出用ボタンならびにこの内容物放出用ボタンを備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品

【課題】利用者が把持しやすい、エアゾール式製品およびポンプ式製品に取り付けられる内容物放出用ボタンを提供する。
【解決手段】ステムから取り外す際につかみやすくするため、つかむ部分を薄肉部分5cとしてへこみやすくした。外側筒状部5bは全てを薄肉状にしてあるのではなく、周方向に厚肉部分5dと薄肉部分5cとからなるような態様で成形してある。特に厚肉部分5dはステムに取り付けられる内側筒状部5aと連結用リブ5fで接続されているので変形しにくく、当該厚肉部分に挟まれた薄肉部分5cの、通常の把持されていない状態でのぶれをおさえて、外側筒状部5bの下端がマウンティングキャップ2に接触しにくい。また、外側筒状部の下端側の周方向の全体を厚肉部分とし、続く上側のつかむ部分を含む部分を薄肉部分とした内容物放出用ボタンも開示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール式製品およびポンプ式製品に取り付けられる内容物放出用ボタンに関し、特に内容物放出用ボタンを必要に応じてステムから取り外しやすい態様にしたものである。
【0002】
一般にエアゾール式製品およびポンプ式製品のステムに取り付けられた状態で使用される内容物放出用ボタンは、当該ステムや当該ボタンそれぞれの内容物通路部分の目詰まりなどをチェックしたり、ガス抜きモードを設定したりするなどの場合に、ステムから比較的簡単に取り外せることが望ましく、本発明はこのような要請に、操作ボタン部分の工夫により応えるものである。
【背景技術】
【0003】
エアゾール式製品を略使いきった後のガス抜きモードへの移行動作に際して、内容物放出用ボタンをステムから取り外すタイプのものがある。
【0004】
ここで、内容物放出用ボタンはステムに嵌合している内側筒状部とその外側筒状部とを有しており、当該ボタンを容器(ステム)から取り外すためには、利用者が内容物放出用ボタンの外側筒状部の外周面部分をいわば把持して持上げなければならない。
【0005】
そこでこの把持作業を簡単・確実に行えるように、押しボタンの(把持対象となる)外側筒状部を、薄肉部分と厚肉部分とで形成して利用者が当該外側筒状部を掴んだときの押圧作用で変形しやすい形のものにする、ことが提案されている。(特許文献1参照)。
【0006】
この薄肉部分および厚肉部分は、押しボタン(内容物放出用ボタン)の外側筒状部の周方向に交互に形成され、それぞれ外側筒状部の高さ方向の全体にわたっている。
【0007】
また、押しボタンの内側筒状部と外側筒状部との間には補強リブ(連結用リブ)が接続され、当該補強リブの外側筒状部との接続部分は薄肉部分となっている。
【特許文献1】実用新案登録第3130193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の薄肉部分および厚肉部分からなる外側筒状部を持つ押しボタン(内容物放出用ボタン)の場合、内側筒状部と外側筒状部との間の補強リブが(外側筒状部の)当該薄肉部分に接続されている。
【0009】
そのため、利用者が押しボタン(外側筒状部)の薄肉部分を押圧したとしても、補強リブの存在により当該薄肉部分に対する変形・把持作用があまり期待できず、押しボタンの取外し操作の利便性にかけるという問題点があった。
【0010】
また、薄肉部分が外側筒状部の下端部分まで設定されているので、通常の一体成形された合成樹脂製の押しボタンなどは、利用者からの押圧操作を受けていない状態でもこの下端側がゆがみやすい。
【0011】
そのため、上記特許文献で示されるような、外側筒状部の外周面部分がマウンティングキャップ凹状部の起立周面部分と接近する形でステムに取り付けた状態で使用されるタイプの押しボタン(内容物放出用ボタン)の場合、この外側筒状部のゆがんだ下端部分が当該起立周面部分と接触して、当該押しボタンのステムへの取付けや上下方向への移動の阻害要因になりかねない、などの問題点があった。
【0012】
そこで本発明では、ステムに取り付けられる内容物放出用ボタンについて、
(11)外側筒状部の周方向に薄肉部分と厚肉部分とを個々に形成する場合、
・内側筒状部との連結用リブを、外側筒状部の押圧把持対象となる薄肉部分には接続しない(厚肉部分に接続する)、
・さらには、内容物放出用の開口部の上下方向などに続く部分については薄肉部分を形成しない(厚肉部分のみを形成する)、
(12)外側筒状部の下端側の全体を厚肉部分で形成し、利用者の押圧把持対象となる薄肉部分を当該厚肉部分の上側に続く態様で形成する、
などにより、
(a)利用者の薄肉部分(外側筒状部)への押圧把持作用を確実なものにする、
(b)それまでの放出動作によって内容物が付着している可能性がある放出口付近を避ける形で利用者が外側筒状部の薄肉部分を押圧把持できるようにする、
(c)外側筒状部の下端部分のゆがみを抑えて当該下端部分とマウンティングキャップとのいわばひっかかり状態の発生を防止する、
などして、利用者が内容物放出用ボタンを把持して持上げるなどによりステムから取外すときの操作性,利便性を向上させるとともに、内容物放出用ボタンおよびステムの一体動作の円滑化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以上の課題を次の内容物放出用ボタンを用いて解決する。
(1)容器内容物の放出作動用のステム(例えば後述のステム4)に取り付けられる内側筒状部(例えば後述の内側筒状部5a)と、その外側筒状部(例えば後述の外側筒状部5b)とが一体化され、かつ、当該内側筒状部および当該外側筒状部の間に連結用リブ(例えば後述の連結用リブ5f)が形成された内容物放出用ボタンにおいて、
前記外側筒状部の周方向に厚肉部分(例えば後述の厚肉部分5d)と薄肉部分(例えば後述の薄肉部分5c)とが、少なくとも当該薄肉部分は取外し操作用の対向範囲を含む態様で形成され、
前記連結用リブは、前記外側筒状部に対し、前記厚肉部分のみで接続されている、
ものに設定する。
(2)上記(1)において、
前記外側筒状部は、内容物放出用の開口部(例えば後述の開口部5j)を有し、当該開口部に続く部分が前記厚肉部分で形成されている、
ものに設定する。
(3)容器内容物の放出作動用のステム(例えば後述のステム4)に取り付けられる内側筒状部(例えば後述の内側筒状部5a)と、その外側筒状部(例えば後述の外側筒状部5b’)とが一体化された内容物放出用ボタンにおいて、
前記外側筒状部は、その下端側の周方向の全体が厚肉部分(例えば後述の厚肉部分5d’)で形成され、当該厚肉部分に続く上側には取外し操作用の対向範囲を含む態様の薄肉部分(例えば後述の薄肉部分5c’)が形成されている、
ものに設定する。
【0014】
本発明は、このような構成からなる内容物放出機構ならびに、この内容物放出機構を備えたエアゾール式製品およびポンプ式製品を対象としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、このように、ステムに取り付けられる内容物放出用ボタンについて、その外側筒状部の周方向に薄肉部分と厚肉部分とを個々に形成し、内側筒状部との連結用リブを押圧把持対象となる当該薄肉部分には接続せずに、さらには内容物放出用の開口部の上下方向などに続く部分については当該薄肉部分を形成しない態様にしている。
【0016】
そのため、利用者からの外側筒状部(薄肉部分)への押圧変形,把持作用を確実なものにし、さらにはそれまでの放出動作によって内容物が付着している可能性がある放出口付近を避ける形で利用者が外側筒状部の薄肉部分を押圧することができる。
【0017】
また、ステムに取り付けられる内容物放出用ボタンについて、外側筒状部の下端側の全体を厚肉部分で形成し、利用者の押圧把持対象となる薄肉部分を当該厚肉部分の上側に続く態様で形成する態様にしている。
【0018】
そのため、外側筒状部の下端部分のゆがみを抑えて当該下端部分とマウンティングキャップとのいわばひっかかり状態の発生を防止することができる。
【0019】
結果として、利用者が内容物放出用ボタンをステムから取外すときの操作性,利便性を向上させるとともに、内容物放出用ボタンおよびステムの一体動作の円滑化を図れることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1乃至図4を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0021】
上述したように、本発明の内容物放出用ボタンはエアゾール式製品およびポンプ式製品に適用される、すなわちこれら各製品における内容物放出用ボタンとして作用するものであるが、以下の記載では単なる説明の便宜上、エアゾール式製品を前提とする。
【0022】
ここで、
図1は、外側筒状部の周方向にそれぞれ二個の(下端部分までの範囲の)薄肉部分と厚肉部分とを形成した内容物放出用ボタン(噴射用ボタン)を示し、
図2は、図1の内容物放出用ボタンの薄肉部分を利用者が押圧して把持した状態を示し、
図3は、外側筒状部の下端側部分の全体を厚肉部分とし、その上側の全体を薄肉部分として形の内容物放出用ボタン(噴射用ボタン)を示し、
図4は、図3の内容物放出用ボタンの薄肉部分を利用者が押圧して把持した状態を示している。
【0023】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば内側筒状部5a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば噴射用ボタン5)の一部であることを示している。
【0024】
図1〜図4において、
1は後述するような各種内容物および内容物噴射用ガスを収納した周知の容器本体,
2は容器本体1の開口端側部分にクリンチ固定された周知のマウンティングキャップ,
3はマウンティングキャップ2の中央開口部の内側部分に固定(クリンチ)された周知のハウジング,
4はバルブ機構の構成要素であってその下側部分がハウジング3の内部に収容された形のステム,
5はステム4に取り付けられた噴射用ボタン(図1,図2参照),
5’はステム4に取り付けられた噴射用ボタン(図3,図4参照),
5aはステム4の上端側筒状部の外周面部分と嵌合する内側筒状部,
5bは噴射用ボタン5をステム4から取外すときに利用者が外周面を押圧して把持する外側筒状部(図1,図2参照),
5b’は噴射用ボタン5’をステム4から取外すときに利用者が外周面を押圧して把持する外側筒状部(図3,図4参照),
5cは外側筒状部5bの周方向の互いに対向する所定幅域に形成された薄肉部分(図1,図2参照),
5dは薄肉部分5c同士の間に形成された厚肉部分(図1,図2参照),
5c’は外側筒状部5b’の上側全体を構成する薄肉部分(図3,図4参照),
5d’は当該厚肉部分に続く下側全体を構成する厚肉部分(図3,図4参照),
5eは作動モード設定の際の押下げ操作面として作用する上面部,
5fは内側筒状部5aの(後述の環状横通路5gとは反対側の)外周面上部分と、外側筒状部5bの厚肉部分5dの内周面上部分とを当該環状横通路の略長手方向に延びる態様で接続し、上面部5eともつながって補強性能を呈する連結用リブ(図1,図2参照),
5f’は内側筒状部5aの(後述の環状横通路5gとは反対側の)外周面上部分と、外側筒状部5b’の薄肉部分5c’の内周面とを当該環状横通路の略長手方向に延びる態様で接続し、上面部5eともつながって、補強性能を呈する連結用リブ(図3,図4参照),
5gはステム4の下流側に続く内容物通過用の縦通路,
5hは当該縦通路の下流側に続く内容物通過用の環状横通路,
5jは当該環状横通路の下流側に続く開口部,
5kは環状横通路5hの外側周面部分に嵌合する形で噴射用ボタン5,5’に取り付けられた鞘状の噴孔部材,
5mは当該噴孔部材の底面中央部分に形成された内容物噴射用の孔部(噴孔),
L1は薄肉部分5cが形成されている周方向範囲(図1,図2参照),
L2は厚肉部分5dが形成されている周方向範囲(図1,図2参照),
H1は薄肉部分5c’が形成されている高さ方向範囲(図3,図4参照),
H2は厚肉部分5d’が形成されている高さ方向範囲(図3,図4参照),
TH1は薄肉部分5c,5c’の厚み(例えば0.4〜0.6mm)
TH2は厚肉部分5d,5d’の厚み(例えば1.0〜3.0mm)
をそれぞれ示している。
【0025】
マウンティングキャップ2はブリキ,アルミニウム,ステンレスなどからなる金属製のものであり、ハウジング3,ステム4,内容物放出用ボタン5や噴孔部材5kはポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。また、容器本体は例えば金属(エアゾール式製品)や合成樹脂(ポンプ式製品)からなっている。
【0026】
図1,図2の噴射用ボタン5の特徴は、
(21)外側筒状部5bをその周方向の薄肉部分5cおよび厚肉部分5dからなる態様で構成し、内側筒状部5aとの間の連結用リブ5fを当該厚肉部分に形成し、
(22)また、内容物の噴孔5mのいわば近隣である開口部5jの周辺域(外側筒状部)を厚肉部分5dで構成した、
ことである。
【0027】
すなわち、利用者が噴射用ボタン5をステム4から取外すときに把持する薄肉部分5cには連結用リブ5fを設けずに、また、当該噴射用ボタンの既使用によって内容物が付着している可能性が高い開口部5jの周辺域を厚肉部分5dで構成し、把持対象の薄肉部分にはしていない。
【0028】
そのため、図2で示すように薄肉部分5cを押圧する利用者は、これを内側に簡単に押圧変形させて確実に把持し、噴射用ボタン5を上方にステム4から引き抜くことができ、また内容物が付着しているかもしれない開口部周辺域を押圧把持する必要もない。
【0029】
図3,図4の噴射用ボタン5’の特徴は、
(31)外側筒状部5b’が、上側全体を構成する薄肉部分5c’と下側全体を構成する厚肉部分5d’とからなっている、
ことである。
【0030】
そのため、合成樹脂製の噴射用ボタン5’の下端部分(厚肉部分5d’)でのゆがみ発生が押えられるので、噴射用ボタンの外側筒状部の下側部分における外径が図示のものより大きくてマウンティングキャップ2の内周面部分に近接するようなタイプの噴射用ボタンにおいても、その外側筒状部(下端部分)とマウンティングキャップ2とのひっかかりなどを防止することができる。
【0031】
利用者が、噴射用ボタン5’をステム4から取外すには、噴射用ボタン5のときと同じように連結用リブ5f’および開口部5jそれぞれの周辺域を避ける態様で外側筒状部5b’の対向する薄肉部分5c’を押圧,把持してから持上げればよい(図4参照)。
【0032】
なお、図示はしていないが、静止モード(=図1,図3)の噴射用ボタン5,5’を押下げ操作した作動モードでは周知のごとく、ステム4のバルブ作用部(孔部)が開いて容器本体の内容物は「当該バルブ作用部−ステム内通路(図示省略)−縦通路5g−環状横通路5h−噴孔5m」の経路により外部空間に噴射される。
【0033】
そして噴射用ボタン5,5’の押下げ操作を止めると、ステム4がハウジング3内部に設置済みのコイルスプリング(図示省略)などの弾性作用により上方向に駆動されて上記バルブ作用部が閉じ、当該噴射用ボタンは静止モードに復帰する。
【0034】
本発明が、図1〜図4に係る内容物放出用ボタンに限定されないことは勿論である。
【0035】
例えば外側筒状部5b’の上側部分を図1,図2と同じように、その周方向の厚肉部分と薄肉部分とで構成するようにしてもよい。
【0036】
また、内容物の噴孔5kが上面部5eに形成されるタイプの噴射用ボタン(上記特許文献1で開示されるボタン)や、押下げ操作ではなく傾け操作により作動するタイプ(チルトタイプ,スパウトタイプなど)の噴射用ボタンにしてもよい。
【0037】
また、噴孔部材5kも含めて1ピース形態となる噴射用ボタンにしてもよい。なお、上述したように本発明の噴射用ボタンはポンプ式製品にも使用される。
【0038】
本発明が適用されるエアゾール式製品またはポンプ式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0039】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0040】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0041】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0042】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0043】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0044】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0045】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0046】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0047】
エアゾール式製品における内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】外側筒状部の周方向にそれぞれ二個の(下端部分までの範囲の)薄肉部分と厚肉部分とを形成した内容物放出用ボタン(噴射用ボタン)を示す説明図である。
【図2】図1の内容物放出用ボタンの薄肉部分を利用者が押圧して把持した状態を示す説明図である。
【図3】外側筒状部の下端側部分の全体を厚肉部分とし、その上側の全体を薄肉部分として形の内容物放出用ボタン(噴射用ボタン)を示す説明図である。
【図4】図3の内容物放出用ボタンの薄肉部分を利用者が押圧して把持した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1:容器本体
2:マウンティングキャップ
3:ハウジング
4:ステム
5:噴射用ボタン(図1,図2参照)
5’:噴射用ボタン(図3,図4参照)
5a:内側筒状部
5b:外側筒状部(図1,図2参照)
5b’:外側筒状部(図3,図4参照)
5c:薄肉部分(図1,図2参照)
5d:厚肉部分(図1,図2参照)
5c’:薄肉部分(図3,図4参照)
5d’:(図3,図4参照)
5e:上面部
5f:連結用リブ(図1,図2参照)
5f’:連結用リブ(図3,図4参照)
5g:縦通路
5h:環状横通路
5j:開口部
5k:噴孔部材
5m:内容物噴射用の孔部(噴孔)
L1:薄肉部分5cが形成されている周方向範囲(図1,図2参照)
L2:厚肉部分5dが形成されている周方向範囲(図1,図2参照)
H1:薄肉部分5c’が形成されている高さ方向範囲(図3,図4参照)
H2:厚肉部分5d’が形成されている高さ方向範囲(図3,図4参照)
TH1:薄肉部分5c,5c’の厚み
TH2:厚肉部分5d,5d’の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内容物の放出作動用のステムに取り付けられる内側筒状部と、その外側筒状部とが一体化され、かつ、当該内側筒状部および当該外側筒状部の間に連結用リブが形成された内容物放出用ボタンにおいて、
前記外側筒状部の周方向に厚肉部分と薄肉部分とが、少なくとも当該薄肉部分は取外し操作用の対向範囲を含む態様で形成され、
前記連結用リブは、前記外側筒状部に対し、前記厚肉部分のみで接続されている、
ことを特徴とする内容物放出用ボタン。
【請求項2】
前記外側筒状部は、内容物放出用の開口部を有し、当該開口部に続く部分が前記厚肉部分で形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出用ボタン。
【請求項3】
容器内容物の放出作動用のステムに取り付けられる内側筒状部と、その外側筒状部とが一体化された内容物放出用ボタンにおいて、
前記外側筒状部は、その下端側の周方向の全体が厚肉部分で形成され、当該厚肉部分に続く上側には取外し操作用の対向範囲を含む態様の薄肉部分が形成されている、
ことを特徴とする内容物放出用ボタン。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の内容物放出作動用の内容物放出用ボタンを備え、かつ、内容物噴射用ガスおよび内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の内容物放出作動用の内容物放出用ボタンを備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−35284(P2009−35284A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200001(P2007−200001)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】